(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084879
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】ファイル配布システム、クラウド装置、及びファイル配布プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 47/33 20220101AFI20240619BHJP
H04L 47/36 20220101ALI20240619BHJP
【FI】
H04L47/33
H04L47/36
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199035
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】300084030
【氏名又は名称】システムインテリジェント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 章弘
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA01
5K030HA08
5K030JT06
5K030JT09
5K030KA02
5K030LD11
5K030LE14
5K030MD07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合にファイルの受信のやり直しを抑止でき、ファイル配布を迅速に行わせるファイル配布システムを提供する。
【解決手段】クラウド装置のファイルを端末装置(パソコン)に配布するシステムであって、配布対象装置から送信依頼を受信すると記憶部のファイルを配布対象装置に送信し、通知部が他の配布対象装置から問い合わせを受信すると他の配布対象装置が属する拠点の配布完了装置を対象記憶部から選択し、配布完了装置へのアクセス情報を他の配布対象装置に送信し、他の配布対象装置がファイルの受信中に異なる拠点に移動された場合、通知部が他の配布対象装置から再度問い合わせを受信すると他の配布対象装置が属する移送先の拠点の配布完了装置を対象記憶部から選択して配布完了装置へのアクセス情報を他の配布対象装置に送信し、他の配布対象装置がこの配布完了装置からファイルの残部を受信する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウド装置におけるファイルを複数の端末装置に配布するファイル配布システムであって、
前記クラウド装置が、ファイルを記憶するファイル記憶部と、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部と、ファイルの配布処理を行う配布処理部と、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部と、前記対象記憶部における配布完了端末装置の情報を更新する更新部とを備え、
前記対象記憶部が、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及び前記ファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶し、
前記配布処理部が、ファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、前記ファイル記憶部における前記ファイルを前記ファイル配布対象の端末装置に送信し、
前記通知部が、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信し、
前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記ファイルの一部の受信中に異なる拠点に移動された場合、前記通知部が、前記他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信し、
前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記移動先の拠点における前記選択された配布完了端末装置から前記ファイルの残部を受信する
ことを特徴とするファイル配布システム。
【請求項2】
前記拠点と前記移動先の拠点とは、それぞれに属する端末装置が、互いに相手の拠点に属する端末装置とインターネットを介することなく、直接通信できないネットワークである
ことを特徴とする請求項1記載のファイル配布システム。
【請求項3】
前記配布処理部が、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択し、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信し、
前記選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、前記ファイル記憶部における前記ファイルを前記選択されたファイル配布対象の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のファイル配布システム。
【請求項4】
前記更新部が、前記他のファイル配布対象の端末装置から配布完了通知を受領すると、前記他のファイル配布対象の端末装置についての配布が完了したことを示す配布状況情報を前記対象記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のファイル配布システム。
【請求項5】
前記通知部が、更なる他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記更なる他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置として、配布が完了したことを示す配布状況情報が前記対象記憶部に記憶されている前記ファイル配布対象の端末装置又は前記他のファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記更なる他のファイル配布対象の端末装置に送信し、
前記更新部が、前記更なる他のファイル配布対象の端末装置から配布完了通知を受領すると、前記更なる他のファイル配布対象の端末装置についての配布が完了したことを示す配布状況情報を前記対象記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のファイル配布システム。
【請求項6】
ファイルを複数の端末装置に配布するクラウド装置であって、
ファイルを記憶するファイル記憶部と、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部と、ファイルの配布処理を行う配布処理部と、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部と、前記対象記憶部における配布完了端末装置の情報を更新する更新部とを備え、
前記対象記憶部が、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及び前記ファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶し、
前記配布処理部が、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択し、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信すると共に、前記選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、前記ファイル記憶部における前記ファイルを前記選択されたファイル配布対象の端末装置に送信し、
前記通知部が、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信し、
前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記ファイルの一部の受信中に異なる拠点に移動された場合、前記通知部が、前記他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信する
ことを特徴とするクラウド装置。
【請求項7】
ファイルを複数の端末装置に配布するファイル配布プログラムであって、
コンピュータを、
ファイルを記憶するファイル記憶部、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部、ファイルの配布処理を行う配布処理部、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部、及び前記対象記憶部における配布完了端末装置の情報を更新する更新部として機能させ、
前記対象記憶部に、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及び前記ファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶させ、
前記配布処理部に、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択させ、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信させると共に、前記選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼が送信されてくると、前記ファイル記憶部から前記選択されたファイル配布対象の端末装置にファイルを送信させ、
前記通知部に、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせが送信されてくると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択させて、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信させ、
前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記ファイルの一部の受信中に異なる拠点に移動されて、前記他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせが送信されてくると、前記通知部に、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択させて、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信させる
ことを特徴とするファイル配布プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル配布システムに関し、特にクラウドから複数の拠点における全ての端末装置にファイルを配信するためのファイル配布システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファイルをクラウドにあるストレージから、インターネットを介して配布することを行う場合、ファイルを配布する端末装置の全てがインターネットからファイルを取得すると、インターネットの混雑具合によって、ファイルの配布に時間がかかることがあった。
このような問題を解決するために、社内などのネットワーク内の1台の端末装置にインターネットを介してファイルを配布し、この端末装置からネットワーク内の他の端末装置にファイルを直接送信する手法などが既に提案されている。
【0003】
ところで、特許文献1に記載のように、容量の大きいファイルを送信する場合などにおいて、ファイルを分割して送信することにより、ネットワーク内の全ての端末装置への送信にかかる全体の時間を短縮することが可能である。
しかしながら、ファイルを分割して送信する場合に、その一部が受信できなくなることがしばしば生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-47788号公報
【特許文献2】特開2012-53558号公報
【特許文献3】特開2002-124945号公報
【特許文献4】特開2018-55332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
具体的には、例えば東京に存在するネットワークの端末装置から自分用の端末装置にファイルを受信させている最中に、他の都道府県などに自分用の端末装置を持って出張する必要が生じることがある。
この場合、出張中に自分用の端末装置で受信中のファイルを適切に使用することはできず、東京に戻った後に再度ファイルの受信をやり直す必要があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明者は、鋭意研究して、他の都道府県などに存在する他のネットワーク内の1台の端末装置にもインターネットを介してファイルを配布しておき、そのネットワークにおけるファイル配布が完了した端末装置からファイルを受信中の端末装置にそのファイルの残部を直接受信可能にすることによって、ファイルの配布をより効率的に行うことを可能とした。
【0007】
ここで、特許文献2には、相互に通信可能な複数のクライアントと各クライアントの配信要求に応じてファイルを配信するサーバとを備え、サーバは各クライアントから任意のファイルの配信要求が通知されると、複数のクライアントに対して既に配信しているファイルと当該ファイルの配信先の複数のクライアントの経路情報とを含む配信履歴情報に基づき、任意のファイルが配信されているクライアントを代理サーバとして選択し、配信要求を通知した各クライアントに代理サーバの経路情報を送信し、各クライアントは、サーバから送信された経路情報に基づいて代理サーバに、代理サーバが保持する任意のファイルの配信要求を送信する配信システムが開示されている。
【0008】
また、特許文献3には、サブネットグループ毎に、複数のクライアント機の中から配信ファイルを受信可能な1つの代表クライアント機を選定し、その選定された全ての代表クライアント機に対し、サーバ伝送路における最大許容データ多重度を超えない多重度で配信ファイルを順次多重配信する一方、各サブネットグループ内の各代表クライアント機が、デリバリサーバから受信された配信ファイルを、サブネットグループ内に存在する残りのクライアント機に配信するシステム装置が開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの文献に記載のシステムは、ファイルを分割して送信する場合において、その一部が受信できなくなったときに生じる上記の問題を解消可能なものではなく、端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合に、ファイル受信のやり直しを抑止可能にするものではなかった。
【0010】
また、特許文献4には、端末装置の操作によって、表形式のファイルを送信する場合に、送信する宛先に添付するファイルを分割する機能を備えたファイル配布システムが開示されている。
しかしながら、このシステムも、端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合に、ファイル受信のやり直しを抑止可能にするものではなかった。
【0011】
さらに、特許文献1には、本発明者が開発したファイル配布システムが開示されており、上述したように、このシステムにおいてファイルを分割することを提案している。
しかしながら、この文献には、端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合に、ファイルの受信のやり直しを抑止可能にする構成については開示されていない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、インターネットを介する端末装置へのファイルの配信を低減でき、端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合に、ファイルの受信のやり直しを抑止でき、ファイル配布を効率的に行うことの可能なファイル配布システム、クラウド装置、及びファイル配布プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のファイル配布システムは、クラウド装置におけるファイルを複数の端末装置に配布するファイル配布システムであって、前記クラウド装置が、ファイルを記憶するファイル記憶部と、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部と、ファイルの配布処理を行う配布処理部と、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部と、前記対象記憶部における配布完了端末装置の情報を更新する更新部とを備え、前記対象記憶部が、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及び前記ファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶し、前記配布処理部が、ファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、前記ファイル記憶部における前記ファイルを前記ファイル配布対象の端末装置に送信し、前記通知部が、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信し、前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記ファイルの一部の受信中に異なる拠点に移動された場合、前記通知部が、前記他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信し、前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記移動先の拠点における前記選択された配布完了端末装置から前記ファイルの残部を受信する構成としてある。
【0014】
また、本発明のファイル配布システムを、前記拠点と前記移動先の拠点とは、それぞれに属する端末装置が、互いに相手の拠点に属する端末装置とインターネットを介することなく、直接通信できないネットワークである構成とすることが好ましい。
【0015】
また、本発明のファイル配布システムを、前記配布処理部が、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択し、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信し、前記選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、前記ファイル記憶部における前記ファイルを前記選択されたファイル配布対象の端末装置に送信する構成とすることが好ましい。
【0016】
また、本発明のファイル配布システムを、前記更新部が、前記他のファイル配布対象の端末装置から配布完了通知を受領すると、前記他のファイル配布対象の端末装置についての配布が完了したことを示す配布状況情報を前記対象記憶部に記憶させる構成とすることが好ましい。
【0017】
また、本発明のファイル配布システムを、前記通知部が、更なる他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記更なる他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置として、配布が完了したことを示す配布状況情報が前記対象記憶部に記憶されている前記ファイル配布対象の端末装置又は前記他のファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記更なる他のファイル配布対象の端末装置に送信し、前記更新部が、前記更なる他のファイル配布対象の端末装置から配布完了通知を受領すると、前記更なる他のファイル配布対象の端末装置についての配布が完了したことを示す配布状況情報を前記対象記憶部に記憶させる構成とすることも好ましい。
【0018】
また、本発明のクラウド装置は、ファイルを複数の端末装置に配布するクラウド装置であって、ファイルを記憶するファイル記憶部と、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部と、ファイルの配布処理を行う配布処理部と、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部と、前記対象記憶部における配布完了端末装置の情報を更新する更新部とを備え、前記対象記憶部が、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及び前記ファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶し、前記配布処理部が、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択し、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信すると共に、前記選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、前記ファイル記憶部における前記ファイルを前記選択されたファイル配布対象の端末装置に送信し、前記通知部が、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信し、前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記ファイルの一部の受信中に異なる拠点に移動された場合、前記通知部が、前記他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信する構成としてある。
【0019】
また、本発明のファイル配布プログラムは、ファイルを複数の端末装置に配布するファイル配布プログラムであって、コンピュータを、ファイルを記憶するファイル記憶部、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部、ファイルの配布処理を行う配布処理部、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部、及び前記対象記憶部における配布完了端末装置の情報を更新する更新部として機能させ、前記対象記憶部に、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及び前記ファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶させ、前記配布処理部に、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を前記対象記憶部から選択させ、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信させると共に、前記選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼が送信されてくると、前記ファイル記憶部から前記選択されたファイル配布対象の端末装置にファイルを送信させ、前記通知部に、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせが送信されてくると、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択させて、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信させ、前記他のファイル配布対象の端末装置が、前記ファイルの一部の受信中に異なる拠点に移動されて、前記他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせが送信されてくると、前記通知部に、前記他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を前記対象記憶部から選択させて、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を前記他のファイル配布対象の端末装置に送信させる構成としてある。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、インターネットを介する端末装置へのファイルの配信を低減でき、端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合に、ファイルの受信のやり直しを抑止でき、ファイル配布を効率的に行うことの可能なファイル配布システム、クラウド装置、及びファイル配布プログラムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係るファイル配布システムにおける拠点単位に1つの端末装置へのファイル配布を行う説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るファイル配布システムにおける拠点単位における端末装置によるファイル受信の説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るファイル配布システムにおける端末装置が拠点間を移動した場合の該端末装置によるファイル受信の説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るファイル配布システムにおける配布完了端末装置の増殖を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るファイル配布システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るファイル配布システムにおけるファイル配布処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のファイル配布システム、クラウド装置、及びファイル配布プログラムの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態の具体的な内容に限定されるものではない。
【0023】
まず、本発明の実施形態に係るファイル配布システムによる処理の概要について、
図1~
図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のファイル配布システムは、クラウド装置10と複数のパソコン(PC,端末装置)20(20(1)~20(3)など)を備えている。
図1では、パソコン20(1)とパソコン20(3)が拠点Aのネットワーク内に存在し、パソコン20(2)が拠点Bのネットワーク内に存在している。
【0024】
例えば、拠点Aは東京のオフィスのネットワーク、拠点Bは大阪のオフィスのネットワークであり、それぞれのネットワークにファイアウォールが構築されている。
そして、拠点Aのネットワーク内のパソコンと拠点Bのネットワーク内のパソコンは、直接TCPやUDPで相手のIPアドレスに向かって通信することができなくなっている。
すなわち、本実施形態における拠点Aと拠点Bとは、それぞれに属する端末装置が、互いに相手の拠点に属する端末装置とインターネットを介することなく直接通信できないネットワークを意味し、拠点単位とは、このようなそれぞれのネットワークを意味する。
【0025】
クラウド装置10は、管理サーバ11とストレージ12を備えており、ストレージ12には、配布するファイルが記憶されている。
管理サーバ11は、拠点単位にまず1台のパソコンに対して、インターネットを介してファイルの取得を依頼する。
【0026】
図1では、拠点Aのパソコン20(1)、及び拠点Bのパソコン20(2)に対して、管理サーバ11からファイルの取得依頼が行われて、これらのパソコンがインターネットを介してストレージ12からファイルを取得している。このとき、例として、それぞれのパソコンが、ファイル全体を3つの部分に分割して取得した場合を示している。
管理サーバ11には、パソコン20(1)とパソコン20(2)に対してファイルの配布が完了したことを記憶させておく。以下、このようなファイルの配布が完了したパソコンを配布完了パソコン(配布完了端末装置)と称する場合がある。
【0027】
次に、
図2に示すように、拠点Aにおける他のパソコン20(3)がファイルの受信を開始するが、このとき管理サーバ11に対して、自分が属する拠点A内におけるファイルの配布が完了しているパソコンの存在の問い合せを行う。
管理サーバ11は、パソコン20(1)がファイルの配布が完了しているパソコンであることを、パソコン20(3)に対して通知する。
【0028】
そこで、パソコン20(3)は、パソコン20(1)から直接ファイルを受信しようと試みる。なお、ファイルは3つに分割されているため、パソコン20(3)は、1つ1つの部分をパソコン20(1)から取得しようとする。
まず、パソコン20(3)は、パソコン20(1)からファイル1/3の取得に成功したとする。
ここで、何らかの理由により、パソコン20(3)がファイル受信の途中で拠点間を移動された場合、パソコン20(1)からはファイルを受信できなくなる。
【0029】
図3に示すように、パソコン20(3)が拠点Aから拠点Bに移動した場合、パソコン20(3)は、管理サーバ11に対して、自分が属する拠点Bにおけるファイルの配布が完了しているパソコンの存在の問い合せを行う。
管理サーバ11は、パソコン20(2)がファイルの配布が完了しているパソコンであることを、パソコン20(3)に対して通知する。
【0030】
そこで、パソコン20(3)は、パソコン20(2)から直接ファイルを受信しようと試みる。
ここで、パソコン20(3)は、既にファイル1/3をパソコン20(1)から取得しているため、パソコン20(2)からファイル2/3とファイル3/3を取得する。
【0031】
このように、パソコン20(3)が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合であっても、ファイル1/3の受信のやり直しを行うことなく、ファイルの途中から受信を行うことが可能であり、無駄にファイルの取得を繰り返さないで済むことが可能になっている。
すなわち、本実施形態のファイル配布システムによれば、ファイルの受信途中に、パソコンが拠点間を移動されても、その続きから受信ができ、またそれまで受信していたパソコンではないパソコンから残りのファイルのデータを受信することが可能になっている。
【0032】
また、本実施形態のファイル配布システムにおいて、拠点内のパソコン同士は、直接接続できるネットワーク内に存在するため、UDPを使ったパケット通信によりファイルの送受信を行うことができる。UDPはコネクションレスであるため、パソコンの負荷を低減しつつ、ファイルの転送を行うことが可能である。
【0033】
このように、本実施形態のファイル配布システムによれば、拠点毎に1台のパソコンのみがストレージ12からインターネットを介してファイルを受信するだけであり、拠点における他のパソコンはストレージ12からファイルを受信することなく、拠点における配布完了パソコンからファイルを取得するようにしているため、パソコンがインターネットを介してストレージ12からファイルを受信する負担を低減することが可能になっている。
また、パソコンがファイルの受信中に異なるネットワーク間を跨いで移動した場合であっても、既に受信したファイルの受信をやり直すことなく、ファイルの残部のみを受信することができ、無駄にファイルの取得を繰り返さないで済むことが可能になっている。
【0034】
次に、
図4を参照して、本実施形態のファイル配布システムにおける配布完了パソコンの増殖について説明する。
パソコン20(3)は、ファイルの受信が完了すると、配布完了の通知を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は、パソコン20(3)にファイルの配布が完了したことを記憶する。
【0035】
次に、拠点Bにおけるパソコン20(4)が、管理サーバ11に対して、自分が属する拠点Bにおけるファイルの配布が完了しているパソコンの存在の問い合せを行うと、管理サーバ11は、パソコン20(3)がファイルの配布が完了しているパソコンであることをパソコン20(4)に対して通知することができる。
そして、パソコン20(4)は、パソコン20(3)からファイルを受信し、ファイルの受信が完了すると、配布完了の通知を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は、パソコン20(4)にファイルの配布が完了したことを記憶する。
【0036】
同様に、拠点Bにおけるパソコン20(5)が、管理サーバ11に対して、自分が属する拠点Bにおけるファイルの配布が完了しているパソコンの存在の問い合せを行うと、管理サーバ11は、パソコン20(2)がファイルの配布が完了しているパソコンであることをパソコン20(5)に対して通知することができる。
そして、パソコン20(5)は、パソコン20(2)からファイルを受信し、ファイルの受信が完了すると、配布完了の通知を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は、パソコン20(5)にファイルの配布が完了したことを記憶する。
【0037】
このように、本実施形態のファイル配布システムにおいて、新たにファイルの配布が完了した配布完了パソコンを管理サーバ11に記録させることにより、管理サーバ11から各拠点におけるパソコン20に通知する配布完了パソコンの個数を最初は1台、次いで2台、4台、8台というように倍々に増加させることができる。
このため、各拠点における特定のパソコンに、多くのパソコンから同時にファイルの受信要求がなされることを防止することが可能になっている。
また、本実施形態のファイル配布システムにおいて、ファイルの送信を行わせることの可能な配布完了パソコンを増殖させることにより、ファイル配布をより効率的に行うことが可能となっている。
【0038】
次に、
図5を参照して、本実施形態のファイル配布システムの構成について、詳細に説明する。
本実施形態のファイル配布システムは、クラウド装置におけるファイルを複数の端末装置に配布するファイル配布システムであり、クラウド装置10と、複数のパソコン20(20(1)~20(3))と、これらを接続するインターネットなどの通信回線30を有している。パソコン20は、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報処理装置である。なお、パソコン20は、
図5では3台表示されているが、パソコン20の台数は特に限定されない。
【0039】
クラウド装置10は、管理サーバ11とストレージ12を備えている。
管理サーバ11は、ファイル配布対象の端末装置の情報を記憶する対象記憶部111と、ファイルの配布処理を行う配布処理部112と、配布完了端末装置へのアクセス情報を通知する通知部113と、対象記憶部111における配布完了端末装置の情報を更新する更新部114とを備えている。また、管理サーバ11は、通信回線30を介してパソコン20との情報の送受信を行う送受信部115を備えている。
ストレージ12は、ファイルを記憶するファイル記憶部121を備えている。
【0040】
対象記憶部111は、拠点毎に属するファイル配布対象の端末装置へのアクセス情報、及びファイル配布対象の端末装置についてファイル毎に配布が完了されたか否かを示す配布状況情報を記憶する。このアクセス情報としては、例えばIPアドレスや、URL(Uniform Resource Locator)を用いることができる。
配布処理部112は、ファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、ファイル記憶部121におけるファイルをファイル配布対象の端末装置に送信する。
【0041】
また、配布処理部112は、当該処理に先立って、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置を対象記憶部111から選択し、選択されたファイル配布対象の端末装置に対してファイルの取得依頼を送信することができる。
そして、配布処理部112は、選択されたファイル配布対象の端末装置からファイルの送信依頼を受信すると、ファイル記憶部121におけるファイルを選択されたファイル配布対象の端末装置に送信することができる。
【0042】
通知部113は、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置を対象記憶部111から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を他のファイル配布対象の端末装置に送信する。
【0043】
他のファイル配布対象の端末装置が、ファイルの一部の受信(ダウンロード)中に異なる拠点に移動された場合、通知部113は、他のファイル配布対象の端末装置から再度配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、他のファイル配布対象の端末装置が属する移動先の拠点における配布完了端末装置を対象記憶部111から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を他のファイル配布対象の端末装置に送信する。
そして、他のファイル配布対象の端末装置は、移動先の拠点における選択された配布完了端末装置からファイルの残部を受信する。
【0044】
また、更新部114は、他のファイル配布対象の端末装置から配布完了通知を受領すると、他のファイル配布対象の端末装置についての配布が完了したことを示す配布状況情報を対象記憶部111に記憶させる。
これによって、通知部113は、配布完了端末装置の問い合わせを受信した場合に、他のファイル配布対象の端末装置を配布完了端末装置として選択することが可能になる。
【0045】
さらに、通知部113は、更なる他のファイル配布対象の端末装置から配布完了端末装置の問い合わせを受信すると、更なる他のファイル配布対象の端末装置が属する拠点における配布完了端末装置として、配布が完了したことを示す配布状況情報が対象記憶部111に記憶されているファイル配布対象の端末装置又は他のファイル配布対象の端末装置を対象記憶部111から選択して、選択された配布完了端末装置へのアクセス情報を更なる他のファイル配布対象の端末装置に送信することができる。
【0046】
そして、更新部114が、更なる他のファイル配布対象の端末装置から配布完了通知を受領すると、更なる他のファイル配布対象の端末装置についての配布が完了したことを示す配布状況情報を対象記憶部111に記憶させる。
このように、本実施形態のファイル配布システムによれば、通知部113によって選択可能な配布完了端末装置を増殖させることができ、ファイルの配布を効率的に行うことが可能になっている。
【0047】
次に、
図6を参照して、本実施形態のファイル配布システムにおけるファイル配布処理手順について説明する。
まず、クラウド装置10が、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置として選択された、拠点Aにおけるパソコン20(1)にファイルの取得依頼を送信する(ステップ10)。
【0048】
パソコン20(1)は、クラウド装置10からファイルを受信(ダウンロード)して(ステップ11)、ファイルの受信が完了すると、パソコン20(1)に対するファイルの配布が完了したことをクラウド装置10に通知する(ステップ12)。
クラウド装置10は、パソコン20(1)に対するファイルの配布が完了したことを示す配布状況情報を対象記憶部111に対して更新する(ステップ13)。
【0049】
同様にして、クラウド装置10が、拠点毎に1つのファイル配布対象の端末装置として選択された、拠点Bにおけるパソコン20(2)にファイルの取得依頼を送信する(ステップ14)。
【0050】
パソコン20(2)は、クラウド装置10からファイルを受信して(ステップ15)、ファイルの受信が完了すると、パソコン20(2)に対するファイルの配布が完了したことをクラウド装置10に通知する(ステップ16)。
クラウド装置10は、パソコン20(2)に対するファイルの配布が完了したことを示す配布状況情報を対象記憶部111に対して更新する(ステップ17)。
【0051】
次に、拠点Aにおけるパソコン20(3)が、拠点Aにおける配布完了端末装置の問い合せをクラウド装置10に対して送信する(ステップ18)。
クラウド装置10は、パソコン20(3)が属する拠点Aにおける配布完了端末装置として、パソコン20(1)を選択し、これをパソコン20(3)に対して通知する(ステップ19)。
パソコン20(3)は、パソコン20(1)からファイルの受信を試みて、ファイルの一部の受信に成功する(ステップ20)。
【0052】
次に、パソコン20(3)が、ファイルの受信中に、何らかの事情で拠点Aから拠点Bに移動される(ステップ21)。
パソコン20(3)は、拠点Bにおける配布完了端末装置の問い合せをクラウド装置10に対して送信する(ステップ22)。
クラウド装置10は、パソコン20(3)が属する拠点Bにおける配布完了端末装置として、パソコン20(2)を選択し、これをパソコン20(3)に対して通知する(ステップ23)。
【0053】
パソコン20(3)は、パソコン20(2)からファイルの受信を試みて、ファイルの残部を受信する(ステップ24)。
パソコン20(3)は、ファイルの受信が完了すると、パソコン20(3)に対するファイルの配布が完了したことをクラウド装置10に通知する(ステップ25)。
クラウド装置10は、パソコン20(3)に対するファイルの配布が完了したことを示す配布状況情報を対象記憶部111に対して更新する(ステップ26)。
【0054】
上記実施形態におけるクラウド装置10は、プログラムに制御されたコンピュータを用いて実現することができる。コンピュータのCPUは、プログラムにもとづいてコンピュータの各構成要素に指令を送り、クラウド装置10の動作に必要となる所定の処理、例えば、ファイル取得依頼の送信処理、配布状況情報の更新処理、配布完了端末装置の通知処理等を行わせる。このように、本発明のクラウド装置10における各処理、動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
【0055】
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のファイル配布システム、クラウド装置、及びファイル配布プログラムによれば、ファイルの受信中に端末装置が異なるネットワーク間を跨いで移動した場合であっても、それまで受信していたパソコンではないパソコンから残りのファイルのデータを受信することができ、無駄にファイルの取得を繰り返さないで済むことが可能である。
【0057】
また、拠点毎に1台のパソコンのみがインターネットを介してファイルを受信するだけであり、拠点における他のパソコンは、配布完了パソコンからファイルを取得できるため、パソコンがインターネットを介してファイルを受信する負担を低減することが可能になっている。
さらに、各拠点における特定のパソコンに、多くのパソコンから同時にファイルの受信要求がなされることを防止することができ、またファイルの送信を行わせることの可能な配布完了パソコンを増殖させることによって、ファイル配布をより効率的に行うことも可能となっている。
【0058】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、実施形態では2つの拠点が存在する場合を用いて説明したが、より多くの拠点が存在する場合についても同様に適用することが可能である。また、ファイル配布システムの各拠点における端末装置の台数やファイルの個数などを適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、異なるネットワーク間を跨いで、いろいろな場所で端末装置を用いて仕事を行う作業環境において、巨大なファイルを配信する必要がある場合などに好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 クラウド装置
11 管理サーバ
111 対象記憶部
112 配布処理部
113 通知部
114 更新部
115 送受信部
12 ストレージ
121 ファイル記憶部
20(1)~20(5) パソコン(端末装置,PC)