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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084951
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240619BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240619BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240619BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B41J29/38 104
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J29/00 C
B41J3/407
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199172
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】佐合 良太
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EC06
2C056EC28
2C056HA29
2C056HA60
2C061AQ01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS11
2C061BB10
2C061BB17
2C061HJ10
2C061HK08
2C061HN04
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】接続コネクタにオプション部品を接続する際の作業が煩わしくなり難い。
【解決手段】プリンタ10は、被印刷物5を支持する支持台25と、支持台25に取り付け可能なオプション部品70が接続可能な接続コネクタ100と、接続コネクタ100に電力を供給する供給電源55と、制御装置60を備える。制御装置60は、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを判定する判定部65と、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていると判定されたとき、接続コネクタ100を介して供給電源55からオプション部品70に対して電力を供給することを許可する許可部66と、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定されたとき、供給電源55から接続コネクタ100へ電力を供給することを禁止する禁止部67を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物を支持する支持台と、
前記支持台に取り付け可能なオプション部品が接続可能な接続コネクタと、
前記接続コネクタに電力を供給する供給電源と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていると判定されたとき、前記接続コネクタを介して前記供給電源から前記オプション部品に対して電力を供給することを許可する許可部と、
前記判定部によって前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていないと判定されたとき、前記供給電源から前記接続コネクタへ電力を供給することを禁止する禁止部と、
を備えた、プリンタ。
【請求項2】
前記接続コネクタは、前記オプション部品が接続されたとき、接続信号を受け付けるように構成され、
前記判定部は、前記接続コネクタが前記オプション部品から前記接続信号を受け付けたか否かを判定し、
前記許可部は、前記接続コネクタが前記接続信号を受け付けたとき、前記供給電源から前記オプション部品に対して電力を供給することを許可し、
前記禁止部は、前記接続コネクタが前記接続信号を受け付けていないとき、前記供給電源から前記接続コネクタに対して電力を供給することを禁止する、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記オプション部品は、
第1オプション部品と、
前記第1オプション部品とは異なる第2オプション部品と、
を有し、
前記接続コネクタは、前記第1オプション部品が接続されたとき、第1接続信号を受け付け、前記第2オプション部品が接続されたとき、第2接続信号を受け付けるように構成され、
前記判定部は、前記接続コネクタが前記第1接続信号または前記第2接続信号を受け付けたか否かを判定し、
前記許可部は、前記接続コネクタが前記第1接続信号を受け付けたとき、前記供給電源から前記第1オプション部品に対して電力を供給することを許可し、前記接続コネクタが前記第2接続信号を受け付けたとき、前記供給電源から前記第2オプション部品に対して電力を供給することを許可し、
前記禁止部は、前記接続コネクタが前記第1接続信号および前記第2接続信号を受け付けていないとき、前記供給電源から前記接続コネクタに対して電力を供給することを禁止する、請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項4】
前記オプション部品は、前記接続コネクタに接続されるオプションコネクタを有し、
前記オプションコネクタは、
グランド用のグランドピンと、
前記オプションコネクタが前記接続コネクタに接続されたときに前記グランドピンに接続されて、前記グランドピンとの間でショートしてLowレベルになる前記接続ピンと、
を有し、
前記判定部は、前記グランドピンと前記接続ピンの間がHighレベルかLowレベルかを判定し、前記Lowレベルのときには、前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていると判定し、前記Highレベルのときには、前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていないと判定する、請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項5】
前記オプション部品は、
第1オプション部品と、
前記第1オプション部品とは異なる第2オプション部品と、
を有し、
前記第1オプション部品は、前記接続コネクタに接続される第1オプションコネクタを有し、
前記第2オプション部品は、前記接続コネクタに接続される第2オプションコネクタを有し、
前記第1オプションコネクタは、
グランド用の第1グランドピンと、
前記第1オプションコネクタが前記接続コネクタに接続されたときに前記第1グランドピンに接続されて、前記第1グランドピンとの間でショートしてLowレベルになる前記第1接続ピンと、
を有し、
前記第2オプションコネクタは、
グランド用の第2グランドピンと、
前記第2オプションコネクタが前記接続コネクタに接続されたときに前記第2グランドピンに接続されて、前記第2グランドピンとの間でショートしてLowレベルになる前記第2接続ピンと、
を有し、
前記第1グランドピンと前記第2グランドピンとは、同じピン番号であり、
前記第1接続ピンは、第1のピン番号であり、
前記第2接続ピンは、前記第1のピン番号とは異なる第2のピン番号であり、
前記判定部は、前記接続コネクタに接続された前記オプションコネクタにおいて、前記第1のピン番号に対応したピンがLowレベルのとき、前記接続コネクタに前記第1オプション部品が接続されていると判定し、前記第2のピン番号に対応したピンがLowレベルのとき、前記接続コネクタに前記第2オプション部品が接続されていると判定し、前記第1のピン番号および前記第2のピン番号に対応したピンがHighレベルのとき、前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていないと判定する、請求項4に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記被印刷物は、表面の少なくとも一部に平らな面を有する第1被印刷物を備え、
前記第1オプション部品は、前記第1被印刷物を吸引しながら支持する支持面を有する吸引装置である、請求項3または5に記載されたプリンタ。
【請求項7】
前記被印刷物は、少なくとも一部の外周形状が円柱状の第2被印刷物を備え、
前記第2オプション部品は、前記第2被印刷物を回転させながら支持する回転装置である、請求項3または5に記載されたプリンタ。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記供給電源がONの状態で、ユーザが前記接続コネクタに前記オプション部品を接続することを許可する接続許可モードに設定するモード設定部と、
前記接続許可モードを解除するモード解除部と、
を備え、
前記禁止部は、前記接続許可モードのとき、前記供給電源から前記接続コネクタへの電力の供給を禁止し、
前記判定部は、前記モード解除部によって前記接続許可モードが解除されたとき、前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されているか否かを判定する、請求項1に記載されたプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。詳しくは、本発明は、支持台にオプション部品を取り付け可能なプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、印刷対象物を載置可能なメインテーブルと、吸引装置と、を備えたプリンタが開示されている。メインテーブルは、上面に複数の孔を有すると共に、複数の孔と連通する内部空間を有している。吸引装置は、メインテーブルの内部空間に負圧を発生させるものである。メインテーブルの上には、印刷物載置テーブルを着脱可能に設置することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-194793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メインテーブルの上に着脱可能な印刷物載置テーブルに、吸引装置を設ける構成が考えられる。この場合、印刷物載置テーブルをメインテーブルに設置したときに、吸引装置を、プリンタの接続コネクタに接続し、接続コネクタを介してプリンタから吸引装置に向かって電力を供給することが考えられる。このとき、吸引装置を接続コネクタに接続する際、安全性の観点から、プリンタの主電源ボタンをOFFにした状態で行うことが好ましい。しかしながら、この場合、接続コネクタに吸引装置を接続する度に、主電源ボタンをOFFにする必要があり、作業が煩わしいものであった。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続コネクタにオプション部品を接続する際の作業が煩わしくなり難いプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプリンタは、被印刷物を支持する支持台と、前記支持台に取り付け可能なオプション部品が接続可能な接続コネクタと、前記接続コネクタに電力を供給する供給電源と、制御装置と、を備えている。前記制御装置は、判定部と、許可部と、禁止部とを備えている。前記判定部は、前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されているか否かを判定する。前記許可部は、前記判定部によって前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていると判定されたとき、前記接続コネクタを介して前記供給電源から前記オプション部品に対して電力を供給することを許可する。前記禁止部は、前記判定部によって前記接続コネクタに前記オプション部品が接続されていないと判定されたとき、前記供給電源から前記接続コネクタへ電力を供給することを禁止する。
【0007】
上記プリンタによれば、接続コネクタにオプション部品が接続されていないときには、供給電源からの電力の供給が禁止され、接続コネクタにオプション部品が接続されているときには、接続コネクタにオプション部品が接続された後の所定のタイミングで、供給電源からの電力の供給が許可される。よって、接続コネクタにオプション部品を接続する作業を行う際、例えば主電源ボタンをOFFにしない場合であっても、オプション部品が接続されていない間において、供給電源からの電力は供給されていないため、主電源ボタンをOFFにする作業をしなくてもよく、オプション部品を接続する作業が容易になる。よって、接続コネクタにオプション部品を接続する際の作業が煩わしくなり難くすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接続コネクタにオプション部品を接続する際の作業が煩わしくなり難いプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るプリンタを示す斜視図である。
図2】実施形態に係るプリンタを示す正面図である。
図3】実施形態に係るプリンタのブロック図である。
図4】インクヘッドおよび光照射装置の底面の構成を示す模式図である。
図5】支持台に支持された吸引装置を示す平面図である。
図6図5のVI-VI断面における吸引装置を示す断面図である。
図7】支持台に支持された回転装置を示す斜視図である。
図8】接続コネクタとオプションコネクタに関する説明図である。
図9】接続コネクタに接続されたオプション部品を検出する手順について示したフローチャートである。
図10】接続コネクタに吸引装置が接続されるときの時間経過に伴う供給電源、吸引装置および回転装置の状態を示すタイミングチャートである。
図11】接続コネクタに回転装置が接続されるときの時間経過に伴う供給電源、吸引装置および回転装置の状態を示すタイミングチャートである。
図12】接続コネクタにオプション部品が接続されないときの時間経過に伴う供給電源、吸引装置および回転装置の状態を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るプリンタ10を示す正面図である。図3は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。以下の説明では、ユーザがプリンタ10を正面から見たときに、ユーザがプリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、ユーザがプリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。副走査方向Xは、平面視において主走査方向Yと交差(ここでは直交)している。副走査方向Xは例えば前後方向である。符号Zは、高さ方向、言い換える上下方向を示している。ただし、これら方向は、説明の便宜上に定められた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、かつ、本発明を何ら限定するものではない。
【0012】
プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。ただし、プリンタ10の印刷の方式は特に限定されない。プリンタ10は、例えばドットインパクト方式のプリンタであってもよいし、レーザプリンタやサーマルプリンタであってもよい。プリンタ10は、いわゆるフラットベッドタイプのプリンタであり、後述の支持台25(図2参照)が副走査方向Xに移動することで、被印刷物5(図2参照)も副走査方向Xに移動するように構成されている。
【0013】
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体11と、カバー12とを備えている。プリンタ本体11は、例えば直方体形状かつケース状のものである。プリンタ本体11は、内部空間を有している。この内部空間において印刷が行われる。図2に示すように、プリンタ本体11の前部には開口15が形成されている。
【0014】
カバー12は、開口15を開閉自在にプリンタ本体11に支持されている。カバー12は、後端を軸に回転可能に構成されている。図1に示すように、カバー12の前部および上部には、窓16が設けられている。窓16は、透明または半透明の部材、例えばアクリル板によって形成されている。ユーザは、窓16を通じてプリンタ本体11の内部空間を視認することができる。
【0015】
本実施形態では、図1に示すように、プリンタ10は、操作パネル20を備えている。操作パネル20は、プリンタ本体11に設けられている。詳しくは、操作パネル20は、プリンタ本体11の右上部に設けられているが、プリンタ本体11に対する操作パネル20の位置は特に限定されない。操作パネル20は、プリンタ10の状態やモードに関する情報などが表示される表示画面21と、操作キー22とを有している。ユーザは、例えば操作キー22を操作することで、表示画面21にプリンタ10の状態やモードに関する各種の情報を表示することができる。なお、本実施形態では、操作キー22は、物理的なボタンによって構成されているが、表示画面21上に設けられたタッチパネルによって実現されてもよい。
【0016】
次に、本実施形態に係るプリンタ10の内部構成について説明する。図2に示すように、プリンタ10は、支持台25を備えている。支持台25は、被印刷物5を支持するものである。ここでは、支持台25の上面に被印刷物5が載置されている。支持台25の上において印刷が行われる。例えば支持台25に支持された被印刷物5にインクが吐出される。ここでは、支持台25の上面は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった平らな面であり、被印刷物5を支持する支持面として機能する。
【0017】
図2に示すように、プリンタ10は、ガイドレール28と、キャリッジ30と、インクヘッド32と、光照射装置35とを備えている。ガイドレール28は、プリンタ本体11の内部空間に配置され、プリンタ本体11に固定されている。ガイドレール28は、支持台25よりも上方に配置されている。ガイドレール28は、主走査方向Yに延びている。キャリッジ30は、ガイドレール28に摺動自在に設けられている。キャリッジ30は、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0018】
インクヘッド32は、支持台25よりも上方に配置されている。ここでは、インクヘッド32は、支持台25に支持された被印刷物5よりも上方に配置されている。インクヘッド32は、インクを吐出する。ここでは、インクヘッド32は、支持台25に支持された被印刷物5に向かって下方にインクを吐出する。インクヘッド32は、キャリッジ30に設けられている。ここでは、インクヘッド32は、底面が下方に向かって露出するようにキャリッジ30に設けられ、キャリッジ30に支持されている。なお、インクヘッド32の数は特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド32の数は4つである。4つのインクヘッド32は、主走査方向Yに並んで配置されている。
【0019】
図4は、インクヘッド32および光照射装置35の底面の構成を示す模式図である。本実施形態では、各インクヘッド32は、複数のノズル33と、複数のノズル33が形成されたノズル面34とを有している。ノズル面34は、インクヘッド32の底面を構成している。1つのインクヘッド32において、複数のノズル33は、副走査方向Xに並んで配置されている。ここで、1つのインクヘッド32において、副走査方向Xに並んだ複数のノズル33の列のことをノズル列33aという。本実施形態では、1つのインクヘッド32において、ノズル列33aの数は2つであるが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0020】
各インクヘッド32は、それぞれ異なる色のインクを吐出する。なお、各インクヘッド32から吐出されるインクの具体的な色は、特に限定されない。各インクヘッド32から吐出されるインクは、例えばプロセスカラーインクおよび特色インクなどのうちの何れかの色のインクである。プロセスカラーインクには、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどが含まれている。特色インクには、プロセスカラーインク以外の色のインク、例えばホワイトインク、クリアインクなどが含まれている。なお、本実施形態では、複数のインクヘッド32は、それぞれ異なる色のインクを吐出しているが、一部のインクヘッド32は、同じ色のインクを吐出してもよい。例えば2つのインクヘッド32から同じ色のインクが吐出されてもよい。また、1つのインクヘッド32において、ノズル列33a毎に異なる色のインクが吐出されてもよい。
【0021】
また、インクヘッド32から吐出されるインクの材料は何ら限定されず、従来からのインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。本実施形態では、インクヘッド32から吐出されるインクは、光が照射されると乾燥が促進される光硬化型インクである。インクに照射される光とは、例えば紫外線である。ここでは、インクは、紫外線が照射されると硬化が促進される紫外線硬化型インクである。
【0022】
本実施形態では、インクヘッド32から吐出されるインクは、図2に示すインクカートリッジ45に収容されている。例えばプリンタ本体11の左部の前面には、収容部46が配置されている。インクカートリッジ45は、収容部46に収容されている。インクカートリッジ45は、例えば1つのインクヘッド32につき1つ接続されている。インクカートリッジ45は、例えば図示しないインクチューブを介してインクヘッド32に接続される。インクカートリッジ45に収容されたインクは、インクチューブを通ってインクヘッド32に供給される。
【0023】
光照射装置35は、光を照射するものである。本実施形態では、光照射装置35は、インクヘッド32から吐出されたインクに光を照射する装置である。詳しくは、光照射装置35は、支持台25に支持された被印刷物5に吐出されたインクに、光を照射可能に構成されている。本実施形態では、インクヘッド32(詳しくはノズル33)から吐出されたインクは、紫外線が照射されると硬化が促進される紫外線硬化型インクである。そのため、光照射装置35は、インクヘッド32から吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置であり得る。
【0024】
図2に示すように、光照射装置35は、キャリッジ30に設けられており、キャリッジ30およびインクヘッド32と共に主走査方向Yに移動可能に構成されている。本実施形態では、光照射装置35の数は2つである。光照射装置35は、キャリッジ30の左側に設けられている第1光照射装置35Aと、キャリッジ30の右側に設けられている第2光照射装置35Bとを有している。光照射装置35は、キャリッジ30の左右両側、すなわちインクヘッド32の左方および右方に設けられている。しかしながら、第1光照射装置35Aと第2光照射装置35Bの何れかは、省略されてもよい。光照射装置35の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。ここでは、光照射装置35は、インクヘッド32と主走査方向Yに並んで配置されている。
【0025】
本実施形態では、各光照射装置35は、照射本体36(図4参照)と、光源37(図3参照)とを有している。照射本体36は、例えば直方体形状であり、中空のものである。図4に示すように、照射本体36の底面には、照射口38が形成されている。照射口38の形状は、四角形状であるが、特に限定されない。図3の光源37は、光(ここでは紫外線)を発するものであり、照射本体36の内部に配置されている。光源37から発せられた光は、照射口38を通り、支持台25に支持された被印刷物5に吐出されたインクに照射される。
【0026】
本実施形態では、図2に示すように、プリンタ10は、支持台25に対して、キャリッジ30、インクヘッド32および光照射装置35を主走査方向Yに移動させる第1移動機構51と、キャリッジ30、インクヘッド32および光照射装置35に対して、支持台25に支持された被印刷物5を副走査方向Xに移動させる第2移動機構52とを備えている。また、詳しい構成の説明は省略するが、プリンタ10は、支持台25を昇降させる昇降機構53を備えている。
【0027】
第1移動機構51は、キャリッジ30、インクヘッド32および光照射装置35を主走査方向Yに移動させる。なお、第1移動機構51の構成は特に限定されない。第1移動機構51は、図示は省略するが、例えば左右のプーリと、ベルトと、スキャンモータとを有している。左のプーリはガイドレール28の左端部の周囲に設けられ、右のプーリはガイドレール28の右端部の周囲に設けられている。ベルトは、例えば無端状のベルトであり、左右のプーリに巻き掛けられている。ベルトには、キャリッジ30が取り付け固定されている。スキャンモータは、左右のプーリの一方に接続されている。ここでは、スキャンモータが駆動することでプーリが回転し、左右のプーリの間においてベルトが走行する。このことで、キャリッジ30と共に、インクヘッド32および光照射装置35が、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動する。
【0028】
第2移動機構52は、支持台25を副走査方向Xに移動させることで、支持台25に支持された被印刷物5を副走査方向Xに移動させる。なお、第2移動機構52の構成は特に限定されない。ここでは、第2移動機構52は、図示は省略するが、支持台25を支持する支持台キャリッジと、支持台キャリッジをスライド可能に支持し、副走査方向Xに延びた左右一対のスライドレールとを備えている。第2移動機構52は、図示は省略するが、更にスライドレールの前方および後方に設けられた前後一対のスライドプーリと、前後一対のスライドプーリに巻き掛けられたスライドベルトとを備えている。このスライドベルトには、支持台キャリッジが固定されている。前後一対のスライドプーリのうちの何れかには、フィードモータが接続されている。ここでは、フィードモータが駆動してスライドベルトが走行することで、支持台キャリッジと共に支持台25が副走査方向Xに移動する。このことによって、支持台25に支持された被印刷物5も副走査方向Xに移動する。
【0029】
図2に示すように、プリンタ10は、制御装置60を備えている。制御装置60は、印刷に関する制御などを行う装置である。制御装置60の構成は特に限定されない。制御装置60は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されない。制御装置60は、例えばホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリと、を備えている。制御装置60は、プリンタ本体11の内部に設けられている。ただし、制御装置60は、プリンタ本体11の外部に設置されたコンピュータなどで実現されてもよい。この場合、制御装置60は、有線または無線を介してプリンタ10の制御基板(図示せず)と通信可能に接続されているとよい。
【0030】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置60は、操作パネル20(詳しくは表示画面21および操作キー22)、インクヘッド32、光照射装置35(詳しくは光源37)、第1移動機構51、第2移動機構52および昇降機構53と通信可能に接続されている。制御装置60は、操作パネル20、インクヘッド32、光照射装置35、第1移動機構51、第2移動機構52および昇降機構53を制御する。
【0031】
図5は、オプション部品70の一例である吸引装置80が支持台25に支持された状態を示す平面図である。図6は、図5のVI-VI断面における吸引装置80を示す断面図である。図7は、オプション部品70の一例である回転装置90が支持台25に支持された状態を示す斜視図である。ところで、図5および図7に示すように、本実施形態に係るプリンタ10において、支持台25にオプション部品70を取り付けることが可能である。ここで、オプション部品70とは、印刷用のものであり、被印刷物5に対して印刷する際に、印刷の手助けとなるものである。ここでいうオプション部品70とは、支持台25の上面に取り付けられるものであり、プリンタ10から電力を供給されることで駆動するものをいう。なお、オプション部品70の具体的な種類は特に限定されない。ここでは、オプション部品70は、吸引装置80(図5参照)と、回転装置90(図7参照)とを有している。
【0032】
本実施形態では、被印刷物5は、第1被印刷物5A(図5参照)と、第2被印刷物5B(図7参照)とを有している。図5および図6に示すように、第1被印刷物5Aは、少なくとも一部に主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった平面を有するものである。第1被印刷物5Aは、例えば記録紙である。ただし、第1被印刷物5Aは、記録紙などの紙に限定されない。例えば第1被印刷物5Aには、PCV、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、金属板、ガラス板、木材板などの比較的に厚みを有するものが含まれる。また、第1被印刷物5Aは、例えばスマートフォンケースなどの立体物であってもよい。
【0033】
図7に示すように、第2被印刷物5Bは、少なくとも一部の外周形状が円柱状の立体物である。ここで、外周形状が円柱である第2被印刷物5Bの一部とは、回転装置90(詳しくは、後述のローラ93(図7参照)と接する部分のことをいう。第2被印刷物5Bには、内部に空間を有する立体物、例えば円筒形状の立体物が含まれる。第2被印刷物5Bの種類は特に限定されない。第2被印刷物5Bは、例えばビンやコップなどである。また、第2被印刷物5Bを形成する材料も特に限定されない。第2被印刷物5Bは、ガラス製であってもよいし、樹脂製であってもよいし、木製であってもよい。第2被印刷物5Bは、透明または半透明な材料によって形成されてもよい。
【0034】
本実施形態では、図5に示すように、吸引装置80は、第1被印刷物5Aに対して印刷を行うときに使用されるものである。図7に示すように、回転装置90は、第2被印刷物5Bに対して印刷を行うときに使用されるものである。
【0035】
図5に示すように、吸引装置80は、第1被印刷物5Aへの印刷時に、第1被印刷物5Aが浮き上がり難くするものである。図6に示すように、吸引装置80は、支持台25(詳しくは支持台25の上面)に取り付けられる。吸引装置80は、支持台25に載置されている。支持台25は、吸引装置80を介して第1被印刷物5Aを間接的に支持している。吸引装置80は、支持台25の移動に伴って、副走査方向Xおよび上下方向Zに移動可能に構成されている。吸引装置80は、非使用時には支持台25から取り外される。吸引装置80は、第1オプション部品の一例である。
【0036】
図6に示すように、吸引装置80は、例えば吸引本体81と、支持面82と、ファン83と、回転モータ84とを備えている。吸引本体81は、支持台25の上面に直接取り付けられるものである。吸引本体81は、内部空間を有しており、かつ、直方体形状に形成されている。
【0037】
支持面82は、吸引本体81の上面を構成している。支持面82は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった平らな面を有している。支持面82は、第1被印刷物5Aを支持する。ここでは、支持面82には、第1被印刷物5Aが載置される。図5に示すように、支持面82には、複数の吸引孔85が形成されている。吸引孔85は、支持面82を貫通しており、吸引本体81の内部空間と連通している。
【0038】
図6に示すように、ファン83は、吸引本体81の内部空間に配置されている。ファン83には、回転モータ84が接続されている。回転モータ84は、ファン83を回転させるモータである。本実施形態では、回転モータ84が駆動することでファン83が回転する。ファン83が回転すると、吸引本体81の内部空間が負圧になり、支持面82の上の空気は、吸引孔85から吸引本体81の内部に向かって吸引される。このとき、支持面82に第1被印刷物5Aが支持されている場合には、第1被印刷物5Aも吸引孔85を通じて吸引本体81の内部に向かって吸引される。このことによって、第1被印刷物5Aが支持面82から浮き上がり難くなる。
【0039】
図7に示すように、回転装置90は、少なくとも一部の外周形状が円柱状の第2被印刷物5Bを回転させながら印刷するときに使用されるものである。回転装置90は、第2被印刷物5Bを支持する。回転装置90は、支持台25(詳しくは支持台25の上面)に取り付けられる。ここでは、回転装置90は、支持台25に載置される。支持台25は、回転装置90を介して第2被印刷物5Bを間接的に支持している。回転装置90は、支持台25の移動に伴って、副走査方向Xおよび上下方向Zに移動可能に構成されている。回転装置90は、第2被印刷物5Bに印刷を行うときには、支持台25に取り付けられ、第1被印刷物5Aに印刷を行うときには支持台25から取り外される。回転装置90は、第2オプション部品の一例である。
【0040】
回転装置90は、回転本体91と、第1シャフト92Aと、第2シャフト92Bと、ローラ93と、回転モータ95と、ギア機構96とを備えている。回転本体91は、支持台25に直接支持されるものであり。ここでは支持台25の上面に載置される。回転本体91は、上方に開口した箱状のものである。
【0041】
本実施形態では、回転本体91は、底板91Dと、前板91Fと、後板91Rrと、左板91Lと、右板91Rとを有している。底板91Dは、支持台25の上面と重なるものであり、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっている。前板91Fは、底板91Dの前端から上方に延びている。後板91Rrは、底板91Dの後端から上方に延びている。左板91Lは、底板91Dの左端から上方に延びており、前板91Fおよび後板91Rrのそれぞれの左端に接続されている。右板91Rは、底板91Dの右端から上方に延びており、前板91Fおよび後板91Rrのそれぞれの右端に接続されている。
【0042】
第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bは、主走査方向Yに延びている。第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bは、回転本体91に回転可能に支持されている。ここでは、第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bは、回転本体91の左板91Lと右板91Rとに架け渡されている。第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bにおいて、それぞれの左端部は、左板91Lに回転可能に支持され、それぞれの右端部は、右板91Rに回転可能に支持されている。
【0043】
第2シャフト92Bは、第1シャフト92Aと副走査方向Xに並んで、所定の間隔を空けて配置されている。ここでは、第2シャフト92Bは、第1シャフト92Aの後方に配置されている。本実施形態では、第2被印刷物5Bを回転させながら印刷する際、第2被印刷物5Bの中心軸の方向が主走査方向Yになるように、第2被印刷物5Bを第1シャフト92Aと第2シャフト92Bとの間に配置する。このことで、第2被印刷物5Bは、第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bに支持される。ここでは、第2被印刷物5Bの前部は、第1シャフト92Aに支持され、第2被印刷物5Bの後部は、第2シャフト92Bに支持される。
【0044】
ローラ93は、第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bに挿入されるものである。以下、ローラ93のうち、第1シャフト92Aに挿入されるローラを、第1ローラ93Aともいい、第2シャフト92Bに挿入されるローラを、第2ローラ93Bともいう。第1ローラ93Aは、第1シャフト92Aと共に回転する。第2ローラ93Bは、第2シャフト92Bと共に回転する。第1ローラ93Aおよび第2ローラ93Bは、第2被印刷物5Bと直接接触するものである。ここでは、第1シャフト92Aと第2シャフト92Bは、ローラ93を介して間接的に第2被印刷物5Bを支持している。
【0045】
第1ローラ93Aの数、および、第2ローラ93Bの数は、特に限定されず、ここでは共に複数である。第1ローラ93Aの数と、第2ローラ93Bの数は同じであるが、異なっていてもよい。第1ローラ93Aおよび第2ローラ93Bは、それぞれ第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bに対して取り外し可能であり、これらの数は適宜に変更可能である。また、第1ローラ93A同士の間隔、および、第2ローラ93B同士の間隔も適宜に変更可能である。ローラ93を形成する材料は特に限定されないが、ここでは弾性体である。ローラ93は、例えばゴム製である。第1ローラ93Aと第2ローラ93Bは、異なる大きさであってもよいし、同じ大きさであってもよい。
【0046】
本実施形態では、第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bは、ギア機構96を介して回転モータ95に接続されている。回転モータ95は、例えば回転本体91内に配置されており、ここでは右板91Rの左方に配置されている。回転モータ95は、第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bよりも後方に配置されている。回転モータ95には、ギア機構96が接続されている。ギア機構96は、図示は省略するが、複数のギアと、複数のプーリと、搬送ベルトによって構成されている。複数のギアが適宜係合し、ギアを介してプーリに力が伝達される。ベルトは、複数のプーリと、第1シャフト92Aと、第2シャフト92Bとに巻き掛けられている。ここで、回転モータ95が駆動すると、駆動力が複数のギアを介してプーリに伝達される。このことで、ベルトが走行し、第1シャフト92Aと第2シャフト92Bが回転する。したがって、第1シャフト92Aと第2シャフト92Bの回転に伴い、第2被印刷物5Bが回転する。
【0047】
本実施形態では、プリンタ10は、主走査方向Yにインクヘッド32(図2参照)を移動させつつ、インクヘッド32から第2被印刷物5Bの上面に向かってインクを吐出し、1ライン分の印刷を行う。その後、回転装置90によって第2被印刷物5Bを所定の回転量だけ回転させる。その後、インクヘッド32を主走査方向Yに移動させて、次の1ライン分の印刷を行う。このように、1ライン分の印刷と、第2被印刷物5Bの回転とを繰り返し行うことで、第2被印刷物5Bの周面に印刷を行うことができる。
【0048】
支持台25には、オプション部品70を選択的に取り付けることが可能である。本実施形態では、支持台25には、図5および図7に示すように、吸引装置80および回転装置90の何れかを選択的に取り付けることが可能である。すなわち、支持台25に吸引装置80が取り付けられているときには、回転装置90は取り外され、支持台25に回転装置90が取り付けられているときには、吸引装置80は取り外されている。なお、ここでは、支持台25には、オプション部品70、すなわち吸引装置80および回転装置90の何れも取り付けずに、図2に示すように、被印刷物5(例えば第1被印刷物5A)が直接支持されてもよい。
【0049】
本実施形態では、支持台25にオプション部品70が取り付けられたとき、オプション部品70は、プリンタ10に接続される。プリンタ10に対してオプション部品70が接続されることで、プリンタ10からオプション部品70に、電力(例えば電圧または電流)が供給される。そこで、プリンタ10は、オプション部品70が接続される接続コネクタ100(図2参照)を備えている。接続コネクタ100は、オプション部品70に電力を供給するためのものである。接続コネクタ100は、例えばプリンタ本体11(ここでは支持台25の後方に位置するプリンタ本体11の背面)に設けられている。図3に示すように、接続コネクタ100は、制御装置60に接続されている。
【0050】
本実施形態では、プリンタ10は、供給電源55と、主電源ボタン56とを備えている。供給電源55は、接続コネクタ100に接続されており、接続コネクタ100に電力を供給するものである。ここでは、供給電源55は、接続コネクタ100を介してオプション部品70に電力を供給する。供給電源55は、ONにされることで接続コネクタ100に電力が供給可能になり、OFFにされることで接続コネクタ100に電力が供給不可能になる。供給電源55は、プリンタ10の各部品(例えば制御装置60、操作パネル20、インクヘッド32、光照射装置35、第1移動機構51、第2移動機構52および昇降機構53など)に対して電力(例えば電圧)を供給することも可能である。供給電源55からプリンタ10の各部品に電力が供給されることでプリンタ10を使用することが可能になり、印刷を行うことが可能になる。ここでは、供給電源55は、プリンタ本体11に設けられている。供給電源55は、いわゆる主電源(例えば1次電源)によって実現される。
【0051】
主電源ボタン56は、プリンタ本体11に設けられている。主電源ボタン56は、ユーザが操作するボタンであり、供給電源55に接続されている。ここでは、主電源ボタン56がONになることで、供給電源55がONになり、プリンタ10を使用することができる状態になる。一方、主電源ボタン56がOFFになることで、供給電源55がOFFになる。供給電源55がOFFになることによって、プリンタ10が停止した状態になり、プリンタ10を使用することができない状態になる。
【0052】
図8は、接続コネクタ100とオプションコネクタ88、98に関する説明図である。本実施形態では、図8に示すように、オプション部品70は、接続コネクタ100に接続されるオプションコネクタ88、98を備えている。オプションコネクタ88、98が接続コネクタ100に接続されたとき、オプション部品70は、プリンタ10の制御装置60と通信可能に接続された状態になる。ここでは、吸引装置80のオプションコネクタのことを、第1オプションコネクタ88という。回転装置90のオプションコネクタのことを、第2オプションコネクタ98という。
【0053】
本実施形態では、吸引装置80は、接続コネクタ100に接続される第1オプションコネクタ88を備えている。第1オプションコネクタ88は、例えば吸引本体81(図6参照)に設けられており、吸引装置80の回転モータ84に接続されている。接続コネクタ100に第1オプションコネクタ88が接続されることで、供給電源55から吸引装置80の回転モータ84に電力が供給される。このことによって、回転モータ84が回転することができ、吸引装置80が駆動することで、図6に示すように、印刷時において第1被印刷物5Aを吸引して支持面82には張り付き易くすることができる。
【0054】
図8に示すように、回転装置90は、接続コネクタ100に接続される第2オプションコネクタ98を備えている。第2オプションコネクタ98は、例えば回転本体91(図7参照)に設けられており、回転装置90の回転モータ95に接続されている。接続コネクタ100に第2オプションコネクタ98が接続されることで、供給電源55から回転装置90の回転モータ95に電力が供給される。このことによって、回転モータ95が回転することができ、図7に示すように、第1シャフト92Aおよび第2シャフト92Bが回転することで、第2被印刷物5Bを回転させることができる。このことによって、第2被印刷物5Bを回転させながら、印刷することができる。
【0055】
本実施形態では、図8に示すように、オプションコネクタ88、98は、複数のピンによって構成されている。オプションコネクタ88、98は、グランドピン89A、99Aと、接続ピン89B、99Bとを有している。グランドピン89A、99Aは、グランド用のピンであり、いわゆるグランド(GND)としての機能を有するピンである。ここでは、第1オプションコネクタ88のグランドピンのことを、第1グランドピン89Aという。第2オプションコネクタ98のグランドピンのことを、第2グランドピン99Aという。
【0056】
本実施形態では、オプションコネクタ88、98が接続コネクタ100に接続されたとき、プリンタ10の接続コネクタ100は、オプションコネクタ88、98からの接続信号S1を受け付ける。この接続信号S1とは、後述のLowレベルを示す信号のことである。接続ピン89B、99Bは、オプションコネクタ88、98が接続コネクタ100に接続されたときにグランドピン89A、99Aに接続されて、グランドピン89A、99Aとの間でショートするように構成されている。グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bとの間でショートしたときにLowレベルとなり、接続コネクタ100は、接続信号S1を受け付ける。ここでは、第1オプションコネクタ88の接続ピンのことを、第1接続ピン89Bという。第2オプションコネクタ98の接続ピンのことを、第2接続ピン99Bという。
【0057】
本実施形態では、吸引装置80の第1オプションコネクタ88は、グランド用の第1グランドピン89Aと、第1接続ピン89Bとを有している。第1オプションコネクタ88が接続コネクタ100に接続されたとき、接続コネクタ100は、第1オプションコネクタ88からの第1接続信号S11を受け付ける。第1接続信号S11は、Lowレベルを示す信号である。第1接続ピン89Bは、第1オプションコネクタ88が接続コネクタ100に接続されたときに第1グランドピン89Aに接続されて、第1グランドピン89Aとの間でショートしたときにLowレベルになるように構成されている。第1グランドピン89Aと第1接続ピン89Bとの間でショートしたときに、接続コネクタ100は、第1接続信号S11を受け付けて、Lowレベルであることを把握する。
【0058】
回転装置90の第2オプションコネクタ98は、グランド用の第2グランドピン99Aと、第2接続ピン99Bとを有している。本実施形態では、第2オプションコネクタ98が接続コネクタ100に接続されたとき、接続コネクタ100は、第2オプションコネクタ98からの第2接続信号S12を受け付ける。第2接続信号S12は、Lowレベルを示す信号である。第2接続ピン99Bは、第2オプションコネクタ98が接続コネクタ100に接続されたときに第2グランドピン99Aに接続されて、第2グランドピン99Aとの間でショートしたときにLowレベルになるように構成されている。第2グランドピン99Aと第2接続ピン99Bとの間でショートしたときに、接続コネクタ100は、第2接続信号S12を受け付けて、Lowレベルであることを把握する。
【0059】
ここでは、接続コネクタ100にオプションコネクタ88、98が接続されたとき、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bとの間でショートするため、上述のように、接続ピン89B、99BはLowレベルとなる。一方、接続コネクタ100にオプションコネクタ88、98が接続されていないとき、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bとの間でショートしていないため、図示しないプルアップ抵抗を介して接続ピン89B、99BはHighレベルとなる。このように接続ピン89B、99BがHighレベルのときには、接続コネクタ100は、Lowレベルを示す接続信号S1は受け付けない。
【0060】
同様に、接続コネクタ100が第1オプションコネクタ88に接続されたとき、第1グランドピン89Aと第1接続ピン89Bとの間でショートするため、上述のように、第1接続ピン89BはLowレベルとなる。一方、接続コネクタ100が第1オプションコネクタ88に接続されていないとき、第1グランドピン89Aと第1接続ピン89Bとの間でショートしていないため、第1接続ピン89Bは、上記プルアップ抵抗を介してHighレベルとなる。このように、第1接続ピン89BがHighレベルのときには、接続コネクタ100は、第1接続信号S11を受け付けない。同様に、接続コネクタ100が第2オプションコネクタ98に接続されたとき、第2グランドピン99Aと第2接続ピン99Bとの間でショートするため、上述のように、第2接続ピン99BはLowレベルとなる。一方、接続コネクタ100が第2オプションコネクタ98に接続されていなとき、第2グランドピン99Aと第2接続ピン99Bとの間でショートしていないため、第2接続ピン99Bは、上記プルアップ抵抗を介してHighレベルとなる。このように、第2接続ピン99BがHighレベルのときには、接続コネクタ100は、第2接続信号S12を受け付けない。ここで、LowレベルおよびHighレベルとは、例えば電圧のレベルのことであり、所定の電圧より高いときにHighレベルといい、所定の電圧より低いときにLowレベルという。
【0061】
本実施形態では、第1オプションコネクタ88の第1グランドピン89Aのピン番号と、第2オプションコネクタ98の第2グランドピン99Aのピン番号とは、同じピン番号である。第1オプションコネクタ88の第1接続ピン89Bのピン番号は、第1のピン番号N1である。第2オプションコネクタ98の第2接続ピン99Bのピン番号は、第2のピン番号N2である。ここで、第1のピン番号N1と第2のピン番号N2とは異なる番号である。そのため、本実施形態では、プリンタ10の制御装置60側は、Lowレベルとなるピン番号を知ることで、接続コネクタ100に接続されているオプション部品70が吸引装置80と回転装置90のどちらであるかを検出することができる。
【0062】
本実施形態では、接続コネクタ100に接続されたオプション部品70を検出するなどの制御は、制御装置60によって行われる。図3に示すように、制御装置60は、記憶部61と、モード設定部62と、モード解除部64と、判定部65と、許可部66と、禁止部67と、を備えている。なお、制御装置60の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば制御装置60の各部は、複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
【0063】
図9は、接続コネクタ100に接続されたオプション部品70を検出する手順について示したフローチャートである。図10図12は、時間経過に伴う供給電源55、吸引装置80および回転装置90の状態を示すタイミングチャートである。図10は、接続コネクタ100に吸引装置80が接続されるときのタイミングチャートである。図11は、接続コネクタ100に回転装置90が接続されるときのタイミングチャートである。図12は、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されないときのタイミングチャートである。なお、図10図12において、時間T2よりも前のときには、吸引装置80と回転装置90は、許可状態である可能性があり、かつ、禁止状態である可能性があり得る。そのため、図10図12において、時間T2より前の吸引装置80と回転装置90が許可状態であるか禁止状態であるかの図示は省略している。
【0064】
次に、接続コネクタ100に接続されたオプション部品70を検出する手順について、図9のフローチャートに沿って説明する。本実施形態では、プリンタ10のモードを接続許可モードMD1(図10参照)に設定し、接続許可モードMD1のときには、接続コネクタ100にオプション部品70を接続したり、接続コネクタ100からオプション部品70を取り外したりすることができる。そして、接続許可モードMD1が解除された後、供給電源55からオプション部品70に対して電力が適宜供給される。
【0065】
まず図9のステップS101では、図3のモード設定部62は、プリンタ10のモードを接続許可モードMD1に設定する。本実施形態では、図10に示すように、例えば時間T1のときに、ユーザは主電源ボタン56をONにして、プリンタ10を起動する。主電源ボタン56がONにされることで、供給電源55がONになる。そして、時間T2のときに、プリンタ10のモードが接続許可モードMD1に切り替えられる。
【0066】
本実施形態では、ユーザからの指示によって、プリンタ10が接続許可モードMD1に設定される。例えば操作パネル20の表示画面21(図1参照)には、プリンタ10のモード設定画面(図示せず)が表示される。ユーザは、操作キー22(図1参照)を操作して接続許可モードMD1を選択して実行することで、モード設定部62は、プリンタ10のモードを接続許可モードMD1に設定する。
【0067】
なお、モード設定部62は、供給電源55がONの状態で、接続許可モードMD1に設定する。接続許可モードMD1のとき、支持台25は、第2移動機構52(図2参照)によって副走査方向Xにおける最も前方の位置まで移動され、昇降機構53(図2参照)によって最も上方の位置まで移動される。このように、支持台25が最も前方かつ上方の位置に配置されることで、ユーザは、支持台25にオプション部品70を取り付け易く、かつ、支持台25からオプション部品70を取り外し易くすることができる。
【0068】
次に図9のステップS103では、図3の禁止部67は、接続許可モードMD1のとき、供給電源55から接続コネクタ100への電力の供給を禁止する。本実施形態では、接続許可モードMD1であっても、供給電源55はONのままである。そのため、禁止部67は、例えば後述の第1遮断手段および第2遮断手段を制御して、供給電源55から接続コネクタ100に向かって電力が供給されない状態にする。ユーザは、接続許可モードMD1の間、接続コネクタ100にオプション部品70を接続したり、接続コネクタ100からオプション部品70を取り外したりすることができる。なお、ステップS103は、ステップS101と同時に実行されてもよい。
【0069】
次に図9のステップS105では、図3のモード解除部64は、接続許可モードMD1を解除する。図10に示すように、時間T3において接続許可モードMD1が解除される。すなわち、接続許可モードMD1は、時間T2から時間T3までの間である。ここでは、ユーザからの指示によって接続許可モードMD1が解除される。本実施形態では、例えば操作パネル20の表示画面21(図1参照)には、接続許可モードMD1中において、解除ボタン(図示せず)が表示される。ユーザは、操作キー22(図1参照)を操作して解除ボタンを選択して押すことで、モード解除部64は、接続許可モードMD1を解除する。なお、接続許可モードMD1を解除したときに、モード解除部64は、供給電源55をONのままにする。
【0070】
次に図9のステップS107では、図3の判定部65は、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを判定する。ここでは、判定部65は、接続コネクタ100に、吸引装置80および回転装置90の何れかが接続されているか、もしくは吸引装置80および回転装置90の何れも接続されていないかを判定する。本実施形態では、図8に示すように、オプション部品70のオプションコネクタ88、98が接続コネクタ100に接続されると、接続コネクタ100は接続信号S1を受け付ける。そのため、判定部65は、接続コネクタ100による接続信号S1の受け付けの有無によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを判定する。ここでは、接続コネクタ100は、オプション部品70が接続されたとき、接続信号S1を受け付けるように構成されている。判定部65は、接続コネクタ100がオプション部品70からの接続信号S1を受け付けたか否かを判定する。
【0071】
本実施形態では、吸引装置80の第1オプションコネクタ88が接続コネクタ100に接続されると、接続コネクタ100は、第1オプションコネクタ88からの第1接続信号S11を受け付ける。また、回転装置90の第2オプションコネクタ98が接続コネクタ100に接続されると、接続コネクタ100は、第2オプションコネクタ98からの第2接続信号S12を受け付ける。すなわち、接続コネクタ100は、吸引装置80が接続されたとき、第1接続信号S11を受け付け、回転装置90が接続されたとき、第2接続信号S12を受け付けるように構成されている。そのため、判定部65は、接続コネクタ100が第1接続信号S11または第2接続信号S12を受け付けたか否かを判定する。
【0072】
本実施形態では、図8に示すように、オプションコネクタ88、98において、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bとが接続されたとき、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bとの間でショートするため、接続ピン89B、99BがLowレベルとなる。このように、接続ピン89B、99BがLowレベルのとき、Loweレベルを示す接続信号S1を受け付ける。一方、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bとの間でショートしていないときには、接続ピン89B、99BがHighレベルとなる。このように、接続ピン89B、99BがHighレベルのとき、接続信号S1を受け付けない。そのため、図3の判定部65は、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bの間がHighレベルかLowレベルかを判定する。そして、判定部65は、Lowレベルのときには、接続信号S1を受け付けて、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていると判定し、Highレベルのときには、接続信号S1を受け付けず、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定する。なお、本実施形態において、接続コネクタ100が接続信号S1を受け付けるとは、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bの間でショートして、接続ピン89B、99BがLowレベルになった状態のことをいう。
【0073】
本実施形態では、吸引装置80の第1オプションコネクタ88の第1接続ピン89Bのピン番号は、第1のピン番号N1であり、回転装置90の第2オプションコネクタ98の第2接続ピン99Bのピン番号は、第1のピン番号N1とは異なる第2のピン番号N2である。そのため、判定部65は、Lowレベルとなったときの接続ピン89B、99Bのピン番号から、どのオプション部品70が接続コネクタ100に接続されたかを判定することができる。ここでは、判定部65は、接続コネクタ100に接続されたオプションコネクタ88、98において、第1のピン番号N1に対応したピン(接続ピン89B、99B)がLowレベルのとき、接続コネクタ100に吸引装置80が接続されていると判定し、第2のピン番号N2に対応したピンがLowレベルのとき、接続コネクタ100に回転装置90が接続されていると判定する。一方、判定部65は、第1のピン番号N1および第2のピン番号N2に対応したピンが共にHighレベルのとき、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定する。このように、本実施形態では、Lowレベルとなる接続ピン89B、99Bのピン番号に基づいて、接続コネクタ100に接続されたオプション部品70の種類を判断することができる。
【0074】
なお、図9のステップS107において、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていると判定されたとき、次にステップS109に進む。一方、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定されたとき、次にステップS111に進む。
【0075】
ステップS109では、図3の許可部66は、接続コネクタ100を介して供給電源55からオプション部品70に対して電力(例えば電圧)を供給することを許可する。そのため、許可部66は、供給電源55を制御することで、供給電源55からオプション部品70に電力を供給する。
【0076】
本実施形態では、許可部66は、接続先のオプション部品70の種類に応じて、電力の供給の許可をすることができる。例えば図10では、接続許可モードMD1において、ユーザによって接続コネクタ100に吸引装置80が接続されている。このとき、判定部65によって接続コネクタ100に吸引装置80が接続されていると判定されるため、許可部66は、供給電源55から吸引装置80に対して電力を供給することを許可する。このとき、許可部66は、供給電源55を制御することで、供給電源55から吸引装置80に電力を供給する。なお、本実施形態では、例えば供給電源55は、吸引装置80用の第1遮断手段を介して接続コネクタ100に接続されている。第1遮断手段は、例えばいわゆる遮断回路や、モータドライバなどによって実現される。許可部66は、吸引装置80に向かって電力を供給する際には、第1遮断手段を制御して、供給電源55が吸引装置80に電力を供給できる状態にすることで、吸引装置80に電力を供給することができる。
【0077】
例えば図11では、接続許可モードMD1において、ユーザによって接続コネクタ100に回転装置90が接続されている。このとき、判定部65によって接続コネクタ100に回転装置90が接続されていると判定されるため、許可部66は、供給電源55から回転装置90に対して電力を供給することを許可する。このとき、許可部66は、供給電源55を制御することで、供給電源55から回転装置90に電力を供給する。なお、本実施形態は、例えば供給電源55は、回転装置90用の第2遮断手段を介して接続コネクタ100に接続されている。第2遮断手段は、第1遮断手段と物理的に異なるものである。第2遮断手段は、第1遮断手段と同様に、いわゆる遮断回路や、モータドライバなどによって実現される。許可部66は、回転装置90に向かって電力を供給する際には、第2遮断手段を制御して、供給電源55が回転装置90に電力を供給できる状態にすることで、回転装置90に電力を供給することができる。
【0078】
一方、図9のステップS111では、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定されたとき、図3の禁止部67は、接続コネクタ100を介して供給電源55からオプション部品70に対して電力を供給することを禁止する。すなわち、禁止部67は、供給電源55から接続コネクタ100に電力を供給することを禁止する。例えば図12では、接続許可モードMD1のときに、ユーザによって接続コネクタ100にオプション部品70(ここでは、吸引装置80および回転装置90)が接続されていない。このとき、禁止部67は、例えば上述の第1遮断手段および第2遮断手段を制御して、供給電源55から接続コネクタ100に向かって電力が供給されない状態にする。すなわち、禁止部67は、供給電源55から吸引装置80に電力を供給することを禁止すると共に、供給電源55から回転装置90に電力を供給することを禁止する。
【0079】
なお、図10に示すように、接続コネクタ100に吸引装置80が接続されているとき、回転装置90は接続コネクタ100に接続されていない。この場合、禁止部67は、供給電源55から回転装置90に電力を供給することを禁止する。図11に示すように、接続コネクタ100に回転装置90が接続されているとき、吸引装置80は接続コネクタ100に接続されていない。この場合、禁止部67は、供給電源55から吸引装置80に電力を供給することを禁止する。
【0080】
このように、本実施形態では、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かの判定結果に応じて、電力の供給を許可状態にしたり禁止状態にしたりすることができる。
【0081】
次に、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されている状態において、オプション部品70を取り外す際の手順について説明する。オプション部品70を取り外す際、図3のモード設定部62は、プリンタ10のモードを取外し許可モードに設定する。ここでは、例えば操作パネル20の表示画面21(図1参照)に表示された上述のモード設定画面に対して、ユーザが操作キー22(図1参照)を操作して取外し許可モードを選択して実行する。このことで、プリンタ10のモードが取外し許可モードに設定される。
【0082】
取外し許可モードのとき、支持台25は、支持台25に支持された被印刷物5が他の部材と干渉しない位置に移動される。ここでは、取外し許可モードのとき、支持台25は、第2移動機構52(図2参照)によって副走査方向Xにおける最も前方の位置まで移動され、かつ、昇降機構53(図2参照)によって最も上方の位置まで移動される。このことで、ユーザは、支持台25からオプション部品70を取り外し易くすることができる。
【0083】
その後、取外し許可モードのとき、供給電源55から接続コネクタ100への電力の供給を禁止する。すなわち、取外し許可モードのとき、供給電源55から、接続コネクタ100を介してオプション部品70の回転モータ84、95(図8参照)への電力の供給が禁止される。また、支持台25を最も前方かつ上方に移動させた後、供給電源55から、第2移動機構52および昇降機構53への電力の供給が禁止される。
【0084】
このように、支持台25が最も前方かつ上方に移動され、かつ、供給電源55からの電力の供給が禁止された後、ユーザに対してオプション部品70の取外し許可が指示される。例えば操作パネル20の表示画面21に、オプション部品70を取り外すことが可能である旨のメッセージが表示される。ユーザは、このメッセージを見た後、接続コネクタ100からオプション部品70を取り外す。このとき、オプション部品70には、供給電源55から電力が供給されていない状態であるため、ユーザは、オプション部品70を安全に取り外すことができる。
【0085】
なお、オプション部品70が取り外されたとき、例えば表示画面21に、接続コネクタ100からオプション部品70が取り外された旨のメッセージが表示される。そして、オプション部品70が取り外されると、プリンタ10に対する取外し許可モードが解除される。取外し許可モードが解除されると、供給電源55から、第2移動機構52および昇降機構53への電力の供給が再開される。
【0086】
以上、本実施形態では、図2に示すように、プリンタ10は、被印刷物5を支持する支持台25と、支持台25に取り付け可能なオプション部品70(図5および図7参照)が接続可能な接続コネクタ100と、接続コネクタ100に電力を供給する供給電源55(図3参照)と、制御装置60とを備えている。図3に示すように、制御装置60は、判定部65と、許可部66と、禁止部67とを備えている。判定部65は、図9のステップS107に示すように、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを判定する。許可部66は、図9のステップS109に示すように、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていると判定されたとき、接続コネクタ100を介して供給電源55からオプション部品70に対して電力を供給することを許可する。禁止部67は、図9のステップS111に示すように、判定部65によって接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定されたとき、供給電源55から接続コネクタ100へ電力を供給することを禁止する。このことによって、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないときには、供給電源55からの電力の供給が禁止され、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているときには、接続コネクタ100にオプション部品70が接続された後の所定のタイミングで、供給電源55からの電力の供給が許可される。よって、接続コネクタ100にオプション部品70を接続する作業を行う際、例えば主電源ボタン56をOFFにしない場合であっても、オプション部品70が接続されていない間において、供給電源55からの電力は供給されていないため、主電源ボタン56をOFFにする作業をしなくてもよく、オプション部品70を接続する作業が容易になる。よって、接続コネクタ100にオプション部品70を接続する際の作業が煩わしくなり難くすることができる。
【0087】
本実施形態では、接続コネクタ100は、オプション部品70が接続されたとき、接続信号S1(図8参照)を受け付けるように構成されている。判定部65は、接続コネクタ100がオプション部品70から接続信号S1を受け付けたか否かを判定する。許可部66は、接続コネクタ100が接続信号S1を受け付けたとき、供給電源55からオプション部品70に対して電力を供給することを許可する。禁止部67は、接続コネクタ100が接続信号S1を受け付けていないとき、供給電源55から接続コネクタ100に対して電力を供給することを禁止する。このように、接続信号S1の有無を判定することで、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを容易に判定することができる。
【0088】
本実施形態では、オプション部品70は、第1オプション部品と、第1オプション部品とは異なる第2オプション部品とを有している。第1オプション部品は、図5に示す吸引装置80である。第2オプション部品は、図7に示す回転装置90である。図5に示すように、被印刷物5は、表面の少なくとも一部に平らな面を有する第1被印刷物5Aを備えている。図6に示すように、吸引装置80は、第1被印刷物5Aを吸引しながら支持する支持面82を有する。このことによって、第1被印刷物5Aを印刷する際、第1被印刷物5Aが支持面82から浮き上がり難くすることができる。このような吸引装置80であっても、接続コネクタ100に接続することで吸引装置80を使用することができる。
【0089】
本実施形態では、図7に示すように、被印刷物5は、少なくとも一部の外周形状が円柱状の第2被印刷物5Bを備えている。第2オプション部品の一例である回転装置90は、第2被印刷物5Bを回転させながら支持する。このことによって、回転装置90によって第2被印刷物5Bを回転させながら、第2被印刷物5Bの周面に印刷を行うことができる。このような回転装置90であっても、接続コネクタ100に接続することで回転装置90を使用することができる。
【0090】
本実施形態では、図8に示すように、接続コネクタ100は、吸引装置80が接続されたとき、第1接続信号S11を受け付け、回転装置90が接続されたとき、第2接続信号S12を受け付けるように構成されている。判定部65は、接続コネクタ100が第1接続信号S11または第2接続信号S12を受け付けたか否かを判定する。許可部66は、接続コネクタ100が第1接続信号S11を受け付けたとき、供給電源55から吸引装置80に対して電力を供給することを許可する。許可部66は、接続コネクタ100が第2接続信号S12を受け付けたとき、供給電源55から回転装置90に対して電力を供給することを許可する。禁止部67は、接続コネクタ100が第1接続信号S11および第2接続信号S12を受け付けていないとき、供給電源55から接続コネクタ100に対して電力を供給することを禁止する。このように、接続コネクタ100が受け付けた接続信号S1が、第1接続信号S11か第2接続信号S12かを判定することで、接続コネクタ100に接続されたオプション部品70が、吸引装置80か回転装置90かを判定することができる。
【0091】
本実施形態では、図8に示すように、オプション部品70は、接続コネクタ100に接続されるオプションコネクタ88、98を有している。オプションコネクタ88、98は、グランド用のグランドピン89A、99Aと、接続ピン89B、99Bを有している。接続ピン89B、99Bは、オプションコネクタ88、98が接続コネクタ100に接続されたときにグランドピン89A、99Aに接続されて、グランドピン89A、99Aとの間でショートし、Lowレベルとなる。判定部65は、グランドピン89A、99Aと接続ピン89B、99Bの間がHighレベルかLowレベルかを判定し、Lowレベルのときには、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていると判定する。判定部65は、接続ピン89B、99BがHighレベルのときには、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定する。このように、接続コネクタ100による接続信号S1の受け付けの有無によって、接続ピン89B、99BがHighレベルかLowレベルかになる。よって、接続ピン89B、99BがHighレベルかLowレベルかを判定することで、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを容易に判定することができる。
【0092】
本実施形態では、図8に示すように、吸引装置80は、接続コネクタ100に接続される第1オプションコネクタ88を有している。第1オプションコネクタ88は、グランド用の第1グランドピン89Aと、第1接続ピン89Bとを有している。第1接続ピン89Bは、第1オプションコネクタ88が接続コネクタ100に接続されたときに第1グランドピン89Aに接続されて、第1グランドピン89Aとの間でショートし、Lowレベルになる。回転装置90は、接続コネクタ100に接続される第2オプションコネクタ98を有している。第2オプションコネクタ98は、グランド用の第2グランドピン99Aと、第2接続ピン99Bとを有している。第2接続ピン99Bは、第2オプションコネクタ98が接続コネクタ100に接続されたときに第2グランドピン99Aに接続されて、第2グランドピン99Aとのでショートし、Lowレベルになる。第1グランドピン89Aと第2グランドピン99Aとは、同じピン番号である。第1接続ピン89Bは、第1のピン番号N1である。第2接続ピン99Bは、第1のピン番号N1とは異なる第2のピン番号N2である。判定部65は、接続コネクタ100に接続されたオプションコネクタ88、98において、第1のピン番号N1に対応したピンがLowレベルのとき、接続コネクタ100に吸引装置80が接続されていると判定する。判定部65は、第2のピン番号N2に対応したピンがLowレベルのとき、接続コネクタ100に回転装置90が接続されていると判定する。また、判定部65は、第1のピン番号N1および第2のピン番号N2に対応したピンがHighレベルのとき、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと判定する。
【0093】
このことによって、第1オプションコネクタ88の第1接続ピン89Bと、第2オプションコネクタ98の第2接続ピン99Bとのピン番号が異なる。そのため、Lowレベルになったピンのピン番号を把握することで、接続コネクタ100に接続されたオプション部品70が、吸引装置80であるか回転装置90であるかを容易に判定することができる。また、第1のピン番号N1に対応したピンと、第2のピン番号N2に対応したピンの両方がHighレベルであると判定することで、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されていないと容易に判定することができる。
【0094】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置60は、モード設定部62と、モード解除部64とを備えている。モード設定部62は、供給電源55がONの状態で、ユーザが接続コネクタ100にオプション部品70を接続することを許可する接続許可モードMD1にプリンタ10を設定する。モード解除部64は、接続許可モードMD1を解除する。禁止部67は、接続許可モードMD1のとき、供給電源55から接続コネクタ100への電力の供給を禁止する。判定部65は、モード解除部64によって接続許可モードMD1が解除されたとき、接続コネクタ100にオプション部品70が接続されているか否かを判定する。このように、供給電源55から接続コネクタ100への電力の供給が禁止になっている接続許可モードMD1のときに、ユーザが接続コネクタ100にオプション部品70を接続したり、接続コネクタ100からオプション部品70を取り外したりすることができる。よって、ユーザは、供給電源55の電力の供給状態を気にすることなく、接続コネクタ100にオプション部品70を接続したり、接続コネクタ100からオプション部品70を取り外したりすることができる。
【符号の説明】
【0095】
5 被印刷物
5A 第1被印刷物
5B 第2被印刷物
10 プリンタ
25 支持台
55 供給電源
56 主電源ボタン
60 制御装置
62 モード設定部
64 モード解除部
65 判定部
66 許可部
67 禁止部
70 オプション部品
80 吸引装置(第1オプション部品)
88 第1オプションコネクタ(オプションコネクタ)
89A 第1グランドピン(グランドピン)
89B 第1接続ピン(接続ピン)
90 回転装置(第2オプション部品)
98 第2オプションコネクタ(オプションコネクタ)
99A 第2グランドピン(グランドピン)
99B 第2接続ピン(接続ピン)
100 接続コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12