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特開2024-85197情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085197
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240619BHJP
   G06Q 20/04 20120101ALN20240619BHJP
【FI】
G06Q30/0207 346
G06Q20/04 314
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199594
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 奎太
【テーマコード(参考)】
5L020
5L030
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA11
5L030BB07
5L049BB07
5L055AA11
(57)【要約】
【課題】価値が変動する変動バリューの特典の付与を可能にし、ユーザに対して様々な特典の選択機会を増やす。
【解決手段】情報処理方法であって、情報処理装置が、決済金額に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む複数の特典に対し、第1特典から第2特典へ、又は、第2特典から第1特典への切替を可能にして、ユーザから1つの特典の選択を受け付けること、受け付けられた特典を設定すること、ユーザが決済した場合、ユーザと、設定された特典とを対応付けること、を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
決済金額に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む前記複数の特典に対し、前記第1特典から前記第2特典へ、又は、前記第2特典から前記第1特典への切替を可能にして、前記ユーザから1つの特典の選択を受け付けること、
受け付けられた特典を設定すること、
前記ユーザが決済した場合、前記ユーザと、設定された前記特典とを対応付けること、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記第2特典が設定され、前記ユーザにより決済が行われる度に、決済金額と決済時の前記変動バリューの値とに基づいて前記変動バリューの対価を算出することをさらに実行する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記第2特典は仮想通貨を含み、決済時に、算出された前記変動バリューの対価に相当する仮想通貨を取得することをさらに実行する、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記仮想通貨が取得された決済のキャンセルを不可にする、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記仮想通貨が取得され、決済が所定期間内にキャンセルされた場合、前記仮想通貨を売却することをさらに実行する、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記仮想通貨が取得され、決済が所定期間内にキャンセルされた場合、当該決済に関する前記第2特典と前記ユーザとの対応付けを解除することをさらに実行する、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記第2特典の設定中に行われた決済について、所定期間が経過した還元時ごとに、集計された決済金額と還元時の前記変動バリューの値とに基づいて前記変動バリューの対価を算出することをさらに実行する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
決済から所定期間内における当該決済のキャンセルを許可することをさらに実行する、請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
決済金額から前記特典の対価へと還元する還元率は、前記変動バリューの対価に相当する仮想通貨に対する行動を含むユーザ行動に基づいて決定される、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
仮想通貨を対価とする前記第2特典の場合、当該第2特典への還元率は、仮想通貨取引所のスプレッドに基づいて決定される、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記受け付けることは、
前記第2特典の対価に相当する仮想通貨が、所定期間内に所定価格以上変動した場合、前記第2特典の選択を受け付けないことを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置に、
決済金額に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む前記複数の特典に対し、前記第1特典から前記第2特典へ、又は、前記第2特典から前記第1特典への切替を可能にして、前記ユーザから1つの特典の選択を受け付けること、
受け付けられた前記特典を設定すること、
前記ユーザが決済した場合、前記ユーザと、設定された前記特典とを対応付けること、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
1又は複数のプロセッサを含む情報処理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサが、
決済金額に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む前記複数の特典に対し、前記第1特典から前記第2特典へ、又は、前記第2特典から前記第1特典への切替を可能にして、前記ユーザから1つの特典の選択を受け付けること、
受け付けられた前記特典を設定すること、
前記ユーザが決済した場合、前記ユーザと、設定された前記特典とを対応付けること、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポイントカードに蓄積されたポイントを電子通貨に変換する技術が知られており(例えば、特許文献1参照)、また、複数のポイントから一つのポイントを選択することが可能な技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6356326号公報
【特許文献2】特許第5298220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、特典の付与率又は還元率が異なるポイントを複数取り扱ってはいるが、価値が変動する特典を取り扱ってはおらず、ユーザが受けられる特典は限定的であるといえる。
【0005】
そこで、本開示は、価値が変動する変動バリューの特典の付与を可能にし、ユーザに対して様々な特典の選択機会を増やすことが可能な情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、決済金額に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む前記複数の特典に対し、前記第1特典から前記第2特典へ、又は、前記第2特典から前記第1特典への切替を可能にして、前記ユーザから1つの特典の選択を受け付けること、受け付けられた特典を設定すること、前記ユーザが決済した場合、前記ユーザと、設定された前記特典とを対応付けること、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の一態様に係る情報処理システムの構成の一例、本開示に係るサーバのハードウェア構成の一例、及び本開示に係る端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図の一例を示す図である。
図2】実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るアカウント情報の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る決済管理情報の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る取引管理情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理システムの処理のシーケンスの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る第2特典の仮想通貨の付与に関する処理の一例示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る端末120の画面に表示されるモード切替の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正をもって実施される。
【0009】
本開示に係る情報処理方法、プログラム及び情報処理装置を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
<システム構成>
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成を開示する。情報処理システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A、サーバ110Bと、端末120A、端末120B、端末120Cと、サーバ110Aと連携するサーバ150とが接続される。例えば、サーバ110Aは、サーバ150と連携していることで、サーバ150が提供するサービス(例えば、決済サービスや電子商取引サービス)に関連する情報を取得することが可能である。
【0011】
サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110Aとサーバ110Bとは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続されるサーバ110の数は限定されない。
【0012】
端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120Aと端末120Bと端末120Cとは、それぞれ端末120と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される端末120の数は限定されない。
【0013】
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、金融サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセージングサービスを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービス等を含む。サーバ150は、例えば電子商取引プラットフォームを構築し、電子商取引サービスなどを端末120に提供する。サーバ110、150は、単独で1以上のそれぞれのサービスを提供してもよいし、複数で1以上のそれぞれのサービスを提供してもよい。サーバ110、150が1以上の端末120にそれぞれのサービスを提供することで、ユーザが端末120を介してそれぞれのサービスを利用することができる。
【0014】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザに対応付けられた情報をユーザ情報Xと表現する。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報、ユーザに対応付けられた電子バリュー(電子マネー)の残高情報、ユーザに対応付けられたクレジットカード情報(クレジットカード番号など)等を含むことができる。
【0015】
ネットワーク130は、2以上のサーバ110、150、又は2以上の端末120を接続する。ネットワーク130は、端末120がサーバ110、150に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する。
【0016】
ネットワーク130の1以上の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0017】
サーバ110、150、及び端末120は、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
【0018】
サーバ110、150、及び端末120は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホーム等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0019】
<各情報処理装置のハードウェア構成>
(1)サーバのハードウェア構成
図1を用いて、情報処理システム1に含まれるサーバ110のハードウェア構成について説明する。
【0020】
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力インタフェース(入出力I/F)114と、入力装置115と、出力装置116と、送受信部117とを有する。サーバ110のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0021】
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力I/F114と、送受信部117との協働により、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現する。
【0022】
プロセッサ111は、ストレージ113に記憶されるプログラムに含まれるコード、または、命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ111は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、または、方法を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0023】
メモリ112は、ストレージ113からロードしたプログラム1121を一時的に記憶し、プロセッサ111に対して作業領域を提供する。メモリ112には、プロセッサ111がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ112は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。 ストレージ113は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ113は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0024】
入出力I/F114は、サーバ110に対する各種操作を入力する入力装置115、および、サーバ110で処理された処理結果を出力する出力装置116に接続する。
【0025】
入力装置115は、ユーザからの入力を受け付けて、入出力I/F114を介し、当該入力に係る情報をプロセッサ111に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0026】
出力装置116は、入出力I/F114を介し、プロセッサ111で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置116は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置116は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンター等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0027】
なお、入力装置115と出力装置116が一体化していてもよいし、入力装置115と出力装置116とは分離していてもよい。
【0028】
送受信部117は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。送受信部117は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。送受信部117は、各種データをプロセッサ111からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、送受信部117は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ111に伝達する。なお、サーバ150は、サーバ110と同様の装置を有するため、説明を省略する。
【0029】
(2)端末120のハードウェア構成
図1を用いて、情報処理システム1に含まれる端末120のハードウェア構成について説明する。
【0030】
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128とを有する。端末120のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0031】
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128との協働により、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現する。
【0032】
プロセッサ121は、ストレージ123に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ121は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、または、方法を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0033】
メモリ122は、ストレージ123からロードしたプログラム1221を一時的に記憶し、プロセッサ121に対して作業領域を提供する。メモリ122には、プロセッサ121がプログラム1221を実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ122は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0034】
ストレージ123は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ123は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0035】
入出力I/F124は、端末120に対する各種操作を入力する入力装置125、および、端末120で処理された処理結果を出力する出力装置126に接続する。
【0036】
入力装置125は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ121に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0037】
出力装置126は、プロセッサ121で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンター等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0038】
なお、入力装置125と出力装置126が一体化していてもよいし、入力装置125と出力装置126とは分離していてもよい。
【0039】
送受信部127は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。送受信部127は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。送受信部127は、各種データをプロセッサ121からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、送受信部127は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ121に伝達する。
【0040】
(3)その他
1以上の情報処理装置で構成されるクラウドコンピューティングが、サーバ110、150または、端末120における処理、機能、または、方法の少なくとも一部を実現してもよい。
【0041】
他の情報処理装置が、サーバ110、150または端末120における処理、機能、または、方法の少なくとも一部を実現してもよい。この場合、他の情報処理装置のプロセッサが、プロセッサ111またはプロセッサ121により実現される処理のうち少なくとも一部の処理を実現してもよい。
【0042】
本開示の各実施形態の処理を実行するプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラム等であってよい。
【0043】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または、揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0044】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ110、150または、端末120に提供されてもよい。
【0045】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0046】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、JavaScript(登録商標)、Pythonなどのスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift(登録商標)、Kotlin(登録商標)、Java(登録商標)などを用いて実装されてもよい。
【0047】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0048】
本開示は、本開示に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。また、添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態または実施例の1以上の特徴と、本開示における他の実施形態または実施例の1以上の特徴との任意の組合せを包含する。
【0049】
加えて、特定の処理、機能又は方法を実施するように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能である、動作可能である、または動作できる装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲での参照は、その装置、システム、または構成要素がそのように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能にされる、動作可能にされる、または動作できる限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能がアクティベートされ、オンにされ、またはロック解除されているか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を包含する。
【0050】
本開示は、明示されない限り、いずれの実施形態または実施例を実施するに際して、事前に、または、実施の直前にユーザからの同意を取得してもよい。また、取得する同意は、包括的なものでもよく、都度取得するものでもよい。
【0051】
<実施形態>
実施形態は、例えば、ユーザが固定バリューの特典と変動バリューの特典とを任意のタイミングで切り替えて選択することが可能であり、ユーザにより選択された特典が付与される決済(又は取引)を処理する実施形態である。
【0052】
実施形態により、価値が変動する変動バリューの特典の付与を可能にし、ユーザに対して様々な特典の選択機会を増やすことができるという効果が得られる。
【0053】
<実施形態の構成>
図1を用いてサーバ110、端末120の各構成を説明する。
(1)サーバの構成
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112,ストレージ113と、入出I/F114と、入力装置115と、出力装置116と、送受信部117とを有する。
【0054】
プロセッサ111により実行されて構成されうる処理、機能又は方法は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)などにより実現されてもよい。
【0055】
入出力I/F114は、入力装置115または出力装置116から、サーバ110により提供される各種のサービスを運営する事業者からの各種の設定操作等を受け付ける。
【0056】
送受信部117は、プロセッサ111の指示に従い、端末120等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部117は、例えば、端末120等からのログイン要求に含まれるユーザID、及びパスワードにより端末120等のユーザが認証された際、端末120等とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、端末120等の通信用のアドレス、及びユーザID等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、端末120等にデータを送信する。
【0057】
メモリ112は、実施形態において、プログラム1121、ユーザ情報1122、アカウント情報1123、決済管理情報1124、取引管理情報1125、決済制御モジュール1126、取引制御モジュール1127、特典制御モジュール1128及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。なお、メモリ112に記憶される情報は他の記憶装置(例えばストレージ113)に記憶されてもよい。
【0058】
プログラム1121は、上述したとおり、ストレージ113からロードされたプログラムであって、実施形態における処理に関する命令等が含まれる。また、プログラム1121は、電子商取引サービス及び/又は決済サービスをユーザに提供する処理を実行するための命令を含んでもよい。
【0059】
ユーザ情報1122は、電子決済を行う決済サービスにおいて登録されたユーザの情報を含む。ユーザ情報1122は、電子商取引プラットフォームを提供する事業者に共有されてもよい。
【0060】
図2は、実施形態に係るユーザ情報1122の一例を示す。ユーザ情報には、決済サービスを運営、管理する決済事業者により作成された各会員ユーザに関する情報が管理される。また、決済事業者は、仮想通貨の取引を行う仮想通貨取引所を運営する事業者でもよい。
【0061】
「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)が含められる。「メールアドレス」には、ユーザにより登録されたメールアドレスが含められる。「氏名」には、ユーザの氏名が含められる。「職業」には、ユーザにより登録された職業が含められる。また、ユーザ情報には、上記例以外にも、年収、住所、生年月日、運電免許証の有無、運転免許証がある場合は運転免許証番号、特典を示す特典識別情報などが含められてもよい。
【0062】
図3は、実施形態に係るアカウント情報1123の一例を示す。アカウント情報には、例えば決済事業者により作成された各ユーザのアカウントに関する情報が管理される。決済事業者は、例えば、電子商取引プラットフォームを運営、管理する者でもよい。
【0063】
「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報が含められる。「パスワード」には、ユーザ認証を行うためのパスワードが含められる。「残高」には、ユーザが保有するアカウントの電子マネー(又は電子バリュー)の残高が含められる。電子マネーは、例えば、現金をデータ化し、決済が可能な金銭的価値である。
【0064】
図3に示す例では、残高には、チャージ金額、売上高(売上金)、ポイント1、ポイント2などが含まれる。この種類は一例であって、これらに限定されるものではない。チャージ金額とは、例えば、ユーザが、自身の銀行口座から、決済事業者により作成されたアカウントの口座へ入金した金額を示す。売上高とは、例えば、ユーザが、連携する電子商取引プラットフォームに商品を出品して販売することで得た収益を示す。ポイント1とは、例えば、ユーザが、売上高を変換して得たポイントであり、連携する電子商取引プラットフォームにおいて利用されるポイントを示す。ポイント2とは、例えば、決済事業者等の他者が付与したポイントであり、連携する電子商取引プラットフォームにおいて利用されるポイントである。
【0065】
チャージ金額は、ユーザが、決済事業者が提供するアプリケーション内で、自身の銀行口座の情報を入力し、ユーザIDと銀行口座とを対応付け、本人確認が完了した場合に、アカウントの残高に任意の金額をチャージ可能となる。なお、チャージ金額は、銀行口座以外にも、コンビニエンスストアなどでチャージすることも可能である。以下、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認が完了していれば、「本人確認後」と表記し、本人確認が未完了であれば、「本人確認前」と表記する。
【0066】
ポイント1は、銀行接続前に、ユーザが電子商取引プラットフォームにおいて取引するために、売上高が変換された有償のポイントであり、ポイント1は、有効期限が設定されてもよい。有効期限は、例えば6か月である。ポイント1は、銀行接続後であれば、売上高からの出金が可能になるため、新規に敢えてポイント1に変換して保有される必要がない。したがって、銀行接続前に保有されたポイント1は、使用により徐々に減少する。なお、銀行接続とはユーザのアカウントとユーザが保有する銀行口座とを対応づけられた状態である。
【0067】
ポイント2は、決済事業者等が、特典として配布、又は付与する無償のポイントであり、ポイント2は、有効期限が設定されてもよい。ポイントの2の有効期限は、ポイント1の有効期限よりも短く設定されてもよい。
【0068】
「仮想通貨」には、特典として付与された仮想通貨や、ユーザが購入し、又は保有する仮想通貨が含まれる。仮想通貨は、例えば、ビットコイン(登録商標)などの暗号資産であり、変動性があってやり取り可能な財産的価値である。
【0069】
図4は、実施形態に係る決済管理情報1124の一例を示す。決済管理情報は、決済にかかる情報であればどのようなものであってもよい。例えば、ユーザが商品購入時などに決済端末により生成され、サーバ110に送信される情報である。「決済ID」には、決済を識別するための識別情報(決済ID)が含められる。「日時」には、電子決済が完了した日時が含められる。電子決済は、例えば、二次元コードを用いた決済や、クレジットカード決済などが含められてよい。「店舗ID」には、電子決済が行われた店舗の店舗情報(店舗IDとも称す)が含められる。なお、店舗IDは、店舗に複数のPOS端末がある場合は、POS端末のIDでもよい。「支払額」には、電子決済が行われた際の支払額が含められる。「決済方法」には、決済に利用される決済方法の情報が含められる。決済方法は、例えば、一括払い、翌月以降にまとめて支払うあと払い、翌月以降に定額を清算していく定額あと払い、コンビニ払い、クレジット払い、残高払い、ボーナス払いなどのうちの1つである。また、1の決済に複数の決済方法が選択されてもよい。「ステータス」には、決済(清算が)が完了している場合は「済」を示す情報、決済が完了していない場合は「未」を示す情報が含められる。「還元方法」には、ユーザが選択した特典の還元方法を示す情報が含められる。例えば、還元方法には、ポイント還元の第1特典や、仮想通貨還元の第2特典などが含められる。なお、決済管理情報には、引き落としの情報、送金情報、生産情報などが含まれてもよい。
【0070】
サーバ110が電子商取引プラットフォームにより提供される電子商取引サービスと連携する場合、取引管理情報1125は、電子商取引プラットフォームにおける商品の売買に関する取引情報の履歴を含む。
【0071】
図5は、実施形態に係る取引管理情報1125の一例を示す。「出品者ID」には、売り手のユーザのユーザIDが含められる。「商品名」には、商品の名称が含められる。「説明」には、商品の説明が含められる。「金額」には、商品の販売価格が含められる。なお、「商品名」、「説明」、「金額」は、商品の出品情報に含められ、出品情報には、その他の情報が含められてもよい。「出品時刻」には、商品が出品された時刻が含められる。「購入者ID」には、その商品を購入したユーザのユーザIDが含められる。「決済方法」は、購入者が商品購入に用いる決済方法が含められる。「還元方法」には、図4に示す還元方法と同様に、ユーザが選択した特典の還元方法を示す情報(例えば特典識別情報)が含められる。
【0072】
なお、取引管理情報のその他の項目として、「ステータス」が含められてもよい。「ステータス」には、電子商取引における取引の状態が含められる。ステータスは、現在取引中であることを示す「取引中」、買い手であるユーザとの交渉中であることを示す「交渉中」、販売済を示す「済」などを含んでよい。
【0073】
図1に戻り、メモリ112に記憶される決済制御モジュール1126は、プロセッサ111により実行されることで、各ユーザによる各加盟店での商品購入時の決済処理や、電子商取引プラットフォームにおいての商品購入時の決済処理などを実行する。例えば、店舗における決済処理は、図4に示す決済管理情報で管理され、電子商取引プラットフォームにおける決済処理は、図5に示す取引管理情報で管理される。
【0074】
また、決済事業者により電子商取引プラットフォームが提供される場合、メモリ112に記憶される取引制御モジュール1127は、プロセッサ1111により実行されることで、電子商取引プラットフォームにおける売買取引を制御する。例えば、取引制御モジュール1127は、電子商取引プラットフォームにおいて、ユーザ登録、出品処理、売買取引処理、評価処理、電子バリューの管理処理などを制御する。なお、取引制御モジュール1127は、他の事業者のサーバ(例えばサーバ150)に設けられてもよい。
【0075】
以下、店舗又は電子商取引プラットフォームにおいて、ユーザが設定した第1特典又は第2特典を含む複数の特典の中から少なくとも1つの特典を付与する処理について説明する。
【0076】
決済制御モジュール1126は、ユーザが利用する端末120又は店舗端末からの決済処理リクエストに応じて、決済処理リクエストに基づく決済処理を制御する。決済処理リクエストは、例えば、ユーザが店舗で電子決済などを行った際に生成されるリクエストであり、図4に示す決済管理情報の項目を含んでもよい。
【0077】
取引制御モジュール1127は、ユーザが利用する端末120からの取引処理リクエストに応じて、取引処理リクエストに基づく取引処理を制御する。取引処理リクエストは、例えば、所定ユーザが電子商取引プラットフォームで商品を購入する際に生成されるリクエストであり、図5に示す取引管理情報の項目を含んでもよい。
【0078】
特典制御モジュール1128は、ユーザが利用する決済や取引に対して特典を付与する処理を制御する。例えば、特典制御モジュール1128は、決済金額(取引金額を含む)に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む複数の特典に対し、第1特典から第2特典へ、又は、第2特典から第1特典への切替を可能にして、ユーザから1つの特典の選択を受け付ける。
【0079】
例えば、第1特典は、図3に示すポイント2を含み、第2特典は、図3に示す仮想通貨を含む。なお、仮想通貨は、複数の仮想通貨1、2、・・・を含んでもよい。各特典は、決済金額に所定の還元率を乗算することで求められ得る。
【0080】
例えば、特典制御モジュール1128は、端末120に対して、設定メニューなどから特典を選択できるように制御する。端末120は、ユーザに対して、特典を第1特典にするか、第2特典にするかを切替可能にして選択させる。また、端末120は、決済画面又は取引画面において、第1特典又は第2特典のどちらにするかを切替可能にして選択させてもよい。具体例として、特典制御モジュール1128は、第1特典のモード、第2特典のモードを用いて、どちらのモードにするかをユーザに選択させてもよい(例えば図8参照)。各モードに複数の特典が含まれる場合は、2段階のユーザ選択により、最終的な1つの特典を選択させるようにしてもよい。なお、端末120はユーザに対して、決済の都度又は取引の都度、決済画面又は取引画面において第1特典又は第2特典のどちらにするかを切替可能にして選択させることで、より柔軟にユーザに特典を選択させることができる。
【0081】
特典制御モジュール1128は、端末120から選択された又は切り替えられた特典を示す特典識別情報を受け付ける。特典識別情報は、例えば、図3に示すポイント2、仮想通貨などを識別する情報を含む。
【0082】
特典制御モジュール1128は、受け付けられた特典を設定する。例えば、特典制御モジュール1128は、特典識別情報が示す特典を、ユーザが設定した特典として、ユーザ情報などに関連付けて設定する。
【0083】
特典制御モジュール1128は、ユーザが決済(取引)した場合、ユーザと、設定された特典とを対応付ける。例えば、特典制御モジュール1128は、決済(取引)が行われる際に、ユーザ情報に設定された特典が参照されて、決済管理情報(取引管理情報)において還元方法としての特典とユーザとを関連付けてもよい。なお、特典を付与する対象のユーザ行動として、決済を例にするが、電子商取引における決済を含んでもよい。
【0084】
以上の処理により、価値が変動する変動バリューの特典の付与を可能にし、ユーザに対して様々な特典の選択機会を増やすことができるようになる。例えば、ユーザは、変動バリューの価値が上がる傾向にあると判断すれば、第2特典が付与されるように特典を設定しておくと、この設定以降の決済では第2特典が付与される。また、ユーザは、変動バリューの価値が下がる傾向にあると判断すれば、固定バリューの第1特典が付与されるように特典を切り替えることが可能である。このように、変動バリューに対する価値に連動してユーザは容易に特典を切り替えることが可能になり、ユーザの満足度の向上や利便性の向上を図ることができる。
【0085】
次に、特典を付与するタイミング(「還元タイミング」ともいう)について説明する。例えば、還元タイミングは、決済時に特典を付与する還元タイミング1と、所定期間内の決済について、まとめて特典を付与する還元タイミング2とを含む。
【0086】
《還元タイミング1》
特典制御モジュール1128は、第2特典が設定されている状況においてユーザにより決済が行われる度に、決済金額と決済時の変動バリューの値とに基づいて、変動バリューの対価を算出することを含んでもよい。例えば、特典制御モジュール1128は、決済が行われる度に、決済金額と、決済時の仮想通貨の価格と、還元率とを用いて、付与(還元)する仮想通貨の量を算出してもよい。
【0087】
以上の処理により、ユーザが決済時点の仮想通貨の価格に基づいて第2特典を選択した場合に、決済時点の仮想通貨の価格に基づいて、決済時に特典を付与する場合の仮想通貨の対価を算出することが可能になる。
【0088】
ここで、仮想通貨の場合の還元率について説明する。ユーザは、仮想通貨を取引する際に、買値と売値の差額(スプレッド)を仮想通貨取引所に支払う。スプレッドは仲介手数料とも称される。第2特典の還元率は、固定バリューの第1特典の還元率に、後に仮想通貨を売却するときに支払うスプレッド分に基づく値を上乗せした還元率としてもよい。
【0089】
例えば、第1特典の還元率をA%、スプレッド分の上乗せ率をB%とするとき、第2特典の還元率T%は以下の式(1)により表される。
T%=A%+A%×B% …式(1)
【0090】
これにより、ユーザに対して第2特典の還元率を第1特典よりもアップさせて表示させることができ、第2特典の選択率の向上を図ることができ、その結果、仮想通貨取引所の活性化を図ることができる。
【0091】
また、第2特典が仮想通貨を含む場合、特典制御モジュール1128は、決済時に、算出された変動バリューの対価に相当する仮想通貨を取得することを含んでもよい。例えば、特典制御モジュール1128は、ユーザに還元する仮想通貨の量Bを以下の式により決定する。
B=(決済金額×還元率(T%))÷決済時の仮想通貨の価格
特典制御モジュール1128は、決済時に、Bの量の仮想通貨を購入して取得する。
【0092】
以上の処理により、ユーザが決済時点の仮想通貨の価格に基づいて第2特典を選択した場合に、決済時点の仮想通貨の価格に基づいて、決済時に特典の還元を行うことが可能になる。
【0093】
決済制御モジュール1126(取引制御モジュール1127)は、第2特典として仮想通貨が取得された場合、仮想通貨が取得された決済のキャンセルを不可にしてもよい。例えば、決済制御モジュール1126は、決済管理情報内のキャンセル可否項目を設定可能にし、第2特典が既に付与された場合は、この項目に対してキャンセル不可を設定する。これは、決済時に仮想通貨を還元すると、その後のキャンセル時の仮想通貨の価格と、決済時の仮想通貨の価格とが異なるため、還元した特典の払い戻しが複雑になるからである。そのため、サーバ110の処理負荷を考慮して、決済時に仮想通貨の第2特典を付与していた場合は、決済制御モジュール1126(取引制御モジュール1127)は、その決済(取引)をキャンセルできないように制限を加えてもよい。
【0094】
決済制御モジュール1126(取引制御モジュール1127)は、端末120からのキャンセル依頼に対して、キャンセル可否項目を参照してキャンセルの可否を判定し、又は、第2特典が付与された否かによりキャンセルの可否を判定し、キャンセル可能の場合にキャンセル処理を実行する。
【0095】
以上の処理により、第2特典の価値の変動を考慮して、決済時に第2特典を還元した場合は、その決済をキャンセル不可とすることで、サーバ110の処理負荷を増加させることを防止することができる。
【0096】
また、第2特典として仮想通貨が取得された場合、ユーザにより決済が所定期間内にキャンセルされると、特典制御モジュール1128は、第2特典として付与したユーザに仮想通貨をユーザから引き取り、売却することを含んでもよい。例えば、第2特典として仮想通貨を付与した後に、第2特典の付与に紐づく決済のキャンセルが行われた場合、特典制御モジュール1128は、仮想通貨の付与をキャンセルし、決済時とキャンセル時の仮想通貨の価格に差異があっても仮想通貨を売却する。
【0097】
以上の処理により、決済時に第2特典を付与していても、ユーザの利便性を考慮して、決済のキャンセルを可能にすることができる。
【0098】
また、第2特典として仮想通貨が取得された場合、ユーザにより決済が所定期間内にキャンセルされると、特典制御モジュール1128は、この決済に関する第2特典とユーザとの対応付けを解除することを含んでもよい。例えば、第2特典として仮想通貨を付与した後に、第2特典の付与に紐づく決済のキャンセルが行われた場合、特典制御モジュール1128は、ユーザに付与した仮想通貨を引き取り、引き取った仮想通過をサーバ110で保有するようにしてもよい。
【0099】
以上の処理により、決済時に第2特典を付与していても、ユーザの利便性を考慮して、決済のキャンセルを可能にすることができる。
【0100】
《還元タイミング2》
特典制御モジュール1128は、第2特典の設定中に行われた決済について、所定期間が経過した還元時ごとに、集計された決済金額と還元時の変動バリューの値とに基づいて変動バリューの対価を算出することを含んでもよい。例えば、特典制御モジュール1128は、所定期間経過ごとに、第2特典が設定された状況で行われた決済において集計された決済金額と、還元時の仮想通貨の価格と、還元率とを用いて、付与(還元)する仮想通貨の量を算出してもよい。仮想通貨の場合の還元率は上述したとおりである。所定期間は、例えばひと月や、あと払いによる決済の清算が行われるまでの期間を含む。
【0101】
以上の処理により、所定期間内の決済金額を集計しておき、還元時点の仮想通貨の価格と集計金額とに基づいて、還元時に特典を付与する場合の仮想通貨の対価を算出することが可能になる。この結果、還元する特典を還元時にまとめて算出することが可能になるため、サーバ110の処理負荷の増加を防ぐことができる。
【0102】
また、第2特典の仮想通貨が、想定よりも価値が上がらないことによる決済のキャンセルがありうるが、還元タイミング2の場合、還元時にならないと仮想通貨を取得しないので、キャンセル処理が容易である。
【0103】
還元タイミング2の場合、決済制御モジュール1126(取引制御モジュール1127)は、決済から所定期間内における決済のうち、少なくとも一つの決済のキャンセルを許可することを含んでもよい。例えば、決済制御モジュール1126(取引制御モジュール1127)は、決済から特典が還元されるまでの間は、キャンセルを可能としてもよい。具体例としては、決済制御モジュール1126は、上述したキャンセル可否項目に対し、キャンセル可能を設定する。
【0104】
以上の処理により、ユーザの利便性を考慮して、決済のキャンセルを可能にすることができる。この場合、第2特典はまだ付与されていないので、決済のキャンセルの処理は容易である。
【0105】
また、第2特典は仮想通貨を含む場合、特典制御モジュール1128は、還元時に、算出された変動バリューの対価に相当する仮想通貨を取得することを含んでもよい。また、特典制御モジュール1128は、還元タイミング2で還元する場合、ユーザの同意を事前に取得するようにしてもよい。
【0106】
また、特典制御モジュール1128は、仮想通貨を取得するのは還元時であっても、決済の都度、決済時の仮想通貨の価格を用いて仮想通貨の対価を算出し、算出した仮想通貨の対価を所定期間内の決済について集計し、集計した対価分の仮想通貨を取得してもよい。
【0107】
なお、第2特典の還元のタイミングを還元タイミング1又は還元タイミング2にするかを、ユーザに選択させてもよい。例えば、ユーザが第2特典のモードに選択又は切り替えた場合に、還元タイミングを決済時(還元タイミング1)と還元時(還元タイミング2)のどちらにするか選択させてもよい。また、決済のキャンセルについて、決済時であれば、キャンセル不可にし、還元時であればキャンセル可能としてもよい。
【0108】
また、決済時又は還元時を問わず、第2特典の仮想通貨を取得してユーザに付与した後にキャンセルを許可する場合、サーバ110は仮想通貨をそのまま保持してもよいし、売却してもよい。
【0109】
また、還元タイミング2で仮想通貨を購入して取得する場合、仮想通貨の価格は変動するため、決済時の仮想通貨の対価と、還元時の仮想通貨の対価とが一致しない可能性がある。この場合、仮想通貨の価値が下落して、決済時の仮想通貨の対価から目減りしてしまうとき、特典制御モジュール1128は、マイナスになった分を第1特典のポイントで補填してもよい。
【0110】
他方、仮想通貨の価値が上昇して、決済時の仮想通貨の対価から増えてしまうとき、特典制御モジュール1128は、プラスになった分を差し引いて仮想通貨をユーザに付与してもよいし、プラスになった分を含めてそのままユーザに仮想通貨を付与してもよい。
【0111】
《還元率》
次に、還元率の変動について説明する。還元率は、決済金額から特典の対価へと還元するものであり、ユーザ個別に還元率が設定されてもよい。例えば、還元率は、ユーザ行動に基づいて還元率が設定されてもよい。例えば、還元率は、第2特典の変動バリューの対価に相当する仮想通貨に対する行動を含むユーザ行動に基づいて決定されてもよい。ユーザ行動は、例えば、出品回数、出品金額、決済回数、決済金額、仮想通貨の購入回数などを含んでよい。上述した回数または金額が大きいほど、還元率が高く設定されてもよい。
【0112】
以上の処理により、例えばユーザに対して仮想通貨の取引に対するインセンティブを与え、仮想通貨取引所の活性化を図ることができる。
【0113】
また、上述したとおり、仮想通貨の第2特典への還元率は、仮想通貨取引所のスプレッドに基づいて決定されてもよい。例えば、スプレッドが大きければ、上述のB%が大きく設定され、スプレッドが小さければ、上述のB%が小さく設定される。
【0114】
《第2特典モードに関する制約又は報知》
第2特典を受け付けることに制約を加えてもよい。例えば、特典制御モジュール1128は、第2特典の対価に相当する仮想通貨が、所定期間内に所定価格以上変動した場合、第2特典の選択を受け付けないようにしてもよく、第2特典を選択していても第1特典に変換してもよい。仮想通貨は一般的にボラリティが大きいため、ユーザの想像以上の価格変動が生じた場合は、特典制御モジュール1128は、第2特典モードの受付を停止するようにしてもよい。
【0115】
以上の処理により、ユーザの想像以上の価格変動が生じていることをユーザに報知することが可能になる。
【0116】
また、第2特典モードの受け付けを停止することは、所定期間内に、所定価格以上下落した場合にしてもよい。また、所定期間又は所定価格は、ユーザにより設定させてもよい。また、第2特典モードの受け付けを停止しても、ユーザの許可を得ることで、第2特典モードの受け付けを再開してもよい。また、特典制御モジュール1128は、第2特典モードに制約を加えることについて、ユーザの許可を事前に取得するようにしてもよい。
【0117】
また、還元タイミング2が設定されている場合、特典制御モジュール1128は、還元時の所定日前に、その時点の仮想通貨の価格又は変動傾向を公開情報から取得し、取得した価格や変動傾向に基づく情報をユーザに報知してもよい。例えば、特典制御モジュール1128は、仮想通貨が所定値以上の価格である場合又は上昇傾向にある場合、第1特典を設定しているユーザが利用する端末120に対して、第2特典への変更を提案する通知を行ってもよい。また、特典制御モジュール1128は、仮想通貨が所定値以下の価格である場合又は減少傾向にある場合、第2特典を設定しているユーザが利用する端末120に対して、第1特典への変更を提案する通知を行ってもよい。
【0118】
なお、上述した1つ又は複数のプロセッサ111は、メモリ112から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数のプロセッサ111は、決済制御モジュール1126、取引制御モジュール1127、特典制御モジュール1128を実行することで、決済制御部、取引制御部、特典制御部をそれぞれ構成してもよい。
【0119】
(2)端末120の構成
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128とを有する。
【0120】
プロセッサ121により実行される処理、機能又は方法は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)などにより実現されてもよい。
【0121】
入力装置125は、端末120のユーザからの各種の操作等を受け付ける。
【0122】
送受信部127は、プロセッサ121の指示に従い、サーバ110等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部127は、例えば、サーバ110にログインした際、サーバ110とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、サーバ110の通信用のアドレス等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、サーバ110にデータを送信する。
【0123】
プロセッサ121は、サーバ110により提供される所定のサービスを利用する処理を行う。
【0124】
メモリ122は、ある実施形態において、次のプログラム1221、決済処理モジュール1222、取引処理モジュール1223、表示制御モジュール1224及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。なお、メモリ122に記憶される情報は他の記憶装置(例えばストレージ123)に記憶されてもよい。
【0125】
プログラム1221は、上述したとおり、ストレージ123からロードされたプログラムであって、各実施形態に関する命令等が含まれる。
【0126】
決済処理モジュール1222は、電子決済に関する処理を実行する。例えば、決済処理モジュール1222は、ユーザの情報をコード化して、そのコードを店舗の端末に読み取らせるストアスキャン型、又は、店舗の情報を含むコードを読み取るユーザスキャン型の決済などを実行する。
【0127】
取引処理モジュール1223は、電子商取引プラットフォームにおいて商品の売買取引を行う処理を実行する。例えば、取引処理モジュール1223は、電子商取引プラットフォーム上で、商品を出品したり、商品を購入したりする処理を実行する。
【0128】
また、取引処理モジュール1223は、仮想通貨の売買取引を行う処理を実行してもよい。例えば、取引処理モジュール1223は、仮想通貨を購入したり、売却したりする。仮想通貨取引所において仮想通貨の売却が行われると、スプレッドの差額が発生する。なお、仮想通貨の取引を行う機能は、取引処理モジュール1223とは別の仮想通貨取引制御モジュールとして構成されてもよい。
【0129】
表示制御モジュール1224は、電子決済サービス、電子商取引プラットフォーム、仮想通貨取引に関する画面データを、出力装置126に表示するよう制御する。例えば、表示制御モジュール1224は、商品を出品するための画面を表示するよう制御したり、商品を購入する画面を表示するよう制御したり、仮想通貨を売買する画面を表示するよう制御したりする。
【0130】
また、表示制御モジュール1224は、設定メニュー画面などから、第1特典モード又は第2特典モードの切替又は選択を受け付ける画面を出力装置126に出力するよう制御してもよい。また、表示制御モジュール1224は、モード切替又は選択画面を、決済時又は取引時における画面遷移の中に組み込んで出力装置126に表示するように制御してもよい。ユーザによりモードが切替又は選択された場合、ユーザ情報とともに、切替又は選択された特典の特典識別情報がサーバ110に出力される。
【0131】
決済処理モジュール1222は、キャンセルが可能な場合は、ユーザの操作に基づき、画面に表示された決済履歴情報の中から、少なくとも1つの決済情報を選択してキャンセル依頼を行う。例えば、決済処理モジュール1222は、入力装置125に対するユーザ操作を受け付け、決済履歴情報のうち、操作がなされた決済情報に対するキャンセル依頼をサーバ110に出力する。
【0132】
取引処理モジュール1223は、キャンセルが可能な場合は、ユーザの操作に基づき、画面に表示された取引履歴情報の中から、少なくとも1つの取引情報を選択してキャンセル依頼を行う。例えば、取引処理モジュール1223は、入力装置125に対するユーザ操作を受け付け、取引履歴情報のうち、操作がなされた取引情報に対するキャンセル依頼をサーバ110に出力する。
【0133】
なお、上述した1つ又は複数のプロセッサ121は、メモリ122から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数のプロセッサ121は、決済処理モジュール1222、取引処理モジュール1223、表示制御モジュール1224それぞれを実行することで、決済処理部、取引処理部、表示制御部を構成してもよい。
【0134】
<実施形態の動作処理>
図6を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の処理について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理システム1の処理のシーケンスの一例を示す。なお、図6に示す処理は、例えば、ユーザが端末120に対して、決済履歴の表示操作をした場合を示す処理である。
【0135】
(ステップS102)
ユーザの端末120の表示制御モジュール1224は、決済金額に基づいてユーザに付与する複数の特典であって、固定バリューの第1特典と変動バリューの第2特典とを含む複数の特典に対し、第1特典から第2特典へ、又は、第2特典から第1特典への切替を可能にして、ユーザから1つの特典の選択を受け付ける。例えば、表示制御モジュール1224は、モード切替又は選択画面を介して、ユーザからの特典の選択操作を受け付ける。
【0136】
(ステップS104)
ユーザの端末120の表示制御モジュール1224は、受け付けた選択操作に対応する特典の特典識別情報をサーバ110に送信する。
【0137】
(ステップS106)
サーバ110の特典制御モジュール1128は、端末120から、ユーザに選択された又は切り替えられた特典の特典識別情報を取得する。特典識別情報の取得は、ユーザからの特典の選択を受け付けることにも対応する。また、特典制御モジュール1128は、選択された特典を、ユーザが選択した特典としてユーザ情報に関連付けて設定する。
【0138】
(ステップS108)
ユーザの端末120の決済処理モジュール1222は、決済処理を行う。決済の際に、特典が選択又は切り替えられてもよい。
【0139】
(ステップS110)
ユーザの端末120の決済処理モジュール1222は、ユーザIDと決済の内容とを含む決済情報を、送受信部127を介してサーバ110に送信する。決済の際に、特典が選択又は切り替えられていれば、特典識別情報は決済情報に含まれる。
【0140】
(ステップS112)
サーバ110の特典制御モジュール1128は、ユーザが決済した場合、ユーザと、設定された特典とを対応付け、決済制御モジュール1126は、決済処理を制御する。特典制御モジュール1128は、決済情報に基づいて、決済をしたユーザのユーザIDと、還元方法としての特典とを対応付ける(例えば図4参照)。また、特典制御モジュール1128は、決済情報に決済識別情報が含まれていなければ、決済したユーザに設定されている特典を決済情報に対応付けて決済管理情報に登録する。
【0141】
(ステップS114)
ユーザの端末120の取引処理モジュール1223は、取引処理を行う。取引の際に、特典が選択又は切り替えられてもよい。
【0142】
(ステップS116)
ユーザの端末120の取引処理モジュール1223は、ユーザIDと取引の内容とを含む取引情報を、送受信部127を介してサーバ110に送信する。取引の際に、特典が選択又は切り替えられていれば、特典識別情報は取引情報に含まれる。
【0143】
(ステップS118)
サーバ110の特典制御モジュール1128は、ユーザが取引した場合、ユーザと、設定された特典とを対応付け、取引制御モジュール1127は、取引処理を制御する。特典制御モジュール1128は、取引情報に基づいて、取引をしたユーザのユーザIDと、還元方法としての特典とを対応付ける(例えば図5参照)。また、特典制御モジュール1128は、取引情報に決済識別情報が含まれていなければ、取引したユーザに設定されている特典を取引情報に対応付けて取引管理情報に登録する。
【0144】
なお、ステップS108~S112の決済処理はユーザが決済した数だけ、ステップS114~S118の処理はユーザが取引をした数だけ実行される。
【0145】
図7は、実施形態に係る第2特典の仮想通貨の付与に関する処理の一例示すフローチャートである。図7に示す例では、サーバ110の特典制御モジュール1128が各処理を実行する。
【0146】
(ステップS202)
特典制御モジュール1128は、端末120からの決済情報に基づいて決済金額を取得する。
【0147】
(ステップS204)
特典制御モジュール1128は、仮想通貨の市場での値を取得する。例えば、特典制御モジュール1128は、還元タイミング1であれば、決済時の仮想通貨の価格を取得し、還元タイミング2であれば、還元時の仮想通貨の価格を取得する。
【0148】
(ステップS206)
特典制御モジュール1128は、特典を還元する際に仮想通貨の対価を算出する。例えば、特典制御モジュール1128は、還元タイミング1であれば、決済毎に、決済時の仮想通貨の価格と還元率とを用いて、仮想通貨の対価を算出し、還元タイミング2であれば、所定期間経過ごとに、還元時の仮想通貨の価格と還元率とを用いて、仮想通貨の対価を算出する。
【0149】
(ステップS208)
特典制御モジュール1128は、算出された対価分の仮想通貨を購入して取得する。
【0150】
(ステップS210)
特典制御モジュール1128は、取得された仮想通貨をユーザに対応付けて付与する。付与された仮想通貨は、ユーザのアカウント情報に加算して管理される。
【0151】
<画面例>
次に、ユーザの端末120に表示される画面例について図8を用いて説明する。図8は、実施形態に係る端末120の画面に表示されるモード切替の一例を示す図である。図8に示す例において、画面D10は、第1特典モードが選択されており、画面D12は、第2特典モードが選択されている。図8に示す例では、ユーザは、スライドバーを用いて簡単に第1特典モードと、第2特典モードとを切り替えることが可能である。
【0152】
また、図8に示すように、ユーザが変動バリューの第2特典を選択した場合、かつ、電子商取引での取引を行った場合、見かけ上の還元率を4.12%(=4%+4%×3%)として表示してもよい。第2特典の還元率4.12%は、第1特典の還元率4%よりも高く表示することが可能である。また、図8に示す例では、決済の種類により、特典の還元率が異なってもよい。
【0153】
なお、開示技術は、上述した実施形態に限定されるものではなく、開示技術の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0154】
1…情報処理システム、110…サーバ、111…プロセッサ、112…メモリ、113…ストレージ、114…入出力I/F、115…入力装置、116…出力装置、117…送受信部、120…端末、121…プロセッサ、122…メモリ、123…ストレージ、124…入出力I/F、125…入力装置、126…出力装置、127…送受信部、1126…決済制御モジュール、1127…取引制御モジュール、1128…特典制御モジュール、1222…決済処理モジュール、1223…取引処理モジュール、1224…表示制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8