(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084832
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】放射線療法システム及びその安全インターロック制御方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A61N5/10 S
A61N5/10 H
A61N5/10 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061838
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2023504245の分割
【原出願日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】202010701450.9
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010701469.3
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520417207
【氏名又は名称】中硼(厦▲門▼)医▲療▼器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】Neuboron Therapy System Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2060 Wengjiao West Road, Haicang District Xiamen, Fujian Provance, 361026 P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】黄永▲銀▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲韋▼霖
(57)【要約】 (修正有)
【課題】安全性を向上させることができる放射線療法システム及びその安全インターロック制御方法を提供する。
【解決手段】放射線療法システム100は、システム制御モジュール30、ビーム制御モジュール20、ビーム生成装置10及び照射室101を含み、ビーム生成装置は、治療用中性子ビームを生成して照射室内に照射し、制御方法は、ビーム制御モジュールが、受信した荷電粒子ビーム生成装置の動作データに基づいて、或いはシステム制御モジュールが、受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、安全問題があるか否かを判定するステップと、ビーム制御モジュールが、或いはシステム制御モジュールがビーム制御モジュールにより、荷電粒子ビーム生成装置が荷電粒子ビームを生成するか否か、又は中性子ビーム生成部と作用するか否かを制御するステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線療法システムであって、
第1の照射室と、
荷電粒子ビーム生成装置及び第1の中性子ビーム生成部を含み、前記荷電粒子ビーム生
成装置が生成した荷電粒子ビームが前記第1の中性子ビーム生成部と作用して治療用中性
子ビームを生成して前記第1の照射室内に照射するビーム生成装置と、
前記荷電粒子ビームを生成するように前記荷電粒子ビーム生成装置を制御し、前記荷電
粒子ビーム生成装置の動作データを受信するビーム制御モジュールと、
前記ビーム制御モジュールにより、前記荷電粒子ビームを生成するように前記荷電粒子
ビーム生成装置を制御し、前記荷電粒子ビーム生成装置の動作データを含む前記放射線療
法システムの動作データを受信するシステム制御モジュールとを含み、
前記ビーム制御モジュールは、受信した前記荷電粒子ビーム生成装置の動作データに基
づいて、安全問題があるか否かを判定し、或いは前記システム制御モジュールは、受信し
た前記放射線療法システムの動作データに基づいて、安全問題があるか否かを判定するこ
とを特徴とする、放射線療法システム。
【請求項2】
前記荷電粒子ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム生成部と、ビーム方向切替アセンブリ
を含むビーム輸送部とを含み、前記荷電粒子ビーム生成部は、前記荷電粒子ビームを生成
し、前記ビーム方向切替アセンブリにより、選択的に前記第1の中性子ビーム生成部と作
用して治療用中性子ビームを生成して前記第1の照射室内に照射することを特徴とする、
請求項1に記載の放射線療法システム。
【請求項3】
前記ビーム生成装置が前記中性子ビームを前記第1の照射室に照射し、前記ビーム制御
モジュール又は前記システム制御モジュールが前記第1の照射室への照射に安全問題があ
ると決定する場合、前記ビーム制御モジュールは、或いは前記システム制御モジュールは
前記ビーム制御モジュールにより、前記中性子ビームを前記第1の照射室から切り離すよ
うに前記ビーム方向切替アセンブリを制御することができることを特徴とする、請求項2
に記載の放射線療法システム。
【請求項4】
前記荷電粒子ビーム生成装置の動作データは、前記荷電粒子ビーム生成部の動作データ
又は前記ビーム輸送部の動作データを含み、前記ビーム輸送部の動作データは、前記ビー
ム方向切替アセンブリの動作データを含むことを特徴とする、請求項2に記載の放射線療
法システム。
【請求項5】
前記荷電粒子ビーム生成部は、イオン源、加速器及び加速器補助装置を含み、前記荷電
粒子ビーム生成部の動作データは、前記イオン源の動作データ、又は前記加速器の動作デ
ータ、又は前記加速器補助装置の動作データ、又は前記イオン源、前記加速器及び前記加
速器補助装置の全ての故障信号データを含むことを特徴とする、請求項2に記載の放射線
療法システム。
【請求項6】
前記放射線療法システムは、前記荷電粒子ビーム生成部を収容する荷電粒子ビーム生成
室と、前記ビーム方向切替アセンブリを収容するビーム輸送室と、前記荷電粒子ビーム生
成室の遮蔽ドアと、前記ビーム輸送室の遮蔽ドアとをさらに含み、前記放射線療法システ
ムの動作データは、前記荷電粒子ビーム生成室の遮蔽ドアの動作データ又は前記ビーム輸
送室の遮蔽ドアの動作データをさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の放射線療
法システム。
【請求項7】
前記荷電粒子ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム監視アセンブリを含み、前記荷電粒子
ビーム生成装置の動作データは、前記荷電粒子ビーム監視アセンブリの動作データを含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の放射線療法システム。
【請求項8】
前記ビーム生成装置は、中性子ビーム監視アセンブリをさらに含み、前記放射線療法シ
ステムの動作データは、前記中性子ビーム監視アセンブリの動作データ又は前記第1の中
性子ビーム生成部の動作データをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の放射線
療法システム。
【請求項9】
前記放射線療法システムは、前記第1の照射室の遮蔽ドアと、前記第1の照射室に設置
された放射線監視アセンブリとを含み、前記放射線療法システムの動作データは、前記第
1の照射室の遮蔽ドアの動作データ又は前記放射線監視アセンブリの動作データをさらに
含むことを特徴とする、請求項1に記載の放射線療法システム。
【請求項10】
前記放射線療法システムは、患者状態監視アセンブリ又は活動監視アセンブリをさらに
含み、前記放射線療法システムの動作データは、前記患者状態監視アセンブリの動作デー
タ又は前記活動監視アセンブリの動作データをさらに含むことを特徴とする、請求項1に
記載の放射線療法システム。
【請求項11】
前記放射線療法システムは、治療計画モジュールをさらに含み、前記放射線療法システ
ムの動作データは、前記システム制御モジュールが前記治療計画モジュールから呼び出し
た治療計画データをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の放射線療法システム
。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の放射線療法システムの安全インターロック制御
方法であって、
前記ビーム生成装置が治療用中性子ビームを生成して前記第1の照射室内への照射を開
始する前に、前記ビーム制御モジュールが、受信した前記荷電粒子ビーム生成装置の動作
データに基づいて、或いは前記システム制御モジュールが、受信した前記放射線療法シス
テムの動作データに基づいて、開始直前の前記第1の照射室への照射に安全問題があると
決定する場合、前記ビーム制御モジュールは、或いは前記システム制御モジュールは前記
ビーム制御モジュールにより、前記荷電粒子ビームの生成を禁止するように前記荷電粒子
ビーム生成装置を制御するステップ、又は
前記ビーム生成装置が治療用中性子ビームを生成して前記第1の照射室内に照射する時
、前記ビーム制御モジュールが、受信した前記荷電粒子ビーム生成装置の動作データに基
づいて、或いは前記システム制御モジュールが、受信した前記放射線療法システムの動作
データに基づいて、前記第1の照射室への照射に安全問題があると決定する場合、前記ビ
ーム制御モジュールは、或いは前記システム制御モジュールは前記ビーム制御モジュール
により、前記荷電粒子ビームの生成を停止するように前記荷電粒子ビーム生成装置を制御
するか、又は前記第1の中性子ビーム生成部との作用を停止するように前記荷電粒子ビー
ム生成装置が生成した前記荷電粒子ビームを制御するステップを含むことを特徴とする、
安全インターロック制御方法。
【請求項13】
前記荷電粒子ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム生成部と、ビーム方向切替アセンブリ
を含むビーム輸送部とを含み、前記荷電粒子ビーム生成部は、前記荷電粒子ビームを生成
し、前記ビーム方向切替アセンブリにより、選択的に前記第1の中性子ビーム生成部と作
用して治療用中性子ビームを生成して前記第1の照射室内に照射し、前記ビーム制御モジ
ュールが、或いは前記システム制御モジュールが前記ビーム制御モジュールにより、前記
第1の中性子ビーム生成部との作用を停止するように前記荷電粒子ビーム生成装置が生成
した前記荷電粒子ビームを制御するステップは、前記ビーム制御モジュールが、或いは前
記システム制御モジュールが前記ビーム制御モジュールにより、前記中性子ビームを前記
第1の照射室から切り離すように前記ビーム方向切替アセンブリを制御するステップを含
むことを特徴とする、請求項12に記載の安全インターロック制御方法。
【請求項14】
前記放射線療法システムは、第2の照射室をさらに含み、前記ビーム制御モジュールが
、又は前記システム制御モジュールが前記ビーム制御モジュールにより、前記中性子ビー
ムを前記第1の照射室から切り離すように前記ビーム方向切替アセンブリを制御するステ
ップの前に、
前記ビーム制御モジュール又は前記システム制御モジュールが、受信した前記放射線療
法システムの動作データに基づいて、前記第2の照射室に安全問題がないと決定するステ
ップとをさらに含み、
前記ビーム制御モジュールが、或いは前記システム制御モジュールが前記ビーム制御モ
ジュールにより、前記中性子ビームを前記第1の照射室から切り離すように前記ビーム方
向切替アセンブリを制御するステップは、
前記ビーム制御モジュールが、或いは前記システム制御モジュールが前記ビーム制御モ
ジュールにより、前記中性子ビームを前記第1の照射室から前記第2の照射室に切り替え
るように前記ビーム方向切替アセンブリを制御するステップを含むことを特徴とする、請
求項13に記載の安全インターロック制御方法。
【請求項15】
前記放射線療法システムは、ビーム収集装置をさらに含み、前記ビーム制御モジュール
が、或いは前記システム制御モジュールが前記ビーム制御モジュールにより、前記中性子
ビームを前記第1の照射室から切り離すように前記ビーム方向切替アセンブリを制御する
ステップは、
前記ビーム制御モジュールが、或いは前記システム制御モジュールが前記ビーム制御モ
ジュールにより、前記中性子ビームを前記第1の照射室から前記ビーム収集装置に切り替
えるように前記ビーム方向切替アセンブリを制御するステップを含むことを特徴とする、
請求項13に記載の安全インターロック制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線療法の技術分野に関し、具体的には、放射線療法システム及びその安
全インターロック制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の放射線療法施設は、陽子線療法施設、炭素イオン療法施設、ホウ素中性子療法施
設などを含み、多くの放射線療法施設は、照射室の遮蔽ドア又は放射線監視アセンブリを
利用して安全インターロック機構を構築し、すなわち、治療している照射室の遮蔽ドアが
閉鎖しないか、又は放射線監視値が限界を超えると、治療用ビーム生成装置は、直ちに自
動的に停止することにより、人員の安全を確保する。このような設計は、一定の保護作用
を果たすことができるが、依然として、いくつかの深刻な欠点がある。例えば、安全イン
ターロックに関与する要素が単一である。しかしながら、現実にビーム生成装置(例えば
、加速器、加速器補助装置、ターゲット)の状態なども治療過程に影響を与え、治療過程
において、これらの装置又はアセンブリに異常が発生すると、治療結果に直接的に影響を
与え、又は人員、装置に損傷を与える。同時に、治療中に緊急イベントが発生し、例えば
、患者に異常が発生すると、タイムリーに照射室に入って処理する必要がある場合、まず
ビーム生成装置を停止させ、次にドアを開いて処理室に入って処理する必要があり、ビー
ム生成装置を完全に停止させない前に照射室に入ると、イベント処理人員が放射線に暴露
されることを引き起こす。また、ビーム生成装置を停止させることは時間を必要とするた
め、緊急事態の処理を遅延させ、ビーム生成装置を強制的に停止させることもこれらの治
療施設の耐用年数に悪影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、本発明の実施例は、放射線療法システム及びその安全インターロック制
御方法を提供し、放射線療法システムの安全性を向上させることができる。
【0004】
本発明の実施例の第1の態様によれば、照射室と、荷電粒子ビーム生成装置及び中性子
ビーム生成部を含み、荷電粒子ビーム生成装置が生成した荷電粒子ビームが中性子ビーム
生成部と作用して治療用中性子ビームを生成して照射室内に照射するビーム生成装置と、
荷電粒子ビームを生成するように荷電粒子ビーム生成装置を制御し、荷電粒子ビーム生成
装置の動作データを受信するビーム制御モジュールと、ビーム制御モジュールにより、荷
電粒子ビームを生成するように荷電粒子ビーム生成装置を制御し、荷電粒子ビーム生成装
置の動作データを含む放射線療法システムの動作データを受信するシステム制御モジュー
ルとを含み、ビーム制御モジュールは、受信した荷電粒子ビーム生成装置の動作データに
基づいて、安全問題があるか否かを判定し、或いはシステム制御モジュールは、受信した
放射線療法システムの動作データに基づいて、安全問題があるか否かを判定する放射線療
法システムが提供される。
【0005】
本発明の1つの実施例において、荷電粒子ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム生成部と
、ビーム方向切替アセンブリを含むビーム輸送部とを含み、荷電粒子ビーム生成部は、荷
電粒子ビームを生成し、ビーム方向切替アセンブリにより、選択的に中性子ビーム生成部
と作用し、荷電粒子ビーム生成装置の動作データは、荷電粒子ビーム生成部の動作データ
又はビーム輸送部の動作データを含み、ビーム輸送部の動作データは、ビーム方向切替ア
センブリの動作データを含む。さらに、ビーム方向切替アセンブリの動作データは、ビー
ム方向切替アセンブリの状態データであってもよい。
【0006】
本発明の1つの実施例において、荷電粒子ビーム生成部は、イオン源、加速器及び加速
器補助装置を含み、荷電粒子ビーム生成部の動作データは、イオン源の動作データ、又は
加速器の動作データ、又は加速器補助装置の動作データ、又は上記イオン源、加速器及び
加速器補助装置の全ての故障信号データを含む。さらに、イオン源は、ガス供給装置、イ
オン化装置及び水冷装置を含んでもよく、イオン源の動作データは、供給ガスの圧力、イ
オン化装置の電流及び電圧、イオン源出口の粒子強度、水冷装置の冷却水温度、水流流量
及び水圧であってもよく、加速器は、前段加速装置、前後真空チャンバ及び高エネルギー
加速装置を含んでもよく、前段加速装置及び高エネルギー加速装置は、加速管路、バルブ
及び電磁石を含み、加速器の動作データは、加速管路におけるビーム強度及び絶縁ガス圧
力、電磁石の電流、前後真空チャンバの真空度であってもよく、加速器補助装置は、加速
器冷却水を供給する水冷装置、圧縮空気を供給する空圧装置、絶縁ガスを供給するガス供
給装置、及び真空環境を供給する真空ポンプを含んでもよく、加速器補助装置の動作デー
タは、空圧装置のガス圧力、水冷装置の冷却水温度、水流流量及び水圧、ガス供給装置の
絶縁ガス圧力であってもよい。
【0007】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、荷電粒子ビーム生成部を収容
する荷電粒子ビーム生成室と、ビーム方向切替アセンブリを収容するビーム輸送室と、荷
電粒子ビーム生成室の遮蔽ドア、ビーム輸送室の遮蔽ドアとをさらに含み、放射線療法シ
ステムの動作データは、荷電粒子ビーム生成室の遮蔽ドアの動作データ又はビーム輸送室
の遮蔽ドアの動作データをさらに含む。さらに、遮蔽ドアの動作データは、遮蔽ドアの開
放又は閉鎖の状態データ又は開放の信号データであってもよい。
【0008】
本発明の1つの実施例において、荷電粒子ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム監視アセ
ンブリを含み、荷電粒子ビーム生成装置の動作データは、荷電粒子ビーム監視アセンブリ
の動作データを含む。さらに、荷電粒子ビーム監視アセンブリの動作データは、荷電粒子
ビーム監視アセンブリの監視値であってもよい。
【0009】
本発明の1つの実施例において、ビーム生成装置は、中性子ビーム監視アセンブリをさ
らに含み、放射線療法システムの動作データは、中性子ビーム監視アセンブリの動作デー
タ又は中性子ビーム生成部の動作データをさらに含む。さらに、中性子ビーム監視アセン
ブリの動作データは、中性子ビーム監視アセンブリの監視値であってもよく、中性子ビー
ム生成部は、ターゲット、ビーム整形アセンブリ及びコリメータを含んでもよく、中性子
ビーム生成部の動作データは、ターゲットの耐用年数データ、又はターゲットの温度デー
タ、又はコリメータの型番データ、又はコリメータが不一致である信号データであっても
よい。
【0010】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、照射室の遮蔽ドアと、照射室
に設置された放射線監視アセンブリとを含み、放射線療法システムの動作データは、照射
室の遮蔽ドアの動作データ又は放射線監視アセンブリの動作データをさらに含む。さらに
、遮蔽ドアの動作データは、遮蔽ドアの開放又は閉鎖の状態データ又は開放の信号データ
であってもよく、放射線監視アセンブリの動作データは、放射線監視アセンブリの監視値
であってもよい。
【0011】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、患者状態監視アセンブリ又は
活動監視アセンブリをさらに含み、放射線療法システムの動作データは、患者状態監視ア
センブリの動作データ又は活動監視アセンブリの動作データをさらに含む。さらに、患者
状態監視アセンブリの動作データは、患者状態監視アセンブリの監視値又は患者異常の信
号データであってもよく、活動監視アセンブリの動作データは、活動監視アセンブリの監
視値又は活動異常の信号データであってもよい。
【0012】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、治療計画モジュールをさらに
含み、上記放射線療法システムの動作データは、上記システム制御モジュールが上記治療
計画モジュールから呼び出した治療計画データをさらに含む。
【0013】
本発明の1つの実施例において、照射室状態の信号がさらに設定されてもよく、放射線
療法システムの動作データは、照射室状態の信号データをさらに含む。
【0014】
本発明の実施例の第2の態様によれば、上記放射線療法システムの安全インターロック
制御方法が提供され、上記制御方法は、上記ビーム生成装置が治療用中性子ビームを生成
して上記照射室内への照射を開始する前に、上記ビーム制御モジュールが、受信した上記
荷電粒子ビーム生成装置の動作データに基づいて、或いは上記システム制御モジュールが
、受信した上記放射線療法システムの動作データに基づいて、開始直前の上記照射室への
照射に安全問題があると決定する場合、上記ビーム制御モジュールが、或いは上記システ
ム制御モジュールが上記ビーム制御モジュールにより、上記荷電粒子ビームの生成を禁止
するように上記荷電粒子ビーム生成装置を制御するステップ、又は、上記ビーム生成装置
が治療用中性子ビームを生成して上記照射室内に照射する時、上記ビーム制御モジュール
が、受信した上記荷電粒子ビーム生成装置の動作データに基づいて、或いは上記システム
制御モジュールが、受信した上記放射線療法システムの動作データに基づいて、上記照射
室への照射に安全問題があると決定する場合、上記ビーム制御モジュールが、或いは上記
システム制御モジュールが上記ビーム制御モジュールにより、上記荷電粒子ビームの生成
を停止するように上記荷電粒子ビーム生成装置を制御するか、又は上記中性子ビーム生成
部との作用を停止するように上記荷電粒子ビーム生成装置が生成した上記荷電粒子ビーム
を制御するステップを含む。
【0015】
本発明の実施例の第3の態様によれば、放射線療法システムの安全インターロック制御
方法が提供され、放射線療法システムは、システム制御モジュール、ビーム制御モジュー
ル、ビーム生成装置及び第1の照射室を含み、ビーム生成装置は、ビーム方向切替アセン
ブリを含み、ビーム生成装置は、ビームを生成し、ビーム方向切替アセンブリにより、選
択的に第1の照射室にビームを放出し、制御方法は、ビーム生成装置がビームを第1の照
射室に放出する場合、ビーム制御モジュール又はシステム制御モジュールが、受信した放
射線療法システムの動作データに基づいて、第1の照射室への照射に安全問題があると決
定するステップと、ビーム制御モジュールが、或いはシステム制御モジュールがビーム制
御モジュールにより、ビームを第1の照射室から切り離すようにビーム方向切替アセンブ
リを制御するステップとを含む。
【0016】
本発明の1つの実施例において、上記安全インターロック制御方法は、ビーム生成装置
がビームを第1の照射室に放出する前に、ビーム制御モジュール又はシステム制御モジュ
ールが、受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、開始直前の第1の照射室
への照射に安全問題があると決定する場合、ビーム制御モジュールが、或いはシステム制
御モジュールがビーム制御モジュールにより、ビームを第1の照射室に放出するようにビ
ーム生成装置を制御するステップをさらに含む。
【0017】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、第2の照射室をさらに含み、
ビーム制御モジュールが、或いはシステム制御モジュールがビーム制御モジュールにより
、ビームを第1の照射室から切り離すようにビーム方向切替アセンブリを制御するステッ
プの前に、上記安全インターロック制御方法は、ビーム制御モジュール又はシステム制御
モジュールが、受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、第2の照射室に安
全問題がないと決定するステップをさらに含み、ビーム制御モジュールが、或いはシステ
ム制御モジュールがビーム制御モジュールにより、ビームを第1の照射室から切り離すよ
うにビーム方向切替アセンブリを制御するステップは、ビーム制御モジュールが、或いは
システム制御モジュールがビーム制御モジュールにより、ビームを第1の照射室から第2
の照射室に切り替えるようにビーム方向切替アセンブリを制御するステップを含む。
【0018】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、ビーム収集装置をさらに含み
、ビーム制御モジュールが、或いはシステム制御モジュールがビーム制御モジュールによ
り、ビームを第1の照射室から切り離すようにビーム方向切替アセンブリを制御するステ
ップは、ビーム制御モジュールが、或いはシステム制御モジュールがビーム制御モジュー
ルにより、ビームを第1の照射室からビーム収集装置に切り替えるようにビーム方向切替
アセンブリを制御するステップを含む。
【0019】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、第1の照射室の遮蔽ドアと、
第1の照射室に設置された放射線監視アセンブリと、患者状態監視アセンブリと、活動監
視アセンブリとを含み、放射線療法システムの動作データは、第1の照射室の遮蔽ドアの
動作データ、又は放射線監視アセンブリの動作データ、又は患者状態監視アセンブリの動
作データ、又は活動監視アセンブリの動作データを含み、ビーム制御モジュール又はシス
テム制御モジュールが、受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、第1の照
射室への照射に安全問題があると決定するステップは、システム制御モジュールが、第1
の照射室の遮蔽ドアの開放の状態データ又は開放の信号データを受信する場合、第1の照
射室への照射に安全問題があると決定するステップ、又は、システム制御モジュールが受
信した放射線監視アセンブリの第1の監視値が第1の所定範囲を超える場合、第1の照射
室への照射に安全問題があると決定するステップ、又は、システム制御モジュールが受信
した患者状態監視アセンブリの第2の監視値が第2の所定範囲を超えるか、又は患者異常
の信号データを受信した場合、第1の照射室への照射に安全問題があると決定するステッ
プ、又は、システム制御モジュールが受信した活動監視アセンブリの第3の監視値が第3
の所定範囲を超えるか、又は活動異常の信号データを受信した場合、第1の照射室への照
射に安全問題があると決定するステップを含む。
【0020】
本発明の1つの実施例において、ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム生成部、第1の中
性子ビーム生成部及びビーム監視アセンブリをさらに含み、ビーム方向切替アセンブリは
、選択的に、荷電粒子ビーム生成部が生成した荷電粒子ビームを第1の中性子ビーム生成
部に輸送して中性子ビームを第1の照射室内に照射し、荷電粒子ビーム生成部は、イオン
源、加速器及び加速器補助装置を含み、放射線療法システムは、荷電粒子ビーム生成部を
収容する荷電粒子ビーム生成室と、ビーム方向切替アセンブリを収容するビーム輸送室と
、荷電粒子ビーム生成室の遮蔽ドアと、ビーム輸送室の遮蔽ドアとを含み、放射線療法シ
ステムの動作データは、イオン源の動作データ、又は加速器の動作データ、又は加速器補
助装置の動作データ、又はビーム監視アセンブリの動作データ、又は荷電粒子ビーム生成
室の遮蔽ドアの動作データ、又はビーム輸送室の遮蔽ドアの動作データ、又は第1の中性
子ビーム生成部の動作データ、又はビーム方向切替アセンブリの動作データを含み、ビー
ム制御モジュール又はシステム制御モジュールが、受信した放射線療法システムの動作デ
ータに基づいて、第1の照射室への照射に安全問題があると決定するステップは、ビーム
制御モジュール又はシステム制御モジュールが、受信したイオン源の動作データに基づい
て、異常であるか又はイオン源の動作データが第4の所定範囲を超えると判定する場合、
第1の照射室への照射に安全問題があると決定するステップ、又は、ビーム制御モジュー
ル又はシステム制御モジュールが、受信した加速器の動作データに基づいて、異常である
か又は加速器の動作データが第5の所定範囲を超えると判定する場合、第1の照射室への
照射に安全問題があると決定するステップ、又は、ビーム制御モジュール又はシステム制
御モジュールが、受信した加速器補助装置の動作データに基づいて、異常であるか又は加
速器補助装置の動作データが第6の所定範囲を超えると判定する場合、第1の照射室への
照射に安全問題があると決定するステップ、又は、ビーム制御モジュール又はシステム制
御モジュールが受信したビーム監視アセンブリの第4の監視値が第7の所定閾値を超える
場合、第1の照射室への照射に安全問題があると決定するステップ、又は、システム制御
モジュールが、荷電粒子ビーム生成室の遮蔽ドア又はビーム輸送室の遮蔽ドアの開放の状
態データ又は開放の信号データを受信する場合、第1の照射室への照射に安全問題がある
と決定するステップ、又は、システム制御モジュールが、受信した第1の中性子ビーム生
成部の動作データに基づいて、異常であるか又は上記第1の中性子ビーム生成部の動作デ
ータが第8の所定範囲を超えると判定する場合、第1の照射室への照射に安全問題がある
と決定ステップ、又は、ビーム制御モジュール又はシステム制御モジュールが、受信した
ビーム方向切替アセンブリの動作データに基づいて、異常であると判定する場合、第1の
照射室への照射に安全問題があると決定するステップを含む。
【0021】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、治療計画モジュールをさらに
含み、放射線療法システムの動作データは、システム制御モジュールが治療計画モジュー
ルから呼び出した治療計画データを含み、上記ビーム制御モジュール又はシステム制御モ
ジュールが、受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、第1の照射室への照
射に安全問題があると決定するステップは、システム制御モジュールが、第1の照射室内
の患者の照射データと、受信した治療計画データとの比較状況に基づいて、第1の照射室
内の患者の治療計画が完了すると判定する場合、第1の照射室への照射に安全問題がある
と決定するステップを含む。
【0022】
本発明の実施例の第4の態様によれば、第1の照射室と、ビーム方向切替アセンブリを
含み、ビームを生成し、ビーム方向切替アセンブリにより選択的にビームを第1の照射室
に放出するビーム生成装置と、ビーム生成装置がビームを第1の照射室に放出する場合、
受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、第1の照射室への照射に安全問題
があると決定するシステム制御モジュールと、システム制御モジュールの制御指令を受信
し、ビームを第1の照射室から切り離すようにビーム生成装置を制御し、或いは、ビーム
生成装置がビームを第1の照射室に放出する場合、受信した放射線療法システムの動作デ
ータに基づいて、第1の照射室への照射に安全問題があると決定し、ビームを第1の照射
室から切り離すようにビーム生成装置を制御するビーム制御モジュールとを含む放射線療
法システムが提供される。
【0023】
本発明の1つの実施例において、ビーム生成装置は、荷電粒子ビーム生成部、第1の中
性子ビーム生成部及びビーム監視アセンブリをさらに含み、ビーム方向切替アセンブリは
、選択的に、荷電粒子ビーム生成部が生成した荷電粒子ビームを第1の中性子ビーム生成
部に輸送して中性子ビームを第1の照射室内に照射し、荷電粒子ビーム生成部は、イオン
源、加速器及び加速器補助装置を含み、放射線療法システムは、荷電粒子ビーム生成部を
収容する荷電粒子ビーム生成室と、ビーム方向切替アセンブリを収容するビーム輸送室と
、荷電粒子ビーム生成室の遮蔽ドアと、ビーム輸送室の遮蔽ドアとを含み、荷電粒子ビー
ム生成室の遮蔽ドアと、ビーム輸送室の遮蔽ドアと、第1の中性子ビーム生成部とは、そ
れぞれシステム制御モジュールに接続され、データ交換を行って第1の照射室への照射に
安全問題があるか否かを判定し、イオン源と、加速器と、加速器補助装置と、ビーム監視
アセンブリと、ビーム方向切替アセンブリとは、それぞれシステム制御モジュール及びビ
ーム制御モジュールに接続されて、データ交換を行ってビーム制御モジュール又はシステ
ム制御モジュールが第1の照射室への照射に安全問題があるか否かを判定する。
【0024】
本発明の1つの実施例において、放射線療法システムは、第1の照射室の遮蔽ドアと、
第1の照射室に設置された放射線監視アセンブリと、患者状態監視アセンブリと、活動監
視アセンブリと、治療計画モジュールとを含み、治療計画モジュールは、患者の治療計画
を記憶し、治療計画モジュール、第1の照射室の遮蔽ドア、放射線監視アセンブリ、上記
患者状態監視アセンブリ及び上記活動監視アセンブリは、システム制御モジュールに接続
されて、データ交換を行ってシステム制御モジュールが第1の照射室への照射に安全問題
があるか否かを判定する。
【0025】
本発明の実施例に係る技術手段によれば、荷電粒子ビーム生成装置は、治療用中性子ビ
ームを生成するソースであり、異常が発生すると、患者に作用するビームに問題が発生す
ることになり、それにより治療効果に直接的に影響を与えるか、又は人員、装置に損傷を
与えるため、荷電粒子ビーム生成装置は、安全インターロック要素として極めて重要であ
る。受信した放射線療法システムの動作データに基づいて、第1の照射室への照射に安全
問題があると決定する場合、ビームを第1の照射室から切り離すようにビーム方向切替ア
センブリを制御することは、ビーム生成装置を停止させることなく、ビームを第1の照射
室から迅速に切り離すことができ、それにより第1の照射室の安全問題をタイムリーに解
決し、放射線療法システムの安全性を向上させると同時に、ビーム生成装置の耐用年数を
延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例における技術手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に
必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、単に本発明のいくつかの
実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づい
て他の図面を取得することができる。
【0027】
【
図1】本発明の一実施例に係る放射線療法システムのブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る放射線療法システムにより患者を治療する概略構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る放射線療法システムの安全インターロック制御方法のフローチャート概略図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る放射線療法システムのブロック図である。
【
図5】本発明の他の実施例に係る放射線療法システムのレイアウト概略図である。
【
図6】本発明の他の実施例に係る放射線療法システムの安全インターロック制御方法のフローチャート概略図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る放射線療法システムの安全インターロック制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を
明確、完全的に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎ
ず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を行わな
い前提で得られる他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0029】
図1は、本発明の一実施例に係る放射線療法システムのブロック図である。
図1に示す
ように、該放射線療法システム100は、第1の照射室101、ビーム生成装置10、ビ
ーム制御モジュール20及びシステム制御モジュール30を含む。ビーム生成装置10は
、治療用ビームを生成し、ビームを第1の照射室101に放出してもよく、第1の照射室
101は、システム制御モジュール30とデータ交換を行ってもよく、ビーム生成装置1
0は、ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30とデータ交換を行って
もよく、システム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20とデータ交換を行っ
てもよい。システム制御モジュール30は、医師などの操作者が入力したデータ、又は受
信・記憶されたビーム生成装置10、第1の照射室101のデータなどをビーム制御モジ
ュール20に輸送してビームを第1の照射室101に放出するようにビーム生成装置10
を制御してもよい。
【0030】
図2に示すように、本発明の一実施例において、ビーム生成装置10は、中性子ビーム
生成装置であり、荷電粒子ビーム生成部11、ビーム輸送部12及び第1の中性子ビーム
生成部13を含む。ビーム制御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール30は
ビーム制御モジュール20により、荷電粒子ビームPを生成するように荷電粒子ビーム生
成部11を制御し、荷電粒子ビーム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを第1の中性
子ビーム生成部13に輸送するようにビーム輸送部12を制御することができ、ビーム輸
送部12は、輸送管によって構成される。第1の中性子ビーム生成部13は、第1の照射
室101(該図に示せず)に対応し、荷電粒子ビームPは、第1の中性子ビーム生成部1
3と作用して治療用中性子ビームNを生成し、第1の照射室101に設置された治療台4
0上の患者200を照射し、患者200に対して照射療法を行い、例えば、患者200の
体内の腫瘍細胞Mに対してホウ素中性子捕捉療法を行う。なお、生成された中性子ビーム
は、さらに他の用途に用いることができ、本発明は、これについて特に制限がない。ビー
ム生成装置10は、さらに他の放射線生成装置であってもよく、荷電粒子ビーム生成部1
1及び中性子ビーム生成部13が適宜取り換えられるか又は削除されてもよく、例えば、
荷電粒子ビーム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを第1の照射室101に直接的に
輸送して荷電粒子ビームPの照射を行い、荷電粒子ビームPを治療又は他の用途に使用し
、本発明は、これについて特に制限がない。
【0031】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30は、放射線療法システム1
00の動作データを受信し、動作データに基づいて、安全問題があるか否かを判定するこ
とができ、具体的には、ビーム制御モジュール20は、ビーム生成装置10(荷電粒子ビ
ーム生成部11又はビーム輸送部12)の動作データを受信することができ、システム制
御モジュール30は、ビーム生成装置10又は第1の照射室101の動作データを受信す
ることができる。
図3に示すように、本発明の一実施例に係る安全インターロック制御方
法は、ステップS301~ステップS306を含む。
【0032】
ステップS301では、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する
前に(例えば、治療用中性子ビームNを生成し、第1の照射室101内への照射を開始す
る前に)、ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30は、受信した放射
線療法システム100の動作データに基づいて、開始直前の第1の照射室101への照射
に安全問題があるか否かを判定する。
【0033】
ステップS302では、ステップS301の判定結果に基づいて、開始直前の第1の照
射室101への照射に安全問題があると決定すると、安全インターロック機構をトリガし
、ビーム制御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御モジュ
ール20により、ビームの第1の照射室101への放出を禁止するようにビーム生成装置
10を制御し、第1の照射室101における照射療法の開始を禁止し、例えば、荷電粒子
ビーム生成部11が荷電粒子ビームPを生成することを禁止してもよい。
【0034】
ステップS303では、ステップS301の判定結果に基づいて、開始直前の第1の照
射室101への照射に安全問題がないと決定すると、ビーム制御モジュール20は、或い
はシステム制御モジュール30はビーム制御モジュール20により、ビームを第1の照射
室101に放出するようにビーム生成装置10を制御することにより、第1の照射室10
1の照射療法を開始し、例えば、荷電粒子ビームPを生成するように荷電粒子ビーム生成
部11を制御し、第1の中性子ビーム生成部13と作用して、第1の照射室101内の現
在の照射対象患者200に必要な治療用中性子ビームNを生成して第1の照射室101内
に照射する。
【0035】
ステップS304では、ステップS303におけるビーム生成装置10がビームを第1
の照射室101に放出する場合(例えば、治療用中性子ビームNを生成し、第1の照射室
101内への照射を開始する場合)、ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュ
ール30は、受信した放射線療法システム100の動作データに基づいて、第1の照射室
101への照射に安全問題があるか否かを判定する。
【0036】
ステップS305では、ステップS304の判定結果に基づいて、第1の照射室101
への照射に安全問題がないと決定する場合、第1の照射室101を継続的に照射し、すな
わち、ビームを第1の照射室101に継続的に放出するようにビーム生成装置10を制御
する。
【0037】
ステップS306では、ステップS304の判定結果に基づいて、第1の照射室101
への照射に安全問題があると決定すると、安全インターロック機構をトリガし、ビーム制
御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御モジュール20に
より、ビームの第1の照射室101への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御
し、第1の照射室101の照射療法を終了させ、例えば、荷電粒子ビームPの生成を停止
するように荷電粒子ビーム生成部11を制御してもよい。
【0038】
なお、照射時又は照射前のみに安全インターロックの制御を行ってもよい。
【0039】
図4に示すように、本発明の一実施例において、荷電粒子ビーム生成部11は、イオン
源111、加速器112及び加速器補助装置113を含み、本発明は、これについて特に
制限がない。イオン源111は、H
-、陽子、重陽子などの荷電粒子を生成し、なお、イ
オン源111は、スパッタリングイオン源、高周波イオン源、ダブルプラズマイオン源、
ペニングイオン源などであってもよく、本発明は、イオン源のタイプについて特に制限が
ない。一実施例において、イオン源111は、ガス供給装置、イオン化装置、水冷装置な
どを含み、本発明は、これについて特に制限がない。
【0040】
加速器112は、イオン源111が生成した荷電粒子を加速して必要なエネルギーの荷
電粒子ビームP、例えば、陽子線を取得し、なお、加速器112は、線形加速器、サイク
ロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロンなどであってもよく、本発明は、加
速器のタイプについて特に制限がない。一実施例において、加速器112は、前段加速装
置、前後真空チャンバ、高エネルギー加速装置などを含み、前段加速装置及び高エネルギ
ー加速装置は、加速管路、バルブ、電磁石などで構成され、本発明は、これについて特に
制限がない。
【0041】
加速器補助装置113は、加速器112の運転の前提条件を提供する任意の補助装置を
含んでもよい。一実施例において、加速器補助装置113は、加速器冷却水を供給する水
冷装置、圧縮空気を供給する空圧装置、絶縁ガスを供給するガス供給装置、及び真空環境
を供給する真空ポンプなどを含み、本発明は、これについて特に制限がない。
【0042】
イオン源111、加速器112、及び加速器補助装置113は、それぞれビーム制御モ
ジュール20又はシステム制御モジュール30に接続されて、データ交換を行ってビーム
制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が第1の照射室101への照射に安
全問題があるか否かを判定し、すなわち、放射線療法システム100の動作データは、荷
電粒子ビーム生成部11の動作データを含み、荷電粒子ビーム生成部11の動作データは
、イオン源111、加速器112及び加速器補助装置113の動作データをさらに含む。
例えば、供給ガスの圧力、イオン化装置の電流及び電圧、イオン源出口の粒子強度、水冷
装置の冷却水温度、水流流量及び水圧などのイオン源111の動作データをビーム制御モ
ジュール20又はシステム制御モジュール30に輸送してもよく、さらに、加速管路にお
けるビーム強度及び絶縁ガス圧力、電磁石の電流、前後真空チャンバの真空度などの加速
器112の動作データをビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30に輸
送してもよく、さらに、空圧装置のガス圧力、水冷装置の冷却水温度、水流流量及び水圧
、ガス供給装置の絶縁ガス圧力などの加速器補助装置113の動作データをビーム制御モ
ジュール20又はシステム制御モジュール30に輸送してもよく、また、イオン源111
、加速器112及び加速器補助装置113の全ての故障信号をビーム制御モジュール20
に輸送してもよく、本発明は、データ交換の内容について特に制限がない。
【0043】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、安全問題があると決定し、安全インターロックを
行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、又はビ
ームを第1の照射室101に放出する場合、ビーム制御モジュール20又はシステム制御
モジュール30が、受信した荷電粒子ビーム生成部11の動作データに基づいて、異常で
あるか又は動作データが限界を超えると判定すると、安全問題があると決定し、安全イン
ターロック機構をトリガすることを含む。
【0044】
ビーム生成装置10が、ビームを第1の照射室101に放出する前に、ビーム制御モジ
ュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した荷電粒子ビーム生成部11の動
作データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超える(イオン源111の動
作データ、例えば、供給ガスの圧力が所定範囲を超えるか、又はイオン化装置の電流又は
電圧が所定範囲を超えるか、又はイオン源出口の粒子強度が所定範囲を超えるか、又は水
冷装置の冷却水温度又は水流流量又は水圧が所定範囲を超え、或いは、加速器112の動
作データ、例えば、加速管路におけるビーム強度又は絶縁ガス圧力が所定範囲を超えるか
、又は電磁石の電流が所定範囲を超えるか、又は前後真空チャンバの真空度が所定範囲を
超え、或いは、加速器補助装置113の動作データ、例えば、空圧装置のガス圧力が所定
範囲を超えるか、又は水冷装置の冷却水温度又は水流流量又は水圧が所定範囲を超えるか
、又はガス供給装置の絶縁ガス圧力が所定範囲を超える)と判定すると、開始直前の第1
の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし
、ビーム制御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御モジュ
ール20により、ビームの第1の照射室101への放出を禁止するようにビーム生成装置
10を制御し、第1の照射室101における照射療法の開始を禁止してもよく、一実施例
において、イオン源111、加速器112及び加速器補助装置113の全ての故障信号を
設定してもよく、ビーム制御モジュール20がイオン源111、加速器112及び加速器
補助装置113の全ての故障信号を受信して、装置故障を表すと、一般的に重大な故障が
発生し、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インタ
ーロック機構をトリガし、ビーム制御モジュール20は、該故障信号を受信した後、荷電
粒子ビーム生成部11が荷電粒子ビームPを生成することを禁止し、第1の照射室101
における照射療法の開始を禁止してもよい。
【0045】
ビーム生成装置10は、ビームを第1の照射室101に放出する場合、ビーム制御モジ
ュール20又はシステム制御モジュール30は、受信した荷電粒子ビーム生成部11の動
作データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超える(イオン源111の動
作データ、例えば、供給ガスの圧力が所定範囲を超えるか、又はイオン化装置の電流又は
電圧が所定範囲を超えるか、又はイオン源出口の粒子強度が所定範囲を超えるか、又は水
冷装置の冷却水温度又は水流流量又は水圧が所定範囲を超え、或いは、加速器112の動
作データ、例えば、加速管路におけるビーム強度又は絶縁ガス圧力が所定範囲を超えるか
、又は電磁石の電流が所定範囲を超えるか、又は前後真空チャンバの真空度が所定範囲を
超え、或いは、加速器補助装置113の動作データ、例えば、空圧装置のガス圧力が所定
範囲を超えるか、又は水冷装置の冷却水温度又は水流流量又は水圧が所定範囲を超えるか
、又はガス供給装置の絶縁ガス圧力が所定範囲を超える)と判定すると、第1の照射室1
01への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし、ビーム制
御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御モジュール20に
より、ビームの第1の照射室101への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御
し、第1の照射室101の照射療法を終了させてもよく、ビーム制御モジュール20がイ
オン源111、加速器112及び加速器補助装置113の全ての故障信号を受信すると、
一般的に重大な故障が発生し、第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、
安全インターロック機構をトリガし、ビーム制御モジュール20は、該故障信号を受信し
た後、荷電粒子ビームPの生成を停止するように荷電粒子ビーム生成部11を制御し、例
えば、イオン源111を遮断するか、又は加速器112を停止させ、第1の照射室101
の照射療法を終了させる。
【0046】
荷電粒子ビーム生成部は、治療用中性子ビームを生成するソースであり、加速器は、必
要な荷電粒子ビームを生成する重要な装置であるため、異常が発生すると、患者に作用す
るビームに問題が発生することになり、それにより治療効果に直接的に影響を与えるか、
又は人員、装置に損傷を与えるため、荷電粒子ビーム生成装置は、安全インターロック要
素として極めて重要である。
【0047】
図5に示すように、本発明の他の実施例において、放射線療法システム100は、第2
の照射室101’をさらに含み、ビーム生成装置10は、第2の照射室101’に対応す
る第2の中性子ビーム生成部13’をさらに含み、ビーム輸送部12は、ビーム方向切替
アセンブリ121を含み、ビーム輸送部12は、ビーム方向切替アセンブリ121により
、選択的に、荷電粒子ビーム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを第1の中性子ビー
ム生成部13又は第2の中性子ビーム生成部13’に輸送することにより、ビームを第1
の照射室101又は第2の照射室101’に放出する。なお、第2の照射室101’内に
照射する中性子ビームNは、第2の照射室101’内の治療台40’上の他の患者への中
性子ビームNによる照射の治療に用いられてもよく、サンプルの検出に用いられてもよく
、本発明は、これについて制限がない。ビーム生成装置10が他の放射線生成装置である
場合、第2の中性子ビーム生成部13’は、対応的に取り換えられてもよく、ビーム輸送
部12は、ビーム方向切替アセンブリ121により、ビームを第1の照射室101又は第
2の照射室101’に選択的に放出する。
【0048】
なお、ビーム生成装置10は、さらに他の構成を有してもよい。例えば、第3の照射室
がある場合、第3の照射室に対応する第3の中性子ビーム生成部を増設してもよく、中性
子ビーム生成部の数は、照射室の数に対応し、本発明の実施例は、中性子ビーム生成部の
数について特に制限がない。1つの荷電粒子ビーム生成部を設置して荷電粒子ビームを各
中性子ビーム生成部に輸送することにより、システムコストを効果的に低減することがで
きる。なお、ビーム生成装置は、複数の荷電粒子ビーム生成部を含んでもよく、それによ
り荷電粒子ビームを各中性子ビーム生成部に輸送して、複数の照射室で同時に複数の中性
子ビームを生成して照射することができる。
【0049】
本発明の一実施例において、ビーム方向切替アセンブリ121は、荷電粒子ビームPの
方向を偏向させる偏向磁石(図示せず)を含み、第1の照射室101に対応する偏向磁石
がオンになると、ビームを第1の照射室101に導入し、本発明は、これについて特に制
限がない。ビーム輸送部12は、荷電粒子ビームPを調整するビーム調整部(図示せず)
を含んでもよく、ビーム調整部は、荷電粒子ビームPの軸を調整する水平型ステアリング
及び水平垂直型ステアリングと、荷電粒子ビームPの発散を抑制する4極電磁石と、荷電
粒子ビームPを整形する4方向スリットとを含む。ビーム輸送部12は、必要に応じて荷
電粒子ビーム走査部(図示せず)を含んでもよく、荷電粒子ビーム走査部は、荷電粒子ビ
ームPを走査し、荷電粒子ビームPの中性子ビーム生成部13、13’に対する照射を制
御し、例えば、荷電粒子ビームPの(以下に説明される)ターゲット131に対する照射
位置を制御する。
【0050】
ビーム輸送部12は、それぞれシステム制御モジュール30又はビーム制御モジュール
20に接続されて、データ交換を行ってビーム制御モジュール20又はシステム制御モジ
ュール30が第1の照射室101への照射に安全問題があるか否かを判定し、すなわち、
放射線療法システム100の動作データは、ビーム輸送部12の動作データを含む。例え
ば、輸送管の真空度、磁石の電圧、磁石の温度、ビーム方向切替アセンブリ121の状態
(例えば、導通状態)データをシステム制御モジュール30又はビーム制御モジュール2
0に輸送してもよく、本発明は、データ交換の内容について特に制限がない。
【0051】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、安全問題があると決定し、安全インターロックを
行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、又はビ
ームを第1の照射室101に放出する場合、ビーム制御モジュール20又はシステム制御
モジュール30が、受信したビーム輸送部12の動作データに基づいて、異常であるか又
は動作データが限界を超えると判定すると、安全問題があると決定し、安全インターロッ
ク機構をトリガすることを含む。
【0052】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、ビーム制御モジュ
ール20又はシステム制御モジュール30が、受信したビーム輸送部12の動作データに
基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超えると判定する場合、例えば、輸送管
の真空度が所定範囲を超えるか、又は磁石の電圧が所定範囲を超えるか、又は磁石の温度
が所定範囲を超えるか、又はビーム方向切替アセンブリ121の状態データによりビーム
方向切替アセンブリ121がビームを第1の照射室101に導通しないことが示される場
合、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロ
ック機構をトリガし、ビーム制御モジュール20、或いはシステム制御モジュール30は
ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室101への放出を禁止するよう
にビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101における照射療法の開始を禁止して
もよい。
【0053】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する場合、ビーム制御モジュ
ール20又はシステム制御モジュール30が、受信したビーム輸送部12の動作データに
基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超えると判定する場合、例えば、輸送管
の真空度が所定範囲を超えるか、又は磁石の電圧が所定範囲を超えるか、又は磁石の温度
が所定範囲を超えるか、又はビーム方向切替アセンブリ121の状態データによりビーム
方向切替アセンブリ121がビームを第1の照射室101に導通しないことが示される場
合、第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構を
トリガし、ビーム制御モジュール20、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御
モジュール20により、ビームの第1の照射室101への放出を停止するようにビーム生
成装置10を制御し、第1の照射室101が照射療法を終了させてもよい。
【0054】
ビーム輸送部は、治療を必要とする照射室にビームを輸送し、例えば、治療を必要とす
る照射室に対応する中性子ビーム生成部に荷電粒子ビームを輸送することにより、該照射
室に治療用中性子ビームを生成し、ビーム輸送部に異常が発生すると、他の照射室にビー
ムを生成するか、又は治療を必要とする照射室に正確なビームを生成することができない
ことを引き起こし、深刻な安全事故を生成するか、又は治療効果に影響を与える可能性が
あるため、ビーム輸送部を安全インターロック要素とすることも重要な意味を有する。
【0055】
図2に示すように、本発明の一実施例において、第1の中性子ビーム生成部13は、タ
ーゲット131、ビーム整形アセンブリ132及びコリメータ133を含んでもよく、本
発明は、これについて特に制限がない。例えば、加速器112により生成された荷電粒子
ビームPは、ビーム輸送部11によりターゲット131に照射され、ターゲット131と
作用して中性子を生成し、生成された中性子は、順にビーム整形アセンブリ132及びコ
リメータ133を通過し、中性子ビームNを形成して、第1の照射室101に設置された
治療台40上の患者200に照射される。ターゲット131は、リチウムターゲット又は
ベリリウムターゲットなどの金属ターゲットであってもよく、陽子線と
9Be(p,n)
9B又は
7Li(p,n)
7Be核反応して中性子を生成し、本発明は、ターゲット13
1の材料について特に制限がない。コリメータ133は、複数あってもよく、異なるサイ
ズ、形状などを有し、それにより異なる照射対象患者に適合し、一実施例において、コリ
メータ133に識別機構が設置され、システム制御モジュール30は、コリメータ133
の型番データを自動的に識別し取得することができ、又は医師などの操作者は、識別機構
に基づいてコリメータ133の型番データを手動で入力し、システム制御モジュール30
に輸送し、又は医師などの操作者は、識別機構に基づいて不一致を判定し、コリメータ不
一致の信号をシステム制御モジュール30に送信する。ここでは、ターゲット131、ビ
ーム整形アセンブリ132及びコリメータ133の具体的な構造を詳細に説明しない。第
2の中性子ビーム生成部13’は、第1の中性子ビーム生成部13と同じ構造を有しても
よく、本発明は、これについて特に制限がない。
【0056】
第1の中性子ビーム生成部13は、システム制御モジュール30に接続されて、データ
交換を行ってシステム制御モジュール30が第1の照射室101への照射に安全問題があ
るか否かを判定し、すなわち、放射線療法システム100の動作データは、第1の中性子
ビーム生成部13の動作データを含む。例えば、ターゲット131の耐用年数、ターゲッ
ト131の温度、コリメータ133の型番データ又はコリメータ不一致の信号データなど
のデータをシステム制御モジュール30に輸送してもよく、本発明は、データ交換の内容
について特に制限がない。
【0057】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、安全問題があると決定し、安全インターロックを
行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、又はビ
ームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジュール30が、受信した第
1の中性子ビーム生成部13の動作データに基づいて、異常であるか又は動作データが限
界を超えると判定すると、安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガす
ることを含む。
【0058】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、システム制御モジ
ュール30は、受信した第1の中性子ビーム生成部13の動作データに基づいて、異常で
あるか又は動作データが限界を超えると判定する場合、例えば、ターゲット131の耐用
年数が次回の治療を完了させるには不十分であるか、又はターゲット131の温度が所定
範囲を超えるか、又はコリメータ133の型番データにより現在の照射対象患者と不一致
であるか又はコリメータが不一致である信号データが示される場合、開始直前の第1の照
射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし、シ
ステム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室
101への放出を禁止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101にお
ける照射療法の開始を禁止してもよい。
【0059】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジ
ュール30は、受信した第1の中性子ビーム生成部13の動作データに基づいて、異常で
あるか又は動作データが限界を超えると判定する場合、例えば、ターゲット131の耐用
年数が所定範囲を超えるか、又はターゲット131の温度が所定範囲を超える場合、第1
の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし
、システム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照
射室101への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101
が照射療法を終了させる。
【0060】
中性子ビーム生成部は、治療用中性子ビームを生成し、治療ニーズを満たすビーム品質
を得ることに対して極めて重要であり、中性子ビーム生成部を安全インターロック要素と
することは、治療効果を保証する。
【0061】
図4及び
図5に示すように、本発明の他の実施例において、放射線療法システム100
は、荷電粒子ビーム生成部11を収容する荷電粒子ビーム生成室102と、ビーム輸送部
12を少なくとも部分的に収容する(例えば、ビーム方向切替アセンブリ121を収容す
る)ビーム輸送室103と、荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドアA(B)と、ビーム
輸送室103の遮蔽ドアCとを含み、本発明は、これについて特に制限がない。遮蔽ドア
の開放又は閉鎖の状態データは、システム制御モジュール30に送信されてもよく、操作
者は、観察した状況に基づいて遮蔽ドアの開放の信号をシステム制御モジュール30に送
信してもよい。荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドアA(B)とビーム輸送室103の
遮蔽ドアCは、それぞれシステム制御モジュール30に接続されて、データ交換を行って
システム制御モジュール30が第1の照射室101への照射に安全問題があるか否かを判
定し、すなわち、放射線療法システム100の動作データは、荷電粒子ビーム生成室10
2の遮蔽ドアA(B)及びビーム輸送室103の遮蔽ドアCの動作データを含む。例えば
、荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドアA(B)又はビーム輸送室103の遮蔽ドアC
の開放又は閉鎖の状態データ又は開放の信号データなどをシステム制御モジュール30に
輸送してもよく、本発明は、データ交換の内容について特に制限がない。荷電粒子ビーム
生成室102は、一般的に二階建ての空間に設置され、2つの階にそれぞれ荷電粒子ビー
ム生成室の遮蔽ドアAと荷電粒子ビーム生成室の遮蔽ドアBが設置される。なお、他の設
置があってもよい。
【0062】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30は、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、第1の照射室101への照射に安全問題があると
決定し、安全インターロックを行うことは、
【0063】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、システム制御モジュ
ール30が、受信した荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドアA(B)又はビーム輸送室
103の遮蔽ドアCの動作データ、例えば、遮蔽ドアA、遮蔽ドアB又は遮蔽ドアCの開
放の状態データ又は開放の信号データに基づいて、異常であると判定する場合、開始直前
の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をト
リガし、システム制御モジュール30が、ビーム制御モジュール20により、ビームの第
1の照射室101への放出を禁止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室
101における照射療法の開始を禁止してもよいことと、
【0064】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジュ
ール30が、受信した荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドアA(B)又はビーム輸送室
103の遮蔽ドアCの動作データ、例えば、遮蔽ドアA、遮蔽ドアB又は遮蔽ドアCの開
放の状態データ又は開放の信号データに基づいて、異常であると判定する場合、第1の照
射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし、シ
ステム制御モジュール30が、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室
101への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101の照
射療法を終了させてもよいこととを含む。
【0065】
ビーム生成装置が動作する場合に高エネルギー放射線を生成し、荷電粒子ビーム生成室
の遮蔽ドア、ビーム輸送室の遮蔽ドアが照射治療中に閉鎖されることは、人員の安全を保
証し、放射汚染を回避し、遮蔽ドアを安全インターロックの要素とする必要がある。
【0066】
一実施例において、ビーム生成装置10は、ビーム監視アセンブリ14をさらに含み、
ビーム監視アセンブリ14は、荷電粒子ビーム監視アセンブリ又は中性子ビーム監視アセ
ンブリを含んでもよく、本発明は、これについて特に制限がない。
図4に示すように、該
実施例において、ビーム監視アセンブリ14は、荷電粒子ビーム監視アセンブリであり、
ビーム輸送室103内、例えば、ビーム輸送部12の輸送管内壁に設置され、荷電粒子ビ
ームPの電流などを測定することによりビーム強度を監視する。なお、ビーム監視アセン
ブリ14は、荷電粒子ビーム生成室102、例えば、イオン源111又は加速器112の
対応する装置内に設置されてもよく、荷電粒子ビームPの電圧、エネルギーなどを監視し
てもよい。中性子ビーム監視アセンブリは、第1の中性子ビーム生成部13に設置されて
もよく、例えば、ターゲット131で生成された放射線を測定することにより中性子ビー
ム強度を監視し、さらに中性子ビーム出口又はビーム整形アセンブリ内に設置されてもよ
い。本発明は、ビーム監視アセンブリ14の数及び設置位置について特に制限がない。
【0067】
ビーム監視アセンブリ14は、ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール
30に接続されて、データ交換を行ってビーム制御モジュール20又はシステム制御モジ
ュール30が第1の照射室101への照射に安全問題があるか否かを判定し、すなわち、
放射線療法システム100の動作データは、ビーム監視アセンブリ14の動作データを含
み、ビーム監視アセンブリ14の動作データは、さらに荷電粒子ビーム監視アセンブリの
動作データ及び中性子ビーム監視アセンブリの動作データを含む。例えば、荷電粒子ビー
ム監視アセンブリの動作データ、例えば、荷電粒子ビームPの電流などをビーム制御モジ
ュール20又はシステム制御モジュール30に輸送してもよく、或いは中性子ビーム監視
アセンブリの動作データ、例えば中性子ビーム強度又は中性子ビーム生成部の他の放射線
検出データなどをシステム制御モジュール30に輸送してもよく、本発明は、データ交換
の内容について特に制限がない。
【0068】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、安全問題があると決定し、安全インターロックを
行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、又はビ
ームを第1の照射室101に放出する場合、ビーム制御モジュール20又はシステム制御
モジュール30が、受信したビーム監視アセンブリ14の動作データに基づいて、異常で
あるか又は動作データが限界を超えると判定すると、安全問題があると決定し、安全イン
ターロック機構をトリガすることを含む。
【0069】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、ビーム制御モジュ
ール20又はシステム制御モジュール30は、受信したビーム監視アセンブリ14の動作
データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超える(荷電粒子ビーム監視ア
センブリの動作データ、例えば、荷電粒子ビームPの電流が所定範囲を超える)と判定す
ると、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インター
ロック機構をトリガし、ビーム制御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール3
0はビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室101への放出を禁止する
ようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101における照射療法の開始を禁止
してもよく、或いは、システム制御モジュール30は、受信したビーム監視アセンブリ1
4の動作データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超える(中性子ビーム
監視アセンブリの動作データ、例えば、中性子ビーム強度が所定範囲を超える)と判定す
ると、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インター
ロック機構をトリガし、システム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20によ
り、ビームの第1の照射室101への放出を禁止するようにビーム生成装置10を制御し
、第1の照射室101における照射療法の開始を禁止してもよい。
【0070】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する場合、ビーム制御モジュ
ール20又はシステム制御モジュール30は、受信したビーム監視アセンブリ14の動作
データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超える(中性子ビーム監視アセ
ンブリの監視値、例えば、荷電粒子ビームの電流が所定範囲を超える)と判定すると、第
1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガ
し、ビーム制御モジュール20は、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御モジ
ュール20により、ビームの第1の照射室101への放出を停止するようにビーム生成装
置10を制御し、第1の照射室101の照射療法を終了させてもよく、或いは、システム
制御モジュール30は、受信したビーム監視アセンブリ14の動作データに基づいて、異
常であるか又は動作データが限界を超える(中性子ビーム監視アセンブリの監視値、例え
ば、中性子ビーム強度が所定範囲を超える)と判定すると、第1の照射室101への照射
に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし、システム制御モジュー
ル30は、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室101への放出を停
止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101の照射療法を終了させて
もよい。
【0071】
ビーム監視アセンブリの監視値により、ビームが要件を満たすか否か、又は装置が正常
に動作するか否かを直接的に判定することができ、ビーム監視アセンブリを安全インター
ロックの要素とする必要がある。
【0072】
本発明の他の実施例において、放射線療法システム100は、第1の照射室101の遮
蔽ドアE1、第1の照射室101に設置される放射線監視アセンブリ50をさらに含み、
放射線監視アセンブリ50は、第1の照射室101内の各種の放射線(例えば、中性子及
びγ線)の線量を監視し、一実施例において、被照射部位が中性子ビームNにより照射さ
れた後に放出された即発γ線を検出することにより、ホウ素濃度及び腫瘍線量を計算する
。なお、第1の照射室101の遮蔽ドアE1は、1つ又は複数であってもよく、例えば、
主遮蔽ドア及び副遮蔽ドアを含み、第1の照射室101内の放射線監視アセンブリ50は
、1つ又は複数であってもよく、本発明は、遮蔽ドアE1、放射線監視アセンブリ50の
数について特に制限がない。放射線療法システム100は、患者状態監視アセンブリ60
及び活動監視アセンブリ70をさらに含む。患者状態監視アセンブリ60は、患者の位置
がずれるか否か、患者の身体に不快感があるか否か、患者の体内のホウ素薬の摂取状況な
どを監視することができる。なお、患者が自身の状態、又は操作者が観察された状況に基
づいて患者状態監視アセンブリ60上の患者異常の信号をトリガするか、又は患者異常の
信号をシステム制御モジュール30に送信してもよい。活動監視アセンブリ70は、映像
識別、熱センサ、赤外線センサ、超音波センサ、圧力センサ又はレーザセンサなどにより
、照射室内などの放射線管制領域に人員がいるか否か、又は物体の異常活動を監視しても
よく、信頼性及び安全性を確保するように、2つ以上又は異なるタイプの検知アセンブリ
を用いてもよく、操作者が観察された状況に基づいて、活動監視アセンブリ70上の活動
異常の信号をトリガするか、又は活動異常の信号をシステム制御モジュール30に送信し
てもよい。
図4に示すように、該実施例において、患者状態監視アセンブリ60及び活動
監視アセンブリ70は、第1の照射室101内に設置され、本発明は、これについて特に
制限がない。なお、第2の照射室は、第1の照射室と同じ設置を有してもよい。
【0073】
第1の照射室101の遮蔽ドアE1、放射線監視アセンブリ50、患者状態監視アセン
ブリ60及び活動監視アセンブリ70は、それぞれシステム制御モジュール30に接続さ
れて、データ交換を行ってシステム制御モジュール30が第1の照射室101への照射に
安全問題があるか否かを判定し、すなわち、放射線療法システム100の動作データは、
第1の照射室101の遮蔽ドアE1の動作データ、放射線監視アセンブリ50の動作デー
タ、患者状態監視アセンブリ60の動作データ及び活動監視アセンブリ70の動作データ
を含む。例えば、第1の照射室101の遮蔽ドアE1の開放又は閉鎖の状態データ又は開
放の信号データ、放射線監視アセンブリ50の監視値、患者状態監視アセンブリ60の監
視値又は患者異常の信号、活動監視アセンブリ70の監視値又は活動異常の信号などのデ
ータをシステム制御モジュール30に輸送してもよく、本発明は、データ交換の内容につ
いて特に制限がない。
【0074】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、安全問題があると決定し、安全インターロックを
行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、又はビ
ームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジュール30が、受信した第
1の照射室101の遮蔽ドアE1の動作データ、放射線監視アセンブリ50の動作データ
、患者状態監視アセンブリ60の動作データ及び活動監視アセンブリ70の動作データに
基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超えると判定すると、安全問題があると
決定し、安全インターロック機構をトリガすることを含む。
【0075】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、システム制御モジ
ュール30は、受信した第1の照射室101の遮蔽ドアE1の動作データ、放射線監視ア
センブリ50の動作データ、患者状態監視アセンブリ60の動作データ及び活動監視アセ
ンブリ70の動作データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超えると判定
する場合、例えば、第1の照射室101の遮蔽ドアE1の開放の状態データ又は開放の信
号データを受信するか、又は放射線監視アセンブリ50の監視値が所定範囲を超えるか、
又は患者状態監視アセンブリ60の監視値が所定範囲を超えるか、又は患者状態監視アセ
ンブリ60からの患者異常の信号データを受信するか、又は活動監視アセンブリ70の監
視値が所定範囲を超えるか、又は活動監視アセンブリ70からの活動異常の信号データを
受信する場合、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全
インターロック機構をトリガし、システム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール
20により、ビームの第1の照射室101への放出を禁止するようにビーム生成装置10
を制御し、第1の照射室101における照射療法の開始を禁止してもよい。
【0076】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジ
ュール30は、受信した第1の照射室101の遮蔽ドアE1の動作データ、放射線監視ア
センブリ50の動作データ、患者状態監視アセンブリ60の動作データ及び活動監視アセ
ンブリ70の動作データに基づいて、異常であるか又は動作データが限界を超えると判定
する場合、例えば、第1の照射室101の遮蔽ドアE1の開放の状態データ又は開放の信
号データを受信するか、又は放射線監視アセンブリ50の監視値が所定範囲を超えるか、
又は患者状態監視アセンブリ60の監視値が所定範囲を超えるか、又は患者状態監視アセ
ンブリ60からの患者異常の信号データを受信するか、又は活動監視アセンブリ70の監
視値が所定範囲を超えるか、又は活動監視アセンブリ70からの活動異常の信号データを
受信する場合、第1の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロ
ック機構をトリガし、システム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20により
、ビームの第1の照射室101への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御し、
第1の照射室101の照射療法を終了させてもよい。
【0077】
照射室の遮蔽ドアは、照射療法中に閉鎖されて人員の安全を保証し、放射線汚染を回避
し、照射室に設置された放射線監視アセンブリの監視値は、ビームが要件を満たすか否か
を判定するか、又は患者が受けた放射線量を計算し、患者状態監視アセンブリは、患者の
治療中の状態が良好であるか又は大きな変位がないことを確保することにより治療効果を
保証することができ、活動監視アセンブリは、人員が放射線に予期せずに暴露しないか又
は物体が異常に活動しないことを保障して人員の安全及び装置の正常を保証し、照射室の
遮蔽ドア、放射線監視アセンブリ、患者状態監視アセンブリ及び活動監視アセンブリを安
全インターロックの要素とする必要がある。
【0078】
本発明の他の実施例において、放射線療法システム100は、患者の治療計画を記憶す
る治療計画モジュール80をさらに含む。治療計画モジュール80は、システム制御モジ
ュール30に接続されて、データ交換を行ってシステム制御モジュール30が第1の照射
室101への照射に安全問題があるか否かを判定し、すなわち、放射線療法システム10
0の動作データは、システム制御モジュール30が治療計画モジュール80から呼び出し
た治療計画データを含む。本発明は、データ交換の内容について特に制限がない。
【0079】
ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療法シ
ステム100の動作データに基づいて、安全問題があると決定し、安全インターロックを
行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、又はビ
ームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジュール30が、受信した治
療計画データに基づいて、異常であるか又は治療計画が完了すると判定する場合、安全問
題があると決定し、安全インターロック機構をトリガすることを含む。
【0080】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する前に、システム制御モジ
ュール30は、治療計画モジュール80から適合な治療計画(現在の治療対象患者と一致
する)を取得しない場合、例えば、システム制御モジュール30は、受信した治療計画デ
ータに基づいて、治療計画に誤りがあると自動的に判定する場合、開始直前の第1の照射
室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし、シス
テム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室1
01への放出を禁止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101におけ
る照射療法の開始を禁止してもよい。なお、医師などの操作者は、(例えば、番号、患者
情報などが一致するか否か)を人為的に判定し、不一致であると手動で確認する信号をシ
ステム制御モジュール30に送信してもよく、システム制御モジュール30は、受信した
信号データに基づいて、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があると決定
し、安全インターロック機構をトリガする。
【0081】
ビーム生成装置10がビームを第1の照射室101に放出する場合、システム制御モジ
ュール30は、第1の照射室101内の患者の照射データと、受信した治療計画データと
の比較状況に基づいて、第1の照射室101内の患者の治療計画が完了する(例えば、受
信した治療計画における治療時間又は治療線量に達する)と判定する場合、第1の照射室
101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし、システ
ム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照射室10
1への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101の照射療
法を終了させてもよい。
【0082】
患者が治療中に受けた放射線の線量、時間などは、いずれも治療計画データによって決
定され、治療計画に誤りがあると、治療効果に影響を直接的に与えるか、又は患者に危害
を与え、治療計画データを安全インターロック要素とすることは、放射線療法の有効な動
作をさらに保証する。
【0083】
本発明の別の実施例において、(例えば、照射中、照射待ち、準備中、未使用など)照
射室状態の信号をさらに設定してもよく、該信号は、医師などの操作人員が照射室の状況
に基づいて、手動で確認してもよく、システム制御モジュール30が受信したデータに基
づいて、自動的に判定してもよい。すなわち、放射線療法システムの動作データは、照射
室状態の信号データをさらに含み、ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュー
ル30は、受信した放射線療法システム100の動作データに基づいて、安全問題がある
と決定し、安全インターロックを行うことは、ビーム生成装置10がビームを第1の照射
室101に放出する前に、システム制御モジュール30は、受信した第1の照射室101
の状態の信号データ、例えば、第1の照射室101の状態が準備中又は未使用である信号
に基づいて、第1の照射室101が照射待ち状態にないと判定する場合、開始直前の第1
の照射室101への照射に安全問題があると決定し、安全インターロック機構をトリガし
、システム制御モジュール30は、ビーム制御モジュール20により、ビームの第1の照
射室101への放出を禁止するようにビーム生成装置10を制御し、第1の照射室101
における照射療法の開始を禁止してもよい。
【0084】
本発明の他の実施例において、放射線療法システムは、ビーム収集装置90をさらに含
み、ビーム収集装置90は、壁体内に埋め込まれた容器であってもよく、ビームを必要と
しない場合にビームを収集し、ビーム方向切替アセンブリ121は、荷電粒子ビーム生成
部11が生成した荷電粒子ビームPをビーム収集装置90に輸送する。ビーム制御モジュ
ール20は、或いはシステム制御モジュール30はビーム制御モジュール20により、ビ
ームの第1の照射室101への放出を停止するようにビーム生成装置10を制御する方式
は、荷電粒子ビームPの生成を停止するように荷電粒子ビーム生成部11を制御すること
であってもよく、第1の中性子ビーム生成部13との作用を停止するように荷電粒子ビー
ム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを制御し、すなわち、ビーム方向切替アセンブ
リ121によりビームを第1の照射室101から切り離すようにビーム生成装置10を制
御し、例えば、ビーム方向切替アセンブリ121により第2の中性子ビーム生成部13’
と作用するように荷電粒子ビーム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを制御し、第2
の照射室101’内に照射する中性子ビームNを生成し、ビームを第1の照射室101か
ら第2の照射室101’に切り替えることであってもよく、ビーム方向切替アセンブリ1
21により第1の中性子ビーム生成部、及び第2の中性子ビーム生成部13、13’のい
ずれとも作用しないように荷電粒子ビーム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを制御
し、荷電粒子ビームPをビーム収集装置90に直接的に輸送することにより、ビームを第
1の照射室101にビーム収集装置90に切り替えることであってもよい。上記方式の選
択は、ビーム制御モジュール20又はシステム制御モジュール30が、受信した放射線療
法システム100の動作データに基づいて、自動的に判定することであってもよく、安全
インターロック機構がトリガされた後の提示に基づいて、操作者が手動で入力することで
あってもよい。一実施例において、安全インターロックをトリガする要素は、ビーム生成
装置10に関連しない場合、例えば、照射室の遮蔽ドアが開放するか、又は患者が異常で
ある場合、ビームを第1の照射室101から切り離すことを選択してもよく、安全インタ
ーロックをトリガする要素は、ビーム生成装置10に関連する場合、例えば、加速器が故
障する場合、荷電粒子ビームPの生成を停止するように荷電粒子ビーム生成部11を制御
することを選択してもよく、なお、他の設置方式があってもよく、本発明は、これについ
て制限がない。
【0085】
一実施例において、ビームを第1の照射室101から第2の照射室101’に切り替える
前に、上記安全インターロック制御方法は、ビーム制御モジュール20又はシステム制御
モジュール30は、受信した放射線療法システム100の動作データに基づいて、第2の
照射室101’への照射に安全問題があるか否か(未使用状態にあるか否か、及び第2の
照射室101’の遮蔽ドアが閉鎖するか否か)を判定するステップをさらに含む。第2の
照射室101’が未使用状態にあり、第2の照射室101’の遮蔽ドアが閉鎖すると決定
する場合、ビームを第1の照射室101から第2の照射室101’に切り替え、第2の照
射室101’が未使用状態になく、第2の照射室101’の遮蔽ドアが閉鎖しないと決定
する場合、ビームを第1の照射室101から第2の照射室101’に切り替える動作を実
行せず、提示する。具体的には、第1の照射室101に対応するビーム方向切替アセンブ
リ121の部分を遮断し、第2の照射室101’に対応するビーム方向切替アセンブリ1
1の部分を連通することにより、ビームを第1の照射室101から第2の照射室101’
に切り替えることを実現してもよい。
【0086】
本発明の実施例に係る技術手段によれば、ビーム制御モジュール20又はシステム制御
モジュール30は、受信した放射線療法システム100の動作データに基づいて、第1の
照射室101への照射に安全問題があると決定する場合、ビームを第1の照射室101か
ら切り離すようにビーム生成装置10を制御し、ビーム生成装置を停止させることなく、
ビームを第1の照射室101から迅速に切り離すことにより、第1の照射室101の安全
問題をタイムリーに解決することができ、放射線療法システム100の安全性を向上させ
ると同時に、ビーム生成装置10の耐用年数を延長することができる。また、第1の照射
室101及び第2の照射室101’は、1つのビーム生成装置10を共有し、ビーム生成
装置10の利用率を向上させ、複数の照射室が同時に協働して安全インターロック保護を
行うニーズを満たす。上記全ての好ましい技術手段は、任意の組み合わせで本発明の好ま
しい実施例を形成することができ、ここで重複して説明しない。
【0087】
本発明の一実施例において、遮蔽ドア及びビーム方向切替アセンブリ121が互いに協
働し、安全インターロック要素を共同で構成することを例として、安全インターロック機
構の原理を簡単に説明する。遮蔽ドアは、荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドア(例え
ば、遮蔽ドアA及び遮蔽ドアB)、ビーム輸送室103の遮蔽ドアC及び照射室の遮蔽ド
ア(第1の照射室の遮蔽ドアE1及び第2の照射室の遮蔽ドアE2)を含む。ビーム方向
切替アセンブリ121は、それぞれ照射ビームを第1の照射室101と第2の照射室10
1’に導入する偏向磁石D1と偏向磁石D2を含む。偏向磁石D1及び偏向磁石D2のオ
ンは、相互排他的であり、例えば、偏向磁石D1がオンになる場合、偏向磁石D2がオフ
になり、偏向磁石D2がオンになる場合、偏向磁石D1がオフになる。
【0088】
照射室の照射療法の開始について、荷電粒子ビーム生成室102の遮蔽ドアA、遮蔽ド
アB及びビーム輸送室103の遮蔽ドアCは、閉鎖状態にある必要があり、また、少なく
とも1つの偏向磁石がオンになり、対応する照射室の遮蔽ドアが閉鎖する必要があり、例
えば、偏向磁石D1がオンになり、第1の照射室の遮蔽ドアE1が閉鎖し、或いは、偏向
磁石D2がオンになり、第2の照射室の遮蔽ドアE2が閉鎖する。
【0089】
簡単に言えば、遮蔽ドアA、遮蔽ドアB及び遮蔽ドアCがいずれも閉鎖状態にあり、偏
向磁石D1がオンになり、対応する第1の照射室101の遮蔽ドアE1が閉鎖状態にある
場合、荷電粒子ビーム生成部11は、ビーム放出条件に達し、或いは、遮蔽ドアA、遮蔽
ドアB及び遮蔽ドアCがいずれも閉鎖状態にあり、偏向磁石D2がオンになり、対応する
第2の照射室101’の遮蔽ドアE2が閉鎖状態にある場合、荷電粒子ビーム生成部11
は、ビーム放出条件に達する。すなわち、システム制御モジュールは、第1の照射室又は
第2の照射室への照射を開始する指令を受信し、上記安全インターロックの判定を行うこ
とにより、該照射室への照射に安全問題がないと決定した後、システム制御モジュールは
、荷電粒子ビームPを生成するように荷電粒子ビーム生成部11を制御し(イオン源11
1、加速器112及び加速器補助装置113は、ビーム放出状態に運転する)、荷電粒子
ビームPは、対応する中性子ビーム生成部と作用して中性子ビームを生成して該照射室に
照射すると、該照射室の照射療法が開始する。
【0090】
照射室の照射療法の閉鎖について、第1の照射室101の照射療法が実行される過程に
おいて、少なくとも1つの遮蔽ドア(例えば、遮蔽ドアA、B、C、E1のうちの少なく
とも1つ)が開放されるか、又は偏向磁石D1の状態が異常である(例えば、オン状態か
らオフ状態に予期せずに変換される)と、第1の照射室101への照射に安全問題がある
と決定し、偏向磁石D1をオフにするか、又は荷電粒子ビーム生成部11に荷電粒子ビー
ムPの生成を停止させる(例えば、加速器112を停止させるか、又はイオン源111を
遮断する)限り、ビームを第1の照射室101から切り離し、第1の照射室101の照射
療法を終了させることができる。偏向磁石D1をオフにすることでビームを第1の照射室
101から切り離す場合、第2の照射室101’が未占用状態にあり、遮蔽ドアが閉鎖す
ると決定すると、偏向磁石D2をオンにすることにより、ビームを第1の照射室101か
ら第2の照射室101’に切り替え、偏向磁石D1、D2がいずれもオフになることを保
持すれば、ビームを第1の照射室からビーム収集装置90に切り替える。
【0091】
第2の照射室101’の照射療法が実行される過程において、少なくとも1つの遮蔽ド
ア(例えば、遮蔽ドアA、B、C、E2のうちの少なくとも1つ)が開放されるか、又は
偏向磁石D2の状態が異常である(例えば、オン状態からオフ状態に予期せずに変換され
る)と、第2の照射室101’への照射に安全問題があると決定し、偏向磁石D2をオフ
にするか、又は荷電粒子ビーム生成部11に荷電粒子ビームPの生成を停止させる(例え
ば、加速器112を停止させるか、又はイオン源111を遮断する)限り、ビームを第2
の照射室101’から切り離し、第2の照射室101’の照射療法を終了させることがで
きる。偏向磁石D2をオフにすることでビームを第2の照射室101’から切り離す場合
、第1の照射室101が未占用状態にあり、遮蔽ドアが閉鎖すると決定すると、偏向磁石
D1をオンにすることにより、ビームを第2の照射室101’から第1の照射室101に
切り替え、偏向磁石D1、D2がいずれもオフになることを保持すれば、ビームを第2の
照射室101’からビーム収集装置90に切り替える。
【0092】
安全インターロック機構の原理を簡略化して説明するために、前文は、遮蔽ドア及び偏
向磁石のみを安全インターロック要素とすることを例とする。なお、遮蔽ドア及び偏向磁
石以外に、本明細書に言及した他の要素(例えば、イオン源、加速器、加速器補助装置、
中性子ビーム生成部、ビーム監視アセンブリ、放射線監視アセンブリ、及び治療計画モジ
ュールなど)と共同で組み合わせ、安全インターロック機構を共同で構成することができ
、本発明は、これについて制限がない。複数種の装置及びアセンブリを安全インターロッ
ク要素とすることで、放射線療法システムの安全性を効果的に向上させ、放射線療法シス
テムの効果的な利用を強化する。
【0093】
図6は、本発明の他の実施例に係る放射線療法システムの安全インターロック制御方法
のフローチャート概略図であり、第1の照射室の中性子照射療法を例とする。該安全イン
ターロック制御方法は、放射線療法システムにおける安全インターロック制御システム7
00により実行されてもよい。安全インターロック制御システム700は、制御ソフトウ
ェアと、制御プログラムを実行するキャリアを含んでもよく、ユーザ入力インタフェース
及びフィードバック表示インタフェースを含んでもよく、さらにプロセッサモジュール、
データ収集モジュール、ビーム生成装置又は照射室などの装置接続ポートなどをさらに含
んでもよく、本発明の実施例は、これについて特に制限がない。
図6に示すように、該安
全インターロック制御方法は、ステップS601~ステップS613を含む。
【0094】
ステップS601では、ユーザのログイン情報を受信する。
【0095】
ステップS602では、ステップS601においてユーザのログイン情報を受信した後
、ユーザがログインに成功するか否かを判定する。
【0096】
ユーザがログインに失敗する場合、ステップS601に戻し、ユーザがログインに成功
する場合、ステップS603を実行する。
【0097】
ステップS603では、治療パラメータを受信する。
【0098】
治療パラメータを受信する前後に、ユーザは、さらに治療装置又は患者の状態を検証す
ることができる。治療パラメータは、ユーザが手動で入力するものであってもよく、治療
計画モジュールから取得した治療計画データにおける治療パラメータであってもよく、本
発明は、これについて制限がない。
【0099】
ステップS604では、ステップS603において治療パラメータを受信した後、ユー
ザにより入力された第1の照射室101の照射療法を開始する指令を受信する。
【0100】
ステップS605では、ステップS604においてユーザにより入力された第1の照射
室101の照射療法を開始する指令を受信した後、ビーム生成装置10の制御権を取得す
る。
【0101】
ステップS606では、ステップS605の後に、安全インターロック機構に基づいて
、第1の照射室101の照射療法を開始することができるか否かを判定する。
【0102】
具体的には、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題があるか否かを判定す
る。開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題がある場合、ステップS607を
実行し、開始直前の第1の照射室101への照射に安全問題がなく、治療を開始すること
ができる場合、ステップS608を実行する。
【0103】
ステップS607では、治療開始指令を実行せず、安全インターロック機構がトリガさ
れる提示をポップアップする。
【0104】
例えば、提示は、動作データが限界を超え、装置が故障し、偏向磁石がオンせず、遮蔽
ドアが閉鎖せず、ターゲットの耐用年数が不足であり、コリメータが不一致であり、患者
が異常であり、治療計画に誤りがあるなどであってもよく、本発明は、これについて制限
がない。ユーザは、提示に基づいて安全問題を解決し、問題が解決される場合、例えば、
対応する遮蔽ドアが閉鎖される場合、問題が解決されることをユーザが手動で選択決定し
、ステップS606に戻し、照射を開始する前の安全インターロックの判定を再び行い、
問題が一時的に解決されない場合、例えば、装置が深刻に故障する場合、問題が解決され
ないことをユーザが手動で選択決定し、ステップS612を実行し、患者に対する照射療
法を終了させ、ビーム生成装置10の制御権を解放する。
【0105】
ステップS608では、治療用ビームを生成するようにビーム生成装置10を制御し、
第1の照射室101内の患者200に対して照射療法を開始する。
【0106】
具体的には、荷電粒子ビームPを生成するように荷電粒子ビーム生成部11を制御し、
荷電粒子ビーム生成部11が生成した荷電粒子ビームPを第1の中性子ビーム生成部13
に輸送するようにビーム輸送部12を制御し、荷電粒子ビームPは、第1の中性子ビーム
生成部13と作用して治療用中性子ビームNを生成し、第1の照射室101に設置された
治療台40上の患者200に照射し、患者200に対して照射療法を行う。
【0107】
ステップS609では、ステップS608において第1の照射室101内の患者に対し
て照射療法を開始した後、安全インターロック機構に基づいて、第1の照射室101に対
して照射療法を継続することができるか否かをリアルタイムに判定する。
【0108】
つまり、第1の照射室101への照射に安全問題があるか否かをリアルタイムに判定し
、第1の照射室101への照射に安全問題がない場合、ステップS610を実行し、第1
の照射室101への照射に安全問題がある場合、ステップS611を実行する。
【0109】
ステップS610では、第1の照射室101内の患者200に対して照射療法を継続し
、S609に戻して判定を継続する。
【0110】
ステップS611では、第1の照射室101内の患者200に対する照射療法を停止さ
せ、安全インターロック機構がトリガされる提示をポップアップする。
【0111】
例えば、提示は、動作データが限界を超え、装置が故障し、偏向磁石がオンせず、遮蔽
ドアが開放し、患者が異常であり、又は治療計画が完了するなどであってもよく、本発明
は、これについて制限がない。ユーザは、提示に基づいて安全問題を解決し、問題が解決
される場合、例えば、対応する遮蔽ドアが閉鎖される場合、問題が解決されることをユー
ザが手動で選択決定し、ステップS608に戻し、第1の照射室101内の患者200に
対する照射療法を再び開始し、問題が一時的に解決されない場合、例えば、装置が深刻に
故障する場合、問題が解決されないことをユーザが手動で選択決定し、ステップS612
を実行し、第1の照射室101の患者200に対する照射療法を終了させ、ビーム生成装
置10の制御権を解放し、或いは、治療計画が完了すると提示し、照射が完了することを
ユーザが手動で選択決定し、ステップS612を実行し、第1の照射室101内の患者2
00に対する照射療法を終了させ、ビーム生成装置10の制御権を解放する。
【0112】
ステップS612では、第1の照射室101内の患者200に対する照射療法を終了さ
せ、ビーム生成装置10の制御権を解放する。
【0113】
ステップS613では、ステップS612において照射療法を終了させた後、ユーザの
ログアウト情報を受信する。
【0114】
なお、上記ステップにおいて、安全インターロックの判定を行うことにより安全問題が
あると決定した後、安全インターロックをトリガする要素に基づいて、安全インターロッ
ク機構がトリガされる提示を先にポップアップしてもよく、ユーザは、提示に基づいて、
照射療法を開始又は継続することができるか否かを決定し、いくつかの動作データが所定
範囲を超える幅が大きくない場合、医師などが経験に基づいて、動作データが依然として
安全範囲にあると判定すると、照射療法を開始又は継続することができる。
【0115】
本発明の実施例に係る技術手段によれば、複数の安全インターロック要素で構成された
安全インターロック機構により、照射療法を開始する前に、又は照射療法中に安全問題が
あるか否かを監視することにより、放射線療法システムの安全性を向上させる。
【0116】
上記全ての好ましい技術手段は、任意の組み合わせで本発明の好ましい実施例を形成す
ることができ、ここで重複して説明しない。
【0117】
上記装置における各モジュールの機能及び作用の実現過程は、具体的には、上記方法に
おける対応するステップの実現過程を参照し、ここで説明を省略する。
【0118】
図7は、本発明の一実施例に係る放射線療法システムの安全インターロック制御システ
ム700のブロック図である。
【0119】
図7に示すように、安全インターロック制御システム700は、処理アセンブリ710
を含み、1つ又は複数のプロセッサと、アプリケーションプログラムなどの処理アセンブ
リ710により実行できる指令を記憶するメモリ720で代表するメモリリソースとをさ
らに含む。メモリ720に記憶されたアプリケーションプログラムは、それぞれ1組の指
令に対応する1つ以上のモジュールを含んでもよい。また、処理アセンブリ710は、指
令を実行して、上記放射線療法システムの安全インターロック制御方法を実行するように
構成される。
【0120】
安全インターロック制御システム700は、安全インターロック制御システム700の
電源管理を実行するように構成される電源アセンブリと、安全インターロック制御システ
ム700をネットワークに接続するように構成される有線又は無線ネットワークインタフ
ェースと、入出力(I/O)インタフェースとをさらに含んでもよい。安全インターロッ
ク制御システム700は、Windows Server(登録商標)、Mac OS
X(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD(登
録商標)などのメモリ720に記憶された操作システムに基づいて操作され得る。
【0121】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、記憶媒体における指令が上記安全イン
ターロック制御システム700のプロセッサにより実行される場合、上記安全インターロ
ック制御システム700は、上記いずれか一項に記載の放射線療法システムの安全インタ
ーロック制御方法を実行することができる。
【0122】
当業者であれば、本明細書に開示されている実施例に記載された各例のユニット及びア
ルゴリズムステップを組み合わせて、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェア
と電子ハードウェアとの組み合わせで実現することができることを認識することができる
。これらの機能が最終的にハードウェアの形態で実行されるか、又はソフトウェアの形態
で実行されるかは、技術手段の特定の応用及び設計上の制約条件により決定される。当業
者であれば、各特定の応用に異なる方法を使用することで、説明された機能を実現するこ
とができるが、このような実現は、本発明の範囲を超えるとみなすべきではない。
【0123】
当業者であれば、説明の便宜上、簡潔にするために、上述したシステム、装置、及びユ
ニットの具体的な動作過程については、前述した方法の実施例における対応する過程を参
照することが可能であり、ここでは説明を省略する。
【0124】
本願に係るいくつかの実施例において、開示されたシステム、装置及び方法は、他の方
式で実現されてもよいことを理解されたい。例えば、以上に説明した装置の実施例は模式
的なものに過ぎず、例えば、前記各ユニットの分割は、論理的な機能分割のみであり、実
際に実現される場合には他の分割方式があってもよく、例えば、複数のユニット又はアセ
ンブリが別のシステムに組み込まれていてもよいし、一部の特徴が無視されてもよいし、
実行されなくてもよい。また、表示又は議論の相互間の結合又は直接的な結合又は通信接
続は、何らかのインタフェースを介して、装置又はユニットの間接的な結合又は通信接続
であってもよく、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0125】
前記分離部材として説明したユニットは、物理的に分離されていなくてもよく、ユニッ
トとして表示される部材は、物理ユニットであってもよいし、物理ユニットでなくてもよ
いし、一つの場所にあってもよく、あるいは複数のネットワークユニット上に分布してい
てもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又は全部のユニットを選択して本実施例の
解決手段の目的を達成することができる。
【0126】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットが1つの処理ユニットに集積されても
よく、各ユニットが単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットが1つ
のユニットに集積されてもよい。
【0127】
前記機能はソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売され
るか、又は使用される場合に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されて
もよい。このような理解に基づいて、本発明の技術手段は、本質的に、又は従来技術に寄
与する部分、又は該技術手段の一部がソフトウェア製品の形態で実現されてもよく、該コ
ンピュータソフトウェア製品が、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又
はネットワーク装置などであってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法の全て又は一
部のステップを実行させるいくつかの指令を含む記憶媒体に記憶されている。前述の記憶
媒体は、USBフラッシュメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(
Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random
Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどのプログラ
ムチェックコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0128】
なお、本発明における各技術的特徴の組み合わせ方式は、本発明の特許請求の範囲に記
載の組み合わせ方式又は具体的な実施例に記載の組み合わせ方式に限定されず、本発明に
記載の全ての技術的特徴は、相互に矛盾しない限り、いかなる方式で自由に組み合わせる
か又は結合することができる。
【0129】
なお、以上に列挙されたものは、本発明の具体的な実施例に過ぎず、明らかに、本発明
は、以上の実施例に限定されるものではなく、それに伴って行われた類似の変化を有する
。当業者が本発明の開示された内容から直接的に導出するか又は連想する全ての変形は、
いずれも本発明の保護範囲に属するべきである。
【0130】
なお、本発明の実施例に言及された第1、第2などの限定語は、本発明の実施例の技術
手段をより明確に説明するために用いられるだけであり、本発明の保護範囲を限定するも
のではない。
【0131】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない
。本発明の精神と原則内で行われるいかなる修正、等価な置き換え、改善などは、いずれ
も本発明の保護範囲内に含まれるべきである。