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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084788
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】内視鏡用処置具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240618BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20240618BHJP
   A61B 17/29 20060101ALN20240618BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B17/94
A61B17/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059253
(22)【出願日】2024-04-01
(62)【分割の表示】P 2023016847の分割
【原出願日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】63/308,535
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】塩田 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】宮島 千賀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕昌
(72)【発明者】
【氏名】小木曽 淳一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】須賀 靖仁
(72)【発明者】
【氏名】船越 靖生
(72)【発明者】
【氏名】川西 裕生
(57)【要約】
【課題】剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい内視鏡用処置具を提供する。
【解決手段】内視鏡用処置具は、先端から流体を吐出可能な開口を有する管路を有し、前記開口から吐出した前記流体を粘膜に吹き付けることにより前記粘膜を挙上することができる。
【選択図】図21


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端から流体を吐出可能な開口を有する管路を有し、
前記開口から吐出した前記流体を粘膜に吹き付けることにより前記粘膜を挙上することができる、
内視鏡用処置具。
【請求項2】
前記管路は、チューブと、前記チューブの先端に設けられた先端チップとに形成されており、
前記先端チップには、前記先端チップの長手軸に沿って貫通する第一貫通孔と、少なくとも1以上の第二貫通孔と、が設けられ、
前記第二貫通孔の先端は、前記先端チップの先端面に形成された前記開口に連通しており、
前記第二貫通孔の基端は、前記チューブの内部空間と連通しており、
前記管路は、前記チューブの内部空間と前記第二貫通孔とを含む、
請求項1に記載の内視鏡用処置具。
【請求項3】
前記第一貫通孔に挿通されたロッドを有し、
前記ロッドの先端は、前記第一貫通孔から突没自在である、
請求項2に記載の内視鏡用処置具。
【請求項4】
前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とは連通している、
請求項2または請求項3に記載の内視鏡用処置具。
【請求項5】
前記第二貫通孔は、前記ロッドよりも径方向外方に向かって延びており、
前記第二貫通孔の先端部は、前記長手軸に対して交差する方向に延びている、
請求項3に記載の内視鏡用処置具。
【請求項6】
前記第二貫通孔の先端部は、前記長手軸に対して交差する方向に延びており、
前記第二貫通孔の先端が連通する前記開口は、前記ロッドよりも径方向外方に向かって開口している、
請求項3に記載の内視鏡用処置具。
【請求項7】
前記先端チップには、前記第二貫通孔が複数設けられており、
複数の前記第二貫通孔は、前記先端チップの周方向に均等に配置されている、
請求項5または請求項6に記載の内視鏡用処置具。
【請求項8】
前記第二貫通孔は、前記第一貫通孔に対して径方向外方に離間した位置に配置されている、
請求項5または請求項6に記載の内視鏡用処置具。
【請求項9】
前記先端チップには、前記第二貫通孔が複数設けられており、
複数の前記第二貫通孔は、前記先端チップの周方向に均等に配置されている、
請求項8に記載の内視鏡用処置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2022年02月10日に出願された米国仮出願第63/308,535号の利益を主張し、その全文が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本発明は、内視鏡用処置具に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡治療において、特許文献1などに示すように、高周波ナイフなどの切開・剥離用の内視鏡用処置具や止血用の内視鏡用処置具等が使用されている。ESDでは、術者は消化管の管腔内に生じた病変部に局注して病変部とその周辺の生体組織を膨隆させた後、切開・剥離用の内視鏡用処置具で切開剥離処置を行う。術者は、内視鏡用処置具により病変部の周辺の生体組織を切開する。術者は、切開した生体組織をめくり上げて、切開した病変部を少しずつ剥離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-111308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ESDにおける切開剥離処置では、内視鏡用処置具の処置部(エンドエフェクタ)を切開した生体組織の下方に潜り込ませて、内視鏡用処置具の処置部により生体組織をめくり上げた状態で処置をする必要がある。このとき、内視鏡用処置具の処置部が切開した生体組織により遮蔽されやすい。そのため、術者は、内視鏡用処置具の処置部を視認しづらく、剥離処置や止血処置などの処置に時間がかかる場合があった。
【0006】
上記事情を踏まえ、本発明は、剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る内視鏡用処置具は、内視鏡用処置具は、先端から流体を吐出可能な開口を有する管路を有し、前記開口から吐出した前記流体を粘膜に吹き付けることにより前記粘膜を挙上することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内視鏡用処置具は、剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態に係る内視鏡処置システムの全体図である。
図2】同内視鏡処置システムの処置具を示す全体図である。
図3】同処置具の先端部の斜視図である。
図4】ロッドが突出した同処置具の先端部の断面図である。
図5】支持部が突出した同処置具の先端部の断面図である。
図6】同ロッドおよび同支持部が突出した同処置具の先端部の断面図である。
図7】同内視鏡処置システムによる切開ステップを示す図である。
図8】同内視鏡処置システムによる剥離ステップを示す図である。
図9】同処置具の鉗子の変形例を示す斜視図である。
図10】同変形例を示す斜視図である。
図11】同変形例を示す斜視図である。
図12】同鉗子の先端部の変形例を示す図である。
図13】同鉗子の先端部の他の変形例を示す図である。
図14】同鉗子の他の変形例を示す斜視図である。
図15】同変形例を示す斜視図である。
図16】同鉗子の他の変形例を示す斜視図である。
図17】同変形例を用いた剥離ステップを示す図である。
図18】同処置具の操作部の変形例を示す図である。
図19】同変形例を示す図である。
図20】第二実施形態に係る内視鏡処置システムの処置具を示す全体図である。
図21】同処置具の先端部の斜視図である。
図22】同処置具の先端部の正面図である。
図23】ロッドが収容された同処置具の先端部の断面図である。
図24】ロッドが突出した同処置具の先端部の断面図である。
図25】別の態様である同処置具の先端部の正面図である。
図26】別の態様である同処置具の先端部の正面図である。
図27】別の態様である同処置具の先端部の正面図である。
図28】別の態様である同処置具の先端部の正面図である。
図29】別の態様である同処置具の先端部の正面図である。
図30】同内視鏡処置システムによる剥離ステップを示す図である。
図31】同剥離ステップを示す図である。
図32】同剥離ステップを示す図である。
図33】同剥離ステップを示す図である。
図34】同内視鏡処置システムによる止血ステップを示す図である。
図35】同止血ステップを示す図である。
図36】同止血ステップを示す図である。
図37】同止血ステップを示す図である。
図38】同処置具の先端チップの変形例の断面図である。
図39】同変形例を用いた剥離ステップを示す図である。
図40】同変形例を用いた止血ステップを示す図である。
図41】第三実施形態に係る内視鏡処置システムの処置具を示す全体図である。
図42】同処置具の先端部の斜視図である。
図43】同処置具の先端部の側面図である。
図44】同処置具の先端部の断面図である。
図45】同処置具の先端部の断面図である。
図46】同内視鏡処置システムによる局注ステップを示す図である。
図47】同局注ステップを示す図である。
図48】同局注ステップを示す図である。
図49】第四実施形態に係る内視鏡処置システムの処置具の先端部の斜視図である。
図50】同処置具の先端部の断面図である。
図51】同内視鏡処置システムによる局注ステップを示す図である。
図52】同局注ステップを示す図である。
図53】同局注ステップを示す図である。
図54】第五実施形態に係る内視鏡処置システムの処置具の先端部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係る内視鏡処置システム300について、図1から図8を参照して説明する。図1は本実施形態に係る内視鏡処置システム300の全体図である。
【0011】
[内視鏡処置システム300]
内視鏡処置システム300は、図1に示すように、内視鏡200と処置具100とを備える。処置具100は、内視鏡200に挿入して使用される。
【0012】
[内視鏡200]
内視鏡200は、公知の軟性内視鏡であり、先端から体内に挿入される挿入部202と、挿入部202の基端に取り付けられた操作部207と、を備える。
【0013】
挿入部202は、撮像部203と、湾曲部204と、軟性部205と、を有する。挿入部202の先端から、撮像部203、湾曲部204および軟性部205の順でそれぞれが配されている。挿入部202の内部には、処置具100を挿入するためのチャンネル206が設けられている。挿入部202の先端には、チャンネル206の先端開口部206aが設けられている。
【0014】
撮像部203は、例えばCCDやCMOSなどの撮像素子を備えており、処置対象となる部位を撮像可能である。撮像部203は、処置具100がチャンネル206の先端開口部206aから突出している状態において、処置具100のロッド2を撮像することができる。
【0015】
湾曲部204は、操作者による操作部207の操作に従って湾曲する。軟性部205は、可撓性を有する管状の部位である。
【0016】
操作部207は、軟性部205に接続されている。操作部207は、グリップ208と、入力部209と、チャンネル206の基端開口部(鉗子口)206bと、ユニバーサルコード210と、を有する。グリップ208は、操作者によって把持される部位である。入力部209は、湾曲部204を湾曲動作させるための操作入力を受け付ける。基端開口部(鉗子口)206bには体液の漏れを防ぐために鉗子栓225が取り付けられる。ユニバーサルコード210は、撮像部203が撮像した画像を外部に出力する。ユニバーサルコード210は、プロセッサなどを備えた画像処理装置を経由して、液晶ディスプレイなどの表示装置に接続される。
【0017】
[処置具100]
図2は、処置具100を示す全体図である。
処置具(内視鏡用処置具)100は、シース1と、ロッド2と、支持部3と、操作ワイヤ4と、操作部5と、を備える。操作ワイヤ4は、第一操作ワイヤ41と、第二操作ワイヤ42と、を有する。以降の説明において、処置具100の長手方向Aにおいて、患者の体内に挿入される側を「先端側(遠位側)A1」、操作部5側を「基端側(近位側)A2」という。
【0018】
シース1は、可撓性および絶縁性を有し、先端1aから基端1bまで延びる長尺な樹脂製の部材である。シース1は、内部空間(管路、ルーメン)19を有する。シース1は、内視鏡200のチャンネル206に挿入可能な外径を有し、チャンネル206を進退可能である。図1に示すように、シース1がチャンネル206に挿入された状態において、シース1の先端1aは、チャンネル206の先端開口部206aから突没可能である。
【0019】
図3は、処置具100の先端部の斜視図である。
シース1は、アウターシース(チューブ)16と、アウターシース16を進退可能に挿通するインナーシース17と、を有する。アウターシース16の先端には、長手方向Aに開口する先端開口12が設けられている。ロッド2および支持部3は、先端開口12から突没自在である。
【0020】
ロッド(電極、ナイフ)2は、金属製の略丸棒状の部材である。ロッド2は、例えばステンレスなどの素材により形成されている。ロッド2は、導電性を有し、高周波電流が通電される。ロッド2は、シース1の先端側A1に設けられている。ロッド2は、ロッド本体20と、フランジ21と、を有する。
【0021】
図4は、ロッド2が突出した処置具100の先端部の断面図である。
ロッド2は、先端開口12から先端側A1に突没自在である。ロッド2の長手方向Aにおける中心軸O2は、シース1の長手方向Aにおける中心軸O1と略一致している。
【0022】
ロッド本体20は、金属製の丸棒状の部材である。ロッド本体20の基端には第一操作ワイヤ41が取り付けられている。ロッド本体20には、操作部5と接続された第一操作ワイヤ41から高周波電流が供給される。第一操作ワイヤ41からロッド2に高周波電流が供給されると、ロッド本体20およびフランジ21は、高周波電流を生体組織へ出力するモノポーラ電極として機能する。
【0023】
フランジ(先端拡径部)21は、ロッド本体20の先端に設けられた円板状の導電部材である。長手方向Aに沿った方向から見た正面視において、フランジ21の外周は、ロッド本体20の外周と同心円状に形成されている。フランジ21の長手方向Aに対して垂直な径方向Rの長さは、ロッド本体20の径方向Rの長さよりも長い。
【0024】
図5は、支持部3が突出した処置具100の先端部の断面図である。
支持部3は、粘膜などの生体組織を支持可能な部材である。支持部3は、樹脂等の絶縁部材で形成されている。支持部3がロッド2に接触したとしても、支持部3には高周波電流が流れない。支持部3は、先端開口12から先端側A1に突出可能である。支持部3は、連結部(基端部)30と、鉗子(支持部材)31と、を有する。連結部30は、円環状に形成されており、インナーシース17の先端に取り付けられている。
【0025】
鉗子(支持部材)31は、第一鉗子(第一支持部材)311と第二鉗子(第二支持部材)312と第三鉗子(第三支持部材)313と、を有する。3個の鉗子31は、連結部30の先端側A1に取り付けられている。3個の鉗子31は、ロッド2よりも径方向Rにおける外側に配置されている。3個の鉗子31は、長手方向Aに対する周方向Cに沿って均等に配置されている。なお、鉗子31の個数や配置はこれに限定されない。鉗子(支持部材)31は、1個の鉗子31のみを有してもよく、2個の鉗子31のみを有してもよい。
【0026】
鉗子31は、先端部32と、棒状部33と、を有する。先端部32は、略球状に形成されており、生体組織を傷つけにくい。棒状部33は、先端側(遠位側)A1が径方向Rにおける外側に向かって湾曲している。そのため、3個の鉗子31は、図5に示すように、シース1の先端開口12から突出したとき、先端側(遠位側)A1に向かって拡大(拡径)する。
【0027】
図6は、ロッド2および支持部3が突出した処置具100の先端部の断面図である。
ロッド2と支持部3とは独立して動作可能である。ロッド2は、第一鉗子311と第二鉗子312と第三鉗子313との間を長手方向Aに沿って進退可能である。
【0028】
アウターシース(チューブ)16の先端開口12からの支持部3の最大突出量は、先端開口12からのロッド2の最大突出量より小さくてもよい。この場合、術者は、支持部3をアウターシース16に収容せずとも、ロッド2のフランジ21を容易に視認できる。
【0029】
アウターシース(チューブ)16の先端開口12からの支持部3の最大突出量は、先端開口12からのロッド2の最大突出量より大きくてもよい。この場合、ロッド2のフランジ21の先端側A1まで支持部3を突出させることで、ロッド2による生体組織に対する意図しない接触を防ぐことができる。
【0030】
操作ワイヤ4は、シース1の内部空間(管路、ルーメン)19を挿通する金属製のワイヤである。操作ワイヤ4は、例えばステンレスなどの素材により形成されている。操作ワイヤ4は、第一操作ワイヤ41と、第二操作ワイヤ42と、を有する。
【0031】
第一操作ワイヤ41は、ロッド2を操作するワイヤである。第一操作ワイヤ41の先端はロッド2に接続され、第一操作ワイヤ41の基端は操作部5のスライダ52に接続されている。
【0032】
第二操作ワイヤ42は、支持部3を操作するワイヤである。第二操作ワイヤ42の先端はインナーシース17に接続され、第二操作ワイヤ42の基端は操作部5のレバー55に接続されている。なお、第二操作ワイヤ42の先端は、インナーシース17を経由せず、支持部3の連結部30に直接接続されていてもよい。この場合、インナーシース17は不要である。
【0033】
操作部5は、図1および図2に示すように、操作部本体51と、スライダ52と、給電コネクタ53と、流体供給口54と、レバー55(第二スライダ)と、を有する。
【0034】
操作部本体51の先端部は、シース1の基端1bと接続されている。操作部本体51は、操作ワイヤ4が挿通可能な内部空間を有している。操作ワイヤ4は、チューブ10の内部空間19および操作部本体51の内部空間を通過してスライダ52まで延びている。
【0035】
スライダ52は、操作部本体51に対して長手方向Aに沿って移動可能に取り付けられている。スライダ52には、第一操作ワイヤ41の基端部が取り付けられている。術者がスライダ52を操作部本体51に対して相対的に進退させることにより、第一操作ワイヤ41およびロッド2が進退する。
【0036】
給電コネクタ53は、スライダ52に固定されている。給電コネクタ53は、図示しない高周波電源装置に接続可能であり、導電ワイヤを経由して第一操作ワイヤ41の基端部と接続されている。給電コネクタ53は、高周波電源装置から供給された高周波電流を、第一操作ワイヤ41を経由してロッド2に供給可能である。
【0037】
流体供給口54は、スライダ52に設けられている。流体供給口54は、シース1の内部空間(管路、ルーメン)19に連結されている。流体供給口54から供給した流体は、シース1の内部空間(管路、ルーメン)19を通過して先端開口12から放出される。
【0038】
レバー55(第二スライダ)は、スライダ52に対して長手方向Aに沿って移動可能に取り付けられている。レバー55には、第二操作ワイヤ42の基端部が取り付けられている。術者がレバー55をスライダ52に対して相対的に進退させることにより、第二操作ワイヤ42、インナーシース17および支持部3が、第一操作ワイヤ41ロッド2に対して相対的に進退する。
【0039】
[内視鏡処置システム300の使用方法]
次に、本実施形態の内視鏡処置システム300を用いた手技(内視鏡処置システム300の使用方法)について説明する。具体的には、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡治療(内視鏡処置)における病変部の切開・剥離処置について説明する。
【0040】
準備作業として、術者は、公知の方法により病変部を特定する。具体的には、術者は内視鏡200の挿入部202を消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、大腸)内に挿入し、内視鏡の撮像部203で得られる画像を観察しながら病変部を特定する。術者は、必要に応じて、切開対象となる病変部LEの粘膜下層SMに薬液(例えば、生理食塩水)を局所注射する。
【0041】
<挿入ステップ>
術者は処置具100をチャンネル206に挿入し、挿入部202の先端開口部206aからシース1の先端1aを突出させる。術者は、操作部5のスライダ52を操作部本体51に対して相対的に前進させ、ロッド2を先端開口12から突出させる。
【0042】
<切開ステップ>
図7は、切開ステップを示す図である。
術者は、ロッド2を前進させ、ロッド2に高周波電流を通電させた状態でフランジ21を病変部LEの周辺の粘膜MMに押し付けて、病変部LEの周辺の粘膜MMにマーキングMAを付ける。術者は、ロッド2に高周波電流を通電させた状態でロッド2を移動させて病変部LEの周辺の粘膜MMを切開する。
【0043】
<剥離ステップ>
図8は、剥離ステップを示す図である。
術者は、ロッド2および鉗子31を前進させ、高周波電流を通電させた状態で、切開したフラップ状の粘膜MMを持ち上げて、病変部の粘膜下層SMを焼灼しながら剥離する。術者は、鉗子31により切開したフラップ状の粘膜MMをめくり上げて粘膜下層SMを露出させた状態で病変部の粘膜下層SMをロッド2により剥離することができ、容易かつ短時間で剥離ステップを実施できる。
【0044】
術者は、必要に応じて上述の動作(処置)を継続し、最終的に病変部を切除し、ESDの手技を終了する。
【0045】
本実施形態に係る内視鏡処置システム300によれば、剥離処置などの処置を実施しやすい。
【0046】
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0047】
(変形例1-1)
上記実施形態において、3個の鉗子31は連動して動作する。しかしながら、鉗子31の態様や動作はこれに限定されない。図9から図11は、鉗子31の変形例である鉗子31Aを示す斜視図である。鉗子(支持部材)31Aは、第一鉗子(第一支持部材)311Aと第二鉗子(第二支持部材)312Aと第三鉗子(第三支持部材)313Aと、を有する。3個の鉗子31Aは、異なる操作ワイヤに接続されており、独立して動作可能である。術者は、剥離ステップにおいて、切開したフラップ状の粘膜MMの状態に応じて必要な鉗子31Aのみを突出させて、フラップ状の粘膜MMを好適にめくり上げることができる。
【0048】
(変形例1-2)
上記実施形態において、鉗子31の先端部32は略球状に形成されている。しかしながら、鉗子31の態様はこれに限定されない。図12は、先端部32の変形例である先端部32Aを示す斜視図である。先端部32Aの表面はゴムで形成されており、先端部32Aは滑り止めとして機能する。図13は、先端部32の変形例である先端部32Bを示す斜視図である。先端部32Bの表面はブラシ状に形成されており、先端部32Bは滑り止めとして機能する。
【0049】
(変形例1-3)
上記実施形態において、鉗子31はシース1に完全に収容可能である。しかしながら、鉗子31の態様はこれに限定されない。図14および図15は、鉗子(支持部材)31の変形例である支持部材31Cを示す斜視図である。支持部材31Cは、ワイヤ31wと滑り止めチューブ31tとを有する。ワイヤ31wは、シース1の先端面14において先端開口12とは別の箇所に形成された貫通孔15を挿通しており、端部31aがシース1の先端面14に固定されている。滑り止めチューブ31tは、ワイヤ31wの先端部であってワイヤ31wの外周面に取り付けられている。図15に示すように、ワイヤ31wを先端側A1に移動させることで、ワイヤ31wの先端部がループ状になる。術者は、ループ状となったワイヤ31wと滑り止めチューブ31tとを用いて、フラップ状の粘膜MMをめくり上げることができる。シース1の先端面14において貫通孔15が設けられた部分はテーパ状に形成されていてもよい。この場合、貫通孔15は、先端開口12よりも基端側A2に設けられる。また、ワイヤ31wは、1つのワイヤに限らず、複数のワイヤから構成されても良い。また、支持部材31Cは、1つの支持部材に限らず、複数から構成されても良い。
【0050】
(変形例1-4)
上記実施形態において、鉗子31はシース1から突没自在である。しかしながら、鉗子31の態様はこれに限定されない。図16は、鉗子31の変形例である鉗子31Dを示す斜視図である。鉗子31Dは、金属や樹脂により成形され、U字状に形成されている。鉗子31Dはシース1の先端1aに固定されており、シース1に対して移動できない。アウターシース(チューブ)16の先端開口12からの鉗子31Dの突出量は、先端開口12からのロッド2の最大突出量より大きい。図17は、鉗子31Dを用いた剥離ステップを示す図である。術者は、鉗子31Dにより切開したフラップ状の粘膜MMをめくり上げて粘膜下層SMを露出させた状態で病変部の粘膜下層SMをロッド2により剥離することができる。なお、鉗子31Dは、シース1の先端1aに着脱自在であってもよい。また、鉗子31Dは、ロッド2の径方向外方に傾斜して延びていても良い。その場合、鉗子31Dの先端は、シース1の外径よりも僅かに径方向外側に位置する。
【0051】
(変形例1-5)
上記実施形態において、術者がスライダ52を操作部本体51に対して相対的に進退させることにより、ロッド2が進退する。しかしながら、操作部5のスライダ52の態様はこれに限定されない。図18および図19は、操作部5の変形例である操作部5Aを示す図である。操作部5Aは、スライダ52Aと、ガイドチューブ56と、を有する。スライダ52Aは、円筒状に形成されており、術者の左手Lの薬指F3と小指F4とで掴みやすい。スライダ52Aは、第一操作ワイヤ41に直接取り付けられており、操作部207を持つ術者の左手Lの薬指F3と小指F4とで掴みやすい位置に配置されている。ガイドチューブ56は、第一操作ワイヤ41が挿通した状態で、基端開口部(鉗子口)206bに取り付けられる。ガイドチューブ56は、第一操作ワイヤ41の座屈を防止する。術者は、左手Lで操作部207を操作しながら、スライダ52Aを進退させることで、右手を使うことなくロッド2を進退させることができる。
【0052】
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態に係る内視鏡処置システム300Bについて、図20から図30を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
内視鏡処置システム300Bは、内視鏡200と処置具100Bとを備える。処置具100Bは、内視鏡200に挿入して使用される。
【0054】
図20は、処置具100Bを示す全体図である。
処置具(内視鏡用処置具、高周波処置具)100Bは、シース1Bと、ロッド2と、操作ワイヤ4Bと、操作部5Bと、を備える。
【0055】
図21は、処置具100Bの先端部の斜視図である。
シース1Bは、先端1aから基端1bまで延びる長尺な管状部材である。シース1Bは、内部空間(管路、ルーメン)19を有する。シース1Bは、内視鏡200のチャンネル206に挿入可能な外径を有し、チャンネル206を進退可能である。シース1Bは、長手方向Aに延びるチューブ10と、チューブ10の先端に設けられた先端チップ11と、を有する。
【0056】
図22は、処置具100Bの先端部の正面図である。
先端チップ11は、略円筒状に形成されている。先端チップ11には、第一貫通孔12および第二貫通孔13が形成されている。第一貫通孔(先端開口)12は、先端チップ11に設けられ、長手方向Aに先端チップ11を貫通する孔である。ロッド2は、第一貫通孔12を挿通する。第二貫通孔13は、先端チップ11に設けられ、長手方向Aに先端チップ11を貫通する孔である。本実施形態において、第一貫通孔12と第二貫通孔13とは連通している。
【0057】
第二貫通孔13の先端は、先端チップ11の先端面14に形成された開口13aに連通する。第二貫通孔13の先端に形成された開口13aは、長手方向Aに向かって開口している。第二貫通孔13の基端は、チューブ10の内部空間と連通する。チューブ10の内部空間と第二貫通孔13は、流体を供給する管路19を形成する。流体供給口54に供給された流体は、管路19を経由して第二貫通孔13の先端側A1の開口13aから吐出する。
【0058】
図23は、ロッド2が収容された処置具100Bの先端部の断面図である。
先端チップ11の第一貫通孔12には、ロッド2のフランジ21を収容可能なフランジ格納部12fが形成されている。ロッド2がシース1Bに収容されてフランジ21がフランジ格納部12fに収容されたときであっても、第二貫通孔13はチューブ10の内部空間と連通している。
【0059】
図24は、ロッド2が突出した処置具100Bの先端部の断面図である。
ロッド2は、長手方向Aに沿ってシース1Bの先端チップ11の第一貫通孔12を挿通しており、第一貫通孔12から先端側A1に突没自在である。ロッド2の長手方向Aにおける中心軸O2は、シース1Bの長手方向Aにおける中心軸O1と略一致している。
【0060】
図25および図26は、別の態様である処置具100Bの先端部の正面図である。
先端チップ11が有する第二貫通孔13は、1個に限定されない。先端チップ11は、図25に示すように3個の第二貫通孔13を有してもよく、図26に示すように4個の第二貫通孔13を有してもよい。図25および図26に示す第二貫通孔13は、周方向Cに沿って均等に配置されている。
【0061】
図27から図29は、別の態様である処置具100Bの先端部の正面図である。
第二貫通孔13は、第一貫通孔12と連通していなくてもよい。図27から図29に示す第二貫通孔13の変形例である第二貫通孔13Bは、第一貫通孔12と連通していない。図27から図29に示す第二貫通孔13Bは、第一貫通孔12に対して径方向R外側に離間して配置され、周方向Cに沿って均等に配置されている。
【0062】
操作ワイヤ4Bは、シース1Bの内部空間(管路、ルーメン)19を挿通する金属製のワイヤである。操作ワイヤ4Bは、例えばステンレスなどの素材により形成されている。操作ワイヤ4Bは、第一操作ワイヤ41を有する。
【0063】
操作部5Bは、図20に示すように、操作部本体51と、スライダ52と、給電コネクタ53と、流体供給口54と、を有する。
【0064】
[内視鏡処置システム300Bの使用方法]
次に、本実施形態の内視鏡処置システム300Bを用いた手技(内視鏡処置システム300Bの使用方法)について説明する。具体的には、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡治療における病変部の切開・剥離処置について説明する。
【0065】
準備作業として、術者は、公知の方法により病変部を特定する。具体的には、術者は内視鏡200の挿入部202を消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、大腸)内に挿入し、内視鏡の撮像部203で得られる画像を観察しながら病変部を特定する。術者は、必要に応じて、切開対象となる病変部LEの粘膜下層SMに薬液(例えば、生理食塩水)を局所注射する。
【0066】
<挿入ステップ>
術者は処置具100Bをチャンネル206に挿入し、挿入部202の先端開口部206aからシース1Bの先端1aを突出させる。術者は、操作部5Bのスライダ52を操作部本体51に対して相対的に前進させ、ロッド2を先端開口12から突出させる。
【0067】
<切開ステップ>
術者は、ロッド2を前進させ、ロッド2に高周波電流を通電させた状態でフランジ21を病変部LEの周辺の粘膜MMに押し付けて、病変部LEの周辺の粘膜MMにマーキングMAを付ける。術者は、ロッド2に高周波電流を通電させた状態でロッド2を移動させて病変部LEの周辺の粘膜MMを切開する。
【0068】
<剥離ステップ>
図30から図33は、剥離ステップを示す図である。
図30に示すように、術者は、流体供給口54に対して二酸化炭素などの気体を供給して、第二貫通孔13から消化管壁Wに対して気体を吹き付け、病変部LEに間接的に送気を行うことで粘膜MMを挙上する。
【0069】
図31に示すように、術者は、送気を継続的に行い、徐々に処置具100Bの先端を消化管壁Wに対して傾けると同時に病変部LEに近づけていき、粘膜MMをめくり上げる。
【0070】
図32に示すように、術者は、剥離面が十分視認できる状態を確保してロッド2を粘膜下層SMに接触させて病変部の粘膜下層SMをロッド2により剥離する。このとき、術者は、送気を継続して、粘膜下層SMに直接送気する。
【0071】
図33に示すように、術者は、粘膜下層SMを剥離する。術者は、粘膜MMがめくれ上がった状態または内視鏡200の先端が十分に潜り込める状態になったところで送気を終了する。術者は、鉗子31により切開したフラップ状の粘膜MMをめくり上げて粘膜下層SMを露出させた状態で病変部の粘膜下層SMをロッド2により剥離することができ、容易かつ短時間で剥離ステップを実施できる。
【0072】
<止血ステップ>
図34から図37は、止血ステップを示す図である。
図34に示すように、粘膜層に血管Vを有する病変部LEの切開または剥離時に、血管Vの傷害による出血が生じる。出血が生じた場合、術者は止血処置を行う。
【0073】
図35に示すように、出血により血液Bが溜まるので、出血点BPが視認できない。また、血液Bが溜まると、術者は内視鏡200により術場を視認しにくくなる。そのため、術場から血液Bをできるだけ排除することが望ましい。
【0074】
図36に示すように、術者は、送気により溜まった血液Bを吹き飛ばすことで出血点BPを特定する。術者は、出血点BPを特定した後も、送気を継続して出血点BPの視認を維持する。
【0075】
図37に示すように、術者は、出血点BPにロッド2を当てた状態で凝固通電を行い、出血点BPを止血する。
【0076】
術者は、常に送気して出血点BPを視認しながら止血処置を実施できる。また、送気による血液Bの排除は、強制対流により広範囲の血液Bを排除することができ、出血点BPを特定しやすい。また、電解質である血液Bが排除されるため、出血点BPを凝固させるとき、ロッド2により出血点BPに対して効果的に通電できる。
【0077】
術者は、必要に応じて上述の動作(処置)を継続し、最終的に病変部を切除し、ESDの手技を終了する。
【0078】
本実施形態に係る内視鏡処置システム300Bによれば、剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい。
【0079】
上述では、剥離ステップにおいて、病変部LEに間接的に送気を行うことで粘膜MMを挙上する場合を説明した。しかし、剥離ステップにおいて、術者は、流体供給口54に対して生理食塩水などの液体を供給して、第二貫通孔13から消化管壁Wに対して液体を吹き付け、病変部LEに間接的に送水を行なうことで粘膜MMを挙上してもよい。
また、上述では、止血ステップにおいて、送気により溜まった血液Bを吹き飛ばすことで出血点BPを特定する場合を説明した。しかし、止血ステップにおいて、術者は、送水により溜まった血液Bを吹き飛ばすことで出血点BPを特定してもよい。さらに、術者は、出血点BPを特定した後も、送水を継続して出血点BPの視認を維持してもよい。
【0080】
以上、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0081】
(変形例2-1)
図38は、先端チップ11の変形例である先端チップ11Bの断面図である。先端チップ11Bには、第二貫通孔13の変形例である第二貫通孔13Bが形成されている。第二貫通孔13Bの先端は、先端チップ11Bの先端面14に形成された開口13Baに連通する。第二貫通孔13Bの先端に形成された開口13Baは、ロッド2よりも径方向R外方に向かって開口している。第二貫通孔13Bの先端部13Bbは、長手方向Aに対して交差する方向D1に延びている。方向D1は、基端側A2から先端側A1に向かって中心軸O1から離間する方向である。
【0082】
図39は、剥離ステップを示す図である。先端チップ11Bの第二貫通孔13Bに供給された気体は、開口13Baから径方向R外方に広がるように消化管壁Wに対して送気される。送気される範囲が広いため、広範な病変部LEに対して好適に剥離ステップを実施できる。図40は、止血ステップを示す図である。送気面積が大きいため、より広い範囲に及ぶ出血溜まりがある場合であっても好適に血液Bを吹き飛ばすことができる。
また、先端チップ11Bの第二貫通孔13Bに生理食塩水等の液体を供給し、開口13Baから径方向R外方に広がるように消化管壁Wに対して送水を行ってもよい。
【0083】
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態に係る内視鏡処置システム300Cについて、図41から図48を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0084】
内視鏡処置システム300Cは、内視鏡200と処置具100Cとを備える。処置具100Cは、内視鏡200に挿入して使用される。
【0085】
図41は、処置具100Cを示す全体図である。
処置具(内視鏡用処置具)100Cは、シース1と、ロッド2Cと、鋭利部材(中空針)6Cと、操作ワイヤ4Cと、操作部5と、を備える。操作ワイヤ4Cは、第一操作ワイヤ41Cと、第二操作ワイヤ42Cと、を有する。
【0086】
図42は、処置具100Cの先端部の斜視図である。
シース1の先端1aには、長手方向Aに貫通する貫通孔12を有する先端チップ11が取り付けられている。貫通孔12には、ロッド2Cおよび鋭利部材6Cが挿入される。
【0087】
図43は、処置具100Cの先端部の側面図である。
ロッド2Cは、金属製の略丸棒状の部材であり、シース1の先端チップ11の貫通孔12から先端側A1に突没自在に設けられている。ロッド2Cは、例えばステンレスなどの素材により形成されている。ロッド2Cは、導電性を有し、高周波電流が通電される。ロッド2Cは、ロッド本体20Cと、フランジ21Cと、を有する。
【0088】
ロッド2Cは、長手方向Aに沿って管状の鋭利部材6Cを挿通しており、鋭利部材6Cに対して相対移動可能である。ロッド2Cの長手方向Aにおける中心軸O2は、シース1の長手方向Aにおける中心軸O1と略一致している。
【0089】
図44は、処置具100Cの先端部の断面図である。
ロッド本体20Cは、金属製の丸棒状の部材である。ロッド本体20Cの基端には第一操作ワイヤ41Cが取り付けられている。ロッド本体20Cは、操作部5と接続された第一操作ワイヤ41Cから供給される高周波電流をフランジ21Cに供給する。第一操作ワイヤ41Cからロッド2Cに高周波電流が供給されると、ロッド本体20Cおよびフランジ21Cは、高周波電流を生体組織へ出力するモノポーラ電極として機能する。
【0090】
フランジ21Cは、ロッド本体20Cの先端に設けられた円板状の導電部材である。長手方向Aに沿った方向から見た正面視において、フランジ21Cの外周は、ロッド本体20Cの外周と同心円状に形成されている。図43に示すように、フランジ21Cの長手方向Aに対して垂直な径方向Rの長さL1は、ロッド本体20Cの径方向Rの長さL2よりも長い。
【0091】
ロッド本体20Cおよびフランジ21Cは、長手方向Aに沿って延びる第一送水管路22を有する。第一送水管路22は、フランジ21Cに形成された先端開口22aに連通している。先端開口22aは先端側A1に開口している。
【0092】
鋭利部材(中空針)6Cは、樹脂材や金属材等により形成された管状部材である。鋭利部材6Cの内部空間6sには、ロッド2Cおよび第一操作ワイヤ41Cが進退可能に挿通している。鋭利部材6Cは、管状本体部61と、先端部62と、鋭利部63と、を有する。
【0093】
管状本体部61は、円筒部材であり、基端は第二操作ワイヤ42Cに接続されている。管状本体部61の先端には、先端部62が設けられている。
【0094】
先端部62は、管状本体部61の先端に設けられ、円筒部材を長手方向Aに沿って分割した半円筒形状に形成されている。すなわち、先端部62は、半円筒形状に形成されたスリット形成部62aを有する。フランジ21Cの一部は、管状本体部61の外周面および/または内周面よりも径方向R外方に突出しており、フランジ21Cは、スリット形成部62aの基端62bよりも遠位側A1の内周面に沿って摺動自在に構成されている。また、スリット形成部62aは、半円筒形状である必要はなく、例えば、管状本体部61の内径よりも小さい幅の溝が長手軸に沿って形成された構成であってもよい。この場合、フランジ21Cは、その溝に入る寸法のフランジ21Cに形成されるため、溝内を摺動可能である。
【0095】
鋭利部63は、先端部62の先端に設けられた先端側A1が鋭利な部材である。鋭利部63は、図42および図43に示すように、半円筒形状の先端側A1の縁63aが長手方向Aに対して傾斜した形状に形成されている。鋭利部63の先端63bは、先端側A1に向かって尖っている。
【0096】
図45は、処置具100Cの先端部の断面図である。
ロッド2Cおよび鋭利部材6Cは、後退することにより、シース1の先端チップ11の貫通孔12から基端側A2に収納可能である。
【0097】
操作ワイヤ4Cは、シース1の内部空間(管路、ルーメン)19を挿通する金属製のワイヤである。操作ワイヤ4Cは、第一操作ワイヤ41Cと、第二操作ワイヤ42Cと、を有する。
【0098】
第一操作ワイヤ41Cは、ロッド2Cを操作するワイヤである。第一操作ワイヤ41Cは、鋭利部材6Cの内部空間6sを挿通するシャフトであり、コイルシャフト44と、チューブ45と、を有する。第一操作ワイヤ41Cの先端はロッド2Cに接続され、第一操作ワイヤ41Cの基端は操作部5のスライダ52に接続されている。なお、第一操作ワイヤ41Cは、中空のシャフトであれば他の態様であってもよい。
【0099】
コイルシャフト44は、金属製のコイルワイヤである。コイルシャフト44は、例えばステンレスなどの素材により形成されている。コイルシャフト44の内部には、第二送水管路43が形成されている。第二送水管路43は、第一送水管路22の基端に連結されている。流体供給口54から供給した流体は、第二送水管路43および第一送水管路22を通過して先端開口22aから放出される。
【0100】
チューブ45は、コイルシャフト44の外周部分に設けられたチューブであり、例えば熱収縮チューブである。コイルシャフト44の外周部分にチューブ45を被せることにより、第二送水管路43から液体が漏れない。
【0101】
第二操作ワイヤ42Cは、鋭利部材6Cを操作するワイヤである。第二操作ワイヤ42Cの先端は鋭利部材6Cに接続され、第二操作ワイヤ42Cの基端は操作部5のレバー55に接続されている。
【0102】
[内視鏡処置システム300Cの使用方法]
次に、本実施形態の内視鏡処置システム300Cを用いた手技(内視鏡処置システム300Cの使用方法)について説明する。具体的には、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡治療(内視鏡処置)における病変部の局注処置、切開・剥離処置および止血処置について説明する。
【0103】
準備作業として、術者は、公知の方法により病変部を特定する。具体的には、術者は内視鏡200の挿入部202を消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、大腸)内に挿入し、内視鏡の撮像部203で得られる画像を観察しながら病変部を特定する。
【0104】
<挿入ステップ>
術者は処置具100Cをチャンネル206に挿入し、挿入部202の先端開口部206aからシース1の先端1aを突出させる。術者は、操作部5のスライダ52を操作部本体51に対して相対的に前進させ、ロッド2Cおよび鋭利部材6Cを突出させる。
【0105】
<局注ステップ>
図46から図48は局注ステップを示す図である。
図46に示すように、術者は、スライダ52に対してレバー55を先端側A1に移動させることにより、ロッド2Cに対して鋭利部材6Cを先端側A1に移動させる。その結果、鋭利部材6Cの鋭利部63は、ロッド2Cの先端よりも先端側A1に突出する。なお、このとき、フランジ21Cの一部は、鋭利部材6Cの一部に覆われた状態であり、フランジ21Cの残りの部分は、鋭利部材6Cの一部から露出している。また、このとき、必ずしもロッド2Cが最大限に先端チップ11から突出している必要はなく、フランジ21Cが先端チップ11に当接していても良いし、フランジ21Cが先端チップ11よりも近位側A2に位置していても良い。
【0106】
図47に示すように、術者は、病変部において局注用の液体(局注液)を注入する箇所を、鋭利部材6Cの鋭利部63で穿刺して貫通させる。具体的には、術者は、鋭利部63の先端(針先)63bによって粘膜表面から粘膜下層まで切れ目を入れる。
【0107】
図48に示すように、術者は、粘膜下層の中にロッド2Cの先端の先端開口22aを入れた状態で、流体供給口54に対して薬液(例えば、生理食塩水)を供給して、先端開口22aから送水する(局注ステップ)。具体的には、術者は、切れ目に鋭利部材6Cの鋭利部63を刺した状態で、切れ目に向かって先端開口22aから薬液を送水する。術者は、先端開口22aから切れ目を経由して粘膜下層まで薬液を注入することによって粘膜表面を膨隆させる。術者は、切れ目にロッド2Cの先端を押し付けた状態で、切れ目に向かって先端開口22aから薬液を送水してもよい。
【0108】
処置具100Cを用いる局注ステップによれば、粘膜が厚い部分に対しても初期局注できる。また、局注針を用いたような円状の膨隆を形成できる。また、膨隆させる部分のサイズを調整しやすい。また、流体供給口54にシリンジを取り付けることで、シリンジを用いて初期局注できる。
【0109】
<切開・剥離ステップ>
術者は、切開・剥離処置を行う。術者は、ロッド2Cを前進させ、高周波電流を通電させた状態でフランジ21を移動させて病変部の周辺の粘膜を切開する。また、術者は、ロッド2Cを前進させ、高周波電流を通電させた状態で、切開した病変部の粘膜を持ち上げて粘膜下層を露出させながら、切開した病変部の粘膜下層を剥離する。術者は、第二実施形態と同様に、流体供給口54に対して二酸化炭素などの気体を供給して、先端開口22aから消化管壁Wに対して気体を吹き付けて粘膜MMを挙上する。切開・剥離処置において、鋭利部材6Cはシース1内に完全に収納されていることが望ましい。
【0110】
<止血ステップ>
切開・剥離処置において出血した場合、術者は止血処置を行う。術者は、ロッド本体20Cおよびフランジ21Cを押し当てながら高周波電流による通電で出血点を焼灼して止血する(止血ステップ)。術者は、第二実施形態と同様に、流体供給口54に対して二酸化炭素などの気体を供給して、先端開口22aから消化管壁Wに対して気体を吹き付けて血液Bを吹き飛ばすことで出血点BPを特定する。
【0111】
術者は、必要に応じて上述の動作(処置)を継続し、最終的に病変部を切除し、ESDの手技を終了する。
【0112】
本実施形態に係る内視鏡処置システム300Cによれば、剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい。
【0113】
以上、本発明の第三実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態および前述した変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0114】
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態に係る内視鏡処置システム300Dについて、図49から図53を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0115】
内視鏡処置システム300Dは、内視鏡200と処置具100Dとを備える。処置具100Dは、内視鏡200に挿入して使用される。
【0116】
図49は、処置具100Dの先端部の斜視図である。
処置具(内視鏡用処置具)100Dは、シース1と、ロッド2Cと、鋭利部材6Dと、操作ワイヤ4Cと、操作部5と、を備える。
【0117】
図50は、処置具100Dの先端部の断面図である。
鋭利部材6Dは、樹脂材や金属材等により形成された棒状部材である。鋭利部材6Dはロッド2Cの第一送水管路22を進退可能に挿通している。鋭利部材6Dはロッド2Cの先端開口22aから突没自在である。鋭利部材6Dの外周面とロッド2Cの第一送水管路22の内周面との間には、流体を供給する管路が形成される。鋭利部材6Dは、本体部61Dと、本体部61Dの先端に設けられた鋭利部63Dと、を有する。
【0118】
第二操作ワイヤ42Cは、鋭利部材6Dを操作するワイヤである。第二操作ワイヤ42Cの先端は鋭利部材6Dに接続され、第二操作ワイヤ42Cの基端は操作部5のレバー55に接続されている。
【0119】
[内視鏡処置システム300Dの使用方法]
次に、本実施形態の内視鏡処置システム300Dを用いた手技(内視鏡処置システム300Dの使用方法)について説明する。具体的には、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡治療(内視鏡処置)における病変部の局注処置、切開・剥離処置および止血処置について説明する。
【0120】
準備作業として、術者は、公知の方法により病変部を特定する。具体的には、術者は内視鏡200の挿入部202を消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、大腸)内に挿入し、内視鏡の撮像部203で得られる画像を観察しながら病変部を特定する。
【0121】
<挿入ステップ>
術者は処置具100Dをチャンネル206に挿入し、挿入部202の先端開口部206aからシース1の先端1aを突出させる。術者は、操作部5のスライダ52を操作部本体51に対して相対的に前進させ、ロッド2Cおよび鋭利部材6Dを突出させる。
【0122】
<局注ステップ>
図51から図53は局注ステップを示す図である。
図51に示すように、術者は、スライダ52に対してレバー55を先端側A1に移動させることにより、ロッド2Cに対して鋭利部材6Dを先端側A1に移動させる。その結果、鋭利部材6Dの鋭利部63Dは、ロッド2Cに対して先端側A1に突出する。
【0123】
図52に示すように、術者は、病変部において局注用の液体(局注液)を注入する箇所を、鋭利部材6Dの鋭利部63Dで穿刺して貫通させる。
【0124】
図53に示すように、術者は、粘膜下層の中にロッド2Cの先端の先端開口22aを入れた状態で、流体供給口54に対して薬液(例えば、生理食塩水)を供給して、先端開口22aから送水する(局注ステップ)。
【0125】
処置具100Dを用いる局注ステップによれば、粘膜が厚い部分に対しても初期局注できる。また、局注針を用いたような円状の膨隆を形成できる。また、膨隆させる部分のサイズを調整しやすい。また、流体供給口54にシリンジを取り付けることで、シリンジを用いて初期局注できる。また、ロッド2Cの先端開口22aや第一送水管路22に生体組織が進入した場合であっても、鋭利部材6Dによって生体組織を排出できる。
【0126】
<切開・剥離ステップ>
術者は、切開・剥離処置を行う。術者は、ロッド2Cを前進させ、高周波電流を通電させた状態でフランジ21を移動させて病変部の周辺の粘膜を切開する。また、術者は、ロッド2Cを前進させ、高周波電流を通電させた状態で、切開した病変部の粘膜を持ち上げて粘膜下層を露出させながら、切開した病変部の粘膜下層を剥離する。術者は、第二実施形態と同様に、流体供給口54に対して二酸化炭素などの気体を供給して、先端開口22aから消化管壁Wに対して気体を吹き付けて粘膜MMを挙上する。切開・剥離処置において、鋭利部材6Dはシース1内に完全に収納されていることが望ましい。
【0127】
<止血ステップ>
切開・剥離処置において出血した場合、術者は止血処置を行う。術者は、ロッド本体20Cおよびフランジ21Cを押し当てながら高周波電流による通電で出血点を焼灼して止血する(止血ステップ)。術者は、第二実施形態と同様に、流体供給口54に対して二酸化炭素などの気体を供給して、先端開口22aから消化管壁Wに対して気体を吹き付けて血液Bを吹き飛ばすことで出血点BPを特定する。
【0128】
術者は、必要に応じて上述の動作(処置)を継続し、最終的に病変部を切除し、ESDの手技を終了する。
【0129】
本実施形態に係る内視鏡処置システム300Dによれば、剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい。
【0130】
以上、本発明の第四実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態および前述した変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0131】
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態に係る内視鏡処置システム300Eについて、図54を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0132】
内視鏡処置システム300Eは、内視鏡200と処置具100Eとを備える。処置具100Eは、内視鏡200に挿入して使用される。
【0133】
図54は、処置具100Eの先端部の斜視図である。
処置具(内視鏡用処置具)100Eは、シース1Eと、ロッド2Cと、第一操作ワイヤ4Cと、操作部5Bと、を備える。
【0134】
シース1Eは、先端1aから基端1bまで延びる長尺な管状部材である。シース1Eは、内部空間(管路、ルーメン)19を有する。シース1Eは、内視鏡200のチャンネル206に挿入可能な外径を有し、チャンネル206を進退可能である。シース1Bは、長手方向Aに延びるチューブ10と、チューブ10の先端に設けられた先端チップ11Eと、を有する。
【0135】
先端チップ11Eは、略円筒状に形成されている。先端チップ11Eには、第一貫通孔12および側孔18が形成されている。側孔18は、先端チップ11Eに設けられた長手方向Aに対して垂直な径方向Rに貫通する孔である。側孔18は、先端チップ11Eの外周面11tから内周面11sまで貫通する孔である。3個の側孔18は、周方向Cに沿って均等に設けられている。なお、側孔18の数や態様はこれに限定されない。
【0136】
術者は、処置具100Eを用いて、第三実施形態および第四実施形態と同様に、先端開口22aから消化管壁Wに対して気体を吹き付けて粘膜MMを挙上する。また、術者は、先端開口22aから消化管壁Wに対して気体を吹き付けて血液Bを吹き飛ばすことで出血点BPを特定する。さらに、術者は、第一貫通孔12および側孔18から吸引を実施して、術場から血液Bを吸引することもできる。
【0137】
本実施形態に係る内視鏡処置システム300Eによれば、剥離処置や止血処置などの処置を実施しやすい。
【0138】
以上、本発明の第五実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態および前述した変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【符号の説明】
【0139】
300,300B,300C,300D,300E 内視鏡処置システム
200 内視鏡
100,100B,100C,100D,100E 処置具(内視鏡用処置具)
1,1B,1E シース
10 チューブ
11,11B,11E 先端チップ
12 貫通孔、第一貫通孔、先端開口
13,13B 第二貫通孔
16 アウターシース(チューブ)
17 インナーシース
18 側孔
19 内部空間(管路、ルーメン)
2,2C ロッド(電極、ナイフ)
20,20C ロッド本体
21,21C フランジ(先端拡径部)
22 第一送水管路
22a 先端開口
3 支持部
30 連結部(基端部)
31,31A,31C,31D 鉗子(支持部材)
32,32A,32B 先端部
33 棒状部
4,4B,4C 操作ワイヤ(第一操作ワイヤ)
41,41C 第一操作ワイヤ
42,42C 第二操作ワイヤ
5,5A,5B 操作部
51 操作部本体
52,52A スライダ
53 給電コネクタ
54 流体供給口
55 レバー
56 ガイドチューブ
6C 鋭利部材(中空針)
6D 鋭利部材
61 管状本体部
61D 本体部
62 先端部
63,63D 鋭利部
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