(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085118
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】プログラムセットおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240619BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 305
G06F3/12 336
G06F3/12 353
G06F3/12 389
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199472
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】國松 明弘
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS06
2C061AS08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】プリンタに印刷を指示するデバイスにおいて、新しい用紙に対応するための手間を軽減すること。
【解決手段】プログラムセットを構成する印刷アプリ23とプリンタドライバ25とがデバイス6にインストールされている。印刷アプリ23は、選択されているプリンタ5で対応可能な用紙情報をサーバ1から取得し、プリンタドライバ25が参照可能なカスタムフォルダ25に保存する。印刷アプリ23は、プリンタドライバ25に用紙リストを要求する。プリンタドライバ25は、カスタムフォルダ27に記憶されている用紙情報を含む用紙リストを作成し、印刷アプリ23に渡す。印刷アプリ23は、プリンタドライバ25から取得した用紙リストに基づいて用紙設定画面をデバイス6に表示させ、用紙の選択を受け付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスにインストール可能な、印刷プログラムと、プリンタドライバと、を有するプログラムセットであって、
前記印刷プログラムは、
制御対象のプリンタを選択するプリンタ選択処理と、
前記プリンタ選択処理にて前記プリンタが選択されている状態で、前記プリンタドライバに、前記プリンタで対応可能な用紙を示す用紙リストを要求し、前記プリンタドライバから前記用紙リストを取得する用紙リスト取得処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、
前記プリンタドライバは、
前記印刷プログラムから前記用紙リストが要求された場合に、前記デバイスのメモリに設けられた所定の保存領域であって前記プリンタドライバがアクセス可能な前記保存領域に保存されている用紙情報に基づく前記用紙リストを生成し、生成された前記用紙リストを前記印刷プログラムに応答する用紙応答処理を、前記デバイスに実行させ、
前記印刷プログラムは、
印刷対象の画像データを選択する画像選択処理と、
前記プリンタドライバから取得した前記用紙リストに含まれる用紙の1つを選択する用紙選択処理と、
印刷指示を受け付け可能であり、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記用紙選択処理にて選択された前記用紙が設定された印刷設定と、前記画像選択処理にて選択された前記画像データと、を前記プリンタドライバに入力する入力処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、
前記プリンタドライバは、
前記印刷プログラムから前記印刷設定および前記画像データが入力された場合に、入力された前記印刷設定に従って、入力された前記画像データをラスタライズして印刷データを生成し、生成された前記印刷データに基づくコマンドを前記プリンタに送信する送信処理を、前記デバイスに実行させ、
さらに前記印刷プログラムは、
前記デバイスとネットワークを介して接続されるサーバから、前記プリンタ選択処理にて選択された前記プリンタで対応可能な用紙に関する用紙情報を取得する用紙情報取得処理と、
前記用紙情報取得処理にて取得された前記用紙情報を、前記保存領域に保存する保存処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記サーバから取得される前記用紙情報には、新しい用紙に関する情報を含めることが可能であり、前記保存領域に保存されている前記用紙情報に前記新しい用紙に関する情報が含まれる場合、前記プリンタドライバは、前記用紙応答処理にて、前記新しい用紙を含む前記用紙リストを生成する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記印刷プログラムは、
前記選択処理にて、前記デバイスと接続可能な前記プリンタとして、ラベルプリンタを選択可能であり、
さらに前記印刷プログラムは、
前記選択処理にて選択された前記ラベルプリンタで対応可能なテンプレートを示すテンプレートリストの要求を、選択された前記ラベルプリンタのモデルを示すモデル情報を付して前記サーバに送信し、前記サーバから前記テンプレートリストを取得するテンプレートリスト取得処理を、前記デバイスに実行させることが可能であり、前記サーバには、ラベルプリンタのモデルと、テンプレートと、の対応可否が記憶されており、前記印刷プログラムから前記テンプレートリストの要求を受信した前記サーバは、前記テンプレートリストの要求に付された前記ラベルプリンタのモデルで対応可能なテンプレートを示す前記テンプレートリストを応答し、
さらに前記印刷プログラムは、
前記テンプレートリスト取得処理にて取得された前記テンプレートリストの1つを選択するテンプレート選択処理を、前記デバイスに実行させることが可能であり、
さらに前記印刷プログラムは、
前記用紙情報取得処理にて、前記テンプレート選択処理にて選択された前記テンプレートに対応可能な用紙に関する前記用紙情報の送信要求を、選択された前記テンプレートを識別するテンプレート情報を付して前記サーバに送信し、前記サーバから前記用紙情報を取得し、前記サーバには、テンプレートと、用紙と、の対応可否が記憶されており、前記印刷プログラムから前記用紙情報の送信要求を受信した前記サーバは、前記用紙情報の要求に付された前記テンプレート情報に示されるテンプレートで対応可能な用紙に関する前記用紙情報を応答する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項3】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記プリンタドライバは、
前記保存領域に保存された前記用紙情報に含まれる前記新たな用紙に関する情報について、前記新たな用紙に関する情報を付した登録コマンドを、前記プリンタに送信する登録処理を、前記デバイスに実行させることが可能であり、前記登録コマンドを受信した前記プリンタは、前記登録コマンドに付された前記新たな用紙に関する情報を登録する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項4】
請求項3に記載するプログラムセットにおいて、
前記プリンタドライバは、
前記印刷プログラムから前記印刷設定および前記画像データが入力された場合に、前記印刷設定に前記新たな用紙が設定されているか否かを判断し、前記印刷設定に前記新たな用紙が設定されていると判断した場合に、前記登録処理を前記デバイスに実行させる、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項5】
請求項3に記載するプログラムセットにおいて、
前記印刷プログラムは、
前記用紙情報取得処理にて取得された前記用紙情報に、前記新たな用紙に関する情報が含まれているか否かを判断し、前記新たな用紙に関する情報が含まれていると判断した場合に、前記新たな用紙についてのプリンタへの登録を前記プリンタドライバに要求する登録要求処理を前記デバイスに実行させ、
前記プリンタドライバは、
前記印刷プログラムから前記新たな用紙についてのプリンタへの登録が要求された場合に、前記登録処理を前記デバイスに実行させる、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項6】
デバイスにインストール可能な印刷プログラムであって、
前記印刷プログラムは、
制御対象のプリンタを選択するプリンタ選択処理と、
前記プリンタ選択処理にて前記プリンタが選択されている状態で、前記プリンタに対応するプリンタドライバに、前記プリンタで対応可能な用紙を示す用紙リストを要求し、前記プリンタドライバから、前記デバイスのメモリに設けられた所定の保存領域であって前記プリンタドライバがアクセス可能な前記保存領域に保存されている用紙情報に基づく前記用紙リストを取得する用紙リスト取得処理と、
印刷対象の画像データを選択する画像選択処理と、
前記プリンタドライバから取得した前記用紙リストに含まれる用紙の1つを選択する用紙選択処理と、
印刷指示を受け付け可能であり、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記用紙選択処理にて選択された前記用紙が設定された印刷設定と、前記画像選択処理にて選択された前記画像データと、を前記プリンタドライバに入力する入力処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、
さらに前記印刷プログラムは、
前記デバイスとネットワークを介して接続されるサーバから、前記プリンタ選択処理にて選択された前記プリンタで対応可能な用紙に関する用紙情報を取得する用紙情報取得処理と、
前記用紙情報取得処理にて取得された前記用紙情報を、前記保存領域に保存する保存処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記サーバから取得される前記用紙情報には、新しい用紙に関する情報を含めることが可能であり、前記プリンタドライバは、前記印刷プログラムから前記用紙リストが要求され、前記保存領域に保存されている前記用紙情報に前記新しい用紙に関する情報が含まれる場合に、前記新しい用紙を含む前記用紙リストを生成して前記印刷プログラムに応答する、
ように構成されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、新しい用紙に対応するためのプログラムセットおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙情報をプリンタないしプリンタドライバに登録する技術が知られている。例えば特許文献1には、ホストコンピュータのプリンタドライバからユーザ定義用紙の情報をネットワークを介してプリンタに送信し、プリンタにてそのユーザ定義用紙の情報を登録する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新しく発売された用紙を利用する場合、少なくともプリンタに印刷を指示するデバイスにおいて、その新しい用紙に関する用紙情報を登録する必要がある。しかしながら、ユーザ自身で新しい用紙に関する用紙情報を登録するのは手間であることに加え、用紙情報を誤って入力する可能性がある。新しい用紙に対応するプリンタドライバを開発し、そのプリンタドライバを配布してもよいが、新しい用紙を発売する度に新しいプリンタドライバを開発するのは、メーカにとって手間である。また、プリンタドライバの更新は、ユーザにとっても手間である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムセットは、デバイスにインストール可能な、印刷プログラムと、プリンタドライバと、を有するプログラムセットであって、前記印刷プログラムは、制御対象のプリンタを選択するプリンタ選択処理と、前記プリンタ選択処理にて前記プリンタが選択されている状態で、前記プリンタドライバに、前記プリンタで対応可能な用紙を示す用紙リストを要求し、前記プリンタドライバから前記用紙リストを取得する用紙リスト取得処理と、を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記プリンタドライバは、前記印刷プログラムから前記用紙リストが要求された場合に、前記デバイスのメモリに設けられた所定の保存領域であって前記プリンタドライバがアクセス可能な前記保存領域に保存されている用紙情報に基づく前記用紙リストを生成し、生成された前記用紙リストを前記印刷プログラムに応答する用紙応答処理を、前記デバイスに実行させ、前記印刷プログラムは、印刷対象の画像データを選択する画像選択処理と、前記プリンタドライバから取得した前記用紙リストに含まれる用紙の1つを選択する用紙選択処理と、印刷指示を受け付け可能であり、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記用紙選択処理にて選択された前記用紙が設定された印刷設定と、前記画像選択処理にて選択された前記画像データと、を前記プリンタドライバに入力する入力処理と、を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記プリンタドライバは、前記印刷プログラムから前記印刷設定および前記画像データが入力された場合に、入力された前記印刷設定に従って、入力された前記画像データをラスタライズして印刷データを生成し、生成された前記印刷データに基づくコマンドを前記プリンタに送信する送信処理を、前記デバイスに実行させ、さらに前記印刷プログラムは、前記デバイスとネットワークを介して接続されるサーバから、前記プリンタ選択処理にて選択された前記プリンタで対応可能な用紙に関する用紙情報を取得する用紙情報取得処理と、前記用紙情報取得処理にて取得された前記用紙情報を、前記保存領域に保存する保存処理と、を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記サーバから取得される前記用紙情報には、新しい用紙に関する情報を含めることが可能であり、前記保存領域に保存されている前記用紙情報に前記新しい用紙に関する情報が含まれる場合、前記プリンタドライバは、前記用紙応答処理にて、前記新しい用紙を含む前記用紙リストを生成する、ように構成される。
【0006】
上記構成を有するプログラムセットでは、デバイスにある印刷プログラムが、選択されているプリンタで対応可能な用紙情報をサーバから取得し、その用紙情報をプリンタドライバが参照する保存領域に保存する。新しい用紙に関する情報を含む用紙情報がサーバにあった場合には、その用紙情報は当該保存領域に保存される。その後、印刷プログラムがプリンタドライバから用紙リストを取得して用紙を選択する場合、プリンタドライバは、その新しい用紙を含む用紙リストを生成し、印刷プログラムは、その用紙リストを取得して用紙の選択を受け付けることができる。そのため、新しい用紙を発売する際、メーカ側でその新しい用紙に関する情報を含む用紙情報をサーバに記憶させていれば、ユーザは、特別な作業を行わなくても、その新しい用紙を選択できるようになる。よって、その新しい用紙に印刷するための手間が少ない。また、新しい用紙の発売に応じてプリンタドライバや印刷プログラムをバージョンアップさせる必要もなく、開発の手間も少ない。
【0007】
上記プログラムセットの機能を実現するための装置、システム、制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示される技術によれば、プリンタに印刷を指示するデバイスにおいて、新しい用紙に対応するための手間を軽減する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るプログラムセットを含むシステムの概略構成図である。
【
図2】用紙情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図3】対応管理データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】テンプレートデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】プログラムセットの動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】プログラムセットの動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】プログラムセットの動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】第2実施形態に係るプログラムセットの動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、プログラムセットを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書では、パーソナルコンピュータ(以下「PC」とする)等のユーザのデバイスにインストールされる印刷プログラムとプリンタドライバとによって実行されるプログラムセットを開示する。
【0011】
(第1実施形態)
例えば
図1に示すように、第1実施形態のデバイス6には、サーバ1とプリンタ5とが接続される。例えば、サーバ1は、プリンタメーカによって提供され、プリンタに使用可能な用紙に対応する用紙情報の管理に用いられる。デバイス6およびプリンタ5は、例えば、ユーザ環境下で使用される。デバイス6は、印刷対象となる画像データの選択や用紙の選択や印刷指示を受け付け、プリンタ5に印刷を実行させることができる。
【0012】
デバイス6には、印刷アプリケーションプログラム(以下「印刷アプリ」とする)23と、プリンタドライバ25とがインストールされている。本形態では、印刷アプリ23とプリンタドライバ25とによって、プログラムセットの一例が構成されている。印刷アプリ23は、プリンタドライバ25から用紙情報を取得して用紙の選択を受け付け、印刷指示を受け付けた場合に、選択された用紙の用紙情報を含む印刷設定に基づく印刷指示を行うコマンドをプリンタドライバ25を介してプリンタ5に送信できる。
【0013】
本形態のプログラムセットは、印刷アプリ23とプリンタドライバ25とが協働して、例えば、新しい用紙が発売された場合にデバイス6をその新しい用紙に対応させるように構成されている。デバイス6、サーバ1、プログラムセットの動作については後述する。
【0014】
本形態のプリンタ5は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたラベル紙を収容し、ラベル紙を巻き出しつつ印刷を行う、いわゆるラベルプリンタである。ラベル紙は、「用紙」の一例である。プリンタ5は、例えば、デバイス6から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されているラベル紙への画像の印刷とラベル紙の搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ突出させる。
【0015】
プリンタ5にて印刷に用いられるラベル紙の種類としては、例えば、長尺テープ、ダイカットラベル、マーク付きメディアがある。長尺テープは、連続した剥離紙の一面に、剥離紙と同様に連続した帯状の用紙が貼着されているものである。ダイカットラベルは、所定の形状に予め整形された用紙が、連続した剥離紙の一面に所定の間隔を空けて貼着されているものである。マーク付きメディアは、ラベル紙の搬送方向に所定の間隔で、予め所定のマークが設けられている用紙である。
【0016】
プリンタ5は、複数種類のラベル紙、あるいは、ラベル紙とインクとを収容する複数種類のカートリッジを、着脱可能に装着できる。ラベル紙は、ラベル紙の用紙幅等に基づいて、プリンタのモデルごとに、装着対象となるプリンタが予め決められている。
【0017】
プリンタ5には、能力を示す能力情報55が記憶されている。能力情報55には、例えば、自装置のモデルを示すモデル情報、自装置に装着可能なラベル紙の用紙情報が含まれる。用紙情報は、例えば 用紙ID、用紙種類、用紙名、用紙サイズ、色が含まれる。プリンタ5が、フルカラー印刷可能である場合、用紙情報は、フルカラー印刷を実行するための画像処理に関する情報を含んでもよい。
【0018】
用紙IDは、用紙の種類を含む型番を識別するための情報である。用紙種類は、例えば、長尺テープ、カットラベル、ラミネートなどである。用紙名は、用紙情報の名前である。プリンタ5による印刷対象の用紙はラベル紙であることから、用紙サイズの情報には、ラベル幅とラベル長さとに対応する用紙幅と用紙長さの情報が含まれる。
【0019】
ラベル幅は、剥離紙に貼着されている用紙のうち、ラベル紙の搬送される方向に直交する方向、すなわち幅方向のサイズであり、ラベル紙ごとに特定されている。ラベル長さは、作成されるラベルのうち、ラベル紙の搬送される方向、すなわち長さ方向のサイズである。用紙が長尺テープであれば、基本的にラベル長さは特定されていない。用紙がダイカットラベルまたはマーク付きメディアであれば、ラベル長さはラベル紙に応じて特定されている。
【0020】
色は、ラベル紙の地色を示すテープ色と、テープに印字される文字等の色を示すインク色と、を含む。
【0021】
プリンタ5は、能力情報55に対応する用紙設定等を受け付けて印刷を実行するためのファームウェア56を備える。本形態のプリンタ5は、ファームウェア56と別に用紙情報を登録可能であり、例えば、新規ラベル紙の用紙情報が追加登録されることによって、ファームウェア56をバージョンアップしなくても、新しい用紙を含む印刷設定を受け付け、印刷を実行することが可能になる。
【0022】
デバイス6は、プリンタに印刷させるための各種のアプリを実行可能な装置である。デバイス6は、例えば、PCでもよいし、スマートフォンやタブレットコンピュータのような携帯端末であってもよい。
【0023】
本形態のデバイス6は、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備える。デバイス6は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。なお、
図1中のコントローラ10は、デバイス6の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にデバイス6に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0024】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12は、ROM、RAMを含み、さらにHDD、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含み、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0025】
ユーザIF13は、表示機能と操作受付機能との両方を備えたタッチパネルを含む。なお、ユーザIF13は、情報を表示するディスプレイ等と、ユーザによる入力操作を受け付けるキーボードやマウス等と、の組み合わせを含んでいても良い。
【0026】
通信IF14は、プリンタ5やサーバ1等の外部装置との通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14の通信方式は、無線でも有線でもよく、また、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、LAN等、どのような規格の方式でもよい。
【0027】
デバイス6のメモリ12には、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、印刷アプリ23と、プリンタドライバ25と、が組み込まれている。OS21は、例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows(登録商標)、MacOS(登録商標)、Linux(登録商標)のいずれかである。
【0028】
本形態の印刷アプリ23は、プリンタ5を使用して各種のラベルを作成するためのアプリケーションプログラムである。印刷アプリ23は、プリンタ5に印刷させる画像の作成、編集、印刷等のユーザによる指示を受け付け、受け付けた指示に基づいて、ユーザIF13への画像の表示やプリンタ5への印刷ジョブの送信を実行する。印刷アプリ23は、複数種類のラベルについてテンプレートを記憶している。印刷アプリ23は、テンプレートを使用することによってラベル作成の手間を軽減することが可能である。
【0029】
なお、本形態の印刷アプリ23は、ユーザの実行指示に基づいて独立して実行可能なプログラムでも良いし、他のプログラムの実行中にそのプログラムから読み出されて実行可能なプログラムでも良い。
【0030】
プリンタドライバ25は、プリンタのモデルごとに設けられるプログラムである。プリンタドライバ25は、プリンタの印刷動作を制御する機能を有する。プリンタドライバ25は、印刷アプリ23と共にプログラムセットを構成する。プログラムセットは、プリンタ5に同梱されてもよいし、アプリケーションサーバからデバイス6にダウンロードされてもよい。
【0031】
既定フォルダ26とカスタムフォルダ27とは、プリンタドライバ25のインストールによってメモリ12に作成される。例えば、OS21がWindowsである場合、既定フォルダ26とカスタムフォルダ27は、レジストリのように、OS21から提供されるデータベースであってもよい。既定フォルダ26とカスタムフォルダ27は「所定の保存領域」の一例である。
【0032】
既定フォルダ26には、例えば、プリンタドライバ25に予め登録されている既定の用紙情報が保存されている。カスタムフォルダ27には、例えば、プリンタドライバ25に追加登録される用紙情報が保存されている。例えば、プリンタドライバ25のインストール後にサーバ1から取得した用紙情報は、カスタムフォルダ27に追加される。
【0033】
プリンタドライバ25は、既定フォルダ26とカスタムフォルダ27とのどちらにもアクセス可能である。プリンタドライバ25は、例えば、既定フォルダ26とカスタムフォルダ27とから用紙情報を取得し、利用可能な用紙のリストである用紙リストを作成する機能を有する。印刷アプリ23は、例えば、詳細な印刷設定の編集指示を受け付けた場合には、プリンタドライバ25から用紙リストを取得し、対応可能なラベル紙を選択可能にデバイス6に表示させることができる。
【0034】
本形態のサーバ1は、用紙情報データベース(以下「用紙情報DB」とする)2と、対応管理データベース(以下、「サンプルDB」とする)3と、テンプレートデータベース(以下「テンプレートDB」とする)4とからデータを読み出し、読み出したデータをそのまま、あるいは、加工して、デバイス6に提供することができる。
【0035】
用紙情報DB2と、対応管理DB3と、テンプレートDB4とは、サーバ1に内蔵されてもよいし、サーバ1と接続可能なウェブサーバに内蔵されてもよい。また、用紙情報DB2と、対応管理DB3と、テンプレートDB4とは、同じウェブサーバにあってもよいし、別々のウェブサーバにあってもよい。
【0036】
例えば
図2に示すように、用紙情報DB2には、ラベル紙に関する情報を含む用紙情報を記憶することができる。用紙情報DB2には、例えば、販売中のラベル紙の用紙情報を記憶できる。例えば、新しいラベル紙が発売された場合、用紙情報DB2には、そのラベル紙の用紙情報DY2を追加できる。
図2は、例えば新しいラベル紙の用紙情報DY2を記憶する前の状態を示す。
図2では、記憶済みの用紙情報を実線で示し、記憶前の用紙情報DY2を破線で示している。
【0037】
例えば
図3に示すように、対応管理DB3には、プリンタのモデルを示すモデル情報に、対応可能なテンプレートのテンプレートIDを1または2以上関連付けて記憶しており、モデルとテンプレートとの対応可否が記憶されている。テンプレートIDは、テンプレートを識別するための情報である。テンプレートIDは「テンプレート情報」の一例である。
【0038】
例えば
図4に示すように、本形態のテンプレートDBに4は、テンプレートに関する情報を記憶することができる。テンプレートに関する情報は、例えば、テンプレートID、テンプレート名、用途、サンプル画像、テンプレート画像、最適用紙サイズ、対応用紙を含む。用途は、テンプレートの用途を示す。用途は、例えば、食品、金額、商品である。テンプレート名は、テンプレートに付された名前である。
【0039】
サンプル画像は、テンプレートの使用例の画像データである。テンプレート画像は、例えば、ラベル作成用のひな形の画像データである。テンプレート画像は、例えば、文字列、コード画像、枠画像、イラストのサンプルを含む。テンプレート画像は、編集可能な画像データであるが、サンプル画像は、表示目的の画像データであり、編集できない。最適用紙サイズは、テンプレートに基づくラベルを作成する際の最適な用紙幅と用紙長さとを含む。
【0040】
対応用紙には、テンプレートに対応可能なラベル紙の用紙IDが記憶されている。例えば、新しいラベル紙がテンプレートID「bb1」のテンプレートに対応する場合、テンプレートID「bb11」に対応付けられた対応用紙の欄には、新しいラベル紙の用紙ID「aa01」が追加される。
図4は、新しいラベル紙の用紙IDを追加する前の状態を示す。
図4では、テンプレートDB4に記憶済みの情報を実線で示し、テンプレートDB4に記憶される前の情報を破線で示している。
【0041】
次に、プログラムセットの動作手順について説明する。ここでは、新しいラベル紙に関する用紙情報をデバイス6およびプリンタ5に登録する場合を例にして説明する。なお、以下の説明では、CPU11、制御部30が実質的な処理を行うが、説明の都合上、「プログラムが…する。」、「装置が…する。」ということがある。
【0042】
図5のシーケンス図に示すように、印刷アプリ23は、プリンタの選択を受け付けると(A01)、選択したプリンタで対応可能なラベル紙の用紙リストをプリンタドライバ25に要求する(A02)。A01は「プリンタ選択処理」の一例である。なお、プリンタの選択は、ラベル作成と別のタイミングで行ってもよい。例えば、プリンタの選択は、印刷アプリ23をデバイス6にインストールしたときに行ってもよいし、印刷アプリ23の起動時に行ってもよいし、印刷設定するときに行ってもよいし、用紙選択時に行ってもよい。
【0043】
例えば
図6に示すように、印刷アプリ23は、ラベル作成画面DA1をデバイス6のユーザIF13に表示させる。ラベル作成画面DA1には、プリンタ選択欄SA11と、ラジオボタンR1,R2と、OKボタンSW1と、キャンセルボタンSW2とが表示されている。印刷アプリ23は、例えば、印刷アプリ23のインストール時に接続可能なプリンタを検索し、検索されたプリンタから能力情報を取得して記憶している。能力情報は、例えば、プリンタ名、モデル情報を含む。プリンタ選択欄SA11には、印刷アプリ23が記憶しているプリンタ名が選択可能に表示される。ラジオボタンR1は、テンプレートを用いずにオリジナルでラベルを作成する指示を受け付ける操作子である。ラジオボタンR2は、テンプレートを用いてラベルを作成する指示を受け付ける操作子である。
【0044】
印刷アプリ23は、例えば、プリンタ選択欄SA11にてプリンタ5を選択し、ラジオボタンR2を選択した状態で、OKボタンSW1がタップされることにより、プリンタの選択を確定させる。
【0045】
この時点のデバイス6には、
図7(b)に示すように、新しいラベル紙の用紙情報DY2がカスタムフォルダ27に追加されていない。そのため、プリンタドライバ25は、
図7(a)に示す既定フォルダ26から既定の用紙情報DX1,DX2を取得し(A03)、
図7(b)に示すカスタムフォルダ27から記憶済みの用紙情報DY1を取得し(A04)、取得した用紙情報DX1,DX2,DY1を含む用紙リストL1を、
図7(c)に示すように生成する(A05)。
【0046】
プリンタドライバ25は、作成した用紙リストL1を、印刷アプリ23に応答する(A06)。これにより、印刷アプリ23は、プリンタドライバ25から用紙リストL1を取得する。
【0047】
印刷アプリ23には、あらかじめサーバ1のアドレスが登録されている。印刷アプリ23は、テンプレート一覧表示指示を受け付けると(B01)、デバイス6の通信IF14を用いて、サーバ1にテンプレートリストの送信を要求する(B02)。この要求には、例えば、印刷アプリ23がプリンタ5から取得したモデル情報「モデル1」が付されている。
【0048】
サーバ1は、デバイス6から受信した要求に応じて、テンプレートリストを生成する(B03)。このとき、用紙情報DB2には、新しいラベル紙の用紙情報DY2が登録され、テンプレートDB4には、テンプレートID「bb1」に対応付けられた対応用紙に、新しいラベル紙の用紙ID「aa101」が記憶されているとする。
【0049】
例えば、サーバ1は、
図3に示す対応管理DB3から、印刷アプリ23から受け取った要求に付されたモデル情報「モデル1」に対応付けられたテンプレートID「bb1」、「bb3」を取得する。サーバ1は、
図4に示すテンプレートDB4から、取得したテンプレートID「bb1」、「bb3」に対応付けられたテンプレートに関する情報を読み出す。例えば、サーバ1は、テンプレートID「bb1」に対応付けられたサンプル画像「SMP1」と、対応用紙「aa11,aa12,aa101」と、を読み出す。また、サーバ1は、テンプレートID「bb3」に対応付けられたサンプル画像「SMP3」と、対応用紙「aa31」と、を読み出す。
【0050】
サーバ1は、例えば
図8に示すように、読み出した情報に基づくテンプレートリストTLを生成する。なお、テンプレートリストには、用途、テンプレート名、最適用紙サイズのうちの少なくとも1つを含めてもよい。
【0051】
図5に示すように、サーバ1は、生成したテンプレートリストTLを、印刷アプリ23に応答する(B04)。つまり、印刷アプリ23は、選択されたプリンタ5に対応するテンプレートリストTLをサーバ1から取得する。B02、B04は「テンプレートリスト取得処理」の一例である。印刷アプリ23は、サーバ1から取得したテンプレートリストTLに基づいて、
図6に示すテンプレート一覧表示画面DA2をデバイス6のユーザIF13に表示させる(B05)。
【0052】
なお、テンプレートリストTLが、テンプレート名、最適用紙サイズを含む場合、それらをテンプレート一覧表示画面DA2に表示してもよい。又、テンプレートリストTLが用途を含む場合、用途別にサンプル画像を分けて表示してもよい。
【0053】
テンプレート一覧表示画面DA2には、
図8に示すテンプレートリストTLに含まれるサンプル画像「SMP1」、「SMP3」が表示される。テンプレート一覧表示画面DA2には、さらに、選択ボタンSW3と、キャンセルボタンSW4とが表示されている。
【0054】
例えば、ユーザがサンプル画像「SMP1」を選択した状態で選択ボタンSW3をタップすると、
図9に示すように、印刷アプリ23がテンプレートの選択を受け付ける(C01)。C01は「テンプレート選択処理」の一例である。印刷アプリ23は、選択されたテンプレートに対応する用紙情報を、テンプレートリストTLから抽出する(C02)。例えば、印刷アプリ23は、
図8に示すテンプレートリストTLから、テンプレート一覧表示画面DA2にて選択されたサンプル画像「SMP3」に対応付けられた対応用紙に記憶された用紙ID「aa11」、「aa12」、「aa101」を抽出する。
【0055】
対応する用紙情報を抽出した印刷アプリ23は、充足判断処理を行う(C03)。充足判断処理は、選択されたテンプレートに対応するラベル紙の用紙情報がプリンタドライバ25に足りているか否かを判断する処理である。例えば、印刷アプリ23は、C02にてテンプレートリストTLから抽出した用紙ID「aa11」、「aa12」、「aa101」を、
図5のA06にてプリンタドライバ25から取得した用紙リストL1(
図7(c)参照)に照合する。
図7(c)の用紙リストL1には、用紙ID「aa11」、「aa12」があるが、用紙ID「aa101」がない。この場合、印刷アプリ23は、用紙ID「aa101」に対応するラベル紙の用紙情報DY2がプリンタドライバ25に足りないと判断する。
【0056】
この場合、印刷アプリ23は、デバイス6の通信IF14を用いて、用紙情報の送信をサーバ1に要求する(C04)。この要求は「送信要求」の一例である。要求には、選択されたテンプレートのテンプレートID「bb1」が付されている。
【0057】
サーバ1は、テンプレートDB4から、印刷アプリ23から受け取った要求に付されたテンプレートID「bb1」に対応する用紙ID「aa11」、「aa12」、「aa101」を抽出し、これらに対応する用紙情報を
図2に示す用紙情報DB2から読み出し、用紙ファイルを作成する(C05)。サーバ1は、作成した用紙ファイルを、デバイス6の印刷アプリ23に送信する(C06)。
【0058】
印刷アプリ23は、通信IF14を用いてサーバ1から用紙ファイルを受信することによって、新しいラベル紙の用紙情報DY2を取得する(C06)。C06は、「用紙情報取得処理」の一例である。印刷アプリ23は、取得した用紙ファイルに含まれる用紙情報をカスタムフォルダ27に保存することにより、新しいラベル紙の用紙情報DY2をカスタムフォルダ27に追加する(D01,D02)。D01、D02は、「保存処理」の一例である。本形態の印刷アプリ23は、用紙ファイルに含まれる用紙情報をカスタムフォルダ27に上書き保存し、選択されたテンプレートに対応する用紙の用紙情報をカスタムフォルダ27に記憶している。
【0059】
このように、印刷アプリ23は、C01にて選択を受け付けたテンプレートに対応可能な用紙の用紙情報を全て網羅した用紙ファイルを取得し、カスタムフォルダ27に保存できる。そのため、印刷アプリ23は、選択したテンプレートに対応する用紙情報を漏れなく取得できる。また、用紙情報DB2には、新しいラベル紙の用紙情報DY2が含まれているので、サーバ1は、新しいラベル紙の用紙情報DY2を含む用紙ファイルを作成できる。そのため、用紙ファイルを取得した印刷アプリ23は、新しいラベル紙の用紙情報DY2をカスタムフォルダ27に保存することができる。
【0060】
印刷アプリ23は、
図6に示すテンプレート一覧表示画面DA2の選択ボタンSW3がタップされると、編集画面DA3をデバイス6のユーザIF13に表示させる(
図10のE01)。編集画面DA3は、
図5のA01で選択されたプリンタ5を選択した状態で表示される。
図6に示す編集画面DA3は、例えば、編集領域SA1と、テキストタブTB1と、用紙設定タブTB2と、印刷ボタンSW5と、を含む。
【0061】
編集領域SA1は、印刷対象となるラベルの画像データを編集する領域である。例えば、サンプル画像「SMP3」に対応するテンプレートを選択してラベルを作成する場合、編集領域SA1には、サンプル画像「SMP3」に対応するテンプレート画像が表示される。印刷アプリ23は、表示対象のテンプレート画像を有する場合、印刷アプリ23からテンプレート画像を読み出して編集領域SA1に表示する。
【0062】
一方、印刷アプリ23が、表示対象のテンプレート画像を有していない場合、テンプレート画像を含む情報の送信をサーバ1に要求してもよい。この場合、その要求には、選択されたテンプレートのテンプレートID「bb1」が付される。サーバ1は、
図4のテンプレートDB4からテンプレートID「bb1」に対応付けられた各種の情報を抽出し、印刷アプリ23に送信する。印刷アプリは、その情報を受信すると、その情報に含まれるテンプレート画像「LY1」を編集領域SA1に表示する。受信した情報は、印刷アプリ23に記憶して通信負荷を小さくしてもよいし、印刷アプリ23に記憶せずにデバイス6のメモリ負荷を小さくしてもよい。
【0063】
テキストタブTB1は、テンプレートに含まれるテキストを入力するための画面に切り替えるための操作子である。用紙設定タブTB2は、ラベル紙を設定するための用紙設定画面SA2に切り替えるための操作子である。用紙設定画面SA2は、例えば、用紙名入力欄SA22、用紙種類設定欄SA23と、色設定欄SA24と、を含む。用紙設定画面SA2では、用紙幅と用紙長さを設定できるようにしてもよい。
【0064】
図10に示すように、印刷アプリ23は、編集画面DA3を表示する場合、プリンタドライバ25に用紙リストの送信を要求する(E02)。プリンタドライバ25は、既定フォルダ26とカスタムフォルダ27とから用紙情報を取得し(E03、E04)、用紙リストを生成する(E05)。
【0065】
図11(b)に示すように、カスタムフォルダ27には、
図9のD01、DA02の処理によって新しいラベル紙に関する用紙情報DY2が追加されている。そのため、プリンタドライバ25は、
図11(a)に示す既定フォルダ26と
図11(b)に示すカスタムフォルダ27に記憶されている用紙情報に基づいて、
図11(c)に示すように、新しいラベル紙の用紙情報DY2を含む用紙リストL2を生成する。
【0066】
図10に示すように、プリンタドライバ25は、生成した用紙リストL2を印刷アプリ23に渡す(E06)。E02、E06は、「用紙リスト取得処理」の一例である。E06は「用紙応答処理」の一例である。印刷アプリ23は、プリンタドライバ25から取得した用紙リストL2に含まれる各項目に設定可能なパラメータを、用紙設定画面SA2に反映させる(E07)。これにより、例えば
図6の図中DTa,DTb,DTcに示すように、用紙設定画面SA2は、用紙名入力欄SA22と、用紙種類設定欄SA23と、色設定欄SA24と、の各プルダウンリストDL1,DL2,DL3に、新しいラベル紙のパラメータ「N101」、「ラミネート」、「青×白」が選択可能に表示される。
【0067】
ユーザとしては、
図6に示すように、テンプレートを選択して画像を編集する操作を行うだけで、用紙設定画面SA2に新しいラベル紙のパラメータが自動的に表示される。よって、用紙設定画面SA2に新しいラベル紙に対応するパラメータを表示させるために、ユーザが特別な操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。
【0068】
また、本形態の印刷アプリ23は、選択されたテンプレートに対応する用紙の用紙情報のみをカスタムフォルダ27に上書き保存している。そのため、プリンタドライバ25が用紙リストL2を生成する場合、選択されたテンプレートに対応する用紙の用紙情報に絞って用紙リストL2を生成することが可能となる。よって、用紙設定画面SA2には、選択したテンプレートに対応する用紙のパラメータが表示され、選択したテンプレートに適さないラベル紙が選択されることを回避できる。
【0069】
ユーザが編集画面DA3の印刷ボタンSW5をタップすると、印刷アプリ23は、
図10に示すように、印刷対象となる画像データの選択と、用紙の選択と、印刷指示と、を受け付ける(F01)。F01は、「画像選択処理」、「用紙選択処理」の一例である。印刷指示を受け付けた印刷アプリ23は、用紙設定画面SA2にて選択されたラベル紙に関する情報を含む印刷設定と、選択された画像データと、をプリンタドライバ25に入力する(F02)。F02は、「入力処理」の一例である。
【0070】
プリンタドライバ25は、印刷指示を受け付けると、新規用紙設定判断処理を行う(F03)。新規用紙設定判断処理は、新たなラベル紙に関する情報が印刷設定に含まれているか否か判断する処理である。例えば、プリンタドライバ25は、カスタムフォルダ27に用紙情報が記憶されている場合には、新たなラベル紙に関する情報が印刷設定に含まれていると判断する。この場合、プリンタドライバ25は、登録コマンドを印刷設定に付与してから(F04)、F05へ進む。一方、プリンタドライバ25は、カスタムフォルダ27に用紙情報が記憶されていない場合には、新たなラベル紙に関する情報が印刷設定に含まれていないと判断する。この場合、プリンタドライバ25は、F04の処理をスキップし、登録コマンドを印刷設定に付与せずにF05へ進む。
【0071】
なお、新規用紙設定判断処理では、カスタムフォルダ27に保存する用紙情報に、新たな用紙か否かを示すフラグを設け、フラグの内容に応じて可惜なラベル紙に関する情報が印刷設定に含まれているか否かを判断してもよい。例えば、新規用紙設定判断処理では、フラグを用いて判断するようにしてもよい。例えば、カスタムフォルダ27に記憶される各用紙情報にフラグを設ける。印刷アプリ23は、
図9のC03の充足判断定処理にて、新しいラベル紙がプリンタドライバ25に足りないと判断した場合、D01,D02にてカスタムフォルダ27に登録する新しいラベル紙の用紙情報DY2のフラグをON状態にする。印刷アプリ23は、既存のラベル紙の用紙情報DX1,DX2,DY1のフラグをOFF状態にする。
【0072】
例えば、プリンタドライバ25が新しいラベル紙に関する用紙情報DY2を含む印刷設定を印刷アプリ23から受け取った場合、新しいラベル紙のフラグはON状態になっている。この場合、プリンタドライバ25は、F03の新規用紙設定判断処理にて、印刷設定には新しいラベル紙に関する情報が含まれていると判断する。この場合、プリンタドライバ25は、登録コマンドを印刷設定に付与してから(F04)、F05へ進む。登録コマンドは、新しいラベル紙に関する情報をプリンタに登録する指示である。なお、プリンタドライバ25は、登録コマンドを付与後、フラグをON状態からOFF状態に切り替える。これにより、その後、当該用紙情報がプリンタに再登録される無駄を抑制できる。
【0073】
一方、例えば、プリンタドライバ25が登録済みのラベル紙に関する用紙情報DY1を含む印刷設定を印刷アプリ23から受け取った場合、既存のラベル紙のフラグはOFF状態になっている。この場合、プリンタドライバ25は、F03の新規用紙設定判断処理にて、印刷設定には新しいラベル紙に関する情報が含まれていないと判断する。この場合、プリンタドライバ25は、F04をスキップして、F05へ進む。つまり、プリンタドライバ25は、登録コマンドを印刷設定に付与しない。
【0074】
プリンタドライバ25は、印刷アプリ23から入力された画像データを印刷設定に基づいてラスタライズして印刷データを生成する(F05)。プリンタドライバ25は、生成した印刷データに基づく印刷コマンドを、デバイス6の通信IF14を用いてプリンタ5に送信する(F06)。印刷コマンドは「コマンド」の一例である。プリンタドライバ25は、印刷アプリ23から受け取った印刷設定を印刷コマンドに付している。印刷設定には、F01にて選択されたラベル紙に関する情報が含まれている。F06は「送信処理」の一例である。
【0075】
F04にて登録コマンドを印刷設定に付与した場合、プリンタドライバ25は、その登録コマンドを印刷コマンドに付す。この場合、プリンタドライバ25は、新しいラベル紙の用紙情報DY2を印刷コマンドに付す。F06は「登録処理」の一例である。
【0076】
プリンタ5は、印刷コマンドを受信すると(F06)、印刷設定に基づいて印刷データを印刷する印刷処理を実行する(F07)。印刷コマンドに登録コマンドが付されている場合、プリンタ5は、印刷設定を含まれる新しいラベル紙に関する情報を、プリンタ5に追加登録する(F07)。よって、ユーザは、プリンタ本体で特別な操作をしたり、ファームウェア56をバージョンアップしたりしなくても、ラベル用の画像データを編集して印刷指示をデバイス6に入力するだけで、プリンタ5を新しいラベル紙に対応させることが可能になる。
【0077】
プリンタ5は、新しいラベル紙を追加登録したら、登録完了通知をプリンタドライバ25に送信する(F08)。そして、プリンタドライバ25は印刷アプリ23に登録完了通知を渡す(F09)。これにより、プリンタドライバ25およびプリンタ5への用紙情報の登録が完了する。
【0078】
以上詳細に説明したように、本形態のプログラムセットでは、デバイス6にある印刷アプリ23が、選択されているプリンタ5で対応可能な用紙情報をサーバ1から取得し、その用紙情報をプリンタドライバ25が参照するカスタムフォルダ27に保存する。新しいラベル紙に関する情報を含む用紙情報DY2がサーバ1にあった場合には、その用紙情報は当該カスタムフォルダ27に保存される。その後、印刷アプリ23がプリンタドライバ25から用紙リストを取得して用紙を選択する場合、プリンタドライバ25は、その新しいラベル紙を含む用紙リストを生成し、印刷アプリ23は、その用紙リストを取得して用紙の選択を受け付けることができる。そのため、新しいラベル紙を発売する際、メーカ側でその新しいラベル紙に関する情報を含む用紙情報DY2をサーバ1に記憶させていれば、ユーザは、特別な作業を行わなくても、その新しいラベル紙を選択できるようになる。よって、その新しいラベル紙に印刷するための手間が少ない。また、新しいラベル紙の発売に応じてプリンタドライバ25や印刷アプリ23をバージョンアップさせる必要もなく、開発の手間も少ない。
【0079】
(第2実施形態)
続いて、プログラムセットの第2実施形態について
図12のシーケンス図を参照して説明する。本形態は、印刷アプリ23が主体となって新しいラベル紙に関する情報をプリンタ5に登録する点が、プリンタドライバ25が主体となって登録を行う第1実施形態と相違している。その他の点は、第1実施形態と共通する。ここでは、第1実施形態と共通構成および処理には、第1実施形態と同じ符号を使用し、適宜説明を省略する。
【0080】
印刷アプリ23は、サーバ1から用紙情報ファイルを取得した後(C06)、新規用紙設定判断処理を実行する(F03)。印刷アプリ23は、用紙情報ファイルに含まれる用紙情報に、新たなラベル紙に関する情報が含まれていると判断した場合、新たなラベル紙に関する情報をプリンタ5に登録することをプリンタドライバ25に要求する(H01)。この登録要求には、新しいラベル紙に関する情報を含む用紙情報DY2が付されている。H01は「登録要求処理」の一例である。一方、印刷アプリ23は、用紙情報ファイルに含まれる用紙情報に、新たなラベル紙に関する情報が含まれていると判断した場合、プリンタドライバ25に登録要求を行わない。
【0081】
プリンタドライバ25は、印刷アプリ23からの登録要求に応じて、用紙情報を登録する登録コマンドをデバイス6の通信IF14を介して選択されているプリンタ5に送信する(H02)。登録コマンドには、新しいラベル紙に関する用紙情報DY2が付されている。
【0082】
プリンタ5は、登録コマンドをデバイス6から受信すると、登録コマンドに付された用紙情報DY2を能力情報55に追加登録する(H03)。これにより、プリンタ5は、ファームウェア56をバージョンアップしなくても、新しいラベル紙に関する用紙設定を受け付け、印刷を実行することが可能になる。
【0083】
用紙情報DY2を自装置に追加登録したプリンタ5は、登録が完了したことを通知する登録完了通知をプリンタドライバ25に送信する(H04)。プリンタドライバ25は、その登録完了通知を印刷アプリ23に渡す(H05)。
【0084】
以上説明した通り、本形態のプログラムセットでは、サーバ1から取得した用紙情報に新たなラベル紙に関する情報を含む用紙情報DY2があった場合に、プリンタドライバ25から新たなラベル紙の登録をプリンタ5に指示できることで、印刷指示が受け付けられる前であっても、プリンタ本体でその新たなラベル紙が選択できるようになる。
【0085】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、プリンタ5は、感熱式のラベルプリンタであってもよい。プリンタ5は、A4サイズ、B5サイズなどのカット紙ないし定形紙に印刷可能なプリンタであってもよい。
【0086】
サーバ1から用紙情報を取得するタイミングは、用紙の選択時に限らず、例えばプリンタの選択時、テンプレートの選択時であってもよい。
【0087】
図10のF03、F04の処理、
図12のH01~H05の処理を省略し、プリンタドライバ25が新規用紙情報の登録をプリンタ5に要求しない構成にしてもよい。ただし、プリンタドライバ25が新規用紙情報の登録をプリンタ5に要求する構成とすれば、プリンタドライバ25から新たなラベル紙に関する情報をプリンタ5に登録できるようになり、プリンタ本体でもその新たなラベル紙が選択できるようになる。
【0088】
図10に示すF06と異なるタイミングで、登録コマンドをプリンタ5に送信してもよい。ただし、印刷指示があって新規用紙情報がある場合にその新規用紙情報の登録をプリンタ5に要求するようにすれば、新しいラベル紙が設定された印刷タイミングで新しいラベル紙の情報がプリンタ5に登録されるようになる。これにより、プリンタ5がその新しいラベル紙での印刷が可能になる。一方、その新しいラベル紙での印刷が行われない場合には、そのようなラベル紙の情報が不要であるため、その新しいラベル紙での印刷が指示されるまではその新しいラベル紙の情報をプリンタ5に登録しないことで、プリンタ5のメモリ負荷の増大を抑制できる。
【0089】
図9に示すC04の処理では、印刷アプリ23は、テンプレートIDに代えて、充足判断処理にて足りないと判断されたラベル紙の用紙IDを送信要求に付し、足りないラベル紙の用紙情報を取得するようにしてもよい。これによれば、印刷アプリ23は、例えば、新しいラベル紙の用紙情報のみをサーバ1から取得してカスタムフォルダに記憶することができ、通信負荷あるいは処理負荷を軽減できる。
【0090】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0091】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 サーバ
5 プリンタ
6 デバイス
12 印刷アプリ
25 プリンタドライバ
27 カスタムフォルダ