(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085221
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両の油圧回路
(51)【国際特許分類】
B60W 10/02 20060101AFI20240619BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20240619BHJP
B60W 20/20 20160101ALI20240619BHJP
B60W 20/50 20160101ALI20240619BHJP
F16D 25/062 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B60W10/02 900
B60K6/48 ZHV
B60W20/20
B60W20/50
F16D25/062
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199628
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋本 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】檀上 弥輝
(72)【発明者】
【氏名】三森 拓
【テーマコード(参考)】
3D202
3J057
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202BB37
3D202CC87
3D202DD38
3D202DD41
3D202EE00
3J057AA04
3J057BB02
3J057GA51
3J057GC02
3J057GC06
3J057GD01
3J057GE05
3J057HH01
3J057JJ01
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減して低コスト化および小型化を図る。
【解決手段】上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド車両の油圧回路は、内燃機関と、内燃機関の出力が伝達される発電機と、内燃機関と発電機との間に設けられ、内燃機関の出力を駆動軸に断接する直達クラッチと、を備えるハイブリッド車両の油圧回路であって、与えられたライン圧に基づき直達クラッチに与える出力圧を切り替えるソレノイドバルブを有し、油圧回路は、直達クラッチを非係合状態として内燃機関の出力を駆動軸に伝達させない場合に、出力圧を第1圧力にし、直達クラッチを係合状態として内燃機関の出力を駆動軸に伝達させる場合に、出力圧を、第1圧力より高い第2圧力にし、油圧回路に異常が発生した場合、ライン圧を直達クラッチを第1圧力以下に切り替える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関の出力が伝達される発電機と、
前記内燃機関と前記発電機との間に設けられ、前記内燃機関の出力を駆動軸に断接する直達クラッチと、
を備えるハイブリッド車両の油圧回路であって、
与えられたライン圧に基づき前記直達クラッチに与える出力圧を切り替えるソレノイドバルブを有し、
前記油圧回路は、
前記直達クラッチを非係合状態として前記内燃機関の出力を前記駆動軸に伝達させない場合に、前記出力圧を第1圧力にし、
前記直達クラッチを係合状態として前記内燃機関の出力を前記駆動軸に伝達させる場合に、前記出力圧を、前記第1圧力より高い第2圧力にし、
前記油圧回路に異常が発生した場合、前記ライン圧を前記直達クラッチを前記第1圧力以下に切り替える
ハイブリッド車両の油圧回路。
【請求項2】
前記油圧回路は、
前記ライン圧を一定に調整するレギュレータバルブと、
前記ライン圧を前記レギュレータバルブの信号圧入力ポートに与えるオン状態、または、前記ライン圧を前記レギュレータバルブの前記信号圧入力ポートに与えないオフ状態に切り替わるオンオフソレノイドバルブと、
をさらに有し、
前記オンオフソレノイドバルブは、前記油圧回路に異常が発生していない場合、前記オン状態とされ、前記油圧回路に異常が発生した場合、前記オフ状態とされる
請求項1に記載のハイブリッド車両の油圧回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の油圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両の直達クラッチは、油圧回路からの油圧により断接される。油圧回路は、内燃機関の出力を駆動軸に伝達させないシリーズ走行時において、低い油圧を発生して直達クラッチを非係合状態とする。油圧回路は、内燃機関の出力を駆動軸に伝達させる直達走行時において、高い油圧を発生して直達クラッチを係合状態とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、油圧回路は、異常時において、直達クラッチが常時係合状態となってしまわないように、強制的に高い圧力での油圧の発生を遮断しなければならない。このため、従来、直達クラッチを断接させるための油圧回路は、例えば、2個のリレーバルブ回路を有し、一方のリレーバルブ回路で異常が発生した場合、他方のリレーバルブ回路により油圧の発生を遮断していた。
【0005】
しかし、このような2個のリレーバルブ回路を有する油圧回路は、部品点数が増えて回路規模が大きくなってしまっていた。さらに、このような油圧回路は、2個のリレーバルブ回路の設定および制御をしなければならなく、コストが高くなってしまっていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部品点数を削減して低コスト化および小型化を図ることができるハイブリッド車両の油圧回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド車両の油圧回路は、内燃機関と、前記内燃機関の出力が伝達される発電機と、前記内燃機関と前記発電機との間に設けられ、前記内燃機関の出力を駆動軸に断接する直達クラッチと、を備えるハイブリッド車両の油圧回路であって、与えられたライン圧に基づき前記直達クラッチに与える出力圧を切り替えるソレノイドバルブを有し、前記油圧回路は、前記直達クラッチを非係合状態として前記内燃機関の出力を前記駆動軸に伝達させない場合に、前記出力圧を第1圧力にし、前記直達クラッチを係合状態として前記内燃機関の出力を前記駆動軸に伝達させる場合に、前記出力圧を、前記第1圧力より高い第2圧力にし、前記油圧回路に異常が発生した場合、前記ライン圧を前記直達クラッチを前記第1圧力以下に切り替える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数を削減して低コスト化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、ハイブリッド車両の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、電子制御ユニットによる油圧回路の制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係るハイブリッド車両10の構成を示す図である。ハイブリッド車両10は、駆動軸20と、内燃機関22と、バッテリ24と、インバータ26と、モータジェネレータ28と、直達クラッチ30と、油圧回路32と、電子制御ユニット34とを備える。
【0012】
駆動軸20は、両端に車輪が設けられる。駆動軸20は、駆動力が与えられて軸方向を中心に回転することにより、ハイブリッド車両10を走行させる。
【0013】
内燃機関22は、燃料を燃焼させ、回転エネルギーを発生する。バッテリ24は、電力を蓄積する。インバータ26は、バッテリ24とモータジェネレータ28との間の電力変換を行う。
【0014】
モータジェネレータ28は、回転軸がトランスミッションおよびデファレンシャル等を介して駆動軸20に接続される。モータジェネレータ28は、発電機または電動機として動作する。モータジェネレータ28は、発電機として動作する場合、回転軸の回転エネルギーにより電力を発電し、発電した電力をインバータ26を介してバッテリ24に蓄積させる。また、モータジェネレータ28は、電動機として動作する場合、バッテリ24からインバータ26を介して受け取った電力によって回転軸を回転させる。
【0015】
直達クラッチ30は、内燃機関22とモータジェネレータ28との間に設けられる。直達クラッチ30は、内燃機関22の回転軸とモータジェネレータ28の回転軸とを断接する。具体的には、直達クラッチ30は、係合状態および非係合状態に切り替わる。直達クラッチ30は、係合状態において、内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達する。一方、直達クラッチ30は、非係合状態において、内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させない。なお、モータジェネレータ28は、直達クラッチ30により内燃機関22の回転軸とモータジェネレータ28の回転軸とが接続されることにより、内燃機関22からの出力が伝達される。従って、直達クラッチ30は、内燃機関22の出力を駆動軸20に対して断接することができる。
【0016】
このようなハイブリッド車両10は、直達クラッチ30を非係合状態とすることにより、内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させずに、バッテリ24の電力により走行するシリーズ走行をする。また、ハイブリッド車両10は、直達クラッチ30を係合状態とすることにより、内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させて走行する直達走行をする。また、ハイブリッド車両10は、直達走行において、モータジェネレータ28を発電機として動作させ、バッテリ24に電力を充電させることができる。
【0017】
油圧回路32は、油圧により直達クラッチ30を作動させて、直達クラッチ30を非係合状態または係合状態に切り替える。具体的には、油圧回路32は、直達クラッチ30を非係合状態として内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させない場合(シリーズ走行時)において、直達クラッチ30に与える出力圧を、第1圧力にする。直達クラッチ30は、油圧回路32から与えられる出力圧が、第1圧力である場合、作動せずに非係合状態となる。また、油圧回路32は、直達クラッチ30を係合状態として内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させる場合(直達走行時)において、直達クラッチ30に与える出力圧を、第1圧力より高い第2圧力にする。直達クラッチ30は、油圧回路32から与えられる出力圧が、第2圧力である場合、作動して係合状態となる。
【0018】
また、油圧回路32は、通常時において、内部配管の油圧であるライン圧を高圧状態とする。高圧状態は、油圧回路32から、少なくとも第2圧力を発生させることが可能な圧力である。
【0019】
また、油圧回路32は、異常時において、ライン圧を低圧状態に切り替える。低圧状態は、油圧回路32から、直達クラッチ30を作動させて係合状態にさせる圧力を発生させることができない圧力、例えば第1圧力以下の状態である。例えば、油圧回路32は、油圧回路32の内部において異常が発生した場合、ライン圧を高圧状態から低圧状態に切り替える。例えば、油圧回路32は、直達走行からシリーズ走行に切り替えるため、係合状態の直達クラッチ30を非係合状態とするように制御されたにも関わらず、直達クラッチ30が非係合状態とならないような場合、ライン圧を高圧状態から低圧状態に切り替える。これにより、油圧回路32は、異常時において、出力圧を、直達クラッチ30を非係合状態とする圧力に切り替えて、直達クラッチ30を強制的に非係合状態とすることができる。
【0020】
電子制御ユニット34は、プロセッサまたは専用回路により構成された半導体回路またはモジュールである。電子制御ユニット34は、ハイブリッド車両10に備える各種機器を制御する。
【0021】
本実施形態において、電子制御ユニット34は、ハイブリッド車両10に備える各種機器のうちの一つとして、油圧回路32を制御する。電子制御ユニット34は、ハイブリッド車両10にシリーズ走行をさせる場合、油圧回路32を制御して、油圧回路32から第1圧力の出力圧を出力させる。また、電子制御ユニット34は、ハイブリッド車両10に直達走行をさせる場合、油圧回路32を制御して、油圧回路32から第2圧力の出力圧を出力させる。
【0022】
また、電子制御ユニット34は、油圧回路32に異常が発生したか否かを判断する。例えば、電子制御ユニット34は、直達走行からシリーズ走行に切り替えるため、係合状態の直達クラッチ30を非係合状態とするように制御したのにも関わらず、直達クラッチ30が非係合状態とならないような場合、油圧回路32に異常が発生したと判断する。電子制御ユニット34は、油圧回路32に異常が発生したと判断した場合、ライン圧を高圧状態から低圧状態とするように油圧回路32を制御する。これにより、電子制御ユニット34は、油圧回路32は、異常が発生した場合、直達クラッチ30を非係合状態とすることができる。
【0023】
図2は、油圧回路32の構成を示す図である。油圧回路32は、油圧ポンプ42と、ソレノイドバルブ44と、オンオフソレノイドバルブ46と、レギュレータバルブ48とを有する。
【0024】
油圧ポンプ42は、吐出口42aに第1配管52が接続される。油圧ポンプ42は、第1配管52を介してソレノイドバルブ44と接続される。油圧ポンプ42は、第1配管52へと所定の流量でオイルを送り出す。
【0025】
ソレノイドバルブ44は、入力ポート44aに第1配管52が接続される。ソレノイドバルブ44は、出力ポート44bに出力配管54が接続される。ソレノイドバルブ44は、電磁力により入力ポート44aから出力ポート44bへの流れるオイルの流量を制御する。このようなソレノイドバルブ44は、第1配管52の油圧(ライン圧)以下の範囲で、出力配管54の圧力(出力圧)を変更することができる。ソレノイドバルブ44の出力ポート44bに接続される出力配管54は、直達クラッチ30に接続される。これにより、直達クラッチ30は、出力配管54の圧力(出力圧)に応じて、係合状態または非係合状態に切り替わることができる。
【0026】
オンオフソレノイドバルブ46は、入力ポート46aが第1配管52に接続される。オンオフソレノイドバルブ46は、出力ポート46bが第2配管56に接続される。オンオフソレノイドバルブ46は、電磁力により入力ポート46aと出力ポート46bとの間を接続するか否かを切り替える。
【0027】
オンオフソレノイドバルブ46は、オン状態である場合、入力ポート46aと出力ポート46bとの間を接続する。従って、オンオフソレノイドバルブ46は、オン状態である場合、第2配管56の圧力(信号圧)を、第1配管52の圧力(ライン圧)に一致させることができる。
【0028】
オンオフソレノイドバルブ46は、オフ状態である場合、入力ポート46aと出力ポート46bとの間を切断する。従って、オンオフソレノイドバルブ46は、オフ状態である場合、第2配管56の圧力(信号圧)を、ほぼ0とすることができる。
【0029】
レギュレータバルブ48は、入力ポート48aおよびフィードバックポート48bが第1配管52に接続される。また、レギュレータバルブ48は、信号圧入力ポート48cが第2配管56を介してオンオフソレノイドバルブ46の出力ポート46bに接続される。
【0030】
レギュレータバルブ48は、内部にスプリングを含む。レギュレータバルブ48は、信号圧入力ポート48cに加わっている第2配管56の圧力(信号圧)と、スプリングの圧力とを加えた圧力に応じて、第1配管52の圧力(ライン圧)が、所定値で一定となるように調整する。
【0031】
このような、レギュレータバルブ48は、オンオフソレノイドバルブ46がオン状態である場合、信号圧入力ポート48cに高い圧力が加わっているため、第1配管52の圧力(ライン圧)を高圧状態とすることができる。また、レギュレータバルブ48は、オンオフソレノイドバルブ46がオフ状態である場合、信号圧入力ポート48cに高い圧力が加わっていないため、第1配管52の圧力(ライン圧)を低圧状態とすることができる。
【0032】
ここで、オンオフソレノイドバルブ46がオン状態である場合における高圧状態のライン圧は、直達クラッチ30を係合状態に切り替えることができる十分に高い圧力である。これに対して、オンオフソレノイドバルブ46がオフ状態である場合における低圧状態のライン圧は、直達クラッチ30を係合状態にさせることができないような十分に低い圧力である。
【0033】
そして、オンオフソレノイドバルブ36は、油圧回路32に異常が発生していない通常時において、電子制御ユニット34による制御によって、オン状態にされる。従って、オンオフソレノイドバルブ46は、通常時において、電子制御ユニット34による制御によって、第1配管52の圧力であるライン圧を高圧状態とすることができる。
【0034】
また、オンオフソレノイドバルブ46は、油圧回路32の異常時において、電子制御ユニット34による制御によって、オフ状態にされる。従って、オンオフソレノイドバルブ46は、異常時において、電子制御ユニット34による制御によって、第1配管52の圧力であるライン圧を低圧状態とすることができる。
【0035】
以上のような油圧回路32は、直達クラッチ30を非係合状態として内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させない場合(シリーズ走行時)において、電子制御ユニット34による制御によって、高圧状態のライン圧に基づき、ソレノイドバルブ44から出力される出力圧を第1圧力とする。これにより、油圧回路32は、シリーズ走行時において、直達クラッチ30に与える出力圧を、第1圧力にすることができる。従って、シリーズ走行時において、油圧回路32は、直達クラッチ30を作動させずに、非係合状態とすることができる。
【0036】
また、油圧回路32は、直達クラッチ30を係合状態として内燃機関22の出力を駆動軸20に伝達させる場合(直達走行時)において、電子制御ユニット34による制御によって、高圧状態のライン圧に基づき、ソレノイドバルブ44から出力される出力圧を、第1圧力より高い第2圧力とする。これにより、油圧回路32は、直達走行時において、直達クラッチ30に与える出力圧を、第2圧力にすることができる。従って、直達走行時において、油圧回路32は、直達クラッチ30を作動させて、係合状態とすることができる。
【0037】
また、以上のような油圧回路32は、異常時において、電子制御ユニット34による制御によって、ライン圧を、高圧状態から低圧状態に切り替えることができる。これにより、油圧回路32は、異常時において、ライン圧を、直達クラッチ30を作動させることができない低圧状態に切り替えて、直達クラッチ30を確実に非係合状態とすることができる。
【0038】
図3は、電子制御ユニット34による油圧回路32の制御の流れを示すフローチャートである。電子制御ユニット34は、例えば、
図3に示すような流れで、油圧回路32のオンオフソレノイドバルブ46を制御する。
【0039】
まず、S11において、電子制御ユニット34は、ハイブリッド車両10の動作開始時において、油圧ポンプ42の動作を開始させるとともに、オンオフソレノイドバルブ46をオン状態に制御する。これにより、電子制御ユニット34は、油圧回路32のライン圧を高圧状態とすることができる。電子制御ユニット34は、油圧回路32のライン圧を高圧状態とした状態において、ソレノイドバルブ44を制御することにより、シリーズ走行または直達走行を切り替えることができる。
【0040】
続いて、S12において、電子制御ユニット34は、ハイブリッド車両10の動作中において、油圧回路32に異常が発生したか否かを判断する。例えば、電子制御ユニット34は、係合状態の直達クラッチ30を非係合状態とするように制御したにも関わらず、直達クラッチ30が非係合状態とならないような場合、油圧回路32に異常が発生したと判断する。また、電子制御ユニット34は、例えば、その他の方法でソレノイドバルブ44の異常等を検知した場合、油圧回路32に異常が発生したと判断してもよい。
【0041】
電子制御ユニット34は、油圧回路32に異常が発生していない(S12のNo)、処理をS12に戻し、ハイブリッド車両10の動作終了までS12の処理を繰り返す。電子制御ユニット34は、油圧回路32に異常が発生したと判断した場合(S12のYes)、処理をS13に進める。
【0042】
S13において、電子制御ユニット34は、オンオフソレノイドバルブ46をオフ状態に制御する。これにより、電子制御ユニット34は、油圧回路32のライン圧を高圧状態から低圧状態に切り替えることができる。油圧回路32は、ライン圧が低圧状態である場合、直達クラッチ30を作動させることができない十分に低い出力圧を出力する。これにより、電子制御ユニット34は、油圧回路32に異常が発生した場合、強制的に直達クラッチ30を非係合状態とすることができる。
【0043】
電子制御ユニット34は、S13の処理を終えると、本フローを終了する。
【0044】
以上のような実施形態に係るハイブリッド車両10の油圧回路32は、オンオフソレノイドバルブ46を切り替えることにより、異常が発生した場合に直達クラッチ30を強制的に非係合状態とすることができる。これにより、実施形態に係るハイブリッド車両10の油圧回路32は、少ない部品点数により、異常が発生した場合におけるフェールセーフ機能を実現できる。このようなハイブリッド車両10の油圧回路32によれば、部品点数を削減して低コスト化および小型化を図ることができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0046】
10 ハイブリッド車両、20 駆動軸、22 内燃機関、24 バッテリ、26 インバータ、28 モータジェネレータ、30 直達クラッチ、32 油圧回路、34 電子制御ユニット、42 油圧ポンプ、44 ソレノイドバルブ、46 オンオフソレノイドバルブ、48 レギュレータバルブ、52 第1配管、54 出力配管、56 第2配管