(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008497
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド
(51)【国際特許分類】
B65B 41/18 20060101AFI20240112BHJP
B65B 41/12 20060101ALI20240112BHJP
B65B 9/067 20120101ALN20240112BHJP
【FI】
B65B41/18
B65B41/12
B65B9/067
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110423
(22)【出願日】2022-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】307028493
【氏名又は名称】株式会社悠心
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二瀬 克規
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA01
3E050CB01
3E050CB08
3E050DB01
3E050DD04
3E050DF02
3E050FB01
3E050FB07
3E050GB03
3E050GC01
3E050HA07
3E050HB01
3E050HB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フィルム原反等の上流側から下流側に向かって連続して移送される帯状プラスチックフィルムの搬送経路を適宜変更し、該帯状プラスチックフィルムの幅方向中心または幅方向端縁位置を、所定の位置に精度よく一致させることで、帯状プラスチックフィルムを幅方向の所期した位置で正確に折り返すことのできる搬送ガイドについて提供すること。
【解決手段】上流側から移送される帯状プラスチックフィルムFを外表面に巻き掛けて下流側へ向けて誘導する搬送ガイド1であって、前記帯状プラスチックフィルムFの幅方向の少なくとも中央領域を巻き掛ける誘導体2と、該帯状プラスチックフィルムFを巻き掛けたまま該誘導体2を移動させる移動手段31と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から移送される帯状プラスチックフィルムを外表面に巻き掛けて下流側へ向けて誘導する搬送ガイドであって、
前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の少なくとも中央領域を巻き掛ける誘導体と、
該帯状プラスチックフィルムを巻き掛けたまま該誘導体を移動させる移動手段と、
を備えることを特徴とする帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項2】
前記移動手段は、前記誘導体につながる軸体と、該軸体を介して該誘導体を移動させる駆動源と、
前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置を、該誘導体の上流側で検出するセンサーと、
該センサーにて検出された検出結果にしたがい、該駆動源を作動させる制御部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項3】
前記誘導体の上流側、下流側および側部直近の少なくとも1か所に配置され、該誘導体にて巻き掛けられた前記帯状プラスチックフィルムの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッドを有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項4】
前記誘導体は、軸受けを介して回転可能に支持され、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向に沿う回転軸芯を有するロールからなることを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項5】
前記ロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部を有することを特徴とする請求項4に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項6】
前記ロールは、ロールの径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部と、該拡径部を両側に挟むロール胴の少なくとも2か所にて前記帯状プラスチックフィルムをそれぞれ巻き掛ける巻き掛け域と、を有することを特徴とする請求項4または5に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋を製造する縦型充填包装機あるいは縦型製袋機、または横型充填包装機あるいは横型製袋機のシールロール対の上流側に設置され、フィルム原反等から連続して移送される帯状プラスチックフィルムの搬送経路を適宜変更し、該帯状プラスチックフィルムを幅方向に折り返すのに好適な搬送ガイド(製袋ガイド)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲食物や調味液、医薬品、化学品等の液状物や粘稠物、粉・粒状物等からなる内容物を、帯状プラスチックフィルムを袋状に成形しながら自動的に充填包装し、複数の包装袋を連続して製造することのできる充填包装機が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような充填包装機では、帯状プラスチックフィルムを、該プラスチックフィルムがロール状に巻回してなるフィルム原反からフィルム案内機構を介してフィルム折返し機構である搬送ガイドに導き出し、該搬送ガイドによって該プラスチックフィルムを長手方向に沿って二つ折りとし、次いで、縦シール機構(縦シールロール対)によって該プラスチックフィルムの重なり合う端縁を挟みながら送り出すと共に、ヒートシールすることで、該プラスチックフィルムを筒状に縦シールし、続いて横シール機構(横シールロール対)によって該筒状のプラスチックフィルムを横方向にヒートシールすることにより横シールして包装袋の底部となる横シール部を形成し、さらに有底筒状に形成された該プラスチックフィルム内に、充填ノズルによって液状や粘稠状等の被包装物を充填すると共に、前記横シール機構によって包装袋の袋口側を横シールして連続した包装袋を形成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように上記充填包装機では、帯状プラスチックフィルムを、搬送ガイドによって長手方向に沿って二つ折りとする際、その折り返し位置がプラスチックフィルムの幅方向の中心位置から外れると、折り返した際に側端縁どうしが揃わず、所謂、耳ずれが発生するおそれがある。なお、帯状プラスチックフィルムの折り畳みは、耳ずれ防止の観点から、該帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置を、充填包装機に係わる機械中心(上記充填包装機では縦シールロール対の噛み込み中心)に一致させることが前提となる。
【0006】
そのため、従来は、ロール原反から巻き戻した直後に該帯状プラスチックフィルムの幅方向中心と、充填包装機に係わる機械中心とが一致するように、ロール原反の位置を適宜調整していた。しかし、帯状プラスチックフィルムの巻き戻し地点から、折り畳み地点までは、ある程度距離があり、その間に設置される搬送ロールやガイドの設定誤差等によって搬送過程にある帯状プラスチックフィルムが蛇行することがある。そのため、ロール原反の位置を調整しても、巻き戻された帯状プラスチックフィルムが、縦シールロール対に辿りつくまでの間に、帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置が、機械中心からずれてしまい、耳ずれが発生してしまうことがあった。
【0007】
そこで、本発明では、フィルム原反等の上流側から下流側に向かって連続して移送される帯状プラスチックフィルムの搬送経路を適宜変更し、帯状プラスチックフィルムを幅方向の所期した位置で正確に折り返すことのできる搬送ガイドについて提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、上流側から移送される帯状プラスチックフィルムを外表面に巻き掛けて下流側へ向けて誘導する搬送ガイドであって、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の少なくとも中央領域を巻き掛ける誘導体と、該帯状プラスチックフィルムを巻き掛けたまま該誘導体を移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする帯状プラスチックフィルムの搬送ガイドを提供する。
【0009】
本発明の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイドにおいては、
(1)前記移動手段は、前記誘導体につながる軸体と、該軸体を介して該誘導体を移動させる駆動源と、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置を、該誘導体の上流側で検出するセンサーと、該センサーにて検出された検出結果にしたがい、該駆動源を作動させる制御部と、を有すること、
(2)前記誘導体の上流側、下流側および側部直近の少なくとも1か所に配置され、該誘導体にて巻き掛けられた前記帯状プラスチックフィルムの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッドを有すること、
(3)前記誘導体は、軸受けを介して回転可能に支持され、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向に沿う回転軸芯を有するロールからなること、
(4)前記ロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部を有すること、
(5)前記ロールは、ロールの径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部と、該拡径部を両側に挟むロール胴の少なくとも2か所にて前記帯状プラスチックフィルムをそれぞれ巻き掛ける巻き掛け域と、を有すること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の搬送ガイドによれば、巻き掛けられた帯状プラスチックフィルムを搬送ガイドの表面上でスライドさせ、連続して移送される帯状プラスチックフィルムの搬送経路を適宜変更(調整)することができる。そのため、帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置または両端縁位置を、所期した位置に精度よく一致させることができ、従来のように、搬送する間に帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置が、前記充填包装機に係わる機械中心からずれるようなことがなく、該帯状プラスチックフィルムを常に正確に二つに折り返すことが可能となり、耳ずれの発生を効果的に抑制することができる。
【0011】
また、本発明によれば、帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置をCCDカメラやセンサー等の検知手段によって検知し、該検知手段によって得られた情報に従って搬送ガイドを、移動手段によって移動、回動または傾動させることで、包装袋を製袋しながら帯状プラスチックフィルムの搬送経路を調整することができる。このため、作業員を要することなく自動で帯状プラスチックフィルムの位置合わせを行うことが可能となり、包装袋に係わる製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の搬送ガイドの一実施形態を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)左側面図である。
【
図2】
図1の搬送ガイドを、ガイドロールの軸芯に沿った方向に、該軸芯を含む水平面内に移動させた状態を示す図である。
【
図3】
図1の搬送ガイドを、ガイドロールの軸芯を含む水平面内で回動させた状態を示す図である。
【
図4】本発明の搬送ガイドの他の実施形態を示す平面図である。
【
図5】
図4の搬送ガイドを、帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して時計回りに傾動させた状態を示す図である。
【
図6】
図4の搬送ガイドを、帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して反時計回りに傾動させた状態を示す図である。
【
図7】本発明の搬送ガイドの他の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図8】(a)は、
図7の搬送ガイドを、帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して反時計回りに傾動させた状態を示す図であり、(b)は時計回りに傾動させた状態を示す図である。
【
図9】本発明の搬送ガイドの他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は(b)のA-A位置における断面図である。
【
図10】本発明の搬送ガイドのさらに他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は(b)のB-B位置における断面図である。
【
図11】本発明の搬送ガイドのさらに他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は誘導体を断面で示した図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は正面図(ロッドを図示せず)である。
【
図12】本発明の搬送ガイドのさらに他の実施形態を示す図である。
【
図13】本発明の搬送ガイドの使用形態の一例として縦型充填包装機を示した図である。
【
図14】
図13の縦型充填包装機に設けられた縦シールロール対の噛み込み中心(機械中心)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の搬送ガイド1を縦型充填包装機に適用する場合の一実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
図2は、
図1の搬送ガイド1を、誘導体2を構成するガイドロール20の軸芯L1に沿った方向に、該軸芯L1を含む水平面内に移動させた状態を示す図である。
図3は、
図1の搬送ガイド1を、ガイドロール20の軸芯L1を含む水平面内で回動させた状態を示す図である。
【0014】
搬送ガイド1は、帯状プラスチックフィルムFを巻き掛け、ガイドロール20の転動によって下流に搬送するものであり、該帯状プラスチックフィルムFは、ガイドロール20の直下で二つに折り返される。搬送ガイド1は、誘導体2と、帯状プラスチックフィルムFを誘導体2に巻き掛けたまま該誘導体2を移動させてその設置位置を調整する移動手段3と、を有している。
【0015】
本実施形態では、誘導体2が、転動可能なガイドロール20からなる場合を一例として示しているが、誘導体2は、帯状プラスチックフィルムFの内側面に当接しながら摺動させるような部材を用いることもできる。
【0016】
搬送ガイド1の上流側には、
図2および
図3に示すように帯状プラスチックフィルムFの外側面に当接し、誘導体2にて巻き掛けられた帯状プラスチックフィルムFの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッド4a、4bが設けられている。
なお、
図2および
図3では、一対のロッド4a、4bを、搬送ガイド1の上流位置に設けた場合について示したが、一対のロッド4a、4bは、搬送ガイド1の幅方向両側部にそれぞれ隙間を隔てて設けることもできるし、搬送ガイド1の下流位置に設けることもできる。
【0017】
移動手段3は、誘導体2につながるベース30と、該ベース30を介して、誘導体2を移動させる油圧シリンダーや空気圧シリンダー等のアクチュエータからなる駆動源31と、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の中心位置および両端縁位置を、誘導体2の上流側で検出する検知手段(図示しない)と、該検知手段にて検出された検出結果にしたがい、駆動源31を作動させ、ベース30を介して誘導体2を移動もしくは回動させ、該誘導体2の設置位置を調整することにより帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更する制御部32と、を備える。
【0018】
移動手段3は、誘導体2のみならず、一対のロッド4a、4bとつなげて、該一対のロッド4a、4bを、ベース30(誘導体2)とともに移動もしくは回動させてもよい。
【0019】
検知手段は、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の幅方向中心位置および/または側縁位置を検知することができればどのようなものであってもよく、CCDカメラや各種エッジセンサー(例えば、画像センサーで帯状プラスチックフィルムFの幅を検知するものや、超音波レーザーなどを帯状プラスチックフィルムFに照射し、検出器にて透過してきたもの、あるいは反射してきたものを判断してエッジを検出するものなど)を用いることができる。
【0020】
検知手段によって検知された情報(帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置および/または両端縁位置)は、制御部32に送信され、予め制御部32に入力された設定値とのずれが算出される。制御部32において設定値とのずれが規定した範囲以上であると判定されると、制御部32において、そのずれから誘導体2の設置位置が決定され、該制御部32からの指令により、ベース30を駆動源31によって所定位置まで移動または回動させて、誘導体2を所期した位置に移動させる。
【0021】
誘導体2(ガイドロール20)は、
図2に示すように、ガイドロール20の軸芯L1を含む水平面内で移動させることや、
図3に示すように、軸芯L1を含む水平面内で支点Pを中心に回動させることにより、その設置位置の調整を行うことができる。なお、誘導体2は、上記水平面内以外の領域で移動あるいは回動させてもよい。
【0022】
このように誘導体2の設置位置を調整することで、誘導体2と帯状プラスチックフィルムFとの摩擦抵抗が変動すると共に、帯状プラスチックフィルムFの張力が変動する。これにより、誘導体2に巻き掛けられた帯状プラスチックフィルムFの内側面が、該誘導体2(ガイドロール20のロール胴)に沿ってスライドして搬送経路が変更され、帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置または両端縁位置を、所定の位置に精度よく一致させることが可能となる。これにより、例えば帯状プラスチックフィルムFを幅方向の中心位置で二つに折り返した際に、その側端縁どうしを正確に重ね合わせることができ、耳ずれの発生を効果的に抑制することができる。
【0023】
図4は、搬送ガイド1の他の実施形態を示す平面図である。本実施形態の搬送ガイド1は、ベース30の後端部に傾動軸33を有し、
図5、
図6に示すように、この傾動軸30を適宜回転させることで、誘導体2を帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して傾動させて、該誘導体2の設置位置の調整を行う構成からなるものである。誘導体2を紙面時計回りに傾動させると、帯状プラスチックフィルムFの端縁は、
図5の下部に平面で示したようにずれていき、逆に、紙面反時計回りに傾動させると、帯状プラスチックフィルムFの端縁は
図6の下部に平面で示したようにずれていく。傾動角度は水平面を基準に±10°程度の範囲で調整することができる。
【0024】
搬送ガイド1のその他の実施形態を
図7および
図8に示す。
図7(a)は、搬送ガイド1の正面図、
図7(b)は、搬送ガイド1の側面を示した図(支持壁6のみを断面表示)である。
図8(a)は、誘導体2の突出先端Tを支点として該誘導体2を紙面反時計回りに傾動させた状態を示す図であり、
図8(b)は、該誘導体2を紙面時計回りに傾動させた状態を示す図である。
【0025】
本実施形態の搬送ガイド1は、ガイドロール20からなる誘導体2と、ベース30とから構成されている。ベース30は、水平部30aと、該水平部30aの一の端部から下方に向かって斜めに延びる傾斜部30bと、該傾斜部30bとガイドロール20のロール軸21とを繋ぎ、ガイドロール20を転動可能に保持する支持部30cと、から構成されている。なお、本実施形態では、誘導体2が転動可能なガイドロール20からなる場合を一例として示しているが、誘導体2は、帯状プラスチックフィルムFの内側面に当接しながら摺動させるような部材を用いることもできる。
【0026】
水平部30aの他の端部には、支持壁6に設けられた上向き凸形のスリット5を通り抜けるガイド34が設けられている。
図8に示すように、ガイドロール20の突出先端Tを移動させないように、すなわち、該突出先端Tを支点にしてガイド34を、スリット5に沿って移動させることで、搬送ガイド1(誘導体2)を傾動させることが可能となり、これによって帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を調整することができる。
【0027】
搬送ガイド1の他の実施形態を
図9に示す。
図9(a)は、搬送ガイド1の平面図、
図9(b)は、正面図、
図9(c)は、左側面図、
図9(d)は、
図9(b)のA-A位置における断面を示した図である。かかる搬送ガイド1は、帯状プラスチックフィルムFの内側面に当接し、軸受け21aによって転動する無駆動式のガイドロール20と、ガイドロール20のロール軸21の両端部をそれぞれ、軸受け22a、23aによって回転自在に支持する支持部22、23と、ロール軸21の両端にそれぞれ設けられ、帯状プラスチックフィルムFの内側面に当接して転動する無駆動式のサブガイドロール24、25と、ロール軸21を移動させて、ガイドロール20およびサブガイドロール24、25の設置位置を調整する移動手段と、を有する。
【0028】
本実施形態では、ガイドロール20と、サブガイドロール24、25がそれぞれ別体で回転するように構成されているが、ガイドロール20をロール軸21に固定して、ガイドロール20およびサブガイドロール24、25を、ロール軸21と一体で回転するように構成してもよい。
【0029】
移動手段3としては、ロール軸21を回転自在に支持する支持部22、23につながるベース30と、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を搬送ガイド1の入側において検知する検知手段(図示しない)と、該検知手段にて検知され情報にしたがいベース30を油圧シリンダーや空気圧シリンダー等の駆動源(図示しない)によって作動させ、ロール軸21を、
図2、
図3、
図5、
図6および
図8に示すようにベース30とともに移動、回動もしくは傾動させ、ロール軸21の設置位置を調整することにより帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更する制御部(図示しない)から構成されるものが適用される。
【0030】
なお、ガイドロール20は、ロール軸21の軸受け21aを収納、保持する支持部22、23を、移動手段3のベース30に連結することで、軸受け21aとともに移動させることができる。
【0031】
このように構成された搬送ガイド1は、先の実施形態と同様(
図1~8参照)に、ガイドロール20の軸芯L1方向に、該軸芯L1を含む水平面内を移動させることや、軸芯L1を含む水平面内で回動させることや、ガイドロール20を帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して傾動させることにより、その設置位置の調整を行うことができる。
【0032】
ガイドロール20としては、幅方向端部から中央部に向かって次第に大径となる樽形形状を有し、中央部が支持部22、23の先端部よりも突出(突出先端T)したロール胴を備えたもので構成するのが好ましい。ガイドロール20のロール胴表面は、
図9(a)に示す、ガイドロール20の軸芯L1に平行で、かつ突出先端Tを含む直線と、該ロール胴表面とのなす角度θが、1~70°、好ましくは20~60°の範囲になるように弧状またはテーパー状に構成することが好ましい。また、ガイドロール20は、表面が支持部22、23の先端部と面一になるように構成してもよい。
【0033】
搬送ガイド1のさらに他の実施形態を
図10に示す。
図10(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は(b)のC-C位置における断面図である。本実施形態の搬送ガイド1は、
図9に示した実施形態の搬送ガイド1において、サブガイドロール24が、ロッド4a、4bの軸芯に沿って移動可能(図中矢印)に構成されている。なお、本実施形態では、サブガイドロール24のみが移動可能に構成されているが、サブガイドロール24、25の両方をそれぞれ移動可能に構成してもよい。
【0034】
サブガイドロール24は、ガイドロール20およびサブガイドロール25のロール軸21とは異なるロール軸26の端部に設けられ、軸受け26aによってロール軸26と一体で回転自在であると共に、ロール軸26につながるスライダー35によって、ロール軸26と共にロッド4a、4bの軸芯に沿って移動可能に構成されている。サブガイドロール24は、検知手段によって、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を搬送ガイド1の入側において検知し、該検知手段にて検知された情報にしたがい、スライダー35を油圧シリンダーや空気圧シリンダー等の駆動源(図示しない)によって作動させることで、ロール軸26と共に移動し、これによって帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更することができる。
【0035】
なお、ガイドロール20は、先の実施形態と同様に、ガイドロール20の軸芯L1方向に、該軸芯L1を含む水平面内を移動させることや、軸芯L1を含む水平面内で回動させることや、ガイドロール20を帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して傾動させること等により、その設置位置の調整を行うことができるが、ガイドロール20を固定として、サブガイドロール24(およびサブガイドロール25)の移動のみによって帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更させるようにしてもよい。
【0036】
図11は、搬送ガイド1の他の一実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は誘導体2と支持部22、23の一部を断面で示した図、(c)は左側面図、(d)は正面図である。搬送ガイド1は、サブガイドロール24、25を設けず、
図11に示すように帯状プラスチックフィルムFの内側面を、ガイドロール20および支持部22、23の先端部に当接させるようにしてもよい。ガイドロール20は、幅方向中央部にロール径が拡大された拡径部20aを有し、該拡径部20aと両側に挟む巻き掛け胴20bにて、帯状プラスチックフィルムFを巻き掛けるものである。本実施形態の搬送ガイド1によれば、ガイドロール20の突出先端Tが、支持部22、23の先端よりも大きく突出し、帯状プラスチックフィルムFが、ガイドロール20の拡径部20aおよび巻き掛け胴20bに巻き掛けられているので、ベース30を介してガイドロール20を移動、回動または傾動させることにより、巻き掛けられた帯状プラスチックフィルムFは、該巻き掛け胴20b表面に沿って、その突出先端Tに向かってスライドし易くなり、該帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置または幅方向両端縁位置を所期した位置に精度よく一致させることができ、例えば、帯状プラスチックフィルムFを幅方向の中央位置で二つに折り返して、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の両端縁どうし正確に重ね合わせることができる。
【0037】
なお、ガイドロール20の、
図11(a)に示すガイドロール20の軸芯L1に平行で、かつ突出先端Tを含む直線と、該ロール胴表面とのなす角度θ1は、帯状プラスチックフィルムFの突出先端Tに向かうスライドを容易にするために1~70°、好ましくは20~60°の範囲内になるように弧状またはテーパー状に構成することが好ましい。
【0038】
また、ガイドロール20は、ロール径が中央部において局所的に拡大された拡径部20aと、拡径部20aを両側に挟む2か所の巻き掛け域20cを有する
図12に示すような形状のものを適用することもできる。
【0039】
上記構成からなる本発明の搬送ガイド1の使用形態として、縦型充填包装機に設けた場合を一例として
図13に示す。
図14は、
図13の縦型充填包装機における機械中心を説明する図である。なお、本発明の搬送ガイド1は、縦型充填包装機のみならず、連続して移送される帯状プラスチックフィルムを所定の位置で折り返すためのガイドとして広く利用することができる。
【0040】
図13における符号100は、帯状プラスチックフィルムFがロール状に巻き回されて形成されたフィルム原反、102は、軸受けを介して回転可能に支持され、フィルム原反100から帯状プラスチックフィルムFを順次に巻き戻す巻き戻しロール、103、104は、巻き戻された帯状プラスチックフィルムFの進行する向きを変更するガイドロール、105は、水平姿勢に保持され、帯状プラスチックフィルムFを縦向き搬送姿勢(垂直姿勢)に方向転換する天ロールである。
【0041】
帯状プラスチックフィルムFのフィルム構成は、少なくともベース層とシーラント層を有するものであればとくに限定されるものではなく、本実施形態では、一軸もしくは二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム層やナイロン樹脂フィルム層等からなるベース層と、無延伸のポリエチレン層やポリプロピレン層等からなるシーラント層とを具える帯状プラスチックフィルムFを用いる。例えば、アルミ箔、アルミ合金箔、アルミニウム蒸着層および/または紙などを積層してなる積層プラスチックフィルムも好適に使用することができる。
【0042】
また、
図13における符号107は、2つに折り返された帯状プラスチックフィルムFの重ね合わせ部分の縁部を挟持し、加圧、加熱して縦シール部Sを連続的に形成する縦シールロール対、108は、縦シールロール対107の下部直近に設けられ、縦シール部Sが形成された帯状プラスチックフィルムFを挟持し、加圧、加熱して帯状プラスチックフィルムFの幅方向に横シール部S1を形成する横シールロール対、さらに、109は、縦シールロール対107と天ロール105との間に設けられ、横シール部S1、縦シール部Sにて区画された帯状プラスチックフィルムFの内側空間内に被包装物Mを充填する充填ノズル、110は、横シールロール対108の下部に設けられ、横シール部S1を冷却するための冷却ロール対、111は、冷却ロール対110の下部に設けられ、袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を横シール部S1において切断、該包装袋Wを個別袋として切り離す走間カッターである。
本発明の搬送ガイド1は、充填ノズル109の設置位置よりも上流側に位置するように設置することができるが、該搬送ガイド1は、充填ノズル109の設置位置よりも下流側に位置するように設置してもよい。
【0043】
横シールロール対108は、縦シール部Sと協働して内側空間を形成する1つの横シール部S1と、該内側空間に被包装物Mを充填したのち、その内側空間を密閉するもう一つの横シール部S1を交互に形成していく2つの機能を備えている。
【0044】
符号36は、検知手段であり、帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置あるいは幅方向の端縁位置を検知することができればどのようなものであってもよく、CCDカメラや各種エッジセンサー(例えば、画像センサーで帯状プラスチックフィルムFの幅を検出するものや、超音波やレーザーなどを帯状プラスチックフィルムFに照射し、検出器にて透過してきたもの、あるいは反射してきたものを判断してエッジを検出するものなど)を用いることができる。
【0045】
検知手段36によって検知された情報(帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置または幅方向の端縁位置)は、制御部32に送信され、予め入力された設定値とのずれが算出される。該制御部32において設定値とのずれが規定した範囲以上であると判定されると、制御部32において、そのずれから搬送ガイド1の誘導体2の設置位置が決定され、該制御部32からの指令により、ベース30を駆動源31によって所定位置まで移動または傾動させて、誘導体2を所期した位置に移動させる。これにより、誘導体2に巻き掛けられている帯状プラスチックフィルムFは、誘導体2(ガイドロール20のロール胴)に沿って移動することになり、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路が変更されることになる。
【0046】
なお、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路とは、巻き戻しロール102において巻き戻された帯状プラスチックフィルムFが縦シールロール対107に辿り着くまでの通り道であって、その搬送経路を変更するとは、搬送過程にある帯状プラスチックフィルFを、幅方向にずらすことを意味している。
【0047】
このように、搬送ガイド1によって帯状プラスチックフィルムFの内側面を巻き掛ける誘導体2の設置位置の調整制御を行い、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更することにより、該帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置と、縦型充填包装機に係わる機械中心Cとを一致させることが可能となる。そのため、帯状プラスチックフィルムFは、搬送ガイド1によって幅方向中心位置で二つに折り返して端縁どうしを正確に重ね合わせることが可能となり、縦シールロール対7によって縦シール部Sを形成する際に発生するのが不可避であった耳ずれを回避することができる。
【0048】
なお、縦型充填包装機に係わる機械中心Cとは、
図13に示すように、縦シールロール対107(横シールロール対108)のロール相互間における噛み込み中心を意味しており、機械中心Cと帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心を一致させると、帯状プラスチックフィルムFを長手方向に2つ折りにした際に、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の端部とを正確に揃えることができる。
【0049】
本発明の搬送ガイド1は、縦型充填包装機に適用する場合、縦シールロール対7から上流側に50~500mm、好ましくは100~300mmの位置に設けることができる。
【0050】
上記実施形態では、搬送ガイド1の誘導体2を単独で移動、回動あるいは傾動させることで、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更する場合を例示したが、該誘導体2と一対のロッド4a、4bとを一体で、または一対のロッド4a、4bを単独で移動、回動あるいは傾動させて帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 搬送ガイド
2 誘導体
20 ガイドロール
20a 拡径部
20b 巻き掛け胴
20c 巻き掛け域
21 ロール軸
21a 軸受け
22、23 支持部
22a、23a 軸受け
24,25 サブガイドロール
26 ロール軸
26a 軸受け
3 移動手段
30 ベース
30a 水平部
30b 傾斜部
30c 支持部
31 駆動源
32 制御部
33 傾動軸
34 ガイド
35 スライダー
36 検知手段
4a、4b ロッド
5 スリット
6 支持壁
100 フィルム原反
102 巻き戻しロール
103、104 ガイドロール
105 天ロール
107 縦シールロール対
108 横シールロール対
109 充填ノズル
110 冷却ロール対
111 走間カッター
F 帯状プラスチックフィルム
W 包装袋
M 被包装物
S 縦シール部
S1 横シール部
T 突出先端
P 支点
C 機械中心
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から移送される帯状プラスチックフィルムを外表面に巻き掛けて下流側へ向けて誘導する搬送ガイドであって、
前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の少なくとも中央域を巻き掛ける誘導体と、該誘導体につながるベースと、該帯状プラスチックフィルムを巻き掛けたまま該ベースを介して前記誘導体を移動、回動もしくは傾動させて、該帯状プラスチックフィルムを該誘導体の表面に沿ってスライドさせることにより、該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する移動手段と、を備えることを特徴とする帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項2】
前記誘導体の移動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で、該誘導体の軸芯に沿った方向への移動であり、前記誘導体の回動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で予め設定された支点を中心とする回動であり、前記誘導体の傾動は、帯状プラスチックフィルムの幅方向に直交する方向に対する傾動であることを特徴とする請求項1に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項3】
前記移動手段は、前記ベースを介して前記誘導体を移動、回動または傾動させる駆動源と、
前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置を、該誘導体の上流側で検出するセンサーと、
該センサーにて検出された検出結果にしたがい、該駆動源を作動させる制御部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項4】
前記誘導体の上流側、下流側および側部直近の少なくとも1か所に配置され、該誘導体にて巻き掛けられた前記帯状プラスチックフィルムの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッドを有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項5】
前記ベースは、該ベースの後端部につながり、前記駆動源により回転させることにより前記誘導体を、該ベースを介して傾動させる軸体を有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項6】
前記誘導体は、軸受けを介して回転可能に支持され、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向に沿う回転軸芯を有するガイドロールからなることを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項7】
前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部を有することを特徴とする請求項6に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項8】
前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部と、該拡径部を両側に挟むロール胴の少なくとも2か所にて前記帯状プラスチックフィルムをそれぞれ巻き掛ける巻き掛け域と、を有することを特徴とする請求項6に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、上流側から移送される帯状プラスチックフィルムを外表面に巻き掛けて下流側へ向けて誘導する搬送ガイドであって、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の少なくとも中央域を巻き掛ける誘導体と、該誘導体につながるベースと、該帯状プラスチックフィルムを巻き掛けたまま該ベースを介して前記誘導体を移動、回動もしくは傾動させて、該帯状プラスチックフィルムを該誘導体の表面に沿ってスライドさせることにより、該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する移動手段と、を備えることを特徴とする帯状プラスチックフィルムの搬送ガイドを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイドにおいては、
(1)前記誘導体の移動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で、該誘導体の軸芯に沿った方向への移動であり、前記誘導体の回動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で予め設定された支点を中心とする回動であり、前記誘導体の傾動は、帯状プラスチックフィルムの幅方向に直交する方向に対する傾動であること、
(2)前記移動手段は、前記ベースを介して前記誘導体を移動、回動または傾動させる駆動源と、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置を、該誘導体の上流側で検出するセンサーと、該センサーにて検出された検出結果にしたがい、該駆動源を作動させる制御部と、を有すること、
(3)前記誘導体の上流側、下流側および側部直近の少なくとも1か所に配置され、該誘導体にて巻き掛けられた前記帯状プラスチックフィルムの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッドを有すること、
(4)前記ベースは、該ベースの後端部につながり、前記駆動源により回転させることにより前記誘導体を、該ベースを介して傾動させる軸体を有すること、
(5)前記誘導体は、軸受けを介して回転可能に支持され、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向に沿う回転軸芯を有するガイドロールからなること、
(6)前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部を有すること、
(7)前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部と、該拡径部を両側に挟むロール胴の少なくとも2か所にて前記帯状プラスチックフィルムをそれぞれ巻き掛ける巻き掛け域と、を有すること、
が好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図4は、搬送ガイド1の他の実施形態を示す平面図である。本実施形態の搬送ガイド1は、ベース30の後端部に
軸体33を有し、
図5、
図6に示すように、この
軸体33を適宜回転させることで、誘導体2の帯状プラスチックフィルムFの幅方向に直交する方向に対して傾動させて、該誘導体2の設置位置の調整を行う構成からなるものである。誘導体2を紙面時計回りに傾動させると、帯状プラスチックフィルムFの端縁は、
図5の下部に平面で示すようにずれていき、逆に、紙面反時計回りに傾動させると、帯状プラスチックフィルムFの端縁は
図6の下部に平面で示したしたようにずれていく。傾動角度は水平面を基準に±10°程度の範囲で調整することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
搬送ガイド1のさらに他の実施形態を
図10に示す。
図10(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は(b)の
B-B位置における断面図である。本実施形態の搬送ガイド1は、
図9に示した実施形態の搬送ガイド1において、サブガイドロール24が、ロッド4a、4bの軸芯に沿って移動可能(図中矢印)に構成されている。なお、本実施形態では、サブガイドロール24のみが移動可能に構成されているが、サブガイドロール24、25の両方をそれぞれ移動可能に構成してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
このように、搬送ガイド1によって帯状プラスチックフィルムFの内側面を巻き掛ける誘導体2の設置位置の調整制御を行い、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更することにより、該帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置と、縦型充填包装機に係わる機械中心Cとを一致させることが可能となる。そのため、帯状プラスチックフィルムFは、搬送ガイド1によって幅方向中心位置で二つに折り返して端縁どうしを正確に重ね合わせることが可能となり、縦シールロール対107によって縦シール部Sを形成する際に発生するのが不可避であった耳ずれを回避することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
本発明の搬送ガイド1は、縦型充填包装機に適用する場合、縦シールロール対107から上流側に50~500mm、好ましくは100~300mmの位置に設けることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
1 搬送ガイド
2 誘導体
20 ガイドロール
20a 拡径部
20b 巻き掛け胴
20c 巻き掛け域
21 ロール軸
21a 軸受け
22、23 支持部
22a、23a 軸受け
24,25 サブガイドロール
26 ロール軸
26a 軸受け
3 移動手段
30 ベース
30a 水平部
30b 傾斜部
30c 支持部
31 駆動源
32 制御部
33 軸体
34 ガイド
35 スライダー
36 検知手段
4a、4b ロッド
5 スリット
6 支持壁
100 フィルム原反
102 巻き戻しロール
103、104 ガイドロール
105 天ロール
107 縦シールロール対
108 横シールロール対
109 充填ノズル
110 冷却ロール対
111 走間カッター
F 帯状プラスチックフィルム
W 包装袋
M 被包装物
S 縦シール部
S1 横シール部
T 突出先端
P 支点
C 機械中心
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から移送される帯状プラスチックフィルムを外表面に巻き掛けて下流側へ向けて誘導する搬送ガイドであって、
前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の少なくとも中央域を巻き掛ける誘導体と、該誘導体につながるベースと、該帯状プラスチックフィルムを巻き掛けたまま該ベースを介して前記誘導体を移動、回動もしくは傾動させて、該帯状プラスチックフィルムを該誘導体の表面に沿ってスライドさせることにより、該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する移動手段と、を備えることを特徴とする帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項2】
前記誘導体の移動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で、該誘導体の軸芯に沿った方向への移動であり、前記誘導体の回動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で予め設定された支点を中心とする回動であり、前記誘導体の傾動は、帯状プラスチックフィルムの幅方向に直交する方向に対する傾動であることを特徴とする請求項1に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項3】
前記移動手段は、前記ベースを介して前記誘導体を移動、回動または傾動させる駆動源と、
前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置を、該誘導体の上流側で検出するセンサーと、
該センサーにて検出された検出結果にしたがい、該駆動源を作動させる制御部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項4】
前記誘導体の上流側、下流側および側部直近の少なくとも1か所に配置され、該誘導体にて巻き掛けられた前記帯状プラスチックフィルムの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッドを有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項5】
前記誘導体は、軸受けを介して回転可能に支持され、前記帯状プラスチックフィルムの軸方向に沿う回転軸芯を有するガイドロールからなることを特徴とする請求項1または2に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項6】
前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部を有することを特徴とする請求項5に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【請求項7】
前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部と、該拡径部を両側に挟むロール胴の少なくとも2か所にて前記帯状プラスチックフィルムをそれぞれ巻き掛ける巻き掛け域と、を有することを特徴とする請求項5に記載の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の帯状プラスチックフィルムの搬送ガイドにおいては、
(1)前記誘導体の移動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で、該誘導体の軸芯に沿った方向への移動であり、前記誘導体の回動は、該誘導体の軸芯を含む水平面内で予め設定された支点を中心とする回動であり、前記誘導体の傾動は、帯状プラスチックフィルムの幅方向に直交する方向に対する傾動であること、
(2)前記移動手段は、前記ベースを介して前記誘導体を移動、回動または傾動させる駆動源と、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置および/または両端縁位置を、該誘導体の上流側で検出するセンサーと、該センサーにて検出された検出結果にしたがい、該駆動源を作動させる制御部と、を有すること、
(3)前記誘導体の上流側、下流側および側部直近の少なくとも1か所に配置され、該誘導体にて巻き掛けられた前記帯状プラスチックフィルムの巻き掛け域を除く領域を、摺接させつつその摺接領域を向かい合わせに保持する一対のロッドを有すること、
(4)前記誘導体は、軸受けを介して回転可能に支持され、前記帯状プラスチックフィルムの軸方向に沿う回転軸芯を有するガイドロールからなること、
(5)前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部を有すること、
(6)前記ガイドロールは、ロール径が局所的に拡大された少なくとも1つの拡径部と、該拡径部を両側に挟むロール胴の少なくとも2か所にて前記帯状プラスチックフィルムをそれぞれ巻き掛ける巻き掛け域と、を有すること、
が好ましい。