(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085147
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】融資審査装置、融資審査方法、及び、融資審査プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240619BHJP
【FI】
G06Q40/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199522
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】宮本 将
(72)【発明者】
【氏名】植村 尚喜
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB15
5L040BB23
5L055BB15
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】融資の審査により業務オペレータに掛かる負担を軽減する。
【解決手段】検出部が、融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、融資の種類に対応する審査パターンを検出する。ジョブ実行部は、検出された融資の種類に対応する審査パターンのジョブのうち、実行が設定されているジョブのプログラムを実行することで、融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行する。これにより、融資の種類に対応する融資の審査を自動で実行でき、融資の審査により業務オペレータに掛かる負担を軽減できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各前記融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、前記ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、前記融資の種類に対応する審査パターンを検出する検出部と、
検出された前記融資の種類に対応する前記審査パターンの前記ジョブのうち、実行が設定されている前記ジョブのプログラムを実行することで、前記融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行するジョブ実行部と、
を有する融資審査装置。
【請求項2】
少なくとも、前記ジョブが正常に実行されたことを示す状態区分、前記ジョブの実行中にエラーが発生したことを示す状態区分、前記ジョブが未実行であることを示す状態区分を含む連携管理データを、前記審査パターンのジョブ毎に生成するデータ生成部と、
前記連携管理データに基づいて、各前記ジョブの前記状態区分を表示部に一覧表示する表示制御部とを、さらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の融資審査装置。
【請求項3】
前記データ生成部は、
前記ジョブが実行される毎に、前記ジョブが正常に実行されたことを示す手動フラグ情報、又は、実行中にエラーが発生したことで手動による審査を必要とすることを示す手動フラグ情報を含む審査結果データを生成し、
前記実行中にエラーが発生したことで手動による審査を必要とする手動フラグ情報を生成した場合、前記実行中にエラーが発生した前記ジョブの前記状態区分を、当該ジョブの実行中にエラーが発生したことを示す状態区分とし、前記実行中にエラーが発生した前記ジョブの後に実行予定の一つ又は複数のジョブの前記状態区分を前記未実行の状態区分とした前記連携管理データを生成すること、
を特徴とする請求項2に記載の融資審査装置。
【請求項4】
前記融資の種類の追加の際に指定された審査パターン、及び、指定された前記審査パターンに対応する各前記ジョブ、及び、各前記ジョブの実行又は非実行を、追加される前記融資の種類の審査パターン及びジョブとして前記記憶部に記憶制御する記憶制御部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の融資審査装置。
【請求項5】
検出部が、融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各前記融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、前記ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、前記融資の種類に対応する審査パターンを検出する検出ステップと、
ジョブ実行部が、検出された前記融資の種類に対応する前記審査パターンの前記ジョブのうち、実行が設定されている前記ジョブのプログラムを実行することで、前記融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行するジョブ実行ステップと、
を有する融資審査方法。
【請求項6】
コンピュータを、
融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各前記融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、前記ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、前記融資の種類に対応する審査パターンを検出する検出部と、
検出された前記融資の種類に対応する前記審査パターンの前記ジョブのうち、実行が設定されている前記ジョブのプログラムを実行することで、前記融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行するジョブ実行部として機能させること、
を特徴とする融資審査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資審査装置、融資審査方法、及び、融資審査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、金融機関が融資を行う際に、融資の申込人が、融資を行っても問題が無い人物であるか否かを審査する必要がある。このような融資に関する先行技術としては、特許文献1(特開2022-145702号公報)に、ローン借入希望者と金融機関とを仲介するローン仲介システムが開示されている。
【0003】
このローン仲介システムは、借入申込受付部、金融機関情報記憶部、金融機関選定部、申込情報表示部、オファー選択受付部、及び、通知部を備えた仲介サーバで構成されている。借入申込受付部は、ローン借入希望者から、属性情報及び借入希望情報を含む申込情報の入力を受け付ける。金融機関情報記憶部は、金融機関毎にローン貸付プランに関するプラン情報が記憶されている。
【0004】
金融機関選定部は、申込情報とプラン情報とから申込情報を提供する金融機関のリストを生成し、申込情報表示部は、金融機関の端末上に、複数の申込情報を借入希望者の属性情報に基づくスコア情報と共に一覧表示する。オファー選択受付部は、金融機関から、複数の申込情報のうち、オファーをする申込情報の選択と共に、プラン情報の選択を受け付ける。そして、通知部は、オファーの選択を受付けた場合に、金融機関の情報及びプラン情報を借入希望者に通知する。これにより、借入希望者だけではなく、金融機関にとっても利便性の高いローン仲介システムを提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来は、融資の際に、業務オペレータは、他社での借入額及び過去の延滞情報等を把握し、融資可能か否かの判断を金融機関独自の判断基準に基づき手動で複雑な審査を行っている。このため、このような融資の審査により、業務オペレータに大きな負担が掛かる問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、融資の審査により業務オペレータに掛かる負担を軽減可能とした融資審査装置、融資審査方法、及び、融資審査プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資審査装置は、融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、融資の種類に対応する審査パターンを検出する検出部と、検出された融資の種類に対応する審査パターンのジョブのうち、実行が設定されているジョブのプログラムを実行することで、融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行するジョブ実行部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資審査方法は、検出部が、融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、融資の種類に対応する審査パターンを検出する検出ステップと、ジョブ実行部が、検出された融資の種類に対応する審査パターンのジョブのうち、実行が設定されているジョブのプログラムを実行することで、融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行するジョブ実行ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資審査プログラムは、コンピュータを、融資の審査依頼に含まれる融資の種類に基づいて、各融資の種類に対応する複数の審査パターンであり、融資の審査に関する複数のジョブをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、ジョブ毎に実行又は不実行が設定された審査パターンが記憶された記憶部を参照し、融資の種類に対応する審査パターンを検出する検出部と、検出された融資の種類に対応する審査パターンのジョブのうち、実行が設定されているジョブのプログラムを実行することで、融資の審査依頼に対応する融資の審査を実行するジョブ実行部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、融資の審査により業務オペレータに掛かる負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の融資審査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、自動審査パターン分けマスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、自動審査対象マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、自動審査ジョブマスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の融資審査装置における、融資審査動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、連携管理データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、案件ステータスデータの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の審査パターンの各ジョブに対応する連携管理データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、審査が開始されることで案件ステータスが「受付」から「自動審査中」に変更された状態の案件ステータスデータの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、任意審査実行のジョブの状態区分が「未処理」から「実行中」に変更された連携管理データを示す図である。
【
図11】
図11は、エラーが発生したジョブに後続するジョブの状態区分に対して「未実行」の状態区分が付された連携管理データを示す図である。
【
図12】
図12は、自動回路判定のジョブの連携管理データの状態区分を「未処理」から「実行中」に変更して自動回路判定のジョブを開始する様子を示す図である。
【
図13】
図13は、ジョブを実行することで生成される審査結果データを示す図である。
【
図14】
図14は、ジョブが正常に実行されることで、状態区分が「実行済(正常)」に更新された連携管理データを示す図である。
【
図15】
図15は、自動回路判定のジョブに後続する自動承認及び外部システム連携の各ジョブの自動実行が不可と判断された場合に、自動承認及び外部システム連携の各ジョブの状態区分に対して「未実行」が入力された連携管理データを示す図である。
【
図16】
図16は、後続処理の自動実行を行わないため、案件ステータスが「自動審査手動回答判定」に更新された案件ステータスデータを示す図である。
【
図17】
図17は、画面表示のために各ジョブのレコードが更新日順に並べ替えされた連携管理データを示す図である。
【
図18】
図18は、更新日順に並べ替えされた連携管理データに基づいて表示されるジョブ実行状態一覧画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、自動審査パターン分けマスタに新たな審査パターンが追加された例を示す図である。
【
図20】
図20は、新たに追加された審査パターンに対応する各ジョブ、及び、各上部の実行又は非実行が設定された状態の自動審査対象マスタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる融資審査装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の融資審査装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0015】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク35に接続される。このネットワーク35には、融資審査装置1に対して融資の審査を依頼する外部システムの依頼者端末装置31が接続されている。これにより、融資審査装置1は、ネットワーク35を介して外部システム(依頼者端末装置31)と連携が図られている。
【0016】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、依頼者端末装置31から依頼された融資の審査を自動的に行うための融資審査プログラムが記憶されている。この融資審査プログラムには、サービス(融資の種類)に応じて設定される審査パターンに含まれる各ジョブのジョブプログラムが含まれている。
【0017】
また、このジョブプログラムには、融資の自動審査のジョブに相当する、個別計算処理プログラム、個信照会プログラム、借入明細確認プログラム、任意審査実行プログラム、自動回答判定プログラム、自動承認プログラム、及び、外部システム連携プログラムが記憶されている。制御部3は、これらのプログラムを実行することで、融資の自動審査を実行する。
【0018】
また、記憶部2には、自動審査パターン分けマスタ11、自動審査対象マスタ12、及び、自動審査ジョブマスタ13が記憶されている。また、記憶部2には、審査の各ジョブを実行することで生成される連携管理データ及び案件ステータスデータが記憶される。
【0019】
自動審査パターン分けマスタ11には、各種サービス(融資の種類)に対して所望の審査パターンが設定されている。すなわち、自動審査パターン分けマスタ11には、
図2に示すように審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス、資金使途及び審査パターンの対象パターン番号が関連付けされて記憶されている。
【0020】
審査区分は、「1:事前審査」又は「2:本審査」等の融資の審査の種類を示す区分である。依頼種類は、「1:新規」、「2:条件変更」、「3:与信更新」等の依頼の種類である。依頼区分は、「1:依頼」、「2:依頼取消」、「3:付帯資料追加」等の依頼の区分である。サービスは、「住宅ローン(一般型)」、「カードローン」、「マイカーローン(一般型A)」、「多目的ローン(一般型A)」等の融資の種類を示す。資金使途は、「住宅」、「教育」、「車」、「その他」等の、融資された金銭の使い道を示す。
【0021】
審査パターンの対象パターン番号は、各サービスに対して設定された審査パターンの番号である。この例の場合、審査パターンとしては、第1のパターン~第4のパターンが設けられており、「住宅ローン(一般型)」に対しては「第1のパターン」が設定され、「カードローン」に対しては「第2のパターン」が設定され、「マイカーローン(一般型A)」に対しては「第3のパターン」が設定され、「多目的ローン(一般型A)」に対しては「第4のパターン」が設定されている。各パターンは、後述のように個別計算処理プログラム、個信照会プログラム、借入明細確認プログラム、任意審査実行プログラム、自動回答判定プログラム、自動承認プログラム、及び、外部システム連携プログラムで実行される、審査の各ジョブを含む。また、下記に説明するように、各ジョブに対して実行又は非実行の「実行区分」を設定することで、所望の審査パターンに対して所望のジョブ構成を構築可能となっている。
【0022】
自動審査対象マスタ12には、
図3に示すように各審査パターンの対象パターン番号、ジョブ番号、ジョブ名、実行区分、実行順がそれぞれ関連付けされて記憶されている。このうち、「ジョブ名」は、プログラム側では利用していないが、設定の際に分かりやすいように枠を用意している。具体的には、「1」のジョブ番号のジョブに対しては、「個別計算処理」のジョブ名が付されており、「2」のジョブ番号のジョブに対しては、「個信照会」のジョブ名が付されている。また、「3」のジョブ番号のジョブに対しては、「借入明細確認」のジョブ名が付されており、「4」のジョブ番号のジョブに対しては、「任意審査実行」のジョブ名が付されている。また、「5」のジョブ番号のジョブに対しては、「自動回答判定」のジョブ名が付されており、「6」のジョブ番号のジョブに対しては、「自動承認」のジョブ名が付されている。また、「7」のジョブ番号のジョブに対しては、「外部システム連携」のジョブ名が付されている。
【0023】
実行区分は、そのジョブの実行又は非実行を示す区分である。実施の形態の融資審査装置1では、ジョブ毎に、この実行区分を設定することで、所望の審査パターンに対して所望のジョブ構成を設定可能となっている。すなわち、
図3の例の場合、第1のパターンの「個別計算処理」、「個信照会」、「借入明細確認」、「任意審査実行」、「自動回答判定」、「自動承認」及び「外部システム連携」の全てのジョブに対して「1:実行する」が設定されている。
【0024】
同様に、
図3の例の場合、第2のパターンの「個別計算処理」、「個信照会」、「借入明細確認」、「任意審査実行」、「自動回答判定」、「自動承認」及び「外部システム連携」の全てのジョブに対して「2:実行しない」が設定されている。
【0025】
また、一部のジョブを実行する設定も可能であり、第3のパターンに対しては、「個別計算処理」、「個信照会」、「借入明細確認」、「任意審査実行」及び「自動回答判定」に対しては「2:実行しない」が設定され、「自動承認」及び「外部システム連携」のジョブに対して「1:実行する」が設定されている。この場合、「自動承認」及び「外部システム連携」のジョブのみが実行される。
【0026】
同様に、第4のパターンに対しては、「個別計算処理」、「個信照会」、「借入明細確認」、「任意審査実行」及び「自動回答判定」に対しては「1:実行する」が設定され、「自動承認」及び「外部システム連携」のジョブに対して「2:実行しない」が設定されている。この場合、「個別計算処理」、「個信照会」、「借入明細確認」、「任意審査実行」及び「自動回答判定」のジョブが実行される。
【0027】
実行順は、各ジョブを実行する順番を示している。この
図3の例の場合、「個別計算処理」の実行順が「1番」に設定され、「個信照会」の実行順が「2番」に設定され、「借入明細確認」の実行順が「3番」に設定され、「任意審査実行」の実行順が「4番」に設定され、「自動回答判定」の実行順が「5番」に設定され、「自動承認」の実行順が「6番」に設定され、「外部システム連携」の実行順が「7番」に設定されている。このため、各ジョブは、「個別計算処理」→「個信照会」→「借入明細確認」→「任意審査実行」→「自動回答判定」→「自動承認」→「外部システム連携」の順に実行される。
【0028】
なお、この
図3の例では、「個別計算処理」の実行順は、第1のパターン~第4のパターンにおいて「1番」で、「個信照会」の実行順は、第1のパターン~第4のパターンにおいて「2番」等のように、第1のパターン~第4のパターンにおいて各ジョブの実行順は同じ設定となっている。しかし、第1のパターンでは、「個別計算処理」の実行順を「5番」に設定し、「個信照会」の実行順を「1番」に設定する等のように、所望のジョブに対して所望の実行順を設定することも可能である。
【0029】
自動審査ジョブマスタ13は、プログラム内で別途採番している内部処理の番号と自動審査で使うジョブのジョブ番号を関連付けしているマスタであり、
図4に示すようにジョブ番号、ジョブ名、及び、連携内部処理コードが関連付けされて記憶されている。この例の場合、ジョブ番号が「1」の「個別計算処理」のジョブに対しては、「110」の連携内部処理コードが設定され、ジョブ番号が「2」の「個信照会」のジョブに対しては、「120」の連携内部処理コードが設定されている。
【0030】
(融資審査装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている融資審査プログラムを実行することで、
図1に示すように、データ生成部21、検出部22、取得部23、ジョブ実行部24、表示制御部25、記憶制御部26、及び、通信制御部27として機能する。
【0031】
データ生成部21は、依頼者端末装置31から受信した融資の審査依頼に基づいて、審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス(融資の種類)及び資金使途等を含む連携管理データを生成する。
【0032】
検出部22は、記憶部の一例である自動審査パターン分けマスタ11を参照することで、審査依頼されたサービス(融資の種類)に対応する審査パターンのパターン番号を検出する。取得部23は、自動審査対象マスタ12を参照することで、検出されたパターン番号の審査パターンの各ジョブのジョブ番号、実行順及び実行区分(実行又は非実行)を取得する。
【0033】
ジョブ実行部24は、検出された融資の種類に対応する審査パターンのジョブのうち、実行区分で「実行」が設定されているジョブのプログラム(個別計算処理、個信照会等)を実行することで、融資の審査依頼に対応する融資の自動審査を行う。
【0034】
また、データ生成部21は、少なくとも、ジョブが正常に実行されたことを示す状態区分、ジョブの実行中にエラーが発生したことを示す状態区分、ジョブが未実行であることを示す状態区分を含む連携管理データを、審査パターンのジョブ毎に生成する。表示制御部25は、生成された連携管理データに基づいて、各ジョブの状態区分を、出力装置7(表示部の一例)を介して一覧表示する。
【0035】
また、データ生成部21は、ジョブが実行される毎に、ジョブが正常に実行されたことを示す手動フラグ情報、又は、実行中にエラーが発生したことで手動による審査を必要とすることを示す手動フラグ情報を含む審査結果データを生成する。そして、データ生成部21は、実行中にエラーが発生したことで手動による審査を必要とする手動フラグ情報を生成した場合、実行中にエラーが発生したジョブの状態区分を、このジョブの実行中に「エラー」が発生したことを示す状態区分とし、実行中にエラーが発生したジョブの後に実行予定の一つ又は複数のジョブの状態区分を「未実行」の状態区分とした連携管理データを生成する。
【0036】
記憶制御部26は、融資の種類の追加の際に指定された審査パターン、及び、指定された審査パターンに対応する各ジョブ、及び、各ジョブの実行又は非実行を示す実行区分を、追加される融資の種類の審査パターン及びジョブとして自動審査対象マスタ12に記憶制御する。
【0037】
通信制御部27は、依頼者端末装置31からの審査依頼を受信し、審査結果を返信する等の、外部システムの間との連携を図る。
【0038】
(融資審査動作)
次に、このような構成を有する融資審査装置1における融資審査動作を、
図5のフローチャートを用いて説明する。この
図5のフローチャートは、
図1に示す外部システムの依頼者端末装置31から融資の審査依頼を受信することで処理の開始となり、ステップS1から順の処理が実行される。
【0039】
ステップS1では、データ生成部21が、外部システムの依頼者端末装置31から受信した審査依頼データに基づいて、
図6に例示する連携管理データを生成する。この
図6に示すように、連携管理データは、作成日時、内部識別番号(内部ID)、更新日時、連携内部処理コード、状態区分、メッセージ、案件番号、審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス(融資の種類)、資金使途、及び、自動審査処理識別番号(自動審査処理ID)を含んで構成される。
【0040】
すなわち、依頼者端末装置31から受信する融資の審査依頼には、
図2を用いて説明した「1:事前審査」又は「2:本審査」等の審査区分、「1:新規」、「2:条件変更」、「3:与信更新」等の依頼種類、「1:依頼」、「2:依頼取消」、「3:付帯資料追加」等の依頼区分、「住宅ローン(一般型)」、「カードローン」、「マイカーローン(一般型A)」、「多目的ローン(一般型A)」等のサービス(融資の種類)、及び、「住宅」、「教育」、「車」、「その他」等の資金使途を示す各種情報が含まれている。
【0041】
データ生成部21は、連携管理データの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス及び資金使途の各欄に、受信した融資の審査依頼に含まれる審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス及び資金使途の各情報を入力して連携管理データを生成する。この
図6の例は、連携管理データの審査区分の欄に「1:事前審査」が入力され、依頼種類の欄に「1:新規」が入力され、依頼区分の欄に「1:依頼」が入力され、サービスの欄に「住宅ローン(一般型)」が入力され、資金使途の欄に「住宅」が入力された例である。
【0042】
また、データ生成部21は、融資の審査依頼を受信した段階では、融資の自動審査は実行されていないため、連携管理データの状態区分の欄に「0:未処理」を入力すると共に、連携内部処理コードの欄に「自動審査判定」を入力する。
【0043】
さらに、データ生成部21は、
図7に示すように、連携管理データの案件番号と同じ案件番号で、案件ステータス及び審査区分を含む案件ステータスデータを生成する。この案件ステータスデータは、「受付」、「自動審査中」等の、その案件の現在のステータスを示すデータである。この融資の審査依頼を受信した段階では、融資の自動審査は開始されていないため、データ生成部21は、案件ステータスの欄に「31:受付」を入力し、審査区分の欄に「1:事前審査」を入力する。
【0044】
次に、
図5のフローチャートのステップS2において、検出部22は、データ生成部21により生成された連携管理データの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス及び資金使途に対応する審査パターンの対象パターン番号を、自動審査パターン分けマスタ11から検出する。
【0045】
これにより、データ生成部21により生成された連携管理データの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス及び資金使途に対応する審査パターンの対象パターン番号が自動審査パターン分けマスタ11に記憶されている場合は、その融資の審査依頼は、自動審査の対象となっている審査依頼であることが分かる。また、データ生成部21により生成された連携管理データの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス及び資金使途に対応する審査パターンの対象パターン番号が自動審査パターン分けマスタ11に記憶されていない場合は、その融資の審査依頼は、自動審査の対象となっていない審査依頼、又は、自動審査パターン分けマスタ11に登録されていない審査パターンであることが分かる(自動審査判定)。
【0046】
ステップS3では、取得部23が、検出部22により検出された対象パターン番号に基づいて、
図3に示す自動審査対象マスタ12を参照し、対象パターン番号に対応する各ジョブのジョブ番号、実行区分及び実行順を取得する。また、取得部23は、
図4に示す自動審査ジョブマスタ13を参照し、各ジョブ番号に対応する連携内部処理コードを取得する(マスタ取得)。データ生成部21は、
図8に示すように、対象パターン番号に対応するジョブ毎に、連携管理データを生成する。
【0047】
この
図8の例は、対象パターン番号が第1のパターンの各ジョブの連携管理データの例である。第1のパターンの場合、ジョブ番号順に、「個別計算処理」、「個信照会」、「借入明細確認」、「任意審査実行」、「自動回答判定」、「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブを実行する審査パターンとなっている。イメージではあるが、データ生成部21は、
図8に示すように各ジョブのレコードを列方向に沿って順に並べることで、検出された対象パターン番号の各ジョブの連携管理データを生成する。
【0048】
なお、この段階では、各ジョブが実行されることで融資の自動審査が開始されていないため、データ生成部21は、各ジョブの状態区分に対して「0:未処理」をそれぞれ入力する。
【0049】
また、データ生成部21は、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、案件ステータスデータの案件ステータスを、「31:受付」から「101:自動審査中」に変更する。これにより、融資の自動審査が開始される。
【0050】
次に、ステップS4では、ジョブ実行部24が、自動で実行する審査の対象が「0件」であるか否かを判別する。上述のように、データ生成部21により生成された連携管理データの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス及び資金使途に対応する審査パターンの対象パターン番号が自動審査パターン分けマスタ11に記憶されていない場合、及び、自動審査パターン分けマスタ11に登録されていない場合に、その融資の審査依頼は、自動審査の対象となっていない審査依頼であることが分かる。この場合に、ジョブ実行部24は、自動で実行する審査の対象が「0件」であると判別し(ステップS4:Yes)、そのまま
図5のフローチャートの処理を終了する。この場合、業務オペレータは、融資の審査が必要な場合は、手動で審査を行うこととなる。
【0051】
これに対して、ステップS4において、ジョブ実行部24が、自動で実行する審査の対象が「0件」ではないと判別した場合(ステップS4:No)、ステップS5~ステップS7の各処理を、ジョブ毎に繰り返し実行する。
【0052】
具体的には、ステップS5では、ジョブ実行部24が、
図8に示した連携管理データのジョブ番号が「1番」のジョブである「個別計算処理」から順にジョブを実行する。各ジョブのプログラムは、
図1に示すように、融資審査プログラムのジョブプログラム内にそれぞれ記憶されている。ジョブ実行部24は、これらのプログラムに基づいて、各ジョブを実行する。
【0053】
データ生成部21は、ジョブ実行部24がジョブを実行するに際して、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、連携管理データの更新日時をジョブの実行時の日時に更新する。またデータ生成部21は、連携管理データの状態区分を「0:未処理」から「1:実行中」に更新する。
【0054】
このように、ジョブ実行部24により各ジョブが実行順に実行されるのであるが、実行中に、例えばデータ不正又は業務エラー等のエラーが発生する場合がある。この場合、ステップS6において、ジョブ実行部24は、審査の自動実行を継続できないものと判別する(ステップS6:No)。この場合、
図5のフローチャートの処理が終了となり、後続するジョブに対応する審査は、業務オペレータが手動で実行する。
【0055】
また、このようにジョブの実行中にエラーが発生した場合、データ生成部21は、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、連携管理データの各ジョブのうち、エラーが発生したジョブの状態区分を「実行済(エラー)」とすると共に、エラーが発生したジョブに後続するジョブの状態区分を「実行済(未実行)」とする。この「実行済(エラー)」の状態区分は、その審査パターンの審査を実行するに至ったが、その審査パターンの各ジョブのうち、「実行済(エラー)」が付されたジョブでエラーが発生したことを意味する。また、「実行済(未実行)」の状態区分は、その審査パターンの審査を実行するに至ったが、その審査パターンの各ジョブのうち、「実行済(未実行)」が付されたジョブは実行されなかったことを意味する。
【0056】
図11(b)の例は、第1のパターンの各ジョブを実行した際に、「任意審査実行」のジョブの実行中にエラーが発生したため、「任意審査実行」のジョブの状態区分に「実行済(エラー)」が入力された例である。また、
図11(b)の例は、第1のパターンの各ジョブを実行した際に、「任意審査実行」のジョブの実行中にエラーが発生したため、この「任意審査実行」のジョブに後続する「自動回答判定」、「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブの状態区分に「実行済(未実行)」が入力された例である。
【0057】
この場合、業務オペレータは、エラーが発生した「任意審査実行」のジョブ、及び、後続する残りのジョブである「自動回答判定」、「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブをそれぞれ手動で実行することとなる。
【0058】
次に、ジョブを実行することで、エラーが発生しない場合、そのままジョブの自動実行が可能であるため(ステップS6:Yes)、ステップS7に処理が進む。ステップS7では、ジョブ実行部24が、次に実行するジョブが存在するか否かを判別する。
図11(a)において、例えば「任意審査実行」のジョブが、エラーを発生することなく実行完了となった場合、この「任意審査実行」のジョブの後に、「自動回答判定」のジョブが存在する(ステップS7:Yes)。このため、ジョブ実行部24は処理をステップS5に戻し、「自動回答判定」のジョブを続けて実行する。
【0059】
これに対して、
図11(a)において、例えば「外部システム連携」のジョブを完了した場合、その審査パターンの全ジョブを完了したこととなり、後続するジョブが存在しない。この場合(ステップS7:No)、ステップS5~ステップS7のループ処理が終了となり、また、
図5のフローチャートの処理も終了となる。
【0060】
(自動回答判定動作)
次に、「自動回答判定」のジョブの動作を説明する。自動回答判定のジョブが開始されると、データ生成部21は、自動回答判定のジョブの連携管理データの状態区分を、
図12(a)及び
図12(b)に示すように「0:未処理」から「1:実行中」に更新する。
【0061】
各ジョブの自動審査が実行されることで、
図13に例示する審査結果データがジョブ毎に生成される。この審査結果データは、「任意審査実行」のジョブの審査結果データであり、案件番号、審査区分番号、任意審査確定日時、任意審査確定者ID、任意審査確定者名、任意審査判定結果、任意審査付帯条件、任意審査手動フラグを含んで構成される。このうち、任意審査手動フラグは、「任意審査実行」のジョブが、手動で行われたか(True)、否か(False)を示す情報である。すなわち、「任意審査実行」のジョブが、エラーを生ずることなく実行された場合は、任意審査手動フラグは「False」となり、「任意審査実行」のジョブでエラーを発生し、その後の審査が手動で行われた場合は、任意審査手動フラグは「True」となる。
【0062】
この審査結果データの任意審査手動フラグが「False」である場合、「任意審査実行」のジョブは、正常に実行されたことを意味する。このため、「自動回答判定」のジョブにおいて、後続する「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブの自動実行も可能であると判定された場合、データ生成部21は、
図14に示すように、「自動回答判定」のジョブの連携管理データの状態区分を、「1:実行中」から「99:実行済(正常)」に更新する。
【0063】
これに対して、審査結果データの任意審査手動フラグが「True」であるということは、「任意審査実行」のジョブの実行中にエラーが発生し、その後の審査が、業務オペレータにより手動で行われたことを意味し、自動回答判定」のジョブに後続する「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブは、手動で行われることを意味する。このため、データ生成部21は、
図15(a)及び
図15(b)に示すように、「自動回答判定」のジョブの連携管理データの状態区分を「99:実行済(正常)」に更新すると共に、「自動回答判定」のジョブに後続する「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブの連携管理データの状態区分を「97:実行済(未実行)」に更新する。
【0064】
また、データ生成部21は、「自動回答判定」のジョブに後続する「自動承認」及び「外部システム連携」の各ジョブの自動実行が行われないため、
図16(a)及び
図16(b)に示すように、案件ステータスを「101:自動審査中」から「103:自動審査手動回答判定」に更新した案件ステータスデータを生成する。
【0065】
(各ジョブの状態区分の一覧表示動作)
次に、実施の形態の融資審査装置1は、
図17に示す各ジョブの連携管理データに基づいて、各ジョブの実行状態(状態区分)を一覧表示可能となっている。すなわち、業務オペレータにより、入力装置6を介して各ジョブの実行状態(状態区分)の一覧表示が指定操作されると、表示制御部25は、
図18に例示するジョブ実行状態一覧画面を、出力装置7を介して表示する。このジョブ実行状態一覧画面は、所望の更新日時の入力欄、連携内部処理コード(内部処理名)の選択欄、表示する状態区分の選択欄、及び、案件番号の入力欄を備えている。
【0066】
業務オペレータは、入力装置6を介して、これら各欄に所望の更新日時及び案件番号を入力し、連携内部処理コード(内部処理名)及び状態区分を選択操作する。これにより、データ生成部21は、
図17に示すように、業務オペレータの入力及び選択に対応する各ジョブのレコードを更新日時順に並べた連携管理データを生成する。表示制御部25は、この連携管理データに基づいて、
図18に示すようにジョブ実行状態一覧画面の明細表示欄に、更新日時順にレコードを並べた状態で各ジョブの連携管理データを表示する。これにより、業務オペレータは、各審査パターンの各ジョブの現在の実行状態を一目で認識することができる。
【0067】
例えば、
図18に示す最上段のレコードの「状態」は、「実行中」となっている。このため、この審査パターンの審査においては、現在、「借入明細確認」のジョブが「実行中」であることがわかる。また、データ生成部21は、エラーが発生したジョブの連携管理データに対して、例えば「~の算出に失敗しました」等のメッセージを付加する。表示制御部21は、
図18に示すように、エラーが発生したジョブの「状態」の欄に「実行済(エラー)」の表示を行うと共に、「メッセージ」の欄に、連携管理データに付加されている「~の算出に失敗しました」等のメッセージを表示する。これにより、業務オペレータは、そのジョブに対してエラーが発生したことを認識でき、後続のジョブを手動で実行する。
【0068】
(審査パターンの追加設定動作)
次に、業務オペレータにより新たな審査パターンが追加された場合における、融資審査装置の動作を説明する。この場合、業務オペレータは、図示しない審査パターン追加画面に対して、新たに追加する審査パターンの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス、資金使途を入力操作すると共に、新たに追加する審査パターンに類似する審査パターンの対象パターン番号を指定する。
【0069】
データ生成部21は、
図19(a)及び
図19(b)に示すように、自動審査パターン分けマスタ11に新たなレコードを生成すると共に、新たに生成したレコードに、業務オペレータから指定された新たな審査パターンの審査区分、依頼種類、依頼区分、サービス、資金使途を入力操作する。
図19(b)の例は、新たな審査パターンの審査区分として「1:事前審査」が入力され、依頼種類として「1:新規」が入力され、依頼区分として「1:依頼」が入力され、サービスとして「住宅ローン(借換応援型)」が入力され、資金使途として「住宅」が入力された例である。
【0070】
また、データ生成部21は、業務オペレータにより指定された、新たに追加する審査パターンに類似する審査パターンの対象パターン番号は、一旦記憶しておき、代わりに、既存の審査パターンの対象パターン番号に続く、連番となる対象パターン番号を、新たに生成したレコードの対象パターン番号として入力する。
【0071】
すなわち、業務オペレータにより、新たに追加する審査パターンに類似する審査パターンの対象パターン番号として「1:第1のパターン」が指定されたとする。この場合、データ生成部21は、業務オペレータにより指定された「1:第1のパターン」の対象パターン番号を、一旦、記憶部2に記憶する。そして、
図19(b)に示すように、新たに追加する審査パターンのレコードの対象パターン番号として、既存の「4:第4のパターン」に連続する「5:第5のパターン」の対象パターン番号を入力する。
【0072】
これと共に、取得部23は、記憶部2に一旦記憶された、業務オペレータにより指定され対象パターン番号に基づいて、
図3に示した自動審査対象マスタ12を参照し、業務オペレータにより指定され対象パターン番号に対応する各ジョブのジョブ番号、実行区分、及び、実行順を取得する。すなわち、業務オペレータにより「1:第1のパターン」の対象パターン番号が指定されたいた場合、取得部23は、
図3に示す第1のパターンの各ジョブのジョブ番号、実行区分及び実行順を取得する。
【0073】
データ生成部21は、取得された第1のパターンの各ジョブのジョブ番号、実行区分及び実行順を、
図20(a)及び
図20(b)に示すように、今回追加された第5のパターンのジョブ番号、実行区分及び実行順として自動審査対象マスタ12に追加する。これにより、新たな審査パターンを追加する場合、類似の審査パターンを指定するだけで、新たな審査パターンの各ジョブの実行区分等を自動審査対象マスタ12に追加できる。
【0074】
また、業務オペレータは、このように自動審査対象マスタ12に新たに追加された各ジョブの実行区分を、所望の実行区分に変更可能となっている。すなわち、業務オペレータは、例えば「実行する」との実行区分となっている「個別計算処理」のジョブの実行区分を、「実行しない」に変更指定操作する。この変更指定操作により、データ生成部21は、
図20(b)に示すように、第5のパターンの「個別計算処理」のジョブの実行区分を、「実行する」から「実行しない」に変更する。これにより、新たに追加する審査パターンのジョブの実行区分を、所望の実行区分に設定することができる。
【0075】
最後に、
図1に示す通信制御部27は、このような融資の審査結果を、ネットワーク35を介して依頼者端末装置31に返信する。これにより、依頼者端末装置31の業務オペレータは、融資を行うユーザに対する融資の審査結果を、自動かつ簡単に取得することができる。
【0076】
(実施の形態の効果)
金融機関が融資を行う際に、申込人に対して融資を行って問題が無いか否かを審査する必要がある。この審査は、他社での借入額や過去の延滞情報等を把握し、融資可能か否かを、金融機関独自の判断基準に基づき手動で行っていた。このため、融資判断に必要な審査情報を登録する際の処理フローが、サービス(融資の種類)又は案件の状況に応じて異なっており、非常に複雑な業務となる。
【0077】
また、融資判断に必要な審査情報は、業務オペレータが画面操作を介して登録を行っていた。このため、融資の申込が大量に存在すると、審査情報を、一件々々、画面操作で登録することとなり、業務オペレータへの負荷が大きく、手入力のミス等が発生するおそれがあった。
【0078】
また、審査は、業務オペレータが手動で行うため、審査に要する時間も長くなり、その分、融資が遅くなり、迅速な融資に支障を来していた。
【0079】
このため、実施の形態の融資審査装置1は、自動で実行する審査の業務フローの範囲を主要な項目に基づいて、マスタにて柔軟に設定可能にし、審査を効率化している。このため、融資審査で業務オペレータに掛かる負担を軽減でき、また、オペレーションミスを防止して、迅速な融資判断を行うことができる。
【0080】
具体的には、実施の形態の融資審査装置1は、業務フローを整理し、下記の5つの項目により審査フローを自動化している。
【0081】
1.審査区分:事前審査又は本審査
2.依頼種類:新規、条件変更、与信更新
3.依頼区分:依頼や依頼取消等
4.サービス:住宅ローン又はカードローン等
5.資金使途:住宅、車、教育等
【0082】
このように、審査フローを自動化することで下記の効果を得ることができる。
【0083】
1.マスタの設定にて、主要項目に基づいて実施する審査パターンを変更できる。このため、審査する処理の組み合わせを柔軟に設定でき、全ての審査を自動的に実行することができる。従って、審査により、業務オペレータに掛かる負担を大幅に軽減できる。また、業務オペレータの人為的なミスを極力防止することができ、審査の正確性の向上を図ることができる。さらに、融資の審査を自動化できるため、審査結果に要する時間を削減でき、全ての審査を人為的に行っている同業者との差別化を図ることができる。
【0084】
2.例えば既に融資を行っており、追加の融資を行う際に、ジョブの実行又は非実行の設定により、審査の業務フローを途中から実行することができる。
【0085】
3.例えば、データ不正等で業務エラーが発生した場合、又は、審査上、目視等による手動での審査が必要な場合は、後続処理の自動実行を中止し、手動操作で後続処理を行う。これにより、審査の途中でエラーが発生した場合でも、正確な審査を可能とすることができる(正確な審査を担保できる)。
【0086】
4.各ジョブの実行状態を、ジョブ実行状態一覧画面に一覧表示することで、各ジョブの実行状態を一目で確認可能とすることができる。このため、例えば上述のようにジョブの実行中にエラーが発生した場合、審査パターンの各ジョブのうち、実行済のジョブ及び非実行のジョブを一目で認識可能とすることができる。
【0087】
5.連携された案件のデータに基づき、必要な審査のジョブを選定して実行する為、審査パターンに実行しないジョブを含んでいても正常に処理が最後まで進んだ場合、自動で承認及び結果の回答まで実施することができる。
【0088】
6.審査を行うサービス(融資の種類)を新たに追加する場合は、新たに追加するサービスに類似しているサービスに設定している審査パターンを選択して設定する。これにより、選択した審査パターンに含まれる各ジョブが、新たに追加するサービスのジョブとして追加される。このため、新たなサービスを簡単に追加することができ、高い保守性を備えた融資審査装置を提供できる。
【0089】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0092】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0093】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0094】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0095】
また、融資審査装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0096】
例えば、融資審査装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて融資審査装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0097】
また、この融資審査装置1の融資審査プログラムは、融資審査装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0098】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための融資審査プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0099】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した融資審査装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0100】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0101】
また、融資審査装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0102】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、例えば金融の融資審査に用いて好適である。
【符号の説明】
【0104】
1 融資審査装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 自動審査パターン分けマスタ
12 自動審査対象マスタ
13 自動審査ジョブマスタ
21 データ生成部
22 判定部
23 取得部
24 ジョブ実行部
25 表示制御部
26 記憶制御部
31 依頼者端末装置
35 ネットワーク