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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084993
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】推定システム、及び推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/28 20060101AFI20240619BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240619BHJP
【FI】
G01B11/28 H
G06T7/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199259
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】平野 雄士
(72)【発明者】
【氏名】松田 耕
(72)【発明者】
【氏名】志村 真人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 寛生
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA58
2F065AA59
2F065BB05
2F065CC14
2F065FF01
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ08
2F065JJ26
2F065QQ01
2F065QQ21
2F065QQ31
5L096BA08
5L096CA02
5L096CA25
5L096DA02
5L096EA27
5L096FA03
5L096FA06
5L096FA10
5L096FA18
5L096FA64
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】占有領域を把握することが可能となる推定システム及び推定プログラムを提供する事を目的とする。
【解決手段】配置領域内に配置された資材によって占有されている占有領域を推定するサーバ装置3であって、配置領域は、対象物を配置可能な領域であり、占有領域は、配置領域内の少なくとも一部の領域であり、サーバ装置3は、対象物が配置されている配置領域を所定方向から撮影した画像である配置領域撮影画像を取得する取得部331と、取得部331に取得された配置領域撮影画像に基づいて、配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、占有領域を推定する推定部332と、を備え、推定部332は、少なくとも配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、占有領域として推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置領域内に配置された対象物によって占有されている占有領域を推定する推定システムであって、
前記配置領域は、前記対象物を配置可能な領域であり、
前記占有領域は、前記配置領域内の少なくとも一部の領域であり、
前記推定システムは、
前記対象物が配置されている前記配置領域を所定方向から撮影した画像である配置領域撮影画像を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に基づいて、前記配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、前記占有領域を推定する推定手段と、を備え、
前記推定手段は、
少なくとも前記配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、前記占有領域として推定する、
推定システム。
【請求項2】
前記基準軸は、相互に直交する第1基準軸及び第2基準軸を有しており、
前記推定手段は、少なくとも、前記第1基準軸に平行な方向に沿っている第1基準側辺と、前記第2基準軸に平行な方向に沿っている第2基準側辺とによって定まる領域を、前記占有領域として推定する、
請求項1に記載の推定システム。
【請求項3】
前記配置領域は、前記対象物が載置される床面における領域であり、
前記推定手段は、
前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に写っている前記床面の画像である床面画像と、前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に写っている前記対象物の画像である対象物画像との境界線であって、前記対象物が前記床面に接触する側における前記境界線を特定する第1処理と、
前記第1処理で特定した前記境界線に対応する前記配置領域図面上の線である境界対応線と、前記基準側辺とによって定まる領域を、前記占有領域として推定する第2処理と、を行う、
請求項1又は2に記載の推定システム。
【請求項4】
前記推定手段は、
前記基準側辺の長さを、所定の基準長さの倍数に対応する長さとして、前記占有領域を推定する、
請求項1又は2に記載の推定システム。
【請求項5】
配置領域内に配置された対象物によって占有されている占有領域を推定する推定プログラムであって、
前記配置領域は、前記対象物を配置可能な領域であり、
前記占有領域は、前記配置領域内の少なくとも一部の領域であり、
前記推定プログラムは、
コンピュータを、
前記対象物が配置されている前記配置領域を所定方向から撮影した画像である配置領域撮影画像を取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に基づいて、前記配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、前記占有領域を推定する推定手段と、として機能させ、
前記推定手段は、
少なくとも前記配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、前記占有領域として推定する、
推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定システム、及び推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、領域を配置する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-28597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対象物(例えば、建設関連の資材等)を配置可能な領域において、対象物によって占有されている占有領域を把握するための技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、占有領域を把握することが可能となる推定システム及び推定プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の推定システムは、配置領域内に配置された対象物によって占有されている占有領域を推定する推定システムであって、前記配置領域は、前記対象物を配置可能な領域であり、前記占有領域は、前記配置領域内の少なくとも一部の領域であり、前記推定システムは、前記対象物が配置されている前記配置領域を所定方向から撮影した画像である配置領域撮影画像を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に基づいて、前記配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、前記占有領域を推定する推定手段と、を備え、前記推定手段は、少なくとも前記配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、前記占有領域として推定する。
【0007】
請求項2に記載の推定システムは、請求項1に記載の推定システムにおいて、前記基準軸は、相互に直交する第1基準軸及び第2基準軸を有しており、前記推定手段は、少なくとも、前記第1基準軸に平行な方向に沿っている第1基準側辺と、前記第2基準軸に平行な方向に沿っている第2基準側辺とによって定まる領域を、前記占有領域として推定する。
【0008】
請求項3に記載の推定システムは、請求項1又は2に記載の推定システムにおいて、前記配置領域は、前記対象物が載置される床面における領域であり、前記推定手段は、前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に写っている前記床面の画像である床面画像と、前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に写っている前記対象物の画像である対象物画像との境界線であって、前記対象物が前記床面に接触する側における前記境界線を特定する第1処理と、前記第1処理で特定した前記境界線に対応する前記配置領域図面上の線である境界対応線と、前記基準側辺とによって定まる領域を、前記占有領域として推定する第2処理と、を行う。
【0009】
請求項4に記載の推定システムは、請求項1又は2に記載の推定システムにおいて、前記推定手段は、前記基準側辺の長さを、所定の基準長さの倍数に対応する長さとして、前記占有領域を推定する。
【0010】
請求項5に記載の推定プログラムは、配置領域内に配置された対象物によって占有されている占有領域を推定する推定プログラムであって、前記配置領域は、前記対象物を配置可能な領域であり、前記占有領域は、前記配置領域内の少なくとも一部の領域であり、前記推定プログラムは、コンピュータを、前記対象物が配置されている前記配置領域を所定方向から撮影した画像である配置領域撮影画像を取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記配置領域撮影画像に基づいて、前記配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、前記占有領域を推定する推定手段と、として機能させ、前記推定手段は、少なくとも前記配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、前記占有領域として推定する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の推定システム、及び請求項5に記載の推定プログラムによれば、配置領域撮影画像に基づいて、配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、占有領域を推定することにより、例えば、占有領域を把握することが可能となる。また、少なくとも配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、占有領域として推定することにより、例えば、基準軸を基準にして占有領域を推定することができるので、所定の基準に沿った領域を占有領域と推定することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の推定システムによれば、第1基準軸に平行な方向に沿っている第1基準側辺と、第2基準軸に平行な方向に沿っている第2基準側辺とによって定まる領域を、占有領域として推定することにより、例えば、2個の基準軸を基準にして占有領域を推定することができるので、占有領域の推定精度を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の推定システムによれば、配置領域撮影画像に写っている前記配置領域撮影画像に写っている対象物画像との境界線であって、対象物が床面に接触する側における境界線を特定する第1処理と、第1処理で特定した境界線に対応する配置領域図面上の線である境界対応線と、基準側辺とによって定まる領域を、占有領域として推定する第2処理とを行うことにより、例えば、境界対応線及び基準側辺を考慮して占有領域を推定することができるので、占有領域の推定精度を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の推定システムによれば、基準側辺の長さを、所定の基準長さの倍数に対応する長さとして、占有領域を推定することにより、例えば、所定の基準長さを反映した占有領域を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
図2】資材置き場を示す斜視図である。
図3】資材置き場を示す平面図である。
図4】配置領域撮影画像を例示した図である。
図5】下図画像を例示した図である。
図6】予約関連情報を例示した図である。
図7】下図画像を例示した図である。
図8】配置領域撮影画像を例示した図である。
図9】下図画像を例示した図である。
図10】推定処理のフローチャートである。
図11】撮影側接触線特定処理のフローチャートである。
図12】撮影側接触線特定処理の説明図である。
図13】撮影側接触線特定処理の説明図である。
図14】撮影側接触線特定処理の説明である。
図15】占有領域推定処理のフローチャートである。
図16】占有領域推定処理の説明図である。
図17】占有領域推定処理の説明図である。
図18】占有領域推定処理の説明図である。
図19】占有領域推定処理の説明図である。
図20】占有領域推定処理の説明図である。
図21】占有領域推定処理の説明図である。
図22】下図画像を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る推定システム及び推定プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、推定システム及び推定プログラムに関する。本発明に係る推定システムは、配置領域内に配置された対象物によって占有されている占有領域を推定するシステムである。
【0018】
「配置領域」とは、対象物を載置して当該対象物を配置可能な領域であり、例えば、予め定められている所定の領域等を含む概念である。「配置領域」とは、例えば、工事現場又は建設現場等の資材置き場の床面における領域、あるいは、その他の領域(一例としては、駐車場等)を含む概念である。
【0019】
「対象物」とは、配置領域に配置される(つまり、置かれる)物を示す概念であり、具体的には、一時的に配置される物、及び永続的に配置される物等を含む概念である。「対象物」とは、例えば、資材、資材以外の任意の物(一例としては、車両等)を含む概念である。
【0020】
「資材」とは、例えば、物を作るための材料に加えて、物を作るための作業に用いられる材料以外の任意の物等を含む概念である。「資材」とは、例えば、建物を建設するための部材(柱部材、梁部材、壁部材(壁の一部を形成する部材)又は他の部材等)を含む概念である。なお、「資材」は、例えば、建物を建設するための部材に限らず、建物を作るための作業に用いられる他の任意の物(足場部材、仮囲い部材等)を含む概念であるもの解釈してもよい。
【0021】
「占有領域」とは、配置領域内に配置された対象物によって占有されている領域であり、例えば、対象物が置かれている配置領域内の少なくとも一部の領域を示す概念である。
【0022】
そして、以下の実施の形態においては、建設現場の資材置き場に対して推定システムを適用する場合について説明する。すなわち、例えば、「配置領域」が資材置き場の床面における領域であり、「対象物」が建築物を建設するための資材である場合を例示して説明する。
【0023】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
(構成)
まず、図1は、本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図であり、また、図2は、資材置き場を示す斜視図であり、図3は、資材置き場を示す平面図である。
【0025】
なお、図2及び図3においては、資材90が配置された状態が図示されており、また、撮影装置1の撮影方向(撮影する方向)が、説明の便宜上、矢印で図示されている。
【0026】
資材90は、対象物であり、例えば、建物を建設するための部材である。
【0027】
本実施の形態では、図2及び図3に示すように、床面91の一部の周囲に壁92、93が設けられている資材置き場において、資材90が配置される場合を適宜例示して説明する。
【0028】
図1の情報処理システム100は、推定システムを含むシステムであり、例えば、撮影装置1、端末装置2、及びサーバ装置3を備える。なお、情報処理システム100においては、撮影装置1及び端末装置2の個数は任意であるが、図示されているものに着目して説明する。
【0029】
(構成‐撮影装置)
撮影装置1は、資材置き場(つまり、床面91等)を所定方向から撮影する装置であり、具体的には、資材置き場の所定位置に設けられており、配置領域撮影画像を撮影する装置である。
【0030】
図4は、配置領域撮影画像を例示した図である。「配置領域撮影画像」とは、撮影装置1によって撮影された画像であり、例えば、資材置き場の床面91等を所定方向から撮影した画像である。図4の例では、配置領域撮影画像には、資材画像G90(図2の資材90の画像)(対象物画像)、床面画像G91(図2の床面91の画像)、壁画像G92(図2の壁92の画像)、及び壁画像G93(図2の壁93の画像)が写っている。
【0031】
図2及び図3の撮影装置1は、例えば、資材置き場の床面91(図2)を斜め上方から撮影可能となるように、天井又は支持棒(撮影装置1を支持する棒部材)等に固定されている。
【0032】
ここでは、例えば、資材置き場を効率的に利用する観点から、各資材(資材90を含む建物を建設するための部材)については、平面視(図3参照)において、各資材の長辺方向が壁93に対して平行になるように配置する運用となっていることとする。そして、撮影装置1は、図3に示す通り、撮影方向が壁93に対して斜め方向(平行方向及び直角方向以外の方向)となるように設けられている。
【0033】
このように設けることにより、床面91に配置された各資材を、撮影装置1を用いて、斜め上方から撮影可能となり、例えば、図2に示すように床面91に資材90が置かれた場合に、図4の配置領域撮影画像を撮影することが可能となる。
【0034】
撮影装置1としては、例えば、サーバ装置3との間で有線通信又は無線通信を行うことが可能となる任意のカメラ装置(一例としては、WEBカメラ等)を用いることができる。
【0035】
(構成‐端末装置)
図1の端末装置2は、ユーザによって利用される装置であり、例えば、タブレット端末であり、一例としては、通信部21、タッチパッド22、ディスプレイ23、記録部24、及び制御部25を備える。
【0036】
通信部21は、外部機器(例えば、サーバ装置3)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド22は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ23は、各種の画像を表示する画像表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド22と当該ディスプレイ23とがタッチパネルとして一体形成されている。記録部24は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部25は、端末装置2を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0037】
なお、端末装置2としては、例えば、タブレット端末以外の任意の装置(スマートフォン、パーソナルコンピュータ等)を用いてもよい。
【0038】
(構成‐サーバ装置)
図1のサーバ装置3は、推定システムであり、例えば、通信部31、記録部32、及び制御部33を備える。
【0039】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部31は、外部機器(例えば、撮影装置1、及び端末装置2)との間で通信を行う通信手段である。
【0040】
(構成‐情報処理システム-サーバ装置-記録部)
図1の記録部32は、サーバ装置3の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部32は、例えば、下図画像情報データベース321(以下、データベースを「DB」と称する)、及び予約関連情報DB322を備える。
【0041】
(構成‐サーバ装置-記録部-下図関連情報DB)
図1の下図画像情報DB321は、下図画像情報を格納する下図情報格納手段である。
【0042】
図5は、下図画像を例示した図である。「下図画像情報」とは、配置領域である資材置き場の平面図を表示する画像を示す情報である。この下図画像情報としては、例えば、図3の資材置き場の平面図を表示する下図画像情報として、図5の下図画像を示す情報等が下図画像情報DB321に格納されている。
【0043】
図5の下図画像には、床面画像Ga91(図3の床面91を表示する画像)、壁画像Ga92(図3の壁92を表示する画像)、及び壁画像Ga93(図3の壁93を表示する画像)が含まれている。なお、下図画像に表示される配置領域の平面図が「配置領域図面」に相当するものと解釈してもよい。
【0044】
下図画像情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、図2及び図3の資材置き場を示す情報を含むCAD図面情報に基づいて生成して格納してもよいし、あるいは、紙面に描かれた平面図をスキャナ等で読み込んで、当該読み込まれた平面図のスキャンデータを格納してもよい。
【0045】
(構成‐サーバ装置-記録部-予約関連情報DB)
図1の予約関連情報DB322は、予約関連情報を格納する格納手段である。
【0046】
図6は、予約関連情報を例示した図であり、図7は、下図画像を例示した図である。「予約関連情報」とは、配置領域における予約の状況を示す予約状況情報である。ここで、例えば、資材置き場については、適切に運用する観点から、基本的には予約して利用する運用となっていることとする。図6の予約関連情報は、例えば、資材置き場内の領域の予約情報を示す情報であり、一例としては、図6に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0047】
項目「予約ID」の情報は、予約関連情報を一意に識別する予約IDである(図6では、「ID901」等)。項目「予約会社情報」の情報は、予約したユーザ(例えば、実作業を行う協力会社の職長等)が所属する会社を示す予約会社情報である(図6では、「A建設」等)。
【0048】
項目「位置特定情報」の情報は、予約されている領域を特定するための位置特定情報である。図6では、図7の予約済領域表示画像G8が示す領域を特定する情報として、「Ar1」等(便宜上の記載)が格納されている。なお、「予約済領域表示画像」G8とは、配置領域内で予約済となっている予約済領域を示す画像である。
【0049】
項目「予約期間情報」の情報は、予約されている期間を示す予約期間情報である(図6では、予約開始日である2021年1月3日から予約終了日である2021年1月12日までの予約期間を示す「2021年1月3日-2021年1月12日」等)。
【0050】
そして、このような図6の予約関連情報の最上段の情報については、例えば、「ID901」が識別する予約関連情報において、「A建設」が「Ar1」が示す領域(つまり、図7の予約済領域表示画像G8に対応する領域)を、2021年1月3日から2021年1月12日までの期間予約していることが示されている。
【0051】
なお、この予約関連情報については、例えば、ユーザが情報を入力した場合に、当該情報に基づいて格納される。
【0052】
(構成‐サーバ装置-制御部)
図1の制御部33は、サーバ装置3を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。
【0053】
制御部33は、機能概念的には、例えば、取得部331、及び推定部332を備える。
【0054】
(構成‐サーバ装置-制御部-取得部)
図1の取得部331は、対象物が配置されている配置領域を所定方向から撮影した画像である配置領域撮影画像を取得する取得手段である。
【0055】
(構成‐サーバ装置-制御部-推定部)
図1の推定部332は、取得手段に取得された配置領域撮影画像に基づいて、配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、占有領域を推定する推定手段であり、具体的には、少なくとも配置領域図面に設定されている基準軸を基準とした方向に沿っている基準側辺によって定まる領域を、占有領域として推定する手段である。なお、「基準軸」、及び「基準側辺」については、後述する。
【0056】
また、推定部332は、例えば、少なくとも、第1基準軸に平行な方向に沿っている第1基準側辺と、第2基準軸に平行な方向に沿っている第2基準側辺とによって定まる領域を、占有領域として推定する手段である。なお、「第1基準軸」、「第1基準側辺」、「第2基準軸」、及び「第2基準側辺」については、後述する。
【0057】
また、推定部332は、例えば、取得手段に取得された配置領域撮影画像に写っている床面の画像である床面画像と、取得手段に取得された配置領域撮影画像に写っている対象物の画像である対象物画像との境界線であって、対象物が前記床面に接触する側における境界線を特定する第1処理と、第1処理で特定した境界線に対応する配置領域図面上の線である境界対応線と、基準側辺とによって定まる領域を、占有領域として推定する第2処理と、を行う。なお、「境界線」、及び「境界対応線」については、後述する。
【0058】
また、推定部332は、基準側辺の長さを、所定の基準長さの倍数に対応する長さとして、占有領域を推定する。なお、「所定の基準長さ」については、後述する。なお、制御部33の各部によって行われる処理については、後述する。
【0059】
(各基準軸)
続いて、各基準軸について説明する。図8は、配置領域撮影画像を例示した図であり、図9は、下図画像を例示した図である。これら各図には、設定されている各基準軸が説明の便宜上矢印で図示されている。なお、以下に示す各図でも、各基準軸について、説明の便宜上、適宜矢印にて図示して説明する。なお、図8においては、図2の資材90が資材置き場に配置されていない場合に撮影装置1によって撮影された配置領域画像が図示されているので、図4の資材画像G90が写っていない状態が図示されている。
【0060】
(各基準軸-定義)
図8の撮影側第1基準軸X1及び撮影側第2基準軸Y1は、配置領域撮影画像に設定されている軸であり、例えば、配置領域撮影画像内の各位置等を特定する基準となる軸である。
【0061】
図9の下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2は、下図画像に表示される配置領域の平面図(以下、単に「配置領域の平面図」とも称する)に設定されている軸(基準軸)であり、例えば、配置領域の平面図内の各位置等を特定する基準となる軸である。
【0062】
この下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2は、例えば、相互に直交する軸である。図9の下図側第1基準軸X2は、図8の撮影側第1基準軸X1に対応しており(関連付けられており)、また、下図側第2基準軸Y2は、図8の撮影側第2基準軸Y1に対応している(関連付けられている)。
【0063】
なお、下図側第1基準軸X2又は下図側第2基準軸Y2の内の一方の軸が「第1基準軸」に相当し、他方の軸が「第2基準軸」に相当するものと解釈してもよい。
【0064】
(各基準軸-各軸の設定手法)
上述の各軸の設定手法は任意であるが、例えば、以下に示す設定手法にて設定してもよい。
【0065】
ここでは、例えば、図2及び図3の撮影装置1の設置位置及び撮影方向が固定されており、資材置き場を、例えば図4に示す配置領域撮影画像の如く撮影するように構成されている場合について説明する。つまり、異なるタイミングに撮影された配置領域撮影画像に関して、資材画像G90の構成(位置、形状、及び大きさ等)は、図2の資材置き場に配置される資材90の構成(位置、形状、及び大きさ等)に応じて異なるものが写る可能性がある一方で、撮影装置1の設置位置及び撮影方向が固定されているので、床面画像G91、壁画像G92、G93については、同じものが写ることになる。
【0066】
===第1ステップ===
第1ステップでは、管理者が、自己の端末装置(端末装置2等)を介して、図9の配置領域の平面図中の下図側基準点P2の位置を示す情報、下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2を示す情報をサーバ装置3に入力する。
【0067】
下図側基準点P2とは、下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2の基準となる点(各軸が交差する例えば原点)である。この下図側基準点P2の位置は任意であるが、例えば、図2の資材置き場の床面91に対して下図基準点P2を設定するための目印(例えば、所定径の目印用のシール又はその他の物等)(不図示)が設けられていることとし、当該目印の位置に対応する下図画像の床面画像Ga91上の位置を示す情報を、下図側基準点P2の位置を示す情報として入力してもよい。
【0068】
また、下図側第1基準軸X2については、下図側基準点P2を通り、且つ、壁画像Ga93が表示する壁が延在する方向(図9の例では、図面左右方向)に平行となる軸を示す情報を入力する。このように構成することにより、前述したように、平面視(図3参照)において、各資材の長辺方向が壁93に対して平行になるように配置する運用となっている場合において、各資材を配置する基準となる壁93が延在する方向と平行な方向に沿って下図側第1基準軸X2を設定することが可能となるので、当該運用に沿って各処理を行うことが可能となる。
【0069】
また、下図側第2基準軸Y2については、下図側基準点P2を通り、且つ、前述の下図側第1基準軸X2に直交する方向(図9の例では、図面上下方向)に沿った軸を示す情報を入力する。
【0070】
===第2ステップ===
第2ステップでは、管理者が、自己の端末装置(端末装置2等)を介して、図8の配置領域撮影画像中の撮影側基準点P1の位置を示す情報、撮影側第1基準軸X1及び撮影側第2基準軸Y1を示す情報をサーバ装置3に入力する。
【0071】
撮影側基準点P1とは、撮影側第1基準軸X1及び撮影側第2基準軸Y1の基準となる点(各軸が交差する例えば原点)であり、図9の下図側基準点P2に対応する位置を示す点である。ここでは、例えば、図2の資材置き場の床面91に対して前述の不図示の目印が設けられている場合、この目印が配置領域撮影画像に写ることになるので、当該写っている目印の画像の位置を示す情報を、撮影側基準点P1の位置を示す情報として入力してもよい。
【0072】
また、撮影側第1基準軸X1については、撮影側基準点P1を通り、且つ、壁画像G93が表示する壁が延在する方向に平行となる軸を示す情報を入力する。
【0073】
また、撮影側第2基準軸Y1については、撮影側基準点P1を通り、且つ、壁画像G93が表示する壁が延在する方向に対して直交する方向に沿った軸を示す情報を入力する。なお、ここでは、配置領域撮影画像については、資材置き場の床面91(図2)を斜め上方から撮影していることを考慮して、図9の下図側第1基準軸X2の方向を、図8の配置領域撮影画像に反映した場合の方向を示す情報を入力することとする。
【0074】
===第3ステップ===
第3ステップでは、サーバ装置3の制御部33は、第1ステップ及び第2ステップで入力された各情報を取得し、取得した各情報に基づいて、図配置領域撮影画像に対して撮影側第1基準軸X1及び撮影側第2基準軸Y1(図8)を設定し、また、配置領域の平面図に対して下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2を設定することとする。
【0075】
そして、サーバ装置3の制御部33は、設定した各軸を示す情報を記録部32に記録し、当該記録された情報に基づいて、配置領域撮影画像及び配置領域の平面図において各軸を基準にして処理することが可能となる。
【0076】
なお、バリエーションとしては、図2及び図3の撮影装置1の設置位置及び撮影方向が固定されていることに着目して、サーバ装置3が自動で各軸を設定するように構成してもよい。
【0077】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム100によって実行される推定処理について説明する。
【0078】
図10は、推定処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。推定処理は、配置領域撮影画像に基づいて、配置領域を示す平面図である配置領域図面上において占有領域を推定する処理であり、概略的には、サーバ装置3によって実行される処理である。この推定処理の実行タイミングは任意であるが、例えば、所定時間間隔(例えば、10秒~60秒等間隔)毎に繰り返し実行されることとし、当該処理が起動したところから説明する。
【0079】
ここでは、例えば、図2及び図3に示す資材90が、資材置き場の床面91に載置されて配置された場合における、当該資材90によって占有されている領域を推定する場合を適宜例示して説明する。
【0080】
===SA1===
図10のSA1において取得部331は、配置領域撮影画像を取得する。具体的には任意であるが、例えば、サーバ装置3の取得部331は、撮影装置1に対して配置領域撮影画像を要求する画像要求信号を送信する。一方、撮影装置1は、画像要求信号を受信した場合に、資材置き場の撮影を行うことにより配置領域撮影画像を取得して、取得した配置領域撮影画像をサーバ装置3に送信する。一方、サーバ装置3の取得部331は、撮影装置1から送信された配置領域撮影画像を取得する。
【0081】
ここでは、例えば、取得部331は、図4の配置領域撮影画像を取得する。
【0082】
===SA2===
図10のSA2において推定部332は、SA1で取得した配置領域撮影画像において、対象物を検知する。具体的には任意であるが、例えば、資材90が配置されていない場合の配置領域撮影画像(例えば図8)を基準画像として記録しておき、当該基準画像とSA1で取得した配置領域撮影画像とを比較して、比較結果に基づいて検知してもよい。例えば、床面画像G91に対応する位置の画像の色が変化に基づいて検知してもよい。また、例えば、教師データ有りの機械学習を行って生成された対象物検知用のモデルを用いて検知してもよい。
【0083】
ここでは、例えば、図2及び図3に示す資材90が、資材置き場の床面91に配置されて、図4に示すように、配置領域撮影画像に資材画像G90が写っており、基準画像を対して床面画像G91に対応する位置の画像の色が変化しているので、資材90である対象物を検知する。
【0084】
===SA3===
図10のSA3において推定部332は、SA1で取得した配置領域撮影画像に関して、撮影側接触線特定処理を行う。図11は、撮影側接触線特定処理のフローチャートである。撮影側接触線特定処理は、撮影側接触線を特定する処理である。
【0085】
「撮影側接触線」とは、配置領域撮影画像に写っている床面画像と対象物画像との境界線の内の、対象物が床面に接触する側の一部の境界線を示す概念である。
【0086】
「対象物が床面に接触する側」とは、例えば図4のように、図2の資材置き場の垂直方向の下側が、配置領域撮影画像における下側(図4の図面下側)に対応する場合、当該下側を示す概念である。
【0087】
また、「対象物が床面に接触する側の一部の境界線」とは、例えば、図2の資材90における床面91と対向して接触している部分に対応する配置領域撮影画像上の境界線を示す概念である。なお、資材90における図2の図面手前側の底面の一部が床面91から僅かな間隙を介して浮いている形状(つまり、資材90の底面の一部が上側に向かって窪んでおり、床面91に非接触となっている形状等)となっている場合、「対象物が床面に接触する側の一部の境界線」とは、例えば、床面91と対向している非接触となっている部分に対応する配置領域撮影画像上の境界線を含む概念であるものと解釈してもよい。
【0088】
図12図13は、撮影側接触線特定処理の説明図である。なお、この図12図13には、比較的単純な形状の資材画像が写っている場合の配置領域撮影画像が例示されている。図12(a)に示すように、立方体形状に近い形状の資材を示す資材画像G901及び床面画像G911を含む配置領域撮影画像を例示して処理の全体を説明し、図13の他の配置領域撮影画像について処理した場合、及び、図4の配置領域撮影画像について処理した場合についても概要を説明する。
【0089】
===SB1===
図11のSB1において推定部332は、SA1で取得した配置領域撮影画像において、資材画像の輪郭線を特定する。「輪郭線」とは、資材画像を形づくっている線であり、例えば、資材画像と背景画像との全体の境界を示す線である。輪郭線の特定手法は任意であり、例えば、図10のSA2の場合と同様な手法(基準画像とSA1で取得した配置領域撮影画像とを比較して特定する手法や、機械学習を行って生成されたモデルを用いて特定する手法等)を用いてもよい。
【0090】
ここでは、例えば、図12(a)の配置領域撮影画像において、図12(b)に示すように、輪郭線401を特定する。
【0091】
===SB2===
図11のSB2において推定部332は、SA1で取得した配置領域撮影画像において、2本の補助線を特定する。「2本の補助線」とは、SB1で特定した輪郭線の内の水平方向における外縁を特定するための線を示す概念である。「2本の補助線」とは、例えば、配置領域撮影画像において垂直方向に延在し、且つ、SB1で特定した輪郭線に接触し、且つ、相互間の水平方向の幅が最大となる2本の直線を示す概念である。
【0092】
「配置領域撮影画像において垂直方向」とは、配置領域撮影画像が撮影された資材置き場の垂直方向を表示する配置領域撮影画像内の方向を示す概念であり、図12(a)のように、図面上下方向が配置領域撮影画像が撮影された資材置き場の垂直方向を表示する場合、当該図面上下方向を示すことになる。なお、「水平方向」とは、当該垂直方向に対して直交する方向を示す概念である。
【0093】
ここでは、例えば、図12(b)の輪郭線401等に基づいて、図12(c)に示すように、2本の補助線402を特定する。なお、この2本の補助線402の水平方向の幅Wは最大となっている。
【0094】
===SB3===
図11のSB3において推定部332は、SA1で取得した配置領域撮影画像において、下部交点を特定する。「下部交点」とは、撮影側接触線の端部を示す点であり、例えば、SB1で特定した輪郭線とSB2で特定した補助線とが相互に交わる部分の内の、最も下側に存在する部分に対応する点を示す概念である。なお、ここでの「下側」とは、前述の「対象物が床面に接触する側」を示す概念である。
【0095】
ここでは、例えば、図12(c)の輪郭線401及び補助線402に基づいて、図12(d)に示すように、2個の下部交点403を特定する。
【0096】
===SB4===
図11のSB4において推定部332は、SA1で取得した配置領域撮影画像において、撮影側接触線を特定する。具体的には、SB1で特定した輪郭線の内の、SB3で特定した2個の下部交点を結ぶ線に対応する一部(対象物が床面に接触する側の一部)を、撮影側接触線として特定する。なお、「2個の下部交点を結ぶ線」とは、例えば、2個の下部交点を各々端部とした線を示す概念である。
【0097】
ここでは、例えば、図12(d)の輪郭線401及び下部交点403に基づいて、図12(e)に示すように、輪郭線401の内の2個の下部交点403を結ぶ線に対応する一部である、図面下側の2個の線分から成る撮影側接触線411を特定する。これにて、撮影側接触線特定処理をリターンする。
【0098】
===他の配置領域撮影画像の処理例===
図13(a)~(d)に示すように、資材画像G902~G905及び床面画像G912~G915が写っている配置領域撮影画像について、図11の撮影側接触線特定処理を行った場合、SB4において、各図に示す撮影側接触線412~415を特定することになる。
【0099】
===図4の配置領域撮影画像の処理例===
図14は、撮影側接触線特定処理の説明である。図14においては、図4の配置領域撮影画像の資材画像G90の内の、特定した撮影側接触線41が実線で図示されており、他の部分が破線で図示されている。
【0100】
図4の配置領域撮影画像について、図11の撮影側接触線特定処理を行った場合、SB4において、図14の撮影側接触線41を特定することになる。
【0101】
===SA3===
図10のSA4において推定部332は、SA1~SA3の処理結果に基づいて、占有領域推定処理を行う。図15は、占有領域推定処理のフローチャートであり、図16図21は、占有領域推定処理の説明図である。占有領域推定処理は、配置領域図面上において占有領域を推定する処理である。
【0102】
===SC1===
図15のSC1において推定部332は、下図側接触線を特定する。
【0103】
「下図側接触線」とは、境界対応線であり、具体的には、SA3で特定した撮影側接触線に対応する配置領域図面上の線である。
【0104】
SC1の処理について具体的には、図1の下図画像情報DB321に格納されている下図画像情報が示す配置領域の平面図において、SA3で特定した撮影側接触線に対応する線を、下図側接触線を特定する。
【0105】
下図側接触線の具体的な特定手法は任意であるが、例えば、配置領域撮影画像(図8)及び配置領域の平面図(図9)の各々に相互に関連付けられている軸が設定されているので、当該軸を基準とした座標等に基づいて、配置領域撮影画像中の位置に対応する(関連付けられている)配置領域の平面図中の位置を特定可能である点に着目して、特定する手法を用いることとする。
【0106】
ここでは、例えば、図9の下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2を基準とした座標系の座標と、図14の影側第1基準軸X1及び撮影側第2基準軸Y1を基準とした座標系の座標(前述の図9の座標に関連付けられている座標)を用いて、SA3で特定した図14の撮影側接触線41に対応する図9の配置領域の平面図中の線である、図16の下図側接触線51を特定する。なお、図16では、説明の便宜上、図9の下図画像の一部が拡大された状態で図示されている。
【0107】
<<占有領域について>>
図16の下図側接触線51は、図14の撮影側接触線41に対応しているので、図2の資材90の撮影装置1と対向している正面側(撮影した画像に写る側)における、床面91と接触している接触底辺90a(図2)を、配置領域の平面図にて示しているものとして、占有領域を定めるための一部の線と取り扱うことができる。
【0108】
一方で、図2の資材90における正面側とは反対である背面側(撮影した画像に写らない側)の一部は、配置領域撮影画像に写らないので、当該一部に対応する占有領域を定めるための他の一部の線(背面側の境界線)については、サーバ装置3が推定して定める必要がある。本実施の形態では、資材の配置に関する運用(例えば、各資材の長辺方向が壁93に対して平行になるように配置する運用)と、建築物を建設するための資材の実情(例えば、資材置き場に配置された場合の平面視の形状が、基本的には矩形又は矩形に近い形状となることが多く、当該平面視の形状の縦方向及び横方向の寸法各々が300mmの倍数となることが多い実情)を考慮して、SC2以降の処理を行うことにより、前述の他の一部の線を定めて占有領域を推定する。
【0109】
===SC2===
図15のSC2において推定部332は、配置領域の平面図において、SC1で特定した下図側接触線に関するバウンディングボックスを特定する。
【0110】
「バウンディングボックス」とは、下図側接触線の全部を包含する矩形領域の外形(境界線)を示す線図であり、例えば、下図側第1基準軸X2に平行な2辺、及び、下図側第2基準軸Y2に平行な2辺から成る線図である。「バウンディングボックス」とは、例えば、矩形領域の面積が最小となるように構成されているために、下図側接触線の少なくとも一部がバウンディングボックスに接することになる。
【0111】
ここでは、例えば、SC1で特定した下図側接触線51に関して、図17に示すように、下図側第1基準軸X2に平行な辺61a、61b、及び下図側第2基準軸Y2に平行な辺61c、61dから成るバウンディングボックス61を特定する。なお、この場合、下図側接触線51の全部は、バウンディングボックス61に包含されており、例えば、辺61b、61c、61dに接することになる。
【0112】
===SC3===
図15のSC3において推定部332は、配置領域の平面図において、SC2で特定したバウンディングボックスに基づいて、占有領域を推定する。
【0113】
占有領域の推定手法の内容としては、SC1で特定した下図側接触線と、SC2で特定したバウンディングボックスにおける、下図側接触線の背面側の頂点(図17の例では、図3の撮影装置1と対向している正面側の反対である背面側に対応する側の背面側頂点611)で交わる2個の辺(図17の例では、辺61a、61c)とに基づいて定まる領域を占有領域として推定する限りにおいて任意であるが、例えば、以下の各ステップの処理を行うように構成してもよい。
【0114】
=第1ステップ=
第1ステップでは、図18に示すように、下図側接触線の背面側の背面側頂点611で交わる辺61a、61cと、下図側接触線51とが相互に接触して交わっている部分として、第1端部点612、第2端部点613を特定する。
【0115】
=第2ステップ=
第2ステップでは、図18に示すように、辺61a上における背面側頂点611から第1端部点612までの第1線分71の長さと、辺61c上における背面側頂点611から第2端部点613までの第2線分72の長さとを特定する。
【0116】
具体的な特定手法は任意であるが、例えば、下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2を基準とした座標系の座標における「1」が、実際の資材置き場(図3)の「1mm」に対応するように設定されていることとし、当該座標を用いて実際の資材置き場の寸法に対応する長さを特定する場合について説明する。
【0117】
ここでは、例えば、図18において、第1線分71の長さとして「1697」(単位はmmであり、省略する。以下同様)を特定し、第2線分72の長さとして「755」を特定した場合について説明する。
【0118】
この場合、前述の資材の実情(例えば、縦方向及び横方向の寸法各々が300mmの倍数となることが多い実情)を考慮した場合、「1697」及び「755」が300の倍数となっていないので、より実情に則した占有領域を推定する観点から、長さを切り上げた線分を特定するために以下の処理を行う。
【0119】
=第3ステップ=
第3ステップでは、第2ステップで特定した第1線分71、第2線分72の長さに関して、切り上げられた長さを特定する。
【0120】
「切り上げられた長さ」とは、所定の基準長さの倍数に対応する長さであり、占有領域を定める線の長さであり、具体的には、第2ステップで特定した第1線分71、第2線分72の長さよりも長い長さ(つまり、切り上げ前の長さよりも長い長さ)である。「所定の基準長さ」とは、予め定められた任意の長さであるが、本実施の形態では、前述の資材の実情を考慮して、「300」の半分の長さに対応する「150」が所定の基準長さに設定されていることとする。
【0121】
ここでは、例えば、第2ステップで特定した第1線分71の切り上げられた長さとして「1697」よりも長い「150」の倍数の長さの内の「1697」に最も近い「1800」を特定する。また、例えば、第2ステップで特定した第2線分72の切り上げられた長さとして「755」よりも長い「150」の倍数の長さの内の「755」に最も近い「900」を特定する。
【0122】
=第4ステップ=
第4ステップでは、第3ステップで切り上げられた長さの線分を特定する。
【0123】
ここでは、例えば、図19に示すように、第1端部点612を、下図側第2基準軸Y2に平行な方向においてバウンディングボックス61の正面側頂点610(図3の撮影装置1と対向している正面側に対応する側の頂点)から遠ざかる向きに「145」(前述の「900」及び「755」の差分の長さ)分だけ移動させた移動後第1端部点615を特定する。
【0124】
次に、図19に示すように、第2端部点613を、下図側第1基準軸X2に平行な方向においてバウンディングボックス61の正面側頂点610から遠ざかる向き「103」(前述の「1800」及び「1697」の差分の長さ)分だけ移動させた移動後第2端部点616を特定する。
【0125】
次に、図19に示すように、移動後第1端部点615から下図側第1基準軸X2に平行な方向に沿って延ばした直線と、移動後第2端部点616から下図側第2基準軸Y2に平行な方向に沿って延ばした直線との交点を移動後背面側頂点614として特定する。
【0126】
そして、図19に示すように、移動後背面側頂点614から移動後第1端部点615に至る線分である延長後第1線分73(下図側第1基準軸X2に平行)と、移動後背面側頂点614から移動後第1端部点615に至る線分である延長後第2線分74(下図側第2基準軸Y2に平行)とを、第3ステップで切り上げられた長さの線分として特定する。
【0127】
=第5ステップ=
第5ステップでは、上述の各ステップの処理結果に基づいて、配置領域の平面図において、占有領域を推定する。
【0128】
ここでは、例えば、図20に示すように、第1端部点612と移動後第1端部点615との間を直線補間する線分である第1補間線分511と、第2端部点613と移動後第2端部点616との間を直線補間する線分である第2補間線分512と、図15のSC1で特定した下図側接触線51と、第4ステップで特定した延長後第1線分73及び延長後第2線分74とによって囲まれた領域(図20のハッチングが付された領域)を占有領域として推定する。このようにして、図21に示すように、配置領域の平面図において、占有領域表示画像G7が示す領域を占有領域として推定することになる。
【0129】
なお、図20の延長後第1線分73及び延長後第2線分74は、占有領域を定める線分であり、且つ、下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2に沿っている線分であるので、「基準側辺」に相当するものと解釈してもよい。また、延長後第1線分73又は延長後第2線分74の一方の線分が「第1基準側辺」に相当し、他方の線分が「第2基準側辺」に相当するものと解釈してもよい。
【0130】
=バリエーションの処理=
第2ステップで特定した図18の第1線分71又は第2線分72の長さが300の倍数である場合の処理は任意であるが、例えば、300の倍数である線分については長さの切り上げは行わずに、そのまま占有領域を定める基準側辺として用いて、占有領域を推定するように構成してもよいし、あるいは、前述の通り長さを切り上げて、切り上げられた長さの線分を基準として用いて、占有領域を推定するように構成してもよい。
【0131】
このようにして、図15の占有領域推定処理をリターンした後、図10の推定処理を終了する。なお、図10のSA3の処理が「第1処理」に相当し、SA4の処理が「第2処理」に対応するものと解釈してもよい。
【0132】
(推定した占有領域について)
図10のSA4で推定した図20の占有領域については、撮影側接触線41(図14)に対応する下図側接触線51に基づいて定められているので、配置領域撮影画像に写っている床面画像と対象物画像との境界線の内の、対象物が床面に接触する側の一部の境界線を反映することができる。
【0133】
また、図20の占有領域については、延長後第1線分73(壁画像Ga93が表示する壁が延在する方向に平行であり、所定の基準長さの倍数に対応する長さ)及び延長後第2線分74(壁画像Ga93が表示する壁が延在する方向に直角であり、所定の基準長さの倍数に対応する長さ)に基づいて定められているので、資材の配置に関する運用と資材の実情を反映することができる。
【0134】
また、図20の占有領域については、延長後第1線分73及び延長後第2線分74の長さが、図19の第1線分71及び第2線分72の長さに対して切り上げられているので、配置領域撮影画像に写っていない資材の一部によって定まる占有領域の境界線について、マージンを持たせて設定することができるので、SA4で推定した占有領域が実際の占有されている領域(例えば図2の資材90によって実際に占有されている領域)よりも狭くなる可能性を軽減し、推定した占有領域に基づく資材置き場の運用をより適切に行わせることが可能となる。
【0135】
(推定した占有領域の利用例)
図10のSA4で推定した占有領域の利用例は任意であるが、例えば、予約済領域に資材が配置された可能性があることを通知するために利用してもよい。図22は、下図画像を例示した図である。
【0136】
処理内容については例えば、サーバ装置3の制御部33は、図6の予約関連情報の予約期間情報及び位置特定情報を参照して、配置領域の平面図において、現在の予約済領域を特定し、特定した現在の予約済領域と、図10のSA4で推定した占有領域とが相互に重複している場合、予約済領域に資材が配置された可能性があることを示す情報を、ユーザの端末装置2に送信してもよい。なお、この場合、例えば、図22に示すように、推定した占有領域を示す占有領域表示画像G7及び予約済領域を示す予約済領域表示画像G8が重畳して表示された状態の下図画像を、端末装置2を表示するように制御してもよい。
【0137】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、配置領域撮影画像に基づいて、配置領域を示す平面図である配置領域図面上において、占有領域を推定することにより、例えば、占有領域を把握することが可能となる。また、少なくとも配置領域図面に設定されている基準軸(下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2)を基準とした方向に沿っている基準側辺(延長後第1線分73及び延長後第2線分74)によって定まる領域を、占有領域として推定することにより、例えば、基準軸を基準にして占有領域を推定することができるので、所定の基準に沿った領域を占有領域と推定することが可能となる。
【0138】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0139】
(基準軸について(その1))
また、上記実施の形態の各基準軸(図8の撮影側第1基準軸X1及び撮影側第2基準軸Y1、及び、図9の下図側第1基準軸X2及び下図側第2基準軸Y2)については、例えば、サーバ装置3の制御部33が、資材置き場の特徴的な部分(例えば、図2及び図3の壁92及び壁93が相互に接続されている角部分等)に対応する部分、又は、資材の配置に関する運用に着目して、自動的に設定するように構成してもよい。
【0140】
(基準軸について(その2))
また、資材の配置に関する運用が、建物の通り芯又は梁に沿って各資材を配置する運用となっている場合、各基準軸については、通り芯又は梁が延在する方向に平行な方向及び直交する方向に沿って設定してもよい。
【0141】
(撮影側接触線特定処理について)
また、上記実施の形態の図10のSA3の撮影側接触線特定処理は任意であり、例えば、機械学習を行って生成されたモデルを用いて、撮影側接触線を特定するように構成してもよいし、他の処理を行ってもよい。
【0142】
(所定の基準長さについて)
また、上記実施の形態では、所定の基準長さとして「300」の半分の長さに対応する「150」を用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば、「300」を所定の基準長さとして用いてもよいし、他の長さを用いてもよい。
【0143】
(占有領域の推定について(その1))
また、上記実施の形態で説明した処理とは異なる他の処理を行って、占有領域を推定するように構成してもよい。例えば、図8の配置領域撮影画像、及び、図9の下図画像において、150mm四方に対応する大きさのグリッド(各基準軸を基準として相互に関連付けられているグリッド)を設けて、図4の資材画像G90が写っている部分に重複するグリッドを配置領域画像上で特定し、特定したグリッドに対応する下図画像中のグリッドを特定し、当該特定したグリッドが示す領域を占有領域として特定するように構成してもよい。
【0144】
(占有領域の推定について(その1))
また、占有領域の推定については、実施の形態で説明した処理と、「(占有領域の推定について(その1))」で説明した処理とを、状況に応じて、適宜切り替えて実行するように構成してもよい。
【0145】
(組み合わせについて)
また、上記実施の形態の概念と、変形例の概念とを相互に任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0146】
1 撮影装置
2 端末装置
3 サーバ装置
21 通信部
22 タッチパッド
23 ディスプレイ
24 記録部
25 制御部
31 通信部
32 記録部
33 制御部
41 撮影側接触線
51 下図側接触線
61 バウンディングボックス
61a 辺
61b 辺
61c 辺
61d 辺
71 第1線分
72 第2線分
73 延長後第1線分
74 延長後第2線分
90 資材
90a 接触底辺
91 床面
92 壁
93 壁
100 情報処理システム
321 下図画像情報DB
322 予約関連情報DB
331 取得部
332 推定部
401 輪郭線
402 補助線
403 下部交点
411 撮影側接触線
412 撮影側接触線
413 撮影側接触線
414 撮影側接触線
415 撮影側接触線
511 第1補間線分
512 第2補間線分
610 正面側頂点
611 背面側頂点
612 第1端部点
613 第2端部点
614 移動後背面側頂点
615 移動後第1端部点
616 移動後第2端部点
G90 資材画像
G91 床面画像
G92 壁画像
G93 壁画像
G901 資材画像
G902 資材画像
G903 資材画像
G904 資材画像
G911 床面画像
G912 床面画像
G913 床面画像
G914 床面画像
G915 床面画像
Ga91 下図側床面画像
Ga92 下図側壁画像
Ga93 下図側壁画像
G8 予約済領域表示画像
G7 占有領域表示画像
P1 撮影側基準点
P2 下図側基準点
W 幅
X1 撮影側第1基準軸
X2 下図側第1基準軸
Y1 撮影側第2基準軸
Y2 下図側第2基準軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22