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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008493
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/04 20060101AFI20240112BHJP
   B28D 7/02 20060101ALI20240112BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20240112BHJP
   B23D 47/00 20060101ALI20240112BHJP
   B23D 45/16 20060101ALI20240112BHJP
   B28D 1/08 20060101ALN20240112BHJP
【FI】
B28D1/04 A
B28D7/02
B23Q11/00 M
B23D47/00 A
B23D47/00 C
B23D45/16
B28D1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110414
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石澤 匠
(72)【発明者】
【氏名】津田 翔
【テーマコード(参考)】
3C011
3C040
3C069
【Fターム(参考)】
3C011BB03
3C040AA01
3C040GG16
3C040GG19
3C040GG42
3C069AA01
3C069BA04
3C069CA01
3C069CA07
3C069DA05
3C069DA07
3C069EA01
3C069EA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】集塵ホースとハウジングが干渉することを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】作業機2は、原動機と、原動機を収容するハウジング4と、原動機の動作により回転軸AX2周りを回転するシャフトと、シャフトに固定されており、回転軸周りを回転することにより被切削物を切削するカッタ12と、カッタの少なくとも一部を覆っており、シャフトに対して回転軸周りを回動可能である第1可動カバー70と、第1可動カバーに取り付けられており、カッタが被切削物を切削することにより発生する粉塵を集めるための集塵ホース16に取り付けられる取付管116と、を備えている。可動カバーは、カッタの回転方向に沿って延びており、粉塵を取付管に排出する排出部88を備えている。取付管は、回動軸AX3周りを回動可能に可動カバーの排出部に取り付けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機と、
前記原動機を収容するハウジングと、
前記原動機の動作により回転軸周りを回転するシャフトと、
前記シャフトに固定されており、前記回転軸周りを回転することにより被切削物を切削するカッタと、
前記カッタの少なくとも一部を覆っており、前記シャフトに対して前記回転軸周りを回動可能である可動カバーと、
前記可動カバーに取り付けられており、前記カッタが前記被切削物を切削することにより発生する粉塵を集めるための集塵ホースが取り付けられる取付管と、を備えており、
前記可動カバーは、前記カッタの回転方向に沿って延びており、前記粉塵を前記取付管に排出する排出部を備えており、
前記取付管は、回動軸周りを回動可能に前記可動カバーの前記排出部に取り付けられている、作業機。
【請求項2】
前記回動軸周りの前記取付管の回動範囲の上限値は、10度から90度の間である、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記取付管と前記排出部の一方は、前記回動軸周りに延びるリブ部を備えており、
前記取付管と前記排出部の他方は、前記リブ部が前記回動軸周りに移動可能となるように前記リブ部を受け入れる受入部を備えており、
前記受入部は、前記回動軸周りに前記リブ部と当接する段差部を備えている、請求項2に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機が開示されている。作業機は、原動機と、原動機を収容するハウジングと、原動機の動作により回転軸周りを回転するシャフトと、シャフトに固定されており、回転軸周りを回転することにより被切削物を切削するカッタと、カッタの少なくとも一部を覆っているカバーと、カバーに取り付けられており、カッタが被切削物を切削することにより発生する粉塵を集めるための集塵ホースが取り付けられる取付管と、を備えている。カバーは、粉塵を取付管に排出する排出部を備えている。取付管は、カバーの排出部に移動不能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-262428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の作業機において、カバーが回転軸周りに回動可能である場合、取付部の位置は、カバーの回動に伴い変化する。取付部がカバーの排出部に移動不能に取り付けられているため、取付部の位置がカバーの回動に伴い変化したときに、集塵ホースとハウジングが干渉することがある。本明細書では、集塵ホースとハウジングが干渉することを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、原動機と、原動機を収容するハウジングと、原動機の動作により回転軸周りを回転するシャフトと、シャフトに固定されており、回転軸周りを回転することにより被切削物を切削するカッタと、カッタの少なくとも一部を覆っており、シャフトに対して回転軸周りを回動可能である可動カバーと、可動カバーに取り付けられており、カッタが被切削物を切削することにより発生する粉塵を集めるための集塵ホースが取り付けられる取付管と、を備えている。可動カバーは、カッタの回転方向に沿って延びており、粉塵を取付管に排出する排出部を備えている。取付管は、回動軸周りを回動可能に可動カバーの排出部に取り付けられている。
【0006】
上記の構成によれば、取付管が回動軸周りを回動することができるため、可動カバーを回動させても、取付管を回動させることにより、集塵ホースとハウジングが干渉することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例の作業機2の斜視図である。
図2】第1実施例の作業機2について、ハウジング4の内部構造を示す側面図である。
図3】第1実施例のカッタ12と原動機36と伝達ユニット38の斜視図である。
図4】第1実施例の作業機2の出力シャフト50近傍の断面図である。
図5】第1実施例の作業機2のカバーユニット14近傍の断面図である。
図6】第1実施例のカバーユニット14の分解斜視図である。
図7】第1実施例の作業機2について、第2可動カバー74が第1可動カバー70から引き出されているときの側面図である。
図8】第1実施例の作業機2について、第2可動カバー74が第1可動カバー70に収容されているときの側面図である。
図9】第1実施例の作業機2のブラケット108近傍の分解斜視図である。
図10】第1実施例の取付管116の斜視図である。
図11】第1実施例のカバーユニット14の取付管116近傍の上断面図である。
図12】第1実施例のカバーユニット14の取付管116近傍の横断面図である。
図13】第1実施例の作業機2の保持ユニット160近傍の斜視図である。
図14】第1実施例の保持ユニット160の分解斜視図である。
図15】第1実施例の集塵ホース16と保持ユニット160の断面図である。
図16】第1実施例のホース保持部材164の断面図である。
図17】第2実施例の集塵ホース16と保持ユニット160の断面図である。
図18】第3実施例の集塵ホース16と保持ユニット160の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、回動軸周りの取付管の回動範囲の上限値は、10度から90度の間であってもよい。
【0012】
回動軸周りの取付管の回動範囲の上限値が10度未満であるとき、可動カバーを回動させたときに、集塵ホースとハウジングが干渉することを十分に抑制することができない。また、回動軸周りの取付管の回動範囲の上限値が90度を超えるとき、集塵ホースがカッタに接触することがある。上記の構成によれば、可動カバーを回動させたときに、集塵ホースとハウジングが干渉することをより抑制することができ、集塵ホースがカッタに接触することを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、取付管と排出部の一方は、回動軸周りに延びるリブ部を備えていてもよい。取付管と排出部の他方は、リブ部が回動軸周りに移動可能となるようにリブ部を受け入れる受入部を備えていてもよい。受入部は、回動軸周りにリブ部と当接する段差部を備えていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、簡素な構成により、回動軸周りの取付管の回動範囲を制限することができる。
【0015】
(第1実施例)
図1に示すように、作業機2は、例えば、手持ち式の動力工具である。作業機2は、例えば、乾式のパワーカッタである。作業機2は、例えば、石材や鉄材といった被切削物を切削する。作業機2は、ハウジング4と、接地部材6と、前側ハンドル8と、アーム10と、カッタ12と、カバーユニット14と、集塵ホース16と、2個のバッテリパックBPと、を備えている。以下では、作業機2を地面等の載置面P(図2参照)に載置したときに、作業機2の長手方向を載置面Pに投影した方向を前後方向と呼び、載置面Pに直交する方向を上下方向と呼び、前後方向と上下方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0016】
ハウジング4は、ハウジング4の右半面の外形形状を規定する右側ハウジング20と、ハウジング4の左半面の外形形状を規定する左側ハウジング22と、を備えている。右側ハウジング20と左側ハウジング22は、ねじ(図示省略)により固定されている。ハウジング4は、ハウジング本体24と、後側ハンドル26と、を備えている。
【0017】
図2に示すように、ハウジング本体24の後部には、バッテリインターフェース28が設けられている。バッテリパックBPは、バッテリパックBPを略上下方向にスライドさせることにより、バッテリインターフェース28に着脱可能に取り付けられる。バッテリパックBPは、例えば、リチウムイオンバッテリを備えている。図1に示すように、2個のバッテリパックBPがバッテリインターフェース28に取り付けられているとき、2個のバッテリパックBPは、バッテリインターフェース28を挟んで左右方向に並んで配置される。
【0018】
後側ハンドル26は、ハウジング本体24の後端に配置されている。後側ハンドル26は、ハウジング本体24の後面から後方下側に延びた後、屈曲して下側に延び、その後にさらに屈曲してハウジング本体24の後面まで前側に延びている。図2に示すように、後側ハンドル26には、トリガ30が取り付けられている。ユーザは、トリガ30を、後側ハンドル26を把持した手の指で押し込むことにより、カッタ12(図1参照)を回転させることができる。
【0019】
接地部材6は、ハウジング本体24の下端に取り付けられている。作業機2が載置面Pに載置されているとき、接地部材6は、載置面Pと当接する。これにより、ハウジング本体24の下面が、載置面Pと接触することを抑制する。
【0020】
図1および図2に示すように、前側ハンドル8は、ハウジング本体24と接地部材6に取り付けられている。前側ハンドル8は、ハウジング本体24の略上側に延びた後、屈曲して左側に延び、その後に屈曲して略下側に延び、さらに屈曲して接地部材6まで右側に延びている。ユーザは、作業機2で被切削物を切削するとき、一方の手で前側ハンドル8を把持し、他方の手で後側ハンドル26を把持する。
【0021】
アーム10は、ハウジング本体24の右面に取り付けられている。アーム10は、ハウジング本体24の右面から、ハウジング本体24の前端を超えて、前方上側に向かって延びている。
【0022】
図2および図3に示すように、作業機2は、制御基板34と、原動機36と、伝達ユニット38と、を備えている。図2に示すように、制御基板34と原動機36は、ハウジング本体24に収容されている。なお、図2では、制御基板34が破線により図示されている。制御基板34と原動機36は、バッテリインターフェース28よりも前側に配置されている。制御基板34は、トリガ30が押し込まれると、原動機36を動作させる。原動機36は、例えば、電動モータを備えている。原動機36は、下端が上端よりも前側に位置するように傾斜している。
【0023】
図3に示すように、伝達ユニット38は、減速機40と、入力シャフト42と、入力プーリ44と、ベルト46と、出力プーリ48と、出力シャフト50と、を備えている。減速機40は、原動機36の回転シャフト36aの回転を入力シャフト42に伝達し、回転シャフト36aの回転数よりも低い回転数で、入力シャフト42を回転させる。減速機40は、原動機36の回転シャフト36aに固定される第1減速ギヤ52と、入力シャフト42に固定される第2減速ギヤ54と、を備えている。第1減速ギヤ52と第2減速ギヤ54は、例えば、ベベルギヤである。
【0024】
入力シャフト42は、左右方向に延びている。入力シャフト42は、左右方向に延びる回転軸AX1周りを回転可能である。
【0025】
入力プーリ44と、ベルト46と、出力プーリ48は、アーム10(図1参照)に収容されている。入力プーリ44は、アーム10(図1参照)の後端近傍に配置されている。入力プーリ44は、入力シャフト42の右端に固定されている。入力プーリ44は、入力シャフト42とともに回転する。ベルト46は、入力プーリ44と出力プーリ48との間に架け渡されている。ベルト46は、入力プーリ44が回転したときに回転方向D1に回転することにより、出力プーリ48を回転させる。出力プーリ48は、アーム10(図1参照)の前端近傍に配置されている。
【0026】
出力シャフト50は、出力プーリ48に固定されている。図4に示すように、出力シャフト50は、左右方向に延びている。出力シャフト50は、出力プーリ48とともに、左右方向に延びる回転軸AX2周りを回転する。出力シャフト50は、出力プーリ48から、アーム10を貫通して、左側に突出している。出力シャフト50は、軸受け56、58により、アーム10に回転可能に支持されている。アーム10は、アーム10の前端において、アーム10の左面10aから左側に突出している略円筒形状のアーム突出部60を備えており、軸受け56、58は、アーム突出部60の内面60aに固定されている。軸受け56、58は、例えば、玉軸受けである。出力シャフト50の左端には、右側挟持部材62と左側挟持部材64が、ボルト66とワッシャ68により固定されている。右側挟持部材62と左側挟持部材64は、カッタ12を挟み込んでいる。これにより、カッタ12が出力シャフト50の左端に固定されている。
【0027】
図5に示すように、カッタ12は、円板形状を有するブレードである。カッタ12の外周縁には、複数の刃先が形成されている。カッタ12は、例えば、ダイヤモンドカッタである。カッタ12は、出力シャフト50とともに、回転軸AX2周りを回転方向D2に回転する。
【0028】
カバーユニット14は、ハウジング本体24よりも前側に配置されている。カバーユニット14は、カッタ12を部分的に覆っている。カバーユニット14は、カッタ12が被切削物を切削したときに発生する粉塵がカバーユニット14の外部に飛散することを抑制する。図6に示すように、カバーユニット14は、第1可動カバー70と、カバーハンドル72(図7参照)と、第2可動カバー74と、を備えている。
【0029】
第1可動カバー70は、第1可動カバー70の右半面の外形形状を規定する第1右側可動カバー78と、第1可動カバー70の左半面の外形形状を規定する第1左側可動カバー80と、を備えている。第1右側可動カバー78と第1左側可動カバー80の間には、カッタ12(図5参照)が配置される。
【0030】
第1可動カバー70は、第1被覆部82と、第1取付部84と、第1周壁部86と、排出部88と、を備えている。第1被覆部82は、第1右側可動カバー78と第1左側可動カバー80の両方に形成されている。第1被覆部82は、カッタ12(図5参照)を部分的に覆う。第1可動カバー70を左右方向に見たとき、第1被覆部82は、略半円形状を有する。
【0031】
第1取付部84と第1周壁部86は、第1右側可動カバー78に形成されている。第1取付部84と第1周壁部86は、第1右側可動カバー78において、第1被覆部82の円の中心近傍に配置されている。第1取付部84は、略円筒形状を有する。第1周壁部86は、第1取付部84の外面84aを少なくとも部分的に囲んでいる。第1周壁部86と第1取付部84との間には、第1空間90が画定されている。図4に示すように、第1取付部84は、アーム突出部60に摺動可能に取り付けられている。第1取付部84は、アーム突出部60の外面60bを囲んでいる。第1取付部84がアーム突出部60の外面60bの周りを回動すると、図7および図8に示すように、第1可動カバー70は、回転軸AX2の周りを回動する。回転軸AX2周りの第1可動カバー70の回動範囲の上限値は、30度から90度の間であり、例えば40度である。第1可動カバー70の向きは、被切削物の形状や位置等に応じて調整される。
【0032】
図6に示すように、排出部88は、第1右側可動カバー78と第1左側可動カバー80の両方に形成されている。図5に示すように、排出部88は、湾曲した管形状を有する。排出部88は、カッタ12の回転方向D2に沿って延びている。排出部88は、第1被覆部82よりも半径方向外側に配置されている。排出部88は、カッタ12が被切削物を切削したときに発生する粉塵を後述する取付管116に排出する。
【0033】
図7および図8に示すように、カバーハンドル72は、第1可動カバー70に取り付けられている。ユーザは、カバーハンドル72を操作することにより、第1可動カバー70を回転軸AX2周りに回動させて、第1可動カバー70の向きを調整することができる。例えば、ユーザは、カバーハンドル72を前方向に押すことにより、図7に示すように、第1可動カバー70を、第1位置まで移動させることができる。また、ユーザは、カバーハンドル72を後方向に引くことにより、図8に示すように、第1可動カバー70を、第2位置まで移動させることができる。
【0034】
図6に示すように、第2可動カバー74は、第2可動カバー74の右半面の外形形状を規定する第2右側可動カバー92と、第2可動カバー74の左半面の外形形状を規定する第2左側可動カバー94と、第2右側可動カバー92と第2左側可動カバー94に取り付けられているローラ96と、を備えている。第2右側可動カバー92と第2左側可動カバー94は、第1右側可動カバー78と第1左側可動カバー80との間に配置されている。第2右側可動カバー92と第2左側可動カバー94との間には、カッタ12(図5参照)が配置される。ローラ96は、第1可動カバー70の外側に配置されている。ローラ96は、例えば、被切削物に当接したときに回転する。これにより、作業機2(図7参照)をスムーズに移動させることができる。
【0035】
第2可動カバー74は、第2被覆部98と、第2取付部100と、を備えている。第2被覆部98は、第2右側可動カバー92と第2左側可動カバー94の両方に形成されている。第2被覆部98は、カッタ12(図5参照)を部分的に覆う。第2被覆部98は、第1被覆部82の内部に収容可能である。
【0036】
第2取付部100は、第2右側可動カバー92に形成されている。第2取付部100は、第2右側可動カバー92において、第2被覆部98に接続されている。第2取付部100は、略円筒形状を有する。第2取付部100の内面100aにより、開口102が画定されている。図4に示すように、第2取付部100は、軸受け104により、第1取付部84に回動可能に取り付けられている。軸受け104は、例えば、玉軸受けである。変形例では、軸受け104は、摺動軸受けであってもよい。軸受け104は、第1取付部84の外面84aと第2取付部100の内面100aとの間に挟まれている。第2取付部100は、第1取付部84の外面84aを囲んでいる。第2取付部100は、第1取付部84と第1周壁部86との間の第1空間90に配置されている。第2取付部100が第1取付部84の外面84aの周りを回動すると、図7および図8に示すように、第2可動カバー74は、回転軸AX2周りを回動する。第2可動カバー74の回動軸は、第1可動カバー70の回動軸と略同一である。
【0037】
回転軸AX2周りの第2可動カバー74の回動範囲の上限値は、30度から90度の間であり、例えば45度である。第2可動カバー74の向きは、ユーザが第2可動カバー74、例えば、第2被覆部98を直接手で持って操作することにより調整される。第2可動カバー74は、第1可動カバー70に対して引出位置(図7参照)と収容位置(図8参照)との間を回動する。図7に示すように、第2可動カバー74が第1可動カバー70に対して引出位置に位置するとき、第2被覆部98の大部分が、第1被覆部82の内部から外部に引き出されている。第2被覆部98は、カッタ12の第1被覆部82に囲まれていない領域を部分的に覆っている。図8に示すように、第2可動カバー74が第1可動カバー70に対して収容位置に位置するとき、第2被覆部98の大部分が、第1被覆部82の内部に収容されている。このため、カッタ12を覆う領域は、第1可動カバー70がカッタ12を覆う領域と略同一である。
【0038】
図9に示すように、カバーユニット14は、ブラケット108をさらに備えている。ブラケット108は、中心に開口110を有する略円板形状を有する。ブラケット108は、ネジ112により、アーム突出部60の左面に固定されている。図4に示すように、ブラケット108は、左右方向において、カッタ12とアーム突出部60との間に配置されている。第1取付部84と、第1周壁部86と、第2取付部100は、アーム10の左面10aとブラケット108との間に配置されている。これにより、第1可動カバー70と第2可動カバー74がアーム10に取り付けられている。また、開口110には、出力シャフト50が挿入されている。ブラケット108の直径は、第1取付部84の外面84aの直径と、第2取付部100の内面100aの直径(開口102の直径)と、第1周壁部86の内面の直径のそれぞれよりも大きい。ブラケット108は、左右方向において、第1取付部84と、第2取付部100と、第1周壁部86のそれぞれと重なり合っている。これにより、ブラケット108は、第1取付部84と第1周壁部86との間の第1空間90を左側から塞いでいる。カッタ12が被切削物を切削することにより粉塵が発生したとき、ブラケット108は、粉塵が第1空間90、例えば、第1取付部84と第2取付部100との間の空間や、第2取付部100と第1周壁部86との間の空間に侵入することを抑制する。これにより、粉塵が軸受け104に侵入することを抑制することができ、第2可動カバー74を第1可動カバー70に対して回動させることができなくなることを抑制することができる。
【0039】
図6に示すように、カバーユニット14は、取付管116をさらに備えている。取付管116は、例えば、樹脂材料からなる。変形例では、取付管116は金属材料からなってもよい。取付管116は、第1右側可動カバー78と第1左側可動カバー80との間に挟まれることにより、回動軸AX3周りを回動可能に排出部88に取り付けられている。回動軸AX3と回転軸AX2は、ねじれの位置にある。また、取付管116は、集塵ホース16(図7参照)に着脱可能に取り付けられる。また、取付管116は、湾曲した管形状を有する。取付管116が回動可能であるため、ユーザは、取付管116を所定の位置まで回動させることにより、集塵ホース16を取付管116に容易に取り付けることができる。取付管116は、排出部88から放出された粉塵を、集塵ホース16に送る。集塵ホース16に送られた粉塵は、図示省略の集塵機に集められる。
【0040】
図10に示すように、取付管116は、カバー取付部118と、湾曲部120と、ホース取付部122と、を備えている。カバー取付部118は、回動軸AX3に沿って直線状に延びている。カバー取付部118は、排出部88(図6参照)に取り付けられる。湾曲部120は、湾曲して延びている。湾曲部120は、カバー取付部118とホース取付部122を接続している。ホース取付部122は、直線状に延びている。ホース取付部122は、回動軸AX3に対して傾斜している。ホース取付部122は、集塵ホース16が挿入されることにより、集塵ホース16(図1参照)に取り付けられる。また、ホース取付部122には、集塵ホース16が着脱可能に取り付けられる。集塵ホース16がホース取付部122に取り付けられていないとき、ホース取付部122には、図示省略のキャップが取り付けられる。キャップがホース取付部122に取り付けられているとき、粉塵がホース取付部122から排出されることが抑制される。
【0041】
カバー取付部118は、フランジ部124と、第1受入部126と、第2受入部128と、を備えている。フランジ部124は、カバー取付部118と湾曲部120との接続箇所近傍に配置されている。フランジ部124は、カバー取付部118の外面から外側に向かって突出している。フランジ部124は、カバー取付部118の外面を回動軸AX3周りに一周するように延びている。第1受入部126は、カバー取付部118の外面から内側に凹んでいる。第1受入部126は、カバー取付部118の外面を回動軸AX3周りに一周するように延びている。
【0042】
第2受入部128は、フランジ部124と第1受入部126との間に配置されている。第2受入部128は、カバー取付部118の外面を回動軸AX3周りに一周するように延びている。第2受入部128は、カバー取付部118の外面から第1深さだけ内側に凹んでいる第1部分受入部130と、カバー取付部118の外面から第2深さだけ内側に凹んでいる第2部分受入部132と、を備えている。回動軸AX3周りにおける第1部分受入部130の一端は、回動軸AX3周りにおける第2部分受入部132の一端と接続しており、回動軸AX3周りにおける第1部分受入部130の他端は、回動軸AX3周りにおける第2部分受入部132の他端と接続している。第1深さは、第2深さよりも浅い。図11に示すように、第1部分受入部130の一端と第2部分受入部132の一端との接続箇所には、第1段差部134が形成されており、第1部分受入部130の他端と第2部分受入部132の他端との接続箇所には、第2段差部136が形成されている。
【0043】
取付管116と排出部88との取付構造を説明する前に、排出部88を詳細に説明する。図12に示すように、排出部88は、ストッパ部140と、リブ部142と、を備えている。ストッパ部140とリブ部142は、排出部88の出口88aに配置されている。ストッパ部140は、排出部88の内面から径方向内側に向かって突出している。ストッパ部140は、排出部88の内面を回動軸AX3周りに一周するように延びている。
【0044】
リブ部142は、ストッパ部140よりも排出部88の出口88a側の端近傍に配置されている。リブ部142は、排出部88の内面を回動軸AX3周りに一周するように延びている。図11に示すように、リブ部142は、排出部88の内面から第1高さだけ径方向内側に向かって突出している第1部分リブ部144と、排出部88の内面から第2高さだけ径方向内側に向かって突出している第2部分リブ部146と、を備えている。図11では、排出部88の内面が破線により図示されている。回動軸AX3周りにおける第1部分リブ部144の一端は、回動軸AX3周りにおける第2部分リブ部146の一端と接続しており、回動軸AX3周りにおける第1部分リブ部144の他端は、回動軸AX3周りにおける第2部分リブ部146の他端と接続している。第1高さは、第2高さよりも低い。第1部分リブ部144の一端と第2部分リブ部146の一端との接続箇所には、第1リブ段差部148が形成されており、第1部分リブ部144の他端と第2部分リブ部146の他端との接続箇所には、第2リブ段差部150が形成されている。
【0045】
図12に示すように、取付管116が排出部88に取り付けられているとき、カバー取付部118は、排出部88に挿入されている。フランジ部124は、排出部88の外側から排出部88の出口88aに当接している。カバー取付部118の端は、ストッパ部140と対向している。第1受入部126には、Oリング152が取り付けられており、Oリング152は、カバー取付部118の外面と排出部88の内面との間をシールする。リブ部142は、第2受入部128に受け入れられている。これにより、取付管116が排出部88から抜け出ることが抑制される。図11に示すように、リブ部142は、第2受入部128内を回動軸AX3周りに移動することができる。リブ部142が第2受入部128内を正方向D3に移動して、第1段差部134が第1リブ段差部148に当接すると、リブ部142は、第2受入部128内を正方向D3にさらに移動することができない。また、リブ部142が第2受入部128内を正方向D3と反対の負方向D4に移動して、第2段差部136が第2リブ段差部150に当接すると、リブ部142は、第2受入部128内を負方向D4にさらに移動することができない。これらにより、回動軸AX3周りの取付管116の回動が制限されている。
【0046】
回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値は、例えば10度以上、例えば20度以上、例えば30度以上、例えば40度以上である。これにより、ハウジング4(図1参照)と、取付管116に接続される集塵ホース16(図1参照)が干渉することが抑制される。回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値が30度以上であるとき、ハウジング4と集塵ホース16が干渉することがより抑制される。また、回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値は、例えば90度以下、例えば80度以下、例えば70度以下、例えば60度以下である。これにより、集塵ホース16がカッタ12(図1参照)に接触することが抑制される。回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値が70度以下であるとき、集塵ホース16がカッタ12に接触することがより抑制される。
【0047】
第1段差部134が第1リブ段差部148に当接しているとき、第1可動カバー70に対する取付管116の向きは、図8に示されるように、ホース取付部122が前側を向いている前向きとなり、第2段差部136が第2リブ段差部150に当接しているとき、第1可動カバー70に対する取付管116の向きは、図7に示されるように、ホース取付部122が後側を向いている後ろ向きとなる。図8に示すように、第1可動カバー70に対する取付管116の向きが前向きであるとき、第1可動カバー70が第2位置に位置していても、ハウジング4と集塵ホース16が干渉し難い。また、図7に示すように、第1可動カバー70に対する取付管116の向きが後ろ向きであるとき、第1可動カバー70が第1位置に位置していても、集塵ホース16がカッタ12に接触し難い。
【0048】
図13に示すように、作業機2による作業時に集塵ホース16(図1参照)がハウジング4から離れることを抑制するために、作業機2は、保持ユニット160をさらに備えている。保持ユニット160は、集塵ホース16を保持する。保持ユニット160は、ハウジング4の後端近傍に配置されている。保持ユニット160は、ハウジング4の右面に配置されている。これにより、ユーザが作業機2の左側に立って作業機2を操作しているとき、ユーザが集塵ホース16にぶつかることを抑制することができる。
【0049】
保持ユニット160は、ベース162と、ホース保持部材164と、を備えている。ベース162は、樹脂材料からなる。変形例では、ベース162は、金属材料からなってもよい。ベース162は、底壁166と、一対の対向壁168、170と、を備えている。以下では、一対の対向壁168、170のそれぞれを、上側対向壁168と下側対向壁170と呼ぶことがある。底壁166は、ネジ172により、ハウジング4に固定されている。
【0050】
図14に示すように、上側対向壁168は、底壁166の上端から、底壁166に直交する方向(右側)に突出している。下側対向壁170は、底壁166の下端から、底壁166に直交する方向(右側)に突出している。一対の対向壁168、170は、上下方向に対向して配置されている。上側対向壁168は、上側対向壁168を厚み方向(上下方向)に貫通する上側受入部174を有する。下側対向壁170は、下側対向壁170を厚み方向(上下方向)に貫通する下側受入部176を有する。上側受入部174は、下側受入部176と上下方向に対向して配置されている。上側受入部174と下側受入部176は、上下方向に延びる回転軸AX4上に配置されている。
【0051】
ホース保持部材164は、樹脂材料からなる。変形例では、ホース保持部材164は、金属材料からなってもよい。ホース保持部材164は、ベース162に着脱可能に取り付けられる。ホース保持部材164は、バンド部180と、リブ部182、上側接続部184と、下側接続部186と、上側突出部188と、下側突出部190と、を備えている。バンド部180は、部分的に途切れたリング形状を有する。長手方向におけるバンド部180の一端は、長手方向におけるバンド部180の他端と離れている。図15に示すように、バンド部180は、集塵ホース16の外面を、外面の周方向に囲む。バンド部180は、集塵ホース16を保持する。バンド部180は、長手方向におけるバンド部180の一端が長手方向におけるバンド部180の他端に近づくように、および、長手方向におけるバンド部180の一端が長手方向におけるバンド部180の他端から離れるように、弾性変形可能である。
【0052】
リブ部182は、バンド部180の内面180aからバンド部180の径方向内側に向かって第3高さだけ突出している。これにより、ホース保持部材164の剛性を高めることができる。なお、図15では、バンド部180の内面180aが破線により図示されている。第3高さは、1mmから10mmであり、例えば3mmである。リブ部182は、バンド部180の長手方向に沿って延びている。図16に示すように、リブ部182は、幅方向(前後方向)におけるバンド部180の中央位置に配置されている。前後方向におけるリブ部182の幅は、1mmから5mmであり、例えば2mmである。リブ部182は、集塵ホース16の外面に当接可能である。リブ部182が集塵ホース16の外面に当接することにより、集塵ホース16がホース保持部材164に対して移動することを抑制することができる。なお、図16では、集塵ホース16の外面が破線により図示されている。また、集塵ホース16が蛇腹ホースであるとき、集塵ホース16は、集塵ホース16の外面において、集塵ホース16の長手方向に並んでいる複数の突部16aを備えている。リブ部182の幅は、互いに隣接する突部16aの間隔よりも小さい。リブ部182は、互いに隣接する突部16aの間に差し込み可能である。リブ部182が互いに隣接する突部16aの間に差し込まれることにより、集塵ホース16がホース保持部材164に対して移動することをより抑制することができる。
【0053】
図15に示すように、上側接続部184は、長手方向におけるバンド部180の一端に接続されている。下側接続部186は、長手方向におけるバンド部180の他端に接続されている。上側接続部184は、下側接続部186と上下方向に離れて配置されている。上側接続部184と下側接続部186との間の上下方向の長さは、集塵ホース16の直径よりも短い。上側接続部184の下面184aは、下側接続部186の上面186aと対向している。上側接続部184の下面184aと下側接続部186の上面186aとの間には、取付開口192が画定されている。
【0054】
上側突出部188と下側突出部190は、上下方向に延びる揺動軸AX5上に配置されている。上側突出部188は、上側接続部184から離れる方向(上側)に上側接続部184の上面184bから突出している。上側突出部188は、上側受入部174に対応する略円柱形状を有する。上側突出部188は、上側受入部174に下側から挿入されることにより、上側受入部174に受け入れられる。下側突出部190は、下側接続部186から離れる方向(下側)に下側接続部186の下面186bから突出している。下側突出部190は、下側受入部176に対応する略円柱形状を有する。下側突出部190は、下側受入部176に上側から挿入されることにより、下側受入部176に受け入れられる。上側突出部188が上側受入部174に受け入れられ、下側突出部190が下側受入部176に受け入れられているとき、取付開口192は、ベース162の底壁166により閉じられる。これにより、集塵ホース16が、取付開口192を通ってバンド部180を横切るようにバンド部180から抜け出ることを抑制することができる。また、上側突出部188が上側受入部174に受け入れられ、下側突出部190が下側受入部176に受け入れられているとき、ホース保持部材164は、ベース162に対して揺動軸AX5周りに揺動することができる。このため、作業機2(図13参照)の姿勢を変えたときに、集塵ホース16の向きに合わせて、ハウジング4(図13参照)に対して揺動することができる。これにより、ホース保持部材164がハウジング4に対して移動不能である構成と比較して、集塵ホース16からホース保持部材164に作用する力が小さくなる。揺動軸AX5は、回転軸AX4と一致する。
【0055】
図13および図14を参照して、集塵ホース16を保持ユニット160に取り付ける方法を説明する。まず、図13に示すバンド部180がユーザにより把持されて、バンド部180は、上側接続部184と下側接続部186が互いに近づくように撓められる。上側突出部188が上側受入部174から抜き出て、下側突出部190が下側受入部176から抜き出ることにより、図14に示すように、ホース保持部材164がベース162から取り外される。次に、集塵ホース16(図13参照)がユーザにより取付開口192からバンド部180内に押し込まれる。次に、バンド部180がユーザにより把持されて、バンド部180は、上側接続部184と下側接続部186が互いに近づくように撓められる。最後に、ユーザにより、上側突出部188が上側受入部174に挿入されて、下側突出部190が下側受入部176に挿入される。これにより、図13に示すように、集塵ホース16が保持ユニット160に保持された状態で、ホース保持部材164がベース162を介してハウジング4に取り付けられる。この状態では、図15に示すように、周方向における集塵ホース16の外面の全周が、バンド部180と、上側接続部184と、下側接続部186と、底壁166(ハウジング4)により囲まれている。
【0056】
(効果)
本実施例の作業機2は、原動機36と、原動機36を収容するハウジング4と、原動機36の動作により回転軸AX2周りを回転する出力シャフト50(シャフトの一例)と、出力シャフト50に固定されており、回転軸AX2周りを回転することにより被切削物を切削するカッタ12と、カッタ12の少なくとも一部を覆っており、出力シャフト50に対して回転軸AX2周りを回動可能である第1可動カバー70(可動カバーの一例)と、第1可動カバー70に取り付けられており、カッタ12が被切削物を切削することにより発生する粉塵を集めるための集塵ホース16が取り付けられる取付管116と、を備えている。第1可動カバー70は、カッタ12の回転方向D2に沿って延びており、粉塵を取付管116に排出する排出部88を備えている。取付管116は、回動軸AX3周りを回動可能に第1可動カバー70の排出部88に取り付けられている。
【0057】
上記の構成によれば、取付管116が回動軸AX3周りを回動することができるため、第1可動カバー70を回動させても、取付管116を回動させることにより、集塵ホース16とハウジング4が干渉することを抑制することができる。
【0058】
また、回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値は、10度から90度の間である。
【0059】
回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値が10度未満であるとき、第1可動カバー70を回動させたときに、集塵ホース16とハウジング4が干渉することを十分に抑制することができない。また、回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1の上限値が90度を超えるとき、集塵ホース16がカッタ12に接触することがある。上記の構成によれば、第1可動カバー70を回動させたときに、集塵ホース16とハウジング4が干渉することをより抑制することができ、集塵ホース16がカッタ12に接触することを抑制することができる。
【0060】
また、取付管116と排出部88の一方は、回動軸AX3周りに延びるリブ部142を備えている。取付管116と排出部88の他方は、リブ部142が回動軸AX3周りに移動可能となるようにリブ部142を受け入れる第2受入部128(受入部の一例)を備えている。第2受入部128は、回動軸AX3周りにリブ部142と当接する第1段差部134および第2段差部136(段差部の一例)を備えている。
【0061】
上記の構成によれば、簡素な構成により、回動軸AX3周りの取付管116の回動範囲A1を制限することができる。
【0062】
(第2実施例)
図17を参照して、第2実施例を説明する。第2実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。第2実施例では、ホース保持部材164の構成が、第1実施例のホース保持部材164の構成と異なる。第2実施例では、上側突出部188の上端には、ストッパ部200が接続されている。ストッパ部200は、上側突出部188が上側受入部174から抜け出ることを抑制する。即ち、長手方向におけるホース保持部材164の一端は、ベース162に着脱不能に取り付けられており、長手方向におけるホース保持部材164の他端は、ベース162に着脱可能に取り付けられている。これにより、ホース保持部材164を紛失することを抑制することができる。変形例では、ストッパ部200は、下側突出部190の下端に接続されており、下側突出部190が下側受入部176から抜け出ることを抑制してもよい。
【0063】
集塵ホース16を保持ユニット160に取り付けるとき、バンド部180がユーザにより把持されて、バンド部180は、上側接続部184と下側接続部186が互いに近づくように撓められる。下側突出部190が下側受入部176から抜き出ることにより、長手方向におけるホース保持部材164の他端がベース162から取り外される。次に、集塵ホース16がユーザにより取付開口192からバンド部180内に押し込まれる。次に、バンド部180がユーザにより把持されて、バンド部180は、上側接続部184と下側接続部186が互いに近づくように撓められる。最後に、下側突出部190がユーザにより下側受入部176に挿入される。これにより、集塵ホース16が保持ユニット160に保持された状態で、ホース保持部材164がベース162を介してハウジング4に取り付けられる。
【0064】
(第3実施例)
図18を参照して、第3実施例を説明する。第3実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。第3実施例では、ホース保持部材164の構成が、第1実施例のホース保持部材164の構成と異なる。第3実施例では、上側突出部188の上端には、上側ストッパ部300が接続されている。上側ストッパ部300は、上側突出部188が上側受入部174から抜け出ることを抑制する。下側突出部190の下端には、下側ストッパ部302が接続されている。下側ストッパ部302は、下側突出部190が下側受入部176から抜け出ることを抑制する。即ち、ホース保持部材164は、ベース162に着脱不能に取り付けられている。これにより、ホース保持部材164を紛失することを抑制することができる。
【0065】
バンド部180は、上側バンド部304と、下側バンド部306と、を備えている。上側バンド部304は、下側バンド部306と上下方向に離れて配置されている。上側バンド部304は、下側バンド部306に接続されていない。即ち、ホース保持部材164は、2個の部品からなる。上側バンド部304の一端308は、上側接続部184に接続されている。下側バンド部306の一端310は、下側接続部186に接続されている。上側バンド部304の他端312と下側バンド部306の他端314の間には、取付開口316が画定されている。リブ部182は、上側バンド部304の内面318と、下側バンド部306の内面320のそれぞれに形成されている。
【0066】
集塵ホース16を保持ユニット160に取り付けるとき、集塵ホース16がユーザにより取付開口316から上側バンド部304と下側バンド部306の間に押し込まれる。これにより、集塵ホース16が保持ユニット160に保持される。この状態で、集塵ホース16がハウジング4(図13参照)に対して移動すると、ホース保持部材164が揺動軸AX5周りを揺動する。ホース保持部材164の向きが集塵ホース16の移動とともに調整される。これにより、集塵ホース16が取付開口316を通ってバンド部180を横切るようにホース保持部材164から抜け出ることを抑制することができる。
【0067】
(変形例)
一実施形態に係る作業機2は、コンクリートチェーンソーであってもよく、グラインダであってもよい。
【0068】
一実施形態に係る原動機36は、エンジンであってもよい。
【0069】
一実施形態に係る作業機2は、バッテリパックBPに替えて、電源コードを備えていてもよい。この場合、電源コードを外部電源に接続することにより、原動機36に電力が供給される。
【0070】
保持ユニット160の位置は、ハウジング4の右面に限られない。一実施形態に係る保持ユニット160は、ハウジング4の左面に配置されていてもよく、ハウジング4の上面に配置されていてもよい。また、一実施形態に係る保持ユニット160は、ハウジング4の前端近傍に配置されていてもよい。
【0071】
一実施形態に係るベース162は、ハウジング4と一体的に形成されていてもよい。
【0072】
一実施形態に係るベース162とホース保持部材164では、上側突出部188がベース162の上側対向壁168から突出していてもよく、下側突出部190がベース162の下側対向壁170から突出していてもよい。この場合、上側受入部174がホース保持部材164の上側接続部184に形成されており、下側受入部176がホース保持部材164の下側接続部186に形成されている。
【0073】
一実施例に係る第2受入部128は、排出部88に形成されていてもよい。この場合、リブ部142は、取付管116に形成されている。
【符号の説明】
【0074】
2 :作業機
4 :ハウジング
10 :アーム
12 :カッタ
14 :カバーユニット
16 :集塵ホース
36 :原動機
38 :伝達ユニット
50 :出力シャフト
60 :アーム突出部
70 :第1可動カバー
74 :第2可動カバー
84 :第1取付部
86 :第1周壁部
88 :排出部
88a :出口
100 :第2取付部
108 :ブラケット
116 :取付管
128 :第2受入部
134 :第1段差部
136 :第2段差部
142 :リブ部
160 :保持ユニット
162 :ベース
164 :ホース保持部材
174 :上側受入部
176 :下側受入部
180 :バンド部
180a :内面
182 :リブ部
184 :上側接続部
186 :下側接続部
188 :上側突出部
190 :下側突出部
316 :取付開口
A1 :回動範囲
AX1、AX2、AX4:回転軸
AX3 :回動軸
AX5 :揺動軸
BP :バッテリパック
D1 :回転方向
D2 :回転方向
D3 :正方向
D4 :負方向
P :載置面

図1
図2
図3
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