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特開2024-84728多相熱界面部材を形成する方法、多相熱界面部材、及び多相熱界面部材のチップ試験装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084728
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】多相熱界面部材を形成する方法、多相熱界面部材、及び多相熱界面部材のチップ試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20240618BHJP
【FI】
G01R31/26 J
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209188
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】111147729
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】チュウアン, ユーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, シンイー
(72)【発明者】
【氏名】チュウ, ジュイチェー
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA00
2G003AC03
2G003AG01
2G003AH08
(57)【要約】
【課題】温度制御装置と被温度制御装置の間の接触面でより完全な熱伝導を確保し、熱伝導効率を効果的に向上させることができる多相熱界面部材を形成する方法、多相熱界面部材、及び多相熱界面部材のチップ試験装置を提供する。
【解決手段】熱界面流体材料を加えるステップは、熱界面固体部品上の温度制御装置と第1の熱伝導面の間、及び第2の熱伝導面と被温度制御装置の間の何れかに熱界面流体材料を加えて、少なくとも一つの収容スペースを充填する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱界面固体部品を提供するステップと、熱界面流体材料を加えるステップとを含む多相熱界面部材を形成する方法であって、
前記熱界面固体部品を提供するステップは、前記熱界面固体部品が第1の熱伝導面及び第2の熱伝導面を有し、
前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかは少なくとも一つの収容スペースを備え、
前記第1の熱伝導面は温度制御装置と接触させるために用いられるものであり、前記第2の熱伝導面は被温度制御装置と接触させるために用いられるものであり、
前記熱界面流体材料を加えるステップは、前記熱界面固体部品上の前記温度制御装置と前記第1の熱伝導面との間、及び前記第2の熱伝導面と前記被温度制御装置との間の何れかに前記熱界面流体材料を加えて、少なくとも一つの前記収容スペースを充填し、
前記熱界面流体材料は常温環境で液体、気体、又はコロイドを呈し、或いはこれらのうちの何れか2つ若しくは3つを混合したものである、ことを特徴とする多相熱界面部材を形成する方法。
【請求項2】
前記熱界面固体部品の前記第2の熱伝導面と前記被温度制御装置とが接触したとき、
前記熱界面流体材料は、前記第2の熱伝導面の少なくとも一つの前記収容スペース内に充填される、ことを特徴とする請求項1に記載の多相熱界面部材を形成する方法。
【請求項3】
前記温度制御装置は流体供給モジュールを有し、
該流体供給モジュールは前記熱界面流体材料を前記第1の熱伝導面に加えるのに用いられ、前記熱界面流体材料は前記第1の熱伝導面の少なくとも一つの前記収容スペースに充填される、ことを特徴とする請求項1に記載の多相熱界面部材を形成する方法。
【請求項4】
熱界面固体部品と、熱界面流体材料とを備える多相熱界面部材であって、
前記熱界面固体部品は、第1の熱伝導面及び第2の熱伝導面を有し、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかは少なくとも一つの収容スペースを備え、
前記熱界面流体材料は、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかの少なくとも一つの前記収容スペース内に充填されるものであり、
前記熱界面固体部品は常温環境のとき固体を呈し、前記熱界面流体材料は常温環境で液体、気体、又はコロイドを呈し、或いはこれらのうちの何れか2つ若しくは3つを混合したものである、ことを特徴とする多相熱界面部材。
【請求項5】
前記熱界面固体部品は外周フレームを更に有し、
該外周フレームは前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面において、前記第1の熱伝導面から前記第2の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸し、若しくは、前記第2の熱伝導面から前記第1の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸し、又は、前記第1の熱伝導面から前記第2の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸すると共に前記第2の熱伝導面からも前記第1の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸する、ことを特徴とする請求項4に記載の多相熱界面部材。
【請求項6】
前記熱界面固体部品は更に貫通孔を有し、
該貫通孔は、前記第1の熱伝導面と前記第2の熱伝導面を貫き通すものである、ことを特徴とする請求項4に記載の多相熱界面部材。
【請求項7】
温度制御装置と、多相熱界面部材と、ソケットとを備える多相熱界面部材のチップ試験装置であって、
前記多相熱界面部材は熱界面固体部品と、熱界面流体材料とを備え、
前記熱界面固体部品は、第1の熱伝導面及び第2の熱伝導面を有し、
前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかは少なくとも一つの収容スペースを備え、
前記熱界面流体材料は、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも一方の少なくとも一つの前記収容スペース内に充填され、
前記ソケットは、テスト対象チップを収容するために用いられるものであり、
前記熱界面固体部品の前記第1の熱伝導面は前記温度制御装置に当接するために用いられるものであり、
前記熱界面固体部品の前記第2の熱伝導面は前記ソケット上の前記テスト対象チップに接触させるために用いられるものである、ことを特徴とする多相熱界面部材のチップ試験装置。
【請求項8】
流体塗布装置を更に備え、
該流体塗布装置は前記熱界面流体材料を、前記テスト対象チップ、前記熱界面固体部品及び前記温度制御装置における少なくとも何れか一つに加えるものである、ことを特徴とする請求項7に記載の多相熱界面部材のチップ試験装置。
【請求項9】
前記温度制御装置は、流体チャネルと、流体供給モジュールとを有し、
前記流体チャネルの一端は前記流体供給モジュールに連通し、他端は前記多相熱界面部材に連通し、
前記流体供給モジュールは前記熱界面流体材料を供給するために用いられるものであり、前記流体チャネルを介して前記熱界面固体部品に加えられる、ことを特徴とする請求項7に記載の多相熱界面部材のチップ試験装置。
【請求項10】
前記熱界面固体部品は外周フレームを更に有し、
該外周フレームは前記第1の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸し、
前記多相熱界面部材は前記外周フレームを介して前記温度制御装置に接続され、前記熱界面流体材料は前記第1の熱伝導面の少なくとも一つの前記収容スペース内に充填される、ことを特徴とする請求項7に記載の多相熱界面部材のチップ試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多相熱界面部材を形成する方法、多相熱界面部材、及び多相熱界面部材のチップ試験装置に関し、特に、チップの放熱分野或いはその他の温度制御分野で利用される多相熱界面部材を形成する方法、多相熱界面部材、及び多相熱界面部材のチップ試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱界面材料(Thermal Interface Material,TIM)は、温度制御装置と被温度制御装置との間に設けられ、両者の間の接触熱抵抗を低減する。熱界面材料を配置する主な原因は、全ての固体表面には粗さがあるからであり、且つ薄い物(例えばチップ等)の場合には反りが生ずるからである。
【0003】
このため、温度制御装置と被温度制御装置とを表面で接触させたとき、完全に密着するようにはできず、ある程度の空隙が混入することは避けられず、この空隙が存在する箇所では熱伝導率は非常に低くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、チップテストの分野では、チップと温度制御装置の間に空隙が形成されると、チップの箇所が高温となり、テストの結果に影響を与え、甚だしきに至ってはチップが焼損する可能性もある。
【0005】
したがって、チップテストの業界では、空隙を埋めるために、温度制御装置と被温度制御装置との間に熱界面材料を挟んで使用するのが一般的である。このようにすることで、接触熱抵抗を低減し、温度制御の性能を向上させることができる。
【0006】
更に、現在業界で一般的に使用されている熱界面材料は、例えばインジウム(Indium)合金シート等の固体形状であり、優れた熱伝導性と延伸性とを示し、表面には突起や菱形の形状等で形成された細長い溝が形成されている。
【0007】
したがって、インジウム合金シートが力で圧迫されると、インジウム合金シートが弾性変形して、温度制御装置と被温度制御装置との間の空隙を埋めることができる。
【0008】
一方、様々な表面の粗さ或いは部品の反りによって生じる大きな空隙をより効果的に吸収するためには、インジウム合金シートの特定の表面に形成された細長い溝の高低差をより大きく設計することが必要となる。
【0009】
目的は、インジウム合金シートが温度制御装置又は被温度制御装置の表面と充分に接触するように、圧縮量を高めることである。
【0010】
ただし、特定の表面に形成された細長い溝の高い位置と低い位置との差を大きくすればするほど、より多く又はより大きな空隙が形成され易くなる問題が生ずる。
【0011】
また、従来技術における液体の熱界面材料としては、例えば米国の公開特許公報US2017027084A1「流体の熱界面材料の連続塗布(CONTINUOUS
FLUIDIC THERMAL INTERFACE MATERIAL DISPENSING)」が挙げられる。
【0012】
この公開特許公報には、サーマルヘッド(thermal head)とチップとの間の接触面に流体の熱界面材料を塗布するためにディスペンサ(dispenser)を使用することが記載されている。
【0013】
しかし、この方法では、温度制御装置と被温度制御装置との間の全ての空隙を液体の熱界面材料で確実に埋めることは困難である。
【0014】
特に、被温度制御装置が変形し、局所的に凸状の反りが形成された状態のときは、温度制御装置と被温度制御装置との間に液体の熱界面材料が滞留しにくくなる。
【0015】
更に、どのように配合した液体の熱界面材料を使用したとしても、その熱伝導率は、インジウム合金シート等の固体の熱界面材料よりも低いものの、液体でもある程度の熱伝導率を確保できるので、反りによって生じる空隙の全体に隙間なく液体を進入させることができれば温度制御に有用である。しなしながら、同じく液体を利用した米国の公開特許公報US2017027084A1「流体の熱界面材料の連続塗布」では、全ての空隙を液体の熱界面材料で確実に埋めることは困難であり、どうしても一部に空隙が残ってしまうという問題があった。
【0016】
更に、液体の熱界面材料は、漏れ出した場合、比較的容易に電子機器を汚してしまったり、短絡(ショート)させてしまったりする可能性も存在する。
【0017】
本発明の主な目的は、多相熱界面部材、多相熱界面部材を形成する方法、及び多相熱界面部材のチップ試験装置を提供することにより、温度制御装置と被温度制御装置との間の接触面でより完全な熱伝導を確保し、熱伝導効率を効果的に向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、このような問題に鑑みて以下の構成を備える。即ち、本発明の一態様は、熱界面固体部品を提供するステップと、熱界面流体材料を加えるステップとを含む多相熱界面部材を形成する方法であって、前記熱界面固体部品を提供するステップは、前記熱界面固体部品が第1の熱伝導面及び第2の熱伝導面を有し、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかは少なくとも一つの収容スペースを備え、前記第1の熱伝導面は温度制御装置と接触させるために用いられるものであり、前記第2の熱伝導面は被温度制御装置と接触させるために用いられるものであり、前記熱界面流体材料を加えるステップは、前記熱界面固体部品上の前記温度制御装置と前記第1の熱伝導面との間、及び前記第2の熱伝導面と前記被温度制御装置との間の何れかに前記熱界面流体材料を加えて、少なくとも一つの前記収容スペースを充填し、前記熱界面流体材料は常温環境で液体、気体、又はコロイドを呈し、或いはこれらのうちの何れか2つ若しくは3つを混合したものである、ことを特徴とする多相熱界面部材を形成する方法である。
【0019】
上記態様においては、前記熱界面固体部品の前記第2の熱伝導面と前記被温度制御装置とが接触したとき、前記熱界面流体材料は、前記第2の熱伝導面の少なくとも一つの前記収容スペース内に充填されてもよい。
【0020】
また、上記態様においては、前記温度制御装置は流体供給モジュールを有し、該流体供給モジュールは前記熱界面流体材料を前記第1の熱伝導面に加えるのに用いられ、前記熱界面流体材料は前記第1の熱伝導面の少なくとも一つの前記収容スペースに充填されてもよい。
【0021】
本発明の他の態様は、熱界面固体部品と、熱界面流体材料とを備える多相熱界面部材であって、前記熱界面固体部品は、第1の熱伝導面及び第2の熱伝導面を有し、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかは少なくとも一つの収容スペースを備え、前記熱界面流体材料は、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかの少なくとも一つの前記収容スペース内に充填されるものであり、前記熱界面固体部品は常温環境のとき固体を呈し、前記熱界面流体材料は常温環境で液体、気体、又はコロイドを呈し、或いはこれらのうちの何れか2つ若しくは3つを混合したものである、ことを特徴とする多相熱界面部材である。
【0022】
上記態様においては、前記熱界面固体部品は外周フレームを更に有し、該外周フレームは前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面において、前記第1の熱伝導面から前記第2の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸し、若しくは、前記第2の熱伝導面から前記第1の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸し、又は、前記第1の熱伝導面から前記第2の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸すると共に前記第2の熱伝導面からも前記第1の熱伝導面とは反対方向に一体的に延伸してもよい。
【0023】
また、上記態様においては、前記熱界面固体部品は更に貫通孔を有し、該貫通孔は、前記第1の熱伝導面と前記第2の熱伝導面を貫き通すものであってもよい。
【0024】
本発明の他の態様は、温度制御装置と、多相熱界面部材と、ソケットとを備える多相熱界面部材のチップ試験装置であって、前記多相熱界面部材は熱界面固体部品と、熱界面流体材料とを備え、前記熱界面固体部品は、第1の熱伝導面及び第2の熱伝導面を有し、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも何れかは少なくとも一つの収容スペースを備え、前記熱界面流体材料は、前記第1の熱伝導面及び前記第2の熱伝導面における少なくとも一方の少なくとも一つの前記収容スペース内に充填され、前記ソケットは、テスト対象チップを収容するために用いられるものであり、前記熱界面固体部品の前記第1の熱伝導面は前記温度制御装置に当接するために用いられるものであり、前記熱界面固体部品の前記第2の熱伝導面は前記ソケット上の前記テスト対象チップに接触させるために用いられるものである、ことを特徴とする多相熱界面部材のチップ試験装置である。
【0025】
上記態様においては、流体塗布装置を更に備え、該流体塗布装置は前記熱界面流体材料を、前記テスト対象チップ、前記熱界面固体部品及び前記温度制御装置における少なくとも何れか一つに加えるものであってもよい。
【0026】
また、上記態様においては、前記温度制御装置は、流体チャネルと、流体供給モジュールとを有し、前記流体チャネルの一端は前記流体供給モジュールに連通し、他端は前記多相熱界面部材に連通し、前記流体供給モジュールは前記熱界面流体材料を供給するために用いられるものであり、前記流体チャネルを介して前記熱界面固体部品に加えられてもよい。
【0027】
また、上記態様においては、前記熱界面固体部品は外周フレームを更に有し、該外周フレームは前記第1の熱伝導面から離れる方向に一体的に延伸し、前記多相熱界面部材は前記外周フレームを介して前記温度制御装置に接続され、前記熱界面流体材料は前記第1の熱伝導面の少なくとも一つの前記収容スペース内に充填されてもよい。
【0028】
上記に基づいて、本発明は、固相の状態及び流体の状態の熱界面材料(thermal interface material,TIM)を組み合わせた多相(multiphase)熱界面部材を提供し、流体状態の熱界面材料は液体、気体、又はコロイドであることができ、或いはこれらのうちの何れか2つ若しくは3つを混合したものである。
【発明の効果】
【0029】
流体は自由に形状を変え、流れ、分裂できる特性を持っているため、熱界面流体材料は、熱界面固体部品と温度制御装置又は被温度制御装置との間の接触界面の空隙を完全に埋めることができる。これにより、接触界面の全ての表面の温度制御を実現でき、熱伝達効率を効果的に向上させることができる。
【0030】
換言すると、本発明が提供する多相熱界面部材のチップ試験装置は、多相熱界面部材が温度制御装置とテスト対象チップ(被温度制御装置)との間の上述した熱を伝導するための材料を利用して、多相熱界面部材における熱界面流体材料は熱界面固体部品自身の空隙、熱界面固体部品と温度制御装置の間の空隙、又は熱界面固体部品とテスト対象チップの表面の間の空隙を埋めるために用いられるので、空隙が原因となる局所的な温度制御不良の問題を完全に排除することができ、全ての熱接触面の全面にわたる温度制御を実現し、温度制御効果と効率が大幅に向上する。
【0031】
また、本発明が提供する多相熱界面部材を形成する方法においては、主として、熱界面流体材料を、熱界面固体部品、熱界面固体部品と温度制御装置との間、及び熱界面固体部品と被温度制御装置との間の少なくとも1つに加えることにより、流体は任意に変形しながら流れることができるため、熱界面固体部品と温度制御装置或いは被温度制御装置との間の元々存在していた接触界面の空隙を埋めることができ、熱伝導が不均一になる影響を排除でき、接触熱抵抗が大幅に減少する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】本発明の多相熱界面部材における好ましい実施形態の熱界面固体部品の斜視図である。
図1B】本発明の多相熱界面部材の好ましい実施形態の断面図である。
図1C】本発明の多相熱界面部材の他の好ましい実施形態の熱界面固体部品の断面図である。
図2A】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第1の実施形態において熱界面流体材料を加えたときの断面図である。
図2B】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第1の実施形態において多相熱界面部材をテスト対象チップに接触させたときの断面図である。
図2C】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第1の実施形態におけるテスト対象チップを試験するときの断面図である。
図3】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第2の実施形態の断面図である。
図4】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第3の実施形態の断面図である。
図5A】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第4の実施形態の斜視図である。
図5B】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第4の実施形態における多相熱界面部材の断面図である。
図6】本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第5の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の多相熱界面部材を形成する方法、多相熱界面部材、及び多相熱界面部材のチップ試験装置につて説明する。ただし、以下の説明において同一の構成要素については同一の符号を付すものとする。また、技術的に関連する構成要素については例えば先頭の桁の数字が同じで、下一桁目の数字のみを異ならせる等の共通性のある符号を付する。更に、本発明の図面は概略的な説明をすることを目的としているに過ぎず、必ずしも一定の縮尺で描かれている訳ではない。また、全ての構成が図面に示されている訳ではなく、発明の理解に不要な構成については適宜図示を省略している。
【0034】
図1A及び図1Bを同時に参照されたい。ここで、図1Aは本発明の多相熱界面部材における好ましい実施形態の熱界面固体部品の斜視図である。また、図1Bは本発明の多相熱界面部材の好ましい実施形態の断面図である。
【0035】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態における多相熱界面部材Tは、主に熱界面固体部品2と、熱界面流体材料3とを備える。
【0036】
熱界面固体部品2は、第1の熱伝導面21と、この第1の熱伝導面21とは反対側の面に形成された第2の熱伝導面22とを有する。また、熱界面固体部品2は図1Aに示すように略平板状に形成される。
【0037】
第1の熱伝導面21は図1Bに示す温度制御装置Mtに接触させる(当接させる)ためのものであり、例えば放熱器、冷却器、或いは加熱器等である。第2の熱伝導面22は被温度制御装置Ocに接触させるために用いられるものであり、被温度制御装置Ocは例えば中央処理装置(CPU)或いはグラフィックプロセッサ(GPU)である。
【0038】
本実施形態の熱界面固体部品2は、相変化金属シートであるインジウム合金シートを使用しており、熱伝導率と延伸性に優れており、熱伝導率は50~80W/m・Kである。熱界面固体部品2は、常温環境下では固体であり、外力の影響を受けない。
【0039】
更に、熱界面固体部品2の第1の熱伝導面21及び第2の熱伝導面22には、いずれにも複数の正四角錐台状に形成された突起25がマトリックス状に全面に設けられ、熱界面固体部品2が圧縮できる量を高めるために使用され、これにより熱界面固体部品2は温度制御装置Mt又は被温度制御装置Ocの表面と十分な接触が確保できる。
【0040】
一方、第1の熱伝導面21及び第2の熱伝導面22の複数の突起25は、これらの面において、それぞれ収容スペースSを形成しており、この収容スペースSに熱界面流体材料3が収容される。
【0041】
熱界面流体材料3は常温環境で液体、気体、又はコロイドを呈し、或いはこれらのうちの何れか2つ若しくは3つを混合したものであり、流動性を備え且つ任意に変形する。
【0042】
したがって、収容スペースS内に任意の形状に充填できる。液体の熱界面流体材料3は、水、エチレングリコール溶液、脱イオン水、電子冷却液(3M(商標)Fluorinert(商標))、或いはナノ流体等であり得る。
【0043】
ここで、ナノ流体は、ナノ粒子とベース液の2種の成分で構成される。ナノ粒子には、金属、金属酸化物、炭化物、カーボンナノチューブ、グラフェン等であっても良い。ナノ金属粒子はマグネシウムであることが好ましい。
【0044】
ベース液は水、エチレングリコール、又は油であっても差し支えなく、油は合成熱媒油(Therminol(商標))が好ましい。
【0045】
更に、気体の熱界面流体材料3は、ヘリウム、水素、ネオン、空気よりも熱伝導率が良い他の気体、又は液体の熱界面流体材料3から蒸発した気体であっても良い。
【0046】
コロイドの熱界面流体材料3は一般的な熱伝導性接着剤又は熱伝導性ペーストでも良い。
【0047】
また、本実施形態では、熱界面固体部品2の第1の熱伝導面21と第2の熱伝導面22の両方に熱界面流体材料3が設けられる。
【0048】
しかし、他の実施形態では、熱界面流体材料3は、第1の熱伝導面21又は第2の熱伝導面22上のいずれかにのみ設けることもできる。
【0049】
更に、熱界面固体部品2自体を例えばカーボンナノチューブシート又はグラファイトシート等の多孔質材料で作製することもでき、熱界面流体材料3は熱界面固体部品2の全てのボイドを完全に充填することができる。
【0050】
次に、図1Cを参照して説明する。本発明の多相熱界面部材の他の好ましい実施形態の熱界面固体部品の断面図である。本実施形態の熱界面固体部品2には、第1の熱伝導面21及び第2の熱伝導面22を貫き通す複数の貫通孔24が設けられている。
【0051】
具体的には、第1の熱伝導面21側に突出する断面視にて六角形の部材と、第2の熱伝導面22側に突出する断面視にて六角形の部材が千鳥状に配置されて全体として板状を呈する熱界面固体部品2が形成される。
【0052】
そして、上側の六角形の部材と下側の六角形の部材との接合箇所を、第1の熱伝導面21と第2の熱伝導面22とを最短距離で繋ぐように、右上がりに傾斜した貫通孔24と右下がりに傾斜した貫通孔24とが交互に形成されることによって複数の貫通孔24が形成される。
【0053】
このように、第1の熱伝導面21と第2の熱伝導面22とを最短距離で繋ぐように貫通孔24が形成されるので、第1の熱伝導面21と第2の熱伝導面22との間で流体が移動し易い優れた効果を奏する。
【0054】
したがって、熱界面流体材料3を熱界面固体部品2の片面に加えることにより、熱界面流体材料3は、貫通孔24を介して第1の熱伝導面21と第2の熱伝導面22との間を流れることができる。
【0055】
これにより、第1の熱伝導面21及び第2の熱伝導面22の収容スペースSを等しく熱界面流体材料3で満たすことができるので、熱界面固体部品2の全ての接触面に空隙を存在させない目的を実現し得る。
【0056】
図2A及び図2Bを同時に参照して説明する。図2Aは本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第1の実施形態において熱界面流体材料を加えたときの断面図であり、図2Bは本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第1の実施形態において多相熱界面部材をテスト対象チップに接触させたときの断面図である。
【0057】
本実施形態が提供する多相熱界面部材のチップ試験装置は、主として、温度制御装置Mt、多相熱界面部材T、ソケットSc、及び流体塗布装置4を備える。
【0058】
温度制御装置Mtは、一般に加熱器、冷却器、又は放熱器を備える加圧ヘッドとすることができ、多相熱界面部材Tは上述したように実装される。
【0059】
第1の熱伝導面21は温度制御装置Mtの下面に接続されており、断面視にて略凹状に形成されたソケットScはテスト対象チップC(被温度制御装置Oc)を収容するために使用される。
【0060】
また、本実施形態の流体塗布装置4はスプレー装置である。試験前に、テスト対象チップCがソケットScに載置されると、流体塗布装置4がテスト対象チップCの上方に移動し、熱界面流体材料3の塗布を開始する。
【0061】
そして、塗布量が所定の量にまで達したら、流体塗布装置4をテスト対象チップCの上方から移動させる。
【0062】
そして、温度制御装置Mtが下方に移動し、その結果、多相熱界面部材Tの第2の熱伝導面22が、ソケットSc上で試験されるテスト対象チップCに接触し、熱界面流体材料3は、図2Bに示すように、第2の熱伝導面22上の収容スペースSに充填される。
【0063】
図2Cを併せて参照しながら説明する。ここで、図2Cは本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第1の実施形態におけるテスト対象チップを試験するときの断面図である。
【0064】
図に示すように、温度制御装置Mt、多相熱界面部材T、及びテスト対象チップCを完全に密着させるために、温度制御装置Mtは、多相熱界面部材Tとテスト対象チップCに下向きの力を加える。
このとき、多相熱界面部材Tは圧迫されると変形する。
【0065】
なお、図2A図2Cでは、本発明の効果を強調するために、テスト対象チップCが明らかに反るように描かれている。
【0066】
したがって、この反り部Wでは、多相熱界面部材Tとテスト対象チップCの上面との間に明らかな空隙Gが依然として生じてしまうが、これらの空隙Gは熱界面流体材料3によって充填される。
このことから、本発明は実際に全ての空隙を埋めることができ、それによって熱伝導の効果を高めることができる。
【0067】
さらに、上記実施形態の構成によれば、熱界面流体材料3として水と電子冷却液(3M(商標)Fluorinert(商標)電子フッ素液 FC-3283)をそれぞれ用いており、以下のシミュレーションデータは、本発明が実際に非常に明確な効果を奏することを証明できる。
【0068】
このうち、熱界面固体部品2はインジウム(Indium)合金シートが採用され、その熱伝導率は67W/(m・K)である。水の熱伝導率は0.613W/(m・K)、電子冷却液の熱伝導率は0.066W/(m・K)である。
【0069】
コンピュータによるシミュレーションによる解析結果によれば以下のようになる。テスト対象チップCの反り量が0.01mmの場合、従来の固体熱界面材料(TIM)を単純に使用するとき、つまり、従来の固体熱界面材料とテスト対象チップCとの間には明らかな空隙が存在する。テスト対象チップCの温度は119.76°Cである。
【0070】
しかし、上記実施形態の構造を使用し、熱界面流体材料3として電子冷却液を使用すると、テスト対象チップCの温度は98.9℃である。
【0071】
同様に、上記の実施形態の構造が熱界面流体材料3として水を使用する場合、テスト対象チップCは73.76℃まで低下する。
【0072】
このことから、本発明を冷却用途に使用した場合、明らかに放熱効率が大幅に向上し、被温度制御装置Oc(テスト対象チップC)の温度を大幅に下げることができ、その効果が優れていることが分かる。
【0073】
次に、図3を参照して説明する。ここで、図3は本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第2の実施形態の断面図である。
【0074】
本実施形態では、熱界面流体材料3は、主として流体チャネルMcを介して熱界面固体部品2に供給される。
【0075】
図3に示すように、本実施形態の温度制御装置Mtは、流体チャネルMcと流体供給モジュールMfを備える。流体チャネルMcの一端は流体供給モジュールMfに接続され、他端は温度制御装置Mtと多相熱界面部材Tとの接合面である温度制御装置Mtの下端面に接続されている。
【0076】
なお、流体チャネルMcは、上述したように一端が流体供給モジュールMfに接続されるが、一端側から水平方向に延伸し、その後に、下側へ向くように「く」の字型に向きが変えられて更に延伸する。このため、流体チャネルMcの他端側が熱界面固体部品2に近づくため、熱界面流体材料3を供給する際に、周囲に熱界面流体材料3が飛び散りにくいという優れた効果を奏する。
【0077】
流体供給モジュールMfは熱界面流体材料3を供給するために使用され、流体チャネルMcを介して熱界面固体部品2の第1の熱伝導面21に供給される。
【0078】
さらに、本実施形態におけるソケットScは、流体配送チャネルMcsを有していても良く、流体配送チャネルMcsの一端は流体供給モジュールMfに接続され、他端は熱界面固体部品2の第2の熱伝導面22、すなわち第2の熱伝導面22とテスト対象チップCとの接合面に接続される。
【0079】
すなわち、流体配送チャネルMcsの形状は、一端が流体供給モジュールMfに接続されるが、ソケットScの内部を通過するように熱界面固体部品2が配置される下側へ延伸した後、水平方向へ向きが変えられて、他端側が上記のように第2の熱伝導面22とテスト対象チップCとの接合面に接続される。
【0080】
したがって、熱界面流体材料3は、第1の熱伝導面21及び第2の熱伝導面22上に常に維持され、たとえ熱界面流体材料3が熱により蒸発し又は溢れ出した場合でも、流体供給モジュールMfは熱界面流体材料3をリアルタイムで補充することができる。
【0081】
ただし、本実施形態における熱界面流体材料3は、両面への供給に限定されるものではない。実際の状況に応じて、流体チャネルMc又は流体配送チャネルMcsを単独で設けて片面のみへ供給する形態としても良い。
【0082】
一方、流体チャネルMcおよび流体配送チャネルMcsは、中空のパイプに限定されるものではなく、毛細管材料で形成することもできる。すなわち、熱界面流体材料3は毛細管現象によって供給され、熱界面固体部品2の第1の熱伝導面21及び第2の熱伝導面22に加えられる。
【0083】
次に、図4を参照して説明する。ここで、図4は本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第3の実施形態の断面図である。
【0084】
本実施形態と上述した第2の実施形態との主な相違点は、本実施形態では、温度制御装置Mtに、共に上下方向に延伸する管状の流体進入チャネルMc1と流体排出チャネルMc2が設けられている点である。
【0085】
ここで、流体進入チャネルMc1は、熱界面流体材料3を熱界面固体部品2に供給するために使用され、流体排出チャネルMc2は、熱界面固体部品2から熱界面流体材料3を排出するために使用される。
【0086】
このため、本実施形態では、この構造を採用したので、熱界面流体材料3をタイムリーに交換することができる。例えば、過熱時には、熱界面流体材料3を循環させて必要なタイミングで熱界面固体部品2を冷却し又は加熱することができ、優れた熱伝導効果を達成できる。
【0087】
次に、図5A及び図5Bを併せて参照して説明する。ここで、図5Aは本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第4の実施形態の斜視図であり、図5Bは本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第4の実施形態における多相熱界面部材の断面図である。
【0088】
本実施形態では、熱界面固体部品2は、第1の熱伝導面21から第2の熱伝導面22とは反対方向へ、四方の面がいずれも一体的に延伸する外周フレーム23を更に有する。
【0089】
換言すると、外周フレーム23は、熱界面固体部品2の外枠に沿って上方に突出している。このようにして、熱界面固体部品2はフレームのカバーを形成し、その内部に収容スペースSが形成される。このため、熱界面流体材料3を収容することができ、それによって多相熱界面部材Tを形成することができる。
【0090】
なお、本実施形態では、第1の熱伝導面21から第2の熱伝導面22とは反対方向に一体的に延伸する実施形態のみを説明したが、以下の実施形態でも差し支えない。
【0091】
すなわち、第2の熱伝導面22から第1の熱伝導面21とは反対方向に一体的に延伸し、又は、第1の熱伝導面21から第2の熱伝導面22とは反対方向に一体的に延伸すると共に第2の熱伝導面22からも第1の熱伝導面21とは反対方向に一体的に延伸するような実施形態でも差し支えない。
【0092】
更に、フレームカバー型に形成された熱界面固体部品2は、温度制御装置Mtの下側に直接取り付けられており、外周フレーム23を介して温度制御装置Mtと密着し、多相熱界面部材Tを脱落させない。
【0093】
このように、本実施形態で提供される多相熱界面部材Tは、非常に簡単且つ確実な方法で固定され、容易に緩まず、熱界面流体材料3も周囲にこぼれ難い。
【0094】
次に、図6を参照して本発明の実施形態を説明する。ここで、図6は本発明の多相熱界面部材のチップ試験装置の第5の実施形態の断面図である。本実施形態と上述した実施形態の主な差異は温度制御装置Mtの配置にある。
【0095】
更に、本発明の装置を仕様或いはサイズの異なるテスト対象チップC(被温度制御装置Oc)に適用するために、本実施形態では温度制御装置Mtの下面にアダプタープレート5が配置されている。
【0096】
アダプタープレート5の2つの端面の寸法は、それぞれ温度制御装置Mtの下側の表面とテスト対象チップCの上面に適合する。したがって、接触面積(熱伝導面積)の換算として使用できる。
【0097】
更に、アダプタープレート5の両端面(図6における上側の面と下側の面)にもそれぞれ熱界面固体部品2が配置されている。そして、各熱界面固体部品2の第1の熱伝導面21と第2の熱伝導面22(図6では符号を省略している。)も熱界面流体材料3が充填されている。
【0098】
更に、本実施形態における温度制御装置Mtは、蒸発器(図示せず)と加熱棒(図示せず)を用いて構成され、加熱及び冷却の両方の温度制御の効果を達成することができる。
【0099】
上記の実施形態は、説明を容易にするための例示にすぎない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に基づいて定められ、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0100】
2 熱界面固体部品
3 熱界面流体材料
4 流体塗布装置
5 アダプタープレート
21 第1の熱伝導面
22 第2の熱伝導面
23 外周フレーム
24 貫通孔
25 突起
C テスト対象チップ
G 空隙
Mt 温度制御装置
Mc 流体チャネル
Mc1 流体進入チャネル
Mc2 流体排出チャネル
Mf 流体供給モジュール
Mcs 流体配送チャネル
Oc 被温度制御装置
S 収容スペース
T 多相熱界面部材
W 反り部
Sc ソケット
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6