(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084988
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】冠型保持器、及び玉軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 33/41 20060101AFI20240619BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
F16C33/41
F16C19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199247
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】古賀 聖
(72)【発明者】
【氏名】野田 浩史
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA25
3J701BA44
3J701FA04
3J701XB03
3J701XB12
(57)【要約】
【課題】玉軸受において複数の玉を適切に保持する。
【解決手段】保持器10は、リング部11と、リング部11から突出する複数の柱部12とを備える。柱部12における径方向の肉厚は、リング部11における径方向の肉厚よりも薄くかつリング部11における径方向の肉厚の半分よりも厚くなっている。柱部12における径方向外側の面は、リング部11の外周面の位置よりも径方向内側に位置している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に沿って並んで配置される複数の玉を転動自在に保持するための冠型保持器であって、
円環状のリング部と、
前記リング部から軸方向の一方側に突出するとともに周方向に沿って並ぶように形成された複数の柱部と、を備え、
隣り合う前記柱部の間には、前記複数の玉の1つが配置されるポケットが形成されており、
前記柱部における径方向の肉厚は、前記リング部における径方向の肉厚よりも薄くかつ前記リング部における径方向の肉厚の半分よりも厚くなっており、
前記柱部における径方向外側の面は、前記リング部の外周面の位置よりも径方向内側に位置している、冠型保持器。
【請求項2】
前記柱部における径方向外側の面には、軸方向に沿って延在する凸状部が設けられている、請求項1に記載の冠型保持器。
【請求項3】
前記柱部は、
前記リング部から軸方向の一方側に突出するとともに、前記凸状部が設けられる柱本体部と、
前記柱本体部から、軸方向の一方側に突出する一対の爪部と、を有し、
一対の前記爪部は、周方向において互いに離間して設けられており、
前記凸状部は、周方向において一対の前記爪部間に位置し、前記柱本体部における軸方向の一方側の端部位置から前記リング部側に向って延在している、請求項2に記載の冠型保持器。
【請求項4】
前記柱部における径方向内側の面には、凹部が設けられており、
前記凹部は、径方向内側に向って開口するとともに、軸方向の一方側に向って開口している、請求項1~3のいずれか一項に記載の冠型保持器。
【請求項5】
内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された前記複数の玉と、前記複数の玉を転動自在に保持する、請求項1~3のいずれか一項に記載の冠型保持器と、を備える玉軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冠型保持器及び玉軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
玉軸受において、複数の玉を転動自在に保持する冠型保持器がある。このような冠型保持器においては、円環状のリング部から突出する複数の柱部が設けられ、柱部間に玉を保持するポケットが形成されている。このような冠型保持器が、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された冠型保持器では、冠型保持器が高速で回転することに伴って、ポケットを形成する柱部の先端側が径方向の外側に広がるように変形することがある。このような変形が生じると、変形した柱部が玉軸受の外輪に干渉したり、玉と干渉することによってポケットが局所的に摩耗したりすることが考えられ得る。
【0005】
そこで、本発明は、玉軸受において複数の玉を適切に保持することが可能な冠型保持器及び玉軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、[1]「周方向に沿って並んで配置される複数の玉を転動自在に保持するための冠型保持器であって、円環状のリング部と、前記リング部から軸方向の一方側に突出するとともに周方向に沿って並ぶように形成された複数の柱部と、を備え、隣り合う前記柱部の間には、前記複数の玉の1つが配置されるポケットが形成されており、前記柱部における径方向の肉厚は、前記リング部における径方向の肉厚よりも薄くかつ前記リング部における径方向の肉厚の半分よりも厚くなっており、前記柱部における径方向外側の面は、前記リング部の外周面の位置よりも径方向内側に位置している、冠型保持器。」である。
【0007】
この冠型保持器では、柱部の肉厚が、リング部の肉厚よりも薄くなっている。つまり、柱部が軽量化されている。これにより、冠型保持器は、玉軸受の玉の移動に伴って冠型保持器が回転したときに、柱部が遠心力によって径方向の外側に広がるように変形することを抑制できる。なお、柱部の肉厚は、リング部の肉厚の半分よりも厚くなっている。これにより、冠型保持器は、柱部を薄くすることによって軽量化を図りつつ、柱部の剛性を確保することができる。したがって、例えば冠型保持器が振動を伴うような環境下で使用される等の場合であっても、冠型保持器は、剛性不足による柱部の変形を抑制することができる。以上のように、この冠型保持器は、玉軸受において複数の玉を適切に保持することができる。
【0008】
本発明の冠型保持器は、[2]「前記柱部における径方向外側の面には、軸方向に沿って延在する凸状部が設けられている、上記[1]に記載の冠型保持器。」であってもよい。この場合、凸状部は、玉軸受の外輪と冠型保持器の柱部との間の潤滑剤を当該凸状部周りに堆積させることができる。堆積した潤滑剤は、玉を保持するポケットに流れ込む。つまり、凸状部は、潤滑剤を堆積させ、潤滑剤をポケットに供給することができる。このように、冠型保持器は、玉軸受の玉とポケットとの潤滑性能を向上させることができる。
【0009】
本発明の冠型保持器は、[3]「前記柱部は、前記リング部から軸方向の一方側に突出するとともに、前記凸状部が設けられる柱本体部と、前記柱本体部から、軸方向の一方側に突出する一対の爪部と、を有し、一対の前記爪部は、周方向において互いに離間して設けられており、前記凸状部は、周方向において一対の前記爪部間に位置し、前記柱本体部における軸方向の一方側の端部位置から前記リング部側に向って延在している、上記[2]に記載の冠型保持器。」であってもよい。ここで、凸状部は、柱本体部における軸方向の一方側の端部位置からリング部側に向って延在している。つまり、柱本体部における軸方向の一方側の端面と凸状部における軸方向の一方側の端面とが互いに連なった同一面となる。これにより、柱本体部及び凸状部における軸方向の一方側の端面を、例えば射出成形時に型から冠型保持器を押し出すためのリジェクトピンの受け面として用いることができる。このように、冠型保持器は、リジェクトピンの受け面を広く確保することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の冠型保持器は、[4]「前記柱部における径方向内側の面には、凹部が設けられており、前記凹部は、径方向内側に向って開口するとともに、軸方向の一方側に向って開口している、上記[1]~[3]のいずれかに記載の冠型保持器。」であってもよい。この冠型保持器では、凹部が設けられていることによって、柱部の軽量化をより一層図ることができる。また、この凹部は、軸方向の一方側に向って開口している。つまり、この凹部は、リング部から立ち上がる柱部の先端側(リング部に対して反対側)に向って開口している。このため、冠型保持器では、柱部の先端側の軽量化を図ることができる。これにより、冠型保持器は、柱部が径方向の外側に広がるように変形することをより一層抑制できる。
【0011】
本発明の玉軸受は、[5]「内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された前記複数の玉と、前記複数の玉を転動自在に保持する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の冠型保持器と、を備える玉軸受。」である。この玉軸受では、上述した理由により、玉軸受において複数の玉を適切に保持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、玉軸受において複数の玉を適切に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図2は、保持器を斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、保持器を斜め下方から見た斜視図である。
【
図6】
図6(a)は、変形例に係る保持器の凸状部周りを拡大して示す上面図である。
図6(b)は、他の変形例に係る保持器の凸状部周りを拡大して示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1に示されるように、玉軸受1は、内輪2と、外輪3と、複数の玉4と、保持器10(冠型保持器)と、を備えている。玉軸受1は、例えばエンジンの周辺に設けられたプーリの回転を支持するために用いられ、外輪3が回転する。以下、玉軸受1の中心線Aに平行な方向を軸方向といい、中心線Aに垂直な方向を径方向といい、中心線Aに平行な方向から見た場合に中心線Aを中心とする円周に沿った方向を周方向という。
【0016】
内輪2は、円環状に形成され、内輪軌道面2aを有している。内輪軌道面2aは、径方向の外側を向いた面であり、周方向に沿って円環状に延在している。内輪軌道面2aは、玉4に対応した形状に形成されている。内輪2は、例えば径方向の内側において軸(図示省略)と嵌め合わされる。
【0017】
外輪3は、円環状に形成され、径方向において内輪2の外側に配置されている。外輪3は、外輪軌道面3aを有している。外輪軌道面3aは、径方向の内側を向いた面であり、周方向に沿って円環状に延在している。外輪軌道面3aは、玉4に対応した形状に形成されている。外輪3は、例えば径方向の外側においてプーリ(図示省略)と嵌め合わされる。
【0018】
複数の玉4の各々は、球状に形成されている。複数の玉4は、内輪軌道面2aと外輪軌道面3aとの間に配置されている。複数の玉4は、保持器10により保持されており、周方向に沿って所定の間隔を空けて並んで配置されている。
【0019】
保持器10は、内輪2の内輪軌道面2aと外輪3の外輪軌道面3aとの間に配置され、複数の玉4を転動自在に保持している。本実施形態では、保持器10は、玉4により径方向の位置が案内される。すなわち、保持器10は玉案内の保持器として構成されている。保持器10は、例えば樹脂材料からなる冠型保持器である。保持器10は、例えば樹脂材料を用いた射出成形により形成される。保持器10は、複数(この例では8つ(
図2参照))のポケット20を有している。複数のポケット20には、複数の玉4がそれぞれ1つずつ配置されている。
【0020】
図2~
図5に示されるように、保持器10は、リング部11と、複数(この例では8つ)の柱部12と、を有している。リング部11は、円環状に形成されている。各柱部12は、リング部11から軸方向の一方側(
図2中の上側)に突出している。複数の柱部12は、周方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶように形成されている。隣り合う柱部12の間に、上述したポケット20が形成されている。ポケット20は、隣り合う一対の柱部12と、それらの間を延在するリング部11の一部11aとによって画定されている。
【0021】
各柱部12は、柱本体部13と、一対の爪部14と、を有している。柱本体部13は、リング部11から軸方向の一方側に突出している。一対の爪部14は、柱本体部13から軸方向の一方側に突出している。一対の爪部14は、周方向の一方側に配置された爪部14aと、周方向の他方側に配置された爪部14bとを含んでいる。つまり、爪部14aと爪部14bとは、周方向において互いに離間して設けられている。爪部14aは、柱本体部13から離れるほど周方向の一方側に向かうように延在しており、爪部14bは、柱本体部13から離れるほど周方向の他方側に向かうように延在している。
【0022】
上述したように、ポケット20は、柱部12の柱本体部13及び一対の爪部14と、リング部11の一部11aとによって画定されている。一対の爪部14は、ポケット20に配置された玉4の軸方向への脱落を抑制する。本実施形態において、ポケット20は、球状に形成されている。これにより、保持器10は、内輪2と外輪3との間に配置された玉4によって案内される。
【0023】
特に、
図4に示されるように、柱部12(柱本体部13及び一対の爪部14)における径方向の肉厚Xは、リング部11における径方向の肉厚Yよりも薄く、かつリング部11における径方向の肉厚Yの半分よりも厚くなっている。また、柱部12における径方向外側の面は、リング部11の外周面の位置よりも径方向内側に位置している。なお、本実施形態において、柱部12における径方向内側の面の位置は、径方向においてリング部11の内周面の位置と一致している。
【0024】
また、特に、
図2に示されるように、柱本体部13(柱部12)における径方向外側の面には、軸方向に沿って延在する凸状部15が設けられている。凸状部15は、柱部12における径方向外側の面から、径方向の外側に向って突出する形状を呈している。なお、凸状部15の突出高さは、リング部11の外周縁の位置までは到達しない高さとなっている。
【0025】
なお、凸状部15は、周方向において、一対の爪部14を構成する爪部14aと爪部14bとの間に位置している。また、凸状部15は、柱本体部13における軸方向の一方側の端部位置からリング部11側に向って延在している。つまり、柱本体部13における軸方向の一方側の端面と、凸状部15における軸方向の一方側の端面とが互いに連なった同一面となる。
【0026】
また、柱本体部13における径方向内側の面には、凹部13aが設けられている。凹部13aは、径方向内側に向って開口するとともに、軸方向の一方側に向って開口している。つまり、凹部13aは、径方向内側に向って開口するとともに、リング部11から立ち上がる柱部12の先端側(リング部11に対して反対側)に向って開口している。
【0027】
凹部13aの底部には、軸方向に沿って延在する凸状部16が設けられている。凸状部16は、凹部13aの底部から、径方向の内側に向って突出する形状を呈している。なお、凸状部16の突出高さは、リング部11の内周縁の位置までは到達しない高さとなっている。
【0028】
なお、凸状部16は、周方向において、一対の爪部14を構成する爪部14aと爪部14bとの間に位置している。また、凸状部15と同様に凸状部16は、柱本体部13における軸方向の一方側の端部位置からリング部11側に向って延在している。つまり、柱本体部13における軸方向の一方側の端面と、凸状部16における軸方向の一方側の端面とが互いに連なった同一面となる。なお、凸状部15と凸状部16とは、径方向において少なくとも一部が互いに重なっている。
【0029】
以上のように、保持器10では、柱部12の肉厚Xが、リング部11の肉厚Yよりも薄くなっている。つまり、柱部12が軽量化されている。これにより、保持器10は、玉軸受1の玉4の移動に伴って保持器10が回転したときに、柱部12が遠心力によって径方向の外側に広がるように変形することを抑制できる。なお、柱部12の肉厚Xは、リング部11の肉厚Yの半分よりも厚くなっている。これにより、保持器10は、柱部12を薄くすることによって軽量化を図りつつ、柱部12の剛性を確保することができる。したがって、例えば保持器10が振動を伴うような環境下で使用される等の場合であっても、保持器10は、剛性不足による柱部12の変形を抑制することができる。以上のように、この保持器10は、玉軸受1において複数の玉4を適切に保持することができる。
【0030】
柱本体部13における径方向外側の面には、径方向外側に向けて突出する凸状部15が設けられている。この場合、凸状部15は、玉軸受1の外輪3と保持器10の柱部12との間の潤滑剤(グリース等)を当該凸状部15周りに堆積させることができる。堆積した潤滑剤は、玉4を保持するポケット20に流れ込む。つまり、凸状部15は、潤滑剤を堆積させ、潤滑剤をポケット20に供給することができる。このように、保持器10は、玉軸受1の玉4とポケット20との潤滑性能を向上させることができる。
【0031】
また、凸状部15は、柱本体部13における軸方向の一方側の端部位置からリング部11側に向って延在している。つまり、柱本体部13における軸方向の一方側の端面と凸状部15における軸方向の一方側の端面とが互いに連なった同一面となる。これにより、柱本体部13及び凸状部15における軸方向の一方側の端面を、例えば射出成形時に型から保持器10を押し出すためのリジェクトピンZ(
図4参照)の受け面として用いることができる。このように、保持器10は、リジェクトピンZの受け面を広く確保することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0032】
なお、柱本体部13の径方向内側において、凹部13a内に凸状部16が設けられている。凸状部15と同様に、凸状部16は、柱本体部13における軸方向の一方側の端部位置からリング部11側に向って延在している。つまり、柱本体部13における軸方向の一方側の端面と凸状部16における軸方向の一方側の端面とが互いに連なった同一面となる。これにより、柱本体部13及び凸状部15に加え、凸状部16における軸方向の一方側の端面も、リジェクトピンZの受け面として用いることができる。これにより、保持器10は、リジェクトピンZの受け面をより一層広く確保することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0033】
柱本体部13における径方向内側の面には、凹部13aが設けられている。また、凹部13aは、径方向内側に向って開口するとともに、軸方向の一方側に向って開口している。この場合、保持器10では、凹部13aが設けられていることによって、柱部12の軽量化をより一層図ることができる。また、この凹部13aは、リング部11から立ち上がる柱部12の先端側に向って開口している。このため、保持器10では、柱部12の先端側の軽量化を図ることができる。これにより、保持器10は、柱部12が径方向の外側に広がるように変形することをより一層抑制できる。
【0034】
玉軸受1は、上述した保持器10を備えている。このため、玉軸受1では、上述した理由により、複数の玉4を適切に保持することができる。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、
図6(a)に示される変形例に係る凸状部15Aは、上述した実施形態に係る凸状部15よりも突出の曲率半径が大きい形状であってもよい。また、
図6(b)に示される他の変形例に係る凸状部15Bのように、柱本体部13の径方向外側の面において、軸方向に沿って延在する凸状部15Bが複数設けられていてもよい。また、凸状部15Bは、軸方向に沿って見たときに、凸状部15Bの突出方向の先端部がとがった形状であってもよい。また、凸状部15等は、軸方向に沿って並ぶ複数の小さい凸部によって構成されていてもよい。凸状部15Aのように凸形状を大きくしたり、凸状部15Bのように凸形状を多段化したりすることにより、潤滑剤をより一層堆積させることができる。これらにより、保持器10は、玉4とポケット20との潤滑性能をさらに向上させることができる。
【0036】
また、上記では、保持器10のポケット20が球状に形成されている場合を例に説明した。これに限定されず、ポケット20は、径方向に沿って延在する円柱状を呈していてもよい。この場合、保持器10は、内輪2又は外輪3に案内されてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…玉軸受、2…内輪、3…外輪、4…玉、10…保持器(冠型保持器)、11…リング部、12…柱部、13…柱本体部、13a…凹部、14…一対の爪部、14a,14b…爪部、15,15A,15B…凸状部、20…ポケット。