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特開2024-85204加飾シート用粘着剤組成物、およびそれを用いた加飾シート、該加飾シートを含む加飾構造体ならびにその製造方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085204
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】加飾シート用粘着剤組成物、およびそれを用いた加飾シート、該加飾シートを含む加飾構造体ならびにその製造方法。
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/04 20060101AFI20240619BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20240619BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240619BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240619BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
C09J133/04
C09J5/00
C09J7/38
B32B27/00 D
B32B27/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199606
(22)【出願日】2022-12-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(72)【発明者】
【氏名】星野 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠太郎
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AB33B
4F100AK01B
4F100AK25A
4F100AK25G
4F100AK25J
4F100AL01A
4F100AL01G
4F100AL01J
4F100AT00
4F100BA02
4F100BA03
4F100CA02A
4F100CA02H
4F100CB05A
4F100DG10B
4F100EH012
4F100EH013
4F100GB33
4F100GB90
4F100JL13
4F100JL14
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA05
4J004CE01
4J004FA01
4J040DF021
4J040JB09
4J040KA16
4J040PA35
(57)【要約】
【課題】成形品の加飾において、加熱前の貼り直し性や高温での耐久性、成形品に優れた外観を付与でき、かつ曲面への耐水接着保持性に優れる、加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有率が10~95質量%であることを特徴とする、加飾シート用粘着剤組成物。ならびに、それを用いた加飾シート、加飾構造体および加飾構造体の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、
モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有率が10~95質量%であることを特徴とする、
加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を構成するモノマー混合物が、さらにアルキル基の炭素数が1~4のアルキル(メタ)アクリレート(b)を含有し、
モノマー混合物100質量%中、アルキル(メタ)アクリレート(b)の含有率が1~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項3】
架橋後のゲル分率が50%以上であることを特徴とする、請求項1記載の加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項4】
真空成形法または真空圧空成形法による被着体への加飾シートの貼り付け用である、請求項1記載の加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項5】
基材と、請求項1~4いずれか記載の加飾シート用粘着剤組成物からなる粘着層を備える、加飾シート。
【請求項6】
被着体と、請求項5に記載の加飾シートとを含むことを特徴とする加飾構造体。
【請求項7】
請求項5に記載の加飾シートが真空成形法または真空圧空成形法により被着体と一体化された加飾構造体を形成することを特徴とする、加飾構造体の製造方法。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加飾シート用粘着剤組成物、およびそれを用いた加飾シート、加飾構造体ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着剤(感圧接着剤ともいう)は、例えばテープやラベルなどの形態に加工され、日用雑貨、包装材料、光学部材、自動車、建材、医療用など多岐に渡る用途において利用されている。
【0003】
一方、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などの表面を加飾(装飾)する場合、従来は、成形体の表面にスプレー塗装などで塗料を塗布し、乾燥・加熱硬化させる方法が行われていた。しかし、このような方法は、揮発性有機溶剤の排出による作業環境への悪化に加え、成形品ごとに作業工程と生産設備を要する上、塗料の重ね塗りが必要となるため塗料の歩留りが悪く、生産性が低いという問題があった。
【0004】
近年は、さらに環境負荷低減や意匠性向上を目的として、従来のスプレー塗装からフィルム加飾手法へのシフトが進んでいる。加飾シートの成形体への貼着には粘着剤が用いられ、加飾シートを用いた加飾方法は、三次元的な凹凸を有する成形体表面も加飾をすることができるため、自動車分野をはじめ様々な用途で注目されている。
【0005】
自動車内外装部品などの三次元形状を有する成形品を、加飾シートを用いて装飾する方法としては、例えば、インサート成形およびインモールド成形、真空成形法および真空圧空成形法などが知られている。
【0006】
インサート成形およびインモールド成形は、部品の成形と同時に加飾され、強固に一体化されていることが特徴である。一方、真空成形および真空圧空成形は、部品の完成後、常温で貼り合わせ、加熱して成形することによって加飾する方法である。すなわち、成形品の成形とは別途の作業で、成形品の外観表面へ加飾シートが貼り付けられるため、一台の装置で、様々な形状の成形品に対して加飾シートを貼り付けることができる。また、真空成形法および真空圧空成形法では、インモールド成形法などでは困難である、成形品端部において表面から裏面にかけての連続的な被覆、すなわち巻き込み被覆も可能であるため、多用されている。
【0007】
特許文献1には、特定の範囲のガラス転移温度を有する(メタ)アクリル重合体2種類を特定の割合で含有する粘着剤組成物を用いることで、タックが低く貼り直し性に優れ、塗膜外観にも優れる粘着剤層を形成できることが開示されている。
【0008】
特許文献2には、ガラス転移温度が30℃以上200℃以下であり、数平均分子量500~10,000であるビニル重合体とアクリル系粘着性ポリマーを特定の割合で含有する粘着剤組成物を、架橋剤によって架橋して得られる粘着剤層が、特定のガラス転移温度条件を満たす場合、高温高湿下での接着性や塗膜外観、曲面や凹凸部等への接着性に優れることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2021/049480号
【特許文献2】特開2018-2891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
通常、真空成形法または真空圧空成形法で加飾シートを成形品に貼り付ける場合、加熱成形後に貼り直しができないため、成形前に貼り直しを行うことが多い。このため容易に貼り直しできることが求められる。さらに、自動車の内装品及び外装品等は様々な環境下で使用されることが想定されるため、高温環境下や水に晒された場合でも浮きや剥がれなどの外観不良を生じることのない優れた耐久性や密着性も重要である。
【0011】
特許文献1の粘着剤組成物は、張り直し性や再剥離性に優れている一方、高温環境下での耐久性等に言及されておらず、実用性能の点において十分ではない。
【0012】
特許文献2に記載の加飾フィルムは、120℃24時間での耐久性は保持されるものの、さらに高い温度環境下(例えば150℃)や長時間における耐久性が懸念される。また、曲面に貼り合わせた試料が水に晒された際に粘着シートの浮きや剥がれが発生し、外観不良となる問題が発生した。
【0013】
すなわち、真空成形法または真空圧空成形法を用いた成形品の加飾において、加熱前の貼り直し性や高温での耐久性、成形品に優れた外観を付与でき、かつ曲面への耐水接着性に優れる、粘着剤組成物はこれまで開発されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有率が10~95質量%である、加飾シート用粘着剤組成物であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、真空成形法または真空圧空成形法を用いた成形品の加飾において、加熱前の貼り直し性や高温での耐久性、成形品に優れた外観を付与でき、かつ曲面への耐水接着性に優れる、加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法の提供をすることが可能となる。所定の(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含有する粘着剤組成物で粘着剤層を形成するとき、その適度な疎水性の高さと柔軟性により、曲面への耐水接着保持性を向上させつつその他性能を高度に両立させることができることを知得した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示に係る加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体および加飾構造体の製造方法は、下記[1]~[8]の構成を有する。
[1](メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有率が10~95質量%であることを特徴とする、加飾シート用粘着剤組成物。
[2]前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を構成するモノマー混合物が、さらにアルキル基の炭素数が1~4のアルキル(メタ)アクリレート(b)を含有し、
モノマー混合物100質量%中、アルキル(メタ)アクリレート(b)の含有率が1~50質量%であることを特徴とする前記加飾シート用粘着剤組成物。
[3]架橋後のゲル分率が50%以上であることを特徴とする、前記加飾シート用粘着剤組成物。
[4]真空成形法または真空圧空成形法による被着体への加飾シートの貼り付け用である、前記加飾シート用粘着剤組成物。
[5]基材と、前記加飾シート用粘着剤組成物からなる粘着層を備える、加飾シート。
[6]被着体と、前記加飾シートとを含むことを特徴とする加飾構造体。
[7]前記加飾シートが真空成形法または真空圧空成形法により被着体と一体化された加飾構造体を形成することを特徴とする、加飾構造体の製造方法。
【0017】
以下、本開示について詳細に説明する。なお、本開示の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本開示の範疇に含まれることは言うまでもない。
【0018】
なお、本開示において、「シート」とは、可撓性を有する積層体を意味し、「フィルム」と呼ばれる薄い積層体も包含するものである。
【0019】
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」のいずれか一方または両方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」のいずれか一方または両方を意味する。
【0020】
本開示において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
【0021】
本明細書において加飾シート用粘着剤組成物を「粘着剤組成物」と略記する場合がある。
【0022】
本明細書において、「Mw」はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。「Mn」はGPC測定によって求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。
これら重量平均分子量、数平均分子量は、[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
【0023】
また、以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
【0024】
<加飾シート用粘着剤組成物>
本発明の加飾シート用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有率が10~95質量%であることを特徴とする。
【0025】
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)>
本発明の粘着剤組成物が含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)(以降、共重合体(A)とも記す)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマーの混合物の全部または一部を重合して得られる共重合体である。
【0026】
モノマー混合物100質量%中、炭素数8~18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート(a)の含有率は、10~95質量%である。30~85質量%がより好ましい。上記の範囲内とすることで粘着力、高温での耐久性および曲面への耐水接着保持性を高度に両立することができる。
【0027】
炭素数8~18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート(a)としては、例えば、n-オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシエル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0028】
他成分との相溶性、他成分の分散性、基材および被着体に対する接着性、及び架橋性等の調整の目的に応じて、共重合体(A)の合成には、炭素数8~18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート(a)以外のその他モノマーも用いることができる。
より具体的には、共重合体(A)を構成するモノマー混合物はさらに炭素数1~4の(メタ)アクリレート(b)を含むことが好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0029】
炭素数1~4の(メタ)アクリレート(b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0030】
モノマー混合物100質量%中、炭素数1~4の(メタ)アクリレート(b)の含有率は、1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。上記の範囲内とすることで粘着力、高温での耐久性および曲面への耐水接着性を高度に両立することができる。
【0031】
共重合体(A)を構成するモノマー混合物はさらに、架橋基(B)と架橋構造を形成する官能基を有するモノマーを含むことが好ましい。官能基としては、例えば、水酸基、酸性基、不飽和基二重結合基、エポキシ基等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
基材密着性や高温下での耐久性の観点から、水酸基含有モノマー、酸性基含有モノマーを用いることが特に好ましく、酸性基含有モノマーを用いることがさらに好ましい。
【0032】
酸性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、及び2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート等の酸性基を有するビニル系モノマーが挙げられる。
【0033】
共重合体(A)を構成するモノマー混合物中の酸性基含有モノマーの含有率は、貼り直し性および高温での耐久性、曲面への耐水接着保持性の観点から、モノマー混合物100質量%中2~25質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
【0034】
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、及びポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー並びに、ポリアルキレングリコールアリルエーテル等の水酸基を有するアリルエーテル系モノマー等が挙げられる。
【0035】
共重合体(A)を構成するモノマー混合物中の水酸基含有モノマーの含有率は、貼り直し性および高温での耐久性、曲面への接着性の観点から、モノマー混合物100質量%中0.01~5質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。
【0036】
さらに、共重合体(A)を構成するモノマー混合物に含むことができるその他のモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0037】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、ラウリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ノナン酸ビニル等のビニル系モノマー;
ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、4-メチル-2-ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニルアクリレート、エイコサニル(メタ)アクリレート、ヘキサコサニル(メタ)アクリレート等の炭素数5~26の直鎖あるいは分岐アルキル基を有する(メタ)アクリレート(ただし、炭素数8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)を除く);
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート等の脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(o-フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
2-メトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシメチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、及び4-エトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエーテル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、及びN-ビニル-3,5-モルホリンジオン等のN-ビニル環状アミド系モノマー;
(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;
N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジ(t-ブチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;
N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2)-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、及びN-メチル-N-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;
N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びN-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらは必要に応じて、共重合体(A)を構成するモノマー混合物含んでも含まなくても良いが、モノマー混合物に含む場合は、粘着剤組成物の塗工性等の観点から酢酸ビニルを用いることがより好ましい。
【0038】
共重合体(A)を構成するモノマー混合物中の、その他モノマーの含有率は、モノマー混合物100質量%中40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。上記の範囲内とすることで粘着力、高温下での耐久性および耐水接着保持性を高度に両立することができる。
【0039】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、その重合形態は特に限定されない。すなわち、共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む各モノマーの交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などのいずれであってもよい。たとえば、ブロック共重合体は、ジブロックであってもよいし、トリブロックであってもよい。
【0040】
共重合体(A)の合成には、従来公知の手法を用いることができ、例えば、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法など公知の重合方法で製造することができる。また、共重合体(A)の合成には、リビングラジカル重合法や活性エネルギー線重合法などの公知の重合法を適宜使用できる。その際、共重合体(A)合成用のモノマー混合物には、光重合開始剤や従来公知の添加剤を含むことができる。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、X線、ガンマ線、又は電子線等を用いることができる。また、紫外線の照射には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、LED等の光源を使うことができる。
【0041】
共重合体(A)の各構成単位(モノマー成分)の含有率は、核磁気共鳴分析(NMR)、ガスクロマトグラフィー(GC)などの種々の機器を用いて特定できる。
【0042】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、300,000超であることが好ましく、500,000以上であることがより好ましく、700,000以上であることがさらに好ましい。また、共重合体(A)の重量平均分子量は、1,500,000以下であることが好ましく、1,300,000以下であることがより好ましく、1,200,000以下であることがさらに好ましい。
共重合体(A)のMwが上記下限値の条件を満たす場合、塗工に適した粘度を確保しやすく、また成形品の加飾後に、加飾シート部分がずれ、加飾成形品の外観劣化が生じることを容易に防ぐことができる。
【0043】
<硬化剤(B)>
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)を含む。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に架橋基を持たせて、硬化剤(B)で架橋させることで、粘着層の凝集力や粘着力、高温下での耐久性、耐水性を高めることができる。
【0044】
本発明の粘着剤組成物が含有する硬化剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、金属キレート、アミン化合物、アクリレート化合物等が挙げられる。これらの中でも、粘着力や溶液安定性の観点から、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレートがより好ましく、高温環境下における耐久性の観点からエポキシ化合物がさらに好ましい。
【0045】
イソシアネート系硬化剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のジイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ならびにそのビュレット体、ならびにそのイソシアヌレート体、ならびに前記ジイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、及びポリイソプレンポリオール等のうちのいずれかのポリオールとのアダクト体などの分子内に3個以上のイソシアネート基を有する化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のジイソシアネート、ならびにヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体等の分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物;等が挙げられる。これらの中でも、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が、粘着物性を容易に調整できるため好ましい。なお、イソシアネート基の個数は平均個数である。
【0046】
エポキシ系硬化剤としては、例えばビスフェノールA-エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1、3-ビス(N、N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、及びN,N,N’,N’-テトラグリシジルアミノフェニルメタン等が挙げられる。
【0047】
金属キレート系硬化剤としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属と、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルとの配位化合物等が挙げられる。
【0048】
アジリジン化合物としては、例えば、N,N’-ヘキサメチレンビス(1-アジリジンカルボアミド)、メチレンビス[N-(1-アジリジニルカルボニル)-4-アニリン]、テトラメチロールメタントリス(β-アジリジニルプロピオナト)、トリメチロールプロパントリス(β-アジリジニルプロピオナト)等が挙げられる。また、市販品でいうと、例えば、「TAZO」、「TAZM」相互薬工社製、「ケミタイトPZ-33」日本触媒社製等が挙げられる。
【0049】
アミン化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、イソホロンジアミン、アミノ樹脂およびメチレン樹脂などが挙げられる。
【0050】
アクリレート化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールアクリレート等の多官能アクリレートなどが挙げられる。
【0051】
硬化剤(B)の含有量は、共重合体(A)の種類や架橋度など所望する物性などに応じて適宜変更すればよいが、粘着力や張り直し性、高温下での耐久性の観点から、共重合体(A)100質量部に対して、0.01~30質量部が好ましく、0.02~10質量部がより好ましく、0.03~5質量部がさらに好ましく、0.05~3質量部が特に好ましい。中でも硬化剤としてのエポキシ化合物の含有量を上記範囲内とすることで、150℃までの高温環境下における密着性と耐熱性を高度に両立することができる。
【0052】
本発明の粘着剤組成物の架橋度は、ゲル分率で示され、その測定方法は実施例に示す通りである。ゲル分率が高いほど貼り直し性、高温環境下での耐久性に優れるため、本発明における粘着剤組成物の架橋後のゲル分率は、50%以上であることが好ましい。ゲル分率は100%であっても良い。粘着剤組成物の架橋度は、硬化剤(B)の配合量等を変更することで適宜調整できる。
【0053】
本発明の粘着剤組成物は、共重合体(A)および硬化剤(B)の他に、必要に応じて、溶剤、粘着付与剤、共重合体(A)以外の樹脂、可塑剤、シランカップリング剤、レベリング剤、無機及び又は有機微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の任意の添加剤を含んでもよい。これら添加剤の添加量は、本開示の効果が得られる範囲で適宜選択でき、例えば、上記共重合体(A)の含有量が上記範囲内を満たす範囲で適宜設定することが好ましい。
【0054】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)以外の樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、低結晶(アモルファス)ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリ酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体等のエチレン共重合体、並びに、ポリオレフィン変性ポリマー等のオレフィン系共重合体、並びに、ブタジエン系エラストマー、エステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、スチレン-ブタジエン系エラストマー、スチレン-イソプレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、並びに、熱可塑性ポリエステル、並びに、ポリアミド系共重合体等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン系樹脂、セロファン、ポリアクリロニトリル、並びに、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のポリ塩ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。これらのその他の樹脂の含有率は、本粘着剤組成物の固形分100質量%中、10質量%未満であることが好ましい。これらの樹脂の含有率が10質量%未満であれば、良好な相溶性が得やすく、適度な粘着力を容易に得ることができる。
【0055】
本発明の粘着剤組成物を被貼付物に塗工する際には、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重合時の溶剤をそのまま利用してもよく、また、更に溶剤を追加してもよく、任意の溶剤を適宜使用できる。
【0056】
溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及びイソプロパノール等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いても2種で以上を併用してもよい。これら有機溶剤を添加して、粘着剤組成物の粘度を調整することもできるし、粘着剤組成物を加温して粘度を低下させることもできる。
溶解性、乾燥性の観点では、SP値が9以上の溶剤を用いることが好ましい。SP値が9以上の有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、イソプロパノールなどが挙げられる。これらの中で、酢酸エチルを用いることが好ましい。
一方、粘着剤組成物の粘度を下げる観点では、SP値が9未満の溶剤を用いることが好ましい。SP値が9未満の有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられる。
【0057】
本発明の粘着剤組成物は、粘着力を調整する目的で、粘着付与剤(粘着付与樹脂)を含んでも良い。粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、合成炭化水素系樹脂等が挙げられる。
【0058】
ロジン系樹脂としては、例えば、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、ロジンフェノール樹脂、天然ロジン等が挙げられる。
【0059】
テルペン系樹脂としては、例えば、α-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂、及びスチレン-脂肪族炭化水素系共重合体樹脂等が挙げられる。
【0060】
合成炭化水素系樹脂は、例えば、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
【0061】
被貼付物に対する良好な粘着力を得る観点から、粘着付与剤としては中でもロジン系樹脂、テルペン系樹脂を用いることが好ましい。粘着付与剤は、1種単独で、または2種以上混合して用いてもよい。
【0062】
粘着付与剤の含有量は、アクリル酸エステル共重合体(A)100質量部に対して、30質量部未満であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。粘着付与剤の含有量が30質量部未満とすることで、良好な相溶性を得やすく、適度な張り直し性、優れた成形品外観を得やすい。
【0063】
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を主成分として含有することが好ましい。なお、主成分とは、対象物(ここでは、本発明の粘着剤組成物)が含む全ての成分のうち、最も配合量の多い成分のことを言う。
具体的には、本発明の粘着剤組成物の固形分100質量%中の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の含有率は、好ましくは70~100質量%、より好ましくは80~100質量%、さらに好ましくは90~99質量%である。本粘着剤組成物の固形分100質量%中に(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が70質量%以上含まれていれば、常温で貼り直し可能で、且つ気泡巻き込み及び異物混入がない、適度な粘着力を容易に得ることができる。
【0064】
本発明の粘着剤組成物の粘度は、23℃、相対湿度50%(以下、50%RH)雰囲気下において1000~10000mPa・sであることが好ましく、1000~8000mPa・sであることがより好ましく、1000~5000mPa・sであることがさらに好ましい。粘度が上記範囲内にあることで、塗工性を容易に確保できる。なお粘度の測定方法は、実施例に示す通りである。
【0065】
<加飾シート>
本発明に係る加飾シート(以降、本加飾シートとも記す)は、基材と、本発明の粘着剤組成物の硬化物からなる粘着層とを備える。必要に応じて、粘着層の露出面は、剥離シートで被覆することができる。なお、剥離シートは、粘着シートを被着体に貼着する際に剥離される。
基材としては、特に制限されず、樹脂シート、紙、および金属箔等が挙げられる。基材は、これら基材の少なくとも一方の面に任意の1つ以上の層が積層された積層シートであってもよい。基材の任意の粘着層を形成する側の面には、必要に応じて、コロナ放電処理およびアンカーコート剤塗布等の易接着処理が施されていてもよい。
剥離シートとしては、特に制限されず、樹脂シートまたは紙等の基材シートの表面に剥離剤塗布等の公知の剥離処理が施された公知の剥離シートを用いることができる。
【0066】
粘着層を有する本発明の加飾シートの製造方法については、従来公知の方法を適宜使用でき、特に限定されない。例えば、表面層と加飾層とが形成されたシート上に、必要に応じて溶剤で希釈した本粘着剤組成物を、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、ドクターコート、ロールコート、キャストコートなどによってコーティングし、塗膜を形成する。次いで、必要に応じて加熱して乾燥又は硬化することにより、当該シート上に粘着剤層(固化物)を形成することができる。
なお、本発明の粘着剤組成物に含まれる共重合体(A)が活性エネルギー線による架橋が必要な場合には、シート上に本粘着剤組成物を塗工した後、活性エネルギー線を照射することにより、当該シート上に粘着剤層(架橋物)を形成することができる。その際、例えば、ベルトコンベア式の紫外線照射装置を用いて、シート上に塗工した粘着剤組成物に、紫外線照射を行って粘着剤層を得ることができる。紫外線照射量は、例えば、500mJ/cm以上、5000mJ/cm以下とすることができる。
本発明の加飾シートは、常温(例えば、25℃)において適度な粘着力を有するとともに、高温(例えば、100~130℃)での接着時には優れた接着性を有し、さらに高温において長期間(例えば100℃、7日間)性質を維持できる。したがって、本加飾シートは、例えば、3次元表面加飾(Three dimension Overlay Method:TOM成型)による、航空機、自動車、建材の内外装、介護および医療分野、電化製品などの加飾に適用できる。
【0067】
<加飾構造体およびその製造方法>
本開示に係る加飾構造体は、被着体に本粘着剤組成物を用いて加飾シートを貼り付けることで形成できる。被着体としては、特に限定されず、様々な形状の被貼付物(例えば、三次元形状の成形品)を用いることができる。また、本発明の粘着剤組成物は真空成形法および真空圧空成形法による被着体への貼り付けに好ましく用いることができる。真空成形法および真空圧空成形法は従来公知の手法を適宜適用できる。
【0068】
本発明の加飾構造体は、より具体的には、例えば、表面層、加飾層および粘着層をこの順で含むことができる。
表面層は、加飾成形品の表面となる層であり、加飾シートの分野で従来公知のものを適宜使用できる。表面層としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、フッ素樹脂およびポリ塩化ビニルなど、様々な樹脂から構成されることができる。また、表面層の露出面にエンボス加工を施してもよい。
加飾層は、加飾対象物を加飾するためのものであり、使用用途に応じて、様々な材料を用いることができる。加飾層は、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂および塩化ビニル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含むことができる。また、加飾層は、任意の要素として、意匠層、バルク層、接合層等の他の層を更に含んでいてもよい。加飾シートの層数、各層の種類、配置、厚み等は、適宜選択でき、特に限定されない。
粘着層は、被着体(例えば、三次元形状に成形された成形品)に加飾シートを貼り付けるための層であり、粘着剤組成物を(例えば、基材上に塗布した後に)乾燥したり、紫外線を照射等して架橋したりすること形成できる。
【実施例0069】
次に、実施例を示して更に詳細を説明するが、本開示は、これらの例によって限定されるものではない。例中、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。また、表中の配合量は、質量部である。
【0070】
<重量平均分子量(Mw)の測定>
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のMwは、以下の方法により測定した。テトラヒドロフラン(THF)に溶解した共重合体(A)をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィー(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)に供し、Mwを特定した。測定装置は島津製作所製GPCのLC-GPCシステム「Prominence」(商品名)を用いた。重量平均分子量の決定はポリスチレン換算で行った。カラムは、東ソー社製、商品名:GMHXL4本、東ソー社製、商品名:HXL-H1本を直列に連結し、流量は1.0ml/minとし、カラム温度は40℃で測定を行った。
【0071】
[(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の製造例]
<共重合体(A-1)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記す)に、窒素雰囲気下、n-オクチルアクリレート90部、アクリル酸10部、酢酸エチル65部、MEK20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込んだ。撹拌しながら加熱を行い重合反応の開始を確認して還流温度で2時間反応した。次いで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を反応溶液に添加し6時間反応を継続した。その後、反応容器を冷却し、酢酸エチルを加えて不揮発分40%に調節して、重量平均分子量70万の共重合体(A-1)溶液を得た。
【0072】
<共重合体(A-2)~(A-19)、(A’-1)~(A’-6)>
共重合体(A-2)~(A-19)、(A’-1)~(A’-6)の製造においては、表1および表2に記載した(メタ)アクリレート(a)、(メタ)アクリレート(b)、その他モノマーの種類およびこれらの配合比を変更した以外は共重合体(A-1)と同様の操作で、共重合体(A-2)~(A-19)、(A’-1)~(A’-6)を得た。
【0073】
<共重合体(A-20)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記す)に、窒素雰囲気下、ラウリルメタクリレート60部、メタクリル酸30部、アクリル酸10部、酢酸エチル30部、MEK55部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込んだ。撹拌しながら加熱を行い重合反応の開始を確認して還流温度で2時間反応した。次いで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を反応溶液に添加し6時間反応を継続した。その後、反応容器を冷却し、酢酸エチルを加えて不揮発分40%に調節して、重量平均分子量15万の共重合体(A-20)溶液を得た。
【0074】
<共重合体(A-21)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、ラウリルメタクリレート60部、メタクリル酸30部、アクリル酸10部、酢酸エチル40部、MEK45部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込んだ。撹拌しながら加熱を行い重合反応の開始を確認して還流温度で2時間反応した。次いで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を反応溶液に添加し6時間反応を継続した。その後、反応容器を冷却し、酢酸エチルを加えて不揮発分40%に調節して、重量平均分子量30万の共重合体(A-21)溶液を得た。
【0075】
<共重合体(A-22)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、ラウリルメタクリレート60部、メタクリル酸30部、アクリル酸10部、酢酸エチル85部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込んだ。撹拌しながら加熱を行い重合反応の開始を確認して還流温度で2時間反応した。次いで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を反応溶液に添加し6時間反応を継続した。その後、反応容器を冷却し、酢酸エチルを加えて不揮発分40%に調節して、重量平均分子量130万の共重合体(A-22)溶液を得た。
【0076】
<共重合体(A-23)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、ラウリルメタクリレート60部、メタクリル酸30部、アクリル酸10部、アセトン20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込んだ。撹拌しながら加熱を行い重合反応の開始を確認して還流温度で2時間反応した。次いで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を反応溶液に添加し6時間反応を継続した。その後、反応容器を冷却し、酢酸エチルを加えて不揮発分40%に調節して、重量平均分子量150万の共重合体(A-23)溶液を得た。
【0077】
<共重合体(A-24)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、ラウリルメタクリレート60部、メタクリル酸30部、アクリル酸10部、酢酸エチル55部、アセトン30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込んだ。撹拌しながら加熱を行い重合反応の開始を確認して還流温度で2時間反応した。次いで、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.03部を反応溶液に添加し6時間反応を継続した。その後、反応容器を冷却し、酢酸エチルを加えて不揮発分40%に調節して、重量平均分子量180万の共重合体(A-24)溶液を得た。
【0078】
例示化合物は以下の表1、表2に具体的に示すが、これらに限られるものではない。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
表1、2の略号を以下に記載する。
[(メタ)アクリレート(a)]
NOA:n-オクチルアクリレート(アルキル基の炭素数8)
LA:ラウリルアクリレート(アルキル基の炭素数12)
LMA:ラウリルメタクリレート(アルキル基の炭素数12)
STA:ステアリルアクリレート(アルキル基の炭素数18)
[(メタ)アクリレート(b)]
MA:メチルアクリレート(アルキル基の炭素数1)
BA:ブチルアクリレート(アルキル基の炭素数4)
[その他のモノマー]
2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
VAc:酢酸ビニル
AA:アクリル酸
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
ISTA:イソステアリルアクリレート
BEA:ベヘニルアクリレート(アルキル基の炭素数21)
CHA:シクロヘキシルアクリレート
【0082】
(実施例1)
前記製造例で得られた共重合体(A-1)100部に対し、硬化剤(B)としてTETRAD-X(三菱ガス化学株式会社製)0.1部(不揮発分換算)を配合し、更に溶剤として酢酸エチルを加えて不揮発分30%に調整して、実施例1の粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を以下に示す測定方法および評価方法に従い、評価した。
【0083】
<ゲル分率>
得られた粘着剤組成物を、片面に離型処理が施されているポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に乾燥後の厚さが25μmになるよう塗布した。続いて、105℃で2分間乾燥させた後、当該塗膜を厚さ50μmの基材(ポリエチレンテレフタレート製)にラミネートし、23℃、50%RH雰囲気下で7日間養生した。
得られた粘着シートから幅3mm長さ100mmの試験片を切り出して重量を測定した。試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を300メッシュのステンレススチール製金網に貼り付け、試験片が剥がれないように金網を折りたたみ、試験片を包んだ状態で抽出液として酢酸エチルンに浸漬し、50℃ で24時間静置した。浸漬後、金網を取り出し、少量の酢酸エチルで洗浄し、100℃で30分間乾燥した後、重量を測定した。ゲル分率は下記式(1)により算出した。
(ゲル分率)={(W2-W0-W3)/(W1-W0-W3)}×100 (式1)
W0:金網の重量
W1:金網+試験片の重量
W2;金網+試験片の乾燥後の重量
W3:試験片の基材の重量
【0084】
<粘度>
得られた粘着剤組成物の粘度は、23℃-50%RH雰囲気下で、B型粘度計を用いて60回転/分で測定した。
【0085】
<加飾シートの作製方法>
得られた粘着剤組成物を、片面に離型処理が施されているポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に乾燥後の厚さが25μmになるよう塗布した。続いて、105℃で2分間乾燥させた後、当該塗膜を市販の塩化ビニルフィルムに貼り合せ、23℃-50%RHの雰囲気下で7日間養生し、加飾シートを作成した。
【0086】
<塗工性>
上述の方法で加飾シートを得る際の本粘着剤組成物の塗工性を以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
AA:塗工速度30m/minおよび50m/minで塗工した際において、塗工面が平滑でスジの発生が無かった。非常に良好。
A:塗工速度30m/minで塗工した際は塗工面が平滑でスジの発生が無く、塗工速度50m/minで塗工した際は塗工面に1個または2個のスジが発生した。良好。
B:塗工速度30m/minで塗工した際において、塗工面に1個または2個のスジが発生した。実用可。
C:塗工速度30m/minで塗工した際において、塗工面に3個以上のスジが発生した。実用不可。
【0087】
<貼り直し性>
上述の方法で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成型機)の型枠に取り付ける際のABS樹脂板への貼り直し性を以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
AA:試料面に剥離跡が残らず、剥離音も無かった。非常に良好。
A:試料面に剥離跡は残っていないが、剥離音があった。良好。
B:試料面に剥離跡が部分的に残った。実用可。
C:試料面に剥離跡が全面に残った。実用不可。
【0088】
<成型後の耐久性>
上述の方法で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成型機)の型枠に取り付けた後、枠内に10cm×7cm×厚み5mmのABS樹脂板をセットした。その後、130℃でABS樹脂版を加飾シートで覆うように成形し、成型物を得た。その後、得られた成型物を23℃-50RH%雰囲気下で24時間放置後、成型物表面に5cm長さの切り込みを十字に入れ、高温(100℃および150℃)でそれぞれ168時間放置した後、浮きやズレについて以下基準に基づき、評価した。
(評価基準)
AA:浮きや剥がれはなかったものの、1mm未満のズレが発生。非常に良好。
A:浮きや剥がれはなかったものの、1mm以上3mm未満のズレが発生。良好。
B:浮きや剥がれはなかったものの、3mm以上10mm未満のズレが発生。実用可。
C:浮きや剥がれが発生。実用不可。
【0089】
<耐水曲面接着保持性>
上述の方法で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成型機)の型枠に取り付けた後、枠内に10cm×7cm×厚み5mmのABS樹脂板および50mmφの円筒状ポリプロピレン(PP)樹脂をセットした。その後、130℃で前記円筒状ポリプロピレン(PP)樹脂の円周方向を加飾シートで覆うように成形し、成型物を得た。その後、得られた成型物を23℃-50RH%雰囲気下で24時間放置後、成型物表面に4cm長さの切り込みを十字に入れ、40℃にて24時間浸水させた後の測定試料の切り込み部分の状態を以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
AA:浮きや剥がれなし。非常に良好。
A:浮きや剥がれが長さ0mmを超えて3mm未満である。良好。
B:浮きや剥がれが長さ3mm以上8mm未満である。実用可。
C:浮きや剥がれが長さ8mm以上である。実用不可。
【0090】
<成型後の塗膜外観>
上述の方法で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成型機)の型枠に取り付けた後、枠内に10cm×7cm×厚み5mmのABS樹脂板をセットした。その後、130℃でABS樹脂版を加飾シートで覆うように成形し、成型物を得た。この成形後の表面状態について以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
AA:欠点の発生なし。非常に良好。
A:1個以上5個未満の欠点発生。良好。
B:5個以上9個以下の欠点発生。実用可。
C:10個以上の欠点発生。実用不可。
【0091】
(実施例2~32、比較例1~7)
粘着剤組成物中に含有させる(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)および(A’)ならびに硬化剤(B)、粘着付与剤の種類や配合量を表3、表4に記載する内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~32、比較例1~7の粘着剤組成物および粘着シートを得た。なお、例示化合物は表3、表4に具体的に示すが、これらに限られるものではない。
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
表3、表4の略号を以下に記載する。
[硬化剤(B)]
TETRAD-X:エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン)
TETRAD-C:エポキシ架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン)
TDI-TMP:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
アルミキレートA:アルミニウムトリスアセチルアセトネート(川研ファインケミカル社製)
[粘着付与剤]
T-130:ヤスハラケミカル株式会社製テルペン系樹脂
D-125:荒川化学工業株式会社製ロジン系樹脂
FTR6100:三井化学株式会社製芳香族系炭化水素樹脂
【0095】
本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
【0096】
本発明の粘着剤組成物は、表3の実施例1~32に示すように、塗工性、張り直し性、高温での耐久性、耐水曲面接着保持性および成形品の外観に優れていた。これに対して表4の比較例1~7は上述の物性が劣ることが分かった。
以上のように優れた性質を有する本粘着剤組成物は、粘着フィルム、粘着シート、粘着テープ、ラベル等の各種粘着加工製品に好適に用いることができる。粘着加工製品の具体例としては、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープ、感圧性テープ、表面保護フィルム、表面保護テープ、マスキングテープ、電気絶縁用テープ、ラミネート物等が挙げられる。さらに本発明の組成物は、例えば、航空機、自動車、鉄道、建材内外装、介護および医療分野、電化製品などの加飾にも好適に使用でき、その使用用途は特に限定されない。

【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、
モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8~18の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有率が10~95質量%であることを特徴とする、
真空成形法または真空圧空成形法による被着体への加飾シートの貼り付け用である、加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を構成するモノマー混合物が、さらにアルキル基の炭素数が1~4のアルキル(メタ)アクリレート(b)を含有し、
モノマー混合物100質量%中、アルキル(メタ)アクリレート(b)の含有率が1~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項3】
架橋後のゲル分率が50%以上であることを特徴とする、請求項1記載の加飾シート用粘着剤組成物。
【請求項4】
基材と、請求項1~いずれか1項記載の加飾シート用粘着剤組成物からなる粘着層を備える、加飾シート。
【請求項5】
被着体と、請求項に記載の加飾シートとを含むことを特徴とする加飾構造体。
【請求項6】
請求項に記載の加飾シートが真空成形法または真空圧空成形法により被着体と一体化
された加飾構造体を形成することを特徴とする、加飾構造体の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
【表4】


【手続補正書】
【提出日】2023-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
【表4】