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▶ タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084713
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】電磁分離アセンブリおよびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/648 20060101AFI20240618BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H01R13/648
H01R13/46 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208146
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】202223346902.X
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】フゥア フゥー
(72)【発明者】
【氏名】インチゥエン デヴィッド ワン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン クリス ワン
(72)【発明者】
【氏名】ダァオクァン ジェレミー ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ヤン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA16
5E021FB21
5E021FC07
5E021FC21
5E021LA12
5E087EE11
5E087FF07
5E087PP01
5E087QQ03
5E087RR18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力端子と信号端子との間の沿面距離を効果的に増加させることができ、信号端子の短絡を防ぐことができ、コネクタの電気絶縁性能を向上させる。
【解決手段】電磁分離アセンブリ5、6は、コネクタの絶縁体1のスリット101に挿入されるように構成されている。電磁分離アセンブリ5、6は、絶縁体1に挿入された電力端子3を絶縁体1に挿入された信号端子4から電磁的に分離するために使用される金属分離要素5と、金属分離要素5に固定されて電力端子3と信号端子4との間の沿面距離を増加させる電気絶縁要素6とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの絶縁体(1)のスリット(101)に挿入するのに適した電磁分離アセンブリであって、前記電磁分離アセンブリ(5、6)は、
前記絶縁体(1)に挿入された電力端子(3)を前記絶縁体(1)に挿入された信号端子(4)から電磁的に分離するために使用される金属分離要素(5)と、
前記金属分離要素(5)に固定されて前記電力端子(3)と前記信号端子(4)との間の沿面距離を増加させる電気絶縁要素(6)と
を備える、
電磁分離アセンブリ。
【請求項2】
前記電磁分離アセンブリ(5、6)が前記絶縁体(1)に挿入されると、前記電気絶縁要素(6)は、前記絶縁体(1)の端部の端面(1a)から前記絶縁体(1)の軸に沿って所定の高さで突出して、前記電力端子(3)の一端部(3a)と前記信号端子(4)の一端部(4a)との間の沿面距離を増加させる、
請求項1に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項3】
前記電磁分離アセンブリ(5、6)が前記絶縁体(1)に挿入されると、前記電気絶縁要素(6)は、前記絶縁体(1)の端部の両側から前記絶縁体(1)の半径方向に沿って所定の距離で突出して、前記電力端子(3)の一端部(3a)と前記信号端子(4)の一端部(4a)との間の沿面距離を増加させる、
請求項1または2に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項4】
位置決めリブ(6a)が、前記電気絶縁要素(6)の両側にそれぞれ形成され、前記位置決めリブ(6a)は、前記スリット(101)の入口の内壁における軸方向に延びる位置決めスロット(16a)に嵌合して前記電気絶縁要素(6)を位置決めするために使用される、
請求項1に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項5】
前記金属分離要素(5)は、
板状本体(50)と、
前記板状本体(50)の幅方向の両側にそれぞれ形成された一対の弾性接触アーム(51)と
を含み、
前記電磁分離アセンブリ(5、6)が前記絶縁体(1)に挿入されると、前記弾性接触アーム(51)は、前記絶縁体(1)のスロット孔(102)を通って前記絶縁体(1)の外側に突出して、前記コネクタのシールドシェル(2)の内壁に電気的に接触する、
請求項1に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項6】
前記金属分離要素(5)は、弾性ロックアーム(52)をさらに含み、前記弾性ロックアーム(52)は、前記板状本体(50)の前記幅方向の両側にそれぞれ形成されて、前記金属分離要素(5)を前記スリット(101)にロックする、
請求項5に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項7】
前記金属分離要素(5)は、ガイドリブ(53)をさらに含み、前記ガイドリブ(53)は、前記板状本体(50)の表面に形成され、前記絶縁体(1)の前記スリット(101)の内壁におけるガイドスロットに嵌合して前記金属分離要素(5)を前記スリット(101)内に案内するために使用される、
請求項6に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項8】
前記電気絶縁要素(6)は、前記金属分離要素(5)上に射出成形され、前記電気絶縁要素(6)と前記金属分離要素(5)とが一体部品に形成されるようになっている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電磁分離アセンブリ。
【請求項9】
コネクタであって、
スリット(101)、ならびに前記スリット(101)の両側にそれぞれ位置する電力端子孔(103)および信号端子孔(104)が形成された絶縁体(1)と、
前記絶縁体(1)の前記電力端子孔(103)に挿入された電力端子(3)と、
前記絶縁体(1)の前記信号端子孔(104)に挿入された信号端子(4)と、
前記絶縁体(1)の前記スリット(101)に挿入された、請求項1から8のいずれか一項に記載の電磁分離アセンブリ(5、6)と
を備える、
コネクタ。
【請求項10】
前記絶縁体(1)に外装されたシールドシェル(2)をさらに備え、
金属分離要素(5)が、前記シールドシェル(2)の内部空間を2つの電磁的に分離されたサブ空間に分離し、前記電力端子(3)は、前記2つの電磁的に分離されたサブ空間のうちの一方に位置し、前記信号端子(4)は、前記2つの電磁的に分離されたサブ空間のうちの他方に位置する、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
スロット孔(102)が、前記スリット(101)に連通して前記絶縁体(1)に形成され、前記金属分離要素(5)の弾性接触アーム(51)が、前記絶縁体(1)の前記スロット孔(102)を通って前記絶縁体(1)の外側に突出し、前記シールドシェル(2)の内壁に電気的に接触する、
請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
ガイドスロットが、前記絶縁体(1)の前記スリット(101)の内壁に形成され、前記ガイドスロットは、前記金属分離要素(5)のガイドリブ(53)に嵌合して前記金属分離要素(5)を前記スリット(101)内に案内するために使用される、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項13】
2つの位置決めスロット(16a)が、前記スリット(101)の入口の2つの内側壁にそれぞれ形成され、前記位置決めスロット(16a)は、前記電気絶縁要素(6)の位置決めリブ(6a)に嵌合して前記電気絶縁要素(6)を位置決めするために使用される、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記スリット(101)は、前記絶縁体(1)を通って軸方向に延び、前記電気絶縁要素(6)は、前記スリット(101)の一端部から軸方向に所定の高さまで突出する、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記シールドシェル(2)は、前記絶縁体(1)の一端部に外装および固定され、前記絶縁体(1)の他端部は前記シールドシェル(2)の外側に延び、
前記コネクタは、前記絶縁体(1)の前記他端部に回転可能に外装され、かつ前記シールドシェル(2)に電気的に接触している金属ナット(7)をさらに備え、
雌ねじ(7a)が、相手側コネクタの金属ねじスリーブに接続するために、前記金属ナット(7)に形成され、雄ねじ(2a)が、回路基板のナットに接続するために、前記シールドシェル(2)に形成されている、
請求項10に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年12月13日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202223346902.X号の優先権を主張する。その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、電磁分離アセンブリおよび電磁分離アセンブリを備えるコネクタに関し、特に、コネクタの電力端子と信号端子とを電磁的に分離するために使用される電磁分離アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、コネクタの電力端子は、信号端子に対する電磁妨害を生じさせ、信号伝送の信頼性に重大な影響を及ぼすことがある。信号端子に対する電力端子の電磁妨害を低減させるために、通常、金属板をコネクタの絶縁体に挿入して、電力端子と信号端子とを電磁的に分離する。しかしながら、金属板の端部と信号端子の端部との間の距離が比較的短いため、電力端子と信号端子との間の沿面距離が短くなり、信号端子の短絡が生じやすくなり、コネクタの電気絶縁性能が規定の要件を満たさなくなることが起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の欠点のうちの少なくとも1つの局面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、コネクタの絶縁体のスリットに挿入するのに適した電磁分離アセンブリが提供される。電磁分離アセンブリは、絶縁体に挿入された電力端子を絶縁体に挿入された信号端子から電磁的に分離するために使用される金属分離要素と、金属分離要素に固定されて電力端子と信号端子との間の沿面距離を増加させる電気絶縁要素とを備える。
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、電磁分離アセンブリが絶縁体に挿入されると、電気絶縁要素は、絶縁体の端部の端面から絶縁体の軸に沿って所定の高さで突出して、電力端子の一端部(3a)と信号端子の一端部との間の沿面距離を増加させる。
【0007】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、電磁分離アセンブリが絶縁体に挿入されると、電気絶縁要素は、絶縁体の端部の両側から絶縁体の半径方向に沿って所定の距離で突出して、電力端子の一端部と信号端子の一端部との間の沿面距離を増加させる。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、位置決めリブが、電気絶縁要素の両側にそれぞれ形成され、位置決めリブは、スリットの入口の内壁における軸方向に延びる位置決めスロットに嵌合して電気絶縁要素を位置決めするために使用される。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、金属分離要素は、板状本体と、板状本体の幅方向の両側にそれぞれ形成された一対の弾性接触アームとを含む。電磁分離アセンブリが絶縁体に挿入されると、弾性接触アームは、絶縁体のスロット孔を通って絶縁体の外側に突出して、コネクタのシールドシェルの内壁に電気的に接触する。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、金属分離要素は、弾性ロックアームをさらに含み、弾性ロックアームは、板状本体の幅方向の両側にそれぞれ形成されて、金属分離要素をスリットにロックする。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、金属分離要素はガイドリブをさらに含み、ガイドリブは、板状本体の表面に形成され、絶縁体のスリットの内壁におけるガイドスロットに嵌合して金属分離要素をスリット内に案内するために使用される。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、電気絶縁要素は、金属分離要素上に射出成形され、電気絶縁要素と金属分離要素とが一体部品に形成されるようになっている。
【0013】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、スリット、ならびにスリットの両側にそれぞれ位置する電力端子孔および信号端子孔が形成された絶縁体と、絶縁体の電力端子孔に挿入された電力端子と、絶縁体の信号端子孔に挿入された信号端子と、絶縁体のスリットに挿入された上記の電磁分離アセンブリとを備える。
【0014】
本発明の例示的な実施形態によれば、コネクタは、絶縁体に外装されたシールドシェルをさらに備え、金属分離要素が、シールドシェルの内部空間を2つの電磁的に分離されたサブ空間に分離し、電力端子は、2つの電磁的に分離されたサブ空間のうちの一方に位置し、信号端子は、2つの電磁的に分離されたサブ空間のうちの他方に位置する。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、スロット孔が、スリットに連通して絶縁体に形成され、金属分離要素の弾性接触アームが、絶縁体のスロット孔を通って絶縁体の外側に突出し、シールドシェルの内壁に電気的に接触する。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ガイドスロットが、絶縁体のスリットの内壁に形成され、ガイドスロットは、金属分離要素のガイドリブに嵌合して金属分離要素をスリット内に案内するために使用される。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、2つの位置決めスロットが、スリットの入口の2つの内側壁にそれぞれ形成され、位置決めスロットは、電気絶縁要素の位置決めリブに嵌合して電気絶縁要素を位置決めするために使用される。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、スリットは、絶縁体を通って軸方向に延び、電気絶縁要素は、スリットの一端部から軸方向に所定の高さまで突出する。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、シールドシェルは、絶縁体の一端部に外装および固定され、絶縁体の他端部はシールドシェルの外側に延び、コネクタは、絶縁体の他端部に回転可能に外装され、かつシールドシェルに電気的に接触している金属ナットをさらに備え、雌ねじが、相手側コネクタの金属ねじスリーブに接続するために、金属ナットに形成され、雄ねじが、回路基板のナットに接続するために、シールドシェルに形成されている。
【0020】
本発明の前述の例示的な実施形態において、電気絶縁要素は、電力端子と信号端子との間の沿面距離を効果的に増加させることができ、信号端子の短絡を効果的に防ぐことができ、コネクタの電気絶縁性能を向上させることができる。
【0021】
添付図面を参照しながら例示的な実施形態を詳細に説明することにより、本発明の上記およびその他の特徴がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明斜視図である。
図2】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明分解図である。
図3】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの軸方向断面図である。
図4】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの絶縁体および電磁分離アセンブリの説明斜視図である。
図5】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの電磁分離アセンブリの説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下で、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものになるように、かつ当業者に本発明の概念を十分に伝えるように提供される。
【0024】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスは概略的に示す。
【0025】
本発明の態様によれば、コネクタの絶縁体のスリットに挿入するのに適した電磁分離アセンブリが提供される。電磁分離アセンブリは、絶縁体に挿入された電力端子を絶縁体に挿入された信号端子から電磁的に分離するために使用される金属分離要素と、金属分離要素に固定されて電力端子と信号端子との間の沿面距離を増加させる電気絶縁要素とを備える。
【0026】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、スリット、ならびにスリットの両側にそれぞれ位置する電力端子孔および信号端子孔が形成された絶縁体と、絶縁体の電力端子孔に挿入された電力端子と、絶縁体の信号端子孔に挿入された信号端子と、絶縁体のスリットに挿入された上記の電磁分離アセンブリとを備える。
【0027】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明斜視図である。図2は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明分解図である。図3は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの軸方向断面図である。図4は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの絶縁体1および電磁分離アセンブリ5、6の説明斜視図である。図5は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの電磁分離アセンブリ5、6の説明斜視図である。
【0028】
図1図5に示すように、本発明の例示的な実施形態において、電磁分離アセンブリ5、6が開示されている。電磁分離アセンブリ5、6は、コネクタの絶縁体1のスリット101に挿入するのに適している。電磁分離アセンブリ5、6は、金属分離要素5と電気絶縁要素6とを含む。金属分離要素5は、絶縁体1に挿入された電力端子3を絶縁体1に挿入された信号端子4から電磁的に分離するために使用される。電気絶縁要素6は、金属分離要素5に固定されて電力端子3と信号端子4との間の沿面距離を増加させる。
【0029】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、電磁分離アセンブリ5、6が絶縁体1に挿入されると、電気絶縁要素6は、絶縁体1の一端部の端面1aから絶縁体1の軸に沿って所定の高さで突出して、電力端子3の一端部3aと信号端子4の一端部4aとの間の沿面距離を増加させる。したがって、図示の実施形態において、電気絶縁要素6は、信号端子4の短絡を効果的に防ぎ、コネクタの電気絶縁性能を向上させることができる。
【0030】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、電力端子3の一端部3aは、絶縁体1の電力端子孔103の一端部の開口部と略同一平面で延び、信号端子4の一端部4aは、絶縁体1の信号端子孔104の一端部の開口部と略同一平面で延びる。したがって、図示の実施形態において、電力端子3の一端部3aと信号端子4の一端部4aとの間の距離は、比較的小さい。電力端子3と信号端子4との間に金属分離要素5を挿入すると、電力端子3と信号端子4との間の沿面距離がさらに短くなり、電力端子3と信号端子4との間の沿面距離が規定の要件を満たさない。電力端子3の他端部3bは、絶縁体1の電力端子孔103に深く埋め込まれ、信号端子4の他端部4bは、絶縁体1の信号端子孔104に深く埋め込まれる。したがって、電力端子3の他端部3bと信号端子4の他端部4bとの間には、十分な沿面距離がある。
【0031】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、電磁分離アセンブリ5、6が絶縁体1に挿入されると、電気絶縁要素6は、絶縁体1の一端部の両側から絶縁体1の半径方向に沿って所定の距離で突出して、電力端子3の一端部3aと信号端子4の一端部4aとの間の沿面距離をさらに増加させる。
【0032】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、1つまたは複数の位置決めリブ6aが、電気絶縁要素6の両側に形成されている。位置決めリブ6aは、スリット101の入口の内壁において軸方向に延びる位置決めスロット16aに嵌合して電気絶縁要素6を位置決めするために使用される。
【0033】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、金属分離要素5は、板状本体50と一対の弾性接触アーム51とを含む。一対の弾性接触アーム51は、板状本体50の幅方向の両側にそれぞれ形成されている。電磁分離アセンブリ5、6が絶縁体1に挿入されると、弾性接触アーム51は、絶縁体1のスロット孔102を通って絶縁体1の外側に突出して、コネクタのシールドシェル2の内壁に電気的に接触する。
【0034】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、金属分離要素5は弾性ロックアーム52も含み、弾性ロックアーム52は、板状本体50の幅方向の両側にそれぞれ形成され、絶縁体1のスリット101の内壁に締まり嵌めして、金属分離要素5をスリット101にロックする。
【0035】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、金属分離要素5はガイドリブ53も含む。ガイドリブ53は、板状本体50の表面から突出し、絶縁体1のスリット101の内壁におけるガイドスロット(図示せず)に嵌合して金属分離要素5をスリット101内に案内するために使用される。
【0036】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、電気絶縁要素6は、金属分離要素5上に射出成形され、電気絶縁要素6と金属分離要素5とが一体部品に形成されるようになっている。
【0037】
図1図5に示すように、本発明の別の例示的な実施形態において、コネクタも開示されている。コネクタは、絶縁体1と、電力端子3と、信号端子4と、電磁分離アセンブリ5、6とを備える。絶縁体1には、スリット101と、スリット101の両側に位置する電力端子孔103および信号端子孔104とが形成されている。電力端子3は、絶縁体1の電力端子孔103に挿入されている。信号端子4は、絶縁体1の信号端子孔104に挿入されている。電磁分離アセンブリ5、6は、絶縁体1のスリット101に挿入されている。電磁分離アセンブリ5、6の金属分離要素5は、電力端子3と信号端子4とを電磁的に分離して、信号端子4の電磁妨害を防ぐ。図示の実施形態において、2つの電力端子孔103と2つの信号端子孔104とが、絶縁体1に形成されている。
コネクタは、2つの電力端子孔103に挿入された2つの電力端子3と、2つの信号端子孔104に挿入された2つの信号端子4とを備える。しかしながら、本発明はこれに限定されず、電力端子3および信号端子4の数を、実際の必要に応じて変化させることができる。
【0038】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、コネクタは、シールドシェル2をさらに備える。シールドシェル2は、絶縁体1の外側に装着されている。金属分離要素5は、シールドシェル2の内部空間を2つの電磁的に分離されたサブ空間に分割し、電力端子3は、2つの電磁的に分離されたサブ空間のうちの一方に位置し、信号端子4は、2つの電磁的に分離されたサブ空間のうちの他方に位置する。
【0039】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、スリット101に連通するスロット孔102が、絶縁体1に形成され、金属分離要素5の弾性接触アーム51は、絶縁体1のスロット孔102を通って絶縁体1の外側に突出し、シールドシェル2の内壁に電気的に接触する。
【0040】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、ガイドスロット(図示せず)が、絶縁体1のスリット101の内壁に形成され、ガイドスロットは、金属分離要素5のガイドリブ53に嵌合して金属分離要素5をスリット101内に案内するために使用される。
【0041】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、位置決めスロット16aが、スリット101の入口の2つの内壁にそれぞれ形成されている。位置決めスロット16aは、電気絶縁要素6の位置決めリブ6aに嵌合して電気絶縁要素6を位置決めするために使用される。図示の実施形態において、電磁分離アセンブリ5、6は、スリット101の入口を通ってスリット101に挿入されている。
【0042】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、スリット101は、絶縁体1を通って軸方向に延び、電気絶縁要素6は、スリット101の一端部(入口端部)から軸方向に所定の高さまで突出して、電力端子3の一端部3aと信号端子4の一端部4aとの間の沿面距離を増加させる。
【0043】
図1図5に示すように、図示の実施形態において、シールドシェル2は、絶縁体1の一端部に外装および固定され、絶縁体1の他端部はシールドシェル2の外側に延びる。コネクタは金属ナット7をさらに備える。金属ナット7は、絶縁体1の他端部に回転可能に外装され、シールドシェル2に電気的に接触している。雌ねじ7aが、相手側コネクタ(図示せず)の金属ねじスリーブ(図示せず)に接続するために、金属ナット7に形成されている。雄ねじ2aが、回路基板(図示せず)のナット(図示せず)に接続するために、シールドシェル2に形成されている。
【0044】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0045】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0046】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された特徴を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】