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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084791
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】治療用超音波装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/04 20060101AFI20240618BHJP
   A61N 7/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A61B18/04
A61N7/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059311
(22)【出願日】2024-04-02
(62)【分割の表示】P 2022061843の分割
【原出願日】2018-09-14
(31)【優先権主張番号】62/560,069
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520091007
【氏名又は名称】ノブソン・サージカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,ステュワート・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハドフォード,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,ダニエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組織を焼灼するための医療手術中に使用するための治療用超音波デバイスに関係する様々なデバイスを提供する。
【解決手段】治療用超音波デバイス100は、内側管組立体及び外側管組立体200を含む場合がある。デバイスは、内側管の遠位端及び外側管の遠位端に固定される組織係合組立体400を更に含む場合がある。組織係合組立体は、治療用超音波を提供するように構成された複数の変換器を含む。デバイスは、内側管の近位端及び外側管の近位端に固定されるハウジング組立体110を含む場合がある。ハウジング組立体は、組織係合組立体を係合及び係合解除するために、内側管を外側管に対して作動させるように構成されたハンドル120を含む場合がある。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用超音波デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する内側管と、
近位端及び遠位端を有する外側管であって、前記外側管は、前記内側管の前記遠位端及び前記内側管の前記遠位端が整列されるように、前記内側管のまわりに配設される、外側管と、
前記内側管の前記遠位端及び前記外側管の前記遠位端に固定され、約15ミリメートル未満の幅を有する係合組立体であって、前記係合組立体は、係合力を標的に適用するように構成され、また、前記標的に方向付けされた治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの変換器を含む、係合組立体と、
前記内側管の前記近位端及び前記外側管の前記近位端に固定されたハウジング組立体であって、前記ハウジング組立体は、前記内側管を前記外側管に対して作動させるように構成されたハンドルを含み、前記外側管に対する前記内側管の作動は、前記係合組立体を係合及び係合解除させるように構成される、ハウジング組立体と、
を含む、治療用超音波デバイス。
【請求項2】
前記係合組立体は、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の係合力を前記標的に適用するように構成される、請求項1に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項3】
前記係合組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含み、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、前記第1のジョーを前記第2のジョーに固定するために、可動締結体と係合するように個々が構成され、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーの少なくとも一方は、可動である、請求項1又は2に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項4】
前記外側管の前記遠位端は、前記係合組立体の前記第1のジョー及び前記第2のジョーを固定するために、前記可動締結体と係合し、前記内側管は、第1の方向の前記内側管の動きが前記第1のジョー及び前記第2のジョーを分離して、第2の方向の前記内側管の動きが前記第1のジョー及び前記第2のジョーを互いに近くに移動させるように、前記第1のジョーの遠位端及び前記第2のジョーと係合する、請求項3に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項5】
前記係合組立体は、標的に係合して、係合圧力及び前記少なくとも1つの変換器からの治療用超音波を適用し、前記標的をシール又は前記標的をカットする、請求項1から4のいずれかに記載の治療用超音波デバイス。
【請求項6】
前記ハウジング組立体から前記係合組立体までの力の伝達は、約20:1である、請求項1から5のいずれかに記載の治療用超音波デバイス。
【請求項7】
約15ミリメートル未満の幅を有し、音響スタックを収容する第1のボディ部分であって、前記音響スタックは、治療用超音波を生成するように構成される、第1のボディ部分と、
前記第1のボディ部分の近位端に位置する第1の開口と、
を含む、第1のジョーと
前記第1のジョーに対向する第2のジョーであって、
第2のボディ部分と、
前記第2のボディ部分の近位端に位置する第2の開口と、
を含む、第2のジョーとを備え、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、締結体を用いて、前記第1の開口及び前記
第2の開口で保持され、従って、前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、組織に係合するように構成され、
係合力は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが閉じるときに、前記組織に適用され、
前記音響スタックによって生成された前記治療用超音波は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが閉じるときに、前記組織に適用され、
前記第1のジョー又は前記第2のジョーの少なくとも一方は、約15ミリメートル未満で約3ミリメートルより大きい幅を有する、治療用超音波装置。
【請求項8】
前記第2のジョーは、治療用超音波を生成するように構成された音響スタックを収容する、請求項7に記載の治療用超音波装置。
【請求項9】
前記第1のジョーの前記第1のボディ部分の前記近位端と、前記第2のジョーの前記第2のボディ部分の前記近位端と、の間に位置するブッシュを更に含み、前記ブッシュは、前記第2のジョーに対する前記第1のジョーの回転を防止する、請求項7又は8に記載の治療用超音波装置。
【請求項10】
前記組織に適用される前記係合力は、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の力を含む、請求項7から9のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【請求項11】
前記第1のボディ部分及び前記音響スタックは、エアポケットを形成する、請求項7から10のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【請求項12】
前記第1のジョー又は前記第2のジョーの少なくとも一方は、前記組織をキャプチャするように構成された複数の歯を含み、
前記複数の歯は、波状的なひだを含み、
前記複数の歯は、
前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの遠位端に、又は、
前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの前記少なくとも一方の部分に沿って、のどちらかで形成される、請求項7から11のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【請求項13】
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、互いに対して動かすことによって又は前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの一方だけを動かすことによって、ハサミのような動きで閉じて相互に平行なままであるように構成される、請求項7から12のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【請求項14】
圧電層と、
整合層と、
少なくとも前記圧電層及び前記整合層の間に位置する少なくとも1つの電極と、
を含む、音響スタックと、
内側表面を有するシェルであって、前記内側表面が前記音響スタックを受容する開口を画定する、シェルと、
を備え、
前記音響スタック及び前記シェルの前記内側表面は、前記音響スタックの前記圧電層と前記シェルの前記内側表面との間にポケットを形成し、
前記治療用超音波変換器は、少なくとも約200ワットの電力を生成するように及び約1MHzから約10MHzの間の周波数で動作するように構成される、治療用超音波変換器。
【請求項15】
前記シェルの前記内側表面は、ライニングを更に含み、前記ライニングは、前記シェル
の前記内側表面を前記音響スタックから電気的に絶縁し、前記ライニングは、耐熱性ポリマを含む、請求項14に記載の治療用超音波変換器。
【請求項16】
前記整合層は、非粘着性又は生体適合性の少なくとも一方である表面を有する、請求項14又は15に記載の治療用超音波変換器。
【請求項17】
前記音響スタックは、前記圧電層及び前記整合層を取り付ける接着剤層を更に含む、請求項14から16のいずれかに記載の治療用超音波変換器。
【請求項18】
前記圧電層は、複数のスロットを含み、前記複数のスロットは、均一な音響場を提供するように構成される、請求項14から17のいずれかに記載の治療用超音波変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、治療用超音波を利用する外科手術のための方法及び装置に関する。治療用超音波とは、熱的効果(例えば、誘導温熱療法)と機械的効果(例えば、誘導キャビテーション)の両方を通して組織状態の変化を誘導するための超音波の使用を指す。治療用超音波は、高強度集束超音波(HIFU)又は直接治療用超音波(DTU)のどちらかを指す場合があり、また、高体温及びキャビテーション医療用途の両方で採用される場合があり、他方、低強度超音波は、主にそのキャビテーション効果の目的で使用されてきた。診断医療用超音波画像化は、例えば、胎児の検査のために超音波診断器を一般的に使用する場合によく知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0002]様々な実施形態は、例証目的のために添付の図面に示されており、実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。更に、異なった開示された実施形態の様々な特徴は、追加の実施形態を形成するために組合せされる場合があり、それらは、本開示の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】[0003]治療用超音波デバイスの実例の分解図である。
図1B】[0004]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の断面側面図である。
図1C】[0005]外部ハウジングが除去された図1Aの治療用超音波デバイスの実例の内部要素の側面図である。
図1D】[0006]図1Cに示された内部要素、即ち、図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体及び内側管組立体の分解図である。
図2A】[0007]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体の分解図である。
図2B】[0008]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体の遠位端の図である。
図2C図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体の遠位端の図である。
図2D】[0009]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体の近位端の断面図である。
図2E】[0010]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体のアダプタの図である。
図2F図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体のアダプタの図である。
図2G図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体のアダプタの図である。
図2H図1Aの治療用超音波デバイスの実例の外側管組立体のアダプタの図である。
図3A】[0011]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の内側管組立体の分解図である。
図3B】[0012]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の内側管組立体の図である。
図3C図1Aの治療用超音波デバイスの実例の内側管組立体の図である。
図3D】[0013]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の内側管組立体の様々な構成要素の係合部の断面図である。
図4A】[0014]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の図である。
図4B図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の図である。
図4C図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の図である。
図4D図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の図である。
図4E図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の図である。
図4F図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の図である。
図5A】[0015]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の分解図である。
図5B】[0016]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の予想図である。
図5C】[0017]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の断面図である。
図5D図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端に位置する組織係合組立体の断面図である。
図5E】[0018]図5Bに示されたような面「5E-5E」に沿って位置する図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端の断面図である。
図5F】[0019]図5Bに示されたような面「5F-5F」に沿って位置する図1Aの治療用超音波デバイスの実例の遠位端の断面図である。
図6A】[0020]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体内に位置する音響スタックの第1の実施形態の図である。
図6B図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体内に位置する音響スタックの第1の実施形態の図である。
図6C】[0021]図6A図6Bの音響スタックの第1の実施形態の分解図である。
図7A】[0022]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体内に位置する音響スタックの第2の実施形態の図である。
図7B図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体内に位置する音響スタックの第2の実施形態の図である。
図7C】[0023]図7A図7Bの音響スタックの第2の実施形態の分解図である。
図8A】[0024]図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体内に位置する音響スタックの第3の実施形態の図である。
図8B図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体内に位置する音響スタックの第3の実施形態の図である。
図8C】[0025]図8A図8Bの音響スタックの第3の実施形態の分解図である。
図9A】[0026]図6A図6B図7A図7B、及び図8A図8Bに例証された開示された音響スタックのいずれかを受容するように構成される図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体のジョーのうちの1つから形成された変換器の実施形態の断面図である。
図9B】[0027]図6A図6B図7A図7B、及び図8A図8Bに例証された開示された音響スタックのいずれかを受容するように構成される図1Aの治療用超音波デバイスの実例の組織係合組立体のジョーのうちの1つから形成された変換器の別の実施形態の断面図である。
図10】[0028]1対のジョーの耳部の直線スロット及び湾曲スロットについてのジョー開口角度の範囲に亘ったジョークランプ力間の関係の図である。
図11】[0029]組織内の音の速度と温度との間の関係の図である。
図12A】[0030]時間が固定の場合の最大温度と音響エネルギとの間の関係の図である。
図12B】[0031]電力と強度が固定の場合の最大温度と時間との間の関係の図である。
図12C】[0032]時間が固定の場合の最大温度と強度との間の関係の図である。
図12D】[0033]特定の電力で所与の温度に達するのに必要な時間を示す図である。
図13A】[0034]処置の終了を決定するための電圧定在波比の使用を示す図である。
図13B】処置の終了を決定するための電圧定在波比の使用を示す図である。
図13C】処置の終了を決定するための電圧定在波比の使用を示す図である。
図13D】処置の終了を決定するための電圧定在波比の使用を示す図である。
図14】[0035]組織のシール及び分割にそれが関係するようなエネルギとクランプ力との間の関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[0036]様々な治療用超音波装置及び方法は、開示されており、外科の分野において、1つ又は複数の所望の改善を達成するために採用されることがある。紹介の目的で、特定の実施形態は、外科治療用超音波装置及び使用の方法に関して開示されるが、開示された実施形態は、他の文脈でも同様に使用される場合がある。確かに、説明された実施形態は、ただの例であり、提示された一般的な開示及び本開示の様々な態様及び特徴を制限することが意図されていない。本明細書で説明される一般的な原理は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で議論されるもの以外の実施形態及び用途に適用されることがある。本開示は、本明細書で開示又は提案される原理及び特徴と一致する最も広い範囲が認容されるべきである。
【0005】
[0037]特定の態様、利点、及び特徴は、本明細書で説明されるが、必要ではないのは、任意の特定の実施形態が、それらの態様、利点、及び特徴のいずれか又は全てを含むこと又は達成することである。例えば、幾つかの実施形態は、本明細書で説明される利点を達成しないことがあるが、代わりに他の利点を達成することがある。特徴、構成要素、又はステップは、必要でも重要でもない。
【0006】
概要
[0038]米国単独で、数十万の外科手術は、毎年実行されており、組織に伴う何らかの病理学の理由から、組織又は臓器の一部の除去を伴う。多くのこれらの手術は、良性又は悪性腫瘍を除去する。そういった組織及び臓器の除去手術の著しい割合は、従来の外科技術を採用しているが、主要な努力は、罹患率を削減するために、従来の外科技術を低侵襲外科技術に置き換えることに向けられてきた。しかしながら、低侵襲器具を使用してそういった手術を実行することは、執刀医側で著しい訓練と高度なスキルを必要とする。下で開示されるのは、低侵襲性であり、現在使用されているものよりも実施が容易な方法及び装置である。
【0007】
[0039]侵襲的手術中、明らかな問題は、出血である。600の病院を巻き込む回顧的なコホート研究では、出血合併症は、外科手術の約45%で発生し、入院を約125%(平均7日間)増加させ、入院費用を患者1人あたり(手術あたり)~7,500ドル増加させた。出血は、年間約120,000の外傷死の大部分に著しく寄与もしている。外傷では、死亡の30%から40%は、放置された出血に関係する。輸血(計画的又は予期しない)及び再手術は、出血を軽減し、死亡を回避するために使用される。これらの手術は、費用が掛かる場合があり、また、合併症に関連する。輸血は、院内感染、免疫抑制、輸血関連の急性肺損傷、そして、死亡すらもたらす場合がある。再手術は、費用の増加及び入院の長期化をもたらす。その結果、多くの不必要な出血合併症は、現在の技術において発
生し、入院時間、病院費用、患者の死亡の増加をもたらす。出血を減らすために、外科技術には、出血の迅速で健全な制御を提供することが必要とされ、出血の伴わない外科手術、並びに、外傷出血の迅速制御を可能にする。
【0008】
[0040]出血血管を凝固させるための当技術分野の最も一般的な外科技術は、電気焼灼プローブを出血部位に適用することである。しかしながら、出血血管が約1.5ミリメートル(mm)より大きい直径である場合又は高度に血管新生される臓器であって、制御されない出血が主要死因である場合、直接電気焼灼は、効果的ではない。そういった場合において、大きな血管をクランプし、クランプを介して又はレーザ光により電気焼灼するというより複雑な技術は、代替的に使用される場合がある。しかしながら、電気又はレーザ焼灼技術では解決されないたびたび直面する問題は、急速に出血する血管の制御であり、その理由は、血液流出が、凝固又は組織壊死が完了する前に、多くの場合、熱を運び去るのに必要十分な大きさであるからである。特に、臓器を巻き込む手術では、電気又はレーザ焼灼も効果的ではない。そのうえ、肝臓や脾臓などの臓器は、実質組織のクラックからの大量出血に曝され、それは、通常、多数の微少管のせいで広汎性で非拍動性である。
【0009】
[0041]開示された方法及び装置は、出血に関連する一般的な合併症を伴わずに迅速に手術を実行する緊急、専門、及び一般の医師を支援するために使用される場合がある。これは、手術時間及び麻酔時間を短縮する場合があり、また、血液製剤の使用を最小化し、それは患者の転帰を改善し医療費を減少させる場合がある。
【0010】
治療用超音波の概要
[0042]上で説明された外科手術に鑑みて、開示されるのは、無血手術に関連する外科手術を可能にするため及び出血を止めるための方法及び装置である。例えば、治療用超音波は、外科的切開の前に焼灼された組織領域を形成するために使用される場合がある。これは、外科的病変の除去又は高度に血管新生された組織の切除での使用に特に効果的な場合がある。
【0011】
[0043]一般に、治療用超音波は、適切に定義された生物学的効果を引き出すという明確な意図を備えた人体内部における超音波周波数での音響エネルギの送達に基づく介入医学のモダリティである。これらの生物学的な結果は、主として作用の2つのメカニズム、熱的効果及び機械的効果、によって誘導又は媒介される。熱的効果は、組織による振動音響エネルギの吸収(緩和及び熱粘性プロセスを介する)とそれの熱への変換(それはそれで露出領域における温度上昇を引き起こす)とに由来する。機械的効果は、媒体が経験するような高い応力及びひずみ力を生成する超音波の振動性に関連する圧力における大きな勾配に起因する。追加的に、ガス体の存在において、超音波作用場内で、キャビテーションは、生じることもある。キャビテーションは、音響場の影響下で成長及び崩壊する気泡の動的な活動である。それが安定して持続され得るのは、気泡が破壊されずに、音響波と同位相で振動するときであり、そのケースでは、大きなせん断力と追加の粘性加熱を生成し、或いは、慣性的で一時的であり得るのは、新しい気泡が組織内の溶解ガスから核形成され、急速に成長し、再度の溶解前に激しく崩壊するときであり、そのケースでは、非常に高い機械的応力、衝撃波、及び、強力な流体マイクロジェットを生成する。
【0012】
[0044]治療用超音波の1つのタイプは、高強度治療用超音波(一般にHIFU-高強度集束超音波及びFUS-集束超音波手術とも呼ばれる)である。HIFUは、主として、タンパク質変性及び細胞凝固壊死の閾値を超える組織の非常に急速な加熱に向けられており、また、組織内に永続的で不可逆的な局所熱病変を作成すること、又は、出血血管を焼灼することが意図される。これは、数百から数千ワット/cm2オーダの非常に高いエネルギ密度で断面積が1~2波長、長さが約5~7波長のオーダの焦点体積(1MHzシステムのために約1.5×1.5×10mm3)の使用可能な入力電力の大部分の集中をも
たらす。この高エネルギ濃度は、細胞壊死及びアブレーションが1~2秒以内に達成されるように、焦点体積の急速な温度上昇を可能にする。超音波アプリケータの表面のエネルギ密度は、焦点よりも大きさが数オーダ低くなるが、完全な処置に必要な複数のユニット病変のために、全適用中の皮膚界面及び化合物直下の超音波エネルギの蓄積、通常不所望の皮膚熱傷及び皮下損傷が発生する。
【0013】
[0045]HIFUは、温熱療法及びキャビテーション医療用途の両方で採用される場合がある。例えば、HIFU波は、離散焦点領域に向けて組織の中に伝播される場合があり、結果として生じる高調波周波数の蓄積は、組織をアブレーション、壊死、及び/又は、そうでなければ損傷させる焦点領域での急速な加熱を引き起こす場合がある。臨床環境では、HIFU誘導加熱は、良性及び悪性の腫瘍(例えば、脳、子宮、前立腺、肝臓等々の中)の処置、及び/又は、血管の閉塞(例えば、内出血の止血の誘導、胎児の血液共有異常への介入、及び、腫瘍への血液供給の制限)のために使用される場合がある。HIFU治療及び/又は熱誘発病変を形成する他の処置中に、画像ガイダンス及び処置モニタリング(例えば、温度モニタリング)は、処置のパラメータを制御及び最適化してその有効性を評価するために、使用される場合がある。
【0014】
[0046]HIFU温熱療法処置では、高度に集束された変換器によって生成される超音波の強度は、ソースから、非常に高い温度(例えば、摂氏98度)に達し得る焦点の領域まで増加する。焦点での超音波エネルギの吸収は、組織の突然の温度上昇を誘発する場合があり、100~200°K/秒の間の高さになる場合がある。そういった温度の劇的な上昇は、焦点領域で標的細胞のアブレーションを引き起こす場合がある。焦点領域の寸法は、被写界深度と呼ばれ、変換器から焦点領域の中心点までの距離は、「焦点深度」と呼ばれる。
【0015】
[0047]従って、HIFU温熱療法処置は、中間組織を損傷せずに、内部病変の壊死をもたらす場合がある。HIFUを使用する開示された方法及び装置は、非侵襲外科技術であり、その理由は、超音波が、介在組織の効力の無い浸透を、更には、エネルギを小さな焦点標的体積に送達するように構成される十分に低い減衰量で、提供するからである。例えば、非常に高い周波数、例えば、30MHzの波動は、それが適用される最初の組織によって殆ど即時に吸収されるであろう。しかし、より低い周波数、例えば、30KHz~60KHzは、より長い希薄化期間のために、キャビテーション効果に関連し、気体蒸気の形成を可能にする。こうして、超音波エネルギの効果は、30KHz対30MHzの周波数では全く異なる。その上、組織の発熱の速度は、吸収定数に比例する。例えば、肝臓に関して、減衰定数は、30KHzで約0.0015であるが、3MHzで約0.29である。従って、全ての他の変数が等しいとき、肝臓組織で発生する熱は、30KHzでよりも3MHzの方が約190倍大きい。これは、温熱療法が、高周波で、より迅速に、はるかに高いレベルまで、達成され得る、ということを意味するが、変換器と焦点領域との間の介在組織への危険は、遥かに一般的である。従って、代わりに低い周波数を使用することによって、エネルギは、介在組織を損傷せずに、組織の小さな集束された標的体積に送達される場合がある。
【0016】
[0048]直接治療用超音波(DTU)、即ち、別タイプの治療用超音波は、熱的効果(例えば、誘導温熱療法)及び機械的効果(例えば、誘導されたキャビテーション)の双方を介して組織状態の変化を誘導するための直接治療用超音波の使用を指す。DTUは、数秒の超音波エネルギによる凝固及びシールの前に、血管新生された組織を直接ロックして数ミリメートルの厚さまで圧縮するために、使用される場合がある。依然として超音波媒介型の熱機構に基づいており、従来の高強度治療用超音波とは対照的であるが、このアプローチは、著しく低い電力密度(5~30W/cm2のオーダ)と、処理領域全部に亘る超音波エネルギの均一な分布と、を利用し、こうして、局所的なホットスポット及び付随的
損傷の生成を回避する。実際、処置領域は、デバイスの対向するジョー内に完全に包含されて明確に定義され、均一な平面定在波は、2つの対向する超音波変換器間に生成され、アプリケータ縁部から急速に消散されて、最小限の熱拡散をもたらす。
【0017】
[0049]このタイプの用途は、オープン及び低侵襲性の腹腔鏡手術を対象とし、標準的なHIFU用途と比較して、追加の標的化及びモニタリングシステムを必要とせず、また、経路上の意図されない障害及び/又はキャビテーション効果の観点から同様の安全問題を苦にしない。これは、伝播経路が、僅か数ミリメートルの長さであり、また、アプリケータのフットプリント内に完全に限定され、こうして著しいエネルギ回折を回避する;ピーク希薄化圧力が、キャビテーション工程に関する生体内閾値よりも都合良く下にある;組織が、クランプデバイスからの著しい過圧を受けて、追加的に気泡形成及びキャビテーションの開始を抑制する;という事実に起因する。
【0018】
[0050]低侵襲外科器具に取り付けられる1つ又は複数の変換器から治療用超音波(HIFU又はDTU)を放出するように構成される装置も開示される。そういったツールは、血管の壁を崩壊するのに十分なクランプ又は係合圧力を提供する場合があり、従って、血管は、DTUの適用によって、また、結果として生じる熱的アブレーション及び組織焼灼によって、シールされるであろう。そういった器具は、病変が完全に貫壁性でありまた熱的アブレーションの線の遠位領域への血流が止まったというフィードバックをユーザに提供する場合がある。幾つかの実施形態では、対向するアームを有する器具は、従来の外科的用途で使用するために構成される場合がある。器具は、一方のアームだけの変換器と、他方のアームに配設された超音波反射材料と、で実施される場合がある。
【0019】
[0051]本明細書で提供される開示は、最小限の出血で外科手術を実行することに関連する装置及び方法を説明する。幾つかの実施形態では、そういった手術は、低侵襲手術(例えば、腹腔鏡検査、内視鏡検査等々)である。他の実施形態では、開示された及び装置は、より侵襲的な外科手術に適用される場合もある。開示された装置及び方法は、従来技術を使用するそういった手術から生じ得る制御されない出血の恐怖を伴うことなく、ボディから良性及び悪性の腫瘍などの望ましくない組織の除去を可能にする場合がある。
【0020】
[0052]特に、開示されるのは、装置が低侵襲手術で使用され得るように、小さい係合領域を有する組織をシール又はカットするための装置である。詳細に議論されるであろうように、装置は、小さな係合領域を含むが、デバイスは、短時間で組織を効果的に焼灼するために、十分なクランプ力及び電力を標的部位に供給するように構成される。
【0021】
治療用超音波デバイス
[0053]図1A図1Dは、本開示に従って形成された見本の治療用超音波デバイス100の複数の図を例証する。図1Aは、治療用超音波デバイス100の内部構成要素が見えるように、治療用超音波デバイス100の近位端104の分解図を例証する。図1Bは、ハウジング110内の治療用超音波デバイス100の内部構成要素の配置を示している治療用超音波デバイス100の断面図を例証する。
【0022】
[0054]開示された治療用超音波デバイス100は、止血クランプ器具と一体化された集束超音波変換器又は非集束超音波変換器を使用するように構成される。配備されると、超音波エネルギは、頭部間に包含される組織をアブレーションし、それによって焼灼の止血面を形成する。これは、外科医が、出血を伴わずに腫瘍、組織、又は臓器を取り除くのを可能にし、また、外傷状況で出血を迅速に制御するための方法を提供し、出血合併症のリスクを著しく削減し、失血に起因する外傷死を削減する。この技術は、オープン手術や腹腔鏡手術に適用可能である。より詳細に下で議論されるであろうように、開示された治療用超音波デバイス100は、3cmの厚さを超えて組織を焼灼する場合があり、また、処
置が効果的に完了したか否かを評価する場合がある。
【0023】
[0055]概要として、治療用超音波デバイス100は、遠位端102及び近位端104を含むことがあり、遠位端102は、係合部分を含み、近位端104は、ユーザ作動機構を含む。例えば、治療用超音波デバイス100の近位端104は、治療用超音波デバイス100の内部構成要素を固定するハウジング110を含む。ハウジング110は、複数の第1の締結体114及び第2の締結体116を使用して一緒に固定され得る第1の半体(例えば、左ハウジング110a)及び第2の半体(例えば、右ハウジング110b)を含む場合がある。図1Aに示されたように、複数の第1の締結体114及び第2の締結体116は、ハウジング110の両半体を通る複数の開口112を通して挿入される。幾つかの例では、第1の締結体114は、ねじであり、第2の締結体116は、互いに係合してハウジング110の両半体を固定するように構成されるインサートであるが、当業者が認識するであろうことは、他のタイプの締結体が、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得るということである。第1の締結体114及び第2の締結体116は、ハウジング110を治療用超音波デバイス100に固定する任意の構造体を含む場合がある。
【0024】
[0056]図1Aに示されたように、ハウジング110は、治療用超音波デバイス100を作動させるように構成される複数の他の構成要素と共にハンドル120を固定するように構成される場合がある。
【0025】
[0057]治療用超音波デバイス100は、ラッチガイド130を含む場合がある。図1Aに示されたように、ラッチガイド130は、ばねラッチが移動するための経路を提供するように構成される第1の部分130a及び第2の部分130bを含む場合がある。これは、レバーが閉じた位置で「ラッチ」されるのを可能にする場合がある。これは、組織が処置中に圧縮されて保持されるのを確実化する場合がある。幾つかの例では、ラッチガイド130の2つの半体は、対称経路を提供するように構成され、それによって、ラッチがラッチされるときにラッチへの力を均等に分散させる。
【0026】
[0058]幾つかの実施形態では、治療用超音波デバイス100は、治療用超音波デバイス100に電力を供給するように構成されるコネクタ140及びケーブル150を含む。より詳細に議論されるであろうように、コネクタ140及びケーブル150は、複数のワイヤ及び/又はケーブルを通して、組織係合組立体400に位置する複数の変換器に電力を供給するように構成される。組織係合組立体300は、本明細書では、「ジョー」組立体又は「クランプ」組立体とも呼ばれることがある。
【0027】
[0059]図1A及び図1Bは、治療用超音波デバイス100の近位端104に位置するハンドル120も例証する。図1Bに示されたように、ハンドル120は、ユーザが彼/彼女の指でハンドル120を握るのを可能にするために、ハウジング110から外に延びることがある。幾つかの実施形態では、ハンドル120は、ハウジング110と共に、ユーザの手に快適で人間工学的な適合を提供する。例えば、ユーザの手の平は、ハウジング110の近位端の外側に載る場合があり、ユーザの親指は、ハウジング110の基部の幅の周りで丸くなる場合がある。ユーザの残りの指は、ユーザがハンドル120を引き戻し及び解放できるように、ハンドル120の開口に適合するように構成される場合がある。
【0028】
[0060]ハンドル120は、治療用超音波デバイス100の遠位端102に位置するジョー組立体400の動きを作動させるように構成される場合がある。図1Cは、ハウジング110が取り外された治療用超音波デバイス100の近位端104を備えた治療用超音波デバイス100を例証する。示されたように、治療用超音波デバイス100の近位端104は、ハンドル120に隣接するばねガイド352のまわりに配設されたばね350を含む場合がある。幾つかの例では、ばね350及びばねガイド352は、ハンドル120が
引っ込んでその元の位置に戻るのを可能にする。幾つかの実施形態では、ばね350及びばねガイド352は、ジョー組立体400が組織にクランプされたままであるように、ユーザがハンドル120をラッチするのを可能にするように構成される。その後のハンドル120の圧迫は、ばねがばねガイド352に追従するのを可能にするために、ハンドルをラッチ解除する場合があり、その間、ハンドル120は、ジョー組立体400が開かれる第1の位置に復帰する。幾つかの実施形態では、ハンドル120は、メモリチップ(図示せず)を含むように構成される場合がある。メモリチップは、治療用超音波デバイス100のための動作パラメータを記憶するように構成される場合がある。
【0029】
[0061]より詳細に下で議論されるであろうように、ハンドル120の係合は、外側管組立体200に対して内側管組立体300(図1Dに示される)を動かすように構成される場合がある。幾つかの実施形態では、ハンドル120は、ジョー組立体400が縦軸のまわりを回転するのを可能にするように構成される回転機構220に隣接する。幾つかの実施形態では、回転機構220は、縦軸まわりの±175度の回転を可能にする場合がある。
【0030】
[0062]図1Dは、ハウジング110が取り外された治療用超音波デバイス100の分解図を例証する。下で順に議論されるであろうように、治療用超音波デバイス100は、外側管組立体200、内側管組立体300、及びジョー組立体400を含む場合がある。
【0031】
[0063]簡単な概要として、外側管組立体200は、内側管組立体300の上に配設される場合がある。外側管組立体200は、外側管206と、近位端204に位置するアダプタ210と、を含む場合がある。幾つかの実施形態では、アダプタ210は、回転機構220に取り付けられるように構成される。アダプタ210は、治療用超音波デバイス100が、取り付けられたハンドル組立体及び治療用超音波デバイス100の他の内部機構のサイズ及び構成を再設計する必要性を伴うことなく、様々な直径を有する外側管206及び/又は内側管308を収容するのを可能にするように構成される場合がある。
【0032】
[0064]内側管組立体300は、内側管308と、近位端304に位置するコネクタ330と、を含む場合がある。図1Dに示されたように、コネクタ330は、ハンドル組立体に取り付けられる場合がある。より詳細に下で議論されるであろうように、外側管206及びアダプタ210は、それぞれ内側管308及びコネクタ330上に配設される。外側管組立体200は、複数の締結体を使用して内側管組立体300に固定される場合がある。幾つかの実施形態では、複数の締結体は、保持ピン230及び保持リング232を含む。しかしながら、上で述べられたように、締結体は、本開示の範囲から逸脱せずに、任意の形状又は構造を含む場合がある。
【0033】
[0065]図1Dに示されたように、ジョー組立体400は、治療用超音波デバイス100の遠位端102に位置する場合がある。より詳細に下で議論されるであろうように、ジョー組立体400は、上部ジョー402及び下部ジョー404を含む場合がある。上部ジョー402及び下部ジョー404は、旋回ピン460及び内側管ピン470を使用して、外側管206の遠位端202及び内側管308の遠位端302に固定される場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400は、旋回ピン460を所定の位置に固定するために、及び、上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420間の空間を維持するために、ブッシュ480を含む場合がある。幾つかの例では、ブッシュ480は、ジョー組立体400内の上部ジョー402及び下部ジョー404の回転を防止するように構成される場合がある。
【0034】
[0066]ジョー組立体400は、外側管206に対する内側管308の退出又は前進が、ジョー組立体400の上部ジョー402及び下部ジョー404の開閉を引き起こすであろ
うように、外側管206及び内側管308に固定される場合がある。上で述べられたように、また、より詳細に下で議論されるであろうように、第1の方向へのハンドル120の係合は、外側管206に対する、第1の方向への、内側管308の動きを引き起こすであろう。これは、ジョー組立体400の開動を引き起こす場合がある。同様に、第2の方向へのハンドル120の解放は、外側管206に対する、第2の方向への、内側管308の動きを引き起こす場合がある。これは、ジョー組立体400の閉動を引き起こす場合がある。
【0035】
外側管組立体
[0067]図2A図2Gは、外側管組立体200の様々な実施形態を例証する。図2Aは、外側管組立体200の特定の構成要素の分解図を例証する。図2B図2Cは、外側管206の遠位端202を例証する。図2Dは、外側管組立体200の近位端204を例証する。図2E図2Hは、アダプタ210の複数の図を例証する。
【0036】
[0068]上で議論されたように、外側管組立体200は、外側管206、アダプタ210、及び、回転機構220を含む場合がある。図2Aに示されたように、外側管206の近位端は、アダプタ遠位端212に固定される場合があり、アダプタ近位端214は、回転機構220に取り付けられる場合がある。幾つかの実施形態では、回転機構220は、プラスチック、金属、ゴム等々などの任意の材料を含む場合がある。
【0037】
[0069]より詳細に下で議論されるであろうように、ジョー組立体400は、3mmから10mmの範囲の幅を有する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400は、15mmまでの範囲の幅を有する場合がある。ジョー組立体400は、従って、処置のために十分な力を生成する目的で、十分なクランプ力又は係合力を標的組織に適用するように構成されるべきである。幾つかの実施形態では、これは、ジョー組立体400でのクランプ力が4.54kg(10lbs)~6.356kg(14lbs)である場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400でのクランプ力は、4.54kg(10lbs)より小さい、4.54kg(10lbs)~4.994kg(11lbs)の間、4.994kg(11lbs)~5.448kg(12lbs)の間、5.448kg(12lbs)~5.902kg(13lbs)の間、5.902kg(13lbs)~6.356kg(14lbs)の間、又は、6.356kg(14lbs)より大きい場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400でのクランプ力は、4.54kg(10lbs)、4.994kg(11lbs)、5.448kg(12lbs)、5.902kg(13lbs)、又は、6.356kg(14lbs)のうちのいずれかである場合がある。装置に必要とされる力を変換するために、外側管206は、これらの力に耐えるように構成される材料を含む場合がある。例えば、外側管206は、二重硬質ステンレス鋼管、アルミニウム、チタン、プラスチック、炭素繊維等々を含む場合がある。幾つかの例では、アダプタ210は、これらの力に耐えるように構成される材料を含む場合がある。例えば、アダプタ210は、二重硬質ステンレス鋼管、アルミニウム、チタン、プラスチック、炭素繊維等々を含む場合がある。外側管206及びアダプタ210は、次に議論されるであろう。
【0038】
[0070]図2B図2Cは、外側管206の遠位端202を例証する。外側管206の遠位端202は、1対のアームを含むヨーク240を含む場合がある。ヨーク240の1対のアームの個々は、開口242及びスロット244を含む場合がある。図1Dに示されたように、旋回ピン460は、開口部242を通して適合するように構成される場合があり、内側管ピン470は、スロット244に沿って移動するように構成される場合がある。より詳細に下で議論されるであろうように、スロット244に沿った内側管ピン470の動きは、ジョー組立体400を開閉するように構成される場合がある。
【0039】
[0071]図2Dは、外側管組立体200の近位端204を例証する。外側管組立体200の近位端204は、遠位端212及び近位端214を有するアダプタ210を含む場合がある。幾つかの実施形態では、アダプタ210の遠位端212は、外側管206の近位端の上に配設される。幾つかの例では、アダプタ210の近位端214は、回転機構220内に位置する。図2E図2Hは、アダプタ210の複数の図を例証する。アダプタ210の近位端214は、複数の近位溝216を含む場合がある。幾つかの例では、近位溝216は、回転ノブにロックインするように構成される。これは、ユーザが治療用超音波デバイス100(例えば、ジョー組立体400)の先端を回転させるのを可能にする場合がある。
【0040】
内側管組立体
[0072]図3A図3Dは、内側管組立体300の様々な実施形態を例証する。図3Aは、内側管組立体300の構成要素の分解図を例証する。図3B図3Cは、内側管組立体300の遠位端302及び近位端304の複数の図を例証する。図3Dは、内側管組立体300の構成要素の交差部の断面図を例証する。
【0041】
[0073]図3Aに示されたように、内側管組立体300は、内側管308、スペーサ310、及び、コネクタ330を含む場合がある。幾つかの実施形態では、内側管308の近位端は、スペーサ310及びコネクタ330の遠位端と係合するように構成される。幾つかの例では、内側管308、スペーサ310、及び、コネクタ330は、これらの力に耐えるように構成される材料を含む。例えば、内側管308、スペーサ310、及び、コネクタ330のいずれも、二重硬質ステンレス鋼管、アルミニウム、チタン、プラスチック、炭素繊維等々を含む場合がある。幾つかの実施形態では、内側管及び外側管は、可撓性を有する又は関節接合している場合がある。幾つかの例では、内側管組立体300は、ケーブル及び/又はワイヤがデバイスの遠位端102から近位端104まで走るのを可能にするために、中空である場合がある。
【0042】
[0074]外側管206に関して議論されたように、ジョー組立体400は、処置に十分な力を生成する目的で、十分なクランプ又は係合圧力を標的組織に加えるように構成される場合がある。装置に必要とされる力を変換するために、内側管308は、これらの力に耐えるように構成される材料を含む場合がある。例えば、内側管308は、二重硬質ステンレス鋼管、アルミニウム、チタン、プラスチック、炭素繊維等々を含む場合がある。幾つかの実施形態では、中空管の代わりに、内側管308は、中実のプルロッド(例えば、矩形のプルロッド)を代わりに含む場合がある。内側管308が中空の代わりに中実である例では、トレース(ケーブルやワイヤではない)は、デバイスの遠位端102に電力を供給するために使用される場合がある。
【0043】
[0075]図3Aから理解されるように、内側管308の近位端は、複数の開口306を含む場合がある。同様に、スペーサ310は、複数の開口312を含む場合があり、コネクタ330の遠位端は、複数の遠位開口336を含む場合がある。幾つかの例では、スペーサ310は、内側管308の複数の開口306が、スペーサ310の複数の開口312と整列するように、内側管308の近位端の上に配設される場合がある。幾つかの実施形態では、スペーサ310は、コネクタ330の内径と内側管308の外径との間に締まり嵌めを提供するように構成される。幾つかの実施形態では、コネクタ330の遠位端は、スペーサ310及び内側管308の近位端の近位端の上に配設される場合がある。幾つかの例では、コネクタ330の複数の遠位開口336は、スペーサ310の複数の開口312及び内側管308の近位端の複数の開口306と整列するように構成される。
【0044】
[0076]図3Dは、内側管組立体300の断面、並びに内側管308、スペーサ310、及びコネクタ330の間の連結の実施形態を例証する。上で述べられたように、複数の開
口306、312、336は、締結体によって整列及び固定される場合がある。幾つかの実施形態では、内側管308、スペーサ310、及びコネクタ330を固定する締結体は、複数のだぼピン320である。幾つかの例では、内管308、スペーサ310、及びコネクタ330は、ボルト留め、溶接、共締め、又は接着される場合がある。
【0045】
[0077]幾つかの実施形態では、内側管組立体300は、コネクタ330を含む場合がある。上で述べられたように、コネクタ330は、治療用超音波デバイス100(例えば、ハンドル120)の近位端104に内側管308を固定するように構成される場合がある。幾つかの例では、内側管組立体300及び外側管組立体200の近位端は、ジョー組立体400を作動させるように構成されるデバイス(例えば、ハンドル120以外)とインターフェース接続するように構成される。例えば、これは、治療用超音波デバイス100が様々な用途(例えば、管腔内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡処置)で使用され得るように、ロボット関節接合アームを含む場合がある。
【0046】
[0078]上で述べられたように、コネクタ330は、コネクタ330の遠位端の複数の遠位開口336と、スロット334と、コネクタ330の近位端の近位開口332と、を含む場合がある。幾つかの例では、スロット334は、内側管組立体300の内側管308が治療用超音波デバイス100を通って並進するのを可能にするように構成される。保持ピン230は、近位開口332によって所定の位置に保持されて、コネクタ330のスロット334に嵌合される場合がある。幾つかの実施形態では、コネクタ330の近位端は、自由に浮動する。
【0047】
[0079]上で述べられたように、幾つかの実施形態では、内側管組立体300の遠位端302は、1対のアームを含むヨーク340を含む場合がある。幾つかの例では、ヨーク340の1対のアームの個々は、開口342を含む。幾つかの実施形態では、開口342は、内側管ピン470を受容するように構成される。
【0048】
[0080]より詳細に下で議論されるであろうように、外側管206は、外側管206のヨーク240が内側管308のヨーク340のまわりに配設されるように、内側管308の上に配設される場合がある。幾つかの例では、内側管308の遠位端302の開口342及び係合された内側管ピン470は、外側管206の遠位端202のスロット244と整列される。これは、内管308の遠位端302が、外側管206の遠位端202のスロット244内で内側管ピン470を移動させるのを可能にする場合がある。
【0049】
ジョー及びジョー組立体
[0081]図4A図4Fは、ジョー組立体400の個別のジョーの実施形態を例証する。ジョー組立体400は、半分だけが図4A図4Fに例証されるが、図4A図4Fに例証されたジョーは、上部ジョー402及び/又は下部ジョー404を説明する場合がある。
【0050】
[0082]幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、ジョー402、404の近位端408の耳部420と、ジョー402、404の遠位端406のボディ430と、を含む。ジョー402、404は、耳部420に隣接し、耳部420及びボディ430間の開口422を含む場合がある。より詳細に下で議論されるであろうように、開口422は、ジョー402、404が旋回ピン460のまわりを回転し得るように、ピボットピン460を受容するように構成される場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、ステンレス鋼又はセラミックから構成される場合がある。幾つかの例では、ジョー402、404は、3mmから10mmの間の幅を有する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、1mmから15mmの間の幅を有する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm
、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、及び、15mmの幅のうちのいずれかを有する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、5mmから100mmの間の長さを有する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、5mm~10mm、10mm~15mm、15mm~20mm、20mm~25mm、25mm~30mm、30mm~35mm、35mm~40mm、40mm~45mm、45mm~50mm、50mm~55mm、55mm~60mm、60mm~65mm、65mm~70mm、70mm~75mm、75mm~80mm、80mm~85mm、85mm~90mm、90mm~95mm、又は、95mm~100mmのいずれかの範囲の間の長さを有する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー402、404は、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、90mm、95mm、及び、100mmの長さのうちのいずれかを有する場合がある。
【0051】
[0083]幾つかの実施形態では、耳部420は、スロット424を含む。スロット424は、(図4Aに示されたように)湾曲、直線、又は、任意の他の構成にされる場合がある。スロット424は、内側管ピン470を受容するように構成される場合がある。より詳細に下で議論されるであろうように、スロット424内の内側管ピン470の動きは、ジョー組立体400の1対のジョー402、404が移動(例えば、開閉)するのを引き起こすように構成される場合がある。
【0052】
[0084]幾つかの実施形態では、ボディ430は、音響スタック(図示せず)を受容するように構成された開口434を含む。図4A及び図4Eに示されたように、開口434は、形状が矩形である場合がある。しかしながら、開口434は、音響スタックを受容して固定し得る限り、任意の形状である場合がある。幾つかの実施形態では、ボディ430は、シェル432を形成する。より詳細に下で議論されるであろうように、本体430のシェル432は、音響スタックが形成される変換器のためにエアポケットを提供するように構成される場合がある。
【0053】
[0085]ボディ430のベースは、開口490を更に含む場合がある。開口490は、音響スタックのケーブル(図示せず)が開口490を貫き通るのを可能にするように構成される場合がある。ケーブルは、次いで、ケーブル150(図1Aに示されたように)に取り付けられる外側管組立体200/内側管組立体300を通って走っていることがある。このように、電力ソースは、治療用超音波デバイス100に給電するために、音響スタックに提供される場合がある。
【0054】
[0086]幾つかの実施形態では、ジョー402、404の遠位端406は、歯410を含む。例えば、図4A図4Eに示されたように、歯410は、ボディ430に隣接するジョー402、404の遠位端406の波状の折り目として形成される場合がある。他の実施形態では、歯410は、ジョー402、404の遠位端406の縁部に沿って、又は、ボディ430の全周囲に沿って、形成される。歯410は、鋸歯状、三角形、針状等々などの任意の形状又は構成を有する場合がある。同様に、歯410は、ジョー402、404の一方又は双方に位置する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400は、標的組織の上で閉じるので、組織は、所定の位置を外れて動くように傾く場合がある。歯410は、従って、ジョー組立体400が下向きにクランプするときに、標的組織と係合してこれを保持するように構成される。
【0055】
[0087]図5A図5Dは、治療用超音波デバイス100の遠位端102のジョー組立体400間の連結の例を詳述する。上で議論されたように、ジョー組立体400は、外側管206の遠位端202と、内側管308の遠位端302と、に係合するために組み立てら
れる場合がある。図5A図5Dに例証されたジョー組立体400は、ケーブル440を備えた音響スタック500を含む。幾つかの実施例では、ジョー組立体400の近位端は、ジョー組立体400を作動させるように構成されるデバイス(例えば、外側管206の遠位端202及び内側管308の遠位端302以外)とインターフェース接続するように構成される。例えば、これは、治療用超音波デバイス100が様々な用途(例えば、管腔内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡処置)で使用され得るように、ロボット関節接合アームを含む場合がある。
【0056】
[0088]上で議論されたように、外側管206は、内側管308のヨーク340の1対のアームが外側管206のヨーク240の1対のアームと概ね整列されるように、内側管308の上に配設される場合がある。これは、外側管206が内側管308の上に配設される図5C及び5Dの断面図からより良く理解される場合がある。内側管308が外側管206内に適合してそれに対して動くのを可能にするために、内側管308の直径は、外側管206よりも小さい場合がある。例えば、内側管308は、2.62mm(0.103インチ)の直径を有する場合があり、外側管206は、3.38mm(0.133インチ)の直径を有する場合がある。
【0057】
[0089]図5A図5Dから理解されるように、外側管206のヨーク240及び内側管308のヨーク340は、ジョー組立体400の耳部420がそれらの間に適合するのを可能にするために離間される。幾つかの実施形態では、ヨーク240及びヨーク340の1対のアームは、上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420が旋回ピン460のまわりを自由に回転するのを可能にする隙間が存在するように、十分に長い。
【0058】
[0090]上で議論されたように、外側管206のヨーク240の1対のアームの個々は、開口242及びスロット244を含む場合がある。これらの開口は、内側管308のヨーク340の1対のアームの個々に位置する開口342と共に、ジョー組立体400の上部ジョー402及び下部ジョー404を保持して移動するように構成される。上で述べられたように、幾つかの実施形態では、これは、旋回ピン460と内側管ピン470の組合せを使用して達成される場合がある。
【0059】
[0091]図5A図5Dに示されたように、上部ジョー402及び下部ジョー404の個々の開口422は、外側管206のヨーク240の1対のアームの個々の開口242と整列される。幾つかの実施形態において、旋回ピン460は、ジョー組立体400の上部ジョー402及び下部ジョー404が外側管206のヨーク240間に保持されるように、外側管206に嵌入してそれに固定される。旋回ピン460は、上部ジョー402及び下部ジョー404が旋回ピン460のまわりを回転するのを可能にするように構成される場合もある。
【0060】
[0092]上で述べられたように、内側管ピン470は、ジョー組立体400の上部ジョー402及び下部ジョー404が開閉するのを引き起こすように構成される場合がある。図5Aから図5Dに示されたように、ヨーク340の1対のアームの開口342は、ヨーク240の1対のアームのスロット244と整列される。図5B図5Dに例証されたように、ジョー組立体400の上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420は、ヨーク340間に位置し、従って、スロット424の一部は、外側管206のスロット244がその上を延びている平面と交差する。
【0061】
[0093]図5B図5Dの断面図からより良く理解されるように、内側管ピン470は、開口342の個々に嵌入してそれに固定される場合がある。幾つかの実施形態では、内側管ピン470は、ブッシュ480に圧入される。幾つかの実施形態では、内側管ピン470の端部は、内側管ピン470がスロット424に沿って自由に移動し得るように、外側
管206のスロット244を通って延びるように構成される。内側管ピン470は、上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420のスロット424の個々に嵌入する場合もある。この構成は、内側管308がスロット244に沿って内側管ピン470を前進又は後退させるのを可能にする場合があり、その理由は、内側管308が外側管206に対して前進又は後退され得るからである。内側管ピン470がスロット244の長さに沿って移動するので、内側管ピン470は、耳部420の個々のスロット424のトラックに沿って移動するように構成される。内側管ピン470が第1の方向に移動するとき、内側管ピン470は、スロット424の第1の端部まで移動し、ジョー組立体400を開かせる。同様に、内側管ピン470が第2の方向に移動するとき、内側管ピン470は、スロット424の第2の端部まで移動し、ジョー組立体400を閉じさせる。
【0062】
[0094]幾つかの実施形態では、ワイヤガイド450は、内側管308より遠位の外側管206内に適合するように構成される。ワイヤガイド450は、ワイヤがジョー402、404に衝突しないように、顎部402、404の耳部420間に位置するワイヤを保護するように構成されることがある。ワイヤガイド450は、ケーブル440を受容してそれを内側管308の内部の長さに沿って案内するための開口を含むことがある。幾つかの実施形態では、ワイヤガイド450は、提携材料から構成される場合がある。例えば、材料は、樹脂ポリマなどの熱可塑性物質である場合がある。
【0063】
[0095]幾つかの実施形態では、ジョー組立体400は、ブッシュ480を含む。上で述べられたように、ブッシュ480は、上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420間に位置する場合がある。ブッシュ480は、ピボットピン460を所定の位置に固定して、上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420間の空間を維持するように構成される場合がある。ブッシュ480は、例えば、ワイヤが衝突しないように、上部ジョー402及び下部ジョー404の耳部420を分離した状態に保つ場合がある。しかも、ブッシュ480は、ドローピン470を保持するように構成される場合がある。上で議論されたように、幾つかの例では、ドローピン470は、ブッシュ480の中に押し込まれる。ブッシュ480は、同様に又は代替的に、ジョー組立体400内の上部ジョー402及び下部ジョー404の回転を防ぐように構成されることがある。幾つかの実施形態では、ブッシュ480は、ステンレス鋼などの材料から構成される場合がある。
【0064】
[0096]図5Eは、旋回ピン460を通る治療用超音波デバイス100の遠位端102の断面図を例証する。例証されたように、上部ジョー402及び下部ジョー404の複数の耳部420は、外側管206のヨーク240の1対のアーム間に位置する。幾つかの実施形態では、上で議論されたように、旋回ピン460は、1対のジョーが回転するのを可能にするために、上部ジョー402及び下部ジョー404の開口422を通って延びる。上で述べられたように、ワイヤガイド450は、ヨーク240のベースの近くで耳部420に隣接して位置する場合がある。
【0065】
[0097]図5Fは、内側管ピン470を通る治療用超音波デバイス100の遠位端102の断面図を例証する。上で述べられたように、内側管ピン470は、外側管206のスロット244を通って、また、ヨーク340の遠位端302を通って延びる場合がある。幾つかの実施形態では、内側管ピン470は、同じく上部ジョー402及び下部ジョー404の個々のスロット424を通って延びる。ブッシュ480は、ジョー組立体400の1対のジョーの耳部420間に位置する場合がある。議論されたように、これは、ジョー組立体400の1対のジョーの耳部420間の空間を維持して、ジョー組立体400の1対のジョーの回転を防止するのに役立つ場合がある。
【0066】
[0098]ジョー組立体400は、上部ジョー402及び下部ジョー404の双方が可動であるように構成される場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400の1対の
ジョーのうちの一方だけは、可動である。幾つかの実施形態では、上部ジョー402及び下部ジョー404は、開いたときに角度を形成し、上部ジョー402及び下部ジョー404の動きは、ハサミのような動きである。他の実施形態では、上部ジョー402及び下部ジョー404は、互いに平行であり、1対のジョーが互いに平行のままであるように開閉する。
【0067】
音響スタック
[0099]幾つかの実施形態では、治療用超音波デバイス100は、ジョー組立体400の各ジョー内に音響スタック500を含む場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400は、音響スタック500を備えたジョーと、音響スタックを備えていないジョーと、を含む場合がある。図6A図6C図7A図7C、及び、図8A図8Cは、音響スタック500の複数の実施形態を例証する。
【0068】
[0100]図6A図6Cは、音響スタック500aの第1の実施形態を例証する。音響スタック500aは、音響波発生層510a層、接着剤520a層、及び、整合層540aを含む場合がある。幾つかの実施形態では、510a層は、圧電変換器(PZT)である。幾つかの実施形態では、510a層は、容量性機械加工超音波変換器(CMUT)、或いは、電圧及びパルスを適用するように構成される機械加工ドラムを含む任意の他のシリコンチップである場合がある。幾つかの例では、510a層は、2.6mmの幅と15mmの長さとを有する場合がある。
【0069】
[0101]幾つかの例では、整合層540aは、510a層(例えば、PZT層)から標的組織への音響波伝播を整合させることによって、標的部位への音響エネルギの伝達を可能にするように構成される。音響波の周波数は、それを通過する材料の厚さ及びタイプの関数であるため、整合層540aは、波動が標的組織から反射されるのを防止するように構成される。波動が1つの材料から次のものに伝播する目的で、同様の音響インピーダンスを有するべきである。インピーダンスの不一致がある場合、波動は、反射される。反射の程度は、不一致の程度に依存する。
【0070】
[0102]1つ又は複数の電極530aは、PZT510a、接着剤520a、及び整合層540aの各層間の音響スタック500aの端部に位置する場合がある。幾つかの実施形態では、電極530aは、銅を含む場合がある。他の実施形態では、電極530aは、任意の導電性材料を含む場合がある。ケーブル440は、音響スタック500aの端部に位置し、音響スタック500aに電力を供給するために電極530aと電気的に接触する場合がある。幾つかの実施形態では、図6Cに示されたように、PZT510aは、複数のスロット512aを含む場合がある。スロット512aは、変換器600aの長さに沿ってより均一な音響場を生成するように構成される場合がある。
【0071】
[0103]図7A図7Cは、音響スタック500bの第2の実施形態を例証する。音響スタック500aと同様に、音響スタック500bは、PZT510b層、接着剤520b層、及び、整合層540bを含む場合がある。1つ又は複数の電極530bは、PZT510b、接着剤520b、及び、整合層540bの各層間の音響スタック500bの端部に位置する場合がある。音響スタック500aと同様に、ケーブル440は、音響スタック500bに電力を供給するために、複数の電極530bに電気的に接続される場合がある。
【0072】
[0104]図8A図8Cは、音響スタック500cの第3の実施形態を例証する。音響スタック500a、500bに関して議論されたように、音響スタック500cは、PZT510c層、接着剤520c層、及び、整合層540cを含む場合がある。図8Cに例証されたように、PZT510c層は、複数の並んだPZTを含む場合がある。示された例
では、PZT510c層は、3つの隣接するPZTを含む。1つ又は複数の電極530cは、PZT510c層の上及び下の層に位置する場合がある。図8Cに示されたように、電極530cは、複数のPZT510cの個々が電極530cによって連結されるように、PZT510c層の上及び下に整列される場合がある。幾つかの実施形態では、図8Cから理解されるように、接着剤520cは、複数の電極530cを受容するように構成される場合がある。ケーブル440は、音響スタック500cに電力を供給するために、複数の電極530cの少なくとも1つに電気的に接続される場合がある。
【0073】
[0105]音響スタック500の上記実施形態の個々における整合層540は、PZT510の音速を、治療用超音波デバイスが適用されている組織(その組織はより高いインピーダンスを有することがある)を通る音速に、適合させるように構成される場合がある。整合層540は、グラファイト又はフルオロポリマを含む場合があり、整合層540の表面は、パリレン又は整合層540に非粘着性及び/又は生体適合性表面を提供する任意の他の材料でコーティングされる場合がある。
【0074】
[0106]幾つかの実施形態では、整合層540は、接着剤520層によってPZT510の表面に取り付けられる場合がある。接着剤520層は、エポキシ又はPZT510を整合層540にはんだ付けすることから形成された金属層である場合がある。
【0075】
[0107]より詳細に下で議論されるであろうように、音響スタック500a、500b、及び、500cの各々は、ジョー組立体400のジョー402、404の少なくとも一方に固定されるように構成される。音響スタックは、ジョー402、404に固定されるとき、治療用超音波を生成し得る変換器を形成する。音響スタック500a、500b、500cの各々は、構造が単純であるため、形成された変換器は、現在存在する他の変換器構造と比較して、より高い強度のエネルギを生成することができる。このように、小さいサイズのジョー組立体(例えば、3mm~15mm)は、組織を効率的にシール及び/又はカットすることができる。
【0076】
[0108]音響スタック500a、500b、及び、500cの個々は、上で説明された音響場及び電力を提供するように構成される。幾つかの実施形態では、音響スタック500a、500b、500cの個々は、水中で駆動されるときに、結果として生じる音響場マップを変化させることを提供する。音響スタック500a、500b、及び、500cの個々は、構造の複雑さにおいて異なる。幾つかの例では、音響スタック500bは、音響スタック500cの構造と比較して、最も単純な構造を有する。
【0077】
変換器並びに適用された電力と力との関係
[0109]幾つかの例では、上で議論されたように、クランプの対向するアームに超音波変換器を配置することによって、変換器間でうまく局限されて制御された高強度領域の正中線を達成し、吸収されたエネルギは、正中線から変換器に向けて進行する組織を焼灼して、完全な焼灼面をもたらす。特に、DTUが使用される場合に、高い焦点利得と介在組織を通る長い伝達経路に起因する深刻な付随的損傷は、回避されて、代わりに、侵襲的又は低侵襲的な手術を提供する場合がある。DTUの使用は、経皮的HIFUで頻繁に必要とされるラスタスキャン技術とは対照的に、組織の体積(最大~30cm)を数秒で処置するための焼灼/アブレーションの平面を誘導する能力を提供する場合がある。既存のラスタスキャンは、現在開示されているデバイスを使用してアブレーションされたと同等の体積をアブレーションするための長い処置時間(例えば、数時間)を必要とする場合がある。
【0078】
[0110]幾つかの実施形態では、アブレーションは、数秒で起こり、それは超音波吸収を介した発熱に起因し、また、その理由は高強度領域が変換器ヘッドの正中線内にうまく包
含されるからである。開示されたデバイスでは、関心領域を超える付随的熱拡散が存在せず、変換器の面は、過度に加熱されず、こうして組織がアプリケータに付着するのを防止する。アブレーションされた組織は、同様にボディによって吸収される。開示された装置は、アブレーション及び止血が著しく速い処置時間で達する場合があり、また、熱拡散及びデバイスへの組織付着に起因した合併症がどれも完全に回避される、という点で既存のアブレーション技術に対してかなりの利点を有する。革新的な治療モダリティ/デバイスと併せて、超音波は、治療を管理している同じ変換器で治療の進捗状況を評価するための処置領域を調べる能力の余裕もある。
【0079】
[0111]幾つかの実施形態では、処置を標的部位に提供するために、十分なクランプ力及び電力は、ジョー組立体400から送達されなければならない。特に、ジョー組立体400は、3mm~15mmの範囲内にあるとき、ジョー組立体400の変換器の構成は、十分な電力を標的部位に提供することに関連性がある場合がある。
【0080】
[0112]殆どの変換器の構造では、変換器は、バッキング層、銅電極層、PZT層、第2の銅電極層、及び、別のバッキング層を含む。これらの層の個々は、特に、複数のバッキング層は、変換器によって送達され得る電力を制限する抵抗の増加を提供する。しかしながら、従来の変換器は、広範囲の周波数で動作し得る変換器を形成するために、これらの構成要素で構築される。
【0081】
[0113]対照的に、開示された治療用超音波デバイス100は、より大きな電力/cmを提供するように、狭い周波数範囲内で動作するように構築されるジョー組立体400に変換器を含む。幾つかの実施形態では、変換器は、任意の超音波周波数で動作するように設計される場合がある。例えば、変換器は、1MHz~10MHzで動作するように設計される場合がある。幾つかの実施形態では、開示された治療用超音波デバイス100の変換器は、10Wから200Wの間の電気を生成する無線周波数(RF)信号発生器によって駆動される。治療用超音波デバイス100の変換器は、電気パワーを音響パワーに変換するように構成される。開示された治療用超音波デバイス100の変換器は、60%~80%の間の効率で機能するように構成される。例えば、変換器によって生成される音響パワーは、約200ワットである。図9A及び図9Bは、変換器600a及び変換器600aを形成する1対のジョー402、404の個々の実施形態断面を例証する。これらの実施形態の個々及び/又は双方は、ジョー組立体400内に形成される場合がある。
【0082】
[0114]図9Aは、ジョー402、404の一方又は双方の変換器600aの実施形態を例証する。示されたように、変換器600aは、ジョー402、404のシェル432に位置する音響スタック500を含む場合がある。上で議論されたように、音響スタック500は、整合層540及びPZT510を含む場合がある。バッキング層を含む従来の変換器とは対照的に、開示された変換器600aは、超音波が空気中をうまく進行しないので高い効率を保証するように構成される空気充填ポケット610を有する。音響波生成層(例えば、PZT510層)は、510層の両側を通して音響波を生成するように構成される。空気は、音響波発生器(例えば、PZT)にとって可能な最大のインピーダンス不整合であるため、空気充填ポケット610は、大部分の音響波が空気充填側で反射して組織に戻るのを引き起こす。
【0083】
[0115]上で述べられたように、現在の変換器の構造は、従来の変換器の構造に存在する多くの層(例えば、複数の電極層及びバッキング層)を含まない。変換器600aの実施形態は、従って、従来の変換器と比較したときに、より小さいインピーダンスに遭遇し、比較的短い距離にわたってかなり多くのパワーを生成する場合がある。同様に、変換器に含まれるより少数の層は、PZT層の経験する負荷の量を減らす。これは、従って、PZT層が所与の電気パワーでより多くの音響パワーを生成するのを可能にする場合がある。
この増えた出力は、上で開示された治療用超音波デバイス100のジョー組立体で生成され得る力と共に、比較的小さなサイズ(例えば、3mm~15mm)のジョー組立体400が標的部位で短時間に組織をシール及び/又はカットするのを可能にする場合がある。組織をシール及び/又は分割するための治療用超音波デバイス100の能力は、組織に送達されるエネルギ、組織がクランプされる圧力、及び、処置の適用される時間(例えば、パワー=エネルギ/時間)の関数である。この関係の例は、図14に例証される。
【0084】
[0116]図9Bは、ジョー402、404の一方又は双方に形成され得る変換器600bの別の実施形態を例証する。変換器600aと同様に、変換器600bは、ジョー402、404のシェル432に位置する音響スタック500を含む場合がある。同様に、音響スタック500は、整合層540及びPZT510を含む場合がある。空気充填ポケット610に加えて、変換器600bは、シェル432の内側表面を更に電気的に絶縁するのに役立つライニング620を含む。空気充填ポケット610に関して説明されたように、ライニング620は、超音波の効率を更に改善するように構成される。幾つかの例では、ライニング620は、耐熱性ポリマを含む。幾つかの実施形態では、ライニング620は、シェル432の内側表面を更に電気的に絶縁することによって、変換器から生成された電力が消散されるのを更に防止する。上で述べられたように、これは、変換器600bで生成される電力を増やす場合がある。上で開示された治療用超音波デバイス100のジョー組立体400で生成され得る力と共に、変換器600bの構成は、比較的小さなサイズ(例えば、3mm~15mm)のジョー組立体400が標的部位で短時間に組織をシール及び/又はカットするのを可能にする場合がある。上で議論されたように、組織をシール及び/又は分割するための治療用超音波デバイス100の能力は、組織に送達されるエネルギ、組織がクランプされる圧力、及び、処置の適用される時間(例えば、パワー=エネルギ/時間)の関数である。
【0085】
[0117]幾つかの実施形態では、治療用超音波デバイス100のジョー組立体400が標的部位に係合するとき、変換器600a、600bは、音響波を媒体(例えば、組織)の標的部位に向けて発射し、音響波が組織から反射するときにエコーを受容する場合がある。例えば、0.15mmの波長は、10MHzを使用して生成される場合があり、0.3mmの波長は、5MHzを使用して生成される場合があり、0.4mmの波長は、3.5MHzを使用して生成される場合があり、1.5mmの波長は、1MHzを使用して生成される場合がある。幾つかの例では、標的部位は、病気の、或いは、病気でない組織、筋肉、脈管構造等々である場合がある。幾つかの例では、送信される超音波は、組織を伝播するときに非線形になる場合があり、非線形伝播は、送信元の変換器600a、600bの焦点領域で又はその近くで発生する音響ビームに高調波を生成する場合がある。幾つかの実施形態では、焦点領域で、高調波の中味は、音響ビームの狭小化、組織加熱の強化、及び、近位焦点シフトを引き起こす可能性がある。幾つかの例では、焦点領域は、変換器600a、600bソースの強度が最も高い点、面積、又は、体積を指す場合がある。
【0086】
[0118]図14A図14Dに例証されたように、組織は、40℃から100℃の間に加熱される場合がある。図11に例証されたように、組織内の音速は、温度に依存する。組織の温度が約50℃に上昇するとき、タンパク質の変性が起こって、音速対温度のプロットの傾きに変曲点をもたらす。50℃近くでは、傾きは、ゼロである場合がある。
【0087】
[0119]図12Aは、最大温度と音響エネルギとの間の関係が時間固定の強度対指数法則関係に従うことを例証し、図12Bは、電力及び強度が固定の時間対線形関係を例証し、図12Cは、固定時間での強度対線形関係を例証する。これらの予備的な傾向は、所望の温度を達成するために必要なエネルギ、時間、及び、強度を予測するように構成される場合がある。図12Dは、特定の電力で所与の温度に達するのに必要な時間を更に示す。
【0088】
[0120]幾つかの例では、ジョー組立体400は、超音波が標的部位を通過するときに反射して戻る電力を監視するように構成される。幾つかの実施形態では、反射して戻された電力は、標的部位が焼灼(例えば、シール又はカット)された程度を治療用超音波デバイス100が決定するのを助ける場合がある。幾つかの例では、これは、組織が焼灼されて音響インピーダンスが変化するときに、時間が経つと決定される。このインピーダンス変化は、ジョー組立体400によって反射して戻って感知される電力量に影響を与える場合がある。
【0089】
[0121]幾つかの実施形態では、治療用超音波デバイス100は、完全なアブレーションと止血制御として定義される治療の終了の指標として、ジョー組立体400内の2つの変換器間の電圧定在波比(VSWR)の(例えば、著しい)変化を検知する場合がある。生体内実験は、実施され、ジョー組立体400は、熱電対が装備されたブタの腎臓に位置決めされた。治療は、VSWRの著しい変化(平均時間約140秒)が観察されるまで管理された。腎臓の遠位部分の切除時に、出血は、観察されず(直後及び10分の時間枠の間)、焼灼面は、明瞭に完全にデマークされた。更にまた、VSWR変曲点を超える処置時間は、クランプヘッドに隣接する過度の加熱を見せなかった。これらの研究の結果が確認したことは、VSWRが処置終了時間を決定するための潜在的に実行可能な機構であり、こうして健全なアブレーション及び止血を確実化し、同時に、過剰処置及び熱拡散に起因する可能的な付随的損傷を回避する、ということである。
【0090】
[0122]図13A図13Dは、処置の終了を決定するためのVSWRの使用を例証する。先ず図13Aに転じると、変曲点は、43℃を超えた処置において観察される。図13Bは、長時間(例えば、240秒)の処置が、焦点領域の著しい温度増加とは対照的に、クランプに隣接する温度の僅かな上昇を示したことを例証する。図13Cは、生体内治療の終了を決定するためのVSWRを使用することが完全な止血をもたらす例を例証する。最後に、図13Dは、内部温度が生体内実験中に140秒で約50℃に達したことを例証する。
【0091】
[0123]幾つかの例では、変換器600a、600bによって生成される超音波に加えて、ジョー組立体400によって適用される力は、標的組織をシール及びカットするのに効果的である場合がある。幾つかの実施形態では、特に、血管のシールの場合、ジョー組立体400によって適用されるクランプ力と必要なパワーとの間に関係が存在する。関係の例は、図14に例証される。例えば、ジョー組立体400によって適用されるクランプ力が低すぎるとき、変換器600a、600bからのより高いエネルギは、必要であり、逆もまた同じである。
【0092】
[0124]幾つかの実施形態では、上で議論されたように、ジョー組立体400は、4.54kg(10lbs.)のクランプ力を提供するように構成される場合がある。幾つかの実施形態では、これは、ジョー組立体400でのクランプ力が4.54kg(10lbs.)から6.35kg(14lbs.)の間に分布する場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400でのクランプ力は、4.54kg(10lbs.)未満、4.54kg(10lbs.)から4.99kg(11lbs.)の間、4.99kg(11lbs.)から5.44kg(12lbs.)の間、5.44kg(12lbs.)から5.90kg(13lbs.)の間、5.90kg(13lbs.)から6.35kg(14lbs.)の間、又は、6.35kg(14lbs.)より大きい、場合がある。幾つかの実施形態では、ジョー組立体400でのクランプ力は、4.54kg(10lbs.)、4.99kg(11lbs.)、5.44kg(12lbs.)、5.90kg(13lbs.)、又は、6.35kg(14lbs.)のいずれかである場合がある。前述のクランプ力をジョー組立体400に生成する目的で、特に、上部ジョー402及び下部ジョー404が僅か3mm~10mmの幅を有するとき、十分な力は、治療用超音波デバ
イス100のハンドル120に適用されなければならない。幾つかの実施形態では、力の伝達比は、約20:1である。幾つかの例では、力の伝達比は、15:1から約20:1であり、比は、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は、20:1であり、或いは、比は、15:1と16:1の間であり、比は、16:1と17:1の間であり、比は、17:1と18:1の間であり、比は、18:1と19:1の間であり、又は、比は、19:1と20:1の間である。幾つかの実施形態では、力の伝達比は、FDAの要件を満足し、女性人口の95%は、治療用超音波デバイス100を作動させる場合がある。幾つかの実施例では、旋回ピン460と、1対のジョー402、404の耳部420のスロット424の角度及び/又は曲率と、の組み合わせは、ジョー組立体400で生成される力の増大に役立つために、ジョー組立体400のモーメントを増大させるように構成される。
【0093】
[0125]図10は、ジョー組立体400によって生成されるクランプ力と、1対のジョー402、404の耳部420における直線スロット424のためのジョー開口角度と、の間の関係を、湾曲スロット424の場合と比較して、例証する。図10に示されたように、直線スロット424は、約25から0度の範囲に亘って、約2.27kg(5.0lbs.)から3.08kg(6.8lbs.)の間に分布するジョークランプ力を提供する場合がある。別の例では、直線スロット424は、約15から0度の範囲に亘って、約3.40kg(7.50lbs.)から3.86kg(8.50lbs.)の間に分布するジョークランプ力を提供する場合がある。比較すると、湾曲スロット424は、約15から0度の範囲に亘って、約0.91kg(2lbs.)から4.54kg(10lbs.)の間に分布するジョークランプ力を提供する場合がある。例証されたように、湾曲スロット424は、より小さい角度範囲に亘ってより大きなジョークランプ力を提供するモーメントを生成するように構成される場合がある。
【0094】
[0126]ジョー組立体400によって適用される力と、変換器600によって生成される電力と、に加えて、ジョー組立体400が標的組織に適用される時間は、組織及び/又は血管がシール又はカットされるか否かに影響を及ぼす場合がある。幾つかの実施形態では、シールするためのエネルギは、クランプ圧力、音響パワー、及び、時間の関数である。
E(s)=F(cp(t),ap(t))
【0095】
[0127]幾つかの実施形態では、組織及び/又は血管は、約2秒以内にシールされる場合がある。幾つかの例では、組織及び/又は血管は、約10秒以内にカットされる場合がある。この時間は、同等の組織のために約10から25秒必要とするサーマル又はRFテクノロジとは対照的である。同様に、変換器600での超音波の使用は、非常に短い時間枠内での制御された組織のシール及び/又はカットを提供する場合がある。幾つかの例では、変換器600は、組織に応じて、2から10秒以内に組織をシール及び/又はカットする場合がある。例えば、5mmの血管は、100ジュールの音響エネルギを使用してシールされる場合がある。同様に、5mmの血管は、追加の50ジュールの音響エネルギでカットされる場合がある。幾つかの実施形態では、5mmの血管は、シールするために約270ジュールを必要とする。幾つかの例では、5mmの血管は、分割するために約640ジュールを必要とする。必要とされるエネルギの量は、組織のタイプ及び血管サイズ並びに標的組織の処置のために使用される音響レジームに応じて様々であろう。
【0096】
[0128]本開示の様々な実施形態例は、次の条項に鑑みて説明される場合がある。
【0097】
条項1: 組織を焼灼するための医療手術中に使用するための治療用超音波デバイスであって、
治療用超音波デバイスは、
近位端及び遠位端を有する内側管であって、
内側管の遠位端は、第1の可動締結体を受容及び固定するように構成された第1の係合部分を含む、
内側管と、
近位端及び遠位端を有する外側管であって、
外側管の遠位端は、第2の可動締結体を受容及び固定するように構成された第2の係合部分を含み、
外側管は、第2の係合部分が第1の係合部分と整列されるように、内側管のまわりに配設される、
外側管と、
約15ミリメートル未満の幅を有し、クランプ力を標的部位に適用するように構成されている組織クランプ組立体であって、
組織クランプ組立体は、治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの変換器を含み、
組織クランプ組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含み、
組織クランプ組立体の遠位端は、内側管の第1の係合部分及び外側管の第2の係合部分と係合するように構成されている、
組織クランプ組立体と、
内側管の近位端及び外側管の近位端に固定されているハウジング組立体であって、
ハウジング組立体は、内側管を外側管に対して作動させて組織クランプ組立体を閉じるように構成されたハンドルを含む、
ハウジング組立体と、
を含む、治療用超音波デバイス。
【0098】
条項2: 条項1に記載の治療用超音波デバイスであって、内側管の第1の係合部分は、第1の可動締結体を用いて、組織クランプ組立体に固定され、外側管の第2の係合部分は、第2の可動締結体を用いて、組織クランプ組立体に固定される、治療用超音波デバイス。
【0099】
条項3: 条項1又は条項2に記載の治療用超音波デバイスであって、組織クランプ組立体の第1のジョー及び第2のジョーは、第2の可動締結体のまわりを回転するように構成される、治療用超音波デバイス。
【0100】
条項4: 条項1から3のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、第1の方向にハンドルを作動させることは、第1のジョー及び第2のジョーを分離するために、内側管及び取り付けられた第1の可動締結体を移動させるように構成され、第2の方向にハンドルを作動させることは、第1のジョー及び第2のジョーを互いに近くに移動させるために、内側管及び取り付けられた第1の可動締結体を移動させるように構成される、治療用超音波デバイス。
【0101】
条項5: 条項1に記載の治療用超音波デバイスであって、外側管は、二重硬質ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、プラスチック、又は炭素繊維のうちの少なくとも1つを含む、治療用超音波デバイス。
【0102】
条項6: 条項1に記載の治療用超音波デバイスであって、内側管は、二重硬質ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、プラスチック、又は炭素繊維のうちの少なくとも1つを含む、治療用超音波デバイス。
【0103】
条項7: 条項1に記載の治療用超音波デバイスであって、第1のジョー及び第2のジョーは、約4.54kg(10lbs)、約4.994kg(11lbs)、約5.448kg(12lbs)、約5.902kg(13lbs)、及び、約6.356kg(1
4lbs)のうちのいずれか1つを適用するように構成される、治療用超音波デバイス。
【0104】
条項8: 治療用超音波デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する内側管と、
近位端及び遠位端を有する外側管であって、外側管は、内側管の遠位端及び内側管の遠位端が整列されるように、内側管のまわりに配設される、外側管と、
内側管の遠位端及び外側管の遠位端に固定され、約15ミリメートル未満の幅を有する係合組立体であって、係合組立体は、係合力を標的に適用するように構成され、また、標的に方向付けされた治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの変換器を含む、係合組立体と、
内側管の近位端及び外側管の近位端に固定されたハウジング組立体であって、ハウジング組立体は、内側管を外側管に対して作動させるように構成されたハンドルを含み、外側管に対する内側管の作動は、係合組立体を係合及び係合解除させるように構成される、ハウジング組立体と、を含む、治療用超音波デバイス。
【0105】
条項9: 条項8に記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体は、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の係合力を標的に適用するように構成される、治療用超音波デバイス。
【0106】
条項10: 条項8又は条項9に記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含み、第1のジョー及び第2のジョーは、第1のジョーを第2のジョーに固定するために、可動締結体と係合するように個々が構成され、第1のジョー及び第2のジョーの少なくとも一方は可動である、治療用超音波デバイス。
【0107】
条項11: 条項8から10のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体の第1のジョー及び第2のジョーは、ハサミのような動きで互いに対して動くように構成される、治療用超音波デバイス。
【0108】
条項12: 条項8から10のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体の第1のジョー及び第2のジョーは、互いに対して平行に動くように構成される、治療用超音波デバイス。
【0109】
条項13: 条項8から10のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、外側管の遠位端は、係合組立体の第1のジョー及び第2のジョーを固定するために、可動締結体と係合し、内側管は、第1の方向の内側管の動きが第1のジョー及び第2のジョーを分離して、第2の方向の内側管の動きが第1のジョー及び第2のジョーを互いに近くに移動させるように、第1のジョーの遠位端及び第2のジョーと係合する、治療用超音波デバイス。
【0110】
条項14: 条項8から13のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体は、標的に係合して、係合圧力及び少なくとも1つの変換器からの治療用超音波を適用し、標的をシールする、治療用超音波デバイス。
【0111】
条項15: 条項8から14のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体は、標的に係合して、係合圧力及び少なくとも1つの変換器からの治療用超音波を適用し、標的をカットする、治療用超音波デバイス。
【0112】
条項16: 条項8から15のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、外側管は、二重硬質ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、プラスチック、及び炭素繊維のうちの少なくとも1つを含む、治療用超音波デバイス。
【0113】
条項17: 条項8から16のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、内側管は、二重硬質ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、プラスチック、及び炭素繊維のうちの少なくとも1つを含む、治療用超音波デバイス。
【0114】
条項18: 条項8から17のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体は、ステンレス鋼又はセラミックスの少なくとも一方を含む、治療用超音波デバイス。
【0115】
条項19: 条項8から18のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、ハウジング組立体から係合組立体までの力の移動は、約20:1である、治療用超音波デバイス。
【0116】
条項20: 条項8から19のいずれかに記載の治療用超音波デバイスであって、係合組立体は、約15ミリメートル未満で約3ミリメートルより大きい幅を有する、治療用超音波デバイス。
【0117】
条項21: 標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、
方法は、
組織係合組立体を標的組織部位に案内するステップであって、組織係合組立体は、治療用超音波を組織標的部位に提供するように構成された少なくとも1つの変換器を含み、
組織係合組立体は、作動デバイスの遠位端に固定され、
作動デバイスは、内側管の内部に配設された外側管を含み、外側管は、組織係合組立体を固定するように構成され、内側管は、組織係合組立体を係合及び係合解除するために、外側管に対して動くように構成される、
ステップと、
組織係合組立体を標的組織部位と係合させるために、第1の方向に内側管を作動させるステップと、
組織係合組立体を用いて、標的組織部位に係合圧力を適用するステップと、
少なくとも1つの変換器を介して、標的組織部位に治療用超音波を提供するステップと、
組織係合組立体を標的組織部位から係合解除するために、第2の方向に内側管を作動させるステップと、
を含む、方法。
【0118】
条項22: 条項21に記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、標的組織部位に提供される治療用超音波は、標的組織部位の組織をシールする、方法。
【0119】
条項23: 条項21又は条項22に記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、標的組織部位に提供される治療用超音波は、標的組織部位の組織をカットする、方法。
【0120】
条項24: 条項21から23のいずれかに記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、組織係合組立体は、約15ミリメートル未満の幅を有する、方法。
【0121】
条項25: 条項21から24のいずれかに記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、組織係合組立体は、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の係合力を標的部位に適用するように構成される、方法。
【0122】
[0129]本開示の様々な実施形態例は、次の条項に鑑みて説明される場合がある。
【0123】
条項1: 組織係合のための治療用超音波システムであって、システムは、
約15ミリメートル未満の幅を有し、係合力を標的部位の組織に適用するように構成された組織係合組立体を含み、
組織係合組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含み、
第1のジョー及び第2のジョーの個々は、
音響スタックを収容するボディ部分であって、音響スタックは、治療用超音波を標的部位の組織に提供するように構成される、ボディ部分と、
ボディ部分の近位端に位置する開口と、を含み、
第1のジョー及び第2のジョーは、互いに対向して位置し、また、可動締結体を用いてそれぞれの開口に保持され、従って、第1のジョー及び第2のジョーは、可動締結体が第1の方向又は第2の方向に動くときに、互いに対して動く、
システム。
【0124】
条項2: 条項1に記載の治療用超音波システムであって、組織係合組立体の第1のジョー及び第2のジョーは、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の力を標的部位の組織に適用するように構成される、システム。
【0125】
条項3: 条項1又は条項2に記載の治療用超音波システムであって、
組織係合組立体の近位端に取り付けられたハウジング組立体を更に含み、ハウジング組立体は、ハンドルを含み、
第1の方向にハンドルを作動させることは、第1のジョーの遠位端と第2のジョーの遠位端との間の距離を減らすために、第1の方向に可動締結体を移動させるように構成され、
第2の方向にハンドルを作動させることは、第1のジョーの遠位端と第2のジョーの遠位端との間の距離を増やすために、第2の方向に可動締結体を移動させるように構成される、
システム。
【0126】
条項4: 治療用超音波装置であって、
第1のジョーであって、
約15ミリメートル未満の幅を有し、音響スタックを収容する第1のボディ部分であって、音響スタックは、治療用超音波を生成するように構成される、第1のボディ部分と、
第1のボディ部分の近位端に位置する第1の開口と、
を含む第1のジョーと、
第1のジョーに対向する第2のジョーであって、
第2のボディ部分と、
第2のボディ部分の近位端に位置する第2の開口と、
を含む第2のジョーと、
を含み、
第1のジョー及び第2のジョーは、締結体を用いて、前記第1の開口及び前記第2の開口で保持され、従って、前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、組織に係合するように構成され、
係合力は、第1のジョー及び第2のジョーが閉じるときに、組織に適用され、
音響スタックによって生成された治療用超音波は、第1のジョー及び第2のジョーが閉じるときに、組織に適用される、
治療用超音波装置。
【0127】
条項5: 条項4に記載の治療用超音波装置であって、第2のジョーは、治療用超音波
を生成するように構成された音響スタックを収容する、治療用超音波装置。
【0128】
条項6: 条項4又は条項5に記載の治療用超音波装置であって、第1のジョーの第1のボディ部分の近位端と、第2のジョーの第2のボディ部分の近位端と、の間に位置するブッシュを更に含み、ブッシュは、第2のジョーに対する第1のジョーの回転を防止する、治療用超音波装置。
【0129】
条項7: 条項4から6のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第2のジョーは、約15ミリメートル未満の幅を有する、治療用超音波装置。
【0130】
条項8: 条項4から7のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー又は第2のジョーの少なくとも一方は、約15ミリメートル未満で約3ミリメートルより大きい幅を有する、治療用超音波装置。
【0131】
条項9: 条項4から8のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、組織に適用される係合力は、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の力を含む、治療用超音波装置。
【0132】
条項10: 条項4から9のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー又は第2のジョーの少なくとも一方は、ステンレス鋼又はセラミックの少なくとも一方を含む、治療用超音波装置。
【0133】
条項11: 条項4から10のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のボディ部分及び音響スタックは、エアポケットを形成する、治療用超音波装置。
【0134】
条項12: 条項4から11のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー又は第2のジョーの少なくとも一方は、組織をキャプチャするように構成された複数の歯を含む、治療用超音波装置。
【0135】
条項13: 条項12に記載の治療用超音波装置であって、複数の歯は、第1のジョー又は第2のジョーの少なくとも一方の遠位端に形成される、治療用超音波装置。
【0136】
条項14: 条項12又は条項13に記載の治療用超音波装置であって、複数の歯は、波状的なひだを含む、治療用超音波装置。
【0137】
条項15: 条項12から14のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、複数の歯は、第1のジョー又は第2のジョーの少なくとも一方の部分に沿って位置する、治療用超音波装置。
【0138】
条項16: 条項12から15のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー及び第2のジョーは、ハサミのような動きで閉じるように構成される、治療用超音波装置。
【0139】
条項17: 条項12から16のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー及び第2のジョーは、第1のジョー及び第2のジョーが相互に平行なままであるように、閉じるように構成される、治療用超音波装置。
【0140】
条項18: 条項12から17のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー及び第2のジョーは、互いに対して動かすことによって、閉じるように構成される、治療用超音波装置。
【0141】
条項19: 条項12から18のいずれかに記載の治療用超音波装置であって、第1のジョー及び第2のジョーは、第1のジョー又は第2のジョーの一方だけを動かすことによって、閉じるように構成される、治療用超音波装置。
【0142】
条項20: 標的部位の組織に治療用超音波を適用する方法であって、
第1のジョー及び第2のジョーを含む組織係合組立体を案内するステップであって、第1のジョー又は第2のジョーの少なくとも一方は、標的部位の組織に治療用超音波を提供するように構成された音響スタックを収容するボディ部分を含む、ステップと、
第1のジョー及び第2のジョーを標的部位の組織と係合させるために、組織係合組立体を作動させるステップと、
組織係合組立体の第1のジョー及び第2のジョーを用いて、標的部位の組織に係合力を適用するステップと、
少なくとも1つの音響スタックによって生成された治療用超音波を標的部位の組織に提供するステップと、
第1のジョー及び第2のジョーを標的部位の組織から係合解除するために、組織係合組立体を作動させるステップと、
を含む、方法。
【0143】
条項21: 条項20に記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、標的部位の組織に提供される治療用超音波は、標的組織部位の組織をシールする、方法。
【0144】
条項22: 条項20又は条項21に記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、標的部位の組織に提供される治療用超音波は、標的組織部位の組織をカットする、方法。
【0145】
条項23: 条項20から22のいずれかに記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、組織係合組立体は、約15ミリメートル未満で約3ミリメートルより大きい幅を有する、方法。
【0146】
条項24: 条項20から23のいずれかに記載の標的組織部位に治療用超音波を適用する方法であって、組織係合組立体は、少なくとも約4.54キログラム(約10ポンド)の係合力を標的部位の組織に適用するように構成される、方法。
【0147】
[0130]本開示の様々な実施形態例は、次の条項に鑑みて説明される場合がある。
【0148】
条項1: 治療用超音波変換器であって、
音響スタックであって、
圧電層と、
整合層と、
少なくとも圧電層及び整合層間に位置する少なくとも1つの電極と、
を含む音響スタックと、
内側表面を有し、内側表面が音響スタックを受容する開口を画定するシェルと、
を含み、
音響スタック及びシェルの内側表面は、音響スタックの圧電層とシェルの内側表面との間にポケットを形成し、
治療用超音波変換器は、少なくとも約200ワットの電力を生成するように及び約1MHzから約10MHzの間の周波数で動作するように構成される、
治療用超音波変換器。
【0149】
条項2: 条項1に記載の治療用超音波変換器であって、シェルの内側表面は、ライニングを更に含み、ライニングは、シェルの内側表面を音響スタックから電気的に絶縁する、治療用超音波変換器。
【0150】
条項3: 条項1又は条項2に記載の治療用超音波変換器であって、ライニングは、耐熱性ポリマを含む、治療用超音波変換器。
【0151】
条項4: 条項1から3のいずれかに記載の治療用超音波変換器であって、約3ミリメートルから約15ミリメートルの間の幅を有する、治療用超音波変換器。
【0152】
条項5: 条項1から4のいずれかに記載の治療用超音波変換器であって、約5ミリメートルから約15ミリメートルの間の幅を有する、治療用超音波変換器。
【0153】
条項6: 条項1から5のいずれかに記載の治療用超音波変換器であって、整合層は、非粘着性又は生体適合性の少なくとも一方である表面を有する、治療用超音波変換器。
【0154】
条項7: 条項1から6のいずれかに記載の治療用超音波変換器であって、音響スタックは、圧電層及び整合層を取り付ける接着剤層を更に含む、治療用超音波変換器。
【0155】
条項8: 条項1から7のいずれかに記載の治療用超音波変換器であって、ポケットは、ガスで充填される、治療用超音波変換器。
【0156】
条項9: 条項1から8のいずれかに記載の治療用超音波変換器であって、圧電層は、複数のスロットを含み、複数のスロットは、均一な音響場を提供するように構成される、治療用超音波変換器。
【0157】
条項10: 変換器であって、
音響スタックであって、
圧電層と、
整合層と、
少なくとも圧電層及び整合層間に位置する少なくとも1つの電極と、
を含む音響スタックと、
内側表面を有し、内側表面が音響スタックを受容する開口を画定するシェルと、
を含み、
音響スタック及びシェルの内側表面は、音響スタックの圧電層とシェルの内側表面との間にポケットを形成し、
変換器は、標的に方向付けされた治療用超音波を提供するように構成される、
変換器。
【0158】
条項11: 条項10に記載の変換器であって、少なくとも約200ワットの電力を生成するように構成される、変換器。
【0159】
条項12: 条項10又は条項11に記載の変換器であって、約1MHzから約10MHzの間の周波数で動作するように構成される、変換器。
【0160】
条項13: 条項10から12のいずれかに記載の変換器であって、係合組立体の内側表面は、ライニングを更に含み、ライニングは、シェルの内側表面を音響スタックから電気的に絶縁する、変換器。
【0161】
条項14: 条項10から13のいずれかに記載の変換器であって、整合層は、非粘着
性又は生体適合性の少なくとも一方である表面を有する、変換器。
【0162】
条項15: 条項10から14のいずれかに記載の変換器であって、音響スタックは、圧電層及び整合層を取り付ける接着剤層を更に含む、変換器。
【0163】
条項16: 治療用超音波を生成するように構成された変換器であって、
音響スタックであって、
圧電層と、
圧電層に接着された整合層と、
少なくとも圧電層及び整合層間に位置する少なくとも1つの電極と、
を含む音響スタックと、
内側表面を有するシェルであって、内側表面が音響スタックを受容する開口を画定し、シェルの内側表面は、シェルの内側表面を音響スタックから絶縁するライニングを含む、シェルと、
を含み、
音響スタック及びシェルの内側表面は、音響スタックの圧電層とシェルの内側表面との間に、ガスが充填されるポケットを形成する、
変換器。
【0164】
条項17: 条項16に記載の変換器であって、少なくとも約200ワットの電力を生成するように構成される、変換器。
【0165】
条項18: 条項16又は条項17に記載の変換器であって、約1MHzから約10MHzの間の周波数で動作するように構成される変換器。
【0166】
条項19: 条項16から18のいずれかに記載の変換器であって、第1のボディ部分の内側表面は、ライニングを更に含み、ライニングは、シェルの内側表面を音響スタックから電気的に絶縁する、変換器。
【0167】
条項20: 条項16から19のいずれかに記載の変換器であって、整合層は、非粘着性又は生体適合性の少なくとも一方である表面を有する、変換器。
【0168】
特定の用語
[0131]本明細書で使用される、「上部」、「下部」、「水平」、「鉛直」、「縦」、「横」、及び「端」などの配向の用語は、例証される実施形態の文脈で使用される。しかしながら、本開示は、例証される配向に限定されるべきではない。実際、他の配向は、可能であり、また、本開示の範囲内にある。本明細書で使用されるような、直径や半径などの円形状に関する用語は、完全な円形構造を必要としないと理解すべきであり、寧ろ、左右に測定され得る断面領域を備えた任意の適切な構造に適用されるべきである。「円形」又は「シリンダ形」又は「半円形」又は「セミシリンダ形」などの一般的な形状に関する用語、或いは、任意の関連する又は同様の用語は、円又はシリンダ又は他の構造の数学的な定義に厳密に準拠することが要求されないが、合理的に近い近似物である構造を包含する場合がある。
【0169】
[0132]別途明記されない限り、又は、使用される文脈内で別途理解されない限り、「can(できる)」、「could(できた)」、「might(できた)」、又は、「may(かもしれない)」などの条件的な言語は、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又はステップを含む又は含まないということを伝達することを一般的に意図される。こうして、そういった条件的な言語は、特徴、要素、及び/又はステップが1つ又は複数の実施形態のためになんらかの形で要求されるということを意味することを一般的に意図
されない。
【0170】
[0133]言い回し「少なくとも1つのX、Y、又はZ」などの選言的な言語は、別途明記されない限り、項目、用語等々がX、Y、Zのいずれか、又はそれらの任意の組合せ(例えば、X、Y、及び/又はZ)であり得ることを提示するために一般的に使用されるように文脈で別途理解される。こうして、そういった選言的な言語は、特定の実施形態が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、又は、少なくとも1つのZを個々の存在のために要求するということを意味することを一般的に意図されず、また、そう意図すべきでない。
【0171】
[0134]本明細書で使用されるような用語「ほぼ」、「約」、及び「実質上」は、所望の機能を依然として実行するか又は所望の結果を達成する規定量に近い量を表す。例えば、幾つかの実施形態では、文脈が指示するように、用語「ほぼ」、「約」、及び「実質上」は、規定量の10%以下の量を指すことがある。本明細書で使用されるような用語「一般に」は、特定の値、量、又は特徴を主に含むか又はそれに向かう傾向のある値、量、又は特徴を表す。一例として、特定の実施形態では、文脈が指示し得るように、用語「概ね平行」は、正確に平行から20度だけ逸脱するものを指す場合がある。
【0172】
[0135]別途明記されない限り、「a」又は「an」などの冠詞は、1つ又は複数の説明された項目を含むと一般に解釈されるべきである。従って、「のように構成されたデバイス」などの言い回しは、1つ又は複数の列挙されたデバイスを含むことを意図される。そういった1つ又は複数の列挙されたデバイスは、述べられた列挙事項を実行するように集合的に構成される場合もある。例えば、「列挙事項A、B、及びCを実行するように構成されたプロセッサ」は、列挙事項B及びCを実行するように構成された第2のプロセッサと連動して仕事する、列挙事項Aを実行するように構成された第1のプロセッサを含む場合がある。
【0173】
[0136]用語「含む」、「含む」、「有する」、及び同種のものは、同義語であり、また、包括的で制限のない様式で使用され、また、追加の要素、特徴、活動、操作、その他を除外しない。同様に、用語「幾つか」、「特定の」、及び同種のものは、同義語であり、また、制限のない様式で使用される。また、用語「又は」は、用語「又は」が、例えば、リストの要素を連結するために使用されるときにリストの要素のうちの1つ、幾つか、又は全てを意味するように、それの包括的な意味で(それの排他的な意味ではなくて)使用される。
【0174】
[0137]全般的に、特許請求の範囲の言語は、特許請求の範囲で採用されている言語に基づいて広く解釈されるべきである。特許請求の範囲の言語は、本開示で例証及び説明されるか又は本出願の手続き中に議論される非排他的な実施形態及び例に限定されるべきではない。
【0175】
概要
[0138]様々なカバーが特定の実施形態及び例(例えば、外科用組立体及び方法)の文脈で開示されてきたが、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的実施形態、並びに/或いは、実施形態及びそれらの特定の修正や等価物の使用、にまで延びる。例えば、開示されたカバーのいずれかは、翼、羽根、ブレード、プロペラ、インペラ、又はその他などの他のタイプのデバイスの前縁で使用される場合がある。開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、様々なモードのコンベアを形成する目的で、互いに組み合わされるか又は互いに置き換えられる場合がある。本開示の範囲は、本明細書で説明された特定の開示された実施形態によって限定されるべきではない。
【0176】
[0139]別個の実装の文脈で本開示で説明される特定の特徴は、単一の実装で組み合わせて実装される場合もある。逆に、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実装で個別に又は任意の適切な副組合せで実装される場合もある。特徴は、特定の組合せで機能するとして、上で説明されていることがあるが、権利請求する組合せからの1つ又は複数の特徴は、ケースによっては、組合せから切り取られる場合があり、組合せは、任意の副組合せとして或いは任意の副組合せの変形例として、権利請求されることがある。
【0177】
[0140]その上、動作は、特定の順序で図面に示され又は明細書に説明されることがあるが、そういった動作は、示された特定の順序又は連続した順序で実行される必要はなく、全ての動作は、所望の結果を達成するために実行される必要はない。図示も説明も為されていない他の動作は、方法例及びプロセス例に組み込まれる場合がある。例えば、1つ又は複数の追加の動作は、任意の説明された動作の前、後、同時に、又は、その間において実行される場合がある。更に、動作は、他の実装で再配置又は再順序化されることがある。また、上で説明された実装における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装でそういった分離を必要とするとして理解されるべきではなく、理解されるべきことは、説明された構成要素及びシステムが、一般に単一の製品に共に統合されるか又は複数の製品にパッケージ化される場合がある、ということである。追加的に、他の実装は、本開示の範囲内にある。
【0178】
[0141]幾つかの実施形態は、添付の図面に関連して説明された。図面は、所定のスケールで描かれ及び/又は示されるが、そういったスケールは、限定されるべきではなく、その理由は、示されているもの以外の寸法及び比率が、企図されるからであり、また、本開示の範囲内にあるからである。距離、角度等々は、単なる例証であり、また、例証されたデバイスの実際の寸法及びレイアウトに対して正確な関係を必ずしも持ってはいない。構成要素は、追加、除去、及び/又は再配置される場合がある。更に、様々な実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特質、品質、属性、要素、又は同種のものについての本明細書での開示は、本明細書に記載された全ての他の実施形態で使用される場合がある。追加的に、本明細書で説明される任意の方法は、列挙されたステップを実行するのに適した任意のデバイスを使用して実施されることがある。
【0179】
[0142]要約すれば、前縁組立体の様々な実施形態及び例が開示された。組立体は、それらの実施形態及び例の文脈において開示されたが、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的実施形態及び/又は実施形態の他の使用並びにその特定の修正及び等価物まで延びる。本開示が明白に企図することは、開示された実施形態の様々な特徴及び態様が、互いに組み合わされるか又は置換され得ることである。こうして、本開示の範囲は、上で説明された特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、次に続く特許請求の範囲の公正な解釈だけによって決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用超音波デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する内側管と、
近位端及び遠位端を有する外側管であって、前記外側管は、前記内側管のまわりに配設される、外側管と、
前記内側管の前記遠位端及び前記外側管の前記遠位端に固定され、15ミリメートル未満の幅を有する係合組立体であって、前記係合組立体は、係合力を標的に適用するように構成され、また、第1のジョー、第2のジョー及び音響スタックを含む、係合組立体と、
前記内側管の前記近位端及び前記外側管の前記近位端に固定されたハウジング組立体であって、前記ハウジング組立体は、前記内側管を前記外側管に対して作動させるように構成されたハンドルを含み、前記外側管に対する前記内側管の作動は、前記係合組立体を係合及び係合解除させるように構成される、ハウジング組立体と、
を含み、
前記係合組立体は、少なくとも4.54キログラム(10ポンド)の係合力を前記標的に適用するように構成され、
前記音響スタックは、整合層と、前記標的に方向付けされた治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの圧電層と、を含み、
前記圧電層は、少なくとも1つの圧電変換器と、前記圧電層の長さに沿って均一な音響場を複数のスロットと、を含み、
前記第1のジョー又は前記第2のジョーは、シェルを含み、
前記音響スタックと前記シェルとの間に空気充填ポケットが構成され、
前記圧電変換器は、前記標的をアブレーションするための超音波エネルギを前記標的に提供するように構成されている、
治療用超音波デバイス。
【請求項2】
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、前記第1のジョーを前記第2のジョーに固定するために、可動締結体と係合するように個々が構成され、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーの少なくとも一方は、可動である、請求項1に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項3】
前記外側管の前記遠位端は、前記係合組立体の前記第1のジョー及び前記第2のジョーを固定するために、前記可動締結体と係合し、前記内側管は、第1の方向の前記内側管の動きが前記第1のジョー及び前記第2のジョーを分離して、第2の方向の前記内側管の動きが前記第1のジョー及び前記第2のジョーを互いに近くに移動させるように、前記第1のジョーの遠位端及び前記第2のジョーと係合する、請求項2に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項4】
前記係合組立体は、標的に係合して、係合圧力及び前記少なくとも1つの圧電変換器からの治療用超音波を適用し、前記標的をシール又は前記標的をカットする、請求項1から3のいずれかに記載の治療用超音波デバイス。
【請求項5】
前記ハウジング組立体から前記係合組立体までの力の伝達は、20:1である、請求項1から4のいずれかに記載の治療用超音波デバイス。
【請求項6】
15ミリメートル未満の幅を有し、音響スタックを収容する第1のボディ部分であって、前記音響スタックは、治療用超音波を生成するように構成される、第1のボディ部分と、
前記第1のボディ部分の近位端に位置する第1の開口と、
を含む、第1のジョーと
前記第1のジョーに対向する第2のジョーであって、
第2のボディ部分と、
前記第2のボディ部分の近位端に位置する第2の開口と、
を含む、第2のジョーとを備え、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、締結体を用いて、前記第1の開口及び前記第2の開口で保持され、従って、前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、組織に係合するように構成され、
係合力は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが閉じるときに、前記組織に適用され、
前記音響スタックによって生成された前記治療用超音波は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが閉じるときに、前記組織に適用され、
前記第1のジョー又は前記第2のジョーの少なくとも一方は、15ミリメートル未満で3ミリメートルより大きい幅を有し、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、係合組立体に含まれ、
前記係合組立体は、少なくとも4.54キログラム(10ポンド)の前記係合力を標的の前記組織に適用するように構成され、
前記音響スタックは、整合層と、前記標的に方向付けされた前記治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの圧電層と、を含み、
前記圧電層は、少なくとも1つの圧電変換器と、前記圧電層の長さに沿って均一な音響場を複数のスロットと、を含み、
前記第1のジョーは、シェルを含み、
前記音響スタックと前記シェルとの間に空気充填ポケットが構成され、
前記圧電変換器は、前記標的をアブレーションするための超音波エネルギを前記標的に提供するように構成されている、
治療用超音波装置。
【請求項7】
前記第2のジョーは、治療用超音波を生成するように構成された音響スタックを収容する、請求項6に記載の治療用超音波装置。
【請求項8】
前記第1のジョーの前記第1のボディ部分の前記近位端と、前記第2のジョーの前記第2のボディ部分の前記近位端と、の間に位置するブッシュを更に含み、前記ブッシュは、前記第2のジョーに対する前記第1のジョーの回転を防止する、請求項6又は7に記載の治療用超音波装置。
【請求項9】
前記第1のジョー又は前記第2のジョーの少なくとも一方は、前記組織をキャプチャするように構成された複数の歯を含み、
前記複数の歯は、波状的なひだを含み、
前記複数の歯は、
前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの遠位端に、又は、
前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの前記少なくとも一方の部分に沿って、のどちらかで形成される、請求項6から8のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【請求項10】
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、互いに対して動かすことによって又は前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの一方だけを動かすことによって、ハサミのような動きで閉じて相互に平行なままであるように構成される、請求項6から9のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用超音波デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する内側管と、
近位端及び遠位端を有する外側管であって、前記外側管は、前記内側管のまわりに配設される、外側管と、
前記内側管の前記遠位端及び前記外側管の前記遠位端に固定され、15ミリメートル未満の幅を有する係合組立体であって、前記係合組立体は、係合力を標的に適用するように構成され、また、第1のジョー、第2のジョー及び音響スタックを含む、係合組立体と、
前記内側管の前記近位端及び前記外側管の前記近位端に固定されたハウジング組立体であって、前記ハウジング組立体は、前記内側管を前記外側管に対して作動させるように構成されたハンドルを含み、前記外側管に対する前記内側管の作動は、前記係合組立体を係合及び係合解除させるように構成される、ハウジング組立体と、
を含み、
前記係合組立体は、少なくとも4.54キログラム(10ポンド)の係合力を前記標的に適用するように構成され、
前記音響スタックは、整合層と、前記標的に方向付けされた治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの圧電層と、を含み、
前記圧電層は、少なくとも1つの圧電変換器と、前記圧電層の長さに沿って均一な音響場を促進するように構成される複数のスロットと、を含み、
前記第1のジョー又は前記第2のジョーは、シェルを含み、
前記音響スタックと前記シェルとの間に空気充填ポケットが構成され、
前記圧電変換器は、前記標的をアブレーションするための超音波エネルギを前記標的に提供するように構成されている、
治療用超音波デバイス。
【請求項2】
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、前記第1のジョーを前記第2のジョーに固定するために、可動締結体と係合するように個々が構成され、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーの少なくとも一方は、可動である、請求項1に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項3】
前記外側管の前記遠位端は、前記係合組立体の前記第1のジョー及び前記第2のジョーを固定するために、前記可動締結体と係合し、前記内側管は、第1の方向の前記内側管の動きが前記第1のジョー及び前記第2のジョーを分離して、第2の方向の前記内側管の動きが前記第1のジョー及び前記第2のジョーを互いに近くに移動させるように、前記第1のジョーの遠位端及び前記第2のジョーと係合する、請求項2に記載の治療用超音波デバイス。
【請求項4】
前記係合組立体は、標的に係合して、係合圧力及び前記少なくとも1つの圧電変換器からの治療用超音波を適用し、前記標的をシール又は前記標的をカットする、請求項1から3のいずれかに記載の治療用超音波デバイス。
【請求項5】
前記ハウジング組立体から前記係合組立体までの力の伝達は、20:1である、請求項1から4のいずれかに記載の治療用超音波デバイス。
【請求項6】
15ミリメートル未満の幅を有し、音響スタックを収容する第1のボディ部分であって、前記音響スタックは、治療用超音波を生成するように構成される、第1のボディ部分と、
前記第1のボディ部分の近位端に位置する第1の開口と、
を含む、第1のジョーと
前記第1のジョーに対向する第2のジョーであって、
第2のボディ部分と、
前記第2のボディ部分の近位端に位置する第2の開口と、
を含む、第2のジョーとを備え、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、締結体を用いて、前記第1の開口及び前記第2の開口で保持され、従って、前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、組織に係合するように構成され、
係合力は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが閉じるときに、前記組織に適用され、
前記音響スタックによって生成された前記治療用超音波は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが閉じるときに、前記組織に適用され、
前記第1のジョー又は前記第2のジョーの少なくとも一方は、15ミリメートル未満で3ミリメートルより大きい幅を有し、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、係合組立体に含まれ、
前記係合組立体は、少なくとも4.54キログラム(10ポンド)の前記係合力を標的の前記組織に適用するように構成され、
前記音響スタックは、整合層と、前記標的に方向付けされた前記治療用超音波を提供するように構成された少なくとも1つの圧電層と、を含み、
前記圧電層は、少なくとも1つの圧電変換器と、前記圧電層の長さに沿って均一な音響場を促進するように構成される複数のスロットと、を含み、
前記第1のジョーは、シェルを含み、
前記音響スタックと前記シェルとの間に空気充填ポケットが構成され、
前記圧電変換器は、前記標的をアブレーションするための超音波エネルギを前記標的に提供するように構成されている、
治療用超音波装置。
【請求項7】
前記第2のジョーは、治療用超音波を生成するように構成された音響スタックを収容する、請求項6に記載の治療用超音波装置。
【請求項8】
前記第1のジョーの前記第1のボディ部分の前記近位端と、前記第2のジョーの前記第2のボディ部分の前記近位端と、の間に位置するブッシュを更に含み、前記ブッシュは、前記第2のジョーに対する前記第1のジョーの回転を防止する、請求項6又は7に記載の治療用超音波装置。
【請求項9】
前記第1のジョー又は前記第2のジョーの少なくとも一方は、前記組織をキャプチャするように構成された複数の歯を含み、
前記複数の歯は、波状的なひだを含み、
前記複数の歯は、
前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの遠位端に、又は、
前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの前記少なくとも一方の部分に沿って、のどちらかで形成される、請求項6から8のいずれかに記載の治療用超音波装置。
【請求項10】
前記第1のジョー及び前記第2のジョーは、互いに対して動かすことによって又は前記第1のジョー若しくは前記第2のジョーの一方だけを動かすことによって、ハサミのような動きで閉じて相互に平行なままであるように構成される、請求項6から9のいずれかに記載の治療用超音波装置。