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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085015
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】災害監視装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20240619BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20240619BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20240619BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20240619BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20240619BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
H04W52/02 110
G08C19/00 G
G08C17/00 Z
H04W52/02 130
H04W4/38
H04W4/90
H04Q9/00 311K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199312
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】辻田 泰久
【テーマコード(参考)】
2F073
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA03
2F073AA11
2F073AB01
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC08
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE08
2F073DE16
2F073EE13
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
5K048AA05
5K048BA35
5K048DA02
5K048DC01
5K048EB01
5K048EB13
5K048HA01
5K048HA02
5K067AA43
5K067BB27
5K067CC21
5K067DD23
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067GG04
(57)【要約】
【課題】災害監視を継続すること。
【解決手段】浸水監視装置は、複数の送信機と、浸水検知装置と、を備える。浸水検知装置は、受信機と、サーバと、を備える。送信機は、バッテリと、送信回路と、を備える。送信回路は、災害が発生したか否かを示す情報、及び識別情報を含む無線信号を送信する。受信装置は、受信機用制御装置を備える。受信機用制御装置は、無線信号を受信できない時間が閾値を超えた場合に、受信できなくなった無線信号を送信していた送信機のバッテリの残量が尽きたと判定する。複数の送信機は、第1送信間隔で無線信号を送信する第1送信機と、第1送信間隔よりも長い第2送信間隔で無線信号を送信する第2送信機と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信機と、
判定装置と、を備え、
前記複数の送信機のそれぞれは、
バッテリと、
災害が発生したか否かを判定するためのセンサと、
前記災害が発生したか否かを示す情報、及び前記複数の送信機毎に個別に設定された識別情報を含む無線信号を送信する送信回路と、を備え、
前記判定装置は、
前記無線信号を受信する受信回路と、
判定装置用制御装置と、を備え、
前記判定装置用制御装置は、
前記災害が発生したか否かを示す情報から前記送信機の配置位置に前記災害が発生したか否かを認識し、
前記無線信号を受信できない時間が閾値を超えた前記送信機が存在する場合、当該送信機の前記バッテリの残量が尽きたと判定し、
前記複数の送信機は、
第1送信間隔で前記無線信号を送信する第1送信機と、
前記第1送信間隔よりも長い第2送信間隔で前記無線信号を送信する第2送信機と、を含む、災害監視装置。
【請求項2】
前記第2送信機の数は、前記第1送信機の数よりも少ない、請求項1に記載の災害監視装置。
【請求項3】
前記判定装置は、前記第1送信機の前記バッテリの残量が尽きたと前記判定装置用制御装置により判定された場合、前記第2送信機に前記無線信号の送信間隔を短くするように指令を送信する指令送信回路を備える、請求項1又は請求項2に記載の災害監視装置。
【請求項4】
前記判定装置は、第1配置位置に配置された前記送信機から送信された前記無線信号によって前記第1配置位置に前記災害が発生したことを前記判定装置用制御装置が認識した場合、前記第1配置位置に紐付けられた第2配置位置に配置された前記第2送信機に前記無線信号の送信間隔を短くするように指令を送信する指令送信回路を備える、請求項1又は請求項2に記載の災害監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、災害監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
災害監視装置は、センサの検出結果から災害の発生を監視する。特許文献1に開示の災害監視装置は、水位を監視する。特許文献1に開示の災害監視装置は、複数の水圧センサ装置と、中継器と、サーバと、を備える。水圧センサ装置は、水圧センサと、バッテリと、無線通信部と、を備える。無線通信部は、水圧センサが測定した水圧と、識別情報とを中継器に無線によって送信する。バッテリは、水圧センサ装置に電力を供給する。中継器は、水圧センサが測定した水圧と、大気圧とに基づいて水圧センサ装置毎に水位を算出する。中継器は、算出した水位をサーバに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-124250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水圧センサ装置のバッテリの残量が尽きた場合、当該水圧センサ装置による水圧の測定が行われなくなる。これにより、バッテリの残量が尽きた水圧センサ装置が設けられた位置について、水位の監視を行えなくなる。特に、バッテリの残量が尽きた水圧センサ装置が複数発生した場合、複数の水圧センサ装置が設けられた範囲の水位を監視できなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する災害監視装置は、複数の送信機と、判定装置と、を備え、前記複数の送信機のそれぞれは、バッテリと、災害が発生したか否かを判定するためのセンサと、前記災害が発生したか否かを示す情報、及び前記複数の送信機毎に個別に設定された識別情報を含む無線信号を送信する送信回路と、を備え、前記判定装置は、前記無線信号を受信する受信回路と、判定装置用制御装置と、を備え、前記判定装置用制御装置は、前記災害が発生したか否かを示す情報から前記送信機の配置位置に前記災害が発生したか否かを認識し、前記無線信号を受信できない時間が閾値を超えた前記送信機が存在する場合、当該送信機の前記バッテリの残量が尽きたと判定し、前記複数の送信機は、第1送信間隔で前記無線信号を送信する第1送信機と、前記第1送信間隔よりも長い第2送信間隔で前記無線信号を送信する第2送信機と、を含む。
【0006】
第2送信機は、第1送信間隔よりも長い第2送信間隔で無線信号を送信する。このため、第2送信機のバッテリは、第1送信機のバッテリよりも残量が尽きにくい。第1送信機のバッテリの残量が尽きた場合、第1送信機のバッテリを交換するまでの間は、第2送信機によって災害の監視を行うことができる。第1送信機のバッテリの残量が尽きていない間は、第1送信機によって災害監視のリアルタイム性を確保しつつ、第1送信機のバッテリの残量が尽きた場合は第2送信機によって災害監視を継続することができる。
【0007】
上記災害監視装置について、前記第2送信機の数は、前記第1送信機の数よりも少なくてもよい。
上記災害監視装置について、前記判定装置は、前記第1送信機の前記バッテリの残量が尽きたと前記判定装置用制御装置により判定された場合、前記第2送信機に前記無線信号の送信間隔を短くするように指令を送信する指令送信回路を備えていてもよい。
【0008】
上記災害監視装置について、前記判定装置は、第1配置位置に配置された前記送信機から送信された前記無線信号によって前記第1配置位置に前記災害が発生したことを前記判定装置用制御装置が認識した場合、前記第1配置位置に紐付けられた第2配置位置に配置された前記第2送信機に前記無線信号の送信間隔を短くするように指令を送信する指令送信回路を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、災害監視を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】浸水監視装置の一例を示す模式図である。
図2】浸水監視装置の概略構成図である。
図3】第1送信間隔と第2送信間隔とを示すタイムチャートである。
図4】浸水検知装置が行う浸水監視制御を示すフローチャートである。
図5】受信機用制御装置が行うバッテリ残量判定制御を示すフローチャートである。
図6】バッテリ残量判定制御の変更例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、災害監視装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、浸水監視装置10は、複数の送信機11と、浸水検知装置30と、を備える。浸水検知装置30は、受信機21と、サーバ31と、を備える。浸水監視装置10は、災害として浸水を監視する。浸水監視装置10は、災害監視装置の一例である。
【0012】
<送信機>
送信機11は、浸水監視装置10にのみ用いられる専用品であってもよいし、タイヤの空気圧を測定する空気圧センサとして兼用できるものであってもよい。
【0013】
送信機11は、所定の位置に配置されている。所定の位置は、浸水が生じ得る位置である。送信機11は、例えば、水路の近傍、又は河川の近傍に設けられる。送信機11は、構造物に取り付けられている。構造物は、壁ST1、杭ST2、電柱ST3、及び建屋ST4を含む。図1に示す例では、壁ST1に2つの送信機11が取り付けられている。杭ST2、電柱ST3、及び建屋ST4に1つずつ送信機11が取り付けられている。壁ST1には、2つの配置位置P1,P2が設定されている。杭ST2には、1つの配置位置P3が設定されている。電柱ST3には、1つの配置位置P4が設定されている。建屋ST4には、1つの配置位置P5が設定されている。2つの配置位置P1,P2は、水平方向の位置が同一であって高さ方向の位置が異なる。適宜、配置位置P1を第1配置位置P1、配置位置P2を第2配置位置P2と称する。第1配置位置P1は、第2配置位置P2よりも低い位置である。
【0014】
複数の送信機11は、第1送信機11Aと、第2送信機11Bと、を含む。配置位置P1,P3,P4,P5に配置された送信機11は、第1送信機11Aである。第2配置位置P2に配置された送信機11は、第2送信機11Bである。第2送信機11Bの数は、第1送信機11Aの数よりも少ない。第1送信機11Aのハードウェア構成と第2送信機11Bのハードウェア構成とは互いに同一である。
【0015】
図2に示すように、送信機11は、圧力センサ12を備える。圧力センサ12は、受圧部12aを備える。圧力センサ12は、受圧部12aに加わる圧力を測定する。受圧部12aは、外気に露出するように設けられている。圧力センサ12は、災害が発生したか否かを判定するためのセンサである。
【0016】
送信機11は、送信機用制御装置13を備える。送信機用制御装置13は、例えば、プロセッサ14と、記憶部15と、を備える。プロセッサ14としては、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)を挙げることができる。記憶部15は、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部15は、処理をプロセッサ14に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部15、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。送信機用制御装置13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である送信機用制御装置13は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。記憶部15は、識別情報を記憶している。識別情報は、複数の送信機11毎に個別に設定されている。
【0017】
送信機11は、送信回路16を備える。送信回路16は、送信機用制御装置13から入力されたフレームに応じた変調を行う。フレームは、プロトコルで規定されたフォーマットのデータで構成されている。フレームは、圧力データ、及び識別情報を含む。圧力データは、圧力センサ12の測定結果である。識別情報は、複数の送信機11のそれぞれを識別するための情報である。識別情報は、例えば、送信機11毎に設定されたIDコードである。
【0018】
送信機11は、送信アンテナ17を備える。送信回路16は、変調を行った無線信号を送信アンテナ17から送信する。この無線信号は、圧力データを示す情報、及び識別情報を示す情報を含んだ信号である。
【0019】
送信機11は、受信アンテナ18を備える。受信アンテナ18は、受信機21から送信される無線信号を受信する。受信機21から送信される無線信号には、送信機11に対する指令が含まれる。
【0020】
送信機11は、受信回路19を備える。受信回路19は、受信機21から送信された無線信号を復調して、指令を得る。受信回路19は、指令を送信機用制御装置13に出力する。送信機用制御装置13は、指令に従って送信機11を機能させる。
【0021】
送信機11は、バッテリ20を備える。バッテリ20は、送信機11に電力を供給することによって送信機11の電力源となる。バッテリ20は、例えば、一次電池、又は二次電池である。
【0022】
図3に示すように、送信機11は、無線信号を定期的に送信する。第1送信機11Aと第2送信機11Bとでは、無線信号の送信間隔が異なる。
第1送信機11Aでは、第1送信間隔T1で無線信号が送信される。詳細にいえば、第1送信機11Aでは、第1送信間隔T1毎に送信機用制御装置13が圧力センサ12から圧力の測定結果を取得する取得処理が行われる。取得処理では、圧力センサ12から複数回、圧力データが取得される。取得処理で圧力データが取得される回数は、例えば、6回~10回の範囲で任意に設定することができる。送信機用制御装置13は、圧力の測定結果を示す圧力データ、及び識別情報を含む無線信号を送信する。第1送信間隔T1は、任意に設定することができる。第1送信間隔T1は、例えば、一分~二分の範囲で任意に設定することができる。
【0023】
第2送信機11Bでは、第2送信間隔T2で無線信号が送信される。詳細にいえば、第2送信機11Bでは、第2送信間隔T2毎に送信機用制御装置13が圧力センサ12から圧力の測定結果を取得する取得処理が行われる。この取得処理は、第1送信機11Aで行われる取得処理と同様である。送信機用制御装置13は、圧力の測定結果を示す圧力データ、及び識別情報を含む無線信号を送信する。第2送信間隔T2は、第1送信間隔T1よりも長い。第2送信機11Bの無線信号の送信頻度は、第1送信機11Aの無線信号の送信頻度よりも低い。第2送信間隔T2は、任意に設定することができる。第2送信間隔T2は、例えば、三分~数十分の範囲で任意に設定することができる。
【0024】
送信機11の送信間隔は、記憶部15に記憶されたソフトウェアによって異なる。従って、送信機11を第1送信機11Aとして機能させるか第2送信機11Bとして機能させるかは、記憶部15に記憶されたソフトウェアによって異なる。例えば、送信機11の製造時に記憶部15にソフトウェアを書き込むことによって送信機11を第1送信機11Aとして機能させるか第2送信機11Bとして機能させるかを選択してもよい。また、送信機11を配置位置P1~P5に配置した後に、外部ツールによって記憶部15にソフトウェアを書き込んでもよい。この場合、外部ツールによってソフトウェア自体を書き込んでもよい。送信機11を第1送信機11Aとして機能させるソフトウェアと送信機11を第2送信機11Bとして機能させるソフトウェアとを予め記憶部15に記憶しておき、外部ツールによっていずれのソフトウェアを実行するかを選択する選択情報を書き込んでもよい。外部ツールによる書き込みを行う場合、送信機11は、外部ツールからの無線信号を受信する受信回路を備える。また、外部ツールによる書き込みは、外部ツールと送信機11とを有線接続することで行われてもよい。
【0025】
<受信機>
図1に示すように、受信機21は、構造物に取り付けられている。受信機21は、送信機11からの無線信号を受信可能な位置に設けられている。受信機21は、複数の送信機11から送信された無線信号を受信可能である。受信機21の数は、送信機11の数よりも少ない。受信機21は、判定装置の一例である。
【0026】
図2に示すように、受信機21は、受信機用制御装置22を備える。受信機用制御装置22のハードウェア構成は、例えば、送信機用制御装置13と同一である。受信機用制御装置22は、例えば、プロセッサ23と、記憶部24と、を備える。受信機用制御装置22は、判定装置用制御装置の一例である。
【0027】
受信機21は、受信回路25を備える。受信回路25は、送信機11から送信された無線信号を復調して、フレームに含まれるデータを得る。受信回路25は、データを受信機用制御装置22に出力する。これにより、受信機用制御装置22は、圧力センサ12の測定結果である圧力データ、及び無線信号を送信した送信機11の識別情報を取得する。
【0028】
受信機21は、受信アンテナ26を備える。受信アンテナ26は、送信機11から送信された無線信号を受信する。受信アンテナ26が受信した無線信号は、受信回路25に入力される。受信回路25は、受信アンテナ26を介して無線信号を受信する。
【0029】
受信機21は、通信装置27を備える。通信装置27は、通信制御部やポート等を備え、通信網NWを通じて情報の送受信を行うことができるネットワーク機器である。通信装置27は、通信網NWを介してサーバ31に接続されている。
【0030】
受信機21は、送信回路28を備える。送信回路28は、受信機用制御装置22から入力されたフレームに応じた変調を行う。フレームは、プロトコルで規定されたフォーマットのデータで構成されている。フレームは、送信機11に対する指令、及び送信先の送信機11の識別情報を含む。送信回路28は、指令送信回路の一例である。
【0031】
受信機21は、送信アンテナ29を備える。送信回路28は、変調を行った無線信号を送信アンテナ29から送信する。この無線信号は、指令を含んだ信号である。
<サーバ>
サーバ31は、サーバ用制御装置32を備える。サーバ用制御装置32のハードウェア構成は、例えば、送信機用制御装置13と同一である。サーバ用制御装置32は、例えば、プロセッサ33と、記憶部34と、を備える。
【0032】
記憶部34には、送信機11の識別情報と、送信機11の配置位置とを対応付けた対応関係が記憶されている。送信機11の配置位置は、絶対座標系での位置で表される。送信機11の配置位置は、例えば、経緯度で表される。
【0033】
サーバ31は、通信装置35を備える。通信装置35は、例えば、通信装置27と同様のものである。通信装置35は、通信網NWを介して受信機21に接続されている。これにより、サーバ31と受信機21とは、互いに情報の送受信が可能である。
【0034】
サーバ31は、ユーザ端末40に情報を提供可能である。例えば、サーバ31は、通信網NWを介してユーザ端末40に情報を提供する。ユーザ端末40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータである。
【0035】
<浸水検知装置が行う浸水監視制御>
浸水検知装置30が行う浸水監視制御について説明する。浸水監視制御は、所定の制御周期で繰り返し行われる。
【0036】
図4に示すように、ステップS1において、受信機用制御装置22は、圧力データを取得する。詳細にいえば、送信機11からの無線信号を受信アンテナ26が受信すると、受信回路25で無線信号が復調されることによって受信機用制御装置22は、圧力データを取得する。ステップS1において、受信機用制御装置22は、取得処理によって複数回取得された圧力データを取得する。受信機用制御装置22は、受信機21が無線信号を受信し得る複数の送信機11から無線信号を受信する度に、圧力データを取得する。
【0037】
次に、ステップS2において、受信機用制御装置22は、ステップS1で複数回取得された圧力データによって示される圧力から、圧力の変動が所定値以上か否かを判定する。受信機用制御装置22は、取得処理が行われている間に、圧力センサ12によって測定される圧力に所定値以上の変動があったか否かを判定するといえる。圧力の変動が所定値以上か否かは、種々の手法で判定することができる。受信機用制御装置22は、圧力の最高値と圧力の最低値との差が所定値以上の場合に、圧力の変動が所定値以上と判定してもよい。受信機用制御装置22は、圧力の標準偏差を算出し、標準偏差が所定値以上の場合に、圧力の変動が所定値以上と判定してもよい。受信機用制御装置22は、複数回測定された圧力のそれぞれについて、前回値との差を算出し、前回値との差が所定値以上の場合に、圧力の変動が所定値以上と判定してもよい。所定値としては、例えば、大気圧の変動による圧力の変動によってステップS2の判定結果が肯定にならないように設定される。ステップS2の処理は、識別情報毎に個別に行われる。これにより、受信機用制御装置22は、送信機11毎に、圧力の変動が所定値以上か否かを判定している。ステップS2の判定結果が肯定の場合、受信機用制御装置22は、ステップS3の処理を行う。ステップS2の判定結果が否定の場合、受信機用制御装置22は、ステップS4の処理を行う。
【0038】
ステップS3において、受信機用制御装置22は、圧力が所定値以上変動した圧力センサ12を備える送信機11の配置位置は、浸水していると認識する。ステップS3の処理を終えると、受信機用制御装置22は、ステップS5の処理を行う。
【0039】
ステップS4において、受信機用制御装置22は、圧力が所定値以上変動していない圧力センサ12を備える送信機11の配置位置は、浸水していないと認識する。このように、受信機用制御装置22は、圧力データを用いて浸水が発生しているか否かの判定を行い、この判定結果から配置位置P1~P5に浸水が発生しているか否かを認識している。圧力データは、災害が発生したか否かを示す情報の一例である。ステップS4の処理を終えると、受信機用制御装置22は、ステップS5の処理を行う。
【0040】
ステップS5において、受信機用制御装置22は、識別情報に浸水しているか否かの判定結果を対応付けたデータをサーバ31に送信する。
次に、ステップS6において、サーバ用制御装置32は、受信機用制御装置22が浸水していると判定した配置位置を示す情報を、ユーザ端末40に提供する。サーバ用制御装置32は、ステップS5で送信される判定結果から、浸水している配置位置に配置された送信機11の識別情報を認識できる。サーバ用制御装置32は、記憶部34に記憶された対応関係を用いて、浸水している配置位置を認識する。この際、サーバ用制御装置32は、浸水していると判定された配置位置P1~P5を基準とする所定範囲が浸水していると判定してもよい。
【0041】
サーバ用制御装置32は、ユーザ端末40に対してウェブブラウザ及びアプリケーションの少なくとも一方で、浸水している位置を示す情報を提供する。浸水している位置を示す情報は、テキストで提供されてもよいし、画像で提供されてもよい。浸水している位置を示す情報をテキストで提供する場合、浸水している位置の地名がユーザ端末40に表示されるようにしてもよい。浸水している位置を示す情報を画像で提供する場合、地図画像に浸水している範囲を描写した画像がユーザ端末40に表示されるようにしてもよい。
【0042】
<バッテリ残量判定制御>
受信機用制御装置22が行うバッテリ残量判定制御について説明する。バッテリ残量判定制御は、送信機11のバッテリ20の残量が尽きているか否かを判定する制御である。バッテリ残量判定制御は、所定の制御周期で繰り返し行われる。
【0043】
図5に示すように、ステップS11において、受信機用制御装置22は、無線信号を受信できない時間が閾値を超えた送信機11が存在するか否かを判定する。
受信機用制御装置22は、無線信号の復調によって得られる識別情報から5つの送信機11のうちいずれの送信機11からの無線信号を、閾値を超えて受信できていないかを判定できる。受信機用制御装置22は、識別情報毎に前回の無線信号の受信からの経過時間を測定している。そして、経過時間が閾値を超えた場合、閾値を超えた識別情報の送信機11からの無線信号を受信できない時間が閾値を超えたと判定できる。閾値としては、送信機11が無線信号を送信しているか否かを判定できる値に設定される。送信機11が無線信号を送信している場合であっても通信環境を原因として受信機21が無線信号を受信できないことが生じ得る。このため、閾値としては、送信機11が無線信号を複数回送信できる時間とすることが好ましい。閾値は、第1送信機11Aと第2送信機11Bとで同一の値であってもよい。第1送信機11Aと第2送信機11Bとで閾値を同一の値とする場合、閾値は、少なくとも第2送信間隔T2よりも長い時間に設定される。閾値は、第1送信機11Aと第2送信機11Bとで異なる値であってもよい。この場合、第1送信機11Aに対する閾値は、少なくとも第1送信間隔T1よりも長い時間に設定される。第2送信機11Bに対する閾値は、少なくとも第2送信間隔T2よりも長い時間に設定される。
【0044】
送信機11が無線信号を送信していない場合、バッテリ20の残量が尽きたと考えられる。従って、受信機用制御装置22は、無線信号を受信できない時間が閾値を超えた送信機11が存在する場合、当該送信機11のバッテリ20の残量が尽きたと判定する。
【0045】
ステップS11の判定結果が否定の場合、受信機用制御装置22は、バッテリ残量判定制御を終了する。ステップS11の判定結果が肯定の場合、受信機用制御装置22は、ステップS12の処理を行う。
【0046】
ステップS12において、受信機用制御装置22は、識別情報とともにバッテリ20の残量が尽きたことをサーバ31に通知する。これにより、サーバ31は、複数の送信機11のうちいずれの送信機11のバッテリ20の残量が尽きたかを認識できる。サーバ31は、バッテリ20の残量が尽きたことを管理者に通知する。この通知は、任意の手法によって行うことができる。例えば、サーバ31が備える表示部にバッテリ20の残量が尽きた旨の表示を行ってもよいし、管理者の所持する携帯端末に指令を送信することによって携帯端末に表示を行わせてもよい。この際、複数の送信機11のうちいずれの送信機11のバッテリ20が尽きたかを通知する。例えば、バッテリ20の残量が尽きた送信機11の座標を表示してもよいし、バッテリ20の残量が尽きた送信機11の位置を地図上に表示してもよい。
【0047】
次に、ステップS13において、受信機用制御装置22は、バッテリ20の残量が尽きたのは第1送信機11Aか否かを判定する。例えば、受信機用制御装置22は、識別情報に第1送信機11A、又は第2送信機11Bを対応付けた対応データに基づいてバッテリ20の残量が尽きた送信機11が第1送信機11Aか否かを判定する。また、第1送信機11Aと第2送信機11Bとで識別情報を異ならせておくことによって、バッテリ20の残量が尽きた送信機11が第1送信機11Aか否かを判定できるようにしてもよい。例えば、識別情報を表すビットのうち特定のビットが第1送信機11Aであれば「1」、第2送信機11Bであれば「0」となるように定めておけばよい。
【0048】
ステップS13の判定結果が否定の場合、受信機用制御装置22は、バッテリ残量判定制御を終了する。ステップS13の判定結果が肯定の場合、受信機用制御装置22は、ステップS14の処理を行う。
【0049】
ステップS14において、受信機用制御装置22は、第2送信機11Bに第2送信間隔T2を短くするように送信回路28から指令を送信する。これにより、第2送信機11Bの無線信号の送信間隔は、第2送信間隔T2よりも短くなる。第2送信機11Bは、指令を受信した場合、第2送信間隔T2を第1送信間隔T1にしてもよいし、第2送信間隔T2を第1送信間隔T1よりも短くしてもよいし、第2送信間隔T2を第1送信間隔T1よりも長く第2送信間隔T2よりも短くしてもよい。
【0050】
[実施形態の作用]
図1に示すように、送信機11の配置位置P1~P5が浸水すると、圧力センサ12の受圧部12aには、水Fからの圧力が加わる。圧力センサ12の受圧部12aに加わる水Fからの圧力によって、圧力センサ12が複数回圧力データを取得すると、圧力の変動が所定値以上になる。受信機用制御装置22は、圧力センサ12によって測定された圧力の変動が所定値以上の場合に、送信機11の配置位置P1~P5が浸水していると判定する。
【0051】
送信機11のバッテリ20の残量が尽きていると、送信機11が機能しない。このため、浸水が発生した場合に送信機11のバッテリ20の残量が尽きていると、受信機用制御装置22が浸水の発生を認識することができない。特に、バッテリ20の残量が尽きた送信機11が複数存在する場合、複数の送信機11が存在する範囲について受信機用制御装置22が浸水の発生を認識することができなくなる。送信機11のハードウェア構成は同一であるため、バッテリ20の満容量は全ての送信機11で同一である。全ての送信機11が同一の送信間隔で無線信号を送信する場合、短時間の間に、全ての送信機11のバッテリ20の残量が尽きる場合がある。
【0052】
これに対し、第2送信機11Bは、第1送信間隔T1よりも長い第2送信間隔T2で無線信号を送信するため、第2送信機11Bのバッテリ20は、第1送信機11Aのバッテリ20よりも残量が尽きにくい。第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きた場合、第1送信機11Aのバッテリ20を交換するまでの間は、第2送信機11Bによって浸水の監視を行うことができる。これにより、短時間の間に、全ての送信機11のバッテリ20の残量が尽きることが抑制されている。
【0053】
[実施形態の効果]
(1)第2送信間隔T2は、第1送信間隔T1よりも長い。第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きていない間は、第1送信機11Aによって浸水監視のリアルタイム性を確保しつつ、第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きた場合は第2送信機11Bによって浸水監視を継続することができる。
【0054】
(2)第2送信機11Bの数は、第1送信機11Aの数よりも少ない。複数の送信機11のうち第1送信機11Aの数を少なくすると、浸水監視のリアルタイム性が低下する。第2送信機11Bの数を第1送信機11Aの数よりも少なくすることで、浸水監視のリアルタイム性が低下することを抑制できる。
【0055】
(3)受信機21は、送信回路28を備える。受信機用制御装置22は、第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きたと判定した場合、第2送信機11Bに第2送信間隔T2を短くするように指令を送信する。第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きた場合、浸水監視のリアルタイム性が低下する。第2送信機11Bに第2送信間隔T2を短くするように指令を送信することによって第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きたことによる浸水監視のリアルタイム性の低下を補うことができる。
【0056】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0057】
図6に示すように、ステップS13の処理はステップS23の処理に置き換えてもよい。ステップS14の処理は、ステップS24の処理に置き換えてもよい。
ステップS23において、受信機用制御装置22は、第1配置位置P1に浸水が発生したか否かを判定する。受信機用制御装置22は、第1配置位置P1に配置された送信機11の識別情報と第1配置位置P1を対応付け、第2配置位置P2に配置された送信機11の識別情報と第2配置位置P2を対応付けたデータに基づいて第1配置位置P1に浸水が発生したか否かを判定する。受信機用制御装置22は、バッテリ20の残量が尽きたと判定した送信機11の識別情報が第1配置位置P1に配置された送信機11に対応する識別情報と合致する場合、第1配置位置P1に浸水が発生したと判定する。ステップS23の判定結果が否定の場合、受信機用制御装置22は、バッテリ残量判定制御を終了する。ステップS23の判定結果が肯定の場合、受信機用制御装置22は、ステップS24の処理を行う。
【0058】
ステップS24において、受信機用制御装置22は、第2配置位置P2に配置された第2送信機11Bに第2送信間隔T2を短くするように送信回路28から指令を送信する。即ち、第1配置位置P1に配置された送信機11から送信された無線信号によって第1配置位置P1に浸水が発生したことを受信機用制御装置22が認識した場合、第2配置位置P2に配置された第2送信機11Bの第2送信間隔T2を短くするように、第1配置位置P1と第2配置位置P2とは紐付けられている。これにより、第2配置位置P2に配置された第2送信機11Bの無線信号の送信間隔は、第2送信間隔T2よりも短くなる。第2送信機11Bは、指令を受信した場合、第2送信間隔T2を第1送信間隔T1にしてもよいし、第2送信間隔T2を第1送信間隔T1よりも短くしてもよいし、第2送信間隔T2を第1送信間隔T1よりも長く第2送信間隔T2よりも短くしてもよい。
【0059】
第1配置位置P1に浸水が発生した場合、第2配置位置P2が浸水したことを逸早く検知したい場合がある。例えば、実施形態の第1配置位置P1と第2配置位置P2のように、水平方向の位置が同一であって高さ方向の位置が異なるように2つの配置位置P1,P2が設定されている場合、第2配置位置P2が浸水したか否かによって水位を予想することができる。また、第1配置位置P1の浸水から第2配置位置P2の浸水までの時間から水面の上昇速度を予測することができる。第1配置位置P1に浸水が発生した場合に、第2配置位置P2に配置された第2送信機11Bの送信間隔を短くすることで、第2配置位置P2が浸水したことを逸早く検知できる。
【0060】
第1配置位置と第2配置位置とは、第1配置位置に浸水が発生した場合に第2配置位置に配置された第2送信機11Bの送信間隔を短くするように紐付けられていればよく、2カ所に限られない。3つの配置位置P1,P2,P3を一例に挙げて説明する。配置位置P1には第1送信機11A、配置位置P2には第2送信機11B、配置位置P3には第2送信機11Bがそれぞれ配置されているとする。この場合、配置位置P1に浸水が発生した場合に、配置位置P2に配置された第2送信機11Bの第2送信間隔T2を短くするように受信機用制御装置22が指令を送信してもよい。更に、配置位置P2に浸水が発生した場合に、配置位置P3に配置された第2送信機11Bの第2送信間隔T2を短くするように受信機用制御装置22が指令を送信してもよい。この場合、配置位置P1と配置位置P2との対応関係は、配置位置P1が第1配置位置、配置位置P2が第2配置位置である。配置位置P2と配置位置P3との対応関係は、配置位置P2が第1配置位置、配置位置P3が第2配置位置である。第1配置位置は、第2配置位置よりも先に浸水が発生すると予想される位置であることが好ましい。
【0061】
第1配置位置は、複数であってもよい。上記した例であれば、2つの配置位置P1,P3のいずれかに浸水が発生した場合に、配置位置P2に配置された第2送信機11Bの第2送信間隔T2を短くするように受信機用制御装置22が指令を送信してもよい。この場合、配置位置P1,P3が第1配置位置、配置位置P2が第2配置位置である。
【0062】
第2配置位置は、複数であってもよい。上記した例であれば、配置位置P1に浸水が発生した場合に、配置位置P2,P3に配置された第2送信機11Bの第2送信間隔T2を短くするように受信機用制御装置22が指令を送信してもよい。この場合、配置位置P1が第1配置位置、配置位置P2,P3が第2配置位置である。
【0063】
第1配置位置には、第2送信機11Bが配置されてもよい。
・ステップS13において、受信機用制御装置22は、バッテリ20の残量が尽きたのは第1送信機11Aのうち特定の第1送信機11Aか否かを判定してもよい。例えば、受信機用制御装置22は、複数の第1送信機11Aのうち第1配置位置P1に配置された第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きたか否かを判定してもよい。そして、受信機用制御装置22は、第1配置位置P1に配置された第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きた場合、ステップS13の判定結果を肯定とし、第1配置位置P1に配置された第1送信機11Aのバッテリ20の残量が尽きていない場合、ステップS13の判定結果を否定としてもよい。
【0064】
・ステップS13において、受信機用制御装置22は、バッテリ20の残量が尽きた第1送信機11Aの数が予め定められた数以上か否かを判定してもよい。予め定められた数は、2以上の整数である。そして、受信機用制御装置22は、バッテリ20の残量が尽きた第1送信機11Aの数が予め定められた数以上の場合、ステップS13の判定結果を肯定としてもよい。受信機用制御装置22は、バッテリ20の残量が尽きた第1送信機11Aの数が予め定められた数未満の場合、ステップS13の判定結果を否定としてもよい。
【0065】
・配置位置P1~P5が浸水しているか否かの判定は、サーバ用制御装置32によって行われてもよい。この場合、受信機用制御装置22は、送信機11から取得した圧力データに識別情報を対応付けたデータをサーバ31に送信してもよい。また、送信機11が通信網NWを介してサーバ31にデータを送信できる通信装置を備える場合、送信機11からサーバ31に、圧力データに識別情報を対応付けたデータが送信されるようにしてもよい。この場合、送信機11が備える通信装置が送信回路である。サーバ31が判定装置である。サーバ用制御装置32が、判定装置用制御装置である。サーバ31の備える通信装置35が受信回路及び指令送信回路である。送信機11が通信装置を備える場合、浸水監視装置10は、受信機21を備えていなくてもよい。
【0066】
・受信機用制御装置22が、浸水している位置を示す情報を、ユーザ端末40に提供してもよい。
・受信機21は、表示部を備えていてもよい。この場合、受信機用制御装置22は、浸水が発生した場合に、浸水が発生している位置を表示部に表示するようにしてもよい。この場合、浸水監視装置10は、サーバ31を備えていなくてもよい。
【0067】
・災害が発生したか否かを示す情報は、災害が発生したか否かの判定を行った判定結果でもよい。この場合、送信機用制御装置13が、災害が発生したか否かを判定してもよい。
【0068】
・災害監視装置は、災害として落石や土砂崩れを監視する装置であってもよい。この場合、送信機11は、圧力センサ12に代えて、又は加えてセンサとして加速度センサを備える。加速度センサは、検出軸に沿う方向に作用する加速度を検出する。送信機用制御装置13は、圧力データに代えて、又は加えて加速度データを含む無線信号を送信する。加速度データは、加速度センサの検出結果を示す。加速度データは、災害が発生したか否かを示す情報である。
【0069】
落石や土砂崩れが発生するおそれのある場所では、落石や土砂崩れの対策としてフェンスが設けられている。送信機11は、フェンスに設けられる。落石の発生による石や土砂崩れの発生による土砂がフェンスに当たると、フェンスが傾く。フェンスが傾くことによって検出軸が傾くため、加速度センサによって検出される加速度はフェンスが傾く前後で異なる。受信機用制御装置22は、加速度センサによって検出された加速度の変化から落石や土砂崩れが発生したことを検知できる。
【0070】
・第1送信機11Aにおいて、取得処理は、第1送信間隔T1よりも短い間隔で行われてもよい。第2送信機11Bにおいて、取得処理は、第2送信間隔T2よりも短い間隔で行われてもよい。
【0071】
・浸水監視装置10は、複数の第2送信機11Bを備えていてもよい。この場合、複数の第2送信機11Bにおいて無線信号の第2送信間隔T2は、全て同一であってもよい。複数の第2送信機11Bにおいて無線信号の第2送信間隔T2は、互いに異なっていてもよい。即ち、第2送信間隔T2は、第1送信間隔T1より長ければよく、複数の第2送信機11Bが設けられる場合には、第2送信間隔T2は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0072】
・第1送信機11Aの数と第2送信機11Bの数とは同一の数であってもよい。第1送信機11Aの数は、第2送信機11Bの数より少なくてもよい。
・第1送信機11Aと第2送信機11Bとで、バッテリ20の満容量は異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0073】
P1…第1配置位置、P2…第2配置位置、10…災害監視装置である浸水監視装置、11…送信機、11A…第1送信機、11B…第2送信機、12…センサである圧力センサ、16…送信回路、20…バッテリ、21…受信機、22…判定装置用制御装置である受信機用制御装置、25…受信回路、28…指令送信回路である送信回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6