(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085240
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/14 20060101AFI20240619BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B65H7/14
B41J11/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199660
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川村 巌
(72)【発明者】
【氏名】石津 知宏
(72)【発明者】
【氏名】堀江 男二
(72)【発明者】
【氏名】作山 正義
(72)【発明者】
【氏名】川口 隼矢
(72)【発明者】
【氏名】青戸 竜太
【テーマコード(参考)】
2C058
3F048
【Fターム(参考)】
2C058AB03
2C058AB15
2C058AB23
2C058AC07
2C058AC12
2C058AD01
2C058AD06
2C058AE04
2C058AE14
2C058AF39
2C058AF43
2C058AF47
2C058GB03
2C058GB12
2C058GB13
2C058GB33
2C058GB47
3F048AA05
3F048AB01
3F048BB10
3F048CB03
3F048CB06
3F048DA06
3F048DB11
3F048DB17
3F048DC05
3F048DC13
(57)【要約】
【課題】
一つの検知部で記録媒体の側端部と後端部を検知することが可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部へ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置であって、前記搬送手段は、搬送ローラと、前記記録媒体の搬送方向において前記搬送ローラよりも上流側に配置され、搬送される前記記録媒体を支持する搬送テーブルと、前記搬送テーブルに前記搬送方向と交差する幅方向に移動できるように支持され、前記幅方向に移動して前記記録媒体の側端部に接触することで前記記録媒体の幅方向の位置を規制する2つの規制部材と、を有しており、前記2つの規制部材の少なくとも一方は、前記搬送テーブル上に前記記録媒体が配置されていることを検知する検知部を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部へ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置であって、
前記搬送手段は、
搬送ローラと、
前記記録媒体の搬送方向において前記搬送ローラよりも上流側に配置され、搬送される前記記録媒体を支持する搬送テーブルと、
前記搬送テーブルに前記搬送方向と交差する幅方向に移動できるように支持され、前記幅方向に移動して前記記録媒体の側端部に接触することで前記記録媒体の幅方向の位置を規制する2つの規制部材と、を有しており、
前記2つの規制部材の少なくとも一方は、前記搬送テーブル上に前記記録媒体が配置されていることを検知する検知部を備えている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、記録媒体の搬送方向と直交する幅方向において、記録媒体の端部の位置を検知する画像形成装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置において記録媒体の搬送状態を把握するには、記録媒体の搬送方向と直交する幅方向の端部(すなわち記録媒体の側端部)を検知すると共に、記録媒体の搬送方向における下流側の端部(すなわち記録媒体の後端部)を検知する必要がある。しかしながら、記録媒体の側端部と後端部を検知する場合、複数の検知部が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部へ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、を備えた画像形成装置であって、前記搬送手段は、搬送ローラと、前記記録媒体の搬送方向において前記搬送ローラよりも上流側に配置され、搬送される前記記録媒体を支持する搬送テーブルと、前記搬送テーブルに前記搬送方向と交差する幅方向に移動できるように支持され、前記幅方向に移動して前記記録媒体の側端部に接触することで前記記録媒体の幅方向の位置を規制する2つの規制部材と、を有しており、前記2つの規制部材の少なくとも一方は、前記搬送テーブル上に前記記録媒体が配置されていることを検知する検知部を備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、一つの検知部で記録媒体の側端部と後端部を検知することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】画像形成装置の内部構成を示す模式図である。
【
図6】搬送ローラと搬送ベルトの動作を説明する図である。
【
図7】搬送ローラと搬送ベルトの動作を説明する図である。
【
図8】プラテンに設けられた溝と吸引口を説明する図である。
【
図10】第1ガイドと第2ガイドを説明する図である。
【
図11】第1ガイドと第2ガイドの連結を説明する図である。
【
図12】第1ガイドと第2ガイドの連結を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施形態の画像形成装置を外観を示す斜視図である。画像形成装置100は、LCD及びタッチパネルからなる操作部102が設けられた装置本体101と、記録媒体がロール状に巻き取られたロールシートを装填するロールシートホルダ103と、を備えている。画像形成装置100は、搬送手段でロールシートを搬送しつつ、そのロールシートにホストコンピュータ104から送信した画像データを記録する。画像形成装置100とホストコンピュータ104とは、プリンタケーブル105によって繋がれている。
【0009】
図2は、本実施形態で使用する記録媒体としてのロールシート200の構成図である。ロールシート200は、連続した台紙701と、台紙701上に等間隔に貼り付けられたラベル702で構成されており、画像形成装置100は、ラベル702に記録を行う。
【0010】
図3は、本実施形態の画像形成装置100の内部構成を示す模式図である。画像形成装置100は、ロールシートホルダ103に装填されたロールシート200を、搬送手段である搬送ユニット201で搬送するように構成されている。搬送ユニット201は、搬送ローラ202と、搬送ベルト207と、ファン208を備えており、ロールシート200は、ファン208によって発生した負圧で搬送ベルト207に押し付けられながら搬送される。
【0011】
本実施形態の画像形成装置は、インクを吐出して画像を形成する画像形成部を備えたインクジェット記録装置であり、インクを吐出する多数のノズルを有する記録ヘッド210が、搬送ベルト207で搬送されるロールシート200と対向するように設けられている。記録ヘッド210には不図示のインクタンクが接続されており、搬送ユニット201によって搬送されるロールシート200に対して、記録ヘッド210からインクを吐出することで画像が形成される。また、画像形成装置には、記録ヘッド210のノズルを覆うことが可能な不図示のキャップが設けられている。キャップには不図示のポンプユニットが接続され、キャップ内を負圧にすることでノズル内のインクを吸引することができる。これによりノズル内部のインクが排出され、ノズルの目詰まりが防止できる。
【0012】
ロールシート200の搬送方向において、記録ヘッド210よりも上流側には、ロールシート200に貼付されたラベルの有無を検知するメディアセンサ209(第2検知部)が配置されている。
【0013】
<制御部>
図4は、本実施形態の画像形成装置100の動作を制御する制御部の構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御部からの制御信号によって、記録動作と後述するクリーニング動作を実行する。
【0014】
図4において、メインコントローラ301は画像形成装置全体を制御しており、データを格納する格納手段としての機能、データ制御手段、および設定データに基づいて本体の動作を変更する設定手段としての機能などを有する。メインコントローラ301は、ホストコンピュータ104に接続され、互いに信号の授受を行う。メインコントローラ301に接続されたROM302には、制御プログラムなどが格納されている。また、ROM302に格納されたプログラムに従い、メインコントローラ301はRAM303を作業用メモリとして使用する。イメージバッファ304には、ホストコンピュータ104から送信された画像データが格納される。ヘッド駆動回路305は、前記記録ヘッド201に内蔵される発熱体(不図示)を駆動させる回路であり、メインコントローラ301に接続されたドライバコントローラ306が、イメージバッファに格納されたビットマップ形式の画像データに従ってヘッド駆動回路305を制御することで画像を記録する。モータ駆動回路307は、搬送部等に設けられた搬送モータ206を駆動する回路であり、メインコントローラ301によって制御される。そして、操作部102のLCDに表示する画面や、ユーザがタッチパネルを操作した場合の挙動もメインコントローラ301によって制御されている。また、センサ回路309によって、メディアセンサ209やフォトインタラプタ422等の制御が行われる。
【0015】
<搬送ユニット>
図5から
図7を用いて搬送ユニット201の説明を行う。
【0016】
図5は搬送ユニット201の斜視図である。搬送ユニット201は、記録を行う際に、ロールシート200を矢印Aの方向に搬送する。搬送ユニット201は、搬送ローラ202、ピンチローラ203、搬送ベルト207、プラテン402、シートガイド403を備えている。
【0017】
本実施形態の搬送ローラ202は、表面をセラミックでコーティングすることで、搬送するロールシート200との摩擦力を高めている。また、搬送ローラ202として、表面にブラスト処理を施したローラを用いることで、ロールシート200との摩擦力を高めることも可能である。搬送ローラ202は、後述する搬送ローラ軸に複数取り付けられている。
【0018】
ピンチローラ203は、バネ401の弾性力によって、搬送ローラ202へ向けて付勢されている。ロールシート200は、搬送ローラ202とピンチローラ203で挟持されながら搬送される。
【0019】
搬送ベルト207は、搬送方向(矢印A)において搬送ローラ202よりも下流側に、搬送方向に沿って架け渡されている。搬送ベルト207には複数の開口部が設けられており、搬送ユニット201の内部に設けられたファン208で発生させた負圧によって、開口部から空気を吸い込むように構成されている。したがって、搬送ユニット201にロールシート200がセットされているとき、ロールシート200の裏面は、搬送ベルト207の開口部からの吸気によって搬送ベルト207の上面に吸い付けられている。
【0020】
プラテン402の上面は、搬送ベルト207の上面と同じ高さとなるように構成されている。また、プラテン402の上面には、搬送ベルト207と同様に複数の開口部が設けられている。プラテン402の開口部からも、ファン208で発生させた負圧によって空気が吸い込むように構成されていることから、ロールシート200の裏面はプラテン402の上面にも吸い付けられる。したがって、ロールシート200が搬送されるとき、ロールシート200の裏面は、プラテン402の上面に接触しながら搬送される。
【0021】
プラテン402において、
図5の矢印Bで示す範囲は、記録ヘッド210によるロールシート200への記録が行われる領域である。プラテン402上で矢印Bの範囲を吸引することにより、ロールシート200の記録を行う領域をプラテン402の表面に吸い付けている。そして、ロールシート200の浮き上がりを抑制することで、ロールシート200が記録ヘッド210に接触することを抑えたり、ロールシート200と記録ヘッド210との間隔が狭くなることで生じる画質の低下を抑えている。
【0022】
図6は、搬送ローラ202と搬送ベルト207の動作を示す説明図である。搬送ローラ202と搬送ベルト207は、共通の駆動源である搬送モータ206によって駆動される。搬送ベルト207は、ベルトプーリ501と従動コロ502の間に架け渡され、ベルトプーリ501は、ベルト駆動軸503に取り付けられている。搬送モータ206による駆動は、第1駆動ベルト505によってベルト駆動軸503に伝わり、ベルト駆動軸503に取り付けられたベルトプーリ501が回転することで搬送ベルト207に伝わる。なお、ベルトプーリ501には不図示のワンウェイクラッチが内蔵されており、ベルト駆動軸503がロールシート200を搬送方向に搬送する回転方向で回転するときだけ、ベルトプーリ501はベルト駆動軸503と一緒に回転する。ベルト駆動軸503がこれと逆方向に回転するときには、ベルト駆動軸503だけが回転し、ベルトプーリ501は回転しない。
【0023】
搬送ローラ202は、搬送ローラ軸504に取り付けられている。搬送モータ206が第1駆動ベルト505を介してベルト駆動軸503を回転させると、ベルト駆動軸503が第2駆動ベルト506を介して搬送ローラ軸504を回転させる。そして、搬送ローラ軸504に取り付けられた搬送ローラ202が回転する。
【0024】
図7は、
図6を別の角度から見た図である。搬送ユニット201は、ロータリーエンコーダ601とメディアセンサ209を備えている。ロータリーエンコーダ601のコードホイールは、搬送ローラ軸504に取り付けられている。ロータリーエンコーダ601の出力を
図4のセンサ回路で監視することで、搬送ローラ軸504の回転量や回転速度を検出することが出来る。検出した搬送ローラ軸504の回転量や回転速度は、ロールシート200の搬送の制御に用いられる。
【0025】
メディアセンサ209は、画像形成装置100にセットされたロールシート200上に貼り付けられているラベル702を検知する。メディアセンサ209は光学式の透過型センサや反射型センサを用いて、ラベル702の有無を検知する。メディアセンサ209の出力は、記録ヘッド210による記録開始タイミングの制御に用いられる。さらに、メディアセンサ209と、シートガイド403のフォトインタラプタ422が共にロールシート200が有ることを検知した場合は搬送動作が許可され、シートガイド403のフォトインタラプタ422がロールシート200が無いことを検知した場合には、搬送動作を停止する制御へ移行する。
【0026】
本実施形態では、搬送モータ206からベルト駆動軸503への動力伝達と、ベルト駆動軸503から搬送ローラ軸504への動力伝達とを、歯付きプーリとコグベルトの組み合わせによって行う。平ベルトとプーリの組み合わせを用いることも可能であるが、搬送モータ206による駆動をロスなく搬送ローラ202に伝えるとともに、搬送ローラ202によるロールシート200の搬送精度を高めるためには、滑りが生じにくい歯付きプーリとコグベルトの組み合わせが望ましい。
【0027】
本実施形態においては、搬送ローラ202によるロールシート200の搬送速度よりも搬送ベルト207によるロールシート200の搬送速度を速くしている。搬送ローラ202によるロールシート200の搬送は、搬送ローラ202とピンチローラ203でロールシートを挟持しながら行われる。一方、搬送ベルト207によるロールシート200の搬送は、ファン208で発生させた負圧によって、ロールシート200を搬送ベルト207に吸い付けながら行われる。そのため、搬送ローラ202とピンチローラ203によるロールシート200の保持力の方が、搬送ベルト207によるロールシート200の保持力を上回る。そして、ロールシート200と搬送ベルト207との間に滑りが生じることでロールシート200の移動速度と搬送ベルト207の搬送速度との差が解消される。
【0028】
搬送ベルト207は、搬送ローラ202よりも搬送方向下流側に位置しており、搬送ベルト207の搬送速度は、搬送ローラ202よりも速く設定しているため、ロールシート200は、搬送方向下流側に引っ張られながら搬送される。このように、ロールシート200を引っ張りながら搬送することで、プラテン402上でロールシート200に弛みが生じることを防止できる。
【0029】
搬送ベルト207と搬送ローラ202の搬送速度の差が小さすぎると、プラテン402上でのロールシート200の弛みを抑制する効果が弱くなってしまう。一方、搬送ベルト207と搬送ローラ202の搬送速度の差が大きすぎると、ロールシート200の裏面と搬送ベルトの表面との間の摩擦によって、ロールシート200の裏面に擦れた痕跡が残ったり、搬送ベルト207の表面の摩耗が進みやすくなったりする。そのため、搬送ベルト207による搬送速度が搬送ローラ202による搬送速度よりも3~5%程度速くなるようにするのが望ましい。
【0030】
搬送ベルト207の搬送速度は、搬送モータ206の回転数の他に、歯付きプーリの歯数とベルトプーリ501の外径とによって設定される。搬送ローラ202の搬送速度は、搬送モータ206の回転数の他に、歯付きプーリの歯数と搬送ローラ202の外径とによって設定される。本実施形態においては、搬送モータ206を搬送ベルト207と搬送ローラ202とを駆動する共通駆動源とし、歯付きプーリを共通の部品としている。そのため、ベルトプーリ501の外径を搬送ローラ202の外径よりも大きくすることで、搬送速度を調整している。
【0031】
ロールシート200を画像形成装置100にセットするときや、ロールシート200に記録を行うにあたってラベル702の先端を記録開始位置へ移動させるときに、画像形成装置100は、ロールシート200を搬送方向と逆方向へ移動させるバックフィードを行う。バックフィードを行う場合、搬送ベルト207の搬送速度が搬送ローラ202の搬送速度よりも速く設定されていると、ロールシート200に弛みが生じる恐れがある。これは、移動方向の上流側の搬送速度が下流側の搬送速度よりも速くなるためである。本実施形態では、ベルトプーリ501にワンウェイクラッチを内蔵させているため、バックフィードを行う際には、搬送ベルト207による搬送は行われない。そのため、バックフィードを行う場合には、ロールシート200が搬送ローラ202とピンチローラ203によってのみ搬送を行うことで、ロールシート200に弛みが生じることを抑制できる。
【0032】
図8は搬送ユニット201を上方から見た斜視図である。プラテン402には、搬送方向(矢印A)に対して搬送ローラ202よりも下流側、かつ矢印Bで示す記録ヘッド210により記録が行われる領域よりも上流側に、搬送方向に直交する方向に複数の溝703が設けられている。この溝703によってロールシート200に付着している紙粉をトラップする。溝703は、ロールシート200の両端(搬送方向と直交する方向の両端)に向かって搬送方向下流側に広がった形状をしている。このように、溝703の形状を特殊な形状とすることで、ロールシート200の引っ掛かりを防止している。また、溝703の底部の下流側には吸引口704が設けられている。吸引口704は、プラテン402の下部でファン208と連通しており、ファン208を駆動にすることによって溝703でトラップした紙粉を吸引口704から吸引するように構成されている。
【0033】
このように、記録が行われる領域(矢印Bで示す領域)より上流で紙粉をトラップし、トラップした紙粉を吸い取ることで、記録時の画像不良が低減できる。
【0034】
<シートガイドユニット>
図9から
図17を用いてシートガイド403について説明する。
【0035】
シートガイド403は、ロールシート200の幅方向の位置を規制する規制部材である。シートガイド403は、ロールシート200の幅方向における両端部を規制する2つの規制部材(第1ガイド404および第2ガイド405)で構成されており(
図9)、搬送テーブル406に支持されている。第1ガイド404はガイド壁404aとレール部404bから成り、第2ガイド405もガイド壁405aとレール部405bから成る(
図10)。レール部404b及び405bは、搬送テーブル406の搬送面406aの裏面406bに設けられた溝406c及び406dに沿って案内され、シートの幅に合わせてスライド移動が可能となっている(
図11)。また、搬送テーブル406には、ガイド壁404aとレール部404bのつなぎ部を逃がすようにレール部404bの移動量に相当する開口部406eと、ガイド壁405aとレール部405bのつなぎ部を逃がすようにレール部405bの移動量に相当する開口部406fが設けられている(
図9)。
【0036】
第1ガイド404及び第2ガイド405には共通のラック407が取り付けられており、中央に配置したピニオンギア408とのラックアンドピニオンによって、片方のガイドを幅方向に移動させると、他方のガイドが連動して逆方向に同じ距離だけ移動するように構成されている(
図12)。これにより、異なる幅のロールシート200に記録する場合であっても、ロールシート200の幅方向における中心は常に同じ位置となる。
【0037】
第1ガイド404にはボス404cが形成され、これをラック407の穴407aに差し込むことで第1ガイド404とラック407がお互いに係合される。ボス404cと穴407aとの係合は、搬送方向に隙間があり、ガイドが広がる方向または縮む方向は拘束されている。2つのラックバネ409がラック407をピニオンギア408側へ付勢してバックラッシによる第1ガイド404のガタを解消し、第1ガイド404の動作の遊びをなくすように働いているが、この付勢力が邪魔されないように上述の隙間を設けている(
図13)。同じように、第2ガイド405もボス405cをラック407の穴407aに差し込むことで第2ガイド405とラック407がお互いに係合される。第1ガイド404同様、ボス405cと穴407aとの係合は、搬送方向に隙間を設けている。ただし、第2ガイド405の幅方向に関しては、ガイドが縮む方向は拘束されているが、広がる方向には隙間があり遊びがでるように設定されている(
図14)。この遊びは次のように作用する。第2ガイド405には把手410があり(
図9)、ユーザはここに手をかけて、セットされたロールシート200の幅に合わせてシートガイド403の幅を縮める。シートガイド403の幅を縮める際に、第2ガイド405の幅方向の隙間は詰まっており、その後把手410から手を離すと第2ガイド405のみ隙間分広がることができる。このため、環境変化でロールシート200の幅が広がっても問題なく搬送ができる。
【0038】
第1ガイド404のガイド壁404aには、検知部としてのセンサフラグ420が回転自在に支持されており、ねじりコイルバネ421によってシート側へ付勢されるように取り付けられている。また、センサフラグ420には突起部420aが設けられており、ガイド壁404aからシート側へ飛び出している。この突起部420aをロールシート200の側端が押すと、センサフラグ420が回転し、遮光部420bがフォトインタラプタ422から外れるので、搬送テーブル406にロールシート200がセットされ、第1ガイド404と第2ガイド405との幅がシートの幅と一致していることを検知できる(
図15(a)、(b))。
【0039】
突起部420aは、第1ガイド404のガイド壁404aのヒサシ部404dより高い位置から、シートを受ける搬送テーブル406の搬送面406aより低い位置まで延長されているので、ロールシート200の側端に確実に当たるようになっている(
図16、
図17)。
【0040】
また、突起部420aは、ガイド壁404aとレール部404bのつなぎ部の近くに設置され、第1ガイド404が幅方向に移動する際に搬送面406aの開口部406eを通れるように配置されている。これにより、搬送面406aに別の開口部を設ける必要がなくなり、シートが引っ掛かるといった搬送不良が防げる。
【0041】
センサフラグ420は、搬送テーブル406にロールシート200がセットされていないことを検知できるので、ロールシート200の後端が通過したことも検知できる。ロールシート200の終端は巻き芯に粘着テープ等で張り付けられている場合が多いが、センサフラグ420によってロールシート200の後端が検知できることで、ロールシート200の搬送を停止させ、粘着テープが搬送ローラ202や搬送ベルト207に接触することを防止できる。
【0042】
シートガイド403によって規制されるシート幅の中心は、搬送ベルト207の幅方向の中心と一致している。そのため、異なる幅のロールシート200が画像形成装置にセットされた場合でも、搬送ベルト207はロールシート200の幅方向の中心部分に接触して搬送することができ、安定した搬送が可能である。
【0043】
<変形例>
本実施形態では、搬送ユニット201において1本の搬送ベルト207を架け渡す構成としたが、複数本のベルトを架け渡す構成としても良い。その場合、シートガイド403で規制するシート幅の中央を中心線として、シート幅方向で線対称となるように複数のベルトを配置するのが望ましい。このように配置することによって、ロールシート200を搬送する方向が幅方向にずれにくくなる。また、搬送ベルト207の配置はプラテン中央付近に限定されるものではなく、搬送するロールシートのどちらかの側端部付近に設けても良い。また、本実施形態では、開口部を有する搬送ベルト207を用いて、ファン208による吸引でロールシート200を搬送ベルトに吸い付けながら搬送しているが、開口部のない搬送ベルトを用いて、プラテンの開口のみで吸引する形態を用いてもよい。また、ファンによる吸引を行わずに、拍車を用いてロールシート200がプラテン402から浮き上がるのを抑制する構成としても良い。また、搬送ベルト207と搬送ローラ202をそれぞれ別のモータで駆動する構成としても良い。
【0044】
以上、説明したように、本発明によれば、一つの検知部で記録媒体の側端部と後端部を検知することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
201 搬送ユニット(搬送手段)
209 メディアセンサ
210 記録ヘッド
401 バネ
402 プラテン
403 シートガイド(規制部材)
404 第1ガイド
405 第2ガイド
406 搬送テーブル
407 ラック
408 ピニオンギア
409 ラックバネ
410 把手
420 センサフラグ(検知部)
421 ねじりコイルバネ
422 フォトインタラプタ
501 ベルトプーリ
502 従動コロ
503 ベルト駆動軸
504 搬送ローラ軸
601 ロータリーエンコーダ
701 台紙
702 ラベル
703 溝
704 吸引口