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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084966
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】プログラムおよび改札機
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240619BHJP
   G07B 11/00 20060101ALI20240619BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G07B15/00 B
G07B15/00 501
G07B11/00 501
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199197
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今田 和博
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA21
3E127CA02
3E127DA02
3E127DA33
3E127FA53
(57)【要約】
【課題】改札機で二次元コード券が使用された場合にコンテンションが起きる可能性を低減する。
【解決手段】実施形態のプログラムは、改札機に設けられたコンピュータを、改札機に設けられた二次元コードリーダから、位置検出用パターンおよびデータを含む二次元コード券を読み取った情報として、位置検出用パターン読取情報、および、データ読取情報を別々に取得する取得部と、前記取得部によって前記位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときは、前記改札機に設けられ二次元コード券以外の乗車媒体を読み取る他媒体リーダに、乗車媒体の受け付けを禁止する受付禁止指示を送信する制御部と、して機能させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改札機に設けられたコンピュータを、
改札機に設けられた二次元コードリーダから、位置検出用パターンおよびデータを含む二次元コード券を読み取った情報として、位置検出用パターン読取情報、および、データ読取情報を別々に取得する取得部と、
前記取得部によって前記位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときは、前記改札機に設けられ二次元コード券以外の乗車媒体を読み取る他媒体リーダに、乗車媒体の受け付けを禁止する受付禁止指示を送信する制御部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記取得部によって前記位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券であったときは、その後に前記取得部によって取得された前記データ読取情報に基づく前回の前記二次元コード券と今回の前記二次元コード券が同じであるか否かの二度読み判定によって二度読みではないという結果が示された際に、前記他媒体リーダに前記受付禁止指示を送信する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
改札機に設けられた二次元コードリーダから、位置検出用パターンおよびデータを含む二次元コード券を読み取った情報として、位置検出用パターン読取情報、および、データ読取情報を別々に取得する取得部と、
前記取得部によって前記位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときは、前記改札機に設けられ二次元コード券以外の乗車媒体を読み取る他媒体リーダに、乗車媒体の受け付けを禁止する受付禁止指示を送信する制御部と、
を備える改札機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラムおよび改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
今後、交通機関(鉄道など)などの改札機(自動改札機)において、磁気券やIC(Integrated Circuit)カード(PASMO(登録商標)など)のほかに、二次元コード券(QRコード(登録商標)券など)の使用が増加すると考えられる。
【0003】
二次元コード券は、例えば、利用者の所持する情報処理端末(例えばスマートフォンなど)や駅務機器などで操作された情報に基づいて上位システムで生成された二次元コードが、改札機によって読み取り可能な状態になったものである。二次元コード券は、例えば、二次元コードが紙や樹脂などの媒体に印刷されたものであってもよいし、あるいは、二次元コードを表示可能なディスプレイを備える電子機器(例えばスマートフォンなど)であってもよい。
【0004】
従来、改札機で、磁気券などの接触型の乗車媒体(接触乗車媒体)が使用されたときは、接触乗車媒体を検知した直後に、他の乗車媒体の受け付けを禁止する。これにより、その接触乗車媒体の処理と次の旅客によって使用された他の乗車媒体の処理が衝突して順番が入れ替わってしまう事態(コンテンション)を回避できる。
【0005】
しかし、改札機で、非接触型の乗車媒体(非接触乗車媒体)が使用され、それを検知したときは、その非接触乗車媒体は、すでに通行判定処理が行われた前回の非接触乗車媒体と同じであるという可能性がある。つまり、前回の旅客が非接触乗車媒体をリーダに翳し続けている、という可能性がある。
【0006】
したがって、改札機で、非接触乗車媒体が使用され、それを検知したときは、その非接触乗車媒体がすでに通行判定処理が行われた前回の非接触乗車媒体と同じか否かの二度読み判定で二度読みではない(つまり、それらは異なる)という結果が得られた後に、他の乗車媒体の受け付けを禁止する。
【0007】
そのために、他の乗車媒体の受け付けの禁止のタイミングが遅くなり、その非接触乗車媒体の処理と次の旅客によって使用された他の乗車媒体の処理が衝突して順番が入れ替わってしまう事態(コンテンション)が発生し、改札機が旅客の意図しない動作を行ってしまう可能性がある。例えば、改札機で、前方の旅客が非接触乗車媒体を翳しているのに、後方から来た次の旅客が他の乗車媒体を投入した場合、前記他の乗車媒体の通行判定処理を先に行ってしまうことなどが考えられる。
【0008】
したがって、非接触乗車媒体の場合も媒体検知を行った直後に他の乗車媒体の受付禁止を行うことが望ましい。代表的な非接触乗車媒体であるICカードについては、セッションを開始してから終了するまでは他のICカードを受け付けない、という仕組みがあるため、コンテンションは起こりにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5262035号公報
【特許文献2】特開2001-093008号公報
【特許文献3】特開2019-160201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、二次元コード券については、上述のICカードのような仕組みがないため、従来技術では、二度読み判定後に他の乗車媒体の受け付けを禁止することになるので、その禁止のタイミングが遅くなり、コンテンションが発生する可能性がある。
【0011】
そこで、本発明の実施形態は、改札機で二次元コード券が使用された場合にコンテンションが起きる可能性を低減することができるプログラムおよび改札機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態のプログラムは、改札機に設けられたコンピュータを、改札機に設けられた二次元コードリーダから、位置検出用パターンおよびデータを含む二次元コード券を読み取った情報として、位置検出用パターン読取情報、および、データ読取情報を別々に取得する取得部と、前記取得部によって前記位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときは、前記改札機に設けられ二次元コード券以外の乗車媒体を読み取る他媒体リーダに、乗車媒体の受け付けを禁止する受付禁止指示を送信する制御部と、して機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態の改札システムの全体構成の概要を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、実施形態における二次元コード券の処理の流れを示すシーケンス図である。
図3図3は、実施形態の改札機による二次元コード券の処理を示すフローチャートである。
図4図4は、従来技術における二次元コード券の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を用いて、本発明のプログラムおよび改札機の実施形態について説明する。実施形態の改札システムは、例えば、鉄道などの交通機関において、駅などでの旅客の入出場の管理を行うシステムである。
【0015】
(従来技術)
実施形態の理解を容易にするために、まず、あらためて従来技術について説明する。図4は、従来技術における二次元コード券の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、二次元コード券は、データとFP(例えば、QRコードにおいて3コーナーに配置される位置検出用パターン)を含む。
【0016】
旅客が改札機の二次元コードリーダで二次元コード券を翳すと、ステップS1において、二次元コードリーダは、二次元コードのFPを検知し、FP検知信号を改札機の処理部に送信する。
【0017】
次に、ステップS2において、二次元コードリーダは、二次元コードのデータを読み取り、データ読取信号を改札機の処理部に送信する。
【0018】
次に、ステップS3において、改札機の処理部は、今回の二次元コード券が、すでに通行判定処理が行われた前回の二次元コード券と同じか否かの二度読み判定を行う。なお、この二度読み判定は上位のサーバ(駅サーバや中央サーバ)で行って、サーバから判定結果を改札機の処理部に送信するようにしてもよい。ここでは、二度読み判定の結果、二度読みではなかったものとする。
【0019】
次に、ステップS4において、改札機の処理部は、他媒体リーダに、乗車媒体の受付禁止指示を送信する。これにより、他媒体リーダは、乗車媒体の受付を禁止する。
【0020】
次に、ステップS5において、改札機の処理部は、今回の二次元コード券について、通行判定(通行を許可するか否かの判定)を行う。ここでは、通行判定の結果、通行を許可するものとする。
【0021】
次に、ステップS6において、改札機の処理部は、他媒体リーダに、乗車媒体の受付許可指示を送信する。これにより、他媒体リーダは、乗車媒体の受付を開始する。
【0022】
次に、ステップS7において、改札機の処理部は、待機状態となる。
【0023】
したがって、他媒体リーダは、時間帯T1、T3では乗車媒体を受け付け、時間帯T2では乗車媒体を受け付けない。しかし、ステップS1からステップS4までの時間帯に、他媒体リーダが乗車媒体を受け付け可能であることで、コンテンションが発生する可能性がある。そこで、以下では、改札機で二次元コード券が使用された場合にコンテンションが起きる可能性を低減することができる技術について説明する。
【0024】
(実施形態)
次に、実施形態について説明する。図1は、実施形態の改札システムの全体構成の概要を模式的に示すブロック図である。改札システム1は、磁気券、ICカード、二次元コード券などの乗車媒体から取得した情報に基づいて、利用者の改札での通行を管理、制御するシステムである。
【0025】
改札システム1は、複数の駅に配置された複数の駅務機器によって構成される。改札システム1は、中央サーバ13と、複数の駅に配置された種々の駅務機器を備える。
【0026】
中央サーバ13は、複数の駅における駅務機器を管理する装置である。中央サーバ13は、処理部21と、通信インタフェース22と、を備える。
【0027】
処理部21は、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))やメモリを備える。メモリは、プログラムや、プログラムで用いられるデータなどを記憶する。プロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
【0028】
通信インタフェース22は、ネットワーク14を介して各駅の駅サーバ31や改札機33などと通信するためのインタフェースである。
【0029】
次に、駅に設けられている駅務機器の構成について説明する。図1に示されるように、A駅15、B駅16、C駅17などがネットワーク14を介して中央サーバ13と接続されている。なお、A駅15、B駅16、C駅17などの各駅に配置される駅務機器は、ほぼ同様の構成であるため、A駅15に配置された駅務機器を例に挙げて説明する。
【0030】
A駅15には、駅サーバ31、改札機33などが駅務機器として設けられている。
【0031】
駅サーバ31は、改札機33の状態監視や動作モードの制御などを行う。駅サーバ31は、駅毎に配置される監視盤である。
【0032】
改札機33は、磁気券、ICカード、二次元コード券などの乗車媒体から取得した情報に基づいて、改札処理を行う。また、改札機33は、改札処理の結果に応じて、ドアの動作を制御する。改札機33は、改札内への入場に関する処理を行う入場モードと、改札内からの出場に関する処理を行う出場モードとのいずれかで動作する。改札機33は、自身の動作モードや、利用者の通過を示す通過データなどを示す情報を駅サーバ31に送信する。
【0033】
改札機33は、不図示の一対の筐体、不図示のドア、処理部41、通信インタフェース42、ディスプレイ43、ドア駆動機構44、複数の人物検出センサ45、二次元コードリーダ46、他媒体リーダ47などを備える。
【0034】
改札機33の一対の筐体は、並行に配置されることによって、通路を構成する。改札機33のドアは、筐体の通路側に設けられ、ドア駆動機構44によって回動されるドアである。
【0035】
処理部41は、改札機33の種々の制御を行うシステムコントローラである。処理部41は、プロセッサやメモリを備える。
【0036】
プロセッサは、演算処理を実行する演算素子(例えばCPU)を備える。プロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。
【0037】
メモリは、プログラムや、プログラムで用いられるデータなどを記憶する。メモリに記憶されているプログラムは、例えば、プロセッサに二度読み判定や通行判定などの各種処理を行わせるためのプログラムである。処理部41の詳細については後述する。
【0038】
通信インタフェース42は、改札機33以外の機器と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース42は、例えば、駅サーバ31と通信する。また、通信インタフェース42は、例えば、ネットワーク14を介して、中央サーバ13と通信する。
【0039】
ディスプレイ43は、処理部41や不図示のグラフィックコントローラなどの表示制御部から入力される映像信号に応じて画面を表示する構成である。ディスプレイ43は、例えば、改札処理の結果を示す画面を表示する。
【0040】
ドア駆動機構44は、処理部41の制御に基づいて、ドアの動作を制御する。ドア駆動機構44は、ドアを閉じることにより、筐体間の通路を塞ぐ。
【0041】
人物検出センサ45は、利用者が改札機33の通路を通過することを検出するセンサである。人物検出センサ45は、例えば、改札機33の筐体の側面に複数配列される。複数の人物検出センサ45は、検出結果を処理部41にそれぞれ送信する。処理部41は、複数の人物検出センサ45の検出結果に基づいて、通路を通過する人物を検出する。
【0042】
人物検出センサ45は、例えば、筐体から通路に向かって光を出力する例えば赤外線等を出力する投光器と、投光器からの光の反射光を検出するフォトダイオードとを有する反射型の人物検出センサである。また、人物検出センサ45は、一方の筐体に投光器が設けられ、他方の筐体にフォトダイオードが設けられる構成であってもよい。
【0043】
二次元コードリーダ46は、利用者が翳した二次元コード券を光学的に読み取る装置である。二次元コードリーダ46は、スマートフォンなどのディスプレイに表示された二次元コードを読み取る。また、二次元コードリーダ46は、紙媒体などに印刷された二次元コードを読み取る。二次元コードリーダ46は、二次元コード券を読み取った情報として、位置検出用パターン読取情報、および、データ読取情報を別々に処理部41に送信する。
【0044】
具体的には、二次元コードリーダ46は、利用者が翳した二次元コード券について、まず、位置検出用パターン(FP)を読み取り、その後にフォーカスを調節しながらデータを読み取る。その場合、二次元コードリーダ46は、位置検出用パターンを読み取った時点で位置検出用パターン読取情報を処理部41に送信し、その後、データを読み取った時点でデータ読取情報を処理部41に送信する。
【0045】
他媒体リーダ47は、二次元コード券以外の乗車媒体(磁気券、ICカードなど)を読み取り、読み取った情報を処理部41に送信する。
【0046】
処理部41は、機能構成として、取得部411と、制御部412と、を含む。
【0047】
取得部411は、各種情報を取得する。取得部411は、例えば、二次元コードリーダ46から、二次元コード券を読み取った情報として、位置検出用パターン読取情報、および、データ読取情報を別々に取得する。
【0048】
制御部412は、取得部411によって位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときは、他媒体リーダ47に、乗車媒体の受け付けを禁止する受付禁止指示を送信する。
【0049】
また、制御部412は、取得部411によって位置検出用パターン読取情報が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券であったときは、その後に取得部411によって取得されたデータ読取情報に基づく前回の二次元コード券と今回の二次元コード券が同じであるか否かの二度読み判定によって二度読みではないという結果が示された際に、他媒体リーダ47に受付禁止指示を送信する、なお、この二度読み判定は、制御部412で行ってもよいし、あるいは、上位のサーバ(駅サーバ31や中央サーバ13)で行って、そのサーバから判定結果を処理部41に送信するようにしてもよい。
【0050】
図2は、実施形態における二次元コード券の処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときの処理を示す。
【0051】
旅客が改札機33の二次元コードリーダ46で二次元コード券を翳すと、ステップS11において、二次元コードリーダ46は、二次元コードのFPを検知し、FP検知信号(位置検出用パターン読取情報)を処理部41に送信する。
【0052】
次に、ステップS12において、処理部41の制御部412は、他媒体リーダ47に、乗車媒体の受付禁止指示を送信する。これにより、他媒体リーダ47は、乗車媒体の受付を禁止する。
【0053】
次に、ステップS13において、二次元コードリーダ46は、二次元コードのデータを読み取り、データ読取信号を処理部41に送信する。
【0054】
次に、ステップS14において、制御部412は、データ読取信号などに基づいて、今回の二次元コード券について、通行判定を行う。ここでは、通行判定の結果、通行を許可するものとする。
【0055】
次に、ステップS15において、制御部412は、他媒体リーダ47に、乗車媒体の受付許可指示を送信する。これにより、他媒体リーダ47は、乗車媒体の受付を開始する。
【0056】
次に、ステップS16において、処理部41は、待機状態となる。
【0057】
したがって、他媒体リーダ47は、時間帯T11、T13では乗車媒体を受け付け、時間帯T12では乗車媒体を受け付けない。図4の時間帯T1、T2、T3と比較するとわかるように、ステップS11の二次元コードのFP検知から、ステップS12の他媒体リーダ47の受付禁止開始までの時間が短いことにより、コンテンションが発生する可能性を低減できる。
【0058】
図3は、実施形態の改札機33による二次元コード券の処理を示すフローチャートである。ステップS21において、制御部412は、二次元コードリーダ46から二次元コードのFP検知信号を受信したか否かを判定し、Yesの場合はステップS22に進み、Noの場合はステップS21に戻る。
【0059】
ステップS22において、制御部412は、乗車媒体の使用履歴データを参照して、前回の旅客が二次元コード券を使用したか否かを判定し、Yesの場合はステップS25に進み、Noの場合はステップS23に進む。
【0060】
ステップS23において、制御部412は、他媒体リーダ47へ受付禁止指示を送信する。これにより、他媒体リーダ47は、乗車媒体の受付を禁止する。
【0061】
次に、ステップS24において、取得部411は、二次元コードリーダ46から二次元コードの読取データを受信(取得)する。その後、ステップS28に進む。
【0062】
一方、ステップS25において、取得部411は、二次元コードリーダ46から二次元コードの読取データを受信(取得)する。
【0063】
次に、ステップS26において、制御部412は、今回の二次元コード券が、すでに通行判定処理が行われた前回の二次元コード券と同じか否かの二度読み判定を行い、二度読みである場合(「同」)はステップS30に進み、二度読みでない場合(「異」)はステップS27に進む。なお、この二度読み判定は、制御部412で行ってもよいし、あるいは、上位のサーバ(駅サーバ31や中央サーバ13)で行って、そのサーバから判定結果を処理部41に送信するようにしてもよい。
【0064】
ステップS27において、制御部412は、他媒体リーダ47に、乗車媒体の受付禁止指示を送信する。これにより、他媒体リーダ47は、乗車媒体の受付を禁止する。
【0065】
ステップS28において、制御部412は、今回の二次元コード券について、通行判定を行う。ここでは、通行判定の結果、通行を許可するものとする。
【0066】
次に、ステップS29において、制御部412は、他媒体リーダ47に、乗車媒体の受付許可指示を送信する。これにより、他媒体リーダ47は、乗車媒体の受付を開始する。
【0067】
次に、ステップS30において、処理部41は、待機状態となる。
【0068】
このように、本実施形態の改札システム1によれば、取得部11によってFP検知信号が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券でなかったときは、今回の旅客と前回の旅客が同一である可能性がないので、二度読み判定を行わないですぐに他媒体リーダ47に受付禁止指示を送信する。これにより、他媒体リーダ47による受付禁止のタイミングが従来技術の場合よりも早くなるので、コンテンションが起きる可能性を低減できる。したがって、改札機が旅客の意図しない動作を行ってしまう可能性を低減できる。
【0069】
また、旅客が二次元コード券を二次元コードリーダ46に翳してFPが検知された直後に改札機33が各種動作(他媒体リーダ47への受付禁止指示の送信など)を実行することで、旅客が操作に迷いにくくなる。
【0070】
また、取得部11によってFP検知信号が取得された場合に、前回の旅客によって使用された乗車媒体が二次元コード券であったときは、今回の旅客と前回の旅客が同一である可能性があるので、必要な二度読み判定を行った後で、他媒体リーダ47による受付禁止を行うことができる。
【0071】
なお、本実施形態の改札機33で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0072】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0073】
例えば、図3のステップS26における二度読み判定は、前回の二次元コード券のデータ読取から所定時間(例えば数十秒程度)内である場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0074】
また、通行判定処理は、改札機33でなく、駅サーバ31や中央サーバ13で実行し、その判定結果を改札機33が受信して使用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…改札システム、13…中央サーバ、14…ネットワーク、15…A駅、16…B駅、17…C駅、21…処理部、22…通信インタフェース、31…駅サーバ、33…改札機、41…処理部、42…通信インタフェース、43…ディスプレイ、44…ドア駆動機構、45…人物検出センサ、46…二次元コードリーダ、47…他媒体リーダ、411…取得部、412…制御部
図1
図2
図3
図4