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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085120
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】プログラムセットおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240619BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 303
G06F3/12 328
G06F3/12 385
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199474
(22)【出願日】2022-12-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西崎 孝志
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP08
(57)【要約】
【課題】プリンタドライバが組み込まれないデバイスであっても、設定情報をプリンタに登録できる技術を提供すること。
【解決手段】プログラムセットは、ユーザのモバイル端末6にある印刷アプリ23によって取得されたプリンタ5Aの識別情報51が登録アプリ42に入力される(B02,B03)。プログラムセットは、管理サーバ1にある登録アプリ42によって、プリンタ5Aを選択した状態で用紙情報52xの入力を受け付ける(B06)。登録アプリ42は、受け付けた用紙情報52xを、印刷アプリ23によって入力された識別情報51に関連付けて、登録DB2に記憶するとともに(C07)、更新コマンドをプリンタ5Aに通知する(C01,C02)。プリンタ5Aは、更新コマンドに応じて、登録DB2に登録された用紙情報52xを取得し、自装置に登録する(D01~D04)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタドライバを介さずにプリンタを制御可能なデバイスにインストールされる印刷プログラムと、
前記デバイスとネットワークを介して接続可能なサーバにインストールされる登録プログラムと、
を有するプログラムセットであって、
前記印刷プログラムは、
制御対象のプリンタを選択する選択処理と、
印刷指示の入力を受け付け可能であり、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記選択処理にて選択された前記プリンタに印刷コマンドを送信する印刷処理と、
前記選択処理にて選択された前記プリンタから前記プリンタを識別する識別情報を取得し、取得された前記識別情報を前記登録プログラムに入力する識別情報入力処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、
前記登録プログラムは、
前記印刷プログラムから前記識別情報が入力された状態で、前記デバイスから設定情報の入力と登録指示の入力とを受け付ける受付処理を前記サーバに実行させることが可能であり、
前記登録プログラムはさらに、
前記受付処理にて前記登録指示が受け付けられた場合に、
前記受付処理にて受け付けられた前記設定情報を、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報と関連付けて、データベースに登録する登録処理と、
前記印刷プログラムから入力された前記識別情報に対応する前記プリンタに、更新コマンドを通知する通知処理と、
を前記サーバに実行させ、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、前記データベースから、自身の前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を取得して登録する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記登録プログラムは、
前記通知処理を実行した後、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報に対応する前記プリンタから完了信号が通知された場合に、前記デバイスに前記設定情報の登録完了を報知させる完了処理を、前記サーバに実行させ、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、前記設定情報の登録が完了した場合に、前記完了信号を前記登録プログラムに通知する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項3】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記登録プログラムは、
前記通知処理では、通知サーバに、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報に対応する前記プリンタに対して、前記更新コマンドをプッシュ通知させ、前記通知サーバからの前記更新コマンドがプッシュ通知された前記プリンタは、前記データベースから、自身の前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を取得して登録する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項4】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記登録プログラムは、ウェブサーバ機能を有し、前記設定情報の入力と前記登録指示の入力とを受け付けるウェブページを提供可能であり、前記受付処理では、前記ウェブページを介して前記設定情報の入力と前記登録指示の入力とを受け付け、
前記印刷プログラムは、
前記登録プログラムにアクセスして前記ウェブページを前記デバイスに表示させ、
前記登録プログラムは、
前記ウェブページを介して前記デバイスから前記登録指示が受け付けられた場合に、前記登録処理にて、前記ウェブページを介して前記デバイスから入力された前記設定情報を、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報と関連付けて、前記データベースに登録する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項5】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記登録プログラムは、
前記デバイスからのアクセスを受け付ける第1プログラムと、前記プリンタからのアクセスを受け付ける第2プログラムと、を有し、
前記印刷プログラムは、
前記識別情報入力処理にて前記識別情報を前記第1プログラムに入力し、
前記第1プログラムは、
前記受付処理と前記登録処理とを前記サーバに実行させ、前記登録処理の実行後、前記第2プログラムに通知コマンドを入力する通知入力処理を前記サーバに実行させ、
前記第2プログラムは、
前記第1プログラムから前記通知コマンドが入力された場合に、前記通知処理を前記サーバに実行させ、
さらに前記第2プログラムは、
前記更新コマンドが通知された前記プリンタからの送信コマンドを受信した場合に、問い合わせ元の前記プリンタの前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を前記データベースから読み出し、読み出された前記設定情報を問い合わせ元の前記プリンタに応答する応答処理を前記サーバに実行させ、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、自身の前記識別情報と関連付けて前記送信コマンドを前記第2プログラムに送信し、前記第2プログラムから応答される前記設定情報を取得して登録する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項6】
請求項1に記載するプログラムセットにおいて、
前記登録プログラムは、
前記受付処理にて、前記設定情報として用紙情報の入力を受け付け、
前記登録処理にて、前記受付処理にて受け付けられた前記用紙情報を、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報と関連付けて、前記データベースに登録し、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、前記データベースから、自身の前記識別情報に関連付けられた前記用紙情報を取得して登録し、
前記印刷プログラムは、
前記選択処理にて選択された前記プリンタに登録されている前記用紙情報を取得し、取得された前記用紙情報に基づいて用紙の選択を受け付ける用紙選択処理を前記デバイスに実行させることが可能である、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項7】
請求項6に記載するプログラムセットにおいて、
前記印刷プログラムは、
前記用紙選択処理にて、前記選択処理にて選択された前記プリンタから、登録されている前記用紙情報を取得する、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項8】
請求項6に記載するプログラムセットにおいて、
前記用紙情報は、複数のパラメータで構成され、前記登録プログラムは、用紙の種類を特定する特定情報と、前記用紙情報に含まれる前記複数のパラメータと、を対応付けて記憶する用紙情報リストにアクセス可能であり、
前記登録プログラムは、
前記受付処理にて、前記特定情報の入力を受け付け、前記特定情報に対応する前記用紙情報を前記用紙情報リストから取得し、取得された前記用紙情報の入力を受け付ける、
ように構成されるプログラムセット。
【請求項9】
プリンタドライバを介さずにプリンタを制御可能なデバイスにインストールされる印刷プログラムであって、
前記印刷プログラムは、
制御対象のプリンタを選択する選択処理と、
印刷指示の入力を受け付け可能であり、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記選択処理にて選択された前記プリンタに印刷コマンドを送信する印刷処理と、
前記選択処理にて選択された前記プリンタから前記プリンタを識別する識別情報を取得し、サーバにインストールされている登録プログラムに、取得された前記識別情報を入力する識別情報入力処理と、
を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記登録プログラムは、前記デバイスとネットワークを介して接続可能なサーバにインストールされるプログラムであり、前記登録プログラムは、前記印刷プログラムから前記識別情報が入力された状態で、前記デバイスから設定情報の入力と登録指示の入力とを受け付ける処理を前記サーバに実行させることが可能であり、さらに前記登録指示が受け付けられた場合に、受け付けられた前記設定情報を、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報と関連付けて、データベースに登録する処理と、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報に対応する前記プリンタに、更新コマンドを通知する処理とを前記サーバに実行させ、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、前記データベースから、自身の前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を取得して登録する、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
サーバにインストールされる登録プログラムであって、
前記サーバは、プリンタドライバを介さずにプリンタを制御可能なデバイスとネットワークを介して接続可能であり、前記デバイスには、印刷プログラムがインストールされており、前記印刷プログラムは、制御対象のプリンタを識別する識別情報を前記登録プログラムに入力する処理を前記デバイスに実行させることが可能であり、
前記登録プログラムは、
前記印刷プログラムから前記識別情報が入力された状態で、前記デバイスから設定情報の入力と登録指示の入力とを受け付ける受付処理を前記サーバに実行させることが可能であり、
前記登録プログラムはさらに、
前記受付処理にて前記登録指示が受け付けられた場合に、
前記受付処理にて受け付けられた前記設定情報を、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報と関連付けて、データベースに登録する登録処理と、
前記印刷プログラムから入力された前記識別情報に対応する前記プリンタに、更新コマンドを通知する通知処理と、
を前記サーバに実行させ、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、前記データベースから、自身の前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を取得して登録する、
ように構成されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、設定情報をプリンタに登録するためのプログラムセットおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタの設定情報を外部装置のプログラムから登録する技術が知られている。例えば特許文献1には、ホストコンピュータのプリンタドライバからユーザ定義用紙の情報をネットワークを介してプリンタに送信し、プリンタにてそのユーザ定義用紙の情報を登録する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-092289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、プリンタドライバをインストールせずにプリンタを制御する技術が知られており、そのようなプリンタドライバを有しないデバイスからはプリンタに設定情報を登録できない問題がある。プリンタドライバを有しないデバイスには、プリンタに印刷を指示するための印刷プログラムが用意される場合があり、その印刷プログラムに設定情報の登録機能を持たせることも考えられるが、登録機能に変更や修正があった場合にその印刷プログラムのバージョンアップが必要になるため、印刷プログラムのメンテナンスの頻度が高くなる。印刷プログラムとは別に、プリンタに設定情報を登録するための専用プログラムをデバイスに用意することも考えられるが、2つのプログラムをデバイスにインストールする必要があり、使い勝手が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムセットは、プリンタドライバを介さずにプリンタを制御可能なデバイスにインストールされる印刷プログラムと、前記デバイスとネットワークを介して接続可能なサーバにインストールされる登録プログラムと、を有するプログラムセットであって、前記印刷プログラムは、制御対象のプリンタを選択する選択処理と、印刷指示の入力を受け付け可能であり、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記選択処理にて選択された前記プリンタに印刷コマンドを送信する印刷処理と、前記選択処理にて選択された前記プリンタから前記プリンタを識別する識別情報を取得し、取得された前記識別情報を前記登録プログラムに入力する識別情報入力処理と、を前記デバイスに実行させることが可能であり、前記登録プログラムは、前記印刷プログラムから前記識別情報が入力された状態で、前記デバイスから設定情報の入力と登録指示の入力とを受け付ける受付処理を前記サーバに実行させることが可能であり、前記登録プログラムはさらに、前記受付処理にて前記登録指示が受け付けられた場合に、前記受付処理にて受け付けられた前記設定情報を、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報と関連付けて、データベースに登録する登録処理と、前記印刷プログラムから入力された前記識別情報に対応する前記プリンタに、更新コマンドを通知する通知処理と、を前記サーバに実行させ、前記更新コマンドが通知された前記プリンタは、前記データベースから、自身の前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を取得して登録する、ように構成される。
【0006】
上記のように構成されたプログラムセットは、ユーザのデバイスにある印刷プログラムによって、選択されたプリンタの識別情報を取得し、サーバにある登録プログラムに入力する。プログラムセットは、サーバにある登録プログラムによって設定情報の入力を受け付け、受け付けた設定情報を、印刷プログラムによって登録プログラムに入力された識別情報と関連付けて、データベースに記憶する。データベースに設定情報を記憶した登録プログラムは、プリンタに更新コマンドを通知する。プリンタは、その更新コマンドの通知に応じて、登録プログラムが受け付けた設定情報をデータベースから取得して自装置に登録する。これにより、プリンタドライバを有しないデバイスであっても、印刷プログラムおよび登録プログラムを介して設定情報をプリンタに登録できる。この設定情報の登録手順の中で、プリンタへの設定情報の登録はサーバにある登録プログラムが行っている。そのため、登録機能に変更や修正があった場合には登録プログラムのバージョンアップになるため、ユーザのデバイスにインストールされる印刷プログラムをバージョンアップする作業は生じない。また、設定情報を登録するための専用プログラムは不要であるため、印刷プログラムと別に専用プログラムをユーザのデバイスにインストールするといった作業も生じない。
【0007】
上記プログラムセットの機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示される技術によれば、プリンタドライバが組み込まれないデバイスであっても、設定情報をプリンタに登録できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】プログラムセットを備える設定情報登録システムの概略構成図である。
図2】登録データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図3】設定情報登録の手順を説明するシーケンス図である。
図4】設定情報登録の手順を説明するシーケンス図である。
図5】用紙情報登録画面の一例を示す図である。
図6】用紙情報リストの一例を示す図である。
図7】登録完了通知画面の一例を示す図である。
図8】設定情報登録の手順を説明するシーケンス図である。
図9】印刷設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、プログラムセットを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書では、プリンタドライバを介さずにプリンタを制御可能なデバイスと、ネットワークを介してデバイスと接続するサーバと、によって実行されるプログラムセットを開示する。
【0011】
例えば図1に示す設定情報登録システム100は、管理サーバ1と、登録データベース(以下「登録DB」とする)2と、プリンタ5A,5Bと、モバイル端末6と、を備える。管理サーバ1は「サーバ」の一例である。登録DB2は「データベース」の一例である、モバイル端末6は「デバイス」の一例である。
【0012】
モバイル端末6およびプリンタ5A,5Bは、例えば、支社に設置され、ユーザの環境下にある。管理サーバ1および登録DB2は、設定情報登録システム100を管理する管理会社に設置され、管理者の環境下にある。管理会社は、例えば、本社であってもよいし、プリンタメーカであってもよい。支社は、複数あってもよく、各支社にプリンタが配置される。
【0013】
本形態では、モバイル端末6にインストールされている印刷アプリケーションプログラム(以下「印刷アプリ」とする)23と、管理サーバ1にインストールされている登録アプリケーションプログラム(以下「登録アプリ42」とする)とが、「プログラムセット」の一例を構成している。印刷アプリ23は「印刷プログラム」の一例である。登録アプリ42は「登録プログラム」の一例である。印刷アプリ23、登録アプリ42、プログラムセットについては、後述する。
【0014】
管理サーバ1とプリンタ5A,5Bとは、ネットワーク9を介して接続可能な構成となっている。プリンタ5A,5Bは、中継アプリを介して管理サーバ1と接続してもよい。モバイル端末6は、例えば、プリンタ5A,5Bと通信可能に接続し、プリンタ5A,5Bを制御することが可能である。モバイル端末6は、アクセスポイントを介してプリンタ5A,5Bに接続してもよし、アクセスポイントを介さずにプリンタ5A,5Bにダイレクトに接続してもよい。以下の説明において、プリンタ5A,5Bは、「プリンタ5」と総称する場合がある。
【0015】
プリンタ5は、少なくとも印刷機能と通信機能とを有する装置である。本形態のプリンタ5は、ネットワークを介して通信を行うインタフェースを有する。プリンタ5は、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near field communication)のように、1対1で無線通信を行うインタフェースを有してもよい。
【0016】
プリンタ5は、用紙の搬送と用紙への印刷とを並行して行う。以下の説明では、プリンタ5が用紙を搬送する搬送方向を長さ方向とし、搬送方向に対して直交する方向を幅方向とする。プリンタ5は、印刷機能の他、FAX機能、スキャン機能などを備えていてもよい。プリンタ5は、長尺のテープやカットラベルに印刷を実行し、ラベルを作成するラベルプリンタであってもよい。
【0017】
プリンタ5は、識別情報51を記憶している。識別情報51は、プリンタ5を識別するための情報である。識別情報51は、例えば、プリンタ5の製造番号、製造番号とモデル情報との組み合わせ、MACアドレスである。
【0018】
プリンタ5には、用紙情報52を登録することが可能である。用紙情報52は、「設定情報」の一例である。用紙情報52は、プリンタ5に追加されたり、削除されたりすることができる。図1は、用紙情報52xが登録される前の状態を示す。図1は、登録済みの用紙情報52を実線で示し、登録前の用紙情報52xを破線で示している。
【0019】
用紙情報52,52xは、例えば、用紙名、用紙種類、用紙サイズを含む。用紙名は、用紙情報に付される名称である。用紙種類は、例えば、普通紙、光沢紙、レター、カットラベルである。用紙サイズは、例えば、用紙幅と、用紙長さと、を含む。用紙幅と用紙長さは、A4やA5などの定型サイズでもよいし、ユーザが定義したサイズでもよい。
【0020】
プリンタ5は、登録済みの用紙情報52に対応する印刷設定を受け付け、印刷を実行できる。例えば、プリンタ5で対応可能な用紙、例えばラベルが、新たに発売されたとしても、その新商品の用紙情報がプリンタ5に未登録の場合、当該プリンタ5は新商品の用紙への印刷に失敗する可能性がある。一方、プリンタ5は、新商品の用紙情報を追加登録された場合、新商品の用紙への適切な印刷が可能になる。用紙情報52xの登録は、例えば、プログラムセットを用いて行うことができる。プログラムセット、および、用紙情報52xをプリンタ5に登録する手順については、後述する。
【0021】
モバイル端末6は、通信機能を有する携帯可能なデバイスである。モバイル端末6は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータである。モバイル端末6は、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。また、モバイル端末6は、タッチパネル13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、カメラ16と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。タッチパネル13は「ユーザインタフェース」の一例である。
【0022】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12は、例えば、フラッシュメモリ、ROM、RAM、である。メモリ12は、各種のアプリ等の各種のプログラムや、画像データ、文書データ等の各種のデータが記憶される記憶領域である。メモリ32は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。
【0023】
タッチパネル13は、情報を報知する画面を表示する表示機能と、ユーザによる操作を受け付ける操作受け付け機能と、を含むハードウェアを含む。通信IF14は、例えば、無線LANインタフェースを含み、Wi-Fi方式によって外部装置と無線通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14は、さらに他の通信規格に対応する構成、例えば、Bluetooth(登録商標)やG5(第5世代移動通信)の通信を行うハードウェアを含んでいても良い。 カメラ16は、画像を撮影して、画像データを取得するためハードウェアを含む。モバイル端末6は、例えば、カメラ16を用いてQRコードを読み取ることができる。
【0024】
本形態のモバイル端末6のメモリ12には、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、印刷アプリ23と、ブラウザ24と、が記憶されている。OS21は、例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、である。
【0025】
印刷アプリ23は、例えば、プリンタ5のベンダによって提供される。印刷アプリ23は、プリンタ5に印刷を指示するためのプログラムである。印刷アプリ23は、印刷する画像の選択と、印刷に関する各種の指示を受け付け、指示に応じた処理を実行する。印刷アプリ23は、モバイル端末6のように、プリンタドライバを介さずにプリンタを制御可能なデバイスにインストールされる。印刷アプリ23は、印刷する画像を編集する機能を有していてもよい。印刷アプリ23については、後述する。
【0026】
本形態の管理サーバ1は、ネットワーク9を介して接続する各プリンタを管理している。また、管理サーバ1は、用紙情報の登録を管理できる。管理サーバ1は、制御部30と、通信インタフェース(以下「通信IF」とする)31と、メモリ32と、を備えている。制御部30は、自装置のメモリ32から読み出したプログラムに従って、また、管理者の操作に基づいて、各種の処理を実行する。
【0027】
通信IF31は、プリンタ5、モバイル端末6、通知サーバ3などの外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。例えば、管理サーバ1が接続する管理会社内のネットワークと、プリンタ5が接続する支社内のネットワークと、がインターネットを介して接続することにより、管理サーバ1がプリンタ5に接続してもよい。
【0028】
管理サーバ1は、ネットワーク9を介して通知サーバ3に接続する。通知サーバ3は、管理サーバ1からの要求に応じて、ネットワーク9に接続される各プリンタにプッシュ通知を送信する。管理サーバ1は、ネットワーク9と異なるネットワークを介して、あるいは、ダイレクトに通知サーバ3と接続してもよい。
【0029】
メモリ32には、各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。本形態のメモリ32は、プリンタデータベース(以下「プリンタDB」とする)41を備えている。プリンタDB41には、例えば、管理サーバ1によって管理されるプリンタごとに、識別情報と、モデル情報と、アドレス情報と、が関連付けて記憶されている。
【0030】
本形態のメモリ32には、登録アプリ42が記憶されている。登録アプリ42は、登録DB2にアクセス可能である。登録アプリ42および登録DB2は、例えば、印刷アプリ23と同じベンダから提供されている。
【0031】
図2に示すように、登録DB2は、プリンタの識別情報と、プリンタに登録する用紙情報と、を関連付けて記憶することが可能である。図2は、追加登録する用紙情報52xを記憶する前の状態を示す。図2では、登録DB2に登録済みの用紙情報52を実線で示し、登録前の用紙情報52xを破線で示している。登録DB2は、管理サーバ1のメモリ32に設けられてもよいし、管理サーバ1と別の場所に設けられてもよい。登録アプリ42は、用紙情報の入力を受け付けて登録DB2に登録する機能を有する。また、登録アプリ42は、登録DB2に登録された用紙情報をプリンタに送信する機能を有する。
【0032】
図1に示す登録アプリ42は、1つのプログラムで構成されていてもよいし、機能ごとに複数のプログラムによって構成されていてもよい。本形態の登録アプリ42は、第1アプリケーションプログラム(以下「第1アプリ」とする)421と、第2アプリケーションプログラム(以下「第2アプリ」とする)422と、を有する。
【0033】
第1アプリ421は、用紙情報を登録DB2に登録するためのプログラムである。第1アプリ421は、ウェブサーバとして機能するプログラムであり、ウェブページを介して外部から入力を受け付けることが可能である。第2アプリ422は、用紙情報をプリンタに送信するためのプログラムである。第1アプリ421は「第1プログラム」の一例である。第2アプリ422は「第2プログラム」の一例である。
【0034】
管理サーバ1は、複数のデバイスで構成されていてもよい。この場合、第1アプリ421と第2アプリ422とは、同じデバイスにインストールされてもよいし、別々のデバイスにインストールされていてもよい。例えば、第2アプリ422は管理サーバ1にインストールされ、第1アプリ421は管理サーバ1と別のデバイスにインストールされてもよい。
【0035】
本形態では、登録アプリ42と印刷アプリ23とによってプログラムセットが構成され、印刷アプリ23と登録アプリ42とが協働して用紙情報52xをプリンタ5に登録する機能を実現している。
【0036】
次に、プログラムセットの動作手順について説明する。ここでは、新商品の用紙に関する用紙情報52xをプリンタ5Aに登録する場合を例にして説明する。モバイル端末6は、プリンタ5Aに用紙情報52xを登録する前提として、登録先となるプリンタ5Aの識別情報51を取得する必要がある。そこで、まず、モバイル端末6が識別情報51を取得する手順を、図3に示すシーケンス図を参照して説明する。
【0037】
以下の説明では、CPU11、制御部30が実質的な処理を行うが、説明の都合上、「プログラムが…する。」、「装置が…する。」ということがある。
【0038】
モバイル端末6にある印刷アプリ23は、制御対象となるプリンタを選択するプリンタ選択指示を受け付けると(A01)、通信IF14を介して、モバイル端末6に接続可能なプリンタを検索する(A02)。印刷アプリ23は、例えば、検索によってプリンタ5A,5Bを検出した場合、プリンタ5A,5Bから能力情報を取得する。能力情報は、例えば、識別情報51、プリンタ名、モデル情報を含む。なお、プリンタ選択指示は、印刷アプリ23のインストール時に受け付けてもよいし、印刷設定時に受け付けてもよいし、用紙情報登録時に受け付けてもよい。
【0039】
印刷アプリ23は、検索されたプリンタ5A,5Bのプリンタ名をモバイル端末6のタッチパネル13に一覧表示する(A03)。ユーザがタッチパネル13に表示されるプリンタ5Aのプリンタ名をタッチすると、印刷アプリ23は、プリンタ5Aの選択を受け付ける(A04)。A04は「選択処理」の一例である。
【0040】
印刷アプリ23は、選択されたプリンタ5Aの識別情報51を、A02のプリンタ選択時に取得している。印刷アプリ23は、そのプリンタ5Aの識別情報51を、メモリ12に設けられた印刷アプリ23用の記憶領域に記憶する(A05)。識別情報51がメモリ12に記憶されることにより、次回以降、ユーザがプリンタ5を選択する作業を省略できる。
【0041】
次に、新商品の用紙情報52xをプリンタ5Aに登録する手順について、図4に示すシーケンス図を参照して説明する。印刷アプリ23は、例えば、用紙を選択する画面に用紙情報追加ボタンを設ける。印刷アプリ23は、用紙情報追加ボタンが操作されることによって、用紙追加指示を受け付ける(B01)。
【0042】
印刷アプリ23は、あらかじめ、第1アプリ421によって提供される第1ウェブページのURLを記憶している。第1ウェブページは、用紙情報の入力を受け付けるためのウェブページである。印刷アプリ23は、用紙情報追加指示を受け付けたことによってブラウザ24を起動して、第1ウェブページのURLをブラウザ24に渡す(B02)。これにより、モバイル端末6は、通信IF14を介して、第1ウェブページの表示を要求する第1表示要求を、管理サーバ1にある第1アプリ421に送信する(B03)。
【0043】
第1表示要求には、図3のA02にて印刷アプリ23がプリンタ5Aから取得したプリンタ5Aの識別情報51が付されている。本形態では、プリンタ5Aの識別情報51がメモリ12から読み出されて第1表示要求に付されている。B02,B03は、「識別情報入力処理」の一例である。
【0044】
管理サーバ1にある第1アプリ421は、モバイル端末6から受信した第1表示要求に応じて、第1ウェブページ情報をモバイル端末6のブラウザ24に提供する(B04)。つまり、管理サーバ1は、通信IF31を介して、モバイル端末6に第1ウェブページ情報を応答する。第1アプリ421によって提供される第1ウェブページ情報には、第1ウェブページを表示するための情報が含まれる。第1ウェブページ情報は、例えば、第1ウェブページが入力を受け付ける用紙情報の項目、各種の入力欄およびボタンのレイアウトを含む。
【0045】
モバイル端末6が通信IF14を介して第1ウェブページ情報を受信すると、印刷アプリ23によって起動されたブラウザ24が、その第1ウェブページ情報に基づいて第1ウェブページをモバイル端末6のタッチパネル13に表示させる(B05)。
【0046】
例えば図5に示すように、第1アプリ421から提供される第1ウェブページWP1には、用紙名入力欄SA1と、用紙種類入力欄SA2と、用紙サイズ入力欄SA3と、登録ボタンSW1と、キャンセルボタンSW2と、コード入力ボタンSW3と、が表示される。用紙サイズ入力欄SA3は、用紙幅を設定するための用紙幅入力欄SA4と、用紙長さを設定するための用紙長さ入力欄SA5と、を含む。管理サーバ1にある第1アプリ421は、モバイル端末6のタッチパネル13に表示させた第1ウェブページWP1の各入力欄SA1,SA2,SA4,SA5にパラメータが入力されることにより、用紙情報の入力を受け付ける。
【0047】
なお、第1アプリ421は、用紙情報の入力を自動化してもよい。例えば、第1アプリ421は、第1ウェブページWP1のコード入力ボタンSW3が操作された場合、用紙の種類を特定する用紙IDを入力するための用紙ID入力画面を、モバイル端末6のブラウザ24に表示させる。第1アプリ421は、用紙ID入力画面を介して用紙IDを受け付けると、図6に示す用紙情報リストLSにアクセスする。用紙情報リストLSは、登録アプリ42が有していてもよいし、プリンタメーカのサーバにあってもよい。用紙情報リストLSは、モバイル端末6に記憶されていてもよい。
【0048】
用紙情報リストLSには、用紙情報に含まれる用紙名、用紙種類、用紙幅、用紙長さのパラメータが、用紙IDに対応付けて記憶されている。用紙IDは、「特定情報」の一例である。用紙名、用紙種類、用紙幅、用紙長さのパラメータは、「複数のパラメータ」の一例である。
【0049】
用紙情報リストLSには、用紙情報を追加したり、削除したりすることができる。図6に示す用紙情報リストLSは、新商品の用紙情報52xが登録される前の状態を示す。図6では、用紙情報リストLSに登録済みの用紙情報を実線で示し、未登録の用紙情報を破線で示している。例えば、新商品の用紙が発売される場合、用紙情報リストLSには、新商品の用紙ID「aaX」、用紙名「NX」、用紙種類「KX」、用紙幅「WX」、用紙長さ「LX」が追加登録される。
【0050】
例えば、第1アプリ421は、用紙ID入力画面を介して用紙ID「aa3」の入力を受け付けた場合、用紙情報リストLSから、用紙ID「aa3」に対応付けられた用紙名「N21」、用紙種類「K2」、用紙幅「W21」、用紙長さ「L21」を読み出し、読み出したパラメータを第1ウェブページWP1の用紙名入力欄SA1と、用紙種類入力欄SA2と、用紙幅入力欄SA4と、用紙長さ入力欄SA5とにそれぞれ自動入力する。これによれば、第1アプリ421は、複数のパラメータを含む用紙情報の入力について、用紙ID「aa3」の入力だけで済み、ユーザが用紙情報のパラメータを入力する手間を省くことができる。
【0051】
用紙IDは、手入力されてもよいし、自動入力されてもよい。例えば、商品の販売時にパッケージに用紙IDが印刷されている場合、ユーザはその用紙IDを用紙ID入力画面に手入力する。例えば、用紙IDを含むQRコードがパッケージに印刷されている場合、第1アプリ421は、モバイル端末6のカメラ16を起動し、パッケージに印刷されたQRコードをカメラ16に読み取らせる。第1アプリ421は、モバイル端末6が読み取ったQRコードを取得して解析することにより用紙IDを取得し、用紙ID入力画面に自動入力する。
【0052】
QRコードには、用紙名、用紙種類、用紙幅、用紙長のパラメータが含まれていてもよい。この場合、第1アプリ421は、用紙情報リストLSにアクセスせず、QRコードから取得する各パラメータを、第1ウェブページWP1の各入力欄SA1,SA2,SA4,SA5に反映させてもよい。
【0053】
ここでは、第1アプリ421は、B03にてプリンタ5Aの識別情報が入力された状態で、印刷アプリ23によって起動されたブラウザ24を介して、新商品の用紙名「NX」、用紙種類「KX」、用紙幅「WX」、用紙長さ「LX」を含む用紙情報52xの入力を受け付けたとする。第1アプリ421は、第1ウェブページWP1の登録ボタンSW1がタップされることにより、登録指示を受け付けることができる(B06)。B06は「受付処理」の一例である。
【0054】
第1アプリ421は、B06にて受け付けた用紙情報52xを、B03にて印刷アプリ23によって起動されたブラウザ24から入力された識別情報51に関連付けて、登録DB2に登録する(B07)。例えば、プリンタ5Aの識別情報51が「DIDX」である場合、第1アプリ421は、図2に示すように、プリンタ5Aの識別情報「DIDX」に、新商品の用紙名「NX」、用紙種類「KX」、用紙幅「WX」、用紙長さ「LX」を関連付けて登録DB2に記憶する。B07は、「登録処理」の一例である。
【0055】
図4に示すように、用紙情報52xを登録DB2に登録した第1アプリ421は、第2アプリ422に通知コマンドを入力する(C01)。C01は、「通知入力処理」の一例である。第1アプリ421は、印刷アプリ23によって入力されたプリンタ5Aの識別情報「DIDX」をプリンタDB41に照合し、識別情報「DIDX」に関連付けられたプリンタ5Aのアドレス情報を取得する。第1アプリ421は、取得したアドレス情報を通知コマンドに付し、第2アプリ422に渡す。
【0056】
第2アプリ422は、通知コマンドに付されているアドレス情報に基づいて、プリンタ5A宛てに更新コマンドを通知する(C02,C03)。C02,C03は、「通知処理」の一例である。更新コマンドは、プリンタ5Aに用紙情報52xを更新させる指示である。具体的に、第2アプリ422は、第1アプリ421から通知コマンドと一緒に受け取ったアドレス情報と、更新コマンドを送信する指示と、を通知サーバ3に登録する(C02)。通知サーバ3は、第2アプリ422から受け取ったアドレス情報に対応するプリンタ5Aに更新コマンドをプッシュ通知する(C03)。プッシュ通知には、第2アプリ422のアドレスが付されている。
【0057】
プリンタ5Aは、更新コマンドを受信すると、更新コマンドに付された第2アプリ422のアドレスに基づいて、管理サーバ1にある第2アプリ422に送信コマンドを送信する(D01)。送信コマンドは、用紙情報52xの送信を要求する指示である。送信コマンドには、プリンタ5Aに記憶されている識別情報51である「DIDX」が付されている。
【0058】
なお、プリンタ5Aには、第2アプリ422のアドレスがあらかじめ登録されていてもよい。この場合、第2アプリ422が送信する更新コマンドには第2アプリ422のアドレスが付されず、プリンタ5Aは自装置に登録された第2アプリ422のアドレスに基づいて送信コマンドを第2アプリ422に送信してもよい。
【0059】
管理サーバ1にある第2アプリ422は、通信IF31を介して送信コマンドを受信すると、送信コマンドに付されたプリンタ5Aの識別情報51に関連付けられた用紙情報52xを、登録DB2から読み出す(D02)。例えば、第2アプリ422は、図2に示す登録DB2から、識別情報「DIDX」に関連付けられた用紙名「NX」、用紙種類「KX」、用紙幅「WX」、用紙長さ「LX」を読み出す。つまり、第2アプリ422は、B06にて第1アプリ421が受け付けた用紙情報52xを、登録DB2から読み出す。
【0060】
第2アプリ422は、登録DB2から読み出した用紙情報52xをプリンタ5Aに応答する(D03)。D03は、「応答処理」の一例である。プリンタ5Aは、管理サーバ1にある第2アプリ422から送信された用紙情報52xを受信し、自装置に登録する(D04)。
【0061】
ここで、本形態では、登録アプリ42の第1アプリ421が、モバイル端末6に第1ウェブページWP1を提供し、その第1ウェブページWP1を介して用紙情報の入力を受け付けている。そのため、用紙情報に含まれる項目やパラメータが変更あるいは修正された場合には、第1アプリ421の変更あるいは修正で済み、ユーザのモバイル端末6にある印刷アプリ23をバージョンアップしなくても、変更あるいは修正された用紙情報をプリンタ5Aに登録することができる。
【0062】
プリンタ5Aは、用紙情報52xの登録が完了すると、管理サーバ1にある第2アプリ422に第1完了信号を送信する(E01)。管理サーバ1にある第2アプリ422は、通信IF31を介して第1完了信号を受信すると、第2完了信号を第1アプリ421に入力する(E02)。第1完了信号および第2完了信号は、プリンタ5Aへの用紙情報52xの登録が完了したことを通知する信号である。第1完了信号は、「完了信号」の一例である。
【0063】
第2完了信号を入力された第1アプリ421は、印刷アプリ23によって起動されたブラウザ24に、第2ウェブページ情報を提供する(E03)。第2ウェブページ情報は、例えば、プリンタ5Aへの用紙情報52xの登録が完了したことを示す第2ウェブページに関する情報を含む。印刷アプリ23によって起動されたブラウザ24は、第2ウェブページ情報に基づいて第2ウェブページを表示し、用紙情報52xの登録完了を報知する(E04)。E03,E04は、「完了処理」の一例である。
【0064】
例えば、第1アプリ421は、B06にて登録指示の入力を受け付けた後、「登録中」などのメッセージを含むウェブページをモバイル端末6のタッチパネル13に表示させている。第1アプリ421は、第2完了信号が第2アプリ422から入力されると(E02)、例えば図7に示すように、用紙情報52xの登録が完了したことを知らせる完了メッセージMを含む第2ウェブページWP2をモバイル端末6のタッチパネル13に表示させる。ユーザが第2ウェブページのOKボタンSW4をタッチすると、第1アプリ421は、モバイル端末6に表示させている第2ウェブページWP2を閉じる。
【0065】
第1アプリ421は、第2ウェブページWP2を表示する場合に、登録DB2に登録した用紙情報52xを登録DB2から削除してもよい。これによれば、次回以降、D02,D03にて、登録済みの用紙情報52xがプリンタ5Aに再登録されることを回避し、処理負荷や通信負荷を軽減できる。
【0066】
なお、図5のE03において、第1アプリ421は、第2ウェブページ情報に代えて完了通知を印刷アプリ23に入力し、印刷アプリ23が完了通知に応じて完了メッセージMをモバイル端末6のタッチパネル13に表示させてもよい。
【0067】
次に、モバイル端末6を用いてプリンタ5Aに印刷を実行させる手順について、図8に示すシーケンス図を参照して説明する。なお、プリンタ5Aには、新商品の用紙情報52xが登録済みとする。
【0068】
モバイル端末6は、印刷アプリ23を用いて、画像の編集を受け付ける(F00)。印刷アプリ23は、例えば画像編集画面の印刷設定ボタンが操作されると、例えば図9に示す印刷設定画面DAをタッチパネル13に表示させる(F01)。印刷設定画面DAには、例えば、プリンタ選択欄SA21、用紙名設定欄SA22、用紙種類設定欄SA23、用紙サイズ設定欄SA24、印刷ボタンSW5、キャンセルボタンSW6が配置されている。
【0069】
プリンタ選択欄SA21には、モバイル端末6に接続するプリンタが選択可能に表示される。プリンタ選択欄SA21には、印刷アプリ23にて選択されているプリンタ5Aのプリンタ名「NX」がデフォルト表示される。印刷アプリ23は、例えば、印刷設定画面DAにてプリンタ5Aが選択されている場合、プリンタ5Aから登録済みの用紙情報52を取得する(F02)。このとき、印刷アプリ23が取得する用紙情報52には、プログラムセットを用いてプリンタ5Aに登録された用紙情報52xも含まれている。
【0070】
印刷アプリ23は、選択されたプリンタ5Aから取得した用紙情報52および用紙情報52xを印刷設定画面DAに反映し(F03)、用紙選択指示を受け付ける(F04)。F04は、「用紙選択処理」の一例である。例えば、印刷設定画面DAは、用紙名、用紙種類、用紙サイズのプルダウンリストDL1,DL2,DL3に表示される選択肢に、プログラムセットを用いてプリンタ5Aに登録した新商品の用紙名「NX」、用紙種類「KX」、用紙サイズ「WX × LX」が含まれている。よって、ユーザは、新商品の用紙を含めて用紙を選択することが可能である。
【0071】
なお、印刷アプリ23は、他の印刷設定項目についてもプリンタ5Aから取得した各設定情報のパラメータを印刷設定画面DAに選択可能に表示し、選択を受け付けてもよい。
【0072】
印刷アプリ23は、印刷ボタンSW5がタップされると、印刷の実行を指示する印刷指示を受け付ける(G01)。印刷アプリ23は、印刷設定画面DAに入力された印刷設定に基づいて印刷データを生成し(G02)、印刷コマンドをプリンタ5Aに送信する(G03)。G03は「印刷処理」の一例である。印刷コマンドには、印刷データと印刷設定が付されている。
【0073】
印刷コマンドを受信したプリンタ5Aは、印刷設定に基づいて印刷データを印刷する(G04)。プリンタ5Aは、印刷が完了すると、印刷完了通知を印刷アプリ23に送信する(G05)。
【0074】
以上説明したように、本形態のように構成されたプログラムセットは、ユーザのモバイル端末6にある印刷アプリ23によって、選択されたプリンタ5Aの識別情報51を取得し、管理サーバ1にある登録アプリ42に入力する。プログラムセットは、サーバにある登録アプリ42によってモバイル端末6に第1ウェブページWP1を表示させ、第1ウェブページWP1に入力された用紙情報52xを受け付ける。登録アプリ42は、第1ウェブページWP1を介して受け付けた用紙情報52xを、印刷アプリ23によって登録アプリ42に入力された識別情報51と関連付けて、登録DB2に記憶する。登録DB2に用紙情報52xを記憶した登録アプリ42は、プリンタ5Aに更新コマンドを通知する。プリンタ5Aは、その更新コマンドの通知に応じて、第1アプリ421が受け付けた用紙情報52xを登録DB2から取得して自装置に登録する。これにより、プリンタドライバを有しないモバイル端末6であっても、印刷アプリ23および登録アプリ42を介して用紙情報52xをプリンタ5Aに登録できる。この設定情報の登録手順の中で、プリンタ5Aへの用紙情報52xの登録は管理サーバ1にある登録アプリ42が行っている。そのため、登録機能に変更や修正があった場合には登録アプリ42のバージョンアップになる。よって、ユーザのモバイル端末6にインストールされる印刷アプリ23を登録機能の変更や修正に応じてバージョンアップする作業は生じない。また、用紙情報52xを登録するための専用プログラムは不要であるため、印刷アプリ23と別に専用プログラムをユーザのモバイル端末6にインストールするといった作業も生じない。従って、本形態のプログラムセットによれば、プリンタドライバが組み込まれないモバイル端末6であっても、用紙情報52xをプリンタ5Aに登録できる。
【0075】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。上記形態にて図示した画面の表示態様は一例であり、画面に表示される入力欄やボタンの個数、種類や配置、表示される文言等は、図示の例に限るものではない。
【0076】
図4のE01~E04の処理は省略してもよい。ただし、プリンタ5が用紙情報52xの登録を完了した場合にその旨を登録アプリ42に通知し、登録アプリ42がモバイル端末6に登録完了を報知させるようにすることで、モバイル端末6から用紙情報52xの登録を指示したユーザが、その登録が完了したことを把握できる。
【0077】
図4のC02,C03の処理を省略し、第2アプリ422が選択されたプリンタ5Aに更新コマンドを直接送信してもよい。ただし、第2アプリ422は、通知サーバ3を経由してプリンタ5Aに更新コマンドをプッシュ通知することにより、プリンタ5Aから定期的に登録DB2を確認する場合と比較して処理の負荷を小さくできる。また、第1アプリ421が用紙情報52xを登録DB2に登録したタイミングで、第2アプリ422が通知サーバ3を経由してプリンタ5Aに更新コマンドを通知し、プリンタ5Aが用紙情報52xを登録できるので、用紙情報52xの登録を指示に応じて用紙情報52xをプリンタ5Aに登録する際のリアルタイム性が高くなる。
【0078】
第1ウェブページWP1は複数のページで構成されていてもよい。その場合、用紙情報52xと登録情報とは、別々のウェブページで受け付けてもよい。
【0079】
登録アプリ42は、第1アプリ421と第2アプリ422とに分けられず、1つのプログラムで構成してもよい。ただし、登録アプリ42が、用紙情報52xの入力を受け付ける第1アプリ421と、受け付けた用紙情報52xをプリンタ5Aに登録する第2アプリ422と、に分けられることで、メンテナンスが容易になる。例えば、用紙情報に含まれる項目が変更あるいは修正されたり、第1ウェブページWP1のレイアウトが変更されたりした場合には、第1アプリ421のみ変更すればよい。また、プログラムセットを利用する際のシステムの自由度も高まる。
【0080】
設定情報は、印字速度や印字濃度といった印刷に関するパラメータ、スリープモードや電源オフに移行する時間など、用紙情報以外の情報であってもよい。
【0081】
印刷アプリ23は、図8のF02を省略し、第1アプリ421を介して登録DB2からプリンタ5Aに登録する用紙情報52xを取得してもよい。ただし、印刷アプリ23は、用紙情報52xをプリンタ5Aから直接取得することで、印刷アプリ23で設定可能な用紙とプリンタ5Aで対応可能な用紙とが一致している可能性が高まり、用紙の設定に関するエラーを回避できる可能性が高まる。
【0082】
第1アプリ421は、用紙IDに基づいて用紙情報リストLSから用紙情報52xのパラメータを取得し、登録DB2に登録しなくてもよい。ただし、第1アプリ421が、用紙IDに基づいて用紙情報リストLSから用紙情報52xのパラメータを取得し、取得した用紙情報52xを第1ウェブページWP1に入力し、登録DB2に登録するようにすれば、ユーザは、用紙情報52xをプリンタ5Aに登録する場合に、用紙IDの入力だけすればよく、用紙情報52xのパラメータを入力する手間を省くことができる。
【0083】
印刷アプリ23は、ブラウザとしての機能を有する場合、ブラウザ24を起動せず、印刷アプリ23自身で第1ウェブページをタッチパネル13に表示させてもよい。
【0084】
実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0085】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 管理サーバ
2 登録DB
5 プリンタ
6 モバイル端末
9 ネットワーク
23 印刷アプリ
42 登録アプリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9