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特開2024-85048無停電電源システムおよび無停電電源システムの試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085048
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】無停電電源システムおよび無停電電源システムの試験方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
H02J9/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199368
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 誠
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015FA18
5G015GA06
(57)【要約】
【課題】新規の常用系無停電電源装置と待機系無停電電源装置との組合せ試験時に、負荷への給電が停止されるのを防止することができる無停電電源システムおよび無停電電源システムの試験方法を提供する。
【解決手段】開閉器ボックス60は、第1の端子61と第2の端子62との間に直列に接続されたスイッチ65およびヒューズ70とを含む。第1の試験用端子台50の第1の端子50Xは、開閉器ボックス60の第1の端子61と接続可能に構成され、かつ第1のノードNP1に接続される。第1の試験用端子台50の第2の端子50Yは、開閉器ボックス60の第2の端子62と接続可能に構成され、かつ第2のノードNP4に接続される。第1の試験用端子台50の第3の端子50Zは、第2のノードNP4に接続され、かつ第1の常用系無停電電源装置20Aのバイパス入力端子T4に接続可能に構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイパス入力端子と、交流出力端子とを含む第1の常用系無停電電源装置と、
生成した交流電力が出力される第1のノードと接続可能な第1の交流出力端子と、第1の試験用端子台とを含む待機系無停電電源装置と、
前記待機系無停電電源装置の前記第1の交流出力端子と接続可能な第1の交流入力端子と、前記第1の常用系無停電電源装置の前記交流出力端子と接続可能な第2の交流入力端子と、前記第1の交流入力端子と接続される第1端を有する第1のスイッチと、前記第2の交流入力端子と接続される第1端を有する第2のスイッチと、前記第1のスイッチの第2端および前記第2のスイッチの第2端が接続されるとともに負荷が接続可能な交流出力端子とを含む第1の出力分岐盤と、
第1の端子と、第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子との間に直列に接続されたスイッチおよびヒューズとを含む開閉器ボックスとを備え、
前記第1の試験用端子台は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み、
前記第1の試験用端子台の前記第1の端子は、前記開閉器ボックスの前記第1の端子と接続可能に構成され、かつ前記第1のノードに接続され、
前記第1の試験用端子台の前記第2の端子は、前記開閉器ボックスの前記第2の端子と接続可能に構成され、かつ第2のノードに接続され、
前記第1の試験用端子台の前記第3の端子は、前記第2のノードに接続され、かつ前記第1の常用系無停電電源装置の前記バイパス入力端子に接続可能に構成される、無停電電源システム。
【請求項2】
前記待機系無停電電源装置は、
前記第1のノードと、前記第2のノードとの間に配置された第1のスイッチを含む、請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項3】
前記第1の常用系無停電電源装置は、さらに、
交流電源に接続可能な交流入力端子と、
前記交流入力端子および前記交流出力端子との間に直列に配置されるコンバータおよびインバータと、
第3のノードおよび前記交流出力端子との間に配置されるバイパス回路と、
前記インバータの出力と前記バイパス回路の出力とを切換えるためのバイパス切換回路と、
前記コンバータおよび前記インバータの間の直流回路に接続される蓄電池と、
前記バイパス入力端子と前記第3のノードとの間に配置される第1のスイッチと、
前記交流入力端子と前記第3のノードとの間に配置される第2のスイッチと、を含み、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、一方がオンのときに、他方がオフとなる、請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項4】
前記待機系無停電電源装置は、さらに、前記第1のノードと接続可能な第2の交流出力端子と、第2の試験用端子台とを含み、
前記無停電電源システムは、
バイパス入力端子と、交流出力端子とを含む第2の常用系無停電電源装置と、
前記待機系無停電電源装置の前記第2の交流出力端子と接続可能な第1の交流入力端子と、前記第2の常用系無停電電源装置の前記交流出力端子と接続可能な第2の交流入力端子と、前記第1の交流入力端子と接続される第1端を有する第1のスイッチと、前記第2の交流入力端子と接続される第1端を有する第2のスイッチと、前記第1のスイッチの第2端および前記第2のスイッチの第2端が接続されるとともに負荷が接続可能な交流出力端子とを含む第2の出力分岐盤と、をさらに備え、
前記第2の試験用端子台は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み、
前記第2の試験用端子台の前記第1の端子は、前記開閉器ボックスの前記第1の端子と接続可能に構成され、かつ前記第1のノードに接続され、
前記第2の試験用端子台の前記第2の端子は、前記開閉器ボックスの前記第2の端子と接続可能に構成され、かつ第4のノードに接続され、
前記第2の試験用端子台の前記第3の端子は、前記第4のノードに接続され、かつ前記第2の常用系無停電電源装置の前記バイパス入力端子に接続可能に構成される、請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項5】
前記待機系無停電電源装置は、
前記第1のノードと、前記第4のノードとの間に配置された第2のスイッチを含む、請求項4記載の無停電電源システム。
【請求項6】
前記第2の常用系無停電電源装置は、さらに、
交流電源に接続可能な交流入力端子と、
前記交流入力端子および前記交流出力端子との間に直列に配置されるコンバータおよびインバータと、
第3のノードおよび前記交流出力端子との間に配置されるバイパス回路と、
前記インバータの出力と前記バイパス回路の出力とを切換えるためのバイパス切換回路と、
前記コンバータおよび前記インバータの間の直流回路に接続される蓄電池と、
前記バイパス入力端子と前記第3のノードとの間に配置される第1のスイッチと、
前記交流入力端子と前記第3のノードとの間に配置される第2のスイッチと、を含み、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、一方がオンのときに、他方がオフとなる、請求項4記載の無停電電源システム。
【請求項7】
前記待機系無停電電源装置は、
交流電源に接続可能な交流入力端子と、
前記交流入力端子および前記第1のノードとの間に直列に配置されるコンバータおよびインバータと、
前記交流入力端子および前記第1のノードの間に、前記コンバータおよび前記インバータが配置される経路と並列して配置されるバイパス回路と、
前記インバータの出力と前記バイパス回路の出力とを切換えるためのバイパス切換回路と、
前記コンバータおよび前記インバータの間の直流回路に接続される蓄電池と、を含む、請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項8】
請求項1記載の無停電電源システムの試験方法であって、
前記第1の出力分岐盤の前記第1のスイッチをオンにするステップと、
前記第1の常用系無停電電源装置を交換するステップと、
前記第1の試験用端子台の前記第1の端子と前記開閉器ボックスの前記第1の端子とを接続し、前記第1の試験用端子台の前記第2の端子と前記開閉器ボックスの前記第2の端子とを接続し、前記第1の試験用端子台の前記第3の端子と交換後の前記第1の常用系無停電電源装置の前記バイパス入力端子とを接続するステップと、
前記第1の出力分岐盤の前記第2のスイッチをオンにするステップと、を備えた無停電電源システムの試験方法。
【請求項9】
前記接続するステップの結果、前記開閉器ボックスのヒューズが溶断していない場合に、前記第1の出力分岐盤の前記第1のスイッチをオフにするステップと、
前記第1の試験用端子台の前記第1の端子と前記開閉器ボックスの前記第1の端子との接続を切断し、前記第1の試験用端子台の前記第2の端子と前記開閉器ボックスの前記第2の端子との接続を切断するステップとを、さらに備えた請求項8記載の無停電電源システムの試験方法。
【請求項10】
請求項4記載の無停電電源システムの試験方法であって、
前記第2の出力分岐盤の前記第1のスイッチをオンにするステップと、
前記第2の常用系無停電電源装置を交換するステップと、
前記第2の試験用端子台の前記第1の端子と前記開閉器ボックスの前記第1の端子とを接続し、前記第2の試験用端子台の前記第2の端子と前記開閉器ボックスの前記第2の端子とを接続し、前記第2の試験用端子台の前記第3の端子と交換後の前記第2の常用系無停電電源装置の前記バイパス入力端子とを接続するステップと、
前記第2の出力分岐盤の前記第2のスイッチをオンにするステップと、を、備えた無停電電源システムの試験方法。
【請求項11】
前記接続するステップの結果、前記開閉器ボックスのヒューズが溶断していない場合に、前記第2の出力分岐盤の前記第1のスイッチをオフにするステップと、
前記第2の試験用端子台の前記第1の端子と前記開閉器ボックスの前記第1の端子との接続を切断し、前記第2の試験用端子台の前記第2の端子と前記開閉器ボックスの前記第2の端子との接続を切断するステップとを、さらに備えた請求項10記載の無停電電源システムの試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無停電電源システムおよび無停電電源システムの試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い信頼度が求められる無停電電源システムにおいては、無停電電源装置の故障等が発生しても、負荷に無停電電源装置での給電を継続する必要がある。このため、従来より、複数の無停電電源装置を組み合わせて冗長方式の無停電電源システムを構成することが行なわれている。
【0003】
このような冗長方式の無停電電源システムとして、たとえば、特開2005-218200号公報(特許文献1)には、常時負荷に給電するように構成された複数の常用系無停電電源装置と、これら複数の常用系無停電電源装置の共通のバックアップ用として設けられた待機系無停電電源装置とからなる無停電電源システムが開示されている。
【0004】
冗長方式の無停電電源システムにおいては、一般的に、複数の常用系無停電電源装置に対して待機系無停電電源装置は1台で構成されている。複数の常用系無停電電源装置の各々に、バイパス入力電源として待機系無停電電源装置の出力が入力されている。1台の常用系無停電電源装置の保守点検または故障発生時には、待機系無停電電源装置の出力が当該常用系無停電電源装置のバイパス入力電源となり、当該常用系無停電電源装置のバイパス回路を経由して負荷に給電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-218200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
待機系無停電電源装置を備える無停電電源システムにおいて、常用系無停電電源装置を更新及び増設した場合には、新規の常用系無停電電源装置と待機系無停電電源装置との組み合わせ試験が行われる。組み合わせ試験では、負荷設備への給電が停止しないようにするため、待機系無停電電源装置と、新規の無停電電源装置の両方が負荷に給電する期間が生じる。このときに、新規の常用系無停電電源装置の特性と待機系無停電電源装置の特性とが相違する場合には、新規の常用系無停電電源装置または待機系無停電電源装置に異常が生じ、負荷への給電が停止してしまうことがある。
【0007】
それゆえに、本開示の目的は、新規の常用系無停電電源装置と待機系無停電電源装置との組合せ試験時に、負荷への給電が停止される可能性を低減することができる無停電電源システムおよび無停電電源システムの試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の無停電電源システムは、バイパス入力端子と、交流出力端子とを含む第1の常用系無停電電源装置と、生成した交流電力が出力される第1のノードと接続可能な第1の交流出力端子と、第1の試験用端子台とを含む待機系無停電電源装置と、待機系無停電電源装置の第1の交流出力端子と接続可能な第1の交流入力端子と、第1の常用系無停電電源装置の交流出力端子と接続可能な第2の交流入力端子と、第1の交流入力端子と接続される第1端を有する第1のスイッチと、第2の交流入力端子と接続される第1端を有する第2のスイッチと、第1のスイッチの第2端および第2のスイッチの第2端が接続されるとともに負荷が接続可能な交流出力端子とを含む第1の出力分岐盤と、第1の端子と、第2の端子と、第1の端子と第2の端子との間に直列に接続されたスイッチおよびヒューズとを含む開閉器ボックスとを備える。第1の試験用端子台は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含む。第1の試験用端子台の第1の端子は、開閉器ボックスの第1の端子と接続可能に構成され、かつ第1のノードに接続される。第1の試験用端子台の第2の端子は、開閉器ボックスの第2の端子と接続可能に構成され、かつ第2のノードに接続される。第1の試験用端子台の第3の端子は、第2のノードに接続され、かつ第1の常用系無停電電源装置のバイパス入力端子に接続可能に構成される。
【0009】
上記記載の無停電電源システムの試験方法であって、第1の出力分岐盤の第1のスイッチをオンにするステップと、第1の常用系無停電電源装置を交換するステップと、第1の試験用端子台の第1の端子と開閉器ボックスの第1の端子とを接続し、第1の試験用端子台の第2の端子と開閉器ボックスの第2の端子とを接続し、第1の試験用端子台の第3の端子と交換後の第1の常用系無停電電源装置のバイパス入力端子とを接続するステップと、第1の出力分岐盤の第2のスイッチをオンにするステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、新規の常用系無停電電源装置と待機系無停電電源装置との組合せ試験時に、負荷への給電が停止される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】参考例の無停電電源システムの構成を表わす図である。
図2】参考例における第1の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
図3】参考例における第2の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
図4】実施の形態1の無停電源システムの構成を表わす図である。
図5】実施の形態1における第1の組み合わせ試験の手順を表わすフローチャートである。
図6】実施の形態1における第1の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
図7】実施の形態1における第2の組み合わせ試験の手順を表わすフローチャートである。
図8】実施の形態1における第2の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一または相当する部分には同一の符号を付して、その説明を繰返さない。
【0013】
(参考例)
まず、参考例の無停電電源システムについて説明する。
【0014】
図1は、参考例の無停電電源システムの構成を表わす図である。
【0015】
参考例の無停電電源システムは、第1の常用系無停電電源装置20Aと、第2の常用系無停電電源装置20Bと、待機系無停電電源装置20Pと、第1の常用系出力分岐盤40Aと、スイッチSA1と、第2の常用系出力分岐盤40Bと、スイッチSB1と、スイッチSP1と、蓄電池2A,2B,2Pとを備える。
【0016】
第1の常用系について説明する。第2の常用系は、第1の常用系と同様なので、説明を繰り返さない。
【0017】
第1の常用系無停電電源装置20Aは、第1の常用系UPS11Aと、第1の常用系入出力盤21Aとを備える。第2の常用系無停電電源装置20Bは、第2の常用系UPS11Bと、第2の常用系入出力盤21Bとを備える。待機系無停電電源装置20Pは、待機系UPS11Pと、待機系入出力盤21Pとを備える。
【0018】
以下の説明では、第1の常用系UPS11Aと、第1の常用系入出力盤21Aと、第1の常用系出力分岐盤40Aと、スイッチSA1と、蓄電池2Aとを第1の常用系と記載し、第2の常用系UPS11Bと、第2の常用系入出力盤21Bと、第2の常用系出力分岐盤40Bと、スイッチSB1と、蓄電池2Bとを第2の常用系と記載し、待機系UPS11Pと、待機系入出力盤21Pと、スイッチSP1と、蓄電池2Pとを待機系と記載する場合もある。
【0019】
第1の常用系UPS11Aは、バッテリ端子T0、入力端子T1、入力端子T2、出力端子T3、コンバータ3、インバータ4、バイパス回路6およびバイパス切替回路5を含む。第1の常用系入出力盤21Aは、スイッチS2~S8と、交流入力端子T5と、交流出力端子T9と、バイパス入力端子T4と、出力端子T6,T7と、入力端子T8とを備える。
【0020】
交流入力端子T5は、スイッチSA1を介して、商用交流電源1に接続可能である。
【0021】
コンバータ3およびインバータ4は、交流入力端子T5と交流出力端子T9との間に、スイッチS5、出力端子T7、および入力端子T2と、出力端子T3、入力端子T8、スイッチS7、およびスイッチS8とを介して、直列に配置される。
【0022】
バイパス回路6は、ノードN1(第3のノード)と交流出力端子T9との間に、スイッチS4、出力端子T6、および入力端子T1と、出力端子T3、入力端子T8、スイッチS7、およびスイッチS8を介して配置される。
【0023】
バイパス切替回路5は、インバータ4の出力と、バイパス回路6の出力とを切り替える。
【0024】
入力端子T1は、出力端子T6に接続され、かつバイパス回路6に接続される。入力端子T2は、出力端子T7に接続され、かつコンバータ3の入力ノードに接続される。
【0025】
バッテリ端子T0は、コンバータ3の出力ノードおよびインバータ4の入力ノードとの間の直流回路(直流リンク)に接続されるとともに、蓄電池2Aに接続される。
【0026】
コンバータ3は、商用交流電源1から商用周波数の交流電力を受ける。コンバータ3は、商用交流電源1から交流電力が供給される通常時、交流電力を直流電力に変換する。コンバータ3は、直流回路に供給される直流電圧が一定電圧となるように制御される。
【0027】
蓄電池2Aは、コンバータ3とインバータ4との間の直流回路にバッテリ端子T0を介して接続される。蓄電池2Aは、通常時に、コンバータ3によって生成された直流電力を貯蔵し、商用交流電源1からの交流電力の供給が停止された停電時に、インバータ4に直流電力を供給する。
【0028】
インバータ4は、直流回路に接続される。インバータ4は、通常時に、コンバータ3によって生成された直流電力を商用周波数の交流電力に変換し、停電時に、蓄電池2Aから直流電力を商用周波数の交流電力に変換する。インバータ4の出力ノードは、出力端子T3に接続される。
【0029】
バイパス回路6は、入力端子T1およびバイパス切替回路5との間に接続される。バイパス切替回路5は、バイパス回路6および出力端子T3との間に接続される。バイパス切替回路5は、バイパス回路6と出力端子T3との電気的な接続および遮断を切り替える。具体的には、バイパス切替回路5は、バイパス回路6と出力端子T3との間に接続されるスイッチを含む。スイッチは、インバータ4からの給電時に非導通(オフ)状態となり、バイパス回路6からの給電時に導通(オン)状態となる。
【0030】
制御部は、コンバータ3およびインバータ4を制御して交流電力を生成する。制御部は、停電時、コンバータ3を停止させるとともにインバータ4を制御して交流電力を生成する。制御部は、入力端子T2の電圧(すなわち、商用交流電源1から供給される交流電圧)に基づいて、商用交流電源1から交流電力が正常に供給されているか否かを判定する。制御部は、判定結果に基づいてコンバータ3およびインバータ4を制御する。制御部は、インバータ4の故障を検出すると、バイパス回路6と出力端子T3とを電気的に接続するようにバイパス切替回路5を制御する。
【0031】
交流入力端子T5は、スイッチSA1の第1端と接続可能である。スイッチSA1の第2端は、商用交流電源1と接続される。
【0032】
出力端子T6は、入力端子T1と接続可能である。出力端子T7は、入力端子T2と接続可能である。入力端子T8は、出力端子T3と接続可能である。
【0033】
スイッチS2(第1のスイッチ)は、バイパス入力端子T4と、ノードN1(第3のノード)との間に配置される。スイッチS3(第2のスイッチ)は、交流入力端子T5と、ノードN1(第3のノード)との間に配置される。スイッチS2とスイッチS3とは、一方がオンのときに、他方がオフとなる。
【0034】
スイッチS4は、ノードN1と、出力端子T6との間に配置される。スイッチS5は、交流入力端子T5と、出力端子T7との間に配置される。スイッチS6は、ノードN1と、ノードN2との間に配置される。スイッチS7は、入力端子T8と、ノードN2との間に配置される。スイッチS8は、ノードN2と、交流出力端子T9との間に配置される。
【0035】
第1の常用系出力分岐盤40Aは、スイッチS9,S10と、第1の交流入力端子T10と、第2の交流入力端子T11と、交流出力端子T12,T13とを備える。
【0036】
第1の交流入力端子T10は、待機系無停電電源装置20Pの第1の交流出力端子TP9と接続可能である。第2の交流入力端子T11は、第1の常用系無停電電源装置20Aの交流出力端子T9と接続可能である。
【0037】
スイッチS9(第1のスイッチ)の第1端は、第1の交流入力端子T10と接続される。スイッチS9(第1のスイッチ)の第2端は、ノードN3と接続される。スイッチS10(第2のスイッチ)の第1端は、第2の交流入力端子T11と接続される。スイッチS10(第2のスイッチ)の第2端は、ノードN3と接続される。
【0038】
交流出力端子T12は、ノードN3を介して、スイッチS9の第2端およびスイッチS10の第2端と接続され、かつ負荷LA1が接続可能である。交流出力端子T13は、ノードN3を介して、スイッチS9の第2端およびスイッチS10の第2端と接続され、かつ負荷LA2が接続可能である。
【0039】
スイッチSA1、S2、S3、S4、S5、S6、S8、S9、S10は、過大な電流が流れたときに自動的にオフとなるトリップスイッチである。
【0040】
待機系UPS11Pは、バッテリ端子TP0、入力端子TP1,TP2、出力端子TP3、コンバータ3P、インバータ4P、バイパス回路6Pおよびバイパス切替回路5Pを含む。待機系出力分岐盤40Pは、スイッチSP4,SP7,SP8と、スイッチ33,34と、スイッチ31(第1のスイッチ)と、スイッチ32(第2のスイッチ)と、交流入力端子TP5と、出力端子TP6,TP7と、入力端子TP8と、第1の交流出力端子TP9と、第2の交流出力端子TP10と、出力端子TP11,TP12とを備える。
【0041】
交流入力端子TP5は、スイッチSP1を介して、商用交流電源1に接続可能である。
【0042】
コンバータ3Pおよびインバータ4Pは、交流入力端子TP5とノードNP1(第1のノード)との間に、スイッチSP5、出力端子TP7、および入力端子TP2と、出力端子TP3、入力端子TP8、およびスイッチSP7とを介して、直列に配置される。
【0043】
バイパス回路6Pは、交流入力端子TP5とノードNP1(第1のノード)との間に、スイッチSP4、出力端子TP6、および入力端子TP1と、出力端子TP3、入力端子TP8、およびスイッチSP7とを介して、コンバータ3Pおよびインバータ4Pが配置される経路を並列に配置される。
【0044】
バイパス切替回路5Pは、インバータ4Pの出力と、バイパス回路6Pの出力とを切り替える。
【0045】
入力端子TP1は、出力端子TP6に接続され、かつバイパス回路6Pに接続される。入力端子TP2は、出力端子TP7に接続され、かつコンバータ3Pの入力ノードに接続される。
【0046】
バッテリ端子TP0は、コンバータ3Pの出力ノードおよびインバータ4Pの入力ノードとの間の直流回路(直流リンク)に接続されるとともに、蓄電池2Pに接続される。
【0047】
コンバータ3Pは、商用交流電源1から商用周波数の交流電力を受ける。コンバータ3Pは、商用交流電源1から交流電力が供給される通常時、交流電力を直流電力に変換する。コンバータ3Pは、直流回路に供給される直流電圧が一定電圧となるように制御される。
【0048】
蓄電池2Pは、コンバータ3Pとインバータ4Pとの間の直流回路にバッテリ端子TP0を介して接続される。蓄電池2Pは、通常時に、コンバータ3Pによって生成された直流電力を貯蔵し、商用交流電源1からの交流電力の供給が停止された停電時に、インバータ4Pに直流電力を供給する。
【0049】
インバータ4Pは、直流回路に接続される。インバータ4Pは、通常時に、コンバータ3Pによって生成された直流電力を商用周波数の交流電力に変換し、停電時に、蓄電池2Pから直流電力を商用周波数の交流電力に変換する。インバータ4Pの出力ノードは、出力端子TP3に接続される。
【0050】
バイパス回路6Pは、入力端子TP1およびバイパス切替回路5Pとの間に接続される。バイパス切替回路5Pは、バイパス回路6Pおよび出力端子TP3との間に接続される。バイパス切替回路5Pは、バイパス回路6Pと出力端子TP3との電気的な接続および遮断を切り替える。具体的には、バイパス切替回路5Pは、バイパス回路6Pと出力端子TP3との間に接続されるスイッチを含む。スイッチは、インバータ4Pからの給電時に非導通(オフ)状態となり、バイパス回路6Pからの給電時に導通(オン)状態となる。
【0051】
制御部は、コンバータ3Pおよびインバータ4Pを制御して交流電力を生成する。制御部は、停電時、コンバータ3Pを停止させるとともにインバータ4Pを制御して交流電力を生成する。制御部は、入力端子TP2の電圧(すなわち、商用交流電源1から供給される交流電圧)に基づいて、商用交流電源1から交流電力が正常に供給されているか否かを判定する。制御部は、判定結果に基づいてコンバータ3Pおよびインバータ4Pを制御する。制御部は、インバータ4Pの故障を検出すると、バイパス回路6Pと出力端子TP3とを電気的に接続するようにバイパス切替回路5Pを制御する。
【0052】
交流入力端子T5は、スイッチSP1の第1端と接続可能である。スイッチSP1の第2端は、商用交流電源1と接続される。
【0053】
出力端子TP6は、入力端子TP1と接続可能である。出力端子TP7は、入力端子TP2と接続可能である。入力端子TP8は、出力端子TP3と接続可能である。
【0054】
スイッチSP4は、交流入力端子TP5と、出力端子T6との間に配置される。スイッチSP5は、交流入力端子TP5と、出力端子T7との間に配置される。ノードNP1(第1のノード)には、待機系無停電電源装置20Pによって生成された交流電力が出力される。スイッチSP6は、交流入力端子TP5と、ノードNP1(第1のノード)との間に配置される。スイッチSP7は、入力端子TP8と、ノードNP1(第1のノード)との間に配置される。
【0055】
スイッチ33は、ノードNP1(第1のノード)と、第1の交流出力端子TP9との間に配置される。スイッチ34は、ノードNP1(第1のノード)と、第2の交流出力端子TP10との間に配置される。
【0056】
スイッチ31は、ノードNP1(第1のノード)と、出力端子TP12との間に配置される。スイッチ32は、ノードNP1(第1のノード)と、出力端子TP11との間に配置される。
【0057】
スイッチSP1、SP4、SP5、SP6、31、32、33、34は、過大な電流が流れたときに自動的にオフとなるトリップスイッチである。
【0058】
(参考例の動作)
次に、参考例において、第1の常用系無停電電源装置20Aを交換して、新規の第1の常用系無停電電源装置20Aと待機系無停電電源装置20Pとの組み合わせ試験(第1の組み合わせ試験)を実行する方法について説明する。
【0059】
図2は、参考例における第1の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
【0060】
待機系において、スイッチSP1、SP4、SP5、SP7、31、33、34をオンに設定し、スイッチSP6、32をオフに設定する。第1の常用系において、スイッチS9をオンに設定する。第2の常用系において、スイッチSB1、S3、S4、S5、S7、S8をオンに設定し、スイッチS2、S6をオフに設定する。
【0061】
第1の常用系無停電電源装置20Aを交換する。すなわち、古い第1の常用系無停電電源装置20Aを無停電電源システムから取り外し、新しい第1の常用系無停電電源装置20Aを無停電電源システムに接続する。
【0062】
第1の常用系において、スイッチS2、S4、S5、S7、S8、S10をオンに設定し、スイッチSA1、S3、S6をオフに設定する。
【0063】
その結果、第1の常用系出力分岐盤40Aにおいて、スイッチS9およびS10の両方が同時にオンとなる。待機系無停電電源装置20Pによって生成された交流電力が、待機系無停電電源装置20Pの第1の交流出力端子TP9と、第1の常用系出力分岐盤40Aの第1の交流入力端子T10、およびスイッチS9とを通じて、負荷LA1、LA2に供給される。待機系無停電電源装置20Pによって生成された交流電力は、さらに、待機系無停電電源装置20Pの出力端子TP12と、第1の常用系無停電電源装置20Aのバイパス入力端子T4、スイッチS2、スイッチS4、バイパス回路6、出力端子T3、入力端子T8、スイッチS7、スイッチS8、および交流出力端子T9と、第1の常用系出力分岐盤40Aの第2の交流入力端子T11、およびスイッチS10とを通じて、負荷LA1、LA2に供給される。
【0064】
スイッチS9およびS10が同時にオンに設定されるのは、オンのスイッチをスイッチS9からスイッチS10に切り替えるときに、両方がオフになる期間が少しでも生じると、負荷LA1、LA2への給電が停止されてしまうからである。
【0065】
スイッチS9およびS10がオンに設定されている間は、ノードN3が待機系無停電電源装置20Pからの電圧V1と、第1の常用系無停電電源装置20Aからの電圧V2とを受ける。切替前の古い第1の常用系無停電電源装置20Aが接続されている場合には、V1とV2の電圧特性は同じである。
【0066】
切替後の新規の第1の常用系無停電電源装置20Aの機種または仕様と、切替前の古い第1の常用系無停電電源装置20Aの機種または仕様とが同じ場合、V1とV2の電圧特性が同一である。この場合、何の異常も発生しないので、スイッチS9をオフに設定して、第1の組み合わせ試験が終了する。
【0067】
切替後の新規の第1の常用系無停電電源装置20Aの機種または仕様と切替前の古い第1の常用系無停電電源装置20Aの機種または仕様とが相違すると、V1とV2の電圧特性が相違する場合がある。V1とV2の電圧特性が相違すると、待機系無停電電源装置20Pには、大電流が発生して、第1の常用系無停電電源装置20A、および待機系無停電電源装置20Pの一方、または両方が故障する、あるいは商用交流電源1からの商用交流電力で第1の常用系無停電電源装置20Aを動作させなければならないような事態が発生する場合がある。その結果、負荷LA1およびLA2の給電が停止するなどの問題が生じる。
【0068】
次に、参考例において、第2の常用系無停電電源装置20Bを交換して、新規の第2の常用系無停電電源装置20Bと待機系無停電電源装置20Pとの組み合わせ試験(第2の組み合わせ試験)を実行する方法について説明する。
【0069】
図3は、参考例における第2の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
【0070】
待機系において、スイッチSP1、SP4、SP5、SP7、32、33、34をオンに設定し、スイッチSP6、31をオフに設定する。第2の常用系において、スイッチS9をオンに設定する。第1の常用系において、スイッチSA1、S3、S4、S5、S7、S8をオンに設定し、スイッチS2、S6をオフに設定する。
【0071】
第2の常用系無停電電源装置20Bを交換する。すなわち、古い第2の常用系無停電電源装置20Bを無停電電源システムから取り外し、新しい第2の常用系無停電電源装置20Bを無停電電源システムに接続する。
【0072】
第2の常用系において、スイッチS2、S4、S5、S7、S8、S10をオンに設定し、スイッチSB1、S3、S6をオフに設定する。
【0073】
その結果、第2の常用系出力分岐盤40Bにおいて、スイッチS9およびS10の両方が同時にオンとなる。待機系無停電電源装置20Pによって生成された交流電力が、待機系無停電電源装置20Pの第2の交流出力端子TP10と、第2の常用系出力分岐盤40Bの第1の交流入力端子T10、およびスイッチS9とを通じて、負荷LB1、LB2に供給される。待機系無停電電源装置20Pによって生成された交流電力は、さらに、待機系無停電電源装置20Pの出力端子TP11と、第2の常用系無停電電源装置20Bのバイパス入力端子T4、スイッチS2、スイッチS4、バイパス回路6、出力端子T3、入力端子T8、スイッチS7、スイッチS8、および交流出力端子T9と、第2の常用系出力分岐盤40Bの第2の交流入力端子T11、およびスイッチS10とを通じて、負荷LB1、LB2に供給される。
【0074】
スイッチS9およびS10が同時にオンに設定されるのは、オンにするのをスイッチS9からスイッチS10に切り替えるときに、両方がオフになる期間が少しでも生じると、負荷LB1、LB2への給電が停止されてしまうからである。
【0075】
スイッチS9およびS10がオンに設定されている間は、ノードN3が待機系無停電電源装置20Pからの電圧V1と、第2の常用系無停電電源装置20Bからの電圧V2とを受ける。切替前の古い第2の常用系無停電電源装置20Bが接続されている場合には、V1とV2の電圧特性は同じである。
【0076】
切替後の新規の第2の常用系無停電電源装置20Bの機種または仕様と切替前の古い第2の常用系無停電電源装置20Bの機種または仕様とが同じ場合、V1とV2の電圧特性が同一である。この場合、何の異常も発生しないので、スイッチS9をオフに設定して、第2の組み合わせ試験が終了する。
【0077】
切替後の新規の第2の常用系無停電電源装置20Bの機種または仕様と切替前の古い第2の常用系無停電電源装置20Bの機種または仕様とが相違すると、V1とV2の電圧特性が相違する場合がある。V1とV2の電圧特性が相違すると、待機系無停電電源装置20Pには、大電流が発生して、第2の常用系無停電電源装置20B、および待機系無停電電源装置20Pの一方、または両方が故障する、あるいは商用交流電源1からの商用交流電力で第2の常用系無停電電源装置20Bを動作させなければならないような事態が発生する場合がある。その結果、負荷LB1およびLB2の給電が停止するなどの問題が生じる。
【0078】
実施の形態1.
(実施の形態1の無停電電源システム)
図4は、実施の形態1の無停電源システムの構成を表わす図である。
【0079】
実施の形態1の無停電電源システムと参考例の無停電電源システムとが相違する点は、実施の形態1の無停電電源システムは、開閉器ボックス60を備える点である。
【0080】
本実施の形態では、待機系入出力盤21Pが、さらに、第1の試験用端子台50と、第2の試験用端子台51とを備える。第1の試験用端子台50は、第1の端子51Xと、第2の端子51Yと、第3の端子51Zを備える。第2の試験用端子台51は、第1の端子51Xと、第2の端子51Yと、第3の端子51Zとを備える。
【0081】
開閉器ボックス60は、第1の端子61と、第2の端子62と、スイッチ65と、ヒューズ70とを備える。第1の端子61と第2の端子62とに間にスイッチ65とヒューズ70とが直列に接続される。
【0082】
第1の試験用端子台50の第1の端子50Xは、ノードNP1(第1のノード)と接続され、かつ開閉器ボックス60の第1の端子61と接続可能である。第1の試験用端子台50の第2の端子50Yは、ノードNP4(第2のノード)と接続され、かつ第2の端子62と接続可能である。第1の試験用端子台50の第3の端子50Zは、ノードNP4(第2のノード)と接続され、かつ第1の常用系入出力盤21Aのバイパス入力端子T4と接続可能である。スイッチ31は、ノードNP1とノードNP4との間に配置される。
【0083】
第2の試験用端子台51の第1の端子51Xは、ノードNP1(第1のノード)と接続され、かつ開閉器ボックス60の第1の端子61と接続可能である。第2の試験用端子台51の第2の端子51Yは、ノードNP5(第4のノード)と接続され、かつ第2の端子62と接続可能である。第2の試験用端子台51の第3の端子51Zは、ノードNP5(第4のノード)と接続され、かつ第2の常用系入出力盤21Bのバイパス入力端子T4と接続可能である。スイッチ32は、ノードNP1とノードNP5との間に配置される。
【0084】
(実施の形態1の無停電電源システムの第1の試験方法)
次に、第1の常用系無停電電源装置20Aを交換して、新規の常用系無停電電源装置20Aと待機系無停電電源装置20Pとの組み合わせ試験(第1の組み合わせ試験)を実行する方法について説明する。
【0085】
図5は、実施の形態1における第1の組み合わせ試験の手順を表わすフローチャートである。図6は、実施の形態1における第1の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
【0086】
ステップS101において、複数のスイッチのオン/オフを設定する。
【0087】
待機系において、スイッチSP1、SP4、SP5、SP7、33、34をオンに設定し、スイッチSP6、31、32をオフに設定する。第1の常用系において、スイッチS9をオンに設定する。第2の常用系において、スイッチSB1、S3、S4、S5、S7、S8をオンに設定し、スイッチS2、S6をオフに設定する。
【0088】
ステップS102において、第1の常用系無停電電源装置20Aを交換する。すなわち、古い第1の常用系無停電電源装置20Aを無停電電源システムから取り外し、新しい第1の常用系無停電電源装置20Aを無停電電源システムに接続する。
【0089】
ステップS103において、第1の試験用端子台50の第1の端子50Xと開閉器ボックス60の第1の端子61とを接続し、第1の試験用端子台50の第2の端子50Yと開閉器ボックス60の第2の端子62とを接続し、第1の試験用端子台50の第3の端子50Zを交換後の新しい第1の常用系無停電電源装置20Aのバイパス入力端子T4と接続する。
【0090】
ステップS104において、第1の常用系において、スイッチS2、S4、S5、S7、S8、S10をオンに設定し、スイッチSA1、S3、S6をオフに設定する。
【0091】
これによって、待機系無停電電源装置20Pによって生成されてノードNP1に出力された交流電力が、第1の試験用端子台50の第1の端子50Xと、開閉器ボックス60の第1の端子61、スイッチ65、ヒューズ70、および第2の端子62と、第1の試験用端子台50の第2の端子51Yと、待機系無停電電源装置20PのノードNP4と、第1の試験用端子台50の第3の端子51Zとを通じて、第1の常用系無停電電源装置20Aのバイパス入力端子T4に送られる。待機系無停電電源装置20PのノードNP1に大電流が流れる場合には、開閉器ボックス60のヒューズ70が溶断する。その結果、待機系無停電電源装置20Pから第1の常用系無停電電源装置20Aの交流電力の供給が停止するので、第1の常用系無停電電源装置20A、および待機系無停電電源装置20Pの一方、または両方が故障する、あるいは商用交流電源1からの商用交流電力で第1の常用系無停電電源装置20Aを動作させなければならないような事態が発生しない。その結果、負荷LA1およびLA2の給電が停止するなどの可能性を低減できる。
【0092】
ステップS105において、開閉器ボックス60のヒューズ70が溶断していない場合に、処理がステップS106に進む。
【0093】
ステップS106において、第1の常用系出力分岐盤40AのスイッチS9をオフに設定する。
【0094】
ステップS107において、第1の試験用端子台50の第1の端子50Xと開閉器ボックス60の第1の端子61との接続を切断し、第1の試験用端子台50の第2の端子50Yと開閉器ボックス60の第2の端子62との接続を接続する。
【0095】
次に、第2の常用系無停電電源装置20Bを交換して、新規の常用系無停電電源装置20Bと待機系無停電電源装置20Pとの組み合わせ試験(第2の組み合わせ試験)を実行する方法について説明する。
【0096】
図7は、実施の形態1における第2の組み合わせ試験の手順を表わすフローチャートである。図8は、実施の形態1における第2の組み合わせ試験時のスイッチの状態を表わす図である。
【0097】
ステップS201において、複数のスイッチのオン/オフを設定する。
【0098】
待機系において、スイッチSP1、SP4、SP5、SP7、33、34をオンに設定し、スイッチSP6、31、32をオフに設定する。第2の常用系において、スイッチS9をオンに設定する。第1の常用系において、スイッチSA1、S3、S4、S5、S7、S8をオンに設定し、スイッチS2、S6をオフに設定する。
【0099】
ステップS202において、第2の常用系無停電電源装置20Bを交換する。すなわち、古い第2の常用系無停電電源装置20Bを無停電電源システムから取り外し、新しい第2の常用系無停電電源装置20Bを無停電電源システムに接続する。
【0100】
ステップS203において、第2の試験用端子台51の第1の端子51Xと開閉器ボックス60の第1の端子61とを接続し、第2の試験用端子台51の第2の端子51Yと開閉器ボックス60の第2の端子62とを接続し、第2の試験用端子台51の第3の端子51Zを交換後の新しい第2の常用系無停電電源装置20Bのバイパス入力端子T4と接続する。
【0101】
ステップS204において、第2の常用系において、スイッチS2、S4、S5、S7、S8、S10をオンに設定し、スイッチSB1、S3、S6をオフに設定する。
【0102】
これによって、待機系無停電電源装置20Pによって生成されてノードNP1に出力された交流電力が、第2の試験用端子台51の第1の端子51Xと、開閉器ボックス60の第1の端子61、スイッチ65、ヒューズ70、および第2の端子62と、第2の試験用端子台51の第2の端子51Yと、待機系無停電電源装置20PのノードNP4と、第2の試験用端子台51の第3の端子51Zとを通じて、第2の常用系無停電電源装置20Bのバイパス入力端子T4に送られる。待機系無停電電源装置20PのノードNP1に大電流が流れる場合には、開閉器ボックス60のヒューズ70が溶断する。その結果、待機系無停電電源装置20Pから第2の常用系無停電電源装置20Bの交流電力の供給が停止するので、第2の常用系無停電電源装置20B、および待機系無停電電源装置20Pの一方、または両方が故障する、あるいは商用交流電源1からの商用交流電力で第2の常用系無停電電源装置20Bを動作させなければならないような事態が発生しない。その結果、負荷LB1およびLB2の給電が停止するなどの可能性を低減できる。
【0103】
ステップS205において、開閉器ボックス60のヒューズ70が溶断していない場合に、処理がステップS206に進む。
【0104】
ステップS206において、第2の常用系出力分岐盤40BのスイッチS9をオフに設定する。
【0105】
ステップS207において、第2の試験用端子台51の第1の端子51Xと開閉器ボックス60の第1の端子61との接続を切断し、第2の試験用端子台51の第2の端子51Yと開閉器ボックス60の第2の端子62との接続を接続する。
【0106】
以上のように、本実施の形態によれば、試験用端子台50,51、および開閉器ボックス60を設けることにより、更新または増設対象の常用系無停電電源装置と、既設の待機系無停電電源装置との組合せ試験時に、負荷への給電が停止される可能性を低減することができる。さらに、待機系無停電電源装置に外部の開閉器ボックスを接続する形態で組み合わせ試験が可能であるので、開閉器ボックスを複数のシステムにおける組み合わせ試験で流用することができる。その結果、コスト削減も可能となる。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
1 商用交流電源、2A,2B,2P 蓄電池、3,3P コンバータ、4,4P インバータ、5,5P バイパス切替回路、6,6P バイパス回路、20A,20B,20P 無停電電源装置、21A 第1の常用系入出力盤、21B 第2の常用系入出力盤、21P 待機系入出力盤、31,32,33,34,65,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9,S10,SA1,SB1,SP1,SP4,SP5,SP6,SP7,SP8 スイッチ、40A 第1の常用系出力分岐盤、40B 第2の常用系出力分岐盤、40P 待機系出力分岐盤、50 第1の試験用端子台、50X,51X,61 第1の端子、50Y,51Y,62 第2の端子、50Z,51Z 第3の端子、51 第2の試験用端子台、60 開閉器ボックス、70 ヒューズ、LA1,LA2,LB1,LB2 負荷、T0,TP0 バッテリ端子、T1,T2,T8,TP1,TP2,TP8 入力端子、T3,T6,T7,TP3,TP6,TP7,TP11,TP12 出力端子、T4 バイパス入力端子、T5,TP5 交流入力端子、T9,T12,T13 交流出力端子、T10 第1の交流入力端子、T11 第2の交流入力端子、TP9 第1の交流出力端子、TP10 第2の交流出力端子、11A 第1の常用系UPS、11B 第2の常用系UPS、11P 待機系UPS。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8