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特開2024-85099データ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085099
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】データ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240619BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240619BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199445
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池辺 知宙
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】売上に用いる消費税率が複数になった場合に、消費税率別に売上データを作成することができ、延いては、インボイス制度に対応した請求書を正確かつ効率的に作成することに貢献することができるデータ作成装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態では、1)複数月に亘って進められる建設工事プロジェクトに関する進行基準売上データを参照して、所定のプロジェクトと所定の受注に紐づく売上金額と消費税率を抽出し、2)売上時に適用される消費税率とは値が異なる消費税率が抽出された場合は、抽出した情報および当該所定のプロジェクトと当該所定の受注に紐づく受注金額を基に、完成月に計上される売上金額と消費税額を消費税率別に計算して売上消費税内訳データを作成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数月に亘って進められるプロジェクトに関するプロジェクト別月別売上データであって、完成月の前月までの各月の、進捗率に応じた売上を管理し、且つ、消費税率を含むものを参照して、所定のプロジェクト識別情報に紐づく、進捗率に応じた売上金額および前記消費税率を抽出するデータ抽出部と、
前記データ抽出部で、前記完成月に適用される前記消費税率とは値が異なる前記消費税率が抽出された場合は、前記所定の前記プロジェクト識別情報の受注金額から前記データ抽出部で抽出した前記売上金額の合計が減算された金額、前記完成月に適用される前記消費税率ならびに前記データ抽出部で抽出した前記売上金額および前記消費税率を基に、消費税率別に、前記完成月に計上される売上金額および消費税額を算出して消費税率別売上データを作成する消費税率別売上データ作成部と、
を備えること、
を特徴とするデータ作成装置。
【請求項2】
前記消費税率別売上データがある場合は、前記消費税率別売上データを基に消費税率別請求データを作成し、前記消費税率別売上データがない場合は、前記データ抽出部で抽出された情報、前記受注金額および前記完成月に適用される前記消費税率を基に作成されたプロジェクト別売上データを基に請求データを作成する請求データ作成部
をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載のデータ作成装置。
【請求項3】
前記データ抽出部で抽出された前記情報、前記受注金額および前記完成月に適用される前記消費税率を基に、前記プロジェクト別売上データを作成するプロジェクト別売上データ作成部
をさらに備えること、
を特徴とする請求項2に記載のデータ作成装置。
【請求項4】
前記プロジェクトは、建設工事に関するものであること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のデータ作成装置。
【請求項5】
データ抽出部が、複数月に亘って進められるプロジェクトに関するプロジェクト別月別売上データであって、完成月の前月までの各月の、進捗率に応じた売上を管理し、且つ、消費税率を含むものを参照して、所定のプロジェクト識別情報に紐づく、進捗率に応じた売上金額および前記消費税率を抽出するステップ、
消費税率別売上データ作成部が、前記データ抽出部で、前記完成月に適用される前記消費税率とは値が異なる前記消費税率が抽出された場合は、前記所定の前記プロジェクト識別情報の受注金額から前記データ抽出部で抽出した前記売上金額の合計が減算された金額、前記完成月に適用される前記消費税率ならびに前記データ抽出部で抽出した前記売上金額および前記消費税率を基に、消費税率別に、前記完成月に計上される売上金額および消費税額を算出して消費税率別売上データを作成するステップ、
を含むこと、
を特徴とするデータ作成方法。
【請求項6】
情報処理装置を、
複数月に亘って進められるプロジェクトに関するプロジェクト別月別売上データであって、完成月の前月までの各月の、進捗率に応じた売上を管理し、且つ、消費税率を含むものを参照して、所定のプロジェクト識別情報に紐づく、進捗率に応じた売上金額および前記消費税率を抽出するデータ抽出手段、
前記データ抽出手段で、前記完成月に適用される前記消費税率とは値が異なる前記消費税率が抽出された場合は、前記所定の前記プロジェクト識別情報の受注金額から前記データ抽出手段で抽出した前記売上金額の合計が減算された金額、前記完成月に適用される前記消費税率ならびに前記データ抽出手段で抽出した前記売上金額および前記消費税率を基に、消費税率別に、前記完成月に計上される売上金額および消費税額を算出して消費税率別売上データを作成する消費税率別売上データ作成手段、
として機能させるためのデータ作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数年にわたる工事の途中に消費税改変が発生する場合、当該消費税差額の割り当てを適切に設定する工事費管理システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-194894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、工事業界では、消費税の改定があった場合において、経過措置期間内に工事進行基準適用工事が契約され、完成が消費税の改定日以降になるとき、売上に用いる消費税率が複数になることがある。また、インボイス制度によって課税事業者は請求書に消費税率毎の消費税額を表示することが必要となったが、これまでは、通常作成される1つの消費税率に対応した請求書を人が手動で修正して、インボイス制度に対応した請求書を作成する必要があり、人為的なミスが発生する虞があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、売上に用いる消費税率が複数になった場合に、消費税率別に売上データを作成することができ、延いては、インボイス制度に対応した請求書を正確かつ効率的に作成することに貢献することができる、データ作成装置、データ作成方法、およびデータ作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるデータ作成装置は、複数月に亘って進められるプロジェクトに関するプロジェクト別月別売上データであって、完成月の前月までの各月の、進捗率に応じた売上を管理し、且つ、消費税率を含むものを参照して、所定のプロジェクト識別情報に紐づく、進捗率に応じた売上金額および前記消費税率を抽出するデータ抽出部と、前記データ抽出部で、前記完成月に適用される前記消費税率とは値が異なる前記消費税率が抽出された場合は、前記所定の前記プロジェクト識別情報の受注金額から前記データ抽出部で抽出した前記売上金額の合計が減算された金額、前記完成月に適用される前記消費税率ならびに前記データ抽出部で抽出した前記売上金額および前記消費税率を基に、消費税率別に、前記完成月に計上される売上金額および消費税額を算出して消費税率別売上データを作成する消費税率別売上データ作成部と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
なお、本発明にかかるデータ作成装置は、前記消費税率別売上データがある場合は、前記消費税率別売上データを基に消費税率別請求データを作成し、前記消費税率別売上データがない場合は、前記データ抽出部で抽出された情報、前記受注金額および前記完成月に適用される前記消費税率を基に作成されたプロジェクト別売上データを基に請求データを作成する請求データ作成部をさらに備えてもよい。
【0008】
また、本発明にかかるデータ作成装置は、前記データ抽出部で抽出された前記情報、前記受注金額および前記完成月に適用される前記消費税率を基に、前記プロジェクト別売上データを作成するプロジェクト別売上データ作成部をさらに備えてもよい。
【0009】
また、本発明にかかるデータ作成装置において、前記プロジェクトは、建設工事に関するものであってもよい。
【0010】
また、本発明にかかるデータ作成方法は、データ抽出部が、複数月に亘って進められるプロジェクトに関するプロジェクト別月別売上データであって、完成月の前月までの各月の、進捗率に応じた売上を管理し、且つ、消費税率を含むものを参照して、所定のプロジェクト識別情報に紐づく、進捗率に応じた売上金額および前記消費税率を抽出するステップ、消費税率別売上データ作成部が、前記データ抽出部で、前記完成月に適用される前記消費税率とは値が異なる前記消費税率が抽出された場合は、前記所定の前記プロジェクト識別情報の受注金額から前記データ抽出部で抽出した前記売上金額の合計が減算された金額、前記完成月に適用される前記消費税率ならびに前記データ抽出部で抽出した前記売上金額および前記消費税率を基に、消費税率別に、前記完成月に計上される売上金額および消費税額を算出して消費税率別売上データを作成するステップ、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるデータ作成プログラムは、情報処理装置を、複数月に亘って進められるプロジェクトに関するプロジェクト別月別売上データであって、完成月の前月までの各月の、進捗率に応じた売上を管理し、且つ、消費税率を含むものを参照して、所定のプロジェクト識別情報に紐づく、進捗率に応じた売上金額および前記消費税率を抽出するデータ抽出手段、前記データ抽出手段で、前記完成月に適用される前記消費税率とは値が異なる前記消費税率が抽出された場合は、前記所定の前記プロジェクト識別情報の受注金額から前記データ抽出手段で抽出した前記売上金額の合計が減算された金額、前記完成月に適用される前記消費税率ならびに前記データ抽出手段で抽出した前記売上金額および前記消費税率を基に、消費税率別に、前記完成月に計上される売上金額および消費税額を算出して消費税率別売上データを作成する消費税率別売上データ作成手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、売上に用いる消費税率が複数になった場合に、消費税率別に売上データを作成することができ、延いては、インボイス制度に対応した請求書を正確かつ効率的に作成することに貢献することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態の効果の概要を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、契約月の業務の流れと本実施形態に係る業務支援装置で作成される各種データの一例を示す図である。
図4図4は、契約の次月の業務の流れと本実施形態に係る業務支援装置で作成される各種データの一例を示す図である。
図5図5は、契約の次月から完成月の前月までの業務の流れと本実施形態に係る業務支援装置で作成される各種データの一例を示す図である。
図6図6は、完成月の業務の流れと本実施形態に係る業務支援装置で作成される各種データの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る業務支援装置で出力される請求書の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係るデータ作成装置、データ作成方法およびデータ作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
図1は、本実施形態の効果の概要を示す図である。図1のAにも一例として示した以下の条件を前提とした場合、本実施形態では、消費税率毎に売上金額を算出することにより、消費税率毎に請求金額と消費税額が表示された図1のBに示したインボイス制度に対応した請求書を作成することができるので、担当者による修正が不要となる。
・消費税改正内容:2019/10/01に8パーセントから10パーセントに変更
・経過措置適用期間:2019/04/01から2019/09/30
・工事情報:工事進行基準適用工事
・受注金額:¥10,000
・契約期間:2019/08/01から2019/12/31までの5か月間
【0016】
[2.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100(本発明のデータ作成装置を含む。)の構成の一例について、図2等を参照して説明する。図2は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型業務支援装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型業務支援装置を基に構築したものであってもよい。
【0018】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、工事基本情報データ106a、受注ヘッダデータ106b、受注明細データ106c、予算明細データ106d、原価明細データ106e、進捗データ106f、進行基準売上データ106g(本発明のプロジェクト別月別売上データに相当)、売上明細データ106h(本発明のプロジェクト別売上データに相当)、売上消費税内訳データ106i(本発明の消費税率別売上データに相当)および請求明細データ106j(本発明の消費税率別請求データおよび請求データに相当)等を格納する。
【0023】
工事基本情報データ106aは、複数月に亘って進められるプロジェクト(例:建設工事に関するもの等)の基本情報を管理するためのものであり、図3に示すように、プロジェクトに割当てられたプロジェクト識別情報(例えばPJ番号等)および売上基準の区分(例えば進行基準など)等を格納する。
【0024】
受注ヘッダデータ106bは、図3に示すように、プロジェクト識別情報、受注に割当てられた受注識別情報(例えば、受注番号等)および契約日等を格納する。
【0025】
受注明細データ106cは、図3に示すように、プロジェクト識別情報、受注識別情報、受注行番号、売上予定日および受注金額等を格納する。
【0026】
予算明細データ106dは、図3に示すように、プロジェクト識別情報、受注識別情報、受注行番号および予算金額等を格納する。
【0027】
原価明細データ106eは、図3図4および図5に示すように、プロジェクト識別情報、受注識別情報、受注行番号、会計年月および原価金額等を格納する。
【0028】
進捗データ106fは、図3図4および図5に示すように、プロジェクト識別情報、受注識別情報、受注行番号、会計年月およびプロジェクトの進捗率等を格納する。
【0029】
進行基準売上データ106gは、図3図4図5および図6に示すように、プロジェクト識別情報、受注識別情報、受注行番号、会計年月、進行基準売上金額、消費税率および進行基準売上消費税額等を格納する。
【0030】
売上明細データ106hは、図6に示すように、売上に割当てられる売上識別情報(例えば売上番号等)、売上行番号、プロジェクト識別情報、受注識別情報、受注行番号、売上時の消費税率、売上金額および売上消費税額等を格納する。
【0031】
売上消費税内訳データ106iは、売上にかかる消費税率の値が複数の場合に消費税率毎に売上金額等を管理するためものであり、図6に示すように、売上識別情報、売上行番号、消費税率、消費税率に応じた売上金額および消費税率に応じた売上消費税額等を格納する。
【0032】
請求明細データ106jは、図6に示すように、請求に割当てられる請求識別情報、請求行番号、売上識別情報、消費税率、消費税率に応じた請求金額および消費税率に応じた請求消費税額等を格納する。
【0033】
図2に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、機能概念的に、工事情報入力部102a、契約情報入力部102b、予算入力部102c、原価入力部102d、進捗率計算処理部102e、進行基準売上計算処理部102f、売上入力部102gおよび請求入力部102hなどを備える。なお、売上入力部102gは、本発明のデータ抽出部、本発明の消費税率別売上データ作成部および本発明のプロジェクト別売上データを含み、請求入力部102hは、本発明の請求データ作成部を含む。
【0035】
工事情報入力部102aは、建設工事に関するプロジェクトの契約月にオペレータにより入力された売上基準の情報を工事基本情報データ106aに登録する。
【0036】
契約情報入力部102bは、建設工事に関するプロジェクトの契約月にオペレータにより入力された契約情報をプロジェクトと紐づけて受注ヘッダデータ106bと受注明細データ106cに登録する。
【0037】
予算入力部102cは、建設工事に関するプロジェクトの契約月にオペレータにより入力された予算情報をプロジェクトおよび受注と紐づけて予算明細データ106dに登録する。
【0038】
原価入力部102dは、建設工事に関するプロジェクトの契約月から完成月の前月までの各月にオペレータにより入力された原価情報をプロジェクトおよび受注と紐づけて原価明細データ106eに登録する。
【0039】
進捗率計算処理部102eは、建設工事に関するプロジェクトの契約月から完成月の前月までの各月に、当月までの原価金額の総額を予算金額で割ることでプロジェクトの進捗率を算出し、算出した進捗率と会計年度を、プロジェクトおよび受注と紐づけて進捗データ106fに登録する。
【0040】
進行基準売上計算処理部102fは、建設工事に関するプロジェクトの契約月から完成月の前月までの各月に、受注金額に進捗率を掛けた額から前月以前の進行基準売上累計金額を減算することで進行基準売上金額を算出、算出した進行基準売上金額とその時点での消費税率を基に進行基準売上消費税額を算出し、算出した進行基準売上金額と進行基準売上消費税額と消費税率と会計年度を、プロジェクトおよび受注と紐づけて進行基準売上データ106gに登録する。
【0041】
売上入力部102gは、進行基準売上データ106gを参照して、売上の対象とするプロジェクトと受注に紐づくレコード(契約月から完成月の前月までの各月のレコード)を抽出する。
【0042】
売上入力部102gは、1)受注明細データ106cに格納されている、売上の対象とするプロジェクトと受注に紐づく受注金額から、抽出したレコードに含まれる進行基準売上金額の合計を減算して、完成月の進行基準売上金額を算出し、2)算出した進行基準売上金額に完成月に適用される消費税率を掛けて完成月の進行基準売上消費税額を算出し、3)算出した進行基準売上金額と当該合計を加算して完成月の売上金額を算出し、4)算出した進行基準売上消費税額と、抽出したレコードに含まれる進行基準売上消費税額の合計を加算して、完成月の売上消費税額を算出し、5)算出した完成月の売上金額および売上消費税額ならびに完成月に適用される消費税率を、プロジェクトおよび受注と紐づけて売上明細データ106hに登録する。
【0043】
売上入力部102gは、抽出したレコードに、完成月に適用される消費税率とは値が異なる消費税率が含まれる場合は、1)抽出したレコード、算出した完成月の進行基準売上金額および進行基準売上消費税額ならびに完成月に適用される消費税率を基に、消費税率別に進行基準売上金額および進行基準売上消費税額を合算して消費税率別に完成月の売上金額および売上消費税額を算出し、2)算出した売上金額および売上消費税額ならびに対応する消費税率を、売上と紐づけて売上消費税内訳データ106iに登録する。
【0044】
請求入力部102hは、請求対象の売上識別情報と売上行番号に紐づく売上消費税内訳データ106iがある場合は、売上消費税内訳データ106iを基に、消費税率別の請求金額および請求消費税額ならびに対応する消費税率を、売上と紐づけて請求明細データ106jに登録し、請求対象の売上識別情報と売上行番号に紐づく売上消費税内訳データ106iがない場合は、売上明細データ106hを基に、請求金額および請求消費税額ならびに対応する消費税率を、売上と紐づけて請求明細データ106jに登録する。
【0045】
制御部102(例えば請求書出力部(図示せず))は、請求明細データ106jに格納されている情報を基に、請求書データ(特に、消費税率別に請求金額と請求消費税額が示されているインボイス制度に対応した請求書に関するもの)を作成・出力してもよい。
【0046】
[3.処理]
上述のように構成された業務支援装置100が行う処理の一例について、図3等を参照し説明する。図3等は、業務支援装置100の処理の一例を示す図である。
【0047】
[ステップ1:契約月(2019/08)の登録(図3)]
まず、オペレータが売上基準の情報として「進行基準」を入力すると、工事情報入力部102aは、PJ番号を採番し(ここでは「PJ001」が採番されたものとする)、採番されたPJ番号「PJ001」および入力された売上基準「進行基準」を工事基本情報データ106aに格納する。
【0048】
次に、オペレータが工事の契約情報を入力すると、契約情報入力部102bは、受注番号を採番し(ここでは「JU001」が採番されたものとする)、PJ番号「PJ001」、採番された受注番号「JU001」および入力された契約日「2019/08/01」等を受注ヘッダデータ106bに格納するとともに、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」、入力された売上予定日「2019/12/31」および入力された受注金額「10,000円」等を受注明細データ106cに格納する。
【0049】
次に、オペレータが工事の予算情報を入力すると、予算入力部102cは、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」および入力された予算金額「7,500円」等を予算明細データ106dに格納する。
【0050】
次に、オペレータが工事の原価情報を入力すると、原価入力部102dは、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」、入力された会計年月「2019/08」および入力された原価金額「2,250円」等を原価明細データ106eに格納する。
【0051】
次に、進捗率計算処理部102eは、原価明細データ106eに格納されている原価金額の総額である「2,250円」を、予算明細データ106dに格納されている予算金額「7,500円」で割り、それに100を掛けることで、進捗率「30パーセント」を算出し、算出した進捗率「30パーセント」、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」および会計年月「2019/08」等を進捗データ106fに格納する。
【0052】
次に、進行基準売上計算処理部102fは、受注明細データ106cに格納されている受注金額「10,000円」に進捗データ106fに格納されている進捗率「30パーセント」を掛け、その額から前月以前の進行基準売上金額の累計(契約月のため「0円」)を減算することで、契約月の進行基準売上金額「3,000円」を算出し、算出した進行基準売上金額「3,000円」および会計年月「2019/08」時点の消費税率「8パーセント」を基に契約月の進行基準売上消費税額「240円」を算出し、算出した進行基準売上金額「3,000円」、算出した進行基準売上消費税額「240円」、消費税率「8パーセント」、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」および会計年月「2019/08」等を進行基準売上データ106gに格納する。
【0053】
[ステップ2:契約月の次月(2019/09)の登録(図4)]
まず、オペレータが工事の原価情報を入力すると、原価入力部102dは、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」、入力された会計年月「2019/09」および原価金額「2,250円」等を原価明細データ106eに格納する。
【0054】
次に、進捗率計算処理部102eは、原価明細データ106eの原価金額の総額である「4,500円」を、予算明細データ106dに格納されている予算金額「7,500円」で割り、それに100を掛けることで、進捗率「60パーセント」を算出し、算出した進捗率「60パーセント」、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」および会計年月「2019/09」等を進捗データ106fに格納する。
【0055】
次に、進行基準売上計算処理部102fは、受注明細データ106cに格納されている受注金額「10,000円」に進捗データ106fに格納されている進捗率「60パーセント」)を掛け、その額から前月以前の進行基準売上金額の累計である契約月の金額「3,000円」を減算することで、次月の進行基準売上金額「3,000円」を算出し、算出した進行基準売上金額「3,000円」および会計年月「2019/09」時点の消費税率「8パーセント」を基に次月の進行基準売上消費税額「240円」を算出し、算出した進行基準売上金額「3,000円」、算出した進行基準売上消費税額「240円」、消費税率「8パーセント」、PJ番号「PJ001」、受注番号「JU001」および会計年月「2019/09」等を進行基準売上データ106gに格納する。
【0056】
[ステップ3:契約月の翌々月(2019/10)から完成月の前月(2019/11)までの登録(図5)]
原価入力部102d、進捗率計算処理部102eおよび進行基準売上計算処理部102fは、ステップ2で説明した処理と同様の処理を実行することにより、原価明細データ106e、進捗データ106fおよび進行基準売上データ106gには、さらに2019/10のレコードと2019/11のレコードが格納される。
【0057】
[ステップ4:完成月(2019/12)の登録(図6)]
まず、売上入力部102gは、進行基準売上データ106gを参照して、売上の対象とするPJ番号「PJ001」と受注番号「JU001」に紐づく4つのレコード(契約月「2019/8」から完成月の前月「2019/11」までの各月のレコード)を抽出する。
【0058】
次に、売上入力部102gは、1)受注明細データ106cに格納されている、PJ番号「PJ001」と受注番号「JU001」に紐づく受注金額「10,000円」から、抽出した4つのレコードに含まれる進行基準売上の合計「9,000円」を減算して、完成月「2019/12」の進行基準売上金額「1,000円」を算出し、2)算出した進行基準売上金額「1,000円」に完成月に適用される消費税率「10パーセント」を掛けて完成月の進行基準売上消費税額「100円」を算出し、3)算出した進行基準売上金額「1,000円」と当該合計「9,000円」を加算して完成月の売上金額「10,000円」を算出し、4)算出した進行基準売上消費税額「100円」と、抽出した4つのレコードに含まれる進行基準売上消費税額の合計「780円」を加算して、完成月の売上消費税額「880円」を算出し、5)算出した完成月の売上金額「10,000円」、算出した売上消費税額「880円」、完成月に適用される消費税率「10パーセント」、採番した売上番号「UR001」、PJ番号「PJ001」および受注番号「JU001」等を売上明細データ106hに格納する。
【0059】
次に、売上入力部102gは、抽出した4つのレコードに、完成月に適用される消費税率「10パーセント」とは値が異なる消費税率が含まれる場合には、1)抽出した4つのレコード、算出した完成月の進行基準売上金額「1,000円」および進行基準売上消費税額「100円」ならびに完成月に適用される消費税率「10パーセント」を基に、消費税率別に進行基準売上金額および進行基準売上消費税額を合算して、消費税率「8パーセント」に対して完成月の売上金額「6,000円」と売上消費税額「480円」を、消費税率「10パーセント」に対して完成月の売上金額「4,000円」と売上消費税額「400円」を算出し、2)算出した売上金額「6,000円」、算出した売上消費税額「480円」、対応する消費税率「8パーセント」および売上番号「UR001」等を含むレコードと、算出した売上金額「4,000円」、算出した売上消費税額「400円」、対応する消費税率「10パーセント」および売上番号「UR001」等を含むレコードを、売上消費税内訳データ106iに格納する。
【0060】
つぎに、請求入力部102hは、売上消費税内訳データ106iに、請求対象の売上番号「UR001」と売上行番号「001」に紐づくレコードが格納されているので、売上消費税内訳データ106iを基に、採番した請求番号「SE001」、請求金額「6,000円」、請求消費税額「480円」、対応する消費税率「8パーセント」および売上番号「UR001」等を含むレコードと、請求番号「SE001」、請求金額「4,000円」、請求消費税額「400円」、対応する消費税率「10パーセント」および売上番号「UR001」等を含むレコードを、請求明細データ106jに格納する。
【0061】
そして、請求書出力部(図示せず)は、請求明細データ106jに格納されている情報を基に、消費税率別に請求金額と請求消費税額が示されているインボイス制度に対応した図7に示す請求書データを作成・出力する。
【0062】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0065】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0066】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0067】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0069】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0070】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0071】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0072】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0073】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0074】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0075】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、建設業など様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0077】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 工事情報入力部
102b 契約情報入力部
102c 予算入力部
102d 原価入力部
102e 進捗率計算処理部
102f 進行基準売上計算処理部
102g 売上入力部
102h 請求入力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 工事基本情報データ
106b 受注ヘッダデータ
106c 受注明細データ
106d 予算明細データ
106e 原価明細データ
106f 進捗データ
106g 進行基準売上データ
106h 売上明細データ
106i 売上消費税内訳データ
106j 請求明細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7