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特開2024-84730タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084730
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための機械
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/02 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A24D3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209215
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】102022000025431
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】マグナーニ,セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】パミーニ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】セルミ,ロレンゾ
(72)【発明者】
【氏名】ディ フランコ,アルベルト
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BB03
4B045BD06
4B045BD26
4B045BD34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置を提供する。
【解決手段】タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置100は、供給方向Aに沿って延在し且つ連続コアが前進させられるガイドチャネル11を規定する成形コンベヤ10を備える。また、連続コアの上方に配置されるようにガイドチャネル11に少なくとも部分的に挿入されたスプレッダ20であって、連続コアの上部領域に主変形を与えるように構成され、それにより、個別の構成要素を収容するための長手方向の溝を形成するスプレッダ20を備える。装置100はまた、一連の個別の構成要素を保持し連続コアの溝に一連の個別の構成要素を配置するように構成された挿入ホイール30を備える。装置100はまた、供給方向Aに沿ってスプレッダ20の上流に配置され且つ連続コアの上方に配置されるようにガイドチャネル11に挿入された予備成形要素40を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置(100)であって、
供給方向(A)に沿って延在し且つ前記連続コアが前進させられるガイドチャネル(11)を規定する成形コンベヤ(10)と、
前記連続コアの上方に配置されるように前記ガイドチャネル(11)に少なくとも部分的に挿入されたスプレッダ(20)であって、前記連続コアの上部領域に主変形を与えるように構成され、それにより、前記個別の構成要素を収容するための長手方向の溝を形成するスプレッダ(20)と、
前記供給方向(A)に沿って前記スプレッダ(20)の下流に配置され且つ前記供給方向(A)を横切る回転軸(X)周りに回転する挿入ホイール(30)であって、一連の個別の構成要素を保持し前記連続コアの前記溝に前記一連の個別の構成要素を配置するように構成された挿入ホイール(30)と、を備え、
前記装置(100)は、前記供給方向(A)に沿って前記スプレッダ(20)の上流に配置され且つ前記連続コアの上方に配置されるように前記ガイドチャネル(11)に挿入された予備成形要素(40)を備え、前記予備成形要素(40)は、前記連続コアの上部領域に前記主変形と重なるのに適した予備変形を与えるように構成されている、装置(100)。
【請求項2】
前記予備成形要素(40)は、前記ガイドチャネル(11)の内面(11a)、具体的には前記内面の上部(11a)に適用される結合面(40a)と、前記連続コアに予備変形を形成するために前記結合面(40a)から半径方向に前記ガイドチャネル(11)の内側に向かって延びる動作面(40b)とを備え、前記結合面(40a)は、好ましくは、前記内面(11a)に一致する形状であり、より好ましくは、前記結合面(40a)は、円弧の形状の横断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記結合面(40a)には、前記予備成形要素(40)を前記成形コンベヤ(10)に可逆的に取り付けるように適合された接続手段、具体的には少なくとも1つのねじ穴が設けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ガイドチャネル(11)は前記供給方向(A)に沿って収束する形状である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記予備成形要素(40)は、前記供給方向(A)に沿ったテーパ形状であり、好ましくは、前記供給方向(A)に沿って実質的に一定のままである断面角度サイズを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記予備成形要素(40)は、前記ガイドチャネル(11)内に完全に挿入され、好ましくは、前記ガイドチャネル(11)のインフィードセクションと実質的に同一面にある初期セクションを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記予備成形要素(40)は、前記成形コンベヤ(10)と完全に一体として作られている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記スプレッダ(20)および前記予備成形要素(40)は、0から30mm、好ましくは15mmの距離だけ前記供給方向(A)に沿って離れている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記予備成形要素(40)は、前記供給方向(A)に沿って25から40mmの長さを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記成形コンベヤ(10)は、空気を前記ガイドチャネル(11)に流入させるための少なくとも1つの入口開口部(12)を有し、前記入口開口部(12)は前記スプレッダ(20)と前記予備成形要素(40)との間に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置(100)、具体的には請求項1から10のいずれか一項または複数に記載の装置に使用するための予備成形要素(40)であって、
前記連続コアのガイドチャネル(11)の内面(11a)に形状結合によって結合されるのに適した、特に円弧の形状の凸断面を有する結合面(40a)を規定する上壁(41a)と、
前記上壁(41a)から離れるように延在し且つ互いに収束する一対の側壁(41b)であって、使用時に、前記ガイドチャネル(11)を通って流れる前記連続コアを少なくとも部分的に成形するように構成される一対の側壁(41b)と、
使用時に、前記連続コアの上部領域を成形するように適合され且つ前記一対の側壁(41b)を互いに接合するように構成された接触面(40c)を規定する底壁(41c)であって、好ましくは弓形の形状である、底壁(41c)と、を備える予備成形要素(40)。
【請求項12】
前記一対の側壁は平坦である、請求項11に記載の予備成形要素。
【請求項13】
前記一対の側壁(41b)によって形成される角度は80°から150°であり、前記角度は、好ましくは100°に等しい、請求項11または12に記載の予備成形要素。
【請求項14】
前記上壁(41a)には、前記ガイドチャネル(11)の前記内面(11a)に可逆的に結合するための結合手段が設けられ、前記結合手段は、好ましくは、ねじ穴を備える、請求項11から13のいずれか一項に記載の予備成形要素。
【請求項15】
前記予備成形要素(40)は、使用時に前記連続コアの前記供給方向(A)を規定する長手展開方向(L)に沿ってテーパ形状を有する、請求項10から14のいずれか一項に記載の予備成形要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための機械に関する。
【0002】
「個別の構成要素」という用語は、例えば、香味物質のカプセルを指すために使用され得る。
【0003】
一方、「連続コア」という用語は、フィルタコアを指すために使用される。
【背景技術】
【0004】
現在、従来技術においては連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置が知られており、当該装置は、連続コアの滑り運動を案内するように構成された収束コンベヤと、複数の周辺保持座を有する挿入ホイールが一連の個別の構成要素を配置する溝を連続コアの頂部に形成するために、コンベヤに入り込んだ拡張要素であって、連続コアに変形を与えるために連続コアにそれ自体を押し込む拡張要素とを備える。連続コアが変形すると、拡張要素によって形成された溝の底部に個別の構成要素を正確に配置することができるように、ホイールは少なくとも部分的にコンベヤに侵入している。
【0005】
個別の構成要素が配置された後、連続コアはその中に配置されたばかりの個別の構成要素の周囲で再び閉じられる。このように、個別の構成要素は連続コアの中心位置を占め、連続コアに完全に包含される。
【0006】
この種の装置は、例えばEP2888957により知られている。
【0007】
しかしながら、不利なことに、従来技術の装置にはいくつかの固有の欠点がある。特に、一部のサイズでは、拡張要素は、連続コアの内部に個別の構成要素を適切に配置できるほど十分に連続コアを変形させることができない場合がある。
【0008】
言い換えれば、場合によっては、拡張要素によって形成された溝は、個別の構成要素を正しく受け入れるのに十分な深さではない。この状況では、連続コアが再び閉じられると、個別の構成要素の半径方向の位置決めは、場合によっては、個別の構成要素が中心に置かれていないようになり得る。その結果、廃棄されなければならない不適合製品が大量に生産される傾向にある。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の技術的目的は、タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための、従来技術の上述の欠点を克服できる装置を提供することである。
【0010】
したがって、本発明の狙いは、タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置であって、後続のプロセスで正確で高品質の製品を得ることができるように、正しく配置された個別の構成要素を備えた連続コアを得ることを可能にする装置を提供することである。
【0011】
特定の技術的目的および狙いは、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を備えた、タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置によって、実質的に達成される。
【0012】
特に、特定の技術的目的および狙いは、タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置であって、供給方向に沿って延在し且つ連続コアが前進させられるガイドチャネルを規定する成形コンベヤを備える装置によって、達成される。本装置はまた、連続コアの上方に配置されるように少なくとも部分的にガイドチャネル内に挿入されるスプレッダを備える。スプレッダは、連続コアの上部領域に主変形を与え、それによって個別の構成要素を収容するための長手方向溝を形成するように構成される。本装置はまた、供給方向に沿ってスプレッダの下流に配置され且つ供給方向を横切る回転軸周りに回転する挿入ホイールを備える。挿入ホイールは、一連の個別の構成要素を保持し連続コアの溝に一連の個別の構成要素を配置するように構成される。有利には、本装置はまた、供給方向に沿ってスプレッダの上流に配置された予備成形要素であって、ガイドチャネルに挿入され且つ主変形と重なるのに適した予備変形を連続コアの上部領域に与えるように構成された予備成形要素を備える。このように、スプレッダは既に予備変形された連続コアの領域に作用し、したがって、意図した目的に適さない態様で形成されるリスクなく、より簡単に且つ確実な態様で溝を形成することができる。
【0013】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための装置の好ましい実施形態を参照して、以下の非限定的な説明でより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら説明がなされるが、当該図面は、本発明の範囲を制限することなく、単に例示の目的で提供される。
図1】タバコ産業の連続コアに個別の構成要素を挿入するための、本開示による装置の斜視図を示す。
図2図1の装置の一部の断面図を示す。
図3A図1の装置の成形コンベヤの断面図を示す。
図3B図1の装置の成形コンベヤの断面図を示す。
図4A図1の装置の予備成形要素の斜視図を示す。
図4B図1の装置の予備成形要素の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面を参照すると、数字100は、タバコ産業の連続コア、例えばフィルタコアに、個別の構成要素、例えば香味物質のカプセル(ビーズ)を挿入するための装置を示す。
【0016】
知られているように、香味物質のカプセルは、通常は液体状態である香味物質を含む球状要素である。香味カプセルはフィルタコア内に一定の間隔で配置され、フィルタコアが複数のセクションに切断されると、各々がカプセルを含むシングルフィルタが形成される。この種のフィルタを備えた紙巻きタバコが製造される場合、使用者は、紙巻きタバコを吸う前に、香味液体がフィルタ内に拡散されるようにカプセルを破壊するためにフィルタを絞る。装置100は、成形コンベヤ10であって、特に金属材料から作られ、供給方向Aに沿って延在し且つ連続コアが前進させられるガイドチャネル11を少なくとも部分的に規定する成形コンベヤ10を備える。連続コア(図示せず)は、特定の成形手段、例えば、特定のベールからトウのストリップをピックアップして処理し、それを集めて、例えば実質的に円形断面を有するコアを形成するためのユニットから得られる。このようなユニットは、例えば、本出願人名義のWO2012/156911に記載されている。
【0017】
好ましくは、ガイドチャネル11は供給方向Aに沿って収束しており、すなわち、ガイドチャネル11の断面は徐々に狭くなる。
【0018】
装置100はまた、連続コアの上方に配置されるように少なくとも部分的にガイドチャネル11の内部にあるスプレッダ20を備える。
【0019】
添付図面に示される実施形態では、スプレッダ20は、図2および3Bに示されるように、ガイドチャネル11自体に一種の「フィン」を規定するようにガイドチャネル11の外側の第1の上端からガイドチャネル11の内側の第2の下端まで延びる実質的に板状の構造を有する。
【0020】
スプレッダ20は、連続コアの上部領域に主変形を与え、それによって個別の構成要素を収容するための長手方向溝を形成するように構成される。
【0021】
言い換えれば、スプレッダ20は、連続コアが所定の断面形状、特にスプレッダ20が連続コアの上部領域を平らにした実質的にU字形のような形状を強制的にとるように、ガイドチャネル11内での連続コアの滑り運動に対する障害物として機能する。
【0022】
例えば図1に示されるように、装置100はまた、供給方向Aに沿ってスプレッダ20の下流に位置する挿入ホイール30を備える。
【0023】
挿入ホイール30は、供給方向Aを横切る回転軸X周りに回転する。
【0024】
好ましくは、挿入ホイール30の回転軸Xは供給方向Aに対して垂直であり、特に水平である。
【0025】
挿入ホイール30は、一連の個別の構成要素を保持し、所定の等間隔で連続コアの溝に一連の個別の構成要素を配置するように構成される。
【0026】
図示の実施形態では、(既知のタイプの)挿入ホイール30は、挿入ホイール30自体の周面に分散した複数の座31を有する。
【0027】
好ましくは、各座31には、個別の構成要素を保持でき且つ挿入ホイール30がその回転中に連続コアの溝内に当該座31を配置するときに個別の構成要素を解放できる吸引システムが設けられる。実際には、例えば図1に示されるように、連続コアがスプレッダ20によって広げられると、挿入ホイール30が形成されたばかりの溝内に個別の構成要素を正確に配置することができるように、挿入ホイール30は少なくとも部分的に成形コンベヤ10に入り込んでいる。
【0028】
図示の実施形態では、挿入ホイール30には、軸X周りに回転可能であり且つ図示しない手段によって支持されるハブと、これと一体で且つより大きい直径の円板状部分32とが設けられる。円板状部分32は、ガイドチャネル11に侵入するように成形コンベヤ10に形成された特定の開口部に挿入される。この状況において、連続コアがスプレッダ20によって変形されるとき、形成される溝は、個別の構成要素を溝内に配置できるように、挿入ホイール30の円板状部分32を受け入れるのに十分な大きさであってもよい。
【0029】
したがって、使用時、連続コアがガイドチャネル11内を前進させられるとき、連続コアはスプレッダ20によって徐々に変形され、スプレッダ20は連続コアに実質的にU字形のような形状を与える。次に、このように変形された連続コアは、スプレッダ20によって形成されたばかりの溝内に1つまたは複数の個別の構成要素を配置することができるように、挿入ホイール30の近くまで前進する。
【0030】
図2に示されるように、ホイール30自体のすぐ近くにスプレッダ20を配置できるように、スプレッダ20はホイール30に面した凹状前面を有し、これはホイール30(特に円板状部分32)の外形の形状に沿うことに留意されたい。
【0031】
本開示の装置はまた、供給方向Aに沿ってスプレッダ20の上流に配置された予備成形要素40を備える。
【0032】
予備成形要素40は連続コアの上部領域に予備変形を与えるように構成される。予備変形はスプレッダ20によって後に加えられる主変形と重なるように設計される。したがって、予備成形要素40は連続コアの上方に配置されるようにガイドチャネル11内に挿入される(図2)。
【0033】
言い換えれば、予備成形要素40はガイドチャネル11への入口で連続コアの上部領域を変形させるように構成され、スプレッダ20はその後にその主変形作用を与えて個別の構成要素を収容するための溝を形成する。
【0034】
有利には、予備成形要素40により、より良い品質の連続コアを得ることが可能になる。特に、予備成形要素40の存在は、その後の主変形の安定性を促進し、それを理想的な溝形状に適合させ、非適合または不安定な形状の溝を形成するリスクを防止する。
【0035】
したがって、予備成形要素40の存在は、予備変形および主変形の後に形成される溝が個別の構成要素を収容し且つそれらを連続コア内に包含するのに十分な深さであることを保証するだけでなく、変形の安定性をより適切に制御して、それに続く主変形が「予備変形」領域で行われることを保証する。
【0036】
好ましくは、添付図面に示されるように、予備成形要素40はガイドチャネル11内に完全に挿入される。好ましくは、予備成形要素40は、ガイドチャネル11の入口セクションと実質的に同一面に配置される先端セクションを有する。しかしながら、異なる実施形態では、予備成形要素40は、ガイドチャネル11の入口セクションに対して凹んでいてもよく、またはそこから部分的に突出していてもよい。
【0037】
図2および図3Aに示されるように、予備成形要素40は、ガイドチャネル11の内面11aに適用される結合面40aを備える。特に、結合面40aは内面11aの上部に適用される。
【0038】
結合面40aは凸形状を有する。好ましくは、結合面40aは内面11aと一致するように成形されており、より好ましくは、結合面40aの横断面の形状は円弧の形状を有する(図3A)。
【0039】
予備成形要素40はまた、連続コアに予備変形を形成するために結合面40aから半径方向にガイドチャネル11の内側に向かって延びる動作面40bを備える。
【0040】
可能な実施形態では、予備成形要素40は、成形コンベヤ10と完全に一体として作られている。
【0041】
代替的に、結合面40aには、予備成形要素40を成形コンベヤ10に可逆的に取り付けるように適合された接続手段、具体的には少なくとも1つのねじ穴が設けられる。
【0042】
動作面40bは、上壁41aから離れるように延在し且つ互いに収束する一対の側壁41bを備える。一対の側壁41bは、使用時に、ガイドチャネル11を通って流れる連続コアを少なくとも部分的に成形するように構成される。
【0043】
好ましくは、一対の側壁41は平坦である。
【0044】
好ましくは、一対の側壁41bにより形成される角度は80°から150°である。さらにより好ましくは、当該角度は100°に等しい。
【0045】
予備成形要素40はまた、使用時に連続コアの上部領域を成形するように適合され且つ一対の側壁41bを互いに接合するように構成された接触面40cを規定する底壁41cを備える。
【0046】
好ましくは、底壁41cの形状は弓形である。この状況において、連続コアが成形コンベヤ10に流入させられると、底壁41cが連続コアの上部領域に平坦化作用を与え、連続コアは開いたU字形、すなわち、Uの曲率はまだ明確に定義されないが、スプレッダ20の「ガイド」または「トレース」として有用な形状を強制的にとる。
【0047】
好ましくは、図3Aおよび3Bに示されるように、予備成形要素40は、使用時に連続コアの供給方向Aを規定する長手展開方向Lに沿ってテーパ形状を有する。
【0048】
言い換えれば、予備成形要素40の横断面は供給方向Aに沿って狭くなる。
【0049】
好ましくは、予備成形要素40は供給方向Aに沿って実質的に一定のままである断面角度サイズを有する。言い換えれば、予備成形要素40は、ガイドチャネル11の収束形状に沿い、供給方向Aに沿ってその横断面を徐々に減少させるが、その角度サイズを一定に保つ。この状況において、ガイドチャネル11の各々の横断面ごとに、予備成形要素40はその断面のサイズをガイドチャネル11の横断面のサイズに比例して減少させる。好ましくは、角度サイズは側壁41b間の前述の角度によって規定される。
【0050】
したがって、使用時、連続コアはガイドチャネル11内に前進させられ、その上部領域は予備成形要素40に衝突する。この状況において、連続コアは、ガイドチャネル11内に進むことができるように、予備変形され、特に、その上部領域は連続コアの中心に向かって少なくとも部分的に平坦化される。
【0051】
次に、連続コアが予備変形作用を克服してその初期形状に戻り得る前に、コアは、スプレッダ20が変形されたばかりのその上部領域に作用できるように、スプレッダ20に到達する。この目的のために、スプレッダ20は、横断面において、好ましくは予備成形要素40よりも薄い形状を有し、好ましくは、必要に応じて弓形部分によって底部で接合される実質的に平行な側壁を有する形状を有する。この種の形状は、形成直後にホイール10から一連の個別の構成要素を受け入れる前述の溝を形成するのに適した有効な変形作用を有する。
【0052】
好ましくは、予備成形要素40は、0mmから30mmの距離だけ供給方向Aに沿ってスプレッダ20から離れており、このような距離は、スプレッダ20および予備成形要素40の互いに対向する壁の間の距離として測定される。より好ましくは、この距離は15mmである。
【0053】
さらに、好ましくは、予備成形要素40の長さは、供給方向Aに沿って25から40mmである。
【0054】
可能な実施形態では、成形コンベヤ10は、予備成形要素40とスプレッダ20との間に、ガイドチャネル11に空気を吹き込むための開口部12を備える。開口部12はまた、スプレッダ20が挿入される成形コンベヤ10の(長手方向に細長い形状の)スロットによって規定されてもよい。
【0055】
予備成形要素40は、本発明による装置から独立して保護可能であり、特にそれに適用可能な付属要素(インサート)として、好ましくはスペアパーツとして、またはサイズ交換の際に異なるインサートと交換できるインサートとして、保護可能である。
【0056】
図示されていない変形実施形態では、装置はコアに連続インサート、例えばフィラメントまたは押出材料を供給することができる。この目的のために、挿入ホイールはフィラメントを塗布するためのノズルに置き換えられ得る。さらに、連続コアは必ずしもフィルタ材料から形成される必要はなく、代替的に、タバコまたは他の植物繊維の集められたウェブまたは集められたストリップ、または別の種類の集められた材料(紙、PLAなど)からさえ形成され得る。
【0057】
本発明は、従来技術の欠点を克服して予め設定された狙いを達成する。
【0058】
特に、予備成形要素の導入により、個別の構成要素が正しく配置され、特に最適に中心に配置された連続コアを得ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】EP2888957
【特許文献2】WO2012/156911
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
【外国語明細書】