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特開2024-84939結晶成長抑制剤、及びそれを含有する農薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084939
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】結晶成長抑制剤、及びそれを含有する農薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/00 20060101AFI20240619BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20240619BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20240619BHJP
   A01N 51/00 20060101ALI20240619BHJP
   A01N 43/50 20060101ALI20240619BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01N25/04 102
A01N43/90 104
A01N51/00
A01N43/50 Q
C08F290/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199151
(22)【出願日】2022-12-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000210654
【氏名又は名称】竹本油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤井 伸也
【テーマコード(参考)】
4H011
4J127
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AB01
4H011AC01
4H011BA04
4H011BB09
4H011BB10
4H011BC19
4H011DA15
4H011DG11
4H011DH02
4J127AA04
4J127BA041
4J127BA051
4J127BB021
4J127BB101
4J127BB221
4J127BC021
4J127BC131
4J127BD221
4J127BF181
4J127BG141
4J127CB122
4J127CB141
4J127CC152
4J127CC161
4J127EA04
4J127FA57
(57)【要約】
【課題】
懸濁剤中の粒子の成長を抑制できる結晶成長抑制剤と、それを用いた農薬組成物を提供する。
【解決手段】
結晶成長抑制剤を、特定構造の化合物由来の構成単位(S1)とアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチル由来の構成単位(S2)とを含む共重合体を含有するものとする。共重合体は、分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)を更に含むことが好ましい。農薬組成物は、農薬活性成分と結晶成長抑制剤とを含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で示される化合物由来の構成単位(S1)と下記式2で示される化合物由来の構成単位(S2)とを含む共重合体を含有することを特徴とする結晶成長抑制剤。
【化1】

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、ROは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、Rは炭素数1~8の炭化水素基である。)
【化2】

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【請求項2】
前記共重合体が、分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)を更に含む、請求項1に記載の結晶成長抑制剤。
【請求項3】
前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)の合計を100重量%とした場合に、前記構成単位(S1)が49~80重量%であり、前記構成単位(S2)が19~50重量%であり、前記構成単位(S3)が1~15重量%である、請求項2に記載の結晶成長抑制剤。
【請求項4】
前記nは45~114の整数である、請求項1に記載の結晶成長抑制剤。
【請求項5】
前記共重合体の数平均分子量が2,000~100,000である、請求項1に記載の結晶成長抑制剤。
【請求項6】
農薬活性成分と、請求項1から5のいずれか一項に記載の結晶成長抑制剤とを含有することを特徴とする農薬組成物。
【請求項7】
水を更に含有し、
前記農薬活性成分、前記結晶成長抑制剤、及び前記水の合計を100重量%とした場合に、前記農薬活性成分が0.5~50重量%であり、前記結晶成長抑制剤が0.1~10重量%であり、前記水が40~99重量%である、請求項6に記載の農薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、結晶成長抑制剤、及びそれを含有する農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
農業には多種多様な農薬が使用されており、その性状により複数の剤型に分類される。剤型としては、粉剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤(ドライフロアブル)、懸濁剤(フロアブル剤)、乳剤、EW剤(エマルション)、マイクロカプセル剤、燻煙剤等が挙げられる。
【0003】
上記剤型の中でも懸濁剤は、水に対して不溶又は溶解度が小さい農薬活性成分を微小粒子の状態に粉砕し、分散剤や界面活性剤を添加して水に分散させた製剤である。このように本来水に溶解しない又は溶解しにくい農薬活性成分を粒子状で水中に均一に懸濁させることにより、農薬活性成分の散布が容易になる。また、懸濁剤は有機溶剤を含まないため、作業者が気化した有機溶剤を吸入する危険性がない。
【0004】
従来、特許文献1~5に開示の懸濁剤が知られている。特許文献1は、エマルションとして製剤された活性成分、及び、分子量が少なくとも250であり水性媒体によって溶媒和され得る成分と分子量が少なくとも500であり最小の疎水性度を有する成分との共重合体である分散剤を含有する組成物を開示している。特許文献2は、活性物質、アクリルグラフトポリマー群からの非イオン性ポリマーに基づく界面活性剤、及び、キサンタンガム群からのアニオン性ヘテロ多糖類に基づく増粘剤を必須成分とする組成物を開示している。特許文献3は、活性成分、及び、アクリル酸と、疎水性モノマーと、モノアルキルポリエチレングリコールのアルキルアクリレートとのポリマーを含むポリマー分散剤を含有する組成物を開示している。特許文献4は、疎水性非重合体固体微粒子、及び、分子量が少なくとも250である水性媒体によって溶媒和される成分と分子量が少なくとも500であり最小の疎水性度を有する成分との共重合体である分散剤を含有する組成物を開示している。特許文献5は、水性媒体に不溶性の粒子及び両親媒性安定剤を含有する組成物であって、両親媒性安定剤は、分子量が少なくとも10,000でありα、β-エチレン性不飽和単量体の共重合体からなる骨格構造と、分子量が少なくとも350であり水性媒体によって溶媒和される側鎖状の非イオン性構造を少なくとも2つ有する組成物を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5139773号明細書
【特許文献2】特許第5730874号明細書
【特許文献3】国際公開第2019/185851号
【特許文献4】特開昭55-21486号公報
【特許文献5】英国特許出願公告第1196248号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、懸濁剤は長期保存すると農薬活性成分の粒子が成長(例えば、凝集、結晶成長、又はオストワルド熟成)し、粒子径が大きくなる。その場合、粒子の沈降による成分の分離・不均一化、散布時における噴霧器のノズルの目詰まり、対象生物の取込効率の低下などが生じる可能性がある。特に、懸濁剤に用いられる農薬活性成分の中でも比較的溶解度が高い、例えば100ppm以上の農薬活性成分は粒子の凝集や結晶成長が起こりやすい。そのため、本開示は懸濁剤中の粒子の成長を抑制できる結晶成長抑制剤を提供することを課題とする。また、それを用いた農薬組成物も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのための手段として、本開示は以下の手段を採る。
[1]下記式1で示される化合物由来の構成単位(S1)と下記式2で示される化合物由来の構成単位(S2)とを含む共重合体を含有することを特徴とする結晶成長抑制剤。
【化1】

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、ROは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、Rは炭素数1~8の炭化水素基である。)
【化2】

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
[2]前記共重合体が、分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)を更に含む、[1]の結晶成長抑制剤。
[3]前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)の合計を100重量%とした場合に、前記構成単位(S1)が49~80重量%であり、前記構成単位(S2)が19~50重量%であり、前記構成単位(S3)が1~15重量%である、[2]の結晶成長抑制剤。
[4]前記nは45~114の整数である、[1]の結晶成長抑制剤。
[5]前記共重合体の数平均分子量が2,000~100,000である、[1]の結晶成長抑制剤。
[6]農薬活性成分と、[1]から[5]のいずれかの結晶成長抑制剤とを含有することを特徴とする農薬組成物。
[7]水を更に含有し、前記農薬活性成分、前記結晶成長抑制剤、及び前記水の合計を100重量%とした場合に、前記農薬活性成分が0.5~50重量%であり、前記結晶成長抑制剤が0.1~10重量%であり、前記水が40~99重量%である、[6]の農薬組成物。
【0008】
なお、本明細書において「Y~Z」で示される数値範囲は、その上限及び下限を含む範囲を意味する。つまり、「Y~Z」は「Y以上、Z以下」を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪結晶成長抑制剤≫
本開示の結晶成長抑制剤は、それぞれ特定構造を有する構成単位(S1)と構成単位(S2)とを含む共重合体を含有する。結晶成長抑制剤の共重合体は、特定構造を有する構成単位(S3)を更に有することが好ましい。本開示の結晶成長抑制剤は、農薬組成物中において農薬活性成分の粒子がオストワルド熟成等により成長することを抑制できる。
【0010】
<構成単位(S1)>
構成単位(S1)は、下記式1で示される化合物(単量体)由来の構成単位である。
【化3】

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、ROは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、Rは炭素数1~8の炭化水素基である。)
式1で示される化合物としては、例えば、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(23モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシプロピレン(23モル)、α-メタクリロイル-ω-プロポキシ-ポリオキシエチレン(23モル)、α-メタクロイル-ω-2-エチルへキシルオキシ-ポリオキシエチレン(23モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(40モル)ポリオキシプロピレン(15モル)(ランダム重合体)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(40モル)ポリオキシプロピレン(15モル)(ブロック重合体)、α-アクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-エトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-ブトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシプロピレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(113モル)が挙げられる。式1で示される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、ポリオキシエチレン(14モル)等の成分名に示す括弧内のモル数は、対応するアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
【0011】
式1中のRO、R、及びnは、結晶成長抑制効果の観点からそれぞれ好ましい官能基又は数値範囲がある。ROは炭素数2のオキシエチレン基が好ましい。Rはメチル基が好ましい。nは45~114が好ましい。なお、ROがオキシエチレン基及びオキシプロピレン基である場合、両者はブロック重合されていてもよいし、ランダム重合されていてもよい。
【0012】
<構成単位(S2)>
構成単位(S2)は、下記式2で示される化合物(単量体)由来の構成単位である。
【化4】

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
つまり、式2で示される化合物はアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルである。
【0013】
<構成単位(S3)>
構成単位(S3)は、分子量150以下の不飽和カルボン酸又はその無水物由来の構成単位である。分子量150以下の不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3-ブテン酸、メタクリル酸、4-ペンテン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、マレイン酸、アリルマロン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、無水フタル酸が挙げられる。構成単位(S3)は、結晶成長抑制効果の観点から、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方由来であることが好ましい。
【0014】
≪共重合体≫
共重合体は、構成単位(S1)及び構成単位(S2)を含有する。共重合体は構成単位(S3)を更に含有することが好ましい。共重合体の数平均分子量は、結晶成長抑制効果の観点から、2,000~100,000であることが好ましい。また、共重合体の数平均分子量の下限は10,000以上であることが更に好ましい。一方、上限は30,000以下であることが更に好ましい。
【0015】
共重合体は、単量体として、上記式1で示される化合物、上記式2で示される化合物、及び任意に分子量150以下の不飽和カルボン酸又はその無水物を共重合することにより得られる。重合方法は公知の方法が使用可能であり、特に限定されないが、例えば連鎖重合が挙げられる。
【0016】
共重合体が構成単位(S1)~(S3)を含有する場合、構成単位(S1)~(S3)の合計を100重量%とすると、構成単位(S1)が49~80重量%、構成単位(S2)が19~50重量%、構成単位(S3)が1~15重量%であることが好ましい。なお、本明細書中において、各構成単位の重量%は共重合に用いられた各単量体の重量%を意味する。
【0017】
≪農薬組成物≫
農薬組成物は、結晶成長抑制剤と農薬活性成分とを含有する。農薬組成物は、農薬活性成分に対する分散媒、例えば水を更に含有することが好ましい。農薬活性成分としては、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、抗ウイルス剤、植物成長調節剤、殺菌剤、誘引剤、忌避剤等が挙げられる。中でも、懸濁剤として使用される農薬活性成分であって、分散媒に対して高い溶解度、例えば100ppm以上を有する農薬活性成分が好ましい。本発明の農薬組成物に含まれる農薬活性成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0018】
除草剤としては、アイオキシニル、アジムスルフロン、アシュラム、アトラジン、アニロホス、イソウロン、イソキサベン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、エスプロカルブ、エトベンザニド、オキサジアゾン、オキサジアルギル、オキサジクロメホン、オリザリン、カフェンストロール、カルブチレート、キザロホップメチル、クミルロン、クロメプロップ、クロルフタリム、シアナジン、シクロスルファムロン、ジチオピル、シデュロン、シノスルフロン、シハロホップブチル、ジフルフェニカン、ジメタメトリン、シメトリン、ダイムロン、ダゾメット、チフェンスルフロンメチル、デスメディファム、テニルクロール、テプラロキシジム、テフリルトリオン、トリアジフラム、トリフルラリン、トルピラレート、ナプロパミド、ニコスルフロン、ハロスルフロンメチル、ビフェノックス、ピラゾキシフェン、ピラゾスルフロンメチル、ピラクロニル、ピラゾエート、ピラフルフェンエチル、ピリフタリド、ピリブチカルブ、ピリミノバックメチル、フェノチオール、フェントラザミド、フェンメディファム、フラザスルフロン、フルチアセットメチル、フルミオキサジン、プロジアミン、プロピサミド、ブロマシル、プロメトリン、ブロモブチド、フロラスラム、ベスロジン、ベンスルフロンメチル、ベンゾフェナップ、ベンゾビシクロン、ペンディメタリン、ペントキサゾン、メタミトロン、メトスルフロンメチル、メトリブジン、メフェナセット、リニュロン、リムスルフロン、レナシル、ACN、シマジン、ジクロベニル、クロルチアミド、ジウロン、プロパニル等が挙げられる。
【0019】
殺虫剤としては、アバメクチン、アシノナピル、アクリナトリン、アセキノシル、アセタミプリド、アフィドピロペン、アミトラズ、アラニカルブ、イミダクロプリド、インドキサカルブ、エスフェンバレレート、エチプロール、エトキサゾール、エマメクチン安息香酸塩、塩酸レバミゾール、クロチアニジン、クロフェンテジン、クロマフェノジド、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、シアントラニリプロール、シクロプロトリン、スピノサド、スピロテトラマト、ダイアジノン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、トラロメトリン、トルフェンピラド、ノバルロン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ピメトロジン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、フィプロニル、フェニソブロモエート、フルアクリピリム、フルフェノクスロン、フロニカミド、ブロフラニリド、ヘキシチアゾクス、ベンスルタップ、ボーベリア・バシアーナ、ボーベリア・ブロンニアティ、メスルフェンホス、メトキシフェノジド、ルフェヌロン、BT(バチルス・チューリンゲンシス菌)、イソプロカルブ等が挙げられる。
【0020】
殺菌剤としては、アシベンゾランSメチル、アゾキシストロビン、硫黄、イソプロチオラン、イプコナゾール、イプロジオン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミベンコナゾール、エポキシコナゾール、オキスポコナゾールフマル酸塩、オキソリニック酸、カスガマイシン、カルプロパミド、キノメチオナート、キャプタン、クレソキシムメチル、クロロネブ、シアゾファミド、ジエトフェンカルブ、ジクロシメット、ジクロメジン、ジチアノン、ジネブ、ジフェノコナゾール、シフルフェナミド、ジフルメトリム、シプロコナゾール、シプロジニル、シメコナゾール、ジメトモルフ、シモキサニル、シュードモナス・フルオレッセンス、シュードモナスCAB-02、ジラム、水和硫黄、チアジアジン、チアジニル、チアベンダゾール、チウラム、チオファネートメチル、チフルザミド、テクロフタラム、テトラコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジン、トリコデルマ・アトロビリデ、トリシクラゾール、トリフルミゾール、トリフロキシストロビン、トリホリン、トルクルホスメチル、バチルスズブチリス、ビテルタノール、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリオフェノン、ピリメタニル、ピロキロン、ファモキサドン、フェナリモル、フェノキサニル、フェリムゾン、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フサライド、フラメトピル、フルアジナム、フルオルイミド、フルジオキソニル、フルスルファミド、フルトラニル、プロシミドン、プロピネブ、プロベナゾール、ヘキサコナゾール、ベノミル、ペンシクロン、ボスカリド、ポリカーバメート、マンゼブ、マンネブ、ミクロブタニル、メタスルホカルブ、メトミノストロビン、メパニピリム、有機銅、硫酸亜鉛、硫酸銅、クロロタロニル等が挙げられる。
【0021】
<組成比>
農薬組成物は、農薬活性成分、結晶成長抑制剤、及び水の比率は任意に設定可能であるが、農薬活性成分、結晶成長抑制剤、及び水の合計を100重量%とした場合、農薬活性成分が0.5~50重量%、結晶成長抑制剤が0.1~10重量%、水が40~99重量%であることが好ましい。
【0022】
<添加剤>
農薬組成物は、必要に応じて種々の添加剤を更に含有してもよい。添加剤としては、分散剤、増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、湿潤剤などが挙げられる。
【実施例0023】
本開示の構成及び効果を具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、以下の説明において、重さの単位である「部」は重量部を意味する。
【0024】
<実施例1-1>
プロピレングリコール50g、構成単位S1を形成する単量体としてα-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(113モル)53g、構成単位S2を形成する単量体としてメタクリル酸メチル35g、構成単位S3を形成する単量体としてメタクリル酸12g、及び、添加剤としてドデシルメルカプタン0.5gを撹拌機を備えた反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し撹拌しながら、徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)1.0gを一気に投入し、反応させた。その後、70℃で3時間保持した。得られた共重合体を冷却し、イオン交換水97gを加え、共重合体の40%プロピレングリコール/水溶液である結晶成長抑制剤(A-1)を得た。
【0025】
<実施例1-2~1-3>
下記表1の組成とした他は実施例1-1と同様にして、実施例1-2及び1-3の結晶成長抑制剤を作製した。
【0026】
<実施例1-4~1-24、比較例1-1~1-2>
下記表1の組成とし、プロピレングリコールを70g、イオン交換水を28gとした他は実施例1-1と同様にして、実施例1-4~1-24、比較例1-1~1-2の各結晶成長抑制剤を作製した。なお、各結晶成長抑制剤は、共重合体の50%プロピレングリコール/水溶液として得られた。
【0027】
<比較例1-3>
プロピレングリコールを撹拌機を備えた反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し撹拌しながら、90℃まで加温した。反応系の温度を温水浴にて90℃に保ち、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(11モル)85g、スチレン70g、メタクリル酸105g、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)8gの混合物を、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸28gを含む水溶液80mLと共に3.5時間かけて滴下・反応させた。その後、90℃で2時間保持した。得られた共重合体を冷却し、水酸化ナトリウムの溶液で中和し、共重合体の30%水溶液である結晶成長抑制剤(a-3)を得た。
【0028】
<比較例1-4>
プロピレングリコール50g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)37.5g、メタクリル酸ラウリル62.5gを撹拌機を備えた反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し撹拌しながら、90℃まで加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)1.0gを一気に投入し反応させた。その後、70℃で2時間保持した。得られた共重合体を冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水100gを加え、共重合体の40%水溶液である結晶成長抑制剤(a-4)を得た。
【0029】
<比較例1-5>
下記表1の組成とした他は比較例1-4と同様にして結晶成長抑制剤(a-5)を作製した。
【0030】
<比較例1-6>
イオン交換水162gとα-メタクリロイル-ω-メトキシーポリオキシエチレン(45モル)325g、メタクリル酸175g、3-メルカプトプロピオン酸6gを撹拌機を備えた反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し撹拌しながら、徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)1.0gを一気に投入し、反応させた。その後、70℃で3時間保持した。得られた共重合体を冷却し、イオン交換水を加え、共重合体の50%水溶液である結晶成長抑制剤(a-6)を得た。
【0031】
<比較例1-7>
下記表1の組成とした他は比較例1-6と同様にして結晶成長抑制剤(a-7)を作製した。
【表1】
【0032】
表1に記載の各成分は以下の通りである。
構成単位(S1)の欄に記載の単量体
【表2】

構成単位(S2)の欄に記載の単量体
S2-1:メタクリル酸メチル
S2-2:アクリル酸メチル
S2-3:スチレン
S2-4:メタクリル酸ラウリル
構成単位(S3)の欄に記載の単量体
S3-1:メタクリル酸
S3-2:アクリル酸
S3-3:無水マレイン酸
S3-4:イタコン酸
S3-5:2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸
添加剤
C1:ドデシルメルカプタン
C2:3-メルカプトプロピオン酸
重合開始剤(開始剤)
2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)
【0033】
各結晶成長抑制剤が含有する共重合体の数平均分子量を下記方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
[数平均分子量の測定]
共重合物の数平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)にて行い、以下の測定条件を用いた。
検出器:示差屈折計(RI)
カラム:昭和電工株式会社製 OHpak SB-G 6B+SB-804 HQ+SB-802.5 HQ
溶離液:50mM 硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.7mL/分
カラム温度:40℃
標準物質:アジレント・テクノロジー株式会社製ポリエチレングリコール/酸化物(PEG/PEO)
【0035】
<実施例2-1>
農薬活性成分としてトリシクラゾール(Z-3)40部、結晶成長抑制剤(A-1)2部、分散剤としてマレイン酸ジイソブチレン共重合物ナトリウム(b-1)5部、凍結防止剤としてプロピレングリコール(Y-1)5部、消泡剤としてシリコーン系消泡剤0.1部、及び市水58部を混合した後、サンドグラインダーを用いて湿式粉砕し、水性分散液を調製した。更に、増粘剤としてモンモリロナイト系増粘剤(Y-10)20部を混合し、均一な水性懸濁農薬組成物(G-1)を調製した。なお、結晶成長抑制剤の添加量は、有効成分である共重合体の重量を意味する。
【0036】
<実施例2-2~2-24、比較例2-1~2-7>
下記表3の組成とした他は実施例2-1と同様にして、実施例2-2~2-24、比較例2-1~2-7の水性懸濁農薬組成物を作製した。
【0037】
【表3】
【0038】
表3に記載の各成分は以下の通りである。
農薬活性成分
Z-1:チアメトキサム(4000ppm)
Z-2:イミダクロプリド(480ppm)
Z-3:トリシクラゾール(596ppm)
Z-4:イマゼタピル(1400ppm)
分散剤
b-1:マレイン酸ジイソブチレン共重合物ナトリウム
b-2:ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム
b-3:ポリオキシエチレン(14モル)トリスチリルフェニルエーテルサルフェートNH
b-4:リグニンスルホン酸ナトリウム
b-5:ポリオキシエチレン(14モル)トリスチリルフェニルエーテル
凍結防止剤
Y-1:プロピレングリコール
Y-2:エチレングリコール
Y-3:尿素
Y-4:グリセリン
消泡剤
シリコーン系消泡剤
湿潤剤
Y-6:アルキル(C10-14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム
Y-7:アルキル(C10-14)サルフェートナトリウム
Y-8:ジオクチルスルホサクシネートナトリウム
Y-9:ポリオキシエチレン(7モル)2級アルキルエーテル
増粘剤
Y-10:モンモリロナイト系増粘剤(クニミネ工業株式会社製のクニピア-Gを4%分散させた水溶液)
Y-11:キサンタンガム(DSP五協フード&ケミカル株式会社製のKELZANを2%分散させた水溶液)
【0039】
各水性懸濁農薬組成物の粉砕性及び粒子成長率を以下の方法にて試験した。その結果を下記表4に示す。なお、粉砕性の評価が悪い水性懸濁農薬組成物は粒子成長率の試験が実施できなかった。
【0040】
[粉砕性]
水性懸濁農薬組成物を水で希釈後、顕微鏡にて粒子の状態を観察し、粉砕性を評価した。
評価基準
○:粉砕後の粒子が均一に分散している。
×:粒子が凝集体を形成している。または粗大な結晶が析出している。
【0041】
[粒子成長率(加速試験)]
水性懸濁農薬組成物を容量50mlのガラス製スクリュー管に50ml入れて密封し、これを54℃で14日間放置した後、分散している粒子の粒子径(μm)を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製のLA-960)を用いて測定し(測定溶媒:イオン交換水)、下記式を用いて粒子成長率を算出して、下記の基準で評価した。
【数1】

評価基準
◎◎:10%未満
◎:10%以上、20%未満
○:20%以上、50%未満
×:50%以上
【0042】
[粒子成長率(サイクル試験)]
水性懸濁農薬組成物を容量50mlのガラス製スクリュー管に50ml入れて密封し、これを40℃で2日間、次に室温で2日間、また次に0℃で2日間放置するという操作を1ヶ月間繰り返した後、分散している粒子の粒子径(μm)を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製のLA-960)を用いて測定し(測定溶媒:イオン交換水)、上記式を用いて粒子成長率を算出して、下記の基準で評価した。
評価基準
◎◎:10%未満
◎:10%以上、20%未満
○:20%以上、50%未満
×:50%以上
【0043】
【表4】
【0044】
実施例2-1~2-24の水性懸濁農薬組成物は優れた粉砕性を有し、調製時の粒子の凝集等を防止できた。また、実施例2-1~2-24の水性懸濁農薬組成物は経時的な粒子成長に対する優れた抑制効果を示した。一方、比較例2-1、2-3、及び2-5の水性懸濁農薬組成物は、構成単位(S1)のnが23より小さいため、経時的な粒子成長抑制効果が悪かった。比較例2-2では、構成単位(S1)のnが114より大きいため、水性懸濁農薬組成物が加水粘性を有しており、製剤化出来なかった。比較例2-4の水性懸濁農薬組成物は、構成単位(S2)のRが水素原子及びメチル基のいずれでもないため、粉砕性が悪かった。比較例2-6の水性懸濁農薬組成物は、構成単位(S2)を含有しないため、粉砕性が悪かった。比較例2-7の水性懸濁農薬組成物は、構成単位(S1)を含有しないため、粉砕性が悪かった。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で示される化合物由来の構成単位(S1)と下記式2で示される化合物由来の構成単位(S2)と分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)のみからなる共重合体を含有し、
前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)の合計を100重量%とした場合に、前記構成単位(S1)が49~80重量%であり、前記構成単位(S2)が19~50重量%であり、前記構成単位(S3)が1~15重量%であり、
前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)はランダム共重合されていることを特徴とする結晶成長抑制剤。
【化1】

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、ROは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、Rは炭素数1~8の炭化水素基である。)
【化2】

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【請求項2】
前記nは45~114の整数である、請求項1に記載の結晶成長抑制剤。
【請求項3】
前記共重合体の数平均分子量が2,000~100,000である、請求項1に記載の結晶成長抑制剤。
【請求項4】
農薬活性成分と、請求項1からのいずれか一項に記載の結晶成長抑制剤とを含有することを特徴とする農薬組成物。
【請求項5】
水を更に含有し、
前記農薬活性成分、前記結晶成長抑制剤、及び前記水の合計を100重量%とした場合に、前記農薬活性成分が0.5~50重量%であり、前記結晶成長抑制剤が0.1~10重量%であり、前記水が40~99重量%である、請求項に記載の農薬組成物。
【請求項6】
農薬活性成分と、結晶成長抑制剤とを含有する農薬組成物であって、
前記結晶成長抑制剤は、下記式1で示される化合物由来の構成単位(S1)と下記式2で示される化合物由来の構成単位(S2)と分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)のみからなる共重合体を含有し、
前記共重合体の数平均分子量が2,000~100,000であることを特徴とする農薬組成物。
【化3】

(式中、R は水素原子又はメチル基であり、R Oは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、R は炭素数1~8の炭化水素基である。)
【化4】

(式中、R は水素原子又はメチル基である。)
【請求項7】
前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)の合計を100重量%とした場合に、前記構成単位(S1)が49~80重量%であり、前記構成単位(S2)が19~50重量%であり、前記構成単位(S3)が1~15重量%である、請求項6に記載の農薬組成物。
【請求項8】
前記nは45~114の整数である、請求項6に記載の農薬組成物。
【請求項9】
水を更に含有し、
前記農薬活性成分、前記結晶成長抑制剤、及び前記水の合計を100重量%とした場合に、前記農薬活性成分が0.5~50重量%であり、前記結晶成長抑制剤が0.1~10重量%であり、前記水が40~99重量%である、請求項6から8のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そのための手段として、本開示は以下の手段を採る。
[1]下記式1で示される化合物由来の構成単位(S1)と下記式2で示される化合物由来の構成単位(S2)と分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)のみからなる共重合体を含有し、前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)の合計を100重量%とした場合に、前記構成単位(S1)が49~80重量%であり、前記構成単位(S2)が19~50重量%であり、前記構成単位(S3)が1~15重量%であり、前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)はランダム共重合されていることを特徴とする結晶成長抑制剤。
【化1】

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、ROは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、Rは炭素数1~8の炭化水素基である。)
【化2】

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
[2]前記nは45~114の整数である、[1]の結晶成長抑制剤。
]前記共重合体の数平均分子量が2,000~100,000である、[1]の結晶成長抑制剤。
]農薬活性成分と、[1]から[]のいずれかの結晶成長抑制剤とを含有することを特徴とする農薬組成物。
]水を更に含有し、
前記農薬活性成分、前記結晶成長抑制剤、及び前記水の合計を100重量%とした場合に、前記農薬活性成分が0.5~50重量%であり、前記結晶成長抑制剤が0.1~10重量%であり、前記水が40~99重量%である、[]の農薬組成物。
[6]農薬活性成分と、結晶成長抑制剤とを含有する農薬組成物であって、前記結晶成長抑制剤は、下記式1で示される化合物由来の構成単位(S1)と下記式2で示される化合物由来の構成単位(S2)と分子量150以下の不飽和カルボン酸またはその無水物由来の構成単位(S3)のみからなる共重合体であり、前記共重合体の数平均分子量が2,000~100,000であることを特徴とする農薬組成物。
【化3】

(式中、R は水素原子又はメチル基であり、R Oは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、R は炭素数1~8の炭化水素基である。)
【化4】

(式中、R は水素原子又はメチル基である。)
[7]前記構成単位(S1)、前記構成単位(S2)、及び前記構成単位(S3)の合計を100重量%とした場合に、前記構成単位(S1)が49~80重量%であり、前記構成単位(S2)が19~50重量%であり、前記構成単位(S3)が1~15重量%である、[6]の農薬組成物
[8]前記nは45~114の整数である、[6]の農薬組成物。
[9]水を更に含有し、前記農薬活性成分、前記結晶成長抑制剤、及び前記水の合計を100重量%とした場合に、前記農薬活性成分が0.5~50重量%であり、前記結晶成長抑制剤が0.1~10重量%であり、前記水が40~99重量%である、[6]から[8]のいずれかの農薬組成物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
≪結晶成長抑制剤≫
本開示の結晶成長抑制剤は、それぞれ特定構造を有する構成単位(S1)と構成単位(S2)と構成単位(S3)のみからなる共重合体を含有する。本開示の結晶成長抑制剤は、農薬組成物中において農薬活性成分の粒子がオストワルド熟成等により成長することを抑制できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
<構成単位(S1)>
構成単位(S1)は、下記式1で示される化合物(単量体)由来の構成単位である。
【化5】

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、ROは炭素数2~3のオキシアルキレン基であり、nは23~114の整数であり、Rは炭素数1~8の炭化水素基である。)
式1で示される化合物としては、例えば、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(23モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシプロピレン(23モル)、α-メタクリロイル-ω-プロポキシ-ポリオキシエチレン(23モル)、α-メタクロイル-ω-2-エチルへキシルオキシ-ポリオキシエチレン(23モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(40モル)ポリオキシプロピレン(15モル)(ランダム重合体)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(40モル)ポリオキシプロピレン(15モル)(ブロック重合体)、α-アクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-エトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-ブトキシ-ポリオキシエチレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシプロピレン(45モル)、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリオキシエチレン(113モル)が挙げられる。式1で示される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、ポリオキシエチレン(14モル)等の成分名に示す括弧内のモル数は、対応するアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
<構成単位(S2)>
構成単位(S2)は、下記式2で示される化合物(単量体)由来の構成単位である。
【化6】

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
つまり、式2で示される化合物はアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
≪共重合体≫
共重合体は、構成単位(S1)構成単位(S2)及び構成単位(S3)のみからなる。共重合体の数平均分子量は、結晶成長抑制効果の観点から、2,000~100,000であることが好ましい。また、共重合体の数平均分子量の下限は10,000以上であることが更に好ましい。一方、上限は30,000以下であることが更に好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
共重合体は、単量体として、上記式1で示される化合物、上記式2で示される化合物、及び分子量150以下の不飽和カルボン酸又はその無水物を共重合することにより得られる。重合方法は公知の方法が使用可能であり、特に限定されないが、例えば連鎖重合が挙げられる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
共重合体構成単位(S1)~(S3)の合計を100重量%とすると、構成単位(S1)が49~80重量%、構成単位(S2)が19~50重量%、構成単位(S3)が1~15重量%であることが好ましい。なお、本明細書中において、各構成単位の重量%は共重合に用いられた各単量体の重量%を意味する。