(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084995
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】インストルメントパネル
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20240619BHJP
B60K 35/40 20240101ALI20240619BHJP
【FI】
B60N3/00 A
B60K37/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199262
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 裕紀
【テーマコード(参考)】
3B088
3D344
【Fターム(参考)】
3B088AA07
3D344AA00
3D344AA14
3D344AB01
(57)【要約】
【課題】テーブルの利便性を向上することができるインストルメントパネルを提供する。
【解決手段】インストルメントパネル13は、自動車11の室内の前部に配置され、且つ外殻部分を構成するインパネ本体14と、テーブル16と、インパネ本体14に設けられ、テーブル16を取り出し可能に格納する格納部15と、インパネ本体14における格納部15とは異なる位置に設けられ、テーブル16が着脱自在に取り付けられる挿入穴17と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の室内の前部に配置され、且つ外殻部分を構成するインパネ本体と、
テーブルと、
前記インパネ本体に設けられ、前記テーブルを取り出し可能に格納する格納部と、
前記インパネ本体における前記格納部とは異なる位置に設けられ、前記テーブルが着脱自在に取り付けられる取付部と、
を備えることを特徴とするインストルメントパネル。
【請求項2】
前記テーブルは、突出部を有しており、
前記取付部は、前記突出部が前記自動車の前後方向において挿抜自在に挿入される挿入穴であることを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
【請求項3】
前記テーブルは、前記格納部に格納されるときの形態である第1形態と、前記取付部に取り付けられるときの形態である第2形態との間で形態が変更可能に構成され、
前記第2形態のときの方が前記第1形態のときよりも面積が大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインストルメントパネル。
【請求項4】
前記テーブルは、上面の前部に係合凹部を有したテーブル本体と、前記テーブル本体を支持する支持アームとを備え、
前記支持アームは、前記テーブル本体に対して重なる第1位置と前記テーブル本体に対して鋭角の角度をなす第2位置との間で変位するように、前記テーブル本体の後部に対して回動可能に連結され、
前記取付部は、前記テーブル本体が水平な状態で且つ前記支持アームが前記第2位置にあるときに、前記係合凹部と嵌合する係合凸部と、前記支持アームの先端部を支持する支持部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
【請求項5】
前記インパネ本体には、前記取付部を収容する収容部が設けられ、
前記取付部は、前記収容部に収容される不使用位置と、前記収容部から突出して前記テーブルが取り付けられる使用位置との間で変位可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
【請求項6】
自動車の室内の前部に配置され、且つ外殻部分を構成するインパネ本体と、
前記インパネ本体に設けられ、テーブルを取り出し可能に格納する格納部と、
前記インパネ本体における前記格納部とは異なる位置に設けられ、前記テーブルが着脱自在に取り付けられる取付部と、
を備えることを特徴とするインストルメントパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の室内に搭載されるインストルメントパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の室内の前部に配置されるインストルメントパネルとして、例えば引き出し式のテーブルを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなインストルメントパネルには、通常、エアバッグ装置やグローブボックスなどの様々な部品が設けられる。このため、インストルメントパネルにおいてテーブルを設けることができる位置の制約が多くなる。したがって、インストルメントパネルにおける乗員にとって使い勝手のよい位置にテーブルを設けることが困難になるので、テーブルの利便性が低下するおそれがあるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するためのインストルメントパネルの各態様を記載する。
[態様1]自動車の室内の前部に配置され、且つ外殻部分を構成するインパネ本体と、テーブルと、前記インパネ本体に設けられ、前記テーブルを取り出し可能に格納する格納部と、前記インパネ本体における前記格納部とは異なる位置に設けられ、前記テーブルが着脱自在に取り付けられる取付部と、を備えることを特徴とするインストルメントパネル。
【0006】
上記構成によれば、インパネ本体においてテーブルを格納する格納部とテーブルを取り付けて使用する取付部との位置が異なる。このため、インパネ本体におけるテーブルの使い勝手の悪い位置に格納部を配置しても、インパネ本体におけるテーブルの使い勝手のよい位置に取付部を配置することで、テーブルの利便性を向上することができる。
【0007】
[態様2]前記テーブルは、突出部を有しており、前記取付部は、前記突出部が前記自動車の前後方向において挿抜自在に挿入される挿入穴であることを特徴とする[態様1]に記載のインストルメントパネル。
【0008】
上記構成によれば、突出部を挿入穴に挿入するだけで、テーブルをインパネ本体に取り付けることができる。したがって、テーブルを準備する作業が容易になる。
[態様3]前記テーブルは、前記格納部に格納されるときの形態である第1形態と、前記取付部に取り付けられるときの形態である第2形態との間で形態が変更可能に構成され、前記第2形態のときの方が前記第1形態のときよりも面積が大きいことを特徴とする[態様1]または[態様2]に記載のインストルメントパネル。
【0009】
上記構成によれば、テーブルを格納部に格納するときにはテーブルをコンパクトにすることができる一方、テーブルを取付部に取り付けて使用するときにはテーブルを広くすることができる。このため、テーブルの利便性をより一層向上することができる。
【0010】
[態様4]前記テーブルは、上面の前部に係合凹部を有したテーブル本体と、前記テーブル本体を支持する支持アームとを備え、前記支持アームは、前記テーブル本体に対して重なる第1位置と前記テーブル本体に対して鋭角の角度をなす第2位置との間で変位するように、前記テーブル本体の後部に対して回動可能に連結され、前記取付部は、前記テーブル本体が水平な状態で且つ前記支持アームが前記第2位置にあるときに、前記係合凹部と嵌合する係合凸部と、前記支持アームの先端部を支持する支持部とを備えることを特徴とする[態様1]に記載のインストルメントパネル。
【0011】
上記構成によれば、支持アームを第2位置に変位させた状態で、係合凹部を係合凸部に嵌合させるとともに支持アームの先端部を支持部によって支持させることで、テーブル本体を水平な状態で安定して維持することができる。
【0012】
[態様5]前記インパネ本体には、前記取付部を収容する収容部が設けられ、前記取付部は、前記収容部に収容される不使用位置と、前記収容部から突出して前記テーブルが取り付けられる使用位置との間で変位可能に構成されていることを特徴とする[態様1]に記載のインストルメントパネル。
【0013】
上記構成によれば、取付部を不使用時に収容部に収容して隠すことができる。このため、取付部の不使用時のインパネ本体の見栄えを向上できる。
[態様6]自動車の室内の前部に配置され、且つ外殻部分を構成するインパネ本体と、前記インパネ本体に設けられ、テーブルを取り出し可能に格納する格納部と、前記インパネ本体における前記格納部とは異なる位置に設けられ、前記テーブルが着脱自在に取り付けられる取付部と、を備えることを特徴とするインストルメントパネル。
【0014】
上記構成によれば、インパネ本体においてテーブルを格納する格納部とテーブルを取り付けて使用する取付部との位置が異なる。このため、インパネ本体におけるテーブルの使い勝手の悪い位置に格納部を配置しても、インパネ本体におけるテーブルの使い勝手のよい位置に取付部を配置することで、テーブルの利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、テーブルの利便性を向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態のインストルメントパネルを示す断面模式図である。
【
図2】第1実施形態における第1形態のテーブルを示す平面模式図である。
【
図3】第1実施形態におけるテーブルの形態を第1形態と第2形態との間で変更するときの途中の状態を示す平面模式図である。
【
図4】第1実施形態における第2形態のテーブルの使用状態を示す平面模式図である。
【
図5】第1実施形態のインストルメントパネルにおけるテーブルの使用状態を示す断面模式図である。
【
図6】第2実施形態のインストルメントパネルを示す断面模式図である。
【
図7】第2実施形態のインストルメントパネルにおけるテーブルの使用状態を示す断面模式図である。
【
図8】第3実施形態のインストルメントパネルを示す断面模式図である。
【
図9】第3実施形態のインストルメントパネルにおけるテーブルの使用状態を示す断面模式図である。
【
図11】第4実施形態のインストルメントパネルを示す断面模式図である。
【
図12】第4実施形態のインストルメントパネルにおけるテーブルの使用状態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、自動車のインストルメントパネルの第1実施形態について、
図1~
図5を参照して説明する。
【0018】
なお、以下の記載においては、自動車11の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は自動車11の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって自動車11の前進時の左右方向と一致するものとする。
【0019】
図1に示すように、自動車11の室内の前部であって運転席(図示略)及び助手席12の前方には、インストルメントパネル13が配置されている。インストルメントパネル13は、インパネ本体14と、格納部15と、テーブル16と、取付部の一例としての一対の挿入穴17とを備えている。助手席12には、乗員Pが、予め定められた正規の姿勢で着座している。
【0020】
<インパネ本体14>
インパネ本体14は、自動車11のフロントガラス(図示略)の下方に配置されている。フロントガラス(図示略)は、上部ほど後方に位置するように傾斜した状態で配置されている。インパネ本体14は、インストルメントパネル13の外殻部分を構成している。インパネ本体14の内部には、例えばエアバッグ装置(図示略)などの各種の部品等が配置される。
【0021】
インパネ本体14は、上部における後端から後ろ斜め下方に向かって延びる第1斜面部18と、第1斜面部18の下端から前斜め下方に向かって延びる第2斜面部19とを有している。したがって、インパネ本体14は、第1斜面部18と第2斜面部19との境界部分が最も後端に位置している。
【0022】
<格納部15>
インパネ本体14の上端部には、板状のテーブル16を格納する格納部15が設けられている。格納部15は、後端が開口するとともに、当該開口を通じてテーブル16を取り出し可能に格納する。
【0023】
<テーブル16>
図2~
図4に示すように、テーブル16は、略矩形板状をなす本体部20と、本体部20の下側に重なるように配置された略矩形板状をなす拡張部21と、本体部20と拡張部21とを一つの角部において回動可能に連結する軸部22とを備えている。テーブル16は、
図2に示す第1形態と
図4に示す第2形態との間で形態が変更可能に構成されている。以下、テーブル16は、
図2に示すように、第1形態で長手方向が左右方向と一致するとともに左前部分の角部に軸部22が位置するように配置した場合を基準として説明する。
【0024】
テーブル16における本体部20と拡張部21とは、互いに左前部分の角部において軸部22を介して上下方向(紙面と直交する方向)に延びる軸線を中心に回動可能に連結されている。テーブル16の第1形態は、上側から見て拡張部21の全てが本体部20に隠れるように重なるときの形態である。テーブル16の第1形態は、テーブル16が格納部15(
図1参照)に格納されるときの形態である。
【0025】
テーブル16の第2形態は、上側から見てテーブル16の第1形態の状態から軸部22を回動中心として拡張部21を時計回り方向に90°回動させたときの形態である。テーブル16の第2形態は、一対の挿入穴17にテーブル16が取り付けられるときの形態である。テーブル16は、上側から見た場合、第2形態のときの方が第1形態のときよりも面積が大きくなっている。
【0026】
テーブル16が第1形態のときにおいて、本体部20の右前部分の角部には、前方に向かって突出する突出部の一例としての第1凸部23が設けられている。テーブル16が第1形態のときにおいて、本体部20の左後部分の角部には、左方に向かって突出する第2凸部24が設けられている。テーブル16が第1形態のときにおいて、拡張部21の左後部分の角部には、左方に向かって突出する突出部の一例としての第3凸部25が設けられている。第1凸部23、第2凸部24、及び第3凸部25は、全て大きさ及び形状が同じになっている。
【0027】
テーブル16が第2形態のときには、第3凸部25が拡張部21の左前部分の角部から前方に向かって突出する。この場合、第1凸部23と第3凸部25とは、テーブル16の前端部において所定間隔を置いて対をなすように配置される。すなわち、テーブル16が第2形態のときには、第1凸部23がテーブル16の前端部における右端部から前方に向かって突出するとともに、第3凸部25がテーブル16の前端部における左端部から前方に向かって突出する。
【0028】
<取付部を構成する一対の挿入穴17>
図1及び
図4に示すように、本例の取付部は、一対の挿入穴17によって構成される。一対の挿入穴17は、インパネ本体14における格納部15とは異なる位置に設けられている。すなわち、一対の挿入穴17は、インパネ本体14における第2斜面部19の上部に、左右方向に所定間隔を置いて並んで設けられている。一対の挿入穴17は、インパネ本体14における格納部15よりも助手席12に着座する乗員Pに近い位置に配置されている。
【0029】
一対の挿入穴17の間隔は、テーブル16が第2形態のときの第1凸部23と第3凸部25との間隔と同じになっている。一対の挿入穴17には、第2形態のテーブル16の第1凸部23及び第3凸部25がそれぞれ自動車11の前後方向において挿抜自在に挿入されるようになっている。
【0030】
そして、第2形態のテーブル16の第1凸部23及び第3凸部25を一対の挿入穴17にそれぞれ挿入することで、第2形態のテーブル16の第1凸部23及び第3凸部25が一対の挿入穴17に対してそれぞれ着脱自在に取り付けられる。すなわち、第2形態のテーブル16の第1凸部23及び第3凸部25を一対の挿入穴17にそれぞれ挿入することで、第2形態のテーブル16がインパネ本体14に取り付けられる。
【0031】
<インストルメントパネル13の作用>
自動車11の室内でテーブル16を使用したい場合には、まず、第1形態のテーブル16を格納部15から取り出す。続いて、軸部22を回動中心として拡張部21を本体部20に対して回動させることにより、テーブル16の形態を第1形態(
図2の形態)から
図3の形態を経て第2形態(
図4の形態)に変更する。その後、
図4及び
図5に示すように、第2形態のテーブル16の第1凸部23及び第3凸部25を一対の挿入穴17に対してそれぞれ挿入する。これにより、テーブル16が使用可能な状態でインパネ本体14に取り付けられる。
【0032】
テーブル16の使用後にテーブル16を格納部15に格納する場合には、まず、第2形態のテーブル16の第1凸部23及び第3凸部25を一対の挿入穴17からそれぞれ引き抜く。続いて、軸部22を回動中心として拡張部21を本体部20に対して回動させることにより、テーブル16の形態を第2形態(
図4の形態)から
図3の形態を経て第1形態(
図2の形態)に変更する。その後、
図1に示すように、第1形態のテーブル16を格納部15に挿入することによって格納する。
【0033】
このように、インパネ本体14において、テーブル16が使用時に取り付けられる一対の挿入穴17は、テーブル16の格納部15よりも助手席12に着座する乗員Pに近い位置にある。このため、テーブル16をインパネ本体14における格納部15の位置に取り付けて使用する場合に比べて、テーブル16の使い勝手がよくなる。すなわち、テーブル16の利便性が向上する。
【0034】
<第1実施形態の効果>
以上詳述した第1実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1-1)インストルメントパネル13は、外殻部分を構成するインパネ本体14と、テーブル16と、インパネ本体14に設けられてテーブル16を取り出し可能に格納する格納部15と、インパネ本体14における格納部15とは異なる位置に設けられてテーブル16が着脱自在に取り付けられる取付部と、を備える。
【0035】
上記構成によれば、インパネ本体14においてテーブル16を格納する格納部15とテーブル16を取り付けて使用する取付部との位置が異なる。このため、インパネ本体14におけるテーブル16の使い勝手の悪い位置に格納部15を配置しても、インパネ本体14におけるテーブル16の使い勝手のよい位置に取付部を配置することで、テーブル16の利便性を向上することができる。
【0036】
(1-2)インストルメントパネル13において、テーブル16は、第1凸部23及び第3凸部25を有している。取付部は、第1凸部23及び第3凸部25が自動車11の前後方向においてそれぞれ挿抜自在に挿入される一対の挿入穴17である。
【0037】
上記構成によれば、第1凸部23及び第3凸部25を一対の挿入穴17にそれぞれ挿入するだけで、テーブル16をインパネ本体14に取り付けることができる。したがって、テーブル16を準備する作業が容易になる。
【0038】
(1-3)インストルメントパネル13において、テーブル16は、格納部15に格納されるときの形態である第1形態と、取付部に取り付けられるときの形態である第2形態との間で形態が変更可能に構成されている。テーブル16は、第2形態のときの方が第1形態のときよりも面積が大きい。
【0039】
上記構成によれば、テーブル16を格納部15に格納するときにはテーブル16をコンパクトにすることができる一方、テーブル16を取付部に取り付けて使用するときにはテーブル16を広くすることができる。このため、テーブル16の利便性をより一層向上することができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、インストルメントパネルの第2実施形態について、
図6及び
図7を参照して説明する。この第2実施形態は、第1実施形態におけるテーブル16をテーブル30に変更するとともに、一対の挿入穴17の代わりに取付部の一例として係合凸部35及び支持部36を採用したものである。上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。このため、第2実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0041】
<第2実施形態の構成>
テーブル30は、上面の前部に係合凹部31を有した略矩形板状のテーブル本体32と、テーブル本体32を支持する支持アーム33とを備えている。支持アーム33は、テーブル本体32の左右方向の幅よりも狭い幅を持つ帯状をなし、且つ前後方向に延びている。支持アーム33は、前後方向の長さがテーブル本体32よりも少し長くなっている。支持アーム33は、テーブル本体32の下面における左右方向の中央部に重ねられた状態で、後端がテーブル本体32の下面における後端(後部)に左右方向に延びるヒンジ部34を介して回動可能に連結されている。
【0042】
支持アーム33は、ヒンジ部34を回動中心として回動されることで、テーブル本体32とのなす角度が変更される。支持アーム33は、テーブル本体32に対して重なる第1位置(
図6に示す位置)とテーブル本体32に対して鋭角の角度(例えば、20°程度)をなす第2位置(
図7に示す位置)との間で回動(変位)する。ヒンジ部34は、支持アーム33を第2位置でロックすることを可能としたロック機構(図示略)を有している。
【0043】
インパネ本体14における第2斜面部19の上部には、テーブル本体32の係合凹部31に対して上側から嵌合する係合凸部35が設けられている。第2斜面部19における係合凸部35の下側の位置には、支持アーム33の先端部を支持する支持部36が設けられている。本例の取付部は、テーブル本体32が水平な状態で且つ支持アーム33が第2位置にあるときに、係合凹部31と嵌合する係合凸部35と、支持アーム33の先端部(下端部)を支持する支持部36とによって構成される。
【0044】
<第2実施形態の作用>
自動車11の室内でテーブル30を使用したい場合には、まず、テーブル30を格納部15から取り出す。続いて、ヒンジ部34を回動中心として支持アーム33をテーブル本体32に対して回動させることにより、支持アーム33を第2位置に変位させる。続いて、ロック機構(図示略)により、支持アーム33を第2位置でロックする。続いて、テーブル本体32の係合凹部31を係合凸部35に嵌合させるとともに、支持アーム33の先端部(下端部)を支持部36に支持させる。これにより、テーブル30が使用可能な状態でインパネ本体14に取り付けられる。
【0045】
テーブル30の使用後にテーブル30を格納部15に格納する場合には、まず、テーブル本体32の係合凹部31を係合凸部35から外すとともに、支持アーム33の先端部(下端部)を支持部36から外す。続いて、ロック機構(図示略)によるロック状態を解除した後、ヒンジ部34を回動中心として支持アーム33をテーブル本体32に対して回動させることにより、支持アーム33を第2位置から第1位置に変位させる。その後、テーブル30を格納部15に挿入することによって格納する。
【0046】
<第2実施形態の効果>
以上詳述した第2実施形態によれば、上記(1-1)の効果に加えて、次のような効果が発揮される。
【0047】
(2-1)支持アーム33を第2位置に変位させた状態で、係合凹部31を係合凸部35に嵌合させるとともに支持アーム33の先端部を支持部36によって支持させることで、テーブル本体32を水平な状態で安定して維持することができる。
【0048】
(第3実施形態)
次に、インストルメントパネルの第3実施形態について、
図8~
図10を参照して説明する。この第3実施形態は、第1実施形態におけるテーブル16をテーブル40に変更するとともに、一対の挿入穴17の代わりに取付部の一例としてスライドレール44を採用したものである。また、インパネ本体14には、スライドレール44を収容する収容部43が設けられている。上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。このため、第3実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0049】
<第3実施形態の構成>
テーブル40は、略矩形板状をなすとともに、左右方向の両端部に下方に屈曲する屈曲部41をそれぞれ有している。各屈曲部41の内面には、前後方向に延びる溝42が形成されている。
【0050】
インパネ本体14における第2斜面部19の上部には、一対の収容部43が左右方向に間隔をおいて並んで設けられている。各収容部43は、前後方向に延びるとともに、後端が開口している。各収容部43には、取付部の一例としての前後方向に延びるスライドレール44が収容されている。各スライドレール44は、収容部43内に固定されたインナーレール45と、インナーレール45に摺動可能に支持されたアウターレール46とを有している。
【0051】
各スライドレール44は、インナーレール45に対してアウターレール46が前後方向に摺動することによって伸縮する。各スライドレール44は、収容部43に収容される不使用位置(
図8に示す位置)と、アウターレール46が収容部43の後端の開口から後方に突出する使用位置(
図9に示す位置)との間で伸縮可能(変位可能)に構成されている。
【0052】
一対のスライドレール44のアウターレール46の外面には、テーブル40の一対の屈曲部41の溝42にそれぞれ嵌合可能とした前後方向に延びる凸条47が形成されている。一対の収容部43のそれぞれのスライドレール44が上記使用位置にあるときには、一対のアウターレール46上にテーブル40が取り付けられる。この場合、一対の凸条47と一対の屈曲部41の溝42とが嵌合される。
【0053】
<第3実施形態の作用>
自動車11の室内でテーブル40を使用したい場合には、まず、テーブル40を格納部15から取り出す。続いて、一対のスライドレール44を一対の収容部43からそれぞれ後方に引き出すことによってアウターレール46が収容部43の後端の開口から後方に突出する上記使用位置に変位させる。
【0054】
続いて、一対の収容部43から突出した一対のアウターレール46上にテーブル40を跨がるように載置した状態で、テーブル40の一対の屈曲部41の溝42を一対のアウターレール46の凸条47に嵌合させる。これにより、テーブル40が使用可能な状態で一対のスライドレール44を介してインパネ本体14に取り付けられる。
【0055】
テーブル40の使用後は、テーブル40の一対の屈曲部41の溝42と一対のアウターレール46の凸条47との嵌合状態を解除する。その後、テーブル40を格納部15に挿入することによって格納する。また、一対のスライドレール44は、上記使用位置から上記不使用位置へ変位させる。
【0056】
<第3実施形態の効果>
以上詳述した第3実施形態によれば、上記(1-1)の効果に加えて、次のような効果が発揮される。
【0057】
(3-1)一対のスライドレール44を不使用時に一対の収容部43に収容して隠すことができる。このため、一対のスライドレール44の不使用時のインパネ本体14の見栄えを向上できる。
【0058】
(第4実施形態)
次に、インストルメントパネルの第4実施形態について、
図10~
図12を参照して説明する。この第4実施形態は、第3実施形態において収容部43を収容部50に変更するとともに、収容部50にスライドレール44を軸51によって回動可能に支持したものである。上記以外の構成は、第3実施形態と同様である。このため、第4実施形態において、第3実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0059】
<第4実施形態の構成>
インパネ本体14における第2斜面部19の上部には、一対の収容部50が左右方向に間隔をおいて並んで設けられている。各収容部50は、第2斜面部19に沿って延びるとともに、後側が開口している。各収容部50には、取付部の一例としての前後方向に延びるスライドレール44が収容されている。各スライドレール44は、収容部50内の上端部に左右方向に延びる軸51により、インナーレール45の上端部において回動可能に支持されている。
【0060】
各スライドレール44は、収容部50に収容される不使用位置(
図11に示す位置)と、水平な姿勢で収容部50の後側の開口から後方に突出する使用位置(
図12に示す位置)との間で軸51を回動中心として回動可能(変位可能)に構成されている。各軸51は、スライドレール44を上記不使用位置及び上記使用位置でそれぞれロックすることを可能としたロック機構(図示略)を有している。
【0061】
<第4実施形態の作用>
自動車11の室内でテーブル40を使用したい場合には、まず、テーブル40を格納部15から取り出す。続いて、ロックを解除した状態で一対のスライドレール44を上記不使用位置から上記使用位置へそれぞれ回動させた後、再びロックする。これにより、一対のスライドレール44が上記使用位置で維持される。
【0062】
続いて、一対の収容部50から突出した一対のスライドレール44のアウターレール46上にテーブル40を跨がるように載置した状態で、テーブル40の一対の屈曲部41の溝42を一対のアウターレール46の凸条47に嵌合させる。これにより、テーブル40が使用可能な状態で一対のアウターレール46に取り付けられた状態となる。この状態では、テーブル40と一緒に一対のアウターレール46を一対のインナーレール45に沿って前後方向にスライドさせることができるので、テーブル40の前後方向の位置を調整することができる。
【0063】
テーブル40の使用後は、テーブル40の一対の屈曲部41の溝42と一対のアウターレール46の凸条47との嵌合状態を解除する。その後、テーブル40を格納部15に挿入することによって格納する。また、一対のスライドレール44は、ロックを解除した状態で上記使用位置から上記不使用位置へ回動させた後、再びロックする。これにより、一対のスライドレール44は、一対の収容部50に収容された状態で維持される。
【0064】
<第4実施形態の効果>
以上詳述した第4実施形態によれば、上記(1-1)及び上記(3-1)の効果に加えて、次のような効果が発揮される。
【0065】
(4-1)一対のスライドレール44が上記使用位置にあるときには、テーブル40と一緒に一対のアウターレール46を一対のインナーレール45に沿って前後方向にスライドさせることができるので、テーブル40の前後方向の位置を調整することができる。したがって、テーブル40の利便性がより一層向上する。
【0066】
(4-2)各収容部50は、インパネ本体14の第2斜面部19に沿って延びている。このため、各収容部50を設けることに伴うインパネ本体14の内部の各種部品の配置への悪影響を低減できる。
【0067】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0068】
・第1実施形態のテーブル16において、拡張部21は省略してもよい。
・第1実施形態のテーブル16において、軸部22を中空のものにすることにより、軸部22をカップホルダとして機能させるようにしてもよい。
【0069】
・第4実施形態において、スライドレール44の代わりに取付部の一例として伸縮しない棒状の部材を採用してもよい。
・第1~第4実施形態において、格納部15は、インパネ本体14における取付部よりも下方の位置に設けるようにしてもよい。
【0070】
・第1~第4実施形態において、取付部は、インパネ本体14における複数箇所に設けるようにしてもよい。このようにすれば、テーブル16,30,40の使い方に応じてテーブル16,30,40を適した位置に取り付けることができる。
【0071】
・第1~第4実施形態において、インストルメントパネル13は、必ずしもテーブル16,30,40を備える必要はない。
【符号の説明】
【0072】
11…自動車
12…助手席
13…インストルメントパネル
14…インパネ本体
15…格納部
16,30,40…テーブル
17…取付部の一例としての挿入穴
18…第1斜面部
19…第2斜面部
20…本体部
21…拡張部
22…軸部
23…第1凸部
24…第2凸部
25…第3凸部
31…係合凹部
32…テーブル本体
33…支持アーム
34…ヒンジ部
35…取付部の一例としての係合凸部
36…取付部の一例としての支持部
41…屈曲部
42…溝
43,50…収容部
44…取付部の一例としてのスライドレール
45…インナーレール
46…アウターレール
47…凸条
51…軸
P…乗員