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特開2024-84806環修飾プロリンショートペプチド化合物及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084806
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】環修飾プロリンショートペプチド化合物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/12 20060101AFI20240618BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240618BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20240618BHJP
   C07D 471/10 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
C07D403/12
A61P31/14 ZNA
A61P43/00 111
C07D471/08 CSP
A61K31/439
C07D471/10 101
A61K31/403
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060338
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2023518312の分割
【原出願日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】202110413867.X
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110517743.6
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110637580.5
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110659242.1
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110879570.2
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111040878.4
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111088812.2
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111307043.0
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111343012.0
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111433962.2
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111567163.4
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210029887.1
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210170046.2
(32)【優先日】2022-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522057917
【氏名又は名称】福建▲広▼生中霖生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】FUJIAN AKEYLINK BIOTECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】2F, COMPREHENSIVE OF FICE BUILDING, BUIDING 1‐7, FUYUAN INDUSTRIAL ZONE, ZHERONG COUNTY, NINGDE, FUJIAN 355300, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 曙▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲亜▼▲訊▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 建臣
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ ▲海▼▲鷹▼
(72)【発明者】
【氏名】王 正
(72)【発明者】
【氏名】黎 健
(57)【要約】      (修正有)
【課題】3CLプロテアーゼはコロナウイルスで比較的保存されており、異なるコロナウイルス3CLプロテアーゼの基質には共通の特徴があり、人体には3CLプロテアーゼと相同なプロテアーゼがないため、3CLプロテアーゼは理想的な抗コロナウイルス標的の1つになっている。かかる3CLプロテアーゼを標的とする環修飾プロリンショートペプチド化合物及びその使用方法の提供を目的とする。
【解決手段】環修飾プロリンショートペプチド化合物及びその使用であって、具体的に、式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を開示する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(ただし、
Gは
【化2】
から選択され;
環Aは、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され;
は、それぞれ独立してハロゲン、OR11、CN、CHS(O)-、-NH(R12)、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
11は、H、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CH(OCHCH-及びH(OCHCH-から選択され;
12は、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CHCO-及びCHSO-から選択され;
mは、0、1及び2から選択され;
p及びqは、1、2、3、4、5及び6から選択され;
nは、0、1、2、3及び4から選択され;
Xは、-CH(R)-から選択され;
は、それぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは、任意選択で1、2又は3個のR31により置換され;
及びRとそれらに連結された原子は一緒にC5-8シクロアルキルを形成し、前記C5-8シクロアルキルは、任意選択で独立して1又は2個のRにより置換され;
は、それぞれ独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは、任意選択で1、2又は3個のR41により置換され;
31及びR41は、それぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル及びC1-3ハロアルコキシから選択され;
は、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、-CH-R及び-CH-O-Rから選択され;
は、フェニルから選択され、前記フェニルは任意選択で1、2又は3個のR61により置換され;
61は、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3ハロアルコキシから選択される。)
【請求項2】
式(I´)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化3】
(ただし、
構造単位
【化4】
は、
【化5】
であり、
【化6】
は、任意選択で1、2又は3個のRa´により置換され;
環Dは、C4-8シクロアルキルから選択され、前記C4-8シクロアルキルは、任意選択で1又は2個のRa´により置換され;
a´は、それぞれ独立して、F及びメチルから選択される。)
【請求項3】
構造単位
【化7】
は、
【化8】
から選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
構造単位
【化9】
は、
【化10】
から選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
下記の式の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化11】
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項7】
3CLプロテアーゼ関連疾患を治療するための医薬の調製における、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用方法。
【請求項8】
前記3CLプロテアーゼ関連疾患は、コロナウイルス感染症である、請求項7に記載の使用方法。
【請求項9】
前記コロナウイルス感染症は、COVID-19による感染症である、請求項8に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は下記の優先権を主張する:
CN202110413867X、出願日は2021-04-16であり;
CN2021105177436、出願日は2021-05-12であり;
CN2021106375805、出願日は2021-06-08であり;
CN2021106592421、出願日は2021-06-11であり;
CN2021108795702、出願日は2021-07-30であり;
CN2021110408784、出願日は2021-09-06であり;
CN2021110888122、出願日は2021-09-16であり;
CN2021113070430、出願日は2021-11-05であり;
CN2021113430120、出願日は2021-11-12であり;
CN2021114339622、出願日は2021-11-29であり;
CN2021115671634、出願日は2021-12-20であり;
CN2022100298871、出願日は2022-01-12であり;
CN2022101700462、出願日は2022-02-23である。
【0002】
本発明は、医化学技術分野に関し、特に環修飾プロリンショートペプチド化合物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
今まで知られている人に感染するコロナウイルスは7種類であり、それぞれHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV(SARS)、MERS-CoV(MERS)及び2019年12月に初めて検出されたCOVID-19であり、現在、COVID-19は急速に広がり続けており、Alpha、BetaからDeltaまで、更にOmicronへと絶えず変化している。2022年、人類は新冠パンデミックの3年目を迎え、全世界での累計確定症例数は5億人を超え、累計死亡者数は600万人を超え、約50カ国で100万人を超える新冠の症例が確認され、その疫学的感染の様式、蔓延の状態とパンデミックの程度は、2009年のH1N1インフルエンザAをはるかに超えていた。SARS-CoV-2は一本の正鎖RNAウイルスに属し、SARS-CoV及びMERS-CoVと高い相同性を持っている。当該ウイルスが宿主細胞に感染して侵入した後、宿主細胞の助けを借りて、その遺伝物質RNAは先ずは翻訳されて、2つのポリタンパク質前駆体(pp1aとpp1ab)を発現し、ポリタンパク質前駆体は3CLプロテアーゼとPLプロテアーゼの作用下で分子内切断が発生して複数の非構造タンパク質を生成し、3CLプロテアーゼが少なくとも11部位の切断を担うため、メインプロテアーゼ(main protease、Mpro)とも呼ばれる。非構造タンパク質は、ウイルスのサブ遺伝子RNAと4つの構造タンパク質(Eタンパク質、Mタンパク質、Sタンパク質及びNタンパク質)の産生に関与して、子孫ウイルスの複製と放出を完了させ;3CLプロテアーゼはシステインプロテアーゼに属し、その活性型はホモ二量体である。3CLプロテアーゼはコロナウイルスで比較的保存されており、異なるコロナウイルス3CLプロテアーゼの基質には共通の特徴があり;人体には3CLプロテアーゼと相同なプロテアーゼがないため、3CLプロテアーゼは理想的な抗コロナウイルス標的の1つになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3CLプロテアーゼはコロナウイルスで比較的保存されており、異なるコロナウイルス3CLプロテアーゼの基質には共通の特徴があり、人体には3CLプロテアーゼと相同なプロテアーゼがないため、3CLプロテアーゼは理想的な抗コロナウイルス標的の1つになっている。かかる3CLプロテアーゼを標的とする環修飾プロリンショートペプチド化合物及びその使用方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化1】
環AはC3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され;
はそれぞれ独立してハロゲン、OR11、CN、CHS(O)-、-NH(R12)、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
11はH、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CH(OCHCH-及びH(OCHCH-から選択され;
12はC1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CHCO-及びCHSO-から選択され;
mは0、1及び2から選択され;
p及びqは1、2、3、4、5及び6から選択され;
nは0、1、2、3及び4から選択され;
Xは-CH(R)-、-CHCH-、O、S、Se、SO及び-N(R)-から選択され、前記-CHCH-は任意選択で1、2、3又は4個のRにより置換され;
Rはそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
はそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR31により置換され;
、Rはそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール又は5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR21により置換され;
又は、
及びRとそれらに連結された原子は一緒にC5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルを形成し、前記C5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR41により置換され;
21、R31及びR41はそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル及びC1-3ハロアルコキシから選択され;
はC1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、-CH-R及び-CH-O-Rから選択され;
はフェニルから選択され、前記フェニルは任意選択で1、2又は3個のR61により置換され;
61はハロゲン、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3ハロアルコキシから選択される。
【0006】
本発明は更に、(X-1)及び(X-2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化2】
ただし、
はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ及びC3-6シクロアルキルから選択され;
又は、隣接する炭素原子又は同じ炭素原子上の二つのRとそれらに連結された原子は一緒にシクロプロピル又はシクロブチルを形成し;
tは1又は2から選択され;
、R、n及び環Aは本発明に定義された通りである。
【0007】
本発明は更に、式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化3】
ただし、
環AはC3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され;
はそれぞれ独立してハロゲン、OR11、CN、CHS(O)-、-NH(R12)、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
11はH、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CH(OCHCH-及びH(OCHCH-から選択され;
12はC1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CHCO-及びCHSO-から選択され;
mは0、1及び2から選択され;
p及びqは1、2、3、4、5及び6から選択され;
nは0、1、2、3及び4から選択され;
Xは-CH(R)-、-CHCH-、O、S、Se、SO及び-N(R)-から選択され、前記-CHCH-は任意選択で1、2、3又は4個のRにより置換され;
Rはそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
はそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR31により置換され;
、Rはそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR21により置換され;
又は、
及びRとそれらに連結された原子は一緒にC5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルを形成し、前記C5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR41により置換され;
21、R31及びR41はそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル及びC1-3ハロアルコキシから選択され;
前記「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」及び「ヘテロアリール」は1、2又は3個の独立してO、S、SO、N、P及びSeから選択されるヘテロ原子又は原子団を含む。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RはF、Cl、Br、I、メチル、OH、CN、CHO-、CHS-、CHS(O)-、CHSO-、CHNH-、CHCONH-、CHSONH-、CHOCHCHO-、CH(OCHCHO-、CH(OCHCHO-、HOCHCHO-、H(OCHCHO-及びH(OCHCHO-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環AはC5-9シクロアルキル、5~8員ヘテロシクロアルキル、アダマンティル及びフェニルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環Aは
【化4】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化5】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RaはH及びメチルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化6】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化7】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0015】
本発明は、化合物が下記の式から選択される、前記化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化8】
ただし、R、R、n、X及び環Aは本発明に定義された通りである。
【0016】
本発明は、化合物が下記の式から選択される、前記化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化9】
ただし、R、R、n、X及び環Aは本発明に定義された通りである。
【0017】
本発明は式(VIII)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化10】
ただし、
Xは-CH(R)-、-CHCH-、O、S、Se、SO及び-N(R)-から選択され、前記-CHCH-は任意選択で1、2、3又は4個のRにより置換され;
Rはそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
はそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR31により置換され;
、Rはそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR21により置換され;
又は、
及びRとそれらに連結された原子は一緒にC5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルを形成し、前記C5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR41により置換され;
21、R31及びR41はそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル及びC1-3ハロアルコキシから選択され;
前記「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」及び「ヘテロアリール」は1、2又は3個の独立してO、S、SO、N、P及びSeから選択されるヘテロ原子又は原子団を含む。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態において、前記化合物は式(VIII-1)で表される構造から選択され、
【化11】
ただし、
及びRとそれらに連結された原子は一緒にC5-8シクロアルキルを形成し、前記C5-8シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
は本発明に定義された通りである。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態において、前記Rはそれぞれ独立してH、F及びCHから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化12】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0021】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化13】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態において、前記Rはそれぞれ独立してH、F、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル及びシクロブチルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化14】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化15】
から選択される。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態において、前記Rはそれぞれ独立してハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル及びC1-3ハロアルコキシから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態において、前記Rはそれぞれ独立してF、Cl及びメチルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環AはC5-10シクロアルキル及びフェニルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0028】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環Aはシクロヘキシル、スピロ[3.3]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンティル及びフェニルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0029】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環Aは
【化16】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0030】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化17】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0031】
本発明の幾つかの実施形態において、Rは-CF、-OCH
【化18】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0032】
本発明は下記の式で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化19】
ただし、
環AはC3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され;
はそれぞれ独立してハロゲン、OR11、CN、CHS(O)-、-NH(R12)、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
11はH、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CH(OCHCH-及びH(OCHCH-から選択され;
12はC1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、CHCO-及びCHSO-から選択され;
mは0、1及び2から選択され;
p及びqは1、2、3、4、5及び6から選択され;
nは0、1、2、3及び4から選択され;
Xは-CH(R)-、-CHCH-、O、S、Se、SO及び-N(R)-から選択され、前記-CHCH-は任意選択で1、2、3又は4個のRにより置換され;
Rはそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル及びC1-3ハロアルキルから選択され;
はそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR31により置換され;
、Rはそれぞれ独立してH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR21により置換され;
又は、
及びRとそれらに連結された原子は一緒にC5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルを形成し、前記C5-8シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル及び5~6員ヘテロシクロアルケニルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリール及び5~10員ヘテロアリールは任意選択で1、2又は3個のR41により置換され;
21、R31及びR41はそれぞれ独立してハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル及びC1-3ハロアルコキシから選択され;
前記「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」及び「ヘテロアリール」は1、2又は3個の独立してO、S、SO、N、P及びSeから選択されるヘテロ原子又は原子団を含む。
【0033】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RはF、Cl、Br、I、メチル、OH、CN、CHO-、CHS-、CHS(O)-、CHSO-、CHNH-、CHCONH-、CHSONH-、CHOCHCHO-、CH(OCHCHO-、CH(OCHCHO-、HOCHCHO-、H(OCHCHO-及びH(OCHCHO-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0034】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環AはC5-9シクロアルキル、5~8員ヘテロシクロアルキル、アダマンティル及びフェニルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環Aは
【化20】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0036】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化21】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0037】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RaはH及びメチルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化22】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0039】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化23】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0040】
本発明は下記から選択される、下記の式で表わされる化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化24】
ただし、
環AはC3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル及びフェニルから選択され;
はそれぞれ独立してハロゲン及びC1-3アルキルから選択され、前記C1-3アルキルは任意選択で1、2又は3個のFにより置換され;
nは0、1、2、3及び4から選択され;
はHであり、R、Rとそれらに連結された炭素原子は一緒にC3-6シクロアルキルを形成し、前記C3-6シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
又は、
はHであり、R、Rとそれらに連結された炭素原子は一緒にC5-8シクロアルキルを形成し、前記C5-8シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
はそれぞれ独立してH及びC1-3アルキルから選択され;
前記「ヘテロシクロアルキル」は1、2又は3個の独立してO、S、N、P及びSeから選択されるヘテロ原子から選択され;
「*」が付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)の単一エナンチオマーの形態又は1つのエナンチオマーに富んだ形態で存在する。
【0041】
本発明は下記から選択される、下記の式で表わされる化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化25】
ただし、
環AはC3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル及びフェニルから選択され;
はそれぞれ独立してハロゲン、OR11、CN、CHS(O)-とNHR12及びC1-3アルキルから選択され、前記C1-3アルキルは任意選択で1、2又は3個のFにより置換され;
11はH、C1-3アルキル、CH(OCHCH-及びH(OCHCH-から選択され、前記C1-3アルキルは任意選択で1、2又は3個のハロゲンにより置換され;
12はC1-3アルキル、CHCO-及びCHSO-から選択され、前記C1-3アルキルは任意選択で1、2又は3個のハロゲンにより置換され;
mは0、1及び2から選択され;
p及びqは1、2、3、4、5及び6から選択され;
nは0、1、2、3及び4から選択され;
はHであり、R、Rとそれらに連結された炭素原子は一緒にC3-6シクロアルキルを形成し、前記C3-6シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
又は、
はHであり、R、Rとそれらに連結された炭素原子は一緒にC5-8シクロアルキルを形成し、前記C5-8シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRにより置換され;
はそれぞれ独立してH及びC1-3アルキルから選択され;
前記「ヘテロシクロアルキル」は1、2又は3個の独立してO、S、SO、N、P及びSeから選択されるヘテロ原子又は原子団を含み;
「*」が付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)の単一エナンチオマーの形態又は1つのエナンチオマーに富んだ形態で存在する。
【0042】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RはF、Cl、Br、I、メチル、OH、CN、CHO-、CHS-、CHS(O)-、CHSO-、CHNH-、CHCONH-、CHSONH-、CHOCHCHO-、CH(OCHCHO-、CH(OCHCHO-、HOCHCHO-、H(OCHCHO-及びH(OCHCHO-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0043】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RはF及びメチルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0044】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環AはC5-9シクロアルキル、5~8員ヘテロシクロアルキル、アダマンティル及びフェニルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0045】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環Aは
【化26】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0046】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環AはC5-9シクロアルキル、5~8員ヘテロシクロアルキル及びフェニルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0047】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化27】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0048】
本発明の幾つかの実施形態において、前記環Aは
【化28】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0049】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化29】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0050】
本発明の幾つかの実施形態において、前記RaはH及びメチルから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0051】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化30】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0052】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造単位
【化31】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0053】
本発明は化合物が下記から選択される、上記の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化32】
ただし、R、n及び環Aは本発明に定義された通りである。
【0054】
本発明は下記から選択される、下記の式で表わされる化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化33】
ただし、
構造断片
【化34】
から選択され、前記
【化35】
は任意選択で独立して1、2又は3個のRa’により置換され;
環A’はC3-6シクロアルキルから選択され、前記C3-6シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRa’により置換され;
環BはC4-8シクロアルキル、C5-8シクロアルケニル、3~8員ヘテロシクロアルキル及び5~8員ヘテロシクロアルケニルから選択され、前記C4-8シクロアルキル、C5-8シクロアルケニル、3~8員ヘテロシクロアルキル及び5~8員ヘテロシクロアルケニルは任意選択で1又は2個のRa’より置換され;
環Cは
【化36】
から選択され;
【0055】
環DはC4-8シクロアルキル、C5-8シクロアルケニル及び5~8員ヘテロシクロアルキルから選択され、前記C4-8シクロアルキルは任意選択で1又は2個のRa’より置換され;
各Ra’はそれぞれ独立してF及びメチルから選択され;
前記ヘテロシクロアルキルは1、2又は3個の独立してO、S、N及びNHから選択されるヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
【0056】
本発明の幾つかの実施形態において、前記化合物は式(I’-11)、(I’-12)、(I’-13)、(I’-14)、(I’-15)、(I’-16)及び(I’-17)から選択され、
【化37】
ただし、
環A’、B、C及びDは本発明に定義された通りである。
【0057】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化38】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0058】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化39】
から選択され、ここで、WはCH、NH、N(CH)、O、S及びSOから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0059】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化40】
から選択され、ここで、WはCH、NH、O及びSから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0060】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化41】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0061】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化42】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0062】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化43】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0063】
本発明の幾つかの実施形態において、前記構造断片
【化44】
から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0064】
本発明の幾つかの実施形態はまた、前記各変量の任意の組み合わせからなるものである。
【0065】
本発明は下記から選択される、下記の式で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0066】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【0067】
本発明は更に、前記化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。更に、前記医薬組成物は薬学的に許容される賦形を含んでもよい。
【0068】
本発明は更に、3CLプロテアーゼ関連疾患を治療する医薬の調製における、前記化合物又はその薬学的に許容される塩、又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0069】
本発明の幾つかの実施形態において、前記3CLプロテアーゼ関連疾患はコロナウイルス感染症である。
【0070】
本発明の幾つかの実施形態において、前記コロナウイルス感染症はCOVID-19である。
【0071】
本出願は更に、治療有効量の前記化合物又はその薬学的に許容される塩又は前記医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、コロナウイルス感染症を治療する方法を提供する。
【0072】
本発明は下記の合成スキームを提供する。
【0073】
スキーム1:
【化49】
【0074】
Ref 1:Aza-Diels-Alder環付加反応は、Tetrahedron,2009,vol.65,#14,p.2806-2817の方法を参照する。
【0075】
スキーム3:
【化50】
【0076】
Ref 2: Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 2001, vol. 11, # 22, p. 2911 - 2915;
Ref 3: Organic Letters, 2020, vol. 22, # 17, p. 6863 - 6867。
【0077】
スキーム4:
【化51】
【0078】
本発明は更に、下記の試験方法を提供する。
【0079】
1. 新規コロナウイルスレプリコン(Replicon)システムを使用してインビトロでの化合物の抗ウイルス活性及び細胞毒性試験を評価
化合物を勾配希釈し、0.3μL/ウェルを384マイクロウェル細胞プレートに加える。SARS-CoV-2レプリコンRNAをHuh7細胞にエレクトロポレーションした後、2倍希釈した化合物を含むマイクロウェルセルプレートに60μLを4000/ウェルの密度で接種する。同時に、ZPE対照群(SARS-CoV-2レプリコンでエレクトロポレーションした細胞、化合物処理なし)及びHPE対照群(培地対照群)を設定し、培養液中のDMSOの最終濃度は0.5%であり、細胞は5%CO、37℃インキュベーターで続いて1日培養する。各ウェルのGFP発現細胞の数をAcumen装置で検出し、データを抗ウイルス活性分析に使用する。細胞毒性実験の条件は抗ウイルス実験と同じで、化合物を細胞と1日間培養した後、細胞生存率検出試薬CellTiter Gloを暗所で加え、各ウェルの細胞生存率をBioTekマイクロプレートリーダーで検出し、データを試料細胞毒性分析に使用する。GraphPad Prismソフトウェアを使用して、試料の抗ウイルス活性と細胞生存率に関する非線形フィッティング分析を実行し、試料の半数有効濃度(EC50)と半数細胞毒性濃度(CC50)を計算する。
【0080】
2. インビトロでの抗新型コロナウイルス活性及び毒性試験
サイトウイルスは、アフリカミドリザル腎臓(Vero)細胞から由来し、American Type Culture Collection (ATCC)から入手し、カタログ番号はCCL-81である。細胞は、10%のウシ胎児血清(Gibco)及び1%の二重抗体(Gibco)を加えたDulbecco’s Modified Eagle’s Medium(DMEM、WelGene)で培養する。2%のウシ胎児血清(Gibco)及び1%の二重抗体(Gibco)を加えたDMEM培地を実験培地として使用する。
【0081】
新型コロナウイルスβCoV/KOR/KCDC03/2020株は、韓国疾患予防管理センター(Korea Centers for Disease Control and Prevention、KCDC)から提供され、配列番号はNCCP43326である。
【0082】
細胞のプレーティング
Vero細胞をトリプシンで処理した後、実験用培地で480,000個細胞/mlに希釈する。自動ディスペンサーを使用して、希釈した細胞を384ウェル細胞試験プレートに加え、25μl/ウェルであり、12,000個の細胞である。細胞を5%のCO、37℃のインキュベーターで一晩培養する。
【0083】
化合物処理とウイルス感染
翌日、化合物及びCP-100356をDMSOで希釈した後、希釈した化合物を液体ワークステーションを使用して試験細胞ウェルに加える。次に、25μlの実験培地を各ウェルに加えてSARS-CoV-2ウイルスを希釈し、MOI=0.0125である。細胞対照群(細胞、化合物処理又はウイルス感染なし)及び化合物処理のない対照群(細胞をウイルスで感染、化合物処理なし、0.5%のDMSOを添加)、及びCP-100356対照群(細胞をウイルスで感染、2μMのCP-100356で処理)を設置する。各ウェルの細胞培養液の最終体積は50μlである。細胞は、5%のCO、37℃のインキュベーターで続いて24時間培養する。
【0084】
免疫蛍光染色
(1)ウイルス感染から24時間後に、16%のパラホルムアルデヒドを17μlずつ各ウェルに加える。その後、室温で30分間放置する;
(2)上清を吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄する;
(3)25μlの0.25%のTritonX-100を各ウェルに加え、室温で20分間放置する;
(4)0.25%のTritonX-100を吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄する;
(5)25μlの希釈した一次抗体(1:3000倍希釈)を各ウェルに加え、37℃で1時間培養する;
(6)一次抗体を吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄する;
(7)25μlの希釈した二次抗体Alexa Fluor488標識のヤギ抗ウサギIgG(1:2000倍希釈)と2.5μg/mlのHoechst 33342(1:4000倍希釈)を各ウェルに加え、37℃で1時間培養する;
(8)二次抗体とHoechstを吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄する;
(9)ハイコンテントイメージングアナライザーOperettaを使用してプレートを読み取り、装置の設定は、488/405の発光、20倍の対物レンズ、ウェルあたり5つの視野である。
【0085】
データ分析
Columbusソフトウェアを使用して、ハイコンテントイメージングアナライザーでプレートを読み取って得られた画像内の細胞の総数(Hoechstで染色された細胞の数)と新型コロナウイルスに感染した細胞の数(Alexa Fluor 488で標識された細胞の数)を定量的に分析する。感染細胞の比率と細胞の総数データは、化合物の抗ウイルス活性と細胞毒性分析に使用される。計算式は下記の通りである。
【0086】
阻害率(%)=100-(試験ウェル感染細胞比率-対照群ウェルにおける平均感染細胞比例)/(化合物処理のない対照ウェルにおける平均感染細胞比例-細胞対照群ウェルにおける平均感染細胞比例)×100
細胞生存率(%)=試験ウェル細胞総数/化合物処理のない対照ウェルの平均細胞総数×100
XLfit 4ソフトウェアを使用して、化合物の阻害活性と細胞生存率に関する非線形フィッティング分析を実行し、化合物のIC50とCC50値を計算し、フィッティング方法は「Sigmoidal dose-response」である。IC50及びCC50の計算式は:Y=Bottom+(Top Bottom)/(1+(IC50/X)Hillslope)である。
【0087】
3.1 インビトロ薬物動態研究
3.1 肝細胞の代謝安定性研究(HMS)
1μMの化合物を37℃の条件下で、CD-1マウス、SDラット、ビーグル犬、カニクイザル及びヒト肝細胞と混合した後、異なる時点(通常は最大90分)を培養し、7-エトキシクマリン(7-EC、30μM)を陽性対照群として、肝細胞培養系におけるフェーズI及びフェーズIIの代謝活性の評価に使用する。各時点で培養溶液を取り出し、有機相でタンパク質を沈殿させることによって反応を終了させる。上清を取り、LC/MS-MSを使用して、各時点での化合物の残量を検出する。
【0088】
3.2肝ミクロソーム安定性試験(MMS)
試験化合物をCD-1マウス、SDラット、ビーグル犬、カニクイザル及びヒト肝ミクロソームと培養して、化合物の安定性を評価する。試験化合物を10μM濃度の試料に希釈し、5種のミクロソームと10分間プレインキュベートし、各時点の培養プレートに還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を加えて、反応系作業溶液を再生して反応を開始させ、最後に、それぞれ0、5、10、20、30及び60分の時点で停止液を反応プレートに加えて反応を停止させる。試験化合物及び対照化合物は、LC-MS/MS法により決定する。
【0089】
3.3 血漿タンパク質結合率の研究(PPB)
平衡透析法を使用して、CD-1マウス、Sprague-Dawleyラット、ビーグル犬、カニクイザル及びヒト血漿における被験物質のタンパク質結合率を測定する。方法:上記5種の血漿を使用して濃度が0.2、2及び25μMである血漿試料を調製し、96ウェル平衡透析装置に入れ、リン酸塩緩衝液で37±1℃で4時間透析する。本実験では、ワルファリンを対照化合物として使用する。試料における試験物質及び参照化合物の濃度は、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC/MS/MS)によって決定される。分析物質と内部標準の保持時間、クロマトグラムの取得とクロマトグラムの統合はソフトウェアAnalyst(AB Sciex、Framingham、Massachusetts、USA)を使用して処理する。
【0090】
3.4. CYP酵素阻害(薬物間相互作用)研究
混合ヒト肝ミクロソーム(pooled human liver microsomes、HLM)をCYP酵素源として使用して、5つのCYPアイソザイムのプローブ基質を、補因子NADPHの存在下で異なる濃度の試験化合物と培養し、培養系におけるプローブ基質の代謝産物の濃度を決定する。最終的に得られた用量反応曲線により、特定のプローブ基質反応を触媒する各CYPアイソザイムに対する化合物のIC50値を計算する。
【0091】
4. 物理的及び化学的性質に関する研究
4.1 膜透過性研究
試験化合物を、MDR1-MDCK II細胞において、細胞膜透過性評価を実行する。試験化合物をトランスポートバッファーで最終濃度が2μMである試料に希釈した後、双方向(A-B及びB-A)で投与する。投与後、細胞プレートを5%のCOを含む飽和湿度のインキュベーター内で37℃で150分間培養する。150分間培養した後、試料を収集し、LC/MS/MS方法を使用して、輸送試料における試験化合物と参照物質の濃度を半定量的に検出する。
【0092】
4.2 溶解性研究
動的溶解度(KS)は、振盪フラスコ法によって試験する。
【0093】
動的溶解度はジメチルスルホキシド可溶化条件下で緩衝液中で平衡化した後に達する化合物の最大濃度である。振盪フラスコ法動的溶解度は、高性能液体クロマトグラフィー-紫外分光光度法によって決定される。動的溶解度の被験化合物のストック溶液の濃度は10mMのジメチルスルホキシド溶液であり、緩衝液で希釈して2%のジメチルスルホキシド含有量の被験試料溶液を得、その理論濃度は200μMである。室温で24時間振とうして平衡状態に達し、平衡した溶液を吸引濾過プレートで濾過する。濾液を高速液体クロマトグラフで分析して紫外吸収ピーク面積を得、希釈因子と組み合わせて、外部標準法を使用して計算して結果を得る。
【0094】
5. インビボ薬物動態(PK)研究
マウス、ラット、ビーグル犬又はカニクイザルを用いて薬物動態試験を実行し、単回投与のPK研究では、試験化合物を所定の投与量で単回静脈内注射又は胃内投与し;Cassette PKの場合、投薬は、単一の化合物を所定の投与量で静脈内又は胃内投与試験化合物と混合する。投与前(0)及び投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12及び24時間(サンプリング時点又は各化合物の特性に従って調節)の血漿を採取する。血漿濃度は、薬物動態ソフトウェアの非コンパートメントモデルを使用して処理され、薬物動態パラメーターは線形対数台形法を使用して計算される。
【0095】
6. OC43のインビボ有効性:
コロナウイルス(COV)マウス(10日齢)感染モデルを適用し、生存率を観察することにより、インビボでの試験化合物の抗ウイルス効果を評価し;具体的手順:マウスにウイルスを点鼻接種し、被験化合物を0日目から6日目まで7日間連続投与し、投与方法は腹腔内注射で、1日1回であり、初回投与時間はウイルス接種の2時間前である。動物を0日目から14日目まで継続的に観察し、体重、健康状態及び生存率を記録する。
【発明の効果】
【0096】
本発明の化合物は、インビトロでより優れた抗新型コロナウイルスMproプロテアーゼ活性を有し;細胞レベルでのインビトロ抗コロナウイルス活性が優れ、細胞毒性がなく;優れた薬物動態特性を持つ。本発明の化合物をリトナビルと併用した後、曝露量は単一の薬物の曝露よりもほぼ20倍増加し、ラットの肺ではより高い曝露を有している。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】化合物15と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図2】化合物16と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図3】化合物17と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図4】化合物18と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図5】化合物19と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図6】化合物20と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図7】化合物21と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図8】化合物22と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図9】化合物23と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図10】化合物24と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図11】化合物25と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図12】化合物26と6WTTタンパク質の結合模式図である。
図13】化合物27と6WTTタンパク質の結合模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
[定義と説明]
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は下記の意味を含む。1つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0099】
本明細書で用いられる「薬学的許容される塩」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応又はほかの問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0100】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウム塩あるいは類似の塩を含む。本発明で化合物に比較的塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は、適切な不活性溶媒に54rZAの酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、更にアミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、上記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、上記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定的の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
【0101】
本発明の薬学的許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化
合物を化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。
【0102】
前記「薬学的に許容される補助材」とは有効成分と一緒に投与される、有効成分の投与を容易にする不活性物質を指し、国家食品医薬品局によってヒト又は動物(例えば、家畜)への使用が承認された流動促進剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶剤又は乳化剤が含まれますが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書で使用され、当技術分野でよく知られている「治療(treatment)」又は「治療する(treating)」は、有益な又は望ましい結果(臨床結果を含む)を得るために使用される方法である。有益又は望ましい臨床結果には、腫瘍の進行を抑え、腫瘍のサイズを小さくし、腫瘍の成長速度を下げ、腫瘍の浸潤性と転移可能性を下げ、1つ又は複数の症状又は状態を緩和又は改善し、疾患の重症度を軽減させ、疾患の状態を安定させ(即ち、悪化しない)、疾患の伝染を予防し、疾患の進行を遅延又は緩和させ、病状を改善又は減少、及び緩和(部分的又は全体的)させることが含まれるが、これらに限定されなく、検出可能又は検出不能のいずれも含まれる。「治療(treatment)」又は「治療する(treating)」はまた、治療を受けていない場合に予想される生存期間と比較して、生存期間が延長されることも意味する。
【0104】
用語「医薬組成物」とは1つ又は複数の本出願の化合物又はその塩と、薬学的に許容される補助材からなる混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物への本出願の化合物の投与を容易にすることである。
【0105】
本出願の化合物の治療投与量は、例えば、治療の具体的な使用、化合物の投与様式、患者の健康と状態、及び処方医の判断等によって決定することができる。医薬組成物における本出願の化合物の比率又は濃度は、投与量、化学的性質(例えば、疎水性)及び投与経路を含む様々な要因に応じて変化し得る。
【0106】
用語「治療」とは疾患又は前記疾患に関連する1つ又は複数の症状を改善又は排除するための、本出願に記載の化合物又は製剤の投与することを指し、下記を含む。
(i)疾患又は疾患の状態を抑制、即ち、その発症を抑えること;
(ii)疾患又は疾患の状態を緩和、即ち、当該疾患又は疾患の状態を退行させること。
【0107】
用語「治療有効量」とは、(i)特定の疾患、状態又は障害を治療すること、(ii)特定の疾患、状態、又は障害の1つ又は複数の症状を減少、改善、又は排除すること、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、又は障害の1つ又は複数の症状の発症を予防又は遅らせる本出願の化合物の投与量を指す。「治療有効量」を構成する本出願の化合物の量は、当該化合物、疾患状態とその重症度、投与方法、及び治療される哺乳動物の年齢に応じて変化するが、当業者自身の知識及び本開示の内容に基づいて、当業者によって決定することができる。
【0108】
本出願において別段の要求がない限り、明細書及び以下の特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」という言葉、及び「含有する(comprises)」と「含む(comprising)」などのその英語の変形は、開放で包括的な意味、即ち、「含むがこれに限定されない」と解釈される必要がある。
【0109】
本明細書全体を通して言及される「いくつかの実施形態において」又は「ある実施形態において」又は「別の実施形態において」又は「特定の実施形態において」は、少なくとも1つの実施形態において、当該実施形態に記載された関連する具体的な参照要素、構造又は特徴が含まれることを意味する。従って、明細書全体のさまざまな位置で出た「いくつかの実施形態において」又は「ある実施形態において」又は「別の実施形態において」又は「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているとは限らない。更に、具体的な要素、構造、又は特徴は、任意の適切な方法で1つ又は複数の実施形態と組み合わせることができる。
【0110】
別途に説明しない限り、用語「異性体」とは、幾何異性体、シス-トランス異性体、立体異性体、エナンチオマー、光学異性体、エナンチオマー及び互変異性体を含むことを指す。
【0111】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0112】
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」又は「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
【0113】
別途に説明しない限り、用語「シス-トランス異性体」又は「幾何異性体」とは二重結合又は環構成炭素原子の単結合が自由に回転できないことによるものである。
【0114】
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つ又は複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
【0115】
別途に説明しない限り、「(+)」は右旋性を意味し、「(-)」は左旋性を意味し、「(±)」はラセミ体を意味する。
【0116】
【0117】
用語「任意」また「任意に」は後記の事項又は状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合によってその事項又は状況が乗じない場合を含むことを意味する。
【0118】
用語「置換された」は特定の原子における任意の一つ又は複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、置換基は重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基がケト基(即ち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケト基置換は、芳香族基で生じない。用語「任意に置換される」は、置換されてもよく、置換されなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0119】
変量(例えばR)のいずれかが化合物の組成又は構造に1回以上現れた場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0~2個のRで置換された場合、上記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRは独立して選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0120】
連結基の数が0である場合、例えば、-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
【0121】
置換基のうち一つの変量が単結合の場合、それで連結する2つの基が直接連結し、例えばA-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA-Zになる。
【0122】
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、例えば、A-XのXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。挙げられた置換基に対してどの原子を通して置換された置換基が明示しない場合、このような置換基はその任意の原子を通して結合することができ、例えば、置換基としてのピリジニル基は、ピリジン環の任意の炭素原子を通して置換基に結合してもよい。
【0123】
挙げられた連結基がほかの連結方向を明示しない場合、その連結方向は任意であり、例えば、
における連結基Lは-M-W-であり、この時-M-W-は左から右への読み取る順序と同じ方向に環Aと環Bを構成
することができ、また、左から右への読み取る順序と逆方向に環Aと環Bを構成
することもできる。上記連結基、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0124】
特に明記しない限り、ある基が一つ以上の結合可能な部位を有する場合、該基の任意の一つ以上の部位は、化学結合によって他の基に結合することができる。該化学結合の結合方式が非局在であり、且つ結合可能な部位にH原子が存在する場合、化学結合を結合すると、該部位のH原子の個数は、結合された化学結合の個数に応じて相応の価数の基に減少する。
【0125】
別途に説明しない限り、用語「1つの異性体に富む」、「異性体豊富な」、「1つのエナンチオマーに富む」又は「エナンチオマー豊富な」とは、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が100%未満で、且つこの異性体又はエナンチオマーの含有量が60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上であることを意味する。
【0126】
別途に説明しない限り、用語「異性体過剰率」又は「エナンチオマー過剰率」とは、2つの異性体又は2つのエナンチオマーの相対百分率の間の差を意味する。例えば、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が90%であり、もう1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体又はエナンチオマー過剰率(ee値)は80%である。
【0127】
別途に定義しない限り、用語「C1-3アルキル」は直鎖又は分枝鎖の1~3個の炭素原子で構成された飽和炭化水素を表す。前記C1-3アルキルにはC1-2とC2-3アルキルなどが含まれ、それは1価(例えばメチル)、2価(例えばメチレン)及び多価(例えばメチン)であってもよい。C1-3アルキルの実例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0128】
別途に定義しない限り、「C1-3ハロアルキル」という用語は、1~3個の炭素原子を含むモノハロアルキル及びポリハロアルキルを指す。前記C1-3ハロアルキルにはC1-2、C2-3、C、C及びCハロアルキルが含まれる。C1-3ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、3-ブロモプロピル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
別途に定義しない限り、用語「C1-3アルコキシ」は酸素原子を介して分子の残り部分に連結した1~3個の炭素原子を含むアルキルを表す。前記C1-3アルコキシは、C1-2、C2-3、C及びCアルコキシなどが含まれる。C1-3アルコキシの実例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ(n-プロポキシ又はイソプロポキシを含む)などを含むが、これらに限定されない。
【0130】
別途に定義しない限り、用語「C1-3ハロアルコキシ」は1~3個の炭素原子を含むモノハロアルコキシ及びポリハロアルコキシを指す。前記C1-3ハロアルコキシはC1-2、C2-3、C、C及びCハロアルコキシ等を含む。C1-3ハロアルコキシの実例には、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、ペンタクロロエトキシ、3-ブロモプロポキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
別途に定義しない限り、環上の原子の数は一般に環の員数として定義され、例えば「5~7員環」は、5~7個の原子がその周りに配置された「環」を指す。
【0132】
別途に定義しない限り、Cn-n+m又はC-Cn+mはn~n+m個の炭素の任意の一つの具体的な様態を含み、例えば、C1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、及びC12を含み、n~n+mのうちの任意の一つの範囲も含み、例えば、C1-12はC1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12、及びC9-12等を含む。同様に、n員~n+m員は環における原子数がn~n+m個であることを表し、例えば、3~12員環は3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環、及び12員環を含み、n~n+mのうちの任意の一つの範囲も含み、例えば、3~12員環は3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環、及び6~10員環等を含む。
【0133】
別途に定義しない限り、「C3-10シクロアルキル」という用語は、3~10個の炭素原子で構成される飽和環状炭化水素基を表し、それは単環、二環及び三環系を含み、ここで、二環及び三環系はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。前記C3-10シクロアルキルには、C3-8、C3-6、C3-5、C4-10、C4-8、C4-6、C4-5、C5-8又はC5-6シクロアルキル等が含まれ;それは一価、二価又は多価であり得る。C3-10シクロアルキルの実例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルアルキル、[2.2.2]ビシクロオクチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0134】
別途に定義しない限り、「C5-8シクロアルキル」という用語は、5~8個の炭素原子で構成される飽和環状炭化水素基を表し、それは単環、二環系を含み、ここで、二環系はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。前記C5-8シクロアルキルには、C5-6、C5-7、C5-8、C6-8シクロアルキル等が含まれ;それは一価、二価又は多価であり得る。C5-8シクロアルキルの実例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルアルキル、[2.2.2]ビシクロオクチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0135】
別途に定義しない限り、「C4-8シクロアルキル」という用語は、4~8個の炭素原子で構成される飽和環状炭化水素基を表し、それは単環、二環系を含み、ここで、二環はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。前記C4-8シクロアルキルには、C4-7、C4-6、C4-5、C5-8又はC5-6シクロアルキル等が含まれ;それは一価、二価又は多価であり得る。C4-8シクロアルキルの実例には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルアルキル、[2.2.2]ジシクロオクチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0136】
別途に定義しない限り、「C3-6シクロアルキル」という用語は、3~6個の炭素原子で構成される飽和環状炭化水素基を表し、それは単環、二環系を含み、前記C3-6シクロアルキルには、C3-5、C4-5又はC5-6シクロアルキル等が含まれ;それは一価、二価又は多価であり得る。C4-8シクロアルキルの実例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0137】
別途に定義しない限り、用語「C5-8シクロアルケニル」は少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含む、5~8個の炭素原子からなる部分的不飽和環状炭化水素基を指し、それは単環、二環又は三環系を含み、ここで、各環はいずれも芳香族である。前記C5-8シクロアルケニルには、C5-6、C5-7、C6-8又はC7-8シクロアルケニル等が含まれ;それは一価、二価又は多価であってもよい。C5-8シクロアルケニルの実例には、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0138】
別途に定義しない限り、用語「3~10員ヘテロシクロアルキル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ3~10個の環原子からなる飽和環状基を表し、その1、2、3又は4つの環原子は、独立してO、S、及びNから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環系を含み、ここで、二環はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。また、当該「3~10員ヘテロシクロアルキル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記3~10員ヘテロシクロアルキルには、3~8員、3~6員、3~5員、4~6員、5~6員、4員、5員及び6員ヘテロシクロアルキル等が含まれる。3~10員ヘテロシクロアルキルの例は、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イル及びテトラヒドロチエン-3-イル等を含む)、テトラヒドロフリル(テトラヒドロフラン-2-イル等を含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(1-ピペリジル、2-ピペリジル及び3-ピペリジル等を含む)、ピペラジル(1-ピペラジル及び2-ピペラジル等を含む)、モルホリル(3-モルホリル及び4-モルホリル等を含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ホモピペラジル又はホモピペリジニルを含むが、これらに限定されない。
【0139】
別途に定義しない限り、用語「3~8員ヘテロシクロアルキル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ3~8個の環原子からなる飽和環状基を表し、その1、2、3又は4つの環原子は、独立してO、S、及びNから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環系を含み、ここで、二環はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。また、当該「3~8員ヘテロシクロアルキル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記3~8員ヘテロシクロアルキルには、3~6員、3~5員、4~6員、5~6員、4員、5員及び6員ヘテロシクロアルキル等が含まれる。3~8員ヘテロシクロアルキルの例は、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イル及びテトラヒドロチエン-3-イル等を含む)、テトラヒドロフリル(テトラヒドロフラン-2-イル等を含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(1-ピペリジル、2-ピペリジル及び3-ピペリジル等を含む)、ピペラジル(1-ピペラジル及び2-ピペラジル等を含む)、モルホリル(3-モルホリル及び4-モルホリル等を含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ホモピペラジル又はホモピペリジニルを含むが、これらに限定されない。
【0140】
別途に定義しない限り、用語「5~8員ヘテロシクロアルキル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ5~8個の環原子からなる飽和環状基を表し、その1、2、3又は4つの環原子は、独立してO、S及びNから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環系を含み、ここで、二環はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。また、当該「5~8員ヘテロシクロアルキル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記5~8員ヘテロシクロアルキルの例は、ピロリジル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イル及びテトラヒドロチエン-3-イル等を含む)、テトラヒドロフリル(テトラヒドロフラン-2-イル等を含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(1-ピペリジル、2-ピペリジル及び3-ピペリジル等を含む)、ピペラジル(1-ピペラジル及び2-ピペラジル等を含む)、モルホリル(3-モルホリル及び4-モルホリル等を含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニルを含むが、これらに限定されない。
【0141】
別途に定義しない限り、用語「5~6員ヘテロシクロアルキル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ5~6個の環原子からなる飽和環状基を表し、その1、2、3又は4つの環原子は、独立してO、S、N、P又はSeから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO、S(O)及びP(O)、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環系を含み、ここで、二環はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。また、当該「5~6員ヘテロシクロアルキル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記5~6員ヘテロシクロアルキルには5員又は6員ヘテロシクロアルキルが含まれる。5~6員ヘテロシクロアルキルの例は、ピロリジル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イル及びテトラヒドロチエン-3-イル等を含む)、テトラヒドロフリル(テトラヒドロフラン-2-イル等を含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(1-ピペリジル、2-ピペリジル及び3-ピペリジル等を含む)、ピペラジル(1-ピペラジル及び2-ピペラジル等を含む)、モルホリル(3-モルホリル及び4-モルホリル等を含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニルを含むが、これらに限定されない。
【0142】
別途に定義しない限り、用語「5~8員ヘテロシクロアルケニル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ少なくとも一つの炭素-炭素結合を含む5~8個の環原子からなる部分的不飽和環状基を指し、その1、2、3又は4個の環原子は独立してO、S及びNから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環及び三環系を含み、ここで、二環及び三環系はスピロ環、縮合環及び架橋環を含み、当該系における任意の環はいずれも非芳香族でる。また、当該「5~8員ヘテロシクロアルケニル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記5~8員ヘテロシクロアルケニルには5~7員、5~6員、4~5員、4員、5員及び6員ヘテロシクロアルケニル等が含まれる。5~8員ヘテロシクロアルケニルの例は
【化52】
を含むが、これらに限定されない。
【0143】
別途に定義しない限り、用語「5~6員ヘテロシクロアルケニル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ少なくとも一つの炭素-炭素結合を含む5~8個の環原子からなる部分的不飽和環状基を指し、その1、2、3又は4個の環原子は独立してO、S、N、P又はSeから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素、硫黄及びリンヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO、S(O)及びP(O)、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環系を含み、ここで、二環系はスピロ環、縮合環及び架橋環を含み、当該系における任意の環はいずれも非芳香族でる。また、当該「5~6員ヘテロシクロアルケニル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記5~6員ヘテロシクロアルケニルには5員及び6員ヘテロシクロアルケニル等が含まれる。5~6員ヘテロシクロアルケニルの例は
【化53】
を含むが、これらに限定されない。
【0144】
別途に定義しない限り、用語「C6-10アリール環」と「C6-10アリール」は互換的に使用でき、用語「C6-10アリール環」又は「C6-10アリール」は共役π電子系を持つ6~10個の炭素原子からなる環状炭化水素基を表し、それは、単環式、縮合二環式、又は縮合三環系であり得、ここで、各環はいずれも芳香族である。それは一価、二価又は多価であり得、C6-10アリールはC6-9、C、C10及びCアリールなどが含まれる。C6-10アリールの例は、フェニル、ナフチル(1-ナフチル及び2-ナフチルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0145】
別途に定義しない限り、本発明の用語「5~10員ヘテロ芳香環」及び「5~10員ヘテロアリール」は互換的に使用でき、用語「5~10員ヘテロアリール」は5~10個の環原子からなる、共役π電子系を有する環状基を表し、その1、2、3又は4個の環原子は独立にO、S、N、P又はSeから選ばれるヘテロ原子で、残りは炭素原子である。それは単環、二環又は三環系を含み、ここで、各環はいずれも芳香族である。ここで、窒素原子は任意に第四級アンモニウム化されてもよく、窒素、硫黄及びリンのヘテロ原子は任意に酸化されてもよい(即ち、C(=O)、NO、S(O)及びP(O)、pは1又は2である)。前記5~10員ヘテロアリールはヘテロ原子又は炭素原子を通じて分子のほかの部分に連結される。前記5~10員ヘテロアリールは5~8員、5~7員、5~6員、5員及び6員のヘテロアリールを含む。前記5~10員ヘテロアリールの実施例は、ピロリル(N-ピロリル、2-ピロリル及び3-ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2-ピラゾリル及び3-ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル及び5-イミダゾリルなどを含む)、オキサゾリル(2-オキサゾリル、4-オキサゾリル及び5-オキサゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリル及び4H-1,2,4-トリアゾリルなどを含む)、テトラゾリル、イソオキサゾリル(3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル及び5-イソオキサゾリルなどを含む)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チアゾリル及び5-チアゾリルなどを含む)、フラニル(2-フラニル及び3-フラニルなどを含む)、チエニル(2-チエニル及び3-チエニルなどを含む)、ピリジニル(2-ピリジニル、3-ピリジニル及び4-ピリジニルなどを含む)、ピラジニル、ピリミジニル(2-ピリミジニル及び4-ピリミジニルなどを含む)、ベンゾチアゾリル(5-ベンゾチアゾリル等を含む)、プリニル、ベンゾイミダゾリル(2-ベンゾイミダゾリル等を含む)、ベンゾオキサゾリル、インドリル(5-インドリル等を含む)、イソキノリニル(1-イソキノリニル及び5-イソキノリニル等を含む)、キノキサリニル(2-キノキサリニル及び5-キノキサリニル等を含む)又はキノリニル(3キノリニル及び6-キノリニル等を含む)を含むが、これらに限定されない。
【0146】
別途に定義しない限り、用語「ハロ」又は「ハロゲン」そのもの又はもう一つの置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の原子を表す。
【0147】
光学活性な(R)-及び(S)-異性体ならびにD及びL異性体は、不斉合成又はキラル試薬又はほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つの鏡像異性体を得るには、不斉合成又はキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要の鏡像異体性を提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(例えばアミノ)又は酸性官能基(例えばカルボキシル)が含まれる場合、適切な光学活性な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、更に本分野で公知の通常方式の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離された鏡像異体を得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、上記クロマトグラフィーはキラル固定相を使用し、かつ任意の化学誘導法(例えば、アミンからカルバミン酸塩を生成させる)併用する。
【0148】
本発明の化合物は、化合物を構成する一つまた複数の原子には、非天然の原子同位元素が含まれてもよい。例えば三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)又はC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。又、例えば重水素を水素に置換して重水素化薬物を形成することができ、重水素と炭素で形成された結合は、通常の水素と炭素で形成された結合よりも強く、重水素化されていない薬物と比較して、重水素化された薬物には、毒性の副作用が軽減され、薬物の安定性が増し、治療効果が向上され、薬物の生物学的半減期が延ばされるという利点がある。本発明の化合物の同位体組成の変換は、放射性であるかいやかに関わらず、本発明の範囲に含まれる。
【0149】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0150】
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、絶対配置は、当業者の従来の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折(SXRD)、培養された単結晶はBruker D8 venture回折計によって収集され、光源はCuKα放射線、走査方法:φ/ω走査、関連データを収集した後、更に直接法は(Shelxs97)結晶構造解析により、絶対配置を確認できる。
【0151】
本発明に使用される溶媒は市販品から得ることができる。
【0152】
本発明は以下の略語を使用する。
【0153】
ACNはアセトニトリルを表し;Bocはtert-ブトキシカルボニルを表し;PEは石油エーテルを表し;EA又はEtOAcは酢酸エチルを表し;Pre-HPLCは高速液体クロマトグラフィーカラムを表し;℃は摂氏度を表し;DCMはジクロロメタンを表し;TEBBE試薬はヒドロカルビルチタノセンであるμ-クロロ-μ-メチレン[ビス(シクロペンタジエニル)チタン]ジメチルアルミニウムを表し、CAS:67719-69-1である。
【0154】
化合物は本分野の通常の名称又はChemDraw(R)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用される。
【実施例0155】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の不利な制限を意味するものではない。本出願は本発明を詳細に説明し、具体的な実施例も開示したが、当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態において様々な変更及び修正を行うことができることは明らかである。
【0156】
計算例1
化合物15~27とタンパク質との結合モードシミュレーション:
【化54】
【0157】
分子ドッキングプロセスは、Maestro(Schrodingerバージョン2017-2)のGlideSP[1]とデフォルトオプションを使用して実行された。PDB IDコードが6WTTである共結晶構造をドッキングテンプレートとして選択した。タンパク質を調製するために、Maestro[2]のタンパク質調製ウィザードモジュールを使用して水素原子を追加し、OPLS3力場を使用した。リガンドの調製では、3D構造を生成させ、LigPrepを使用してエネルギー最小化[3]を実行した。30Aドッキンググリッドは、7BV2結晶構造のリガンド重心を使用して生成された。次に、リガンドを除去し、分子ドッキング過程で実施例化合物を配置した。タンパク質受容体とリガンド間の相互作用のタイプを分析し、計算されたdocking scoreとglobalStrain値に従って適切なドッキングコンフォメーションを選択して保存した。化合物15~27と6WTTタンパク質の結合シミュレーション結果は図1~13に示される通りである。
【0158】
[1] Glide, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2017.
[2] Maestro, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2017.
[3] LigPrep, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2017.
結論:本発明の化合物と6WTTタンパク質は良好な結合性を有している。
【0159】
【化55】
【0160】
ステップ1:化合物BB-1-2の合成
化合物BB-1-1(11g、38.42mmol)をアンモニア・メタノール溶液(7M、54.88mL)に加え、チューブを密閉し、反応溶液を徐々に50℃に上げ、続いて16時間撹拌した。減圧濃縮し、適量のDCMで溶解させた後、再度濃縮した。精製しなかった。化合物BB-1-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.23 - 7.07 (m, 1H), 6.57 - 6.36 (m, 1H), 6.12 - 5.96 (m, 1H), 5.95 - 5.82 (m, 1H), 4.44 - 4.28 (m, 1H), 3.46 - 3.23 (m, 2H), 2.60 - 2.49 (m, 1H), 2.46 - 2.29 (m, 1H), 2.15 - 2.00 (m, 1H), 1.96 - 1.78 (m, 2H), 1.55 - 1.37 (m, 9H)。
【0161】
ステップ2:化合物BB-1の塩酸塩の合成
化合物BB-1-2(2g、7.37mmol)を酢酸エチル(10mL)に加え、4Mの塩化水素の酢酸エチル(20mL)溶液を加え、反応溶液を続いて20℃で3時間撹拌した。反応溶液を濾過して、白色固体を得、速やかにボトル(非常に吸湿しやすい)に移し、減圧濃縮した。化合物BB-1の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 4.06 - 3.99 (m, 1H), 3.69 - 3.60 (m, 2H), 3.44 - 3.37 (m, 2H), 2.83 - 2.70 (m, 1H), 2.48 - 2.37 (m, 1H), 2.11 - 2.02 (m, 2H), 1.94 - 1.81 (m, 1H), 1.65 - 1.55 (m, 2H)。
【0162】
ステップ3:化合物1-2の合成
0℃で、化合物1-1(400.00mg、1.66mmol)のメタノール(2mL)溶液にトルエン(4mL)とトリメチルシリルジアゾメタン(2M、1.66mL)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)で分離して、化合物1-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 4.39 - 4.20 (m, 1H), 3.87 - 3.68 (m, 4H), 2.74 - 2.62 (m, 1H), 1.98 - 1.87 (m, 1H), 1.83 - 1.61 (m, 3H), 1.56 - 1.49 (m, 1H), 1.48 - 1.36 (m, 9H), 1.30 - 1.21 (m, 1H)。
【0163】
ステップ4:化合物1-3の塩酸塩の合成
化合物1-2(0.28g、1.10mmol)の反応フラスコに酢酸エチル塩酸塩(4M、5mL)を加え、20℃で2時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物1-3の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 4.21 - 4.07 (m, 2H), 3.94 - 3.79 (m, 3H), 3.03 - 2.91 (m, 1H), 2.04 - 2.03 (m, 1H), 2.05 - 2.00 (m, 1H), 1.93 - 1.80 (m, 3H), 1.73 (s, 2H)。
【0164】
ステップ5:化合物1-4の合成
0℃で、化合物1-3の塩酸塩(427.06mg、2.23mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-フルオロフェニル)酢酸(0.5g、1.86mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(719.95mg、5.57mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.06g、2.79mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を5%のクエン酸溶液に注ぎ、分離し、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)で分離して、化合物1-4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.60 - 7.33 (m, 2H), 7.16 - 6.93 (m, 2H), 5.77 (br d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.50 - 5.36 (m, 1H), 3.87 - 3.68 (m, 3H), 2.81 - 2.59 (m, 1H), 1.88 - 1.68 (m, 3H), 1.60 (s, 1H), 1.48 - 1.39 (m, 9H), 1.34 - 1.19 (m, 4H)。
【0165】
ステップ6:化合物1-5の合成
化合物1-4(0.72g、1.77mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及び水(5mL)溶液に水酸化リチウム一水和物(148.66mg、3.54mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液に5%のクエン酸水溶液50mLを加え、酢酸エチル50mLを加えて分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物1-5を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.52 - 7.34 (m, 2H), 7.13 - 7.01 (m, 2H), 5.99 (br d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.55 - 5.36 (m, 1H), 4.45 - 4.18 (m, 1H), 4.08 - 3.98 (m, 1H), 3.06 - 2.87 (m, 1H), 2.01 - 1.72 (m, 3H), 1.69 - 1.52 (m, 1H), 1.47 - 1.37 (m, 10H), 1.27 (br t, J = 7.1 Hz, 1H)。
【0166】
ステップ7:化合物1-6の合成
0℃で、化合物1-5(0.65g、1.66mmol)のブタノン(10mL)溶液に、化合物BB-1の塩酸塩(412.75mg、1.99mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(642.23mg、4.97mmol、865.54μL)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(268.58mg、1.99mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-アセトアルデヒド塩酸塩(381.04mg、1.99mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を水20mLに注ぎ、ジクロロメタンとメタノールの混合溶液(体積比は5:1である)を加えて抽出し(50mL×2)、有機相を5%のクエン酸溶液(50mL×1)で洗浄し、水(50mL×1)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=15:1)で分離して、化合物1-6を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 8.52 - 7.98 (m, 1H), 7.71 - 7.58 (m, 1H), 7.54 - 7.39 (m, 2H), 7.29 - 7.08 (m, 3H), 7.03 (br s, 1H), 5.46 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.50 - 4.18 (m, 1H), 4.13 (br s, 1H), 3.51 (br s, 1H), 3.15 - 3.05 (m, 1H), 2.61 - 2.46 (m, 5H), 2.37 - 1.84 (m, 3H), 1.82 - 1.49 (m, 5H), 1.45 - 1.28 (m, 9H), 1.25 - 1.16 (m, 1H)。
【0167】
ステップ8:化合物1-7のトリフルオロ酢酸塩の合成
0℃で、化合物1-6(0.3g、515.41μmol)のジクロロメタン(3mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、20℃で2時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物1-7のトリフルオロ酢酸塩を得た。
【0168】
ステップ9:化合物1の合成
0℃で、化合物1-7のトリフルオロ酢酸塩(0.25g、518.73μmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液にピリジン(492.38mg、6.22mmol、502.43μL)、トリフルオロ酢酸無水物(272.37mg、1.30mmol、180.38μL)を加え、20℃で2時間反応させた。反応溶液に水20mLを加えてクエンチンぐさせ、酢酸エチル(20mL×2)を加えて抽出し、有機相を5%のクエン酸(20mL×1)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。分取HPLC(カラムタイプ:Phenomenex C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(NHHCO)-ACN];ACN%:20%~60%、8分)で分離して、化合物1を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 9.42 - 9.07 (m, 1H), 8.33 - 7.97 (m, 1H), 6.97 - 6.83 (m, 1H), 6.78 - 6.61 (m, 2H), 6.46 - 6.34 (m, 2H), 4.95 - 4.82 (m, 1H), 4.28 - 4.02 (m, 1H), 3.28 - 3.15 (m, 1H), 3.06 - 2.98 (m, 1H), 2.40 - 2.16 (m, 2H), 1.58 - 1.50 (m, 1H), 1.41 - 1.16 (m, 2H), 1.04 - 0.81 (m, 6H), 0.64 - 0.47 (m, 1H), 0.41 (br d, J = 9.3 Hz, 1H)。
【0169】
【化56】
【0170】
ステップ1:化合物2-1の合成
0℃で、化合物1-3の塩酸塩(671.62mg、2.61mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液にBoc-L-シクロヘキシルグリシン(0.5g、2.61mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.01g、7.83mmol)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.49g、3.92mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を5%のクエン酸溶液に注ぎ、分離し、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)で分離して、化合物2-1を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.16 (br d, J = 9.4 Hz, 1H), 4.48 - 4.34 (m, 1H), 4.32 - 4.23 (m, 1H), 4.08 - 4.00 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 2.77 - 2.69 (m, 1H), 2.05 - 1.99 (m, 1H), 1.91 - 1.62 (m, 11H), 1.45 - 1.41 (m, 9H), 1.23 - 1.03 (m, 4H)。
【0171】
ステップ2:化合物2-2の合成
化合物2-1(1g、2.53mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及び水(5mL)溶液に水酸化リチウム一水和物(212.72mg、5.07mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液に5%のクエン酸水溶液50mLを加え、酢酸エチル50mLを加えて分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物2-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.17 (br d, J = 9.7 Hz, 1H), 4.39 (br s, 1H), 4.35 - 4.24 (m, 1H), 4.16 - 4.11 (m, 1H), 3.04 - 2.93 (m, 1H), 1.96 (br d, J = 10.3 Hz, 1H), 1.87 - 1.53 (m, 11H), 1.44 (s, 9H), 1.19 - 0.95 (m, 4H)。
【0172】
ステップ3:化合物2-3の合成
0℃で、化合物2-2(0.65g、1.66mmol)のブタノン(10mL)溶液に、化合物BB-1の塩酸塩(438.81mg、2.11mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(682.77mg、5.28mmol、920.18μL)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(285.53mg、2.11mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-アセトアルデヒドの塩酸塩(405.09mg、2.11mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を水20mLに注ぎ、ジクロロメタンとメタノールの混合溶液(ジクロロメタン:メタノール=10:1、50mL×2)を加えて抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で分離して、化合物2-3を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 8.08 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.75 - 7.55 (m, 1H), 7.32 - 7.18 (m, 1H), 7.08 - 6.94 (m, 1H), 6.87 - 6.64 (m, 1H), 4.42 - 4.31 (m, 1H), 4.20 (ddd, J = 3.8, 8.2, 11.6 Hz, 1H), 4.11 - 4.00 (m, 3H), 3.14 - 2.96 (m, 2H), 2.55 (br s, 1H), 2.42 - 2.32 (m, 1H), 2.21 - 2.09 (m, 1H), 2.04 - 1.95 (m, 1H), 1.93 - 1.81 (m, 1H), 1.78 - 1.49 (m, 11H), 1.40 - 1.24 (m, 11H), 1.14 - 0.86 (m, 5H)。
【0173】
ステップ4:化合物2-4のトリフルオロ酢酸塩の合成
0℃で、化合物2-3(0.86g、1.61mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液にトリフルオロ酢酸(5mL)を加え、20℃で2時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物2-4のトリフルオロ酢酸塩を得た。
【0174】
ステップ5:化合物2の合成
0℃、化合物2-4のトリフルオロ酢酸塩(0.7g、1.49mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にピリジン(1.41g、17.87mmol)、トリフルオロ酢酸無水物(782.03mg、3.72mmol)を加え、20℃で2時間反応させた。反応溶液に水20mLを加えてクエンチンぐさせ、酢酸エチル(20mL×2)を加えて抽出し、有機相を5%のクエン酸(20mL×1)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。分取HPLC(カラムタイプ:Phenomenex C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(NHHCO)-ACN];ACN%:25%~65%、8分)で分離して、化合物2を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 9.67 (br d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.90 - 8.74 (m, 1H), 7.76 - 7.60 (m, 1H), 5.05 - 4.88 (m, 1H), 4.56 - 4.46 (m, 1H), 4.45 - 4.29 (m, 1H), 3.75 (s, 1H), 3.18 - 3.02 (m, 2H), 2.46 - 2.38 (m, 1H), 2.16 - 2.04 (m, 3H), 1.87 - 1.59 (m, 11H), 1.39 - 1.26 (m, 2H), 1.16 - 0.95 (m, 5H)。
【0175】
【化57】
【0176】
ステップ1:化合物3-2の合成
化合物3-1(1g、3.23mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.84g、4.85mmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(2.09g、16.16mmol)と化合物1-3の塩酸塩(601.92mg、3.88mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応系に酢酸エチル(50mL)を加え、3%のクエン酸溶液(25mL)と飽和食塩水(25mL)を順次に加えて抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~10:1)で精製し、化合物3-2を得た。H NMR (400MHz, CDOD) δ = 6.27 (br d, J=9.6 Hz, 1H), 4.62 (br s, 1H), 4.19 (d, J=9.6 Hz, 1H), 3.99 (s, 1H), 3.74 - 3.68 (m, 3H), 2.71 (br s, 1H), 1.92 - 1.49 (m, 21H), 1.44 (s, 9H)。
【0177】
ステップ2:化合物3-3の合成
化合物3-2(1.2g、2.69mmol)をテトラヒドロフラン(9mL)と水(4mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(225.52mg、5.37mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応系に酢酸エチル(60mL)と3%のクエン酸(30mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(30mL×2)で中性になるまで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物3-3を得た。H NMR (400MHz, CDOD) δ = 4.60 (br s, 1H), 4.22 - 4.15 (m, 1H), 3.95 (s, 1H), 2.74 (br s, 1H), 2.05 - 1.94 (m, 6H), 1.87 - 1.61 (m, 15H), 1.46 - 1.40 (m, 9H)。
【0178】
ステップ3:化合物3-4の合成
化合物3-3(1.1g、2.54mmol)を2-ブタノン(12mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(343.62mg、2.54mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(585.01mg、3.05mmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(1.64g、12.72mmol)と化合物BB-1の酸塩塩(580.89mg、2.80mmol)を加え、続いて20℃で16時間撹拌した。反応系にジクロロメタン(60mL)と3%のクエン酸(30mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(30mL×2)で中性になるまで洗浄し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=1:0~10:1)で精製して、化合物3-4を得た。H NMR (400MHz, CDOD) δ = 4.58 (br s, 1H), 4.51 - 4.41 (m, 1H), 4.20 (s, 1H), 3.95 (s, 1H), 3.36 - 3.30 (m, 2H), 2.72 (br s, 1H), 2.69 - 2.59 (m, 1H), 2.43 - 2.30 (m, 1H), 2.22 (br d, J=9.8 Hz, 1H), 2.15 - 2.07 (m, 1H), 1.97 (br s, 4H), 1.77 - 1.61 (m, 18H), 1.44 (s, 9H)。
【0179】
ステップ4:化合物3-5のトリフルオロ酢酸塩の合成
3-4(1.1g、1.88mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(5mL)を加え、20℃で1時間撹拌し、反応系をオイルポンプで直接乾燥させ、少量のジクロロメタンで白色泡状になるまで回転蒸発を繰り返した。化合物3-5のトリフルオロ酢酸塩を得た。H NMR (400MHz, CDOD) δ = 4.55 (s, 1H), 4.49 (dd, J=3.6, 11.9 Hz, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.85 (s, 1H), 3.30 - 3.19 (m, 2H), 2.77 (br s, 1H), 2.72 - 2.63 (m, 1H), 2.45 - 2.31 (m, 1H), 2.23 (br d, J=10.0 Hz, 1H), 2.17 - 2.10 (m, 1H), 2.04 (br s, 4H), 1.94 - 1.67 (m, 21H)。[M+1] = 486.3。
【0180】
ステップ5:化合物3の合成
化合物3-5のトリフルオロ酢酸塩(900mg、1.85mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、0℃でピリジン(1.47g、18.53mmol、1.50mL)とトリフルオロ酢酸無水物(973.13mg、4.63mmol、644.46μL)を加え、ゆっくりと20℃まで昇温させ、16時間攪拌した。反応系にジクロロメタン(50mL)と3%のクエン酸(25mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(25mL)で抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、粗生成物を分取HPLCで分離して、化合物3を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 5.06 (dd, J=4.7, 11.3 Hz, 1H), 4.66 (s, 1H), 4.61 (s, 1H), 3.87 (s, 1H), 3.32 - 3.18 (m, 2H), 2.73 - 2.63 (m, 2H), 2.39 - 2.27 (m, 3H), 2.01 (br s, 4H), 1.84 (br s, 2H), 1.81 (br s, 2H), 1.77 - 1.65 (m, 11H), 1.63 - 1.41 (m, 3H)。
【0181】
【化58】
【0182】
ステップ1:化合物4-2の合成
化合物4-1(2.74g、17.76mmol)をテトラヒドロフラン(27.4mL)に溶解させ、窒素ガスで3回置換し、温度を0℃に下げ、ボランのテトラヒドロフラン溶液(35.52mL、1M)をゆっくりと滴下した。反応物を20℃で16時間撹拌した。0℃で、反応物に水酸化ナトリウム溶液(80mL、1M)を加え、メチルtert-ブチルエーテル(100mL)で2回抽出し、有機相を合わせて10%のクエン酸(80mL×2)と飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、濃縮した。化合物4-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 3.19 (s, 2 H) 1.50 - 1.59 (m, 7 H) 1.29 - 1.38 (m, 6 H)。
【0183】
ステップ2:化合物4-3の合成
化合物4-2(2.26g、16.09mmol)をジクロロメタン(67.8mL)に溶解させ、デスマーチンペルヨージナン(10.24g、24.14mmol)を反応系に加えた。反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液にチオ硫酸ナトリウム(50mL)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液(70mL)を加え、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物4-3を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 9.41 (s, 1 H)1.60 (s, 13 H)。
【0184】
ステップ3:化合物4-4の合成
化合物4-3(1.97g、14.25mmol)をメタノール(137.9mL)に溶解させ、化合物R-フェニルグリシノール(2.35g、17.10mmol)を反応系に加え、20℃で2時間撹拌した。0℃に冷却させ、シアン化トリメチルシリル(9.90g、99.78mmol)を加え、50℃で16時間攪拌した。反応溶液を直接スピン乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製して、化合物4-4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 7.28 - 7.39 (m, 5 H) 4.06 (dd, J=9.10, 4.06 Hz, 1 H) 3.80 (dd, J=10.96, 3.95 Hz, 1 H) 3.58 (t, J=9.98 Hz, 1 H) 2.89 (s, 1 H) 1.56 - 1.65 (m, 13 H)。
【0185】
ステップ4:化合物4-5の塩酸塩の合成
化合物4-4(1.42g、4.99mmol)を塩酸(28.4mL)と氷酢酸(7.1mL)に溶解させ、反応溶液を80℃で16時間撹拌した。反応温度を0℃に下げ、固体を析出させた後、濾過した。化合物4-5の塩酸塩を得た。[M+1] = 303.2。
【0186】
ステップ5:化合物4-6の塩酸塩の合成
化合物4-5の塩酸塩(2.24g、7.38mmol)をメタノール(112mL)と氷酢酸(22.4mL)に溶解させ、20%の湿式水酸化パラジウム(0.448g、638.02μmol)を加え、50psiの水素ガスを通過させ、反応温度を50℃に上げ、18時間撹拌した。反応溶液を濾過した後直接スピン乾燥させ、メチルtert-ブチルエーテル(40mL)でスラリー化させ、濾過した。化合物4-6の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ ppm 3.53 (s, 1 H)1.47 - 1.71 (m, 13 H) 3.53 (s, 1 H)。
【0187】
ステップ6:化合物4-7の合成
化合物4-6の塩酸塩(50mg、272.86μmol)を1,4-ジオキサン(0.375mL)と水(1mL)に溶解させ、無水炭酸ナトリウム(115.68mg、1.09mmol)と二炭酸ジ-tert-ブチル(119.10mg、545.71μmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)と5%のクエン酸(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。化合物4-7を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm4.98 (br d, J=8.63 Hz, 1 H) 3.97 - 4.05 (m, 1 H) 1.43 - 1.62 (m, 22 H)。
【0188】
ステップ7:化合物4-8の合成
化合物4-7(250mg、882.26μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.5mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(357.64mg、2.65mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(338.26mg、1.76mmol)を加え、20℃で0.5時間攪拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(342.08mg、2.65mmol)と化合物1-3の塩酸塩(136.92mg、882.26μmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間攪拌した。反応溶液に水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(15mL)で2回洗浄し、食塩水(10mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製して、化合物4-8を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 5.20 (br d, J=9.63 Hz, 1 H) 4.48 - 4.54 (m, 1 H) 4.22 - 4.30 (m, 1 H) 4.02 - 4.11 (m, 1 H) 3.76 (s, 3 H) 2.76 (br s, 1 H) 2.05 (br d, J=10.38 Hz, 1 H) 1.68 - 1.84 (m, 4 H) 1.60 (s, 13 H) 1.46 (s, 9 H)。
【0189】
ステップ8:化合物4-9の合成
化合物4-8(300mg、713.37μmol)をテトラヒドロフラン(3mL)と水(1mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(59.87mg、1.43mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)と5%のクエン酸(15mL)を加え、酢酸エチル(15mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。精製することなく、化合物4-9を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 5.07 - 5.17 (m, 1 H) 4.42 - 4.47 (m, 1 H) 4.26 (br d, J=9.88 Hz, 1 H) 4.17 (s, 1 H) 3.07 (br s, 1 H) 1.70 - 1.98 (m, 5 H) 1.46 - 1.67 (m, 13 H)。
【0190】
ステップ9:化合物4-10の合成
4-9(266mg、654.36μmol)を2-ブタノンに溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(88.42mg、654.34μmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(150.53mg、785.21μmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(338.28mg、2.62mmol)と化合物BB-1の塩酸塩(134.42mg、785.21μmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)を加え、ジクロロメタン(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせて5%のクエン酸(15mL)で2回洗浄し、食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピ乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物4-10を得た。[M+1] = 560.4。
【0191】
ステップ10:化合物4-11のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物4-10(166mg、296.59μmol)をジクロロメタン(1.8mL)とトリフルオロ酢酸(0.6mL)に溶解させ、反応溶液を20℃で2時間撹拌した。反応溶液をオイルポンプで直接乾燥させ、淡黄色泡状になるまで、少量のジクロロメタンで数回実行した。化合物4-11のトリフルオロ酢酸塩を得た。[M+1] = 460.4。
【0192】
ステップ11:化合物4の合成
化合物4-11のトリフルオロ酢酸塩(136mg、295.92μmol)をテトラヒドロフラン(1.4mL)に溶解させ、0℃に冷却させた後、ピリジン(79.10mg、2.07mmol)とトリフルオロ酢酸無水物(210.03mg、1.18mmol)を加えた。反応溶液を20℃の室温に昇温させ、16時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)を加え、ジクロロメタン(10mL)で2回抽出し、有機相を合わせて3%のクエン酸(10mL)で2回洗浄し、飽和食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:C18-210 100×30mm×5μm;移動相:[HO(NHHCO)-ACN];ACN%:30%~50%、20分)で分離して、化合物4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 9.39 - 8.06 (m, 1H), 7.14 - 6.89 (m, 1H), 6.10 - 5.81 (m, 1H), 4.99 - 4.69 (m, 1H), 4.63 - 4.39 (m, 1H), 4.03 - 3.86 (m, 1H), 3.48 - 3.26 (m, 2H), 2.98 - 2.79 (m, 1H), 2.61 - 1.17 (m, 25H)。
【0193】
【化59】
【0194】
ステップ1:化合物5-2の合成
化合物5-1(5g、54.32mmol)をメタノール(50mL)に溶解させ、70℃で48時間還流させた。反応系を減圧濃縮して、標的生成物の粗生成物を得た。粗生成物は純度が比較的に高く、直接次の反応に使用して、化合物5-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 4.81 (s, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.43 (s, 3H).
【0195】
ステップ2:化合物5-3の合成
化合物5-2をトルエン(3mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、化合物(R)-(+)フェネチルアミン(1.5g、12.38mmol、1.60mL)をゆっくり滴下し、20℃で1時間撹拌した。反応系に酢酸エチル(60mL)と飽和食塩水(30mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、スピン乾燥させて粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~5:1)で精製して、標的化合物5-3を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.95 - 7.56 (m, 1H), 7.31 - 7.17 (m, 5H), 4.71 - 4.40 (m, 1H), 3.95 - 3.71 (m, 3H), 1.67 - 1.51 (m, 3H).
【0196】
ステップ3:化合物5-4の合成
化合物5-3(0.5g、2.61mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(5mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(313.04mg、2.75mmol、203.28μL)を加え、-10℃に冷却させ、1時間撹拌し、温度を-10℃に制御し、ゆっくりとシクロペンタジエン(207.40mg、3.14mmol)を滴下し、続いて0.5時間攪拌した。反応系を減圧濃縮し、メチルtert-ブチルエーテル(60mL)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL×2)を加えて10分間攪拌し、抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~5:1)で精製して、化合物5-4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.34 - 7.18 (m, 5H), 6.59 - 6.41 (m, 1H), 6.31 (dd, J = 1.6, 5.6 Hz, 1H), 4.35 (br d, J = 1.3 Hz, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.18 - 3.03 (m, 1H), 2.95 (br s, 1H), 2.33 - 2.22 (m, 1H), 2.14 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 1.54 - 1.41 (m, 4H). [M+1]=258.2.
【0197】
ステップ4:化合物5-5の合成
化合物5-4(100.00mg、388.61μmol)をテトラヒドロフラン(1.25mL)に溶解させ、-70℃まで冷却させ、ボランテトラヒドロフラン錯体(1M、427.47μL)をゆっくりと滴下し、ゆっくりと20℃まで昇温させて1時間攪拌した。0℃に冷却させ、10%の水酸化ナトリウム水溶液(0.55mL)と30%の過酸化水素(220.28mg、1.94mmol、186.68μL)溶液を加え、ゆっくりと20℃に昇温させ、1時間攪拌した。反応系に飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(10mL)を加え、10分間攪拌して反応をクエンチングさせた後、飽和食塩水(20mL)と酢酸エチル(60mL×2)を加えて抽出し、分離して有機相を得た。試料溶液を少量取って、3%のクエン酸でpHを8未満に調節し、ヨウ化カリウムでんぷん紙のテストが陰性を示した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ後、30℃で減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~5:1)で精製して、化合物5-5を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.30 - 7.13 (m, 5H), 3.93 (br d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.78 (br s, 1H), 3.70 - 3.54 (m, 1H), 3.39 - 3.32 (m, 1H), 3.31 - 3.24 (m, 3H), 2.49 - 2.40 (m, 1H), 2.26 (s, 1H), 2.09 - 2.00 (m, 1H), 1.72 (br d, J = 10.1 Hz, 1H), 1.46 (br d, J = 6.5 Hz, 1H), 1.41 - 1.33 (m, 3H). [M+1]=276.1.
【0198】
ステップ5:化合物5-6の合成
化合物5-5(800mg、2.91mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解させ、2-ヨードイル安息香酸(976.31mg、3.49mmol)を加え、75℃で1時間反応させた。反応系を無水硫酸ナトリウムで濾過し、ケーキをアセトニトリル(10mL)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮して、化合物5-6を得た。[M+1]=274.0.
【0199】
ステップ6:化合物5-7の合成
化合物5-6をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた後、0℃に冷却させ、窒素ガスの保護下で、ゆっくりとビス(シクロペンタジエニル)-μ-クロロ-(ジメチルアルミニウム)-μ-メチレンチタニウムの0.5Mトルエン溶液(0.5M、4.02mL)を滴下し、ゆっくりと20℃に昇温させ、2.5時間攪拌した。0℃に冷却させ、反応系に飽和炭酸水素ナトリウム溶液(1mL)を加えて反応をクエンチングさせ、メチルtert-ブチルエーテル(10mL)を加え、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~10:1)で精製して、化合物5-7を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.28 - 7.09 (m, 5H), 4.92 (br s, 1H), 4.71 (s, 1H), 3.81 (s, 1H), 3.48 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.28 - 3.15 (m, 3H), 2.76 - 2.69 (m, 2H), 2.65 (br d, J = 16.8 Hz, 1H), 2.21 (br d, J = 9.8 Hz, 1H), 2.08 - 1.95 (m, 1H), 1.43 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 1.31 (d, J = 6.5 Hz, 3H). [M+1]=272.0.
【0200】
ステップ7:化合物5-8の塩酸塩の合成
化合物5-7(310mg、1.14mmol)をエタノール(5mL)に溶解させ、12Mの塩酸(285.61μL)と湿式パラジウムカーボン(1g、10%のパラジウム含有量)を加え、20℃の水素バルーン雰囲気下で15psiで16時間反応させた。反応系を珪藻土で濾過し、濾液をスピン乾燥させて化合物5-8の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 4.17 - 4.00 (m, 1H), 3.88 - 3.81 (m, 3H), 3.74 - 3.41 (m, 1H), 2.55 - 2.20 (m, 1H), 2.17 - 1.99 (m, 1H), 1.96 - 1.71 (m, 3H), 1.36 - 1.23 (m, 2H), 1.18 - 1.01 (m, 3H). [M+1]=170.0.
【0201】
ステップ8:化合物5-9の合成
化合物1-b(311.63mg、1.35mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(640.38mg、1.68mmol)とジイソプロピルエチルアミン(725.55mg、5.61mmol、977.83μL)を加え、30分間撹拌した後、化合物5-8の塩酸塩(190mg、1.12mmol)を加え、続いて20℃で2.5時間撹拌した。反応系に酢酸エチル(60mL)と3%のクエン酸溶液(30mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(30mL)で抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=1:0~10:1)で精製して、化合物5-9を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 6.62 - 6.36 (m, 1H), 5.26 - 5.12 (m, 1H), 4.68 - 4.63 (m, 1H), 4.34 - 4.26 (m, 1H), 3.74 - 3.63 (m, 3H), 2.30 - 2.18 (m, 1H), 2.11 - 2.02 (m, 1H), 1.62 - 1.52 (m, 4H), 1.50 (br s, 3H), 1.13 - 1.07 (m, 9H), 1.05 (br s, 9H). [M+1]=383.3.
【0202】
ステップ9:化合物5-10の合成
化合物5-9(0.2g、522.89μmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と水(0.5mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(43.88mg、1.05mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応系にジクロロメタン(60mL)と3%のクエン酸(30mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、次に飽和食塩水(30mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、化合物5-10を得た。[M+1]=369.3.
【0203】
ステップ10:化合物5-11的の合成
化合物5-10(190mg、515.65μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(69.67mg、515.65μmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(118.62μmol、618.78μmol)を加え、30分間攪拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(333.21mg、2.58mmol、449.07μL)とBB-1の塩酸塩(128.49mg、618.78μmol)を加え、20℃で2時間反応させた。反応系に酢酸エチル(50mL)と3%のクエン酸(25mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(25mL)で抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=1:0~30:1)で精製して、化合物5-11を得た。[M+1]=522.4.
【0204】
ステップ11:化合物5-12のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物5-11をジクロロメタン(1mL)に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を加え、20℃で1時間反応させた。反応系を減圧濃縮して、化合物5-12のトリフルオロ酢酸塩を得た。[M+1]=422.3.
【0205】
ステップ12:化合物5の合成
化合物5-12のトリフルオロ酢酸塩(80mg)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、0℃で、ピリジン(150.12mg、1.90mmol、153.18μL)とトリフルオロ酢酸無水物(99.65mg、474.46μmol、65.99μL)を加え、ゆっくりと20℃に昇温させて2時間反応させた。反応系に3%のクエン酸溶液(30mL)とジクロロメタン(60mL×2)を加えて抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(60mL)で中性になるまで洗浄し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製した後、分取高速液相クロマトグラフィー(カラムタイプ:Phenomenex Luna 80×30mm×3μm、移動相:[水(塩酸)-アセトニトリル]、アセトニトリル%:20%~40%、8分)で精製して、化合物5を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 9.55 - 8.15 (m, 1H), 7.21 - 7.02 (m, 1H), 6.63 - 5.95 (m, 1H), 4.66 (br d, J = 6.0 Hz, 5H), 3.72 - 3.31 (m, 2H), 2.33 - 1.33 (m, 9H), 1.19 - 1.02 (m, 12H). [M+1]=500.3.
【0206】
【化60】
【0207】
ステップ1:化合物6-2の合成
化合物6-1(30g、198.46mmol)とグリオキシル酸(18.27g、198.46mmol、3.68mL)を無水トルエン(300mL)に溶解させ、40℃で3時間攪拌した。反応溶液を濾過し、濃縮して、化合物6-2を得た。[M+1] = 226.2.
【0208】
ステップ2:化合物6-3の合成
化合物6-2を無水メタノール(420mL)に溶解させ、硫酸(18.73g、190.94mmol、10.18mL)を加え、20℃で48時間撹拌した。反応溶液にメチルtert-ブチルエーテル(300mL)と水(150mL)を加えて抽出し、有機相を合わせた後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して標的の粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して、化合物6-3を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 8.52 - 8.46 (m, 1H), 7.40 - 7.30 (m, 6H), 5.08 (s, 2H), 3.68 - 3.64 (m, 3H), 3.26 (s, 3H).
【0209】
ステップ3:化合物6-4の合成
化合物6-3(26g、102.67mmol)を硫酸(10.07g、102.67mmol、5.47mL)に溶解させ、混合溶液を無水トルエン(260mL)に加え、70℃に昇温させ、ゆっくりと三塩化リン(49.35mg、359.33μmol)を加え、続いて75℃で16時間撹拌した。次に、反応溶液を減圧濃縮し、反応濃縮溶液に無水トルエン(200mL)を加えて希釈した後、続いて減圧下で回転蒸発し、3回繰り返した。最後に、無水トルエン(200mL)を加え、75℃で、亜リン酸トリメチル(15.29g、123.20mmol、14.56mL)を濃縮溶液にゆっくりと滴下した後、90℃に昇温させて1.5時間攪拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(360mL)に注いでクエンチンぐさせ、酢酸エチル(360mL)を加えて分離し、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して、化合物6-4を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 7.41 - 7.30 (m, 5H), 5.09 - 5.07 (m, 2H), 4.89 - 4.83 (m, 1H), 3.73 - 3.63 (m, 9H).
【0210】
ステップ4:化合物6-6の合成
20℃で、化合物6-4(20g、60.38mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解させ、反応溶液に1.8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(11.03g、72.45mmol、10.92mL)を加え、0.5時間攪拌した後、化合物6-5(6.65g、60.38mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液を加え、16時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル(40mL)と水(40mL)を加えて分離し、有機相を合わせ、減圧下で回転蒸発させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して、化合物6-6を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.41 - 7.30 (m, 5H), 6.12 (br s, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.77 - 3.71 (m, 3H), 3.11 (s, 2H), 2.87 - 2.81 (m, 2H), 2.10 (br s, 4H), 1.89 - 1.79 (m, 2H).
【0211】
ステップ5:化合物6-7の塩酸塩の合成
化合物6-6(11g、34.88mmol)を無水メタノール(5mL)に溶解させ、10%の湿式パラジウム/カーボン(2.20g、7.33mol)を加え、15psiの水素ガスを導入し、30℃で18時間撹拌した。反応物を珪藻土で濾過した後、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物は更に精製しなかった。化合物6-7の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 3.60 - 3.57 (m, 3H), 3.32 (s, 2H), 3.17 - 3.12 (m, 1H), 1.98 - 1.73 (m, 11H)。
【0212】
ステップ6:化合物6-8の合成
化合物6-7(6g、32.74mmol)を水(30mL)と無水テトラヒドロフラン(30mL)の溶液に加え、炭酸カリウム(13.58g、98.23mmol)、Boc酸無水物(21.44g、98.23mmol、22.57mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に5%のクエン酸(15mL)を加え、更に水(40mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出し、分離し、水相を酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して、化合物6-8を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 3.84 - 3.83 (m, 1H), 3.57 - 3.52 (m, 1H), 1.99 - 1.91 (m, 12H), 1.87 - 1.76 (m, 11H)。
【0213】
ステップ7:化合物6-9の合成
化合物6-8(0.8g、2.82mmol)を無水テトラヒドロフラン(6mL)と水(2mL)の溶液に溶解させ、反応溶液に水酸化リチウム一水和物(236.95mg、5.65mmol)を加え、20℃で16時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル(5mL)を加え、水(5mL)で洗浄した後、水相に5%のクエン酸(15mL)を加え、更に水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(15mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物を更に精製することなく、化合物6-9を得た。[M+1] = 270.34。
【0214】
ステップ8:化合物6-10の合成
化合物6-9(3g、11.14mmol)をN,Nジメチルホルムアミド(30mL)に加え、反応溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.02g、44.55mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(5.80g、44.90mmol、7.82mL)を加え、反応溶液を20℃で0.5時間撹拌した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.41g、33.42mmol)と化合物1-3の塩酸塩(2.13g、13.76mmol)を加え、続いて20℃で20時間撹拌した。反応溶液に5%のクエン酸(15mL)を加え、更に水(40mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出し、水相を酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物6-10を得た。[M+1]=406.25。
【0215】
ステップ9:化合物6-11の合成
化合物6-10(300.00mg、737.98μmol)を無水テトラヒドロフラン(2.5mL)と水(1mL)の混合溶液に加えた後、反応系に水酸化リチウム一水和物(61.94mg、1.48mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(10mL)を加え、水(10mL)で洗浄した後、水相に5%のクエン酸(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(10mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物を更に精製することなく、化合物6-11を得た。[M+1] = 392.23。
【0216】
ステップ10:化合物6-12の合成
化合物6-11(300.00mg、764.35μmol)を2-ブタノン(6mL)に加え、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(103.28mg、764.35μmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(175.83mg、917.23μmol)を加え、20℃で0.5時間攪拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(263.43mg、2.04mmol、355.03μL)を加え、化合物BB-1の塩酸塩(158.72mg、764.35μmol)を反応系に加え、20℃で16時間攪拌した。反応溶液に5%のクエン酸(5mL)を加え、更に水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、水相を酢酸エチル(10mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(5mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:無水メタノール=10:1)で精製して、化合物6-12を得た。[M+1] =545.32。
【0217】
ステップ11:化合物6-13の合成
化合物6-12(0.1g、183.26μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(41.79mg、366.52μmol、27.14μL)を加え、20℃で1時間反応させた。次に、反応溶液をスピン乾燥させ、ジクロロメタンを加えた後、減圧濃縮を3回繰り返し、その後、濃縮した後の固体を無水メタノール(5mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸メチル(1.44g、11.22mmol、1.13mL)を反応系に加えた後、トリエチルアミン(681.33mg、6.73mmol、937.17μL)を反応系に加えた。38℃で12時間攪拌した。反応溶液を直接に減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物6-13を得た。[M+1] =541.25。
【0218】
ステップ12:化合物6の合成
化合物6-13(0.1g、184.65μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、N-(トリエチルアンモニウムスルホニル)カルバミン酸メチル(110.01mg、461.63μmol)を加え、25℃で16時間撹拌し、反応溶液にジクロロメタン(10mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を加えて抽出し、分離し、有機相に飽和食塩水(5mL)を加え、分離した後有機相に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、減圧濃縮した後、粗生成物を得、粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:C18 100×30mm×10μm;移動相:[HO(NHHCO)-ACN];ACN%:40%~60%、8分)で分離して粗生成物を得た。粗生成物開発SFC分析方法:カラムタイプ:Chiralpak AD-3、150×4.6mmI.D.、3μm、移動相:A:CO、B:EtOH(0.1%のIPAm、v/v)、勾配:Time A% B%、0.0~0.5分、B%は10%から50%になり、4.5分間維持し、4.5~5.0分、B%は50%~10%になり、流速:2.5mL/min、カラム温度:35℃、ABPR:2000psi。化合物6Aの保持時間は1.97分であり、化合物6の保持時間は2.28分であった。粗生成物をSFC(カラムタイプ:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%のNHO-EtOH]%:16%~16%、10分)で分離して、化合物6を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.22 - 7.17 (m, 1H), 4.88 - 4.79 (m, 1H), 4.75 - 4.67 (m, 1H), 4.38 - 4.33 (m, 1H), 3.53 - 3.32 (m, 2H), 2.93 - 2.84 (m, 1H), 2.71 - 2.58 (m, 1H), 2.33 - 2.05 (m, 3H), 2.04 - 1.74 (m, 16H), 1.72 - 1.60 (m, 2H), 1.57 - 1.41 (m, 3H)。
【0219】
【化61】
【0220】
ステップ1:化合物7-2の合成
化合物7-1(5g、35.16mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解させ、窒素ガスで3回置換し、温度を0℃に下げ、ボランのテトラヒドロフラン溶液(70.33mL、1M)をゆっくりと滴下した。反応溶液を20℃で16時間攪拌した。0℃で、反応溶液に水酸化ナトリウム溶液(80mL、1M)を加え、メチルtert-ブチルエーテル(100mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、10%のクエン酸(80mL×2)と飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、濃縮した。化合物7-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 3.28 (s, 2 H) 1.22 - 1.46 (m, 10 H) 0.85 - 0.87 (m, 3 H)。
【0221】
ステップ2:化合物7-3の合成
化合物7-2(4g、31.20mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解させ、反応系に2-ヨードイル安息香酸(13.10g、46.80mmol)を加えた。反応溶液を50℃で16時間攪拌した。反応系を濾過し、濾液を次の反応に使用し、更に精製することなく化合物7-3のアセトニトリル溶液を得た。
【0222】
ステップ3:化合物7-4の合成
化合物7-3のアセトニトリル溶液(4g、31.37mmol)をメタノール(60mL)に溶解させ、化合物R-フェニルグリシノール(5.22g、38.04mmol)を反応系に加え、20℃で2時間攪拌した。0℃に冷却させ、トリメチルシリルシアニド(22.01g、221.88mmol)を加え、50℃で16時間撹拌した。反応溶液を直接スピン乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物7-4を得た。[M+1] = 273.3。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.42 - 7.29 (m, 5H), 4.17 - 4.01 (m, 1H), 3.99 - 3.68 (m, 2H), 3.58 - 3.39 (m, 1H), 1.60 - 1.16 (m, 10H), 1.10 - 1.04 (m, 3H)。
【0223】
ステップ4:化合物7-5の合成
化合物7-4(5g、18.36mmol)をメタノール(50mL)とジクロロメタン(50mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、四酢酸亜鉛(13.56g、27.53mmol)を加え、反応溶液を0℃で15分間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム(45mL)溶液に注ぎ、ジクロロメタン(45mL)で3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物7-5を得た。[M+1]=241.2。
【0224】
ステップ5:化合物7-6の塩酸塩の合成
化合物7-5(3g、12.48mmol)を6Mの塩酸(300mL)に溶解させ、反応溶液を100℃に昇温させ、24時間攪拌した。反応系をクロロホルム(300mL)で3回抽出し、水相を取り、減圧濃縮した。化合物7-6の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 4.47 (s, 1H), 1.66 - 1.42 (m, 10H), 1.22 - 1.14 (m, 3H).
【0225】
ステップ6:化合物7-7の合成
化合物7-6の塩酸塩(1g、5.84mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)と水(10mL)に溶解させ、無水炭酸カリウム(2.42g、17.52mmol)と二炭酸ジ-tert-ブチル(2.55g、11.68mmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液を1MのKHSOでpH=3に調節し、ジクロロメタン(40mL)で4回抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。化合物7-7を得た。[M-1] = 270.3。
【0226】
ステップ7:化合物7-8の合成
化合物7-7(350mg、1.29mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解させ、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(735.65mg、1.93mmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(833.51mg、6.45mmol)と化合物1-3の塩酸塩(260.23mg、1.68mmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(15mL)で2回洗浄し、食塩水(10mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して、化合物7-8を得た。[M+1] = 409.4。
【0227】
ステップ8:化合物7-9の合成
化合物7-8(120mg、293.74μmol)をテトラヒドロフラン(6mL)、メタノール(2mL)と水(2mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(36.98mg、881.21μmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に3%のクエン酸(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させて、化合物7-9を得た。[M+1] = 391.3。
【0228】
ステップ9:化合物7-10の合成
7-9(30mg、76.04μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(10.28mg、76.04μmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(17.49mg、91.25μmol)を加え、20℃で0.5時間攪拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(39.31mg、304.18μmol)と化合物BB-1の塩酸塩(19.53mg、114.07μmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間攪拌した。反応溶液に水(10mL)を加え、ジクロロメタン(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせて5%のクエン酸(15mL)で2回洗浄し、生理食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物7-10を得た。[M+1] = 548.4。
【0229】
ステップ10:化合物7-11のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物7-10(150mg、273.88μmol)をジクロロメタン(3mL)とトリフルオロ酢酸(1mL)に溶解させ、反応溶液を20℃で2時間撹拌した。反応溶液をオイルポンプで直接スピン乾燥させ、ジクロロメタンで繰り返して回転蒸発した。化合物7-11のトリフルオロ酢酸塩を得た。
【0230】
ステップ11:化合物7-12の合成
化合物7-11のトリフルオロ酢酸塩(120mg、268.11μmol)をメタノール(2mL)に溶解させ、トリエチルアミン(162.78mg、1.61mmol)とトリフルオロ酢酸メチル(343.32mg、2.68mmol)を加えた。反応溶液を38℃に昇温させ、16時間撹拌した。反応系を直接減圧濃縮した後、水(10mL)、酢酸エチル(20mL)に溶解させ、3%のクエン酸(10mL)でpHを酸性に調節し、酢酸エチル(20mL)で3回抽出し、飽和食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物7-12を得た。[M+1] = 544.3。
【0231】
ステップ12:化合物7の合成
化合物7-12(130mg、239.16μmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解させ、テトラヒドロフラン(0.4mL)を加え、バージェス試薬(142.48mg、597.89μmol)を加え、25℃で2時間撹拌した。反応系にジクロロメタン(10mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)で洗浄し、飽和食塩水(5mL)で洗浄し、有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:C18 100×30mm×10μm;移動相:[水(NHHCO)-ACN];ACN%:35%~55%、8分)で分離して、化合物7を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 4.92 - 4.81 (m, 1H), 4.78 - 4.63 (m, 1H), 4.60 (br s, 1H), 3.50 - 3.34 (m, 2H), 2.93 - 2.79 (m, 1H), 2.30 (br s, 2H), 2.10 (br s, 2H), 1.94 - 1.86 (m, 1H), 1.75 (br s, 2H), 1.71 - 1.60 (m, 4H), 1.33 (br d, J = 16.5 Hz, 10H), 1.30 - 1.17 (m, 1H), 1.16 - 0.96 (m, 3H)。
【0232】
【化62】
【0233】
ステップ1:化合物8-1の合成
化合物5-6(2g、7.32mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、窒素ガスで3回置換し、温度を-70℃に下げ、ゆっくりとリチウムジイソプロピルアミド(2M、7.32mL)を滴下し、1時間反応させた。次に、-70℃の条件下で、ゆっくりとヨウ化メチル(2.60g、73.17mmol、4.56mL)を滴下し、ゆっくりと20℃に昇温させ、続いて1時間反応させた。窒素ガスの保護下で、反応系に飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)をゆっくりと加えて反応をクエンチングさせ、次に、酢酸エチル(200mL)を加えて2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~10:1)で精製して、化合物8-1を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.34 - 7.27 (m, 3H), 7.26 - 7.18 (m, 2H), 3.87 - 3.77 (m, 1H), 3.67 - 3.59 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.96 (s, 1H), 2.67 - 2.64 (m, 1H), 2.64 - 2.55 (m, 2H), 1.94 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 1.43 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.14 - 1.09 (m, 3H).
【0234】
ステップ2:化合物8-2の合成
化合物8-1(600mg、2.09mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(6mL)に溶解させ、p-トルエンスルホニルヒドラジド(466.62mg、2.51mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸(36.69mg、239.58μmol、21.58μL)を加え、100℃に加熱した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(393.65mg、6.26mmol)を加え、2時間反応させた。反応系に酢酸エチル(60mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)と飽和食塩水(30mL)で順次に洗浄し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~10:1)で精製して、化合物8-2を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.37 - 7.29 (m, 2H), 7.25 (br d, J = 7.1 Hz, 3H), 3.67 - 3.50 (m, 1H), 3.48 - 3.34 (m, 1H), 3.32 - 3.15 (m, 3H), 2.51 (s, 1H), 2.35 - 2.23 (m, 2H), 2.02 - 1.94 (m, 1H), 1.70 - 1.61 (m, 1H), 1.46 - 1.41 (m, 1H), 1.36 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.18 - 1.10 (m, 1H), 0.96 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
【0235】
ステップ3:化合物8-3の塩酸塩の合成
化合物8-2(150mg、548.71μmol)をエタノール(4mL)に溶解させ、12Mの塩酸(137.18μL)と湿式パラジウムカーボン(0.5g、10%のパラジウム含有量)を加え、20℃の15psiの水素バルーン雰囲気下で16時間反応させた。反応系を珪藻土で濾過し、濾液をスピン乾燥させて化合物8-3の塩酸塩を得た。[M+1]=170.1.
【0236】
ステップ4:化合物8-4の合成
化合物1-b(114.81mg、496.39μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(235.93m、620.49μmol)とジイソプロピルエチルアミン(267.31mg、2.07mmol、360.26μL)を加え、30分間撹拌した後、化合物8-3の塩酸塩(70mg)を加え、続いて20℃で2.5時間撹拌した。反応系に酢酸エチル(40mL)を加え、3%のクエン酸溶液(30mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)で順次に抽出し、分離して有機相を得、飽和食塩水(20mL)で抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、化合物8-4を得た。[M+1]=383.3.
【0237】
ステップ5:化合物8-5の合成
化合物8-4(125mg、326.80μmol)をテトラヒドロフラン(3mL)、水(1mL)、メタノール(1mL)の混合溶媒に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(41.14mg、980.41μmol)を加え、30℃で16時間反応させた。反応系にジクロロメタン(40mL)と3%のクエン酸(20mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得た後、飽和食塩水(20mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、化合物8-5を得た。[M+1]=369.3.
【0238】
ステップ6:化合物8-6の合成
化合物8-5(115mg、312.10μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(50.61mg、374.53μmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(89.75μmol、468.16μmol)を加え、30分間攪拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(161.35mg、1.25mmol、217.45μL)とBB-1の塩酸塩(64.12mg、374.53μmol)を加え、20℃で2時間反応させた。反応系に酢酸エチル(50mL)と3%のクエン酸(25mL)を加えて抽出し、分離して有機相を得た後、飽和食塩水(25mL)で抽出し、分離してを有機相を得、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=1:0~30:1)で精製して、化合物8-6を得た。[M+1]=522.4.
【0239】
ステップ7:化合物8-7のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物8-6(240mg、460.08μmol、1eq)をジクロロメタン(1mL)に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を加え、20℃で1時間反応させた。反応系を減圧濃縮して化合物8-7のトリフルオロ酢酸塩を得た。[M+1]=422.3.
【0240】
ステップ8:化合物8-8の合成
8-7のトリフルオロ酢酸塩(180mg、427.01μmol)をメタノール(2mL)に溶解させ、トリエチルアミン(172.84mg、1.71mmol、237.74μL)とトリフルオロ酢酸メチル(546.79mg、4.27mmol、430.54μL)を加え、38℃で3時間反応させた。反応系を減圧濃縮した後、水(10mL)と酢酸エチル(30mL×2)を加えて溶解させ、3%のクエン酸(5mL)で酸性に調節し、抽出し、分離して有機相を得た後、飽和食塩水(15mL)で洗浄し、有機相を乾燥させ、濃縮して、化合物8-8を得た。[M+1]=518.3.
【0241】
ステップ9:化合物8の合成
化合物8-8(200mg、386.44μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、バージェス試薬(230.23mg、966.11μmol)を加え、25℃で16時間攪拌した。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 5.07 - 4.99 (m, 2H), 4.79 - 4.71 (m, 1H), 4.29 - 4.18 (m, 1H), 3.83 - 3.74 (m, 1H), 3.28 - 3.23 (m, 1H), 2.76 - 2.65 (m, 1H), 2.63 - 2.57 (m, 1H), 2.38 - 2.26 (m, 2H), 2.19 - 2.10 (m, 1H), 2.02 - 1.95 (m, 1H), 1.90 - 1.75 (m, 3H), 1.67 - 1.60 (m, 1H), 1.33 - 1.26 (m, 1H), 1.15 - 1.04 (m, 9H), 0.99 (d, J = 7.1 Hz, 3H). [M+1]=500.3.
【0242】
【化63】
【0243】
ステップ1:化合物9-2の合成
化合物9-1(2g、6.15mmol)をメタノール(8mL)とトルエン(24mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、ゆっくりとトリメチルシリルジアゾメタンのn-ヘキサン溶液(6.15mL、2M)を滴下した。反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液を直接にスピン乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物9-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.15 - 5.07 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.25 (br s, 1H), 1.72 - 1.41 (m, 23H). [M-99] = 240.2.
【0244】
ステップ2:化合物9-3の合成
化合物9-2(100mg、294.62μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(94.98mg、589.23μmol)を反応系に加えた。反応溶液を20℃で16時間攪拌した。0℃で、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)にゆっくりと加え、ジクロロメタン(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物9-3を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.20 - 4.99 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.32 (br s, 1H), 1.88 - 1.43 (m, 23H). [M-55] =286.1.
【0245】
ステップ3:化合物9-4の合成
化合物9-3(700mg、2.05mmol)をテトラヒドロフラン(7mL)、水(2.3mL)とメタノール(2.3mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(430.19mg、10.25mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)と5%のクエン酸(15mL)を加え、酢酸エチル(15mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。精製することなく、化合物9-4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.31 (s, 1H), 5.10 (br d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.20 - 4.09 (m, 1H), 2.34 (br s, 1H), 1.90 - 1.75 (m, 7H), 1.58 (br s, 5H), 1.46 (s, 9H). [M-55] = 272.2.
【0246】
ステップ4:化合物9-5の合成
化合物9-4(776mg、2.37mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(8mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(960.83mg、7.11mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(908.77mg、4.74mmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(919.02mg、7.11mmol)と化合物1-3の塩酸塩(367.85mg、2.37mmol)を加え、反応液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(30mL)で2回洗浄し、食塩水(20mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製して、化合物9-5を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.32 - 5.21 (m, 1H), 4.49 (br s, 1H), 4.32 (br d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.07 (s, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.75 (br s, 1H), 2.33 (br s, 1H), 1.89 - 1.53 (m, 18H), 1.44 (s, 9H). [M+1] = 465.3.
【0247】
ステップ5:化合物9-6の合成
化合物9-5(740mg、1.59mmol)をテトラヒドロフラン(7.4mL)、水(2.47mL)とメタノール(2.47mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(200.51mg、4.78mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)と5%のクエン酸(25mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。精製することなく、化合物9-6を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.30 (br d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.48 (br s, 1H), 4.36 (br d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.14 (s, 1H), 2.97 (br s, 1H), 2.31 (br s, 1H), 2.01 - 1.50 (m, 19H), 1.44 (s, 9H). [M-55] = 395.2.
【0248】
ステップ6:化合物9-7の合成
化合物9-6(710mg、1.58mmol)を2-ブタノン(7mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(255.52mg、1.89mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(453.14mg、2.36mmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(814.67mg、6.30mmol)と化合物BB-1の塩酸塩(323.74mg、1.89mmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間攪拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(30mL)で2回洗浄し、食塩水(20mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物9-7を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.96 (br d, J = 6.3 Hz, 1H), 5.83 - 5.74 (m, 1H), 5.57 - 5.44 (m, 1H), 5.25 (br d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.54 - 4.48 (m, 1H), 4.37 (br d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.05 - 3.97 (m, 1H), 3.43 - 3.27 (m, 2H), 2.95 - 2.76 (m, 1H), 2.60 - 1.30 (m, 34H). [M+1] = 604.4.
【0249】
ステップ7:化合物9-8のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物9-7(760mg、1.26mmol)をジクロロメタン(7.6mL)とトリフルオロ酢酸(2.7mL)に溶解させ、反応溶液を20℃で2時間撹拌した。反応溶液物をオイルポンプで直接スピン乾燥させ、ジクロロメタンで繰り返して回転蒸発させた。化合物9-8のトリフルオロ酢酸塩を得た。[M+1] = 504.4.
【0250】
ステップ8:化合物9-9の合成
化合物9-8のトリフルオロ酢酸塩(300mg、595.70μmol)をメタノール(6mL)に溶解させた後、トリエチルアミン(241.12mg、2.38mmol)とトリフルオロ酢酸メチル(762.79mg、5.96mmol)を加えた。反応溶液を38℃の室温に昇温させ、16時間撹拌した。反応溶液を直接乾燥させ、水(10mL)と酢酸エチル(10mL)を加えて溶解させ、5%のクエン酸(10mL)を加えて溶液を酸性に調節し、分離し、酢酸エチル(10mL)で2回抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、精製することなく化合物9-9を得た。[M+1] = 600.3.
【0251】
ステップ9:化合物9の合成
化合物9-9をジクロロメタン(2.8mL)に溶解させた後、バージェス試薬(278.20mg、1.17mmol)を加えた。反応溶液を25℃に昇温させ、2時間撹拌した。反応溶液に炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)と飽和食塩水(5mL)を加え、ジクロロメタン(15mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:C18 100×30mm×10μm;移動相:[水(NHHCO)-ACN];ACN%:35%~55%、8分)で分離して、化合物9を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 9.50 - 8.17 (m, 1H), 7.12- 6.93 (m, 1H), 5.92 - 5.73 (m, 1H), 4.95 - 4.77 (m, 1H), 4.72 - 4.57 (m, 1H), 4.46 (s, 1H), 3.97 - 3.86 (m, 1H), 3.38 (br dd, J = 4.0, 8.9 Hz, 1H), 2.87 - 2.78 (m, 1H), 2.63 - 1.22 (m, 26H)。[M+1] = 582.3.
【0252】
【化64】
【0253】
ステップ1:化合物10-1の塩酸塩の合成
化合物5-5(3g、10.90mmol)をエタノール(80mL)に溶解させ、塩酸(1.19g、32.69mmol)と湿式パラジウムカーボン(15g、10.68mmol)を加えた。反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液を珪藻土で濾過した後、直接スピン乾燥させて粗化合物10-1の塩酸塩を得た。[M+1] = 172.0.
【0254】
ステップ2:化合物10-2の合成
化合物1-b(1.87g、10.90mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(4.78g、12.58mmol)とジイソプロピルエチルアミン(4.34g、33.55mmol)を加え、30分間撹拌した後、化合物10-1の塩酸塩(190mg、1.12mmol)を加えた。反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(60mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(30mL)で2回洗浄し、食塩水(20mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物10-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.28 - 5.16 (m, 1H), 4.50 (br s, 1H), 4.28 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.92 (s, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.81 (s, 1H), 2.67 (s, 1H), 2.17 (br dd, J = 6.1, 12.7 Hz, 1H), 1.99 - 1.93 (m, 1H), 1.90 - 1.84 (m, 1H), 1.59 (br d, J = 13.3 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.04 (s, 9H)。[M+1] =385.2.
【0255】
ステップ3:化合物10-3の合成
化合物10-2(500mg、1.30mmol)をアセトニトリル(7.5mL)に溶解させ、2-ヨードイル安息香酸(976.31mg、3.49mmol)を加え、60℃で16時間撹拌した。反応溶液を珪藻土で直接濾過し、スピン乾燥させた。精製することなく化合物10-3を得た。[M-55] = 327.1.
【0256】
ステップ4:化合物10-4の合成
化合物10-3(480mg、1.26mmol)をジクロロメタン(4.8mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(1.01g、6.28mmol)を加え、20℃で16時間攪拌した。0℃で、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)にゆっくりと加え、ジクロロメタン(20mL)で2回抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。精製することなく化合物10-4を得た。[M-100] = 304.0.
【0257】
ステップ5:化合物10-5の合成
化合物10-4(475mg、1.17mmol)をテトラヒドロフラン(5.5mL)、水(1.84mL)とトメタノール(1.84mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(147.84mg、3.52mmol)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)と5%のクエン酸(25mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。精製することなく化合物10-5を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.18 (br d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.65 - 4.53 (m, 2H), 4.31 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.33 (br d, J = 7.3 Hz, 1H), 2.55 - 2.41 (m, 1H), 2.33 - 2.07 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.03 (s, 9H). [M-55] = 335.1.
【0258】
ステップ6:化合物10-6の合成
化合物10-5(200mg、512.27μmol)を2-ブタノン(2mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(83.06mg、614.72μmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(264.83mg、2.05mmol)を加え、20℃で0.5時間攪拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(264.83mg、2.05mmol)と化合物BB-1の塩酸塩(105.24mg)を加え、反応溶液を20℃で16時間攪拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(30mL)で2回洗浄し、食塩水(20mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物10-6を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 8.19 (br d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.78 (br s, 1H), 5.49 (br s, 1H), 5.19 (br d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.61 (br s, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.34 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.38 (br d, J = 6.5 Hz, 2H), 3.10 (br d, J = 6.5 Hz, 1H), 2.32 - 2.20 (m, 3H), 2.02 - 1.82 (m, 6H), 1.44 (s, 9H), 1.05 (s, 9H). [M+1] = 544.3.
【0259】
ステップ7:化合物10-7のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物10-6(180mg、331.12μmol)をジクロロメタン(2mL)とトリフルオロ酢酸(0.7mL)に溶解させ、反応溶液を20℃で2時間攪拌した。反応溶液をオイルポンプで直接スピン乾燥させ、淡黄色泡状になるまで少量のジクロロメタンで実行した。化合物10-7のトリフルオロ酢酸塩を得た。[M+1] = 444.3.
【0260】
ステップ8:化合物10-8の合成
化合物10-7のトリフルオロ酢酸塩(145mg、326.95μmol)をメタノール(3.2mL)に溶解させた後、トリエチルアミン(132.34mg、1.31mmol)とトリフルオロ酢酸メチル(418.66mg、3.27mmol)を加えた。反応溶液を38℃の室温に昇温させ、16時間撹拌した。反応溶液を直接スピン乾燥させ、水(10mL)と酢酸エチル(10mL)を加えて溶解させ、5%のクエン酸(10mL)を加え、溶液を酸性に調節し、分離し、酢酸エチル(10mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、精製することなく化合物10-8を得た。[M+1] = 540.3.
【0261】
ステップ9:化合物10の合成
化合物10-8(170mg、315.11μmol)をジクロロメタン(2.8mL)に溶解させた後、バージェス試薬(187.73mg、787.77μmol)を加えた。反応溶液を25℃に加温し、2時間撹拌した。反応溶液に炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)と飽和食塩水(5mL)を加え、ジクロロメタン(15mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:C18 100×30mm×10μm;移動相:[HO(NHHCO)-ACN];ACN%:35%~55%、8分)で分離して、化合物10を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 9.79 - 8.65 (m, 1H), 7.18 - 7.01 (m, 1H), 6.34 - 6.20 (m, 1H), 4.64 - 4.58 (m, 2H), 4.45 - 4.37 (m, 1H), 3.44 - 3.30 (m, 3H), 3.12 - 3.05 (m, 1H), 2.63 - 2.47 (m, 3H), 2.40 - 2.12 (m, 6H), 1.06 (s, 9H). [M+1] = 522.3.
【0262】
【化65】
【0263】
ステップ1:化合物11-1の合成
化合物10-3(0.7g、1.83mmol)をテトラヒドロフラン(14mL)に溶解させ、0℃で、TEBBE試薬(0.5M、14.64mL)を加えた。0℃で1時間撹拌し、15℃に昇温させ、続いて3時間撹拌した。反応溶液をゆっくりと飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)に注ぎ、珪藻土で濾過し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、飽和食塩水(30mL×2)で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して化合物11-1を得た。[M+1] = 381.1.
【0264】
ステップ2:化合物11-2の合成
窒素ガスの保護下で、0℃で、ジエチル亜鉛(1M、13.14mL)を1,2-ジクロロエタン(80mL)にゆっくりと加えた。0.25時間攪拌した後、ジヨードメタン(7.04g、26.28mmol、2.12mL)を0℃で反応溶液にゆっくりと加え、0.25時間攪拌した。反応系にトリフルオロ酢酸(149.84mg、1.31mmol、97.30μL)をゆっくり加え、続いて0.5時間撹拌した。化合物11-1(0.5g、1.31mmol)の1,2-ジクロロエタン(5mL)を反応系に加え、20℃に昇温させ、続いて12時間攪拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)でクエンチンぐさせ、ジクロロメタン(100mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:Phenomenex luna C18 80×40mm×3μm;移動相:[HO(HCl)-アセトニトリル];アセトニトリル%:1%~30%、7分)で精製して、化合物11-2を得た。
[M+1] = 295.2.
【0265】
ステップ3:化合物11-3の合成
化合物11-2(0.1g、339.69μmol)を1,4-ジオキサン(3mL)に溶解させた後、炭酸カリウム(187.79mg、1.36mmol)と二炭酸ジ-tert-ブチル(111.20mg、509.53μmol、117.06μL)の水(1mL)溶液を加え、反応溶液を15℃で12時間撹拌した。反応溶液を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して、化合物11-3を得た。[M+1] = 395.2.
【0266】
ステップ4:化合物11-4の合成
化合物11-3(88.13mg、223.40μmol)をテトラヒドロフラン(2mL)とメタノール(0.6mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(28.12mg、670.21μmol)を水(0.6mL)に溶解させて加えた。反応溶液を15℃で2時間撹拌した。反応溶液のpHを3%のクエン酸で約5に調節し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して化合物11-4を得た。[M+1] = 381.3.
【0267】
ステップ5:化合物11-5の合成
化合物11-4(0.056g、148.79μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(84.86mg、223.18μmol)を反応系に加え、反応溶液を15℃で0.5時間攪拌した。反応溶液にジイソプロピルエチルアミン(76.92mg、595.16μmol、103.67μL)を加え、化合物BB-1の塩酸塩(43.26mg、208.31μmol)をN,N-ジメチルホルムアルデヒドアミド(0.5mL)に溶解させて反応系に加え、反応溶液を15℃で12時間撹拌した。反応溶液を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を3%のクエン酸(20mL)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して化合物11-5を得た。[M+1] = 534.4.
【0268】
ステップ6:化合物11-6の合成
化合物11-5(0.02g、37.48μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、反応系にトリフルオロ酢酸(141.02mg、1.24mmol、91.57μL)を加えた。15℃で1時間攪拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)で直接クエンチンぐさせ、ジクロロメタン(5mL×5)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物11-6を得た。[M+1] = 434.2.
【0269】
ステップ7:化合物11の合成
化合物11-6(0.03g、69.20μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸無水物(58.13mg、276.79μmol、38.50μL)を反応系に加えた。15℃で1時間攪拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)で直接クエンチンぐさせ、ジクロロメタン(5mL×5)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:Waters Xbridge BEH C18 100×30mm×10μm;移動相:[HO(NHHCO)-アセトニトリル];アセトニトリル%:10%~50%、8分)で分離して、化合物11を得た。[M+1] = 512.2.
【0270】
【化66】
【0271】
ステップ1:化合物12-2の合成
化合物12-1(2.36g、7.64mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(17mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(4.36g、11.46mmol)とジイソプロピルエチルアミン(3.95g、30.55mmol)を加え、30分間撹拌した後、化合物10-1の塩酸塩(1.7g、8.19mmol)を加え、反応溶液を15℃で1時間撹拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(60mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(30mL)で2回洗浄し、飽和食塩水(20mL)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物12-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.22 (br d, J=9.76 Hz, 1 H), 4.50 - 4.62 (m, 1 H), 4.09 - 4.18 (m, 2 H), 3.74 (br s, 3 H), 1.93 - 2.04 (m, 4 H), 1.87 (br d, J=9.88 Hz, 1 H), 1.53 - 1.77 (m, 15 H), 1.39 - 1.46 (m, 9 H), 1.27 (t, J=7.13 Hz, 2 H). [M+1]+ =463.58.
【0272】
ステップ2:化合物12-3の合成
化合物12-2(3g、6.49mmol)をアセトニトリル(45mL)に溶解させ、2-ヨードイル安息香酸(3.63g、12.97mmol)を加え、反応溶液を60℃で16時間反応させた。反応溶液を珪藻土で濾過し、減圧下でスピン乾燥させた。化合物12-3を得た。[M+1]= 461.56.
【0273】
ステップ3:化合物12-4の合成
化合物12-3(4g、8.69mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(10.24g、34.74mmol)を加え、反応溶液を15℃で3時間反応させた。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)にゆっくりと加え、酢酸エチル(50mL)で3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。化合物12-4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.227 - 5.251 (br d, J=9.6 Hz, 2 H), 4.862 (br s, 1 H), 4.636 (br s, 1 H), 4.191 - 4.215 (m, 2 H), 3.768 (br s, 3 H), 3.117 (br s, 1 H), 2.369 (br s, 2 H), 2.115 (t, J=14.4 Hz , 1 H), 2.010 - 2.046 (br s, 3 H), 1.618 - 1.701 (m, 13 H), 1.432 (br s, 9 H). [M+1]+ = 459.59.
【0274】
ステップ4:化合物12-5の合成
化合物12-4(1.90g、4.14mmol)をメタノール(191mL)に溶解させ、湿式パラジウムカーボン(9.55g、5%のパラジウム含有量)を含有するメタノール溶液を含む別の単口瓶に加え、水素バルーンを3回置換し、反応溶液を15℃、15Psiで2時間反応させた。反応溶液を珪藻土で濾過し、減圧下でスピン乾燥させた。化合物12-5を得た。[M+1] = 461.60.
【0275】
ステップ5:化合物12-6の合成
化合物12-5(1.8g,3.91mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)とメタノール(13mL)に溶解させた後、0℃に冷却させ、水酸化リチウム一水和物(983.94mg、23.46mmol)を加え、反応溶液を5℃で40時間反応させた。反応溶液に水(30mL)を加え、5%のクエン酸(20mL)を加えてpH4~5に調節し、酢酸エチル(50mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を飽和塩化ナトリウム(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。精製することなく化合物12-6を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 1.424 (br s, 9 H) 1.594 - 1.655 (m, 14 H) 1.846 (br s, 8 H) 2.030 (br s, 1 H) 2.540 - 2.548 (m, 1 H) 3.240 - 3.367 (br d, J=50.8 Hz, 1 H) 3.633 - 3.668 (m, 1 H) 3.777 - 3.823 (m, 1 H) 4.446 (br s, 1 H) 6.309 - 6.332 (br d, J=9.2, 1 H) . [M+1] = 447.58.
【0276】
ステップ6:化合物12-7の合成
化合物12-6(1.3g、2.91mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(12mL)に溶解させ、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(472.01mg、3.49mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-アセトアルデヒド塩酸塩(837.07mg、4.37mmol)を加え、反応溶液を15℃で30分間撹拌し、化合物BB-1の塩酸塩(747.27mg、4.37mmol)を加え、ジイソプロピルエチルアミン(1.50g、11.64mmol)を加え、15℃で2時間反応させた。反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で2回抽出し、有機相を合わせ、有機相を5%のクエン酸(30mL)で2回洗浄し、飽和食塩水(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物12-7を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.730 - 7.748 (br d, J=7.2 Hz, 1 H), 6.162 (br s, 1 H) 7.270 (br s, 1 H), 5.569 (br d, 1 H), 5.288 (br s, 1 H), 4.510 - 4.567 (m, 1 H), 4.430 (br d, 1 H), 4.331 (br d, 1 H), 4.183 - 4.208 (br d, J=10 Hz, 1 H), 3.322 - 3.360 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 2.658 - 2.666 (m, 1 H), 2.459 (m, 2 H), 2.017 - 2.076 (m, 1 H), 1.990 (m, 8 H), 1.602 - 1.780 (m, 13 H), 1.424 (m, 9 H), 1.046 (br s, 1 H), 0.976 - 1.029 (br d, J=21.2 Hz, 3 H). [M+1]+ = 600.76.
【0277】
ステップ7:化合物12-8の合成
化合物12-7(920.00mg、1.53mmol)をジクロロメタン(18.4mL)に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(7.89g、69.22mmol)を加え、15℃で1時間反応させた。反応溶液を直接スピン乾燥させた。化合物12-8を得た。[M+1]= 500.64.
【0278】
ステップ8:化合物12-9の合成
化合物12-8(420.00mg、840.60μmol)をメタノール(8.4mL)に溶解させた後、トリエチルアミン(510.36mg、5.04mmol)を加え、トリフルオロ酢酸メチル(1.29g、10.09mmol)を加え、反応溶液を38℃に昇温させ、16時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、酢酸エチル(50mL)と水(20mL)を加え、3%のクエン酸を加えて反応溶液を酸性に調節し、酢酸エチル(30mL)を加えて3回抽出し、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)を加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、化合物12-9を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 7.819 - 7.832 (br d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.006 - 7.176 (m, 2 H), 5.636 - 5.947 (m, 3 H), 4.343 (br s, 3 H), 3.339 - 3.477 (m, 3 H), 2.666 (br s, 1 H), 2.487 -2.503 (m, 3 H), 2.161 - 2.186 (m, 3 H), 2.000-2.020 (br d, J=8 Hz, 4 H), 1.856 - 1.878 (m, 2 H), 1.567 - 1.652 (m, 10 H), 1.003 - 1.061 (m, 5 H). [M+1]+ =596.65.
【0279】
ステップ9:化合物12の合成
化合物12-9(390.00mg、654.74μmol)をジクロロメタン(7.8mL)とテトラヒドロフラン(0.78mL)に溶解させ、温度を0℃に下げ、バージェス試薬(390.07mg、1.64mmol)を加え、反応溶液を15℃で1時間反応させた。反応溶液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL)を加えて2回抽出し、有機相を合わせ、炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)を加えて20分間攪拌し、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:C18 100×30mm×10μm;移動相:[HO(NHHCO)-アセトニトリル];アセトニトリル%:35%~55%、8分)で分離して、化合物12を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 8.23 (br d, J=7.00 Hz, 1 H), 6.89 - 7.04 (m, 1 H), 5.77 - 5.86 (m, 1 H), 4.94 (br d, J=9.44, 6.91 Hz, 1 H), 4.51 (br d, J=9.26 Hz, 1 H), 4.40 (br s, 1 H), 4.22 - 4.35 (m, 1 H), 3.05 - 3.81 (m, 3 H), 2.71 (br d, J=3.63 Hz, 1 H), 2.39 - 2.66 (m, 2 H), 2.12 - 2.34 (m, 3 H), 1.79 - 2.09 (m, 6 H), 1.61 - 1.73 (m, 11 H), 1.43 (m, 1 H), 1.17 (br d, J=6.88 Hz, 1 H), 0.98 - 1.14 (m, 3 H). [M+1]+ =578.64.
【0280】
【化67】
【0281】
ステップ1:化合物13-2の合成
化合物13-1(100.50mg、669.25μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(25mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(293.62mg,772.21μmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(266.14mg,2.06mmol、358.67μL)を加え、0.5時間攪拌し、化合物3-5のトリフルオロ酢酸塩(0.25g)を加え、20℃で16時間攪拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、5%のクエン酸(10mL)と食塩水(20mL×4)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=5:1)で精製して、化合物13-2を得た。[M+1] = 618.7.
【0282】
ステップ2:化合物13の合成
化合物13-2(0.2g、323.74μmol)をジクロロメタン(6mL)とテトラヒドロフラン(0.6mL)に溶解させ、バージェス試薬(115.73mg、485.61μmol)を加え、15℃で1時間反応させた。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出し、飽和食塩水溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:Waters Xbridge Prep OBD C18 150×40mm×10μm;移動相:[水(NHHCO)-アセトニトリル];アセトニトリル%:35%~65%、8分)で分離し、分画を減圧濃縮して、化合物13を得た。[M+1] = 600.7. H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 8.16 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.18 (s, 4H), 4.98 (q, J = 7.9 Hz, 1H), 4.62 - 4.43 (m, 2H), 3.98 (s, 1H), 3.69 - 3.48 (m, 3H), 3.43 - 3.27 (m, 2H), 2.37 - 2.34 (m, 3H), 1.88 - 1.36 (m, 27H).
【0283】
【化68】
【0284】
ステップ1:化合物14-2の合成
化合物14-1(36.44mg、214.16μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(93.96mg、247.11μmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(85.17mg、658.95μmol、114.78μL)を加え、0.5時間攪拌し、化合物3-5のトリフルオロ酢酸塩(0.08g)を加え、20℃で16時間攪拌した。反応溶液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、5%のクエン酸(10mL)と食塩水(20mL×4)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=5:1)で精製して、化合物14-2を得た。[M+1] = 638.7.
【0285】
ステップ3:化合物14の合成
化合物14-2(0.1g、156.80μmol)をジクロロメタン(3mL)とテトラヒドロフラン(0.3mL)に溶解させ、バージェス試薬(56.05mg、235.21μmol)を加え、15℃で1時間反応させた。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出し、飽和食塩水溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムタイプ:Waters Xbridge Prep OBD C18 150×40mm×10μm;移動相:[水(NHHCO)-アセトニトリル];アセトニトリル%:20%~70%、8分)で分離し、分画を減圧濃縮して、化合物14を得た。[M+1] = 620.7. H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 8.23 (br d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.03 - 7.03 (m, 1H), 7.21 - 6.85 (m, 3H), 5.00 (q, J = 7.8 Hz, 1H), 4.69 - 4.40 (m, 3H), 4.04 - 3.94 (m, 1H), 3.45 - 3.26 (m, 2H), 2.95 - 2.79 (m, 1H), 2.66 - 1.24 (m, 23H).
【0286】
【化69】
【0287】
ステップ1:化合物15-1の合成
0℃で、化合物1-3の塩酸塩(305.30mg、1.32mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)溶液にN-Boc-L-tert-ロイシン(0.21g、1.10mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(426.49mg、3.30mmol、574.79μL)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(627.38mg、1.65mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を5%のクエン酸溶液に注ぎ、分離し、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)で分離して、化合物15-1を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.21 (br d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.48 - 4.37 (m, 1H), 4.30 - 4.21 (m, 1H), 4.01 - 3.95 (m, 1H), 3.68 - 3.60 (m, 3H), 2.73 - 2.61 (m, 1H), 1.97 - 1.87 (m, 1H), 1.79 - 1.56 (m, 4H), 1.39 - 1.33 (m, 10H), 0.97 (s, 9H)。
【0288】
ステップ2:化合物15-2の合成
化合物15-1(0.3g、814.19μmol)のテトラヒドロフラン(2mL)と水(1mL)溶液に水酸化リチウム一水和物(51.25mg、1.22mmol)を加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液に5%のクエン酸水溶液20mLを加え、酢酸エチル20mLを加えて分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。化合物15-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.24 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.51 - 4.45 (m, 1H), 4.41 - 4.33 (m, 1H), 4.18 - 4.15 (m, 1H), 3.06 - 2.99 (m, 1H), 1.99 - 1.89 (m, 1H), 1.85 - 1.75 (m, 3H), 1.59 - 1.49 (m, 2H), 1.46 - 1.42 (m, 9H), 1.05 - 1.01 (m, 9H)。
【0289】
ステップ3:化合物15-3の合成
0℃で、化合物BB-1の塩酸塩(196.85mg、947.97μmol)、N-メチルイミダゾール(291.87mg、3.55mmol)、N,N,N,N-テトラメチルクロロホルムアミジンヘキサフルオロホスフェート(265.98mg、947.97μmol)を化合物15-2(0.28g、789.98μmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液に加え、20℃で16時間反応させた。反応溶液を20mLの水に注ぎ、ジクロロメタンとメタノールの混合溶液(体積比は10:1である)を加えて抽出(20mL×2)し、有機相を5%のクエン酸溶液(20mL×1)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で分離して、化合物15-3を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 4.71 - 4.23 (m, 3H), 3.97 (br s, 1H), 3.35 (br d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.83 - 2.74 (m, 1H), 2.61 - 2.31 (m, 2H), 2.09 (br s, 1H), 2.04 - 1.92 (m, 2H), 1.88 - 1.64 (m, 4H), 1.57 - 1.34 (m, 11H), 1.11 - 0.89 (m, 9H)。
【0290】
ステップ4:化合物15-4のトリフルオロ酢酸塩の合成
0℃で、化合物15-3(0.2g、393.99μmol)のジクロロメタン(6mL)溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)を加え、20℃で2時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮して、化合物15-4のトリフルオロ酢酸塩を得た。
【0291】
ステップ5:化合物15の合成
0℃で、化合物15-4のトリフルオロ酢酸塩(0.175g、394.17μmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液にピリジン(187.07mg、2.37mmol、190.89μL)、トリフルオロ酢酸無水物(206.97mg、985.43μmol、137.07μL)を加え、20℃で4時間反応させた。反応溶液に20mLの水を加えてクエンチングさせ、酢酸エチル(20mL×2)を加えて抽出し、有機相を5%のクエン酸(20mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。pre-HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100×25mm×5μm;移動相:[HO(NHHCO)-ACN];ACN%:20%~50%、10分)で分離して、化合物15を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 9.43 - 8.31 (m, 1H), 7.11 - 6.95 (m, 1H), 5.93 - 5.71 (m, 1H), 4.92 - 4.76 (m, 1H), 4.72 - 4.62 (m, 1H), 4.55 - 4.44 (m, 1H), 4.01 - 3.89 (m, 1H), 3.48 - 3.30 (m, 2H), 2.88 - 2.78 (m, 1H), 2.62 - 2.38 (m, 2H), 2.34 - 2.15 (m, 2H), 2.04 - 1.75 (m, 4H), 1.71 - 1.58 (m, 3H), 1.57 - 1.41 (m, 2H), 1.07 - 0.92 (m, 9H)。
【0292】
【化70】
【0293】
ステップ1:化合物16-2の合成
化合物16-1の塩酸塩(949.93mg、4.32mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に加え、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.97g、5.19mmol)を加え、反応溶液を0.5時間撹拌し、ジイソプロピルエチルアミン(1.40g、10.81mmol)、N-Boc-L-tert-ロイシン(1g、4.32mmol)を加え、反応溶液を20℃で16時間撹拌した。反応溶液にメチルtert-ブチルエーテル(50mL)を加え、水(20mL)で洗浄し、3%のクエン酸(20mL×2)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物16-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 5.27 - 5.18 (m, 1H), 4.36 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 4.33 - 4.28 (m, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 2H), 3.89 - 3.80 (m, 1H), 3.79 - 3.70 (m, 1H), 2.77 - 2.61 (m, 2H), 1.98 - 1.82 (m, 2H), 1.80 - 1.70 (m, 1H), 1.69 - 1.60 (m, 2H), 1.54 - 1.47 (m, 1H), 1.46 - 1.41 (m, 9H), 1.29 - 1.25 (m, 3H), 1.06 - 1.00 (m, 9H)。
【0294】
ステップ2:化合物16-3の合成
化合物16-2(0.2g、504.39μmol)をテトラヒドロフラン(3mL)に加え、水酸化リチウム一水和物(63.50mg、1.51mmol)の水(1.5mL)溶液を加え、反応溶液を20℃で16時間撹拌した。3%のクエン酸溶液(20mL)で粗生成物を中和し、酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。精製しなかった。化合物16-3を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ = 4.32 - 4.25 (m, 2H), 3.90 - 3.81 (m, 2H), 2.85 - 2.67 (m, 2H), 2.01 - 1.86 (m, 2H), 1.79 - 1.50 (m, 5H), 1.44 (s, 9H), 1.06 - 1.00 (m, 9H)。
【0295】
ステップ3:化合物16-4の合成
化合物16-3(0.35g、949.88μmol)、化合物BB-1の塩酸塩(197.25mg、949.88μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に加え、0℃に冷却させ、1-メチルイミダゾール(272.95mg、3.32mmol)、N,N,N,N-テトラメチルクロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(399.78mg、1.42mmol)を加え、反応溶液を20℃まで徐々に昇温させ、16時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(20mL)で洗浄し、3%のクエン酸(20mL×2)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物16-4を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ = 8.15 - 7.87 (m, 1H), 7.24 - 7.14 (m, 1H), 6.19 - 5.95 (m, 1H), 5.81 - 5.55 (m, 1H), 5.44 - 5.24 (m, 1H), 4.51 - 3.72 (m, 5H), 3.49 - 3.27 (m, 2H), 2.86 - 2.64 (m, 2H), 2.55 - 2.26 (m, 2H), 1.97 - 1.75 (m, 5H), 1.73 - 1.55 (m, 3H), 1.51 - 1.36 (m, 10H), 1.06 - 0.90 (m, 9H)。
【0296】
ステップ4:化合物16-5のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物16-4(0.31g、594.27μmol)をジクロロメタン(3mL)に加え、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応溶液を20℃で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。化合物16-5のトリフルオロ酢酸塩を得た。[M+1]= 422.30
【0297】
ステップ5:化合物16の合成
化合物16-5のトリフルオロ酢酸塩(240mg、448.13μmol)をテトラヒドロフラン(3mL)に加え、0℃に冷却させ、ピリジン(212.68mg、2.69mmol)を加え、無水トリフルオロ酢酸(235.30mg、1.12mmol)を滴下し、徐々に20℃に昇温させ、1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、3%のクエン酸(20mL×2)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物16を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 8.74 - 8.25 (m, 2H), 7.30 - 7.12 (m, 1H), 4.99 - 4.83 (m, 1H), 4.60 - 4.47 (m, 1H), 4.21 - 4.14 (m, 1H), 3.92 - 3.82 (m, 1H), 3.65 - 3.57 (m, 1H), 3.25 - 3.09 (m, 2H), 2.80 - 2.70 (m, 1H), 2.62 - 2.54 (m, 1H), 2.46 - 2.38 (m, 1H), 2.28 - 2.14 (m, 2H), 1.94 - 1.55 (m, 7H), 1.47 - 1.36 (m, 1H), 1.02 (s, 9H)。
【0298】
生物学的試験:
実験例1:試験化合物のインビトロ抗新型コロナウイルスMproプロテアーゼ活性の評価
1. 実験材料:
1.1 試薬と消耗品:
【表1】
【0299】
1.2 機器:
【表2】
【0300】
2. 実験方法:
化合物をDMSOに溶解させ、Echo655を使用して試験濃度要件に応じて3倍に勾配希釈し、10個の濃度ポイントであり、各濃度は二つの重複ウェルであり、384ウェルプレートに加えた。Mproタンパク質と基質を試験緩衝液(100mMのNaCl、20mMのTris-HCl、1mMのEDTA)で希釈し、Mproタンパク質を384ウェル試験プレートに加え、化合物と共に室温で30分間培養した後、基質を加え、Mproタンパク質の試験濃度は25nMであり、基質の試験濃度は25μMであった。30℃の恒温インキュベーターで60分間培養した。その後、マイクロプレートリーダーを使用して、Ex/Em=340nm/490nmの蛍光シグナル値を検出した。同時に基質と化合物の両方を含むがMproタンパク質を含まないバックグラウンドウェルを対象群として検出した。
【0301】
3. データ分析:
1)下記の式を使用して阻害率を計算した。
阻害率%=[(化合物-BG化合物)-(ZPE-BGZPE)]/[(HPE-BGHPE)-(ZPE-BGZPE)]×100%
HPE:100%阻害対照群、25nMのMproタンパク質+25μMの基質+1μMのGC376含有
ZPE:阻害効果のない対照群、25nMのMproタンパク質+25μMの基質含有、化合物を含まない
化合物:試験化合物ウェル、25nMのMproタンパク質+25μM基質+化合物を含む
BG:バックグラウンド対群ウェル、25μMの基質+化合物を含み、Mproのタンパク質を含まない
2)GraphPad Prismソフトウェアを使用して化合物の阻害率データ(阻害率%)に対してlog(agonist) vs. response -- Variable slope非線形フィッティング分析を実行し、化合物のIC50値を得た。
【0302】
【表3】
【0303】
結論:本発明の化合物は、インビトロでより優れた抗新型コロナウイルスMproプロテアーゼ活性を有している。
【0304】
実施例2:細胞変性モデルを使用したインビトロでの化合物の抗コロナウイルス活性を評価
1. 実験材料
1.1 試薬と消耗品
【表4】
【0305】
1.2 機器
【表5】
【0306】
1.3 細胞とウイルス
MRC5細胞とコロナウイルスHCoV OC43はATCC社から購入した。
【0307】
MRC5細胞は、10%のウシ胎児血清(Excell)、1%の二重抗体(Hyclone)、1%のL-グルタミン(Gibco)と1%の非必須アミノ酸(Gibco)を加えたMEM(Sigma)培地で培養した。5%のウシ胎児血清(Excell)、1%の二重抗体(Hyclone)、1%のL-グルタミン(Gibco)と1%の非必須アミノ酸(Gibco)を加えたMEM(Sigma)培地を実験培地として使用した。
【0308】
2. 実験方法
【表6】
【0309】
細胞を所定の密度(表6)で96マイクロウェルプレートに播種し、5%のCO、37℃のインキュベーターで一晩培養した。翌日、2倍希釈した化合物(8個の濃度ポイント、重複ウェル)を加え、50μL/ウェルであった。次に、希釈したウイルスを細胞に100TCID50/ウェルで加え、50μL/ウェルであった。細胞対照群(細胞、化合物処理又はウイルス感染なし)、ウイルス対照群(細胞をウイルスで感染、化合物処理なし)と培地対照群(培地のみ)を設定した。本実験における培地の最終体積は200μLであり、培地中のDMSOの最終濃度はそれぞれ0.5%であった。細胞を5%CO、33℃のインキュベーターで5日間培養した。細胞生存率は、細胞生存率試験キットCellTiter Glo(Promega)を使用して検出された。細胞毒性実験の条件は、抗ウイルス実験と同じであるが、ウイルス感染はなかった。
【0310】
3. データ分析
化合物の抗ウイルス活性と細胞毒性はそれぞれ、ウイルスによって引き起こされる細胞変性効果に対する異なる濃度の化合物の阻害率(%)と細胞生存率(%)で表される。計算式は下記の通りである。
阻害率(%)=(試験ウェルの読み取り値-ウイルス対照群の平均値)/(細胞対照群の平均値-ウイルス対照群の平均値)×100
細胞生存率(%)=(試験ウェルの読み取り値-培地対照群の平均値)/(細胞対照群の平均値-培地対照群の平均値)×100
GraphPad Prismを使用して、化合物の阻害率と細胞生存率に対する非線形フィッティング分析を実行し、化合物の半数有効濃度(EC50)と半数細胞毒性濃度(CC50)を計算した。
【0311】
【表7】
【0312】
結論:本発明の化合物は、細胞レベルで良好なインビトロ抗コロナウイルス活性を有し、細胞毒性を有しない。
【0313】
実施例3:抗新型コロナウイルスの活性と毒性試験
3.1 :細胞由来と新型コロナウイルスの種類
サイトウイルスは、American Type Culture Collection(ATCC)から入手し、カタログ番号がCCL-81であるアフリカミドリザル腎臓(Vero)細胞から由来した。細胞は、10%のウシ胎児血清(Gibco)と1%の二重抗体(Gibco)を加えたDulbecco’s Modified Eagle’s Medium(DMEM、WelGene)で培養した。2%のウシ胎児血清(Gibco)と1%の二重抗体(Gibco)を加えたDMEM培地を実験培地として使用した。
【0314】
新型コロナウイルスβCoV/KOR/KCDC03/2020株は、韓国疾患予防管理センター(Korea Centers for Disease Control and Prevention、KCDC)から提供され、配列番号はNCCP43326である。
【0315】
3.2 :実験過程
細胞プレイティング
Vero細胞をトリプシンで処理した後、実験用培地で480,000個の細胞/mLに希釈した。自動ディスペンサーを使用して、希釈した細胞を384ウェル細胞試験プレートに加え、25μL/ウェルであり、12,000個の細胞であった。細胞を5%CO、37℃のインキュベーターで一晩培養した。
【0316】
化合物処理とウイルス感染
翌日、化合物とCP-100356をDMSOで希釈した後、希釈した化合物を液体ワークステーションを使用して試験細胞ウェルに加えた。その後、25μLの実験培地を各ウェルに加えてSARS-CoV-2ウイルスを希釈し、MOI=0.0125であった。細胞対照群(細胞、化合物処理又はウイルス感染なし)と化合物処理のない対照群(細胞をウイルスで感染、化合物処理なし、0.5%のDMSOを添加)とCP-100356対照群(細胞をウイルスで感染、2μMのCP-1003506で処理)を設定した。各ウェルの細胞培地の最終体積は50μLでった。細胞は、5%CO、37℃のインキュベーターで続いて24時間培養した。
【0317】
免疫蛍光染色
(1)ウイルス感染の24時間後に、16%のパラホルムアルデヒド17μLを各ウェルに加えた。その後、室温で30分間放置した;
(2)上清を吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄した。
(3)25μLの0.25%TritonX-100を各ウェルに加え、室温で20分間静置した。
(4)0.25%のTritonX-100を吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄した。
(5)25μLの希釈した一次抗体(1:3000に希釈)を各ウェルに加え、37℃で1時間培養した。
(6)一次抗体を吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄した。
(7)25μLの希釈した二次抗体であるAlexa Fluor 488標識ヤギ抗ウサギIgG(1:2000に希釈)と2.5μg/mL(1:4000に希釈)のHoechst 33342を各ウェルに加え、37℃で1時間培養した。
(8)二次抗体とHoechstを吸引し、プレートをDPBSで2回洗浄した。
(9)ハイコンテントイメージングアナライザーOperettaを使用してプレートを読み取り、機器の設定:488/405発光、対物レンズ:20倍、ウェルあたり5つの視野であった。
【0318】
データ分析
Columbusソフトウェアを使用して、ハイコンテントイメージングアナライザーでプレートを読み取って得られた画像の総細胞数(Hoechstで染色された細胞の数)と新型コロナウイルスに感染した細胞の数(Alexa Fluor 488で標識された細胞の数)を定量的に分析した。感染細胞の比率と細胞の総数データは、化合物の抗ウイルス活性と細胞毒性分析に使用された。計算式は下記の通りである。
【0319】
阻害率(%)=(試験ウェルの感染細胞比率-細胞対照ウェルの平均感染細胞比率)/(化合物処理のない対照ウェルの平均感染細胞比率-細胞対照ウェルの平均感染細胞比率)×100
細胞生存率(%)=試験ウェルの細胞総数/化合物処理のない対照ウェルの平均感染細胞総数×100
XLfit 4ソフトウェアを使用して、化合物の阻害活性と細胞生存率に対する非線形フィッティング分析を実行し、化合物のIC50とCC50値を計算し、フィッティング方法は「Sigmoidal dose-response」である。IC50とCC50の計算式は:Y=Bottom+(Top Bottom)/(1+(IC50/X)Hillslope)である。
【0320】
【表8】
【0321】
結論:本発明の化合物は、インビトロでより優れた抗新型コロナウイルス活性を有している。
【0322】
実験例4 マウスにおける薬物動態試験
本研究では、C57BL/6Jオスマウスを試験動物として選択し、LC/MS/MS法を使用して、マウスにおける経口投与及び注射投与後のさまざまな時点での試験化合物11の血漿薬物濃度を定量的に測定して、マウスにおける試験薬の薬物動態特性を評価した。
【0323】
試験化合物を、30%のPEG400+70%の生理食塩水の中でマウスに胃内投与(一晩絶食、6~8週齢)した。動物に投与した後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12及び24時間にそれぞれ25μLの血液を採取し、EDTA-K2を事前に加えた市販の抗凝固チューブに入れ、4℃で、3200gで10分間の遠心分離して血漿を収集し、血漿試料を処理した後、LC-MS/MS法で血漿薬物濃度を測定した。
【0324】
【表9】
【0325】
NAは存在しないことを意味する;
結論:本発明の化合物は、マウスにおいて除去が速いため、化合物の曝露が低くなり、経口吸収のバイオアベイラビリティは約30%である。
【0326】
実験例5 リトナビルと併用した本発明の化合物の薬物動態試験
本研究では、C57BL/6Jオスマウスを試験動物として選択し、LC/MS/MS法を使用して、リトナビルと併用して経口投与したマウスのさまざまな時点での血漿薬物濃度を定量的に決定して、マウスにおける試験薬の薬物動態特性を評価した。
【0327】
まず、リトナビル10mpkを-12時間と0時間にマウスに胃内投与し、その後、試験化合物を30%のPEG400+70%の生理食塩水に溶解させ、マウスに胃内投与によって投与(一晩絶食、6~8週間)した。動物に投与した後、0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12及び24時間にそれぞれ25μLの血液を採取し、EDTA-K2を事前に加えた市販の抗凝固チューブに入れ、4℃で、3200gで10分間の遠心分離して血漿を収集し、血漿試料を処理した後、LC-MS/MS法で血漿薬物濃度を測定した。
【0328】
【表10】
【0329】
結論:本発明の化合物とリトナビルを併用した後、曝露は単一の薬物の曝露よりもほぼ20倍高い。
【0330】
実験例6 ラット組織分布試験
本研究では、SDオスラットを試験動物として選択し、LC/MS/MS法を使用して、異なる時点で試験化合物を経口投与したラットの血漿、肺中の薬物濃度を定量的に測定して、ラットにおける試験薬の薬物動態特性を評価した。
【0331】
まず、10mpkのリトナビルを-12時間と0時間に胃内投与によりラットに投与し、30mpkの試験化合物を10%のソルトール+30%のPEG400+2%のTween80+58%のHO溶液に溶解させ、胃内投与によってラットに投与した(一晩絶食)。動物は投与後0.25、1及び6時間にラット伏在静脈より40μLを採血し、EDTA-K2を加えた抗凝固チューブに入れ、4℃で、3200gで10分間遠心分離して血漿を採取し、動物の一部をそれぞれ0.25、1及び6時間で致死し、肺組織を採取した。血漿試料を処理した後、血中薬物濃度をLC-MS/MS法により測定した。
【表11】
【0332】
結論:リトナビルと併用した本発明の化合物は、ラットの肺で高い曝露量を有している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【配列表】
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