(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084910
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】虐待の対応支援装置、虐待の対応支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240619BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199106
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正人
(72)【発明者】
【氏名】竹中 草平
(72)【発明者】
【氏名】山木 将之
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】 簡便に虐待を判定し、判定した虐待に対する対応方法を出力可能な虐待の対応支援装置を提供する。
【解決手段】 本発明の虐待の対応支援装置は、判定対象情報取得部、虐待判定部、対応パターン出力部を含み、
前記判定対象情報取得部は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定部は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力部は、前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定対象情報取得部、虐待判定部、対応パターン出力部を含み、
前記判定対象情報取得部は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定部は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力部は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する、虐待の対応支援装置。
【請求項2】
前記虐待判定部は、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定する、請求項1記載の虐待の対応支援装置。
【請求項3】
虐待事例データ取得部、及びパターン学習部を含み、
前記虐待事例データ取得部は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記パターン学習部は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する、請求項2記載の虐待の対応支援装置。
【請求項4】
前記対応パターン出力部は、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力する、請求項1から3のいずれか一項に記載の虐待の対応支援装置。
【請求項5】
対応事例データ取得部、及び対応学習部を含み、
前記対応事例データ取得部は、対応事例データを取得し、
前記対応事例データは、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記対応学習部は、前記対応事例データを教師データとして用いた機械学習により前記対応判定モデルを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の虐待の対応支援装置。
【請求項6】
判定対象情報取得工程、虐待判定工程、対応パターン出力工程を含み、
前記判定対象情報取得工程は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定工程は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力工程は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する、虐待の対応支援方法。
【請求項7】
前記虐待判定工程は、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定する、請求項6記載の虐待の対応支援方法。
【請求項8】
虐待事例データ取得工程、及びパターン学習工程を含み、
前記虐待事例データ取得工程は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記パターン学習工程は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する、請求項7記載の虐待の対応支援方法。
【請求項9】
判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を含み、
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を含み、
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虐待の対応支援装置、虐待の対応支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、虐待の通告のあった子供に関する情報及び子供のアセスメント情報等から一時保護の蓋然性を判断する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、虐待といっても様々なパターンがあり、また、個々の状況に応じて対応の要否、及び適切な対応方法が異なる。対応の要否及び対応方法は、児童相談所等の職員のノウハウや知見に依拠しており、職員の負荷が大きいという課題がある。また、職員の能力や思想によって対応がまちまちであり、対応の精度にばらつきがあるという課題もある。
【0005】
そこで本発明は、簡便に虐待のパターンを判定し、判定した虐待パターンに対する対応方法を出力可能な虐待の対応支援装置、虐待の対応支援方法、及び、プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の虐待の対応支援装置は、
判定対象情報取得部、虐待判定部、対応パターン出力部を含み、
前記判定対象情報取得部は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定部は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力部は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する。
【0007】
本発明の虐待の対応支援方法は、
判定対象情報取得工程、虐待判定工程、対応パターン出力工程を含み、
前記判定対象情報取得工程は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定工程は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力工程は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する。
【0008】
本発明のプログラムは、
判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を含み、
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を含み、
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡便に虐待のパターンを判定し、判定した虐待パターンに対する対応方法を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の虐待の対応支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の虐待の対応支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の虐待の対応支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態2の虐待の対応支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態3の虐待の対応支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、「養育者」は、例えば、被養育者を直接的又は間接的に養育する者である。前記養育者の具体例としては、例えば、前記被養育者の親、養父母、兄弟姉妹、親戚等の親類縁者;保育園、幼稚園、こども園等の職員、家政婦、ベビーシッター等の保育者;教師等の教職員;医師、看護師、介護士等の医療従事者;後見人;等があげられる。
【0013】
本発明において、「被養育者」は、例えば、前記養育者に直接的又は間接的に養育される者である。前記被養育者の具体例として、前記養育者の実子、養子、連れ子等の子供;園児、児童、生徒等;知的障害等を有する者等の被後見人;要介護者;等があげられ、その年齢については特に制限されないが、未成年であることが好ましい。
【0014】
本発明において、「虐待」は、例えば、前記被養育者に対する虐待行為をいい、その態様は特に制限されない。また、前記「虐待」は、例えば、前記養育者による前記被養育者に対する虐待行為でもよいし、前記養育者以外の者による前記養育者に対する虐待行為でもよい。前記虐待行為は、例えば、生命危険行為、拘束・監禁、締め出し等の身体的虐待;面前DV(ドメスティック・バイオレンス)、粗暴な行為、無視、言動の否定、心理的な傷つけ、兄弟姉妹への虐待行為の目撃等の心理的虐待;、性行為、性的行為、非接触(性又は性的)行為、被写体行為等の性的虐待;身体的ネグレクト、衛生的ネグレクト、栄養的ネグレクト、医療的ネグレクト、愛情(情緒)的ネグレクト、教育的ネグレクト、安全配慮ネグレクト等のネグレクト;経済DV等の経済的虐待;等を含む。
【0015】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0016】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の虐待の対応支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、判定対象情報取得部11、虐待判定部12、対応パターン出力部13を含む。また、本装置10は、図示していないが、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0017】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0018】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0019】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、判定対象情報取得部11、虐待判定部12、対応パターン出力部13として機能する。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0020】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、ユーザの端末、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0021】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0022】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、前記養育者及び被養育者の情報(識別情報(例えば、氏名、住所、電話番号、ID等)、属性情報(例えば、性別、年齢、所属組織、住所、連絡先、趣味、嗜好等)、生体情報等)、判定対象情報、虐待事例データ、対応事例データ、虐待判定モデル、対応判定モデル等を記憶できる。
【0023】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、前述の本装置のユーザの情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0024】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0025】
つぎに、本実施形態の虐待の対応支援方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の虐待の対応支援方法は、例えば、
図1又は
図2の装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の虐待の対応支援方法は、
図1又は
図2の装置10の使用には限定されない。
【0026】
まず、判定対象情報取得部11は、判定対象情報を取得する(S1、判定対象情報取得工程)。前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含むが、例えば、判定精度の観点から、被養育者情報及び養育者情報を含むことが好ましい。前記被養育者情報は、例えば、前記被養育者の状態を示す情報であり、前記被養育者の年齢、性別、所属(例えば、保育園、幼稚園、学校、学年等)等の被養育者属性情報;発達障害、知的障害等の有無;傷やあざの有無、疾患(例えば、虫歯)の罹患状態、栄養状態、身長、体重、衛生状態等の被養育者の身体的情報;被養育者の行動、情緒面等の精神的情報;家庭環境に関する情報;健診等の医療機関への受診履歴;等があげられる。前記養育者情報は、例えば、前記養育者の状態を示す情報であり、前記養育者の年齢、性別、所属(例えば、職業、所属組織、家族構成等)等の養育者属性情報;養育者の知識レベル、教育履歴、成育履歴、経済状況、信仰等の社会的情報;薬物、酒類、ギャンブル、買い物、窃盗等の各種依存症の罹患状態;発達障害、知的障害等の有無;疾患(例えば、うつ病)の罹患状態、妊娠の有無等の養育者の身体的情報;虐待行為の自覚の有無、養育者の行動、情緒面等の精神的情報;家庭環境に関する情報;健診等の医療機関への受診履歴;等があげられる。前記判定対象情報は、例えば、紙等の記録媒体に記録された情報でもよいし、電子データでもよい。前者の場合、前記記録媒体についてスキャナ等を利用して電子データに変換することが好ましい。判定対象情報取得部11は、例えば、本装置10のユーザにより入力された前記判定対象情報を取得してもよいし、予め本装置10のメモリ102又は記憶装置104に記憶された判定対象情報を取得してもよいし、通信回線網を介して外部装置(例えば、外部の端末、ストレージ、サーバ装置等)から前記判定対象情報を取得してもよい。
【0027】
つぎに、虐待判定部12は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定する(S2、虐待判定工程)。具体的に、虐待判定部12は、例えば、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定できる。前記虐待判定モデルは、例えば、入力された判定対象情報から虐待のパターンを生成するように学習されたモデルである。前記虐待判定モデルは、例えば、後述するパターン学習部により構築してもよいし、予めメモリ102及び記憶装置104に記憶されていてもよいし、通信回線網を介して外部の学習済みモデル製造装置から取得してもよい。前記虐待のパターンは、特に制限されず、例えば、虐待の種類(例えば、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト)でもよいし、虐待の程度(例えば、最重度、重度、中度、軽度)でもよいし、これらの組み合わせでもよく、前記種類や程度が発生している確率の情報であってもよい。また、前記虐待のパターンは、例えば、入力した判定対象情報から推定される、過去の類似する虐待事例データを含んでもよい。前記虐待事例データは、例えば、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含む。
【0028】
前記虐待判定モデルは、例えば、判定対象情報を入力する入力層と、前記虐待のパターンを出力する出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層とを含む。前記虐待判定モデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールであってもよい。前記多層化ネットワークとしては、例えば、ニューラルネットワーク等が挙げられる。前記ニューラルネットワークとしては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)等が挙げられるが、CNNに限定されず、CNN以外のニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、回帰木等の他の学習アルゴリズムで構築された学習済みモデルであってもよい。
【0029】
前記虐待判定モデルは、例えば、後述する虐待事例データを教師データとして用いた機械学習によって生成できる。前記虐待判定モデルの生成については、後述する。なお、前記虐待判定モデルは、例えば、予め生成された学習済モデルでもよい。また、前記学習済モデルは、前記虐待事例データが含む虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを組とした教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)でもよい。さらに、前記学習済モデルは、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルでもよいし、前記教師データを用いて生成した学習済モデルをモデル圧縮することに生成した学習済モデルでもよい。
【0030】
虐待判定部12は、例えば、前記判定対象情報に基づいて、養育者による被養育者に対する虐待の有無を判定可能であってもよい。この場合、虐待判定部12は、例えば、前記判定対象情報に基づいて、養育者による被養育者に対する虐待の有無を判定し、虐待があると判定した場合に、前記虐待のパターンを判定できる。具体的に、虐待判定部12は、例えば、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待の有無及び虐待のパターンを判定できる。この場合、前記虐待判定モデルは、例えば、入力された判定対象情報から虐待の有無及び虐待のパターンを生成するように学習されたモデルである以外は前述の虐待判定モデルと同様である。前記虐待の有無は、例えば、虐待が発生しているか否かといった定性的な情報でもよいし、虐待が発生している確率が〇〇%といった定量的な情報でもよい。虐待判定部12が虐待の有無を判定可能である場合、例えば、そもそも虐待が発生しているかの判断が難しいケースにおいても、児童相談所や介護施設等の職員による判断を支援可能となる。
【0031】
つぎに、対応パターン出力部13は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する(S3、対応パターン出力工程)。具体的に、対応パターン出力部13は、例えば、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力できる。前記対応判定モデルは、例えば、入力された前記判定対象情報及び前記虐待のパターンから対応情報を生成するように学習されたモデルである。前記対応判定モデルは、例えば、後述する対応学習部により構築してもよいし、予めメモリ102及び記憶装置104に記憶されていてもよいし、通信回線網を介して外部の学習済みモデル製造装置から取得してもよい。前記対応情報は、例えば、被養育者又は養育者に対し、推奨される行動の情報である。具体例として、前記対応情報は、例えば、被養育者の保護の要否(例えば、被養育者の緊急一時保護の要否、一時保護の要否、一時保護の検討の要否)、養育者及び被養育者の家庭への援助要否、援助の継続要否、経過観察の要否、行政支援の提案要否及び提案する行政支援の種類、医療機関への連絡要否、警察への連絡要否、被養育者の所属組織(例えば、学校)への連絡要否等があげられる。対応パターン出力部13が出力する対応情報は、例えば、1つでもよいし、2以上の複数でもよい。後者の場合、例えば、対応情報毎のスコアや適切度を併せて出力してもよい。
【0032】
前記対応判定モデルは、例えば、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力する入力層と、前記対応情報を出力する出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層とを含む。前記対応判定モデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールであってもよい。前記多層化ネットワークとしては、例えば、ニューラルネットワーク等が挙げられる。前記ニューラルネットワークとしては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)等が挙げられるが、CNNに限定されず、CNN以外のニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、回帰木等の他の学習アルゴリズムで構築された学習済みモデルであってもよい。
【0033】
前記対応判定モデルは、例えば、後述する対応事例データを教師データとして用いた機械学習によって生成できる。前記対応判定モデルの生成については、後述する。なお、前記対応判定モデルは、例えば、予め生成された学習済モデルでもよい。また、前記学習済モデルは、前記対応事例データが含む虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを組とした教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)でもよい。前記虐待事例データは、例えば、前述の通りであり、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含む。さらに、前記学習済モデルは、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルでもよいし、前記教師データを用いて生成した学習済モデルをモデル圧縮することに生成した学習済モデルでもよい。
【0034】
また、本実施形態の対応支援装置は、例えば、前記対応情報に加えて、判定した虐待パターンを出力してもよい。この場合、前記虐待パターンは、例えば、入力した判定対象情報から推定される虐待パターンに加えて、過去の類似する虐待事例データを含むことが好ましい。このような態様によれば、例えば、過去の事例データと判定された虐待パターンを見比べて、出力された対応情報の妥当性を検討可能となるため、ユーザである児童相談所や介護施設等の職員は、より適切な対応を選択できる。
【0035】
本実施形態の虐待の対応支援装置は、判定対象情報に基づいて虐待のパターンを判定し、判定したパターン及び判定対象情報に基づく対応情報を出力できる。このため、本実施形態の対応支援装置によれば、児童相談所や介護施設の職員等の経験や技能に依拠しない虐待パターンの判定、及び対応の提案が可能となる。
【0036】
[実施形態2]
実施形態2は、本発明の虐待の対応支援装置の他の例である。
【0037】
本実施形態の虐待の対応支援装置は、実施形態1の虐待の対応支援装置10の構成に加えて、虐待事例データ取得部、及びパターン学習部を含むこと以外は前記実施形態1の虐待の対応支援装置10と同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の虐待の対応支援装置10Aは、例えば、虐待事例データ取得部、及びパターン学習部を含み、前記虐待事例データ取得部は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、前記パターン学習部は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する。
【0038】
図4は、本実施形態の虐待の対応支援装置10Aの一例の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、虐待の対応支援装置10Aは、実施形態1の虐待の対応支援装置10の構成に加えて、虐待事例データ取得部14、及びパターン学習部15を含む。虐待の対応支援装置10Aのハードウェア構成は、
図2の虐待の対応支援装置10のハードウェア構成において、中央処理装置101が、
図1の虐待の対応支援装置10の構成に代えて、
図4の虐待の対応支援装置10Aの構成を備える以外は同様である。以下、虐待事例データ取得部14、及びパターン学習部15の処理を説明する。虐待事例データ取得部14、及びパターン学習部15の処理は、例えば、前記実施形態1で説明した
図3のフローチャートにおける任意の位置に適宜挿入できる。
【0039】
虐待事例データ取得部14は、虐待事例を示す虐待事例データを取得する(虐待事例データ取得工程)。前記虐待事例データは、例えば、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含む。前記虐待パターン、被養育者情報、及び養育者情報の説明については、例えば、前述の実施形態1の説明を援用できる。前記虐待事例データは、例えば、実際に発生した過去の虐待事例における虐待のパターンと、被養育者情報及び養育者情報との組でもよいし、GAN(Generative Adversarial Network(敵対的生成ネットワーク)等の機械学習を利用した方法により生成した架空の事例における虐待のパターンと被養育者情報及び養育者情報との組でもよい。虐待事例データ取得部14は、例えば、本装置10Aのユーザにより入力された前記虐待事例データを取得してもよいし、予め本装置10Aのメモリ102又は記憶装置104に記憶された虐待事例データを取得してもよいし、通信回線網を介して外部装置(例えば、外部の端末、ストレージ、サーバ装置等)から前記虐待事例データを取得してもよい。
【0040】
つぎに、パターン学習部15は、前記虐待事例データを前記教師データとして用いた機械学習によって、前記判定対象情報を入力した場合に、前記虐待のパターンを出力する虐待判定モデルを学習済みモデルとして生成する(パターン学習工程)。具体的に、パターン学習部15は、例えば、前記虐待事例データが含む虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを組とした教師データを用いて機械学習によって前記虐待判定モデルを構築する。前記機械学習は、特に制限されず、例えば、CNN、SVM、ベイジアンネットワーク、回帰木等を用いた機械学習である。また、パターン学習部15は、例えば、前記虐待事例データが含む虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを組とした教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)を生成してもよい。さらに、パターン学習部15は、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルを生成してもよいし、前記教師データを用いてとして生成した学習済モデルをモデル圧縮することにより前記学習済モデルを生成してもよい。
【0041】
パターン学習部15は、例えば、前記虐待事例データを前記教師データとして用いた機械学習によって、前記判定対象情報を入力した場合に、前記虐待の有無及び虐待のパターンを出力する虐待判定モデルを学習済みモデルとして生成可能であってもよい。この場合、前記虐待判定モデルは、例えば、入力された判定対象情報から虐待の有無及び虐待のパターンを生成するように学習されたモデルである以外は前述の虐待判定モデルと同様である。
【0042】
本実施形態の虐待の対応支援装置は、例えば、虐待事例データ取得部により取得した虐待事例データを用いて虐待判定モデルを生成できる。このため、本実施形態の対応支援装置によれば、虐待の判定に用いる学習済みモデルを生成できる。また、ユーザが所有する事例データに基づいて学習済みモデルを生成できるため、より精度の高い学習済みモデルが生成できる。
【0043】
[実施形態3]
実施形態3は、本発明の虐待の対応支援装置の他の例である。
【0044】
本実施形態の虐待の対応支援装置は、実施形態1の虐待の対応支援装置10の構成に加えて、対応事例データ取得部、及び対応学習部を含むこと以外は前記実施形態1の虐待の対応支援装置10と同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の虐待の対応支援装置10Bは、例えば、対応事例データ取得部、及び対応学習部を含み、前記対応事例データ取得部は、対応事例データを取得し、前記虐待事例データは、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、前記対応学習部は、前記対応事例データを教師データとして用いた機械学習により前記対応判定モデルを生成する。
【0045】
図5は、本実施形態の虐待の対応支援装置10Bの一例の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、虐待の対応支援装置10Bは、実施形態1の虐待の対応支援装置10の構成に加えて、対応事例データ取得部16、及び対応学習部17を含む。虐待の対応支援装置10Bのハードウェア構成は、
図2の虐待の対応支援装置10のハードウェア構成において、中央処理装置101が、
図1の虐待の対応支援装置10の構成に代えて、
図5の虐待の対応支援装置10Bの構成を備える以外は同様である。以下、対応事例データ取得部16、及び対応学習部17の処理を説明する。対応事例データ取得部16、及び対応学習部17の処理は、例えば、前記実施形態1で説明した
図3のフローチャートにおける任意の位置に適宜挿入できる。
【0046】
対応事例データ取得部16は、虐待事例を示す虐待事例データを取得する(虐待事例データ取得工程)。前記対応事例データは、例えば、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含む。前記対応情報、前記虐待パターン、被養育者情報、及び養育者情報の説明については、例えば、前述の実施形態1の説明を援用できる。前記対応事例データは、例えば、実際に発生した過去の虐待事例における虐待事例データとその対応の情報との組でもよいし、GAN(Generative Adversarial Network(敵対的生成ネットワーク)等の機械学習を利用した方法により生成した架空の事例における虐待事例データとその対応の情報との組でもよい。対応事例データ取得部16は、例えば、本装置10Bのユーザにより入力された前記対応事例データを取得してもよいし、予め本装置10Bのメモリ102又は記憶装置104に記憶された対応事例データを取得してもよいし、通信回線網を介して外部装置(例えば、外部の端末、ストレージ、サーバ装置等)から前記対応事例データを取得してもよい。
【0047】
つぎに、対応学習部17は、前記対応事例データを前記教師データとして用いた機械学習によって、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力した場合に、対応情報を出力する対応判定モデルを学習済みモデルとして生成する(対応学習工程)。具体的に、対応学習部17は、例えば、前記対応事例データが含む虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを組とした教師データを用いて機械学習によって前記対応判定モデルを構築する。前記機械学習は、特に制限されず、例えば、CNN、SVM、ベイジアンネットワーク、回帰木等を用いた機械学習である。また、対応学習部17は、例えば、前記対応事例データが含む虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを組とした教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)を生成してもよい。さらに、対応学習部17は、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルを生成してもよいし、前記教師データを用いてとして生成した学習済モデルをモデル圧縮することにより前記学習済モデルを生成してもよい。
【0048】
本実施形態の虐待の対応支援装置は、例えば、対応事例データ取得部により取得した対応事例データを用いて対応判定モデルを生成できる。このため、本実施形態の対応支援装置によれば、対応情報の出力に用いる学習済みモデルを生成できる。また、ユーザが所有する事例データに基づいて学習済みモデルを生成できるため、より精度の高い学習済みモデルが生成できる。
【0049】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前述の虐待の対応支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を実行させるためのプログラムである。
【0050】
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する。
【0051】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順として機能させるプログラムということもできる。
【0052】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の虐待の対応支援装置及び虐待の対応支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0053】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0054】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
判定対象情報取得部、虐待判定部、対応パターン出力部を含み、
前記判定対象情報取得部は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定部は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力部は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する、虐待の対応支援装置。
(付記2)
前記虐待判定部は、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定する、付記1記載の虐待の対応支援装置。
(付記3)
虐待事例データ取得部、及びパターン学習部を含み、
前記虐待事例データ取得部は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記パターン学習部は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する、付記2記載の虐待の対応支援装置。
(付記4)
前記対応パターン出力部は、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力する、付記1から3のいずれかに記載の虐待の対応支援装置。
(付記5)
対応事例データ取得部、及び対応学習部を含み、
前記対応事例データ取得部は、対応事例データを取得し、
前記対応事例データは、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記対応学習部は、前記対応事例データを教師データとして用いた機械学習により前記対応判定モデルを生成する、付記1から4のいずれかに記載の虐待の対応支援装置。
(付記6)
判定対象情報取得工程、虐待判定工程、対応パターン出力工程を含み、
前記判定対象情報取得工程は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定工程は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力工程は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力する、虐待の対応支援方法。
(付記7)
前記虐待判定工程は、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定する、付記6記載の虐待の対応支援方法。
(付記8)
虐待事例データ取得工程、及びパターン学習工程を含み、
前記虐待事例データ取得工程は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記パターン学習工程は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する、付記7記載の虐待の対応支援方法。
(付記9)
前記対応パターン出力工程は、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力する、付記6から8のいずれかに記載の虐待の対応支援方法。
(付記10)
対応事例データ取得工程、及び対応学習工程を含み、
前記対応事例データ取得工程は、対応事例データを取得し、
前記対応事例データは、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記対応学習工程は、前記対応事例データを教師データとして用いた機械学習により前記対応判定モデルを生成する、付記6から9のいずれかに記載の虐待の対応支援方法。
(付記11)
判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を含み、
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記12)
前記虐待判定手順は、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定する、付記11記載のプログラム。
(付記13)
虐待事例データ取得手順、及びパターン学習手順を含み、
前記虐待事例データ取得手順は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記パターン学習手順は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する、付記12記載のプログラム。
(付記14)
前記対応パターン出力手順は、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力する、付記11から13のいずれかに記載のプログラム。
(付記15)
対応事例データ取得手順、及び対応学習手順を含み、
前記対応事例データ取得手順は、対応事例データを取得し、
前記対応事例データは、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記対応学習手順は、前記対応事例データを教師データとして用いた機械学習により前記対応判定モデルを生成する、付記11から14のいずれかに記載のプログラム。
(付記16)
判定対象情報取得手順、虐待判定手順、対応パターン出力手順を含み、
前記判定対象情報取得手順は、判定対象情報を取得し、
前記判定対象情報は、被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方を含み、
前記虐待判定手順は、前記判定対象情報に基づいて、虐待のパターンを判定し、
前記対応パターン出力手順は、前記判定対象情報及び前記虐待のパターンに基づいて対応情報を出力し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記17)
前記虐待判定手順は、虐待判定モデルに前記判定対象情報を入力して、前記虐待のパターンを判定する、付記16記載の記録媒体。
(付記18)
虐待事例データ取得手順、及びパターン学習手順を含み、
前記虐待事例データ取得手順は、虐待事例を示す虐待事例データを取得し、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記パターン学習手順は、前記虐待事例データを教師データとして用いた機械学習により前記虐待判定モデルを生成する、付記17記載の記録媒体。
(付記19)
前記対応パターン出力手順は、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力する、付記16から18のいずれかに記載の記録媒体。
(付記20)
対応事例データ取得手順、及び対応学習手順を含み、
前記対応事例データ取得手順は、対応事例データを取得し、
前記対応事例データは、虐待事例を示す虐待事例データと、前記虐待事例における対応情報とを含み、
前記虐待事例データは、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含み、
前記対応学習手順は、前記対応事例データを教師データとして用いた機械学習により前記対応判定モデルを生成する、付記16から19のいずれかに記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、簡便に虐待を判定し、判定した虐待に対する対応方法を出力可能となる。このため、本発明は、児童福祉、介護、医療等の分野において特に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0056】
10 虐待の対応支援装置
11 判定対象情報取得部
12 虐待判定部
13 対応パターン出力部
14 虐待事例データ取得部
15 パターン学習部
16 対応事例データ取得部
17 対応学習部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス