IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-異常検出装置 図1
  • 特開-異常検出装置 図2
  • 特開-異常検出装置 図3
  • 特開-異常検出装置 図4
  • 特開-異常検出装置 図5
  • 特開-異常検出装置 図6
  • 特開-異常検出装置 図7
  • 特開-異常検出装置 図8
  • 特開-異常検出装置 図9
  • 特開-異常検出装置 図10
  • 特開-異常検出装置 図11
  • 特開-異常検出装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085014
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】異常検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20240619BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20240619BHJP
   H01H 47/00 20060101ALI20240619BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20240619BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
B66B5/00 D
H01H47/00 E
G01M99/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199310
(22)【出願日】2022-12-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】黒田 太一
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
3F304
【Fターム(参考)】
2G024AD16
2G024BA27
2G024CA13
2G024EA11
2G024FA02
2G024FA04
2G024FA06
2G024FA14
2G024FA15
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB22
2G064BA02
2G064DD05
2G064DD08
2G064DD15
3F304EA22
(57)【要約】
【課題】電磁接触器の異常を検出できる異常検出装置を得ることにより、異常を検出した段階で適切な処置をすることを可能とする。
【解決手段】電磁接触器2から発生した振動に関する物理量を検出する検出器13と、検出器13で検出された物理量の値と第一の閾値とを比較し、電磁接触器2が異常であるか否かを判定する判定部3aと、電磁接触器2が異常であると判定部3aが判定した場合、電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する出力部3bとを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁接触器から発生した振動に関する物理量を検出する検出器と、
前記検出器で検出された前記物理量の値と第一の閾値とを比較し、前記電磁接触器が異常であるか否かを判定する判定部と、
前記電磁接触器が異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が異常であることを示す信号を出力する出力部と、
を備える異常検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記物理量の値が前記第一の閾値以下である場合、前記電磁接触器が異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より大きい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定する
請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記検出器で検出された前記物理量の値と前記第一の閾値よりも大きい第二の閾値とを比較し、前記物理量の値が前記第二の閾値以下である場合、前記電磁接触器が軽度の異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より大きい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定し、
前記出力部は、前記電磁接触器が軽度の異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が軽度の異常であることを示す信号を出力する
請求項2に記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記物理量の値が前記第一の閾値以上である場合、前記電磁接触器が異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より小さい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定する
請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記検出器で検出された前記物理量の値と前記第一の閾値よりも小さい第二の閾値とを比較し、前記物理量の値が前記第二の閾値以上である場合、前記電磁接触器が軽度の異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より小さい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定し、
前記出力部は、前記電磁接触器が軽度の異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が軽度の異常であることを示す信号を出力する
請求項4に記載の異常検出装置。
【請求項6】
前記検出器は、前記物理量として周波数を検出する
請求項2または3に記載の異常検出装置。
【請求項7】
前記検出器は、前記物理量として加速度を検出する
請求項4または5に記載の異常検出装置。
【請求項8】
前記検出器は、前記物理量として変位を検出する
請求項4または5に記載の異常検出装置。
【請求項9】
前記検出器は、前記電磁接触器に取り付けられた
請求項1から5のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【請求項10】
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材に取り付けられた
請求項1から5のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【請求項11】
前記検出器は、前記第一の固定部材が固定された第二の固定部材に取り付けられた
請求項1から5のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【請求項12】
前記検出器は、前記第一の固定部材と前記第二の固定部材の間に介在する介在部材に取り付けられた
請求項1から5のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁接触器の異常を検出する異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁接触器の接点の開閉動作時には振動が発生する。この振動が伝わることで電磁接触器の周辺の部材や機器等が劣化したり破損したりすることがある。そのため、従来、圧縮コイルばねやゴム状弾性体を用いて電磁接触器を収納箱の内部に取り付けることで、電磁接触器から発生した振動が周辺の部材や機器等に伝わることを抑制している。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-170932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば電磁接触器の内部構成部品の劣化や破損等に起因する異常により電磁接触器から発生する振動が想定より大きくなることがあり、上記した従来の技術の構造では電磁接触器から発生した振動を十分に抑制できないことがあった。その結果、電磁接触器の周辺の部材や機器等が劣化したり破損したりすることがあった。
【0005】
本開示は上記の課題を解決するためになされたものであり、電磁接触器の異常を検出できる異常検出装置を得ることにより、異常を検出した段階で適切な処置をすることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る異常検出装置は、電磁接触器から発生した振動に関する物理量を検出する検出器と、検出器で検出された物理量の値と第一の閾値とを比較し、電磁接触器が異常であるか否かを判定する判定部と、電磁接触器が異常であると判定部が判定した場合、電磁接触器が異常であることを示す信号を出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電磁接触器の異常を検出することができる。これにより、異常を検出した段階で適切な処置をすることが可能になるので、電磁接触器から発生する振動によって電磁接触器の周辺の部材や機器等が劣化したり破損したりすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1におけるエレベータの構成を示す図である。
図2】実施の形態1における電磁接触器の周辺の構成を示す図である。
図3】実施の形態1における異常検出装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1における周波数と振動伝達率の関係を示す図である。
図5】実施の形態1における電磁接触器の投入および開放の動作、電磁接触器から発生する振動およびエレベータのかごの動作の関係を示すタイミングチャートである。
図6】実施の形態1における異常検出装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施の形態2における異常検出装置の構成を示すブロック図である。
図8】実施の形態2における異常検出装置の動作を示すフローチャートである。
図9】実施の形態3における異常検出装置の構成を示すブロック図である。
図10】実施の形態3における異常検出装置の動作を示すフローチャートである。
図11】実施の形態4における異常検出装置の構成を示すブロック図である。
図12】実施の形態4における異常検出装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
まず実施の形態1における電磁接触器2および異常検出装置9aを含むエレベータの構成を説明する。図1は実施の形態1におけるエレベータの構成を示す図である。図1において、エレベータは、電源1と、電磁接触器2と、エレベータの運転制御を行う制御盤3と、昇降路内を昇降するかご5と、昇降路内をかご5とは逆方向に昇降する釣合おもり6と、かご5と釣合おもり6とを昇降路内で釣瓶式に懸架する主ロープ7と、主ロープ7を介してかご5および釣合おもり6を駆動する電動機4および制動装置8と、を備える。
【0010】
電磁接触器2は、電源1と制御盤3とを電気的に接続あるいは遮断するために設けられている。電磁接触器2内のコイルに電圧を印加すると可動接点が移動して固定接点と接触し、電源1と制御盤3とが電気的に接続される。この動作を「投入」という。電磁接触器2内のコイルに電圧を印加するのをやめると可動接点が移動して固定接点から離れ、電源1と制御盤3とが電気的に遮断される。この動作を「開放」という。電磁接触器2の投入時および開放時には可動接点が動作するため振動が発生する。
【0011】
電磁接触器2は、エレベータが1回運行するごとに投入と開放を行う。例えば、商用ビルのようなエレベータの使用頻度の高い施設では、1台のエレベータで1日当たり数千回もの電磁接触器2の投入と開放の動作が繰り返し行われることになる。また、電磁接触器2は、例えば制御盤3内の制御回路に異常が生じた場合等に、電源1と制御盤3の電気的な接続を遮断する安全装置としての機能も有する。そこで、このような施設のエレベータには、異常時等に想定される最大電流値を遮断可能な接点容量性能を保有した大型の電磁接触器2が使用される。しかしながら、大型の電磁接触器2は、投入時および開放時に生じる振動が大きく、電磁接触器2の内部構成部品の劣化や破損が起こりやすい。
【0012】
制御盤3には、電磁接触器2を介して電源1から交流電力が供給される。制御盤3の内部にはインバータ等を有する制御回路が設けられている。電源1から供給された交流電力は、制御回路により例えば電圧や周波数が変換され、電動機4に供給される。電動機4は制御盤3の制御回路から供給される電力により駆動される。また、制御盤3内には、後述する異常検出装置9aの判定部3aおよび出力部3bの機能を実現するためのハードウェアとしての回路等あるいはソフトウェアを実行するためのコンピュータ等が設けられている。
【0013】
次に、実施の形態1における電磁接触器2の周辺の構成を説明する。図2は実施の形態1における電磁接触器2の周辺の構成を示す図である。図2において、電磁接触器2は防振箱10内に固定され、防振箱10は防振部材11を介して制御盤3に取り付けられる。防振部材11は、防振部材固定部12を用いて制御盤3と防振箱10との間に固定される。電磁接触器2には検出器13が取り付けられている。なお、図2では、制御盤3の全体ではなく、筐体の一部のみを図示している。また、検出器13は異常検出装置9aの構成要素であるため、その詳細は後述する。
【0014】
防振箱10は、その内部に電磁接触器2を収納することで、電磁接触器2から発生した振動、騒音が周囲に伝わることを抑制する。
【0015】
防振部材11は、ゴム等の弾性体で形成され、電磁接触器2から発生した振動が制御盤3に伝わることを抑制する。
【0016】
防振部材固定部12は、例えばネジやビスであり、防振部材11を固定する。1つの防振部材固定部12を防振部材11が有する空孔に貫通させて制御盤3、防振部材11および防振箱10を固定してもよいし、制御盤3と防振部材11、防振箱10と防振部材11をそれぞれ別の防振部材固定部12で固定してもよい。
【0017】
次に、実施の形態1における異常検出装置9aの構成を説明する。図3は実施の形態1における異常検出装置9aの構成を示すブロック図である。異常検出装置9aは、検出器13と、制御盤3内に設けられた判定部3aおよび出力部3bと、を備える。
【0018】
検出器13は、電磁接触器2から発生した振動に関する物理量を検出し、検出した値を判定部3aに入力する。振動に関する物理量とは、例えば周波数である。
【0019】
判定部3aは、検出器13で検出された物理量の値と予め設定された閾値を比較し、電磁接触器2が異常であるか否かを判定する。判定部3aによる判定結果は出力部3bに入力される。ここで、閾値は、電磁接触器2が異常であるか否かを判定するための基準となる物理量の値であり、「基準値」ともいう。基準値は、電磁接触器2の工場出荷時や現場への取り付け時に計測された物理量を元に設定することができる。また、一度設定した基準値を、電磁接触器2の現場への取り付け後の任意のタイミングで計測された物理量を元に再設定できるようにすることもできる。
【0020】
ここで、振動に関する物理量として周波数を検出する場合の基準値の設定方法について説明する。最初に、周波数と振動の大きさの関係を説明する。図4は実施の形態1における周波数と振動伝達率の関係を示す図である。図4において、横軸は周波数、縦軸は振動伝達率を示す。図4において、振動伝達率が1以上となる周波数の領域を共振領域、振動伝達率が1未満となる周波数の領域を防振領域と呼ぶ。ここで、振動伝達率が1となる周波数をf1とすると、下記の数式1の関係が成り立つ。共振領域において、周波数の値が電磁接触器2の固有周波数fであるときに振動伝達率は最大となり、そこから離れるにつれて振動伝達率は下がっていく。すなわち、周波数が固有周波数fから離れるにつれて振動の大きさも小さくなるといえる。共振領域の範囲や固有周波数fは、電磁接触器2の質量や防振箱10への取り付け方、経年劣化の影響などによって変化する。
【0021】
【数1】
【0022】
したがって、振動に関する物理量として周波数を検出する場合、基準値として共振領域となる周波数の値を設定することが好ましい。ただし、周波数が固有周波数fと一致するとき、工場出荷時や現場への取り付け時に計測された電磁接触器2から発生する加速度の数倍から数十倍程度の加速度が発生することがある。そのため、基準値を固有周波数fに設定すると、検出器13で検出された周波数の値が基準値に到達したときには、既に電磁接触器2の内部構成部品の劣化や破損が進んでしまっている可能性がある。よって、基準値は固有周波数fよりも大きい周波数を設定することが好ましいといえる。
【0023】
出力部3bは、電磁接触器2が異常であると判定部3aが判定した場合、電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する。この信号は、例えば、電磁接触器2が異常であることを報知するための警告灯、スピーカー、表示モニター等の出力機器や外部の保守会社へ送られる。
【0024】
次に、実施の形態1における電磁接触器2の動作を説明する。図5は、実施の形態1における電磁接触器2の投入および開放の動作、電磁接触器2から発生する振動およびエレベータのかご5の動作の関係を示すタイミングチャートである。図5(a)は電磁接触器2のコイルに印加される電圧Vを、図5(b)は電磁接触器2から発生する振動の大きさを、図5(c)はエレベータのかご5の速度vを示す図である。図5(a)~(c)において横軸は時刻tを示す。また、図5(a)において縦軸は電磁接触器2のコイルに印加される電圧Vを、図5(b)において縦軸は電磁接触器2から発生する振動の大きさを、図5(c)において縦軸はかご5の速度vを示す。
【0025】
制御盤3からエレベータ運行開始の指令が出力されると、図5(a)に示すように、電磁接触器2のコイルに電圧が印加される。コイルに電圧が印加されるとコイルが励磁状態になり、電磁接触器2の可動接点が移動して固定接点と接触し、電源1と制御盤3が電気的に接続される。この可動接点の動作に伴って、図5(b)に示すように、振動が発生する。電源1と制御盤3が電気的に接続されたことで電源1から制御盤3を介して電動機4に電力が供給され、図5(c)に示すように、停止状態であったかご5は加速し始め、次第に一定速に至る。
【0026】
かご5が目的階に到達する直前に、図5(c)に示すように、一定速で移動していたかご5は減速を開始し、目的階に到達すると停止する。かご5の目的階への到達に合わせて、電動機4への電力供給を止めるために、図5(a)に示すように、電磁接触器2のコイルへの電圧印加をやめる。コイルへの電圧印加をやめることで電磁接触器2の可動接点が移動して固定接点から離れ、電源1と制御盤3との電気的接続が遮断される。この可動接点の動作に伴って、図5(b)に示すように、振動が発生する。
【0027】
次に、実施の形態1における異常検出装置9aの動作について説明する。ここでは、上述のとおり、検出器13で検出される振動に関する物理量が周波数である場合について説明する。図6は、実施の形態1における異常検出装置9aの動作を示すフローチャートである。
【0028】
図6において、電磁接触器2の投入時あるいは開放時に電磁接触器2から振動が発生する(S1)。検出器13は周波数を検出しており、判定部3aは検出器13で検出された周波数の値と基準値(閾値)とを比較をする(S2)。
【0029】
検出器13で検出された周波数の値が基準値以下であるとき(S2のYES)、判定部3aは電磁接触器2が異常であると判定する(S3)。このとき、出力部3bは電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する(S4)。この信号は例えば外部の保守会社へ送られ、保守会社の作業者は電磁接触器2を検査して内部構成部品の劣化や破損の状態を確認する。
【0030】
検出器13で検出された周波数の値が基準値より大きいとき(S2のNO)、判定部3aは電磁接触器2の異常はないと判定し(S5)、次に電磁接触器2から振動が発生するまで待機する。
【0031】
以上のように、実施の形態1における異常検出装置9aは、電磁接触器2から発生した振動に関する物理量を検出する検出器13と、検出器13で検出された物理量の値と閾値(基準値)とを比較し、電磁接触器2が異常であるか否かを判定する判定部3aと、電磁接触器2が異常であると判定部3aが判定した場合、電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する出力部3bと、を備えることによって、電磁接触器2の異常を検出することができる。これにより、異常を検出した段階で適切な処置をすることが可能になるので、電磁接触器2から発生する振動によって電磁接触器2の周辺の部材や機器等が劣化したり破損したりすることを抑制することができる。
【0032】
また、検出器13で検出する物理量が例えば周波数である場合のように、物理量の値が大きいと振動が小さくなり、物理量の値が小さいと振動が大きくなる場合、判定部3aが、物理量の値が閾値以下である場合、電磁接触器2が異常であると判定し、物理量の値が閾値より大きい場合、電磁接触器2が異常でないと判定することで、電磁接触器2の異常を検出することができる。
【0033】
また、検出器13は振動に関する物理量を常時測定することもできるので、電磁接触器2で振動が発生するたびに判定部3aで電磁接触器2が異常であるか否かを判定することができる。よって、電磁接触器2の耐用年数よりも大幅に短い、例えば使用開始から数か月後に電磁接触器2が異常であると判定された場合には、例えば組み立て作業者のスキルによる組み立て誤差の影響による電磁接触器2の不具合といった電磁接触器2自体の初期不良の可能性があることを早期に発見できる。また、例えば使用開始から数年後に電磁接触器2が異常であることが判定された場合には、例えば電磁接触器2の内部構成部品の劣化や破損の可能性があることを早期に発見できる。
【0034】
また、検出器13が電磁接触器2に取り付けられることで、電磁接触器2から発生する振動に関する物理量をより正確に検出することができる。
【0035】
なお、実施の形態1では、検出器13を電磁接触器2に取り付けたが、電磁接触器2が固定された第一の固定部材である防振箱10に検出器を取り付けてもよい。これにより、検出器13を電磁接触器2に取り付けられない場合でも電磁接触器2から発生する振動に関する物理量を検出することができる。また、防振箱10に検出器13を取り付けることで、電磁接触器2から発生して防振箱10に伝わった振動に関する物理量を検出することになるので、電磁接触器2の異常だけでなく防振箱10の劣化や破損についても検出できるようになる。
【0036】
なお、検出器13を第一の固定部材である防振箱10が固定された第二の固定部材である制御盤3に取り付けてもよい。これにより、電磁接触器2から発生して防振箱10および防振部材11を介して制御盤3に伝わった振動に関する物理量を検出することになるので、電磁接触器2の異常だけでなく、防振箱10、防振部材11および制御盤3の劣化や破損についても検出できるようになる。
【0037】
なお、検出器13は第一の固定部材である防振箱10と第二の固定部材である制御盤3の間に介在する介在部材である防振部材11に取り付けてもよい。これにより、電磁接触器2から発生して防振箱10を介して防振部材11に伝わった振動に関する物理量を検出することになるので、電磁接触器2の異常だけでなく、防振箱10および防振部材11の劣化や破損についても検出できるようになる。
【0038】
なお、実施の形態1では検出器13が検出する振動に関する物理量を周波数としたが、周波数と同様に、物理量の値が大きくなると振動が小さくなり、物理量の値が小さくなると振動が大きくなるような他の物理量を検出してもよい。
【0039】
なお、実施の形態1では検出器13を1つだけ使用したが、検出器13を複数用いてもよい。検出器13を複数用いる場合は、電磁接触器2、防振箱10、防振部材11、制御盤3のうちのいずれか1か所に複数の検出器13を取り付けてもよいし、電磁接触器2、防振箱10、防振部材11、制御盤3のうちのいずれか2か所以上に取り付けてもよい。
【0040】
なお、実施の形態1では、異常検出装置9aがエレベータで使用される例について説明したが、電磁接触器2が使われる電化製品、電気機器、車両等で異常検出装置9aを使用してもよい。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2における異常検出装置9bの構成を説明する。図7は実施の形態2における異常検出装置9bの構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態2の異常検出装置9bは、検出器13で検出する振動に関する物理量を周波数の代わりに振動の加速度とする点、判定部3aの代わりに判定部30aを用いる点が実施の形態1の異常検出装置9aと相違する。周波数が固有周波数f以上の領域において、周波数が大きくなると振動が小さくなり、周波数が小さくなると振動が大きくなる。一方、加速度が大きいと振動は大きく、加速度が小さいと振動は小さい。
【0042】
判定部30aは、検出器13で検出された物理量の値と予め設定された閾値(基準値)を比較し、電磁接触器2が異常であるか否かを判定する。判定部30aによる判定結果は出力部3bに入力される。
【0043】
ここで、振動に関する物理量として加速度を検出する場合の基準値の設定方法について説明する。上述のとおり、振動の加速度が大きいと振動は大きく、加速度が小さいと振動は小さい。よって、例えば工場出荷時や現場への取り付け時に計測された振動の加速度のx倍(xは1より大きい任意の有理数)を基準値として設定することが可能である。
【0044】
実施の形態2における異常検出装置9bの動作について説明する。ここでは、上述のとおり、検出器13で検出される振動に関する物理量が振動の加速度である場合について説明する。図8は、実施の形態2における異常検出装置9bの動作を示すフローチャートである。
【0045】
図8において、電磁接触器2の投入時あるいは開放時に電磁接触器2から振動が発生する(S1)。検出器13は振動の加速度を検出しており、判定部30aは検出器13で検出された加速度の値と基準値(閾値)とを比較をする(S2a)。
【0046】
検出器13で検出された加速度の値が基準値以上であるとき(S2aのYES)、判定部30aは電磁接触器2が異常であると判定する(S3)。このとき、出力部3bは電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する(S4)。この信号は例えば外部の保守会社へ送られ、保守会社の作業者は電磁接触器2を検査して内部構成部品の劣化や破損の状態を確認する。
【0047】
検出器13で検出された加速度の値が基準値より小さいとき(S2aのNO)、判定部30aは電磁接触器2の異常はないと判定し(S5)、次に電磁接触器2から振動が発生するまで待機する。
【0048】
以上のように、実施の形態2における異常検出装置9bは、検出器13で検出する物理量が例えば加速度である場合、すなわち物理量の値が大きいと振動が大きくなり、物理量の値が小さいと振動が小さくなる場合、判定部30aが、物理量の値が閾値以上である場合、電磁接触器2が異常であると判定し、物理量の値が閾値より小さい場合、電磁接触器2が異常でないと判定することで、電磁接触器2の異常を検出することができる。
【0049】
なお、実施の形態2では検出器13が検出する振動に関する物理量を振動の加速度としたが、振動の加速度と同様に、物理量の値が大きいと振動が大きくなり、物理量の値が小さいと振動が小さくなる他の物理量を検出してもよい。例えば、振動に関する物理量として振動の変位を検出する場合、検出器13として例えばカメラのような電磁接触器2と非接触で変位を撮影できる装置を用いてもよい。
【0050】
実施の形態3.
実施の形態3における異常検出装置9cの構成を説明する。図9は実施の形態3における異常検出装置9の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態3の異常検出装置9cは、判定部3aの代わりに判定部103aを、出力部3bの代わりに出力部103bを備える点が実施の形態1の異常検出装置9aと相違する。
【0051】
判定部103aは、検出器13で検出された物理量の値と予め設定された第一の閾値を比較し、電磁接触器2が異常であるか否かを判定する。判定部103aによるこの判定結果は出力部103bに入力される。ここで第一の閾値は、実施の形態1における基準値と同様である。さらに、判定部103aは、検出器13で検出された物理量の値と予め設定された第二の閾値を比較し、電磁接触器2が軽度の異常であるか否かを判定する。判定部103aによるこの判定結果は出力部103bに入力される。ここで、第二の閾値は、電磁接触器2が軽度の異常であるか否かを判定するための基準となる物理量の値であり、「注意値」ともいう。基準値および注意値は、電磁接触器2の工場出荷時や現場への取り付け時に計測された物理量の値を元に設定することができる。また、一度設定した基準値および注意値を、電磁接触器2の現場への取り付け後の任意のタイミングで計測された物理量の値を元に再設定できるようにすることもできる。
【0052】
ここで、「軽度の異常」とは、検出器13で検出された物理量の値が第一の閾値である基準値に達した場合の劣化や破損の程度よりも劣化や破損の程度が小さい状態であり、異常とは言えないまでも異常の予兆が出ているような状態も含む。
【0053】
ここで、振動に関する物理量として周波数を検出する場合の第二の閾値である注意値の設定方法について説明する。上述のとおり、基準値としては図4に示す共振領域となる周波数の値を設定することが好ましく、固有周波数fよりも大きい周波数を設定することがより好ましい。図4から分かるように、共振領域および防振領域においては周波数が大きい方が振動の大きさが小さいと言えるので、注意値として、基準値よりも大きい値を設定する。共振領域内で基準値よりも大きい値を注意値として設定してもよいし、防振領域内の値を注意値として設定してもよい。
【0054】
出力部103bは、電磁接触器2が異常であると判定部103aが判定した場合、電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力し、電磁接触器2が軽度の異常であると判定部103aが判定した場合、電磁接触器2が軽度の異常であることを示す信号を出力する。これらの信号は、例えば、電磁接触器2が異常または軽度の異常であることを報知するための警告灯、スピーカー、表示モニター等の出力機器や外部の保守会社へ送られる。
【0055】
次に、実施の形態3における異常検出装置9cの動作を説明する。ここでは、上述のとおり、検出器13で検出される振動に関する物理量が周波数である場合について説明する。図10は、実施の形態3における異常検出装置9cの動作を示すフローチャートである。
【0056】
図10において、電磁接触器2の投入時あるいは開放時に電磁接触器2から振動が発生する(S1)。検出器13は周波数を検出しており、判定部103aは検出器13で検出された周波数の値と基準値(第一の閾値)とを比較をする(S102)。
【0057】
検出器13で検出された周波数の値が基準値以下であるとき(S102のYES)、判定部103aは電磁接触器2が異常であると判定する(S103)。このとき、出力部103bは電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する(S104)。この信号は例えば外部の保守会社へ送られ、保守会社の作業者は電磁接触器2を検査して内部構成部品の劣化や破損の状態を確認する。
【0058】
検出器13で検出された周波数の値が基準値より大きいとき(S102のNO)、判定部103aは検出器13で検出された周波数の値と注意値(第二の閾値)とを比較をする(S202)。
【0059】
検出器13で検出された周波数の値が注意値以下である時(S202のYES)、判定部103aは電磁接触器2が軽度の異常であると判定する(S203)。このとき、出力部103bは電磁接触器2が軽度の異常であることを示す信号を出力する(S204)。この信号は例えば外部の保守会社へ送られ、保守会社の作業者は電磁接触器2を検査して内部構成部品の劣化や破損の状態を確認する。
【0060】
検出器13で検出された周波数の値が注意値より大きい時(S202のNO)、判定部103aは電磁接触器2の異常はないと判定し(S205)、次に電磁接触器2から振動が発生するまで待機する。
【0061】
以上のように、実施の形態3における異常検出装置9cは、検出器13で検出する物理量が例えば周波数である場合のように、物理量の値が大きいと振動が小さくなり、物理量の値が小さいと振動が大きくなる場合、判定部103aが、検出器13で検出された物理量の値と第一の閾値(基準値)よりも大きい第二の閾値(注意値)とを比較し、物理量の値が第二の閾値以下である場合、電磁接触器2が軽度の異常であると判定し、物理量の値が第一の閾値より大きい場合、電磁接触器2が異常でないと判定し、出力部103bは、電磁接触器2が軽度の異常であると判定部103aが判定した場合、電磁接触器2が軽度の異常であることを示す信号を出力することで、電磁接触器2の異常、特に軽度の異常であるか否かを検出できる。軽度の異常を検出できることにより、電磁接触器2の劣化や破損が進む前の段階で適切な処置をすることが可能になり、電磁接触器2から発生する振動によって電磁接触器2の周辺の部材や機器等が劣化したり破損したりすることをさらに抑制することができる。
【0062】
実施の形態4.
実施の形態4における異常検出装置9dの構成を説明する。図11は実施の形態4における異常検出装置9dの構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態4の異常検出装置9dは、検出器13で検出する振動に関する物理量を周波数の代わりに振動の加速度とする点、判定部103aの代わりに判定部130aを用いる点が実施の形態3の異常検出装置9cと相違する。周波数が固有周波数f以上の領域において、周波数が大きくなると振動が小さくなり、周波数が小さくなると振動が大きくなる。一方、振動の加速度が大きいと振動は大きく、加速度が小さいと振動が小さい。
【0063】
判定部130aは、検出器13で検出された物理量の値と予め設定された第一の閾値(基準値)を比較し、電磁接触器2が異常であるか否かを判定する。判定部130aによるこの判定結果は出力部103bに入力される。さらに、判定部130aは、検出器13で検出された物理量の値と予め設定された第二の閾値(注意値)を比較し、電磁接触器2が軽度の異常であるか否かを判定する。判定部130aによるこの判定結果は出力部103bに入力される。
【0064】
ここで、振動に関する物理量として加速度を検出する場合の注意値の設定方法について説明する。上述のとおり、振動の加速度が大きいと振動は大きく、加速度が小さいと振動は小さい。基準値は、例えば工場出荷時や現場への取り付け時に計測された振動の加速度のx倍(xは1より大きい任意の有理数)と設定される。よって、例えば工場出荷時や現場への取り付け時に計測された物理量のy倍(yは1より大きい任意の有理数であり、xより小さい)を注意値として設定することが可能である。
【0065】
実施の形態4における異常検出装置9dの動作について説明する。ここでは、上述のとおり、検出器13で検出される振動に関する物理量が振動の加速度である場合について説明する。図12は、実施の形態1における異常検出装置9dの動作を示すフローチャートである。
【0066】
図12において、電磁接触器2の投入時あるいは開放時に電磁接触器2から振動が発生する(S1)。検出器13は振動の加速度を検出しており、判定部130aは検出器13で検出された加速度の値と基準値(第一の閾値)とを比較をする(S102a)。
【0067】
検出器13で検出された加速度の値が基準値以上である時(S102aのYES)、判定部130aは電磁接触器2が異常であると判定する(S103)。このとき、出力部103bは電磁接触器2が異常であることを示す信号を出力する(S104)。この信号は例えば外部の保守会社へ送られ、保守会社の作業者は電磁接触器2を検査して内部構成部品の劣化や破損の状態を確認する。
【0068】
検出器13で検出された加速度の値が基準値より小さいとき(S102aのNO)、判定部130aは検出器13で検出された加速度の値と注意値(第二の閾値)とを比較をする(S202a)。
【0069】
検出器13で検出された加速度の値が注意値以上であるとき(S202aのYES)、判定部130aは電磁接触器2が軽度の異常であると判定する(S203)。このとき、出力部103bは電磁接触器2が軽度の異常であることを示す信号を出力する(S204)。この信号は例えば外部の保守会社へ送られ、保守会社の作業者は電磁接触器2を検査して内部構成部品の劣化や破損の状態を確認する。
【0070】
検出器13で検出された加速度の値が注意値より小さいとき(S202aのNO)、判定部130aは電磁接触器2の異常はないと判定し(S205)、次に電磁接触器2から振動が発生するまで待機する。
【0071】
以上のように、実施の形態4における異常検出装置9dは、検出器13で検出する物理量が例えば加速度である場合のように、物理量の値が大きいと振動が大きくなり、物理量の値が小さいと振動が小さくなる場合、判定部130aが、検出器13で検出された物理量の値と第一の閾値(基準値)よりも小さい第二の閾値(注意値)とを比較し、物理量の値が第二の閾値以上である場合、電磁接触器2が軽度の異常であると判定し、物理量の値が第一の閾値より小さい場合、電磁接触器2が異常でないと判定し、出力部103bは、電磁接触器2が軽度の異常であると判定部130aが判定した場合、電磁接触器2が軽度の異常であることを示す信号を出力することで、電磁接触器2の異常、特に軽度の異常であるか否かを検出できる。軽度の異常を検出できることにより、電磁接触器2の劣化や破損が進む前の段階で適切な処置をすることが可能になり、電磁接触器2から発生する振動によって電磁接触器2の周辺の部材や機器等が劣化したり破損したりすることをさらに抑制することができる。
【0072】
なお、実施の形態4では検出器13が検出する振動に関する物理量を振動の加速度としたが、振動の加速度と同様に、物理量の値が大きいと振動が大きくなり、物理量の値が小さいと振動が小さくなる他の物理量を検出してもよい。例えば、振動に関する物理量として振動の変位を検出する場合、検出器13として例えばカメラのような電磁接触器2と非接触で変位を撮影できる装置を用いてもよい。
【0073】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
電磁接触器から発生した振動に関する物理量を検出する検出器と、
前記検出器で検出された前記物理量の値と第一の閾値とを比較し、前記電磁接触器が異常であるか否かを判定する判定部と、
前記電磁接触器が異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が異常であることを示す信号を出力する出力部と、
を備える異常検出装置。
(付記2)
前記判定部は、前記物理量の値が前記第一の閾値以下である場合、前記電磁接触器が異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より大きい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定する
付記1に記載の異常検出装置。
(付記3)
前記判定部は、前記検出器で検出された前記物理量の値と前記第一の閾値よりも大きい第二の閾値とを比較し、前記物理量の値が前記第二の閾値以下である場合、前記電磁接触器が軽度の異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より大きい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定し、
前記出力部は、前記電磁接触器が軽度の異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が軽度の異常であることを示す信号を出力する
付記2に記載の異常検出装置。
(付記4)
前記判定部は、前記物理量の値が前記第一の閾値以上である場合、前記電磁接触器が異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より小さい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定する
付記1に記載の異常検出装置。
(付記5)
前記判定部は、前記検出器で検出された前記物理量の値と前記第一の閾値よりも小さい第二の閾値とを比較し、前記物理量の値が前記第二の閾値以上である場合、前記電磁接触器が軽度の異常であると判定し、前記物理量の値が前記第一の閾値より小さい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定し、
前記出力部は、前記電磁接触器が軽度の異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が軽度の異常であることを示す信号を出力する
付記4に記載の異常検出装置。
(付記6)
前記検出器は、前記物理量として周波数を検出する
付記2または3に記載の異常検出装置。
(付記7)
前記検出器は、前記物理量として加速度を検出する
付記4または5に記載の異常検出装置。
(付記8)
前記検出器は、前記物理量として変位を検出する
付記4または5に記載の異常検出装置。
(付記9)
前記検出器は、前記電磁接触器に取り付けられた
付記1から8のいずれか一項に記載の異常検出装置。
(付記10)
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材に取り付けられた
付記1から9のいずれか一項に記載の異常検出装置。
(付記11)
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材が固定された第二の固定部材に取り付けられた
付記1から10のいずれか一項に記載の異常検出装置。
(付記12)
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材と前記第一の固定部材が固定された第二の固定部材の間に介在する介在部材に取り付けられた
付記1から11のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【符号の説明】
【0074】
1 電源
2 電磁接触器
3 制御盤
3a、30a、103a、130a 判定部
3b、103b 出力部
4 電動機
5 かご
6 釣合いおもり
7 主ロープ
8 制動装置
9a、9b、9c、9d 異常検出装置
10 防振箱
11 防振部材
12 防振部材固定部
13 検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁接触器から発生した振動に関する物理量として周波数を検出する検出器と、
前記検出器で検出された周波数の値と振動伝達率が1以上となる周波数の領域である共振領域内で設定した第一の閾値とを比較し、前記電磁接触器が異常であるか否かを判定する判定部と、
前記電磁接触器が異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が異常であることを示す信号を出力する出力部と、
を備える異常検出装置。
【請求項2】
前記第一の閾値は、前記電磁接触器の固有周波数よりも大きい周波数である
請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記周波数の値が前記第一の閾値以下である場合、前記電磁接触器が異常であると判定し、前記周波数の値が前記第一の閾値より大きい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定する
請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記周波数の値が前記第一の閾値以下である場合、前記電磁接触器が異常であると判定し、前周波数の値が前記第一の閾値より大きく、前記第一の閾値より大きい第二の閾値以下である場合、前記電磁接触器が軽度の異常であると判定し、前記周波数の値が前記第の閾値より大きい場合、前記電磁接触器が異常でないと判定し、
前記出力部は、前記電磁接触器が軽度の異常であると前記判定部が判定した場合、前記電磁接触器が軽度の異常であることを示す信号を出力する
請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【請求項5】
前記検出器は、前記電磁接触器に取り付けられた
請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【請求項6】
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材に取り付けられた
請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【請求項7】
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材が固定された第二の固定部材に取り付けられた
請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【請求項8】
前記検出器は、前記電磁接触器が固定された第一の固定部材と前記第一の固定部材が固定された第二の固定部材の間に介在する介在部材に取り付けられた
請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示に係る異常検出装置は、電磁接触器から発生した振動に関する物理量として周波数を検出する検出器と、検出器で検出された周波数の値と振動伝達率が1以上となる周波数の領域である共振領域内で設定した第一の閾値とを比較し、電磁接触器が異常であるか否かを判定する判定部と、電磁接触器が異常であると判定部が判定した場合、電磁接触器が異常であることを示す信号を出力する出力部と、を備える。