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  • 特開-減速機構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084740
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】減速機構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
F16H1/32 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210542
(22)【出願日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】111147859
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523469043
【氏名又は名称】ジャン、イス
【氏名又は名称原語表記】ZHANG, YISI
【住所又は居所原語表記】5 GONELLA CRES BUNDOORA VIC 3083 AUSTRALIA
(71)【出願人】
【識別番号】523469054
【氏名又は名称】フワルド、エリック
【氏名又は名称原語表記】HUWALD, ERIC
【住所又は居所原語表記】5 GONELLA CRES BUNDOORA VIC 3083 AUSTRALIA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、イス
(72)【発明者】
【氏名】フワルド、エリック
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA12
3J027FA19
3J027FA36
3J027FA50
3J027GA01
3J027GB03
3J027GC06
3J027GC13
3J027GC22
3J027GD04
3J027GD07
3J027GD12
3J027GE11
3J027GE14
3J027GE29
3J027GE30
(57)【要約】
【課題】減速機構造を提供する。
【解決手段】内から外にかけて順次包囲すると共に相互に噛合されているドライブギアと、少なくとも2つの遊星歯車と、固定内歯車と、を有している。固定内歯車の近傍には可動内歯車が配置され、遊星歯車のそれぞれは一体に延伸されて可動内歯車に噛合している。ドライブギアが軸線に沿って配置されることでドライブギアと固定内歯車との間で作動するように遊星歯車のそれぞれを駆動し、固定内歯車と可動内歯車との間に歯数差を有することで、遊星歯車のそれぞれが作動する際に歯数差の推移により減速して出力するように可動内歯車を押動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内から外にかけて順次包囲すると共に相互に噛合するように設置されているドライブギアと、少なくとも2つの遊星歯車と、固定内歯車と、を備え、前記固定内歯車の近傍には可動内歯車が同軸で配置され、前記可動内歯車の歯数は前記固定内歯車の歯数とは相違し、前記遊星歯車のそれぞれは弾性変形があり、且つ前記遊星歯車のそれぞれは前記可動内歯車まで一体で延伸されると共に前記可動内歯車に相互に噛合し、前記ドライブギアは軸線に沿って配置されると共に前記ドライブギアと前記固定内歯車との間で作動するように前記遊星歯車のそれぞれを駆動するために用いられ、且つ前記固定内歯車と前記可動内歯車との間に歯数差があるため、前記遊星歯車のそれぞれが作動する際に歯数差の推移により減速して出力するように前記可動内歯車を一緒に押動することを特徴とする減速機構造。
【請求項2】
前記ドライブギアは前記軸線に沿って開設されている組立穴を有し、前記組立穴はパワーシャフトを連結することで回転動力を供給し、前記ドライブギアを自転するように駆動するために用いられ、前記固定内歯車、前記可動内歯車、及び前記ドライブギアは同じ軸線を有していることを特徴とする請求項1に記載の減速機構造。
【請求項3】
前記遊星歯車のそれぞれは同じ円弧距離で間隔を置いて包囲するように前記ドライブギアの外周に噛合され、前記遊星歯車のそれぞれが互いに対称に設置され、且つ前記可動内歯車の歯数は前記固定内歯車の歯数とは相違し、前記固定内歯車及び前記可動内歯車の内歯は終点位置に正対して徐々に交錯するように配列されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の減速機構造。
【請求項4】
前記可動内歯車のモジュールは前記固定内歯車のモジュールより大きく、前記遊星歯車のそれぞれは同じモジュールを有し、前記遊星歯車のそれぞれは前記軸線の方向に平行して前記固定内歯車に一体に延出され、且つ前記遊星歯車のそれぞれは前記固定内歯車に一体で突出している突出端により前記可動内歯車と前記固定内歯車とが相互に正対する内歯に噛合されていることを特徴とする請求項3に記載の減速機構造。
【請求項5】
前記可動内歯車は出力軸に連結され、前記出力軸は一端が前記軸線に沿って凹むことで収容部が形成され、前記収容部は内輪周壁及び前記内輪周壁に連接されている底面を有し、前記可動内歯車は前記収容部の内輪周壁に対応するように固装され、前記ドライブギア及び前記遊星歯車のそれぞれの突出端は前記収容部にそれぞれ延設されると共に前記底面に対して当接されていることを特徴とする請求項4に記載の減速機構造。
【請求項6】
前記ドライブギアを被覆するハウジングと、前記遊星歯車のそれぞれと、前記固定内歯車と、前記可動内歯車と、を更に有し、前記出力軸の外周と前記ハウジングとの間には前記出力軸を支持するための少なくとも1つのベアリングユニットが設置されていることを特徴とする請求項5に記載の減速機構造。
【請求項7】
前記可動内歯車は出力軸が連結され、前記出力軸は一端が前記軸線に沿って凹むことで収容部が形成され、前記収容部は内輪周壁及び前記内輪周壁に連接されている底面を有し、前記可動内歯車は前記収容部の内周壁から一体成形され、前記ドライブギア及び前記遊星歯車のそれぞれの突出端は前記収容部にそれぞれ延設されると共に前記底面に対して当接されていることを特徴とする請求項4に記載の減速機構造。
【請求項8】
前記ドライブギアを被覆するハウジングと、前記遊星歯車のそれぞれと、前記固定内歯車と、前記可動内歯車と、を更に有し、前記出力軸の外周と前記ハウジングとの間には前記出力軸を支持するための少なくとも1つのベアリングユニットが設置されていることを特徴とする請求項7に記載の減速機構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機構造に関し、更に詳しくは、全体的な配置空間及び体積を更に簡潔にし、高い減速比を提供する減速機構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
減速機は精密な機械であり、回転速度を低下させ、トルクを増加させるために使用されている。低回転速度でトルクが大きい駆動装置(例えば、モーター)に使用する場合、高速で作動する動力を減速機により回転速度を低下させて、トルクを増加させるために使用する。
【0003】
市場にある減速機としては、遊星歯車型、サイクロイド型、及びハーモニックドライブ(登録商標)型等があるが、減速比を高めるために遊星歯車セット及びハーモニックドライブ(登録商標)減速機構を結合した複合型減速機が更に存在し、遊星歯車セット及びハーモニックドライブ(登録商標)減速機構により多段階の減速比をそれぞれ出力し、出力端の使用上の需要を満たしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したこれらの減速機は体積が大き過ぎた。特に、部材の数量が多過ぎるため、配置が複雑になって占領する空間が大きくなり過ぎ、入力軸の軸線の長さが小型化及び精巧化する上で不利になった。また、従来の複合遊星歯車の設計は、各組の遊星歯車の歯の位置角度を同じように制御することで、その作動のスムーズさを確保しているが、歯車の製造において先ず内歯車の インボリュート歯車の歯形を全面的に修正し、遊星歯車との間の干渉を消除した後でなければスムーズに作動しなかった。このため、製造、組み立て、または実際の運用が非常に困難になり、従来の複合遊星歯車を微小型の精密な駆動に応用するには技術的な課題に突き当った。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、全体的な配置空間及び体積を更に簡潔にする効果を有し、且つ減速比が大きい減速機構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明の一態様に係る減速機構造は、内から外にかけて順次包囲すると共に相互に噛合するように設置されているドライブギアと、少なくとも2つの遊星歯車と、固定内歯車と、を備え、前記固定内歯車の近傍には可動内歯車が同軸で配置され、前記可動内歯車の歯数は前記固定内歯車の歯数とは相違し、前記遊星歯車のそれぞれは中空環状を呈し、且つ前記遊星歯車のそれぞれは前記可動内歯車まで一体で延伸されると共に前記可動内歯車に相互に噛合し、前記ドライブギアは軸線に沿って配置されると共に前記ドライブギアと前記固定内歯車との間で作動するように前記遊星歯車のそれぞれを駆動するために用いられ、且つ前記固定内歯車と前記可動内歯車との間に歯数差があるため、前記遊星歯車のそれぞれが作動する際に歯数差の推移により減速して出力するように前記可動内歯車を一緒に押動する。
【0008】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に係る減速機構造を模式的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る減速機構造を模式的に示した分解図である。
図3】本発明の一実施例に係る減速機構造の組み立て後を示す断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る減速機構造の歯車構成の一例を概略的に示す。
図5】本発明の一実施例に係る減速機構造の駆動状態の一例を概略的に示す。
図6】本発明の一実施例に係る減速機構造の可動内歯車が歯数差の推移を行う場合を示す部分拡大図である。
図7】本発明の別の可能な実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の減速機構造の実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する部材、材料等は、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0011】
まず、図1乃至図4を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
本発明に係る減速機構造は、内から外にかけて順次包囲すると共に相互に噛合するように設置されているドライブギア11と、少なくとも2つの遊星歯車21と、固定内歯車31と、を備えている。また、前記固定内歯車31の近傍には可動内歯車41が同軸で配置され、且つハウジング51により前記ドライブギア11、遊星歯車21のそれぞれ、固定内歯車31、及び可動内歯車41を被覆している。以下、それぞれについて説明する。
【0012】
<ドライブギア11>
軸線Xに沿って前記ハウジング51内に配置され、ドライブギア11は軸線Xに沿って開設されている組立穴12を有し、組立穴12はパワーシャフト61を連結するために用いられている。パワーシャフト61は回転動力を供給するモーターの駆動軸を選択し、ドライブギア11を自転するように駆動するための回転動力を供給する。
【0013】
<遊星歯車21>
遊星歯車21の数量は2つまたは2つ以上であり、本実施例では遊星歯車21が2つであるものを例とする。2つの前記遊星歯車21はそれぞれ中空環状を呈していると共に弾性変形を有し、且つ2つの前記遊星歯車21は同じ円弧距離で間隔を置いて包囲するようにドライブギア11の外周に噛合され、2つの前記遊星歯車21は互いに対称に設置されている。2つの前記遊星歯車21は同じモジュールを有し、且つ固定内歯車31にそれぞれ相互に噛合されている。すなわち、2つの前記遊星歯車21はドライブギア11と固定内歯車31との間に配置され、固定内歯車31はハウジング51内の段差面511に固定され、固定内歯車31及びドライブギア11は同じ軸線Xを有している。固定内歯車31自体は回転せず、ドライブギア11がパワーシャフト61により駆動されて自転すると、2つの前記遊星歯車21が同期で自転するように駆動されると共に固定内歯車31の内周に沿ってドライブギア11の周りを公転し、第1段階の減速出力を獲得する。本実施例では、2つの前記遊星歯車21は剛性材質で中空環状にそれぞれ製造され、負荷が大きい使用環境に適用するために一定の剛性を保持し、且つ適度な弾性変形を有している。
【0014】
具体的には、2つの前記遊星歯車21は軸線Xの方向にそれぞれ平行して固定内歯車31に一体に延出され、可動内歯車41は固定内歯車31の近傍に同軸で並列されている。可動内歯車41及び固定内歯車31は同じ軸線Xを有し、且つ可動内歯車41には出力軸42が連結されている。可動内歯車41及び固定内歯車31は相違するモジュールを有し、可動内歯車41のモジュールは固定内歯車31のモジュールより大きい。可動内歯車41の歯数は固定内歯車31の歯数と相違し、可動内歯車41及び固定内歯車31は異なるピッチ円直径を有している。本実施例では、可動内歯車41の歯数は88であり、固定内歯車31の歯数は90であり、可動内歯車41の歯数と固定内歯車31の歯数との差は2であり、固定内歯車31及び可動内歯車41の内歯は対向する2つの終点位置A及びBに正対して徐々に交錯するように配列されるように構成されている。すなわち、固定内歯車31及び可動内歯車41の内歯が180度対称になる2つの箇所は互いに位置を揃えて重畳され、残りの位置は互いに位置をずらして配列されている。2つの前記遊星歯車21はそれぞれ中空環状を呈し、且つ固定内歯車31にそれぞれ一体で突出している突出端211により可動内歯車41と固定内歯車31とが相互に正対する内歯に噛合されている。可動内歯車41のモジュールを固定内歯車31のモジュールより大きくすることで、2つの前記遊星歯車21の作動のスムーズさを確保している。
【0015】
本実施例では、出力軸42はその一端が軸線Xに沿って凹むことで収容部43が形成され、収容部43は内輪周壁431及び内輪周壁431に連接されている底面432を有し、可動内歯車41は収容部43の内輪周壁431に対応するように固装されている。ドライブギア11及び2つの前記遊星歯車21の突出端211は収容部43にそれぞれ延設されると共に底面432に対して当接され、ドライブギア11及び2つの前記遊星歯車21の作動時の安定性を確保している。出力軸42の外周とハウジング51との間には少なくとも1つのベアリングユニット52が設置され、ベアリングユニット52は転がり軸受またはブッシュで構成されて出力軸42を回転するように支持し、回転時の摩擦及び振動を減少させている。また、2つの前記遊星歯車21がそれぞれ中空環状を呈すると共に弾性変形を有しているため、本発明の減速構造は本来の標準内歯の修正作業を行う際に、内歯(固定内歯車31及び可動内歯車41を含む)の一部の歯形を修正するのみで、適度な干渉エリアを保留して適度な摩擦抵抗力を発生させる。また、中空環状を呈している遊星歯車21が作動して受力することで弾性変形した後、歯車間の干渉量が小さくなり、本発明の遊星歯車21が遊星フレームを配置しない状態においても、安定した作動を維持する。
【0016】
他の実現可能な実施形態の中で、図7に示す如く、可動内歯車41は出力軸42の収容部43の内輪周壁431から直接一体成形され、2つの前記遊星歯車21の突出端211を噛合させるために用いられている。ドライブギア11及び2つの前記遊星歯車21の突出端211は収容部43にそれぞれ延設されると共に底面432に対して当接され、同様にドライブギア11及び2つの前記遊星歯車21の作動時の安定性を確保している。
【0017】
続いて、図5を併せて参照し、パワーシャフト61がドライブギア11を作動するように駆動すると、ドライブギア11の動力がそれと噛合する2つの前記遊星歯車21を自転するように駆動し、且つドライブギア11と固定内歯車31との間で作動するように2つの前記遊星歯車21を同時に駆動し、第1段階の減速出力を発生させる。次に、2つの前記遊星歯車21は同時にその突出端211により可動内歯車41に噛合され、第1段階の減速出力が発生した後に、固定内歯車31がハウジング51内に固定されているため回転せず、可動内歯車41が駆動される。こうすることで、2つの前記遊星歯車21がドライブギア11の周りを公転する過程において(図6参照)、可動内歯車41と固定内歯車31との間に歯数差があるため、2つの前記遊星歯車21が可動内歯車41及び固定内歯車31の交錯するように配列される内歯を逐一推移させ、回転を始めるように可動内歯車41を駆動する。2つの前記遊星歯車21の作動時に、2つの前記遊星歯車21と可動内歯車41とが相互に噛合する部分が歯数差の推移により高い減速比で出力するように可動内歯車41を一緒に押動し、第2段階の減速出力を発生させるように可動内歯車41に連接されている出力軸42を同期で駆動し、回転速度を低下させる必要のある装置に使用する。
本発明に係る減速機構造は下記数式によりその駆動減速比(Gear ratio)を算出する。

ここでは、ドライブギア11の歯数はN1と定義し、固定内歯車31の歯数はN3と定義し、可動内歯車41の歯数はN4と定義している。
【0018】
次に、本実施例に係るドライブギア11の歯数は10であり、2つの前記遊星歯車の歯数は40であり、固定内歯車31の歯数は90であり、可動内歯車41の歯数は88であり、これらの数値を数式に代入して計算すると、この実施例における駆動減速比が440に達する。
【0019】
以上を総合すると、本発明の2段階の減速出力は具体的に実行可能であり、本発明はドライブギア11、2つの前記遊星歯車21、固定内歯車31、及び可動内歯車41が順次駆動される構造の配置により、有効空間内で減速比を大幅に増加させるのみならず、減速機の構成を大幅に簡略化し、本発明に係る減速機の全体的な配置空間及び体積を更に簡潔にし、装置を小型化、精巧化して組み立てる需要を満たしている。
【0020】
さらに、本発明は歯車のそれぞれが中空環状を呈すると共に、弾性変形があるため、遊星歯車21のそれぞれと歯車との間(ドライブギア11と、固定内歯車31と、可動内歯車41と、を含む)に適度な干渉エリアを有し、バックラッシュを効果的に減少させている。確実に駆動し、位置決めが精確であり、且つ干渉エリアに形成される摩擦抵抗力により、モーターにより駆動されたパワーシャフト61を停止する際にブレーキ作用を更に発生させ、モーターに依存せずにブレーキをかけることで運動の制御を助けている。モーターが停止した場合、自動ロック機能を実行するために十分な抵抗力を提供する。また、固定角度を維持する場合、モーターを作動させる必要が無く、モーターのパワーロスを大幅に減少させ、モーターの電力の消耗を節約している。さらに、中空環状を呈している遊星歯車21は回転慣性が減少し、高速回転による摩擦の発熱量も減少し、遊星歯車21のそれぞれが高速作動する際の温度を保持し、その安定性及び耐用年数を向上させている。
【0021】
さらに、本発明に係る減速機構造は、2つの前記遊星歯車21が180度で対称になる2つの終点位置A及びBで固定内歯車31及び可動内歯車41に同時に相互に噛合され、歯数差の推移による駆動方式により大きい減速比で駆動する需要を満たすのみならず、相互に噛合する歯数が多いため、その噛合面積を確保し、出力トルクも大きくなり、更に強いトルクを発生させると共に非常に精確に位置決めする。また、噛合周期速度が低く、力の平衡が均一であり、作動の騒音及び振動が更に低減している。なお、相互に噛合する部分のスライドが少ないため、摩擦で発生する動力の損失も効果的に減少し、高い減速比に応用する際に、高効率のパワーを維持し、動力を供給するモーターも共に小型化できるという利点を有している。
【0022】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
11 ドライブギア
12 組立穴
21 遊星歯車
211 突出端
31 固定内歯車
41 可動内歯車
42 出力軸
43 収容部
431 内輪周壁
432 底面
51 ハウジング
511 段差面
52 ベアリングユニット
61 パワーシャフト
X 軸線
A 終点位置
B 終点位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7