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特開2024-8471エレベーターの乗場におけるドアのスライド構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008471
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】エレベーターの乗場におけるドアのスライド構造
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B66B13/30 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110376
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南谷 真平
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307AA02
3F307BA03
3F307CD04
(57)【要約】
【課題】粉塵または火山灰等の異物が多い場所であっても保守作業員が短期間毎にドアレールの上面において集積される異物を除去する必要がないドアのスライド構造を提供する。
【解決手段】ドアのスライド構造は、エレベーターの乗場14におけるドア11のスライド構造13であって、乗場14の出入口15の上方に設けられたドアレール30と、ドア11の上端部に設けられ、ドアレール30の上面を転動するハンガーローラ22を有するドアハンガー20と、を備え、ドアレール30の上面には、ドア11の開閉方向に沿って溝部31が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの乗場におけるドアのスライド構造であって、
前記乗場の出入口の上方に設けられたドアレールと、
前記ドアの上端部に設けられ、前記ドアレールの上面を転動するハンガーローラを有するドアハンガーと、
を備え、
前記ドアレールの上面には、前記ドアの開閉方向に沿って溝部が形成されている、
ドアのスライド構造。
【請求項2】
請求項1に記載のドアのスライド構造であって、
前記ドアレールの前記ハンガーローラとの接触面は傾斜している、
ドアのスライド構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドアのスライド構造であって、
前記ドアハンガーに取り付けられ、前記ドアレールの前記ハンガーローラとの接触面と接触するように形成され、前記ドアの開閉動作に連動して前記接触面を清掃し、かつ前記接触面に給油するドアレール清掃給油部材を備える、
ドアのスライド構造。
【請求項4】
請求項3に記載のドアのスライド構造であって、
前記ドアハンガーに取り付けられ、前記ハンガーローラの回動面に接触して、前記ドアの開閉動作に連動して前記回動面を清掃し、かつ前記回動面に給油するハンガーローラ清掃給油部材を備える、
ドアのスライド構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの乗場におけるドアのスライド構造であって、特にドアレールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターの各階の乗場の出入口には、ドアが設けられている。乗場のドアは、ドアの上部に設けられたドアハンガーが乗場の出入口の上方に設けられたドアレールに案内されることによって開閉される。
【0003】
<従来のドアのスライド構造>
図7および図8を用いて、従来のドアのスライド構造113について説明する。
【0004】
従来のドアのスライド構造113では、ドアハンガー120に設けられたハンガーローラ122がドアレール130の上面を転動することによって、ドアレール130によってドアハンガー120が案内される。
【0005】
また、従来のドアのスライド構造113では、ドアレール130のハンガーローラ122との接触面に堆積した粉塵等の異物Dは、ドアの開閉に従ってハンガーローラ122によってドアの全閉時または全開時のドアレール130の終端部に集積される。終端部に集積された異物Dは、保守作業員によって定期的に除去される。
【0006】
さらに、例えば特許文献1には、ドアレール130の清掃給油材が開示されている。清掃給油材によってドアレール130の上面に堆積した異物を除去することで、保守作業員による除去回数を削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-027842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、エレベーターの乗場が屋外に設置されている場合には、ドアレール130の上面に多くの粉塵が付着し、地域によっては火山灰が付着する場合がある。ドアレール130の上面に多くの粉塵または火山灰等の異物Dが付着した場合には、清掃給油材による清掃も追いつかず、保守作業員が短期間毎にドアレールの上面において集積される異物を除去する必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、粉塵または火山灰等の異物が多い場所であってもドアレールの上面において集積される異物を少なくすることができるドアのスライド構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るドアのスライド構造は、エレベーターの乗場におけるドアのスライド構造であって、乗場の出入口の上方に設けられたドアレールと、ドアの上端部に設けられ、ドアレールの上面を転動するハンガーローラを有するドアハンガーと、を備え、ドアレールの上面には、ドアの開閉方向に沿って溝部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成とすることによって、溝部に異物を単に堆積させることによってドアレールのハンガーレールとの接触面に圧接されて集積される異物を少なくすることができる。
【0012】
本発明に係るドアのスライド構造において、ドアレールのハンガーローラとの接触面は傾斜していることが好ましい。
【0013】
上記構成とすることによって、ハンガーローラがドアレールの上面を転動する際に、異物がドアレールの外側に押し出され、ドアレールの上面に堆積する異物を少なくすることができる。
【0014】
本発明に係るドアのスライド構造において、ドアハンガーに取り付けられ、ドアレールの上面のハンガーローラとの接触面と接触するように形成され、ドアの開閉動作に連動して接触面を清掃し、かつ接触面に給油するドアレール清掃給油部材を備えることが好ましい。
【0015】
上記構成とすることによって、ハンガーローラがドアレールの上面を円滑に転動することができる。
【0016】
本発明に係るドアのスライド構造において、ドアハンガーに取り付けられ、ハンガーローラの回動面に密着して、ドアの開閉動作に連動して回動面を清掃し、かつ回動面に給油するハンガーローラ清掃給油部材を備えることが好ましい。
【0017】
上記構成とすることによって、ハンガーローラがドアレールの上面を円滑に転動することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のドアのスライド構造によれば、粉塵または火山灰等の異物が多い場所であってもドアレールのハンガーローラとの接触面において集積される異物を少なくすることができる。これにより、保守作業員が短期間毎に異物を除去する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態の一例であるドアのスライド構造を示す正面図である。
図2図1の一部を拡大した正面図である。
図3図2の矢視Aからみた一部断面図である。
図4】清掃給油部材が設けられたドアのスライド構造を示す正面図である。
図5図4の矢視Bからドアレール清掃給油部材を見た一部断面図である。
図6図4の矢視Cからハンガーローラ清掃給油部材を見た図である。
図7】従来のドアのスライド構造を示す正面図である。
図8図7の矢視Dから見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<1.本発明の概要>
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、材料、方向、数値等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができる。
【0021】
本発明のドア11のスライド構造13によれば、詳細は後述するが、図3に示すように、ドアレール30の上面に溝部31を形成すると共に、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面を傾斜させることによって、当該接触面において集積される異物Dを少なくすることができる。これにより、保守作業員が短期間毎に異物Dを除去する必要がない。
【0022】
以下では、「ドアレール30の上面」とは、ドアレール30において上側を向く面であって、粉塵または火山灰等の異物Dが堆積する面である。「ドアレール30のハンガーローラ22との接触面」とは、ドアレール30の上面のうちで、ハンガーローラ22がドアレール30を転動する際にハンガーローラ22の回動面と接触して異物Dを集積する部分である。
【0023】
以下では、ドア11の開閉方向(以下、単に開閉方向と記載する)と、上下方向と、開閉方向および上下方向に直交する前後方向に従って説明する。また、前後方向の乗場14側を前側、かご室側を後側と記載する。
【0024】
本実施形態のエレベーターの乗場14は、屋外に設置され、屋内と比較して粉塵が多い環境下にあることを想定しているが、これに限らない。また、本実施形態のエレベーターの乗場14は、火山灰が多い地域に設置されている。つまり、本実施形態のエレベーターの乗場14は、屋内に設置された乗場と比較して、粉塵または火山灰等の異物Dが多い環境下にあることを想定しているが、これに限らない。
【0025】
以下では、粉塵または火山灰等の異物Dが自然に降り積もった状態を単に「異物Dが堆積する」と記載する。また、堆積した異物Dが何らかの作用によって集められた状態を「異物Dが集積する」と記載する。さらに、集積した異物Dが周囲から水分または油を取り込んで固まった状態を「異物Dが固着する」と記載する。
【0026】
<2-1.ドア>
図1を用いて、実施形態の一例であるドア11のスライド構造13について説明する。
【0027】
エレベーターの各乗場14の出入口15には、乗場ドア10が設けられる。乗場ドア10は、中央から両側に開くように2つのドア11、12が移動する両開き型である。ドア11、12のスライド構造13は、エレベーターの乗場ドア10を開閉させるためにドア11、12をスライドさせる構造である。2つのドア11、12は、それぞれ左右対称である以外は同様の構成であるため、以下ではドア11についてのみ説明する。
【0028】
ドア11のスライド構造13では、ドア11の上端部に設けられたドアハンガー20が乗場14の出入口15の上方に設けられたドアレール30によって開閉方向に沿って案内される。より詳細には、ドアハンガー20に設けられたハンガーローラ22がドアレール30上を転動することによって、ドアレール30によってドアハンガー20が案内される。一方、ドア11の下部は、敷居39によって開閉方向に沿って案内される。
【0029】
なお、2つのドア11、12のうち、一方のドア11に連結された連結具が開閉方向において一方側に移動するとき、他方のドア12に連結された連結具は開閉方向において他方側に移動する。これにより、各ドア11、12は開閉方向において互いに逆方向に移動するように駆動される。
【0030】
<2-2.ドアハンガー>
図1から図3を用いて、ドアハンガー20について説明する。
【0031】
ドアハンガー20は、ドア11の上端部に設けられ、ドア11をドアレール30に対し吊り下げ支持する。ドアハンガー20によれば、ドア11をドアレール30に対し円滑にスライドさせることができる。ドアハンガー20は、それぞれ詳細は後述するハンガープレート21と、ハンガーローラ22とを有している。
【0032】
ハンガープレート21は、ドア11に固定され、ハンガーローラ22を回転可能に支持する。ハンガープレート21は、開閉方向に沿って設けられ、開閉方向からみた断面視が後方に向かって折り曲げられたL字状に形成されている。ハンガープレート21には、2つのハンガーローラ22が開閉方向に沿ってそれぞれ設けられている。
【0033】
ハンガーローラ22は、ドアレール30の上面を転動してドアレール30に沿ってドアハンガー20をスライドさせることによってドア11を開閉する。ハンガーローラ22の回転軸は、前後方向に沿って設けられハンガープレート21に固定されている。ハンガーローラ22の回動面は、開閉方向から見た断面視において回転軸に向かって膨らむ円弧状に形成されている。
【0034】
<2-3.ドアレール>
図1から図3を用いて、ドアレール30について説明する。
【0035】
ドアレール30は、ドアハンガー20のハンガーローラ22が転動するレールであって、ドアハンガー20を開閉方向に案内する。ドアレール30は、乗場14の出入口15の上方の壁面等に固定されている。ドアレール30は、開閉方向に沿って設けられている。
【0036】
上述したように、本実施形態のエレベーターの乗場14は、異物Dが多い環境下にあるため、ドアレール30上に異物Dが堆積する。堆積した異物Dは、ドア11の開閉に従ってハンガーローラ22によってドアレール30におけるドア11の全閉時または全開時の終端部に集積される。終端部に集積された異物Dは、保守作業員によって定期的に除去される。しかし、異物Dが多い場所では、保守作業員が短期間毎に異物Dを除去する必要があり、作業効率が悪い。
【0037】
そこで、本実施形態のドアレール30の上面には、開閉方向に沿って溝部31が形成されている。溝部31は、開閉方向から見て前後方向の中央部に形成されている。
【0038】
溝部31によれば、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面に集積される異物Dを少なくすることができる。より詳細には、ハンガーローラ22がドアレール30を転動することによってドアレール30におけるドア11の全閉時または全開時の終端部に集積される異物Dを少なくすることができる。なお、溝部31は、定期的に保守作業員によって清掃され、溝部31に堆積した異物Dは、清掃によって除去される。
【0039】
ドアレール30は、より詳細には、前後方向の前側から後側に向かって、それぞれ詳細は後述する前部32と、中間部33と、後部34とを有している。
【0040】
前部32は、開閉方向から見た断面視において長円形状に形成されている。後部34は、開閉方向から見た断面視において前部32と同形状であって長円形状に形成されている。換言すれば、ドアレール30の上面の前後方向の両端部は、開閉方向から見て円弧状に形成されている。
【0041】
中間部33は、開閉方向から見た断面視において矩形状に形成されている。中間部33の上下方向の長さは、前部32および後部34の上下方向の長さよりも短い。また、前部32、中間部33および後部34は、上下方向の中心が一致するように固定されている。そのため、中間部33の上方が上述した溝部31として形成される。
【0042】
上述した構成によって、開閉方向から見て、ドアレール30の上面の前後方向の両端部が円弧状に形成され、上述したように前後方向の中央部に溝部31(中間部33の上方の空間)が形成され、ハンガーローラ22の回動面が回転軸に向かって膨らんだ円弧状に形成されるため、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面が傾斜している。
【0043】
より詳細には、ドアレール30の前部32のハンガーローラ22との接触面は、前側に向かって傾斜し、ドアレール30の後部34のハンガーローラ22との接触面は、後側に向かって傾斜している。
【0044】
ドアレール30のハンガーローラ22との接触面が傾斜しているため、ドア11の開閉時にハンガーローラ22がドアレール30上を転動する際に、接触面に堆積した異物Dは、ドアレール30の外側(前部32では前側、後部34では後側)に押し出される。
【0045】
これにより、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面において集積される異物Dを少なくすることができる。そのため、ハンガーローラ22がドアレール30を転動することによってドアレール30におけるドア11の全閉時または全開時の終端部に集積される異物Dを少なくすることができる。
【0046】
<2-4.清掃給油部材>
図4から図6を用いて、レール清掃給油部材40およびローラ清掃給油部材50について説明する。
【0047】
ドアレール清掃給油部材としてのレール清掃給油部材40は、ドアレール30の上面に接触した状態で、ドア11の開閉に連動してドアレール30の上面を移動することでドアレール30の上面を清掃し、かつドアレール30の上面に給油する。レール清掃給油部材40は、油が含浸されたフェルト等の不織布、または発泡ポリウレタン等の発泡樹脂により直方体状に形成される。
【0048】
レール清掃給油部材40は、図5に示すように、開閉方向から見た断面視において、少なくともドアレール30のハンガーローラ22との接触面に接触するように形成されている。レール清掃給油部材40は、開閉方向から見た断面視において、前部32および後部34の上端部の円弧状に密着する略M字形状であることが好ましい。なお、レール清掃給油部材40は、溝部31に接触する必要はない。
【0049】
レール清掃給油部材40によれば、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面に集積した異物Dを清掃し、かつ接触面に給油することができる。これにより、ハンガーローラ22がドアレール30上を円滑に転動することができる。
【0050】
レール清掃給油部材40は、ボルト等の締結部材によって支持部材41に固定されている。支持部材41は、ボルト等の締結部材によってドアハンガー20の開閉方向の一方の端部に固定されている。これにより、レール清掃給油部材40の位置を調整して、ドアレール30の上面との密着具合を調整することができる。
【0051】
ハンガーローラ清掃給油部材としてのローラ清掃給油部材50は、図6に示すように、ハンガーローラ22の回動面に接触した状態で、ハンガーローラ22が回動することでハンガーローラ22の回動面を清掃し、かつハンガーローラ22の回動面に給油する。
【0052】
ローラ清掃給油部材50は、油が含浸されたフェルト等の不織布、または発泡ポリウレタン等の発泡樹脂により直方体状に形成される。ローラ清掃給油部材50は、断面視において、ハンガーローラ22の回動面と接触するように円弧状に形成されている。
【0053】
本実施形態のスライド構造13では、従来のスライド構造113(図7および図8参照)と比較して、ハンガーローラ22とドアレール30との接触面積が小さくなるため、ハンガーローラ22のドアレール30との接触面に作用する圧力が高くなり、ドアレール30に堆積した異物Dがハンガーローラ22の回動面に付着する場合がある。
【0054】
そこで、ローラ清掃給油部材50によれば、ハンガーローラ22の回動面に堆積した異物Dを清掃し、かつ回動面に給油することができる。これにより、ハンガーローラ22がドアレール30上を円滑に転動することができる。
【0055】
ローラ清掃給油部材50は、ボルト等の締結部材によって支持部材51に固定されている。支持部材51は、ボルト等の締結部材によってドアハンガー20の上端部に固定されている。これにより、ローラ清掃給油部材50の位置を調整して、ハンガーローラ22の回動面との密着具合を調整することができる。
【0056】
<3.作用効果(異物の除去)>
本実施形態のドア11のスライド構造13によれば、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面において集積される異物Dを少なくすることができる。
【0057】
より詳細には、ドアレール30の上面に堆積した異物Dのうちの溝部31に堆積した異物Dは、溝部31がハンガーローラ22と接触しないため、ドア11の開閉に従ってハンガーローラ22によってドア11の全閉時または全開時のドアレール30の上面の終端部に集積されることはない。溝部31は、保守点検作業員によって定期的に清掃され、溝部31に堆積した異物Dは、清掃において除去される。
【0058】
ドアレール30の上面に堆積した異物Dのうちのハンガーローラ22との接触面に堆積した異物Dは、接触面が傾斜しているため、ハンガーローラ22がドアレール30を転動する際に、ドアレール30の前後方向の外側に押し出される。残った異物Dは、レール清掃給油部材40によって除去される。
【0059】
ドアレール30の上面に堆積した異物Dのうちの前部32または後部34の上端部(接触面以外)に堆積した異物Dは、前部32または後部34の上端部がハンガーローラ22と接触しないため、ドア11の開閉に従ってハンガーローラ22によってドアレール30の終端部に集積されることはない。前部32または後部34の上端部に堆積した異物Dは、レール清掃給油部材40によって除去される。
【0060】
このようにして、異物Dが多い乗場14であっても、ドアレール30のハンガーローラ22との接触面において集積される異物Dを少なくすることができる。そのため、ハンガーローラ22がドアレール30を転動することによってドアレール30におけるドア11の全閉時または全開時の終端部に集積される異物Dを少なくすることができる。これにより、保守作業員が短期間毎にドアレール30の上面の終端部に集積されて固着した異物Dを除去する必要がない。
【0061】
なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
10 乗場ドア、11 ドア、12 ドア、13 スライド構造、14 乗場、15 出入口、20 ドアハンガー、21 ハンガープレート、22 ハンガーローラ、30 ドアレール、31 溝部、32 前部、33 中間部、34 後部、39 敷居、40 レール清掃給油部材(ドアレール清掃給油部材) 、41 支持部材、50 ローラ清掃給油部材(ハンガーローラ清掃給油部材)、51 支持部材、113 スライド構造、120 ドアハンガー、122 ハンガーローラ、130 ドアレール、D 異物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8