(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085030
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】基板収納容器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240619BHJP
B65D 85/30 20060101ALN20240619BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/30 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199346
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100171583
【弁理士】
【氏名又は名称】梅景 篤
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 壮紀
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 晃裕
(72)【発明者】
【氏名】田鹿 紗代
【テーマコード(参考)】
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA05
3E096BA15
3E096BB04
3E096CA02
3E096CC02
3E096DA01
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3E096FA31
3E096GA12
5F131AA02
5F131BA00
5F131CA18
5F131FA02
5F131GA14
5F131GA53
5F131GA76
5F131GA88
5F131KA05
5F131KB32
(57)【要約】
【課題】外部装置に安定して固定されることが可能な基板収納容器を提供すること。
【解決手段】基板収納容器は、底板22を有する容器本体と、容器本体に設けられる一体成形品である構造体7と、底板22に接合され、構造体7を容器本体に着脱可能に保持する保持部材6と、を備え、保持部材6は、構造体7の前後方向における移動を規制する規制部62,63と、規制部62に設けられ、底板22の底面22aから離間するとともに規制部63に向かって突出する突出片64と、規制部63に設けられ、底面22aから離間するとともに規制部62に向かって突出する突出片65と、を備え、構造体7は、基板収納容器を外部装置に固定するための固定部72と、外部装置が基板収納容器を検知するための検知部73と、突出片64及び突出片65に係合することにより構造体7を保持部材6に取り付ける取付部77と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板収納容器であって、
基板を収納する収容空間を画定する底板を有する容器本体と、
前記容器本体に設けられる一体成形品である構造体と、
前記底板に接合され、前記構造体を前記容器本体に着脱可能に保持する保持部材と、
を備え、
前記底板は、前記基板収納容器の外部に面する底面を有し、
前記保持部材は、
前記底面に沿った第1方向において互いに向かい合い、前記構造体の前記第1方向における移動を規制する第1規制部及び第2規制部と、
前記第1規制部に設けられ、前記底面と交差する第2方向において前記底面から離間するとともに前記第1方向において前記第2規制部に向かって突出する第1突出片と、
前記第2規制部に設けられ、前記第2方向において前記底面から離間するとともに前記第1方向において前記第1規制部に向かって突出する第2突出片と、を備え、
前記構造体は、
前記基板収納容器を外部装置に固定するための固定部と、
前記外部装置が前記基板収納容器を検知するための検知部と、
前記第1突出片及び前記第2突出片に係合することにより前記構造体を前記保持部材に取り付ける取付部と、を備える、基板収納容器。
【請求項2】
前記構造体は、前記第1方向において互いに向かい合い、前記固定部を支持する第1壁部及び第2壁部を更に備え、
前記固定部は、前記底面と向かい合う板状の部材であって、前記第1方向における両端である第1端及び第2端を有し、
前記第1壁部は、前記第1方向において前記第2壁部に向かって突出するとともに前記第1端に接続される第1突出部を備え、
前記第2壁部は、前記第1方向において前記第1壁部に向かって突出するとともに前記第2端に接続される第2突出部を備え、
前記取付部は、
前記第1突出部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向において前記第1突出片を挟むとともに、前記第2方向において前記第1突出片に係止される一対の第1係止片と、
前記第2突出部に設けられ、前記第3方向において前記第2突出片を挟むとともに、前記第2方向において前記第2突出片に係止される一対の第2係止片と、を備える、請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記固定部は、前記第2方向に延びる筒状部を備え、
前記取付部は、
前記筒状部の外周面に設けられ、前記第1突出片と前記底面との間に嵌り込む第1突起部と、
前記筒状部の外周面に設けられ、前記第2突出片と前記底面との間に嵌り込む第2突起部と、を備える、請求項1に記載の基板収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの基板を収納する基板収納容器が知られている。例えば、特許文献1には、容器本体と、容器本体の底面部に設けられたボトムプレートと、を備えるウエハ搬送容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような基板収納容器は、基板収納容器が有するドアが開閉されるときに外部装置に固定されることがあるので、基板収納容器の底部には、基板収納容器を外部装置に固定するためのクランプ構造(センタークランプ)が設けられることがある。さらに、基板収納容器の底部には、基板収納容器を検知するための検知パッドが設けられることがある。センタークランプの機能を有する部品と、検知パッドが設けられた部品とが、容器本体の底部に設けられた部品に嵌め合わされることによって、基板収納容器にこれらの機能が付加され得る。
【0005】
各部品の寸法公差などに起因して、嵌め合わされた部品間にクリアランスが生じることがある。このクリアランスによってセンタークランプの厳密な位置決めができないおそれがあるので、外部装置に基板収納容器が一層安定して固定されることが望まれる。
【0006】
本開示は、外部装置に安定して固定されることが可能な基板収納容器を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る基板収納容器は、基板を収納する収容空間を画定する底板を有する容器本体と、容器本体に設けられる一体成形品である構造体と、底板に接合され、構造体を容器本体に着脱可能に保持する保持部材と、を備える。底板は、基板収納容器の外部に面する底面を有する。保持部材は、底面に沿った第1方向において互いに向かい合い、構造体の第1方向における移動を規制する第1規制部及び第2規制部と、第1規制部に設けられ、底面と交差する第2方向において底面から離間するとともに第1方向において第2規制部に向かって突出する第1突出片と、第2規制部に設けられ、第2方向において底面から離間するとともに第1方向において第1規制部に向かって突出する第2突出片と、を備える。構造体は、基板収納容器を外部装置に固定するための固定部と、外部装置が基板収納容器を検知するための検知部と、第1突出片及び第2突出片に係合することにより構造体を保持部材に取り付ける取付部と、を備える。
【0008】
この基板収納容器においては、基板収納容器を外部装置に固定するための固定部と、外部装置が基板収納容器を検知するための検知部と、保持部材に取り付けるための取付部とを備える構造体が一体成形品として構成されている。容器本体の底板に接合された保持部材の第1突出片及び第2突出片に取付部が係合することによって、構造体が保持部材に取り付けられる。したがって、構造体と保持部材との2つの部品が係合するので、3つの部品が係合する構成と比較して、固定部の位置を安定化することができる。その結果、基板収納容器を外部装置に安定して固定することが可能となる。
【0009】
いくつかの実施形態において、構造体は、第1方向において互いに向かい合い、固定部を支持する第1壁部及び第2壁部を更に備えてもよい。固定部は、底面と向かい合う板状の部材であって、第1方向における両端である第1端及び第2端を有してもよい。第1壁部は、第1方向において第2壁部に向かって突出するとともに第1端に接続される第1突出部を備えてもよい。第2壁部は、第1方向において第1壁部に向かって突出するとともに第2端に接続される第2突出部を備えてもよい。取付部は、第1突出部に設けられ、第1方向及び第2方向と交差する第3方向において第1突出片を挟むとともに、第2方向において第1突出片に係止される一対の第1係止片と、第2突出部に設けられ、第3方向において第2突出片を挟むとともに、第2方向において第2突出片に係止される一対の第2係止片と、を備えてもよい。この場合、第1壁部の第1突出部に設けられた一対の第1係止片が第3方向において第1突出片を挟むとともに、第2方向において第1突出片に係止され、第2壁部の第2突出部に設けられた一対の第2係止片が第3方向において第2突出片を挟むとともに、第2方向において第2突出片に係止される。この構成により、構造体を保持部材に取り付けることができる。その結果、基板収納容器の製造を簡易化することができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、固定部は、第2方向に延びる筒状部を備えてもよい。取付部は、筒状部の外周面に設けられ、第1突出片と底面との間に嵌り込む第1突起部と、筒状部の外周面に設けられ、第2突出片と底面との間に嵌り込む第2突起部と、を備えてもよい。この場合、筒状部の外周面に設けられた第1突起部を、保持部材の第1突出片と容器本体の底板の底面との間に嵌り込ませ、筒状部の外周面に設けられた第2突起部を、保持部材の第2突出片と容器本体の底板の底面との間に嵌り込ませるだけで、構造体を保持部材に取り付けることができる。その結果、基板収納容器の製造を簡易化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、基板収納容器を外部装置に安定して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る基板収納容器の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示される基板収納容器の底部の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示される構造体を後方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、比較例の基板収納容器の底部の分解斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示される構造体を保持部材に取り付ける手順を説明するための図である。
【
図10】
図10は、
図8に示される構造体が保持部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。各図には、XYZ座標系が示される。Y軸方向(第1方向)は、X軸方向(第3方向)及びZ軸方向(第2方向)と交差(ここでは、直交)する方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と交差(ここでは、直交)する方向である。一例として、X軸方向は、左右方向(幅方向)であり、Y軸方向は、前後方向(奥行方向)であり、Z軸方向は、上下方向(高さ方向)である。説明の便宜上、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、及び「右」の用語が用いられるが、これらの方向に限定されない。
【0014】
図1を参照しながら、一実施形態に係る基板収納容器を説明する。
図1は、一実施形態に係る基板収納容器の分解斜視図である。
図1に示される基板収納容器1は、複数の基板を収納するための容器である。基板収納容器1は、例えば、FOSB(Front Opening Shipping Box)と称され、工場間で基板を輸送するために用いられる。基板収納容器1は、例えば、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格を参考にして構成されている。基板の例としては、半導体ウエハが挙げられる。基板は、例えば、300mmの直径及び775μmの厚さを有する円板形状を有する。基板収納容器1に収納可能な基板の枚数は、任意に定められており、例えば、25枚である。
【0015】
基板収納容器1は、容器本体2と、蓋体3と、一対の支持体4と、を含む。
【0016】
容器本体2は、正面(前面)に開口2aが設けられたフロントオープン型の容器である。容器本体2は、複数の基板を収納する。具体的には、容器本体2は、複数の基板を上下方向に配列した状態で収納する。開口2aを介して基板が容器本体2に出し入れされる。
【0017】
容器本体2は、天板21と、底板22と、一対の側壁23と、背面壁24と、枠体25と、を含む。天板21、底板22、一対の側壁23、及び背面壁24によって、複数の基板を収納するための収容空間20が画定される。底板22は、容器本体2の外部に面する底面22a(
図2参照)を有する。枠体25は、矩形状の枠体であって、天板21の前端、底板22の前端、及び一対の側壁23の前端にわたって設けられている。枠体25によって、開口2aが画定される。枠体25は、外側に広がるように段差をつけて屈曲形成されており、その段差部の面が、ガスケットなどの封止部材が接触するシール面として機能する。
【0018】
蓋体3は、容器本体2の開口2aを閉塞するための部材である。蓋体3は、枠体25に着脱自在に取り付けられる。蓋体3は、ガスケットなどの封止部材を介して容器本体2の開口2aを気密に閉塞する。蓋体3は、蓋本体31と、施錠機構32と、を含む。
【0019】
蓋本体31は、蓋体3の本体部分である。蓋本体31は、矩形状の板材である。蓋本体31の前面には、鍵穴31hが設けられている。鍵穴31hには、不図示の鍵が挿入される。施錠機構32は、鍵穴31hに挿入された鍵が操作されることによって、蓋体3を施錠又は解錠する。施錠機構32は、不図示のラッチを含む。蓋体3が容器本体2の開口2aを塞いでいる状態で、鍵の操作によりラッチが枠体25に設けられた施錠穴(不図示)に嵌入されることによって蓋体3が施錠される。蓋体3が施錠されている状態で、鍵の操作によりラッチが施錠穴から引き抜かれることよって蓋体3が解錠される。
【0020】
容器本体2及び蓋体3の材料の例としては、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、及び液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。この熱可塑性樹脂には、導電材、各種の帯電防止材、及び紫外線吸収材などが適宜添加されてもよい。導電材の例としては、導電性カーボン、導電繊維、金属繊維、及び導電性高分子が挙げられる。
【0021】
一対の支持体4は、基板を支持する部材である。各支持体4は、側壁23の内面に設けられ、側壁23の内面から収容空間20に突出している。各支持体4には、前後方向に延びる複数の溝が設けられている。複数の溝は、側壁23に向かって窪む形状を有してもよい。複数の溝は、上下方向に並設されている。一対の支持体4に設けられた同じ高さに位置する溝に、基板の左右方向の両端部が挿入されることによって、基板が支持される。各支持体4は、インサート成形によって容器本体2に一体的に形成されてもよく、組み立て式で容器本体2に組付けられてもよい。各支持体4の構成材料の例として、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0022】
次に、
図2を参照しながら、容器本体2の底部に設けられる部材を説明する。
図2は、
図1に示される基板収納容器の底面図である。
図2に示されるように、基板収納容器1は、位置決め部材5と、保持部材6と、構造体7と、を更に含む。
【0023】
位置決め部材5は、ロードポートなどの外部装置が基板収納容器1(容器本体2)の位置決めを行うために用いられる部材である。位置決め部材5は、底面22aから下方に突出するように、底板22に設けられる。位置決め部材5は、底板22に向かって(上方に)V字状に窪むV字面を有している。V字面には、必要に応じて、耐摩耗性、及び摺動性を向上させる表面処理が施され得る。本実施形態では、基板収納容器1は、3つの位置決め部材5を含む。各位置決め部材5は、インサート成形によって容器本体2に一体的に形成されてもよく、組み立て式で容器本体2に組付けられてもよい。各位置決め部材5の構成材料の例として、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0024】
保持部材6は、構造体7を容器本体2に着脱可能に保持する部材である。保持部材6は、底板22に接合されている。保持部材6は、インサート成形によって容器本体2に一体的に形成されてもよく、組み立て式で容器本体2に組付けられてもよい。保持部材6の構成材料の例として、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0025】
構造体7は、基板収納容器1に各種機能を付加するための部材である。構造体7は、一体成形品であって、容器本体2に設けられる。構造体7の構成材料の例として、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。保持部材6及び構造体7の詳細は後述する。
【0026】
次に、
図3~
図6を参照しながら、保持部材6及び構造体7を詳細に説明する。
図3は、
図2に示される基板収納容器の底部の分解斜視図である。
図4は、
図2に示される構造体の斜視図である。
図5は、
図4に示される構造体を後方から見た斜視図である。
図6は、
図2のVI-VI線に沿った断面図である。
図3に示されるように、保持部材6は、基部61と、規制部62(第1規制部)と、規制部63(第2規制部)と、突出片64(第1突出片)と、突出片65(第2突出片)と、を含む。
【0027】
基部61は、底板22に接合される板状の部分である。基部61は、底板22に埋設されている。基部61は、平面視でT字状の形状を有している。基部61は、第1部分61aと、第2部分61bと、連結部分61cと、を含む。第1部分61aは、規制部62が設けられる部分であり、平面視で規制部62よりもひと回り大きい形状を有する。第2部分61bは、規制部63が設けられる部分であり、平面視で規制部63よりもひと回り大きい形状を有する。連結部分61cは、第1部分61aと第2部分61bとを連結する部分である。連結部分61cには、上下方向に連結部分61cを貫通する矩形状の貫通孔61hが設けられている。
【0028】
規制部62及び規制部63は、構造体7の前後方向における移動を規制する部材である。規制部62は、構造体7の前方への移動を規制する。規制部63は、構造体7の後方への移動を規制する。規制部62と規制部63とは、前後方向において互いに向かい合うように設けられる。
【0029】
規制部62は、左右方向に延びる直方体形状を有する。規制部62は、基板収納容器1を外部装置に固定するフロントリテーナとしても機能する。規制部62の下面の左右方向における両端部には、溝62aが設けられている。溝62aは、規制部62の前端の近傍から規制部62の後端まで前後方向に延びている。
【0030】
規制部63は、前後方向と実質的に直交する主面を有する板状の形状を有する。規制部63は、検知面63aを有する。検知面63aは、規制部63の先端に位置し、構造体7が保持部材6に取り付けられている状態で下方を向く面である。検知面63aは、外部装置によって検知されるセンシングパッドとして機能する。
【0031】
突出片64及び突出片65は、構造体7を取り付けるために用いられる部分である。突出片64は、規制部62の後面に設けられ、前後方向において規制部63に向かって(後方に)規制部62の後面から突出している。突出片64は、上下方向において底面22aから離間している。突出片64の先端は、円弧状に窪んでいる。突出片65は、規制部63の前面に設けられ、前後方向において規制部62に向かって(前方に)規制部63の前面から突出している。突出片65は、上下方向において底面22aから離間している。突出片65の先端は、円弧状に窪んでいる。
【0032】
図3~
図6に示されるように、構造体7は、基部71と、固定部72と、検知部73と、壁部74(第1壁部)と、壁部75(第2壁部)と、一対の側壁部76と、取付部77と、を含む。ここでは、構造体7が保持部材6に取り付けられている状態における構造体7を説明する。
【0033】
基部71は、基部61上に載置される板状の部分である。構造体7が保持部材6に取り付けられる際に、基部71が突出片64と干渉しないように、基部71の前縁は突出片64の形状に沿って窪んでいる。構造体7が保持部材6に取り付けられる際に、基部71が突出片65と干渉しないように、基部71の後縁は突出片65の形状に沿って窪んでいる。基部71は、面71aと、面71bと、を有する。面71aは、基部61と向かい合う面である。面71bは、面71aとは反対側の面であり、固定部72と向かい合う面である。
【0034】
固定部72は、基板収納容器1を外部装置に固定するための部分である。固定部72は、上下方向において底面22a(基部71)と向かい合う板状の形状を有する。固定部72は、後方に向かうにつれて底面22aから離れるようにわずかに傾斜している。固定部72は、前後方向における両端である前端72a(第1端)及び後端72b(第2端)を有している。固定部72には、固定部72を上下方向に貫通する貫通孔72hが設けられている。貫通孔72hは、前後方向に延びる長孔である。
【0035】
検知部73は、外部装置が基板収納容器1を検知するための部分である。検知部73は、一対の検知体73aを含む。各検知体73aは、前後方向に延びる板状の形状を有する。一対の検知体73aは、左右方向において固定部72を挟むように設けられている。各検知体73aは、検知面73bを有する。検知面73bは、構造体7が保持部材6に取り付けられている状態で、下方を向く面である。検知面73bは、固定部72の上面(底面22aと向かい合う面)と実質的に平行である。検知面63a及び一対の検知体73aの検知面73bは、略同一平面上に位置する。検知面73bは、検知面63aと同様、外部装置によって検知されるセンシングパッドとして機能する。
【0036】
壁部74及び壁部75は、固定部72を支持する部分である。壁部74及び壁部75は、前後方向において固定部72を挟むように基部71に設けられている。壁部74と壁部75とは、前後方向において互いに向かい合っており、実質的に平行に配置されている。壁部74は、基部71の前縁に沿って面71bに立設されている。壁部75は、基部71の後縁に沿って面71bに立設されている。
【0037】
壁部74は、本体部74aと、突出部74b(第1突出部)と、を含む。本体部74aは、板状の部分である。本体部74aには、開口部74cが設けられている。開口部74cは、構造体7が保持部材6に取り付けられる際に壁部74が突出片64と干渉しないように、本体部74aのうちの突出片64が通過する部分に設けられている。突出部74bは、本体部74aの後面に設けられ、前後方向において壁部75に向かって本体部74aの後面から突出している。突出部74bは、固定部72の前端72aに接続されている。突出部74bは、平面視で突出片64と実質的に同じ形状を有する。
【0038】
壁部75は、本体部75aと、突出部75b(第2突出部)と、を含む。本体部75aは、板状の部分である。本体部75aには、開口部75cが設けられている。開口部75cは、構造体7が保持部材6に取り付けられる際に壁部75が突出片65と干渉しないように、本体部75aのうちの突出片65が通過する部分に設けられている。突出部75bは、本体部75aの前面に設けられ、前後方向において壁部74に向かって本体部75aの前面から突出している。突出部75bは、固定部72の後端72bに接続されている。突出部75bは、平面視で突出片65と実質的に同じ形状を有する。
【0039】
一対の側壁部76は、検知部73を支持する部分である。一対の側壁部76は、左右方向において固定部72を挟むように基部71に設けられている。一対の側壁部76は、左右方向において互いに向かい合っており、実質的に平行に配置されている。一対の側壁部76は、基部71の左右の縁に沿って面71bに立設されている。右側の側壁部76の下端は右側の検知体73aの左端に接続されており、左側の側壁部76の下端は左側の検知体73aの右端に接続されている。つまり、一対の検知体73aは、左右方向に互いに離れるように各側壁部76の下端から延びている。
【0040】
基部71、固定部72、壁部74、壁部75、及び一対の側壁部76によって、空間Vが画定されている。空間Vは、ロードポートなどの外部装置が基板収納容器1を固定するために用いられ、空間Vには外部装置のT字状の固定具が挿入される。
【0041】
各側壁部76には、空間Vと外部とを連通する開口部76aが設けられている。開口部76aは、左右方向から見て、空間Vと同じ大きさを有する。つまり、開口部76aは、上下方向において、側壁部76の下端から基部71の面71bにわたって広がっており、前後方向において、壁部74の後面から壁部75の前面にわたって広がっている。
【0042】
取付部77は、突出片64及び突出片65に係合することにより構造体7を保持部材6に取り付ける部分である。取付部77は、スナップフィット構造により、構造体7を保持部材6に取り付ける。取付部77は、一対の係止片78(第1係止片)と、一対の係止片79(第2係止片)と、を含む。
【0043】
一対の係止片78は、左右方向において互いに離間して設けられている。一対の係止片78は、突出部74bの左右両端に設けられ、突出部74bから底面22a(面71b)に向かって延びている。一対の係止片78は、前後方向において開口部74c及び開口部75cと重なる位置に設けられ、左右方向において開口部76aと重なる位置に設けられている。各係止片78は、フック状の形状を有している。具体的には、各係止片78は、柱部78aと、爪部78bと、を含む。
【0044】
柱部78aは可撓性を有する。柱部78aの上下方向における長さは、突出片64の上下方向における長さ(厚さ)と実質的に同じである。柱部78aの基端は突出部74bに接続されている。柱部78aの先端には爪部78bが設けられている。爪部78bは、他方の爪部78bに向かって突出している。爪部78bは、傾斜面78cを有する。傾斜面78cは、上下方向において柱部78aに近づくにつれて、左右方向において他方の爪部78bに近づくように傾斜している。
【0045】
構造体7が保持部材6に取り付けられている状態において、一対の係止片78は、左右方向において突出片64を挟むとともに、上下方向において突出片64に係止される。具体的には、一対の係止片78の柱部78aが左右方向において突出片64を挟み、一対の係止片78の爪部78bが突出片64の面71bと向かい合う面によって係止される。
【0046】
一対の係止片79は、左右方向において互いに離間して設けられている。一対の係止片79は、突出部75bの左右両端に設けられ、突出部75bから底面22a(面71b)に向かって延びている。一対の係止片79は、前後方向において開口部74c及び開口部75cと重なる位置に設けられ、左右方向において開口部76aと重なる位置に設けられている。各係止片79は、柱部79aと、爪部79bと、を含む。
【0047】
柱部79aは可撓性を有する。柱部79aの上下方向における長さは、突出片65の上下方向における長さ(厚さ)と実質的に同じである。柱部79aの基端は突出部75bに接続されている。柱部79aの先端には爪部79bが設けられている。爪部79bは、他方の爪部79bに向かって突出している。爪部79bは、傾斜面79cを有する。傾斜面79cは、上下方向において柱部79aに近づくにつれて、左右方向において他方の爪部79bに近づくように傾斜している。
【0048】
構造体7が保持部材6に取り付けられている状態において、一対の係止片79は、左右方向において突出片65を挟むとともに、上下方向において突出片65に係止される。具体的には、一対の係止片79の柱部79aが左右方向において突出片65を挟み、一対の係止片79の爪部79bが突出片65の面71bと向かい合う面によって係止される。
【0049】
次に、
図7を更に参照して比較例の基板収納容器と比較しながら、基板収納容器1の底部の組立方法を説明する。
図7は、比較例の基板収納容器の底部の分解斜視図である。
図7に示される基板収納容器100は、構造体7に代えて検知部材107及び固定部材108を含む点において、基板収納容器1と主に相違する。
【0050】
検知部材107は、一対の側壁部76に代えて一対の壁部176を含む点、並びに、固定部72及び取付部77を含まない点において、構造体7と主に相違する。一対の壁部176は、開口部76aが設けられていない点において一対の側壁部76と主に相違する。
【0051】
固定部材108は、円筒形状を有する部材である。固定部材108の一端は、開放されており、固定部材108の他端には、貫通孔108hが設けられている。固定部材108の一端には、固定部材108を保持部材6に取り付けるための突起部108a及び突起部108bが設けられている。突起部108a及び突起部108bは、固定部材108の一端において筒状部分の外周面に設けられている。突起部108aと突起部108bとは、筒状部分の中心軸に対して実質的に点対称に設けられており、筒状部分の外周面から互いに反対方向に突出している。
【0052】
基板収納容器100では、まず、壁部74の突出部74bが開口部74cを介して突出片64に重ね合わせられ、壁部75の突出部75bが開口部75cを介して突出片65に重ね合わせられるように、検知部材107が保持部材6に載置される。これにより、一対の検知体73aの一端部が規制部62上に載置されるとともに、一対の側壁部76の上端が底面22aに当接する。このとき、検知部材107は保持部材6に固定されていない。
【0053】
続いて、突起部108a及び突起部108bが突出部74b及び突出部75bと干渉しないように固定部材108の中心軸回りに固定部材108の向きが調整されて、固定部材108の一端が基部71に載置される。そして、固定部材108がその中心軸回りに回転されることで、突起部108aが突出片64と基部71との間に嵌り込み、突起部108bが突出片65と基部71との間に嵌り込む。
【0054】
以上により、検知部材107及び固定部材108が保持部材6に取り付けられる。
【0055】
一方、基板収納容器1では、壁部74の突出部74bが開口部74cを介して突出片64に重ね合わせられ、壁部75の突出部75bが開口部75cを介して突出片65に重ね合わせられるように、構造体7が保持部材6に向けて押し込まれる。このとき、突出片64の左右両端が一対の係止片78の爪部78bの傾斜面78cに沿って摺動するので、一対の係止片78が左右方向に互いに離れるような押圧力が各係止片78に加わる。これにより、柱部78aが弾性変形して一対の係止片78が左右方向に押し広げられる。そして、突出片64が爪部78b間を通過すると、突出片64によって各係止片78に加えられていた押圧力が解除され、柱部78aの弾性力により柱部78aの形状が元の形状に戻る。その結果、一対の柱部78aによって突出片64が左右方向に挟まれ、爪部78bが突出片64の上面に当接する。
【0056】
一対の係止片79についても同様に、突出片65の左右両端が一対の係止片79の爪部79bの傾斜面79cに沿って摺動するので、一対の係止片79が左右方向に押し広げられる。そして、突出片65が爪部79b間を通過すると、突出片65によって各係止片79に加えられていた押圧力が解除され、柱部79aの弾性力により柱部79aの形状が元の形状に戻る。その結果、一対の柱部79aによって突出片65が左右方向に挟まれ、爪部79bが突出片65の上面に当接する。
【0057】
以上により、構造体7が保持部材6に取り付けられる。
【0058】
基板収納容器100では、保持部材6に検知部材107を載置した上で、固定部材108が取り付けられる。固定部材108の突起部108aが突出片64と基部71との間に嵌り込み、固定部材108の突起部108bが突出片65と基部71との間に嵌り込むことで、固定部材108の貫通孔108hの位置が固定される。しかしながら、寸法公差などに起因して、突出片64の上下方向における長さ、壁部74の開口部74cの上下方向における長さ、及び突起部108aの上下方向における長さが、設計値からずれることがある。この場合、突出片64と基部71との間に突起部108aが嵌るもののわずかに隙間が生じ、固定部材108の厳密な位置決めができないおそれがある。
【0059】
同様に、突出片65の上下方向における長さ、壁部75の開口部75cの上下方向における長さ、及び突起部108bの上下方向における長さが、設計値からずれることがある。この場合、突出片65と基部71との間に突起部108bが嵌るもののわずかに隙間が生じ、固定部材108の厳密な位置決めができないおそれがある。したがって、固定部材108の貫通孔108hの位置が厳密に定まらないおそれがある。
【0060】
一方、基板収納容器1においては、固定部72と検知部73と取付部77とを含む構造体7が一体成形品として構成されている。容器本体2の底板22に接合された保持部材6の突出片64及び突出片65に取付部77が係合することによって、構造体7が保持部材6に取り付けられる。したがって、構造体7と保持部材6との2つの部品が係合するので、3つの部品が係合する基板収納容器100と比較して、クリアランスが生じ得る箇所が減り、固定部72(貫通孔72h)の位置を安定化することができる。その結果、基板収納容器1を外部装置に一層安定して固定することが可能となる。
【0061】
基板収納容器1では、検知部材107及び固定部材108に代えて、構造体7が用いられる。したがって、部品点数を削減することができ、部品の員数管理の負担を軽減することができる。基板収納容器1では、保持部材6の突出片64及び突出片65に構造体7の取付部77を係合させるだけで、構造体7を保持部材6に取り付けることができる。その結果、基板収納容器1の製造を簡易化することができる。
【0062】
具体的には、壁部74の突出部74bに設けられた一対の係止片78が左右方向において突出片64を挟むとともに、上下方向において突出片64に係止され、壁部75の突出部75bに設けられた一対の係止片79が左右方向において突出片65を挟むとともに、上下方向において突出片65に係止される。この構成により、構造体7を保持部材6に取り付けることができる。その結果、基板収納容器1の製造を簡易化することができる。
【0063】
検知部材107及び固定部材108は、アンダーカット形状を有しない簡易な構造を有しているので、それぞれの部材に対応した固定型板と可動型板とを用いて射出成形により形成することができる。一方、構造体7においては、基部71と固定部72とが上下方向に重なっており、突出部74bと一対の係止片78とが上下方向に重なっており、突出部75bと一対の係止片79とが上下方向に重なっている。したがって、構造体7はアンダーカット形状を有している。
【0064】
この問題に対し、開口部74c及び開口部75cのそれぞれが、上下方向において固定部72の上面から基部71の面71bまで広がっており、左右方向において固定部72、一対の係止片78及び一対の係止片79を含む範囲にわたって広がっている。さらに、開口部76aが上下方向において検知体73aの上面から基部71の面71bまで広がっており、前後方向において固定部72、一対の係止片78及び一対の係止片79を含む範囲にわたって広がっている。したがって、固定型板及び可動型板に加えて、開口部74c、開口部75c、及び一対の開口部76aを介して固定型板と可動型板との間に挿入されるスライド機構を用いることにより、構造体7を射出成形により形成することができる。
【0065】
なお、本開示に係る基板収納容器は上記実施形態に限定されない。
【0066】
図8~
図10を参照しながら、構造体の別例を説明する。
図8は、構造体の別例の斜視図である。
図9は、
図8に示される構造体を保持部材に取り付ける手順を説明するための図である。
図10は、
図8に示される構造体が保持部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図8~
図10に示される構造体8は、構造体7と同様、一体成形品であって、容器本体2に設けられる。構造体8は、保持部材6に着脱可能に構成されている。構造体8は、平板部81と、筒状部82と、取付部83と、を含む。
【0067】
平板部81は、平面視でH字形状を有する板状の部分である。平板部81は、面81aと、面81bと、を有する。面81aは、構造体8が保持部材6に取り付けられている状態で基部61と向かい合う面である。面81bは、面81aと反対側の面である。面81bは、構造体8が保持部材6に取り付けられている状態で下方を向く面である。平板部81は、本体部84と、検知部85と、を含む。本体部84は、矩形状の部分である。本体部84の左右両端縁に沿って検知部85が設けられている。本体部84には、面81aから面81bに本体部84を貫通する貫通孔84hが設けられている。貫通孔84hは、前後方向に延びる長孔である。貫通孔84hは、本体部84の中心付近に設けられている。
【0068】
検知部85は、外部装置が基板収納容器1を検知するための部分である。検知部85は、一対の検知体85aと、凸部85bと、を含む。一対の検知体85aは、前後方向に延びる板状の形状を有する。一対の検知体85aは、左右方向において本体部84を挟むように設けられている。各検知体85aは、検知面85cを有する。検知面85cは、面81bのうちの検知体85aに含まれる部分であり、構造体8が保持部材6に取り付けられている状態で、下方を向く面である。検知面85cは、検知面73bと同様、外部装置によって検知されるセンシングパッドとして機能する。凸部85bは、構造体8の位置決めをするための部分である。凸部85bは、一方の検知体85aの検知面85cとは反対の面(面81a)に設けられた隆起部分である。凸部85bは、溝62aに嵌り合う形状を有する。
【0069】
筒状部82は、筒状の形状を有している。この例では、筒状部82は、円筒形状を有している。構造体8が保持部材6に取り付けられている状態で、筒状部82の中心軸は、上下方向に延びている。筒状部82は、第1端82aと、第2端82bと、を有している。第1端82a及び第2端82bは、筒状部82の中心軸が延びる方向における両端である。第1端82aは、開放されている。第2端82bは、貫通孔84hを囲むように、平板部81の面81aに設けられている。筒状部82は、空間Vを画定する。空間Vは、貫通孔84hを介して外部と連通している。筒状部82と、筒状部82の第2端82bを覆う平板部81の部分と、によって基板収納容器1を外部装置に固定するための固定部が構成されている。
【0070】
取付部83は、突出片64及び突出片65に係合することにより構造体8を保持部材6に取り付ける部分である。取付部83は、突起部83a(第1突起部)と突起部83b(第2突起部)とを含む。突起部83a及び突起部83bは、第1端82aにおいて筒状部82の外周面に設けられている。突起部83aと突起部83bとは、筒状部82の中心軸に対して実質的に点対称に設けられており、筒状部82の外周面から互いに反対方向に突出している。突起部83aは、突出片64と底板22(基部61)との間に嵌り込む。突起部83bは、突出片65と底板22(基部61)との間に嵌り込む。
【0071】
なお、構造体8が保持部材6に取り付けられている状態で、検知面63aは本体部84によって覆われる。したがって、本体部84における面81bのうち、検知面63aと上下方向において重なる部分が、外部装置によって検知されるセンシングパッドとして機能する。
【0072】
次に、構造体8を保持部材6に取り付ける方法について説明する。まず、突起部83a及び突起部83bが突出片64及び突出片65と干渉しないように筒状部82の中心軸回りに構造体8の向きが調整されて、突起部83a及び突起部83bが連結部分61cに載置される。そして、凸部85bが溝62aに嵌るまで構造体8が筒状部82の中心軸回りに回転される。これにより、突起部83aが突出片64と底面22a(基部61)との間に嵌り込み、突起部83bが突出片65と底面22a(基部61)との間に嵌り込む。以上により、構造体8が保持部材6に取り付けられる。
【0073】
構造体8を含む基板収納容器1においても、構造体7を含む基板収納容器1と共通の構成については、構造体7を含む基板収納容器1と同様の作用効果が奏される。さらに、構造体8を含む基板収納容器1においては、筒状部82の外周面に設けられた突起部83aを、保持部材6の突出片64と底板22の底面22aとの間に嵌り込ませ、筒状部82の外周面に設けられた突起部83bを、保持部材6の突出片65と底板22の底面22aとの間に嵌り込ませるだけで、構造体8を保持部材6に取り付けることができる。その結果、基板収納容器1の製造を簡易化することができる。係止片78の爪部78bよりも突起部83aの方が、突出片64と広い面積で接触する。同様に、係止片79の爪部79bよりも突起部83bの方が、突出片65と広い面積で接触する。したがって、構造体7と比較して、構造体8と保持部材6との取付強度が高くなるので、構造体8が保持部材6から意図せずに外れる可能性を低減することができる。
【符号の説明】
【0074】
1…基板収納容器、2…容器本体、6…保持部材、7,8…構造体、20…収容空間、22…底板、22a…底面、62…規制部(第1規制部)、62a…溝、63…規制部(第2規制部)、64…突出片(第1突出片)、65…突出片(第2突出片)、72…固定部、72a…前端(第1端)、72b…後端(第2端)、73…検知部、73a…検知体、74…壁部(第1壁部)、74b…突出部(第1突出部)、75…壁部(第2壁部)、75b…突出部(第2突出部)、76…側壁部、77,83…取付部、78…係止片(第1係止片)、79…係止片(第2係止片)、82…筒状部、83a…突起部(第1突起部)、83b…突起部(第2突起部)、85…検知部、85a…検知体、85b…凸部。