(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084706
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】回路基板とレンズモジュールとの間に封止部を有する自動車用カメラ
(51)【国際特許分類】
G03B 30/00 20210101AFI20240618BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240618BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240618BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240618BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240618BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240618BHJP
【FI】
G03B30/00
G03B15/00 V
G03B17/02
G02B7/02 D
G02B7/02 Z
H04N23/50
H04N23/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205399
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】10 2022 132 338.2
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514189527
【氏名又は名称】コノート、エレクトロニクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONNAUGHT ELECTRONICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】マーク、ショー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カメラの回路基板とレンズモジュールとの間の容積空間を堅牢な方法で封止する。
【解決手段】自動車用のカメラであって、ハウジングを含み、ハウジングによって受入空間が画成されており、この受入空間には、レンズモジュールと回路基板とが配置されており、これらのレンズモジュールと回路基板とは、長手軸Aの方向に互いに間隔を隔てて軸方向に配置されており、これらのレンズモジュールと回路基板との間にクリアランスが形成されている。回路基板とレンズモジュールとの間には、弾性封止部15が配置され、この封止部によってクリアランスがハウジング内の残りの容積空間から封止されるようになっている。封止部は所定の屈曲点21を含み、この所定の屈曲点では、長手軸に対して横方向の封止部15の幅22が最小となる、軸方向に圧縮された場合に、封止部が所定の屈曲点で長手軸に対して横方向に曲げられるようになっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用のカメラ(4)であって、
ハウジング(10)を含み、
前記ハウジング10)によって、前記カメラ(4)のレンズモジュール(12)と前記カメラ(4)の回路基板(13)とが配置される受入空間(11)が画成され、
前記回路基板(13)と前記レンズモジュール(12)との間にクリアランス(14)が形成されるように、前記回路基板(13)と前記レンズモジュール(12)とが、前記カメラ(4)の長手軸(A)方向において互いに軸方向に間隔を隔てて配置され、
前記回路基板(13)と前記レンズモジュール(12)との間に弾性封止部(15)が配置され、前記クリアランス(14)が前記封止部(15)によって前記ハウジング(10)内の残りの容積空間(16)から封止されるようになっているカメラであって、
前記封止部(15)は、所定の屈曲点(21)を有し、前記所定の屈曲点(21)では、前記長手軸(A)に対して横方向の前記封止部(15)の幅(22)が、前記所定の屈曲点(21)に隣接する前記封止部(15)の領域における前記封止部(15)の幅(22´、22´´)と比較して最小となり、軸方向に圧縮された場合に前記封止部(15)が前記所定の屈曲点(21)で前記長手軸(A)に対して横方向に曲げられることを特徴とする、カメラ。
【請求項2】
前記封止部(15)は輪であることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項3】
前記所定の屈曲点(21)に隣接する領域において、前記封止部(15)が前記長手軸(A)に対してそれぞれの角度(24)だけ、特に相互に反対方向に、特に軸方向の圧縮がない状態で既に傾斜していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ(4)。
【請求項4】
前記封止部(15)は更なる所定の屈曲点(25)を含み、前記軸方向に圧縮される場合に前記封止部(15)は前記更なる所定の屈曲点(25)において前記長手軸(A)に対して横方向に曲げられ、
前記2つの所定の屈曲点(21、25)において前記封止部(15)は相互に反対方向に曲げられることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項5】
前記更なる所定の屈曲点(25)は、前記封止部(15)の凹部として構成され、
特に、前記ハウジング(10)内の前記残りの容積空間(16)の反対側を向く前記封止部(15)の内壁(26)に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項6】
前記封止部(15)が第1の縁部(27)において前記回路基板(13)の上面に直接接触することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項7】
前記第1の縁部(27)が丸みを帯びて形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のカメラ(4)。
【請求項8】
前記封止部(15)は第2の縁部(28)を含み、
前記ハウジング(10)は前記レンズモジュール(12)が配置される前部ハウジング部(17)を含み、
前記前部ハウジング部(17)は接触面(18)を含み、前記接触面(18)は、前記回路基板(13)に面し、特に半径方向に直接前記レンズモジュール(12)に隣接し、
前記第2の縁部(28)は少なくとも間接的に前記接触面(18)に接触することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項9】
前記接触面(18)と前記封止部(15)の前記第2の縁部(28)との間に、少なくとも部分的に温度制御素子(19)が配置されていることを特徴とする、請求項8に記載のカメラ(4)。
【請求項10】
前記封止部(15)は、一方では前記回路基板(13)と、他方では前記接触面(18)および/または前記温度制御素子(19)との間で、軸方向に圧縮されて配置されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のカメラ(4)。
【請求項11】
前記封止部(15)は、前記第2の縁部(28)において軸方向に延びる膨出部(29)を含み、
この膨出部(29)によって前記第2の縁部(28)は前記接触面(18)および/または前記温度制御素子(19)に接触することを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項12】
前記封止部(15)は前記残りの容積空間(16)に向かって延びる突出部(30)を含み、
少なくとも前記2つの縁部(27、28)はそれぞれ、前記突出部(30)を越えて軸方向に突出しており、
前記突出部(30)は、特に支持板として構成されており、寸法的に安定で特に取り外し不可能な方法で、前記残りの封止部(15)に連結されていることを特徴とする、請求項6または7と請求項8~11のいずれか1項とに記載のカメラ(4)。
【請求項13】
前記突出部(30)は、前記所定の屈曲点(21)から離間した前記封止部(15)の領域において前記封止部(15)の前記幅(22)を増大させ、
更なる所定の屈曲点(25)が、前記突出部(30)と反対側を向く前記封止部(15)の側面において前記封止部(15)のこの領域に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする、請求項12に記載のカメラ(4)。
【請求項14】
カメラ(4)の封止部(15)であって、
前記封止部(15)は所定の屈曲点(21)を含み、前記所定の屈曲点(21)では、前記封止部(15)の長手軸(A)に対して横方向の前記封止部(15)の幅(22)が、前記所定の屈曲点(21)に隣接する前記封止部(15)の領域における前記封止部(15)の幅(22´、22´´)に比較して最小となり、軸方向に圧縮された場合に、前記封止部(15)が前記所定の屈曲点(21)で長手軸(A)方向に対して横方向に曲げられることを特徴とする、封止部(15)。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のカメラ(4)を含む、自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用カメラおよびそのようなカメラを有する自動車に関する。カメラは、回路基板とカメラのレンズモジュールとの間に配置された封止部を含む。
【背景技術】
【0002】
自動車は、例えば自動車の環境を撮影するように構成された少なくとも1つのカメラを含むことがある。カメラは、例えば、自動車の前方領域、後方領域、および/または側方領域の環境を撮影することができるように、自動車上に配置されてもよい。追加としてまたは代替として、カメラは自動車の内部を撮影してもよい。
【0003】
自動車のカメラは通常、温度および/または環境条件の変化にさらされる。温度の変化は、例えば、天候、時間帯および/または季節に左右される。環境条件は、例えば、同様に天候に左右され、および/または環境に左右される。環境条件により、カメラは例えば水、雪、ほこり、砂、および/または泥にさらされる可能性がある。そのため、カメラはハウジングによって環境から封止される。しかしながら、カメラの製造中に、異物(FOD)がカメラの内部、特にカメラ内部の光路領域に侵入する可能性がある。FODを発生させる可能性のある製造工程は、例えば、カメラの回路基板のレーザはんだ付けおよび/またはカメラのハウジングのレーザ溶接である。カメラによって生成されるカメラ画像の品質においては、環境条件および/またはFODがカメラ画像の品質を低下させるため、カメラ内の少なくとも光路領域が、特に環境条件および/またはFODから保護されるのが有利である。したがって、レンズモジュールと、例えばセンサが配置された回路基板との間に位置するこの領域は、通常、例えばカメラ内の残りの容積空間から封止部によって封止される。
【0004】
封止部は、力を加えることによって、つまり、レンズモジュールと回路基板との間を圧縮することによって固定される。しかし、この圧縮により、レンズモジュールと回路基板との間の所定の距離が大きくなり、例えば、回路基板がレンズモジュールに近づきすぎることがある。これにより、例えば、回路基板上に配置されたセンサがレンズモジュールの焦点領域から外れるため、カメラ画像は少なくとも部分的に不鮮明になる可能性がある。したがって、通常、カメラの封止部は、光路領域の堅牢な封止を促進しない。
【0005】
文献米国特許出願公開第2015/0181086A1号明細書には、封止されたセンサ空間を含んでなる撮影装置が示されており、封止されたセンサ空間にはレンズとプリント回路基板との間に位置するセンサが配置されている。この撮影装置は、弾性的に周方向に延びる壁部を含む、センサ空間用の封止装置を含む。周方向に延びる壁部は、センサの周囲に配置され、センサを封止するように構成されている。周方向に延びる壁部は、レンズとプリント回路基板との間で圧縮されていてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、カメラの回路基板とレンズモジュールとの間の容積空間を堅牢な方法で封止することができる解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。
【0008】
本発明の第1の態様は、自動車用カメラに関する。カメラは、あるいはカメラ装置と呼ばれることもある。カメラは、例えば、自動車の環境を撮影するように構成された外部カメラである。外部カメラは、例えば、自動車のフロントカメラ、リアカメラ、および/またはサイドカメラである。追加としてまたは代替として、カメラは、自動車の内部を撮影するように構成された内部カメラであってもよい。
【0009】
カメラは受入空間を画成するハウジングを含む。ハウジングによって、カメラは空間的な境界が定められる。受入空間には、カメラのレンズモジュールとカメラの回路基板が配置される。レンズモジュールは、あるいはカメラレンズと呼ばれることもある。レンズモジュールは、カメラの環境から光を取り込むように構成されている。環境から反対方向の端部では、光はレンズモジュールから出射して回路基板に向かう。回路基板は、例えば、少なくとも1つのセンサを含み、センサに当たった光を取り込み、カメラの環境を描写するカメラ画像を生成するように構成される。回路基板はプリント回路基板として構成されてもよい。
【0010】
回路基板とレンズモジュールは、回路基板とレンズモジュールとの間にクリアランスが形成されるように、カメラの長手軸の方向を軸方向として互いに間隔をあけて配置される。このクリアランスは、レンズモジュールと回路基板との間に光路領域を形成する。回路基板とレンズモジュールとの間には弾性封止部が配置され、この封止部によってクリアランスがハウジング内の残りの容積空間から封止される。
【0011】
封止部には所定の屈曲点があり、この屈曲点では、長手軸を横切る封止部の幅が、所定の屈曲点に隣接する封止部の領域における封止部の幅に比べて最小となる。これにより、軸方向に圧縮された場合に、封止部は、所定の屈曲点で長手軸を横切る方向に曲げられるという効果がある。したがって、所定の屈曲点は、封止部の幅が狭くなっていて封止部の残りの領域よりも幅が小さくなっている封止部の領域である。その結果、所定の屈曲点では、封止部の断面積が残りの封止部に比べて小さくなる。所定の屈曲点は、あるいは封止部の定義された屈曲点と呼ばれることもある。所定の屈曲点は、長手軸方向に見たときに、所定の屈曲点よりも幅の広い封止部領域で両側を囲まれている。所定の屈曲点における封止部の幅は、例えば0.5ミリメートルである。それに比べて、所定の屈曲点に隣接する領域における封止部の幅は、例えば0.5ミリメートルより大きく、0.6ミリメートルより小さい、または、特に0.7ミリメートルである。寸法の異なる設計も可能である。
【0012】
長手軸の方向は封止部の高さ方向に相当し、封止部の幅方向は長手軸に対して横方向に配置される。幅は、例えば、長手軸に対して直交していてもよい。所定の屈曲点は、例えば、長手軸方向に見たときに、封止部の中央または上半分に配置され、上半分とは、レンズモジュールよりも回路基板に近い位置に配置される封止部の一部である。例えば軸方向の圧縮の場合、長手方向の上方および/または下方からの力が封止部に加えられる。軸方向の圧縮により、例えば、回路基板は封止部に押し付けられ、同様にレンズモジュールにも押し付けられる。軸方向の圧縮の場合、封止部は少なくとも部分的に長手軸方向に圧縮され、封止部の材質の弾力性に応じて軸方向に圧縮される。
【0013】
所定の屈曲点において封止部の幅が最小であるため、所定の屈曲点は、力の作用下で封止部が最初に変形する部分となる。それに伴い、所定の屈曲点に隣接するそれぞれの領域は、例えばそれぞれの所定の方向に曲げられる。所定の屈曲点は固定点であるため、軸方向の圧縮による封止部の変形は、長手方向に対して所定の方向、または、少なくとも所定の横方向に向けられる。このことは、封止部が確実に曲げられる曲げ方向が予め決められていることを意味する。軸方向圧縮下での封止部の曲げ方向を所定に固定することにより、回路基板とレンズモジュールとの間の所定の距離は、所定の屈曲点を有する封止部によって確実に維持され得るので、クリアランスは特に堅牢な方法で封止される。このことは、回路基板とレンズモジュールとの間の望ましくない相対移動が少なくとも低減されることを意味する。これにより、カメラによって撮影されるカメラ画像の品質が一定に保たれる。さらに、クリアランスは軸方向の圧縮下で封止されるため、特に堅牢な方法で封止され、例えば製造中にカメラ内の光路領域に侵入する可能性のある異物(FOD)が少なくとも低減され、特に防止される。このことは、カメラ画質の良好な品質にも貢献する。
【0014】
有利な実施形態では、封止部が輪(環)であることを想定している。輪(環)は、特に、レンズモジュールの端部に配置され、環境と反対向きに配置されるレンズモジュールの開口部の直径以上、および/または、回路基板上のセンサの直径と等しい直径を有する。封止部は、それぞれ開口部またはセンサの周囲に輪状(環状)に配置される。したがって、封止部は、クリアランスを通る通常の光路の外側に配置される。輪の中心を通る軸は長手軸に平行に配置され、特にカメラの中心軸として構成される場合は長手軸と一致する。輪の設計のため、封止部には角がない。これにより、例えば、それぞれの角の領域における封止部の望ましくない折れ曲がりを回避することができる。輪の設計とすることにより、封止部は、長手軸に対してどのような横方向にも均一な封止効果をレンズモジュールと回路基板との間に提供することができる。
【0015】
更なる実施形態では、軸方向において所定の屈曲点に隣接する領域における封止部が、長手軸に対してそれぞれの角度だけ傾斜することを想定している。軸方向に隣接する2つの領域において、この傾斜は特に互いに反対方向に構成される。つまり、長手軸方向の所定の屈曲点より上方に配置された領域では、封止部が残りの容積空間に向かって傾斜しているが、長手軸方向の所定の屈曲点より下方に配置された領域では、反対方向に、すなわち、封止部によって封止されるクリアランスに向かって傾斜している。この例では、各領域について、長手軸方向の上部に配置された部分領域が見られると仮定し、これは、上部に配置されたこの部分領域が、その反対側の領域の部分領域と比較してどのように配向されているかが見られることを意味する。この例では、所定の屈曲点は、所定の屈曲点に隣接する封止部の領域よりもクリアランスに近い位置に配置されていることになる。
【0016】
特に、それぞれの角度の傾斜は、軸方向の圧縮がない状態で既に存在することが想定される。このように、2つの領域は、軸方向の圧縮とは無関係に傾斜して形成される。したがって、封止部は、長手軸に対して平行になるように構成されるのではなく、長手軸に対して傾斜して、つまり、角度をなして配置される領域を含む。したがって、軸方向に圧縮された場合に、封止部は所定の屈曲点に隣接する領域で更に曲げられ、そして、更に大きな角度で曲げられる。各領域の傾斜配置により、軸方向圧縮時に封止部が所定の屈曲点で曲げられる方向が、確実かつ反復可能に固定的に決定される。
【0017】
さらに、実施形態では、封止部が更なる所定の屈曲点を含み、軸方向に圧縮された場合に、封止部は、更なる所定の屈曲点で長手軸に対して横方向に曲げられることを想定している。封止部は、特に2つの所定の屈曲点において相互に反対方向に折り曲げ可能になっている。これは、軸方向の圧縮が作用した場合に、特に2つの所定の屈曲点において、封止部が相互に反対方向に曲げられることを意味する。特に長手軸方向から見ると、更なる所定の屈曲点は所定の屈曲点の下方に配置されている。更なる所定の屈曲点によって、2つの所定の屈曲点の間に位置する封止部の領域において、長手軸に対して横方向の曲げが達成される。これにより、封止部の個々の領域の曲げ方向は、特に信頼性の高い方法で予め決定される。
【0018】
付加的な実施形態によれば、更なる所定の屈曲点は、封止部の凹部として構成されることが想定される。封止部の凹部は、特に、ハウジング内の残りの容積空間の反対側を向いた封止部の内壁に配置される。内壁は、封止部によって封止されるクリアランスに面している。封止部に凹部が構成されることによって、結果として、更なる所定の屈曲点の領域における封止部の幅の狭小化が達成される。封止部が輪として設計されている場合、凹部は例えば封止部に設けられた溝であり、この溝は封止部の内壁全体にわたって延びている。
【0019】
少なくとも、更なる所定の屈曲点に隣接する封止部の領域は、更なる所定の屈曲点の領域における封止部の幅よりも大きな幅を有することが想定される。しかしながら、更なる所定の屈曲点における封止部の幅は、所定の屈曲点における封止部の幅よりも大きい。更なる所定の屈曲点の上述した設計により、2つの所定の屈曲点間の領域の固定された所定の曲げ方向への変形が実現される。
【0020】
さらに、実施形態では、封止部が第1の縁部において回路基板の上面に直接接触することが想定される。第1の縁部は、あるいは、封止部の第1の端部または上縁部と呼ばれることがある。第1の縁部によって接触される回路基板の上面は、好ましくは平坦面と呼ばれる。これは、例えば、表面が溝および/または他の凹部もしくは隆起を含まないことを意味する。平坦面は、あるいは平滑面とも呼ばれる。軸方向に圧縮された場合、第1の縁部も、特に回路基板の平坦面に直接押し付けられる。つまり、封止部は端部の一つにおいて回路基板と直接接触する。これにより、クリアランスのこの側面で、クリアランスの封止が促進される。
【0021】
さらに、実施形態では、第1の縁部が丸みを帯びて形成されることが想定される。これは、第1の縁部が例えば半円状の断面を有することを意味する。丸みを帯びた設計により、例えば所定の屈曲点における曲げによって第1の縁部が回路基板の表面に対して相対的に移動しても、第1の縁部と回路基板の上面との間の確実な接触が必ず達成され得る。これは、第1の縁部の丸みを帯びた表面により、長手方向に対する封止部の曲げ角度がランダムである場合に、例えば平坦に構成されている回路キャリアの表面と封止部との間に隙間のない接触面が形成されやすくなるからである。
【0022】
追加の実施形態では、封止部が第2の縁部を有することを想定している。第2の縁部は第1の縁部とは反対側に配置され、これは第1の縁部が配置された封止部の側とは反対側の封止部の側にあることを意味する。第2の縁部は、あるいは、第2の端部または下端部と呼ばれることがある。さらに、ハウジングは、レンズモジュールが配置される前部ハウジング部を含む。前部ハウジング部は、回路基板に面する接触面を有する。特に接触面は、レンズモジュールに半径方向に直接隣接するように構成されている。第2の縁部は少なくとも間接的に接触面に接触する。言い換えれば、接触面は、封止部に面するハウジングの側面であり、ハウジングは、レンズモジュール、特に開口部の周囲を取り囲む。接触面上に更なる部品が配置されていない場合、第2の縁部は結果的に接触面に直接接触する。軸方向に圧縮された場合、封止部の第2の縁部は、レンズモジュールに直接押し付けられ得る。
【0023】
前部ハウジング部に加えて後部ハウジング部を設けてもよく、この後部ハウジング部は、例えば、第1ハウジング部に接続され、これによって、例えば、回路基板はレンズモジュールに向かって押され、封止部上に軸方向の圧縮を発生させることができる。
【0024】
付加的な実施形態では、接触面と封止部の第2の縁部との間に、少なくとも部分的に温度制御素子が配置されることが想定される。温度制御素子は、封止部の第2の縁部の反対側を向く側面において、例えば接触面に直接配置される。温度制御素子は、例えば、レンズモジュールおよび/または回路基板を、特に、氷点より高い所定の温度まで加熱するように構成されている。温度制御素子は、あるいは加熱素子と呼ばれることもある。追加としてまたは代替として、温度制御素子は冷却機能を有していてもよく、つまり冷却するように構成されていてもよい。これにより、カメラの中央部品は、中央部品にとって有益な動作温度に保たれ得る。温度制御素子が接触面に配置されている場合、封止部は、第2の縁部において回路基板に面する温度制御素子の表面に接触するため、レンズモジュールの接触面には間接的にしか接触しない。したがって、周囲温度に依存しないカメラが提供される。
【0025】
温度制御素子の接触面および/または表面は、特にそれぞれ平坦または平滑に構成される。したがって、溝および/または異なるように形成された凹部および/または隆起は設けられていない。
【0026】
更なる実施形態によれば、封止部が、一方では回路基板と、他方では接触面および/または温度制御素子との間で軸方向に圧縮されることが想定される。例えば、始めに、封止部は接触面および/または温度制御素子上に配置され、その後、回路基板は、例えば、ねじ止め、接着、または他の方法でカメラの前部ハウジング部または別の部品に固定することにより、所定の位置に移動される。これにより、長手軸方向の力が封止部に作用し、その結果、封止部は所定の屈曲点で曲げられ、場合によっては更なる所定の屈曲点まで曲げられ、それによって封止が実現される。
【0027】
更なる実施形態では、第2の縁部における封止部が、軸方向、つまり長手軸方向に延びる少なくとも1つの膨出部を有する。この少なくとも1つの膨出部において、第2の縁部は接触面および/または温度制御素子に接触する。膨出部は、あるいは、突出部分領域または突出部と呼ばれることもある。膨出部の縁は特に丸みを帯びている。封止部が輪の輪状の突出部として構成されている場合。膨出部は、第2の縁部に隣接する封止部の領域において、封止部の幅よりも小さい幅を有する。軸方向に圧縮された場合、膨出部の領域における封止部は特に容易に変形することが可能で、したがってクリアランスは特に信頼性の高い方法で封止される。
【0028】
封止部は、第2の縁部上に、互いに間隔をあけて配置された2つの膨出部を含むことが想定される。膨出部は、長手方向に対して横方向に見たときに互いに隣り合って配置されている。そして、封止部が接触面および/または温度素子に直接接触する2点が設けられている。これにより、1つの膨出部のみを含む設計と比較して、第2の縁部における封止が更に向上する。
【0029】
付加的な実施形態では、封止部は突出部を含むことを想定している。突出部は残りの容積空間に向かって延びている。突出部は、寸法的に安定した、特に取り外し不可能な方法で残りの封止部に接続される支持板として構成され得る。突出部は、例えば残りの封止部上に輪状に収まるように配置されるが、封止部によって封止されたレンズモジュールとハウジングの間のクリアランスには突出しない。つまり、突出部は封止部の内壁の反対側の封止部の側面に配置される。封止部から外側を向く突出部の縁部には、例えば角が形成されていてもよい。封止部が輪状に構成されている場合、封止部が内壁においてのみ輪状であり、突出部の領域における反対側では角状、特に四角状となるように、突出部は複数の角部を形成し得る。突出部は、封止部の一部のみを横切って長手軸方向に延びる。突出部は、所定の屈曲点を横切ることはない。好ましくは、突出部は、長手軸方向から見て、封止部の底部3分の1に配置される。少なくとも1つの膨出部は、長手軸方向において突出部の下方に少なくとも配置される。そのため、封止部の2つの縁部は、長手軸方向において必ず突出部を越えて突出する。この突出部により、例えば封止部は生産ロボットによって容易に把持され、例えばカメラ内で自動的に正確に位置決めされる。
【0030】
さらに、膨出部が2つの場合、軸方向に圧縮された場合に、膨出部が接触面および/または温度制御素子に押し付けられるような方法で配置され、突出部と接触面もしくは温度制御素子との間に空間が残らないか、または少なくとも軸方向の圧縮がない場合の封止部の配置と比較して空間が減少するように突出部が配置されることが想定され得る。
【0031】
更なる実施形態は、突出部が、所定の屈曲点から離間した封止部の領域において、封止部の幅を増大させることを想定している。突出部の主延長は、長手軸に対して特に横方向に、特に直交して延びる。更なる所定の屈曲点は、突出部の反対側の封止部の側面のこの領域に少なくとも部分的に配置される。突出部の反対側は、封止部の内壁に相当する。このように、少なくとも部分的に、更なる所定の屈曲点は、突出部が形成されるかまたは残りの封止部に接続される封止部の高さに配置される。突出部が配置される領域における封止部の幅は、結果として、残りの封止部に比べて最大であることが好ましい。例えば、更なる所定の屈曲点は、突出部のある領域にほぼ完全に配置されることが想定され得る。好ましくは、更なる所定の屈曲点は、突出部が配置された領域の長手軸方向の上縁に位置する。突出部によって、封止部は基部が安定化される。第1の縁部および所定の屈曲点と比較して広く設計されていることにより、軸方向に圧縮された場合に所定の屈曲点で封止部が曲がる信頼性が向上する。
【0032】
好ましくは、封止部は液状シリコーンで製造されることが想定される。液状シリコーンは、あるいは液状シリコーンゴムと呼ばれることもある。この材料は、例えば射出成形によってサブミリメートル精度で成形され得るという特徴がある。このため、この材料は、例えば、所定の屈曲点の領域において、わずか0.5ミリの幅しかない封止部を製造するのに適している。さらに、この材料では、例えば、上述した封止部の領域の傾斜のような所望の形状や、突出部は更なる所定の屈曲点および/または少なくとも1つの膨出部として特に正確に製造することができる。異なる弾性材料も可能である。
【0033】
本発明の更なる態様は、カメラの封止部に関する。封止部は所定の屈曲点を有し、この屈曲点では、封止部の長手軸に対して横方向の封止部の幅が、所定の屈曲点に隣接する封止部の領域における封止部の幅と比較して最小であるため、軸方向に圧縮された場合に、封止部は所定の屈曲点で長手軸に対して横方向に折り曲げ可能である。封止部の長手軸方向は、封止部がカメラの所定の設置位置に設置される場合、カメラの長手軸方向に相当する。
【0034】
本発明の更なる態様は、上述したようなカメラを含む自動車に関する。自動車は、例えば乗用車、トラック、バス、原付、および/またはオートバイである。自動車において、カメラは、外部カメラおよび/または内部カメラであってもよい。
【0035】
追加としてまたは代替として、カメラを別の物体またはアイテムに関連付けてもよい。つまり、カメラは、自動車の文脈での用途に限定されない。
【0036】
本発明は、上述した実施形態の組み合わせを含む。カメラに関連して上述した実施形態は、単独でまたは互いに組み合わせて、適用可能な限り、本発明による封止部および本発明による自動車に等しく適用される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、複数のカメラを有する自動車の概略図である。
【
図3】
図3は、カメラの封止部を通る概略断面図である。
【
図4】
図4は、輪として構成されたカメラの封止部の概略透視図である。
【
図5】
図5は、カメラの封止部の一部を示す概略透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面中、同一の要素または同一の機能を有する要素には同一の参照符号を付している。
【0039】
図1には、自動車1が描かれている。自動車1は制御装置2を含み、この制御装置2によって、例えば自動車1の運転支援システム3が提供され得る。自動車1は複数のカメラ4を含む。それぞれのカメラ4によって撮影されたデータは、例えば、センサ情報またはカメラ画像と呼ばれることがあり、例えば、制御装置2に供給される。運転支援システム3は、例えば、これらのデータを考慮して、自動車1を少なくとも部分的に自動的に制御することができる。
【0040】
カメラ4の1つは、自動車1の前方部分において自動車1の環境を撮影するように構成されている。つまり、このカメラ4はフロントカメラである。フロントカメラは、自動車1のフロントガラス5の上部において自動車1の高さ方向に配置されている。さらに、自動車1の後部領域には、更なるカメラ4が配置されてもよく、例えば、リアカメラと呼ぶことができる。さらに、または代替として、自動車1のサイドミラー6に少なくとも1つのカメラ4を配置することもできる。このカメラ4は、自動車1のサイドカメラとなる。全体として、例えば4つの上述したカメラ4によって、自動車1の完全な環境を撮影することができる。さらに、自動車1の内部に配置され、例えば自動車1の運転者および/または副運転者を撮影するように構成されたカメラ4を設けてもよい。自動車1内および/または自動車1上のカメラ4の配置はランダムに選択することができ、ここでは純粋に例示的に描写している。
【0041】
図2は、カメラ4の1つを通る断面を示す。カメラ4はハウジング10を含み、ハウジング10によって、カメラ4のレンズモジュール12とカメラ4の回路基板13とが配置される受入空間11が画成されている。回路基板13とレンズモジュール12は、カメラ4の長手軸Aの方向に互いに間隔をあけて軸方向に配置され、回路基板13とレンズモジュール12の間にクリアランス14が形成されるようになっている。クリアランス14は、受入空間11の部分領域である。回路基板13とレンズモジュール12の間には弾性封止部15が配置され、封止部15によってクリアランス14がハウジング10内の残りの容積空間16から封止されている。つまり、封止部15によって、受入空間11はクリアランス14と残りの容積空間16に細分化される。クリアランス14は、レンズモジュール12によって取り込まれ、回路基板13に向かって放出される光の光路を表す。例えば光は、レンズモジュール12の出射部7からクリアランス14に入射する。出射部7はレンズモジュール12の開口部と呼ばれることもある。光は、例えば、レンズモジュール12に面する回路基板13の側面に配置されたセンサまたは検出器に入射する。回路基板13は、あるいはプリント回路基板と呼ばれることもある。
【0042】
ハウジング10は、前部ハウジング部17と後部ハウジング部20を含んでなる。前部ハウジング部17と後部ハウジング部20は、例えば、ねじ、リベット、接着剤、または他の任意の種類の接続技術によって、接触点で互いに接続される。前部ハウジング部17にはレンズモジュール12が配置される。ハウジング10の前部ハウジング部17は、接触面18を含み得る。接触面18は、封止部15および回路基板13に面する前部ハウジング部17の面である。特に接触面18は、レンズモジュール12の半径方向に直接隣接して配置される。レンズモジュール12は、好ましくは、少なくとも部分的に丸みを帯びて形成されるように構成される。ハウジング10の少なくとも一部を立方体に構成してもよい。
【0043】
接触面18には、カメラ4の温度制御素子19が配置され得る。温度制御素子19は、長手軸Aの方向において接触面18の上方に配置される。温度制御素子19によって、例えば、レンズモジュール12および/または回路基板13の所定の温度を、特に、例えば氷点下にあるカメラ4内の温度に設定することができる。温度制御素子19は加熱素子として構成されてもよい。封止部15は、一方では回路基板13と、他方では接触面18および/または温度制御素子19との間で軸方向に圧縮されていてもよい。
【0044】
図3は封止部15を通る断面図である。封止部15は、例えば液状シリコーンから製造される。封止部15は、所定の屈曲点21を含む。所定の屈曲点21は、長手軸A方向において封止部15の中央または上半分に配置されてもよい。所定の屈曲点21の領域では、封止部15の幅22は、所定の屈曲点21に隣接する封止部15の領域における封止部15の幅22´、22´´に比べて最小であり、軸方向に圧縮された場合に封止部15が所定の屈曲点21で長手軸Aに対して横方向に曲げられるようになっている。幅22は、例えば0.5ミリメートルであってもよい。対照的に、幅22´、22´´はより大きく、例えば、0.5ミリメートルおよび0.6ミリメートルより大きく、特に0.7ミリメートルである。
【0045】
さらに、所定の屈曲点21に軸方向に隣接する領域の封止部15は、長手軸Aに対してそれぞれ角度24、24´だけ傾斜またはねじれることがある。例えば、所定の屈曲点21の上方の領域における角度24は、長手軸Aと封止部15の内壁26との間に約20°をなす。ここで所定の屈曲点21の上方に配置された領域は、所定の屈曲点21の下方に配置された領域と比較して反対方向に傾斜している。そこでは、例えば、長手軸Aと、内壁26の反対側の封止部15の壁との間の角度24´は、約27°をなす。これらの角度24、24´は、純粋に例示的なものと理解されたい。より大きいおよび/またはより小さい角度24、24´も可能である。
【0046】
封止部15に軸方向、つまり長手軸Aの方向に圧縮が加えられた場合、つまり、例えば封止部15に対して上方または下方から力が作用した場合、封止部15は第1の縁部27で曲げ方向23に曲げられる。これは、所定の屈曲点21と角度24、24´の設計に起因する。
【0047】
軸方向に圧縮された場合、封止部15が、長手軸Aに対して横方向の更なる所定の屈曲点25で曲げられるように、更なる所定の屈曲点25を設けてもよく、この場合、封止部15は、2つの所定の屈曲点21、25で互いに反対方向に曲げられる。軸方向に圧縮された場合の底部領域は、曲げ方向23とは反対の曲げ方向23´に曲げられる。更なる所定の屈曲点25は、特に、封止部15の凹部として構成されている。更なる所定の屈曲点25が封止部15の内壁26に配置され、封止部15をカメラ4に取り付ける場合、内壁26はクリアランス14に面し、従って残りの容積空間16とは反対方向に面している。
【0048】
第2の縁部28の封止部15は、少なくとも一つの膨出部29を有する。
図3に示す封止部15は2つの膨出部29を含む。少なくとも一つの膨出部29により、封止部15は接触面18および/または温度制御素子19に直接接触することができる。2つの膨出部29がある場合、これらは長手軸Aに対して横方向に互いに隣接して配置される。さらに、2つの膨出部29は長手軸Aに対して横方向に互いに間隔を隔てて配置される。
【0049】
封止部15は突出部30を含み得る。突出部30は、特に、寸法的に安定した輪状のキャリアボードとして構成することができる。突出部30は、特に、残りの封止部15に取り外し不可能に配置されてもよい。2つの縁部27、28は、少なくとも突出部30よりも突出している。突出部30は残りの容積空間に向かって延びている。そのため、突出部30は封止部15の内壁26には配置されない。突出部30の領域における封止部15の幅22´´´は、ここでは封止部15の最大幅22、21´、22´´、22´´´に相当する。更なる所定の屈曲点25は、突出部30が配置された封止部15の領域に少なくとも部分的に配置される。この領域はここでは部分領域31である。
【0050】
封止部15の第1の縁部27は丸みを帯びて形成されてもよい。丸みを帯びた第1の縁部27により、封止部15はその取り付け位置で回路基板13に接触する。回路基板13には、封止部15の上縁部27を受けるための凹部は特に設けられていない。
【0051】
図4には、封止部15の透視図が示されている。封止部15は輪状に構成されている。突出部30は、長手軸Aに対して横方向に構成されており、正方形であるが、ここでは角の代わりに凹部が設けられている。突出部30は、例えば回路基板13とレンズモジュール12との間の接続要素が配置されるスペースとして機能する。突出部30は、例えば、封止部15をロボット、特に産業用ロボット、および/または人の手で把持できるようにするための役割を果たす。従って、カメラ4は自動的に組み立てることができ、封止部15は例えば温度制御素子19上および/または接触面18上に直接自動的に配置することができる。
【0052】
図5は、突出部30を備えた輪として構成された封止部15の断面を示している。ここでは、封止部15の断面が概略的に強調されている。封止部15の表面下に配置された封止部15の領域は破線で描写されている。この領域は、第2の縁部28とそこに配置された膨出部29の領域に関する。
【0053】
全体として、実施例はカメラ4の封止部15の断面形状を示している。これにより、不純物や散乱光がカメラ4の光路(光パス)に入らないようにするために、力をほとんど必要としない封止が可能になる。本発明の主な特徴は、所定の屈曲点21にある。所定の屈曲点21は、封止部15の軸方向ほぼ中央で材料の断面の厚さが減少している。これにより、封止部15をこの点で曲げることができ、その際、変形の方向、ひいては曲げが制御される。所定の屈曲点21により、均一な圧縮が保証される。さらに、残りのハウジング10、すなわちここでは接触面18および/または温度制御素子19とのより良い接触を可能にするために、例えば2つの膨出部29のような位置フランジが追加される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用のカメラ(4)であって、
ハウジング(10)を含み、
前記ハウジング10)によって、前記カメラ(4)のレンズモジュール(12)と前記カメラ(4)の回路基板(13)とが配置される受入空間(11)が画成され、
前記回路基板(13)と前記レンズモジュール(12)との間にクリアランス(14)が形成されるように、前記回路基板(13)と前記レンズモジュール(12)とが、前記カメラ(4)の長手軸(A)方向において互いに軸方向に間隔を隔てて配置され、
前記回路基板(13)と前記レンズモジュール(12)との間に弾性封止部(15)が配置され、前記クリアランス(14)が前記封止部(15)によって前記ハウジング(10)内の残りの容積空間(16)から封止されるようになっているカメラであって、
前記封止部(15)は、所定の屈曲点(21)を有し、前記所定の屈曲点(21)では、前記長手軸(A)に対して横方向の前記封止部(15)の幅(22)が、前記所定の屈曲点(21)に隣接する前記封止部(15)の領域における前記封止部(15)の幅(22´、22´´)と比較して最小となり、軸方向に圧縮された場合に前記封止部(15)が前記所定の屈曲点(21)で前記長手軸(A)に対して横方向に曲げられることを特徴とする、カメラ。
【請求項2】
前記封止部(15)は輪であることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項3】
前記所定の屈曲点(21)に隣接する領域において、前記封止部(15)が前記長手軸(A)に対してそれぞれの角度(24)だけ、特に相互に反対方向に、特に軸方向の圧縮がない状態で既に傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項4】
前記封止部(15)は更なる所定の屈曲点(25)を含み、前記軸方向に圧縮される場合に前記封止部(15)は前記更なる所定の屈曲点(25)において前記長手軸(A)に対して横方向に曲げられ、
前記2つの所定の屈曲点(21、25)において前記封止部(15)は相互に反対方向に曲げられることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項5】
前記更なる所定の屈曲点(25)は、前記封止部(15)の凹部として構成され、
特に、前記ハウジング(10)内の前記残りの容積空間(16)の反対側を向く前記封止部(15)の内壁(26)に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項6】
前記封止部(15)が第1の縁部(27)において前記回路基板(13)の上面に直接接触することを特徴とする、請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項7】
前記第1の縁部(27)が丸みを帯びて形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のカメラ(4)。
【請求項8】
前記封止部(15)は第2の縁部(28)を含み、
前記ハウジング(10)は前記レンズモジュール(12)が配置される前部ハウジング部(17)を含み、
前記前部ハウジング部(17)は接触面(18)を含み、前記接触面(18)は、前記回路基板(13)に面し、特に半径方向に直接前記レンズモジュール(12)に隣接し、
前記第2の縁部(28)は少なくとも間接的に前記接触面(18)に接触することを特徴とする、請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項9】
前記接触面(18)と前記封止部(15)の前記第2の縁部(28)との間に、少なくとも部分的に温度制御素子(19)が配置されていることを特徴とする、請求項8に記載のカメラ(4)。
【請求項10】
前記封止部(15)は、一方では前記回路基板(13)と、他方では前記接触面(18)および/または前記温度制御素子(19)との間で、軸方向に圧縮されて配置されていることを特徴とする、請求項9に記載のカメラ(4)。
【請求項11】
前記封止部(15)は、前記第2の縁部(28)において軸方向に延びる膨出部(29)を含み、
この膨出部(29)によって前記第2の縁部(28)は前記接触面(18)および/または前記温度制御素子(19)に接触することを特徴とする、請求項9に記載のカメラ(4)。
【請求項12】
前記封止部(15)は前記残りの容積空間(16)に向かって延びる突出部(30)を含み、
少なくとも前記2つの縁部(27、28)はそれぞれ、前記突出部(30)を越えて軸方向に突出しており、
前記突出部(30)は、特に支持板として構成されており、寸法的に安定で特に取り外し不可能な方法で、前記残りの封止部(15)に連結されていることを特徴とする、請求項8に記載のカメラ(4)。
【請求項13】
前記突出部(30)は、前記所定の屈曲点(21)から離間した前記封止部(15)の領域において前記封止部(15)の前記幅(22)を増大させ、
更なる所定の屈曲点(25)が、前記突出部(30)と反対側を向く前記封止部(15)の側面において前記封止部(15)のこの領域に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする、請求項12に記載のカメラ(4)。
【請求項14】
カメラ(4)の封止部(15)であって、
前記封止部(15)は所定の屈曲点(21)を含み、前記所定の屈曲点(21)では、前記封止部(15)の長手軸(A)に対して横方向の前記封止部(15)の幅(22)が、前記所定の屈曲点(21)に隣接する前記封止部(15)の領域における前記封止部(15)の幅(22´、22´´)に比較して最小となり、軸方向に圧縮された場合に、前記封止部(15)が前記所定の屈曲点(21)で長手軸(A)方向に対して横方向に曲げられることを特徴とする、封止部(15)。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のカメラ(4)を含む、自動車(1)。
【外国語明細書】