(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085082
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/27 20180101AFI20240619BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240619BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20240619BHJP
F21V 9/00 20180101ALI20240619BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240619BHJP
F21W 103/60 20180101ALN20240619BHJP
【FI】
F21S43/27
F21S43/14
F21S43/20
F21V9/00 200
F21Y115:10
F21W103:60
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199419
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 俊也
(72)【発明者】
【氏名】大久保 泰宏
(57)【要約】
【課題】集光レンズを安定して支持する。
【解決手段】車両用灯具は、光を出射する光源が搭載される光源基板と、光源から出射された光を集光する集光レンズと、光源基板に固定され、集光レンズを支持するフレーム部材と、集光レンズで集光された光を照射して照射パターンを形成する投影レンズとを備え、集光レンズは、光源からの光が入射する入射面と、入射面から入射した光を出射する出射面とを有する平板状であり、光源からの光の波面を収束方向の湾曲波面に変換するメタサーフェス部を入射面に有し、フレーム部材は、入射面のうちメタサーフェス部とは異なる部分を支持する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源が搭載される光源基板と、
前記光源から出射された前記光を集光する集光レンズと、
前記光源基板に固定され、前記集光レンズを支持するフレーム部材と、
前記集光レンズで集光された前記光を照射して照射パターンを形成する投影レンズと
を備え、
前記集光レンズは、前記光源からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した前記光を出射する出射面とを有する平板状であり、前記光源からの前記光の波面を収束方向の湾曲波面に変換するメタサーフェス部を前記入射面に有し、
前記フレーム部材は、前記入射面のうち前記メタサーフェス部とは異なる部分を支持する
車両用灯具。
【請求項2】
前記フレーム部材は、前記光源の周囲を囲うように配置される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記フレーム部材は、金属接合により前記光源基板に固定される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記フレーム部材は、前記光源の周囲の一部を空けた状態で前記光源基板に固定される
請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記集光レンズは、前記メタサーフェス部の周囲の部分が低融点ガラスにより前記フレーム部材に接合される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記集光レンズ及び前記フレーム部材の少なくとも一方に位置決め部が設けられる
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記フレーム部材は、セラミックを用いて形成される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記フレーム部材は、前記光源の周囲を囲う壁部を有し、
前記壁部は、前記フレーム部材の内周側と外周側とを連通する通気部を有する
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記集光レンズで集光された前記光の一部を通過させるスリットを有する遮光部材を更に備え、
前記投影レンズは、前記スリットを通過した前記光を路面に照射して前記照射パターンを形成する
請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具において、光源からの光を集光する集光レンズとして、いわゆるメタレンズを備えた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。メタレンズは、例えば板状であり、光源からの光の波面を変更するメタサーフェス部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両用灯具では、光源と集光レンズとの相対位置関係を保持するため、集光レンズを安定して支持する構成が求められる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、集光レンズを安定して支持することが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両用灯具は、光を出射する光源が搭載される光源基板と、前記光源から出射された前記光を集光する集光レンズと、前記光源基板に固定され、前記集光レンズを支持するフレーム部材と、前記集光レンズで集光された前記光を照射して照射パターンを形成する投影レンズとを備え、前記集光レンズは、前記光源からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した前記光を出射する出射面とを有する平板状であり、前記光源からの前記光の波面を収束方向の湾曲波面に変換するメタサーフェス部を前記入射面に有し、前記フレーム部材は、前記入射面のうち前記メタサーフェス部とは異なる部分を支持する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、集光レンズを安定して支持することが可能な車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、車両用灯具を光軸の軸線方向から見た状態を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る車両用灯具の動作の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、車両用灯具により路面に形成される照射パターンの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図15】
図15は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図16】
図16は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図17】
図17は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図18】
図18は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図19】
図19は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図20】
図20は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図21】
図21は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図22】
図22は、他の例に係る車両用灯具における光源部、集光レンズ及びフレーム部材の固定部分の構成を示す図である。
【
図23】
図23は、変形例に係る集光レンズの構成を示す斜視図である。
【
図24】
図24は、変形例に係るフレーム部材の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1から
図3は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す図である。
図1は斜視図、
図2は分解斜視図、
図3は光軸AXの軸線方向から見た図である。
図1から
図3に示すように、車両用灯具100は、光源部10と、集光レンズ20と、遮光部材30と、投影レンズ40と、支持部材50と、フレーム部材60とを備える。
【0011】
光源部10は、光源11及び基板(光源基板)12を有する。光源11は、例えばLED等の半導体型光源である。光源11は、光を出射する発光面11aを有する。発光面11aは、集光レンズ20の入射面20aに対向して配置される。光源11は、発光面11aから単一色の光、例えば橙色(アンバー)の光を出射する。光源11は、例えば1つ配置される。なお、光源11は、複数設けられてもよい。また、発光面11aから出射される光の色は、橙色に限定されない。
【0012】
基板12は、実装面12aを有する。実装面12aには、光源11が実装される。基板12は、光源11に電力を供給する配線、回路等が形成される。基板12は、開口部14、15を有する。開口部14には、ネジ部材16が挿入される。ネジ部材16は、基板12を後述する支持部材50のベース部51に固定する。開口部15には、後述する支持部材50のベース部51に設けられる位置決めピン55が挿入される。
【0013】
集光レンズ20は、光源11から出射される光を遮光部材30側に集光して出射する。集光レンズ20は、例えば石英ガラス等、光を透過可能な材料を用いて例えば平板状等の板状に形成される。集光レンズ20は、厚さ(前後方向の寸法)を0.1mm~1mm程度に形成することができる。集光レンズ20は、基板12に固定されてもよいし、後述する支持部材50のベース部51に固定されてもよい。
図4は、集光レンズ20の一例を示す図である。なお、
図4では、集光レンズ20に加えて、光源部10及び後述する遮光部材30についても示している。
【0014】
図4に示すように、集光レンズ20は、入射面20a及び出射面20bを有する。入射面20a及び出射面20bは、例えば平面状である。なお、入射面20a及び出射面20bは、湾曲した面であってもよい。集光レンズ20は、入射面20aが光源11に対向し、出射面20bが遮光部材30に対向するように配置される。
【0015】
集光レンズ20は、入射面20aにメタサーフェス部21を有する、いわゆるメタレンズである。メタサーフェス部21は、入射面20a及び出射面20bの少なくとも一方に設けられる構成とすることができる。メタサーフェス部21は、光源11からの入射波面を後述するスリット33に向けて変換する。メタサーフェス部21は、例えばGaN(窒化ガリウム)、Si3N4(窒化ケイ素)等を用いて形成される。入射面20aに設けられるメタサーフェス部21の作用により、入射面20aから入射した光の波面が後述するスリット33に向けて変換されて出射面20bから出射される。このため、出射面20bから出射される光は、凸レンズのレンズ面から出射される場合と同様に、遮光部材30の後述するスリット33の形状に合わせて光軸AX側に収束するように集光された状態となる。
【0016】
メタサーフェス部21は、複数のピラー部22を有する。ピラー部22は、柱状であり、入射面20aから光源11側に突出する。複数のピラー部22は、例えば左右方向及び前後方向に沿って、所定のピッチでマトリクス状に配置される。複数のピラー部22は、所定方向の寸法がそれぞれ光源11から出射される光の波長の2倍以下である。このように複数のピラー部22の所定方向の寸法を光源11からの光の波長の2倍以下とすることで、位相への安定性が高くなり、より作り易くなるためコストを低減できる。本実施形態において、所定方向については、例えば前後方向又は左右方向のいずれかの寸法とすることができる。
【0017】
複数のピラー部22は、例えば電子ビームリソグラフィ法、イオンエッチング法などの技術により形成することができる。なお、集光レンズ20は、メタサーフェス部21と当該メタサーフェス部21以外の部分とが誘電率及び透磁率の異なる材料で構成することができる。
【0018】
集光レンズ20において、メタサーフェス部21は、光源11から所定角度α以下の出射角度で出射される光が入射する範囲に設けられる。すなわち、集光レンズ20の入射面20aには、光源11から所定角度α以下の出射角度で出射される光が入射する範囲に複数のピラー部22が形成される。また、集光レンズ20は、遮光部材30側に進行する光の集光角度が光軸AX側に対して例えば水平方向で所定角度β以下となるように、複数のピラー部22が形成される。
【0019】
本実施形態において、基板12と集光レンズ20の入射面20aとの距離をD1、入射面20aから遮光部材30までの距離をD2、遮光部材30の後述するスリット33について光軸AXから左右方向の両端までの距離をD3、メタサーフェス部21について光軸AXから左右方向の両端までの寸法をD4とする。ここで、距離D1を2.5mm、距離D2を13.5mm、距離D3を2mm、距離D4を4.0mmとした場合、所定角度αを例えば60°とすることができ、所定角度βを例えば15°とすることができる。なお、距離D1から距離D4の各値、所定角度α、βの値については、上記に限定されない。
【0020】
図1から
図3に戻り、遮光部材30は、スリット形成部31及び張り出し部32を有する。遮光部材30は、スリット形成部31及び張り出し部32が一つの部材として平板状に形成される。遮光部材30は、光を遮光可能な材料を用いて全体が形成される。このような材料としては、例えば金属等の材料が挙げられるが、他の材料が用いられてもよい。なお、遮光部材30は、スリット形成部31と張り出し部32とが別部材で形成された構成であってもよい。
【0021】
スリット形成部31は、例えば円形状に設けられる。スリット形成部31は、スリット33を有する。スリット33は、集光レンズ20で集光された光の一部を通過させる。スリット33は、例えば上下方向に3つ並んだ状態で形成される。スリット33の数及び配置については上記に限定されない。
【0022】
張り出し部32は、スリット形成部31から左右方向に直線状に突出する。張り出し部32は、左右方向の両側の角部は、丸みを帯びた形状となっている。張り出し部32は、前側及び後側の両面が平面状である。張り出し部32は、開口部32a、32bを有する。開口部32aは、後述する支持部材50の突出部53aが挿入される。開口部32bは、後述するネジ部材54が挿入される。
【0023】
遮光部材30は、前方から見て、集光レンズ20を覆うように形成される。この構成により、集光レンズ20を通過した光を遮光部材30により遮光することが可能となる。
【0024】
投影レンズ40は、レンズ部41と、筒状部42と、張り出し部43とを有する。レンズ部41は、スリット33を通過した光を車両前方の路面に投影して照射パターンを形成する。投影レンズ40は、レンズ部41、筒状部42及び張り出し部43が一つの部材として形成される。
【0025】
なお、投影レンズ40は、レンズ部41、筒状部42及び張り出し部43の少なくとも1つが別部材で形成された構成であってもよい。レンズ部41は、光源11からの光を透過可能な材料を用いて形成される。このような材料としては、例えばアクリル等の樹脂材料が挙げられるが、他の材料が用いられてもよい。この場合、レンズ部41を構成する材料を用いて一体成型することで、投影レンズ40の全体を容易に形成することができる。投影レンズ40は、集光レンズ20とは異なる材料により全体が形成された構成であるが、集光レンズ20と同一の材料を用いて全体が形成されてもよい。なお、投影レンズ40は、レンズ部41とは異なる部分、すなわち筒状部42及び張り出し部43のうちの少なくとも一部がレンズ部41とは異なる材料を用いて形成されてもよい。
【0026】
レンズ部41は、入射面41aと、出射面41bとを有する(
図5参照)。入射面41aは、スリット33を通過した光が入射する。出射面41bは、入射面41aから入射した光を前方に出射する。
【0027】
筒状部42は、レンズ部41を保持する。筒状部42は、例えば円筒状である。筒状部42は、レンズ部41と張り出し部43との間を接続する。筒状部42は、張り出し部43に対して前方に突出するように設けられる。この構成により、レンズ部41が張り出し部43に対して前方に配置された状態となる。
【0028】
張り出し部43は、筒状部42を介してレンズ部41を保持する。張り出し部43は、平板状である。張り出し部43は、開口部43a、43bを有する。開口部43a、43bは、後述する支持部材50の固定部53との間の位置決めに用いられる。
【0029】
支持部材50は、ベース部51と、フィン52と、固定部53とを有する。ベース部51は、平板状である。ベース部51は、光源部10を支持する支持面51aを有する。支持面51aは、ベース部51の前側の面であり、基板12を支持する。
【0030】
フィン52は、ベース部51から後方に突出する。フィン52は、複数設けられる。フィン52は、光源11において発生する熱を放出する。
【0031】
固定部53は、ベース部51の支持面51aから前方に突出している。固定部53は、張り出し部32及び張り出し部43を固定する。固定部53は、突出部53aと、開口部53bとを有する。
【0032】
突出部53aは、前方に突出し、張り出し部32の開口部32a、張り出し部43の開口部43aを前後方向に貫通する。
【0033】
開口部53bには、ネジ部材54が挿入される。ネジ部材54は、張り出し部32及び張り出し部43を固定部53に固定する。ネジ部材54は、張り出し部32の開口部32b、張り出し部43の開口部46bを貫通して、固定部53の開口部53bに挿入される。
【0034】
図5は、本実施形態に係る車両用灯具100の動作の一例を示す図である。運転者による方向指示器等の操作に応じて、又はハザードランプ等の点灯に連動して、車両用灯具100は、光源11の発光面11aから光を出射する。
【0035】
発光面11aから出射された光Lは、集光レンズ20の入射面20aに入射し、入射面20aに設けられるメタサーフェス部21の作用により入射波面が収束方向の湾曲波面に変換される。波面が変換された光Lは、光軸AX側に集光された状態で出射面20bから前方に出射される。
【0036】
出射面20bから前方に出射された光Lは、遮光部材30のスリット形成部31に到達する。スリット形成部31に到達した光Lの一部は、遮光部材30のスリット33を通過し、残りは遮光部材30により遮光される。スリット33を通過した光Lは、レンズ部41の入射面41aに入射し、出射面41bから車両前方に出射される。
【0037】
図6は、車両用灯具100により路面に形成される照射パターンの一例を示す図である。
図6に示すように、車両前方に出射された光Lにより、車両前方の路面上に照射パターンPが形成される。
【0038】
本実施形態に係る車両用灯具100は、集光レンズ20が平板状であり、入射面20aにメタサーフェス部21を有する構成である。そのため、凸レンズを用いる場合に比べて薄型化が可能であり、出射面20bの位置を光源11側に近づけることができる。したがって、凸レンズを用いる場合に比べて、集光角度βを小さくすることができる。この場合、スリット33を通過した光Lは、投影レンズ40の入射面41aの外周側には到達しない。したがって、投影レンズ40のうち収差の影響が大きい部分を利用することなく照射パターンPを形成できる。このため、照射パターンPを明瞭に形成することができる。
【0039】
図7から
図10は、本実施形態に係る車両用灯具100における光源部10、集光レンズ20及びフレーム部材60の固定部分の構成を示す図である。
図7は分解斜視図、
図8は光軸AXの軸線方向から見た図、
図9は
図8におけるB-B断面図、
図10は
図9の一部(C部分)を拡大して示す図である。
図7から
図10に示すように、集光レンズ20は、フレーム部材60を介して基板12に固定される。
【0040】
フレーム部材60は、光源11の周囲を囲うように配置される。フレーム部材60は、例えば金属板等の材料にプレス加工等を施すことで製造される。フレーム部材60は、金属材料とは異なる材料を用いて形成されてもよい。
【0041】
フレーム部材60は、ベース部61と、壁部62と、支持部63とを有する。ベース部61は、板状であり、基板12に固定される。ベース部61は、光源11の周囲を囲うように矩形の環状に形成される。ベース部61は、接合層64を介して基板12の実装面12aに接合される。接合層64は、例えばはんだ等の金属材料を用いて形成される。このように、フレーム部材60は、金属接合により基板12に固定される。なお、フレーム部材60と基板12との接合には、接着剤等を用いた仮止めを併用してもよい。
【0042】
接合層64は、基板12において光源11の周囲の一部を空けた状態で設けられる。本実施形態において、接合層64は、光源11の左側及び右側に配置される。また、接合層64は、光源11の上側及び下側については配置されない。つまり、接合層64は、基板12のうち光源11の上側及び下側を空けた状態で設けられる。なお、基板12のうち接合層64が設けられない部分には、光源11に接続される配線13等(
図6、
図7等参照)が配置される。
【0043】
壁部62は、ベース部61から光軸AXの軸線方向に沿って光の進行方向の前方に突出する。壁部62は、光源11の周囲を囲うように矩形に形成される。
【0044】
支持部63は、壁部62の突出方向の先端に設けられる。支持部63は、板状であり、壁部62で囲まれた部分を覆うように配置される。支持部63は、基板12と平行又はほぼ平行に配置される。支持部63は、開口部63aを有する。開口部63aは、光源11から出射される光を通過させる。開口部63aは、例えば円形であるが、この構成に限定されず、他の形状であってもよい。
【0045】
集光レンズ20及びフレーム部材60には、位置決め部25、65が設けられる(
図7等参照)。位置決め部25は、集光レンズ20の4つの角部のうちの1つに設けられる。位置決め部25は、当該角部が切り欠かれた構成である。また、位置決め部65は、フレーム部材60のベース部61の4つの角部のうちの1つに設けられる。位置決め部65は、当該角部が切り欠かれた構成である。位置決め部25、65は、例えば互いに対応する角部に設けられる。本実施形態では、位置決め部25、65が光軸AXを基準として右下の角部に配置される。
【0046】
位置決め部25、65が設けられることにより、集光レンズ20をフレーム部材60に固定する際、位置決め部25と位置決め部65とが光軸AXに対して対応する位置に配置されているかどうかを確認しながら位置決めを行うことができる。このため、集光レンズ20をフレーム部材60に対して適切な位置に配置することができる。また、フレーム部材60を基板12に固定する際、位置決め部65が適切な位置に配置されているかどうかを確認しながら位置決めを行うことができる。このため、フレーム部材60を基板12に対して適切な位置に配置することができる。
【0047】
集光レンズ20は、例えば接合層23を介してフレーム部材60に接合される。接合層23は、光軸AXの軸線方向から見て、集光レンズ20の入射面20aのうち、メタサーフェス部21の周囲に配置される。接合層23は、例えば低融点ガラスを用いて形成される。なお、接合層23は、低融点ガラスに限定されず、金属材料、接着剤の他の材料で形成されてもよい。
【0048】
図11から
図14は、集光レンズ20の一例を示す斜視図である。
図11から
図14では、集光レンズ20を入射面20a側から斜めに見た状態を示している。
図11に示す集光レンズ20(以下、集光レンズ20Aと表記する)は、例えば矩形状である。集光レンズ20Aは、入射面20aの円形状の範囲にメタサーフェス部21が形成される。集光レンズ20Aには、1つの角部に上記した位置決め部25が形成される。
【0049】
図12に示す集光レンズ20(以下、集光レンズ20Bと表記する)は、集光レンズ20Aと同様に、例えば矩形状であり、入射面20aの円形状の範囲にメタサーフェス部21が形成され、1つの角部に上記した位置決め部25が形成される。集光レンズ20Bには、入射面20aに接合層23Bが設けられる。接合層23Bは、入射面20aのうちメタサーフェス部21の周囲を囲うように設けられる。接合層23Bは、メタサーフェス部21の外周部分との間に距離を空けるように設けられる。集光レンズ20Bでは、接合層23Bがメタサーフェス部21の周囲のほぼ全面に設けられる。接合層23Bは、例えば金属蒸着等の金属材料を用いて薄膜状に形成される。なお、接合層23Bを下地層としてはんだ接合を行ってもよい。接合層23Bは、集光レンズ20Bのうちメタサーフェス部21とは異なる部分に入射する光を遮光する迷光抑制部24Bとして用いられる。
【0050】
図13に示す集光レンズ20(以下、集光レンズ20Cと表記する)は、集光レンズ20A、20Bと同様に、例えば矩形状であり、入射面20aの円形状の範囲にメタサーフェス部21が形成され、1つの角部に上記した位置決め部25が形成される。集光レンズ20Cには、入射面20aに接合層23Cが設けられる。接合層23Cは、入射面20aのうちメタサーフェス部21の左右方向の両側の辺に沿って帯状に設けられる。接合層23Cは、例えばはんだ等の金属材料を用いて薄膜状に形成される。接合層23Cは、集光レンズ20Cのうちメタサーフェス部21とは異なる部分に入射する光を遮光する迷光抑制部24Cとして用いられる。
【0051】
図14に示す集光レンズ20(以下、集光レンズ20Dと表記する)は、集光レンズ20A、20B、20Cと同様に、例えば矩形状であり、入射面20aの円形状の範囲にメタサーフェス部21が形成され、1つの角部に上記した位置決め部25が形成される。集光レンズ20Dには、入射面20aに接合層23Dと、塗装層26Dとが設けられる。接合層23Dは、入射面20aのうちメタサーフェス部21の左右方向の両側の辺に沿って帯状に設けられる。接合層23Dは、例えばはんだ等の金属材料を用いて薄膜状に形成される。塗装層26Dは、例えば入射面20aのうちメタサーフェス部21の周囲の全面又はほぼ全面を覆うように設けられる。塗装層26Dは、例えば塗装材料を用いて薄膜状に形成される。なお、塗装層26Dは、入射面20aでメタサーフェス部21の周囲のうち接合層23Dが設けられる部分以外の部分に形成されてもよい。接合層23D及び塗装層26Dは、集光レンズ20Dのうちメタサーフェス部21とは異なる部分に入射する光を遮光する迷光抑制部24Dとして用いられる。
【0052】
図15から
図18は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を示す図である。具体的には、
図15から
図18は、他の例に係る車両用灯具200における光源部10、集光レンズ20及びフレーム部材60の固定部分の構成を示す図である。
図15は分解斜視図、
図16は光軸AXの軸線方向から見た図、
図17は
図16におけるD-D断面図、
図18は
図17の一部(E部分)を拡大して示す図である。
図15から
図18に示すように、車両用灯具200において、集光レンズ20は、カバー部材70を介してフレーム部材60に接合される。なお、車両用灯具200の他の構成については、上記した車両用灯具100と同様であり、説明を省略又は簡略化する。
【0053】
カバー部材70は、集光レンズ20に対して入射面20a側に設けられ、メタサーフェス部21を覆うように配置される。カバー部材70は、例えば矩形の板状である。カバー部材70は、光軸AXの軸線方向から見て、例えば集光レンズ20と同一又はほぼ同一の寸法に形成される。
【0054】
カバー部材70は、光源11からの光をメタサーフェス部21側に通過させる。カバー部材70は、集光レンズ20のうちメタサーフェス部21と同一の材料を用いて形成されてもよいし、集光レンズ20のうちメタサーフェス部21以外の部分と同一の材料を用いて形成されてもよい。カバー部材70は、光軸AXの軸線方向から見て、フレーム部材60に重なる寸法に形成される。カバー部材70には、集光レンズ20の位置決め部25に対応する部分、すなわち光軸AXの右下の角部に位置決め部76が設けられる。
【0055】
本実施形態において、カバー部材70は、接合層73を介してフレーム部材60に接合される。接合層73は、光軸AXの軸線方向から見て、集光レンズ20の入射面20aのうち、メタサーフェス部21の周囲に対応する領域に配置される。本実施形態において、接合層73は、カバー部材70の外周に沿って環状に形成される。接合層73は、例えば低融点ガラスを用いて形成される。なお、接合層73は、低融点ガラスに限定されず、金属材料、接着剤等の他の材料で形成されてもよい。
【0056】
カバー部材70は、メタサーフェス部21との間に光軸AXの軸線方向に間隔を空けて配置される。メタサーフェス部21とカバー部材70との間には、スペーサ71が配置される。スペーサ71は、例えば矩形の板状である。スペーサ71は、光軸AXの軸線方向から見てメタサーフェス部21を空ける範囲に開口部71aを有する。スペーサ71は、光軸AXの軸線方向から見て、外郭の寸法が集光レンズ20及びカバー部材70と同一又はほぼ同一となるように形成される。なお、スペーサ71の寸法については、集光レンズ20及びカバー部材70と同一又はほぼ同一でなくてもよい。スペーサ71は、例えば集光レンズ20又はカバー部材70と同一の材料を用いて形成することができる。スペーサ71には、集光レンズ20の位置決め部25及びカバー部材70の位置決め部76に対応する部分、すなわち光軸AXの右下の角部に位置決め部77が設けられる。
【0057】
なお、スペーサ71は、金属材料等、光源11からの光を遮光する材料を用いて形成されてもよい。この場合、スペーサ71は、メタサーフェス部21とは異なる部分に入射する光を遮光する迷光抑制部24として機能する。なお、スペーサ71の表面に金属膜、塗装膜等の薄膜を形成することで迷光抑制部24を構成してもよい。
【0058】
スペーサ71は、接合層74を介してカバー部材70に接合される。また、スペーサ71は、接合層75を介して集光レンズ20に接合される。接合層74、75は、光軸AXの軸線方向から見て、接合層73に重なる領域、すなわち集光レンズ20の入射面20aのうち、メタサーフェス部21の周囲に対応する領域に配置される。本実施形態において、接合層74、75は、カバー部材70、スペーサ71及び集光レンズ20の外周に沿って環状に形成される。接合層74、75は、例えば低融点ガラスを用いて形成される。なお、接合層74、75は、低融点ガラスに限定されず、金属材料、接着剤等の他の材料で形成されてもよい。
【0059】
本実施形態において、集光レンズ20、カバー部材70及びスペーサ71は、光軸AXの軸線方向に重なるように積層された状態で配置される。この構成において、カバー部材70は、スペーサ71を介して集光レンズ20の入射面20aを支持する。
【0060】
車両用灯具200において、フレーム部材60は、車両用灯具100と同様に、光源11の周囲を囲うように配置される。また、フレーム部材60を基板12に接合する接合層64は、基板12において光源11の周囲の一部を空けた状態で設けられる。基板12のうち接合層64が設けられない部分には、光源11に接続される配線13等(
図16等参照)が配置される。
【0061】
なお、本実施形態において、スペーサ71は、設けられなくてもよい。この場合、カバー部材70の一部が集光レンズ20の入射面20a側に突出し、当該突出する部分が入射面20aに接した状態で集光レンズ20を支持する構成としてもよい。
【0062】
図19及び
図20は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を示す図である。具体的には、
図19及び
図20は、他の例に係る車両用灯具300における光源部10、集光レンズ20及びフレーム部材160の固定部分の構成を示す図である。
図19は斜視図、
図20は分解斜視図である。
【0063】
図19及び
図20に示す車両用灯具300において、フレーム部材160は、セラミックを用いて形成される。フレーム部材160は、ベース部161と、壁部162とを有する。ベース部161は、板状であり、基板12に固定される。ベース部161は、光源11の周囲を囲うように矩形の環状に形成される。ベース部161は、開口部161aを有する。開口部161aは、光源11から出射される光を通過させる。開口部161aは、例えば矩形であるが、この構成に限定されず、円形等の他の形状であってもよい。ベース部161は、接合層164を介して基板12に接合される。接合層164は、例えばはんだ等の金属材料を用いて形成される。なお、フレーム部材160と基板12との接合には、接着剤等を用いた仮止めを併用してもよい。
【0064】
接合層164は、基板12において光源11の周囲の一部を空けた状態で設けられる。本実施形態において、接合層164は、光源11の左側及び右側に配置される。また、接合層164は、光源11の上側及び下側については配置されない。つまり、接合層164は、基板12のうち光源11の上側及び下側を空けた状態で設けられる。なお、基板12のうち接合層164が設けられない部分には、光源11に接続される配線13等(
図20等参照)が配置される。
【0065】
壁部162は、ベース部161から光軸AXの軸線方向に沿って光の進行方向の前方に突出する。壁部162は、光源11の周囲を囲うように矩形に形成される。壁部162の突出方向の端部は、平面状の支持部163が形成される。支持部163は、基板12と平行又はほぼ平行に形成される。支持部163は、集光レンズ20を支持する。壁部162には、集光レンズ20の位置決め部25に対応する部分、すなわち光軸AXの右下の角部に位置決め部165が設けられる。
【0066】
セラミックを用いたフレーム部材160が設けられることにより、基板12におけるフレーム部材160の設置面積を抑制することができる。また、フレーム部材160は、金属を用いたフレーム部材に比べて線膨張係数が小さく、集光レンズ20との線膨張係数の差が小さくなる。このため、フレーム部材160と集光レンズ20との間の接合の信頼性が高まる。また、フレーム部材160は、金属を用いたフレーム部材に比べて電気絶縁性が高いため、基板12に形成される配線等の導体パターンと電気的に干渉することがない。このため、基板12上の導体パターンの設計自由度が高まる。更に、フレーム部材160は、金属を用いたフレーム部材に比べて放熱効率が高いため、基板12の放熱性を向上することができる。
【0067】
図21及び
図22は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を示す図である。具体的には、
図21及び
図22は、他の例に係る車両用灯具400における光源部10、集光レンズ20及びフレーム部材260の固定部分の構成を示す図である。
図21は斜視図、
図22は分解斜視図である。
【0068】
図21及び
図22に示すように、フレーム部材260は、ベース部261と、壁部262と、支持部263とを有する。ベース部261及び支持部263については、上記したフレーム部材60のベース部61及び支持部63と同様の構成である。また、本実施形態において、壁部262は、上記した壁部62の構成に加えて、通気部262aを有する構成である。通気部262aは、フレーム部材260の内周側と外周側とを連通する。通気部262aを設けることにより、光源11で発生した熱を対流によりフレーム部材260の外部に効率よく放熱することができる。
【0069】
図23は、変形例に係る集光レンズ20Eの構成を示す斜視図である。
図23に示すように、集光レンズ20Eは、上記した集光レンズ20B(
図12参照)と同様に、例えば矩形状であり、入射面20aの円形状の範囲にメタサーフェス部21が形成され、入射面20aに接合層23Eが設けられる。接合層23Eは、集光レンズ20Bの接合層23Bと同様に、入射面20aのうちメタサーフェス部21の周囲のほぼ全面に、例えば金属蒸着等の金属材料を用いて薄膜状に形成される。接合層23Eは、集光レンズ20Bのうちメタサーフェス部21とは異なる部分に入射する光を遮光する迷光抑制部24Eとして用いられる。なお、接合層23Eは、集光レンズ20Bの接合層23Bとは異なり、1つの角部に対応する位置に開口部25Eが設けられる。当該開口部25Eは、集光レンズ20Eの位置決めを行う位置決め部として用いることができる。
【0070】
図24は、変形例に係るフレーム部材60Fの構成を示す斜視図である。
図24に示すように、フレーム部材60Fは、上記したフレーム部材60と同様に、ベース部61Fと、壁部62Fと、支持部63Fとを有する。壁部62F及び支持部63Fについては、フレーム部材60の壁部62及び支持部63と同様である。ベース部61Fは、フレーム部材60のベース部61の構成に加えて、開口部65Fが設けられた構成である。開口部65Fは、ベース部61Fの1つの角部に対応する位置に設けられる。開口部65Fは、フレーム部材60Fの位置決めを行う位置決め部として用いることができる。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、光を出射する光源11が搭載される基板12と、光源11から出射された光を集光する集光レンズ20と、基板12に固定され、集光レンズ20を支持するフレーム部材60と、集光レンズ20で集光された光を照射して照射パターンPを形成する投影レンズ40とを備え、集光レンズ20は、光源11からの光が入射する入射面20aと、入射面20aから入射した光を出射する出射面20bとを有する平板状であり、光源11からの光の波面を収束方向の湾曲波面に変換するメタサーフェス部21を入射面20aに有し、フレーム部材60は、入射面20aのうちメタサーフェス部21とは異なる部分を支持する。
【0072】
この構成によれば、集光レンズ20が入射面20a及び出射面20bを有する平板状であり、光源11からの光の波面を収束方向の湾曲波面に変換するメタサーフェス部21を入射面20aに有するため、凸レンズを用いる場合に比べて、厚さを薄くすることができる。このため、出射面20bの位置を光源11側に配置させる構成とすることができ、遮光部材30への集光角度を小さくすることができる。したがって、投影レンズ40のうち収差の影響が大きい部分を利用することなく照射パターンPを形成できるため、照射パターンPの外観の低下を抑制することができる。また、集光レンズ20がフレーム部材60を介して基板12に支持されるため、集光レンズ20を安定して支持することができる。更に、集光レンズ20のサイズ、集光レンズ20と光源11との相対位置が変更される場合にフレーム部材60を変更すればよいため、多品種への対応が容易となる。
【0073】
本実施形態に係る車両用灯具100において、フレーム部材60は、光源11の周囲を囲うように配置される。この構成によれば、フレーム部材60の剛性を確保することができ、集光レンズ20を安定して支持することができる。
【0074】
本実施形態に係る車両用灯具100において、フレーム部材60は、金属接合により基板12に固定される。この構成によれば、フレーム部材60を基板12に確実に接合することができる。
【0075】
本実施形態に係る車両用灯具100において、フレーム部材60は、光源11の周囲の一部を空けた状態で基板12に固定される。この構成によれば、金属接合を構成する接合部分と基板12の導体パターンとの干渉を回避しつつ、フレーム部材60を基板12に確実に接合することができる。
【0076】
本実施形態に係る車両用灯具100において、集光レンズ20は、メタサーフェス部21の周囲の部分が低融点ガラスによりフレーム部材60に接合される。この構成によれば、集光レンズ20を安定して保持することができる。
【0077】
本実施形態に係る車両用灯具100において、集光レンズ20及びフレーム部材60の少なくとも一方に位置決め部(25、開口部25E、65、65F)が設けられる。この構成によれば、組み立て時において集光レンズ20及びフレーム部材60の少なくとも一方の位置精度を高めることができる。
【0078】
本実施形態に係る車両用灯具300において、フレーム部材160は、セラミックを用いて形成される。この構成によれば、基板12におけるフレーム部材160の設置面積を抑制することができる。また、フレーム部材160は、金属を用いたフレーム部材に比べて線膨張係数が小さく、集光レンズ20との線膨張係数の差が小さくなる。このため、フレーム部材160と集光レンズ20との間の接合の信頼性が高まる。また、フレーム部材160は、金属を用いたフレーム部材に比べて電気絶縁性が高いため、基板12に形成される配線等の導体パターンと電気的に干渉することがない。このため、基板12上の導体パターンの設計自由度が高まる。更に、フレーム部材160は、金属を用いたフレーム部材に比べて放熱効率が高いため、基板12の放熱性を向上することができる。
【0079】
本実施形態に係る車両用灯具400において、フレーム部材260は、光源11の周囲を囲う壁部262を有し、壁部262は、フレーム部材260の内周側と外周側とを連通する通気部262aを有する。この構成によれば、光源11で発生した熱を対流により通気部262aを介してフレーム部材260の外部に効率よく放熱することができる。
【0080】
本実施形態に係る車両用灯具100、200、300、400において、集光レンズ20~20Eで集光された光の一部を通過させるスリット33を有する遮光部材30を更に備え、投影レンズ40は、スリット33を通過した光を路面に照射して照射パターンPを形成する。この構成によれば、路面に形成される照射パターンPの外観の低下を抑制することができる。
【0081】
本開示の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、車両用灯具100が車両Mの前部に配置される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。車両用灯具100は、車両Mの後部又は側部に配置される構成であり、車両Mの後方又は側方の路面に照射パターンを形成する構成であってもよい。また、本実施形態に係る車両用灯具100、200、300、400においては、路面に照射パターンPを形成する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、車両Mの前方又は後方において、路面以外の場所に照射パターンを形成する構成であっても本開示の技術を適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
AX…光軸、L…光、M…車両、P…照射パターン、10…光源部、11…光源、11a…発光面、12…基板、13…配線、20,20A,20B,20C,20D,20E…集光レンズ、20a,41a…入射面、20b,41b…出射面、21…メタサーフェス部、22…ピラー部、23,23B,23C,23D,23E,64,73,74,75,164…接合層、24,24B,24C,24D,24E…迷光抑制部、25,65…位置決め部、25E,32a,32b,46b,53b,63a,65F,71a,161a…開口部、26D…塗装層、30…遮光部材、31…スリット形成部、32,43…張り出し部、33…スリット、40…投影レンズ、41…レンズ部、42…筒状部、45…環状部、46…帯状部、46c,46d…接触部、50…支持部材、51,61,61F,161,261…ベース部、51a…支持面、52…フィン、53…固定部、53a…突出部、53c…端面、54…ネジ部材、60,60F,160,260…フレーム部材、62,62F,162,262…壁部、63,63F,163,263…支持部、70…カバー部材、71…スペーサ、100,200,300,400…車両用灯具、262a…通気部