(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084984
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】遊技媒体貸出装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240619BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
A63F7/02 352F
A63F5/04 691A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199238
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000128946
【氏名又は名称】マミヤ・オーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川橋 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088BC79
2C088DA06
2C088DA24
2C088EA44
2C182EB11
(57)【要約】
【課題】
簡単な構成としつつも、紙幣取扱装置の異なるタイプに応じた仕様変更の可能な遊技媒体貸出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
紙幣の搬送及び/又は収容態様別に用意された複数の紙幣装置の中の一により構成される上部個別ユニットと、表示部、制御部、電源部から構成する下部共通ユニットと、ホルダが組み合わされてなる遊技媒体貸出装置であって、前記下部共通ユニットは構造的に分割可能であり、分割された中の一方の下部共通ユニットが前記上部個別ユニットと接続固定されており、接続固定された前記上部個別ユニットと前記一方の下部共通ユニットは、一体的に、前記ホルダに対してスライド可能、かつ、電気的な接続解除が可能とされていることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣の搬送及び/又は収容態様別に用意された複数の紙幣装置の中の一により構成される上部個別ユニットと、表示部、制御部、電源部から構成する下部共通ユニットと、ホルダが組み合わされてなる遊技媒体貸出装置であって、
前記下部共通ユニットは構造的に分割可能であり、分割された中の一方の下部共通ユニットが前記上部個別ユニットと接続固定されており、
接続固定された前記上部個別ユニットと前記一方の下部共通ユニットは、一体的に、前記ホルダに対してスライド可能、かつ、電気的な接続解除が可能とされている
ことを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
前記上部個別ユニットの配線は、前記下部共通ユニットの一方の内部を通り、(プラグインコネクタでない)ハーネスコネクタによって、前記下部共通ユニット内の前記制御部に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
分割された中の他方の下部共通ユニットは、ホルダに対してスライドを伴わない別の手段により固定ないし半固定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機等の遊技台に隣接配置される遊技媒体貸出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台に対応して設けられる遊技媒体貸出装置においては、特許文献1に示されるように、紙幣挿入口から挿入された紙幣の真偽判別を紙幣識別装置で行い、識別した真正紙幣をスタック部へ積層収納するタイプのもの、遊技島の裏側に設置した紙幣搬送装置によって、遊技装置の島の端部に設けた金庫へ搬送されるタイプのものがあった。また、前面から遊技機の裏側の紙幣搬送装置まで紙幣を受け渡すための搬送装置が遊技媒体貸出装置の内部に設けられるものと、遊技媒体貸出装置の外部に設けられるものとがあった。このように、遊技媒体貸出装置の紙幣取扱装置は、大きく分類して3つに分けられる。すなわち、(主にパチンコ遊技機仕様として設定される)紙幣の識別後に島内部の紙幣搬送装置まで紙幣を送る「搬送タイプ」、(主にパチスロ遊技機仕様として設定される)遊技媒体貸出装置の外部で島内部の紙幣搬送装置まで紙幣を送る「外部搬送タイプ」、(パチンコ遊技機仕様とパチスロ遊技機仕様の両方として設定される)紙幣の識別後に紙幣識別機内部に紙幣を貯留する「金庫タイプ」がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、紙幣取扱機構でなく、媒体貸出機構に目を転じると、近年、賞球払出装置からパチンコ玉を貸し出すパチンコ遊技機や、遊技者がパチンコ玉に直接接触できない態様で管理する管理遊技機と呼ばれるパチンコ遊技機の登場により、パチンコ玉を払い出すための機構を備えない遊技媒体貸出装置が使用されるようになった。パチスロ遊技機にも同様の発想があり、パチスロ遊技機機のメダル排出機構を利用したり、メダルレス化したりするパチスロ遊技機の登場により、メダルを払い出すための機構を備えない遊技媒体貸出装置が使用されるようになった。この状況の下では、紙幣取扱装置としては3タイプのものがあっても、遊技媒体貸出に係る制御部や表示部は、全く同じ装置構成となるため、通常、遊技媒体貸出装置の下部に配置される制御部や表示部を共通ユニット化したいという要望が生じるのは当然のことである。
【0005】
ところで、遊技媒体貸出装置は、遊技島の対応箇所に設けられたホルダによって、装置全体が担持されるとともに、メンテナンスために、ホルダから筐体の一部を前方に引き出せるように構成されているのが普通である。そうしたところ、ユニットの共通化を図るのであれば、紙幣装置のタイプ別の個別ユニットとしての上ユニットと、制御部や表示部から成る共通ユニットとしての下ユニットを設けるのが自然な発想となる。しかし、単純に上下ユニットとして構成したならば、各ユニットを接続するために、上ユニット用のコネクタと下ユニット用のコネクタの2組のコネクタや2つのロック機構が必要となる。また、上ユニットと下ユニットのユニットどうしを前後にスライドさせる構造や、そのためのロック機構や上下ユニットを接続するためのプラグインコネクタ等も必要となる。その結果、ロック機構やスライド機構を複数備えなければならず、コスト高となる。ところが、実際には、据付後は、メンテナンスのために装置を引出すことはあっても、紙幣取扱装置のタイプ変更はされない場合が少なくないため、費用対効果の観点からは望ましいとはいえない。さりとて、紙幣取扱装置タイプの変更が一切できないというのでは、顧客に対するニーズに十分に対応しているとはいえない。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構成としつつも、紙幣取扱装置の異なるタイプに応じた仕様変更の可能な遊技媒体貸出装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技媒体貸出装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
紙幣の搬送及び/又は収容態様別に用意された複数の紙幣装置の中の一により構成される上部個別ユニットと、表示部、制御部、電源部から構成する下部共通ユニットと、ホルダが組み合わされてなる遊技媒体貸出装置であって、前記下部共通ユニットは構造的に分割可能であり、分割された中の一方の下部共通ユニットが前記上部個別ユニットと接続固定されており、接続固定された前記上部個別ユニットと前記一方の下部共通ユニットは、一体的に、前記ホルダに対してスライド可能、かつ、電気的な接続解除が可能とされていることを特徴とする。
ここで、「紙幣の搬送及び/又は収容態様別に用意された」とは、搬送タイプ、外部搬送タイプ、金庫タイプといった遊技媒体貸出装置における紙幣取扱装置の3タイプのうち、少なくとも2つのタイプが用意されていることを意味する。つまり、搬送タイプと外部搬送タイプとが用意されている態様、搬送タイプと金庫タイプとが用意されている態様、外部搬送タイプと金庫タイプとが用意されている態様、搬送タイプ、外部搬送タイプ及び金庫タイプの全てが用意されている態様のいずれをも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置の正面図、左側面図及び筐体(ケース)を透過させた左側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置における搬送型上部ユニットの正面図及び筐体(ケース)を透過させた左側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置における外部搬送型上部ユニットの正面図及び筐体(ケース)を透過させた左側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置における金庫型上部ユニットの正面図及び筐体(ケース)を透過させた左側面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置における下部共通ユニットの正面図及び筐体(ケース)を透過させた左側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置の3タイプにつき、筐体(ケース)を透過させた左側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置におけるホルダの左側面図である。
【
図8】ホルダに対して遊技媒体貸出装置がスライド移動可能である様子を示す説明図である。
【
図9】搬送型上部ユニットから外部搬送型上部ユニットへ変更する際の操作手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明するが、以下の図面は説明を目的に作成された概念図であって、実施されるそのままの態様を必ずしも示しているものではないことに留意する必要がある。
【0010】
(遊技媒体貸出装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置SUを示す図であり、
図1(a)は正面図を、
図1(b)は左側面図を、
図1(c)は筐体(ケース)を透過させた左側面図を示している。図示されないパチンコ遊技機やパチスロ遊技機に対してサンドと呼ばれる遊技媒体貸出装置SUが一対一で対応するように設置されている。一般的に、パチンコ遊技機に対して隣接配置される場合は左配置とされ、パチスロ遊技機に対して隣接配置される場合は右配置とされる。
【0011】
図1において、遊技媒体貸出装置SUの上方1/3程度の部分は、紙幣の搬送及び/又は収容態様別に用意された複数の紙幣装置の中の一である上部個別ユニット1を構成し、遊技媒体貸出装置SUの下方2/3程度の部分は、下部共通ユニット2を構成している。下部共通ユニット2は、上から順に、表示部21、制御部22、カードユニット23を備えている。遊技媒体貸出装置SUが図示されないホルダに装填された際には、カードユニット23の下方には、電源部24(
図1において不図示)が配置されることになる。
なお、
図1において、上部個別ユニットとしては、紙幣の識別後に島内部の紙幣搬送装置まで紙幣を送る態様のものが、示されている。
【0012】
(上部個別ユニットの構成)
図2~
図4は、遊技媒体貸出装置SUにおける紙幣取扱装置である上部個別ユニット1につき、搬送タイプ、外部搬送タイプ及び金庫タイプの3タイプを、それぞれ示す図である。全図に共通して、(a)は正面図を、(b)は筐体(ケース)の一部を透過させた左側面図である。ただし、
図3のみ、(c)として外部搬送装置の正面図が示されている。
【0013】
図2は、紙幣の識別後に島内部の紙幣搬送装置まで紙幣を送る搬送型上部ユニット1Aである。前面には、10000円札、5000円札、2000円札及び1000円札を受け入れ可能な紙幣投入口11Aが設けられており、紙幣投入口11Aに対応する装置内部には紙幣識別及び紙幣搬送ユニット12Aが配置されている。紙幣識別及び紙幣搬送ユニット12Aの下部からは、後述する制御部22(不図示)に対して電気的な接続を行うためのハーネスケーブルHCが延出されている。また、搬送型上部ユニット1Aの筐体下部には、下部共通ユニット2と接続固定するためのネジ構造(不図示)が設けられている。ここでの接続固定の態様は、機械的な固定ができるものであればなんでも良く、ネジでなくとも、例えば、機械的ファスナなど、任意の態様を採用し得る。
【0014】
図3は、遊技媒体貸出装置の外部で島内部の紙幣搬送装置まで紙幣を送る外部搬送型上部ユニット1Bである。
図3(a)が正面図を、
図3(b)が筐体(ケース)の一部を透過させた左側面図を示している。
図3(c)は、遊技媒体貸出装置の外部に設けられる外部紙幣搬送装置である。外部紙幣搬送装置の前面には、10000円札、5000円札、2000円札及び1000円札を受け入れ可能な紙幣投入口11Bが設けられており、紙幣投入口11Bに対応する装置内部には紙幣識別及び紙幣搬送ユニット(不図示)が配置されている。外部紙幣搬送装置は、遊技媒体貸出装置SUの外部に位置するため、当然のことながら、外部搬送型上部ユニット1Bの内部において電気的接続が確立されているものではない。そこで、図示されないプラグインユニットPLによって、装置外部、具体的には、遊技媒体貸出装置SUの背面側において、外部紙幣搬送装置と外部搬送型上部ユニット1Bが電気接続される。当該電気接続された箇所からは、後述する制御部22(不図示)に対して電気的な接続を行うためのハーネスケーブルHCが延出されている。また、搬送型上部個別ユニット1Bの筐体下部には、下部共通ユニット2と接続固定するためのネジ構造(不図示)が設けられている。ここでの接続固定の態様は、機械的な固定ができるものであればなんでも良く、ネジでなくとも、例えば、機械的ファスナなど、任意の態様を採用し得る。
【0015】
図4は、紙幣の識別後に紙幣識別機内部に紙幣を貯留する金庫型上部ユニット1Cである。前面には、10000円札、5000円札、2000円札及び1000円札を受け入れ可能な紙幣投入口11Cが設けられており、紙幣投入口11Cに対応する装置内部には紙幣識別及び積層収納ユニット12Cが配置されている。紙幣識別及び積層収納ユニット12Cの下部からは、後述する制御部22(不図示)に対して電気的な接続を行うためのハーネスケーブルHCが延出されている。また、搬送型上部個別ユニット1Cの筐体下部には、下部共通ユニット2と接続固定するためのネジ構造(不図示)が設けられている。ここでの接続固定の態様は、機械的な固定ができるものであればなんでも良く、ネジでなくとも、例えば、機械的ファスナなど、任意の態様を採用し得る。
【0016】
(下部共通ユニットの構成)
図5は、本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置SUにおける下部共通ユニット2を示す図であり、
図5(a)は正面図を、
図5(b)は筐体(ケース)を透過させた左側面図を示している。下部共通ユニット2は、上から順に、表示部21、制御部22、カードユニット23から構成されており、これに加えて、遊技媒体貸出装置SUが図示されないホルダに装填された際には、カードユニット23の下方には、電源部24(
図5において不図示)が配置されることになる。
【0017】
表示部21は、液晶表示ユニットから構成されており、当該表示部21は、遊技媒体貸出装置SUの貸出情報や動作状態を表示したり、遊技台の動作状態の表示や遊技台と連携した演出上の表示を行ったりする。さらに、表示部21は、ホストコンピュータから配信されるテレビ画像や広告画像等の表示も行う。
【0018】
表示部21には、遊技媒体の貸出を受けるための貸出スイッチ、貯玉、持ち球(ないしメダル)を払い出すための再プレイスイッチ、カードを返却するための返却スイッチの3つのスイッチが設けられている。なお、これら3つのスイッチに代えて若しくは加えて、表示部21の液晶表示ユニットをタッチパネルとして、種々の操作を行えるように構成してもよい。表示部21の高さ位置に対応する下部共通ユニット2の内部は、上部個別ユニット1と後記する制御部22の電気的接続を担うハーネスケーブルHCが通れるような十分な空間が確保されている。
【0019】
表示部21の下方には、遊技媒体貸出装置SUの全体の制御を司る制御部22が設けられており、さらに、その下方には、カードユニット23が設けられている。
図5(a)に示されるように、カードユニット23の前面には、カード投入口23Eが備えられている。カードユニット23の内部には、投入されたプリペイドカード又は会員カードの情報の読込ないし書込を行うカードリーダーライターユニットが収納されている。
【0020】
(上部個別ユニットと下部共通ユニット一部との接続について)
下部共通ユニット2の筐体上部には、上部個別ユニット1と接続固定するためのネジ構造(不図示)が設けられている。ここでの接続固定の態様は、機械的な固定ができるものであればなんでも良く、ネジでなくとも、例えば、機械的ファスナなど、任意の態様を採用し得る。
図6は、互いに機械的な固定がされて、一体となった上部個別ユニットと下部共通ユニットの一部である。すなわち、
図6は、本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置SUの3タイプにつき、筐体(ケース)を透過させた左側面図であって、
図6(a)は搬送タイプを、
図6(b)は外部搬送タイプを、
図6(c)は金庫タイプをそれぞれ示している。
【0021】
図6に示されるように、上部個別ユニット1(1A,1B,1C)と下部共通ユニット2とは、螺着やファスナといった機械的接続手段により固定されており一体化されている。また、
図6(a)や
図6(c)においては、搬送型上部ユニット1Aや金庫型上部ユニット1Cは制御部22とハーネスケーブルHCによって、電気的に接続されており、
図6(b)においては、制御部22と外部搬送型上部ユニット1BのプラグインユニットPL(不図示)の差込口がハーネスケーブルHCにより接続されている。そして、プライグインユニットPL(不図示)により、外部紙幣搬送装置と外部搬送型上部ユニット1Bが電気接続されることになる。この機械的接続及び電気的接続についての作業は、工場出荷時に行うことも、現場(ホール)にて行うことも可能である。
【0022】
このように、一体化された上部個別ユニット1と下部共通ユニット2は、
図7(a)に示されるホルダHA、ないしは
図7(b)に示されるホルダHBにスライド移動して設置できるように構成されている。ホルダHAは、搬送タイプと外部搬送タイプに対して用意されたものであり、ホルダHBは金庫タイプに対して容易されたものである。ホルダHA及びホルダHBの最下部には、電源部24が設けられている。一体化された上部個別ユニット1と下部共通ユニット2がホルダHA,HBに対してスライド移動するのに対して、電源部24は、ホルダHA,HBの斜め上方から下に落とし込むようにして、ホルダの突片にかけ止めされているだけで、ホルダHA,HBに半固定されている。無論、ネジ止めやボルト締め、その他適宜のロック機構によって、しっかり固定される態様であっても構わないが、何れにせよ、その必要のないスライド機構が用意されることはない。しかしながら、紙幣取扱装置の違いに応じて3タイプ用意される上部個別ユニットに対して、電源部24は、3タイプの何れに対しても同一の構成となるものであって、表示部21、制御部22及びカードユニット23と共に、下部共通ユニット2を構成しているということができる。
【0023】
図8は、ホルダHAに対して、搬送タイプの遊技媒体貸出装置SUがスライド移動可能である様子を示す説明図である。
図8からは、一体となる個別ユニットと共通ユニットの一部がスライド可能であり、共通ユニットの他部がスライド移動しないことを見て取ることができる。すなわち、ユニットの種類別とスライド移動する部分とは対応しないことが理解できる。また、スライド移動する部分は、2つではなく、一体に接続固定された一部材であることも理解できる。
【0024】
(上部個別ユニット変更に際しての操作手順)
先述したように、上部個別ユニット1の下部共通ユニット2に対する機械的接続及び電気的接続は、ホール導入に際して、工場出荷時や現場(ホール)にて行い、その後に、頻繁に仕様変更されることは想定されていないのであるが、最近では、単一の島に、パチンコ遊技機とパチスロ遊技機とが併設される場合などもあることから、ホールでの遊技台の構成の変更、例えば、パチンコ遊技機からパチスロ遊技機へ変更するといった場合に、紙幣取扱装置のタイプを変更して対応させることも可能となっている。そこで、タイプ変更の操作手順について説明する。
【0025】
図9は、搬送型上部ユニットから外部搬送型上部ユニットへ変更する際の操作手順を示す説明図である。次の手順で交換を行う。
(1)上部個別ユニットと下部共通ユニット、双方の本体カバーを取り外す。
(2)制御部22にハーネスケーブルを外す。
(3)上下ユニットの連結ネジを外す。
(4)搬送型上部ユニットを後方にスライドさせ上下分離させる。
(5)外部搬送タイプの上部個別ユニットを前方にスライドさせ、連結ネジを取付ける。
(6)ハーネスケーブルを制御部22に接続する。
(7)上部個別ユニットと下部共通ユニット、双方の本体カバーを取りつける。
金庫型上部ユニットへ、ないし金庫型上部ユニットから、変更する場合も基本的には同じであるが、プラグインユニットの取付又は取外しの工程が追加されることになる。
作業工程は、若干、煩雑ではあるものの、紙幣取扱装置のタイプ変更の頻度を勘案すれば、スライド機構や接続機構を複数にする等として高価格となることに比べて、大いにメリットのある構成となる。
【0026】
以上、本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出装置について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0027】
SU……遊技媒体貸出装置
1………上部個別ユニット
1A……搬送型上部ユニット
1B……外部搬送型上部ユニット
1C……金庫型上部ユニット
11A…紙幣投入口(搬送型上部ユニット用)
11B…紙幣投入口(外部搬送型上部ユニット用)
11C…紙幣投入口(金庫型上部ユニット用)
12A…紙幣識別及び紙幣搬送ユニット
12C…紙幣識別及び積層収納ユニット
2………下部共通ユニット
21……表示部
22……制御部
23……カードユニット
24……電源部
HC……ハーネスケーブル
HA……ホルダ(タイプ1)
HB……ホルダ(タイプ2)
PL……プラグインユニット