(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084812
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】手術用インストルメンツのエンドツール、及びそれを具備する手術用インストルメンツ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/29 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A61B17/29
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060580
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2021572472の分割
【原出願日】2019-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】516316716
【氏名又は名称】リブスメド インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ドンキュ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実際のエンドツールが屈曲するか、あるいは手術動作を遂行する動作と、それに対応する操作部の作動と、が直観的に一致するようにするための手術用インストルメンツを提供する。
【解決手段】さまざまな自由度を有するエンドツール120、該エンドツールの動作を直観的に操作するようにする構造を有する操作部110、該操作部の操作通りに、エンドツールの動作が可能になるように操作部の駆動力をエンドツールに伝達する動力伝達部を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用インストルメンツの1つ以上のジョーが結合するエンドツールハブであって、
互いに対面するように形成される1対のジョープーリー結合部と、
第1軸方向に延長されて形成され、前記1対のジョープーリー結合部を連結するガイド部と、を含み、
前記ガイド部において、前記1対のジョープーリー結合部と隣接した領域は、前記第1軸に垂直である平面上での断面が所定曲率を有するように湾曲されて形成されることを特徴とする手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用インストルメンツのエンドツール、及びそれを具備する手術用インストルメンツに係り、詳細には、腹腔鏡手術、またはさまざまな多様な手術に使用するために、手動で作動可能な手術用インストルメンツのエンドツール、及びそれを具備する手術用インストルメンツに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的に手術とは、皮膚や粘膜、その他組織を、医療機器を使用し、切ったり裂いたりする操作を加えて病気を直すことを言う。特に、手術部位の皮膚を切開して開き、その内部にある器官などを治療、成形したり除去したりする開腹手術は、出血、副作用、患者の苦痛、傷跡などの問題を引き起こす。従って、最近では、皮膚に所定の孔を形成し、医療機器、例えば、腹腔鏡、手術用インストルメンツ、微細手術用顕微鏡のようなものだけを挿入して行う手術、またはロボット(robot)を使用した手術が代案として注目されている。
【0003】
手術用インストルメンツは、皮膚に穿孔された孔を通過するシャフトの一端に具備されたエンドツールを、所定の駆動部を使用し、医師が直接手で操作するか、あるいはロボットアームを使用して操作することにより、手術部位を手術するためのツールである。手術用インストルメンツに具備されたエンドツールは、所定の構造を介する回転動作、つまみ動作(gripping)、切断動作(cutting)などを遂行する。
【0004】
ところで、既存の手術用インストルメンツは、エンドツール部分が屈曲されず、手術部位への接近、及びさまざまな手術動作遂行において容易ではないという問題点が存在した。それを補完するために、エンドツール部分が反り曲がることができる手術用インストルメンツが開発されたが、エンドツールを屈曲させたり、手術動作を遂行したりするための操作部の作動が、実際のエンドツールが屈曲されたり、手術動作を遂行したりする動作と直観的に一致せず、手術者の立場において、直観的な作動が容易ではなく、使用方法の熟練に長時間を要するという問題点が存在していた。
【0005】
前述の背景技術は、発明者が本発明導出のために保有していたか、あるいは本発明の導出過程で習得した技術情報であるが、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とするものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前述の問題点を解決するためのものであり、実際のエンドツールが屈曲するか、あるいは手術動作を遂行する動作と、それに対応する操作部の作動と、が直観的に一致するようにするための手術用インストルメンツを提供することを目的とする。さらに具体的には、そのために、さまざまな自由度を有するエンドツール、該エンドツールの動作を直観的に操作するようにする構造を有する操作部、操作部の操作通りに、エンドツールの動作が可能になるように、操作部の駆動力をエンドツールに伝達する動力伝達部を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、互い独立して回転可能な第1ジョー(jaw)及び第2ジョー(jaw);前記第1ジョーと結合し、第1軸を中心に回転自在になるように形成されるJ11プーリー;前記第2ジョーと結合し、前記第1軸と実質的に同一または平行な軸を中心に回転自在になるように形成されるJ21プーリー;互いに対面するように形成される1対のジョープーリー結合部と、前記1対のジョープーリー結合部を連結するガイド部と、を含み、前記1対のジョープーリー結合部、及び前記ガイド部が形成する空間内に、前記J11プーリーと前記J21プーリーとの少なくとも一部が収容され、前記ガイド部において、前記J11プーリー及び前記J21プーリーと隣接した領域は、その断面が所定曲率を有するように湾曲されて形成されることを特徴とする、エンドツールハブ;前記エンドツールハブの一側に形成され、前記第1軸と所定角度をなすように形成される第2軸を中心に回転自在になるように形成されるJ12プーリー及びJ14プーリー;及び前記エンドツールハブの一側に形成され、前記第2軸と実質的に同一または平行な軸を中心に回転自在になるように形成されるJ22プーリー及びJ24プーリー;を含む手術用インストルメンツのエンドツールを提供する。
【0008】
本発明の他の一実施形態は、それぞれ回転自在に形成される第1ジョー(jaw)及び第2ジョー(jaw)を含み、2方向以上の方向に回転自在になるように形成されるエンドツール(end tool);前記エンドツールの前記2方向以上の方向への回転を制御する操作部;前記操作部と連結され、前記操作部の回転を、前記第1ジョーに伝達する第1ジョーワイヤと、前記操作部と連結され、前記操作部の回転を、前記第2ジョーに伝達する第2ジョーワイヤを含む動力伝達部;及び第1方向(X軸)で延設され、一端部には、前記エンドツールが結合され、他端部には、前記操作部が結合され、前記操作部と前記エンドツールとを連結し、前記エンドツールと前記操作部とを連結しながら、1回以上曲折されるように形成される曲折部を含む連結部;を含み、前記エンドツールは、互いに対面するように形成される1対のジョープーリー結合部と、前記1対のジョープーリー結合部を連結するガイド部と、を含むエンドツールハブを含み、前記1対のジョープーリー結合部、及び前記ガイド部が形成する空間内に、前記J11プーリーと前記J21プーリーとの少なくとも一部が収容され、前記ガイド部において、前記J11プーリー及び前記J21プーリーと隣接した領域は、その断面が所定曲率を有するように湾曲されて形成されることを特徴とする手術用インストルメンツを提供する。
【0009】
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0010】
以上のような本発明により、手術者による操作部の操作方向と、エンドツールの作動方向とが直観的に同一方向であるために、手術者の便宜性が向上され、手術の正確性、信頼性及び迅速性などが向上される効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】従来の手術用インストルメンツのピッチ動作概念図である。
【
図1B】従来の手術用インストルメンツのヨー動作概念図である。
【
図1C】他の従来の手術用インストルメンツのピッチ動作概念図である。
【
図1D】他の従来の手術用インストルメンツのヨー動作概念図である。
【
図1E】本発明による手術用インストルメンツのピッチ動作概念図である。
【
図1F】本発明による手術用インストルメンツのヨー動作概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態による手術用インストルメンツを示す斜視図である。
【
図3】
図2の手術用インストルメンツの側面図である。
【
図4】
図2の手術用インストルメンツのエンドツールを示す斜視図である。
【
図5】
図2の手術用インストルメンツのエンドツールを示す斜視図である。
【
図6】
図4の手術用インストルメンツのエンドツールハブを示す図である。
【
図7】従来の手術用インストルメンツのエンドツールを示す平面図である。
【
図8】従来の手術用インストルメンツのエンドツールを示す平面図である。
【
図9】
図2の手術用インストルメンツのエンドツールを示す平面図である。
【
図10】
図8の従来の手術用インストルメンツのエンドツールと、
図4の本発明の一実施形態による手術用インストルメンツのエンドツールとを比較する図である。
【
図11】
図4のエンドツールの一変形例を示す図である。
【
図12】
図2の手術用インストルメンツの操作部を示す斜視図である。
【
図13】
図2の手術用インストルメンツの操作部を示す斜視図である。
【
図14】
図12に図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツの関節を構成するプーリー及びワイヤの構成のみを簡略に図示した図である。
【
図15】
図12に図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツのアクチュエーション動作及びヨー動作と係わるプーリー及びワイヤの構成を、第1ジョー及び第2ジョーそれぞれについて分けて図示した図である。
【
図16】
図12の手術用インストルメンツのヨー動作を示す斜視図である。
【
図17】
図12に図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツのピッチ動作と係わるプーリー及びワイヤの構成を、第1ジョー及び第2ジョーそれぞれについて分けて図示した図である。
【
図18】
図12の手術用インストルメンツのピッチ動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、それについて詳細に説明する。しかし、それらは、本発明を、特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むものであると理解されなければならない。本発明の説明において、関連公知技術に係わる具体的な説明が、本発明の要旨の焦点から外れてしまうと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0013】
第1、第2のような用語は、多様な構成要素の説明に使用されうるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0014】
本出願で使用された用語は、単に特定実施形態の説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照しての説明において、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面番号を付し、それらに係わる重複説明は、省略する。
【0016】
また、本発明の多様な実施形態の説明において、各実施形態が、独立して解釈されたり実施されたりしなければならないものではなく、各実施形態で説明される技術的思想が、個別的に説明される他の実施形態に組み合わされて解釈されたり実施されたりしうると理解されなければならない。
【0017】
<手術用インストルメンツの一実施形態>
本発明による手術用インストルメンツは、ピッチ(pitch)動作、ヨー(yaw)動作、アクチュエーション(actuation)動作のうち少なくともいずれか1以上の動作につき、操作部をいずれか1方向に回転させれば、エンドツール(end tool)が操作部の操作方向と直観的に同一方向に回転することを一特徴とする。
【0018】
図1Aは、従来の手術用インストルメンツのピッチ動作概念図であり、
図1Bは、ヨー動作概念図である。
【0019】
図1Aを参照すれば、従来の手術用インストルメンツのピッチ動作遂行において、エンドツール120aは、エンドツールの回転中心121aより前側に形成され、操作部110aは、操作部の回転中心111aより後側に形成された状態で、操作部110aを時計回り方向に回転させれば、エンドツール120aも、時計回り方向に回転し、操作部120aを反時計回り方向に回転させれば、エンドツール120aも、反時計回り方向に回転するように形成される。一方、
図1Bを参照すれば、従来の手術用インストルメンツのヨー動作遂行において、エンドツール120aは、エンドツールの回転中心121aより前側に形成され、操作部110aは、操作部の回転中心111aより後側に形成された状態で、操作部110aを時計回り方向に回転させれば、エンドツール120aも、時計回り方向に回転し、操作部120aを反時計回り方向に回転させれば、エンドツール120aも、反時計回り方向に回転するように形成される。その場合、ユーザの左右方向という観点から見たとき、ユーザが操作部110aを左に動かせば、エンドツール120aは、右側に動き、ユーザが操作部110aを右側に動かせば、エンドツール120aは、左に動くことになる。結果的として、ユーザの操作方向と、エンドツールの動作方向とが反対になることにより、ユーザをして、過ちを誘発させ、ユーザの操作が容易ではないという問題点が存在した。
【0020】
図1Cは、他の従来の手術用インストルメンツのピッチ動作概念図であり、
図1Dは、ヨー動作概念図である。
【0021】
図1Cを参照すれば、従来の手術用インストルメンツにおいて、一部は、ミラー対称形態に形成され、ピッチ動作遂行において、エンドツール120bは、エンドツールの回転中心121bより前側に形成され、操作部110bは、操作部の回転中心111bより後側に形成された状態で、操作部110bを時計回り方向に回転させれば、エンドツール120bは、反時計回り方向に回転し、操作部110bを反時計回り方向に回転させれば、エンドツール120bは、時計回り方向に回転するように形成される。その場合、操作部とエンドツールとの回転方向という観点から見たとき、ユーザが操作部110bを回転させる回転方向と、それによるエンドツール120bの回転方向は、互いに反対になる。結果として、ユーザに操作方向の混乱をもたらし、関節の動作が直観的ではなく、過ちを誘発させうるという問題点が存在した。また、
図1Dを参照すれば、ヨー動作遂行において、エンドツール120bは、エンドツールの回転中心121bより前側に形成され、操作部110bは、操作部の回転中心111bより後側に形成された状態で、操作部110bを時計回り方向に回転させれば、エンドツール120bは、反時計回り方向に回転し、操作部110bを反時計回り方向に回転させれば、エンドツール120bは、時計回り方向に回転するように形成される。その場合、操作部とエンドツールとの回転方向という観点から見たとき、ユーザが操作部110bを回転させる回転方向と、それによるエンドツール120bの回転方向は、互いに反対になる。結果として、ユーザに操作方向の混乱をもたらすことになり、関節の動作が直観的ではなく、過ちを誘発させうるという問題点が存在した。そのように、従来の手術用インストルメンツのユーザのピッチ操作またはヨー操作において、ユーザの操作方向と、エンドツールの動作方向とが、回転方向の観点、または左右方向の観点のうち一つにおいては、互いに一致しない。それは、従来の手術用インストルメンツの関節構成において、エンドツールと操作部との構成が互いに異なるためである。すなわち、該エンドツールは、エンドツールの回転中心より前側に形成されているのに対し、該操作部は、操作部の回転中心より後側に形成されるためである。そのような問題点を解決するために、
図1E及び
図1Fに図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツは、エンドツール120cをエンドツールの回転中心121cより前側に形成し、操作部110cも、操作部の回転中心111cより前側に形成し、操作部110cとエンドツール120cとの動作が直観的に一致するようにすることを一特徴とする。そのような特性を異なって表現すれば、
図1A、
図1B、
図1C及び
図1Dのように、操作部が、自身の関節に対し、ユーザ側に近くなる(すなわち、エンドツールから遠くなる)構成の既存例とは異なり、
図1E及び
図1Fに図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツは、操作過程のある一瞬間以上においては、操作部の少なくとも一部が、自身の関節を基準に、(自身の関節より)エンドツールにさらに近くなりうるように形成されるのである。
【0022】
それについて異なって説明すれば、
図1A、
図1B、
図1C及び
図1Dのような従来の手術用インストルメンツの場合には、エンドツールが、自身の回転中心より前側に位置するのに反し、操作部は、自身の回転中心より後側に形成され、前側が固定された状態で後側を動かす操作部の動作を介し、後側が固定された状態で前側が動くエンドツールを動かすことになるので、構造上、直観的に一致しない構造である。それにより、操作部の操作と、エンドツールの動作とにおいて、左右方向の観点、または回転方向の観点において不一致が生じ、ユーザに混乱をもたらし、該操作部の操作を直観的に迅速に行い難くなり、過ちを誘発させうるという問題点が存在した。それに対し、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツは、エンドツール及び操作部がいずれも後側に形成された回転中心を基準に動くために、構造上直観的に動作が互いに一致すると言うことができるのである。言い換えて説明すれば、エンドツールの動く部分が、後側に形成された回転中心を基準に動くように、操作部の動く部分も、後側に形成された当該回転中心を基準に動くために、構造上、直観的に動作が互いに一致すると言うことができる。それにより、ユーザは、エンドツール方向の操縦を直観的に迅速に行うことができ、過ちが誘発される可能性が顕著に低くなる長所がある。以下では、そのような機能を可能にする具体的なメカニズムについて説明することにする。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツを示す斜視図であり、
図3は、
図2の手術用インストルメンツの側面図である。
【0024】
図2及び
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、操作部110、エンドツール(end tool)120、動力伝達部130及び連結部140を含む。ここで、連結部140は、中空のシャフト(shaft)形状に形成され、その内部に、1本以上のワイヤ(図示せず)が収容され、その一端部には、操作部110が結合され、他端部には、エンドツール120が結合され、操作部110とエンドツール120とを連結する役割を行うことができる。ここで、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100の連結部140は、操作部110側に曲折部141が形成されていることを一特徴とする。そのように、連結部140の操作部110側端部が曲折されて形成されることにより、ピッチ操作部111とヨー操作部112とアクチュエーション操作部113とがエンドツール120の延長線上に形成されるか、あるいは延長線に隣接するように形成される。それについて他の側面から表現すれば、曲折部141が形成する凹部内に、ピッチ操作部111及びヨー操作部112の少なくとも一部が収容されると記述することもできるのである。そのような曲折部141の形状により、操作部110とエンドツール120との形状及び動作が、さらに直観的に一致しうる。
【0025】
なお、曲折部141が形成される平面は、ピッチ平面、すなわち、
図2のXZ平面と実質的に同一平面でもある。そのように、曲折部141がXZ平面と実質的に同一平面上に形成されることにより、操作部間の干渉が低減されうる。ここで、エンドツールと操作部との直観的な動作のために、XZ平面だけではなく、他の形態の構成も可能であるということは、言うまでもない。
【0026】
操作部110は、連結部140の一端部に形成され、医師が直接操縦することができるインターフェース、例えば、つまみ形状、スティック形状、レバー形状などに具備され、それを医師が操縦すれば、当該インターフェースに連結され、手術患者の体内に挿入されるエンドツール120が、所定の作動を行うことにより、手術を行うことになる。ここで、
図2には、操作部110が指を挿入させた状態で回転させることができる取っ手形状に形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、エンドツール120と連結され、エンドツール120を操作することができる多様な形態の操作部が可能であろう。
【0027】
エンドツール120は、連結部140の他端部に形成され、手術部位に挿入され、手術に必要な動作を遂行する。そのようなエンドツール120の一例として、
図2に図示されているようにグリップ(grip)動作を遂行するための1対のジョー121,122が使用されうる。ただし、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、手術のための多様な装置が、エンドツール120としても使用されるであろう。例えば、一本型焼灼器のような構成も、エンドツールとして使用されうるであろう。そのようなエンドツール120は、操作部110と、動力伝達部130によって連結され、操作部110の駆動力を、動力伝達部130を介して伝達されることにより、グリップ動作、切断(cutting)動作、縫合(suturing)動作のように、手術に必要な動作を遂行することになる。
【0028】
ここで、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100のエンドツール120は、少なくとも2方向以上の方向に回転自在になるように形成され、例えば、エンドツール120は、
図2のY軸を中心にピッチ運動を行うと共に、
図2のZ軸を中心にヨー運動及びアクチュエーション運動を行うようにも形成される。
【0029】
ここで、本発明で使用されるピッチ動作、ヨー動作及びアクチュエーション動作のそれぞれについて定義すれば、次の通りである。
【0030】
まず、ピッチ動作は、エンドツール120が連結部140の延長方向(
図2のX軸方向)につき、上下方向に回転する運動、すなわち、
図2のY軸を中心に回転する動作を意味する。言い換えれば、連結部140の延長方向(
図2のX軸方向)に連結部140から延設されているエンドツール120が、連結部140に対し、Y軸を中心に上下に回転する運動を意味する。次に、ヨー動作は、エンドツール120が、連結部140の延長方向(
図2のX軸方向)につき、左右方向に回転する動作、すなわち、
図2のZ軸を中心に回転する動作を意味する。言い換えれば、連結部140の延長方向(
図2のX軸方向)に連結部140から延設されているエンドツール120が、連結部140に対し、Z軸を中心に左右に回転する運動を意味する。すなわち、エンドツール120に形成された2つのジョー121,122がZ軸を中心に互いに同一方向に回転する運動を意味する。一方、アクチュエーション動作は、エンドツール120が、ヨー動作と同一回転軸を中心に回転するが、2つのジョー121,122が互いに反対方向に回転しながら、ジョーがすぼんだり開いたりする動作を意味する。すなわち、エンドツール120に形成された2つのジョー121,122が、Z軸を中心に互いに反対方向に回転する運動を意味する。
【0031】
動力伝達部130は、操作部110とエンドツール120とを連結し、操作部110の駆動力をエンドツール120に伝達する役割を行い、多数本のワイヤ、プーリー、リンク、節、ギアなどを含むものでもある。本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100において、動力伝達部130は、ピッチワイヤ130P、第1ジョーワイヤ130J1、第2ジョーワイヤ130J2を含むものでもある。
【0032】
以下においては、
図2の手術用インストルメンツ100の操作部110、エンドツール120、動力伝達部130などにつき、さらに詳細に説明することにする。
(エンドツール)
図4及び
図5は、
図2の手術用インストルメンツのエンドツールを示す斜視図であり、
図6は、
図4の手術用インストルメンツのエンドツールハブを示す図面である。そして、
図7及び
図8は、従来の手術用インストルメンツのエンドツールを示す平面図であり、
図9は、
図2の手術用インストルメンツのエンドツールを示す平面図である。そして、
図10は、
図8の従来の手術用インストルメンツのエンドツールと、
図4の本発明の一実施形態による手術用インストルメンツのエンドツールとを比較する図面であり、
図11は、
図4のエンドツールの一変形例を示す図面である。
【0033】
まず、
図4、
図5、
図6及び
図9を参照すれば、本発明の一実施形態のエンドツール120は、グリップ動作を遂行するための1対のジョー121,122、すなわち、第1ジョー121と第2ジョー122とを具備する。また、エンドツール120は、第1ジョー121の回転運動と係わるJ11プーリー123J11、J12プーリー123J12、J13プーリー123J13、J14プーリー123J14及びJ15プーリー123J15、並びに第2ジョー122の回転運動と係わるJ21プーリー123J21、J22プーリー123J22、J23プーリー123J23、J24プーリー123J24及びJ25プーリー123J25を含む。ここで、第1ジョー121、J11プーリー123J11、J12プーリー123J12、J14プーリー123J14、第2ジョー122、J21プーリー123J21、J22プーリー123J22、J24プーリー123J24は、いずれもエンドツールピッチ回転軸123PAを中心に共に回転するようにも形成される。
【0034】
一方、エンドツール120と結合する連結部140の一端部には、連結部ハブ142が形成される。そして、前述のJ12プーリー123J12、J13プーリー123J13、J14プーリー123J14、J15プーリー123J15と、J22プーリー123J22、J23プーリー123J23、J24プーリー123J24、J25プーリー123J25は、連結部ハブ142に結合される。
【0035】
ここで、図面には、対面しているプーリーが、互いに平行に形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、それぞれのプーリーがエンドツールの構成に適する位置及び大きさで多様にも形成されるのである。
【0036】
J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21は、互いに対面するように形成され、ジョー回転軸123JAを中心に、互い独立して回転自在になるように形成される。ここで、J11プーリー123J11には、第1ジョー121が固定結合され、J11プーリー123J11と共に回転し、J21プーリー123J21には、第2ジョー122が固定結合され、J21プーリー123J21と共に回転することができる。J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21の回転により、エンドツール120のヨー動作及びアクチュエーション動作が遂行される。すなわち、J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21が同じ方向に回転すれば、ヨー動作が遂行され、J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21が互いに反対方向に回転すれば、アクチュエーション動作が遂行されるのである。
【0037】
一方、エンドツール120は、ピッチワイヤ130Pが巻かれるピッチプーリー123Pをさらに具備することができる。また、エンドツール120は、J11プーリー123J11、J21プーリー123J21、ピッチプーリー123Pなどが結合されうるように形成され、エンドツール120の基盤をなすエンドツールハブ125をさらに具備することができる。
【0038】
ここで、本発明の一実施形態は、エンドツールハブ125に、補助プーリーの役割を行うガイド部125cが形成されることを一特徴とする。すなわち、エンドツールハブ125には、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の経路をガイドするガイド部125cが形成されうる。ここで、ガイド部125cは、J11プーリー123J11とJ12プーリー123J12/J14プーリー123J14との間にも配される。また、ガイド部125cは、J21プーリー123J21とJ22プーリー123J22/J24プーリー123J24との間にも配される。そのようなエンドツールハブ125のガイド部125cは、一種の補助プーリーの役割を行い、ワイヤの経路を変更することができ、そのように、補助プーリーの役割を行うエンドツールハブ125のガイド部125cについては、追ってさらに詳細に説明することにする。
【0039】
以下においては、J11プーリー123J11の回転と係わる構成要素について説明する。
J11プーリー123J11の一側には、互いに対面するように、J12プーリー123J12及びJ14プーリー123J14が配される。ここで、J12プーリー123J12及びJ14プーリー123J14は、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に、互い独立して回転自在になるように形成される。また、J12プーリー123J12及びJ14プーリー123J14それぞれの(X軸方向への)一側には、互いに対面するように、J13プーリー123J13及びJ15プーリー123J15が配される。ここで、J13プーリー123J13及びJ15プーリー123J15は、Y軸方向を中心に、互い独立して回転自在になるように形成される。ここで、図面には、J12プーリー123J12、J13プーリー123J13、J14プーリー123J14及びJ15プーリー123J15が、いずれもY軸方向を中心に回転自在になるように形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、各プーリーの回転軸は、その構成に適切になるように、多様な方向にも形成されるであろう。
【0040】
ここで、J12プーリー123J12及びJ14プーリー123J14は、連結部140の中心軸(x軸)を経て、y軸に垂直である平面を基準に、第1側(
図9で見たとき、ピッチプーリー123Pの右側)に配される。それは、エンドツールハブ125のガイド部125cが補助プーリーの役割を行い、第1ジョーワイヤ130J1の配置経路を変更したためである。同様に、J13プーリー123J13及びJ15プーリー123J15も、J12プーリー123J12及びJ14プーリー123J14と同じ側(第1側)に配される。
【0041】
同様に、J22プーリー123J22及びJ24プーリー123J24は、連結部140の中心軸(x軸)を経て、y軸に垂直である平面を基準に、第2側(
図9で見たとき、ピッチプーリー123Pの左側)に配される。それは、エンドツールハブ125のガイド部125cが補助プーリーの役割を行い、第2ジョーワイヤ130J2の配置経路を変更したためである。同様に、J23プーリー123J23及びJ25プーリー123J25も、J22プーリー123J22及びJ24プーリー123J24と同じ側(第2側)に配される。
【0042】
第1ジョーワイヤ130J1は、J13プーリー123J13、J12プーリー123J12、J11プーリー123J11、エンドツールハブ125のガイド部125c、J14プーリー123J14、J15プーリー123J15と少なくとも一部が接触するように順に巻かれ、第1ジョーワイヤ130J1が前記プーリーを回転させながら、前記プーリーによって移動するように形成される。
【0043】
詳細には、第1ジョーワイヤ130J1は、連結部140から延長され、まず、J13プーリー123J13に、
図5の矢印A方向(XZ平面から見たとき、反時計回り方向)に巻かれた後、J12プーリー123J12に、
図5の矢印B方向(XZ平面から見たとき、時計回り方向)に巻かれる。その後、第1ジョーワイヤ130J1は、J11プーリー123J11に、
図5の矢印C方向(XY平面から見たとき、反時計回り方向)に巻かれた後、エンドツールハブ125のガイド部125cに、
図5の矢印D方向(XY平面から見たとき、時計回り方向)に巻かれる。その後、第1ジョーワイヤ130J1は、まず、J14プーリー123J14に、
図5の矢印B方向の反対側(XZ平面から見たとき、反時計回り方向)に巻かれた後、J15プーリー123J15に、
図5の矢印A方向の反対側(XZ平面から見たとき、時計回り方向)に巻かれた後、連結部140内に引き込まれる。
【0044】
従って、第1ジョーワイヤ130J1が、
図9の矢印J1R側に引っ張られれば、第1ジョーワイヤ130J1が、J15プーリー123J15、J14プーリー123J14、J11プーリー123J11、J12プーリー123J12、J13プーリー123J13を回転させることになり、このとき、J11プーリー123J11が、
図9の矢印R方向に回転しながら、第1ジョー121を共に回転させる。
【0045】
反対に、第1ジョーワイヤ130J1が、
図9の矢印J1L側に引っ張られれば、第1ジョーワイヤ130J1が、J13プーリー123J13、J12プーリー123J12、J11プーリー123J11、J14プーリー123J14、J15プーリー123J15を回転させることになり、このとき、J11プーリー123J11が、
図9の矢印L方向に回転しながら、第1ジョー121を共に回転させる。
【0046】
次に、J21プーリー123J21の回転と係わる構成要素について説明する。
J21プーリー123J21の一側には、互いに対面するように、J22プーリー123J22及びJ24プーリー123J24が配される。ここで、J22プーリー123J22及びJ24プーリー123J24は、エンドツールピッチ回転軸123PA方向を中心に、互い独立して回転自在になるように形成される。また、J22プーリー123J22及びJ24プーリー123J24それぞれの(X軸方向への)一側には、互いに対面するように、J23プーリー123J23及びJ25プーリー123J25が配される。ここで、J23プーリー123J23及びJ15プーリー123J25は、Y軸方向を中心に、互い独立して回転自在になるように形成される。ここで、図面には、J22プーリー123J22、J23プーリー123J23、J24プーリー123J24及びJ25プーリー123J25が、いずれもY軸方向を中心に回転自在になるように形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、各プーリーの回転軸は、その構成に適切になるように、多様な方向にも形成されるであろう。
【0047】
第2ジョーワイヤ130J2は、J23プーリー123J23、J22プーリー123J22、J21プーリー123J21、エンドツールハブ125のガイド部125c、J24プーリー123J24、J25プーリー123J25と少なくとも一部が接触するように順に巻かれ、第2ジョーワイヤ130J2が前記プーリーを回転させながら、前記プーリーによって移動するように形成される。
【0048】
従って、第2ジョーワイヤ130J2が、
図9の矢印J2R側に引っ張られれば、第2ジョーワイヤ130J2が、J23プーリー123J23、J22プーリー123J22、J21プーリー123J21、J24プーリー123J24、J25プーリー123J25を回転させることになり、このとき、J21プーリー123J21が、
図9の矢印R方向に回転しながら、第2ジョー122を共に回転させる。
【0049】
反対に、第2ジョーワイヤ130J2が、
図9の矢印J2L側に引っ張られれば、第2ジョーワイヤ130J2が、J25プーリー123J25、J24プーリー123J24、J21プーリー123J21、J22プーリー123J22、J23プーリー123J23を回転させることになり、このとき、J21プーリー123J21が、
図9の矢印L方向に回転しながら、第2ジョー122を共に回転させる。
【0050】
一方、第1ジョーワイヤ130J1の一端部は、
図9の矢印J1R側に引っ張られ、同時に、第1ジョーワイヤ130J1の他端部は、
図9の矢印J1L側に引っ張られれば(すなわち、第1ジョーワイヤ130J1の両端部がいずれも引っ張られれば)、
図5のように、第1ジョーワイヤ130J1は、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に回転することができるJ12プーリー123J12とJ14プーリー123J14との下側に巻かれているために、第1ジョーワイヤ130J1が固定結合されているJ11プーリー123J11、第1ジョー121、ジョー回転軸123JA、エンドツールハブ123a、及びそれと連結された第2ジョー122などは、全体的にエンドツールピッチ回転軸123PAを中心に、反時計回り方向に共に回転することになり、結果として、エンドツール120が下側に回転しながら、ピッチ運動を行うことになる。このとき、第2ジョー122、及びそれに固定結合された第2ジョーワイヤ130J2は、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に回転することができるJ22プーリー123J22とJ24プーリー123J24との上側に巻かれているために、第2ジョーワイヤ130J2の両端部は、それぞれJ2L、J2Rの反対側に移動することになる。
【0051】
反対に、第2ジョーワイヤ130J2の一端部は、
図9の矢印J2R側に引っ張られ、同時に、第2ジョーワイヤ130J2の他端部は、
図9の矢印J2L側に引っ張られれば、
図5のように、第2ジョーワイヤ130J2は、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に回転することができるJ22プーリー123J22とJ24プーリー123J24との上側に巻かれているために、第2ジョーワイヤ130J2が固定結合されているJ21プーリー123J21、第2ジョー122、ジョー回転軸123JA、エンドツールハブ123a、及びそれと連結された第1ジョー121などは、全体的に、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に、時計回り方向に共に回転することになり、結果として、エンドツール120が上側に回転しながら、ピッチ運動を行うことになる。このとき、第1ジョー121、及びそれに固定結合された第1ジョーワイヤ130J1は、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に回転することができるJ12プーリー123J12とJ14プーリー123J14との下側に巻かれているために、第1ジョーワイヤ130J1の両端部は、それぞれJ1L、J1Rの反対側に移動することになる。
【0052】
一方、本発明の手術用インストルメンツ100bのエンドツール120は、ピッチプーリー123Pをさらに具備し、操作部110は、ピッチワイヤエンドプーリー115Pをさらに具備し、動力伝達部130は、ピッチワイヤ130Pをさらに具備することができる。詳細には、エンドツール120のピッチプーリー123Pは、エンドツールピッチ回転軸123PAを中心に回転自在であり、エンドツールハブ123aに固定結合されるようにも形成される。一方、操作部のピッチプーリーは、ピッチ回転軸を中心に回転自在であり、ピッチ操作部(図示せず)に固定結合されるようにも形成される。また、ピッチワイヤ130Pは、エンドツール120のピッチプーリー123Pと、操作部のピッチプーリーとを連結する役割を行うことができる。
【0053】
従って、ユーザが操作部110の第1取っ手114を手で握っている状態で、ピッチ回転軸1111を中心に、第1取っ手114を回転させれば、第1取っ手114と結合されたピッチプーリーがピッチ回転軸1111を中心に回転し、該ピッチプーリーの回転は、ピッチワイヤ130Pを介し、エンドツール120のピッチプーリー123Pに伝達され、ピッチプーリー123Pも共に回転することになり、結果として、エンドツール120が回転しながら、ピッチ運動を行うことになるのである。
【0054】
すなわち、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、エンドツール120のピッチプーリー123P、操作部110のピッチワイヤエンドプーリー115P、及び動力伝達部130のピッチワイヤ130Pを具備し、ピッチ操作部111のピッチ動作の駆動力が、さらに完璧にエンドツール120に伝達されるようにすることにより、動作信頼性を向上させることができる。
【0055】
以下においては、エンドツールハブ125につき、さらに詳細に説明するが、特に、補助プーリーの役割を行うエンドツールハブ125のガイド部125cにつき、重点的に説明することにする。
【0056】
エンドツールハブ125は、1対のジョープーリー結合部125a,125b、ガイド部125c、ガイド溝125d、ピッチプーリー結合部125eを含む。
【0057】
詳細には、1対のジョープーリー結合部125a,125bは、互いに対面するように形成され、その内部に、J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21が収容される。また、それぞれのジョープーリー結合部125a,125bには、貫通ホールが形成され、ジョー回転軸123JAが、ジョープーリー結合部125a,125bと、J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21とを貫通し、それらを結合させる。
【0058】
【0059】
それについて他の観点から説明すれば、Z軸方向に長く形成されているガイド部125cの両端部から、1対のジョープーリー結合部125a,125bがX軸方向に延長されて形成されると思うこともできる。
【0060】
ここで、ガイド部125cは、ほぼ断面が半円である円柱型に形成されうる。そして、該半円部が、J11プーリー123J11及びJ21プーリー123J21の方に突出されるようにも配される。それについて他の観点から表現すれば、1対のジョープーリー結合部125a,125bとガイド部125cとがなす空間に向け、ガイド部125cが突設されると表現することもできる。それについて他の観点から表現すれば、ガイド部125cにおいて、ジョープーリー結合部125a,125bと隣接した領域は、その断面が所定曲率を有するように湾曲されて形成されると表現することもできる。
【0061】
または、それについて他の観点から表現すれば、ガイド部125cは、その周囲に、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2が巻かれ、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の経路をガイドする、一種のプーリー部材としての機能を遂行するとも言うことができる。ただし、ここで、ガイド部125cは、本来の意味のプーリーのように、所定軸を中心に回転する部材ではなく、エンドツールハブ125の一部分として固定されるように形成され、単に、その周囲にワイヤが巻かれることにより、プーリーの機能を一部類似して遂行すると言うことができる。
【0062】
ここで、図面には、ガイド部125cがほぼ断面が半円である円柱型に形成されるように図示されている。すなわち、XY平面上におけるガイド部125cの断面の少なくとも一部が、所定の円弧形状をなすように図示されている。しかし、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、断面が楕円形、放物線のように、所定曲率を有するように形成されるか、あるいは多角柱のコーナーが一定程度面取りされて形成されるというように、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の経路をガイドするのに適する多様な形状及び大きさにも形成されるのである。
【0063】
ここで、ガイド部125cにおいて、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2と接触する部分には、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の経路をさらに良好にガイドするためのガイド溝125dがさらに形成されうる。ガイド溝125dは、ガイド部125cの突出された表面から一定程度陥没されたグルーブ(groove)形態にも形成される。
【0064】
ここで、図面には、ガイド溝125dが、ガイド部125cの円弧面全体に形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、必要により、ガイド溝125dがガイド部125cの円弧面一部にだけ形成されることも可能であろう。
【0065】
そのように、ガイド部125cに、ガイド溝125dをさらに形成することにより、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の不要な摩擦を低減させ、ワイヤの耐久性を向上させることができる。
【0066】
ガイド部125cにおいて、ジョープーリー結合部125a,125bの形成方向と反対側には、ピッチプーリー結合部125eがさらに形成されうる。ピッチプーリー結合部125eは、ピッチプーリー123Pと平行な方向、すなわち、XZ平面上にも形成される。ピッチプーリー結合部125eには、エンドツールピッチ回転軸123PAが貫挿されうる貫通ホールが形成され、該エンドツールピッチ回転軸123PAが、ピッチプーリー結合部125eとピッチプーリー123Pとを貫通し、該2つの部材が結合されうる。ここで、ピッチプーリー結合部125eは、XY平面から見たとき、中心より一側に、一定程度偏向されるように形成され、ピッチプーリー123Pが結合したとき、全体的に均衡をなすようにも形成される。
【0067】
以下においては、ガイド部125cの役割及び機能につき、さらに詳細に説明することにする。
ガイド部125cは、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2と接触し、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の配置経路を一定程度変更することにより、第1ジョー121及び第2ジョー122それぞれの回転半径を拡大させる役割を行うことができる。
【0068】
すなわち、
図7のように、補助プーリーが配されていない場合、第1ジョー121’及び第2ジョー122’それぞれは、直角までしか回転することができないが、本発明の一実施形態においては、エンドツールハブ125にガイド部125cを追加して具備することにより、
図9から分かるように、θほど最大回転角度が大きくなる効果を得ることができる。それは、エンドツール120の2つのジョーがL方向に90°ほど共にヨー回転した状態で、アクチュエーション動作のために、2つのジョーが開かなければならない動作を可能にする。それは、第2ジョー122が、
図9のように、さらなる角度(θ)ほど回転することができるためである。同様に、2つのジョーがR方向にヨー回転した状態においても、アクチュエーション動作が可能である。言い換えれば、エンドツールハブ125のガイド部125cの構成を介し、アクチュエーション動作が可能なヨー回転の範囲を拡大させることができるという特徴を有する。さらには、補助プーリーのような別途の構造物を追加せず、既存在のエンドツールハブ125に、ガイド部125cを形成することにより、部品及び製造工程の追加なしにも、回転範囲の拡大を具現することができるという特徴を有する。
【0069】
また、
図8のように、別途の補助プーリーが配された場合、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の配置経路を変更するために、J16プーリー123J16及びJ26プーリー123J26という別途の構造物を追加して配さなければならないので、部品数が増え、製造工程が複雑になり、補助プーリーの大きさほどエンドツール長が長くなった。しかし、本発明の一実施形態においては、エンドツールハブ125にガイド部125cを形成することにより、別途の追加構造物なしにも、エンドツールの最大回転角度が大きくなる効果を得ることができる。また、別途の構造物を追加して配することがなくなり、部品数が減り、製造工程が簡単になり、補助プーリーの大きさほどエンドツール長が短くなるようになり、ピッチ動作遂行時のエンドツール長が短くなり、従って、狭小な空間において、手術動作遂行がさらに容易になるという効果を得ることができる。
【0070】
それについてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
補助プーリーがない場合を図示した
図7を参照すれば、第1ジョーワイヤ130J1’は、J11プーリー(図示せず)に固定結合されており、第2ジョーワイヤ130J2’は、J21プーリー123J21’に固定結合されているために、該補助プーリーが配されない場合、J11プーリー(図示せず)及びJ21プーリー123J21’それぞれは、矢印L方向には、
図7のMラインまでしか回転することができない。言い換えれば、第1ジョーワイヤ130J1’とJ11プーリー123J11’との固定結合部124’と、第1ジョーワイヤ130J1’とが分離しないほぼ直角方向までしかJ11プーリー(図示せず)及びJ21プーリー123J21’が回転自在ではない。その場合、第1ジョー121’及び第2ジョー122’が、
図7のMラインに位置した状態で、アクチュエーション動作を遂行することになれば、第1ジョー121’は、R方向に開くことができるが、第2ジョー122’は、L方向にMライン以上には回転することができない。従って、第1ジョー121’及び第2ジョー122’が一定角度以上ヨー動作を遂行している状態においては、アクチュエーション動作が円滑に遂行されえないという問題点が存在した。
【0071】
そのような問題点を解決するため、
図8に図示された従来の手術用インストルメンツ100の場合、J11プーリー(図示せず)及びJ21プーリー123J21”の一側に補助プーリーであるJ16プーリー(図示せず)及びJ26プーリー123J26”を追加して配した。そのように、J16プーリー(図示せず)及びJ26プーリー123J26”を配し、第1ジョーワイヤ130J1”及び第2ジョーワイヤ130J2”の配置経路を一定程度変更することにより、第1ジョーワイヤ130J1”及び第2ジョーワイヤ130J2”の接線方向を変更させ、従って、第2ジョーワイヤ130J2”とJ21プーリー123J21”との固定結合部124”が、
図8のNラインまで回転させるのである。しかし、その場合には、第1ジョーワイヤ130J1”及び第2ジョーワイヤ130J2”の配置経路を変更するために、J16プーリー(図示せず)及びJ26プーリー123J26”という別途の構造物を追加して配さなければならないので、部品数が増え、製造工程が複雑になり、補助プーリーの大きさほどエンドツール長が長くなることになり、狭小な空間で動作遂行が困難になるという問題点が存在した。
【0072】
そのような問題点を解決するため、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100においては、エンドツールハブ125の内側壁に、ワイヤ経路を変更することができるガイド部125cを形成することにより、別途の構造物なしにも、ワイヤ配置経路を変更させることを特徴とする。そのように、エンドツールハブ125にガイド部125cを形成し、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の配置経路を一定程度変更させることにより、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2の接線方向を変更させ、従って、第2ジョーワイヤ130J2とJ21プーリー123J21との固定結合部124を、
図9のNラインまで回転させるのである。すなわち、第2ジョーワイヤ130J2とJ21プーリー123J21との結合部は、J21プーリー123J21とJ26プーリー123J26との共通内接線上に位置するまで回転自在になる。同様に、第1ジョーワイヤ130J1とJ11プーリー123J11との結合部は、J11プーリー123J11とJ16プーリー123J16との共通内接線上に位置するまで回転自在になり、R方向に回転範囲が拡大されうる。
【0073】
言い換えれば、ガイド部125cにより、J11プーリー123J11に巻かれた第1ジョーワイヤ130J1の2本は、Y軸に垂直であり、X軸を通り過ぎる平面を基準に一側に配される。同時に、ガイド部125cにより、J21プーリー123J21に巻かれた第2ジョーワイヤ130J2の2本は、Y軸に垂直であり、X軸を通り過ぎる平面を基準に他側に配される。
【0074】
言い換えれば、J12プーリー123J12及びJ14プーリー123J14は、Y軸に垂直であり、X軸を通り過ぎる平面を基準に一側に配され、J22プーリー123J22及びJ24プーリー123J24は、Y軸に垂直であり、X軸を通り過ぎる平面を基準に他側に配される。
【0075】
言い換えれば、第1ジョーワイヤ130J1は、J11プーリー123J11とガイド部125cとの内接線上に位置し、ガイド部125cにより、J11プーリー123J11の回転角度が拡張される。また、第2ジョーワイヤ130J2は、J21プーリー123J21とガイド部125cとの内接線上に位置し、ガイド部125cにより、J21プーリー123J21の回転角度が拡張される。
【0076】
図10(a)は、
図8の従来の手術用インストルメンツのエンドツールを示す図面であり、
図10(b)は、
図4の本発明の一実施形態による手術用インストルメンツのエンドツールを比較する図面である。
【0077】
図10(a)と
図10(b)とを比較すれば、別途の補助プーリー123J26”が形成された
図10(a)の従来の手術用インストルメンツに比べて、補助プーリーが形成されず、エンドツールハブ125の内側壁に、ワイヤの経路を変更することができるガイド部125cを形成した
図10(b)の本発明の手術用インストルメンツのエンドツールがdほど長さが短くなることが分かる。そのように、エンドツール長が短くなることにより、特に、ピッチ動作を遂行したときのエンドツール長において、従来技術と確実な差別性を示し、それにより、人体内の狭小な手術空間において手術を行うとき、手術者の操作が容易になり、手術の副作用が低減されるという効果を得ることができる。
【0078】
そのような本発明により、第1ジョー121及び第2ジョー122の回転半径が広くなることにより、正常な開閉アクチュエーション動作が遂行されうるヨー動作範囲が広くなるという効果を得ることができる。
【0079】
図11は、
図4のエンドツールの一変形例を示す図面である。
【0080】
ここで、本変形例による手術用インストルメンツは、前述の本発明の第1実施形態による手術用インストルメンツに比べ、エンドツールハブ125のガイド部125cに、別途のガイド溝125d(
図6)が形成されていないという点において、特徴をもって異なる。そのように、別途のガイド溝125d(
図6)を形成しないことにより、製造工程がさらに簡潔になり、製造コストが節減されるという効果を得ることができる。
【0081】
(操作部)
図12は、
図2の手術用インストルメンツの操作部を示す斜視図であり、
図13は、
図12を後側から見た斜視図である。
【0082】
図2ないし
図13を参照すれば、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100の操作部110は、ユーザが把持することができる第1取っ手114と、エンドツール120のアクチュエーション運動を制御するアクチュエーション操作部113と、エンドツール120のヨー運動を制御するヨー操作部112と、エンドツール120のピッチ運動を制御するピッチ操作部111と、を含む。
【0083】
まず、
図2の手術用インストルメンツ100の使用状態を例示すれば、ユーザは、手の平で、第1取っ手114を握っている状態で、第1取っ手114をY軸(すなわち、ピッチ回転軸1111を中心に回転させ、ピッチ動作を遂行し、第1取っ手114をZ軸(すなわち、ヨー回転軸1121)を中心に回転させ、ヨー動作を遂行することができる。また、ユーザは、親指と人差し指とをアクチュエーション操作部113に差し込んだ状態で、アクチュエーション操作部113を回転させ、アクチュエーション動作を遂行することができる。
【0084】
ここで、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、操作部110を、連結部140に対してある一方向に回転させれば、エンドツール120が、操作部110の操作方向と直観的に同一方向に回転することを一特徴とする。言い換えれば、操作部110の第1取っ手114を、ある一方向に回転させれば、エンドツール120も、前記一方向と直観的に同一方向に回転し、ピッチ運動またはヨー運動を行うのである。ここで、直観的に同一方向というのは、操作部110を把持しているユーザの指の移動方向と、エンドツール120の末端部の移動方向とが実質的に同一方向をなすことであると敷衍説明することができるであろう。ここで、同一方向というのは、三次元座標上において、完璧に一致する方向ではないということは、言うまでもなく、例えば、ユーザの指が左に移動すれば、エンドツール120の末端部も左に移動し、ユーザの指が下に移動すれば、エンドツール120の末端部も下に移動するほどの同一性であると理解すればよいのである。
【0085】
そして、そのために、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、操作部110とエンドツール120とが連結部140の延長軸(X軸)に垂直である平面を基準に同一方向に形成されることを一特徴とする。すなわち、
図2のYZ平面を基準に見たとき、操作部110は、+X軸方向に延設されており、同時に、エンドツール120もやはり+X軸方向に延設されているのである。それについて他の文言で表現すれば、連結部140の一端部におけるエンドツール120の形成方向と、連結部140の他端部における操作部110の形成方向が、YZ平面を基準に同一方向であると言うこともできるであろう。または、それについて他の文言で表現すれば、操作部110がそれを把持するユーザの体から遠くなる方向、すなわち、エンドツール120が形成された方向側に形成されていると言うこともできるであろう。すなわち、アクチュエーション動作、ヨー動作、ピッチ動作のために、ユーザが把持して動くことになる第1取っ手114、アクチュエーション回転部1132a,1132bなどは、各動作を遂行するために動く部分が、当該動作のための各関節の回転中心より+X軸方向に延設されている。それを介し、エンドツール120の動く部分が、当該動作のための各関節の回転中心より+X軸方向に延設されているところと同一に、操作部110を構成することができ、
図1を介して説明したように、ユーザの操作方向と、エンドツールの動作方向とが、回転方向の観点と左右方向の観点との二つとも一致することになり、結果として、直観的に同一操作が可能となる。
【0086】
詳細には、従来の手術用インストルメンツの場合、ユーザが操作部を操作する方向と、エンドツールの実際作動方向とが互いに異なっており、直観的に一致しないために、手術者の立場において、直観的な作動が容易ではなく、エンドツールが所望方向に動くように熟練されるのに、長時間を要され、場合によっては、誤動作が生じ、患者に被害を被らせるというような問題点が存在した。
【0087】
そのような問題点を解決するために、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、操作部110の操作方向と、エンドツール120の作動方向とが直観的に同一方向になるようにし、そのために、操作部110は、エンドツール120のように、アクチュエーション動作、ヨー動作、ピッチ動作のために実際に動くことになる部分が、各動作の当該関節の回転中心より、+X軸方向に延設されることを一特徴とする。それについてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0088】
第1取っ手114は、ユーザが手に把持することができるように形成され、特に、ユーザが自身の手の平で、第1取っ手114を覆い包んで取ることができるようにも形成される。そして、第1取っ手114上には、アクチュエーション操作部113及びヨー操作部112が形成され、ヨー操作部112の一側には、ピッチ操作部111が形成されうる。そして、ピッチ操作部111の他端部は、連結部140の曲折部141にも連結される。
【0089】
アクチュエーション操作部113は、第1アクチュエーション操作部113aと第2アクチュエーション操作部113bとを含む。第1アクチュエーション操作部113aは、第1アクチュエーション回転軸1131a、第1アクチュエーション回転部1132a、第1アクチュエーションプーリー113P1、第1アクチュエーションギア1134aを含む。第2アクチュエーション操作部113bは、第2アクチュエーション回転軸1131b、第2アクチュエーション回転部1132b、第2アクチュエーションプーリー113P2、第2アクチュエーションギア1134bを含む。ここで、第1アクチュエーション回転部1132aと第2アクチュエーション回転部1132bは、第2取っ手として動作することができる。
【0090】
ここで、アクチュエーション回転軸1131a,1131bは、連結部140が形成されているXY平面と所定角度をなすようにも形成される。例えば、アクチュエーション回転軸1131a,1131bは、Z軸と平行な方向にも形成され、該状態において、ピッチ操作部111またはヨー操作部112が回転する場合、アクチュエーション操作部113の座標系は、相対的に変わりうる。ここで、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、人体工学的(ergonomic)設計により、アクチュエーション操作部113を把持するユーザの手の構造に適するように、アクチュエーション回転軸1131a,1131bは、多様な方向にも形成されるということは、言うまでもない。
【0091】
一方、第1アクチュエーション回転部1132a、第1アクチュエーションプーリー113P1、第1アクチュエーションギア1134aは、互いに固定結合され、第1アクチュエーション回転軸1131aを中心に、共に回転自在になるようにも形成される。ここで、第1アクチュエーションプーリー113P1は、1つのプーリーによっても構成され、互いに固定結合された2つのプーリーによっても構成される。
【0092】
同様に、第2アクチュエーション回転部1132b、第2アクチュエーションプーリー113P2、第2アクチュエーションギア1134bは、互いに固定結合され、第2アクチュエーション回転軸1131bを中心に、共に回転自在になるようにも形成される。ここで、第2アクチュエーションプーリー113P2は、1つのプーリーによっても構成され、互いに固定結合された2つのプーリーによっても構成される。
【0093】
ここで、第1アクチュエーションギア1134aと第2アクチュエーションギア1134bは、互いに噛み合うように形成され、ある一側が回転すれば、互いに反対方向に共に回転するようにも形成される。
【0094】
ヨー操作部112は、ヨー回転軸1121と、第1ジョーヨープーリー112P1と、第2ジョーヨープーリー112P2と、ヨーフレーム(yaw frame)1123とを含んでもよい。また、ヨー操作部112は、第1ジョーヨープーリー112P1の一側に形成された第1ジョーヨー補助プーリー112S1と、第2ジョーヨープーリー112P2の一側に形成された第2ジョーヨー補助プーリー112S2と、をさらに含んでもよい。ここで、第1ジョーヨー補助プーリー112S1と第2ジョーヨー補助プーリー112S2は、後述するピッチフレーム1113に結合されうる。
【0095】
ここで、図面には、ヨー操作部112が、第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2とを含み、第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2は、それぞれ互いに対面するように形成され、独立して回転自在な2つのプーリーを具備するように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではない。すなわち、互いに直径が同一であるか、あるいは異なっている1以上のプーリーが、ヨー操作部112の構成によっても具備されるのである。
【0096】
詳細には、第1取っ手114上において、アクチュエーション操作部113の一側には、ヨー回転軸1121が形成される。このとき、第1取っ手114は、ヨー回転軸1121を中心に回転自在になるように形成される。
【0097】
ここで、ヨー回転軸1121は、連結部140が形成されているXY平面と所定角度をなすようにも形成される。例えば、ヨー回転軸1121は、Z軸と平行な方向にも形成され、この状態でピッチ操作部111が回転する場合、前述のように、ヨー回転軸1121の座標系は、相対的に変わりうる。ここで、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、人体工学的設計により、操作部110を把持するユーザの手の構造に適するように、ヨー回転軸1121は、多様な方向にも形成されるということは、言うまでもない。
【0098】
一方、第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2は、ヨー回転軸1121を中心に回転自在になるように、ヨー回転軸1121に結合する。そして、第1ジョーヨープーリー112P1には、第1ジョーワイヤ130J1が巻かれ、第2ジョーヨープーリー112P2には、第2ジョーワイヤ130J2が巻かれうる。このとき、第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2は、それぞれ互いに対面するように形成され、独立して回転自在な2つのプーリーによっても構成される。従って、巻かれて入って行くワイヤと、巻かれて出てくるワイヤとが、分離されたプーリーにそれぞれ巻かれ、互いに干渉を与えずに動作することができる。
【0099】
ヨーフレーム1123は、第1取っ手114、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a、第2アクチュエーション回転軸1131bを連結し、第1取っ手114とヨー操作部112とアクチュエーション操作部113とが、ヨー回転軸1121を中心に一体に回転するのである。
【0100】
ピッチ操作部111は、ピッチ回転軸1111と、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1aと、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bと、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2aと、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bと、ピッチフレーム(pitch frame)1113とを含んでもよい。また、ピッチ操作部111は、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1aの一側に形成された第1ジョーピッチ補助プーリー-a 111S1aと、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bの一側に形成された第1ジョーピッチ補助プーリー-b 111S1bと、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2aの一側に形成された第2ジョーピッチ補助プーリー-a 111S2aと、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bの一側に形成された第2ジョーピッチ補助プーリー-b 111S2bと、をさらに含んでもよい。ピッチ操作部111は、ピッチ回転軸1111を介し、連結部140の曲折部141に連結される。
【0101】
詳細には、ピッチフレーム1113は、ピッチ操作部111のベースフレームになり、一端部に、ヨー回転軸1121が回転自在になるように結合される。すなわち、ヨーフレーム1123は、ピッチフレーム1113に対し、ヨー回転軸1121を中心に回転自在になるように形成される。
【0102】
前述のように、ヨーフレーム1123は、第1取っ手114、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a、第2アクチュエーション回転軸1131bを連結し、またヨーフレーム1123は、ピッチフレーム1113と連結されるために、ピッチフレーム1113がピッチ回転軸1111を中心に回転すれば、ピッチフレーム1113と連結されたヨーフレーム1123、第1取っ手114、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a、第2アクチュエーション回転軸1131bが共に回転することになる。すなわち、ピッチ操作部111がピッチ回転軸1111を中心に回転すれば、アクチュエーション操作部113及びヨー操作部112がピッチ操作部111と共に回転するのである。言い換えれば、ユーザが、第1取っ手114をピッチ回転軸1111を中心にピッチ回転させれば、アクチュエーション操作部113、ヨー操作部112及びピッチ操作部111が共に動くことになる。
【0103】
ピッチフレーム1113には、ピッチ回転軸1111と、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1aと、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bと、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2aと、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bとが結合する。このとき、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1aと、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bと、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2aと、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bは、ピッチ回転軸1111を中心に回転自在になるように、ピッチ回転軸1111に結合する。
【0104】
ここで、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1aと第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bは、互いに対面するように形成され、独立して回転自在になるようにも形成される。従って、巻かれて入って行くワイヤと、巻かれて出てくるワイヤとが、分離されたプーリーにそれぞれ巻かれ、互いに干渉を与えずに動作することができる。同様に、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2a及び第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bも、互いに対面するように形成され、独立して回転自在になるようにも形成される。従って、巻かれて入って行くワイヤと、巻かれて出てくるワイヤとが、分離されたプーリーにそれぞれ巻かれ、互いに干渉を与えずに動作することができる。
【0105】
図13を参照すれば、ピッチワイヤエンドプーリー115Pは、ピッチフレーム1113と固定結合され、共に回転するように形成される。そして、ピッチワイヤ130Pは、ピッチワイヤ補助プーリー115S、ピッチワイヤエンドプーリー115Pを経て、ピッチフレーム1113に固定結合される。結果として、ピッチ回転により、ピッチフレーム1113、ピッチワイヤエンドプーリー115Pは、ピッチ回転軸1111を中心に共に回転することができる。
【0106】
ピッチワイヤ130Pの動作は、次の通りである。
エンドツール120には、ピッチプーリー123Pが、エンドツールハブ123aに固定結合されて形成され、操作部110には、ピッチワイヤエンドプーリー115Pが形成され、それらは、ピッチワイヤ130Pで互いに連結され、操作部110のピッチ操作により、エンドツールのピッチ動作がさらに容易に遂行されることになる。ここで、ピッチワイヤ130Pの両端部分は、それぞれ当該のピッチワイヤ補助プーリー115Sとピッチワイヤエンドプーリー115Pとを経て、ピッチフレーム1113に固定結合され、それぞれのピッチワイヤエンドプーリー115Pも、ピッチフレーム1113に固定結合される。すなわち、操作部のピッチ回転により、ピッチフレーム1113とピッチワイヤエンドプーリー115Pとがピッチ回転軸1111を中心に共に回転することになり、結果として、ピッチワイヤ130Pの両側も、互いに反対側に移動することになり、第1ジョーワイヤ130J1及び第2ジョーワイヤ130J2によるエンドツールのピッチ動作とは、別途に追加のピッチ回転の動力を伝達することができる。
【0107】
第1取っ手114と、ピッチ操作部111、ヨー操作部112、アクチュエーション操作部113それぞれとの連結関係を整理すれば、次の通りである。第1取っ手114上には、アクチュエーション回転軸1131a,1131bと、ヨー回転軸1121と、ピッチ回転軸1111とが形成されうる。このとき、アクチュエーション回転軸1131a,1131bは、第1取っ手114上に直接形成されるので、第1取っ手114とアクチュエーション操作部113は、直接連結されてもいる。一方、ヨー回転軸1121は、第1取っ手114上に直接形成されるので、第1取っ手114とヨー操作部112は、直接連結されてもいる。一方、ピッチ操作部111は、ヨー操作部112の一側に、ヨー操作部112と連結されるように形成されるために、ピッチ操作部111は、第1取っ手114と直に連結されず、ピッチ操作部111と第1取っ手114は、ヨー操作部112を介し、間接的に連結されるようにも形成される。
【0108】
続けて図面を参照すれば、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100において、ピッチ操作部111とエンドツール120とが同一であるか、あるいは平行な軸(X軸)上にも形成される。すなわち、連結部140の曲折部141の一端部には、ピッチ操作部111のピッチ回転軸1111が形成され、連結部140の他端部には、エンドツール120が形成されるのである。
【0109】
そして、連結部140の中間、特に、曲折部141部分には、ワイヤ経路を変更したりガイドしたりする1以上の仲介プーリーMPが配されうる。そのような仲介プーリーMPに、ワイヤの少なくとも一部が巻かれるように形成され、ワイヤ経路をガイドすることにより、曲折部141の曲折された形状に沿ってワイヤが配されうるのである。
【0110】
ここで、図面には、連結部140は、曲折部141を具備し、所定曲率を有するように湾曲されて形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、連結部140が、必要により、直線に形成されるか、あるいは1回以上曲折されても形成され、そのような場合にも、ピッチ操作部111とエンドツール120は、実質的に同一または平行な軸上に形成されると言うことができるのである。また、
図3には、ピッチ操作部111とエンドツール120とが、X軸と平行な軸上にそれぞれ形成されるように図示されているが、本発明の思想は、それに制限されるものではなく、ピッチ操作部111とエンドツール120とが、互いに異なる軸上にも形成されるであろう。
【0111】
本実施形態における、アクチュエーション動作、ヨー動作、ピッチ動作について説明すれば、次の通りである。
まず、アクチュエーション動作は、次の通りである。
ユーザが、第1アクチュエーション回転部1132aに人差し指差し込み、第2アクチュエーション回転部1132bに親指を差し込んだ状態で、いずれか1本の指、または両指をいずれも利用し、アクチュエーション回転部1132a,1132bを回転させれば、第1アクチュエーション回転部1132aと固定結合された第1アクチュエーションプーリー113P1及び第1アクチュエーションギア1134aは、第1アクチュエーション回転軸1131aを中心に回転し、第2アクチュエーション回転部1132bと固定結合された第2アクチュエーションプーリー1133b及び第2アクチュエーションギア1134bが、第2アクチュエーション回転軸1131bを中心に回転する。このとき、第1アクチュエーションプーリー113P1と第2アクチュエーションプーリー113P2は、互いに反対方向に回転することになり、従って、第1アクチュエーションプーリー113P1に、一端部が固定結合されて巻かれた第1ジョーワイヤ130J1、及び第2アクチュエーションプーリー113P2に一端部が固定結合されて巻かれた第2ジョーワイヤ130J2も、互いに反対側に移動することになる。そして、そのような回転力が、動力伝達部130を介してエンドツール120に伝達され、エンドツール120の2つのジョー121,122が、アクチュエーション動作を遂行する。ここで、該アクチュエーション動作とは、前述のように、2つのジョー121,122が互いに反対方向に回転しながら、ジョー121,122を開閉させる動作を意味する。すなわち、アクチュエーション操作部113のアクチュエーション回転部1132a,1132bを、互いに近くなる方向に回転させれば、第1ジョー121は、反時計回り方向に回転し、第2ジョー122は、時計回り方向に回転しながら、エンドツール120が閉じ、アクチュエーション操作部113のアクチュエーション回転部1132a,1132bを互いに遠くなる方向に回転させれば、第1ジョー121は、時計回り方向に回転し、第2ジョー122は、反時計回り方向に回転しながら、エンドツール120が開かれることになるのである。本実施形態においては、前述のアクチュエーション操作のために、第1アクチュエーション回転部1132aと第2アクチュエーション回転部1132bとを具備し、第2取っ手を構成し、2本指を把持して操作するようにした。しかし、エンドツール120の2つのジョーを互いに開閉するアクチュエーション操作のためのアクチュエーション操作部113の構成は、前述のところと異なるように、1つのアクチュエーション回転部において、2つのアクチュエーションプーリー(第1アクチュエーションプーリー113P1、第2アクチュエーションプーリー113P2)が互いに反対に動作するようにする構成のような他の変形例も、十分に可能であろう。
【0112】
次に、ヨー動作は、次の通りである。
ユーザが第1取っ手114を握っている状態で、ヨー回転軸1121を中心に、第1取っ手114を回転させれば、アクチュエーション操作部113及びヨー操作部112が、ヨー回転軸1121を中心にヨー回転をすることになる。すなわち、第1ジョーワイヤ130J1が固定結合されている第1アクチュエーション操作部113aの第1アクチュエーションプーリー113P1が、ヨー回転軸1121を中心に回転することになれば、第1ジョーヨープーリー112P1に巻かれている第1ジョーワイヤ130J1が移動することになる。同様に、第2ジョーワイヤ130J2が固定結合されている第2アクチュエーション操作部113bの第2アクチュエーションプーリー113P2が、ヨー回転軸1121を中心に回転することになれば、第2ジョーヨープーリー112P2に巻かれている第2ジョーワイヤ130J2が移動することになる。このとき、第1ジョー121に連結された第1ジョーワイヤ130J1と、第2ジョー122に連結された第2ジョーワイヤ130J2は、ヨー回転時、第1ジョー121と第2ジョー122とが同じ方向に回転するように、第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2とに巻かれている。そして、そのような回転力が、動力伝達部130を介してエンドツール120に伝達され、エンドツール120の2つのジョー121,122が同じ方向に回転するヨー動作を遂行する。
【0113】
このとき、ヨーフレーム1123が、第1取っ手114、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a、第2アクチュエーション回転軸1131bを連結するために、第1取っ手114とヨー操作部112とアクチュエーション操作部113は、ヨー回転軸1121を中心に共に回転することになる。
【0114】
次に、ピッチ動作は、次の通りである。
ユーザが第1取っ手114を握っている状態で、ピッチ回転軸1111を中心に、第1取っ手114を回転させれば、アクチュエーション操作部113、ヨー操作部112及びピッチ操作部111が、ピッチ回転軸1111を中心にピッチ回転をすることになる。すなわち、第1ジョーワイヤ130J1が固定結合されている第1アクチュエーション操作部113aの第1アクチュエーションプーリー113P1が、ピッチ回転軸1111を中心に回転することになれば、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1aと第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bとに巻かれている第1ジョーワイヤ130J1が移動することになる。同様に、第2ジョーワイヤ130J2が固定結合されている第2アクチュエーション操作部113bの第2アクチュエーションプーリー113P2が、ピッチ回転軸1111を中心に回転することになれば、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2aと第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bとに巻かれている第2ジョーワイヤ130J2が移動することになる。このとき、
図9を介して説明したように、第1ジョーワイヤ130J1の2本が互いに同じ方向に移動して、第2ジョーワイヤ130J2の2本が互いに同じ方向に移動し、第1ジョー121と第2ジョー122とがピッチ回転を行うことができるように、第1ジョーワイヤ130J1と第2ジョーワイヤ130J2は、第1ジョーピッチプーリー111P1a,111P1bと第2ジョーピッチプーリー111P2a、111P2bとに巻かれることになる。そして、そのような回転力が、動力伝達部130を介してエンドツール120に伝達され、エンドツール120の2つのジョー121,122がピッチ動作を遂行する。
【0115】
このとき、ピッチフレーム1113は、ヨーフレーム1123と連結され、ヨーフレーム1123は、第1取っ手114、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a、第2アクチュエーション回転軸1131bを連結するために、ピッチフレーム1113がピッチ回転軸1111を中心に回転すれば、ピッチフレーム1113と連結されたヨーフレーム1123、第1取っ手114、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a、第2アクチュエーション回転軸1131bが共に回転することになる。すなわち、ピッチ操作部111がピッチ回転軸11111を中心に回転すれば、アクチュエーション操作部113及びヨー操作部112が、ピッチ操作部111と共に回転するのである。
【0116】
整理すれば、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、各関節地点(アクチュエーション関節、ヨー関節、ピッチ関節)にプーリーが形成され、該プーリーには、ワイヤ(第1ジョーワイヤまたは第2ジョーワイヤ)が巻かれており、操作部の回転操作(アクチュエーション回転、ヨー回転、ピッチ回転)が、各ワイヤの移動を起こし、結果として、エンドツール120の所望する動作を誘導することを特徴とする。さらには、各プーリーの一側には、補助プーリーが形成され、それら補助プーリーにより、1つのプーリーにワイヤが何回も巻かれなくともよい。
【0117】
図14は、
図12に図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100の関節を構成するプーリー及びワイヤの構成のみを簡略に図示した図面である。
図14においては、関節動作と係わりなく、ワイヤの経路を変更するための仲介プーリーは、省略されている。
【0118】
図14を参照すれば、操作部110は、第1ジョー121の回転運動と係わる第1アクチュエーションプーリー113P1、第1ジョーヨープーリー112P1、第1ジョーヨー補助プーリー112S1、第1ジョーピッチプーリー-a 111P1a、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1b、第1ジョーピッチ補助プーリー-a 111S1a、第1ジョーピッチ補助プーリー-b 111S1bを含んでもよい。
【0119】
また、操作部110は、第2ジョー122の回転運動と係わる第2アクチュエーションプーリー113P2、第2ジョーヨープーリー112P2、第2ジョーヨー補助プーリー112S2、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2a、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2b、第2ジョーピッチ補助プーリー-a 111S2a、第2ジョーピッチ補助プーリー-b 111S2bを含んでもよい(操作部100における各プーリーの配置及び構成は、エンドツール120における各プーリーの配置及び構成と原理的に同一であるので、図面上における図面符号の具体的な表記は、一部省略することにする)。
【0120】
第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2は、軸であるヨー回転軸1121を中心に、互い独立して回転自在になるようにも形成される。このとき、第1ジョーヨープーリー112P1と第2ジョーヨープーリー112P2のそれぞれは、互いに対面するように形成され、独立して回転自在になるように形成される2つのプーリーとしても形成される。
【0121】
第1ジョーヨー補助プーリー112S1と第2ジョーヨー補助プーリー112S2は、同一軸を中心に、互い独立して回転自在になるようにも形成される。このとき、第1ジョーヨー補助プーリー112S1は、互いに対面するように形成され、独立して回転自在になるように形成される2つのプーリーによっても形成され、このとき、該2つのプーリーは、互いに異なる直径を有するようにも形成される。同様に、第2ジョーヨー補助プーリー112S2は、互いに対面するように形成され、独立して回転自在になるように形成される2つのプーリーによっても形成され、このとき、該2つのプーリーは、互いに異なる直径を有するようにも形成される。
【0122】
第1ジョーピッチ補助プーリー-a 111S1a、第1ジョーピッチ補助プーリー-b 111S1b、第2ジョーピッチ補助プーリー-a 111S2a、第2ジョーピッチ補助プーリー-b 111S2bは、同一軸を中心に、互い独立して回転自在になるようにも形成される。このとき、第1ジョーピッチ補助プーリー-a 111S1aと第1ジョーピッチ補助プーリー-b 111S1bは、互いに異なる直径を有するようにも形成される。また、第2ジョーピッチ補助プーリー-a 111S2aと第2ジョーピッチ補助プーリー-b 111S2bは、互いに異なる直径を有するようにも形成される。
【0123】
第1ジョーピッチプーリー-a 111P1a、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1b、第2ジョーピッチプーリー-a 111P2a、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bは、軸であるピッチ回転軸1111を中心に、互い独立して回転自在になるようにも形成される。
【0124】
第1ジョーワイヤ130J1は、操作部110の第1ジョーピッチプーリー-a 111P1a、第1ジョーピッチ補助プーリー-a 111S1a、第1ジョーヨー補助プーリー112S1、第1ジョーヨープーリー112P1を順に経て、第1アクチュエーションプーリー113P1に巻かれた後、さらに第1ジョーヨープーリー112P1、第1ジョーヨー補助プーリー112S1、第1ジョーピッチ補助プーリー-b 111S1b、第1ジョーピッチプーリー-b 111P1bを順に通り過ぎるように形成され、第1ジョー駆動ワイヤ130J1が、前記プーリーを回転させながら、前記プーリーによって移動するように形成される。このとき、第1アクチュエーションプーリー113P1の一地点に、第1ジョーワイヤ130J1が固定結合されうる。
【0125】
第2ジョーワイヤ130J2は、操作部110の第2ジョーピッチプーリー-a 111P2a、第2ジョーピッチ補助プーリー-a 111S2a、第2ジョーヨー補助プーリー112S2、第2ジョーヨープーリー112P2を順に経て、第2アクチュエーションプーリー113P2に巻かれた後、さらに第2ジョーヨープーリー112P2、第2ジョーヨー補助プーリー112S2、第2ジョーピッチ補助プーリー-b 111S2b、第2ジョーピッチプーリー-b 111P2bを順に通り過ぎるように形成され、第2ジョーワイヤ130J2が前記プーリーを回転させながら、前記プーリーによって移動するように形成される。このとき、第2アクチュエーションプーリー113P2の一地点に、第2ジョーワイヤ130J2が固定結合されうる。
【0126】
図15は、
図12に図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100のアクチュエーション動作及びヨー動作と係わるプーリー及びワイヤの構成を、第1ジョー及び第2ジョーそれぞれについて分けて図示した図である。
図15(a)は、第2ジョーと係わるプーリー及びワイヤのみを示した図面であり、
図15(b)は、第1ジョーと係わるプーリー及びワイヤのみを示した図面である。そして、
図16は、
図12の手術用インストルメンツのヨー動作を示す斜視図である。
【0127】
まず、アクチュエーション動作のワイヤ動作について説明する。
図15(b)を参照すれば、第1アクチュエーション回転部1132aが第1アクチュエーション回転軸1131aを中心に、矢印OPA1方向に回転すれば、第1アクチュエーション回転部1132aと連結された第1アクチュエーションプーリー113P1が回転し、第1アクチュエーションプーリー113P1に巻かれている第1ジョーワイヤ130J1の2本は、それぞれW1a,W1b方向に移動することになり、結果として、操作部の第1ジョー121が、矢印EPA1方向に回転することになる。
【0128】
図15(a)を参照すれば、第2アクチュエーション回転部1132bが第2アクチュエーション回転軸1131bを中心に、矢印OPA2方向に回転すれば、第2アクチュエーション回転部1132bと連結された第2アクチュエーションプーリー113P2が回転し、第2アクチュエーションプーリー113P2に巻かれている第2ジョーワイヤ130J2の2本は、それぞれW2a、W2b方向に移動することになり、結果として、操作部の第2ジョー122が矢印EPA2方向に回転することになる。従って、ユーザが、第1アクチュエーション回転部1132aと第2アクチュエーション回転部1132bとを互いに近くなる方向に操作すれば、エンドツールの第1ジョー121及び第2ジョー122が互いに近くなる動作が遂行される。
【0129】
次に、ヨー動作のワイヤ動作について説明する。
まず、ヨー回転軸1121、第1アクチュエーション回転軸1131a及び第2アクチュエーション回転軸1131bは、ヨーフレーム1123(
図12)によって連結されているので、ヨー回転軸1121と第1アクチュエーション回転軸1131aと第2アクチュエーション回転軸1131bは、一体に共に回転することになる。
【0130】
図15(b)を参照すれば、第1取っ手114を、ヨー回転軸1121を中心に、矢印OPY1方向に回転すれば、第1アクチュエーションプーリー113P1と、第1ジョーヨープーリー112P1と、それらに巻かれている第1ジョーワイヤ130J1とが全体的に、ヨー回転軸1121を中心に回転し、結果として、第1ジョーヨープーリー112P1に巻かれている第1ジョーワイヤ130J1の2本は、それぞれW1a,W1b方向に移動することになり、結果として、エンドツール120の第1ジョー121が矢印EPY1方向に回転することになる。
【0131】
図15(a)を参照すれば、第1取っ手114を、ヨー回転軸1121を中心に、矢印OPY2方向に回転させれば、第2アクチュエーションプーリー113P2と、第2ジョーヨープーリー112P2と、それに巻かれている第2ジョーワイヤ130J2とが全体的に、ヨー回転軸1121を中心に回転し、結果として、第2ジョーヨープーリー112P2に巻かれている第2ジョーワイヤ130J2の2本は、それぞれW1aの反対側、及びW1bの反対側へ移動することになり、結果として、エンドツール120の第1ジョー121が矢印EPY2方向に回転することになる。
【0132】
図17は、
図12に図示された本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100のピッチ動作と係わるプーリー及びワイヤの構成を、第1ジョー及び第2ジョーそれぞれについて分けて図示した図である。
図17(a)は、第2ジョーと係わるプーリー及びワイヤのみを示した図面であり、
図17(b)は、第1ジョーと係わるプーリー及びワイヤのみを示した図面である。
図14に図示されているように、ピッチ動作と係わるプーリーは、それぞれ2個であり、各ワイヤの2本が同じ経路に巻かれており、
図17においては、それを1本の線で表現した。そして、
図18は、
図12の手術用インストルメンツのピッチ動作を示す斜視図である。
【0133】
図17(b)を参照すれば、第1取っ手114を、ピッチ回転軸1111を中心に、矢印OPP1方向に回転させれば、第1アクチュエーションプーリー113P1、第1ジョーピッチ補助プーリー111S1a、111S1b、第1ジョーピッチプーリー111P1a,111P1bなどと、そこに巻かれている第1ジョーワイヤ130J1とが、全体的に、ピッチ回転軸1111を中心に回転する。このとき、
図14のように、第1ジョーワイヤ130J1の2本は、第1ジョーピッチプーリー111P1a,111P1bの上側に巻かれているために、矢印W1側に移動することになる。結果として、
図5を介して説明したように、エンドツール120の第1ジョー121が、矢印EPP1方向に回転することになる。
【0134】
図17(a)を参照すれば、第1取っ手114を、ピッチ回転軸1111を中心に、矢印OPP2方向に回転させれば、第2アクチュエーションプーリー113P2、第2ジョーピッチ補助プーリー111S2a、111S2b、第2ジョーピッチプーリー111P2a、111P2bなどと、そこに巻かれている第2ジョーワイヤ130J2とが、全体的に、ピッチ回転軸1111を中心に回転する。このとき、
図14のように、第2ジョーワイヤ130J2の2本は、第2ジョーピッチプーリー111P2a、111P2bの下側に巻かれているために、矢印W2側に移動することになる。結果として、
図5を介して説明したように、エンドツール120の第2ジョー122が、矢印EPP2方向に回転することになる。
【0135】
【0136】
図1を介して説明したように、アクチュエーション操作部113、ヨー操作部112、ピッチ操作部111は、自体の回転軸が各操作部の後側に位置することにより、エンドツールの関節構成と同一に構成され、ユーザが直観的に一致する操作を遂行することが可能である。
【0137】
特に、本発明の一実施形態による手術用インストルメンツ100は、各関節地点(アクチュエーション関節、ヨー関節、ピッチ関節)にプーリーが形成され、該プーリーをワイヤ(第1ジョーワイヤまたは第2ジョーワイヤ)が巻くように形成されており、操作部の回転操作(アクチュエーション回転、ヨー回転、ピッチ回転)が、各ワイヤの移動を起こし、結果として、エンドツール120の所望する動作を誘導することを特徴とする。さらには、各プーリーの一側には、補助プーリーが形成され、それら補助プーリーにより、1つのプーリーにワイヤが何回も巻かれなくともよく、プーリーに巻かれるワイヤが互いに接触せず、プーリーに巻かれて入って行くワイヤと、巻かれて出てくるワイヤとの経路も安全に形成され、ワイヤの動力伝達の安全性及び効率などを向上させることができる。
【0138】
一方、前述のように、ヨー操作部112とアクチュエーション操作部113は、第1取っ手114上に直接形成されている。従って、第1取っ手114がピッチ回転軸1111を中心に回転することになれば、ヨー操作部112とアクチュエーション操作部113も、第1取っ手114と共に回転することになる。それにより、ヨー操作部112とアクチュエーション操作部113の座標系は、固定されたものではなく、第1取っ手114の回転により、相対的に続けて変化することになる。すなわち、
図2などには、ヨー操作部112及びアクチュエーション操作部113は、Z軸と平行であるように図示されている。しかし、第1取っ手114が回転することになれば、ヨー操作部112とアクチュエーション操作部113とがZ軸と平行ではなくなる。すなわち、ヨー操作部112とアクチュエーション操作部113との座標系が、第1取っ手114の回転によって変化されたのである。ただし、本明細書においては、説明の便宜のために、別途の説明がない以上、ヨー操作部112とアクチュエーション操作部113との座標系は、
図2のように、第1取っ手114が連結部140について垂直に位置した状態を基準にして説明した。
【0139】
以上のように、本発明は、図面に図示された一実施形態を参照にして説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明によれば、手術用インストルメンツのエンドツール、及びそれを具備する手術用インストルメンツを提供する。また、産業上利用する腹腔鏡手術、またはさまざまな多様な手術に使用するために、手動で作動可能な手術用器具などに、本発明の実施形態を適用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用インストルメンツの1つ以上のジョーが結合するエンドツールハブであって、
互いに対面するように形成される1対のジョープーリー結合部と、
第1軸方向に延長されて形成され、前記1対のジョープーリー結合部を連結するガイド部と、を含み、
前記ガイド部において、前記1対のジョープーリー結合部と隣接した領域は、前記第1軸に垂直である平面上での断面が所定曲率を有するように湾曲されて形成されることを特徴とする手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項2】
前記ガイド部は前記1対のジョープーリー結合部と実質的に垂直である方向に形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項3】
前記ガイド部で前記1対のジョープーリー結合部の形成方向と反対方向に突出形成されるピッチプーリー結合部をさらに含む請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項4】
前記ガイド部には1以上のガイド溝がさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項5】
前記ガイド溝は、前記ガイド部の一部にだけ形成されることを特徴とする請求項4に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項6】
前記1対のジョープーリー結合部と、それを連結する前記ガイド部は、大体「∪」字形に形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項7】
前記ガイド部の両端部から、前記1対のジョープーリー結合部がそれぞれ前記第1軸と異なる第2軸方向に延長されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項8】
前記第1軸に垂直である平面での前記ガイド部の断面の少なくとも一部が、円弧形状を含むように形成されることを特徴とする請求項7に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項9】
前記手術用インストルメンツの前記1以上のジョー(jaw)と連結される1以上のジョーワイヤ(jaw wire)は、前記ガイド部の少なくとも一部と接触するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項10】
前記手術用インストルメンツの前記1以上のジョー(jaw)と連結される1以上のプーリの少なくとも一部が、前記1対のジョープーリー結合部、及び前記ガイド部が形成する空間内に受容されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項11】
前記1対のジョープーリー結合部と前記ガイド部とは一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。
【請求項12】
前記ガイド部には第1ジョーワイヤまたは第2ジョーワイヤの少なくとも一部が受容されるように、前記ガイド部の表面が陥没されて形成される1以上のガイド溝がさらに形成され、
前記ガイド溝は前記第1軸に垂直である平面上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の手術用インストルメンツのエンドツールハブ。