(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084872
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】表示装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240619BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240619BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20240619BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240619BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240619BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240619BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09G3/20 624A
G09G3/3233
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
H05B33/14 A
H01L27/32
H01L29/78 612C
H01L27/06 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074288
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】坂口 尭之
(72)【発明者】
【氏名】木村 圭
(72)【発明者】
【氏名】横山 一樹
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
5F048
5F110
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC33
3K107CC45
3K107EE03
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3K107FF15
3K107HH02
3K107HH05
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5F110NN71
5F110NN72
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造工程をより削減し、かつ、表示特性を向上させる。
【解決手段】表示装置は、発光素子と、第1の電極E1および第2の電極E2を有する第1のキャパシタCsと、第3の電極E3および第4の電極E4を有する第2のキャパシタCsubと、前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
第1の電極および第2の電極を有する第1のキャパシタと、
第3の電極および第4の電極を有する第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、
前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される、表示装置。
【請求項2】
積層方向から見て、前記第1の電極および前記第2の電極と重なるように、前記第1のキャパシタおよび前記第2のキャパシタとは異なる層に配置され、前記第2の電極および前記第3の電極と電気的に接続される金属層をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記金属層は、積層方向から見て、前記第1の電極および前記第2の電極を覆うように配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記金属層は、積層方向から見て、前記第2の電極を覆うように配置された前記第1の電極と重なるように配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の電極は、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第2の電極、前記第3の電極及び前記金属層は、前記駆動トランジスタのソースと電気的に接続される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の電極は、所定の電圧を供給する電圧供給配線と電気的に接続され、
前記第2の電極、前記第3の電極及び前記金属層は、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記金属層は、積層方向から見て、所定の電圧を供給する電圧供給配線と重なるように配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第4の電極は、前記電圧供給配線と電気的に接続される、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記金属層は、積層方向から見て、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続される前記第1の電極と重なるように配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ゲートと電気的に接続される前記第1の電極は、積層方向から見て、信号線と重なるように配置され、
前記金属層は、前記第1の電極が配置される層と、前記信号線が配置される層と、の間の層に配置される、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
積層方向に延伸するように設けられ、前記第2の電極および前記第3の電極のそれぞれと、前記金属層と、を電気的に接続させる複数の柱状電極部をさらに備え、
前記金属層は、複数の前記柱状電極部を介して、前記第2の電極と前記第3の電極とを電気的に接続させるように配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1のキャパシタは、前記駆動トランジスタの動作に関する第1電圧を蓄積し、
前記第2のキャパシタは、前記第1電圧とは異なる第2電圧を蓄積する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタのそれぞれは、MIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタ、MOM(Metal-Oxide-Metal)キャパシタまたはMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)キャパシタである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
発光素子と、
第1の電極および第2の電極を有する第1のキャパシタと、
第3の電極および第4の電極を有する第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、
前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示による実施形態は、表示装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子を含む画素(画素回路)が行列状に配置された平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
【0003】
画素回路内に、例えば、トランジスタの特性ばらつきの補正、及び、有機EL素子の容量の補助等に用いられる複数のキャパシタが設けられる場合がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のキャパシタを複数の層に分けて配置すると、工程数が多くコストが高くまってしまう。また、レイアウト上の制約等により、キャパシタの静電容量を大きくすることが困難な場合がある。この場合、例えば、トランジスタの特性ばらつきの補正等を適切に行うことができなくなり、画質等の表示特性の向上が困難になってしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本開示では、製造工程をより削減することができ、かつ、表示特性を向上させることができる表示装置及び電子機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、
発光素子と、
第1の電極および第2の電極を有する第1のキャパシタと、
第3の電極および第4の電極を有する第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、
前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される、表示装置が提供される。
【0008】
積層方向から見て、前記第1の電極および前記第2の電極と重なるように、前記第1のキャパシタおよび前記第2のキャパシタとは異なる層に配置され、前記第2の電極および前記第3の電極と電気的に接続される金属層をさらに備えてもよい。
【0009】
前記金属層は、積層方向から見て、前記第1の電極および前記第2の電極を覆うように配置されてもよい。
【0010】
前記金属層は、積層方向から見て、前記第2の電極を覆うように配置された前記第1の電極と重なるように配置されてもよい。
【0011】
前記第1の電極は、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第2の電極、前記第3の電極及び前記金属層は、前記駆動トランジスタのソースと電気的に接続されてもよい。
【0012】
前記第1の電極は、所定の電圧を供給する電圧供給配線と電気的に接続され、
前記第2の電極、前記第3の電極及び前記金属層は、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続されてもよい。
【0013】
前記金属層は、積層方向から見て、所定の電圧を供給する電圧供給配線と重なるように配置されてもよい。
【0014】
前記第4の電極は、前記電圧供給配線と電気的に接続されてもよい。
【0015】
前記金属層は、積層方向から見て、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続される前記第1の電極と重なるように配置されてもよい。
【0016】
前記ゲートと電気的に接続される前記第1の電極は、積層方向から見て、信号線と重なるように配置され、
前記金属層は、前記第1の電極が配置される層と、前記信号線が配置される層と、の間の層に配置されてもよい。
【0017】
積層方向に延伸するように設けられ、前記第2の電極および前記第3の電極のそれぞれと、前記金属層と、を電気的に接続させる複数の柱状電極部をさらに備え、
前記金属層は、複数の前記柱状電極部を介して、前記第2の電極と前記第3の電極とを電気的に接続させるように配置されてもよい。
【0018】
前記第1のキャパシタは、前記駆動トランジスタの動作に関する第1電圧を蓄積し、
前記第2のキャパシタは、前記第1電圧とは異なる第2電圧を蓄積してもよい。
【0019】
複数の前記キャパシタは、MIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタ、MOM(Metal-Oxide-Metal)キャパシタ及びMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)キャパシタのうちの少なくとも1つ以上のキャパシタであってもよい。
【0020】
本開示によれば、発光素子と、
第1の電極および第2の電極を有する第1のキャパシタと、
第3の電極および第4の電極を有する第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、
前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される、電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の第1実施形態による表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図3】第1実施形態による画素回路11の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図4】第1実施形態による第1キャパシタ及び第2キャパシタの構成の一例を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態による第1キャパシタ及び第2キャパシタの構成の一例を示す平面図である。
【
図6】第1比較例による第1キャパシタ及び第2キャパシタの構成の一例を示す断面図である。
【
図7】第2比較例による第1キャパシタ及び第2キャパシタの構成の一例を示す断面図である。
【
図8】第1実施形態の変形例による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図9】第2実施形態による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図10】第3実施形態による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図11】第3実施形態によるキャパシタ及びキャパシタの構成の一例を示す断面図である。
【
図12】第3実施形態によるキャパシタ及びキャパシタの構成の一例を示す平面図である。
【
図13】第4実施形態による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図14】第5実施形態による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図15】第6実施形態による画素回路の内部構成の一例を示す回路図である。
【
図16A】乗物の後方から前方にかけての乗物の内部の様子を示す図である。
【
図16B】乗物の斜め後方から斜め前方にかけての乗物の内部の様子を示す図である。
【
図17A】電子機器の第2適用例であるデジタルカメラの正面図である。
【
図18A】電子機器の第3適用例であるHMDの外観図である。
【
図19】電子機器の第4適用例であるTVの外観図である。
【
図20】電子機器の第5適用例であるスマートフォンの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、表示装置及び電子機器の実施形態について説明する。以下では、表示装置及び電子機器の主要な構成部分を中心に説明するが、表示装置及び電子機器には、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
【0023】
(第1実施形態)
図1は本開示の第1実施形態による表示装置1の概略構成を示すブロック図である。
図1の表示装置1は、有機EL表示装置、液晶表示装置、プラズマ表示装置などを例示することができる。これらの表示装置のうち、有機EL表示装置は、有機材料のエレクトロルミネッセンスを利用し、有機薄膜に電界をかけると発光する現象を用いた有機EL素子(以下、OLED:Organic Light Emitting Devise)を画素の発光素子(電気光学素子)として用いている。
【0024】
図1の表示装置1は、画素アレイ部2と、走査線駆動部3と、信号線駆動部4と、映像信号処理部5と、タイミング生成部6とを備えている。
【0025】
画素アレイ部2は、行方向及び列方向に複数個ずつ配置された画素8を有する。各画素8は、複数のサブ画素8aを有する。複数のサブ画素8aは、例えば、赤青緑の3つのサブ画素8aを含む。複数のサブ画素8aは、赤青緑以外の色(例えば白色)のサブ画素8aを含んでいてもよい。本明細書では、サブ画素8aを総称して画素8と呼ぶ場合もある。
【0026】
画素8内の各サブ画素8aは、後述するように、表示素子と画素回路を有する。表示素子は、例えばOLEDである。なお、表示素子は、液晶素子でもよいし、OLED以外の自発光素子でもよい。
【0027】
画素アレイ部2は、行方向の画素群ごとに配置される複数の走査線WSLと、列方向の画素群ごとに配置される複数の信号線SIGとを有する。これら走査線WSLと信号線SIGの各交点付近に画素8が設けられている。本明細書では、行方向を水平ライン方向と呼び、列方向を垂直ライン方向と呼ぶことがある。
【0028】
走査線駆動部3は、複数の走査線WSLを順繰りに駆動する。信号線駆動部4は、走査線WSLが各水平ラインを駆動するタイミングに同期させて、水平ライン方向の複数の信号線SIGを同タイミングで駆動する。信号線SIGの駆動とは、各信号線SIGに対応する階調信号を供給することを意味する。
【0029】
映像信号処理部5は、外部(例えばプロセッサなど)から供給される映像信号に対して所定の信号処理を行って、階調信号を生成する。所定の信号処理は、例えば、ガンマ補正やオーバードライブ補正などの処理である。
【0030】
タイミング生成部6は、外部から供給される同期信号に基づいて、走査線駆動部3と信号線駆動部4に対してタイミング制御信号を供給し、走査線駆動部3と信号線駆動部4を同期して動作させる。
【0031】
図1の画素アレイ部2内の画素数には特に制限はない。画素数が多い高精細の表示装置1では、走査線駆動部3が水平ライン方向の両端側に配置される場合がありうる。また、水平ライン方向の複数の信号線SIGをいくつかに分けて駆動するために、複数の信号線駆動部4を設ける場合もありうる。
【0032】
図2は第1実施形態による画素回路11の内部構成の一例を示す回路図である。
図2は、表示素子としてOLED12を用いた場合のOLED12の発光を制御する画素回路11の一例を示している。
図2の画素回路11は、4Tr2Cと呼ばれる4つのトランジスタQ1~Q4と、2つのキャパシタ(第1キャパシタCsと第2キャパシタCsub)とを有する。本明細書では、画素回路11内の4つのトランジスタQ1~Q4を、ドライブトランジスタQ1、サンプリングトランジスタQ2、ドライブスキャントランジスタQ3、オートゼロトランジスタQ4と呼ぶ。ドライブトランジスタQ1を略してDrvトランジスタQ1、サンプリングトランジスタQ2をWSトランジスタQ2、ドライブスキャントランジスタQ3をDSトランジスタQ3、オートゼロトランジスタQ4をAZトランジスタQ4と呼ぶこともある。
【0033】
図2の画素回路11では、DrvトランジスタQ1、WSトランジスタQ2、DSトランジスタQ3、及びAZトランジスタQ4をP型MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタで構成する例を示しているが、後述するように、N型MOSトランジスタで構成することも可能である。
【0034】
DSトランジスタQ3とDrvトランジスタQ1は、電源電圧ノードVCCPとOLED12のアノードとの間にカスコード接続されている。WSトランジスタQ2は、信号線SIGとDrvトランジスタQ1のゲートとの間に接続されている。
図2では、WSトランジスタQ2のゲートに入力される信号をWS信号と呼び、DSトランジスタQ3のゲートに入力される信号をDS信号と呼ぶ。信号線SIGには、階調信号とオフセット信号とがタイミングをずらして供給される。
【0035】
AZトランジスタQ4は、OLED12のアノードと接地電圧ノードVSSPとの間に接続されている。AZトランジスタQ4のゲートにはAZ信号が供給される。AZトランジスタQ4がP型MOSトランジスタの場合、AZ信号がローのときに、DrvトランジスタQ1のソース-ドレイン間電流が、AZトランジスタQ4を通過して接地電圧ノードVSSPに流れる。よって、AZトランジスタQ4がオンの期間は、OLED12のアノード電圧の上昇が抑制され、OLED12に電流が流れなくなる。
【0036】
DrvトランジスタQ1のゲートとソースとの間には第1キャパシタCsが接続されている。また、DSトランジスタQ3のソースとドレインとの間には第2キャパシタCsubが接続されている。すなわち、第1キャパシタCsと第2キャパシタCsubは、電源電圧ノードVCCPとDrvトランジスタQ1のゲートとの間に直列に接続されている。第1キャパシタCsは画素容量、第2キャパシタCsubは補助容量と呼ばれることもある。
【0037】
第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubは、例えば、MIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタである。この場合、例えば、キャパシタの少なくとも一方の電極は、配線層に配置される。
【0038】
OLED12のカソードは、所定電圧(例えば接地電圧)に固定されている。
【0039】
次に、
図2に示す画素回路11の動作について説明する。
【0040】
図3は、第1実施形態による画素回路11の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0041】
信号線駆動部4は、走査線駆動部3が1本の走査線WSLを駆動するたびに、全信号線SIGの駆動電圧を生成する。1フレームには、複数の走査線WSLが設けられており、1本の走査線WSLに接続された複数の画素を1水平ライン(1H)と呼ぶ。
図3は、1フレーム内の全画素を、1水平ラインごとに順繰りに駆動する場合の画素回路内の代表的な信号のタイミングチャートを示している。信号DSは、DSトランジスタQ3のゲート信号である。信号AZは、AZトランジスタQ4のゲート信号である。信号WSはWSトランジスタQ2のゲート信号である。
【0042】
以下、
図3のタイミングチャートに基づいて、
図2の画素回路の動作を説明する。まず、時刻t1で、信号AZがハイからローに遷移するため、AZトランジスタQ4はオンし、OLED12の発光は停止される。また、WSトランジスタQ2がオンし、信号線SIG上のオフセット電圧Vofsが第1キャパシタCsの一端に供給される。このとき、DSトランジスタQ3はオンしており、第1キャパシタCsの他端には電源電圧VCCPが供給されている。よって、第1キャパシタCsの両端には、(VCCP-Vofs)の電圧が印加されている。
【0043】
その後、時刻t2になると、DSトランジスタQ3はオフする。これにより、第1キャパシタCsに蓄積されていた電荷の一部は、第2キャパシタCsubに移動し、電荷の分配が行われる。具体的には、DrvトランジスタQ1の閾値電圧に応じた電荷が第1キャパシタCsに蓄積される。
【0044】
その後、時刻t3になると、WSトランジスタQ2がオフする。その後、時刻t4になると、信号線SIG上には、信号線電圧Vsigが供給される。その後、時刻t5になると、WSトランジスタQ2がオンし、DrvトランジスタQ1のゲートには、信号線電圧Vsigが供給される。第1キャパシタCsによりDrvトランジスタQ1の閾値電圧分の補正が行われているため、DrvトランジスタQ1のゲート-ソース間には、信号線電圧Vsigに対してオフセット補正及び閾値補正された電圧が印加される。
【0045】
このように、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubは、例えば、オフセット補正及び閾値補正に用いられる。閾値補正を行うことにより、DrvトランジスタQ1の閾値電圧のばらつきを補正することができ、表示画像の画質の劣化を抑制することができる。閾値補正により、例えば、面ザラを補正することができる。また、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの容量が大きいほど、補正をより適切に行うことができる。
【0046】
次に、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsub、並びに、その周辺の構成について説明する。
【0047】
図4は、第1実施形態による第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの構成の一例を示す断面図である。
図5は、第1実施形態による第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの構成の一例を示す平面図である。
【0048】
図4及び
図5は、第1キャパシタCsおよび第2キャパシタCsubの周辺における画素回路11の積層構造の一部を示す。レイヤL1、L2、L3は、配線層であり、例えば、配線及びキャパシタの一方の電極部が配置される層である。レイヤL1、L2、L3のうち、レイヤL1が最下層であり、レイヤL3が最上層である。また、レイヤL11は、レイヤL1とレイヤL2との間の層であり、例えば、キャパシタの他方の電極部が配置される層である。しかし、これに限られず、レイヤL1、L2、L3が配線層の間の層であってもよく、レイヤL11が配線層であってもよい。また、異なる層に配置される配線同士、並びに、異なる層に配置される配線及び電極部は、例えば、ビアV(柱状電極)により、一部において電気的に接続されている。
【0049】
図4及び
図5に示す画素回路11は、第1キャパシタCsと、第2キャパシタCsubと、金属層MLと、ビアVと、を備える。
【0050】
第1キャパシタCsは、2つの電極部を有し、OLED12の動作に関する第1電圧を保持する。より詳細には、第1キャパシタCsは、第1電極部E1と、第2電極部E2と、を有する。第1電極部E1及び第2電極部E2は、絶縁層を間に挟むように配置される。
【0051】
第2キャパシタCsubは、第1キャパシタCsと同層に配置される。第2キャパシタCsubは、2つの電極部を有し、OLED12の動作に関する第2電圧を保持する。第2電圧は、例えば、第1電圧とは異なる。すなわち、第1キャパシタCsと第2キャパシタCsubとは、互いに異なる機能を有する。しかし、第2電圧は、第1電圧と同じであってもよい。第2キャパシタCsubの2つの電極部は、第1キャパシタCsの2つの電極部のそれぞれと同層に配置される。より詳細には、第2キャパシタCsubは、第3電極部E3と、第4電極部E4と、を有する。第3電極部E3及び第4電極部E4は、絶縁層を間に挟むように配置される。
【0052】
第1電極部E1(第1の電極)は、例えば、レイヤL1に配置される。第2電極部E2(第2の電極)は、例えば、レイヤL11に配置される。
図5に示す例では、製造プロセスによって、下側の第1電極部E1は、上側の第2電極部E2よりも大きく形成される。すなわち、第2電極部E2は、積層方向から見て、第1電極部E1に含まれる。積層方向は、
図4の紙面に沿った上下方向であり、
図5の紙面垂直方向である。
【0053】
第3電極部E3(第3の電極)は、第1電極部E1と同層であるレイヤL1に配置される。第4電極部E4(第4の電極)は、第2電極部E2と同層であるレイヤL11に配置される。
図5に示す例では、製造プロセスによって、下側の第3電極部E3は、上側の第4電極部E4よりも大きく形成される。すなわち、第4電極部E4は、積層方向から見て、第3電極部E3に含まれる。
【0054】
また、第1キャパシタCsの一方の電極部、及び、第2キャパシタCsubの一方の電極部は、共通電極部である。共通電極部は、或るキャパシタの一方の電極部であり、複数のキャパシタの間で電気的に接続される電極部である。また、共通電極部は、キャパシタの2つの電極部が配置される2つの層のそれぞれに配置される。
図4及び
図5に示す例では、レイヤL11に配置される第2電極部E2、及び、レイヤL1に配置される第3電極部E3が、共通電極部である。
【0055】
また、
図2に示すように、DrvトランジスタQ1のソースDRsは、第1キャパシタCsと第2キャパシタCsubとの間のノードに接続される。従って、ソースDRsは、第1キャパシタCsと第2キャパシタCsubとの間で互いに電気的に接続される、それぞれのキャパシタの一方の電極部(一端)と電気的に接続される。
図4及び
図5に示す例では、ソースDRsは、共通電極部、すなわち、第2電極部E2及び第3電極部E3と電気的に接続される。
【0056】
また、
図2に示すように、DrvトランジスタQ1のゲートDRgは、第1キャパシタCsの他端と接続される。
図4及び
図5に示す例では、ゲートDRgは、第1電極部E1と電気的に接続される。
【0057】
また、
図2に示すように、電源電圧ノードVCCPは、第2キャパシタCsubの他端と接続される。
図4及び
図5に示す例では、電源電圧VCCPは、レイヤL2の配線を介して、第4電極部E4に入力される。
【0058】
金属層MLは、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubとは異なる層に配置される。金属層MLは、例えば、レイヤL2に配置される。金属層MLは、共通電極部、すなわち、第2電極部E2及び第3電極部E3と電気的に接続される。従って、金属層MLは、ソースDRsとも電気的に接続されている。
【0059】
また、金属層MLは、積層方向から見て、少なくとも1つのキャパシタの少なくとも一方の電極部と重なるように配置される。ここで、「重なる」は、平面視において、金属層MLの外縁が必ずしも電極部の外縁よりも外側に位置しなくてもよいことを示す。より詳細には、金属層MLは、積層方向から見て、少なくとも1つのキャパシタの少なくとも一方の電極部を覆うように配置される。ここで、「覆う」は、平面視において、金属層MLの外縁が電極部の外縁よりも外側に位置することを示す。以下では、金属層MLが平面視で第1電極部E1を覆うとして説明する。金属層MLは、第1電極部E1を覆うように配置されることがより好ましい。しかし、金属層MLは、必ずしも第1電極部E1を覆うように配置されなくてもよい。
【0060】
図5に示す例では、金属層MLは、積層方向から見て、ゲートDRgと電気的に接続される第1電極部E1を覆うように配置される。また、金属層MLは、積層方向からみて、少なくとも一部が第3電極部E3と重なるように配置される。これは、ビアV(ビアV2)を介して金属層MLと第3電極部E3とを接続するためである。
【0061】
ビアVは、積層方向に延伸するように設けられる。複数のビアVは、それぞれの共通電極部と金属層MLとを電気的に接続させる。金属層MLは、複数のビアVを介して、それぞれの共通電極部を電気的に接続させるように配置される。より詳細には、ビアVは、金属層MLを介して、互いに異なる層に配置される第2電極部E2と第3電極部E3とを電気的に接続させる。
【0062】
また、ビアVは、ビアV1と、ビアV2と、を有する。
【0063】
ビアV1は、第2電極部E2と金属層MLとを電気的に接続する。ビアV2は、第3電極部E3と金属層MLとを電気的に接続する。
【0064】
次に、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの静電容量について説明する。
【0065】
第1キャパシタCsの容量は、通常、積層方向から見た、第1電極部E1と第2電極部E2とが重なる面積によって決まる。しかし、重なりの面積を広くすることは、レイアウト上の配置及び面積の制約による限界がある。ここで、回路内で寄生容量を利用することにより、第1キャパシタCsの静電容量を向上させることができる。
【0066】
上記のように、第1電極部E1は第2電極部E2よりも大きく、金属層MLは第1電極部E1よりも大きい。従って、
図5に示すように、金属層MLの一部は、第1電極部E1の一部と対向する。すなわち、金属層MLは、積層方向から見て、共通電極部(第2電極部E2)を覆うように配置された、共通電極部とは異なる第1電極部E1を覆うように配置される。この結果、
図4に示すように、互いに対向する金属層MLと第1電極部E1との間で寄生容量Cp1が生じる。なお、平面視で第2電極部E2の領域には、寄生容量Cp1は生じない。また、上記のように、第2電極部E2、第3電極部E3及び金属層MLは、ソースDRsと電気的に接続される。金属層MLに覆われ、かつ、共通電極部(第2電極部E2)とは異なる第1電極部E1は、ゲートDRgと電気的に接続される。従って、寄生容量Cp1は、DrvトランジスタQ1のゲートソース間の寄生容量Cgsであり、第1キャパシタCsの静電容量を向上させることができる。
【0067】
また、レイヤL1、L2の上方のレイヤL3には、信号線SIGが配置される。積層方向から見て、信号線SIGと第1電極部E1とが重なる場合、第1電極部E1と信号線SIGとの間で寄生容量が生じてしまう。上記のように、第1電極部E1は、ゲートDRgと電気的に接続される。従って、寄生容量によってDrvトランジスタQ1の動作に悪影響を与え、ノイズが増大してしまう可能性がある。しかし、
図4及び
図5に示すように、金属層MLは、積層方向から見て、ゲートDRgと電気的に接続される、共通電極部とは異なる第1電極部E1を覆うように配置される。また、金属層MLは、第1電極部E1が配置されるレイヤL1と、信号線SIGが配置されるレイヤL3と、の間のレイヤL2に配置される。従って、金属層MLは、第1電極部E1と信号線SIGとの間に配置され、第1電極部E1をシールドする。これにより、第1電極部E1(ゲートDRg)における寄生容量の影響を抑制することができ、ノイズを抑制することができる。なお、電圧供給配線及び信号線SIGは同じレイヤL3に配置されているが、それぞれ別の層に配置されていてもよい。
【0068】
第2キャパシタCsubの静電容量は、通常、積層方向から見た、第3電極部E3と第4電極部E4とが重なる面積によって決まる。しかし、重なりの面積を広くすることは、レイアウト上の配置及び面積の制約による限界がある。ここで、回路内で寄生容量を利用することにより、第2キャパシタCsubの実効的な静電容量を向上させることができる。
【0069】
レイヤL1、L2の上方のレイヤL3には、所定の電圧(電源電圧VCCP)を供給する電圧供給配線が配置される。積層方向から見て、金属層MLが電圧供給配線と重なると、
図4に示すように、電源供給配線と金属層MLとの間で寄生容量Cp2が生じる。また、上記のように、第3電極部E3及び金属層MLは、ソースDRsと電気的に接続される。少なくとも1つのキャパシタ(第2キャパシタCsub)における共通電極部とは異なる第4電極部E4は、電圧供給配線と電気的に接続される。従って、寄生容量Cp2は、第2キャパシタCsubの実効的な静電容量を向上させることができる。また、電圧供給配線を大きくする等により、金属層MLとの重なり面積を大きくしてもよい。これにより、寄生容量Cp2をさらに増大させることができる。この結果、第2キャパシタCsubをさらに大きくすることができる。
【0070】
以上のように、第1実施形態によれば、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubが同層に配置される。これにより、2つのキャパシタを一度で形成することができるため、工程数及びコストを低減することができる。
【0071】
図6は、第1比較例による第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの構成の一例を示す断面図である。第1比較例は、2つの第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubがそれぞれ別の層に配置される点で、第1実施形態とは異なっている。
【0072】
図6に示す例では、第3電極部E3は、レイヤL2に配置され、第4電極部E4は、レイヤL21に配置される。レイヤL21は、レイヤL2とレイヤL3との間の層である。この場合、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubを分けて形成することになるため、工程数が多くコストが高くなってしまう。
【0073】
これに対して、第1実施形態では、上記のように、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubを一度に形成することができ、工程数及びコストを低減することができる。
【0074】
また、第1実施形態では、共通電極部である第2電極部E2及び第3電極部E3が、互いに異なる2つの層に配置される。これにより、回路内の寄生容量によって第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの静電容量を増大させることができる。静電容量の増大により、発光中のリークに伴う輝度変動の耐性を向上させることができ、画質を向上させることができる。また、静電容量の増大により、閾値補正等の補正をより有利にすることができ、例えば、面ザラ等を抑制して画質を向上させることができる。また、ゲートDRgと電気的に接続される第1電極部E1をシールドすることができる。この結果、信号線SIGからゲートDRgへの寄生容量によるノイズの影響を抑制することができ、画質を向上させることができる。
【0075】
図7は、第2比較例による第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの構成の一例を示す断面図である。第2比較例は、2つのキャパシタの共通電極が同層に配置される点で、第1実施形態とは異なっている。
【0076】
図7に示す例では、第1電極部E1及び第3電極部E3は、電気的に接続されている。第1電極部E1及び第3電極部E3は、ソースDRsと電気的に接続されている。第2電極部E2は、ゲートDRgと電気的に接続されている。この場合、信号線SIGから第2電極部E2への寄生容量によるノイズの影響が増大してしまう可能性がある。
【0077】
これに対して、第1実施形態では、ゲートDRgと電気的に接続される第1電極部E1が下層のレイヤL1に配置される。また、共通電極部(金属層ML)は、積層方向から見て、第1電極部E11を覆うように配置される。これにより、第1電極部E1をシールドすることができ、寄生容量の発生及びノイズを抑制することができる。この結果、画質を向上させることができる。また、回路内の寄生容量により、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの実効的な静電容量を向上させることができる。この結果、より適切に閾値補正等を行うことができ、画質を向上させることができる。
【0078】
なお、第1実施形態では、2つの第1キャパシタCs、第2キャパシタCsubについて説明した。しかし、キャパシタが3つ以上設けられてもよい。この場合、複数のキャパシタは、互いに同層に配置される。複数のキャパシタは、OLED12の動作に関する電圧(電荷)をそれぞれ保持する。また、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの1セットが複数セット設けられてもよい。この場合、各セット間で配置される層が異なっていてもよい。
【0079】
また、第1実施形態では、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubは、DrvトランジスタQ1の閾値補正のため、DrvトランジスタQ1と電気的に接続される。DrvトランジスタQ1は、第1キャパシタCsに保持される信号電圧に基づいて、OLED12を駆動するトランジスタである。しかし、キャパシタを設ける目的によっては、必ずしもDrvトランジスタQ1に限られない。第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubは、例えば、WSトランジスタQ2、DSトランジスタQ3又はAZトランジスタQ4等の、OLED12の動作に関する他のトランジスタと電気的に接続されてもよい。
【0080】
また、第1実施形態では、2つの第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubの共通電極部は、トランジスタ(DrvトランジスタQ1)のソースと電気的に接続される。しかし、第3実施形態を参照して後で説明するように、トランジスタのソース以外の端子が、共通電極部と電気的に接続されてもよい。
【0081】
また、第1実施形態では、第1キャパシタCs及び第2キャパシタCsubは、MIMキャパシタである。しかし、第3実施形態及び第4実施形態を参照して後で説明するように、他のキャパシタであってもよい。
【0082】
また、第1実施形態に限られず、共通の電極を有する複数のキャパシタが設けられる場合、本開示の実施形態を適用することができる。
【0083】
(第1実施形態の変形例)
図8は、第1実施形態の変形例による画素回路11aの内部構成の一例を示す回路図である。第1実施形態の変形例は、第1実施形態と比較して、画素回路内のトランジスタの導電型が異なっている。以下では、相違点を中心に説明する。
【0084】
図2の画素回路11は、P型MOSトランジスタからなる4つのトランジスタQ1~Q4を有するが、N型MOSトランジスタで構成してもよい。
図8は
図2の画素回路11内のトランジスタQ1~Q4をN型MOSトランジスタQ1a、Q2a、Q3a、Q4aで構成した変形例による画素回路11aの回路図である。
図8の画素回路11aは、導電型が異なるものの、
図2の画素回路11と同様の動作を行う。
【0085】
第1実施形態の変形例のように、トランジスタの導電型が異なっていてもよい。この場合にも、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0086】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態による画素回路11aの内部構成の一例を示す回路図である。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、キャパシタColedが設けられている。以下では、相違点を中心に説明する。
【0087】
図9の画素回路11bは、OLED12と並列にキャパシタColedが配置される。キャパシタColedは、補助容量である。キャパシタColedを設けることにより、OLED12の容量不足分を補い、保持容量である第1キャパシタCsに対する映像信号の書き込みゲインを高めることができる。
【0088】
第2実施形態のように、キャパシタColedが設けられていてもよい。この場合にも、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0089】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態による画素回路11cの内部構成の一例を示す回路図である。第3実施形態は、第1実施形態と比較して、2つのキャパシタの共通電極が異なっている。以下では、相違点を中心に説明する。
【0090】
第1キャパシタCs、第2キャパシタCsubに代えて、キャパシタC1及びキャパシタC2を有する。なお、
図10に示す回路図では、1つのキャパシタしか示されていないが、並列に接続された2つのキャパシタC1及びキャパシタC2が設けられている。
【0091】
キャパシタC1及びキャパシタC2は、ゲートDRgと接地電圧ノードVSSPとの間に接続される。キャパシタC1及びキャパシタC2は、互いに並列に接続されている。従って、キャパシタC1及びキャパシタC2は、共通電極を有している。また、キャパシタC1及びキャパシタC2の共通電極は、DrvトランジスタQ1のゲートDRgと電気的に接続される。
【0092】
キャパシタC1及びキャパシタC2は、例えば、それぞれMIMキャパシタ及びMOM(Metal-Oxide-Metal)キャパシタである。
【0093】
次に、キャパシタ以外の他の構成について説明する。
【0094】
図10では、第1実施形態の
図2と比較して、WSトランジスタQ2がCMOS化され、また、AZトランジスタQ4が設けられない。WSトランジスタQ2は、トランスファーゲートを構成するように並列接続された、WSトランジスタQ2n及びWSトランジスタQ2pを有する。WSトランジスタQ2nは、N型MOSトランジスタであり、ゲートに信号WSnが入力される。WSトランジスタW2pは、P型MOSトランジスタであり、ゲートに信号WSpが入力される。例えば、WSトランジスタW2nとWSトランジスタW2pとの間でオンオフのタイミングが所定の位相差を持つように制御される。これにより、同一行の他画素への信号振幅レベルに関わらず、書込走査パルスの波形鈍りが移動度補正期間に与える影響を緩和でき、表示むらを緩和できる。
【0095】
次に、キャパシタC1及びキャパシタC2、並びに、その周辺の構成について説明する。
【0096】
図11は、第3実施形態によるキャパシタC1及びキャパシタC2の構成の一例を示す断面図である。
図12は、第3実施形態によるキャパシタC1及びキャパシタC2の構成の一例を示す平面図である。
【0097】
図11に示す例では、キャパシタC1は、第1電極部E1と、第2電極部E2と、を有する。キャパシタC2は、第3電極部E3と、第4電極部E4と、を有する。第1実施形態と同様に、共通電極部は、第2電極部E2及び第3電極部E3である。
【0098】
第1実施形態と同様に、第1電極部E1は第2電極部E2よりも大きく、金属層MLは第1電極部E1よりも大きい。従って、
図12に示すように、金属層MLの一部は、第1電極部E1の一部と対向する。この結果、
図11に示すように、金属層MLと第1電極部E1との間で寄生容量Cp1が生じる。
【0099】
また、第2電極部E2、第3電極部E3及び金属層MLは、ゲートDRgと電気的に接続される。金属層MLに覆われ、かつ、共通電極部(第2電極部E2)とは異なる第1電極部E1は、電圧供給配線と電気的に接続される。
図10及び
図11に示す例では、第1電極部E1は、接地電圧ノードVSSPと電気的に接続され、電位が固定される。なお、第4電極部E4も、接地電圧ノードVSSPと電気的に接続され、電位が固定される。従って、寄生容量Cp1は、キャパシタC1及びキャパシタC2の静電容量を向上させることができる。
【0100】
第3実施形態のように、2つのキャパシタC1及びキャパシタC2の共通電極部は、トランジスタ(DrvトランジスタQ1)のゲートDRgと電気的に接続されてもよい。この場合にも、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0101】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態による画素回路11dの内部構成の一例を示す回路図である。第4実施形態は、第3実施形態と比較して、回路構成が異なっている。以下では、相違点を中心に説明する。
【0102】
図13に示す例では、DrvトランジスタQ1及びDSトランジスタQ3はN型MOSトランジスタである。また、N型MOSトランジスタであるAZトランジスタQ4が設けられている。
【0103】
また、キャパシタC1及びキャパシタC2は、例えば、それぞれMOMキャパシタ及びMOSキャパシタである。
【0104】
第4実施形態では、第3実施形態と同様に、2つのキャパシタC1及びキャパシタC2の共通電極部は、DrvトランジスタQ1のゲートDRgと電気的に接続される。従って、第4実施形態は、第3実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0105】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態による画素回路11eの内部構成の一例を示す回路図である。第5実施形態は、第3実施形態と比較して、回路構成が異なっている。以下では、相違点を中心に説明する。
【0106】
図14に示す例では、キャパシタC1及びキャパシタC2は、電源電圧ノードVCCPと、DrvトランジスタQ1のゲートDRgと、の間に接続される。
【0107】
また、キャパシタC1及びキャパシタC2は、例えば、それぞれMIMキャパシタ及びMOMキャパシタである。
【0108】
また、信号線SIGと、DrvトランジスタQ1のゲートDRg(WSトランジスタQ2)と、の間に信号中継線中継線が配置される。また、AZトランジスタQ41、Q42、Q43及びキャパシタCaが設けられる。P型MOSトランジスタであるAZトランジスタQ41、Q42、Q43のゲートには、それぞれAZ1信号、AZ2信号及びAZ3信号が入力される。
【0109】
第5実施形態では、第3実施形態と同様に、2つのキャパシタC1及びキャパシタC2の共通電極部は、DrvトランジスタQ1のゲートDRgと電気的に接続される。従って、第5実施形態は、第3実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0110】
(第6実施形態)
図15は、第6実施形態による画素回路11fの内部構成の一例を示す回路図である。第6実施形態は、第3実施形態と比較して、回路構成が異なっている。
【0111】
図15に示す例では、
図14と同様に、キャパシタC1及びキャパシタC2は、電源電圧ノードVCCPと、DrvトランジスタQ1のゲートDRgと、の間に接続される。
【0112】
第6実施形態では、第3実施形態と同様に、2つのキャパシタC1及びキャパシタC2の共通電極部は、DrvトランジスタQ1のゲートDRgと電気的に接続される。従って、第6実施形態は、第3実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0113】
(本開示による表示装置1及び電子機器50の適用例)
(第1適用例)
本開示による表示装置1は種々の電子機器に搭載可能である。
図16A及び
図16Bは本開示による表示装置1を備えた電子機器50の第1適用例である乗物100の内部の構成を示す図である。
図16Aは乗物100の後方から前方にかけての乗物100の内部の様子を示す図、
図16Bは乗物100の斜め後方から斜め前方にかけての乗物100の内部の様子を示す図である。
【0114】
図16A及び
図16Bの乗物100は、センターディスプレイ101と、コンソールディスプレイ102と、ヘッドアップディスプレイ103と、デジタルリアミラー104と、ステアリングホイールディスプレイ105と、リアエンタテイメントディスプレイ106とを有する。
【0115】
センターディスプレイ101は、ダッシュボード107上の運転席108及び助手席109に対向する場所に配置されている。
図16では、運転席108側から助手席109側まで延びる横長形状のセンターディスプレイ101の例を示すが、センターディスプレイ101の画面サイズや配置場所は任意である。センターディスプレイ101には、種々のセンサで検知された情報を表示可能である。具体的な一例として、センターディスプレイ101には、イメージセンサで撮影した撮影画像、ToFセンサで計測された乗物前方や側方の障害物までの距離画像、赤外線センサで検出された乗客の体温などを表示可能である。センターディスプレイ101は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。
【0116】
安全関連情報は、居眠り検知、よそ見検知、同乗している子供のいたずら検知、シートベルト装着有無、乗員の置き去り検知などの情報であり、例えばセンターディスプレイ101の裏面側に重ねて配置されたセンサにて検知される情報である。操作関連情報は、センサを用いて乗員の操作に関するジェスチャを検知する。検知されるジェスチャは、乗物100内の種々の設備の操作を含んでいてもよい。例えば、空調設備、ナビゲーション装置、AV装置、照明装置等の操作を検知する。ライフログは、乗員全員のライフログを含む。例えば、ライフログは、乗車中の各乗員の行動記録を含む。ライフログを取得及び保存することで、事故時に乗員がどのような状態であったかを確認できる。健康関連情報は、温度センサを用いて乗員の体温を検知し、検知した体温に基づいて乗員の健康状態を推測する。あるいは、イメージセンサを用いて乗員の顔を撮像し、撮像した顔の表情から乗員の健康状態を推測してもよい。さらに、乗員に対して自動音声で会話を行って、乗員の回答内容に基づいて乗員の健康状態を推測してもよい。認証/識別関連情報は、センサを用いて顔認証を行うキーレスエントリ機能や、顔識別でシート高さや位置の自動調整機能などを含む。エンタテイメント関連情報は、センサを用いて乗員によるAV装置の操作情報を検出する機能や、センサで乗員の顔を認識して、乗員に適したコンテンツをAV装置にて提供する機能などを含む。
【0117】
コンソールディスプレイ102は、例えばライフログ情報の表示に用いることができる。コンソールディスプレイ102は、運転席108と助手席109の間のセンターコンソール110のシフトレバー111の近くに配置されている。コンソールディスプレイ102にも、種々のセンサで検知された情報を表示可能である。また、コンソールディスプレイ102には、イメージセンサで撮像された車両周辺の画像を表示してもよいし、車両周辺の障害物までの距離画像を表示してもよい。
【0118】
ヘッドアップディスプレイ103は、運転席108の前方のフロントガラス112の奥に仮想的に表示される。ヘッドアップディスプレイ103は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。ヘッドアップディスプレイ103は、運転席108の正面に仮想的に配置されることが多いため、乗物100の速度や燃料(バッテリ)残量などの乗物100の操作に直接関連する情報を表示するのに適している。
【0119】
デジタルリアミラー104は、乗物100の後方を表示できるだけでなく、後部座席の乗員の様子も表示できるため、デジタルリアミラー104の裏面側に重ねてセンサを配置することで、例えばライフログ情報の表示に用いることができる。
【0120】
ステアリングホイールディスプレイ105は、乗物100のハンドル113の中心付近に配置されている。ステアリングホイールディスプレイ105は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。特に、ステアリングホイールディスプレイ105は、運転者の手の近くにあるため、運転者の体温等のライフログ情報を表示したり、AV装置や空調設備等の操作に関する情報などを表示するのに適している。
【0121】
リアエンタテイメントディスプレイ106は、運転席108や助手席109の背面側に取り付けられており、後部座席の乗員が視聴するためのものである。リアエンタテイメントディスプレイ106は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。特に、リアエンタテイメントディスプレイ106は、後部座席の乗員の目の前にあるため、後部座席の乗員に関連する情報が表示される。例えば、AV装置や空調設備の操作に関する情報を表示したり、後部座席の乗員の体温等を温度センサで計測した結果を表示してもよい。
【0122】
センターディスプレイ101、コンソールディスプレイ102、ヘッドアップディスプレイ103、デジタルリアミラー104、ステアリングホイールディスプレイ105、及び、リアエンタテイメントディスプレイ106に、本開示による表示装置1を適用することができる。
【0123】
(第2適用例)
本開示による表示装置1は、乗物で用いられる種々のディスプレイに適用されるだけでなく、種々の電子機器50に搭載されるディスプレイにも適用可能である。
【0124】
図17Aは電子機器50の第2適用例であるデジタルカメラ120の正面図、
図17Bはデジタルカメラ120の背面図である。
図17A及び
図17Bのデジタルカメラ120は、レンズ121を交換可能な一眼レフカメラの例を示しているが、レンズ121を交換できないカメラにも適用可能である。
【0125】
図17A及び
図17Bのカメラは、撮影者がカメラボディ122のグリップ123を把持した状態で電子ビューファインダ124を覗いて構図を決めて、焦点調節を行った状態でシャッタ125を押すと、カメラ内のメモリに撮影データが保存される。カメラの背面側には、
図17Bに示すように、撮影データ等やライブ画像等を表示するモニタ画面126と、電子ビューファインダ124とが設けられている。また、カメラの上面には、シャッタ速度や露出値などの設定情報を表示するサブ画面が設けられる場合もある。
【0126】
カメラに用いられるモニタ画面126、電子ビューファインダ124、サブ画面等に、本開示による表示装置1を適用することで、低コスト化及び表示品質の向上が可能になる。
【0127】
(第3適用例)
本開示による表示装置1は、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと呼ぶ)にも適用可能である。HMDは、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、又はSR(Substitutional Reality)等に利用されることができる。
【0128】
図18Aは電子機器50の第3適用例であるHMD130の外観図である。
図18AのHMD130は、人間の目を覆うように装着するための装着部材131を有する。この装着部材131は例えば人間の耳に引っ掛けて固定される。HMD130の内側には表示装置132が設けられており、HMD130の装着者はこの表示装置132にて立体映像等を視認できる。HMD130は例えば無線通信機能と加速度センサなどを備えており、装着者の姿勢やジェスチャなどに応じて、表示装置132に表示される立体映像等を切り換えることができる。
図1に示す表示装置1を
図18Aの表示装置132に適用可能である。
【0129】
また、HMD130にカメラを設けて、装着者の周囲の画像を撮影し、カメラの撮影画像とコンピュータで生成した画像とを合成した画像を表示装置132で表示してもよい。例えば、HMD130の装着者が視認する表示装置132の裏面側に重ねてカメラを配置して、このカメラで装着者の目の周辺を撮影し、その撮影画像をHMD130の外表面に設けた別のディスプレイに表示することで、装着者の周囲にいる人間は、装着者の顔の表情や目の動きをリアルタイムに把握可能となる。
【0130】
なお、HMD130には種々のタイプが考えられる。例えば、
図18Bのように、本開示による表示装置1は、メガネ134に種々の情報を映し出すスマートグラス130aにも適用可能である。
図18Bのスマートグラス130aは、本体部135と、アーム部136と、鏡筒部137とを有する。本体部135はアーム部136に接続されている。本体部135は、メガネ134に着脱可能とされている。本体部135は、スマートグラス130aの動作を制御するための制御基板や表示部を内蔵している。本体部135と鏡筒は、アーム部136を介して互いに連結されている。鏡筒部137は、本体部135からアーム部136を介して出射される画像光を、メガネ134のレンズ138側に出射する。この画像光は、レンズ138を通して人間の目に入る。
図18Bのスマートグラス130aの装着者は、通常のメガネと同様に、周囲の状況だけでなく、鏡筒部137から出射された種々の情報を合わせて視認できる。
【0131】
(第4適用例)
本開示による表示装置1は、テレビジョン装置(以下、TV)にも適用可能である。
【0132】
図19は電子機器50の第4適用例であるTV330の外観図である。このTV330は、例えば、フロントパネル332及びフィルターガラス333を含む映像表示画面部331を有する。この映像表示画面部331には、本開示による表示装置1が適用可能である。
【0133】
上述したように、本開示の表示装置1によれば、低コストかつ優れた表示品質のTV330を実現できる。
【0134】
(第5適用例)
本開示による表示装置1は、スマートフォンや携帯電話にも適用可能である。
図20は電子機器50の第5適用例であるスマートフォン600の外観図である。スマートフォン600は、各種情報を表示する表示部602、及び、ユーザによる走査入力を受け付けるボタン等を含む操作部等を有する。上記表示部602には、本開示による表示装置1が適用可能である。
【0135】
なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)発光素子と、
第1の電極および第2の電極を有する第1のキャパシタと、
第3の電極および第4の電極を有する第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、
前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される、表示装置。
(2)積層方向から見て、前記第1の電極および前記第2の電極と重なるように、前記第1のキャパシタおよび前記第2のキャパシタとは異なる層に配置され、前記第2の電極および前記第3の電極と電気的に接続される金属層をさらに備える、(1)に記載の表示装置。
(3)前記金属層は、積層方向から見て、前記第1の電極および前記第2の電極を覆うように配置される、(2)に記載の表示装置。
(4)前記金属層は、積層方向から見て、前記第2の電極を覆うように配置された前記第1の電極と重なるように配置される、(2)又は(3)に記載の表示装置。
(5)前記第1の電極は、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第2の電極、前記第3の電極及び前記金属層は、前記駆動トランジスタのソースと電気的に接続される、(4)に記載の表示装置。
(6)前記第1の電極は、所定の電圧を供給する電圧供給配線と電気的に接続され、
前記第2の電極、前記第3の電極及び前記金属層は、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続される、(4)に記載の表示装置。
(7)前記金属層は、積層方向から見て、所定の電圧を供給する電圧供給配線と重なるように配置される、(2)乃至(6)のいずれか一項に記載の表示装置。
(8)前記第4の電極は、前記電圧供給配線と電気的に接続される、(7)に記載の表示装置。
(9)前記金属層は、積層方向から見て、前記駆動トランジスタのゲートと電気的に接続される前記第1の電極と重なるように配置される、(2)乃至(8)のいずれか一項に記載の表示装置。
(10)前記ゲートと電気的に接続される前記第1の電極は、積層方向から見て、信号線と重なるように配置され、
前記金属層は、前記第1の電極が配置される層と、前記信号線が配置される層と、の間の層に配置される、(9)に記載の表示装置。
(11)積層方向に延伸するように設けられ、前記第2の電極および前記第3の電極のそれぞれと、前記金属層と、を電気的に接続させる複数の柱状電極部をさらに備え、
前記金属層は、複数の前記柱状電極部を介して、前記第2の電極と前記第3の電極とを電気的に接続させるように配置される、(2)乃至(10)のいずれか一項に記載の表示装置。
(12)前記第1のキャパシタは、前記駆動トランジスタの動作に関する第1電圧を蓄積し、
前記第2のキャパシタは、前記第1電圧とは異なる第2電圧を蓄積する、(1)乃至(11)に記載の表示装置。
(13)前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタのそれぞれは、MIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタ、MOM(Metal-Oxide-Metal)キャパシタまたはMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)キャパシタである、(1)乃至(12)のいずれか一項に記載の表示装置。
(14)発光素子と、
第1の電極および第2の電極を有する第1のキャパシタと、
第3の電極および第4の電極を有する第2のキャパシタと、
前記第1のキャパシタに蓄積された電圧と、第2のキャパシタに蓄積された電圧と、に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、を備え、
前記第2の電極は、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第2の電極と前記第3の電極は、それぞれ異なる層に配置される、電子機器。
【0136】
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 表示装置、12 OLED、50 電子機器、Cs 第1キャパシタ、Csub 第2キャパシタ、C1 キャパシタ、C2 キャパシタ、VCCP 電源電圧ノード、Q1 Drvトランジスタ、Q2 WSトランジスタ、Q3 DSトランジスタ、Q4 AZトランジスタ