(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084931
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】試験システム
(51)【国際特許分類】
H04B 17/10 20150101AFI20240619BHJP
H04M 1/24 20060101ALI20240619BHJP
H04B 17/20 20150101ALI20240619BHJP
【FI】
H04B17/10
H04M1/24 B
H04B17/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199136
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森部 智也
(72)【発明者】
【氏名】禹 周仁
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 貴之
(72)【発明者】
【氏名】荻原 知洋
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀憲
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127NA02
5K127NA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】端末装置の使用用途に即した試験を効率的に行える試験システムを提供する。
【解決手段】端末装置10、外部装置20および試験項目選択サーバ30が、ネットワークNに接続され、端末装置10の通信性能に関する試験を実行する試験システム1であって、外部装置20は、使用用途受付部が、端末装置10の使用用途を指定する指定情報を受け付け、挙動情報取得部が、使用用途で端末装置10を使用した場合の端末装置10の挙動を示す挙動情報を取得し、実行制御部が、試験項目選択サーバ30の試験項目選択部が選択した、指定情報と、挙動情報とに基づいた複数の試験項目の中から、試験項目選択部が選択した端末装置10に課す1以上の試験項目の試験を端末装置10に実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の通信性能に関する試験を実行する試験システムであって、
前記端末装置の使用用途を指定する指定情報を受け付ける第1受付部と、
前記使用用途で前記端末装置を使用した場合の前記端末装置の挙動を示す挙動情報を取得する挙動情報取得部と、
前記指定情報と、前記挙動情報とに基づいて、複数の試験項目の中から前記端末装置に課す1以上の試験項目を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記1以上の試験項目の前記試験を前記端末装置に実行させる実行制御部と、
を備える試験システム。
【請求項2】
前記選択部によって選択された前記1以上の試験項目の中から、前記端末装置に実行させる実行項目の指定をユーザから受け付ける第2受付部を更に備え、
前記実行制御部は、前記実行項目の前記試験を前記端末装置に実行させる、
請求項1記載の試験システム。
【請求項3】
前記実行制御部は、前記1以上の試験項目のそれぞれについて、合格または不合格を判定し、
前記1以上の試験項目のいずれかが前記不合格と判定された場合に、当該不合格の原因を示す原因情報を取得する原因情報取得部を更に備える、
請求項1記載の試験システム。
【請求項4】
前記実行制御部は、前記試験の実行中における前記端末装置の処理の履歴を示すログを取得し、
前記原因情報取得部は、前記ログに基づいて生成された前記原因情報を取得する、
請求項3記載の試験システム。
【請求項5】
前記原因情報に基づいて、前記複数の試験項目への新規の試験項目の追加、前記複数の試験項目のいずれかの削除、または、前記複数の試験項目のうちいずれかの変更、のうち少なくともいずれかを行う試験項目変更部を更に備える、
請求項3記載の試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新規に開発された端末装置に対して、例えば通信ネットワークとの接続性等の通信性能を確認する試験が課される場合がある。例えば、下記特許文献1には、複数の無線通信システムに対応可能なソフトウェア無線機の認定試験を行うための認定試験システムが開示されている。認定試験システムは、無線通信システム毎に設けられる、当該無線通信システムに対する試験のために標準化されたテストプログラムと、該テストプログラムをインストールした被試験端末に対する試験を行うためのテストベンチとを備える。認定試験システムは、被試験端末が動作可能な複数の無線通信システムの各々について、対応するテストプログラムおよびテストベンチを用いて当該無線通信システムの試験を行うことによって、被試験端末の認定試験を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コストの削減および効率化の観点から、多くの場合、端末装置に課される試験は、一般化された試験項目であることが多く、端末装置の具体的な使用用途(ユースケース)を想定した試験は実施されていない。このため、実際に端末装置が利用された場合に、予期しない不具合が生じる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、端末装置の使用用途に即した試験を効率的に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる試験システムは、端末装置の通信性能に関する試験を実行する試験システムであって、前記端末装置の使用用途を指定する指定情報を受け付ける第1受付部と、前記使用用途で前記端末装置を使用した場合の前記端末装置の挙動を示す挙動情報を取得する挙動情報取得部と、前記指定情報と、前記挙動情報とに基づいて、複数の試験項目の中から前記端末装置に課す1以上の試験項目を選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記1以上の試験項目の前記試験を前記端末装置に実行させる実行制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、端末装置の使用用途に即した試験を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態にかかる試験システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置10の構成を示すブロック図である。
【
図3】外部装置20の構成を示すブロック図である。
【
図4】試験項目選択サーバ30の構成を示すブロック図である。
【
図5】試験項目データベースDBを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態
A-1.システム構成
図1は、実施形態にかかる試験システム1の構成を示すブロック図である。試験システム1は、端末装置10、外部装置20および試験項目選択サーバ30を含む。試験システム1は、端末装置10の通信性能に関する試験を実行する。端末装置10、外部装置20および試験項目選択サーバ30は、ネットワークNに接続されている。ネットワークNは、所定のネットワーク事業者(後述するネットワーク事業者サーバ50の設置者)が提供する通信網である。
図1には、端末装置10および外部装置20を1台ずつ図示しているが、試験システム1には、複数台の端末装置10および外部装置20が接続されてもよい。
【0010】
端末装置10は、試験の対象となる機器である。端末装置10は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ドライブレコーダ、ウェラブルデバイス、スマートメータまたはルータなどの通信機能を有する製品である。または、端末装置10は、上述した製品に搭載される通信モジュールであってもよい。端末装置10は、何らかの使用用途に使用される。例えば端末装置10がドライブレコーダまたはスマートメータである場合には、機器の種類がそのまま使用用途となる。また、例えば端末装置10がパーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレット等である場合は、映像伝送、状態監視または遠隔会議等、様々な使用用途に使用され得る。
【0011】
外部装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。外部装置20は、端末装置10とネットワークNを介さずに接続されている。外部装置20は、端末装置10における試験の実行を制御する試験装置として機能する。外部装置20には、試験アプリケーションがインストールされている。ユーザは、外部装置20と端末装置10とを接続した上で試験アプリケーションを起動させ、画面上に表示される指示に従って操作を行うことによって、端末装置10の試験を行うことができる。
【0012】
試験項目選択サーバ30は、端末装置10に実行する試験における試験項目を選択する。詳細は後述するが、試験項目選択サーバ30は、端末装置10の使用用途と、当該使用用途で端末装置10を使用した場合の端末装置10の挙動とに基づいて、試験項目を選択する。
【0013】
本実施形態において、ユーザとは、端末装置10に対する試験の実行者である。ユーザは、例えば端末装置10を開発した端末メーカの試験担当者であってもよいし、端末メーカから端末装置10を購入して自社のソリューションに採用するかを検討する顧客であってもよい。
【0014】
また、ネットワークNには、上述した端末装置10、外部装置20および試験項目選択サーバ30に加えて、サービスサーバ40およびネットワーク事業者サーバ50が接続されている。サービスサーバ40は、端末装置10の使用用途に関する処理を行うサーバである。例えば端末装置10の使用用途が映像伝送である場合、サービスサーバ40は、端末装置10から送信した画像を他の装置に配信する画像配信サーバである。
【0015】
ネットワーク事業者サーバ50は、ネットワークNを提供するネットワーク事業者によって設置されている。詳細は後述するが、ネットワーク事業者サーバ50は、端末装置10で実行した試験項目のうち不合格の項目がある場合に、不合格の原因に関する問い合わせを受け付ける。不合格の原因が解明されることによって、端末装置10を使用用途に用いる際に問題が発生する可能性が低減する。
【0016】
A-2.端末装置10
図2は、端末装置10の構成を示すブロック図である。端末装置10の実際の構成は、端末装置10がどのような機器であるかによって異なる。
図2では、端末装置10が、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレットであるものとして説明する。端末装置10は、表示装置101と、入力装置102と、通信装置103と、記憶装置105と、処理装置106と、これらの装置を相互に接続するバス109とを備える。
【0017】
表示装置101は、外部に対して情報を表示する表示デバイス(例えば、液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の各種の表示パネル)である。入力装置102は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、スイッチ、ボタンまたはセンサなど)である。入力装置102は、音を収音するマイクであってもよい。また、表示装置101および入力装置102は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0018】
通信装置103は、ネットワークNに接続可能な通信インターフェースを備え、ネットワークNを介して他の装置と通信する。通信装置103の通信インターフェースは、無線通信インターフェースであってもよいし、有線通信インターフェースであってもよい。
【0019】
接続インターフェース(I/F)104は、端末装置10が外部装置20と接続するためのインターフェースである。接続インターフェース104は、端末装置10と外部装置20とを有線で接続するインターフェースであってもよいし、無線で接続するインターフェースであってもよい。接続インターフェース104は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等が接続されるコネクタであってもよいし、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信を利用する通信モジュールであってもよい。
【0020】
記憶装置105は、処理装置106が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置105は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。記憶装置105は、プログラムPG1を記憶する。プログラムPG1は、端末装置10を動作させるためのプログラムである。
【0021】
処理装置106は、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。1または複数のCPUは、1または複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。
【0022】
処理装置106は、記憶装置105からプログラムPG1を読み取る。処理装置106は、プログラムPG1を実行することによって、処理実行部111およびログ生成部112として機能する。処理実行部111およびログ生成部112の少なくとも一部の機能は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路によって構成されてもよい。
【0023】
処理実行部111は、外部装置20から指示された処理を実行する。例えば処理実行部111は、端末装置10の使用用途に関する処理を実行する。処理実行部111は、例えば通信装置103を用いてサービスサーバ40に接続し、使用用途に関する処理の実行に必要なデータを送受信する。また、処理実行部111は、外部装置20から指示された試験項目に関する処理を実行する。例えば試験項目がPingの実行である場合、処理実行部111は、指定された送信先にPingを送信し、送信先から応答を受信するまでの時間(Ping値)を測定する。
【0024】
ログ生成部112は、端末装置10の処理の履歴を示すログを生成する。ログには、例えばネットワークNを介した通信の履歴、端末装置10に対する操作の履歴および端末装置10におけるエラーの履歴等が含まれる。ログ生成部112によって生成されたログは、記憶装置105に記憶される。
【0025】
A-3.外部装置20
図3は、外部装置20の構成を示すブロック図である。外部装置20は、表示装置201と、入力装置202と、通信装置203と、接続インターフェース(I/F)204と、記憶装置205と、処理装置206と、これらの装置を相互に接続するバス209とを備える。
【0026】
表示装置201、入力装置202、通信装置203、接続インターフェース204、記憶装置205および処理装置206は、端末装置10の表示装置101、入力装置102、通信装置103、接続インターフェース104、記憶装置105および処理装置106と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0027】
記憶装置205は、プログラムPG2を記憶する。プログラムPG2は、外部装置20を動作させるためのプログラムである。処理装置206は、プログラムPG2を実行することによって、使用用途受付部211、挙動情報取得部212、試験項目取得部213、実行項目受付部214、実行制御部215および原因情報取得部216として機能する。使用用途受付部211、挙動情報取得部212、試験項目取得部213、実行項目受付部214、実行制御部215および原因情報取得部216の少なくとも一部の機能は、DSP、ASIC、PLDおよびFPGA等の回路によって構成されてもよい。使用用途受付部211、挙動情報取得部212、試験項目取得部213、実行項目受付部214、実行制御部215および原因情報取得部216の詳細は後述する。
【0028】
A-4.試験項目選択サーバ30
図4は、試験項目選択サーバ30の構成を示すブロック図である。試験項目選択サーバ30は、通信装置301と、記憶装置302と、処理装置303と、これらの装置を相互に接続するバス309とを備える。
【0029】
通信装置301、記憶装置302および処理装置303は、端末装置10の表示装置101、記憶装置105および処理装置106と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0030】
記憶装置302は、プログラムPG3および試験項目データベースDBを記憶する。プログラムPG3は、試験項目選択サーバ30を動作させるためのプログラムである。試験項目データベースDBは、端末装置10の使用用途を指定する指定情報と、端末装置10の挙動を示す挙動情報と、端末装置10に課す試験の試験項目とを対応付ける。試験項目データベースDBの詳細は後述する。
【0031】
処理装置303は、プログラムPG3を実行することによって、試験項目選択部310および試験項目変更部311として機能する。試験項目選択部310および試験項目変更部311の少なくとも一部の機能は、DSP、ASIC、PLDおよびFPGA等の回路によって構成されてもよい。試験項目選択部310および試験項目変更部311の詳細は後述する。
【0032】
A-5.処理装置206および処理装置303の詳細
つぎに、処理装置206がプログラムPG2を実行することによって実現する、使用用途受付部211、挙動情報取得部212、試験項目取得部213、実行項目受付部214、実行制御部215および原因情報取得部216、並びに、処理装置303がプログラムPG3を読み取ることで実現する、試験項目選択部310および試験項目変更部311について説明する。
【0033】
使用用途受付部211は、端末装置10の使用用途を指定する指定情報を受け付ける。使用用途受付部211は、第1受付部の一例である。使用用途受付部211は、例えば、端末装置10の使用用途の候補を示す語句(例えば「映像伝送」または「状態監視」等)を表示装置201に一覧表示する。ユーザは、表示された語句の一覧から少なくとも1つの語句を選択する。使用用途受付部211は、ユーザに選択された語句が示す内容を、端末装置10の使用用途として受け付ける。
【0034】
挙動情報取得部212は、使用用途受付部211で受け付けた使用用途で端末装置10を使用した場合の端末装置10の挙動を示す挙動情報を取得する。挙動情報取得部212は、端末装置10とサービスサーバ40とを接続させ、端末装置10に使用用途の処理を一定期間行わせる。挙動情報取得部212は、この一定期間における端末装置10の挙動を監視し、挙動情報を生成する。挙動情報取得部212は、端末装置10が生成した挙動情報を取得してもよい。挙動情報は、例えばログ生成部112によって生成されたログであってもよい。
【0035】
試験項目取得部213は、端末装置10に課す試験の具体的な内容(試験項目)を示す試験項目情報を取得する。試験項目取得部213は、使用用途受付部211で受け付けた指定情報と、挙動情報取得部212で取得した挙動情報を、試験項目選択サーバ30に送信する。試験項目取得部213は、試験項目情報を試験項目選択サーバ30から受信する。
【0036】
試験項目選択サーバ30では、処理装置303が試験項目選択部310として機能し、試験項目情報を生成する。試験項目選択部310は、指定情報と、挙動情報とに基づいて、複数の試験項目の中から端末装置10に課す1以上の試験項目を選択する。試験項目選択部310は、選択部の一例である。試験項目選択部310は、外部装置20から送信された指定情報と、挙動情報と、試験項目データベースDBとを用いて試験項目を選択する。
【0037】
図5は、試験項目データベースDBを模式的に示す図である。試験項目データベースDBのレコードR(R1~R6)は、それぞれ使用用途C1、挙動C2および試験項目C3を含む。例えばレコードR1は、使用用途C1が「映像伝送」、挙動C2が「低遅延向けのスライスを使用」、試験項目C3が「Pingの実行」である。レコードR1は、使用用途が「映像伝送」に指定された端末装置10において、「低遅延向けのスライスを使用」という挙動がある場合、試験項目「Pingの実行」が選択されることを示す。
【0038】
図示を省略するが、試験項目C3には、試験項目に示される試験を行った場合の評価基準も含まれる。レコードR1の評価基準は、例えばPingを実行した結果得られるPing値で示される。例えば評価基準を「αms以下」とすると、Ping値がαms以下の場合は合格、αmsを超える場合(Pingが通らない場合を含む)は不合格と判定される。この試験項目は、端末装置10とネットワークNとの間における低遅延性を評価するための試験である。
【0039】
同様に、レコードR2は、使用用途が「映像伝送」に指定された端末装置10において、「上りおよび下りで発生するデータ量(図中「データ送受信量」と表記)がβMbps以上」という挙動がある場合、試験項目「スループット評価」が選択されることを示す。レコードR2の評価基準は、スループット評価の結果、すなわち単位時間当たりの処理データ量とすることができる。例えば評価基準を「βMbps以上」とすると、スループット評価の結果がβMbps以上の場合は合格、βMbps未満の場合は不合格と判定される。この試験項目は、端末装置10とネットワークNとの間におけるスループットを評価するための試験である。
【0040】
レコードR3は、使用用途が「映像伝送」または「状態監視」に指定された端末装置10において、「連続通信時間がγ時間を超過」という挙動がある場合、試験項目「連続通信試験」が選択されることを示す。レコードR3の評価基準は、連続通信の継続時間(例えばγ時間とする)、許容遅延時間(例えばδmsとする)および連続通信時のスループット(例えばεMbpsとする)とすることができる。この場合、スループットεMbps以上かつ遅延δms以内で、γ時間以上連続して通信できる場合は合格、できない場合は不合格と判定される。この試験項目は、端末装置10とネットワークNとの間における長時間の連続通信を評価するための試験である。
【0041】
レコードR4は、使用用途が「状態監視」に指定された端末装置10において、「ハンドオーバー(以下、図中「HO」と表記)が発生していない」という挙動がある場合、試験項目「通信復帰試験」が選択されることを示す。通信復帰試験は、ハンドオーバー以外の契機によって、端末装置10とネットワークNとの間の通信の復帰が行われることを確認する試験である。端末装置10がスマートフォン等の移動を伴う機器である場合には、通信先の基地局が切り替わる「ハンドオーバー」が発生する。端末装置10の通信に何らかの問題がある状態でハンドオーバーが発生すると、ハンドオーバーを契機として通信が通常の状態に復帰する場合がある。一方で、端末装置10が監視カメラ等、1つの箇所に固定設置される機器の場合、ハンドオーバーが発生しないため、通信に何らかの問題があってもハンドオーバーを契機とした通信の復帰は発生し得ない。よって、通信復帰試験を行い、ハンドオーバー以外の契機によって通信の復帰が行えるかを検証する。この場合、通信復帰試験において通信の復帰ができた場合は合格、通信の復帰ができなかった場合は不合格と判定される。この試験項目は、端末装置10の移動性の有無を評価するための試験である。
【0042】
レコードR5は、使用用途が「ドライブレコーダ」に指定された端末装置10において、「VoLTEを用いた通話中に連続したデータ通信が行われている」という挙動がある場合、試験項目「通話中データ送信試験」が選択されることを示す。通話中データ送信試験は、VoLTEを用いた通話中にPingコマンドを利用して最大容量のデータを所定期間連続して送信する試験である。この場合、通話中データ送信試験が成功した場合は合格、成功しなかった場合は不合格と判定される。この試験項目は、通話とデータ送信の同時実行性を評価するための試験である。
【0043】
レコードR6は、使用用途が「ウェラブルデバイス」に指定された端末装置10において、「在圏セルの変更回数が基準値以上」という挙動がある場合、試験項目「HST(High Speed Train)サポート試験」が選択されることを示す。HSTサポート試験は、HSTをサポートしているセルを利用してハンドオーバーができているかを確認する試験である。在圏セルの変更回数の基準値は、例えば「ζ分以内にη回」のように定められる。この試験項目は、高速移動状態での通信を評価するための試験である。
【0044】
試験項目選択部310は、指定情報によって指定される使用用途と使用用途C1が一致し、かつ、挙動情報によって示される挙動と挙動C2とが一致するレコードRを検索する。該当するレコードRを検索した場合、試験項目選択部310は、当該レコードの試験項目C3を、試験項目情報として外部装置20に送信する。なお、試験項目選択部310によって選択される試験項目は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0045】
外部装置20の実行項目受付部214は、試験項目選択部310によって選択された1以上の試験項目の中から、実行制御部215に実行させる実行項目の指定をユーザから受け付ける。実行項目受付部214は、第2受付部の一例である。実行項目受付部214は、例えば試験項目選択部310によって選択された試験項目の一覧と決定ボタンを表示装置201に表示する。試験項目の一覧にはチェックボックスが付加されており、ユーザは、実行項目として指定する試験項目にチェックを入れる。ユーザが決定ボタンを押下すると、実行項目の指定が完了する。
【0046】
図5に示す試験項目データベースDBに示す試験項目はごく一例であり、1台の端末装置10に対して多数の試験項目が選択される場合がある。一般的には、実行する試験項目が増えるほど、試験にかかるコストおよび時間が増大し、ユーザの負担が大きくなる。実行項目受付部214を用いてユーザが必要と判断する試験項目を選択することで、ユーザの負担を軽減するとともに、試験を効率的に実行することができる。なお、実行項目受付部214を設けずに、試験項目選択部310によって選択された試験項目の全てを実行するようにしてもよい。
【0047】
実行制御部215は、試験項目選択部310によって選択された1以上の試験項目の試験を端末装置10に実行させる。より詳細には、実行制御部215は、1以上の試験項目のうち、実行項目として指定された項目の試験を端末装置10に実行させる。実行制御部215は、1以上の試験項目(実行項目)のそれぞれについて、合格または不合格を判定する。
【0048】
また、実行制御部215は、試験の実行中における端末装置10の処理の履歴を示すログを、端末装置10のログ生成部112から取得する。ログの取得は、試験の実行中に行われてもよいし、試験終了後に行われてもよい。ログを取得することで、特に不合格の試験項目があった場合の原因の解明が効率的に行われる。
【0049】
原因情報取得部216は、1以上の試験項目のいずれかが不合格と判定された場合に、当該不合格の原因を示す原因情報を取得する。不合格の試験項目があった場合、端末装置10を使用用途に利用した際に不具合が生じる場合がある。原因情報を取得することで、端末装置10の本格的な使用を開始するまでに、不合格の原因を取り除くことが可能となる。
【0050】
本実施形態では、原因情報取得部216は、不合格の原因をネットワーク事業者サーバ50に問い合わせる。問い合わせを受けたネットワーク事業者サーバ50は、例えば不合格の原因が端末装置10にあるのか、ネットワークNにあるのかを特定する。不合格の原因が端末装置10にある場合、ネットワーク事業者サーバ50は、原因を取り除く方法(例えば設定の変更、プログラムのアップデートまたはパッチの適用など)を示す原因情報を原因情報取得部216に送信する。不合格の原因がネットワークNにある場合、ネットワーク事業者サーバ50は、ネットワークNの設定または構成等を変更し、不合格の原因を取り除いたことを示す原因情報を原因情報取得部216に送信する。
【0051】
原因情報取得部216は、問い合わせを行う際に、不合格だった試験項目の実行中におけるログをネットワーク事業者サーバ50に送信するのが好ましい。ネットワーク事業者サーバ50は、ログを参照することで、不合格の原因を特定しやすくなる。すなわち、原因情報取得部216は、ログに基づいて生成された原因情報を取得してもよい。
【0052】
また、原因情報取得部216は、端末装置10で実行された試験項目、並びにそれぞれの試験項目の合否を試験項目選択サーバ30に送信する。この時、不合格だった試験項目の原因情報が試験項目選択サーバ30に送信されてもよい。試験項目選択サーバ30の試験項目変更部311は、試験項目の合否および原因情報に基づいて、試験項目データベースDB内の試験項目を評価し、必要があれば試験項目を追加、削除または変更する。例えば、試験項目変更部311は、端末装置10の使用用途ごとに不合格となりやすい試験項目を集計し、試験項目の追加、削除または評価基準の変更等を行う。すなわち、試験項目変更部311は、原因情報に基づいて、複数の試験項目への新規の試験項目の追加、複数の試験項目のいずれかの削除、または、複数の試験項目のうちいずれかの変更、のうち少なくともいずれかを行う。このようにすることで、端末装置10およびネットワークNの実情に合わせて試験項目が更新され、より適切な内容の試験が実行可能となる。
【0053】
A-6.試験システム1の動作
図6は、試験システム1の動作フロー図である。外部装置20の処理装置206は、使用用途受付部211として機能し、ユーザから端末装置10の使用用途を指定する指定情報を受け付ける(ステップS10)。処理装置206は、挙動情報取得部212として機能し、使用用途の処理の実行を端末装置10に指示する(ステップS11)。
【0054】
端末装置10の処理装置106は、処理実行部111として機能し、使用用途の処理を実行する(ステップS12)。具体的には、処理装置106は、使用用途の処理に関する送信データをサービスサーバ40に送信するとともに、使用用途の処理に関する受信データ(例えば送信データをサービスサーバ40で処理したデータ)をサービスサーバ40から受信する。処理装置206は、挙動情報取得部212として機能し、使用用途の処理を実行する端末装置10の挙動を観察し、挙動情報を生成する(ステップS13)。
【0055】
処理装置206は、試験項目取得部213として機能し、指定情報および挙動情報を試験項目選択サーバ30に送信する(ステップS14)。試験項目選択サーバ30の処理装置303は、試験項目選択部310として機能し、指定情報、挙動情報および試験項目データベースDBに基づいて、試験項目を選択する(ステップS15)。処理装置303は、試験項目選択部310として機能し、選択した試験項目を示す試験項目情報を外部装置20に送信する(ステップS16)。
【0056】
処理装置206は、実行項目受付部214として機能し、試験項目選択部310によって選択された試験項目のうち、端末装置10に実行させる実行項目の指定をユーザから受け付ける(ステップS17)。処理装置206は、実行制御部215として機能し、ステップS17で選択された実行項目の実行を端末装置10に指示する(ステップS18)。端末装置10の処理装置106は、処理実行部111として機能し、実行項目の処理を実行する(ステップS19)。
【0057】
処理装置206は、実行制御部215として機能し、実行項目の処理を実行する端末装置10の挙動を観察するとともに(ステップS20)、端末装置10の挙動に基づいて、各実行項目について合格または不合格を判定する(ステップS21)。処理装置206は、ユーザに試験の結果(合格または不合格)を提示する。また、不合格の実行項目がある場合、処理装置206は、原因情報取得部216として機能し、不合格の原因を示す原因情報をネットワーク事業者サーバ50に問い合わせる(ステップS22)。試験の結果は、原因情報とともにユーザに提示されてもよい。
【0058】
また、処理装置206は、原因情報取得部216として機能し、原因情報を試験項目選択サーバ30に送信する(ステップS23)。試験項目選択サーバ30の処理装置303は、試験項目変更部311として機能し、原因情報に基づいて、試験項目データベースDB内の試験項目を必要に応じて変更(試験項目を追加、削除または変更)する(ステップS24)。
【0059】
A-7.実施形態のまとめ
以上説明したように、実施形態にかかる試験システム1は、端末装置10の使用用途を示す指定情報および使用用途で端末装置10を使用した場合の挙動情報に基づいて、端末装置10に課す試験の試験項目を選択する。よって、一般化された項目の試験を端末装置10に課すのと比較して、使用用途に特有の課題が発見されやすくなる。
【0060】
また、使用用途および挙動情報を組み合わせることによって、端末装置10が実際に使用される環境において必要十分な試験項目が選択され得る。例えば端末装置10の使用用途のみを指定した場合でも、試験項目を一定程度絞ることができる。一方で、使用用途によっては試験項目の数が多すぎる場合がある。この場合、挙動情報を用いて更に試験項目を絞り込むことができる。
【0061】
また、挙動情報を用いることより、端末装置10の使用用途がより具体的に特定され得る。例えば、使用用途の「状態監視」には、スマートメータのように端末装置10の位置が変化しない場合と、車両に搭載されたドライブレコーダのように端末装置10の位置が変化する場合とがある。端末装置10がどちらの形態で使用されるのか、ユーザが指定してもよいが、挙動情報を用いて自動的に判定することで、ユーザの負担が軽減される。
【0062】
また、挙動情報を用いることより、各試験項目における評価基準をより適切に設定され得る。例えば、試験項目が「Pingの実行」である場合に、合否の判定基準となるPing値を、挙動情報に基づいて適切な値に設定し得る。
【0063】
また、実施形態にかかる試験システム1は、試験項目選択サーバ30によって選択された試験項目の中から、端末装置10に実行させる実行項目の指定をユーザから受け付ける。よって、ユーザによって必要と判断された試験項目のみを実行するので、ユーザの負担が軽減される。
【0064】
また、実施形態にかかる試験システム1は、いずれかの試験項目が不合格と判定された場合に、当該不合格の原因を示す原因情報を取得する。よって、端末装置10を本格的に使用開始する前に不合格の原因を取り除くことが可能となり、端末装置10とネットワークNとの間の不具合を回避できる。
【0065】
また、実施形態にかかる試験システム1は、試験の実行中における端末装置10の処理の履歴を示すログを取得する。よって、試験項目に不合格があった場合に、その原因を特定しやすくなり、端末装置10とネットワークNとの間の問題点を効率的に取り除くことができる。
【0066】
また、実施形態にかかる試験システム1は、原因情報に基づいて、試験項目データベースDB内の試験項目への新規の試験項目の追加、削除または変更のうち少なくともいずれかを行う。よって、端末装置10およびネットワークNの実情に合わせて試験項目が更新され、より適切な内容の試験が実行可能となる。
【0067】
B:変形例
上述の実施形態における変形の態様を以下に示す。以下の変形の態様から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲において適宜に併合してもよい。
【0068】
B1:第1変形例
上述した実施形態では、試験項目選択サーバ30が試験項目を選択した。これに限らず、例えば外部装置20が試験項目の選択を行ってもよい。具体的には、例えば外部装置20が試験項目データベースDBを記憶するとともに、処理装置206が試験項目選択部310として機能してもよい。第1変形例によれば、試験項目選択サーバ30を設ける必要がなく、試験システム1の構成が簡素化される。
【0069】
B2:第2変形例
上述した実施形態では、試験アプリケーションがインストールされた外部装置20が端末装置10に接続され、外部装置20の制御によって端末装置10の試験が行われた。これに限らず、端末装置10に試験アプリケーションをインストールし、外部装置20を接続せずに端末装置10が自律的に試験を行ってもよい。この場合、端末装置10が試験項目選択サーバ30に接続し、試験項目情報を取得する。特に、端末装置10がパーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレット等のオペレーションシステムを搭載した機器の場合、端末装置10に試験アプリケーションをインストールすることが可能となる。
【0070】
または、例えば試験アプリケーションを試験項目選択サーバ30にインストールし、端末装置10と試験項目選択サーバ30とを直接接続してもよい。この場合、試験項目選択サーバ30が試験アプリケーションを実行し、端末装置10に試験を実行させる。
【0071】
第2変形例によれば、外部装置20を設ける必要がなく、試験システム1の構成が簡素化される。
【0072】
B3:第3変形例
上述した実施形態では、外部装置20が端末装置10のログを取得可能であった。一方で、端末装置10のログを外部装置20が取得できない場合もある。この場合、外部装置20は、例えば端末装置10の製造メーカに問い合わせを行ってもよい。具体的には、端末装置10に接続された外部装置20ではログを取得できない場合でも、端末装置10の製造メーカではログを取得できている場合がある。よって、不合格だった試験項目の試験実行時のログの開示を、製造メーカに依頼してもよい。
【0073】
C:その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置105、205および303としてROM及びRAM等が例示されたが、記憶装置105、205および303は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体であってもよい。
【0074】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0075】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0076】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0077】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素が提示されており、提示された特定の順序に限定されない。
【0078】
(6)
図2~
図4に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0079】
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0080】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0081】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0082】
(9)本開示において説明した情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0083】
(10)上述した実施形態において、携帯機器には、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0084】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は、「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0085】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0086】
(13)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0087】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0088】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0089】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBが夫々Cと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0090】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
から選択された複数の態様を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…試験システム、10…端末装置、20…外部装置、30…試験項目選択サーバ、40…サービスサーバ、50…ネットワーク事業者サーバ、111…処理実行部、112…ログ生成部、211…使用用途受付部、212…挙動情報取得部、213…試験項目取得部、214…実行項目受付部、215…実行制御部、216…原因情報取得部、310…試験項目選択部、311…試験項目変更部、N…ネットワーク。