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特開2024-85153スラブ排水口用仮設排水装置における連結具
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  • 特開-スラブ排水口用仮設排水装置における連結具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085153
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】スラブ排水口用仮設排水装置における連結具
(51)【国際特許分類】
   E04D 15/00 20060101AFI20240619BHJP
   E04G 21/28 20060101ALI20240619BHJP
   E04D 13/04 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
E04D15/00 K
E04G21/28 Z
E04D13/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199530
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000157197
【氏名又は名称】丸井産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島本 英知
(57)【要約】
【課題】本設の配管を設置するまでの間、ドレン金物からの排水を仮設足場の外側に排水するスラブ排水口用仮設排水装置において、延長用の排水ホースとして使用する合成樹脂可とう電線管を連結するための連結具を提供する。
【解決手段】スラブ排水口に埋設するドレン金物Fの排水筒を外嵌する排水受具Aと、その排水受具を前記ドレン金物に固定する固定金具Bとからなる排水具本体と、その排水具本体に着脱自在になるホース部Cとからなる排水口用仮設排水装置において、略円筒状の連結具本体10の一方に前記排水受具の受具下筒A1、または、ホース部の外面に嵌着する上部開口部11を設け、他方に合成樹脂可とう電線管を接続するコネクターに嵌着する下部開口部14を設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラブ排水口に埋設するドレン金物の排水筒を外嵌する排水受具と、その排水受具を前記ドレン金物に固定する固定金具とからなる排水具本体と、その排水具本体に着脱自在になるホース部とからなる排水口用仮設排水装置において、略円筒状の連結具本体の一方に前記排水受具の受具下筒、または、ホース部の外面に嵌着する上部開口部を設け、他方に合成樹脂可とう電線管を接続するコネクターに嵌着する下部開口部を設けたことを特徴とするスラブ排水口用仮設排水装置における連結具。
【請求項2】
前記上部開口部に、前記排水受具の受具下筒の側面に設けた外方に突出する突起片に嵌合する凹溝状の嵌着部を設けた、請求項1に記載のスラブ排水口用仮設排水装置における連結具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スラブ排水口用仮設排水装置における連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設中の最上階のバルコニーに降り込む雨水や余剰水等がドレン金物をつたって階下のバルコニーに流れ落ちないようにするものとして、スラブ排水口に埋設するドレン金物の排水筒を外嵌する排水受具と、その排水受具の内壁に取付ける支持腕、及び、高さ調整用の締付けネジを設けた固定金具と、その固定金具に対して上下に摺動自在となり、該締付けネジの締付けにより適宜位置に固定されると共に、上端にドレン金物の排水受けツバに掛止する回動自在の掛止片を設けた支持杆とからなる排水具本体と、その排水具本体に着脱自在になる可撓性を有するホース部とからなることを特徴とする排水口用仮設排水装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3325484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような排水口用仮設排水装置において、前記ホース部は仮設足場につなぎ、バルコニーから仮設足場の外側に向かって排水できるように取り付けているが、排水が仮設足場や仮設足場の外側に装設する養生シートなどに飛び散って濡らしてしまい、歩行面が滑りやすくなり通行時の安全が確保できない、養生シート等も汚れてしまい美観を損なうなどの問題点があった。
【0005】
そのため、前記ホース部の末端にプラスチック製の薄肉筒状のポリチューブ等を結束線や紐で結んで簡易的な延長ホースとして使用して、仮設足場や養生シートに排水が掛からないように現場対応により設置していた。
【0006】
しかし、前記ホース部との連結において、専用のものではなく代用品を使用するため着脱に時間が掛かり作業手間となり、更に、工事の進行に伴い階上に移動した際に盛替え作業やホースを延長する作業が必要になるが、その都度、手間の掛かる着脱作業を行う必要があり、ホース部との連結や、ホースを延長する作業がより容易で確実に連結できる連結具が望まれていた。
【0007】
この発明は上記従来の課題に鑑みなされたもので、その目的は、本設の配管を設置するまでの間、ドレン金物からの排水を仮設足場の外側に排水するスラブ排水口用仮設排水装置において、延長用の排水ホースとして使用する合成樹脂可とう電線管を連結するための連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その手段として、本発明の請求項1は、スラブ排水口に埋設するドレン金物の排水筒を外嵌する排水受具と、その排水受具を前記ドレン金物に固定する固定金具とからなる排水具本体と、その排水具本体に着脱自在になるホース部とからなる排水口用仮設排水装置において、略円筒状の連結具本体の一方に前記排水受具の受具下筒、または、ホース部の外面に嵌着する上部開口部を設け、他方に合成樹脂可とう電線管を接続するコネクターに嵌着する下部開口部を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2は、前記上部開口部に、前記排水受具の受具下筒の側面に設けた外方に突出する突起片に嵌合する凹溝状の嵌着部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1によれば、略円筒状の連結具本体の一方に前記排水受具の受具下筒、または、ホース部の外面に嵌着する上部開口部を設け、他方に合成樹脂可とう電線管を接続するコネクターに嵌着する下部開口部を設けたため、排水受具の受具下筒、または、ホース部に延長用のホースとして使用する合成樹脂可とう電線管を、コネクターを介して容易に連結することができ、所望の位置で排水を行うことができると共に、作業の進行に伴う盛替え作業等においてもコネクター等を介してホース自体を容易に延長することができるので作業効率の向上を図ることができる。
【0011】
発明の請求項2によれば、前記上部開口部に、前記排水受具の受具下筒、またはホース部の側面に設けた外方に突出する突起片に嵌合する凹溝状の嵌着部を設けたことで、確実な取り付けができるので、排水の流動時の荷重等による連結部分の外れ等の心配がなく信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の中央断面図である。
図3】本発明の実施形態の連結状態を示す説明図である。
図4】本発明の連結具を取り付けるスラブ排水口用仮設排水装置の説明図である。
図5】本発明の実施形態の使用状態図である。
図6】本発明の別の実施形態を示す斜視図である。
図7】本発明の別の実施形態を示す斜視図である。
図8】本発明の別の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面により詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0014】
まず、図4及び図5によりスラブ排水口用仮設排水装置を説明する。スラブ排水口用仮設排水装置は、配管工事におけるスラブ、特にバルコニーGの排水口に埋設するドレン金物Fに本設の配管を設置するまでの期間において、その排水口に設置される。スラブ排水口用仮設排水装置は、雨天時でも階下のバルコニーの下面やサッシ回りの外壁のモルタル仕上げ作業等ができるように、建設中の最上階のバルコニーに降り込む雨水やコンクリート打設時に発生する余剰水等が、排水口に埋設したドレン金物Fをつたって階下のバルコニーに流れ落ちることなく、仮設足場の外側に排水させるためのものである。スラブ排水口用仮設排水装置は、排水受具A、固定金具B及びホース部Cを含む。また、本実施形態において、排水受具A及び固定金具Bを合わせて排水具本体と言う。
【0015】
排水受具Aは、スラブ排水口に埋設するドレン金物Fの排水筒を外嵌する。排水受具Aは、下方に向かうほど縮径するテーパー部と、そのテーパー部の下端から同径で延びる下部(受具下筒A1)とでジョウゴ状に形成された本体からなる。
【0016】
固定金具Bは、排水受具Aをドレン金物Fに固定する。固定金具Bは、水平材B1と該水平材B1に上下に進退自在に取り付けた支持杆B2及び、その先端に回動自在に取り付けた掛止片B3から構成され、前記水平材の両端が排水受具Aの受具下筒A1付近で接合されている。
【0017】
ホース部Cは薄肉のジャバラ状の円筒形長尺体であり、排水具本体に着脱自在である。ホース部Cは、一方の開口側から排水受具Aの受具下筒A1の外側に嵌合し、受具下筒A1の外周に設けた突起片A2に嵌着することで抜けを防止している。
【0018】
本発明の連結具は、スラブ排水口用仮設排水装置において、延長用の排水ホースとして使用する合成樹脂可とう電線管を連結するためのものである。本実施形態において、連結具は、円筒状の連結具本体10を含む。連結具本体10は、排水受具Aの受具下筒A1、またはホース部Cの外側に嵌着して取り付けるが、その形態について以下に説明する。
【0019】
図1図2図3より、連結具本体10は合成樹脂により薄肉円筒状に形成する。連結具本体10の上部に形成される上部開口部11は、排水受具Aの受具下筒A1、または、ホース部Cの外面に外嵌するように、それら外径よりやや大きな内径に形成している。
【0020】
連結具本体10は、上端に、上部に向かうほど外側に拡径する傾斜状の案内片12を有する。案内片12は上部開口部11の上端から上方に延びている。案内片12は、前記排水受具Aの受具下筒A1、または、ホース部Cを連結具本体10へ取り付ける時、上部開口部11内への案内となる。
【0021】
13は上部開口部11の下端においてその周縁に沿って形成した嵌着部である。嵌着部13は、内側から外側に向かって凹む溝状であり、前記排水受具Aの受具下筒A1、またはホース部Cの側面に設けた外方に突出する突起片A2、C2に嵌合することができる幅、深さに形成する。
【0022】
嵌着部13の下端から下方に向かって延びる中間部15は、上部開口部11と同径で延びる円筒形状である。中間部15は、その上端部が受具下筒A1、または、ホース部Cの下端部と重なり合う。中間部15の下端から、下方に向かって径の小さくなる縮径部16が形成される。
【0023】
14は下部開口部であり、連結具本体10の下端に形成する。下部開口部14は、縮径部16の下端から下方に延び、合成樹脂可とう電線管Dを接続するコネクターEが嵌着できるように円筒状で断面が波型形状に形成する。コネクターEは、合成樹脂可とう電線管Dの外径に沿うほどの内径の挿入口を有する円筒状の部材であり、その両端部にそれぞれ合成樹脂可とう電線管Dを挿入して連結させるものである。下部開口部14は、合成樹脂可とう電線管Dと同形態であってもよい。
【0024】
次に本発明の使用方法を説明する。図5は本実施形態の使用状態図である。
【0025】
バルコニーGに埋設したドレン金物Fに仮設排水装置を取り付けるが、その手順は、まず、ドレン金物Fの下側から固定金具Bの支持杆B2を挿入し、先端の掛止片B3を回動させて受け皿部分に掛止して取り付ける。
【0026】
次に、ホース部Cを排水受具Aの受具下筒A1の外側に嵌合させ、受具下筒A1の外周に設けた突起片A2にホース部Cの凹溝状の嵌着部C1を嵌着して取り付ける。
本発明の連結具はホース部Cの末端に上部開口部11を外嵌させ、ホース部Cの外周に設けた突起片C2に嵌着部13を嵌着して取り付けると共に、断面波型形状に形成した下部開口部14にコネクターEの一方を嵌着し、他方を合成樹脂可とう電線管Dを嵌着して連結することができる。
【0027】
また、ホース部Cを省略して本発明の連結具を排水受具Aの受具下筒A1に外側に嵌合させ、受具下筒A1の外周に設けた突起片A2にホース部Cの凹溝状の嵌着部C1を嵌着して直接取り付けることもできる。
【0028】
連結した合成樹脂可とう電線管Dは仮設足場Hの支柱等に結束して、地上面や排水溝など所望の位置まで延長して排水することができる。
【0029】
合成樹脂可とう電線管は、一般的な市販のCD管、PF管どちらを使ってもよく、コネクターもそれら管に合う市販のものを使うことができる。
【0030】
図6から図8は、本発明の別の実施形態を示す斜視図である。図6に示すように、連結具は、縦方向に分割し、その分割部分の一端及び他端を留具によって円筒状に結合可能な形態とし、排水受具の受具下筒を両側から挟むように嵌着するものであってもよい。あるいは図7に示すように、縦方向に分割した分割部分の一端をヒンジ状に接合し、他端を留具によって結合可能に構成して、排水受具の受具下筒を両側から挟むように嵌着することができる形態であってもよい。また、嵌着部13は上記実施形態のように必ずしも周方向に亘って形成されている必要はなく、図8に示すように、上部開口部に、上端から下方に延びるとともにその下端が周方向に延びて、正面視するとL型状に形成した凹溝状の嵌着部を設けて、本発明の連結具を排水受具の受具下筒に嵌める込む際、受具下筒に形成した突起片にこの嵌着部を沿わせて外嵌させ、水平方向に回転させることでロック状態となるような形態としてもよい。
【符号の説明】
【0031】
10 連結具本体
11 上部開口部
12 案内片
13 嵌着部
14 下部開口部
A 排水受具
A1 受具下筒
A2 突起片
B 固定金具
B1 水平材
B2 支持杆
B3 掛止片
C ホース部
C1 嵌着部
C2 突起片
D 合成樹脂可とう電線管
E コネクター
F ドレン金物
G バルコニー
H 仮設足場
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8