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特開2024-84699ネットワークシステム、携帯情報端末及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084699
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、携帯情報端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240618BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023193427
(22)【出願日】2023-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】石橋 博雄
(72)【発明者】
【氏名】小坂元 学
(72)【発明者】
【氏名】永田 明
(72)【発明者】
【氏名】柿▲崎▼ 佑太
(72)【発明者】
【氏名】赤木 一彦
(72)【発明者】
【氏名】月岡 直樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】条件設定の実施、解除の効率化を図るとともに、ヒューマンエラーを減らせるようにする。
【解決手段】撮像部を備えた携帯情報端末101と、携帯情報端末101と通信可能な情報処理装置102とを備えたネットワークシステムであって、撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段101cと、読取手段101cでコードを読み取った後に、作業者が所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、撮像部を介して所定の機器の操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を情報処理装置102に送信するように制御する制御手段101cと、所定の機器ごとに、遮断、投入の状態と、札掛けの状態とを管理する管理手段103とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を備えた携帯情報端末と、前記携帯情報端末と通信可能な情報処理装置とを備えたネットワークシステムであって、
前記撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、
前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段と、
前記所定の機器ごとに、遮断、投入の状態と、札掛けの状態とを管理する管理手段とを備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記撮像部から出力される画像に基づいて、前記所定の機器の遮断、投入の状態を判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記撮像部から出力される画像において、前記読取手段で読み取った前記コードを追尾するトラッキング手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記作業者により指定された前記所定の機器と、前記読取手段で読み取った前記コードで識別される前記所定の機器とが一致する場合、撮影を可能にする撮影モードを起動させる起動手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記札に、前記コードに対応させたコードが設けられており、
前記撮像部から出力される画像上の前記札に設けられた前記コードと、前記読取手段で読み取った前記コードとを照合する照合手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記管理手段は、札掛けの実施及び札外しの実施に応じて前記携帯情報端末側で設定される札掛けの状態と、前記情報処理装置側で設定される札掛けの状態とを管理することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
情報処理装置と通信可能な携帯情報端末であって、
撮像部と、
前記撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、
前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項8】
情報処理装置と通信可能な携帯情報端末を制御するためのプログラムであって、
前記携帯情報端末が備える撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、
前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機器を遮断する遮断作業を行い、札掛けを実施したり、札外しを実施し、所定の機器を投入する投入作業を行ったりするのに利用されるネットワークシステム、携帯情報端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば生産ライン設備の工事(定期修繕工事、補修工事等)を実施するにあたり、工事開始前に、ブレーカを遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施し、また、工事完了後に、札を外す札外しを実施し、ブレーカを投入する投入作業を行う。遮断作業を行い、札掛けを実施するときには、少なくとも工事責任者と非可動処置実施者とが同時立会することが一般的である。札外しを実施し、投入作業を行うときも同様である。なお、工事開始前に、遮断作業を行い、札掛けを実施することを「条件設定の実施」といい、工事完了後に、札外しを実施し、投入作業を行うことを「条件設定の解除」という。
【0003】
特許文献1には、生産ライン設備の工事を行うにあたっての安全管理のための技術であって、条件設定を行なう箇所ごとに設置され、タグNo、機器名称といった情報が付加された固定RFIDタグと、条件設定札に条件設定を行う作業員の情報や条件設定札番号を付加したRFIDタグを付けたRFIDタグ付条件設定札と、を利用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6299798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
条件設定の実施、解除に際して、少なくとも2者(工事責任者と非可動処置実施者)が同時立会するのでは、効率的とはいえない。また、条件設定の実施、解除の確認作業や、その状態の管理が現場での手作業になるため、ヒューマンエラーが発生しやすくなるリスクがある。
また、特許文献1では、RFIDタグを利用するため、コストアップの要因となる。また、タブレットPC等の携帯情報端末と別にRFIDタグリーダー・ライターを用意しなければならない。また、生産ライン設備が置かれた環境によっては、通信に影響があり、RFIDタグが利用しにくいこともある。
【0006】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、条件設定の実施、解除の効率化を図るとともに、ヒューマンエラーを減らせるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のネットワークシステムは、撮像部を備えた携帯情報端末と、前記携帯情報端末と通信可能な情報処理装置とを備えたネットワークシステムであって、前記撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段と、前記所定の機器ごとに、遮断、投入の状態と、札掛けの状態とを管理する管理手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の携帯情報端末は、情報処理装置と通信可能な携帯情報端末であって、撮像部と、前記撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明のプログラムは、情報処理装置と通信可能な携帯情報端末を制御するためのプログラムであって、前記携帯情報端末が備える撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、条件設定の実施、解除の効率化を図るとともに、ヒューマンエラーを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るネットワークシステムの機能構成を示す図である。
図2】条件設定の実施時に携帯情報端末が実行する処理を示すフローチャートである。
図3】条件設定の解除時に携帯情報端末が実行する処理を示すフローチャートである。
図4】ブレーカの例を示す図である。
図5】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図6A】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図6B】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図7】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図8】ブレーカの遮断、投入の状態と、札掛けの状態との変化を説明するための図である。
図9】情報処理装置の表示部の表示例を示す図である。
図10】情報処理装置の表示部の表示例を示す図である。
図11】情報処理装置の表示部の表示例を示す図である。
図12】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図13A】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図13B】携帯情報端末の表示部の表示例を示す図である。
図14】ブレーカの遮断、投入の状態と、札掛けの状態との変化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態では、例えば生産ライン設備の工事を実施するにあたり、工事開始(着工)前に、ブレーカを遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施し(条件設定の実施)、また、工事完了後に、札を外す札外しを実施し、ブレーカを投入する投入作業を行う(条件設定の解除)例を述べる。
【0011】
図4に示すように、条件設定の実施、解除の対象となる各所のブレーカ400の操作部であるスイッチ401の近傍に、当該ブレーカ400を識別するQRコード(登録商標)402が設けられる。例えばブレーカ400のスイッチ401の近傍に、QRコード402が印刷されたシート403が貼り付けられる。なお、本実施形態ではQRコード402を例示するが、バーコードや他の二次元コードでもよい。
また、ブレーカ400のスイッチ401の近傍には、当該ブレーカ400の固有の番号や名称等を記載したシート404が貼り付けられる。現場で或いは画像を通して、人がブレーカ400を視認、識別できるようにするためである。
【0012】
図1に、実施形態に係るネットワークシステム100の構成例を示す。
クラウド上にサーバ103及びデータベース104が構築される。携帯情報端末101と情報処理装置102とがインターネット等のネットワークを介してクラウドに接続するともに、相互に通信可能に構成される。なお、本実施形態では、クラウドを利用する形態とするが、これに限定されるものではなく、オンプレミスのシステムを構築する等の形態としてもよい。
【0013】
サーバ103は、データベース104を利用して、携帯情報端末101や情報処理装置102にサービスを提供する。
具体的には、サーバ103には、条件設定情報が登録される。条件設定情報とは、工事開始前にどのブレーカ400を遮断するかといった情報であり、計画元から提示された工事計画に従って定められる。また、サーバ103には、条件設定を実施、解除する非可動処置実施者(本願においては作業者と呼ぶ)や、工事責任者の情報が登録される。
また、サーバ103は、詳細は後述するが、条件設定の実施や解除が進むに応じて、ブレーカ400ごとに、遮断、投入の状態と、札掛けの状態とを管理する。ここでいう管理とは、遮断、投入の状態、札掛けの状態の情報を記録、保存し、この情報を、権限を有する者が参照できるように共有化することをいう。また、サーバ103は、ブレーカ400ごとに、その設置箇所(電気室等)の情報を関連付ける。また、複数の工事が並行して実施される場合もあるので、サーバ103は、ブレーカ400ごとに、どの工事(点検、部品交換等)のための条件設定であるのかの情報を関連付ける。本実施形態では、サーバ103が本発明でいう管理手段として機能する。
【0014】
携帯情報端末101は、作業者が保持、使用するスマートフォン、タブレット端末等である。
携帯情報端末101は、撮像部101aと、表示部101bと、制御部101cと、記憶部101dと、通信部101eとを備える。
撮像部101aは、レンズや絞り、光学像を電気信号に変換する撮像素子等を備える。
表示部101bは、制御部101cの制御下で、画像や各種情報を表示する。本実施形態では、表示部101bは、携帯情報端末101に搭載された、タッチ操作を可能にしたディスプレイである。
制御部101cは、携帯情報端末101の制御を司る。本実施形態では、制御部101cが本発明でいう読取手段、制御手段、判定手段、トラッキング手段、起動手段、照合手段として機能する。
記憶部101dは、例えば本実施形態で述べる機能を実現するために制御部101cが実行するプログラムや、プログラムが実行される際に用いられるパラメータやデータを格納する。
通信部101eは、制御部101cの制御下で、ネットワークを介してサーバ103や情報処理装置102と通信を行う。
なお、図1では、一台の携帯情報端末101だけを図示するが、複数台存在していてもよい。
【0015】
情報処理装置102は、工事責任者が使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。
情報処理装置102は、表示部102aと、制御部102bと、記憶部102cと、通信部102dとを備える。
表示部102aは、制御部102bの制御下で、画像や各種情報を表示する。なお、表示部102aが情報処理装置102と一体化されているように図示するが、情報処理装置102と別の装置として構成されるようにしてもよい。
制御部102bは、情報処理装置102の制御を司る。
記憶部102cは、例えば本実施形態で述べる機能を実現するために制御部102bが実行するプログラムや、プログラムが実行される際に用いられるパラメータやデータを格納する。
通信部102dは、制御部102bの制御下で、ネットワークを介してサーバ103や携帯情報端末101と通信を行う。
なお、図1では、一台の情報処理装置102だけを図示するが、複数台存在していてもよい。
【0016】
(条件設定の実施)
図2は、条件設定の実施時に携帯情報端末101が実行する処理を示すフローチャートである。また、図5図6A図6B図7は、携帯情報端末101の表示部101bの表示例を示す図である。図8は、ブレーカ400の遮断、投入の状態と、札掛けの状態との変化を説明するための図である。図9は、情報処理装置102の表示部102aの表示例を示す図である。
以下、図2のフローチャートを用いて、図5乃至図9を適宜参照しながら、条件設定の実施時の流れを説明する。
【0017】
ステップS201で、制御部101cは、条件設定の実施の対象とするブレーカ400、すなわち、これから遮断作業を行い、札掛けを実施するブレーカ400の選択を受け付ける。
図5(a)に示すように、制御部101cは、表示部101bに、条件設定を実施、解除するためのメニュー画面500を表示する。メニュー画面500では、携帯情報端末101を使用する作業者の情報501が表示される。また、メニュー画面500では、スイッチ状態確認ボタン502と、「札掛け操作」及び「札外し操作」の選択ボタン503a、503bと、通知一覧ボタン504とが表示される。
制御部101cは、「札掛け操作」の選択ボタン503aが操作されると、サーバ103で管理されている情報に基づいて、図5(b)に示すように、条件設定の実施状況を表示する画面505を表示する。画面505では、電気室単位で条件設定の実施状況を表示する「電気室一覧」と、工事単位で条件設定の実施状況を表示する「工事一覧」とを選択可能とする。例えば「電気室一覧」が選択されると、図5(b)の上図に示すように、電気室ごとの条件設定の実施状況を表示する。詳細には、電気室ごとに、表示パーツ507を一覧表示する。表示パーツ507は、非可動処置実施者の欄507aと、工責者(工事責任者)の欄507bとを有する。非可動処置実施者の欄507aには、「投入」、「遮断」、「札掛け」の項目がある。「投入」は投入中のブレーカ400の数(今後遮断すべきブレーカ400の数)を示し、「遮断」は遮断済みのブレーカ400の数を示す。「札掛け」は札掛け済みのブレーカ400の数を示し、札掛けの実施及び札外しの実施に応じて変わる。また、工責者の欄507bには、「札掛け」の項目がある。「札掛け」は工事責任者側で確認した、札掛け済みのブレーカ400の数を示す。○○電気室では、投入中のブレーカが3で、遮断済み、札掛け済みのブレーカが0であり、3つのブレーカの遮断作業を行い、札掛けを実施する必要があることを表している。なお、「工事一覧」が選択されると、図5(b)の下図に示すように、工事ごとに、表示パーツ507を一覧表示する。
制御部101cは、「電気室一覧」又は「工事一覧」から表示パーツ507が選択されると、図5(c)に示すように、そこに属するブレーカ400の一覧を表示する。作業者は、この一覧から、条件設定の実施の対象とするブレーカ400を選択、指定することができる。図5の例では、「○○電気室」のブレーカ「○○BCモータ主回路」が選択、指定されている。
【0018】
作業者は、メニュー画面500で条件設定の実施の対象とするブレーカ400を指定した後、携帯情報端末101の撮像部101aを介して、ブレーカ400のスイッチ401の近傍に設けられたQRコード402を読み取る。QRコードの読取モードでは、図示は省略するが、制御部101cは、撮像部101aから出力される画像を含むQRコード読取画面を表示部101bに表示する。
【0019】
ステップS202で、制御部101cは、QRコード402の読み取りが成功したか否かを判定する。QRコード402の読み取りが成功した場合、ステップS203に進む。QRコード402の読み取りが成功した場合とは、QRコード402で識別されるブレーカ400と、ステップS201で指定されたブレーカ400とが一致する場合をいう。一方、QRコード402の読み取りが成功しなかった場合、ステップS204で通知を行った後、ステップS201に戻る。QRコード402の読み取りが成功しなかった場合とは、QRコード402で識別されるブレーカ400と、ステップS201で指定されたブレーカ400とが一致しなかったり、QRコード402の読み取りがエラーになったりする場合をいう。なお、一定の時間経過してもQRコード402の読み取りが成功しない場合には、エラー表示を行い、本フローチャートから抜けるようにしてもよい。QRコードの汚損によるエラーに対しては、例えば遠隔で他の者にも確認させる等、確実な確認を経てQRコードを読み取り可能なものへ付け替えること等で作業を再開できる。
【0020】
ステップS203で、制御部101cは、撮影を可能にする撮影モードを起動する。撮影モードでは、図6Aに示すように、制御部101cは、撮像部101aから出力される画像(ライブビュー画像)600を表示部101bに表示するとともに、撮影指示を受け付ける撮影ボタン601を表示する。なお、この時点で、制御部101cは、撮影ボタン601による撮影指示を受け付けないようにしている。
【0021】
ステップS205で、制御部101cは、ライブビュー画像600において、ステップS202で読み取ったQRコード402を追尾する追尾処理(トラッキング)を開始する。以後、後述するステップS211でトラッキングが終了するまで、制御部101cは、QRコード402を追尾し、作業者が携帯情報端末101の向きを変える等してQRコード402がライブビュー画像600から外れると、例えばその旨の通知を行う。また、QRコード402がライブビュー画像600から外れて、その後、QRコード402がライブビュー画像600に入ったとき、あらためてQRコード402を読み取り、QRコード402で識別されるブレーカ400と、ステップS201で指定されたブレーカ400とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。
【0022】
ステップS206で、制御部101cは、ライブビュー画像600に基づいて、ブレーカ400の遮断、投入の状態を判定する。この判定には、例えば機械学習を活用した画像認識アルゴリズムを利用する。制御部101cは、ライブビュー画像600において遮断が確認されるまで、図6Aに示すように、表示部101bに遮断を促すメッセージ602を表示する。なお、作業者自身が、ブレーカ400を遮断したことを確認して、携帯情報端末101に遮断したことを入力するようにしてもよいが、制御部101cで自動判別を行うことにより、ヒューマンエラーを減らすことができる。
【0023】
このように作業者は、自身が指定したブレーカ400と、ライブビュー画像600上のブレーカ400とが一致することが確認された状態で、ブレーカ400の遮断作業を行い、札掛けを実施することができる。図6Bは、作業者が遮断作業を行い、札掛けを実施したときのライブビュー画像600が表示された状態を示す。札掛けの実施に際しては、ブレーカ400のスイッチ401の近傍又はスイッチ401そのものに札603を掛けるようにする。作業者が遮断作業を行ったことを受けて、制御部101cは、ブレーカ400が遮断されたと判定し、遮断を促すメッセージ602を消す。ブレーカ400ごとに札603が用意されているものとし、図6Bに示すように、札603には、ブレーカ400に設けられたQRコード402に対応させたQRコード604が設けられるとともに、ブレーカ400の固有の番号や名称等605が記載されている。
【0024】
ステップS207で、制御部101cは、ステップS206でブレーカ400が遮断済みになったことをサーバ103に伝える。これを受けて、サーバ103では、ブレーカ400が遮断の状態になったものとして、管理する情報を変更する。この結果、例えば○○電気室について、図5(b)に示すように、非可動処置実施者の欄507aの「投入」、「遮断」、「札掛け」及び工責者の欄507bの「札掛け」が「3」、「0」、「0」、「0」であったのが、図8(a)に示すように、「2」、「1」、「0」、「0」に変更される。
【0025】
ステップS208で、制御部101cは、ライブビュー画像600上の札603に設けられたQRコード604と、ステップS202で読み取ったQRコード402とを照合して、その合理性を判定する。合理性がある場合、ステップS209に進む。合理性がある場合とは、ライブビュー画像600上の札603に設けられたQRコード604と、ステップS202で読み取ったQRコード402とが対応するものである場合をいう。一方、合理性がない場合、合理性がある状態になるまで待機する。合理性がない場合とは、ライブビュー画像600上の札603に設けられたQRコード604と、ステップS202で読み取ったQRコード402とが対応するものでなかったり(すなわち、間違って他のブレーカ400用の札603が掛けられた)、札掛けそのものが実施されていなかったりする場合をいう。なお、合理性がある状態になるまで、表示部101bにメッセージを表示するようにしてもよい。また、一定の時間経過しても、合理性がある状態にならない場合には、本フローチャートから抜けるようにしてもよい。
【0026】
ステップS209で、制御部101cは、撮影を許可し、撮影ボタン601による撮影指示を受け付ける。このとき、例えばライブビュー画像600や撮影ボタン601になんらかのエフェクトを加える等して、作業者に撮影が可能になったことを伝えるようにしてもよい。また、制御部101cの制御下で、撮影条件が整ったタイミングで自動撮影を実行するようにしてもよい。
【0027】
ステップS210で、制御部101cは、撮影が実行されるまで待機し、撮影が実行された場合、ステップS211に進む。撮影が実行されることにより、撮像部101aから出力される画像(静止画でもよいし、動画でもよい)が画像ファイルとして記憶部101dに書き込まれて、撮影モードが終了する。図7に、撮影が実行された後の携帯情報端末101の表示部101bの表示例を示す。表示部101bに表示する画面700では、撮影した画像701が表示されるとともに、送信を指示する「送信」ボタン702と、再撮影を指示する「再撮影」ボタン703とが表示される。ここで撮影される画像701は、札603が掛けられていることがわかる画像になっている。
【0028】
ステップS211で、制御部101cは、ステップS205で開始したQRコード402のトラッキングを終了する。
【0029】
ステップS212で、制御部101cは、送信指示を受け付ける。図7に示す画面700で「送信」ボタン702が操作された場合、制御部101cは、撮影した画像を情報処理装置102に送信する。なお、画面700で「再撮影」ボタン703が操作された場合、ステップS203に戻る。
【0030】
ステップS213で、制御部101cは、ステップS212で画像を送信したことを受けて、札掛けが実施されたものとして、そのことをサーバ103に伝える。これを受けて、サーバ103では、ブレーカ400に札掛けが実施されたものとして、管理する情報を変更する。この結果、○○電気室について、図8(a)に示すように、非可動処置実施者の欄507aの「投入」、「遮断」、「札掛け」及び工責者の欄507bの「札掛け」が「2」、「1」、「0」、「0」であったのが、図8(b)に示すように、「2」、「1」、「1」、「0」に変更される。
【0031】
図9に、携帯情報端末101から画像を受信した後の情報処理装置102の表示部102aの表示例を示す。表示部102aに表示する画面900では、携帯情報端末101から受信した画像901が表示されるとともに、画像901に写っているブレーカ400に関する各種情報(電気室名、制御盤名、スイッチ名、撮影者、操作、撮影日時)902が表示される。また、画面900では、札掛けを指示する「札掛け」ボタン903と、作業者に対して再確認を依頼する「再確認依頼」ボタン904とが表示される。「札掛け」ボタン903が操作されると、情報処理装置102は、そのことをサーバ103に伝える。これを受けて、サーバ103では、ブレーカ400に札掛けが実施されたことを工事責任者側で確認したものとして、管理する情報を変更する。この結果、図8(b)に示すように、非可動処置実施者の欄507aの「投入」、「遮断」、「札掛け」及び工責者の欄507bの「札掛け」が「2」、「1」、「1」、「0」であったのが、図8(c)に示すように、「2」、「1」、「1」、「1」に変更される。このように、工事責任者側(情報処理装置102側)で、実際に札を掛けるものではないが、ネットワークシステム100上で札を掛ける、デジタル札掛けとも呼べる行為を実施する。
【0032】
ステップS214で、制御部101cは、条件設定の実施を終了するか否かを判定する。終了しない場合、ステップS201に戻り、終了する場合、本フローチャートから抜ける。
以上のようにして、条件設定の実施が行われる。
【0033】
(工事開始)
図10は、情報処理装置102の表示部102aの表示例を示す図である。図10(a)に示すように、制御部102bは、表示部102aに、工事開始及び工事完了を申請するための申請画面1000を表示する。申請画面1000では、情報処理装置102を使用する工事責任者の情報1001が表示される。また、申請画面1000では、スイッチ状態確認用の表示領域1002が表示される。また、申請画面1000では、「着工」及び「工事完了」の選択ボタン1003a、1003bと、通知一覧ボタン1004と、工事責任者変更ボタン1005とが表示される。
スイッチ状態確認用の表示領域1002は、非可動処置実施者の欄1002aと、工責者の欄1002bとを有する。欄1002a、1002bは既述した表示パーツ507の欄507a、507bと同様のものであるが、ここでは、工事責任者が担当する工事に対応して、「投入」、「遮断」、「札掛け」、「札掛け」それぞれの総数が表示される。
【0034】
図10(b)に示すように、工事ごとに、表示パーツ507を一覧表示することができる。表示パーツ507には、「未着手」、「工事中」、「完了」といった状態1006が関連付けられている。この状態1006は、サーバ103で管理される。ここで、××点検のように、「投入」が0で、かつ、「遮断」の数=「札掛け」の数である場合、当該工事(××点検)に対する条件設定の実施が完了した状態にあり、工事開始を申請することができる。また、〇〇シリンダー交換では、「投入」が0で、かつ、「遮断」の数=「札掛け」の数であるという条件を満たしていないので、当該工事(〇〇シリンダー交換)に対する条件設定の実施が完了した状態になく、工事開始を申請することができない。
【0035】
工事開始を申請するとき、工事責任者は、「着工」の選択ボタン1003aを操作する。制御部102bは、「工事開始」の選択ボタン1003aが操作されると、図10(c)に示すように、状態1006が「未着手」であって、「投入」が0で、かつ、「遮断」の数=「札掛け」の数である工事に対して、着工指示を受け付ける。工事責任者は、着工したい工事を指定(図示例では××点検)した上で、不図示の着工指示ボタンを操作して着工指示を行う。制御部102bは、着工指示があったならば、オンラインで工事関係者に工事開始を通知する。工事開始が通知されると、表示パーツ507に関連付けられている状態1006が「工事中」に変更される。
なお、工事中は、オンラインでのグループトーク機能や現場写真のやり取りを介して、工事責任者が工事の進捗状況を確認できるようにしてもよい。
【0036】
(工事完了)
図11は、情報処理装置102の表示部102aの表示例を示す図である。図11(a)に示すように、制御部102bは、表示部102aに、工事開始及び工事完了を申請するための申請画面1000を表示する。申請画面1000は、図10(a)に示したものと同じである。
図11(b)に示すように、工事ごとに、表示パーツ507を一覧表示することができる。上述したように、表示パーツ507には、「未着手」、「工事中」、「完了」といった状態1006が関連付けられている。
【0037】
工事完了が確認されると、工事責任者は、「工事完了」の選択ボタン1003bを操作する。制御部102bは、「工事完了」の選択ボタン1003bが操作されると、図11(c)に示すように、状態1006が「工事中」の工事に対して、工事完了指示を受け付ける。工事責任者は、完了が確認された工事を指定(図示例では××点検)した上で、不図示の工事完了ボタンを操作して工事完了指示を行う。制御部102bは、工事完了指示があったならば、オンラインで工事関係者に工事完了を通知する。工事完了が通知されると、表示パーツ507に関連付けられている状態1006が「完了」に変更される。
情報処理装置102で工事完了指示があったことを受けて、サーバ103では、工事完了指示の対象の工事に対して、工責者の欄507bの「札掛け」を「0」に書き換える。例えば××点検では、工責者の欄507bの「札掛け」が「5」から「0」に変更される。このように工事完了指示があったことに伴って、上述したデジタル札掛けに対応するデジタル札外しを実施する。
【0038】
(条件設定の解除)
図3は、条件設定の解除時に携帯情報端末101が実行する処理を示すフローチャートである。また、図12図13A図13Bは、携帯情報端末101の表示部101bの表示例を示す図である。図14は、ブレーカ400の遮断、投入の状態と、札掛けの状態との変化を説明するための図である。
以下、図3のフローチャートを用いて、図12乃至図14を適宜参照しながら、条件設定の解除時の流れを説明する。
【0039】
ステップS301で、制御部101cは、条件設定の解除の対象とするブレーカ400、すなわち、これから札外しを実施し、投入作業を行うブレーカ400の選択を受け付ける。
図12(a)に示すように、制御部101cは、表示部101bに、条件設定を実施、解除するためのメニュー画面500を表示する。メニュー画面500は、図5(a)に示したものと同じである。
制御部101cは、「札外し操作」の選択ボタン503bが操作されると、サーバ103で管理されている情報に基づいて、図12(b)に示すように、条件設定の解除状況を表示する画面506を表示する。画面506では、電気室単位で条件設定の解除状況を表示する「電気室一覧」と、工事単位で条件設定の解除状況を表示する「工事一覧」とを選択可能とする。例えば「電気室一覧」が選択されると、図12(b)の上図に示すように、電気室ごとの条件設定の解除状況を表示する。詳細には、電気室ごとに、表示パーツ1200を一覧表示する。表示パーツ1200は、非可動処置実施者の欄1200aと、工責者(工事責任者)の欄1200bとを有する。非可動処置実施者の欄1200aには、札外しの可否が表示される。また、工責者の欄1200bには、「札掛け」の項目がある。上述したように、工事が完了しており、条件設定を解除することができる場合、「札掛け」は0になる。××電気室では、条件設定を解除することができることを表している。なお、「工事一覧」が選択されると、図12(b)の下図に示すように、工事ごとに、表示パーツ1200を一覧表示する。
制御部101cは、「電気室一覧」又は「工事一覧」から表示パーツ1200が選択されると、図12(c)に示すように、そこに属するブレーカ400の一覧を表示する。作業者は、この一覧から、条件設定の解除の対象とするブレーカ400を選択、指定することができる。図12の例では、「××電気室」のブレーカ「××BCモータ主回路」が選択、指定されている。
このように、情報処理装置102側で札掛けの状態が設定される仕組みとし(工責者の欄507bの「札掛け」の項目)、これが、条件設定の解除を行う際のインターロックとして機能する。
【0040】
作業者は、メニュー画面500で条件設定の解除の対象とするブレーカ400を指定した後、携帯情報端末101の撮像部101aを介して、ブレーカ400のスイッチ401の近傍に設けられたQRコード402を読み取る。
ステップS302~S305は、図2のステップS202~S205と同様であり、その説明を省略する。撮影モードでは、図13Aに示すように、制御部101cは、撮像部101aから出力される画像(ライブビュー画像)600を表示部101bに表示するとともに、撮影指示を受け付ける撮影ボタン601を表示する。なお、この時点で、制御部101cは、撮影ボタン601による撮影指示を受け付けないようにしている。
【0041】
ステップS306で、制御部101cは、ライブビュー画像600に基づいて、札外しが実施されたか否かを判定する。この判定は、例えばライブビュー画像600上に、対応する2つのQRコード(ブレーカ400のQRコード402、札603のQRコード604)が存在するか否かを確認するようにしてもよいし、例えば機械学習を活用した画像認識アルゴリズムを利用するようにしてもよい。制御部101cは、ライブビュー画像600において札外しが確認されるまで、図13Aに示すように、表示部101bに札外しを促すメッセージ1301を表示する。なお、作業者自身が、札外しを実施したことを確認して、携帯情報端末101に札外しを実施したことを入力するようにしてもよいが、制御部101cで自動判別を行うことにより、ヒューマンエラーを減らすことができる。
【0042】
ステップS307で、制御部101cは、札外しが実施されたものとして、そのことをサーバ103に伝える。これを受けて、サーバ103では、ブレーカ400の札外しが実施されたものとして、管理する情報を変更する。この結果、例えば××電気室について、図14(a)に示すように、非可動処置実施者の欄507aの「投入」、「遮断」、「札掛け」及び工責者の欄507bの「札掛け」が「0」、「4」、「4」、「0」であったのが、図14(b)に示すように、「0」、「4」、「3」、「0」に変更される。
【0043】
ステップS308で、制御部101cは、ライブビュー画像600に基づいて、ブレーカ400の遮断、投入の状態を判定する。この判定には、例えば機械学習を活用した画像認識アルゴリズムを利用する。制御部101cは、ライブビュー画像600において投入が確認されるまで、図示は省略するが、表示部101bに投入を促すメッセージを表示する。なお、ステップS206と同様、作業者自身が、ブレーカ400を投入したことを確認して、携帯情報端末101に投入したことを入力するようにしてもよいが、制御部101cで自動判別を行うことにより、ヒューマンエラーを減らすことができる。
【0044】
このように作業者は、自身が指定したブレーカ400と、ライブビュー画像600上のブレーカ400とが一致することが確認された状態で、札外しを実施し、ブレーカ400の投入作業を行うことができる。図13Bは、作業者が札外しを実施し、ブレーカ400の投入作業を行ったときのライブビュー画像600が表示された状態を示す。
ステップS309~S312、S314は、図2のステップS209~S212、S214と同様であり、その説明を省略する。なお、ここで撮影される画像は、札603が外されていることがわかる画像になっている。
【0045】
ステップS313で、制御部101cは、ステップS308でブレーカ400が投入済みになったことをサーバ103に伝える。これを受けて、サーバ103では、ブレーカ400が投入の状態になったものとして、管理する情報を変更する。この結果、××電気室について、図14(b)に示すように、非可動処置実施者の欄507aの「投入」、「遮断」、「札掛け」及び工責者の欄507bの「札掛け」が「0」、「4」、「3」、「0」であったのが、図14(c)に示すように、「1」、「3」、「3」、「0」に変更される。なお、ステップS313の処理は、ステップS308の後に行うようにしてもよい。
【0046】
なお、携帯情報端末101から画像を受信した後、情報処理装置102の表示部102aに表示される画面は、図9の画面900と同様であるが、画面900にあった「札掛け」ボタン903に替えて、「投入確認」ボタンが表示される。工事責任者側で確認されるまで、携帯情報端末101では、例えば非可動処置実施者の欄507aの「投入」の項目が点灯して表示されるようにし、「投入確認」ボタンが操作されると、非可動処置実施者の欄507aの「投入」の項目が通常の表示に戻るようにしておく。これにより、作業者が、工事責任者側でブレーカ400の投入が確認されたことを知ることができる。
【0047】
以上述べたように、携帯情報端末101の撮像部101aを介してブレーカ400を識別するQRコード402を読み取り、QRコード402を読み取った後に、作業者が遮断作業を行い、札掛けを実施した状態、又は、札外しを実施し、投入作業を行った状態で、撮像部101aを介してブレーカ400のスイッチ401を含む領域を撮影し、札603の有無がわかるようにした画像を情報処理装置102に送信するようにしている。これにより、条件設定の実施、解除に際して、QRコード402を利用してブレーカ400を識別するとともに、工事責任者側でもブレーカ400の遮断、投入の状態や札掛けの状態を画像で確認することができ、スムーズに工事責任者側での確認、承認を得て、条件設定の実施、解除を完了することができる。そして、サーバ103で、ブレーカ400ごとに、遮断、投入の状態と、札掛けの状態とが管理されるので、進捗管理機能を構築することができ、ヒューマンエラーを減らすことができる。
また、QRコードを利用するので、RFIDタグを利用する場合よりもコストダウンを図ることができる。また、一般的なスマートフォンやタブレット端末に搭載されている撮像部を利用することができ、別にRFIDタグリーダー・ライター等を用意する必要がない。また、QRコードの読み取りや撮影は、生産ライン設備が置かれた環境によって利用しにくくなることも少ない。
このように、条件設定の実施、解除の効率化を図るとともに、ヒューマンエラーを減らすことができる。
【0048】
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本実施形態では、本発明でいう所定の機器を遮断する遮断作業、投入する投入作業として、ブレーカの遮断作業、投入作業を述べたが、これに限定されるものではない。例えばバルブを遮断する(閉じる)作業、投入する(開く)業等を対象としてもよい。
また、図1に示す機能構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば携帯情報端末101が、ライブビュー画像600に基づいて、ブレーカ400の遮断、投入の状態を判定する判定手段の機能を有するとしたが、この機能が、携帯情報端末101が通信可能な他の装置で実現されるようにしてもよい。また、サーバ103が本発明でいう管理手段として機能するとしたが、例えば情報処理装置102が本発明でいう管理手段として機能するようにしてもよい。
また、本発明は、本発明の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
【0049】
次のように記載することも可能である。
[1] 撮像部を備えた携帯情報端末と、前記携帯情報端末と通信可能な情報処理装置とを備えたネットワークシステムであって、
前記撮像部を介して、所定の機器の操作部の近傍に設けられた、当該所定の機器を識別するコードを読み取る読取手段と、
前記読取手段で前記コードを読み取った後に、作業者が前記所定の機器を遮断する遮断作業を行い、操作を禁止する札を掛ける札掛けを実施した状態、又は、前記札を外す札外しを実施し、前記所定の機器を投入する投入作業を行った状態で、前記撮像部を介して前記所定の機器の前記操作部を含む領域を撮影し、前記札の有無がわかるようにした画像を前記情報処理装置に送信するように制御する制御手段と、
前記所定の機器ごとに、遮断、投入の状態と、札掛けの状態とを管理する管理手段とを備えたことを特徴とするネットワークシステム。
[2] 前記撮像部から出力される画像に基づいて、前記所定の機器の遮断、投入の状態を判定する判定手段を備えたことを特徴とする[1]に記載のネットワークシステム。
[3] 前記撮像部から出力される画像において、前記読取手段で読み取った前記コードを追尾するトラッキング手段を備えたことを特徴とする[1]又は[2]に記載のネットワークシステム。
[4] 前記作業者により指定された前記所定の機器と、前記読取手段で読み取った前記コードで識別される前記所定の機器とが一致する場合、撮影を可能にする撮影モードを起動させる起動手段を備えたことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
[5] 前記札に、前記コードに対応させたコードが設けられており、
前記撮像部から出力される画像上の前記札に設けられた前記コードと、前記読取手段で読み取った前記コードとを照合する照合手段を備えたことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
[6] 前記管理手段は、札掛けの実施及び札外しの実施に応じて前記携帯情報端末側で設定される札掛けの状態と、前記情報処理装置側で設定される札掛けの状態とを管理することを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
【符号の説明】
【0050】
100:ネットワークシステム、101:携帯情報端末、101a:撮像部、101b:表示部、101c:制御部、101d:記憶部、101e:通信部、102:情報処理装置、102a:表示部、102b:制御部、102c:記憶部、102d:通信部、103:サーバ、104:データベース、400:ブレーカ、401:スイッチ、402:QRコード
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14