(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084709
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】付加製造された燃焼室、マニホールド構造、およびそれらに関連するハイブリッド付加プロセス
(51)【国際特許分類】
F02K 9/62 20060101AFI20240618BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20240618BHJP
B22F 5/00 20060101ALI20240618BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240618BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240618BHJP
【FI】
F02K9/62
B22F10/28
B22F5/00 Z
B33Y10/00
B33Y80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023206662
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】63/386,841
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523462240
【氏名又は名称】レラティヴィティ・スペース・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ライト,ビショップ・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ステングライン,エリック・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー,フリッツ・シー
(72)【発明者】
【氏名】モギレフスキー,ウラジスラフ
(72)【発明者】
【氏名】エクメジャン,ナザレ
(72)【発明者】
【氏名】ディヴェルディ,ロッコ
(72)【発明者】
【氏名】イシゴ,アリッサ
(72)【発明者】
【氏名】ワックスマン,ベンジャミン・スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】トンネスラン,サミュエル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドフォーゲル,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】フラー,ジョン・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン,アンドリュー・ニール
(72)【発明者】
【氏名】オーリック,チャンドラー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一体型流体マニホールドを有する付加製造されたスラスト室、ならびにそれらを生産するためのハイブリッド付加製造方法が提供される。
【解決手段】ハイブリッド付加製造技術は、例えば、WAAM、PBF、コールドスプレー、およびDEDを含む様々なプロセスを組み合わせ、種々の寸法要件、すなわち、大きな全体サイズおよび小さなフィーチャを有する物体を生産することができる。ハイブリッド付加製造は、任意の製造された物体内に様々なプロセス層を提供すると定義することができる。次いでこれらのプロセス層は、製造された物体全体にわたる可変のフィーチャおよびサイズ分布の導入を可能にする。態様によるハイブリッドプロセス層はまた、様々な材料の使用を可能にしてもよく、または様々なプロセス層にわたって単一の材料を使用してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱燃焼室であって、
第1の材料で形成され、開口端の管状燃焼室容積を画定する内壁、それらの長さに沿って異なる高さに配置された少なくとも1つの組の入口及び少なくとも1つの組の出口を有する外壁、並びに前記内壁と前記外壁との間に形成され、前記少なくとも1つの入口及び前記少なくとも1つの出口と流体連通する複数の冷却チャネルを有する一体型再生冷却式ライナ本体と;
前記少なくとも1つの組の入口及び前記少なくとも1つの組の出口に隣接するか又は重なり合う前記外壁の少なくとも一部にわたって、前記ライナ本体の外周と一体であり、かつ前記外周の周りに延びる第2の材料の少なくとも1つの層で形成された少なくとも1つの構造クラッド領域と;
第3の材料で形成され、前記少なくとも1つの組の入口及び前記少なくとも1つの組の出口の各々と関連付けられ流体連通して配置された少なくとも1つの別個の流体マニホールドであって、前記別個の流体マニホールドの各々は、前記少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり:
前記少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、前記少なくとも1つの組の入口又は前記少なくとも1つの組の出口の両側で前記ライナ本体の前記外周の周りに延びる複数の重なり合う階段状層を備える第1及び第2のベース構造、並びに
前記第1及び第2のベース構造と一体であり、前記第1及び第2のベース構造の間にまたがり、前記関連する少なくとも1つの組の入口及び少なくとも1つの組の出口にわたって前記ライナ本体の前記外周の周りに延びる流体マニホールド筐体を形成する上部壁、
を備え、
各流体マニホールドの前記第1及び第2のベース構造及び前記上部壁は、流体マニホールド外壁及び内側流体導管を画定し、前記内側流体導管が概して円筒形の流体マニホールド断面を有するように構成される、
少なくとも1つの別個の流体マニホールドと、
前記流体マニホールド外壁の各々に一体的に配置され、接続要素が配置された少なくとも1つの流体アクセスポートと
を備え、
前記流体マニホールド、前記ライナ本体の前記少なくとも1つの組の入口及び出口並びに前記冷却チャネルは、前記熱燃焼室の上端に終端を有するそれらの間の単一の流体流路を画定する、
熱燃焼室。
【請求項2】
前記冷却チャネルは、0.05mm未満の寸法解像度を有する、請求項1に記載の熱燃焼室。
【請求項3】
前記第1の材料、前記第2の材料、及び前記第3の材料のうち、少なくとも2つが別個である、請求項1に記載の熱燃焼室。
【請求項4】
前記少なくとも2つの別個の材料のうちの少なくとも1つは、Cu系合金又はNi-Cr系合金を備える、請求項3に記載の熱燃焼室。
【請求項5】
前記ライナ本体、前記構造クラッド、及び/又は前記流体マニホールドの構造上又は前記構造内に一体的に形成又は相互接続された少なくとも1つの特徴部をさらに備える、請求項1に記載の熱燃焼室。
【請求項6】
前記少なくとも1つの特徴部は、フランジ、別個の流体マニホールド、燃料噴射マニホールド、又はスラストスカートをさらに備える、請求項5に記載の熱燃焼室。
【請求項7】
前記スラストスカートは、前記熱燃焼室容積の第2の開口端と一体であるか又は相互接続され、概して開口した円錐形内側容積を画定し、前記円錐形内側容積の外周は、前記熱燃焼室の遠位に拡張する、請求項6に記載の熱燃焼室。
【請求項8】
前記スラストスカートは、内壁及び外壁と、それらの間に形成された複数の冷却チャネルとをさらに備え、前記複数の冷却チャネルは、前記再生冷却式ライナ本体の前記冷却チャネルと流体連通する、請求項7に記載の熱燃焼室。
【請求項9】
前記スラストスカートは、
前記熱燃焼室に近位のその第1の端部における外面に配置された一組の流体入口と、
前記熱燃焼室に遠位のその第2の端部における外面に配置された一組の流体出口と
をさらに備え、
前記一組の流体入口及び出口は、前記スラストスカート内に配置された前記複数の冷却チャネルと流体連通し、
別個の一体型流体マニホールドは、前記スラストスカートの外面上及び前記スラストスカートの外周の周りに形成されて前記一組の流体入口及び出口の各々を囲み、前記スラスト燃焼室上の流体別個の流体マニホールドと流体連通する、
請求項8に記載の熱燃焼室。
【請求項10】
熱燃焼室の再生冷却式ライナ本体と関連付けられ流体連通して配置された流体マニホールドであって、前記流体マニホールドは、前記熱燃焼室の外壁と一体であり、
前記熱燃焼室の外周と一体であり、前記外周の周りに延びる複数の重なり合う階段状層を備える第1及び第2のベース構造と、
前記第1及び第2のベース構造と一体であり、前記第1及び第2のベース構造の間にまたがり、前記熱燃焼室内の少なくとも1つの流体経路にわたって前記少なくとも1つの流体経路に関連する前記熱燃焼室の前記外周の周りに延びる流体マニホールド筐体を形成する上部壁と
を備え、
各流体マニホールドの前記第1及び第2のベース構造並びに前記上部壁は、流体マニホールド外壁及び内側流体導管を画定し、前記内側流体導管が概して円筒形の流体マニホールド断面を有するように構成される、
流体マニホールド。
【請求項11】
前記流体マニホールド外壁上に一体的に配置され、接続要素が配置された少なくとも1つの流体アクセスポートをさらに備える、請求項10に記載の流体マニホールド。
【請求項12】
熱燃焼室を形成するためのハイブリッド付加製造方法であって、
粉末床溶融であって、開口端の管状燃焼室容積を画定する内壁、それらの長さに沿って異なる高さに配置された少なくとも1つの組の入口及び少なくとも1つの組の出口を有する外壁、並びに前記内壁と前記外壁との間に形成され、粉末床溶融法を使用して前記少なくとも1つの入口及び前記少なくとも1つの出口と流体連通する複数の冷却チャネルを有する、第1の材料の一体型再生冷却式ライナ本体を形成する粉末床溶融と、
ワイヤアーク付加製造、指向性エネルギー堆積、又はコールドスプレー付加製造であって、前記少なくとも1つの組の入口及び前記少なくとも1つの組の出口に隣接するか又は重なり合う前記外壁の少なくとも一部にわたって、前記ライナ本体の外周と一体であり、かつ前記外周の周りに延びる第2の材料の少なくとも1つの構造クラッド領域を形成することと、
ワイヤアーク付加製造又は指向性エネルギー堆積であって、前記少なくとも1つの組の入口及び前記少なくとも1つの組の出口の各々と関連付けられ流体連通して配置された、第3の材料の少なくとも1つの別個の流体マニホールドであって、前記別個の流体マニホールドの各々は、前記少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、
前記少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、前記少なくとも1つの組の入口又は前記少なくとも1つの組の出口の両側で前記ライナ本体の前記外周の周りに延びる複数の重なり合う階段状層を備える第1及び第2のベース構造、並びに
前記第1及び第2のベース構造と一体であり、前記第1及び第2のベース構造の間にまたがり、前記関連する少なくとも1つの組の入口及び少なくとも1つの組の出口にわたって前記ライナ本体の前記外周の周りに延びる流体マニホールド筐体を形成する上部壁
を含み、
各流体マニホールドの前記第1及び第2のベース構造並びに前記上部壁は、流体マニホールド外壁及び内側流体導管を画定し、前記内側流体導管が概して円筒形の流体マニホールド断面を有するように構成されるものを形成することと、
ワイヤアーク付加製造又は指向性エネルギー堆積であって、前記流体マニホールド外壁の各々に一体的に配置され、接続要素が配置された少なくとも1つの流体アクセスポートを形成することと、
を備え、
前記流体マニホールド、前記ライナ本体の前記少なくとも1つの組の入口及び出口並びに前記冷却チャネルは、前記熱燃焼室の上端に終端を有するそれらの間の単一の流体流路を画定する、
方法。
【請求項13】
前記冷却チャネルは、0.05mm未満の寸法解像度を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の材料、前記第2の材料、及び前記第3の材料のうち、少なくとも2つが別個である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも2つの別個の材料のうちの少なくとも1つは、Cu系合金又はNi-Cr系合金を備える、請求項12に記載の熱燃焼室。
【請求項16】
前記ライナ本体、前記構造クラッド、及び/又は前記流体マニホールドの構造上又は前記構造内に一体的に形成又は相互接続された少なくとも1つの特徴部をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの特徴部は、フランジ、別個の流体マニホールド、燃料噴射マニホールド、又はスラストスカートをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの特徴部は、ワイヤアーク付加製造又は指向性エネルギー堆積を使用して形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの特徴部は、前記スラストスカートからなり、前記方法は、前記熱燃焼室容積の第2の開口端と一体であるか又は相互接続され、概して開口した円錐形内側容積を画定し、前記円錐形内側容積の外周は、前記熱燃焼室の遠位に拡張している前記スラストスカートを形成する粉末床溶融、ワイヤアーク付加製造、又は指向性エネルギー堆積をさらに備え、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記スラストスカートは、内壁及び外壁と、それらの間に形成された複数の冷却チャネルとをさらに備え、前記複数の冷却チャネルは、前記再生冷却式ライナ本体の前記冷却チャネルと流体連通する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記スラストスカートは、
前記熱燃焼室に近位のその第1の端部における外面に配置された一組の流体入口と、
前記熱燃焼室に遠位のその第2の端部における外面に配置された一組の流体出口と
をさらに備え、
前記一組の流体入口及び出口は、前記スラストスカート内に配置された前記複数の冷却チャネルと流体連通し、
別個の一体型流体マニホールドは、前記スラストスカートの外面上及び前記スラストスカートの外周の周りに形成されて前記一組の流体入口及び出口の各々を囲み、前記スラスト燃焼室上の流体別個の流体マニホールドと流体連通し、
前記別個の一体型流体マニホールドは、ワイヤアーク付加製造又は指向性エネルギー堆積を使用して形成される、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記構造クラッド領域、前記少なくとも1つの流体マニホールド、及び前記少なくとも1つの流体アクセスポートからなる群から選択される少なくとも1つの要素上に一体的に少なくとも1つの統合特徴部を形成するワイヤアーク付加製造又は指向性エネルギー堆積をさらに備える、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、ハイブリッド付加製造プロセス、およびハイブリッド付加製造プロセスによって形成された構造に関し、より詳細には、ハイブリッド付加製造プロセスによって作製された燃焼室および流体マニホールドに関する。
利益主張および参照による援用
【0002】
本明細書は、2022年12月9日に出願された米国仮特許出願第63/386,841号の利益を主張し、その全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
付加製造は、固体部品が構築されることになる順序またはパターンで材料の1つの層を別の層の上に付加することによって製品または部品が製造されるプロセスである。この製造方法は、一般に3次元または3D印刷と呼ばれ、プラスチックおよび金属を含む異なる材料で行うことができる。とりわけ、直接エネルギー堆積、ワイヤアーク付加製造、粉末床溶融、コールドスプレーなどを含む、物品の3D印刷を実施するために利用可能な多くの異なるプロセスが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マニホールドは、幅の広いおよび/またはより大きい管、またはチャネルであり、その中にはより小さい管またはチャネルが続く。マニホールドは、例えば、複数のシリンダからの排気ガスを1つの管に収集するエンジン、流体の流れを調節し、それによってアクチュエータとポンプとの間の動力伝達を制御して空気または燃料/空気混合エンジンに供給を行う油圧装置などにおける多くの異なる流体制御環境で実装される。これらのプロセスの多くは、高圧流体の流れに耐えることができるマニホールドを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、ハイブリッド付加製造プロセス、およびハイブリッド付加製造プロセスよって形成された構造を対象とする。
【0006】
本開示のさらに別の態様は、熱燃焼室であって、
ライナ本体材料で形成され、開口端の管状燃焼室容積を画定する内壁、それらの長さに沿って異なる高さに配置された少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口を有する外壁、ならびに内壁と外壁との間に形成され、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口と流体連通する複数の冷却チャネルを有する一体型再生冷却式ライナ本体と、
少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口に隣接するかまたは重なり合う外壁の少なくとも一部にわたって、ライナ本体の外周と一体であり、かつ外周の周りに延びるクラッド材料の少なくとも1つの層で形成された少なくとも1つの構造クラッド領域と、
少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口の各々と関連付けられ流体連通して配置された少なくとも1つの別個の流体マニホールドであって、別々の流体マニホールドの各々は、少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、
少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、少なくとも1つの組の入口または少なくとも1つの組の出口の両側でライナ本体の外周の周りに延びる複数の重なり合う階段状層からなる第1および第2のベース構造、ならびに
第1および第2のベース構造と一体であり、第1および第2のベース構造の間にまたがり、関連する少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口にわたってライナ本体の外周の周りに延びる流体マニホールドエンクロージャを形成する上壁
を備え、
各流体マニホールドの第1および第2のベース構造および上壁は、流体マニホールド外壁および内側流体導管を画定し、内側流体導管が概して円筒形の流体マニホールド断面を有するように構成される
少なくとも1つの別個の流体マニホールドと、
流体マニホールド外壁の各々に一体的に配置され、接続要素が配置された少なくとも1つの流体アクセスポートと
を備え、
流体マニホールド、ライナ本体の少なくとも1つの組の入口および出口ならびに冷却チャネルは、熱燃焼室の上端に終端を有するそれらの間の単一の流体流路を画定する、
熱燃焼室を対象とする。
【0007】
本開示のまたさらなる態様では、再生冷却式ライナ本体および流体マニホールドは、異なる材料から形成される。
【0008】
本開示のなおさらなる態様では、冷却チャネルは、0.05mm未満の寸法解像度を有する。
【0009】
本開示のなおさらなる態様では、ライナ本体材料および構造クラッド材料は、異なる。
【0010】
本開示のなおさらなる態様では、ライナ本体材料は、Cu系合金を含み、構造クラッド材料は、Ni-Cr系合金である。
【0011】
本開示のなおさらなる態様では、流体マニホールドは、構造クラッド材料と同じNi-Cr系合金から形成される。
【0012】
本開示のなおさらなる態様では、流体マニホールドは、構造クラッド材料とは異なるNi-Cr系合金から形成される。
【0013】
本開示のなおさらなる態様では、第1および第2のフランジは、管状燃焼室容積の開口端の外周の周りで少なくとも再生冷却式ライナ本体と一体である。
【0014】
本開示のなおさらなる態様では、第1および第2のフランジは、別々の流体マニホールドのための第1および第2のベース構造の一方を形成する。
【0015】
本開示のなおさらなる態様では、再生冷却式ライナ本体は、熱燃焼室容積が狭いスロート領域に収束する室の長さに沿った外周を有する第1の端部と、狭いスロート領域から第2の端部に室の長さに沿って拡張する外周を有する第2の端部とを有するように、非対称の砂時計形を画定する。
【0016】
本開示のなおさらなる態様では、第1の組の入口が、狭いスロート領域において再生冷却式ライナ本体の外壁の外周に少なくとも沿って配置され、少なくとも1つの構造クラッド領域が、前記第1の組の入口の上に配置され、さらに、流体導管が、前記少なくとも1つの構造クラッド領域を通って配置され、第1の組の入口を少なくとも1つの構造クラッド領域の外部に相互接続する。
【0017】
本開示のなおさらなる態様では、第1の組の出口が、第2の端部において再生冷却式ライナ本体の外壁の外周に少なくとも沿って配置され、第2の組の入口が、第1の端部において再生冷却式ライナ本体の外壁の外周に少なくとも沿って配置され、第1の組の出口および第2の組の入口は、構造クラッド領域によって覆われていない。
【0018】
本開示のなおさらなる態様では、別々の一体型流体マニホールドは、第1および第2の組の入口ならびに第1の組の出口を囲むように形成される。
【0019】
本開示のなおさらなる態様では、単一の流体流路は、流体アクセスポートおよび第1の組の入口に関連する流体マニホールドを通過し、第1の組の入口を通過して冷却チャネルに至り、冷却チャネルを通過して第1の組の出口に至り、第1の組の出口ならびに関連する流体マニホールドおよび流体アクセスポートを通過してそれらと相互接続された流体導管に至り、流体導管を通過し、そして流体アクセスポートおよび第2の組の入口に関連する流体マニホールドを通過し、第2の組の入口は、再生冷却式ライナ本体を通って燃料噴射マニホールドに、かつ第2の組の入口を通って燃料噴射マニホールドに相互接続される。
【0020】
本開示のなおさらなる態様では、熱燃焼室は、熱燃焼室容積の第1の開口端と一体であるか相互接続され、複数の燃料インジェクタ要素を備える燃料噴射マニホールドを含み、複数の燃料インジェクタ要素は、再生冷却式ライナ本体の少なくとも冷却チャネルと流体連通する。
【0021】
本開示のなおさらなる態様では、熱燃焼室は、熱燃焼室容積の第2の開口端と一体であるかまたは相互接続され、概して開口した円錐形内側容積を画定するスラストスカートを含み、円錐形内側容積の外周は、熱燃焼室の遠位に拡張する。
【0022】
本開示のなおさらなる態様では、スラストスカートは、内壁および外壁と、それらの間に形成された複数の冷却チャネルとをさらに含み、複数の冷却チャネルは、再生冷却式ライナ本体の冷却チャネルと流体連通する。
【0023】
本開示のなおさらなる態様では、スラストスカートは、
熱燃焼室に近位のその第1の端部における外面に配置された一組の流体入口と、
熱燃焼室に遠位のその第2の端部における外面に配置された一組の流体出口と
をさらに含み、
一組の流体入口および出口は、スラストスカート内に配置された複数の冷却チャネルと流体連通し、
別々の一体型流体マニホールドは、スラストスカートの外面上およびスラストスカートの外周の周りに形成されて一組の流体入口および出口の各々を囲み、スラスト燃焼室上の別々の流体マニホールドと流体連通する。
【0024】
本開示のなおさらなる態様では、単一の流体流路は、再生冷却式ライナ要素に関連する第1の流体マニホールドから、スラストスカート上の一組の入口に関連する流体マニホールドを通過し、一組の入口を通過して冷却チャネルに至り、冷却チャネルを通過してスラストスカート上の一組の出口を通り関連する流体マニホールドに至り、スラストスカート上の一組の出口に関連する流体マニホールドを通過して再生冷却式ライナ要素に関連する第2の流体マニホールドに至る。
【0025】
本開示のなおさらなる態様では、スラスト室は、熱燃焼室の内壁に配置され、冷却チャネルと流体連通する少なくとも1つの組の流体出口を含む。
【0026】
本開示のなおさらなる態様では、スラスト室は、構造クラッド領域、少なくとも1つの流体マニホールド、および/または少なくとも1つの流体アクセスポート上に一体的に形成された少なくとも1つの統合フィーチャ(integration feature)を含む。
【0027】
本開示の様々な態様は、熱燃焼室の再生冷却式ライナ本体と関連付けられ流体連通する流体マニホールドであって、流体マニホールドは、熱燃焼室の外壁と一体であり、
熱燃焼室の外周と一体であり、外周の周りに延びる複数の重なり合う階段状層を備える第1および第2のベース構造と、
第1および第2のベース構造と一体であり、第1および第2のベース構造の間にまたがり、熱燃焼室内の少なくとも1つの流体経路にわたって少なくとも1つの流体経路に関連する熱燃焼室の外周の周りに延びる流体マニホールドエンクロージャを形成する上壁と
を含み、
各流体マニホールドの第1および第2のベース構造ならびに上壁は、流体マニホールド外壁および内側流体導管を画定し、内側流体導管が概して円筒形の流体マニホールド断面を有するように構成される、
流体マニホールドを対象とする。
【0028】
さらに別の態様では、概して円筒形の流体マニホールドは、鋭角、直角、および反射からなる群から選択される角度を有する内部構造がない断面を備える。
【0029】
またさらなる態様では、マニホールドは、流体マニホールド外壁上に一体的に配置され、接続要素が配置された少なくとも1つの流体アクセスポートを含む。
【0030】
本開示の多くの態様は、熱燃焼室を形成するためのハイブリッド付加製造方法であって、
粉末床溶融であって、開口端の管状燃焼室容積を画定する内壁、それらの長さに沿って異なる高さに配置された少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口を有する外壁、ならびに内壁と外壁との間に形成され、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口と流体連通する複数の冷却チャネルを有する、ライナ本体材料の一体型再生冷却式ライナ本体を形成する粉末床溶融と、
少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口に隣接するかまたは重なり合う外壁の少なくとも一部にわたって、ライナ本体の外周と一体であり、かつ外周の周りに延びるクラッド材料の少なくとも1つの層の少なくとも1つの構造クラッド領域を形成するワイヤアーク付加製造(WAAM)、指向性エネルギー堆積(DED)、またはコールドスプレー(CS)と、
少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口の各々と関連付けられ流体連通して配置された、少なくとも1つの別個の流体マニホールドを形成するWAAMまたはDEDであって、それにより各別個の流体マニホールドは、少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、
少なくとも1つの構造クラッド領域と一体であり、少なくとも1つの組の入口または少なくとも1つの組の出口の両側でライナ本体の外周の周りに延びる複数の重なり合う階段状層を備える第1および第2のベース構造、ならびに
第1および第2のベース構造と一体であり、第1および第2のベース構造の間にまたがり、関連する少なくとも1つの組の入口および少なくとも1つの組の出口にわたってライナ本体の外周の周りに延びる流体マニホールドエンクロージャを形成する上壁
を含み、
各流体マニホールドの第1および第2のベース構造ならびに上壁は、流体マニホールド外壁および内側流体導管を画定し、内側流体導管が概して円筒形の流体マニホールド断面を有するように構成される
WAAMまたはDEDと、
流体マニホールド外壁の各々に一体的に配置され、接続要素が配置された少なくとも1つの流体アクセスポートを形成するWAAMまたはDEDと
を含み、
流体マニホールド、ライナ本体の少なくとも1つの組の入口および出口ならびに冷却チャネルは、熱燃焼室の上端に終端を有するそれらの間の単一の流体流路を画定する、
方法を対象とする。
【0031】
本開示のさらに別の態様では、少なくとも再生冷却式ライナ本体および流体マニホールドは、異なる材料から形成される。
【0032】
本開示のまたさらなる態様では、冷却チャネルは、0.05mm未満の寸法解像度を有する。
【0033】
本開示のなおさらなる態様では、ライナ本体材料および構造クラッド材料は、異なる。
【0034】
本開示のなおさらなる態様では、ライナ本体材料は、Cu系合金を含み、構造クラッド材料は、Ni-Cr系合金である。
【0035】
本開示のなおさらなる態様では、流体マニホールドは、Ni-Cr系合金から形成される。いくつかの実施形態では、流体マニホールドを形成するNi-Cr系合金は、構造クラッド材料と同じNi-Cr系合金である。他の実施形態では、流体マニホールドを形成するNi-Cr系合金は、構造クラッド材料を形成するものと同じNi-Cr系合金ではなく、すなわち、構造クラッド材料を形成するNi-Cr系合金とは異なる。
【0036】
本開示のなおさらなる態様では、方法は、管状燃焼室容積の開口端の外周の周りに少なくとも再生冷却式ライナ本体と一体の第1および第2のフランジを形成するWAAMまたはDEDを含む。
【0037】
本開示のなおさらなる態様では、第1および第2のフランジは、別個の流体マニホールドのための第1および第2のベース構造の一方を形成する。
【0038】
本開示のなおさらなる態様では、再生冷却式ライナ本体は、熱燃焼室容積が狭いスロート領域に収束する室の長さに沿った外周を有する第1の端部と、狭いスロート領域から第2の端部に室の長さに沿って拡張する外周を有する第2の端部とを有するように、非対称の砂時計形を画定する。
【0039】
本開示のなおさらなる態様では、第1の組の入口が、狭いスロート領域において再生冷却式ライナ本体の外壁の外周に少なくとも沿って配置され、少なくとも1つの構造クラッド領域が、前記第1の組の入口の上に配置され、放電加工(EDM)により、流体導管が、前記少なくとも1つの構造クラッド領域を通って形成され、第1の組の入口を少なくとも1つの構造クラッド領域の外部に相互接続する。
【0040】
本開示のなおさらなる態様では、方法は、第2の端部において再生冷却式ライナ本体の外壁の外周に少なくとも沿って配置された第1の組の出口と、第1の端部において再生冷却式ライナ本体の外壁の外周に少なくとも沿って配置された第2の組の入口とを形成することを含み、第1の組の出口および第2の組の入口は、構造クラッド領域によって覆われていない。
【0041】
本開示のなおさらなる態様では、別々の一体型流体マニホールドは、第1および第2の組の入口ならびに第1の組の出口を囲むように形成される。
【0042】
本開示のなおさらなる態様では、方法は、熱燃焼室容積の第2の開口端と一体であるかまたは相互接続され、概して開口した円錐形内側容積を画定するスラストスカートを形成するPBF、WAAM、またはDEDを含み、円錐形内側容積の外周は、熱燃焼室の遠位に拡張する。
【0043】
本開示のなおさらなる態様では、スラストスカートは、内壁および外壁と、それらの間に形成された複数の冷却チャネルとをさらに備え、複数の冷却チャネルは、再生冷却式ライナ本体の冷却チャネルと流体連通する。
【0044】
本開示のなおさらなる態様では、スラストスカートは、
熱燃焼室に近位のその第1の端部における外面に配置された一組の流体入口と、
熱燃焼室に遠位のその第2の端部における外面に配置された一組の流体出口と
をさらに含み、
一組の流体入口および出口は、スラストスカート内に配置された複数の冷却チャネルと流体連通し、
別々の一体型流体マニホールドは、スラストスカートの外面上およびスラストスカートの外周の周りに形成されて一組の流体入口および出口の各々を囲み、スラスト燃焼室上の流体別々の流体マニホールドと流体連通し、
別々の一体型流体マニホールドは、WAAMまたはDEDを使用して形成される。
【0045】
本開示のなおさらなる態様では、方法は、構造クラッド領域、少なくとも1つの流体マニホールド、および少なくとも1つの流体アクセスポートからなる群から選択される少なくとも1つの要素上に一体的に少なくとも1つの統合フィーチャを形成するWAAMまたはDEDを含む。
【0046】
本開示のなおさらなる態様では、方法は、アニーリング、デパウダリング、洗浄、および/または試験を含む。
【0047】
本開示のいくつかの態様は、
構築構造が画定されるように、部品サイズ、部品材料、およびフィーチャ解像度からなる群から選択される必要な複数の構築フィーチャを分類するために形成される部品を分析することと、
各構築セクションに必要な複数の構築フィーチャに基づいて構築構造を複数の構築セクションに分割することと、
隣接する構築フィーチャが単一の構築様式と互換性がない複数の構築セクションの間の一組の界面を画定し、
異なる付加製造プロセスが隣接する構築セクションで使用されてそれらの間の界面にわたって部品の一体セクションを形成するように、複数の構築セクションにわたって構築経路をマッピングすることと
を含む、ハイブリッド付加製造プロセスを対象とする。
【0048】
本開示のさらに別の態様では、付加製造プロセスは、PBF、WAAM、DED、およびCSからなる群から選択される。
【0049】
本開示のまたさらなる態様では、異なる材料が、部品の少なくとも1つの界面にわたって使用される。
【0050】
追加の実施形態および特徴は、以下の説明に部分的に記載されており、部分的には、本明細書を検討すると当業者に明らかになるか、または本開示の実践によって習得され得る。本開示の性質および利点のさらなる理解は、本開示の一部を形成する明細書および図面の残りの部分を参照することによって実現され得る。
【0051】
説明は、本開示の様々な実施形態を含み、本開示の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない以下の図およびデータグラフを参照してより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】従来技術の態様によるスラスト室の概略図である。
【0053】
【
図2】本開示の態様による部品サイズおよびフィーチャサイズに対する様々な付加製造技術の能力のプロットを示す図である。
【0054】
【
図3a】従来技術によるスラスト室および周囲要素の概略図である。
【0055】
【
図3b】本開示の態様によるスラスト室および周囲要素の概略図である。
【0056】
【
図4a】本開示の態様によるスラスト室および周囲要素の概略図である。
【0057】
【
図4b】本開示の態様によるスラスト室および周囲要素の概略図である。
【0058】
【
図4c】本開示の態様によるスラスト室の概略図である。
【0059】
【
図5a】本開示の態様によるスラスト室の概略図である。
【0060】
【
図5b】本開示の態様による燃料流を示すスラスト室の断面図である。
【0061】
【
図6a】本開示の態様による燃料流を示すスラスト室の断面図である。
【
図6b-c】本開示の態様による燃料流を示すスラスト室の断面図である。
【0062】
【
図7】本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスのフローチャートである。
【0063】
【
図8】本開示の態様によるスラスト室の断面図である。
【0064】
【
図9a】本開示の態様によるスラスト室についてのハイブリッド付加製造プロセスの概略フローチャートである。
【0065】
【
図9b】本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスを使用して形成されたスラスト室の画像を示す図である。
【0066】
【
図10a】本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスを使用して形成された積層体の断面図である。
【0067】
【
図10b】本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスを使用して形成されたピースの画像を示す図である。
【0068】
【
図10c】本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスで使用するための材料の表を示す図である。
【0069】
【
図11a-e】本開示の態様によるスラスト室の断面図である。
【0070】
【
図12a-c】本開示の態様によるスラスト室流路の断面図である。
【0071】
【
図13】本開示の態様による表面粗さに対する熱伝達効率のプロットを示す図である。
【0072】
【
図14a-d】本開示の態様による一体型流体マニホールドを有するスラスト室の断面図である。
【
図14e】本開示の態様による一体型流体マニホールドを有するスラスト室の断面図である。
【0073】
【
図15】本開示の態様によるスラスト室壁歪みの断面図である。
【0074】
【
図16】本開示の態様によるクラッド構築順序を示すスラスト室の断面図である。
【0075】
【
図17a-d】本開示の態様による構築順序を示すスラスト室の断面図である。
【0076】
【
図18】本開示の態様によるクラッド質量減少の表を示す図である。
【0077】
【
図19】本開示の態様による入口/出口形成を示すスラスト室の断面図である。
【0078】
【
図20】本開示の態様によるマニホールド構築経路を示すスラスト室の断面図である。
【0079】
【
図21a】従来技術および本開示の態様による製造プロセスを使用して形成されたインコネルの機械的性質のデータプロットを示す図である。
【0080】
【
図21b】本開示の態様によるクラッド厚のデータプロットを示す図である。
【0081】
【
図22a】本開示の態様によるマニホールドおよびポートを有するスラスト室の概略図である。
【0082】
【
図22b】本開示の態様によるマニホールド、ポート、および取り付けフィーチャを有するスラスト室の概略図である。
【0083】
【
図23】本開示の態様によるマニホールド、ポート、および取り付けフィーチャを有するスラスト室の概略図である。
【0084】
【
図24a】本開示の態様による下側スカートを有するスラスト室の概略図である。
【0085】
【
図24b】本開示の態様による下側スカートを有するスラスト室の断面図である。
【0086】
【
図25a】本開示の態様による燃料流を示す下側スカートを有するスラスト室の断面図である。
【
図25b】本開示の態様による燃料流を示す下側スカートを有するスラスト室の断面図である。
【0087】
【
図26a】本開示の態様による再生燃料マニホールドおよび導管を有するスラスト室の概略図である。
【0088】
【
図26b】本開示の態様による再生燃料マニホールドおよび導管を有するスラスト室の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本明細書で一般的に説明され、添付の図に示される実施形態の構成要素は、様々な異なる構成で配置および設計されてもよいことが理解されよう。したがって、図に表される様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、様々な実施形態の単なる代表例である。実施形態の様々な態様が図面に提示されているが、図面は、特に示されない限り、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0090】
本発明は、その精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の具体的な形態で具体化されてもよい。記載された実施形態は、すべての点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと考えられるべきである。
【0091】
本明細書を通して、特徴、利点、または同様の文言への言及は、本発明で実現され得る特徴および利点のすべてが本発明の任意の単一の実施形態であるべきであること、または本発明の任意の単一の実施形態であることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点に言及する文言は、実施形態に関連して説明される具体的な特徴、利点、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。したがって、本明細書を通して、特徴および利点の説明、ならびに同様の文言は、必ずしもそうとは限らないが、同じ実施形態を指すことができる。
【0092】
さらに、本発明の記載された特徴、利点、および特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方式で組み合わせることができる。当業者は、本明細書の記載に照らして、特定の実施形態の具体的な特徴または利点の1つまたは複数なしで本発明を実践することができることを認識するであろう。他の例では、本発明のすべての実施形態には存在しない可能性がある特定の実施形態において、追加の特徴および利点が認識され得る。
【0093】
本明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態」、または同様の文言への言及は、示された実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、「一実施形態では」、「実施形態では」という語句、および同様の文言は、必ずしもそうとは限らないが、すべて同じ実施形態を指すことができる。
【0094】
ロケットエンジンは、流体、通常は高温ガスの高速推進ジェットを形成するための反応質量として貯蔵されたロケット推進剤を使用する。ロケットエンジンは、ニュートンの第3の法則に従って後方に質量を放出することによって推力を発生させる反応エンジンである。ほとんどのロケットエンジンは、反応性化学物質の燃焼を使用して必要なエネルギーを供給するが、低温ガススラスタおよび核熱ロケットなどの非燃焼形態も存在する。
【0095】
図1に概略的に示すように、ロケットエンジンは、一般に、一連の高圧流体ハンドリングマニホールドを介して燃料と酸化剤の混合物が一連の入口およびインジェクタを通して供給される主スラスト室アセンブリを備える。ガスの燃焼流、すなわち亜音速流は、スロートと呼ばれる室の狭小部で遷音速まで加速される燃焼室内の燃料および酸化剤の燃焼によって生成され、最終的にエンジンの末端であるノズルスカート内に拡張する超音速ガス流を発生させる。従来、ロケットエンジンの様々な流体ハンドリング構成要素は、別々に製造され、次いで溶接、ろう付け、または他の締結具により一緒に組み立てられる。この従来の製造プロセスは、ロケットエンジンの各構成要素が比較的単純で従来の設計であることを可能にするが、構成要素の数および組み立ては非常に複雑なプロセスを作り出す。さらに、エンジン設計の変更は、エンジンの複数の構成要素の完全な再設計を必要とすることが多い。これらの要因の組み合わせは、設計から試作、最終製造まで高価で時間のかかるプロセス全体をもたらす。
【0096】
付加製造は、一度に1つの層を構築することによって物体を作成するプロセスである。このプロセスは、物体の構成要素が物体の予め作製された型を介して単一のステップで作成され、次いで一緒に組み立てられる従来の成形または鋳造技術とは対照的であり得る。複雑なデバイスを製造する場合、付加製造は、様々な傾斜機能材料を使用して多くの幾何学的形状を生産することができ、それによって多くの以前に別個の構成要素を単一の一体ピースに統合することを可能にするという明確な利点を有する。対照的に、従来の製造は、典型的には、多数の構成要素の形成を必要とし、次いで全体を形成するために組み立てなければならない。付加製造は、その障壁を排除する。これはまた、製造業者が物体から重量を排除することができることを意味する。これは、重量が最終製品の機能性に影響を及ぼし得る航空宇宙産業および自動車産業において特に重要である。
【0097】
しかし、付加製造は、主に最終部品が適切なエンジニアリング性質を有することを確実にするという課題を生み出す。具体的には、付加製造は、いくつかの異なる技術を実際に参照する概念用語であり、例えば、とりわけ、バインダ噴射(BJT)、コールドスプレー付加製造(CS)、指向性エネルギー堆積(DED)、ワイヤアーク付加製造(WAAM)または指向性エネルギー堆積アーク(DEDアーク)、材料押出、および粉末床溶融(PBF)(それ自体は、直接金属レーザ溶融(DMLM)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、選択的レーザ焼結(SLS)、および選択的熱焼結(SHS)を含む様々な技術を包含する)、ならびに積層物体製造(LOM)および超音波付加製造(UAM)を含むシート積層法を含む。付加製造概念のこれらの種の各々は、材料の制限、達成可能な全体的な部品サイズ、利用可能な個々のフィーチャサイズなどに関して異なる能力を有する。具体的には、
図2に示すように、ロケットエンジンなどの大きな複雑なデバイスは、小さな個々のフィーチャ(例えば、多くの場合、ミリメートルまたはサブミリメートル範囲)を有する全体的に大きな部品(例えば、数十メートル範囲)の作成を必要とする場合がある。今日利用可能な単一の付加製造技術は、そのような広範囲のフィーチャおよび部品サイズの要件に適していない。例えば、WAAMのような技術は、十分なスケールの部品を生産することができるが、そのフィーチャ解像度は、複雑な流路で必要とされ得る小さな細部の再現を可能にしない。同様に、PBFは非常に小さなフィーチャを再現することができるが、利用可能な技術を使用して大規模部品を生産することは不可能である。
ハイブリッド付加プロセスの態様
【0098】
本開示の態様は、一体型流体マニホールドを有する付加製造されたスラスト室およびスラスト室、ならびにそれらを生産するためのハイブリッド付加製造方法を提供する。様々な態様において、ハイブリッド付加製造技術は、例えば、WAAM、PBF、コールドスプレー、およびDEDを含む様々なプロセスを組み合わせ、種々の寸法要件、すなわち、大きな全体サイズおよび小さなフィーチャを有する物体を生産することができる。ハイブリッド付加製造は、任意の製造された物体内の様々なプロセス層が異なる付加製造技術間で分割されるプロセスとして定義されてもよい。次いでこれらのプロセス層は、製造された物体全体にわたる可変のフィーチャおよびサイズ分布の導入を可能にする。態様によるハイブリッドプロセス層はまた、様々な材料の使用を可能にしてもよく、または様々なプロセス層にわたって単一の材料を使用してもよい。
【0099】
多くの態様では、ロケットエンジンを含む様々な用途のための流体マニホールドを含むスラスト室アセンブリを形成するために、ハイブリッド付加製造を使用することができる。流体マニホールドが形成される態様では、そのようなマニホールドは、ロケットエンジン用の単一ピースの構成要素を提供するために、スラスト室アセンブリ上にその場で形成され、スラスト室アセンブリと一体化されてもよい。そのような一体型燃焼室/流体マニホールドはまた、例えば、インジェクタ、スラストスカートなどを含む、ハイブリッド付加製造を使用して形成された他の要素と組み合わせることができる。
【0100】
記載されているように、ハイブリッド付加技術は、全体的な一体部品を形成するための異なる種の付加製造の組み合わせであり、種々の寸法および/または材料要件を有する。上記および以下の説明は、一般にロケットエンジンのためのハイブリッド付加技術の使用、ならびにより具体的にはスラスト室およびスラスト室に関連する流体マニホールドの使用に焦点を当てるが、多くのそのようなハイブリッド技術は、本明細書に記載の態様および実施形態に従って使用することができることが理解されよう。
【0101】
最初に
図3aを参照すると、ロケットエンジン(100)は、多くの個々の部品を組み込む非常に複雑な機械である。さらに、これらの部品は、極端な条件、例えば、数千psiに及ぶエンジン内の圧力に耐えなければならず、かつ零下から数百℃の範囲の温度に曝される。典型的には、
図3aに示すように、製造は、これらの極端な条件を満たすことができる個々に形成された部品に焦点を当てており、次いで部品は従来の技術を使用して一緒に組み立てられる。特に、これらの従来の設計では、スラスト室(102)などのエンジンの1つまたは複数の構成要素が付加製造される場合であっても、別々の付加製造された構成要素の集合として製造され、その後、溶接、ろう付け、または他の従来の締結具によって他の構成要素(例えば、流体マニホールド)と接合される。説明したように、そのような従来の製造および組み立て技術を継続して使用する理由の1つは、単一の従来の付加製造プロセスがスラスト室アセンブリのすべての部分の完全な付加製造を可能にするために必要な柔軟性を提供しないことである。例えば、ロケットエンジンスラスト室(102)またはスカート(103)の全体サイズは、断面が数メートルであってもよいが、これらの大きな部品内には、ミリメートルまたはさらにはサブミリメートルのスケールを有するフィーチャを有することができるフィーチャ(例えば、流体ハンドリング入口、インジェクタ、または冷却ライナなど)が埋め込まれる。したがって、要素を組み合わせることによる製造の複雑さの低減および組み立ての低減を含む、付加製造の利点の多くが失われる。
【0102】
本開示の態様は、以下で詳細に説明するように、一体型流体マニホールドおよび他の要素を組み込んだ付加製造されたスラスト室を対象とする。そのような付加製造されたスラスト室(104)の一態様が
図3bに提供されており、スラスト室本体に一体化された流体マニホールド(106)と共に示されている。
図4aおよび
図4bに示すように、スラスト室アセンブリ(200)は、ロケットエンジン(202)全体の一部を構成し、燃料/酸化剤混合物をスラスト室に導入するインジェクタアセンブリ(204)と、スラスト室アセンブリ内の燃料/酸化剤混合物の燃焼によって生成された推力を制御および誘導するノズルスカート(206)との間に位置する。スラスト室に一体化されたマニホールド(208、210、および212)は、様々な入口および他の導管を通して燃料および再生ガスの流れをインジェクタアセンブリおよび燃焼室に誘導する。
【0103】
図4cで理解することができるように、本開示の態様によるスラスト室アセンブリは、全体的なスラスト室アセンブリの一部として完全に一体化されたマニホールド(208、210、および212)を組み込んでいる。さらに見られるように、これらのマニホールドは、従来のスラスト室アセンブリの複数の構成要素(界面およびマニホールドを含む)が一体化された全体に統合され、したがってスラスト室およびロケットエンジン全体の製造および組み立ての全体的な複雑さを低減することができるように、マニホールドに形成または機械加工された複数の界面(214)とさらに一体化することができる。
【0104】
態様によるスラスト室の概略図および断面図が
図5aおよび
図5bに提供されており、これはスラスト室アセンブリの形成を伴う従来の付加技術の採用を妨げている複雑さを説明するのに役立つ。特に、適切に動作するために、スラスト室アセンブリ(300)は再生冷却を使用して、それによってマニホールド(301)によって供給された燃料(その流れは
図5bにおいて矢印によって示されている)が、燃焼室自体(302)と、ミリメートル程度の狭い隙間またはライナによって分離された燃焼室に適合する外側シェル(304)との間で燃焼室(302)の外側の周りにポンプ輸送される。この再生ライナ(306)は、一般に、高い表面積を有するように設計され、それにより燃料がライナを通って流れ、非常に効率的に熱を吸収し、したがってよりエネルギーの高い燃料およびより高い室圧力の使用が可能になる。
【0105】
図5bに示す再生システムの態様では、主弁(308)からの再生冷却燃料流(2)は、燃料入口マニホールド(310)に入るときに分割され、燃料入口マニホールド(310)は、スラスト室アセンブリ(300)のスロート(312)に位置決めされ、その結果、上側通過部分(3)は燃焼室(302)の壁を上にインジェクタアセンブリ(312)に直接向けられ、第2の下側通過部分(4)は燃焼室から離れて後方に、上側ノズルスカート(314)の壁を通って後方戻りマニホールド(316)および戻りライン(318)を介して前方戻りマニホールド(320)に、かつそこからインジェクタアセンブリ(312)に向けられる。1つの配置では、
図6aに示すように、燃料流の一部は、エンジンの設計および推力要件に応じて上側および下側通過部を通って誘導される。しかし、本開示の態様は、再生冷却システムを備える任意のスラスト室アセンブリを対象とすることが理解されよう。例えば、
図6bに示すように、様々な態様において、燃料流(350)が上側ノズルスカート(354)の底部で燃料入口マニホールド(352)に入り、燃料流(5)のすべてがスラスト室アセンブリの壁を上に通過してインジェクタアセンブリ(356)に至るシングルパス再生冷却配置。さらに別の配置では、
図6cに示すように、再生冷却方式は、主燃焼室膜冷却システムを含むことができ、それによって燃料流の一部が燃焼室のスロート(360)の上流で燃焼室(358)自体に直接噴射され、大幅に熱流束およびひいては熱歪みを減少させることができるが、これは推力容量を犠牲にする。再生冷却配置の他の例は、当技術分野で公知であり、本開示の態様に従って完全に企図される。
【0106】
多くの可能な再生冷却配置(そのいくつかは上述されている)が存在するが、それらの配置ならびに熱的および機械的性質を設計する際の考慮事項は、普遍的に要求が厳しい。例えば、室壁を通る熱流束は非常に高く、冷却剤に流入することができる熱の量は、室と冷却剤との間の温度差、熱伝達係数、室壁の熱伝導率、冷却剤チャネル内の流体の速度、室/ノズル内のガス流の速度、ならびに冷却剤として使用される流体の熱容量および流入温度を含む多くの要因によって制御される。さらに、再生冷却では、冷却チャネル内の圧力は室圧力よりも大きい。内側ライナは圧縮されているが、エンジンの外壁は大きなフープ応力を受けている。内側ライナの金属は、高温によって大幅に弱化する可能性があり、また、ライナの低温側壁が膨張を抑制する一方で、内面で大きな熱膨張を受ける。これにより、破損を引き起こす可能性のある大きな熱応力が生じる。
【0107】
これらの競合する要求のすべてに対処するために、内側ライナは、通常、比較的高温の高熱伝導率材料で構成され、従来、銅またはニッケル系合金が使用されてきた。加えて、例えば、内側ライナと外側ライナとの間の波形金属シートろう付け、正しい形状にろう付けされた管のアレイ、またはフライス加工された冷却チャネルを有する内側ライナおよびそれを取り囲む外側ライナの製造および組み立てを含む、再生冷却に必要な複雑な幾何学的形状を作成するために異なる製造技術が使用されている。いずれの場合も、考慮事項は、冷却ライナを通る再生冷却流体のバランスおよび流れを慎重に制御することである。次に、これは、ミリメートルまたはさらにはサブミリメートル範囲のフィーチャ(例えば、入口サイズ、チャネル壁粗さ、壁輪郭、壁厚など)に対する制御を必要とする。
【0108】
図2を参照して上述したように、付加製造を使用してこの入り組んだライナ構造を形成するために使用することができるいくつかの技術が存在する。具体的には、チャートに示すように、センチメートルからメートルのサイズを有するが、例えば、PBFおよびEB-PBFを含むミリメートル範囲のフィーチャを有する部品を形成することが可能な付加製造技術が存在する。しかし、これらの材料およびこれらのプロセスは、効率的な方式でスラスト室アセンブリ全体を形成するのに必要な数十メートルに達することができない。さらに、これらの銅合金は、典型的には、熱燃焼室またはロケットエンジン全体にかかる機械的歪みに必要な強度特性を有していない。したがって、再生ライナが付加製造を介して形成される場合であっても、再生ライナは、典型的には、予め形成された燃焼室にろう付けまたは溶接され、その後、組み立て中にマニホールドおよび支持要素が別々に設けられる。これは、単一の従来の付加技術が、高推力熱燃焼アセンブリの必要性、すなわち大きな印刷容積、小さなフィーチャ、複数の材料(例えば、特殊な熱合金&高強度合金)をサポートしないためである。
【0109】
本開示の態様によるハイブリッド付加技術は、完全に付加製造された熱燃焼アセンブリに対するこの障壁の解決策のための余地を開く。様々な態様において、ハイブリッド製造は、異なる付加製造技術を組み合わせて単一の製造された物体を形成し、その物体の種々の製造要件(例えば、部品サイズ、フィーチャ解像度、材料選択、構築速度、壁厚など)に対処する方法を指す。
図7は、例示的なハイブリッド付加製造プロセスの一般的なフローチャートを提供する。プロセスの態様によれば、異なる付加界面が作成され、種々の要件を有する製造されたアイテム上に完全な付加構築を可能にする。様々な態様において、製造されるアイテムは、最初にアイテムの要件に基づいて構築セグメントに分割される。単一の付加製造技術と互換性がない要件バリアント(例えば、材料、サイズ、フィーチャ解像度、構築速度、壁厚など)を有する隣接するセグメントが決定され、それらの間に界面が画定される。次に、これらの新しい要件に対処することが可能であり、基礎となる付加製造技術と互換性のある適切な付加製造技術が、構築経路に沿って導入される。次いで、このプロセスは、部品全体が構成されるまで、構築セグメントおよび界面ごとに繰り返される。適切な界面を形成することができる限り、任意の付加製造技術を互いに組み合わせて使用することができることが理解されよう。
【0110】
態様では、ハイブリッド付加製造プロセスは、熱燃焼アセンブリを製造するように適合される。前述のように、熱燃焼室は、従来、様々な異なる構成要素(例えば、
図3a参照)の製造および組み立てを必要とするいくつかの機能要素を有する複雑な機械である。しかし、本開示の態様は、ハイブリッド付加プロセスを使用して製造された単一ピースの熱燃焼室を企図している。本開示の態様による例示的な付加製造された熱燃焼室が、
図8に概略的に示されている。
【0111】
前述のように、熱燃焼室(400)を形成することは、いくつかの理由、すなわち、とりわけ1)熱燃焼室の内面を形成する再生冷却式ライナ(402)と、外側クラッド/ジャケット(404)およびマニホールド構造(406、408、410)を形成するために使用される材料との間で必要とされる異なる材料、2)熱燃焼室の全体サイズと、冷却入口または内側流体マニホールド表面などの室の内部要素のフィーチャ解像度との間の不一致、ならびに3)最終的に、工業規模で物体全体を印刷するのに必要な速度のために、単一の従来の付加製造プロセスを使用しては不可能である。ハイブリッド付加プロセスの態様によれば、熱燃焼室は、3つの別個の構築セグメント、すなわち1)ミリメートルからサブミリメートル範囲のフィーチャサイズを有するいくつかの正確なチャネルの製造を必要とする内側再生冷却式ライナ、2)広いエリアにわたって比較的厚い材料層の堆積を必要とする外側クラッド/ジャケット、ならびに3)内側再生冷却式ライナをロケットエンジンの他の要素に相互接続し、厚い外壁と制御された内面、およびこれらの外部要素への接続点として形成された複雑なボス界面を有する必要性の両方を組み合わせる一連の流体マニホールドに分割することができる。加えて、様々な態様において、熱燃焼室は、以下に説明する追加の種々の要件を有するノズルスカートとさらに一体化されてもよい。
【0112】
図7を参照して前述したハイブリッド付加製造プロセスの態様によれば、これらの構築セグメントを使用して、様々な構築セグメントの界面に沿って設計された移行部を有する一連の複数の付加製造プロセスの組み込みを可能にする印刷経路を構成することが可能である。例えば、
図8に提供される態様では、内側再生冷却式ライナは、例えばPBFまたはeBeamなどの高解像度プロセスおよび適切な熱伝導性材料(例えば、Cu系合金)を使用して形成することができ、外側クラッド/ジャケット表面は、WAAMまたはコールドスプレーなどの低解像度であるが高出力のプロセスを使用することができ、マニホールドは、より高い強度の材料(例えば、Ni-Cr系合金)を伴うPBFまたはWAAMなどのより厚い壁および中解像度のフィーチャを有するより小さい要素を形成することが可能な中間プロセスを使用して形成することができる。界面が決定されると、印刷経路は、付加プロセスおよび材料の両方の変化によって画定され、それによって熱燃焼室のための全体的なハイブリッド印刷プロセスフロープログラムを作成することができる。
【0113】
そのようなハイブリッド付加プロセスの例示的な態様は、
図9aに概略的に示されている。様々な態様において、ハイブリッド付加プロセスは、印刷モードとプロセスモードとの間の移行に基づいて異なる印刷セグメント(A~F)に分割されてもよい。
図9aで提供される例示的なプロセスでは、プロセスは、高い熱伝導性材料(例えば、GRCopクラスの銅-クロム-ニオブ合金)を使用して、小さなフィーチャサイズ要件(例えば、約≦1.0mm)を有するすべての内部再生冷却チャネルならびに入口および出口を含む熱燃焼室(440)の完全に一体の再生冷却式ライナ要素(450)を形成するための、PBFまたはDED(
図9a、ステップA)など、より低い容積であるがより高い解像度のプロセスから開始する。再生冷却式ライナ要素の形成後、プロセスは移行し(
図9a、ステップB)、例えば、WAAMまたはコールドスプレーなどの高容積低解像度プロセスを使用して、ライナを高強度材料(例えば、インコネル(登録商標)などのNi系合金)の1つまたは複数の層(452)で選択的にクラッドし、追加の構造的完全性を熱燃焼室全体に提供する。この時点でさらなる移行(
図9a、ステップC)を行い、流体マニホールドのクラッド位置(452)に適切なチャネル入口孔(458)を形成し、前のステップで覆われていた可能性がある再生冷却式ライナ要素(450)の内部チャネルへのアクセスを提供することができる。全体的な製造経路のこのセグメントは、再生冷却式ライナ要素に出入りする流体の流れがこれらの入口の形状および形態に依存するため、忠実度の高い要素(約<1mm)を生産することが可能なプロセスを必要とする。例示的なプロセスは、例えば、放電加工(EDM)を含む。再生冷却式ライナ要素への入口が形成されると、ハイブリッドプロセスのさらなるセグメント(
図9a、ステップD)において以下でより詳細に説明するように、例えば、WAAM、コールドスプレー、またはDEDなどの適切な高容積および中解像度プロセスを使用して、部分マニホールドエンクロージャを入口チャネルの周りに堆積させることが可能である。後続の移行では、入口フランジボス(464)およびポートボス(466)は、例えば、WAAMまたはDEDなどの中間スケールおよび解像度プロセスを使用してハイブリッドプロセスのさらなるセグメント(
図9a、ステップE)に形成することができる。マニホールドおよびボス要素は、特定の機械的および熱的要件に応じて、クラッド材料全体と同じ(例えば、インコネル(登録商標)などのNi系合金)または異なる材料を使用することができる。そのような態様に従って形成された例示的なスラスト室の画像が、
図9bに提供されている。
【0114】
上記の説明は、付加製造ステップのみに焦点を当てており、許容可能な部品を生成するために必要に応じて他の処理ステップがハイブリッド付加製造技術に含まれてもよいことが理解されよう。例えば、
図9a(ステップAおよびF)に示すように、様々な態様は、時効硬化または他のプルーフ材料への熱処理またはアニーリングプロセスを含むことができる。例えば、耐腐食性合金および/または高温合金は、しばしば、適切な物理的性質を達成するために、通常または特別な雰囲気のいずれかで高温にアニーリングする必要がある。そのようなアニーリングステップの数の持続時間および条件は、プロセスのために選択された特定の材料に依存すると理解される。同様に、PBF技術は、しばしば、さらなる処理(
図9a、ステップA)の前に汚染物質を除去するためにデパウダリング(例えば、超音波回転テーブルまたは他の技術を介して)を必要とする。
図9a(ステップF)にも示すように、特定の用途のために必要に応じて、プルーフ、洗浄、および試験ステップをハイブリッド付加製造技術の態様に組み込むこともできる。最後に、ほとんどの付加製造プロセスでは、当技術分野で理解される方法に従って、構築プレートからの取り外しおよび界面の機械加工も必要になる(
図9a、ステップF参照)。
【0115】
上記の説明および関連する図は、プロセスの特定の組み合わせおよびプロセス間の移行を使用したハイブリッド付加製造プロセスを実証しているが、本開示によるハイブリッド付加製造の態様は一般に適用可能であり、形成される特定の複雑な物体の用途および設計に必要に応じて組み合わせて再配置することができることを理解されたい。ステップは、例えば、必要に応じて再配置、反復、置換、または組み合わせられてもよい。さらに、例えば、CS、DED、WAAMまたはDEDアーク、材料押出、PBF、DMLM、DMLS、EBM、SLS SHS、LOM、およびUAMを含む、記載された制限に従ってそれらの間で適切な移行を行うことができる限り、高および低解像度および/または高および低容積および/または材料固有プロセスの任意の組み合わせを使用することができる。同様に、後により詳細に説明するように、許容できない材料境界または相互作用を作り出すことなく材料を実質的に一緒に組み合わせることができる限り、材料の任意の適切な組み合わせを使用することができる。
【0116】
本開示の態様はまた、部品全体の物理的または材料的完全性を損なうことなく、同じまたは異なる材料を使用して組み合わせることが可能なハイブリッド付加プロセスに関することが理解されよう。例えば、
図10aに示すように、ハイブリッド付加製造プロセスの態様に従って形成された部品は、1つまたは複数の技術で堆積された1つまたは複数の材料(例えば、PBF堆積GRCop-42の上にCS堆積インコ625、その上にWAAM堆積インコ625)、または
図10bに示すように、WAAM堆積インコ625の上にWAAM堆積インコ718で形成されてもよい。本開示の態様に従って試験された可能な材料の組み合わせのグリッドが
図10cに提供されているが、この一組の材料の組み合わせは例示的なものであり、当業者が本明細書に記載のハイブリッド付加プロセスを使用して広範囲の組み合わせ可能な材料から選択することができることを実証するためにのみ提供されることを理解されたい。
【0117】
さらに、上記の説明は、特定の設計されたおよび幾何学的形状を有する熱燃焼室のためのハイブリッドプロセス経路に焦点を当てているが、プロセスのステップは、異なる全体的なフォームファクタ、内側再生ライナ構成、マニホールド、マニホールド載置、ボスおよびポート配置などを有する多種多様な熱燃焼室設計を形成するために、本開示の態様に従って必要に応じて再配置、反復、置換、または組み合わせられてもよいことが理解されよう。いくつかの例示的な変形例が
図11a~
図11eに提供されており、マニホールド載置、クラッドプロファイル、および再生冷却式ライナ要素設計の変形例を示す。
図9aに記載され、以下の図でより詳細に提供されるハイブリッド付加製造プロセスの態様は、これらおよび多くの他の熱燃焼室設計および構成要素を形成するために組み合わせて再配置することができることが
図7から理解されよう。
【0118】
上記の説明は、全体的な熱燃焼室を形成するためのプロセスおよび特徴に一般的に焦点を当てているが、本開示の様々な態様は、熱燃焼室の様々な構造層にわたる新規な一体構造の形成を対象とするプロセスに関することが理解されよう。様々な態様が以下のセクションで説明されるが、以下のセクションで説明されるあらゆるプロセス技術および構造は、上記の
図1~
図11eに関して前述したハイブリッド付加製造プロセス全体の態様として意図されていることが理解されよう。
再生ライナの態様
【0119】
熱燃焼室の態様は、燃焼室、スロート、およびノズルを含む熱燃焼室の内部容積を画定し、燃焼および推力を生成し、室全体の構造的完全性を維持することができるように再生冷却を熱燃焼室に提供する再生冷却式ライナを備える内側構造を組み込む。したがって、本開示の様々な態様は、熱燃焼室用の付加製造された再生冷却式ライナを対象とする(
図9a、ステップA)。前述のように、熱燃焼室のそのような要素を付加製造する際の課題は、かなり高い印刷容積と高解像度のフィーチャの必要性の組み合わせである。特に、
図12および他の場所に示すように、再生冷却式ライナ(470)は、流入燃料がインジェクタアセンブリ(476)に達する前に熱燃焼室の本体を通って進行するための複数の流体経路を提供する一組の内部チャネル(474)を有する熱燃焼室(472)全体の内部要素である。再生冷却式ライナの多くの構成が説明されてきたが、ライナのすべての設計の冷却効率は、熱燃焼室の様々な領域に出入りするこの燃料流の効率に依存することが理解されよう。
【0120】
態様によれば、再生冷却式ライナは、ライナの本体の全体的な構成、ライナ内の冷却チャネルの幾何学的形状、ならびに冷却チャネルのための様々な入口および出口の配置および幾何学的形状によって画定することができる。例えば、いくつかの態様では、
図12aに示すように、入口および出口は、ライナの本体に沿った様々な位置に位置決めすることができる。例えば、冷却ライナの内部チャネルへの入口は、ライナのスロート領域(478)において、収束部分(480)または発散部分(482)のいずれかに配置することができる。冷却ライナの内部チャネル間の他の入口および出口(例えば、スプリットフロー設計の場合)は、ベース領域(484)および/または上部領域(486)に配置することができる。他の態様では、例えば熱燃焼室の収束領域(480)におけるスロート領域の上流で膜冷却を可能にするために、出口を燃焼室の内部容積(488)内に配置することができる。熱燃焼室の内側冷却チャネル間のこれらの入口および出口の位置は、熱燃焼室の全体的な設計および性能パラメータによって決定され、再生冷却式ライナの初期印刷に含まれてもよい。チャネルはまた、
図12bの上に重ねられた線(492)によって示すように、例えば、本体および熱燃焼室の長さにわたって直線状、蛇行状、またはさらには螺旋状など、任意の流路構成をとるように一体的に形成されてもよい。
【0121】
再生冷却式ライナの特定の設計ならびに入口および出口の載置および構成にかかわらず、ライナ要素の冷却効率は、冷却チャネルならびに入口および出口の幾何学的形状および流れ性質に大きく依存する。したがって、態様は、これらの冷却チャネル内で必要なフィーチャ解像度を制御可能に再現することが可能な付加製造プロセスを対象とする。より具体的には、高いチャネル寸法公差、高い幾何学的形状公差、および高い公差の表面粗さを有する、高密度の冷却チャネルを生産することが可能な付加製造プロセスが必要とされる。より具体的には、典型的なライナ要素は、数百の個々のチャネルを有することができ、これらのチャネルは、チャネル幅対角半径の比(
図12cに概略的に示す)によって画定することができる。これらの寸法は、最適な冷却効率を確保するために、10分の1インチまたは100分の1インチにバランスされなければならない。(例えば、Atefi,et al.,AIAA Propulsion and Energy 2021 Forum,pg.3579,2021参照、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。)同様に、
図13に提供されるグラフに示すように、熱伝達効率もまたチャネルの表面粗さに依存する。様々な態様において、例えば、約200Sa uinの粗さを超えると、熱伝達効率の増加は、チャネル内の圧力の蓄積を克服するのに十分ではなく、ライナ要素の全体的な熱伝達効率が減少する。したがって、本発明者らは、サブミリメートル解像度でフィーチャ解像度を印刷することが可能な付加製造プロセスが、これらのフィーチャが十分な精度で再現されることを確実にするために必要であることを認識した。様々な態様において、PBF、eBeam、またはBJTプロセスは、単独で、または必要に応じて、例えば、化学エッチングまたは化学的/機械的研磨などの1つまたは複数の後処理技術と組み合わせて使用することができる。
【0122】
前述のように、ライナ要素は、例えば、本開示のハイブリッド付加製造プロセスにわたって使用される他の構造材料と互換性があるGrCopファミリー(例えば、GrCOP-42)またはC181850などのCu系合金を含む、任意の適切な高熱伝導性合金で形成することができる。例示的な材料が本明細書に記載されているが、当業者によって理解されるように、他の印刷可能な高温伝導合金も使用され得ることが理解されよう。
マニホールドの態様
【0123】
説明したように、熱燃焼室の態様は、燃焼室、スロート、およびノズルを含む熱燃焼室の内部容積を画定し、燃焼および推力を生成し、室全体の構造的完全性を維持することができるように再生冷却を熱燃焼室に提供する再生冷却式ライナを備える内側構造を組み込む。前述のように、従来の熱燃焼室は、例えば、溶接、ろう付け、ボルト締めなどの従来の組み立て手段を介して、インジェクタアセンブリ、流体マニホールド、構成要素ポートおよびブラケットなどの他の要素と組み合わされた燃焼室要素を含む。本開示の様々な態様は、再生冷却式ライナ要素と共に一体的に付加製造された熱燃焼室用の流体マニホールドを対象とする。態様によれば、マニホールド(
図9a、ステップC/D)およびクラッド(
図9a、ステップB)は、完全に一体型の熱燃焼室を形成するために、下にある再生冷却式ライナ要素上に一体的に形成されてもよい。
【0124】
一体型クラッドおよび流体マニホールドを組み込んだ熱燃焼室の一態様が、
図14aに概略的に図示されている。示すように、熱燃焼室(500)の態様では、一体型流体マニホールド(502)が、一体型構造クラッド層(504)の上に一体型構造クラッド層(504)と共に形成される。これらの流体マニホールドは、内側冷却チャネル(508)への入口または出口(506)が並置されて再生冷却式ライナ要素、スラストスカート(図示せず)、およびインジェクタアセンブリ(図示せず)の様々な領域の間に流体流を提供する熱燃焼室の領域に配置される。これらの領域は、再生冷却式ライナ要素(508)の形成中に形成された入口/出口孔(506)(
図14bおよび
図14dに示す)、または再生冷却式ライナ要素における入口/出口孔への導管を形成するために入口/出口孔(510)がクラッド層(
図14e)を通して(例えば、EDMを介して)形成された(
図14cに示す)構造クラッド層(509)のエリアに直接アクセス可能であってもよい。具体的には、
図14cは、燃料が最初に熱燃焼室に導入される一次燃料入口マニホールドの詳細図を提供する。同様に、
図14dは、後方戻りマニホールドがスロート(511a)から熱燃焼室(500)の後方領域(511b)に流れ落ちる燃料を受け取り、それを一連の戻りライン(図示せず)を通して前方戻りマニホールド(
図14bに詳細に示す)に誘導し、前方戻りマニホールドが入口/出口を通して燃料をインジェクタアセンブリに誘導する詳細図を提供する。
【0125】
流体力学の当業者は、鋭い縁部および角度が、容器が圧力下に置かれたときに高い応力のエリアをもたらし得ることを理解するであろう。したがって、鋭い角および縁部を形成する角度(例えば、鋭角、直角、反射など)の最小化は、動作中にそれらが非常に高い圧力(例えば、4000~5000psia程度)下に置かれるため、これらの流体チャネルにおいて重要である。従来、これは、その後に熱燃焼室と相互接続される別々の完全に円筒形の流体容器を形成することによって達成される。
図14a~
図14dに提供された断面に示すように、様々な態様において、本開示の一体型流体マニホールドは、全体として半円筒形の断面を形成する一連のセクションで形成され、過剰な圧力が流体チャネル内に構築され得る縁部および角を形成する可能性がある角度が省略されている。この態様を達成するために、クラッド層(515)の領域(514)の上に互いに交差して整列した一対のテーパ状ベース層(512)が形成され、ここでは再生冷却式ライナ要素への一組の入口/出口が配置され、上側湾曲壁(516)がこれらのベース層の上に形成され、入口/出口領域の周りのエリアを囲む。
【0126】
様々な態様によれば、ベース層(512)は、複数のテーパ状の重なり合う印刷層で形成されてもよい。ベース層の特定の設計が図面に提供されているが、層の数および層の配置は、形成されるベース層の特定の幾何学的形状に依存する。例えば、
図14b~
図14dにさらに詳細に示すように、テーパ状ベース層および円筒形壁は、囲まれる外側熱燃焼室の下にある領域の特定の幾何学的形状および形成される流体マニホールドの性質に応じて多くの形態をとることができる。例えば、
図14cおよび
図14dの流体マニホールドは、流体マニホールドによって囲まれた入口/出口領域(514)の両側に整列した階段状ベース層(512)を有し、対照的に、
図14bは、入口/出口領域(514)の片側の階段状ベース層(512)を熱燃焼室の上側ポートリップ(518)と相互接続する。同様に、
図14dの流体マニホールドは、入口/出口領域を横切って概して対称的に整列したベース層(512)を有するが、
図14aおよび
図14cは、有意な非対称性を示す。特定の設計および幾何学的形状にかかわらず、ベース(512)と上側(516)の包囲壁の組み合わせは、流体チャネル内、特にマニホールドの壁とその下の熱燃焼室本体との間の接合部における鋭い角度/縁部および横断交点が最小化され、高圧に耐えることが可能な流体マニホールドを提供するように構成される。
【0127】
上記の説明はマニホールドの構造に焦点を当てているが、態様はまた、ハイブリッド付加製造技術を使用して一体型流体マニホールドを形成するためのプロセスを対象とすることが理解されよう。様々な態様において、プロセスは、再生冷却式ライナ要素の領域の上に構造クラッド層を選択的に形成し、次いでクラッド層の上にさらなる層を選択的に堆積し、下にある再生冷却式ライナ要素の入口/出口と協働する機能性流体マニホールドを形成することによって一体型マニホールドを形成するためのハイブリッド付加製造技術を含む。
【0128】
まず構造クラッドプロセスに目を向けると、従来の熱燃焼室では、再生冷却式ライナ要素(典型的には鍛造され、次いで冷却チャネルが取り付けられる)は、ろう付けまたは溶接を介して構造的な外側クラッドジャケットと組み合わされる。しかし、これらのプロセスは、多くの非常に繊細な組み立てステップを必要とし、再生冷却式ライナ要素、チャネル、またはクラッドジャケットのいずれかの任意の部分の修正が、熱燃焼室のすべての他の要素の付随する再設計を必要とすることを意味する。本開示の様々な態様は、例えば、DED、CS、またはWAAMなどの高容積で低解像度の堆積プロセスを使用して、以前に印刷された再生冷却式ライナ要素(上述のような)と併せて高強度材料のクラッド層を一体的に形成することを可能にするハイブリッド製造プロセスを対象とする。
図10cを参照して説明したように、本開示の態様は、材料の特定の組み合わせと組み合わせた異なる付加製造技術の使用を対象とする。特定の材料の組み合わせがクラッド層および流体マニホールドの形成に関連して説明されているが、熱燃焼室の本体に対する熱歪みおよび圧力負荷に耐えるのに十分な強度の構造を形成することが可能な材料の任意の適切な組み合わせが理解されよう。
【0129】
本開示の態様によれば、クラッド層は、1つまたは複数の付加製造プロセスを使用して選択的に堆積され、熱燃焼室の全体的な内側幾何学的形状を画定する下にある再生冷却式ライナ要素に対する構造的支持を提供することができる。次いで、熱燃焼室の各領域に必要な構造強度は、必要な材料およびクラッド層の厚さを定義し、熱燃焼室の外側形態は、必要な処理ステップを定義する。具体的には、一体型流体マニホールドの形成を可能にするために、入口/出口をクラッドされていないライナ要素に残し、ライナ要素の上に形成された流体マニホールドがライナ要素と流体的に相互接続されるようにすることが有利である。しかし、高歪み領域で十分な強度を確保するために、これらの高歪み領域でスラスト室の外周の周りにクラッドすることも有利である。
【0130】
適切なプロセスを決定することを促進するために、熱燃焼室の長さに沿った総歪みの分析を行った。この分析の要約が
図15に提供されており、応力は燃焼室の長さに沿って高く、熱燃焼室のスロート領域(540)で最大に達することを示す。実際、総歪みは、熱燃焼室の前方部分(542)および後方部分(544)における総歪みよりも数桁大きい。したがって、様々な態様において、円周方向クラッド層は、熱燃焼室に対する構造的支持を提供するために選択的に堆積され、同時に下にある再生冷却式ライナ要素と流体的に相互接続された一体型流体マニホールドの形成を可能にする。
【0131】
具体的には、一体型クラッド層についての明らかな矛盾する要件を考慮して、熱燃焼室のクラッド層が一連の独立した一体的に形成された円周方向クラッド領域として形成されるように、クラッド層の様々な態様が戦略的に形成される。加えて、いくつかの態様によるそのようなクラッド領域の形成は、最も効率的な堆積を提供するために特定の順序で形成される。例えば、
図16に示す本開示の一態様では、クラッド層は、矢印(A)によって示すように、上部フランジ(550)が外周の周りに印刷されることから始まり、熱燃焼室(552)の上側開口部に向かって上方に形成される。次いで、印刷層(554)が、矢印(B)によって示すように、入口/出口(556)の領域の下に堆積され、この領域は、後に前方戻り流体マニホールドを形成し、スロート(558)に配置された任意の入口/出口を含む熱燃焼室の長さを覆い、それにより十分な構造強度が熱燃焼室の高歪み領域に提供され、これは後に後方戻りマニホールドを形成する入口/出口(560)の領域で終端する。矢印(C)によって示すように、入口/出口領域(560)の反対側の後方フランジ(562)に別のクラッド層が形成される。最後に、前方および後方フランジクラッド層(550/562)は、矢印(D&E)によって示すように、所望の高さまでさらに構築することができる。
【0132】
本開示の態様による特定の印刷順序を説明してきたが、他の印刷経路および順序を、一体型クラッド層を下にある熱燃焼室の再生冷却式ライナ要素に形成することが可能なハイブリッド付加方法に組み込むことができることが理解されよう。例示的な代替の印刷順序は、
図17a~
図17dに提供されている。示すように、多くの態様は、連続した番号によって示すように、前方および後方入口/出口領域の間で印刷の順序を変更することを提案する。必須ではないが、このような多段階プロセスは、特に下にある部品の角度が急である(例えば、各印刷経路が上り勾配方向に進むことを確実にする)場合、有利な印刷ツールの幾何学的形状をもたらすことができる。
【0133】
層の堆積の特定の順序にかかわらず、プロセスステップは、所望の厚さを提供するために必要に応じて繰り返されてもよい。
図18に示すように、クラッド層の必要な厚さは、最終的に必要な構造強度によって決定され、構造強度は、使用される材料および堆積プロセスによって決定される。例えば、多くの実施形態では、高強度Ni-Cr系合金(例えば、インコネル625またはインコネル718)を使用することができる。しかし、表に要約されているように、材料の強度および使用されるプロセスに応じて、十分な強度を熱燃焼室に提供するために必要な厚さは大幅に変化し得る。本開示の態様は、熱燃焼室クラッド層の特定の要件に応じて、多種多様な材料およびプロセスを組み込むために必要な堆積戦略における変形例を企図していることが理解されよう。
【0134】
使用される特定のクラッド方法にかかわらず、そのようなプロセスは、熱燃焼室上への一体型流体マニホールドの形成を可能にするように選択される。前述のように、一体型マニホールドを形成するには、マニホールドが再生冷却式ライナ要素の下にある出口/入口にアクセスすることができることが必要である。上述され
図19に示すように、様々な態様において、クラッド層(570)は、そのような入口/出口(572)を覆わないままにするように選択的に配置される。しかし、クラッド層が出口/入口エリア(574)に構造的支持を提供するために必要とされる場合、態様は、前記クラッド層を通して下にある入口/出口に高精度の流体通路(576)を提供することが可能なプロセスを含む。例えば、EDMを含む様々なプロセスを使用して、クラッド層を通るそのような流体通路を形成することができる。
【0135】
態様はまた、下にあるクラッド熱燃焼室と併せて一体型円周方向流体マニホールドを形成するためのプロセスを対象とする。
図20に示すように、様々な実施形態において、大きな構造を形成することが可能な層ごとの付加製造プロセスを使用することができる。そのようなプロセスの態様では、第1の円周方向マニホールドベース層(矢印によって示す)が、鋭い縁部および角度のない一般的な湾曲した輪郭を有する対象の出口/入口エリア(586、588、590)の両側に対向するマニホールドベース構造(580、581、582、584)を形成するために、階段状またはテーパ状の構成で順次堆積される。これらのベース構造が適所に配置されると、包囲する湾曲した上壁(592、594、596)が形成され、これは対象のベース壁によって境界付けられたエリアに広がってエリアを囲む。様々な態様において、包囲する湾曲した上壁は、多段階プロセスで形成され、2つの対向する包囲壁がこのように形成されたマニホールド導管(602、604、606)によって画定されたアーチの頂点で合流するまで、対向する壁(例えば、597&598)が対向するマニホールドベース構造(対向する矢印によって示す)の各々の上に形成される。このようにして対向する包囲壁が形成されると、それらの間に合流継手が堆積され、マニホールドの最終的な上側包囲壁を接合して形成する。
【0136】
十分な厚さ(例えば、0.05~0.7インチ)および解像度(例えば、約1mm)のクラッドおよびマニホールド壁を生産することが可能な任意の付加製造方法を使用することができるが、様々な態様によれば、WAAM、PBF、またはDEDの1つまたは複数がハイブリッド付加製造プロセスに組み込まれてマニホールドを形成する。さらに、
図10a~
図10cに関連して説明したように、態様によるクラッドおよびマニホールド構造を形成する際、多くの異なる構造クラッド材料を使用することができる。様々な態様において、1つまたは複数のNi-Cr合金を、付加製造プロセスと併せて、かつ下にある高温伝導性材料(例えば、Cu系合金)と組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、例えばヘインズ230(登録商標)、インコネル625(登録商標)、および/またはインコネル718(登録商標)など、インコネル(登録商標)またはヘインズ(登録商標)ファミリーからの1つまたは複数の合金が使用されてもよい。
【0137】
前述のように、態様による一体型マニホールドは、従来のように鍛造され組み立てられたマニホールドを置き換えることが企図される。1つの懸念は、特に、Cu系合金から形成されたPBFライナ要素が、それ自体がCS/WAAM/DEDプロセスを使用して形成されたNi-Crクラッド層と一体的に形成され得、これは次いでWAAM/PBF/DEDプロセスを使用して同様のまたは異なるNi-Cr材料からその上に形成された流体マニホールドのための基板となる本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスにおいて、そのような一体型マニホールドが劣った機械的性質を示す場合があることである。しかし、本開示のこれらの態様は研究されており、
図21aおよび
図21bに示すように、提案されたクラッド材料は、従来のように鍛造された材料よりも優れているかまたは同等の機械的性質を示す。さらに、使用される材料(例えば、インコネル625(登録商標)対インコネル718(登録商標))に応じて、必要な壁厚を大幅に節約することが可能である。さらに、溶接および継手の品質に関する試験が実施され、達成可能な壁厚および複雑な部品を形成する能力、ならびに本開示の態様によるハイブリッド付加製造技術は、5000psiaを超える圧力および流れ試験への曝露を含む、実用的な熱燃焼室を形成するのに必要なすべての性能次数を得ることができた。
ポートおよび統合の態様
【0138】
説明したように、熱燃焼室の態様は、燃焼室、スロート、およびノズルを含む熱燃焼室の内部容積を画定し、再生冷却式ライナをロケットエンジンの他の要素およびインジェクタアセンブリなどの熱燃焼室に相互接続する構造クラッド層および一体型流体マニホールドと共に再生冷却を熱燃焼室に提供する再生冷却式ライナを備える内側構造を組み込む。前述のように、従来の熱燃焼室は、例えば、溶接、ろう付け、ボルト締めなどの従来の組み立て手段を介して形成された、構成要素ポートなどの他の要素、ならびに他の要素を相互接続するためのブラケットおよびアンカープレートなどの統合フィーチャを含む。本開示の様々な態様は、流体マニホールドおよび外側クラッド層と共に一体的に付加製造された熱燃焼室用のポートおよび統合フィーチャを対象とする。態様によれば、ポートおよび統合フィーチャ(
図9a、ステップE)は、完全に一体型の熱燃焼室を形成するために外側クラッドおよびマニホールド上に一体的に形成されてもよい。
【0139】
一体型ポート(620)および統合フィーチャ(622)を組み込んだ熱燃焼室の態様が、
図22aおよび
図22bに概略的に図示されている。
図23により詳細に示すように、多くの態様では、これらのポートおよび統合フィーチャは、熱燃焼室の特定の用途の必要性にのみ依存して、多くの形態および構成でもたらされ得る。例えば、マニホールドポートは、マニホールド入口/出口(624、626、628)およびまたは計装ポート(630&632)を含むことができる。これらのポートは、ここでも任意の相互接続導管に必要な特定の構成に応じて、熱燃焼室(624&628)の中心軸に垂直に設定されてもよく、または熱燃焼室(626)の中心軸に対して傾斜してもよい。同様に、計装ポートは、熱燃焼室の中心軸に対して同様に垂直(632)または傾斜(630)とすることができる。統合フィーチャは、取り付けられるロケットエンジン全体の要素の性質に応じて、熱燃焼室本体のどこにでも同様に位置することができる。例えば、いくつかの態様では、統合フィーチャがクラッド層(634)上に形成されるが、他の態様では、統合フィーチャがマニホールドまたはポート(636)上に形成されてもよい。
【0140】
ポートおよび統合フィーチャの特定の配置および構成にかかわらず、それらはろう付けまたは溶接を介して従来のように取り付けられてもよく、または前述のようにハイブリッド付加製造プロセスに組み込まれてもよい。具体的には、ポート用の孔が、例えば、EDMまたは他の穿孔もしくは切断技術などの適切なプロセスによって事前に印刷されたマニホールドの外壁に形成され、次いでポートの本体が適切な技術を使用して付加製造され、一体型ポートを形成する。次に、各ポートに対する下にあるマニホールドへの最終的な流体通路が機械加工され、必要なフランジ面および相互接続が形成される。統合フィーチャは、熱燃焼室の外側クラッド、ポート、またはマニホールドの適切な部分上に直接付加製造され、次いで必要に応じて必要な統合フィーチャ(例えば、合わせ面および相互接続)が機械加工されてもよい。
【0141】
十分な寸法および解像度の一体型統合フィーチャおよびポートを生産することが可能な任意の付加製造方法を使用することができるが、様々な態様によれば、WAAM、PBF、またはDEDの1つまたは複数がハイブリッド付加製造プロセスに組み込まれて一体型ポートおよび統合フィーチャを形成する。さらに、
図10a~
図10cに関連して説明したように、態様によるポートおよび統合フィーチャを形成する際、多くの異なる構造クラッド材料を使用することができる。様々な態様において、1つまたは複数のNi-Cr合金を、付加製造プロセスと併せて、かつ下にあるクラッド材料と組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、例えばヘインズ230(登録商標)、インコネル625(登録商標)、および/またはインコネル718(登録商標)など、インコネル(登録商標)またはヘインズ(登録商標)ファミリーからの1つまたは複数の合金が使用されてもよい。
下側スラストスカートの態様
【0142】
上記の説明は、かかるデバイスを形成するための完全に一体型の熱燃焼室およびハイブリッド付加技術の態様に焦点を当てているが、熱燃焼室はロケットエンジン全体の一部にすぎないことが理解されよう。従来、熱燃焼室は、かかるエンジンの他の構成要素とは別々に形成されているが、本開示の態様によるハイブリッド付加製造プロセスは、前述のように、再生冷却式ライナ要素、クラッド層、流体マニホールド、計装ポートおよび流体ポート、ならびに統合ブラケットおよび相互接続を含む、熱燃焼室全体への多くの機能要素の統合を可能にする。様々な態様によれば、
図24aおよび
図24bに示すように、このような統合は、下側スラストスカートにも拡張してもよい。
【0143】
そのような実施形態では、スカート(700)は、熱燃焼室(702)とは別々に形成され、ボルト、溶接、または他の従来の手段を介して熱燃焼室に取り付けられてもよく、または熱燃焼室と一緒に向けて付加製造されてもよい。下側スカートを形成するためのプロセスの態様は、熱燃焼室に関して上述したのと同じステップの多くをとることができる。具体的には、PBF、WAAM、またはDEDなどの第1の付加製造プロセスを使用してスカート本体(706)を形成することができ、次いで、例えば、CS、WAAM、DEDなどの1つまたは複数の互換性のある付加製造技術を使用して、クラッド層(708)および流体マニホールド(710)を必要に応じてスカート本体の上に一体的に形成することができる。熱燃焼室および関連する図に関して上述したように、スカートおよびスカートマニホールドを形成する際に同様の材料制約および考慮事項が使用される場合がある。
【0144】
さらに、
図25aおよび
図25bに示すように、熱燃焼室に使用される再生冷却回路は、スカートに拡張してもよい。この再生冷却は、熱燃焼室に関して前述した形態のいずれかをとることができる。例えば、様々な態様において、膜冷却(
図25a)を採用することができる。そのような態様では、熱燃焼室(714)の後方マニホールド(712)からの出口(710)は、流体の膜(716)を下側スカートの内壁上に噴射し、それによって冷却を提供するように構成される。あるいは、
図25bに示すように、いくつかの態様では、下側スカートの壁には内部冷却チャネル(図示せず)が設けられ、内部冷却チャネルは、熱燃焼室(720)の後方マニホールド(718)を通って熱燃焼室からの再生冷却経路と相互接続され、それにより冷却流体の流れ(722)が下側スカートを通って拡張され、再循環されて熱燃焼室に戻る。そのような拡張された再生冷却システムをどのように構成することができるかのさらなる詳細図が、
図26aおよび
図26bに提供される。示すように、様々な態様において、熱燃焼室(750)および下側スカート(752)の内側冷却チャネルは、熱燃焼室(754)の後端および下側スカート(756)の前端に配置された一対のジャンパマニホールド(754&756)で相互接続された流体導管(753)を介して相互接続される。次いで、流体流は、下側スカートの後端における後方戻りマニホールド(758)に達するまでスカートを通過する。次に、流体は、流体導管(760)を通って前方戻りマニホールド(762)に戻され、したがって噴射アセンブリ(764)に戻される。
【0145】
設計にかかわらず、下側スカートを一体的に形成するためのプロセスは、下側スカートの物理的および機械的要件を満たすために必要に応じて修正されるが、熱燃焼室に関して(例えば、
図9aに関して)説明したものと同じ考慮事項およびプロセスステップに従う。同様に、すべての材料、材料適合性、および制約は、一体型下側スラストスカートの形成に関して適用可能である。
【0146】
本発明の特定の実施形態を説明および図示してきたが、本発明は、そのように説明および図示された部品の特定の形態または配置に限定されるものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されるべきである。
【0147】
本明細書の1つまたは複数の方法の動作は特定の順序で示され説明されているが、各方法の動作の順序は、特定の動作が逆の順序で実施され得るように、または特定の動作が少なくとも部分的に他の動作と同時に実施され得るように変更されてもよい。別個の動作の命令またはサブ動作は、断続的かつ/または交互に実施することができる。
【0148】
本明細書に記載の方法のための動作の少なくともいくつかは、コンピュータによる実行のためにコンピュータ使用可能記憶媒体に記憶されたソフトウェア命令を使用して実施され得ることにも留意されたい。一例として、コンピュータプログラム製品の一実施形態は、コンピュータ可読プログラムを記憶するコンピュータ使用可能記憶媒体を含む。
【0149】
コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体システム(または装置もしくはデバイス)であり得る。非一時的コンピュータ使用可能およびコンピュータ可読記憶媒体の例には、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛体磁気ディスク、および光ディスクが挙げられる。光ディスクの現在の例には、読み出し専用メモリを有するコンパクトディスク(CD-ROM)、読み出し/書き込みを有するコンパクトディスク(CD-R/W)、およびデジタルビデオディスク(DVD)が挙げられる。
【外国語明細書】