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特開2024-84816通信制御方法、ユーザ装置、プロセッサ、プログラム及び移動通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084816
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】通信制御方法、ユーザ装置、プロセッサ、プログラム及び移動通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 68/00 20090101AFI20240618BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20240618BHJP
【FI】
H04W68/00
H04W4/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060732
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2023520986の分割
【原出願日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】63/186,536
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動通信システムにおいて、改善されたマルチキャスト・ブロードキャストサービスの通信制御方法、ユーザ装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ装置UE100が実行する通信制御方法であって、ユーザ装置UE100は、基地局から送信されるページングメッセージを監視する。前記監視することは、基地局からページング早期通知信号を受信した場合、ユニキャスト通信の対象となる1つ又は複数のユーザ装置を呼び出す第1ページングメッセージを監視することと、ユーザ装置がマルチキャストセッションに参加している又は興味が有る場合、基地局からのページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知する第2ページングメッセージを監視することと、を含む。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置に対してマルチキャスト/ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムにおいて前記ユーザ装置が実行する通信制御方法であって、
ネットワークから送信されるページングメッセージを受信するためのページング機会を監視することを有し、
前記監視することは、
前記ネットワークからページング早期通知信号を受信した場合、前記ページング機会を監視することと、
前記ユーザ装置がマルチキャストセッションに参加している場合、前記ページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知するグループ通知を受信するために前記ページング機会を監視することと、を有する
通信制御方法。
【請求項2】
マルチキャスト/ブロードキャストサービス(MBS)の受信をサポートするユーザ装置であって、
ネットワークから送信されるページングメッセージを受信するためのページング機会を監視する制御部を備え、
前記制御部は、
前記ネットワークからページング早期通知信号を受信した場合、前記ページング機会を監視し、
前記ユーザ装置がマルチキャストセッションに参加している場合、前記ページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知するグループ通知を受信するために前記ページング機会を監視する
ユーザ装置。
【請求項3】
マルチキャスト/ブロードキャストサービス(MBS)の受信をサポートするユーザ装置を制御するプロセッサであって、
ネットワークから送信されるページングメッセージを受信するためのページング機会を監視する処理を実行し、
前記ページング機会を監視する処理は、
前記ネットワークからページング早期通知信号を受信した場合、前記ページング機会を監視する処理と、
前記ユーザ装置がマルチキャストセッションに参加している場合、前記ページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知するグループ通知を受信するために前記ページング機会を監視する処理と、を含む
プロセッサ。
【請求項4】
マルチキャスト/ブロードキャストサービス(MBS)の受信をサポートするユーザ装置を制御するためのプログラムであって、
ネットワークから送信されるページングメッセージを受信するためのページング機会を監視する処理を前記ユーザ装置に実行させ、
前記ページング機会を監視する処理は、
前記ネットワークからページング早期通知信号を受信した場合、前記ページング機会を監視する処理と、
前記ユーザ装置がマルチキャストセッションに参加している場合、前記ページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知するグループ通知を受信するために前記ページング機会を監視する処理と、を含む
プログラム。
【請求項5】
請求項2に記載のユーザ装置を含む移動通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動通信システムで用いる通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、第5世代(5G)の移動通信システムが注目されている。5Gシステムの無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)であるNR(New Radio)は、第4世代の無線アクセス技術であるLTE(Long Term Evolution)に比べて、高速・大容量かつ高信頼・低遅延といった特徴を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP技術仕様書「3GPP TS 38.300 V16.5.0 (2021-03)」
【発明の概要】
【0004】
5Gシステム(NR)にマルチキャスト・ブロードキャストサービスを導入することが検討されている。NRのマルチキャスト・ブロードキャストサービスは、LTEのマルチキャスト・ブロードキャストサービスよりも改善されたサービスを提供することが望まれる。
【0005】
そこで、本開示は、改善されたマルチキャスト・ブロードキャストサービスを実現する通信制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
第1の態様に係る通信制御方法は、ユーザ装置に対してマルチキャストサービスを提供する移動通信システムにおいて前記ユーザ装置が実行する通信制御方法であって、基地局から送信されるページングメッセージを監視することを有する。前記監視することは、前記基地局からページング早期通知信号を受信した場合、ユニキャスト通信の対象となる1つ又は複数のユーザ装置を呼び出す第1ページングメッセージを監視することと、前記ユーザ装置がマルチキャストセッションに参加している又は興味が有る場合、前記ページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知する第2ページングメッセージを監視することと、を有する。
【0007】
第2の態様に係る通信制御方法は、ユーザ装置に対してマルチキャストサービスを提供する移動通信システムにおいて前記ユーザ装置が実行する通信制御方法であって、マルチキャストセッションに関するページング早期通知信号を基地局から受信することと、前記ユーザ装置が前記マルチキャストセッションに参加している又は興味が有る場合、前記ページング早期通知信号に基づいて、前記マルチキャストセッションが有効化されたか否かを判定する処理を行うことと、を有する。
【0008】
第3の態様に係る通信制御方法は、ユーザ装置に対してマルチキャストサービスを提供する移動通信システムにおいて前記ユーザ装置が実行する通信制御方法であって、RRCコネクティッド状態において、マルチキャストベアラを前記ユーザ装置に設定するRRC再設定メッセージを基地局から受信することを有する。前記RRC再設定メッセージは、前記マルチキャストベアラと対応付けられたマルチキャストセッションを示すマルチキャストセッション識別子を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
図2】一実施形態に係るUE(ユーザ装置)の構成を示す図である。
図3】一実施形態に係るgNB(基地局)の構成を示す図である。
図4】データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図5】シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図6】一実施形態に係る下りリンクの論理チャネル(Logical channel)とトランスポートチャネル(Transport channel)との対応関係を示す図である。
図7】一実施形態に係るMBSデータの配信方法を示す図である。
図8】一実施形態に係るスプリットMBSベアラを示す図である。
図9】一実施形態に係るページング早期通知信号に関する動作例を示す図である。
図10】グループ通知として用いられるページングメッセージの構成例を示す図である。
図11】グループ通知として用いられるページングメッセージの他の構成例を示す図である。
図12】第1実施形態に係る動作例を示す図である。
図13】第2実施形態に係る第1動作例を示す図である。
図14】第2実施形態に係る第2動作例を示す図である。
図15】第3実施形態に係る動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0011】
<第1実施形態>
【0012】
(移動通信システムの構成)
まず、実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。図1は、一実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。この移動通信システムは、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。また、移動通信システムには、第6世代(6G)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0013】
図1に示すように、移動通信システムは、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。
【0014】
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)及び/又はタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
【0015】
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
【0016】
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
【0017】
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
【0018】
図2は、一実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
【0020】
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
【0021】
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0022】
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0023】
図3は、一実施形態に係るgNB200(基地局)の構成を示す図である。
【0024】
図3に示すように、gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
【0025】
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0026】
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
【0027】
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0028】
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNBは、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間はF1インターフェイスで接続されてもよい。
【0029】
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0030】
図4に示すように、ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルスタックは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
【0031】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0032】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
【0033】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0034】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0035】
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS(Quality of Service)制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
【0036】
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0037】
図5に示すように、制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
【0038】
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間の接続がサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
【0039】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
【0040】
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
【0041】
(MBS)
次に、一実施形態に係るMBSについて説明する。MBSは、NG-RAN10からUE100に対してブロードキャスト又はマルチキャスト、すなわち、1対多(PTM:Point To Multipoint)でのデータ送信を可能とするサービスである。MBSは、MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)と呼ばれてもよい。なお、MBSのユースケース(サービス種別)としては、公安通信、ミッションクリティカル通信、V2X(Vehicle to Everything)通信、IPv4又はIPv6マルチキャスト配信、IPTV(Internet protocol television)、グループ通信、及びソフトウェア配信等がある。
【0042】
LTEにおけるMBSの送信方式には、MBSFN(Multicast Broadcast Single Frequency Network)送信及びSC-PTM(Single Cell Point To Multipoint)送信の2種類がある。図6は、一実施形態に係る下りリンクの論理チャネル(Logical channel)とトランスポートチャネル(Transport channel)との対応関係を示す図である。
【0043】
図6に示すように、MBSFN送信に用いる論理チャネルはMTCH(Multicast Traffic Channel)及びMCCH(Multicast Control Channel)であり、MBSFN送信に用いるトランスポートチャネルはMCH(Multicast Channel)である。MBSFN送信は、主にマルチセル送信用に設計されており、複数のセルからなるMBSFNエリアにおいて各セルが同じMBSFNサブフレームで同じ信号(同じデータ)の同期送信を行う。
【0044】
SC-PTM送信に用いる論理チャネルはSC-MTCH(Single Cell Multicast Traffic Channel)及びSC-MCCH(Single Cell Multicast Control Channel)である。また、SC-PTM送信に用いるトランスポートチャネルはDL-SCH(Downlink Shared Channel)である。SC-PTM送信は、主に単一セル送信用に設計されており、セル単位でブロードキャスト又はマルチキャストでのデータ送信を行う。SC-PTM送信に用いる物理チャネルはPDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)であり、動的なリソース割当が可能になっている。
【0045】
以下において、SC-PTM伝送方式と同様な方式を用いてMBSが提供される一例について主として説明する。但し、MBSFN伝送方式を用いてMBSが提供されてもよい。また、MBSがマルチキャストにより提供される一例について主として説明する。このため、MBSをマルチキャストと読み替えてもよい。但し、MBSがブロードキャストにより提供されてもよい。
【0046】
また、MBSデータとは、MBSにより提供されるデータをいうものとする。MBS制御チャネルとは、MCCH又はSC-MCCHをいうものとする。MBSトラフィックチャネルとは、MTCH又はSC-MTCHをいうものとする。但し、MBSデータは、ユニキャストで送信される場合もある。MBSデータは、MBSパケット又はMBSトラフィックと呼ばれてもよい。
【0047】
ネットワークは、MBSセッションごとに異なるMBSサービスを提供できる。MBSセッションは、TMGI(Temporary Mobile Group Identity)及びセッション識別子のうち少なくとも1つにより識別され、これらの識別子のうち少なくとも1つをMBSセッション識別子と呼ぶ。このようなMBSセッション識別子は、MBSサービス識別子又はマルチキャストグループ識別子と呼ばれてもよい。
【0048】
図7は、一実施形態に係るMBSデータの配信方法を示す図である。
【0049】
図7に示すように、MBSデータ(MBS Traffic)は、単一のデータソース(アプリケーションサービスプロバイダ)から複数のUEに配信される。5Gコアネットワークである5G CN(5GC)20は、アプリケーションサービスプロバイダからMBSデータを受信し、MBSデータのコピーの作成(Replication)を行って配信する。
【0050】
5GC20の観点からは、共有MBSデータ配信(Shared MBS Traffic delivery)及び個別MBSデータ配信(Individual MBS Traffic delivery)の2つの配信方法が可能である。
【0051】
共有MBSデータ配信では、5G無線アクセスネットワーク(5G RAN)であるNG-RAN10と5GC20との間に接続が確立され、5GC20からNG-RAN10へMBSデータを配信する。以下において、このような接続(トンネル)を「MBS接続」と呼ぶ。
【0052】
MBS接続は、Shared MBS Traffic delivery接続又は共有トランスポート(shared transport)と呼ばれてもよい。MBS接続は、NG-RAN10(すなわち、gNB200)で終端する。MBS接続は、MBSセッションと1対1で対応していてもよい。
【0053】
gNB200は、自身の判断でPTP(Point-to-Point:ユニキャスト)及びPTM(Point-to-Multipoint:マルチキャスト又はブロードキャスト)のいずれかの伝送方式を選択し、選択した伝送方式でUE100にMBSデータを送信する。
【0054】
他方、個別MBSデータ配信では、NG-RAN10とUE100との間にユニキャストのセッションが確立され、5GC20からUE100へMBSデータを個別に配信する。このようなユニキャストセッションは、PDUセッション(PDU Session)と呼ばれてもよい。ユニキャストセッション(PDUセッション)は、UE100で終端する。
【0055】
(スプリットMBSベアラ)
次に、一実施形態に係るスプリットMBSベアラについて説明する。
【0056】
gNB200は、PTP通信パス及びPTM通信パスに分離されたMBSベアラ(以下、適宜「スプリットMBSベアラ」と呼ぶ)をUE100に設定し得る。これにより、gNB200は、UE100に対するMBSデータの送信をPTP(PTP通信パス)とPTM(PTM通信パス)との間で動的に切り替えることができる。或いは、gNB200は、PTP(PTP通信パス)及びPTM(PTM通信パス)を併用して同一のMBSデータを二重送信することにより信頼性を高めることができる。
【0057】
スプリットMBSベアラを終端する所定レイヤは、MACレイヤ(HARQ)、RLCレイヤ、PDCPレイヤ、又はSDAPレイヤである。以下において、スプリットを終端する所定レイヤがPDCPレイヤである一例について主として説明するが、所定レイヤは、MACレイヤ(HARQ)、RLCレイヤ、又はSDAPレイヤであってもよい。
【0058】
図8は、一実施形態に係るスプリットMBSベアラを示す図である。以下において、PTP通信パスをPTPレグと呼び、PTM通信パスをPTMレグと呼ぶ。また、各レイヤに相当する機能部をエンティティと呼ぶ。
【0059】
図8に示すように、gNB200のPDCPエンティティ及びUE100のPDCPエンティティのそれぞれは、MBSに用いるベアラ(データ無線ベアラ)であるMBSベアラをPTPレグ及びPTMレグに分離する。なお、PDCPエンティティはベアラごとに設けられる。
【0060】
gNB200及びUE100のそれぞれは、レグごとに設けられる2つのRLCエンティティと、1つのMACエンティティと、1つのPHYエンティティとを有する。PHYエンティティは、レグごとに設けられてもよい。なお、UE100が2つのgNB200との通信を行う二重接続(Dual Connectivity)の場合、UE100が2つのMACエンティティを有していてもよい。
【0061】
PHYエンティティは、UE100と1対1で割り当てられるセルRNTI(C-RNTI:Cell Radio Network Temporary Identifier)を用いて、PTPレグのデータを送受信する。PHYエンティティは、MBSセッションと1対1で割り当てられるグループRNTI(G-RNTI:Group Radio Network Temporary Identifier)を用いて、PTMレグのデータを送受信する。C-RNTIはUE100ごとに異なるが、G-RNTIは1つのMBSセッションを受信する複数のUE100で共通のRNTIである。
【0062】
gNB200からUE100に対してPTMレグを用いてMBSデータのPTM送信(マルチキャスト又はブロードキャスト)を行うためには、gNB200からUE100にスプリットMBSベアラが設定されており、且つ、PTMレグがアクティブ化(activation)されている必要がある。言い換えると、gNB200は、UE100にスプリットMBSベアラが設定されていても、PTMレグが非アクティブ(deactivation)状態にある場合は、このPTMレグを用いてMBSデータのPTM送信を行うことができない。
【0063】
また、gNB200及びUE100がPTPレグを用いてMBSデータのPTP送信(ユニキャスト)を行うためには、gNB200からUE100にスプリットMBSベアラが設定されており、且つ、PTPレグがアクティブ化されている必要がある。言い換えると、gNB200は、UE100にスプリットMBSベアラが設定されていても、PTPレグが非アクティブ状態にある場合は、このPTPレグを用いてMBSデータのPTP送信を行うことができない。
【0064】
UE100は、PTMレグがアクティブ化された状態において、MBSセッションと対応付けられたG-RNTIが適用されたPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を監視する(すなわち、G-RNTIを用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行う)。UE100は、当該MBSセッションのスケジューリング機会にのみ当該PDCCHを監視してもよい。
【0065】
UE100は、PTMレグが非アクティブ化された状態において、MBSセッションと対応付けられたG-RNTIが適用されたPDCCHを監視しない(すなわち、G-RNTIを用いたPDCCHのブラインドデコーディングを行わない)。
【0066】
UE100は、PTPレグがアクティブ化された状態において、C-RNTIが適用されたPDCCHを監視する。UE100は、PTPレグにおける間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)が設定されている場合、設定されたオン有効期間(OnDuration)においてPDCCHを監視する。UE100は、MBSセッションと紐づいたセル(周波数)が指定されている場合、当該セルが非アクティブ化されていても、当該セルのPDCCHを監視してもよい。
【0067】
UE100は、PTPレグが非アクティブ化された状態において、MBSデータ以外の通常のユニキャスト下りリンク送信に備えて、C-RNTIが適用されたPDCCHを監視してもよい。但し、UE100は、MBSセッションと紐づいたセル(周波数)が指定されている場合、当該MBSセッションについて当該PDCCHを監視しなくてもよい。なお、PTPレグ及び/又はPTMレグは常時アクティブ状態であってもよい。この場合、スプリットMBSベアラが設定されている限り、当該スプリットMBSベアラに紐づくPTPレグ及び/又はPTMレグはアクティブ状態であり、アクティブ化及び非アクティブ化を行う必要はない。
【0068】
なお、gNB200のRRCエンティティがUE100のRRCエンティティに対して送信するRRCメッセージ(例えば、RRC Reconfigurationメッセージ)により、上述のようなスプリットMBSベアラが設定されるものとする。
【0069】
(ページング早期通知信号)
次に、一実施形態に係るページング早期通知信号について説明する。
【0070】
ページング早期通知信号は、gNB200から複数のUE100からなるグループに対して送信される信号である。ページング早期通知信号は、gNB200から送信されるページングメッセージをUE100が監視することを抑制するための信号である。
【0071】
図9は、一実施形態に係るページング早期通知信号に関する動作例を示す図である。
【0072】
gNB200は、UE100に送信するべきデータが発生した場合、データ送信対象のUE100(ページング対象UE)宛のページングメッセージを送信することを決定する。gNB200は、コアネットワーク装置(CN装置)の1つであるAMF300からのページング要求に応じて、ページングが要求されたUE100(ページング対象UE)宛のページングメッセージを送信することを決定してもよい。
【0073】
ここで、gNB200の配下の複数のUE100はグループ化されており、例えば1つのUE100は1つのグループに属する。gNB200は、ページング対象UEが属するグループを特定し、特定したグループ宛にページング早期通知信号を送信する(ステップS11)。
【0074】
ページング早期通知信号は、グループと対応付けられた信号シーケンスを含む信号又はグループと対応付けられたリソースを用いて送信される信号である。UE100は、少ない電力で当該ページング早期通知信号を監視できる。このようなページング早期通知信号は、WUS(Wake-Up Signal)又はUE-Group WUS(GWUS)と呼ばれることがある。ページング早期通知信号は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信されるページング下りリンク制御情報(DCI)であってもよい。
【0075】
UE100は、自身が属するグループ宛のページング早期通知信号を受信すると、自身宛のページングメッセージがgNB200から送信される可能性があるとみなし、gNB200から送信されるページングメッセージを監視する。ページングメッセージの監視タイミングは、ページングフレーム(PF)のページング機会(PO)である。UE100は、このPF/POでページングメッセージを受信(ステップS12)し、受信したページングメッセージ中に自身の識別子が含まれているか否かを判定する。なお、ページングメッセージはRRCメッセージの1つであり、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)上で送信される。ページングメッセージの受信処理は、復調及び復号を伴うため、ページング早期通知信号の受信処理に比べて大きな消費電力を必要とする。
【0076】
UE100は、受信したページングメッセージ中に自身の識別子が含まれている場合、自身がページング対象であるとみなし、ページング応答をgNB200に送信する。RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100がページング対象である場合、UE100は、RRCコネクティッド状態に遷移するためにランダムアクセスプロシージャをgNB200に対して行う。
【0077】
このように、UE100は、ページング早期通知信号を受信した場合に限ってページングメッセージを監視するため、ページングメッセージを監視する回数が少なく抑えられる。そのため、UE100の処理負荷及び消費電力が低減される。ページング早期通知信号はMBSとは独立した機能であり、後述のグループ通知と異なる。
【0078】
(グループ通知)
次に、一実施形態に係るグループ通知について説明する。
【0079】
以下において、RRCコネクティッド状態にあるUE100がgNB200からマルチキャストで送信されるMBSデータ(すなわち、マルチキャストデータ)を受信する場合を主として想定する。このため、MBSセッションがマルチキャストセッションであり、MBSセッション識別子がマルチキャストセッション識別子(例えば、TMGI、Session ID、又はG-RNTI)であるものとする。マルチキャストセッションは、PTMレグ又はPTMベアラ(マルチキャストベアラ)にマッピングされる。gNB200からUE100へのマルチキャストデータの伝送にはMBSトラフィックチャネル(MTCH)が用いられる。
【0080】
また、UE100がマルチキャストセッションに参加した後、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移し、マルチキャストセッションの開始を待つ動作を想定する。なお、「マルチキャストセッションへ参加する」とは、当該マルチキャストセッションを受信するUEグループ(マルチキャストグループ)のメンバーとしてUE100をCN装置に登録することをいう。なお、マルチキャストセッションへの参加は、当該マルチキャストセッションが有効状態(送信中)において行ってもよい。また、マルチキャストセッションへの参加は、当該マルチキャストセッションが無効状態(送信開始待ち又は送信中断中)において行ってもよい。
【0081】
UE100は、UE100が属するグループに対してgNB200から送信されるグループ通知を、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態において受信する。グループ通知は、MBSセッション(具体的には、マルチキャストセッション)が有効化された場合、このマルチキャストセッションに参加しているUE100を呼び出すメッセージである。グループ通知は、マルチキャストセッションが無効状態から有効化することに応じて送信されてもよい。マルチキャストセッションが有効化されたとは、対象マルチキャストセッションでマルチキャストデータの送信が開始されたことであってもよい。また、対象マルチキャストセッションでマルチキャストデータの送信が開始可能な状態になったことであってもよい。グループ通知は、マルチキャストセッションのセッション開始を通知するものであってもよい。UE100は、グループ通知の受信に応じてRRCコネクティッド状態に遷移し、当該マルチキャストセッションのマルチキャストデータをgNB200から受信する。
【0082】
グループ通知としては、gNB200が送信するページングメッセージ、又はMBS制御チャネル(MCCH)上で送信されるメッセージを用いることができる。但し、以下においては、ページングメッセージをグループ通知として用いることを想定する。グループ通知は、有効化された1つ又は複数のマルチキャストセッションのそれぞれの識別子(マルチキャストセッション識別子)を含む。
【0083】
図10は、グループ通知として用いられるページングメッセージの構成例を示す図である。ページングメッセージは、ページングレコード(PagingRecord)のリストであるページングレコードリスト(PagingRecordList)を含む。各ページングレコード(PagingRecord)は、ページング対象UEのUE識別子(ue-Identity)を含む。各ページングレコード(PagingRecord)は、アクセスタイプ(accessType)をさらに含んでもよい。ページングメッセージは、グループ通知(MBS-group-notification)として、有効化されるマルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子(MBS-session-ID)をさらに含む。このように、ページングメッセージの第1構成例において、UE識別子(ue-Identity)とマルチキャストセッション識別子(MBS-session-ID)とが対応付けられている。
【0084】
図11は、グループ通知として用いられるページングメッセージの他の構成例を示す図である。ページングメッセージは、ページングレコードリスト(PagingRecordList)とは独立した情報要素として、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子(MBS-session-ID)のリストであるマルチキャストセッション識別子リスト(MBS-Group-Notification-RecordList)を含む。
【0085】
このように、グループ通知として用いられるページングメッセージは、1つ又は複数のマルチキャストセッション識別子を含む。これに対し、通常のページングメッセージは、UE識別子を含むが、マルチキャストセッション識別子を含まない。以下において、マルチキャストセッション識別子を含まない通常のページングメッセージを第1ページングメッセージと呼び、グループ通知として用いられるページングメッセージを第2ページングメッセージと呼ぶ。
【0086】
別の例として、グループ通知として用いられるページングメッセージは、ページングレコード(PagingRecord)のリストのみを含む構成である。各ページングレコード(PagingRecord)に含まれるUE識別子(ue-Identity)は、通常のUE識別子以外に、特別なUE識別子を格納することができる。当該特別なUE識別子はマルチキャストセッション(もしくはマルチキャストセッション識別子)と対応付けられている。当該対応付け情報は事前にAMF300もしくはgNB200からUE100へ通知される。UE100はページングレコードに特別なUE識別子が含まれていることを検知すると、対応したマルチキャストセッションに対するグループ通知が行われたと判断する。本方法により、ページングメッセージの情報要素を変更することなく、MBSのグループ通知を行うことが可能となる。
【0087】
(第1実施形態に係る通信制御方法)
次に、第1実施形態に係る通信制御方法について説明する。第1実施形態において、上述のページング早期通知信号が用いられる前提下において、グループ通知としてページングメッセージを用いるシナリオを想定する。
【0088】
このようなシナリオにおいて、ページング早期通知信号におけるUEグルーピングと、グループ通知におけるUEグルーピングとが異なるという問題がある。また、ページング早期通知信号を用いる場合、ページング早期通知信号の送信後にページングメッセージが送信されるため、ページングメッセージの送受信に遅延が発生する懸念がある。
【0089】
第1実施形態は、このような課題を次のような動作により解決しようとする実施形態である。具体的には、第1実施形態に係る通信制御方法は、UE100に対してマルチキャストサービスを提供する移動通信システム1においてUE100が実行する方法であって、gNB200から送信されるページングメッセージを監視することを有する。監視することは、gNB200からページング早期通知信号を受信した場合、ユニキャスト通信の対象となる1つ又は複数のUE100を呼び出す第1ページングメッセージを監視することと、UE100がマルチキャストセッションに参加している又は興味が有る場合、ページング早期通知信号を受信していなくても、1つ又は複数のマルチキャストセッションの有効化を通知する第2ページングメッセージ(グループ通知)を監視することと、を有する。ここで、「マルチキャストセッションに興味が有る」とは、UE100の上位レイヤが当該マルチキャストセッションの受信を要求又は希望することをいう。上位レイヤは、NASレイヤを含む。上位レイヤは、アプリケーションレイヤをさらに含んでもよい。
【0090】
このように、マルチキャストセッションに参加している又は興味が有るUE100は、ページング早期通知信号を受信していなくても第2ページングメッセージ(グループ通知)を監視する。これにより、ページング早期通知信号におけるUEグルーピングと、グループ通知におけるUEグルーピングとが異なっていても、第2ページングメッセージを適切に受信できる。また、第2ページングメッセージの送信に先立ってgNB200がページング早期通知信号を送信する必要が無くなるため、第2ページングメッセージの送受信に遅延が発生することを抑制できる。
【0091】
ここで、上述のように、第1ページングメッセージは、ユニキャスト通信の対象となる1つ又は複数のUE100のそれぞれの識別子(UE識別子)を含む。第2ページングメッセージは、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッションのそれぞれの識別子(マルチキャストセッション識別子)を含んでもよい。第2ページングメッセージは、UE識別子を含んでもよいし、UE識別子を含まなくてもよい。
【0092】
図12は、第1実施形態に係る動作例を示す図である。以下において、gNB200及びAMF300を総称して適宜「ネットワーク」と呼ぶ。AMF300は、コアネットワーク装置(CN装置)の一例である。AMF300は、セッション管理装置と連携してMBSセッション(マルチキャストセッション)を管理する。セッション管理装置は、CN装置の他の例である。
【0093】
ステップS101において、UE100は、RRCコネクティッド状態にある。UE100は、あるマルチキャストセッション(以下、「対象マルチキャストセッション」と呼ぶ)への興味を持ったものとする。
【0094】
ステップS102において、UE100(NASエンティティ)は、対象マルチキャストセッションへ参加するためのマルチキャストセッション参加プロシージャをネットワークに対して行う。例えば、UE100は、対象マルチキャストセッションへの参加を要求する第1NASメッセージをAMF300に送信し、対象マルチキャストセッションへの参加を承認する第2NASメッセージをAMF300から受信することにより、対象マルチキャストセッションに参加する。
【0095】
ステップS103において、UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移する。具体的には、UE100は、RRC解放メッセージをgNB200から受信することによりRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移する。ステップS103に先立ち、UE100は、UE100をRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移させることを促す情報要素を含むRRCメッセージ(例えば、UE Assistance Informationメッセージ)をgNB200に送信してもよい。gNB200は、UE100が興味を持つマルチキャストセッションが無効状態であることに応じて、UE100をRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移させることを決定してもよい。
【0096】
ここで、gNB200は、ページング早期通知信号の設定をUE100に対して行う。当該設定はシステム情報ブロックに含めて報知してもよい。また、当該設定は、個別シグナリング(RRC解放メッセージもしくはRRC再構成メッセージ)によってUE100に設定してもよい。当該設定は、ページング早期通知信号が送信される時間/周波数/シーケンスに関する情報、UEグルーピング情報、及び送信電力ブースト情報、のうち1つ以上を含む。
【0097】
ステップS104において、UE100は、ページング早期通知信号の監視を開始する。また、UE100は、グループ通知(第2ページングメッセージ)の監視を開始する。例えば、UE100は、1)マルチキャストセッションの受信に興味がある、2)マルチキャストセッションに参加済みである、3)gNB200からマルチキャストセッション用の設定(マルチキャスト無線ベアラの設定)が行われている、4)マルチキャストセッションの受信開始に際しての遅延が許容できないと判断した、という4つの条件のうち1つ又は複数の条件が満たされたことに応じてグループ通知(第2ページングメッセージ)の監視を開始してもよい。グループ通知(第2ページングメッセージ)の監視タイミングとなる所定のPF/POは、第1ページングメッセージのPF/POと同じであってもよい。また、当該グループ通知(第2ページングメッセージ)の監視タイミングとなる所定のPF/POは、第1ページングメッセージのPF/POと異なっていてもよい。UE100は、第2ページングメッセージがUE識別子を含まない前提下において、遅延が許容できない場合、自身のPF/PO以外のPF/PO(他のUEのPF・PO)で第2ページングメッセージを監視してもよい。
【0098】
ステップS105において、ネットワークにおいて対象マルチキャストセッションが有効化されたことに応じて、gNB200は、対象マルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子を含む第2ページングメッセージを送信する。gNB200は、AMF300からのページング要求に応じて第2ページングメッセージを送信してもよい。UE100は、ページング早期通知信号を受信していなくても、所定のPF/POにおいて第2ページングメッセージを受信する。UE100は、第2ページングメッセージに、自身が興味のあるマルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子が含まれていた場合、当該マルチキャストセッションが有効化されたことを認識する。
【0099】
ステップS106において、UE100は、対象マルチキャストセッションの受信のためにランダムアクセスプロシージャをgNB200に対して行う。UE100は、ランダムアクセスプロシージャ中でgNB200に対して送信するRRC Setup Requestメッセージ又はRRC Resume Requestメッセージに、マルチキャストセッション用の接続要求である旨の情報、又はマルチキャストセッションのグループ通知を受信したことに伴う接続要求である旨の情報を、例えばEstablishment(又はResume) Causeとして含めてもよい。
【0100】
ステップS107において、UE100は、ランダムアクセスプロシージャによりRRCコネクティッド状態に遷移する。UE100は、この段階で、マルチキャストセッション用の接続要求である旨の情報、又はマルチキャストセッションのグループ通知を受信したことに伴う接続要求である旨の情報をgNB200に通知してもよい。
【0101】
ステップS108において、UE100は、RRCコネクティッド状態においてgNB200から対象マルチキャストセッションのマルチキャストデータを受信する。マルチキャストデータの受信前において、gNB200から、対象マルチキャストセッション受信のための設定がUE100に対して行われてもよい。当該設定は、例えばMRB(マルチキャスト無線ベアラ)設定を含むRRC再設定メッセージ(RRC Reconfigurationメッセージ)である。
【0102】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る通信制御方法について、上述の第1実施形態に係る通信制御方法との相違点を主として説明する。
【0103】
第2実施形態は、ページング早期通知信号を第2ページングメッセージにも適用する実施形態である。或いは、第2実施形態は、ページング早期通知信号に第2ページングメッセージの機能を持たせる実施形態である。具体的には、gNB200は、ページング早期通知信号を用いてマルチキャストに関する通知をUE100に対して行う。これにより、ページング早期通知信号をマルチキャストサービスにおいて活用できる。
【0104】
第2実施形態に係る通信制御方法は、UE100に対してマルチキャストサービスを提供する移動通信システム1においてUE100が実行する通信制御方法であって、gNB200からページング早期通知信号を受信することと、UE100がマルチキャストセッションに参加している又は興味が有る場合、ページング早期通知信号に基づいて、マルチキャストセッションが有効化されたか否かを判定する処理を行うことと、を有する。
【0105】
第2実施形態において、ページング早期通知信号は、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッション識別子と対応付けられたリソースを用いてgNB200から送信されてもよい。リソースとは、時間・周波数リソース及び/又は信号シーケンスをいう。ページング早期通知信号は、上述のWUS又はGWUSと同様に構成される信号であってもよい。以下において、このようなページング早期通知信号を「MBS WUS」と呼ぶ。これにより、ページング早期通知信号(MBS WUS)を受信したUE100は、ページング早期通知信号に適用されたリソースから、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッションを識別できる。
【0106】
第2実施形態において、ページング早期通知信号は、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッション識別子と対応付けられたマルチキャストセッション情報を含んでもよい。マルチキャストセッション情報は、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッション識別子又はそのインデックスであってもよい。また、当該マルチキャストセッション情報は、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッションをビット位置で示すビットマップ形式の情報であってもよい。ページング早期通知信号は、上述のページングDCIと同様に構成される信号であってもよい。以下において、このようなページング早期通知信号を「MBSページングDCI」と呼ぶ。これにより、ページング早期通知信号(MBSページングDCI)を受信したUE100は、ページング早期通知信号に含まれるマルチキャストセッション情報から、有効化される1つ又は複数のマルチキャストセッションを識別できる。
【0107】
第2実施形態において、ページング早期通知信号(MBS WUS又はMBSページングDCI)を受信したUE100は、受信したページング早期通知信号と対応付けられた1つ又は複数のマルチキャストセッション識別子が、自身が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションを示す場合、マルチキャストセッションの有効化を通知するページングメッセージ(第2ページングメッセージ)を監視してもよい。そして、UE100は、当該ページングメッセージをgNB200から受信した場合、当該マルチキャストセッションが有効化されたと判定する。
【0108】
或いは、ページング早期通知信号(MBS WUS又はMBSページングDCI)を受信したUE100は、ページング早期通知信号と対応付けられたマルチキャストセッション識別子が、UE100が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションを示す場合、当該マルチキャストセッションが有効化されたと判定してもよい。この場合、UE100は、第2ページングメッセージを監視しなくてもよい。
【0109】
図13は、第2実施形態に係る第1動作例を示す図である。本第1動作例において、ページング早期通知信号がMBS WUSであるものとする。
【0110】
ステップS201乃至S203の動作は、上述の第1実施形態と同様である。
【0111】
ステップS204において、gNB200は、WUSリソース(信号シーケンス及び/又は無線リソース)とマルチキャスト通知との対応付け情報をUE100へ通知する。ここでは、対応付け情報をgNB200がシステム情報中でブロードキャストすることを主として想定するが、対応付け情報をRRC解放メッセージ中でUE100に送信してもよい。RRC解放メッセージを用いる場合、ステップS204はステップS203と同時に行われる。
【0112】
対応付け情報は、あるWUSリソースに対して、グループ通知の有無を示す情報を対応付けた情報であってもよい。対応付け情報は、複数のWUSリソースのそれぞれに、1又は複数のマルチキャストセッション識別子を対応付けた情報であってもよい。なお、RRC解放メッセージを用いる場合、gNB200は、当該UE100が監視すべき1つ又は複数のWUSリソースを通知してもよい。このような対応付けは、3GPP(登録商標。以下同じ)の技術仕様書で予め規定された固定の対応付けであってもよい。
【0113】
各WUSリソースがマルチキャストセッション識別子と対応付けられている前提下において、対応付け情報を受信したUE100は、自身が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションがWUSリソースと対応付けられているか否かを判定してもよい。自身が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションがWUSリソースと対応付けられていない場合、UE100は、上述の第1実施形態の動作を行ってもよい。他方、自身が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションがWUSリソースと対応付けられている場合、UE100は、当該マルチキャストセッションと対応付けられたWUSリソースの監視を開始する(ステップS205)。ここでは、UE100が当該WUSリソースの監視を開始したと仮定して説明を進める。
【0114】
他方、あるWUSリソースに対してグループ通知の有無を示す情報が対応付けられている前提下において、UE100は、当該WUSリソースの監視を開始する(ステップS205)。
【0115】
ステップS206において、ネットワークにおいてマルチキャストセッションが有効化されたことに応じて、gNB200は、WUSリソースを用いてMBS WUSを送信する。各WUSリソースがマルチキャストセッション識別子と対応付けられている前提下において、gNB200は、有効化されるマルチキャストセッションと対応付けられたWUSリソースを用いてMBS WUSを送信する。
【0116】
UE100は、WUSリソースにおいてMBS WUSを受信(検出)し、グループ通知(第2ページングメッセージ)が送信されることを認識し、グループ通知の監視を開始する。具体的には、UE100は、グループ通知のPF/POにおいてグループ通知を監視する。
【0117】
ステップS207において、gNB200は、当該グループ通知のPF/POにおいてグループ通知を送信する。UE100は、当該グループ通知を受信すると、当該(興味のある)マルチキャストセッションが有効化されたことを認識する。
【0118】
ステップS208乃至S210の動作は、上述の第1実施形態と同様である。
【0119】
なお、各WUSリソースがマルチキャストセッション識別子と対応付けられている前提下において、UE100は、自身が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションがWUSリソースと対応付けられている場合、グループ通知を監視及び受信することなく、ステップS208のランダムアクセスプロシージャを開始してもよい。
【0120】
図14は、第2実施形態に係る第2動作例を示す図である。本第2動作例において、ページング早期通知信号がMBSページングDCIであるものとする。
【0121】
ステップS251乃至S253の動作は、上述の第1実施形態と同様である。
【0122】
ステップS254において、gNB200は、MBSページングDCI中のビットマップの各ビットとマルチキャスト通知との対応付け情報をUE100へ通知してもよい。ここでは、対応付け情報をgNB200がシステム情報中でブロードキャストすることを主として想定するが、対応付け情報をRRC解放メッセージ中でUE100に送信してもよい。RRC解放メッセージを用いる場合、ステップS254はステップS253と同時に行われる。
【0123】
対応付け情報は、あるビット(ビット位置)に対して、グループ通知を示す情報を対応付けた情報であってもよい。対応付け情報は、各ビット(各ビット位置)に、1又は複数のマルチキャストセッション識別子を対応付けた情報であってもよい。なお、RRC解放メッセージを用いる場合、gNB200は、当該UE100が監視すべき1つ又は複数のビット(ビット位置)を通知してもよい。このような対応付けは、3GPPの技術仕様書で予め規定された固定の対応付けであってもよい。
【0124】
ステップS255において、UE100は、MBSページングDCIの監視を開始する。
【0125】
ステップS256において、gNB200は、MBSページングDCIをPDCCH上で送信する。UE100は、MBSページングDCIを受信すると、受信したMBSページングDCIをデコードし、MBSページングDCI中のビットマップを確認する。
【0126】
各ビット(各ビット位置)にマルチキャストセッション識別子が対応付けられている前提下において、UE100は、自身が興味の有るマルチキャストセッションと対応付けられたビットを確認する。UE100は、当該ビットが0の場合は自身が興味の有るマルチキャストセッションは未だ非アクティブな状態であると認識してMBSページングDCIの監視を継続し、当該ビットが1の場合は自身が興味の有るマルチキャストセッションが有効化された(アクティブな状態になった)ことを認識してもよい。このような0/1の割当ては逆であってもよい。UE100は、当該マルチキャストセッションのグループ通知が送信されることを認識し、グループ通知の監視を開始してもよい。
【0127】
他方、あるビット(ビット位置)に対して、グループ通知を示す情報が対応付けられている前提下において、UE100は、当該ビットが0の場合はグループ通知が送信されないと認識してMBSページングDCIの監視を継続し、当該ビットが1の場合はグループ通知が送信されることを認識し、グループ通知の監視を開始してもよい。このような0/1の割当ては逆であってもよい。
【0128】
ステップS257において、gNB200は、グループ通知をPDSCH上で送信する。UE100は、当該グループ通知を受信すると、当該(興味のある)マルチキャストセッションが有効化されたことを認識する。
【0129】
ステップS258乃至S260の動作は、上述の第1実施形態と同様である。
【0130】
なお、各ビット(各ビット位置)がマルチキャストセッション識別子と対応付けられている前提下において、UE100は、自身が参加している又は興味が有るマルチキャストセッションが値「1」のビットと対応付けられている場合、グループ通知を監視及び受信することなく、ステップS258のランダムアクセスプロシージャを開始してもよい。
【0131】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る通信制御方法について、上述の第1及び第2実施形態に係る通信制御方法との相違点を主として説明する。
【0132】
第3実施形態は、RRCコネクティッド状態にあるUE100が、MRB(マルチキャスト無線ベアラ)設定を含むRRC再設定メッセージ(RRC Reconfigurationメッセージ)を受信する動作に関する実施形態である。
【0133】
gNB200は、RRC再設定メッセージ中でMRB設定をUE100に送信することにより、マルチキャストセッションが有効化されたことをUE100に通知できる。そのため、グループ通知は、RRCコネクティッド状態にあるUE100については必要無いと考えられる。しかしながら、RRC再設定メッセージにおいてMRB設定は特定のサービスと対応付けられていないため、UE100は、どのマルチキャストセッションが有効化されたのか特定できない懸念がある。
【0134】
第3実施形態に係る通信制御方法は、UE100に対してマルチキャストサービスを提供する移動通信システム1においてUE100が実行する通信制御方法であって、RRCコネクティッド状態において、MRBをUE100に設定するRRC再設定メッセージをgNB200から受信することを有する。RRC再設定メッセージは、当該MRBと対応付けられたマルチキャストセッションを示すマルチキャストセッション識別子を含む。これにより、MRBを設定するRRC再設定メッセージを受信したUE100は、RRC再設定メッセージ中のマルチキャストセッション識別子に基づいて、どのマルチキャストセッションが有効化されたのか特定できる。
【0135】
図15は、第3実施形態に係る動作例を示す図である。
【0136】
ステップS301において、UE100は、RRCコネクティッド状態にある。
【0137】
ステップS302において、ネットワークがマルチキャストセッションを有効化したことに応じて、gNB200は、RRC ReconfigurationメッセージをUE100に送信する。RRC ReconfigurationメッセージはMRB設定を含み、MRB設定は、当該MRBと対応付けられたマルチキャストセッション識別子を含む。
【0138】
RRC Reconfigurationメッセージを受信したUE100は、MRBと対応付けられたマルチキャストセッション識別子に基づいて、当該マルチキャストセッションが開始されることを認識する。
【0139】
ここで、UE100内において、RRCエンティティは、RRC Reconfigurationメッセージに含まれるマルチキャストセッション識別子を、当該RRCエンティティよりも上位レイヤのエンティティ(例えば、NASエンティティ)に通知してもよい。上位レイヤのエンティティは、通知されたマルチキャストセッション識別子が興味の有るマルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子であるか否かを判定してもよい。通知されたマルチキャストセッション識別子が興味の有るマルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子ではない場合、上位レイヤのエンティティは、マルチキャストデータ(マルチキャストトラフィックチャネル)の受信を行わない旨をRRCエンティティに通知してもよい。他方、通知されたマルチキャストセッション識別子が興味の有るマルチキャストセッションのマルチキャストセッション識別子である場合、上位レイヤのエンティティは、マルチキャストデータ(マルチキャストトラフィックチャネル)を受信する旨をRRCエンティティに通知してもよい。ここでは、マルチキャストデータ(マルチキャストトラフィックチャネル)を受信する場合を想定して説明を進める。
【0140】
ステップS303において、gNB200は、マルチキャストデータをマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)上でUE100に送信する。UE100は、マルチキャストデータを受信する。
【0141】
<その他の実施形態>
上述の各動作フローは、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の動作フローを組み合わせて実施可能である。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0142】
上述の実施形態において、基地局がNR基地局(gNB)である一例について説明したが基地局がLTE基地局(eNB)であってもよい。また、基地局は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノード等の中継ノードであってもよい。基地局は、IABノードのDU(Distributed Unit)であってもよい。
【0143】
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM又はDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC(System on a chip))として構成してもよい。
【0144】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0145】
本願は、米国仮出願第63/186536号(2021年5月10日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
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