(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084782
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ロータの磁場の調整用の軸方向コイルを利用したハイブリッドステッピングモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 37/04 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
H02K37/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058935
(22)【出願日】2024-04-01
(62)【分割の表示】P 2020041527の分割
【原出願日】2020-03-11
(31)【優先権主張番号】16/367744
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】ラリー ドウェイン リッジ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン トーマス バグレー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハイブリッドステッピングモータの動作中にロータによって生成される磁場を修正するために通電できる軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータを提供する。
【解決手段】バイポーラハイブリッドステッピングモータ10は、一次巻線を備えたステータ16を含む。ステータと一次巻線は、ハウジング120内に配置される。ロータ14は磁気コンポーネントを有する。ロータは、ステータに対して回転動作可能である。軸方向コイルアセンブリ24がハウジング内に配置され、ロータの両端に近接して位置し、二次巻線を有する。ロータの磁気コンポーネントの少なくとも一部は、通電状態の軸方向コイルアセンブリによって生成される。通電状態は、ロータとステータの間に電磁連通を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次巻線を有するステータと、
前記ステータに対して回転動作可能なロータと、
前記ロータの両端に近接して配置され、二次巻線を有する軸方向コイルアセンブリと、を含み、
少なくとも前記二次巻線が通電されるとき、前記ロータは前記ステータと電磁連通し、
一次巻線と前記二次巻線が通電されるとき、前記ロータは、前記ステータに対して前記ロータを回転動作させる起電力を介して前記ステータと電磁連通する、電気モータアセンブリ。
【請求項2】
前記ステータおよび前記ロータがアイドル状態にあるとき、前記ロータは、前記ステータに対して実質的に自由に回転する、請求項1に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項3】
前記ロータは、前記ステータとの電磁連通を画定する磁気部材を含む、請求項1に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項4】
通電状態の二次巻線が磁束を前記ロータ内に向け、前記磁束が前記ロータによって生成される電磁場の大きさを増大させる、請求項3に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項5】
前記ロータが、前記ステータおよび前記一次巻線によって画定される内部空洞内で回転動作する内側ロータである、請求項1~4のいずれか1項または複数項に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項6】
前記一次巻線は、交流電流によって選択的に通電される、請求項1~5のいずれか1項または複数項に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項7】
前記二次巻線は、直流電流によって選択的に通電される、請求項1~6のいずれか1項または複数項に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項8】
前記一次および二次巻線への通電が、前記ステータに対して回転可能な固定位置に前記ロータを選択的に固定する起電停止力を画定する、請求項1~7のいずれか1項または複数項に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項9】
前記ステータおよび前記ロータは、バイポーラハイブリッドステッピングモータを画定する、請求項1~8のいずれか1項または複数項に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項10】
一次巻線を有するステータであって、前記ステータおよび前記一次巻線はハウジング内に配置される、ステータと、
磁気コンポーネントを有するロータであって、前記ロータは、前記ステータに対して回転動作可能である、ロータと、
前記ハウジング内に配置され、前記ロータの両端に近接して位置し、二次巻線を有する軸方向コイルアセンブリであって、前記ロータの前記磁気コンポーネントの少なくとも一部は、通電状態の前記軸方向コイルアセンブリによって生成され、前記通電状態は、前記ロータと前記ステータの間に電磁連通を生成する、軸方向コイルアセンブリとを含む、バイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項11】
前記一次巻線および前記二次巻線が通電されると、前記ロータは、前記ステータに対して前記ロータを選択的に作動させる起電力を介して前記ステータと電磁連通する、請求項10に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項12】
前記ロータの前記磁気コンポーネントは、前記ロータ内に配置される磁気部材によって部分的に画定される、請求項10~11のいずれか1項または複数項に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項13】
前記軸方向コイルアセンブリがアイドル状態にあるとき、前記磁気部材は、前記ロータの全体の磁気コンポーネントを生成する、請求項12に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項14】
前記軸方向コイルアセンブリが電気的アイドル状態にあるとき、前記ロータおよび前記ステータは電磁連通がない、請求項11に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項15】
前記軸方向コイルアセンブリは、前記ロータの第1端部に配置された第1セットのポストと、前記ロータの第2端部に配置された第2セットのポストとを含み、前記軸方向コイルアセンブリは、前記ハウジング内に回転可能に固定される、請求項10~14のいずれか1項または複数項に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項16】
前記通電状態の前記二次巻線が磁束を前記ロータ内に向け、前記磁束が前記ロータの前記磁気コンポーネントを少なくとも部分的に画定する、請求項10~15のいずれか1項または複数項に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項17】
前記ロータは、前記ステータおよび前記一次巻線によって画定される内部空洞内で回転動作する内側ロータである、請求項10~16のいずれか1項または複数項に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項18】
前記一次巻線が交流電流によって選択的に通電され、前記二次巻線が直流電流によって選択的に通電される、請求項10~17のいずれか1項または複数項に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項19】
ステータの巻線に通電することであって、ロータが前記ステータに対して回転動作するように通電することと、
軸方向コイルアセンブリを介して前記ロータの第1の磁気コンポーネントを生成することと、
前記ステータの前記通電された巻線と前記ロータの前記第1の磁気コンポーネントによって生成される第1の起電力を使用して前記ロータを動作させることと、
前記軸方向コイルアセンブリに対する電流を修正することと、
前記軸方向コイルアセンブリの前記修正された電流を介して前記ロータの第2の磁気コンポーネントを生成することとであって、前記第1の磁気コンポーネントは前記第2の磁気コンポーネントとは異なるように生成することと、
前記ステータの前記通電された巻線と前記ロータの前記第2の磁気コンポーネントによって生成される第2の起電力を使用して前記ロータを動作させることとを含む、バイポーラハイブリッドステッピングモータの動作方法。
【請求項20】
前記第1の磁気コンポーネントは、電気的にアイドル状態にある前記ロータおよび前記軸方向コイルアセンブリの磁気部材によって画定される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気モータに関し、より具体的には、ハイブリッドステッピングモータの動作中にロータによって生成される磁場を修正するために通電できる軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータ内では、ステッピングモータは通常、ステータに対してロータを回転させる起電力を生成するために協働するステータとロータを含む。ステータおよびロータのそれぞれは、互いに電磁的に協働して、ステータに対するロータの位置に小さく漸進的な回転変化を生じさせる複数の歯を有する。ハイブリッドステッピングモータ内では、ロータは、ステータの歯に巻き付けられた通電巻線によって生成される別個の電磁場と協働する電磁場を生成する。ロータとステータのこれらの電磁場は協働して、ステータに対してロータを回転させる起電力を生成する。ロータの動きは、ロータとステータの対向する極が一致するように2つの磁場を整列させるために、ロータの磁場を回転させる異なるシーケンスでステータの歯に巻き付けられた巻線に通電することによって生成される。ステータに対するロータの連続回転運動は、ステータのさまざまな巻線に供給される電流をシーケンスすることで実現できる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、電気モータアセンブリは、一次巻線を有するステータを含む。ロータは、ステータに対して回転動作可能である。軸方向コイルアセンブリは、ロータの両端に近接して配置され、二次巻線を有する。少なくとも二次巻線が通電されると、ロータはステータと電磁連通する。一次巻線と二次巻線に通電すると、ロータは、ステータに対してロータを回転動作させる起電力を介してステータと電磁連通する。
【0004】
本発明の別の態様によれば、バイポーラハイブリッドステッピングモータは、一次巻線を有するステータを含む。ステータと一次巻線は、ハウジング内に配置される。ロータは磁気コンポーネントを有する。ロータは、ステータに対して回転動作可能である。軸方向コイルアセンブリがハウジング内に配置され、ロータの両端に近接して位置し、二次巻線を有する。ロータの磁気コンポーネントの少なくとも一部は、通電状態の軸方向コイルアセンブリによって生成される。通電状態は、ロータとステータの間に電磁連通を生成する。
【0005】
本発明の別の態様によれば、バイポーラハイブリッドステッピングモータを動作させる方法は、ステータの巻線に通電することを含む。ロータは、ステータに対して回転動作する。ロータの第1の磁気コンポーネントは、軸方向コイルアセンブリを介して生成される。ロータは、ステータの励磁巻線とロータの第1の磁気コンポーネントによって生成される第1の起電力を使用して動作する。電流は、軸方向コイルアセンブリに対して修正される。ロータの第2の磁気コンポーネントは、軸方向コイルアセンブリの修正された電流を介して動作する。第1の磁気コンポーネントは、第2の磁気コンポーネントとは異なる。ロータは、ステータの励磁巻線とロータの第2の磁気コンポーネントによって生成される第2の起電力を使用して動作する。
【0006】
本発明のこれらおよび他の一態様、目的および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲および添付の図面を検討することにより、当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ロータの磁場を修正するためにロータに磁束を提供するための軸方向コイルの一態様を組み込んだハイブリッドステッピングモータの斜視図である。
【
図2】線II-IIに沿った
図1のモータの断面図である。
【
図3】ハウジングが取り外されたハイブリッドステッピングモータの一態様の側面図であり、テータおよびロータに対する軸方向コイルの位置決めを示している。
【
図4】ロータによって生成される磁場を修正するためにロータに磁束を供給するための軸方向コイルを組み込んだハイブリッドステッピングモータの一態様の分解斜視図である。
【
図5】軸方向コイルの一態様を組み込んだハイブリッドステッピングモータの概略立面図である。
【
図6】線VI-VIに沿った
図1のステッピングモータの断面図であり、通電状態の軸方向コイルを示す。
【
図7】エリアVIIにおける
図6のハイブリッドステッピングモータの拡大断面図である。
【
図8】軸方向コイルアセンブリが通電されていないハイブリッドステッピングモータの一態様の概略図である。
【
図9】軸方向コイルアセンブリに通電した状態の
図8のハイブリッドステッピングモータの概略図である。
【
図10】軸方向コイルを有するハイブリッドステッピングモータの一態様を組み込んだ車両用のセレクターダイヤルの上面斜視図である。
【
図11】軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータを組み込んだ回転ダイヤルの一態様の概略平面図である。
【
図12】軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータを組み込んだ回転ダイヤルの一態様の概略平面図である。
【
図13】軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータを組み込んだ回転ダイヤルの一態様の概略平面図である。
【
図14】軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータを組み込んだ回転ダイヤルの一態様の概略平面図である。
【
図15】磁束をロータに供給する軸方向コイルを利用するハイブリッドステッピングモータを動作させる方法を示す線形フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本書での説明の目的で、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」といった用語、およびそこから派生したものは、
図1で方向付けられたように本発明に関連するものとする。ただし、当然のことながら、それに反して明示的に特定された場合を除き、本発明は、これと代わるさまざまな向きをとってもよい。また、当然のことながら、添付した図面に図示し、以下の明細書で説明した特定の装置およびプロセスは、添付した特許請求の範囲に規定された発明の概念の単なる例示的実施形態にすぎない。よって、特許請求の範囲でそうでないことが明示的に述べられていない限り、本明細書で開示された実施形態に関連する具体的な寸法およびその他の物理的特性は、限定とはみなされない。
【0009】
図1~
図9に例示されるように、参照番号10は、一般に、電気モータまたは電気モータアセンブリを指し、通常、ステータ16に対して回転動作してロータ14に連結された駆動シャフト18を回転させるロータ14を有するハイブリッドステッピングモータ12を指す。次に、駆動シャフト18は、より大きいアセンブリの一部を回転させるか、さもなければ操作するための装置の機械的構成要素に接続される。装置のさまざまな態様によれば、電気モータ10は、一次巻線20に電流22を印加することにより通電可能な一組の一次巻線20を有するステータ16を含む。ロータ14も電気モータ10内に含まれ、ロータ14はステータ16に対して回転動作可能である。軸方向コイルアセンブリ24は、ロータ14の端部26に近接して配置され、一組の二次巻線28を含む。装置のさまざまな態様では、二次巻線28が二次電流30を介して通電されると、ロータ14はステータ16と電磁連通するように配置される。一次巻線20および二次巻線28がそれぞれ通電されると、ロータ14は、ステータ16に対してロータ14を回転動作させる起電力32を介してステータ16と電磁連通する。
【0010】
再び
図2~9を参照し、電気モータ10の作動中、電流22がステータ16の巻線に供給される。この電流22は、ステータの一次巻線20に分配されて、典型的には、異なる時に対向する巻線の組に通電する。このようにして一次巻線20に通電すると、あらかじめ設定されたパターンまたはシーケンスにしたがって一次巻線20に通電する電流22を介して生成される磁場40が変更される。ロータ14は、通電された一次巻線20によって生成された磁場40と相互作用するように構成された磁気コンポーネント42を含む。この磁気コンポーネント42は、ステータ16の通電された一次巻線20によって生成される磁場40と整列する傾向を有するロータ磁場44を生成する。したがって、ステータ16の異なる一次巻線20が通電されると、ロータ14の磁気コンポーネント42により、ロータ14が磁場40と整列する傾向を有する。結果として、ロータ14は、ステータ16内のあらかじめ設定された通電一次巻線20のシーケンスに対して回転する。
【0011】
図2~9に例示されるように、ロータ14の磁気コンポーネント42を生成するために、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28は、軸方向コイルアセンブリ24に供給される二次電流30を通して通電される。軸方向コイルアセンブリ24に通電すると、軸方向コイルアセンブリ24は、ロータ14の端部26を通る磁束52を提供するコイル磁場50を生成する。この磁束52は、次に、ロータ14の磁気コンポーネント42を生成し、通電された一次巻線20によって生成される磁場40と相互作用するロータ磁場44を生成する。軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28に供給される二次電流30は変化し得る。このようにして、通電された軸方向コイルアセンブリ24によって生成されるコイル磁場50は、異なる大きさの磁束52をロータ14の端部26に向けるように変更することもできる。ロータ14に供給される磁束52の変動は、ロータ磁場44を生成するロータ14の磁気コンポーネント42の大きさによって異なる可能性がある。別の言い方をすれば、軸方向コイルアセンブリ24に供給される二次電流30の増減は、ロータ14の磁気コンポーネント42の大きさを変調または変更することができる。
【0012】
限定ではなく例として、ロータ14の特定の態様は、ロータ14の本体62内に磁気部材60を含むことができる。これらの磁気部材60は、通常、サイズが小さく、および/または小さなロータ磁場44を有し得る。したがって、ロータ14内に配置され得る磁気部材60は、軸方向コイルアセンブリ24が二次電流30によって通電されるとき、ロータ14によって提供され得る全潜在的磁気コンポーネント42のわずかな量(約3分の1など)のみを提供するサイズである。二次電流30が軸方向コイルアセンブリ24に供給されず、磁気コンポーネント42が磁気部材60のみからなる場合、ロータ14によって生成されるロータ磁場44は最小であり得る。この最小ロータ磁場44は、典型的には鉄材料でできているステータ16の歯と磁気的に相互作用することができる。鉄材料は、一次巻線20が通電されていなくても、ロータ14のロータ磁場44と相互作用することができる。したがって、電流22が一次巻線20に供給されず、二次電流30が軸方向コイルアセンブリ24に供給されない場合、ロータ14の回転は、ロータ14の磁気部材60およびステータ16のステータ歯66間の最小戻り止め感触をもたらし得る。この最小の戻り止め感触は、装置のユーザによって知覚されてもよく、またはユーザによって比較的知覚できないほどわずかであり得る。
【0013】
二次電流30が軸方向コイルアセンブリ24に供給されると、ロータ14のロータ磁場44が拡大または増大し、ロータ歯64とステータ歯66との間の戻り止め感触も増大し得る。軸方向コイルアセンブリ24への二次電流30がさらに増加すると、ロータ磁場44は、ロータ14がステータ16内でもはや動作しなくなる点まで増加する可能性がある。このような構成では、ロータ14の周りに広がるロータ磁場44は、ステータ16の鉄材料に回転不能になるまで磁気的に引き付けられ、ロータ14はステータ16に対して回転的に固定される。
【0014】
装置のさまざまな態様では、ロータ14の磁気コンポーネント42は、軸方向コイルアセンブリ24のみによって提供され得る。そのような実施形態では、ロータ14の本体62内に磁気部材60は配置されず、ロータ14の磁気コンポーネント42は、軸方向コイルアセンブリ24に提供される二次電流30のみを介して提供される。装置のこの態様では、軸方向コイルアセンブリ24が消勢され、二次電流30がそれに供給されない。したがって、ロータ14は、ロータ磁場44を含まず、ステータ16内で自由に回転することができる。このようにして、ロータ14とステータ16との間で磁気的相互作用が知覚されない場合がある。これは、一次コイルも通電されておらず、電流22が一次巻線20に供給されない場合に特に当てはまる可能性がある。
【0015】
再び
図1~
図9を参照して、例示の電気モータ10は、内側ロータ構成として示されており、ロータ14は、ステータ16の歯内に画定された空洞80内で回転動作する。本明細書に記載の電気モータ10は、外側ロータ構成として構成することもでき、ロータ14は、中央ステータコアの周りを回転するリングの形態であることが理解されるべきである。
【0016】
図1~
図7に例示されるように、電気モータ10は、典型的には、バイポーラハイブリッドステッピングモータ12であり、ロータ14は、ロータ14の外周90内に画定された複数のロータ歯64を有するロータ歯64の形状を含む。ロータ14のロータ歯64のこの形状は、わずか2つのロータ歯64を含むことができるが、典型的には50個の歯である。また、ロータ14は、ロータ14の外周90内に画定される200個または400個ものロータ歯64を含むことができると考えられる。
【0017】
従来のハイブリッドステッピングモータ内では、ロータの外側表面内に画定された各歯は、ステータに対してロータの位置を修正するためにステータと協働する専用磁石を含んでいる。これらの従来のハイブリッドステッピングモータには、ステータの通電巻線と相互作用するために、ロータによって生成される一貫した磁場が含まれている。これらの従来のハイブリッドステッピングモータでは、ロータとステータ間の戻り止め力の微調整は難しく、通常、ロータが提供できる最大トルクの損失につながる。
【0018】
装置のさまざまな態様で例示されるように、
図1~
図9に示されるように、ロータ14は、ロータ14の外周90内に画定された各ロータ歯64内に磁気部材60を含むことができる。上述のように、これらの磁気部材60は、通常、サイズが小さいか、または従来のモータ内に含まれるロータ磁石よりも小さいロータ磁場44を生成する。ロータ14の磁気部材60はより小さなロータ磁場44を生成するが、この磁場40の損失は、二次電流30の印加により通電することができる軸方向コイルアセンブリ24の追加により説明される。ロータ14内に含まれる磁気部材60は、ロータ14を回転させるためにステータ16のステータ歯66と協働することができる最小トルク198または最小戻り止め力を規定することができる。この最小戻り止め力は、軽いクリックまたは戻り止め感触としてユーザが経験するものを規定できる。二次電流30が軸方向コイルアセンブリ24に供給されると、ロータ14によって生成されるロータ磁場44は、ロータ14によって生成されるロータ磁場44の広範囲の大きさと構成を生成する微調整プロセスで変更、修正、または変調することができる。
【0019】
図6および
図7に例示されるように、ハイブリッドステッピングモータ12のロータ14の端部26は、負極102および正極104を画定することができる対向するロータ極100を含む。ロータ14の端部26に配置されたこれらのロータ極100のそれぞれは、軸方向コイルアセンブリ24のポスト110のそれぞれの第1および第2セット106、108に近接して位置する。二次巻線28は、これらのポスト110の周りに巻かれている。二次巻線28が通電されると、ポスト110のそれぞれは、ロータ14のロータ極100を少なくとも部分的に画定する正および負の端部112、114を含む。
図7に示すように、軸方向コイルアセンブリ24のポスト110は、ロータ14から遠位にある正の端部112と、ロータ14に隣接または近接する負の端部114とを含む。軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28が通電されると、軸方向コイルアセンブリ24のポスト110により生成される磁場40は磁束52をステータ16に提供する。この磁束52は、二次巻線28の負の端部114から、
図7に示されるように、ステータ16の端部26に負極102を生成する。ロータ14の反対側の端部26では、ロータ14の反対側の極が二次巻線28の正の端部112によって正に帯電してロータ14の正極104を生成するように、通常反対が真である。したがって、ロータ14の正および負極104、102は、ロータ14の各端部26に投出される磁束52を生成する通電された軸方向コイルアセンブリ24を通じて生成される。
【0020】
ロータ14が磁気部材60を含む装置のさまざまな態様では、軸方向コイルアセンブリ24は、ロータ14内に含まれる磁気部材60の極性と一致するロータ14内の正および負極104、102を拡大することができる。
【0021】
装置内のさまざまな態様によれば、磁気部材60の磁気極性は、ロータ14から発する一定の大きさのロータ磁場44を生成し得る。軸方向コイルアセンブリ24は、磁気部材60に対して反対または重ね合わせで使用して、ロータ14によって生成されるロータ磁場44に追加またはこれを拡大するだけでなく、ロータ14によって生成されるロータ磁場44の大きさを減少させることができると考えられる。したがって、磁気部材60がロータ14の端部26に負極102を生成する場合、二次電流30を印加することにより、軸方向コイルアセンブリ24を構成して、ロータ14の端部26に対向するコイル磁場50を配置することができる。磁気部材60および二次巻線28のこれらの対向する磁極は、少なくとも部分的に互いに相殺し、磁気部材60単独の強度よりも小さい減少したロータ磁場44を生成し得る。
【0022】
装置のさまざまな態様によれば、軸方向コイルアセンブリ24によって生成されるコイル磁場50を使用して、ロータ14によって生成されるロータ磁場44を微調整し、ステータ16の一次巻線20によって生成される磁場40と相互作用する所望の大きさのロータ磁場44を生成することができる。ロータ14のロータ磁場44のこの修正により、ステータ16に関してロータ14によって生成されるトルク198の量も、特定の電動用途の必要性に応じて変えることができる。
【0023】
再び
図2~
図9を参照して、上述のように、典型的には、ロータ14は、ステータ16および一次巻線20によって画定される内部空洞80内で回転動作する内側ロータである。一次巻線20に供給される電流22は、通常、交流電流である。また、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28は、二次電流30を印加することにより通電することができると考えられる。通常、この二次電流30は直流電流である。
【0024】
図1~7に例示されるように、電気モータ10は、一次巻線20を含むステータ16を有するバイポーラハイブリッドステッピングモータ12の形態であり得る。ステータ16および一次巻線20は通常、ハウジング120内に配置される。ステータ16は、一連の積み重ねられた積層122から作ることができ、積み重ねられた積層122は、通常、鉄材料から作られる。次いで、巻線は、ステータ16の積み重ねられた積層122によって形成される極170の周りに巻かれる。次に、このステータ16は、ステータ16の一次巻線20および積み重ねられた積層122を囲むオーバーモールドの形態で、ハウジング120によってオーバーモールドされるか、または少なくとも部分的に囲まれ得る。電気モータ10のロータ14は、磁気コンポーネント42を含み、ロータ14は、ステータ16に対して回転動作可能である。軸方向コイルアセンブリ24は、ハウジング120内に配置され、ロータ14の端部26に近接して位置する。軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28は、軸方向コイルアセンブリ24のポスト110の周りに巻かれている。典型的には、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28およびポスト110もハウジング120内に収容され、ステータ16の残りとともにオーバーモールドされ得る。また、軸方向コイルアセンブリ24は、ハウジング120およびステータ16の残りの部分と結合し、ロータ14に対して軸方向コイルアセンブリ24の位置を固定することができる1つまたは複数の別個のキャップ124の形態とすることができると考えられる。上述のように、ロータ14の磁気コンポーネント42の少なくとも一部は、二次電流30の印加により通電状態にあるとき、軸方向コイルアセンブリ24によって生成される。軸方向コイルアセンブリ24の通電状態は、ロータ14とステータ16との間に少なくとも部分的に電磁連通を生じさせる。前述のように、この電磁連通は、ロータ14の端部26に向けられた軸方向コイルアセンブリ24からの磁束52の印加によって生成することができる。この磁束52は、ステータ16の端部26に対向するロータ極100を少なくとも部分的に生成し、次に、ステータ16の通電された一次巻線20と相互作用できるロータ磁場44を生成する。
図6および
図7に示されるように、軸方向コイルアセンブリ24は、ロータ14の一端26に配置されるポスト110の第1セット106と、ロータ14の反対端26に配置されるポスト110の第2セット108とを含む。通常、軸方向コイルアセンブリ24は、ロータ14がステータ16および軸方向コイルアセンブリ24に対して回転動作するように、ハウジング120内またはハウジング120に対して回転可能に固定されている。装置のさまざまな態様において、ロータ14および軸方向コイルアセンブリ24がロータ14の回転軸154の周りで動作するとき、軸方向コイルアセンブリ24はロータ14とともに回転して磁束52をロータ14に提供することが考えられる。典型的には、軸方向コイルアセンブリ24は、ロータ14に対してステータに回転可能に固定される。
【0025】
図2~14に例示されるように、ハイブリッドステッピングモータ12の動作中、一次巻線20に供給される電流22のシーケンスは、典型的には、ステータ16に関してロータ14の回転を引き起こすまたは停止させる起電力32を生成するシーケンスで動作する。装置の例示的な一態様では、軸方向コイルアセンブリ24を利用して、所定の回転位置134でステータに対するロータ14の回転を停止させる起電停止力132を提供することができる。位置決めセンサ136を使用して、ロータ14が特定の回転位置134を達成すると、二次電流30を印加することにより軸方向コイルアセンブリ24に通電することができる。本明細書で説明するように、この二次電流30は、十分な大きさのロータ磁場44を生成することができる。このロータ磁場44は、ステータ16の巻線によって加えられる一次磁場40と相互作用して、ステータ16に対するロータ14の回転を妨げる起電停止力132を生成する。この起電停止力132は、ステータ16に対するロータ14の回転の外側限界138を規定するために使用することができる。
【0026】
ここで
図10~14を参照して、本明細書に開示されるハイブリッドステッピングモータ12の例示的な態様では、ステータ16の巻線および軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28は、回転セレクターダイヤル150などの回転ダイヤルを操作するために協調して動作することができる。ステータ16の一次および二次巻線20、28および軸方向コイルアセンブリ24をそれぞれ使用して、触覚コンポーネント152を達成することができ、触覚コンポーネント152は、回転セレクターダイヤル150の操作中にユーザによって知覚され得る。触覚コンポーネント152は、ハイブリッドステッピングモータ12によって生成され得る聴覚および/または触覚フィードバックの形態であり得、セレクターダイヤル150が回転軸154の周りで操作されるとき、ステータ16に対するロータ14の回転が高摩擦インターフェースの感触を提供する抗力の形態であり得る。触覚コンポーネント152は、1つまたは複数の戻り止め156、振動コンポーネント158、回転軸154を中心とする規定された回転範囲160内での動作、ユーザによってセレクターダイヤル150の動作に対抗する反対の起電力162の印加、および他の同様の触覚コンポーネント152の形態でもあり得る。
【0027】
図2~9に例示されるように、ステータ16の一次巻線20は、通常、位相の電流22によって通電される。これらの位相では、一次巻線20の一部のみが特定の時間に通電される。どの巻線に通電するかを変えることにより、ステータ16の磁場40とロータ14のロータ磁場44との間に生成される起電力32は、ステータ16に対してロータ14を回転させる起電力32を生成する。装置のさまざまな態様において、軸方向コイルアセンブリ24の少なくとも一部に通電することは、ロータ14によって生成されるロータ磁場44を修正するのに役立ち得る。加えて、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28の一部のみに通電することにより、ロータ14により生成されるロータ磁場40は、他の領域よりも特定の領域で増加させることができる。したがって、軸方向コイルアセンブリ24を利用して、軸方向コイルアセンブリ24のさまざまな二次巻線28に通電するシーケンスは、ステータ16とロータ14との間に生じる起電力32の異なる回転効果を生じさせることができる。これらの効果は、上記の触覚コンポーネント152の1つまたは複数の形であり得る。二次巻線28の一部のみを作動させる他の効果は、トルク198の増加、ロータ14の回転速度の増加、ロータ14の多種多様な漸進的運動、および他の同様の回転効果ももたらし得る。
【0028】
ハイブリッドステッピングモータ12内で、ロータ14の外周90に画定された複数のロータ歯64は、ステータ16の極170と磁気的に相互作用する。通常、ステータ16の極170は、ロータ14のロータ歯64と選択的に整列するように動作する複数のステータ歯66を含む。ステータ16の極170または一次巻線20の一部のみに通電すると同時に、軸方向コイルアセンブリ24の二次コイルの一部のみを作動させることにより、ロータ14の漸進的運動をステータ16に対して大きなステップまたは小さなステップであるように修正することができる。
【0029】
軸方向コイルアセンブリ24の対向する二次巻線28が通電される例示的な態様では、ロータ14に対するロータ磁場44は、ロータ14の対向する側部180にのみ存在し得る。そのような態様では、ロータ14の外周90内に画定されたロータ歯64の一部のみが磁気的に通電され得る。次いで、これらの磁気的に通電されたロータ歯64は、ステータ16の特定の通電された極170に引き寄せられ得る。ロータ14とステータ16との間のこの回転動作は、ロータ14の個々のロータ歯64とステータ16のステータ歯66との間の距離よりも大きくなり得る。したがって、従来のステッピングモータがフルステップまたは場合によってはハーフステップにしたがってしか回転できない一方で、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28の一部に通電すると、ハイブリッドステッピングモータ12内の2倍ステップ、4倍ステップ、またはより小さいフラクショナルステップを提供するハイブリッドステッピングモータ12の構成が生成され得る。名前が示すように、ロータ14の歯がステータ16の他の全ての歯に引き付けられることにより、2倍ステップ構成を作り出すことができる。同様に、ロータ14の4倍ステップは、ロータ14の歯がステータ16の4つおきの歯に引き付けられることを示し得る。ステータ16の巻線と軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28のさまざまな組み合わせに通電することにより、ハイブリッドステッピングモータ12を介して追加のステップ構成を生成することができる。
【0030】
上述のように、軸方向コイルアセンブリ24のステータ16および二次巻線28の巻線を利用して、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28を選択的に通電することにより、トルク198、速度、漸進的回転および他の要因を修正することができる。
【0031】
装置のさまざまな態様によれば、本明細書で説明されるハイブリッドステッピングモータ12は、さまざまな装置内で利用することができる。このような装置には、車両および器具のセレクターダイヤル150、ロボットアプリケーション、ディスクドライブ、電動玩具、エンコーダー、および正確な位置決め、高速、可変トルク要件を必要とする他の同様のモータアプリケーションが含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
図1~15を参照し、バイポーラハイブリッドステッピングモータ12のさまざまな態様を説明したが、軸方向コイルアセンブリ24の一態様を組み込んだバイポーラハイブリッドステッピングモータ12を動作させる方法400が開示されている。方法400によれば、ステップ402は、ステータ16の巻線に通電することを含み、電気モータ10のロータ14は、ステータ16に対して選択的かつ回転的に動作するように構成される。方法400によれば、ステップ404は、軸方向コイルアセンブリ24(
図8に示す)を介してロータ14の第1の磁気コンポーネント190を生成することを含む。上述のように、第1の磁気コンポーネント190は、軸方向コイルアセンブリ24のみによって生成することができる。そのような実施形態では、軸方向コイルアセンブリ24への第2の電流22の供給は、二次巻線28を通電するのに役立つ。二次巻線28は磁束52をロータ14に送り、ロータ14のロータ磁場44を生成する。また、ロータ14の第1の磁気コンポーネント190は、ロータ14内、典型的にはロータ14の外周90によって画定される個々のロータ歯64内に配置される磁気部材60のみによって製造できることも考えられる。この態様では、第1の磁気コンポーネント190は、軸方向コイルアセンブリ24に供給されない二次電流30によって規定され得る。言い換えれば、第1の磁気コンポーネント190は、二次電流22がないアイドル状態のままの軸方向コイルアセンブリ24を示し、第1の磁気コンポーネント190は、ロータ14の磁気部材60のみによって生成される。第1の磁気コンポーネント190が生成された後、ステータ16の一次巻線20に通電することにより生成される第1の起電力192を使用してロータ14が作動する(ステップ406)。ステータ16の一次巻線20に通電することにより、ステータ16により生成される磁場40は、第1の磁気コンポーネント190と相互作用して、第1の起電力を生成する。この第1の起電力は、典型的には回転パターンでロータ14を作動させるのに役立つ。ロータ14の動作は、ステータ16に対するロータ14の回転を防止または減速させる停止力132を示すことができる。方法400によれば、ステップ408は、二次電流30を軸方向コイルアセンブリ24に修正することを含むことができる。上述のように、軸方向コイルアセンブリ24に供給される二次電流30は、ロータ14に供給される磁束52を修正し、また、ロータ14によって生成されるロータ磁場44を修正する働きをすることができる。再び、電流22を修正することは、軸方向コイルアセンブリ24の修正された電流22を介してロータ14の第2の磁気コンポーネント194(
図9に示す)を生成するのに役立つ(ステップ410)。再び、二次電流30が修正される場合、第1の磁気コンポーネント190は通常、第2の磁気コンポーネント194とは異なる。第1および第2の磁気コンポーネント190、194間のこの変化は、典型的には、ステータ16に対して動作するロータ14によって生成され得るトルク198の量の修正をもたらす第2の起電力196を生成する。方法400によれば、ステップ412は、ステータ16の通電一次巻線20によって生成される第2の起電力196と、軸方向コイルアセンブリ24に供給される修正された二次電流30を介して生成されるロータ14の第2の磁気コンポーネント194とを使用してロータ14を動作させることを含む。
【0033】
図1~15に例示されるように、適切な電流22および/または二次電流30を一次巻線20および二次巻線28にそれぞれ供給するために、1つまたは複数のコントローラ210を利用することができる。さらに、1つまたは複数のコントローラ210は、ステータ16に対するロータ14の回転位置134を監視する役割を果たす位置決めセンサ136と通信するように配置することができる。コントローラ210を利用して、電流22、二次電流30、および位置決めセンサを利用して、ハイブリッドステッピングモータ12を作動させることができる。このようにして、コントローラ210は、電流22および二次電流30を調整するために利用され、速度、トルク198、ステップサイズ、さまざまな触覚コンポーネント152、およびロータ14およびステータ16の間に生成することができる他の同様の変化を生成することができる。加えて、コントローラ210は、ハイブリッドステッピングモータ12の出力成分の1つを変化させるために、電流22および/または二次電流30の変化または変調を実施する必要がある場合、監視するために位置決めセンサと通信するように配置される。
【0034】
装置のさまざまな態様によれば、軸方向コイルアセンブリ24を規定する二次巻線28の数は、モータの特定の設計に応じて変化し得る。
図2に例示されるように、8つのポスト110が含まれ、二次巻線28は、軸方向コイルアセンブリ24のさまざまなポスト110の周りに巻き付けられる。より多くのまたはより少ない数のポスト110を軸方向コイルアセンブリ24内に含めることができると考えられる。また、軸方向コイルアセンブリ24内に含まれるポスト110の数は、ステータ16内に含まれる極170の数と一致しても一致しなくてもよい。通常、軸方向コイルアセンブリ24内に含まれるポスト110の数は、ステータ16の極170の数とは異なる。軸方向コイルアセンブリ24とステータ16の極170の構成のこの違いは、ステータ16に対してロータ14を作動させる起電力32を生成するのに役立つ。
【0035】
図2~3に例示されるように、軸方向コイルアセンブリ24のポスト110の位置決めは、典型的には、ポスト110とロータ14の端部26との間に最小限の空間220が存在するようになっている。この近接配置は、軸方向コイルアセンブリ24から、電気モータ10を作動させるためのロータ14の磁気コンポーネント42の生成を支援するロータ14への磁束52を最大化するのに役立つ。
【0036】
図4および5に例示されるように、本明細書に開示されるバイポーラハイブリッドステッピングモータ12の構成は、各ロータカップ230の外周90内に画定される交互のロータ歯64を画定する別個のロータカップ230を含むことができる。これらのロータカップ230は、一端26のロータカップ230がロータ14の負極102を生成し、他端26のロータカップ230が正極104を生成するように、両端26に分離することができる。装置のさまざまな態様によれば、特定の構成では、軸方向コイルアセンブリ24の使用は、ロータ14に関して異なる効果を生み出すことができる。そのような効果の1つは、軸方向コイルアセンブリ24の二次コイルのそれぞれの極性の変化であり得る。二次巻線28のそれぞれの極性を変更することにより、ロータ14の正および負極104、102を、軸方向コイルアセンブリ24の二次巻線28に供給される二次電流30の方向に応じて前後に交互に切り替えることができるように、ロータ14の極性を切り替えることができる。
【0037】
したがって、本発明の概念から逸脱することなく、前述の構造に対して変更および修正を行うことができることを理解されたい。さらに、そのような概念は、言語によるこれらの請求項が明示的に別段の記載をしない限り、以下の請求項によってカバーされることを意図していることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次電流によって通電される一次巻線を有するステータと、
前記ステータに対して回転動作可能なロータであって、前記ロータが動作する内部空間を確定するよう前記ロータの周囲に前記ステータが延在している、前記ロータと、
前記ロータの両端に近接して位置し、前記ロータの駆動シャフトと前記ロータの外縁との間に配置され、二次電流によって選択的に通電される二次巻線を有し、前記ステータに対して軸方向位置が固定されている、軸方向コイルアセンブリと、を含み、
少なくとも前記二次巻線が通電されるとき、前記ロータは前記ステータと電磁連通し、 一次巻線と前記二次巻線が通電されるとき、前記ロータは、前記ステータに対して前記ロータを回転動作させる起電力を介して前記ステータと電磁連通し、
前記一次および二次巻線への通電が、前記ステータに対して前記ロータを選択的に固定する起電停止力を画定する、電気モータアセンブリ。
【請求項2】
前記一次巻線は、交流電流によって選択的に通電される、請求項1に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項3】
前記二次巻線は、直流電流によって選択的に通電される、請求項1に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項4】
前記ステータおよび前記ロータは、バイポーラハイブリッドステッピングモータを画定する、請求項1~3のいずれか1項または複数項に記載の電気モータアセンブリ。
【請求項5】
一次巻線を有するステータであって、前記ステータおよび前記一次巻線はハウジング内に配置される、ステータと、
磁気コンポーネントを有するロータであって、前記ロータは、前記ステータに対して回転動作可能である、ロータと、
前記ハウジング内に配置され、前記ロータの両端に近接して位置し、二次巻線を有する軸方向コイルアセンブリであって、前記ロータの前記磁気コンポーネントの少なくとも一部は、通電状態の前記軸方向コイルアセンブリによって生成され、前記通電状態は、前記ロータと前記ステータの間に電磁連通を生成する、軸方向コイルアセンブリとを含む、バイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項6】
前記一次巻線および前記二次巻線が通電されると、前記ロータは、前記ステータに対して前記ロータを選択的に作動させる起電力を介して前記ステータと電磁連通する、請求項5に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項7】
前記ロータの前記磁気コンポーネントは、前記ロータ内に配置される磁気部材によって部分的に画定される、請求項5に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項8】
前記軸方向コイルアセンブリがアイドル状態にあるとき、前記磁気部材は、前記ロータの全体の磁気コンポーネントを生成する、請求項7に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項9】
前記軸方向コイルアセンブリが電気的アイドル状態にあるとき、前記ロータおよび前記ステータは電磁連通がない、請求項6に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項10】
前記軸方向コイルアセンブリは、前記ロータの第1端部に配置された第1セットのポストと、前記ロータの第2端部に配置された第2セットのポストとを含み、前記軸方向コイルアセンブリは、軸方向の位置が前記ハウジング内に固定される、請求項5に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項11】
前記通電状態の前記二次巻線が磁束を前記ロータ内に向け、前記磁束が前記ロータの前記磁気コンポーネントを少なくとも部分的に画定する、請求項5に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項12】
前記ロータは、前記ステータおよび前記一次巻線によって画定される内部空洞内で回転動作する内側ロータである、請求項5に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項13】
前記一次巻線が交流電流によって選択的に通電され、前記二次巻線が直流電流によって選択的に通電される、請求項5~12のいずれか1項に記載のバイポーラハイブリッドステッピングモータ。
【請求項14】
ステータの巻線に通電することであって、ロータが前記ステータに対して回転動作するように通電することと、
軸方向コイルアセンブリを介して前記ロータの第1の磁気コンポーネントを生成することと、
前記ステータの前記通電された巻線と前記ロータの前記第1の磁気コンポーネントによって生成される第1の起電力を使用して前記ロータを動作させることと、
前記軸方向コイルアセンブリに対する電流を修正することと、
前記軸方向コイルアセンブリの前記修正された電流を介して前記ロータの第2の磁気コンポーネントを生成することとであって、前記第1の磁気コンポーネントは前記第2の磁気コンポーネントとは異なるように生成することと、
前記ステータの前記通電された巻線と前記ロータの前記第2の磁気コンポーネントによって生成される第2の起電力を使用して前記ロータを動作させることとを含む、バイポーラハイブリッドステッピングモータの動作方法。
【請求項15】
前記第1の磁気コンポーネントは、電気的にアイドル状態にある前記ロータおよび前記軸方向コイルアセンブリの磁気部材によって画定される、請求項14に記載の方法。