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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085028
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】固体撮像素子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199340
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤田 慶
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA01
4M118GA02
4M118GA09
4M118GC07
4M118GD04
4M118GD11
(57)【要約】
【課題】微細画素でも受光部への集光効率を向上させ、暗所や光が弱い場合でも光量の減衰を抑制し、感度の良い固体撮像素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体基板と、半導体基板に設けられ、光電変換素子からなる複数の受光部と、前記複数の受光部上に配置された絶縁層と、前記絶縁層上に前記複数の受光部のそれぞれに対応させて配置された複数色のカラーフィルター層と、前記カラーフィルター層および前記受光部にそれぞれ対応させて配置された複数のレンズを有するマイクロレンズ層と、を備えた固体撮像素子であって、前記カラーフィルター層を貫通した、前記受光部に入射光を誘導する光導波路構造を有し、前記光導波路は、前記カラーフィルター層よりも高屈折率を有する材料から構成されていることを特徴とする固体撮像素子である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、半導体基板に設けられ、光電変換素子からなる複数の受光部と、前記複数の受光部上に配置された絶縁層と、前記絶縁層上に前記複数の受光部のそれぞれに対応させて配置された複数色のカラーフィルター層と、前記カラーフィルター層および前記受光部にそれぞれ対応させて配置された複数のレンズを有するマイクロレンズ層と、を備えた固体撮像素子であって、
前記カラーフィルター層を貫通した、前記受光部に入射光を誘導する光導波路構造を有し、
前記光導波路は、前記カラーフィルター層よりも高屈折率を有する材料から構成されていることを特徴とする固体撮像素子。
【請求項2】
前記光導波路構造は、前記カラーフィルター層に加えて前記マイクロレンズ層を貫通しており、前記カラーフィルター層および前記マイクロレンズ層よりも高屈折率を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記光導波路構造は、前記カラーフィルター層に加えて前記絶縁層と前記マイクロレンズ層とを貫通しており、前記絶縁層、前記カラーフィルター層、前記マイクロレンズ層のどの層よりも高屈折率を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記カラーフィルター層を貫通した光導波路構造を有し、光導波路内の材料が前記マイクロレンズ層と同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記カラーフィルター層と前記マイクロレンズ層を貫通した光導波路構造を有し、光導波路材が前記マイクロレンズ頂点から飛び出しており、先端が平面形状またはレンズ形状をしていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記カラーフィルター層を貫通した光導波路内の材料に前記カラーフィルター層と同じ色を薄くつけたことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
請求項1に記載の固体撮像素子を製造する方法であって、
前記カラーフィルター層上に、フォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストの上から露光及び現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、
前記レジストパターンをエッチングマスクとして、前記カラーフィルター層にドライエッチングにより貫通穴を形成する工程と、
前記貫通穴に前記光導波路材を埋設する工程と、を含む固体撮像素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集光効率を高め、光量の減衰を抑制するために、光導波路を設けた固体撮像素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに用いられる固体撮像装置として、CCD型の固体撮像装置やCMOS型の固体撮像装置が知られている。その撮像装置において、小型化および多画素化によって画素の微細化がなされている。それに伴って、受光部(光電変換素子)の面積が減少し、入射光量が少なくなるため、感度の低下が生じている。
【0003】
図4は、従来の撮像装置における、固体撮像素子の構成を示す概略断面図であり、(a)はFSI型CMOSセンサー(表面照射型CMOS撮像素子)、(b)はBSI型CMOSセンサー(裏面照射型CMOS撮像素子)を示している。図4に示すように、固体撮像素子の構成は、複数の受光部を有する半導体基板と、受光部に対応して配置された複数種類のカラーフィルタを有するフィルタ部と、カラーフィルタに対応して配置された複数のマイクロレンズからなる。従来のCMOSセンサーの固体撮像素子においては、感度向上のために、受光部の面積拡大が重要であり、配線などの影響を受けない(b)の裏面照射タイプが主流である。
【0004】
上記マイクロレンズは、前述の感度の低下を改善するために配置されており、撮像装置の光入射面上にオンチップマイクロレンズを形成し、光をフォトダイオード部へ集光して、感度の低下を抑制している。しかしながら、更なる多画素化に伴う受光部の縮小化および感度低下に対して、マイクロレンズによる従来技術のみでは、集光効率を更に高めるのには限界がある。
近年、集光効率を高める方法として、オンチップマイクロレンズと受光部との間に、光の反射を利用して集光を行う光導波路(以後ライトパイプとよぶ)を形成する構成が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
このような撮像装置におけるライトパイプは、一般的に、受光部上のSiOなどの絶縁層中に、絶縁層に比べて高い屈折率を有するピラーを埋め込むことで形成され、絶縁層とライトパイプの屈折率の差によって、光が反射し集光される。ライトパイプを形成する工程は、受光部上の絶縁層に柱状の貫通穴を形成する工程と、その後その柱状の貫通穴部分を光導波路材で埋め込む工程を有する。その埋め込む光導波路材は、絶縁層に比べて高い屈折率を有するので、そのライトパイプに入射した光は、ライトパイプの側壁で反射し、効率よく受光部に集光される。この例のライトパイプを有する、従来の撮像素子の断面図を図5(a)に示す。
【0006】
その他、カラーフィルターの外側に低屈折率材料(樹脂や空気など)を配置することで、カラーフィルター自体がライトパイプになることも知られている。この撮像素子の例を、図5(b)に示す。
【0007】
どちらの場合も、集光効率を上げるため、デバイス内に高い屈折率を有するライトパイプを設置したり、カラーフィルター外周に低屈折率材料を設置することによって、屈折率の差を利用し、光が反射し受光部に効率よく集光させる、光閉じ込め構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-193500号公報
【特許文献2】特開2000-150845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記技術をもってしても、カラーフィルターをすべての光線が通過するため、画素サイズが微細化した場合、カラーフィルターを通過することによって光の吸収が起こり、受光部に届く光は減少してしまう。そのため、暗所や光が弱い場合は検出力が弱くなったり、ノイズが発生しやすくなっていた。
【0010】
以上の問題を解決する方法として、本発明は、微細画素でも受光部への集光効率を向上させ、暗所や光が弱い場合でも光量の減衰を抑制し、感度の良い固体撮像素子およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、本発明の第一の態様は、
半導体基板と、半導体基板に設けられ、光電変換素子からなる複数の受光部と、前記複数の受光部上に配置された絶縁層と、前記絶縁層上に前記複数の受光部のそれぞれに対応させて配置された複数色のカラーフィルター層と、前記カラーフィルター層および前記受光部にそれぞれ対応させて配置された複数のレンズを有するマイクロレンズ層と、を備えた固体撮像素子であって、
前記カラーフィルター層を貫通した、前記受光部に入射光を誘導する光導波路構造を有し、
前記光導波路は、前記カラーフィルター層よりも高屈折率を有する材料から構成されていることを特徴とする固体撮像素子である。
【0012】
また、本発明の第二の態様は、
前記光導波路構造は、前記カラーフィルター層に加えて前記マイクロレンズ層を貫通しており、前記カラーフィルター層および前記マイクロレンズ層よりも高屈折率を有する材料から構成されていてもよい。
【0013】
また、本発明の第三の態様は、
前記光導波路構造は、前記カラーフィルター層に加えて前記絶縁層と前記マイクロレンズ層とを貫通しており、前記絶縁層、前記カラーフィルター層、前記マイクロレンズ層のどの層よりも高屈折率を有する材料から構成されていてもよい。
【0014】
また、本発明の第四の態様は、
前記カラーフィルター層を貫通した前記光導波路構造を有し、前記光導波路内の材料が前記マイクロレンズ層と同じ材料で構成されていてもよい。
【0015】
また、本発明の第五の態様は、
前記カラーフィルター層と前記マイクロレンズ層を貫通した前記光導波路構造を有し、前記光導波路が前記マイクロレンズ頂点から飛び出していてもよい。その先端部分が、平面形状またはレンズ形状を有してもよい。
【0016】
また、本発明の第六の態様は、
請求項1に記載の固体撮像素子を製造する方法であって、
前記カラーフィルター層上に、フォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストの上から露光及び現像することにより前記フォトレジスト層をパタ
ーニングしてレジストパターンを得る工程と、
前記レジストパターンをエッチングマスクとして、前記カラーフィルター層にドライエッチングにより貫通穴を形成する工程と、
前記貫通穴に前記光導波路材を埋設する工程と、を含む固体撮像素子の製造方法である。
【0017】
本発明の固体撮像素子は、カラーフィルター層を貫通した導波路構造を有することで、入射する光をカラーフィルター層を通さないで、受光部に集光することができる。このため、カラーフィルタ層による光吸収をより防ぐことができ、多くの入射光を取り込むことができるので、暗所での感度が高くなる。
【発明の効果】
【0018】
微細画素でも受光部への集光効率を向上させ、暗所や光が弱い場合でも光量の減衰を抑制し、感度の良い固体撮像素子およびその製造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(a)本発明の実施形態1に係る固体撮像素子の平面図(b)図(a)のA-A’面における概略断面図。
図2】本発明の実施形態1の変化例に係る固体撮像素子の概略断面図。
図3】ライトパイプから入ってくる入射光とカラーフィルターを通過した光が加算されて受光部に到達することを説明する図。
図4】(a)従来の表面照射型撮像素子の概略断面図(b)従来の裏面照射型撮像素子の概略断面図。
図5】(a)ライトパイプが形成された、従来の固体撮像素子の概略断面図(b)カラーフィルターの外側に低屈折率材料を配置した、従来の固体撮像素子の概略断面図。
図6】ライトパイプ形成のフローチャート。
図7】ライトパイプ形成フローを説明する図。
図8】(a)平面視でのライトパイプのサイズ(b)平面視でのライトパイプの形状。
図9】本発明の実施形態2および変化例に係る撮像素子の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態は、以下に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0021】
<実施形態1>
(固体撮像素子の構成)
図1に、画素の平面図および本発明の実施形態1に係る固体撮像素子(裏面照射型)の概略断面図を示す。図1を用いて固体撮像素子の構成について説明する。図1に示すように、本実施形態1に係る固体撮像素子1は、半導体基板10と、半導体基板10に、入射した光を受光し光電変換を行う光電変換素子からなる受光部11が形成される。半導体基板10の上層には、撮像画素毎に撮像画素それぞれに応じた分光特性を有するカラーフィルタ層13が形成され、カラーフィルタ層13の上にはマイクロレンズ層14が形成されている。
【0022】
本発明の実施形態1に係る固体撮像素子1は、入射光をカラーフィルタ層13を通過させずに受光部11に到達させるため、カラーフィルタ層13と絶縁層12を貫通したライトパイプ15を備えている。ライトパイプ15は、カラーフィルタ層13および絶縁層12に比べ高い屈折率を有することによって、ライトパイプ15内を光が反射し、光を効率よく受光部11まで誘導することができる。
【0023】
ここで、ライトパイプ15は、具体的には、窒化シリコンや酸窒化シリコンなどの無機材料によって形成される。無機材料は有機材料と比較して、高温・低温に対する変化が小さいため、導波路周りの有機材料が変質しても最低限の画像を取得でき、非常時の信頼性を高めることが出来る。本発明におけるライトパイプ15とは、高屈折率を有する層を示している。また、絶縁層12は、それよりも屈折率の低い酸化シリコンなどによって形成される。ライトパイプ15が貫通する周囲の層よりも屈折率の高い光導波路材を選定する。
【0024】
各材料のおおよその屈折率を以下に示す。
マイクロレンズ材料(樹脂製): 1.5~2.0、カラーフィルター材料:1.4~1.6、光導波路材: 1.6~2.1、絶縁層: 1.9~2.1。
【0025】
図3は、本発明の実施形態1に係る固体撮像素子1によって、ライトパイプ15から入ってくる入射光とカラーフィルター層13を通過した光が加算されて受光部11に到達することを説明する図である。これによって、ライトパイプ15に入射した光はカラーフィルター層13を通過しないので、カラーフィルターによる吸収によって光量が減衰することを抑制し、受光部11で受光する光量が増加し、暗所でも感度アップが図れる。
【0026】
(ライトパイプ形成の流れ)
本発明の実施形態1に係る固体撮像素子1に形成されるライトパイプ15は、カラーフィルタ層13と絶縁層12を貫通した高屈折率領域であり、無機材料によって形成される。次に、図6乃至図7を参照して、本実施形態のライトパイプ形成の流れについて説明する。図6は、ライトパイプ形成処理について説明するフローチャートであり、図7はライトパイプ形成のフローを説明する図である。
【0027】
図6のStep1(図7(ア))において、受光部11が形成された半導体基板10上に、絶縁層12およびカラーフィルター層13をこの順に成膜する。次に、Step2(図7(イ))において受光部11に対向するカラーフィルター層13上に、ポジ型フォトレジスト20を塗布する。
【0028】
図6のStep3(図7(ウ)~(エ))において、フォトマスク21を用いて、フォトレジスト20の上からUV露光し、現像液を塗布し露光部を除去すると、ライトパイプ15のパターンが形成される。
【0029】
図6のStep4(図7(オ))において、フォトレジスト20をマスクとし、ドライエッチング(プラズマエッチング)にて絶縁層12およびカラーフィルター層13まで貫通する貫通穴を形成する。貫通穴の末端は、受光部上が開口するように形成される。フォトレジスト20を剥膜液などで除去。
【0030】
図6のStep5(図7(カ))において、貫通穴に光導波路材を埋設し、ライトパイプ15を形成する。ライトパイプ15は、基板表面部(受光部開口部)に対して垂直な側壁部分を持つ円柱形のピラーとなる。そして、ライトパイプ15は、絶縁層12およびカラーフィルター層13より高屈折率を有することで光を側壁部分で反射させ、受光部への集光効率を上げることができる。
【0031】
図6のStep6(図7(キ))において、カラーフィルター層13の上に、カラーフィルター層13よりも高屈折率のマイクロレンズ材料を塗布し、フォトリソグラフィー法により、マイクロレンズ14をパターン形成して、固体撮像素子1が完成する。
【0032】
上記ライトパイプ形成の流れは、絶縁層12およびカラーフィルター層13を貫通する場合だけではなく、ライトパイプ15を形成したい層が別の場合(例えばマイクロレンズ)であっても、同じような手順で行うことが可能である。
【0033】
また、ライトパイプ15の大きさは、図8(a)に示すように、平面視において画素サイズに占める面積比が10%~30%とすることができる。これは、光量増加による感度アップと、色のコントラストの低下を加味して、適切なサイズに設定すればよい。
【0034】
また、ライトパイプの形状は、円柱形だけでなく、図8(b)に示すように、平面視において円形以外に四角形や六角形なども形成可能である。
【0035】
(実施形態1の変形例)
図2に、本発明の実施形態1の変形例に係る固体撮像素子(裏面照射型)1の概略断面図を示す。実施形態1の変形例に係る固体撮像素子1は、ライトパイプ15の材料が絶縁層12と同じものを使用しており、屈折率が同一、且つカラーフィルター層よりも大きいので、ライトパイプ15はカラーフィルタ層13までの貫通でよく、絶縁層12は共にライトパイプとして働き、入射光を受光部11上に誘導することが可能である。ライトパイプ15の材料は、屈折率がカラーフィルター層より高ければよいので、絶縁層12と同じものでなくてもよく、材料の入手しやすさと加工のしやすさからマイクロレンズ層14と同じでもよい。また、ライトパイプ15には色識別のためにカラーフィルター層と同じ色を薄くつけてもよい。
【0036】
<実施形態2>
図9(a)に、本発明の実施形態2に係る固体撮像素子1の概略断面図を示す。図9(a)を見てわかるように、実施形態2に係る固体撮像素子1では、入射光を受光部11に到達させるため、マイクロレンズ層14とカラーフィルタ層13と絶縁層12とを貫通したライトパイプ15を形成している。ライトパイプ15は、マイクロレンズ層14、カラーフィルタ層13、絶縁層12のいずれの層に対して、高い屈折率を有することによって、マイクロレンズ14の表面反射、およびカラーフィルター層13の吸収による入射光の減衰を抑制し、ライトパイプ15内に入射した光が内部で反射し、受光部11上に誘導することが可能である。
【0037】
(実施形態2の変形例1)
図9(b)に、本発明の実施形態2の変形例1に係る固体撮像素子1の概略断面図を示す。実施形態2の変形例1に係る固体撮像素子は、マイクロレンズ層14とカラーフィルタ層13と絶縁層12とを貫通したライトパイプ15を形成しており、光導波路材の埋設量を貫通穴の容量より多く埋設することで、その上端はマイクロレンズ層14の頂点より飛び出すことが可能であり、その先端形状を平面形状またはレンズ形状に成形することができる。先端をレンズ形状にすることで、ライトパイプ15により多くの入射光を集光することができる。
【0038】
(実施形態2の変形例2)
図9(c)に、本発明の実施形態2の変形例2に係る固体撮像素子1の概略断面図を示す。実施形態2の変形例2に係る固体撮像素子1は、ライトパイプ15の材料が絶縁層12と同じものを使用しており、屈折率が同一、且つマイクロレンズ層14、カラーフィルター層のいずれの屈折率よりも高いので、ライトパイプ15はカラーフィルタ層13までの貫通でよく、絶縁層12は共にライトパイプ15として働き、入射光を受光部11上に誘導することが可能である。
【0039】
本発明により、微細画素でも受光部11への集光効率を向上させ、暗所や光が弱い場合でも光量の減衰を抑制し、感度の良い固体撮像素子1およびその製造方法を提供することが可能になった。
【符号の説明】
【0040】
1・・・固体撮像素子
10・・・半導体基板
11・・・受光部(光電変換素子)
12・・・絶縁層
13・・・カラーフィルター層
14・・・マイクロレンズ層
15・・・ライトパイプ
20・・・ポジ型フォトレジスト
21・・・フォトマスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9