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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008521
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】シリンジ保持具、包装体
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/16 20230101AFI20240112BHJP
【FI】
A61J1/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110458
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】谷口 健介
(72)【発明者】
【氏名】園山 智之
(72)【発明者】
【氏名】片桐 悠貴
(72)【発明者】
【氏名】堀 未来
(72)【発明者】
【氏名】松本 一平
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA27
4C047AA31
4C047CC04
4C047EE02
(57)【要約】
【課題】筒部に対するシリンジの位置決めを高精度に行うことができるシリンジ保持具、および該シリンジ保持具を備える包装体を提供する。
【解決手段】板状の基板部と、該基板部の板厚方向に軸方向Yが沿うように筒状に形成され、筒状のシリンジ本体20および該シリンジ本体20の外周面から径方向外側に突出するフランジ部22を備えるシリンジ2を、前記軸方向Yの一方側から他方側へ向けて挿通可能に構成される筒部61と、を備え、前記筒部61は、挿通した前記シリンジ2における前記フランジ部22を前記軸方向Yの他方側から支持するフランジ支持部66と、該フランジ支持部66よりも前記軸方向Yの一方側かつ径方向外側に配置され、前記フランジ支持部66で支持された前記フランジ部22に対して前記径方向で当接可能に構成されるフランジ当接部681と、を備える、シリンジ保持具。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基板部と、該基板部の板厚方向に軸方向が沿うように筒状に形成され、筒状のシリンジ本体および該シリンジ本体の外周面から径方向外側に突出するフランジ部を備えるシリンジを、前記軸方向の一方側から他方側へ向けて挿通可能に構成される筒部と、を備え、
前記筒部は、挿通した前記シリンジにおける前記フランジ部を前記軸方向の他方側から支持するフランジ支持部と、該フランジ支持部よりも前記軸方向の一方側かつ径方向外側に配置され、前記フランジ支持部で支持された前記フランジ部に対して前記径方向で当接可能に構成されるフランジ当接部と、を備える、シリンジ保持具。
【請求項2】
前記筒部は、前記フランジ支持部よりも前記軸方向の他方側かつ前記径方向内側に配置され、前記シリンジ本体における前記フランジ部よりも前記軸方向の他方側の部分のうち、該フランジ部の近傍部分に当接可能に構成されるシリンジ当接部を備える、請求項1に記載のシリンジ保持具。
【請求項3】
前記シリンジ本体は、液体を貯留する筒状の胴体部を備え、
前記シリンジは、前記胴体部の先端部に配置されるとともに前記胴体部よりも前記径方向において大きく構成される大径部を備え、
前記筒部は、前記大径部を前記径方向の内側に誘導する大径ガイド部を備え、
前記大径ガイド部は、前記シリンジ当接部よりも前記軸方向の他方側に配置され、前記軸方向の他方側から一方側へ向けて小径となるように構成される、請求項2に記載のシリンジ保持具。
【請求項4】
前記筒部は、前記フランジ部を前記径方向の内側に誘導するフランジガイド部を備え、
前記フランジガイド部は、前記フランジ当接部よりも前記軸方向の一方側かつ前記径方向外側に配置され、前記軸方向の一方側から他方側に向けて小径となるように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンジ保持具。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンジ保持具と、
前記シリンジと、
前記シリンジ保持具を収納する容器本体と、を備える包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジを保持するシリンジ保持具と、該シリンジ保持具を備える包装体とに関する。
【背景技術】
【0002】
前記シリンジ保持具として、例えば、特許文献1記載の入れ子板が存在している。この入れ子板は外径が略矩形状であって、複数の受け筒を有し、該受け筒は、前記入れ子板を貫通した中空の円筒である。
【0003】
前記入れ子板を用いることにより、基端開口部の外周部にフランジが設けられている前記シリンジとしての注射筒は、その先端から前記受け筒に挿脱自在に挿入され、前記フランジで前記受け筒に係止されて懸け吊られる。また、上面が開口したプラスチック容器本体の棚に前記入れ子板が載置されることで、注射筒収納容器が組み立てられる。そして、内部が密閉された状態で滅菌処理に供された前記注射筒収納容器が薬剤を充填する工場に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/049712号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、前記受け筒に挿入された前記注射筒に前記薬剤を正確に充填するべく、前記受け筒に対する前記注射筒の位置決めの高精度化が求められている。しかし、上記特許文献1において、前記受け筒の内径は前記注射筒の胴部の外径よりも大きいので、前記注射筒は、前記受け筒に挿入されて前記フランジで係止されて懸け吊られた状態で搬送される際には、搬送時の振動などによって前記受け筒内で動いてしまう。そのため、前記受け筒に対して、前記注射筒がズレてしまうという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、筒部に対するシリンジの位置決めを高精度に行うことができるシリンジ保持具、および該シリンジ保持具を備える包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、板状の基板部と、該基板部の板厚方向に軸方向が沿うように筒状に形成され、筒状のシリンジ本体および該シリンジ本体の外周面から径方向外側に突出するフランジ部を備えるシリンジを、前記軸方向の一方側から他方側へ向けて挿通可能に構成される筒部と、を備え、前記筒部は、挿通した前記シリンジにおける前記フランジ部を前記軸方向の他方側から支持するフランジ支持部と、該フランジ支持部よりも前記軸方向の一方側かつ径方向外側に配置され、前記フランジ支持部で支持された前記フランジ部に対して前記径方向で当接可能に構成されるフランジ当接部と、を備える、シリンジ保持具である。
【0008】
前記構成によれば、前記シリンジを前記筒部に挿通した状態で、前記フランジ支持部が前記軸方向の他方側から前記シリンジにおける前記フランジ部を支持することにより前記シリンジを支持することができ、前記フランジ支持部よりも前記軸方向の一方側かつ前記径方向外側に配置される前記フランジ当接部が前記径方向において前記フランジ部に当接することにより、前記シリンジの前記径方向の動きを規制することができるから、前記筒部に対する前記シリンジのズレを抑制することができる。
【0009】
また、本発明では、前記筒部は、前記フランジ支持部よりも前記軸方向の他方側かつ前記径方向内側に配置され、前記シリンジ本体における前記フランジ部よりも前記軸方向の他方側の部分のうち、該フランジ部の近傍部分に当接可能に構成されるシリンジ当接部を備えていてもよい。
【0010】
前記構成によれば、前記フランジ支持部よりも前記軸方向の他方側かつ前記径方向内側に配置されるシリンジ当接部が、前記シリンジ本体における前記フランジ部よりも前記軸方向の他方側の部分のうち、該フランジ部の近傍部分に当接可能に構成されているので、前記筒部に挿通した前記シリンジが前記筒部内で動いた際に、前記シリンジ当接部が前記シリンジ本体における前記フランジ部の近傍部分に当接する。従って、仮に、前記シリンジ本体が前記シリンジ当接部に当接することで傷付いたとしても、傷は前記フランジ部の近傍部分にできるため、傷が目立ちにくい箇所にできる。
【0011】
また、本発明では、前記シリンジ本体は、液体を貯留する筒状の胴体部を備え、前記シリンジは、前記胴体部の先端部に配置されるとともに前記胴体部よりも前記径方向において大きく構成される大径部を備え、前記筒部は、前記大径部を前記径方向の内側に誘導する大径ガイド部を備え、前記大径ガイド部は、前記シリンジ当接部よりも前記軸方向の他方側に配置され、前記軸方向の他方側から一方側へ向けて小径となるように構成されてもよい。
【0012】
前記構成によれば、前記シリンジ当接部よりも前記軸方向の他方側に配置される大径ガイド部が前記軸方向の他方側から一方側に向けて小径となるように構成されるため、例えば、前記筒部から前記シリンジを抜く際に、前記胴体部よりも前記径方向において大きく構成される前記大径部が、徐々に小径となる前記大径ガイド部によって前記径方向の内側に誘導され、前記大径部が前記シリンジ当接部の前記軸方向の他方側において引っかかることを抑制することができ、これにより前記シリンジを前記筒部からスムーズに抜くことができる。
【0013】
また、本発明では、前記筒部は、前記フランジ部を前記径方向の内側に誘導するフランジガイド部を備え、前記フランジガイド部は、前記フランジ当接部よりも前記軸方向の一方側かつ前記径方向外側に配置され、前記軸方向の一方側から他方側に向けて小径となるように構成されてもよい。
【0014】
前記構成によれば、前記フランジ当接部よりも前記軸方向の一方側かつ前記径方向外側に配置される前記フランジガイド部が、前記軸方向の一方側から他方側へ向けて小径となるように構成されるため、例えば、前記筒部に前記シリンジを挿通した状態の前記シリンジ保持具の搬送中において、外部からの衝撃によって前記シリンジが動き、前記フランジ部が前記筒部から前記軸方向の一方側に脱してしまった場合でも、徐々に小径となる前記フランジガイド部が前記フランジ部を前記径方向の内側に誘導することにより、前記フランジ部を前記筒部内に収めることができる。
【0015】
また、本発明は、前記したシリンジ保持具と、前記シリンジと、前記シリンジ保持具を収納する容器本体と、を備える包装体である。
【発明の効果】
【0016】
以上、本発明によれば、前記筒部に対する前記シリンジのズレを抑制することができるため、前記筒部に対する前記シリンジの位置決めを高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る包装体の斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係るシリンジ保持具の平面図である。
図3図3は、同実施形態に係るシリンジ保持具のIII-III方向の断面図である。
図4図4は、同実施形態に係るシリンジ保持具の拡大断面図であって、図3のIV囲み部分におけるものである。
図5図5は、同実施形態に係る包装体の拡大断面図である。
図6図6は、同実施形態に係るシリンジ保持具の拡大断面図であって、シリンジが揺れた状態を示す図である。
図7図7は、同実施形態に係るシリンジ保持具の拡大断面図であって、胴体部がシリンジ当接部に当接する状態を示す図である。
図8図8は、同実施形態に係るシリンジ保持具の拡大断面図であって、筒部からキャップを抜く際の状態を示す図である。
図9図9は、一実施形態とは異なる形態のシリンジ保持具の斜視図である。
図10図10は、図9に示すシリンジ保持具の横断面図である。
図11図11は、異なる形態のシリンジ保持具の横断面図である。
図12図12は、異なる形態のシリンジ保持具の縦断面図である。
図13図13は、異なる形態のシリンジ保持具の縦断面図である。
図14図14は、異なる形態のシリンジ保持具の横断面図である。
図15図15は、図14と同形態のシリンジ保持具に関する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図1~8に基づいて説明する。
【0019】
以下の説明では、シリンジ2をシリンジ保持具5に抜き挿しする方向を「軸方向Y」と特定し、前記軸方向Yに直交する方向を「径方向」と特定し、軸方向Y周りの方向を「周方向」と特定する。また、径方向は、図1に示すように、互いに直交する横方向Xと縦方向Zとを含む。さらに、軸方向Yのうち、図1における上側を一方側とし、図1における下側を他方側とする。
【0020】
図1には、包装体1が示されている。この包装体1は、シリンジ2を保持した状態で搬送する際に利用される。包装体1は、シリンジ2と、シリンジ収納容器3と、保護膜4とを備える。ここで、包装体1は後述する反転姿勢で搬送される。そのため、包装体1を反転姿勢にした際に、シリンジ2が包装体1から脱落しないようにする必要がある。よって、包装体1は、少なくとも保護膜4を備える。また、本実施形態の包装体1を組み立てる際には、後述する保護カバー(図示しない)や滅菌袋(図示しない)が利用される。よって、本実施形態の包装体1は、保護カバーと、滅菌袋とを備えている。
【0021】
シリンジ2は、液体の注入や吸引のために用いられる。図1,5に示すように、このシリンジ2は、筒状のシリンジ本体20と、シリンジ本体20の先端部を覆うキャップ21と、シリンジ本体20の外周面に設けられるフランジ部22とを有する。また、本実施形態のシリンジ2は、シリンジ本体20の先端に固定された注射針204を備える。
【0022】
シリンジ本体20は、液体を貯留して吐出するためのものである。シリンジ本体20は、剛性を有し、例えば、内視可能なガラス又は硬質樹脂(例えば、プラスチック)によって構成される。図5に示すように、シリンジ本体20は、液体を貯留する胴体部200と、液体を吐出するための注射針204を保持する保持部202と、保持部202の周囲に形成される周囲筒部203とを備える。
【0023】
胴体部200は、筒状である。そのため、胴体部200は、内周面及び外周面に加えて、軸方向Yの一方端及び他方端を備える。本実施形態の胴体部200は円筒状である。また、本実施形態の胴体部200は、軸方向Yの各位置において径方向の長さが一定に構成されている。そのため、本実施形態の胴体部200では、内周面と外周面とが軸方向Yに沿って延びる。さらに、胴体部200は、軸方向Yの一方端(以下、基端と称する)が開口し、軸方向Yの他方端(以下、先端と称する)が注射針204を挿し込むための部分を除いて閉じられるように構成されている。そのため、胴体部200に対して、軸方向Yの一方側から液体を充填できる。本実施形態の胴体部200は、液体としての薬液を充填するための部分として薬液充填部(採番しない)を有している。具体的に、薬液充填部は、胴体部200のうち、充填された薬液の液面から先端までの部分のことである。なお、薬液充填部の軸方向Yの長さが、胴体部200の先端と後述するフランジ部22との離間距離よりも短くなるように、薬液が胴体部200に充填される。
【0024】
保持部202は、胴体部200の先端に設けられている。この保持部202は、軸方向Yに延びる筒状に構成されている。保持部202は、筒内が胴体部200の先端における注射針204を挿し込むための部分と連通することにより、筒状の胴体部200内と連通している。なお、保持部202は、胴体部200よりも軸方向Yで短くかつ小径である。
【0025】
周囲筒部203は、円筒状に形成されている。この周囲筒部203の内径は、保持部202の外径よりも大径である。図5に示すように、周囲筒部203は、径方向で保持部202を囲うように、胴体部200の先端に設けられている。本実施形態の周囲筒部203の外径は、胴体部200の外径よりも小さい。なお、周囲筒部203は、軸方向Yにおいて、保持部202よりも短い。
【0026】
図7に示すように、シリンジ本体20は、後述するフランジ部22よりも軸方向Yの他方側の部分のうち、筒部61に挿通したシリンジ2が筒部61内で動いた際にシリンジ当接部671に当接する当接部分201を有する。この当接部分201は、胴体部200の外周面のうち、フランジ部22の近傍部分であり、具体的には、胴体部200の薬液充填部とフランジ部22との間の領域である。そのため、当接部分201は、薬液充填部よりも軸方向Yの一方側に配置されている。なお、この当接部分201は、胴体部200の外周面の全周に形成されている。
【0027】
注射針204は、保持部202に挿入されている。そのため、シリンジ本体20内に溜められた液体は、胴体部200の先端から連通する保持部202に挿入された注射針204を介して、シリンジ本体20から吐出される。
【0028】
図1,5に示すように、キャップ21は、軸方向Yの他方側である先端部が閉じられた有底筒状に構成されている。本実施形態のキャップ21は、軸方向Yと周方向から注射針204を覆う状態で周囲筒部203に取り付けられることにより、シリンジ本体20の先端部を覆っている。そのため、図1に示すように、キャップ21は、軸方向Yでシリンジ本体20よりも先端側に配置されている。また、図5,8に示すように、キャップ21は、シリンジ本体20よりも径方向において大きく構成される。そのため、キャップ21の基端部(採番しない)は、シリンジ本体20よりも径方向の外側に配置されている。本実施形態では、キャップ21が大径部(採番しない)として構成される。この大径部は、胴体部200の先端に配置され、胴体部200よりも大径に構成されている。そのため、大径部は、フランジ部22の近傍部分である当接部分201よりも軸方向Yの他方側に配置されている。
【0029】
キャップ21は、注射針204を外径側から覆う筒状の針保護部(採番しない)と、該針保護部に取り付けられ、少なくとも注射針204を軸方向Yの他方側から保護するキャップ本体(採番しない)とを備える。針保護部の外径は、胴体部200の外径よりも大きい。針保護部は、周囲筒部203に取り付けられることにより、胴体部200の先端に配置されている。針保護部とシリンジ本体20とが軸方向Yで相対的に動くことにより、針保護部は、注射針204を該針保護部に収納した状態から、注射針204を針保護部から突出した状態に構成される。そのため、針保護部は、注射針204を収納した状態において、意図せずに注射針204が人の皮膚等に刺さることを防止している。キャップ本体は、有底筒状に構成されている。キャップ本体の内径は、針保護部の外径よりも大きい。本実施形態では、使用前の状態においては、針保護部がキャップ本体に挿し込まれることで、注射針204が針保護部から突出することを防止する。
【0030】
図1,5~7に示すように、フランジ部22は、シリンジ本体20の外周面から径方向外側に突出する。そのため、フランジ部22は、シリンジ本体20よりも大径である。本実施形態のフランジ部22は、径方向に沿って設けられている。また、フランジ部22は、キャップ21よりも基端側に配置されている。本実施形態のフランジ部22は、胴体部200の基端に設けられている。そのため、フランジ部22は、軸方向Yで、シリンジ本体20よりも短い。フランジ部22は、図5に示すように、先端側に配置されるフランジ先端部220と、フランジ先端部220よりも軸方向Yの一方側に配置されるフランジ縁部221と、基端側に配置されるフランジ基端部(採番しない)とを備える。さらに、本実施形態のフランジ部22は、周方向の全域に設けられている。そのため、フランジ先端部220とフランジ基端部は、径方向と周方向に広がる面状に構成されている。フランジ縁部221は、フランジ先端部220とフランジ基端部よりもシリンジ2の径方向の外側に配置されている。なお、図1に示すように、本実施形態のフランジ部22は、横方向Xが縦方向Zよりも長く構成されている。図5に示すように、フランジ部22は、キャップ21よりも大径である。また、フランジ部22は、大径部として構成されるキャップ21よりも胴体部200の基端側に配置されている。
【0031】
図1に示すように、シリンジ収納容器3は、シリンジ2を保持するためのシリンジ保持具5と、シリンジ保持具5を収納する容器本体8とを備える。
【0032】
シリンジ保持具5は、保持本体6と、周囲部7とを備える。
【0033】
保持本体6は、シリンジ保持具5において、シリンジ2を保持するための部分である。保持本体6は、基板部60と、筒部61とを備える。
【0034】
基板部60は、板状(具体的には、平板状)に形成されている。図1,3に示す基板部60では、板厚方向が軸方向Yと一致する状態で配置されている。図3に示すように、基板部60は、表面600と裏面601とを有する。本実施形態の基板部60は、縦方向Zと横方向Xに延びる矩形板である。具体的に、図2に示すように、基板部60は、縦方向Zを短辺とし、横方向Xを長辺として構成されている。
【0035】
筒部61は、シリンジ2を挿通するためのものである。そのため、筒部61は、シリンジ2よりも大径の筒状(具体的には、円筒状)に構成される。また、図5に示すように、本実施形態の筒部61は、軸方向Yでシリンジ2よりも短い。
【0036】
筒部61は、板厚方向で基板部60を貫通して配置されている。すなわち、図3に示すように、本実施形態の筒部61は、軸方向Yを基板部60の板厚方向に一致させた状態で、基板部60の板厚方向における一方面(具体的には、表面600)から軸方向Yに延び、他方面(具体的には、裏面601)から突出している。そのため、本実施形態の筒部61は、軸方向Yの長さが基板部60の板厚方向の長さよりも長い。
【0037】
本実施形態では、複数の筒部61が基板部60に配置されている。具体的には、図2,3に示すように、横方向Xに沿って10個の筒部61が配置され、10個を一列として、この列が縦方向Zに10列並ぶことで100個の筒部61が配置されている。よって、本実施形態のシリンジ保持具5は、複数のシリンジ2を保持することが可能である。本実施形態では、全ての筒部61は同一に構成されている。そのため、以下では、複数の筒部61のうち、一つの筒部61について説明し、他の筒部61に兼用する。
【0038】
なお、図2における縦方向Zの最も下方側に位置する筒部61の列を第1列として、縦方向Zの上方に向かって縦方向Zに第2列、第3列と並ぶものとする。本実施形態の第2列では、左端に位置する筒部61が第1列の左端に位置する筒部61よりも左側に配置されている。具体的には、第2列の左端の筒部61は、横方向Xに隣り合う筒部61の中心間距離の半分に相当する半距離分、第1列の左端の筒部61から左側に突出している。本実施形態では、第1列から第10列のうちの偶数列の左端の筒部61は、奇数列の左端の筒部61よりも半距離分、左側に突出している。一方で、奇数列の右端の筒部61は、偶数列の右端の筒部61よりも半距離分、右側に突出している。図2に示すように、本実施形態では、縦方向Zで隣り合う列の筒部61が千鳥状に配置されている。また、本実施形態では、筒部61は、1つの筒部61が6つの筒部61によって囲まれるような六方格子状の配置となっている。そして、1つの筒部61に対して、左右それぞれの筒部61,61との離間距離と、1つ昇った列における右斜めと左斜めそれぞれの筒部61,61との離間距離と、1つ降りた列における右斜めと左斜めそれぞれの筒部61,61との離間距離とは等しくなっている。
【0039】
上述の通り、筒部61は筒状である。そのため、図3に示すように、筒部61は、外周面を構成する外壁面62と、内周面を構成する内壁面63と、軸方向Yの一方側に配置される一方端64と、軸方向Yの他方側において外壁面62と内壁面63とに連続する他方端65とを備える。
【0040】
外壁面62は、筒部61の外周面を構成する。図3,4に示すように、外壁面62は、基板部60の裏面601から軸方向Yの他方側に延びる。この外壁面62は、基板部60の裏面601と他方端65とに連続している。本実施形態の外壁面62は、軸方向Yの他方側ほど筒部61の外径を小さくするテーパ状の面である。外壁面62は、筒部61の周方向に延びる。そのため、外壁面62は、軸方向Yと周方向に広がる面である。本実施形態の外壁面62の軸方向Yの長さは、基板部60の板厚方向の長さよりも長い。
【0041】
図3に示すように、内壁面63は、筒部61の内周面において、一方端64と他方端65との間に延びる。内壁面63は、外壁面62よりも軸方向Yで長い。図4に示すように、内壁面63(図4にて符号を付けない)は、フランジ支持部66と、フランジ支持部66よりも軸方向Yの他方側に配置される側壁部67と、フランジ支持部66よりも軸方向Yの一方側に配置される起立壁部68とを備える。
【0042】
図5に示すように、フランジ支持部66は、フランジ部22を軸方向Yの他方側から支持する。フランジ支持部66は、径方向に延びる支持面660を有する。図4,5に示すように、本実施形態の支持面660は、径方向に沿って延びる。また、本実施形態の支持面660は、周方向に延びる。そのため、本実施形態の支持面660は、径方向と周方向に広がる面である。さらに、本実施形態の支持面660は、周方向全周に延びる。そのため、フランジ支持部66は周方向の全周に亘って配置されている。本実施形態のフランジ支持部66は、基板部60の裏面601よりも軸方向Yの他方側に配置されている。
【0043】
側壁部67は、フランジ支持部66よりも軸方向Yの他方側に形成される。図4に示すように、本実施形態の側壁部67は、フランジ支持部66と他方端65とに連続している。図5に示すように、この側壁部67は、軸方向Yでシリンジ本体20よりも短い。側壁部67は、シリンジ当接部671と、側壁本体部673とを備える。
【0044】
図7に示すように、シリンジ当接部671は、筒部61内にシリンジ2が挿通された際、径方向の外側からシリンジ本体20に当接する。シリンジ当接部671は、シリンジ当接面672を有する。本実施形態のシリンジ当接面672は、軸方向Yに沿って延びる。シリンジ当接面672は、周方向に延びる。そのため、シリンジ当接面672は、軸方向Yと周方向に広がる面(具体的には、平面)である。本実施形態のシリンジ当接面672は、周方向の全域に延びる。よって、シリンジ当接部671は周方向の全域に亘って配置されている。シリンジ当接部671は、フランジ支持部66よりも径方向内側に配置される。図4,7に示すように、本実施形態では、シリンジ当接面672が、径方向に延びる支持面660の径内側の端から軸方向Yの他方側に連続する。そのため、シリンジ当接部671がフランジ支持部66に連続している。シリンジ当接部671の内径は、筒部61内において最も短い。図5に示すように、シリンジ当接部671の内径は、キャップ21よりも大径である。一方で、シリンジ当接部671の内径は、フランジ部22よりも小径である。
【0045】
図4に示すように、側壁本体部673は、シリンジ当接部671よりも軸方向Yの他方側に配置される。本実施形態の側壁本体部673は、シリンジ当接部671よりも径外側に配置されている。また、本実施形態の側壁本体部673は、軸方向Yでシリンジ当接部671よりも長い。側壁本体部673は、大径部(本実施形態では、キャップ21)を径方向の内側に誘導する大径ガイド部674と、側壁他方部676とを備える。
【0046】
図4に示すように、大径ガイド部674は、軸方向Yの他方側から一方側へ向けて小径となるように構成されている。大径ガイド部674は、大径ガイド面675を備える。大径ガイド面675は、軸方向Yの一方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面である。この大径ガイド面675は、周方向に延びる。そのため、大径ガイド面675は、軸方向Yの一方側ほど、筒部61の内径を小さくするように軸方向Yに対して交差する方向と周方向とに広がる面である。大径ガイド面675は、シリンジ当接面672の軸方向Yの他方端から軸方向Yの他方側に連続する。そのため、大径ガイド部674とシリンジ当接部671とは軸方向Yで連続している。よって、大径ガイド部674は、シリンジ当接部671よりも軸方向Yの他方側に配置されている。
【0047】
図4に示すように、側壁他方部676は、大径ガイド部674よりも軸方向Yの他方側及び径方向の外側に配置されている。側壁他方部676は、側壁他方面677を有する。側壁他方面677は、大径ガイド面675と他方端65とに連続している。この側壁他方面677は、軸方向Yに延びる。本実施形態の側壁他方面677は、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を大きくする傾斜面である。また、側壁他方面677は、周方向に延びる。そのため、側壁他方面677は、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を大きくするように軸方向Yに対して交差する方向と周方向とに広がる面である。本実施形態の側壁他方面677は、軸方向Yで、シリンジ当接面672よりも長い。
【0048】
図4に示すように、起立壁部68は、フランジ支持部66から一方端64に延びる。本実施形態の起立壁部68は、側壁部67よりも軸方向Yで短い。起立壁部68は、フランジ当接部681と、フランジガイド部683とを備える。
【0049】
図4に示すように、フランジ当接部681は、フランジ支持部66よりも軸方向Yの一方側かつ筒部61における径方向外側に配置される。図5に示すように、フランジ当接部681は、フランジ支持部66で支持されたフランジ部22(具体的には、フランジ縁部221)に対して径方向の外側から当接可能である。フランジ当接部681は、フランジ当接面682を備える。フランジ当接面682は、軸方向Yに沿って延びる。フランジ当接面682は、周方向に延びる。そのため、フランジ当接面682は、軸方向Yと周方向に広がる面である。本実施形態では、フランジ当接面682が周方向全域に配置される。上述の通り、フランジ当接部681は、フランジ支持部66よりも径方向外側に配置される。また、本実施形態では、フランジ当接部681のフランジ当接面682は、径方向に延びる支持面660の径外側の端から軸方向Yの一方側に連続している。そのため、フランジ当接部681の内径は、シリンジ当接部671の内径よりも大きい。また、フランジ当接部681の内径は、フランジ部22より大径である。本実施形態では、フランジ当接面682の軸方向Yの長さは、フランジ部22の軸方向Yの長さと略同一に構成されている。
【0050】
フランジガイド部683は、フランジ当接部681よりも軸方向Yの一方側かつ径方向の外側に配置されている。フランジガイド部683は、フランジガイド面684を有する。フランジガイド面684は、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面である。よって、フランジガイド部683は、軸方向Yの一方側から他方側に向けて徐々に小径となるよう構成される。ところで、図7に示すように、シリンジ当接部671が、シリンジ本体20におけるフランジ部22よりも軸方向Yの他方側の当接部分201に当接した場合には、フランジ部22が基板部60の表面600に乗り上げないようにする必要がある。そのため、本実施形態では、フランジガイド面684と支持面660との径方向の長さは、シリンジ本体20の外周面に対するフランジ部22の突出長さよりも長い。さらに、フランジガイド面684は、周方向に延びる。そのため、フランジガイド面684は、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を小さくするように軸方向Yに対して交差する方向と周方向とに広がる面である。本実施形態のフランジガイド面684は、周方向全域に延びる。そのため、フランジガイド部683は、周方向の全域に亘って形成される。図4に示すように、このフランジガイド面684は、一方端64とフランジ当接面682とに連続している。よって、フランジガイド部683の内径は、フランジ当接部681の内径よりも大きい。なお、フランジガイド部683の内径は、フランジ部22よりも大径である。
【0051】
図4に示すように、一方端64は、起立壁部68(具体的には、フランジ当接面682)と基板部60の表面600との稜線部分である。この一方端64は、周方向に延びる。本実施形態では、一方端64の内径が、筒部61内において最も大きい。
【0052】
図4に示すように、他方端65は、径方向で、外壁面62と側壁他方部676とに連続している。他方端65は、他方端面650を有する。この他方端面650は、径方向と周方向とに広がる面である。本実施形態の他方端面650は、径方向に沿って延びる。本実施形態の他方端65は、一方端64よりも径内側に配置されている。
【0053】
図1,2に示すように、周囲部7は、軸方向Yで保持本体6を嵩上げするためのものである。周囲部7は、段差部70と、載置部71とを備える。
【0054】
図1に示すように、段差部70は、基板部60から軸方向Yの他方側に設けられている。段差部70は、軸方向Yで筒部61よりも長い。図2に示すように、本実施形態の段差部70は、基板部60の横方向X及び縦方向Zの全域に設けられている。段差部70は、縦方向Zで対向する一対の縦段差部700,700と、横方向Xで対向する一対の横段差部701,701とを備える。本実施形態では、一対の縦段差部700,700と一対の横段差部701,701とが連結することで、段差部70は、基板部60の周方向の全域に亘って形成されている。
【0055】
載置部71は、シリンジ保持具5を容器本体8に対して載置するためのものである。図1に示すように、この載置部71は、段差部70から軸方向Yの他方側に設けられている。載置部71は、段差部70から径方向の外側に突出している。図2に示すように、本実施形態の載置部71は、周方向の全域に配置されている。載置部71は、板厚方向において、表面(採番しない)及び裏面(採番しない)を有し、裏面が後述する容器本体8における側壁段差部814に載置される。
【0056】
本実施形態のシリンジ保持具5には、対向する辺に一対の切り欠き50が形成されている。この切り欠き50は、シリンジ保持具5を容器本体8に収納した状態において、指やフックをシリンジ保持具5の裏面に係止することで、容器本体8からシリンジ保持具5を取り出す際に利用される。図2に示すように、本実施形態では、横方向Xの両側において、基板部60と周囲部7を切り欠く切り欠き50が形成されている。
【0057】
図1~3に示すように、載置部71には、表面から延出する延出部710が設けられている。この延出部710は、表面に形成された切り欠き50の周縁から軸方向Yの一方側に延出している。
【0058】
図1に示すように、容器本体8は、有底筒状の容器である。本実施形態の容器本体8は、板状の底部80と、該底部80の周縁から延設される側壁部81と、を備える。本実施形態の底部80は、長辺と短辺とを有する矩形状の板状部材である。側壁部81は、底部80の短手方向(具体的には、縦方向Z)で対向する一対の幅側壁部810と、底部80の長手方向(具体的には、横方向X)で対向する一対の長手側壁部811と、を備え、一対の幅側壁部810の長手方向両端部と、一対の長手側壁部811の短手方向両端部とが連結することで、底部80の周縁に亘る側壁部81が形成されている。
【0059】
側壁部81は、底部80の周縁と連続し、底部80の面積と略同じ面積の開口領域を形成する下部側壁部812と、該下部側壁部812の開口領域よりも広い開口領域を形成する上部側壁部813と、を有する。上部側壁部813は、開口端縁が鍔状に形成された鍔部815となっている。側壁部81は、下部側壁部812と上部側壁部813との境界に、下部側壁部812の開口領域を上部側壁部813の開口領域に広げるための側壁段差部814を有する。なお、本実施形態の上部側壁部813の軸方向Yの長さは、シリンジ保持具5の軸方向Yの長さよりも長い。
【0060】
保護膜4は、容器本体8の開口を覆うことにより、容器本体8の内部を密閉するためのものである。そのため、この保護膜4は、横方向Xと縦方向Zにおいて、容器本体8の開口よりも大きい。保護膜4は、上部側壁部813の鍔部815に貼り付けられることにより使用される。本実施形態の保護膜4は、ヒートシールによって鍔部815に貼り付けられる。この保護膜4は、ガス透過性かつ菌不透過性の不織布からなる。そのため、保護膜4は、滅菌ガスを透過可能に構成されている。また、この保護膜4は、菌や細菌を容器本体8の内部に入れないように構成されている。
【0061】
保護カバーは、胴体部200内にゴミが入らないようにするためのものである。この保護カバーは、胴体部200の基端を覆うことで利用される。なお、保護カバーは、滅菌ガスを透過可能なガス透過性の不織布により構成されている。
【0062】
滅菌袋は、容器本体8を収納するためのものである。この滅菌袋は、ガス透過性かつ菌不透過性を有している。そのため、滅菌袋は、滅菌ガスを透過可能に構成される。また、滅菌袋は、該滅菌袋内に菌や細菌を入れないように構成されている。
【0063】
続いて、包装体1の組み立て方について説明する。
【0064】
まず初めに、シリンジ2を筒部61に挿通することにより、シリンジ保持具5でシリンジ2を保持する。具体的には、図1に示すように、シリンジ保持具5よりも軸方向Yの一方側にシリンジ2を配置した状態で、シリンジ2の先端側を軸方向Yの他方側に向けるようにする。そして、シリンジ2の中心軸と筒部61の中心軸とを合わせるようにする。
【0065】
その後、シリンジ2を筒部61に挿通させる。ここで、フランジガイド部683とフランジ当接部681の内径は、フランジ部22よりも大径である。そのため、シリンジ2を筒部61内に挿し込むことができる。この際、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面として構成されたフランジガイド面684により、フランジガイド部683は、軸方向Yの一方側から他方側に向けて徐々に小径となる。そのため、筒部61内にシリンジ2を挿し込みやすい。また、筒部61内において最も小さいシリンジ当接部671の内径は、キャップ21よりも大径である。そのため、キャップ21及びシリンジ本体20をフランジ支持部66よりも軸方向Yの他方側に進めて、シリンジ2を筒部61に挿通できる。一方で、シリンジ当接部671の内径は、フランジ部22よりも小径である。そのため、筒部61内において、シリンジ2を軸方向Yの他方側に進めると、フランジ先端部220は、軸方向Yの他方側から支持面660に載置される。よって、フランジ部22がフランジ支持部66に支持される。したがって、シリンジ2がシリンジ保持具5に保持される。なお、本実施形態では、全ての筒部61にシリンジ2を挿通させる。
【0066】
次に、図1に示すように、シリンジ2を保持するシリンジ保持具5の横方向Xと容器本体8の長手方向とが一致するように配置し、載置部71を裏面側から側壁段差部814に載置する。これにより、シリンジ保持具5を容器本体8に収納する。ここで、本実施形態では、上部側壁部813の軸方向Yの長さが、シリンジ保持具5の軸方向Yの長さよりも長い。そのため、図5に示すように、載置部71を側壁段差部814に載置することにより、シリンジ保持具5が容器本体8内に収納される。また、本実施形態では、載置部71を側壁段差部814に載置し、シリンジ保持具5が容器本体8内に収納された状態において、フランジ支持部66と底部80との軸方向Yにおける離間距離が、フランジ先端部220からシリンジ2の先端までの長さよりも長い。よって、シリンジ保持具5が容器本体8内に収納した際に、シリンジ2の先端が底部80に当接することを防止して、フランジ部22がフランジ支持部66から離れるといったことを防止できる。
【0067】
その後、胴体部200の基端から胴体部200内にゴミが入らないようにするべく、保護カバーでシリンジ2を覆う。具体的には、容器本体8内において、保護カバーが基板部60の表面600に被せられ、全ての筒部61に挿通されたシリンジ2を覆う。
【0068】
それから、容器本体8の内部を密閉するべく、容器本体8に保護膜4を貼り付ける。この際には、図5に示すように、保護膜4が、軸方向Yの一方側から鍔部815に貼り付けられる。これにより、容器本体8の開口が保護膜4で覆われ、容器本体8内は密閉される。ここで、本実施形態では、上部側壁部813の軸方向Yの長さが、シリンジ保持具5の軸方向Yの長さよりも長い。そのため、載置部71を側壁段差部814に載置すると、シリンジ保持具5が容器本体8内に収納される。よって、保護膜4を貼り付ける際には、シリンジ保持具5が保護膜4と干渉することを防止できる。容器本体8の内部が密閉された状態では、軸方向Yの他方側から一方側にかけて、容器本体8、シリンジ保持具5、シリンジ2、保護カバー、保護膜4といった順番に配置される。
【0069】
保護膜4が容器本体8に貼り付けられた後、容器本体8を滅菌袋に収納し、滅菌袋を密封する。このようにして、包装体1を組み立てる。また、本実施形態において、組み立てられた包装体1は、菌や細菌を滅菌するためのγ線により滅菌処理される。ここで、滅菌袋、保護膜4及び保護カバーはガス透過性を有している。そのため、γ線に代えて、滅菌ガスにより滅菌処理を行ってもよい。この場合、滅菌ガスが滅菌袋、保護膜4及び保護カバーを透過することにより、容器本体8内は滅菌される。
【0070】
以上、図5に示すように、本実施形態では、シリンジ2を筒部61に挿通した状態において、支持面660にフランジ先端部220が載置されることにより、フランジ支持部66がフランジ部22を軸方向Yの他方側から支持するため、シリンジ2を支持することができる。また、支持面660に連続するフランジ当接面682が径方向外側からフランジ縁部221に当接することにより、フランジ支持部66よりも軸方向Yの一方側かつ径方向外側に配置されるフランジ当接部681が径方向においてフランジ部22に当接するため、シリンジ2の径方向の動きを規制することができる。よって、筒部61に対するシリンジ2のズレを抑制することができる。具体的に、本実施形態では、フランジ当接面682が周方向全域に配置される。そのため、フランジ部22の周方向における向きを気にすることなく、フランジ当接部681が径方向においてフランジ部22に当接できる。
【0071】
図5に示すように、本実施形態では、筒部61にシリンジ2を挿通した状態で、フランジ当接部681とフランジ縁部221との径方向の隙間が、シリンジ本体20(具体的には、胴体部200)と側壁部67との径方向の隙間よりも小さい。そのため、例えば、シリンジ2を保持した状態のシリンジ保持具5に径方向の振動が加わった際には、最初に、フランジ当接部681とフランジ縁部221とが当接する。よって、シリンジ2の径方向の動きを規制でき、筒部61に対するシリンジ2のズレを抑制できるとともに、胴体部200と側壁部67とが当接することも抑制でき、結果的に、胴体部200の外周面が傷つくことを抑制できる。さらに、図5に示すように、本実施形態では、シリンジ本体20(具体的には、胴体部200)と側壁部67との径方向の隙間においては、シリンジ当接部671と胴体部200との径方向の隙間よりも、側壁本体部673と胴体部200との径方向の隙間が大きい。そのため、図6に示すように、例えば、シリンジ2に径方向の振動が伝わり、シリンジ2におけるフランジ部22よりも先端側が揺れた際には、シリンジ当接部671よりも軸方向Yの他方側に配置される側壁本体部673と胴体部200とが当接することを抑制でき、胴体部200の先端側(具体的には、薬液充填部の外周面)に傷がつくことを抑制できる。よって、薬液充填部の外周面に傷がつくことを抑制することにより、傷や欠陥が無いことを確認するためのカメラ検査において、シリンジ2が不合格品と判断されることを抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、筒部61は、フランジ支持部66よりも軸方向Yの他方側に形成される側壁部67を備え、側壁部67は、フランジ支持部66に連続するシリンジ当接部671と、シリンジ当接部671よりも軸方向Yの他方側に形成される側壁本体部673と、を備え、シリンジ当接部671は、フランジ支持部66及び側壁本体部673よりも径方向の内側に配置され、シリンジ本体20に当接可能である。そのため、図7に示すように、例えば、フランジ部22が軸方向Yの一方側に脱してフランジガイド面684に乗り上げた場合には、側壁本体部673よりも径方向の内側に配置されるシリンジ当接部671が、シリンジ本体20におけるフランジ部22よりも軸方向Yの他方側の当接部分201に当接する。よって、当接部分201がシリンジ当接部671に当接して胴体部200の外周面が傷ついたとしても、傷は当接部分201にできるため、傷が目立ちにくい箇所にできる。
【0073】
また、本実施形態では、シリンジ当接面672が平面である。そのため、例えば、シリンジ当接面672が当接部分201に当接した場合、当接部分201には傷がつきにくい。
【0074】
また、図7に示すように、本実施形態では、フランジ当接部681のフランジ当接面682と連続するフランジガイド面684は、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面である。そのため、例えば、シリンジ2が筒部61に挿通された状態で、フランジ先端部220が支持面660から離れ、フランジ部22が軸方向Yの一方側に脱してフランジガイド面684に乗り上げた場合には、軸方向Yの一方側から他方側に向けて徐々に小径となるフランジガイド部683がフランジ部22を径方向の内側に誘導することにより、フランジ部22を筒部61内に収めることができる。
【0075】
また、図7に示すように、本実施形態では、フランジガイド面684と支持面660との径方向の長さは、シリンジ本体20の外周面に対するフランジ部22の突出長さよりも長い。よって、フランジ部22が軸方向Yの一方側に脱して、フランジ当接部681と当接部分201とが当接した場合であっても、フランジ部22はフランジガイド面684よりも径内側に配置されるので、フランジ部22が基板部60の表面600に乗り上げることを防止して、フランジ部22を筒部61内に収めることができる。
【0076】
また、本実施形態では、筒部61は、基板部60の表面600から軸方向Y(具体的には、他方側)に延びる。そのため、筒部61の軸方向Yの一方側の端部は、基板部60に接続されている。よって、筒部61の軸方向Yの一方側の端部の位置を、基板部60によって拘束することで各筒部61の軸方向Yの一方側の端部の位置決めをすることができ、その結果、筒部61に対するシリンジ2の位置決め精度を高めることができる。さらに、図5に示すように、本実施形態では、筒部61の軸方向Yの一方側寄りに、フランジ支持部66、フランジ当接部681が配置されているため、筒部61に対するシリンジ2の位置決めを高精度に行うことができる。
【0077】
また、本実施形態では、段差部70は、基板部60の周方向の全域に亘って形成されている。そのため、段差部70は、周方向の全域において、軸方向Yの他方側から基板部60を支える。よって、基板部60が傾くことを防止できる。
【0078】
また、図5に示すように、本実施形態のシリンジ保持具5は、保持本体6を嵩上げするための周囲部7を備え、この周囲部7は、軸方向Yで筒部61よりも長い段差部70を備える。そのため、例えば、載置部71を机上に載置した際に、筒部61が机上に接触することを防止できる。
【0079】
上述の通り、図5に示すように、包装体1を組み立てた状態では、軸方向Yの他方側から一方側にかけて、容器本体8、シリンジ保持具5、シリンジ2、保護カバー、保護膜4といった順番で配置される。また、容器本体8は、滅菌袋に収納されている。ここで、滅菌袋内において、軸方向Yを鉛直方向とし、他方側(具体的には、下方)から一方側(具体的には、上方)にかけて、容器本体8、シリンジ保持具5、シリンジ2、保護カバー、保護膜4といった順番で配置された状態を正立姿勢とし、正立姿勢の包装体1を逆さにした状態のことを反転姿勢とする。組み立てられた包装体1は、反転姿勢で搬送される。具体的には、複数の包装体1が反転姿勢で梱包箱に収容され、この梱包箱が搬送される。また、搬送された包装体1は、搬送先で反転姿勢から正立姿勢となる。そして、搬送先では、滅菌袋を開封して容器本体8を取り出し、容器本体8から保護膜4が剥がすと共に、保護カバーを取り除き、シリンジ2を保持したシリンジ保持具5が容器本体8から取り出される。それから、シリンジ2を保持したシリンジ保持具5が充填装置にセットされ、充填装置によって、シリンジ2に液体が充填される。なお、充填装置では、板厚方向に挿通孔を複数有する二枚のパンチングプレートが、挿通孔を合わせた状態で重畳されている。そして、シリンジ保持具5に保持されたシリンジ2の先端側をパンチングプレートの挿通孔に挿通した状態で、シリンジ保持具5がパンチングプレートに載置される。
【0080】
また、本実施形態では、大径ガイド面675は、軸方向Yの一方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面として構成されることで、大径ガイド部674は、軸方向Yの他方側から一方側へ向けて小径となるように構成されている。そのため、図8に示すように、例えば、筒部61の中心軸とシリンジ2の中心軸がズレた状態で筒部61からシリンジ2を抜く際には、キャップ21の基端部が大径ガイド部674に当接したとしても、キャップ21の基端部が大径ガイド部674によって径方向の内側に誘導され、大径部としてのキャップ21がシリンジ当接部671よりも軸方向Yの一方側において引っかかることを抑制することができる。したがって、キャップ21を筒部61からスムーズに抜くことができる。
【0081】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0082】
上記実施形態では、筒部61は、基板部60の板厚方向における一方面(具体的には、表面600)から軸方向Yに延び、他方面(具体的には、裏面601)から突出している場合について説明したが、これに限らず、例えば、図9に示すように、筒部61は、基板部60の板厚方向における他方面(具体的には、裏面601)から軸方向Yに延び、一方面(具体的には、表面600)から突出していてもよい。この場合、シリンジ保持具5は、周囲部7を備えなくてもよい。また、筒部61は、基板部60の板厚方向における表面600と裏面601から突出するように構成されていてもよい。或いは、筒部61の軸方向Yの長さが基板部60の板厚方向の長さと略同一でもよい。
【0083】
図10~15に示すように、筒部61が基板部60の板厚方向における他方面(具体的には、裏面601)から軸方向Yに延び、一方面(具体的には、表面600)から突出している場合、起立壁部68は、フランジガイド部683を備えていなくてもよい。また、図10~15に示すように、側壁本体部673は、側壁基端部678を備えてもよい。この側壁基端部678は、側壁他方部676よりも軸方向Yの他方側且つ径方向の外側に配置されている。側壁基端部678は、側壁基端面(図示しない)を有する。この側壁基端面は、軸方向Yに沿って延び、側壁他方部676と他方端65とに連続している。また、側壁基端面は、周方向の全域に延びる。そのため、側壁基端面は、軸方向Yと周方向に広がる。また、側壁基端部678の内径は、側壁他方部676の内径よりも大きい。なお、図10~15に示すように、側壁基端部678の軸方向Yの長さは、基板部60の板厚方向の長さよりも短くてもよいし、基板部60の板厚方向の長さと略同一又は、基板部60の板厚方向の長さよりも長くてもよい。
【0084】
また、図10に示すように、筒部61が基板部60の板厚方向における他方面(具体的には、裏面601)から軸方向Yに延び、一方面(具体的には、表面600)から突出している場合、一方端64は、外壁面62(図10にて符号を付けない)と起立壁部68とに径方向で連続している。一方端64は、径方向と周方向とに広がる一方端面を有する。なお、符号を付けないものの、図11~14でも同様に、一方端64は、外壁面62と起立壁部68とに径方向で連続し、一方端面を有する。さらに、他方端65は、側壁基端面と基板部60の裏面601との稜線部分である。
【0085】
図10,11に示すように、周方向の全域において、フランジ当接部681の軸方向Yの長さがフランジ部22の軸方向Yの長さよりも長くてもよい。これにより、例えば、フランジ支持部66に支持されたフランジ部22が軸方向Yの一方側に動くことで、筒部61から脱することを抑制できる。ここで、図10に示すフランジ当接部681の軸方向Yの長さは、図11に示すフランジ当接部681の軸方向Yの長さよりも長い。一方で、図11に示す側壁本体部673の軸方向Yの長さは、図10に示す側壁本体部673の軸方向Yの長さよりも長い。そのため、図11に示す筒部61の軸方向Yの長さは、図10に示す筒部61の軸方向Yの長さよりも長い。
【0086】
また、図12に示すように、周方向の一部において、フランジ当接部681のフランジ当接面682の軸方向Yの長さがフランジ部22の軸方向Yの長さよりも長くてもよい。これにより、筒部61には、凸部(採番しない)が形成される。図12では、所定の角度(具体的には、120°)ごとに、フランジ当接部681のフランジ当接面682の軸方向Yの長さがフランジ部22の軸方向Yの長さよりも長い。
【0087】
また、図13~15に示すように、周方向において、フランジ当接部681のフランジ当接面682の軸方向Yの長さが変化するように構成されていてもよい。図13では、径方向の一部(具体的には、図13の断面の左端)において、フランジ当接部681のフランジ当接面682の軸方向Yの長さが最も長くて、且つフランジ部22の軸方向Yの長さよりも長い。また、径方向の一部から径方向の他方側(具体的には、図13の右側)に進むほど、フランジ当接面682の軸方向Yの長さが徐々に短くなる。そして、径方向の一部に対して180°対向する他部(具体的には、図13の断面の右端)におけるフランジ当接部681のフランジ当接面682の軸方向Yの長さが、フランジ部22の軸方向Yの長さよりも短くてもよい。
【0088】
一方で、図14に示すように、径方向の一部と他部において、フランジ当接部681のフランジ当接面682の軸方向Yの長さが最も長く且つフランジ部22の軸方向Yの長さよりも長くてもよい。また、この場合、径方向の一部と他部の直径に直交する方向で、径外に向けてフランジ当接面682の軸方向Yの長さが短くなるように構成されていてもよい。具体的には、図15に示すように、径方向の一部と他部(図15にて図示しない)を頂点として、径方向のうち、径方向の一部と他部の直径に直交する方向で径外に向けて、フランジ当接面682の軸方向Yの長さが短くなるように構成される。さらに、円形の中心において、径方向の一部と他部の直径に直交する方向でのフランジ当接面682の軸方向Yの長さが最も短く且つフランジ部の軸方向Yの長さよりも短い。
【0089】
上記実施形態では、基板部60は平板状に構成されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、基板部60は、湾曲板であってもよい。また、上記実施形態では、基板部60が矩形板である場合について説明したが、基板部60は、例えば、平面視円形状の板であってもよい。
【0090】
上記実施形態では、筒部61が円筒状である場合について説明したが、これに限らず、例えば、筒部61が角筒状であってもよい。
【0091】
上記実施形態では、キャップ21がシリンジ本体20よりも径方向において大きく構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、キャップ21の径方向の長さは、シリンジ本体20の径方向の長さ以下に構成されていてもよい。この場合、筒部61は、大径ガイド部674を備えていなくてもよい。
【0092】
上記実施形態では、筒部61は軸方向Yでシリンジ2よりも短い場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、筒部61が軸方向Yでシリンジ2よりも長くてもよい。この場合、筒部61内にシリンジ2を挿し込み、フランジ支持部66でフランジ部22(具体的には、フランジ先端部220)を支持した際に、少なくともシリンジ2の先端が筒部61の他方端65よりも軸方向Yの他方側に配置されるように、筒部61の軸方向Yにおけるフランジ支持部66の配置が設定されることが考えられる。
【0093】
上記実施形態では、複数の筒部61が基板部60に配置されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、一つの筒部61が基板部60に配置されていてもよい。この場合、シリンジ保持具5は、一つのシリンジ2を保持することが可能である。
【0094】
上記実施形態では、基板部60に配置された全ての筒部61が同一に構成されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、基板部60に配置された複数の筒部61において、それぞれが異なるように構成されていてもよい。
【0095】
上記実施形態では、外壁面62の軸方向Yの長さは、基板部60の板厚方向の長さよりも長い場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、外壁面62の軸方向Yの長さは、基板部60の板厚方向の長さよりも短くてもよい。
【0096】
上記実施形態では、支持面660は、径方向に沿って延びるように構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、支持面660が内径側に進むほど軸方向Yの一方側又は他方側に延びる傾斜面(例えば、湾曲面や平面)として構成されていてもよい。また、支持面660は、凹凸面であってもよい。
【0097】
上記実施形態では、支持面660は周方向全周に延びるように構成されていた。そのため、フランジ支持部66は周方向の全周に亘って配置されていた。しかし、例えば、フランジ支持部66が周方向で所定の間隔をあけて、複数配置されていてもよい。
【0098】
上記実施形態では、シリンジ当接部671のシリンジ当接面672は、周方向の全周に形成されていた。そのため、シリンジ当接部671は周方向の全域に亘って配置されていた。しかし、これに限らず、例えば、シリンジ当接部671は、周方向で所定の間隔をあけて、複数配置されていてもよい。
【0099】
上記実施形態では、シリンジ当接部671のシリンジ当接面672が支持面660に連続することで、シリンジ当接部671がフランジ支持部66と連続している場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、シリンジ当接部671とフランジ支持部66とが軸方向Yで離間して配置されていてもよい。
【0100】
上記実施形態では、側壁部67は、シリンジ当接部671と、シリンジ当接部671よりも径外側に配置される側壁本体部673を備える場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、側壁部67が、側壁本体部673を備えていなくてもよい。この場合、シリンジ当接部671は、他方端65に連続している。
【0101】
上記実施形態では、大径ガイド面675がシリンジ当接部671のシリンジ当接面672に連続することで、大径ガイド部674とシリンジ当接部671とは軸方向Yで連続していた。しかし、これに限らず、大径ガイド部674とシリンジ当接部671とが軸方向Yで離間して配置されていてもよい。
【0102】
上記実施形態では、大径ガイド面675は、軸方向Yの一方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面であった。ここでいう「傾斜面」には、軸方向Yの他方側から一方側に進むにつれて径内側に湾曲する湾曲面や平面が含まれている。そのため、大径ガイド面675は、軸方向Yの一方側に進むにつれて筒部61の内周面と外周面との径方向の離間距離が長くなるような湾曲面に構成されていてもよいし、筒部61の内周面と外周面との径方向の離間距離が短くなるような湾曲面に構成されていてもよい。
【0103】
上記実施形態では、起立壁部68は、側壁部67よりも軸方向Yで短い場合について説明した。しかし、これに限らず、起立壁部68は側壁部67よりも軸方向Yで長くてもよい。
【0104】
上記実施形態では、フランジ当接部681のフランジ当接面682が、軸方向Yに沿って延びるように構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、フランジ当接部681のフランジ当接面682が、軸方向Yの軸方向Yの他方側に進むほど、筒部61の内径を小さく又は大きくする傾斜面(具体的には、平面や湾曲面)であってもよい。
【0105】
上記実施形態では、フランジ当接部681のフランジ当接面682が径方向に延びる支持面660の径外側の端から軸方向Yの一方側に連続していることで、フランジ支持部66とフランジ当接部681とは軸方向Yで連続していた。しかし、これに限らず、フランジ支持部66とフランジ当接部681とは軸方向Yで離間して配置されていてもよい。
【0106】
上記実施形態では、フランジガイド面684は、フランジ当接面682と連続していた。そのため、上記実施形態のフランジガイド部683は、フランジ当接部681に連続していた。しかし、これに限らず、例えば、フランジガイド部683は、フランジ当接部681よりも軸方向Yの一方側で、フランジ当接部681と離間して配置されていてもよい。
【0107】
上記実施形態では、フランジガイド面684が周方向全域に延びるため、フランジガイド部683は、周方向の全域に亘って形成されていた。しかし、これに限らず、例えば、フランジガイド部683が、周方向で所定の間隔をあけて、複数配置されていてもよい。
【0108】
上記実施形態では、フランジガイド面684は、軸方向Yの他方側ほど、筒部61の内径を小さくする傾斜面として構成されていた。ここでいう「傾斜面」には、軸方向Yの一方側から他方側に進むにつれて径内側に湾曲する湾曲面や平面が含まれている。そのため、フランジガイド面684は、軸方向Yの他方側に進むにつれて筒部61の内周面と外周面との径方向の離間距離が長くなるような湾曲面に構成されていてもよいし、筒部61の内周面と外周面との径方向の離間距離が短くなるような湾曲面に構成されていてもよい。
【0109】
上記実施形態では、シリンジ保持具5でシリンジ2を保持した後、シリンジ保持具5を容器本体8に収納する場合について説明した。しかし、これに限らず、シリンジ保持具5を容器本体8に収納した後、シリンジ保持具5でシリンジ2を保持するようにしてもよい。
【0110】
上記実施形態では、組み立てられた包装体1は、反転姿勢で搬送される場合について説明したが、包装体1は正立状態で搬送されてもよい。また、上記実施形態では、搬送先において、シリンジ2の先端側をパンチングプレートの挿通孔に挿通する場合について説明したが、シリンジ保持具5に保持されたシリンジ2の先端側をパンチングプレートの挿通孔に挿通せずに、シリンジ保持具5が充填装置にセットされることも考えられる。
【0111】
上記実施形態では、胴体部200は、薬液を充填するための部分として薬液充填部を有していることについて説明した。しかし、例えば、胴体部200のうち、薬液充填部の外周面には、充填された液体量を確認するための目盛り(図示しない)が印字により設けられていてもよい。この場合、当接部分201は、胴体部200の外周面に設けられた目盛りとフランジ部22との間の領域である。そして、当接部分201がシリンジ当接部671に当接して胴体部200の外周面が傷ついたとしても、胴体部200の外周面のうち、当接部分201よりも先端側(具体的には、薬液充填部)の外周面が傷つくことを防止して、印字された目盛りが剥がれて読めなくなるといったことを防止できる。さらに、この場合、大径部は、目盛りよりも軸方向Yの他方側に配置される。
【0112】
上記実施形態では、周囲筒部203の外径が胴体部200の外径よりも小さい場合について説明した。しかし、これに限らず、周囲筒部203の外径が胴体部200の外径よりも大きく構成されていてもよい。この場合、キャップ21に加えて或いは代えて、周囲筒部203が大径部として構成されていてもよい。
【0113】
上記実施形態では、キャップ21によって構成される大径部が胴体部200の先端に配置されている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、大径部は、キャップ21により構成されておらず、胴体部200の先端部における外周面から突出することで、胴体部200よりも大径に構成されていてもよい。この場合、シリンジ2は、周囲筒部203を備えていなくてもよい。或いは、シリンジ2は、針保護部のみを備えていてもよい。この場合、針保護部が大径部として構成されることが考えられる。さらに、大径部は、キャップ21や針保護部といった注射針204を覆うものだけでなく、例えば、該胴体部200よりも大径に構成され、且つシリンジ本体20の先端部に装着される装着部材であってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1:包装体、2:シリンジ、20:シリンジ本体、200:胴体部、201:当接部分、202:保持部、203:周囲筒部、204:注射針、21:キャップ、22:フランジ部、220:フランジ先端部、221:フランジ縁部、3:シリンジ収納容器、4:保護膜、5:シリンジ保持具、50:切り欠き、6:保持本体、60:基板部、600:表面、601:裏面、61:筒部、62:外壁面、63:内壁面、64:一方端、65:他方端、66:フランジ支持部、660:支持面、67:側壁部、671:シリンジ当接部、672:シリンジ当接面、673:側壁本体部、674:大径ガイド部、675:大径ガイド面、676:側壁他方部、677:側壁他方面、68:起立壁部、681:フランジ当接部、682:フランジ当接面、683:フランジガイド部、684:フランジガイド面、7:周囲部、70:段差部、700:縦段差部、701:横段差部、71:載置部、710:延出部、8:容器本体、80:底部、81:側壁部、810:幅側壁部、811:長手側壁部、812:下部側壁部、813:上部側壁部、814:側壁段差部、815:鍔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15