IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社コロナの特許一覧

<>
  • 特開-給湯装置 図1
  • 特開-給湯装置 図2
  • 特開-給湯装置 図3
  • 特開-給湯装置 図4
  • 特開-給湯装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085110
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/136 20220101AFI20240619BHJP
   F24H 15/231 20220101ALI20240619BHJP
   F24H 15/258 20220101ALI20240619BHJP
   F24H 15/385 20220101ALI20240619BHJP
   F24H 1/00 20220101ALI20240619BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20240619BHJP
   F24H 4/02 20220101ALI20240619BHJP
【FI】
F24H15/136
F24H15/231
F24H15/258
F24H15/385
F24H1/00 A
F24H1/18 H
F24H4/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199460
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋太
(72)【発明者】
【氏名】眞柄 隆志
(72)【発明者】
【氏名】上田 真典
(72)【発明者】
【氏名】富澤 祥伍
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA54
3L122AA63
3L122AA65
3L122AB22
3L122AB33
3L122AC35
3L122BA04
3L122BA32
3L122BB03
3L122BC12
3L122BC13
3L122CA13
3L122DA16
3L122DA21
3L122EA22
3L122EA45
3L122EA63
3L122FA02
3L122FA12
3L122FA13
(57)【要約】
【課題】電力抑制状態のときに除霜運転のための電力を確保することができる技術を提供する。
【解決手段】制御部は、所定の除霜開始条件が成立する場合に、圧縮機で加圧されて温度上昇した冷媒の熱により蒸発器に付着している霜を除霜する除霜運転を実行可能であり、給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、凍結防止ヒータが経路内の水を加熱しているときに、除霜開始条件が成立することが予測される場合は、凍結防止ヒータを停止し、その後に除霜開始条件が成立する場合に除霜運転を開始してもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの水を沸き上げるヒートポンプと、
前記貯湯タンクに連通しており、前記貯湯タンクに流入する水又は前記貯湯タンクから流出する水が流れる経路と、
前記経路内の水が凍結することを防止するための凍結防止ヒータであって、前記経路の少なくとも一部に取り付けられており、通電により発熱して前記経路内の水を加熱する前記凍結防止ヒータと、
制御部と、を備える給湯装置であって、
前記ヒートポンプは、冷媒を加圧する圧縮機と、水と冷媒との熱交換により水を加熱して冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、外気と冷媒の熱交換により外気から吸熱して冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備え、
前記制御部は、
所定の除霜開始条件が成立する場合に、前記圧縮機で加圧されて温度上昇した冷媒の熱により前記蒸発器に付着している霜を除霜する除霜運転を実行可能であり、
前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立することが予測される場合は、前記凍結防止ヒータを停止し、その後に前記除霜開始条件が成立する場合に前記除霜運転を開始する、
又は、
前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立する場合は、前記凍結防止ヒータを停止し、前記除霜運転を開始する、給湯装置。
【請求項2】
貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの水を沸き上げるヒートポンプと、
前記貯湯タンクに連通しており、前記貯湯タンクに流入する水又は前記貯湯タンクから流出する水が流れる経路と、
前記経路内の水が凍結することを防止するための凍結防止ヒータであって、前記経路の少なくとも一部に取り付けられており、通電により発熱して前記経路内の水を加熱する前記凍結防止ヒータと、
制御部と、を備える給湯装置であって、
前記ヒートポンプは、冷媒を加圧する圧縮機と、水と冷媒との熱交換により水を加熱して冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、外気と冷媒の熱交換により外気から吸熱して冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備え、
前記制御部は、
所定の除霜開始条件が成立する場合に、前記圧縮機で加圧されて温度上昇した冷媒の熱により前記蒸発器に付着している霜を除霜する除霜運転を実行可能であり、
前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立することが予測される場合は、前記凍結防止ヒータの通電量を低減し、その後に前記除霜開始条件が成立する場合に前記除霜運転を開始する、
又は、
前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立する場合は、前記凍結防止ヒータの通電量を低減し、前記除霜運転を開始する、給湯装置。
【請求項3】
前記貯湯タンクから給湯箇所に供給される水を加熱する補助熱源機を更に備える、請求項1又は2に記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、ヒートポンプを備える給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にヒートポンプ装置が開示されている。特許文献1のヒートポンプ装置は、冷媒を加圧する圧縮機と、水と冷媒との熱交換により水を加熱して冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、外気と冷媒の熱交換により外気から吸熱して冷媒を蒸発させる蒸発器とを備えている。特許文献1のヒートポンプ装置は、圧縮機で加圧されて温度上昇した冷媒の熱により蒸発器に付着している霜を除霜する通常除霜運転を実行可能である。また、特許文献1のヒートポンプ装置は、使用電力の抑制を要求する電力抑制信号によって使用電力の抑制が要求されているときに、圧縮機を停止させた状態で除霜をする熱源側ファン除霜運転を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-85318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヒートポンプで除霜運転を行なう場合に、消費電力が抑制される電力抑制状態では、除霜運転のための電力を確保することが難しい。そこで本明細書は、電力抑制状態のときに除霜運転のための電力を確保することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の第1の態様では、給湯装置が、貯湯タンクと、前記貯湯タンクの水を沸き上げるヒートポンプと、前記貯湯タンクに連通しており、前記貯湯タンクに流入する水又は前記貯湯タンクから流出する水が流れる経路と、前記経路内の水が凍結することを防止するための凍結防止ヒータであって、前記経路の少なくとも一部に取り付けられており、通電により発熱して前記経路内の水を加熱する前記凍結防止ヒータと、制御部と、を備えていてもよい。前記ヒートポンプは、冷媒を加圧する圧縮機と、水と冷媒との熱交換により水を加熱して冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、外気と冷媒の熱交換により外気から吸熱して冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備えていてもよい。前記制御部は、所定の除霜開始条件が成立する場合に、前記圧縮機で加圧されて温度上昇した冷媒の熱により前記蒸発器に付着している霜を除霜する除霜運転を実行可能である。前記制御部は、前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立することが予測される場合は、前記凍結防止ヒータを停止し、その後に前記除霜開始条件が成立する場合に前記除霜運転を開始してもよい。又は、前記制御部は、前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立する場合は、前記凍結防止ヒータを停止し、前記除霜運転を開始してもよい。
【0006】
この構成によれば、電力抑制状態のときに除霜開始条件が成立することが予測される場合は、実際に除霜開始条件が成立する前に凍結防止ヒータを停止することにより、除霜運転のための電力を確保することができる。また、電力抑制状態のときに除霜開始条件が成立する場合は、凍結防止ヒータを停止することにより、除霜運転のための電力を確保することができる。
【0007】
第2の態様では、給湯装置が、貯湯タンクと、前記貯湯タンクの水を沸き上げるヒートポンプと、前記貯湯タンクに連通しており、前記貯湯タンクに流入する水又は前記貯湯タンクから流出する水が流れる経路と、前記経路内の水が凍結することを防止するための凍結防止ヒータであって、前記経路の少なくとも一部に取り付けられており、通電により発熱して前記経路内の水を加熱する前記凍結防止ヒータと、制御部と、を備えていてもよい。前記ヒートポンプは、冷媒を加圧する圧縮機と、水と冷媒との熱交換により水を加熱して冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、外気と冷媒の熱交換により外気から吸熱して冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備えていてもよい。前記制御部は、所定の除霜開始条件が成立する場合に、前記圧縮機で加圧されて温度上昇した冷媒の熱により前記蒸発器に付着している霜を除霜する除霜運転を実行可能である。前記制御部は、前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立することが予測される場合は、前記凍結防止ヒータの通電量を低減し、その後に前記除霜開始条件が成立する場合に前記除霜運転を開始してもよい。又は、前記制御部は、前記給湯装置が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、前記凍結防止ヒータが前記経路内の水を加熱しているときに、前記除霜開始条件が成立する場合は、前記凍結防止ヒータの通電量を低減し、前記除霜運転を開始してもよい。
【0008】
この構成によれば、電力抑制状態のときに除霜開始条件が成立することが予測される場合は、実際に除霜開始条件が成立する前に凍結防止ヒータの通電量を低減することにより、除霜運転のための電力を確保することができる。また、電力抑制状態のときに除霜開始条件が成立する場合は、凍結防止ヒータの通電量を低減することにより、除霜運転のための電力を確保することができる。
【0009】
第3の態様では、上記の第1又は第2の態様において、給湯装置が、前記貯湯タンクから給湯箇所に供給される水を加熱する補助熱源機を更に備えていてもよい。
【0010】
この構成によれば、除霜運転を実行することにより貯湯タンクの水を沸き上げることができない場合にも、補助熱源機で水を加熱することにより給湯箇所に加熱された水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例の給湯装置を模式的に示す図。
図2】実施例の沸上げ運転処理のフローチャート。
図3】実施例の凍結防止処理のフローチャート。
図4】実施例の除霜運転処理のフローチャート(1)。
図5】実施例の除霜運転処理のフローチャート(2)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例の給湯装置2について図面を参照して説明する。図1に示すように、給湯装置2は、HP(ヒートポンプ)ユニット4と、タンクユニット6と、バーナユニット8を備えている。給湯装置2の電力は、例えば、商用電源や蓄電池から供給される。
【0013】
HPユニット4は、外気から吸熱して水を加熱する熱源である。HPユニット4は、圧縮機10と、凝縮器12と、膨張弁14と、蒸発器16からなるヒートポンプ17を備えている。ヒートポンプ17は、冷媒(例えばR32やR410AといったHFC冷媒や、R744といったCO2冷媒)を、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に循環させることで、外気から吸熱して水を加熱する。圧縮機10は、冷媒を加圧して高温高圧にする。凝縮器12は、循環経路19を流れる水と冷媒との熱交換により、水を加熱すると共に冷媒を冷却して凝縮させる。循環経路19は、タンクユニット6内の貯湯タンク30とHPユニット4内の凝縮器12の間で水を循環させる経路である。膨張弁14は、冷媒を減圧して低温低圧にする。蒸発器16は、ファン13により送風される外気と冷媒との熱交換により冷媒を加熱して蒸発させる。蒸発器16には、蒸発器16の温度を検出する蒸発器サーミスタ15が取り付けられている。HPユニット4はさらに、循環経路19の水を貯湯タンク30と凝縮器12の間で循環させる循環ポンプ18と、凝縮器12に流れ込む水の温度を検出する戻りサーミスタ20と、凝縮器12から流れ出る水の温度を検出する往きサーミスタ22と、外気温度を検出する外気温度サーミスタ23と、HPユニット4の各構成要素の動作を制御するHPコントローラ24を備えている。
【0014】
タンクユニット6は、貯湯タンク30と、混合弁32と、バイパス制御弁34を備えている。貯湯タンク30は、外側が断熱材で覆われており、内部に水を蓄える密閉型の容器である。本実施例の貯湯タンク30の容量は、例えば100リットルである。HPユニット4の循環ポンプ18が駆動すると、貯湯タンク30の底部から循環経路19に水が吸い出されて凝縮器12へ送られる。凝縮器12で加熱されて高温となった水は、循環経路19を流れて、貯湯タンク30の頂部から貯湯タンク30内に戻される。HPユニット4によって加熱された水が貯湯タンク30に流れ込むと、貯湯タンク30の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積み重なった温度成層が形成される。貯湯タンク30には、上部の水の温度を検出する上部サーミスタ36と、中間部の水の温度を検出する中間部サーミスタ37と、下部の水の温度を検出する下部サーミスタ38と、底部の水の温度を検出する底部サーミスタ39が取り付けられている。本実施例では、上部サーミスタ36は貯湯タンク30の頂部から6リットルの位置に配置されており、中間部サーミスタ37は貯湯タンク30の頂部から12リットルの位置に配置されており、下部サーミスタ38は貯湯タンク30の頂部から30リットルの位置に配置されており、底部サーミスタ39は貯湯タンク30の頂部から70リットルの位置に配置されている。
【0015】
タンクユニット6には、給水経路40を介して給水源から水道水が供給される。給水経路40には、給水圧力を減圧する減圧弁42と、給水温度を検出する入水サーミスタ44が取り付けられている。給水経路40は、貯湯タンク30の底部に連通するタンク給水経路46と、混合弁32に連通するタンクバイパス経路48に分岐している。タンク給水経路46とタンクバイパス経路48には、それぞれ逆止弁50、52が取り付けられている。また、タンクバイパス経路48には、混合弁32に流入する水道水の流量を検出する水側水量センサ54が取り付けられている。貯湯タンク30の頂部と混合弁32は、タンク出湯経路56を介して連通している。タンク出湯経路56には、逆止弁58と、混合弁32に流入する貯湯タンク30からの水の流量を検出する湯側水量センサ60が取り付けられている。
【0016】
混合弁32は、タンクバイパス経路48から流れ込む水道水と、タンク出湯経路56から流れ込む貯湯タンク30の水を混合して、第1給湯経路62に送り出す。混合弁32は、ステッピングモータによって弁を駆動し、タンクバイパス経路48側の開度(水側の開度)と、タンク出湯経路56側の開度(湯側の開度)を調整する。第1給湯経路62には、混合弁32から送り出される水の温度を検出する混合サーミスタ64が取り付けられている。
【0017】
タンクユニット6からは、第2給湯経路66を介して、台所やシャワー、カラン等の給湯箇所への給湯が行われる。第2給湯経路66には、給湯箇所へ供給される水の温度を検出する給湯サーミスタ68と、逆止弁70が取り付けられている。第1給湯経路62と第2給湯経路66の間は、給湯バイパス経路72によって連通している。給湯バイパス経路72には、バイパス制御弁34が取り付けられている。
【0018】
タンクユニット6は、複数の凍結防止ヒータ35を更に備えている。タンクユニット6内の循環経路19、給水経路40、タンク給水経路46、タンクバイパス経路48、タンク出湯経路56、第1給湯経路62、第2給湯経路66、給湯バイパス経路72のそれぞれに、凍結防止ヒータ35が取り付けられている。各凍結防止ヒータ35は、通電により発熱して各経路(19、40、46、48、56、62、66、72)内の水を加熱する。凍結防止ヒータ35は、電力を消費して経路内の水を加熱する。各経路(19、40、46、48、56、62、66、72)は、直接的又は間接的に貯湯タンク30に連通しており、貯湯タンク30に流入する水又は貯湯タンク30から流出する水が各経路を流れる。複数の凍結防止ヒータ35は、タンクユニット6内の複数の経路を流れる水を加熱する。
【0019】
タンクユニット6は、タンクコントローラ74と、タンクコントローラ74と通信可能なリモコン76を備えている。タンクコントローラ74は、タンクユニット6の各構成要素の動作を制御する。タンクコントローラ74は、不揮発性のメモリ75を備えている。リモコン76は、スイッチやボタン等を介して、ユーザからの各種の操作入力を受け入れる。また、リモコン76は、表示や音声によってユーザに給湯装置2の設定や動作に関する各種の情報を通知する。
【0020】
バーナユニット8は、バーナ80と、熱交換器82と、バイパスサーボ84と、水量サーボ86と、湯はり弁88を備えている。バーナ80は、ガスの燃焼によって熱交換器82を流れる水を加熱する補助熱源機である。熱交換器82には、バーナ往路90を介して、タンクユニット6の第1給湯経路62からの水が流れ込む。熱交換器82を通過した水は、バーナ復路92を介して、タンクユニット6の第2給湯経路66へ流れ出る。バーナ往路90には、バーナ往路90を流れる水の流量を調整する水量サーボ86と、バーナ往路90を流れる水の流量を検出する水量センサ91が取り付けられている。バーナ往路90とバーナ復路92の間は、バーナバイパス経路94を介して連通している。バーナ往路90とバーナバイパス経路94の接続部に、バイパスサーボ84が取り付けられている。バイパスサーボ84は、バーナ往路90から熱交換器82へ流れる水の流量とバーナバイパス経路94へ流れる水の流量とを調整する。バーナ復路92には、熱交換器82から流れ出る水の温度をバーナ出口温度として検出するバーナ出口サーミスタ96が取り付けられている。バーナユニット8では、バーナ出口温度と目標加熱温度の差が小さくなるように、バーナ80の加熱能力が調整される。バーナ復路92からは、湯はり経路98が分岐している。湯はり経路98には、湯はり弁88が取り付けられている。バーナユニット8からは、湯はり経路98を介して、給湯箇所である浴槽への湯はりが行われる。バーナユニット8はさらに、バーナユニット8の各構成要素の動作を制御するバーナコントローラ100を備えている。
【0021】
HPコントローラ24とタンクコントローラ74は、互いに通信可能である。タンクコントローラ74とバーナコントローラ100は、互いに通信可能である。従って、HPコントローラ24と、タンクコントローラ74と、バーナコントローラ100が協調して制御を行うことで、給湯装置2は沸上げ運転や給湯運転等の各種の動作を行うことができる。以下では、HPコントローラ24と、タンクコントローラ74と、バーナコントローラ100を総称して、単にコントローラと呼ぶことがある。
【0022】
(沸上げ運転)
沸上げ運転では、給湯装置2は、HPユニット4を駆動して、貯湯タンク30内の水を沸かし上げる。沸上げ運転を開始するタイミングは、様々な観点から設定することが可能である。例えば、割安な深夜電力を利用可能な時間帯が終了する直前に、貯湯タンク30内の水の沸かし上げが終了するように、タンクコントローラ74が沸上げ運転の開始タイミングを決定して、HPコントローラ24に沸上げ運転の開始を指示してもよい。あるいは、前日までの給湯実績に基づいて、大きな給湯需要の発生が予想される時刻の直前に、貯湯タンク30の水の沸かし上げが終了するように、タンクコントローラ74が沸上げ運転の開始タイミングを決定して、HPコントローラ24に沸上げ運転の開始を指示してもよい。あるいは、ユーザがリモコン76を介して貯湯タンク30の水の沸かし上げを指示することで、タンクコントローラ74がHPコントローラ24に沸上げ運転の開始を指示してもよい。
【0023】
沸上げ運転の開始が指示されると、HPコントローラ24は、ヒートポンプ17の圧縮機10を駆動して、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に冷媒を循環させるとともに、循環ポンプ18を駆動して、貯湯タンク30と凝縮器12の間で水を循環させる。これによって、貯湯タンク30の底部から吸い出された水は、凝縮器12において目標沸上げ温度まで加熱されて、貯湯タンク30の頂部に戻される。タンクコントローラ74は、上部サーミスタ36、中間部サーミスタ37、下部サーミスタ38および底部サーミスタ39の検出温度や、戻りサーミスタ20の検出温度から、貯湯タンク30内の水が全て高温の水で置き換えられたことを検知すると、HPコントローラ24に沸上げ運転の終了を指示する。タンクコントローラ74から沸上げ運転の終了が指示されると、HPコントローラ24は沸上げ運転を終了する。
【0024】
(給湯運転)
給湯運転では、給湯装置2は、給湯設定温度に調温された水を給湯箇所へ給湯する。給湯装置2は、タンクユニット6の上部サーミスタ36で検出される貯湯タンク30の上部の温度が給湯設定温度以上である場合、非燃焼給湯運転を行う。非燃焼給湯運転では、タンクコントローラ74は、バーナコントローラ100にバーナ80の燃焼運転を禁止する。また、タンクコントローラ74は、バイパス制御弁34を開くとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、貯湯タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路40から供給される低温の水が、混合弁32において混合されることで給湯設定温度に調温されて、給湯箇所へ供給される。
【0025】
上部サーミスタ36で検出される貯湯タンク30の上部の温度が給湯設定温度に満たない場合、給湯装置2は、燃焼給湯運転を行う。燃焼給湯運転では、タンクコントローラ74は、バーナコントローラ100にバーナ80の燃焼運転を許可して、バーナユニット8における目標加熱温度として給湯設定温度を指示する。また、タンクコントローラ74は、バイパス制御弁34を閉じるとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が、給湯設定温度よりもバーナ80の最小加熱能力の分だけ低い温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、貯湯タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路40から供給される低温の水が、混合弁32において混合された後、バーナ80によって目標加熱温度、すなわち給湯設定温度まで加熱されて、給湯箇所へ供給される。これにより、バーナ80で水を加熱することにより給湯箇所に加熱された水を供給することができる。
【0026】
(凍結防止運転)
凍結防止運転では、給湯装置2は、複数の凍結防止ヒータ35を駆動して、複数の経路(19、40、46、48、56、62、66、72)内の水を加熱する。これにより、複数の経路内の水が凍結することを防止する。
【0027】
(除霜運転)
給湯装置2では、外気温度が低いときにヒートポンプ17の蒸発器16に霜が付着することがある。除霜運転では、給湯装置2は、HPユニット4の循環ポンプ18およびファン13を停止した状態で、ヒートポンプ17の圧縮機10を駆動して、蒸発器16に付着している霜を除霜する。除霜運転の開始が指示されると、HPコントローラ24は、圧縮機10を駆動して、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に冷媒を循環させる。ヒートポンプ17では、圧縮機10で加圧されて温度上昇した冷媒が蒸発器16を通過する。これにより、蒸発器16に付着している霜が除霜される。なお、除霜運転では、沸上げ運転のときよりも膨張弁14の開度を大きくして蒸発器16に供給される冷媒の温度を沸上げ運転のときよりも高温にする。
【0028】
(給湯装置2の電力抑制状態)
給湯装置2は、通常状態と、通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態とで動作可能である。電力抑制状態では、給湯装置2全体での消費電力が抑制される。給湯装置2では、例えば、電力会社における電力の需給状況に応じて消費電力が抑制されることがある。また、例えば、給湯装置2が蓄電池に接続されている場合に、その蓄電池の蓄電状況に応じて給湯装置2の消費電力が抑制されることがある。また、例えば、給湯装置2以外の他の装置が蓄電池に接続されている場合に、他の装置に電力を供給するために、給湯装置2の消費電力が抑制されることがある。また、電力会社における電力の需給状況にかかわらず、ユーザによる指示や給湯装置2の運転状況に応じて給湯装置2の消費電力が制限されることもある。給湯装置2は、通常状態と電力抑制状態のいずれかで動作する。コントローラは、給湯装置2が通常状態で動作する場合は、通常状態で動作することを示すフラグ(第1フラグ)を生成してタンクコントローラ74のメモリ75に記憶する。また、コントローラは、給湯装置2が電力抑制状態で動作する場合は、給湯装置2全体での消費電力が電力抑制値を超えない範囲の最大の電力で動作させ、電力抑制状態で動作することを示すフラグ(第2フラグ)を生成してタンクコントローラ74のメモリ75に記憶する。
【0029】
(沸上げ運転処理;図2
次に、実施例の沸上げ運転処理について説明する。図2は、沸上げ運転処理のフローチャートである。図2に示す沸上げ運転処理は、例えば、所定の沸上げ開始時刻が到来すると開始される。また、沸上げ運転処理は、ユーザによる沸上げ開始指示に基づいて開始されてもよい。沸上げ運転処理のS2では、コントローラが、沸上げ運転を開始する。沸上げ運転が開始されると、貯湯タンク30内の水がHPユニット4のヒートポンプ17により沸かし上げられる。
【0030】
続くS4では、コントローラが、所定の沸上げ終了条件が成立するか否かを判断する。沸上げ終了条件は、例えば、貯湯タンク30の底部に取り付けられている底部サーミスタ39により検出される水の温度が、所定の終了基準温度(例えば、目標沸上げ温度-5℃(ただし、最大で45℃))以上である場合に成立する。変形例では、沸上げ終了条件は、循環経路19に取り付けられている戻りサーミスタ20より検出される水の温度が、所定の終了基準温度以上である場合に成立してもよい。沸上げ終了条件が成立する場合(S4でYES)、処理はS6に進む。沸上げ終了条件が成立しない場合(S4でNO)、処理は待機する。S6では、コントローラが、ヒートポンプ17の圧縮機10を停止して沸上げ運転を終了する。その後、沸上げ運転処理が終了する。
【0031】
(凍結防止処理;図3
次に、実施例の凍結防止処理について説明する。図3は、凍結防止処理のフローチャートである。図3に示す凍結防止処理は、例えば、給湯装置2の電源がオンになると開始される。凍結防止処理のS10では、コントローラが、外気温度サーミスタ23により検出される外気温度が所定の基準外気温度(例えば、4℃)以下であるか否かを判断する。外気温度サーミスタ23により検出される外気温度が基準外気温度以下である場合(S10でYES)、処理はS12に進む。外気温度が基準外気温度より高い場合(S10でNO)、処理はS14に進む。
【0032】
S10でYESの後のS12では、コントローラが、タンクユニット6の複数の凍結防止ヒータ35を駆動する。複数の凍結防止ヒータ35が駆動すると、凍結防止ヒータ35が取り付けられている複数の経路(19、40、46、48、56、62、66、72)内の水が加熱される。これにより、複数の経路内の水が凍結することを防止する。一方、S10でNO後のS14では、コントローラが、タンクユニット6の複数の凍結防止ヒータ35を停止する。複数の凍結防止ヒータ35が既に駆動している場合は、それらの凍結防止ヒータ35を停止する。複数の凍結防止ヒータ35が駆動していない場合は、その状態を維持する。その後、処理はS10に戻る。なお、図3に示す凍結防止処理は、例えば、給湯装置2の電源がオフになると終了する。
【0033】
(除霜運転処理;図4図5
次に、実施例の除霜運転処理について説明する。図4および図5は、除霜運転処理のフローチャートである。図4および図5に示す除霜運転処理は、例えば、沸上げ運転の実行中であり、かつ、外気温度が所定の基準外気温度(例えば7℃)未満の場合に開始される。除霜運転処理のS20では、コントローラが、蒸発器サーミスタ15により検出される蒸発器16の温度が所定の基準蒸発器温度以下であるか否かを判断する。基準蒸発器温度は、例えば、除霜開始温度+2℃である。除霜開始温度は、例えば、外気温度サーミスタ23により検出される外気温度-7℃である。蒸発器サーミスタ15により検出される蒸発器16の温度が基準蒸発器温度(=除霜開始温度+2℃)以下である場合(S20でYES)、処理はS22に進む。この場合は、除霜運転のための後述の除霜開始条件(S30参照)が近いうちに成立することが予測される。S22では、コントローラが、除霜の必要性があると判断する。一方、蒸発器サーミスタ15により検出される蒸発器16の温度が基準蒸発器温度より高い場合(S20でNO)、処理は待機する。
【0034】
続くS24では、コントローラが、給湯装置2が電力抑制状態であるか否かを判断する。電力抑制状態は、給湯装置2の消費電力が抑制される状態である。コントローラは、給湯装置2が電力抑制状態であることを示す第2フラグがタンクコントローラ74のメモリ75に記憶されているか否かを判断する。給湯装置2が電力抑制状態である場合(即ち、第2フラグがメモリ75に記憶されている場合、S24でYES)、処理はS26に進む。一方、給湯装置2が電力抑制状態でない場合(即ち、第2フラグがメモリ75に記憶されていない場合、S24でNO)、処理はS30に進む。給湯装置2が電力抑制状態でない場合は、給湯装置2が通常状態で動作しており、メモリ75には第1フラグが記憶されている。
【0035】
S24でYESの後のS26では、コントローラが、タンクユニット6の複数の凍結防止ヒータ35が駆動中であるか否かを判断する。複数の凍結防止ヒータ35が駆動中である場合(S26でYES)、処理はS28に進む。複数の凍結防止ヒータ35が停止中である場合(S26でNO)、処理はS30に進む。
【0036】
S26でYESの後のS28では、コントローラが、タンクユニット6の複数の凍結防止ヒータ35を停止する。凍結防止ヒータ35が停止すると、凍結防止ヒータ35で電力が消費されなくなる。コントローラは、複数の凍結防止ヒータ35を停止する場合は、そのことを示す停止フラグを生成してタンクコントローラ74のメモリ75に記憶する。
【0037】
続くS30では、コントローラが、所定の除霜開始条件が成立するか否かを判断する。除霜開始条件は、例えば、蒸発器サーミスタ15により検出される蒸発器16の温度が所定の除霜開始温度(例えば、外気温度サーミスタ23により検出される外気温度-7℃)以下になる場合に成立する。除霜開始条件が成立する場合(S30でYES)、処理はS34に進む。除霜開始条件が成立しない場合(S30でNO)、処理はS20に戻る。
【0038】
S34では、コントローラが、実行中の沸上げ運転を中断する。コントローラは、HPユニット4の循環ポンプ18を停止して沸上げ運転を中断する。コントローラは、沸上げ運転を中断する場合は、そのことを示す中断フラグを生成してタンクコントローラ74のメモリ75に記憶する。続くS36では、コントローラが、除霜運転を開始する。コントローラは、HPユニット4の循環ポンプ18を停止し、膨張弁14の開度を大きくした状態で、ヒートポンプ17の圧縮機10を駆動して、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に冷媒を循環させる。ここで電力抑制状態の場合、コントローラは、給湯装置2全体の消費電力が電力抑制値を超えない範囲の最大の電力でHPユニット4を駆動する。除霜運転が開始されると、圧縮機10で高温にされた冷媒の熱により蒸発器16に付着している霜が除霜される。
【0039】
続くS38では、コントローラが、所定の除霜終了条件が成立するか否かを判断する。除霜終了条件は、例えば、蒸発器サーミスタ15により検出される蒸発器16の温度が所定の除霜終了温度(例えば、2℃)以上になる場合に成立する。変形例では、除霜終了条件は、S26で除霜運転が開始されてから所定の除霜運転時間(例えば、10分)が経過する場合に成立する。除霜終了条件が成立する場合(S38でYES)、処理はS40に進む。S40では、コントローラが、ヒートポンプ17の圧縮機10を停止して除霜運転を終了する。除霜終了条件が成立しない場合(S38でNO)、処理は待機する。
【0040】
続くS42では、コントローラが、複数の凍結防止ヒータ35を停止したことを示す停止フラグ(S28参照)がタンクコントローラ74のメモリ75に記憶されているか否かを判断する。停止フラグがメモリ75に記憶されている場合(S42でYES)、処理はS44に進む。S44では、コントローラが、複数の凍結防止ヒータ35を再び駆動する。停止フラグがメモリ75に記憶されていない場合(S42でNO)、処理はS46に進む。
【0041】
S46では、コントローラが、沸上げ運転を中断したことを示す中断フラグ(S34参照)がタンクコントローラ74のメモリ75に記憶されているか否かを判断する。中断フラグがメモリ75に記憶されている場合(S46でYES)、処理はS48に進む。中断フラグがメモリ75に記憶されてない場合(S46でNO)、処理はS20に戻る。
【0042】
S48では、コントローラが、沸上げ運転を再開する。コントローラは、HPユニット4の循環ポンプ18を駆動すると共に、ヒートポンプ17の圧縮機10を駆動する。その後、処理はS20に戻る。なお、図4および図5に示す除霜運転処理は、例えば、沸上げ運転が終了する場合、又は、外気温度が所定の基準外気温度(例えば7℃)以上の場合に終了する。
【0043】
(効果)
以上、実施例の給湯装置2について説明した。以上の説明から明らかなように、給湯装置2は、通電により発熱して経路(例えば、循環経路19)内の水を加熱する凍結防止ヒータ35を備えている。コントローラは、所定の除霜開始条件が成立する場合に、ヒートポンプ17の圧縮機10で高温にされた冷媒の熱により蒸発器16に付着している霜を除霜する除霜運転を実行可能である。コントローラは、給湯装置2が通常状態よりも消費電力が抑制される電力抑制状態で動作しており、かつ、凍結防止ヒータ35が経路(例えば、循環経路19)内の水を加熱しているときに、除霜開始条件が成立することが予測される場合は、凍結防止ヒータ35を停止し、その後に除霜開始条件が成立する場合に除霜運転を開始する(図4および図5のS20-S36参照)。
【0044】
この構成によれば、給湯装置2が電力抑制状態であるときに除霜開始条件が成立することが予測される場合は、実際に除霜開始条件が成立する前に凍結防止ヒータ35を停止することにより、除霜運転のための電力を確保することができる。凍結防止ヒータ35の消費電力分の電力をHPユニット4に差し向けることができる。そのため、凍結防止ヒータ35を停止しなかった場合に比べて、除霜運転の除霜能力を向上することができる。
【0045】
また、給湯装置2は、貯湯タンク30から給湯箇所に供給される水をガスの燃料により加熱するバーナ80を備えている。この構成によれば、除霜運転を実行することにより貯湯タンク30の水を沸き上げることができない場合にも、バーナ80で水を加熱することにより給湯箇所に加熱された水を供給することができる。
【0046】
(変形例)
(1)上記の実施例では、除霜運転処理のS28でコントローラが凍結防止ヒータ35を停止したが、この構成に限定されない。変形例では、S28でコントローラが凍結防止ヒータ35の通電量を低減してもよい。例えば、凍結防止ヒータ35に印加する電圧を低減してもよい。また、凍結防止ヒータ35に流す電流を低減してもよい。この構成によれば、凍結防止ヒータ35の通電量を低減することにより、除霜運転のための電力を確保することができる。凍結防止ヒータ35の通電量の低減分をHPユニット4に差し向けることができる。そのため、凍結防止ヒータ35の通電量を低減しなかった場合に比べて、除霜運転の除霜能力を向上することができる。この場合、除霜運転処理のS44では、コントローラが、凍結防止ヒータ35の通電量を増加させて低減前の状態に戻す。また、この場合、停止フラグに代えて低減フラグが用いられてもよい。
【0047】
(2)上記の実施例では補助熱源機の一例としてガスの燃焼により水を加熱するバーナ80について説明したが、この構成に限定されない。変形例では、補助熱源機として灯油の燃焼により水を加熱するバーナを用いてもよい。また、通電により発熱するヒータを補助熱源機として用いてもよい。
【0048】
(3)上記の実施例では、コントローラが、除霜開始条件が成立することが予測される場合に、凍結防止ヒータ35を停止し、その後に除霜開始条件が成立する場合に除霜運転を開始していたが、この構成に限定されない。変形例では、コントローラが、除霜開始条件が成立する場合に、凍結防止ヒータ35を停止し、除霜運転を開始してもよい。また、コントローラが、除霜開始条件が成立する場合に、凍結防止ヒータ35の通電量を低減し、除霜運転を開始してもよい。このような構成によっても、除霜運転のための電力を確保することができる。
【0049】
(4)変形例では、コントローラは、外気温度が極めて低温(例えば、-10℃以下)である場合は、凍結防止ヒータ35を停止しなくてもよい。外気温度が極めて低温である場合は、除霜よりも機器の保護を優先してもよい。
【0050】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0051】
2:給湯装置、4:HPユニット、6:タンクユニット、8:バーナユニット、10:圧縮機、12:凝縮器、13:ファン、14:膨張弁、15:蒸発器サーミスタ、16:蒸発器、17:ヒートポンプ、18:循環ポンプ、19:循環経路、20:戻りサーミスタ、22:往きサーミスタ、23:外気温度サーミスタ、24:HPコントローラ、30:貯湯タンク、32:混合弁、34:バイパス制御弁、35:凍結防止ヒータ、36:上部サーミスタ、37:中間部サーミスタ、38:下部サーミスタ、39:底部サーミスタ、40:給水経路、42:減圧弁、44:入水サーミスタ、46:タンク給水経路、48:タンクバイパス経路、54:水側水量センサ、56:タンク出湯経路、60:湯側水量センサ、62:第1給湯経路、64:混合サーミスタ、66:第2給湯経路、68:給湯サーミスタ、72:給湯バイパス経路、74:タンクコントローラ、75:メモリ、76:リモコン、80:バーナ、82:熱交換器、84:バイパスサーボ、86:水量サーボ、90:バーナ往路、91:水量センサ、92:バーナ復路、94:バーナバイパス経路、96:バーナ出口サーミスタ、100:バーナコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5