(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084945
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車両接近報知装置および該装置を備えたピッキングトラック
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20240619BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20240619BHJP
B66F 9/075 20060101ALI20240619BHJP
B66F 9/06 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
B66F9/24 Z
B66F9/075 J
B66F9/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199164
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 良平
【テーマコード(参考)】
3F333
3K339
【Fターム(参考)】
3F333AA15
3F333AB13
3F333AC11
3F333AE02
3F333FA11
3F333FA36
3K339AA31
3K339BA01
3K339BA03
3K339BA07
3K339BA10
3K339BA21
3K339BA22
3K339CA21
3K339DA01
3K339EA02
3K339EA03
3K339EA05
3K339EA06
3K339FA04
3K339GB08
3K339GB21
3K339KA04
3K339KA06
3K339KA28
3K339KA39
3K339MC41
3K339MC49
(57)【要約】
【課題】従来よりも省電力な車両接近報知装置およびピッキングトラックを提供する。
【解決手段】本発明に係る車両接近報知装置は、車両の昇降可能な運転台に設けられる第1照明部と、車両の昇降不能な車両本体に設けられる第2照明部と、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中である場合は、運転台の昇降位置に従って第1照明部または第2照明部を点灯させ、運転台および車両本体が停止中である場合は、第1照明部および第2照明部を消灯させる制御部とを備える。制御部は、(1)運転台が停止中であるときに車両本体の走行が停止すると、該停止から第1遅延時間Δt1が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させ、(2)車両本体が停止中であるときに運転台の昇降が停止すると、該停止から第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の昇降可能な運転台に設けられる、車両後方の路面に向かって第1報知光を照射する第1照明部と、
前記車両の昇降不能な車両本体に設けられる、前記路面に向かって第2報知光を照射する第2照明部と、
前記運転台が昇降中であるか前記車両本体が走行中である場合は、前記運転台の昇降位置に従って前記第1照明部または前記第2照明部を点灯させ、前記運転台が停止中であり、かつ前記車両本体が停止中である場合は、前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、(1)前記運転台が停止中であるときに前記車両本体の走行が停止すると、該停止から予め定められた第1遅延時間Δt1が経過した後に前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させ、(2)前記車両本体が停止中であるときに前記運転台の昇降が停止すると、該停止から予め定められた第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させる
ことを特徴とする車両接近報知装置。
【請求項2】
前記制御部は、(3)前記運転台の昇降および前記車両本体の走行が同時に停止すると、該停止から予め定められた第3遅延時間Δt3(ただし、Δt3>Δt2)が経過した後に前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両接近報知装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記運転台が昇降中であるか前記車両本体が走行中であり、かつ前記昇降位置が予め定められた閾値未満である場合は、前記第1照明部を点灯させるとともに前記第2照明部を消灯させ、前記運転台が昇降中であるか前記車両本体が走行中であり、かつ前記昇降位置が予め定められた閾値以上である場合は、前記第1照明部を消灯させるとともに前記第2照明部を点灯させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両接近報知装置。
【請求項4】
前記第1照明部および前記第2照明部は、前記昇降位置が前記閾値に等しいときに、前記第1報知光および前記第2報知光の軸が前記路面上で交わるように設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の車両接近報知装置。
【請求項5】
前記第2報知光の色は、前記第1報知光の色と異なっている
ことを特徴とする請求項3に記載の車両接近報知装置。
【請求項6】
走行装置を有する車両本体と、
前記車両本体の後方に設けられたマストと、
前記マストに沿って昇降可能な運転台と、
前記運転台に設けられた、車両後方の路面に向かって第1報知光を照射する第1照明部と、
前記車両本体に設けられた、前記路面に向かって第2報知光を照射する第2照明部と、
前記運転台が昇降中であるか前記車両本体が走行中である場合は、前記運転台の昇降位置に従って前記第1照明部または前記第2照明部を点灯させ、前記運転台が停止中であり、かつ前記車両本体が停止中である場合は、前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、(1)前記運転台が停止中であるときに前記車両本体の走行が停止すると、該停止から予め定められた第1遅延時間Δt1が経過した後に前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させ、(2)前記車両本体が停止中であるときに前記運転台の昇降が停止すると、該停止から予め定められた第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させる
ことを特徴とするピッキングトラック。
【請求項7】
前記制御部は、(3)前記運転台の昇降および前記車両本体の走行が同時に停止すると、該停止から予め定められた第3遅延時間Δt3(ただし、Δt3>Δt2)が経過した後に前記第1照明部および前記第2照明部を消灯させる
ことを特徴とする請求項6に記載のピッキングトラック。
【請求項8】
前記制御部は、前記運転台が昇降中であるか前記車両本体が走行中であり、かつ前記昇降位置が予め定められた閾値未満である場合は、前記第1照明部を点灯させるとともに前記第2照明部を消灯させ、前記運転台が昇降中であるか前記車両本体が走行中であり、かつ前記昇降位置が予め定められた閾値以上である場合は、前記第1照明部を消灯させるとともに前記第2照明部を点灯させる
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のピッキングトラック。
【請求項9】
前記第1照明部および前記第2照明部は、前記昇降位置が前記閾値に等しいときに、前記第1報知光および前記第2報知光の軸が前記路面上で交わるように設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載のピッキングトラック。
【請求項10】
前記第2報知光の色は、前記第1報知光の色と異なっている
ことを特徴とする請求項8に記載のピッキングトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺の路面に向けて光を照射することより車両の接近を周辺にいる者に報知する車両接近報知装置、および該装置を備えたピッキングトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1照明部と第2照明部とを含む車両接近報知装置を備えたピッキングトラックが知られている(例えば、特許文献1参照)。第1照明部は、車両の昇降可能な運転台に設けられ、運転台の昇降位置が予め定められた閾値未満であるとき、すなわち低揚高時に点灯し、車両後方の路面に向かって第1報知光を照射する。一方、第2照明部は、車両の昇降不能な車両本体に設けられ、運転台の昇降位置が上記閾値以上であるとき、すなわち高揚高時に点灯し、車両後方の路面に向かって第2報知光を照射する。この車両接近報知装置およびピッキングトラックによれば、第1照明部の第1報知光が路面に十分に届かなくなる高揚高時に該第1照明部に代わって第2照明部が第2報知光を路面に向かって照射するので、車両の接近を周辺にいる者に確実に報知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両接近報知装置およびピッキングトラックは、報知の必要性が低い状況でも第1照明部または第2照明部が点灯するため、十分に省電力化されているとはいえない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、従来よりも省電力な車両接近報知装置およびピッキングトラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両接近報知装置は、車両の昇降可能な運転台に設けられる、車両後方の路面に向かって第1報知光を照射する第1照明部と、車両の昇降不能な車両本体に設けられる、上記路面に向かって第2報知光を照射する第2照明部と、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中である場合は、運転台の昇降位置に従って第1照明部または第2照明部を点灯させ、運転台が停止中であり、かつ車両本体が停止中である場合は、第1照明部および第2照明部を消灯させる制御部と、を備え、制御部は、(1)運転台が停止中であるときに車両本体の走行が停止すると、該停止から予め定められた第1遅延時間Δt1が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させ、(2)車両本体が停止中であるときに運転台の昇降が停止すると、該停止から予め定められた第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させる、ことを特徴とする。
【0007】
上記車両接近報知装置の制御部は、(3)運転台の昇降および車両本体の走行が同時に停止すると、該停止から予め定められた第3遅延時間Δt3(ただし、Δt3>Δt2)が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させることが好ましい。
【0008】
上記車両接近報知装置の制御部は、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中であり、かつ昇降位置が予め定められた閾値未満である場合は、第1照明部を点灯させるとともに第2照明部を消灯させ、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中であり、かつ昇降位置が予め定められた閾値以上である場合は、第1照明部を消灯させるとともに第2照明部を点灯させることが好ましい。
【0009】
上記車両接近報知装置の第1照明部および第2照明部は、昇降位置が閾値に等しいときに、第1報知光および第2報知光の軸が上記路面上で交わるように設けられることが好ましい。
【0010】
上記車両接近報知装置の第2報知光の色は、第1報知光の色と異なっていることが好ましい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るピッキングトラックは、走行装置を有する車両本体と、車両本体の後方に設けられたマストと、マストに沿って昇降可能な運転台と、運転台に設けられた、車両後方の路面に向かって第1報知光を照射する第1照明部と、車両本体に設けられた、上記路面に向かって第2報知光を照射する第2照明部と、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中である場合は、運転台の昇降位置に従って第1照明部または第2照明部を点灯させ、運転台が停止中であり、かつ車両本体が停止中である場合は、第1照明部および第2照明部を消灯させる制御部と、を備え、制御部は、(1)運転台が停止中であるときに車両本体の走行が停止すると、該停止から予め定められた第1遅延時間Δt1が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させ、(2)車両本体が停止中であるときに運転台の昇降が停止すると、該停止から予め定められた第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させる、ことを特徴とする。
【0012】
上記ピッキングトラックの制御部は、(3)運転台の昇降および車両本体の走行が同時に停止すると、該停止から予め定められた第3遅延時間Δt3(ただし、Δt3>Δt2)が経過した後に第1照明部および第2照明部を消灯させることが好ましい。
【0013】
上記ピッキングトラックの制御部は、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中であり、かつ昇降位置が予め定められた閾値未満である場合は、第1照明部を点灯させるとともに第2照明部を消灯させ、運転台が昇降中であるか車両本体が走行中であり、かつ昇降位置が予め定められた閾値以上である場合は、第1照明部を消灯させるとともに第2照明部を点灯させることが好ましい。
【0014】
上記ピッキングトラックの第1照明部および第2照明部は、昇降位置が閾値に等しいときに、第1報知光および第2報知光の軸が上記路面上で交わるように設けられていることが好ましい。
【0015】
上記ピッキングトラックの第2報知光の色は、第1報知光の色と異なっていることが好ましい。
【0016】
なお、本明細書中の用語「点灯」には、周辺にいる者が不快に感じることのないように配慮された規則的な点滅が含まれるものとする。
【0017】
また、本明細書中の用語「同時」には、厳密に同じ時刻であることだけでなく、実質的に同じ時刻であることも含まれるものとする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来よりも省電力な車両接近報知装置およびピッキングトラックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例に係るピッキングトラックの模式的な側面図である。
【
図2】実施例に係る車両接近報知装置のブロック図である。
【
図3】実施例における各照明部の点灯状態および照射距離と昇降位置との関係を示すグラフである。
【
図4】実施例に係るピッキングトラックの模式的な側面図であって、(A)は低揚高時の側面図、(B)は高揚高時の側面図である。
【
図5】実施例における制御部の動作に関する図である。
【
図6】本発明の変形例における制御部の動作に関する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る車両接近報知装置およびピッキングトラックの実施例について説明する。
【0021】
[実施例]
図1に、本発明の実施例に係るピッキングトラック10を示す。同図に示すように、本実施例に係るピッキングトラック10は、走行装置を有する車両本体11と、車両本体11の後方に設けられた左右一致のレッグ12,12およびマスト13と、マスト13に沿って昇降可能な運転台14とを備えている。また、運転台14は、オペレータによって操作される各種レバー等からなる操作盤15と、オペレータの転落を防ぐための転落ガード16と、後方に向かって延びた左右一対のフォーク17,17と、オペレータの頭上を覆うヘッドガード18とを有している。フォーク17,17は、運転台14の床板に設けられている。
【0022】
本実施例に係るピッキングトラック10は、さらに、車両接近報知装置20を構成する制御部21、第1照明部22および第2照明部23と、昇降位置検知部30と、走行状態検知部40とを備えている。
【0023】
第1照明部22は、車両後方の路面Fに向かって第1報知光L1を照射するLEDライトからなる。路面Fに現れる第1報知光L1の像は、輪郭が曖昧な円状であってもよいし、第1照明部22に設けられたレンズやスリットの作用により、輪郭が明確なスポット状、ライン状または矢印状とされていてもよい。また、第1報知光L1の色は、報知効果を高めるために、路面Fに対して目立つ色であることが好ましい。本実施例では、第1報知光L1の色は青である。
【0024】
第1照明部22は、不図示の適当なブラケットを介してヘッドガード18の後端部に設けられている。第1照明部22は、その照射方向(すなわち、第1報知光L1の軸)が鉛直線Pに対して角度θ1をなすように設けられている。
【0025】
第2照明部23は、車両後方の路面Fに向かって第2報知光L2を照射するLEDライトからなる。路面Fに現れる第2報知光L2の像は、第1報知光L1の像と同様、輪郭が曖昧な円状であってもよいし、輪郭が明確なスポット状、ライン状または矢印状であってもよい。また、第2報知光L2の色は、報知効果を高めるために、路面Fに対して目立つ色であることが好ましく、第1報知光L1の色と異なっていることがさらに好ましい。本実施例では、第2報知光L2の色は赤である。
【0026】
第2照明部23は、不図示の適当なブラケットを介して車両本体11の後方に設けられている。第2照明部23は、その照射方向(すなわち、第2報知光L2の軸)が鉛直線Pに対して角度θ2(ただし、θ2>θ1)をなすように設けられている。
【0027】
図2に示すように、制御部21は、昇降位置検知部30が検知した運転台14の昇降位置H、および走行状態検知部40が検知した車両本体11の走行状態(前進/後進/停止)に応じて第1照明部22および第2照明部23の点灯状態を変化させるように構成されている。
【0028】
なお、
図1では、車両本体11の内部に制御部21が設けられているが、制御部21の位置は任意に変更することができる。例えば、制御部21は、運転台14に設けられていてもよい。また、
図1では、車両本体11の内部に昇降位置検知部30および走行状態検知部40が設けられているが、これらの位置も任意に変更することができる。例えば、昇降位置検知部30および走行状態検知部40は、制御部21に包含されていてもよい。
【0029】
続いて、特に
図1、
図3および
図4を参照しながら、本実施例に係るピッキングトラック10および車両接近報知装置20の動作をさらに詳しく説明する。
【0030】
(A)運転台14が昇降中(上昇中/下降中)であるか車両本体11が走行中(前進中/後進中)であり、かつ昇降位置Hが予め定められた閾値Hth未満である場合、制御部21は、第1照明部22を点灯させるとともに第2照明部23を消灯させる。これにより、路面Fに第1報知光L1による青色の像が現れる。なお、制御部21は、昇降位置Hの時間変化に基づいて運転台14の昇降状態(例えば、上昇中であるか否か)を判定することができる。また、「昇降位置Hが閾値Hth未満である場合」の一例は、
図4(A)に示す昇降位置Hが下限値Hminである場合である。
【0031】
フォーク17,17の先端から第1報知光L1の像の中心までの距離D1を「第1照射距離」と呼ぶ。
図3に示すように、第1照射距離D1は、昇降位置Hに応じて変化する。より詳しくは、第1照射距離D1は、昇降位置Hが高くなると長くなる。
【0032】
本実施例では、閾値Hthは1mである。閾値Hthは、昇降位置Hが該閾値Hthに等しいときに、第2報知光L2が運転台14によって遮られないような値に設定されている。
【0033】
(B)運転台14が昇降中であるか車両本体11が走行中であり、かつ昇降位置Hが予め定められた閾値Hth以上である場合、制御部21は、第1照明部22を消灯させるとともに第2照明部23を点灯させる。これにより、路面Fに第2報知光L2による赤色の像が現れる。なお、「昇降位置Hが閾値Hth以上である場合」の一例は、
図4(B)に示す昇降位置Hが上限値Hmaxである場合である。
【0034】
フォーク17,17の先端から第2報知光L2の像の中心までの距離D2を「第2照射距離」と呼ぶ。本実施例では、昇降位置Hが閾値Hthに等しいときに、第1照射距離D1と第2照射距離D2とが等しくなるように、閾値Hthおよび角度θ1,θ2が決定されている(
図1および
図3参照)。つまり、本実施例では、昇降位置Hが閾値Hthに等しいときに、第1報知光L1および第2報知光L2の軸が路面F上で交わるようになっている。これにより、昇降位置Hが閾値Hthに等しくなったときに報知光の像が瞬間的に移動して、周辺にいる者が像を見失ってしまうのを防ぐことができる。
【0035】
図3に示すように、本実施例に係るピッキングトラック10および車両接近報知装置20では、昇降位置Hが閾値Hthと上限値Hmaxとの間で変化しても第2照射距離D2は変化しない。このため、本実施例に係るピッキングトラック10および車両接近報知装置20によれば、路面Fに常に十分な報知光を届けることができる。言い換えると、ピッキングトラック10および車両接近報知装置20によれば、高揚高時の報知効果の低下を防ぐことができる。
【0036】
また、本実施例に係るピッキングトラック10および車両接近報知装置20では、昇降位置Hに応じて路面Fに現れる像の色が変化する。ピッキングトラック10のオペレータは、高揚高時に周辺にいる者に気付きにくくなる傾向にあるところ、本実施例に係るピッキングトラック10および車両接近報知装置20によれば、路面Fに現れている像の色に基づいて周辺にいる者が高揚高であることに気付き、周囲をより警戒することで、ピッキングトラック10との接触を自ら回避することができる。
【0037】
(C)運転台14が停止中であり、かつ車両本体11が停止中である場合、制御部21は、第1照明部22および第2照明部23を消灯させる。運転台14の昇降および車両本体11の走行が停止している場合にピッキングトラック10と周辺にいる者が接触する可能性はかなり低い。このため、第1照明部22および第2照明部23を消灯させても、報知効果は実質的に低下しない。
【0038】
このように、制御部21は、(i)運転台14が昇降中であるか車両本体11が走行中である場合は、昇降位置Hに従って第1照明部22または第2照明部23を点灯させ、(ii)運転台14の昇降および車両本体11の走行の両方が停止中である場合は、第1照明部22および第2照明部23を消灯させる。ただし、制御部21は、運転台14の昇降が停止したとき、および車両本体11の走行が停止したときに、第1照明部22および第2照明部23を直ちに消灯させるのではなく、予め定められた遅延時間が経過した後にこれらを消灯させる。
【0039】
より詳しくは、制御部21は、(1)運転台14の昇降が停止しているときに車両本体11の走行が停止すると、
図5(A)に示すように、該停止から予め定められた第1遅延時間Δt1が経過した後に第1照明部22および第2照明部23のうち点灯している方を消灯させ、報知機能をオフにする。制御部21は、(2)車両本体11の走行が停止しているときに運転台14の昇降が停止すると、
図5(B)に示すように、該停止から予め定められた第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に第1照明部22および第2照明部23のうち点灯している方を消灯させ、報知機能をオフにする。また、制御部21は、(3)運転台14の昇降および車両本体11の走行が同時に停止すると、
図5(C)に示すように、該停止から予め定められた第3遅延時間Δt3(ただし、Δt3>Δt2)が経過した後に第1照明部22および第2照明部23のうち点灯している方を消灯させ、報知機能をオフにする。
【0040】
本実施例に係るピッキングトラック10および車両接近報知装置20によれば、車両本体11の走行状態(前進/後進/停止)および運転台14の昇降状態(上昇/下降/停止)が頻繁に変化したときに、それに合わせて第1照明部22および第2照明部23が消灯と再点灯を頻繁に繰り返すことにより周辺にいる者が不快な眩しさを感じるのを防ぐことができる。
【0041】
なお、運転台14の昇降が停止しているときに車両本体11の走行が停止した場合は、経験上、運転台14の昇降がすぐに開始されたり車両本体11の走行がすぐに再開されたりする可能性は低い。このため、制御部21は、省電力のために他の場合よりも素早く第1照明部22および第2照明部23を消灯させる。一方、運転台14の昇降および車両本体11の走行が同時に停止した場合は、経験上、運転台14の昇降がすぐに再開されたり車両本体11の走行がすぐに再開されたりする可能性が高い。このため、制御部21は、第1照明部22および第2照明部23の不快な点滅を確実に防ぐために他の場合よりもゆっくりと第1照明部22および第2照明部23を消灯させる。
【0042】
[変形例]
【0043】
以上、本発明に係る車両接近報知装置およびピッキングトラックの実施例について説明してきたが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
【0044】
例えば、制御部21は、遅延時間をΔt1とΔt2の2段階で変化させてもよい。より詳しくは、制御部21は、(1)運転台14の昇降が停止しているときに車両本体11の走行が停止すると、
図6(A)に示すように、該停止から予め定められた第1遅延時間Δt1が経過した後に第1照明部22および第2照明部23のうち点灯している方を消灯させ、(2)運転台14の昇降が停止すると、これと同時に車両本体11の走行が停止したか否かにかかわらず、
図6(B)に示すように、該停止から予め定められた第2遅延時間Δt2(ただし、Δt2>Δt1)が経過した後に第1照明部22および第2照明部23のうち点灯している方を消灯させてもよい。この構成でも、省電力と不快な点滅の防止のバランスをある程度はとることができる。
【0045】
また、第1照明部22は、運転台14の任意の位置(ヘッドガード18の後端部以外の位置)に設けられてもよい。
【0046】
また、第1照射距離D1と第2照射距離D2は、昇降位置Hが閾値Hthであるときに必ずしも一致しなくてもよい。
【0047】
また、第1報知光L1の色(青)および第2報知光L2の色(赤)は、単なる例示に過ぎない。例えば、本発明では、第1報知光L1および第2報知光L2の色が同一であってもよい。
【0048】
閾値Hth(1m)も、単なる例示に過ぎない。
【符号の説明】
【0049】
10 ピッキングトラック
11 車両本体
12 レッグ
13 マスト
14 運転台
15 操作盤
16 転落ガード
17 フォーク
18 ヘッドガード
20 車両接近報知装置
21 制御部
22 第1照明部
23 第2照明部
30 昇降位置検知部
40 走行状態検知部