(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084817
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ヒータアッセンブリ及び容器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240618BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240618BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240618BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240618BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
A24F40/20
A24F40/51
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060749
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2021192733の分割
【原出願日】2019-04-23
(31)【優先権主張番号】P 2018085336
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
(72)【発明者】
【氏名】竹内 学
(72)【発明者】
【氏名】井上 康信
(72)【発明者】
【氏名】打井 公隆
(72)【発明者】
【氏名】隅井 干城
(57)【要約】 (修正有)
【課題】香味吸引器で用いるヒータアッセンブリ及び容器を提供する。
【解決手段】ヒータアッセンブリ30は、香味発生物品を収容するチャンバ40Cを形成する筒状部分41を有する容器40と、前記筒状部分の周面に配置されるヒータ50とを備える。前記容器は、前記筒状部分の長手方向に沿って延在しており、かつ、前記筒状部分の長手方向と交差する方向で前記チャンバに隣接する第1チャネル43と、前記筒状部分の長手方向に沿って前記チャンバ内を通る第2チャネル44とを備える。前記第1チャネルは、前記2チャネルと連通する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香味発生物品を収容するチャンバを形成する筒状部分を有する容器と、
前記筒状部分の周面に配置されるヒータとを備え、
前記容器は、前記筒状部分の長手方向に沿って延在しており、かつ、前記筒状部分の長手方向と交差する方向で前記チャンバに隣接する第1チャネルと、前記筒状部分の長手方向に沿って前記チャンバ内を通る第2チャネルとを備え、
前記第1チャネルは、前記2チャネルと連通する、ヒータアッセンブリ。
【請求項2】
前記ヒータは、前記筒状部分の外周面に接触するように配置される、請求項1に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項3】
前記ヒータは、加熱要素と、前記加熱要素を支持する基材とを有し、
前記加熱要素は、前記筒状部分の周面における、前記第1チャネルと隣接する部分以外の配置対象部分に沿って設けられる、請求項1又は請求項2に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項4】
前記配置対象部分は、前記筒状部分の周面において、第1配置部分と、前記第1配置部分よりも前記第1チャネルから離れた第2配置部分とを含み、
前記第1配置部分における前記加熱要素のワット密度は、前記第2配置部分における前記加熱要素のワット密度よりも高い、請求項3に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項5】
前記ヒータは、加熱要素と、前記加熱要素を支持する基材とを有し、
前記筒状部分は、前記香味発生物品を受け入れる第1端部と、前記筒状部分の長手方向において前記第1端部の反対側に設けられる第2端部とを有しており、
前記加熱要素は、前記第2端部から離間するように、前記筒状部分の周面に沿って設けられる、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項6】
前記容器は、前記第2端部を塞ぐ底板部分を有しており、
前記加熱要素は、前記底板部分に設けられることなく、前記筒状部分の周面に沿って設けられる、請求項5に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項7】
前記筒状部分は、前記香味発生物品が前記チャンバに収容されたときに前記香味発生物品の先端部に当接する当接部を有する、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項8】
前記容器は、底板部分を有しており、
前記容器の前記底板部分に設けられ、前記香味発生物品が前記チャンバに収容されたときに前記香味発生物品の先端部に当接する台座であって、前記台座の周りに前記第1チャネルおよび前記第2チャネルと連通する環状の隙間を形成する台座をさらに備える、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項9】
前記筒状部分は、熱伝導性部材によって構成される、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項10】
前記筒状部分は、前記香味発生物品を受け入れる第1端部と、前記筒状部分の長手方向において前記第1端部の反対側に設けられる第2端部とを有しており、
前記容器は、前記第2端部を塞ぐ底板部分を有しており、
前記筒状部分は、前記第1チャネルと前記第2チャネルとを連通させる第3チャネルを有する、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項11】
前記第1チャネルから前記第3チャネルに至るチャネルは、傾斜チャネル又は湾曲チャネルを含む、請求項10に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項12】
前記筒状部分は、前記筒状部分の長手方向に対する直交断面において、前記チャンバを区画する第1部分と、前記チャンバよりも外側に張り出す第2部分を含み、
前記第2部分は、前記筒状部分の長手方向に沿って延びるとともに前記第1チャネルを形成する、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項13】
前記チャンバに前記香味発生物品が収容された状態において、前記第1部分は、前記香味発生物品の外周面と接触し、前記第2部分は、前記香味発生物品の外周面から離間する、請求項12に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項14】
前記第1部分は、前記香味発生物品が前記チャンバに収容されたときに、前記香味発生物品を前記第1部分と前記第2部分の配列方向において少なくとも部分的に圧縮するように構成されている、請求項12又は13に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項15】
前記第1部分は、前記筒状部分の長手方向に対する横断面において、楕円形の内周を有している、請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項16】
前記容器は、前記第1チャネルを形成するチャネル形成部材を有しており、
前記チャネル形成部材は、前記筒状部分の外周面に設けられる、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項17】
前記ヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いるセンサを備え、
前記センサは、前記底板部分に設けられる、請求項6、請求項6を引用する請求項7乃至請求項16のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項18】
前記ヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いるセンサを備え、
前記センサは、前記第2部分に設けられる、請求項12乃至請求項15に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項19】
前記ヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いるセンサを備え、
前記センサは、前記チャネル形成部材に設けられる、請求項16に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項20】
前記容器は、前記筒状部分の内周面の少なくとも一部に形成された、前記筒状容器の外周面よりも熱放射率の高い領域を有している、請求項1乃至請求項19のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項21】
前記容器は、さらに底板部分を有しており、
前記容器の前記筒状部分及び前記底板部分を覆う断熱部材をさらに備える、請求項1乃至請求項20のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項22】
前記筒状部分と前記ヒータとの間に設けられた、前記筒状部材よりも熱伝導率の高い材料からなる膜をさらに備える、請求項1乃至請求項21のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項23】
前記第1チャネルが、前記ヒータアッセンブリの外部から前記第2チャネルに向かう空気流路を形成し、
前記第1チャネルの逆方向の流体流れを阻害する阻害部材をさらに備える、請求項1乃至請求項22のいずれかに記載のヒータアッセンブリ。
【請求項24】
前記阻害部材は、前記第1チャネルの一部を塞ぐ隔壁である、請求項23に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項25】
前記容器の開口を露出させる第1位置と前記開口を覆う第2位置との間で移動可能な蓋部材をさらに備え、
前記阻害部材は、前記第1位置に在る前記蓋部材である、請求項23に記載のヒータアッセンブリ。
【請求項26】
香味発生物品を収容するチャンバを形成する筒状部分を有する容器であって、
前記筒状部分の長手方向に沿って延在しており、かつ、前記筒状部分の長手方向と交差する方向で前記チャンバに隣接する第1チャネルと、
前記筒状部分の長手方向に沿って前記チャンバ内を通る第2チャネルとを備え、
前記筒状部分の周面は、ヒータが配置される面を構成しており、
前記第1チャネルは、前記2チャネルと連通する、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香味吸引器で用いるヒータアッセンブリ及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼を伴わずに香味発生物品を加熱する香味吸引器が知られている。香味吸引器は、香味発生物品を収容するチャンバと、チャンバに収容される香味発生物品を加熱するヒータとを有する(例えば、特許文献1-3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001-521123号公報
【特許文献2】特許第5963375号公報
【特許文献3】国際公開第2016/207407号パンフレット
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴は、ヒータアッセンブリであって、香味発生物品を収容するチャンバを形成する筒状部分を有する容器と、前記筒状部分の周面に配置されるヒータとを備え、前記容器は、前記筒状部分の長手方向に沿って延在しており、かつ、前記筒状部分の長手方向と交差する方向で前記チャンバに隣接する第1チャネルと、前記筒状部分の長手方向に沿って前記チャンバ内を通る第2チャネルとを備え、前記第1チャネルは、前記2チャネルと連通することを要旨とする。
【0005】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記ヒータは、前記筒状部分の外周面に接触するように配置されることを要旨とする。
【0006】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記ヒータは、加熱要素と、前記加熱要素を支持する基材とを有し、前記加熱要素は、前記筒状部分の周面における、前記第1チャネルと隣接する部分以外の配置対象部分に沿って設けられることを要旨とする。
【0007】
第4の特徴は、第3の特徴において、前記配置対象部分は、前記筒状部分の周面において、第1配置部分と、前記第1配置部分よりも前記第1チャネルから離れた第2配置部分とを含み、前記第1配置部分における前記加熱要素のワット密度は、前記第2配置部分における前記加熱要素のワット密度よりも高いことを要旨とする。
【0008】
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記ヒータは、加熱要素と、前記加熱要素を支持する基材とを有し、前記筒状部分は、前記香味発生物品を受け入れる第1端部と、前記筒状部分の長手方向において前記第1端部の反対側に設けられる第2端部とを有しており、前記加熱要素は、前記第2端部から離間するように、前記筒状部分の周面に沿って設けられることを要旨とする。
【0009】
第6の特徴は、第5の特徴において、前記容器は、前記第2端部を塞ぐ底板部分を有しており、前記加熱要素は、前記底板部分に設けられることなく、前記筒状部分の周面に沿って設けられることを要旨とする。
【0010】
第7の特徴は、第1の特徴乃至第6の特徴のいずれかにおいて、前記筒状部分は、前記香味発生物品が前記チャンバに収容されたときに前記香味発生物品の先端部に当接する当接部を有することを要旨とする。
【0011】
第8の特徴は、第1の特徴乃至第6の特徴のいずれかにおいて、前記容器は、底板部分を有しており、前記容器の前記底板部分に設けられ、前記香味発生物品が前記チャンバに収容されたときに前記香味発生物品の先端部に当接する台座であって、前記台座の周りに前記第1チャネルおよび前記第2チャネルと連通する環状の隙間を形成する台座をさらに備えることを要旨とする。
【0012】
第9の特徴は、第1の特徴乃至第8の特徴のいずれかにおいて、前記筒状部分は、熱伝導性部材によって構成されることを要旨とする。
【0013】
第10の特徴は、第1の特徴乃至第9の特徴のいずれかにおいて、前記筒状部分は、前記香味発生物品を受け入れる第1端部と、前記筒状部分の長手方向において前記第1端部の反対側に設けられる第2端部とを有しており、前記容器は、前記第2端部を塞ぐ底板部分を有しており、前記筒状部分は、前記第1チャネルと前記第2チャネルとを連通させる第3チャネルを有することを要旨とする。
【0014】
第11の特徴は、第10の特徴において、前記第1チャネルから前記第3チャネルに至るチャネルは、傾斜チャネル又は湾曲チャネルを含むことを要旨とする。
【0015】
第12の特徴は、第1の特徴乃至第11の特徴のいずれかにおいて、前記筒状部分は、前記筒状部分の長手方向に対する直交断面において、前記チャンバを区画する第1部分と、前記チャンバよりも外側に張り出す第2部分を含み、前記第2部分は、前記筒状部分の長手方向に沿って延びるとともに前記第1チャネルを形成することを要旨とする。
【0016】
第13の特徴は、第12の特徴において、前記チャンバに前記香味発生物品が収容された状態において、前記第1部分は、前記香味発生物品の外周面と接触し、前記第2部分は、前記香味発生物品の外周面から離間することを要旨とする。
【0017】
第14の特徴は、第12の特徴又は第13の特徴において、前記第1部分は、前記香味発生物品が前記チャンバに収容されたときに、前記香味発生物品を前記第1部分と前記第2部分の配列方向において少なくとも部分的に圧縮するように構成されている。
【0018】
第15の特徴は、第12の特徴乃至第14の特徴のいずれかにおいて、前記第1部分は、前記筒状部分の長手方向に対する横断面において、楕円形の円周を有していることを要旨とする。
【0019】
第16の特徴は、第1の特徴乃至第11の特徴のいずれかにおいて、前記容器は、前記第1チャネルを形成するチャネル形成部材を有しており、前記チャネル形成部材は、前記筒状部分の外周面に設けられることを要旨とする。
【0020】
第17の特徴は、第6の特徴、第6の特徴を引用する第7の特徴乃至第16の特徴のいずれかにおいて、前記ヒータアッセンブリは、前記ヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いるセンサを備え、前記センサは、前記底板部分に設けられることを要旨とする。
【0021】
第18の特徴は、第12の特徴乃至第15の特徴のいずれかにおいて、前記ヒータアッセンブリは、前記ヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いるセンサを備え、前記センサは、前記第2部分に設けられることを要旨とする。
【0022】
第19の特徴は、第16の特徴において、前記ヒータアッセンブリは、前記ヒータアッ
センブリ内で生じた温度変化の検出に用いるセンサを備え、前記センサは、前記チャネル形成部材に設けられることを要旨とする。
【0023】
第20の特徴は、第1の特徴乃至第19の特徴のいずれかにおいて、前記容器は、前記筒状部分の内周面の少なくとも一部に形成された、前記筒状容器の外周面よりも熱放射率の高い領域を有していることを要旨とする。
【0024】
第21の特徴は、第1の特徴乃至第20の特徴のいずれかにおいて、前記容器は、さらに底板部分を有しており、前記容器の前記筒状部分及び前記底板部分を覆う断熱部材をさらに備えることを要旨とする。
【0025】
第22の特徴は、第1の特徴乃至第21の特徴のいずれかにおいて、前記筒状部分と前記ヒータとの間に設けられた、前記筒状部材よりも熱伝導率の高い材料からなる膜をさらに備えることを要旨とする。
【0026】
第23の特徴は、第1の特徴乃至第22の特徴のいずれかにおいて、前記第1チャネルが、前記ヒータアッセンブリの外部から前記第2チャネルに向かう空気流路を形成し、前記第1チャネルの逆方向の流体流れを阻害する阻害部材をさらに備えることを要旨とする。
【0027】
第24の特徴は、第23の特徴において、前記阻害部材は、前記第1チャネルの一部を塞ぐ隔壁であることを要旨とする。
【0028】
第25の特徴は、第23の特徴において、前記容器の開口を露出させる第1位置と前記開口を覆う第2位置との間で移動可能な蓋部材をさらに備え、前記阻害部材は、前記第1位置に在る前記蓋部材であることを要旨とする。
【0029】
第26の特徴は、香味発生物品を収容するチャンバを形成する筒状部分を有する容器であって、前記筒状部分の長手方向に沿って延在しており、かつ、前記筒状部分の長手方向と交差する方向で前記チャンバに隣接する第1チャネルと、前記筒状部分の長手方向に沿って前記チャンバ内を通る第2チャネルとを備え、前記筒状部分の周面は、ヒータが配置される面を構成しており、前記第1チャネルは、前記2チャネルと連通することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、実施形態に係る香味吸引器100を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るヒータアッセンブリ30を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る容器40を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る容器40を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る容器40を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るヒータ50を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るヒータ50を説明するための図である。
【
図8】
図8は、変更例1に係る容器40を説明するための図である。
【
図9】
図9は、変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図10】
図10は、変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図11】
図11は、変更例3に係る容器40を説明するための図である。
【
図12】
図12は、変更例3に係る容器40を説明するための図である。
【
図13】
図13は、変更例4に係る当接部を説明するための図である。
【
図14】
図14は、変更例4に係る当接部を説明するための図である。
【
図15】
図15は、変更例4に係る当接部を説明するための図である。
【
図16】
図16は、変更例4に係る当接部を説明するための図である。
【
図17】
図17は、変更例5に係る容器40を説明するための図である。
【
図18】
図18は、変更例5に係るヒータ50を説明するための図である。
【
図19】
図19は、変更例5に係るヒータ50を説明するための図である。
【
図20】
図20は、変更例5に係るヒータ50を説明するための図である。
【
図21】
図21は、変更例6に係る香味吸引器100を示す図である。
【
図22】
図22は、追加変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図23】
図23は、追加変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図24】
図24は、追加変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図25】
図25は、追加変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図26】
図26は、追加変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図27】
図27は、追加変更例2に係る容器40を説明するための図である。
【
図28】
図28は、追加変更例3に係る隔壁49を説明するための図である。
【
図29】
図29は、追加変更例3に係る隔壁49を説明するための図である。
【
図30】
図30は、追加変更例3に係る隔壁49を説明するための図である。
【
図31】
図31は、追加変更例3に係る蓋部材LDを説明するための図である。
【
図32】
図32は、追加変更例3に係る蓋部材LDを説明するための図である。
【
図33】
図33は、追加変更例4に係る断熱部材70を説明するための図である。
【
図34】
図34は、追加変更例7に係る台座80を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
【0032】
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
【0033】
[開示の概要]
上述した背景技術の香味吸引器では、チャンバに空気を取り入れるためのチャネル及びヒータの配置について様々な工夫がなされている。しかしながら、香味吸引器が小型であり、エアロゾルを効率的に発生する観点では、チャネル及びヒータの配置について更なる改善が望まれている。
【0034】
開示の概要に係るヒータアッセンブリは、香味発生物品を収容するチャンバを形成する筒状部分を有する容器と、前記筒状部分の周面に配置されるヒータとを備える。前記容器は、前記筒状部分の長手方向に沿って延在しており、かつ、前記筒状部分の長手方向と交差する方向で前記チャンバに隣接する第1チャネルと、前記筒状部分の長手方向に沿って前記チャンバ内を通る第2チャネルとを備える。前記第1チャネルは、前記2チャネルと連通する。
【0035】
開示の概要では、チャンバを形成する筒状部分の周面にヒータが配置されることを前提として、チャンバ内を通る第2チャネルに連通する第1チャネルがチャンバに隣接する。このような構成によれば、筒状部分の長手方向においてヒータアッセンブリの下方に連通するチャネルを設ける必要がなく、ヒータアッセンブリの底面を閉鎖する構造を採用することができる。従って、ヒータアッセンブリの下方のデッドスペースを有効に利用することができる。
【0036】
[実施形態]
(香味吸引器)
以下において、実施形態に係る香味吸引器について説明する。
図1は、実施形態に係る香味吸引器100を示す図である。
【0037】
図1に示すように、香味吸引器100は、香味発生物品110と、吸引器本体120とを有する。実施形態では、香味発生物品110をユーザが咥えた状態でパフ動作が行われるケースを例示する。ユーザが吸い込む空気は、空気流100A、空気流100C、空気流100Bの順でユーザの口腔内に導かれる。
【0038】
香味発生物品110は、香味を発生しうる成分を含む基材であり、長手方向に沿って延びる柱状形状を有する。例えば、香味発生物品110は、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体、たばこ原料をシート状に成形した成形体などによって構成されてもよい。香味発生物品110は、加熱に伴ってエアロゾルを発生してもよく、エアロゾルの発生を促進するためにグリセリン、プロピレングリコール、又は1,3-ブタンジオールなどの各種ポリオールを含むエアロゾル源を含んでもよい。香味発生物品110は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味発生物品110は、メントールなどの香料を含んでもよい。
【0039】
吸引器本体120は、バッテリ10と、制御回路20と、ヒータアッセンブリ30とを有する。
【0040】
バッテリ10は、吸引器本体120で用いる電力を蓄積する。例えば、バッテリ10は、リチウムイオン電池である。バッテリ10は、外部電源によって充電可能であってもよい。
【0041】
制御回路20は、CPU及びメモリなどによって構成されており、吸引器本体120の動作を制御する。例えば、制御回路20は、図示しない押しボタンやスライド式スイッチ等の入力装置に対するユーザ操作に応じて香味発生物品110の加熱を開始し、一定時間が経過したら香味発生物品110の加熱を終了する。制御回路20は、ユーザによるパフ動作の回数が一定値を超過した場合に、香味発生物品110の加熱開始から一定時間が経過する前であっても香味発生物品110の加熱を終了してもよい。例えば、パフ動作は、後述する
図2に示すセンサ60によって検出される。
【0042】
或いは、制御回路20は、パフ動作の開始に応じて香味発生物品110の加熱を開始し、パフ動作の終了に応じて香味発生物品110の加熱を終了してもよい。制御回路20は、パフ動作の開始から一定時間が経過した場合に、パフ動作の終了前であっても香味発生物品110の加熱を終了してもよい。実施形態では、制御回路20は、バッテリ10とヒータアッセンブリ30との間に配置されており、ヒータアッセンブリ30からバッテリ10への熱伝達を抑制する。
【0043】
ヒータアッセンブリ30は、香味発生物品10を加熱するアッセンブリである。
図2に示すように、ヒータアッセンブリ10は、容器40と、ヒータ50と、センサ60とを有する。
【0044】
容器40は、筒状部分41と、底板部分42とを有する。筒状部分41は、香味発生物品10を収容するチャンバ40Cを形成する。筒状部分41は、熱伝導性部材によって構成される。熱伝導性部材は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウムやステンレス(SUS)である。筒状部分41は、香味発生物品10を受け入れる第1端部40Xと、筒状部分41の長手方向(以下、長手方向A)において第1端部40Xの反対側に設けられる第2端部40Yとを有する。底板部分42は、第2端部40Yを塞ぐ。すな
わち、容器40は、筒状部分41及び底板部分42によって構成されるカップ形状を有する。容器40は、金属板の絞り加工などの手法によって一体成形されてもよい。
【0045】
容器40は、第1チャネル43と、第2チャネル44と、第3チャネル45とを有する。第1チャネル43は、空気流100Aの流路である。第1チャネル43は、長手方向Aに沿って延在する。第1チャネル43は、長手方向Aに交差する方向(以下、交差方向B)でチャンバ40Cに隣接する。第2チャネル44は、空気流100Bの流路である。第2チャネル44は、長手方向Aに沿って延在する。第2チャネル44は、チャンバ40C内を通る。第3チャネル45は、空気流100Cの流路である。第3チャネル45は、底板部分42側に設けられており、交差方向Bに沿って延在する。第1チャネル43は、第3チャネル45を介して第2チャネル44と連通する。
【0046】
ここで、チャンバ40Cは、香味発生物品10を収容する空洞であり、香味発生物品10によって占有される部分であると考えてもよい。上述したように、第2チャネル44は、チャンバ40C内を通る流路であり、香味発生物品10内を通る流路であると考えてもよい。第2チャネル44は、チャンバ40Cと同義であると考えてもよく、チャンバ40Cの一部であると考えてもよい。
【0047】
ヒータ50は、筒状部分41の周面に配置され、チャンバ40Cに収容される香味発生物品を加熱する。ヒータ50は、筒状部分41の外周面に配置されてもよく、筒状部分41の内周面に配置されてもよい。ヒータ50は、筒状部分41の周面に接触していてもよい。
図2では、ヒータ50が筒状部分41の外周面に配置されるケースを例示する。
【0048】
ヒータ50は、基材51(基材51A及び基材51B)と、加熱要素52とを有する。加熱要素は、基材51Aと基材51Bとの間に挟まれる。基材51は、加熱要素を支持する。例えば、基材51は、ポリイミドなどのフィルムによって構成される。例えば、加熱要素52は、金属などの抵抗発熱体によって構成される。例えば、加熱要素52を構成する金属は、ニッケル合金、クロム合金、ステンレス及び白金ロジウムの中から選択された1以上の金属であってもよい。ヒータ50は、筒状部分41の周面に接着されてもよく、別個の支持部材によって筒状部分41の周面に支持されてもよい。
図2において、ヒータ50の外側に不図示の熱収縮チューブを設置することによって、熱収縮チューブによってヒータ50が筒状部分41の外周面に取り付けられてもよい。
【0049】
センサ60は、ヒータアッセンブリ30内で生じた温度変化の検出に用いられる。例えば、センサ60は、サーミスタや熱電対等の温度センサである。センサ60は、底板部分42に設けられてもよい。或いは、センサ60は、後述する第2部分41Bの内面又は外面に、第1チャネル43と隣接して設けられてもよい。センサ60は、第1チャネル43を空気が流れることによって生じる温度変化によってパフ動作を検出するために用いられてもよい。さらに、センサ60は、制御回路20による香味発生物品10の加熱制御に用いられてもよい。特に、制御回路20は、センサ60によって直接的又は間接的に測定したヒータアッセンブリ30又は吸引器120内の他の部分の温度が一定値を超過した場合に、加熱要素52への電力供給を停止するように構成されていてもよい。
【0050】
(容器)
以下において、実施形態に係る容器について説明する。
図3及び
図4は、実施形態に係る容器40の斜視図である。
図5は、実施形態に係る容器40を
図3に示すP方向、Q方向及びR方向から見た図である。
【0051】
図3乃至
図5に示すように、容器40の筒状部分41は、長手方向Aに対する直交断面において、チャンバ40Cを区画する第1部分41Aと、チャンバ40Cよりも外側に張
り出す第2部分41Bを含む。第2部分41Bは、長手方向Aに沿って延びるとともに第1チャネル43を形成する。すなわち、チャンバ40Cに香味発生物品110が収容された状態において、第1部分41Aは、香味発生物品110の外周面と接触し、第2部分41Bは、香味発生物品110の外周面から離間する。第1部分41A及び第2部分41Bは一体成形品であってもよい。
【0052】
ここで、長手方向Aに対する直交断面において、第1部分41Aは、香味発生物品110と略同様の形状を有していてもよい。例えば、香味発生物品110が円柱形状である場合に、第1部分41Aは略円筒形状を有していてもよい。長手方向Aに対する直交断面において、第2部分41Bは、チャンバ40Cよりも外側に張り出していればよく、例えば、円弧形状を有する。
【0053】
図5に示すように、容器40は、括れ部分41Sを有する。括れ部分41Sは、香味発生物品110がチャンバ40Cに収容されたときに香味発生物品110に当接する当接部を構成する。括れ部分41Sは、筒状部分41の厚み自体は変わらずに、筒状部分41の内側に括れる部分であってもよい。
【0054】
(ヒータ)
以下において、実施形態に係るヒータについて説明する。
図6及び
図7は、実施形態に係るヒータ50を説明するための図である。上述したように、ヒータ50は、基材51及び加熱要素52を有する。
【0055】
図6に示すように、ヒータ50は、の加熱要素52に連続するリード線部分53を含む。例えば、リード線部分53は、制御回路20を介してバッテリ10に接続される。
【0056】
図6及び
図7に示すように、ヒータ50は、容器40の筒状部分41に巻き回される。ここで、加熱要素52は、筒状部分41の周面における、第1チャネル43と隣接する部分以外の配置対象部分に沿って設けられる。実施形態では、加熱要素52は、第2部分41Bの周面に沿って設けられず、第1部分41Aの周面に沿って設けられる。すなわち、第1部分41Aの周面が配置対象部分を構成する。但し、基材51(基材51A及び基材51B)は、第2部分41Bの周面の一部又は全部に沿って設けられてもよいし、第2部分41Bの周面に沿って設けられなくてもよい。実施形態はこれに限定されるものではなく、加熱要素52は、第1部分41A及び第2部分41Bの双方の周面に沿って設けられてもよい。
【0057】
ここで、第1部分41Aの周面は、第1配置部分41A1と、第1配置部分41A1よりも第1チャネル43から離れた第2配置部分41A2とを含む。第1配置部分41A1における加熱要素52Aのワット密度は、第2配置部分41A2における加熱要素52Bのワ
ット密度よりも高くてもよい。
【0058】
図6及び
図7に示すように、加熱要素52は、第2端部40Yから離間するように、筒状部分41の周面に沿って設けられる。加熱要素52は、底板部分42に設けられることなく、筒状部分41の周面に沿って設けられる。
【0059】
(作用及び効果)
実施形態では、チャンバ40Cを形成する筒状部分41の周面にヒータ50が配置されることを前提として、チャンバ40C内を通る第2チャネル44に連通する第1チャネル43がチャンバ40Cに隣接する。このような構成によれば、長手方向Aにおいてヒータアッセンブリ30の下方に連通するチャネルを設ける必要がなく、ヒータアッセンブリ30の底面を閉鎖する構造を採用することができる。従って、ヒータアッセンブリ30の下
方のデッドスペースを有効に利用することができる。さらには、第1チャネル43を通る空気が筒状部分41の周面に配置されるヒータ50によって予備的に加熱され得るため、チャンバ40Cに収容される香味発生物品110の温度低下が抑制され、香味発生物品110から効率的にエアロゾルを発生することができる効果も期待できる。
【0060】
実施形態では、筒状部分41の外周面にヒータ50が配置される。従って、ヒータ50のアッセンブリが容易である。
【0061】
実施形態では、加熱要素52は、筒状部分41の周面において、第1チャネル43と隣接する部分以外の配置対象部分(第1部分41Aの周面)に設けられる。このような構成によれば、第1チャネル43を流れる空気(空気流100A)が必要以上に加熱されることを抑制することができる。また、第1チャネル43と隣接する部分では香味発生物品110を直接的に加熱できないことに鑑みて、香味発生物品110の加熱に寄与しない部分に加熱要素52を配置しないことで、香味発生物品110の加熱に要するエネルギーを節約することができる。
【0062】
実施形態では、第1配置部分41A1における加熱要素52Aのワット密度は、第2配
置部分41A2における加熱要素52Bのワット密度よりも高くてもよい。このような構
成によれば、第1チャネル43と隣接する部分に加熱要素52が配置されないことに鑑み、第1チャネル43に隣接する位置において香味発生物品110の温度低下を抑制することができる。
【0063】
実施形態では、容器40は、香味発生物品110がチャンバ40Cに収容されたときに香味発生物品110に当接する括れ部分41Sを有する。このような構成によれば、チャンバ40C内において香味発生物品110の位置決めが容易であり、第1チャネル43と第2チャネル44とを連通させる第3チャネル45を容易に確保することができる。
【0064】
実施形態では、容器40は、筒状部分41の第2端部40Yを塞ぐ底板部分42を有しており、第3チャネル45が底板部分42側に設けられる。このような構成によれば、第1チャネル43から第2チャネル44への空気の流れ(空気流100C)を底板部分42によって生成することができる。
【0065】
実施形態では、容器40の筒状部分41は、長手方向Aに対する直交断面において、チャンバ40Cを区画する第1部分41Aと、チャンバ40Cよりも外側に張り出す第2部分41Bを含む。このような構成によれば、空気インレット、第1チャネル43及び第2チャネル44(チャンバ40C)を1つの部材(筒状部分41)によって実現することができ、ヒータアッセンブリ30の構造を簡素化することができる。
【0066】
実施形態では、チャンバ40Cに隣接するように第1チャネル43を配置することによって、長手方向Aにおいてヒータアッセンブリ30の下方に連通するチャネルを設ける必要がなく、ヒータアッセンブリ30の底面を閉鎖する構造を採用することができる。従って、ヒータアッセンブリ30の下方の空間をチャネル以外の用途で用いることができる。
【0067】
実施形態では、センサ60は、底板部分42に設けられる。このような構成によれば、底板部分42が加熱要素52から離間しているため、加熱要素52から生じる熱の過度な影響をセンサ60が受けず、底板部分42がユーザの口腔から離れているため、外気から受ける過度な影響をセンサ60が受けない。従って、パフ動作の検知にセンサ60が用いられるケースなどにおいて、センサ60が温度変化を検出する精度を向上することができる。
【0068】
(変更例1)
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0069】
実施形態において、第2部分41Bは、長手方向Aに対する直交断面において円弧形状を有する。これに対して、変更例1においては、
図8に示すように、第2部分41Bは、長手方向Aに対する直交断面において、チャンバ40Cに向かって開口するU字形状を有する。詳細には、第2部分41Bは、円弧部分41B
1及び1対の直線部分41B
2を有する。
図5~
図7に示す例と同様に、ヒータ50の加熱要素52は、第2部分41Bの周面に沿って設けられず、第1部分41Aの周面に沿って設けられる。なお、ヒータ50の基材51(基材51A及び基材51B)は、第2部分41Bの1対の直線部分41B
2に沿
って設けられてもよいし、さらに円弧部分41B
1に沿って設けられてもよい。
【0070】
但し、実施形態及び変更例1はこれに限定されるものではない。第2部分41Bは、長手方向Aに対する直交断面において、チャンバ40Cよりも外側に張り出していればよい。第2部分41Bは、矩形形状を有していてもよく、矩形及び円弧を組み合わせた形状を有していてもよい。
【0071】
(変更例2)
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0072】
変更例2では、筒状部分41の形状のバリエーションについて説明する。変更例2においても、実施形態と同様に、筒状部分41は、長手方向Aに対する直交断面において、チャンバ40Cを区画する第1部分41Aと、チャンバ40Cよりも外側に張り出す第2部分41Bを含む。
【0073】
例えば、
図9に示すように、香味発生物品110の断面が円形である場合に、筒状部分41は、長手方向Aに対する直交断面において楕円形状を有していてもよい。このようなケースにおいて、筒状部分41の内周面と香味発生物品110の外周面との間に第1チャネル43が形成される。筒状部分41のうち、香味発生物品110の外周面と接触する部分が第1部分41Aを構成し、香味発生物品110の外周面から離間する部分が第2部分41Bを構成する。
【0074】
例えば、
図10に示すように、香味発生物品110の断面が円形である場合に、筒状部分41は、長手方向Aに対する直交断面において矩形形状を有していてもよい。このようなケースにおいて、筒状部分41の内周面と香味発生物品110の外周面との間に第1チャネル43が形成される。筒状部分41のうち、香味発生物品110の外周面と接触する部分が第1部分41Aを構成し、香味発生物品110の外周面から離間する部分が第2部分41Bを構成する。
【0075】
(変更例3)
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0076】
変更例3において、容器40は、第1チャネル43を形成するチャネル形成部材を有する。チャネル形成部材は、筒状部分41の外周面に設けられる。
【0077】
例えば、
図11に示すように、容器40は、長手方向Aに対する直交断面において、円形形状を有するチャネル形成部材46を有していてもよい。言い換えると、チャネル形成
部材46は、長手方向Aに沿って延在する円筒形状を有してもよい。このようなケースにおいて、第1チャネル43は、チャネル形成部材46の内側に形成される。チャネル形成部材46は、筒状部分41の外周面に接着されてもよく、筒状部分41と一体で形成されてもよい。
【0078】
例えば、
図12に示すように、容器40は、長手方向Aに対する直交断面において、筒状部分41を収容する楕円形状を有するチャネル形成部材46を有していてもよい。言い換えると、チャネル形成部材46は、長手方向Aに沿って延在する楕円の筒状形状を有してもよい。このようなケースにおいて、第1チャネル43は、チャネル形成部材46の内周面と筒状部分41の外周面との間に形成される。チャネル形成部材46は、筒状部分41の外周面に接着されてもよく、筒状部分41と一体で形成されてもよい。
【0079】
(作用及び効果)
変更例3では、容器40は、第1チャネル43を形成するチャネル形成部材46を有する。このような構成によれば、第1チャネル43と第2チャネル44(チャンバ40C)とが少なくとも筒状部分41によって区画されるため、第1チャネル43から第2チャネル44への意図しない空気の流入を抑制することができる。意図しない空気の流入は、上述した第3チャネル45以外の流路を通る空気の流入である。
【0080】
図12に示す例では、筒状部分41の周面に配置されるヒータ50は、第1チャネル43よりも内側に配置される。言い換えると、ヒータ50とチャンバ40Cとの間に第1チャネル43が介在しないため、
図9に示すケースなどと比べると、ヒータ50から香味発生物品110にエネルギーを効率的に伝達することができる。
【0081】
(変更例4)
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0082】
変更例4では、香味発生物品110がチャンバ40Cに収容されたときに香味発生物品110に当接する当接部のバリエーションについて説明する。
【0083】
例えば、
図13に示すように、容器40は、底面42から立設するリブ41Rを有する。なお、
図13では、2つのリブ41Rが例示されているが、リブ41Rの数は任意である。
【0084】
例えば、
図14に示すように、容器40は、筒状部分41の内周面に設けられる段差部分47を当接部として有していてもよい。段差部分47は、筒状部分41の内周面からチャンバ40Cの内側に張り出す部分である。段差部分47は、底面42と接触していてもよく、底面42から離間していてもよい。段差部分47は、筒状部分41の内周面の全体に連続する部分であってもよく、筒状部分41の内周面において間欠的に設けられてもよい。段差部分47が間欠的に設けられる場合において、段差部分47の数は任意である。このようなケースにおいて、段差部分47は放熱部材によって構成されてもよい。
【0085】
例えば、
図15(A)に示すように、長手方向Aに対する直交断面において、チャンバ40Cを区画する第1部分41Aの内周面は、第2端部41Yに近づくに従って狭まっていてもよい。このようなケースにおいて、第1部分41Aの内周面のうち、香味発生物品110と接触する部分が当接部として機能する。ここで、第1部分41Aの内周面に加えて、第2部分41Bの内周面も、第2端部41Yに近づくに従って狭まっていてもよい。このような構成によれば、
図15(B)に示すように、第1チャネル43から第3チャネル45に至るチャネルは、傾斜チャネル又は湾曲チャネルを含む。傾斜チャネル又は湾曲
チャネルは、第1チャネル43の一部であると考えてもよく、第3チャネル45の一部であると考えてもよい。傾斜チャネル又は湾曲チャネルを通る空気流100Dが生じるため、第1チャネル43から第2チャネル44に向けて空気がスムーズに流れる。
【0086】
例えば、
図16に示すように、容器40の底面42は、チャンバ40Cの内側に張り出す形状を有しいてもよい。このようなケースにおいて、底面4のうち、香味発生物品110と接触する部分が当接部として機能する。このような底面42の形状は、上述したリブ41Rと同様の機能を果たす。
【0087】
(変更例5)
以下において、実施形態の変更例5について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0088】
変更例5では、ヒータ50のバリエーションについて説明する。変更例5では、
図17に示すように、容器40が2つの第1チャネル43を有するケースについて説明する。
図17において、A1及びA2は、第1部分41Aの外周面を表す符号であり、B1及びB2は、2部分41Bの外周面を表す符号である。以下に示す
図18~
図20において、第1部分41Aの外周面に配置されるヒータ50の部分にA1及びA2の符号が付しており、2部分41Bの外周面に配置されるヒータ50の部分にB1及びB2の符号が付している。つまり、組立て後のヒータアッセンブリ30においては、
図18中の符号A1,A2,B1,B2が付された領域が、
図17中の同じ符号が付された領域と対向することになる。このことは
図19及び
図20に示す例についても同様である。
【0089】
例えば、
図18に示すように、ヒータ50の加熱要素52は、2つの加熱部分に分かれていてもよい。2つの加熱部分は、第1部分41Aの外周面に沿って配置され、他の部分は、2部分41Bの外周面に配置される。リード線53は、ヒータ50の一端に設けられてもよい。
【0090】
例えば、
図19に示すように、ヒータ50の加熱要素52は、2つの加熱部分に分かれていてもよい。2つの加熱部分は、第1部分41Aの外周面に沿って配置され、他の部分は、2部分41Bの外周面に配置される。リード線53は、2つの加熱部分を接続する部分に設けられてもよい。
【0091】
例えば、
図20に示すように、ヒータ50の加熱要素52は、2つの加熱部分に分かれていなくてもよい。ヒータ50は、2つの加熱部分は、第1部分41Aの外周面に沿って配置され、他の部分は、2部分41Bの外周面に配置される。リード線53は、2つの加熱部分を接続する部分に設けられてもよい。
【0092】
(変更例6)
以下において、実施形態の変更例6について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0093】
実施形態では、制御回路20は、バッテリ10とヒータアッセンブリ30との間に配置される。これに対して、変更例6では、制御回路20は、
図21に示すように、ヒータアッセンブリ30の下方に設けられる。
【0094】
変更例6では、実施形態と同様に、チャンバ40Cに隣接するように第1チャネル43を配置することによって、長手方向Aにおいてヒータアッセンブリ30の下方に連通するチャネルを設ける必要がなく、ヒータアッセンブリ30の底面を閉鎖する構造を採用することができる。従って、ヒータアッセンブリ30の下方に制御回路20を配置することが
でき、ヒータアッセンブリ30の下方のデッドスペースを有効に利用することができる。
【0095】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0096】
実施形態では、センサ60は底板部分42に設けられる。このようなケースにおいて、センサ60は、底板部分42の内面に設けられてもよく、底板部分42の外面に設けられてもよい。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。センサ60は、第1チャネル43に隣接する位置に設けられてもよい。このようなケースにおいて、センサ60は、第2部分41Bの外周面又は内周面に設けられてもよく、チャネル形成部材46の外周面又は内周面に設けられてもよい。このような構成によれば、センサ60が加熱要素52から離間するため、ヒータ50から生じる熱の過度な影響をセンサ60が受けず、従って、パフ動作の検知にセンサ60が用いられるケースなどにおいて、センサ60が温度変化を検出する精度を向上することができる。
【0097】
実施形態では、容器40が1つの第1チャネル43を有するケースを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。容器40は、2以上の第1チャネル43を有してもよい。このようなケースにおいて、2以上の第1チャネル43は、筒状部分41の周面において均等に配置されてもよい。
【0098】
(追加変更例1)
以下において、実施形態の追加変更例1について説明する。追加変更例1において、例えば
図2に示した容器40は、筒状部分41の内周面の少なくとも一部に形成された、筒状容器41の外周面よりも熱放射率の高い領域を有している。
【0099】
熱放射率の高い領域は、筒状部材41の内周面を黒色化することによって形成されてもよい。具体的には、筒状部材41の内周面にカーボン顔料を塗ったり、グラファイトフィルムを貼ったりして黒色層を設けてもよい。なお、黒色層を形成する材料は、特に限定されないが、カーボン、セラミック、シリコン、ガラス等の熱放射率および熱伝導率がともに高い材料を用いることが好ましい。
【0100】
また、熱放射率の高い領域は、筒状部材41の内周面を黒色化することに限定されず、筒状部材41の内周面を酸化腐食させて粗くしたり、機械的に粗くしたり、筒状部材41の内周面に酸化膜を形成したりしてもよい。
【0101】
これにより、筒状部分41の内周面の熱放射率を、筒状部分41の内周面を形成するアルミニウムやステンレス(SUS)と比べて大幅に高めることができる。そのため、熱放射による香味発生物品110の加熱を増強することができる。
【0102】
なお、熱放射率の高い領域は、筒状部材41の内周面全体に設けられてもよいし、例えば
図3に示した第2部分41Bを除いて、第1部分41Aのみに設けられてもよい。
【0103】
(追加変更例2)
以下において、
図22を参照して、実施形態の追加変更例2について説明する。追加変更例2において、例えば
図22に示した第1部分41Aは、容器40内に香味発生物品が収容されたときに、当該物品を第1部分41Aと第2部分41Bの配列方向において少なくとも部分的に圧縮するように構成されることができる。第1部分41Aと第2部分41Bの配列方向を、以下では単に「配列方向」と称することがある。
図23は、
図22中の
容器40の開口OPを長手方向Aに見た上面図であり、
図24は、
図22中の点SCにおける容器40の横断面図である。
図24に示した第1部分41Aの内周は、容器40内に香味発生物品が収容されたときに、当該物品を上記の配列方向(
図24中の上下方向)において圧縮するように構成されることができる。特に、
図24に示した第1部分41Aの内周は、喫煙物品の外周に接触可能な曲線部分41A3と、曲線部分41A3の両端部41A4,41A4から第2部分41Bの張り出し方向の頂部41B3に向かって延在する一対の直線部分41A5,41A5と、を有している。本例の曲線部分41A3は、上記の配列方向と交差する長軸を有する楕円の一部によって形成されることができる。
【0104】
図25は、
図24中の容器40内に収容された略円柱形状の香味発生物品110を示す横断面図である。
図25のように、香味発生物品110は、第1部分41Aの直線部分41A5,41A5及びそれらの近傍の曲線部分41A3によって径方向内向き(図中の斜め下向き)に押圧される。その結果、香味発生物品110の外面は、第1部分41Aの内面に密着することになる。容器40の第1部分41Aは、各種ヒータによって直接加熱されるので、その内面に香味発生物品110を密着させることで、香味発生物品110の加熱効率を向上させることができる。
図25中の破線は、容器40内に収容されて圧縮される前の状態の香味発生物品110の外周を比較のために示している。
【0105】
さらに、
図25の例では、第1部分41Aの一対の直線部分41A5,41A5及びそれらの近傍の曲線部分41A3が、香味発生物品110の外面を図中の矢印の方向に(斜め下向きに)押圧するので、第2部分41Bの内部空間に香味発生物品110が入り込むのを抑制することができる。容器40が香味吸引器に組み込まれたときに、第2部分41Bの内部空間は、空気流路として機能する第1チャネル43(
図2参照)を形成しうるので、そこに香味発生物品110が入り込むのを抑制することで、香味吸引器における空気流路の通気抵抗が増大するのを防止することができる。なお、本例の容器40は、香味発生物品を上述したように圧縮可能な横断面を、長手方向の全体にわたって有してもよいし、長手方向の一部のみに有してもよい。
図25中の容器40は、その上下端部を除く長手方向の大部分において上述した横断面を有している。
【0106】
図22及び
図23を参照すると、本例の容器40は、第1部分41Aと開口OPとの間に位置する中空の上縁部UEをさらに有している。
図23の例では、容器40の開口OPは、香味発生物品110の外周と略同じか又はそれよりも幾分大きい内周を有しており、上縁部UEの内周は、開口OPから第1部分41Aに向かって徐々に小さくなっている。つまり、容器40の上縁部UEの内周面は、開口OPから挿入された香味発生物品を第1部分41Aに向かってガイドする役割を果たしている。
【0107】
続いて、容器40の横断面形状の別の例について説明する。例えば
図3に示した第1部分41Aは、長手方向の異なる位置において異なる横断面形状を有してもよい。それら異なる横断面形状が
図26及び
図27に例示されている。
図26に示した第1部分41Aの内周は、円の一部によって形成されている。他方、
図27に示した第1部分41Aの内周は、上記の配列方向と交差する長軸を有する楕円の一部によって形成されている。前述した
図25の例とは異なり、
図27に示した第1部分41Aの内周は一対の直線部分を有さないものの、
図25の例と同じく、香味発生物品を上記の配列方向(
図24中の上下方向)に圧縮することができる。容器40は、第1部分41Aの横断面が
図26に示す形状から
図27に示す形状へと連続的に変化するように構成されることができる。
【0108】
なお、第1部分41Aの横断面の面積は、長手方向の位置によらず均一であってもよいし、長手方向の位置に応じて変化してもよい。例えば、第1部分41Aが長手方向の異なる位置で
図26及び
図27の横断面を有する場合、
図27中の第1部分41Aの断面積は、
図26中の第1部分41Aの断面積よりも小さくされることができる。ここでいう第1
部分41Aの断面積とは、第1部分41Aの内周と重なる仮想的な円又は楕円の面積を意味している。このように楕円で形成される第1部分41Aの断面積を相対的に小さくすることによって、香味発生物品を強く圧縮することができ、結果的に、香味発生物品の外周を第1部分41Aの内周に強く密着させることができる。一般的に、香味発生物品110は、先端側にたばこ原料を含むたばこ部が配置され、根元側にフィルタを含む紙管部が配置される。ここで、たばこ部は外部から働く力によって変形しやすいが、紙管部は変形しにくい。そこで、たばこ部に対して
図27のような楕円形の内周を配置し、紙管部に対して
図26のような円形の内周を配置させることが好ましい。
【0109】
(追加変更例3)
以下において、実施形態の追加変更例3について説明する。追加変更例3において、第2部分41Bによって形成された第1チャネル43は、ヒータアッセンブリ及びそれが組み込まれた香味吸引器の外部から、第1部分41Aによって形成された第2チャネル44に向かう空気流路を形成することができる(
図2及び
図3等を参照)。そして、本例のヒータアッセンブリ及びそれが組み込まれた香味吸引器は、第1チャネル43の逆方向の流体流れを阻害する阻害部材を備えることができる。例えば
図3に示したヒータアッセンブリの容器40は、上記の阻害部材として、第2部分41Bに形成された、第1チャネルの一部を塞ぐ隔壁49を備えることができる。
【0110】
図28および
図29は、追加変更例3に係る隔壁49を説明するための図である。
図28および
図29において、隔壁49は、プラスチック製、ゴム製等の板状部材である。また、隔壁49は、第2部分41Bの長手方向に沿って1箇所に設けられてもよいし、複数箇所に設けられてもよい。また、隔壁49は、
図30に示すように、底板部分42に向けて、取り付け位置から傾斜して設けられてもよい。
【0111】
なお、隔壁49は、第1チャネル43において、第1端部40Xから第2端部40Yに向かう順方向の空気の流れを許容しつつ、第2端部40Yから第1端部40Xに向かう逆方向の熱蒸気流を阻害する形状を有していれば、どのような形状であってもよい。
【0112】
これにより、第2端部40Yから第1端部40Xに向けて熱蒸気が逆流してきた場合に、熱蒸気流が隔壁49に衝突して減速し、凝縮が促されることで、熱蒸気の温度を低下させることができる。
【0113】
なお、少なくとも1つの隔壁49は、第1端部40Xの近傍に設けられることが好ましい。また、隔壁49は、
図11に示したチャネル形成部材46に設けられもよい。
【0114】
続いて、阻害部材の別の例について説明する。ヒータアッセンブリ及びそれが組み込まれた香味吸引器は、容器40から離間した位置に阻害部材を有していてもよい。
図31は、本例の阻害部材を備えた香味吸引器100を示す図である。
図31中の香味吸引器100には、ヒータアッセンブリ30の一部として
図31中の容器40が組み込まれている。
図31中の香味吸引器100は、容器40の開口OPを覆うための可動式の蓋部材LDを備えている。蓋部材LDは、香味吸引器100の非使用時に容器40の開口OPを覆う閉位置(第2位置)と、香味吸引器100の使用時に容器40の開口OPを少なくとも部分的に露出させる開位置(第1位置)と、の間で移動可能である。
図31中の蓋部材LDは、閉位置に在る。
【0115】
図32は、蓋部材LDが開位置に在るときの香味吸引器100を示す図である。蓋部材LDが開位置に在るときに、使用者は、香味発生物品110を開口OPから容器40内に挿入することができる。本例では、開位置に在る蓋部材LDに上記の阻害部材の機能を持たせることができる。具体的には、蓋部材LDを、それが開位置に在るときにも容器40
の開口OPの一部を覆うように構成することによって、蓋部材LDに阻害部材の機能を持たせることができる。このようにして構成された蓋部材LDは、
図28及び
図29等に示した隔壁49と同じく、第1チャネル43の順方向の空気流を許容しつつ、逆方向の熱蒸気流を阻害することができる。香味吸引器100は、蓋部材LDと隔壁49の両方を備えていてもよい。
【0116】
また、前述した阻害部材に代えて、例えば
図3に示した第2部分41Bに、第1チャネルにおける空気の逆流を妨げる逆流防止機構が設けられてもよい。逆流防止機構は、隔壁49が設けられる箇所と同じ箇所に、第1チャネルの全体を塞ぐように設けられてもよい。また、逆流防止機構は、例えば柔軟な材料によって形成され、第1端部40Xから第2端部40Yに向かう順方向の空気の流れを通すとともに、第2端部40Yから第1端部40Xに向かう逆方向の熱蒸気流を遮断する。また、逆流防止機構が、
図11に示したチャネル形成部材46に設けられる場合には、公知の逆止弁を用いてもよい。
【0117】
(追加変更例4)
以下において、実施形態の追加変更例4について説明する。追加変更例4において、例えば
図2に示した容器40の筒状部材41および底板部分42は、断熱部材70によって覆われている。
【0118】
図33は、追加変更例4に係る断熱部材70を説明するための図である。
図33において、断熱部材70は、筒状部材41を覆う第1断熱部材71と、底板部分42を覆う第2断熱部材72とを有していてもよい。第1断熱部材71および第2断熱部材72は、真空断熱材や、エアロゲル、シリコン等を断熱材料とする断熱部材である。
【0119】
また、断熱部材70は、筒状部材41を覆う第1断熱部材71と、底板部分42を覆う第2断熱部材72とが継ぎ目なく連続した一体の断熱部材であってもよい。例えば、断熱部材70は、筒状部材41および底板部分42を覆う真空断熱容器のような断熱部材であってもよい。
【0120】
これにより、容器40の底板部分42が断熱部材70によって覆われているので、容器40の底面から回り込んで制御回路20やバッテリ10に熱が到達することを防止することができる。
【0121】
また、断熱部材70が第1断熱部材71および第2断熱部材72から構成される場合には、筒状部材41の外周面に配置されたヒータ50のリード線部分53を、第1断熱部材71と第2断熱部材72との間に通すことができる。
【0122】
なお、第1断熱部材71および第2断熱部材72は、同一の熱伝導率を有する材料からなる断熱部材であってもよいし、互いに異なる熱伝導率を有する材料からなる断熱部材であってもよい。すなわち、第1断熱部材71と第2断熱部材72との断熱性能は、同じであってもよいし、一方がより高い断熱性能を有していてもよい。筒状部材41の外周面にヒータ50が配置される態様では、第1断熱部材71の断熱性能を強化することが好ましい。そのため、第2断熱部材72の断熱性能は、第1断熱部材71の断熱性能より低くてもよい。
【0123】
(追加変更例5)
以下において、実施形態の追加変更例5について説明する。追加変更例5において、例えば
図2に示したヒータ50およびセンサ60は、図示しない熱収縮チューブによって覆われている。
【0124】
すなわち、上述した実施形態では、ヒータ50の外側のみに熱収縮チューブが設置されていたところ、追加変更例5では、容器40の筒状部材41および底板部分42を覆うように熱収縮チューブが設置される。
【0125】
これにより、パフ動作を検出するセンサ60が容器40の底板部分42に設けられる場合に、ヒータ50とセンサ60とを一緒に固定することができる。
【0126】
(追加変更例6)
以下において、実施形態の追加変更例6について説明する。追加変更例6において、例えば
図2に示した筒状部材41とヒータ50との間には、筒状部材41よりも熱伝導率の高い膜が設けられている。
【0127】
熱伝導率の高い材料からなる膜は、筒状部分41を形成するアルミニウムやステンレス(SUS)よりも高い熱伝導率を有する銅やその他の金属からなる膜である。
【0128】
これにより、ヒータ50のパターン部分で発生した熱を、熱伝導率の高い材料からなる膜で均等化することができ、香味発生物品110の外面を均等に加熱することができる。そのため、香味発生物品110に含まれる香味を発生しうる成分の消費が均等化されるとともに、喫味も均一化される。さらに、香味発生物品110が局所的に加熱されることが防止され、その箇所だけエアロゾル源が枯渇することも防止される。
【0129】
(追加変更例7)
以下において、実施形態の追加変更例7について説明する。追加変更例7において、例えば
図2に示した容器40は、底板部分42に設けられ、香味発生物品110がチャンバ40Cに収容されたときに香味発生物品110の先端部に当接する台座80を有している。
【0130】
図34は、追加変更例7に係る台座80を説明するための図である。
図34において、台座80は、第2部分41Bと同心円状に形成された円柱形状を有していてもよい。また、台座80は、台座80の周りに、第1チャネル43および第2チャネル44と連通する環状の隙間を形成する。すなわち、この環状の隙間は、空気流100Cの流路である第3チャネル45に相当する。
【0131】
これにより、第1チャネル43を流れる空気が、台座80によって形成された環状の隙間で旋回し、香味発生物品110の先端部に当接する台座80を除く部分から、香味発生物品110に均一に流入する。そのため、香味発生物品110に含まれる基材の消費が均等化されるとともに、喫味も均一化される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引器に使用され、香味発生物品を収容する容器であって、
底板部分と、
前記容器に前記香味発生物品が収容されたときに前記香味発生物品の外周面を押圧する第1部分を含む筒状部分と、を有し、
前記香味発生物品を収容しているとき、前記香味発生物品の外周面の少なくとも一部と前記容器の前記筒状部分の内周面の少なくとも一部との間に第1チャネルが形成され、
前記香味発生物品を収容しているとき、前記香味発生物品の先端部と前記底板部分との間に第3チャネルが形成され、
前記第1チャネルは、前記第3チャネルを介して前記香味発生物品内を通る第2チャネルと連通して、前記第2チャネルには、前記第1チャネルを通過した空気のみが供給され、
前記底板部分は、前記筒状部分の端部を塞ぐように構成される、容器。
【請求項2】
請求項1に記載された容器において、
前記筒状部分は、長手方向に対する直交断面において前記第1部分と第2部分とを有し、
前記第2部分は、前記容器に前記香味発生物品が収容されたときに前記香味発生物品の外周面から離間する、容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された容器において、
パフ動作による温度変化を検出するように構成される温度センサを有する、容器。
【請求項4】
請求項3に記載された容器において、
前記温度センサは、前記第1チャネルを空気が流れることによって生じる温度変化によってパフ動作を検出するように構成される、容器。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された容器において、
前記温度センサは、前記容器を含むヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いられる、容器。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一項に記載された容器において、
前記温度センサは、制御回路による前記香味発生物品の加熱制御に用いられる、容器。
【請求項7】
請求項6に記載された容器において、
前記制御回路は、前記温度センサによって測定した吸引器内の温度が一定値を超過した場合に電力供給を停止するように構成される、容器。
【請求項8】
請求項3から7のいずれか一項に記載された容器において、
前記温度センサは、熱収縮チューブによって覆われる、容器。
【請求項9】
香味発生物品を収容する容器を備える吸引器と、前記香味発生物品と、を有する吸引器システムであって、
前記容器は、底板部分と、前記容器に前記香味発生物品が収容されたときに前記香味発生物品の外周面を押圧する第1部分を含む筒状部分と、を有し、
前記容器が前記香味発生物品を収容しているとき、前記香味発生物品の外周面の少なくとも一部と前記容器の前記筒状部分の内周面の少なくとも一部との間に第1チャネルが形成され、
前記容器が前記香味発生物品を収容しているとき、前記香味発生物品の先端部と前記底板部分との間に第3チャネルが形成され、
前記第1チャネルは、前記第3チャネルを介して前記香味発生物品内を通る第2チャネルと連通して、前記第2チャネルには、前記第1チャネルを通過した空気のみが供給され、
前記底板部分は、前記筒状部分の端部を塞ぐように構成される、吸引器システム。
【請求項10】
請求項9に記載された吸引器システムにおいて、
前記筒状部分は、長手方向に対する直交断面において前記第1部分と第2部分とを有し、
前記第2部分は、前記容器に前記香味発生物品が収容されたときに前記香味発生物品の外周面から離間する、吸引器システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載された吸引器システムにおいて、
前記吸引器は、パフ動作による温度変化を検出するように構成される温度センサを有する、吸引器システム。
【請求項12】
請求項11に記載された吸引器システムにおいて、
前記温度センサは、前記第1チャネルを空気が流れることによって生じる温度変化によってパフ動作を検出するように構成される、吸引器システム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載された吸引器システムにおいて、
前記吸引器は、前記容器を含むヒータアッセンブリを有し、
前記温度センサは、前記ヒータアッセンブリ内で生じた温度変化の検出に用いられる、吸引器システム。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載された吸引器システムにおいて、
前記吸引器は、制御回路を有し、
前記温度センサは、前記制御回路による前記香味発生物品の加熱制御に用いられる、吸引器システム。
【請求項15】
請求項14に記載された吸引器システムにおいて、
前記制御回路は、前記温度センサによって測定した吸引器内の温度が一定値を超過した場合に電力供給を停止するように構成される、吸引器システム。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか一項に記載された吸引器システムにおいて、
前記温度センサは、熱収縮チューブによって覆われる、吸引器システム。
【請求項17】
請求項9に記載された吸引器システムにおいて、
前記容器を含むヒータアッセンブリと、
制御回路と、を有する吸引器システム。
【請求項18】
請求項17に記載された吸引器システムにおいて、
前記香味発生物品の加熱を開始するための押しボタンを有する、吸引器システム。
【請求項19】
請求項17に記載された吸引器システムにおいて、
前記制御回路は、パフ動作の回数が一定値を超過したとき、前記香味発生物品の加熱を終了するように前記ヒータアッセンブリを制御する、吸引器システム。
【請求項20】
請求項17に記載された吸引器システムにおいて、
前記制御回路は、加熱を開始して一定時間が経過したとき、前記香味発生物品の加熱を終了するように前記ヒータアッセンブリを制御する、吸引器システム。