IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特開2024-85245検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム
<>
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図1
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図2
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図3
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図4
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図5
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図6
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図7
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図8
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図9
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図10
  • 特開-検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085245
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/332 20190101AFI20240619BHJP
   G06F 40/232 20200101ALI20240619BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240619BHJP
【FI】
G06F16/332
G06F40/232
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199667
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】良知 鷹彦
【テーマコード(参考)】
5B091
5B175
5E555
【Fターム(参考)】
5B091AA03
5B091CC02
5B091EA05
5B175DA09
5B175GA01
5B175GB03
5B175JA02
5E555AA22
5E555AA25
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA07
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB07
5E555BC17
5E555CA12
5E555CA18
5E555CA19
5E555CB33
5E555DB20
5E555DB41
5E555DC13
5E555DC35
5E555DD02
5E555DD07
5E555EA02
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザにとって綴りが間違いやすい単語をユーザに容易に認識させる。
【解決手段】方法は、辞書検索画面Gの検索文字入力エリアAEに検索文字(列)が1文字入力される毎に前方一致検索された候補見出し語を見出し語一覧エリアWLに一覧表示させ、前方一致検索できない綴りの検索文字が1文字追加されたとき、入力中の検索文字(列)、曖昧検索ガイドMX及び[曖昧検索]ボタンBXを識別表示(R)させる。曖昧検索結果の候補見出し語を曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させ、任意の候補見出し語が決定されると、決定された見出し語にユーザが綴りを間違いやすい単語であることを特定する「注意単語」情報を付加して検索履歴として記憶させる。「注意単語」情報が付加された見出し語(単語)の説明情報画面G2を表示させる場合「注意単語」情報([綴り注意]マークatm、綴り誤り入力回数atn)を付加して表示させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として辞書データから検索する前方一致検索を実行し、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し、
特定した前記注意文字列を対象とする所定処理を実行する制御部を備える検索装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記前方一致検索として、入力済みの前記検索文字列を構成する全ての文字が文字列の前方部分で一致する文字列を前記候補文字列として前記辞書データから検索し、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に含まれる一部の文字を置き換えた場合に一致する文字列を前記辞書データから検索する曖昧検索を実行し、
前記曖昧検索により検索された文字列を前記注意文字列として特定する、
請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記曖昧検索により検索された文字列を表示部に表示させ、
前記表示部に表示させた文字列の中からユーザ操作に応じて選択された文字列を前記注意文字列として特定する、
請求項2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記曖昧検索により検索されて前記表示部に表示させた文字列に対し、前記入力された検索文字列に基づくスペルチェックを実行し、
前記表示部に表示させた文字列の綴りのうち前記検索文字列と差のある文字を識別して表示させる、
請求項3に記載の検索装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記前方一致する候補文字列が検索されなくなった場合には、それまでに入力された検索文字列に誤った文字が含まれる旨を通知する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記所定処理として、特定した前記注意文字列に対応させて、注意すべき文字列であることを示す情報を表示部に表示させる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記所定処理として、特定した前記注意文字列を前記ユーザに学習させる処理を実行する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項8】
前記制御部は、
特定した前記注意文字列を、注意すべき文字列であることを示す情報と対応付けて記憶する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項9】
前記辞書データは、見出し語と、前記見出し語に対応する単語の意味を記憶し、
前記制御部は、
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される 毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補見出し語として前記辞書データから検索する前記前方一致検索を実行し、
前記前方一致検索により検索される前記候補見出し語がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが綴りを間違えやすい前記辞書データの見出し語を注意単語として特定し、
特定した前記注意単語を対象とする所定処理を実行する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記検索文字列に誤った文字が含まれる旨を通知した後のユーザ操作に応じて、それまでに入力された検索文字列に基づいて前記辞書データの曖昧検索を実行し、
前記曖昧検索により検索された見出し語を前記ユーザが綴りを間違えやすい注意単語として特定する、
請求項9に記載の検索装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記辞書データから検索した見出し語の説明情報を表示部に表示させ、
前記表示部に表示させた説明情報に対応する見出し語が前記注意単語として特定されている場合には、前記表示部に前記注意単語であることを示す情報を表示させる、
請求項9に記載の検索装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記辞書データから検索した見出し語の検索履歴を表示部に表示させ、
前記表示部に表示させた検索履歴の見出し語が前記注意単語として特定されている場合には、前記検索履歴の見出し語に対応付けて前記注意単語であることを示す情報を表示させる、
請求項9に記載の検索装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記曖昧検索により検索された見出し語を表示部に一覧表示させ、
前記表示部に一覧表示させた見出し語の中からユーザ操作に応じて選択された見出し語を前記ユーザが綴りを間違えやすい注意単語として特定し、
前記注意単語として特定した見出し語に対応付けて前記曖昧検索の基として入力された前記検索文字列を記憶部に記憶させ、
ユーザ操作に応じて新たに入力された検索文字列に基づいて前記辞書データの曖昧検索を実行した場合に、前記新たに入力された検索文字列が前記注意単語として特定した見出し語に対応付けて前記記憶部に記憶させた検索文字列と同じ場合には、前記注意単語として特定した見出し語を、前記新たに入力された検索文字列に基づき曖昧検索された見出し語として前記表示部に優先表示させる、
請求項10に記載の検索装置。
【請求項14】
前記注意単語であることを示す情報は、注意単語であることを示すマーク、注意単語として特定された回数、前記検索文字列の入力履歴、の少なくとも一つを含む、
請求項11に記載の検索装置。
【請求項15】
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として検索する前方一致検索を検索装置に実行させ、
前記検索装置により前記前方一致検索で検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し、
特定した前記注意文字列を対象とする学習処理を実行する、
制御部を備える学習支援装置。
【請求項16】
検索装置の制御部により、
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として辞書データから検索する前方一致検索を実行し、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し、
特定した前記注意文字列を対象とする所定処理を実行する、ようにした検索方法。
【請求項17】
検索装置の制御部を、
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として辞書データから検索する前方一致検索を実行し、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し、
特定した前記注意文字列を対象とする所定処理を実行する、ように機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、辞書の見出し語(単語)を検索するための検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、辞書の見出し語(単語)を検索するのに、ユーザが検索対象とする検索文字を1文字入力する毎に、前方一致検索を行って、完全一致する候補単語を絞り込んで行き、完全一致する候補単語の数が所定未満になった場合に、ユーザが入力した検索文字列に基づく曖昧検索を実行する文章入力装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-318492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、検索文字を1文字入力する毎に前方一致検索を行い、前方が完全一致する見出し語(単語)が無くなった場合、すなわち見出し語の綴りには無い検索文字が入力された場合に、それまで入力された検索文字列に基づく曖昧検索を実行する。
【0005】
これによれば、検索文字列を入力する過程において、ユーザが誤った綴りを入力しても、曖昧検索によってユーザが調べたい単語を含む可能性のある候補単語を検索して確認できる。
【0006】
しかしながら、例えば、ユーザにとって単語の綴りを誤って覚えてしまっている場合に、単に曖昧検索によってユーザが調べたい単語が検索できてしまうと、ユーザはその単語の綴りを誤って覚えたままになってしまう恐れがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、辞書検索した文字列がユーザにとって間違いやすい文字列である場合に、その文字列に関して必要な処理(例えば、綴りが間違っていることをユーザに認識させたり、その文字列をユーザに学習させたりする処理など)を容易に実行させることが可能になる検索装置、学習支援装置、検索方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る検索装置は、
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として辞書データから検索する前方一致検索を実行し、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し、
特定した前記注意文字列を対象とする所定処理を実行する、制御部を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、辞書検索した文字列がユーザにとって間違いやすい文字列である場合に、その文字列に関して必要な処理(例えば、綴りが間違っていることをユーザに認識させたり、その文字列をユーザに学習させたりする処理など)を容易に実行させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の検索装置、検索方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す図。
図2】電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図。
図3】電子辞書10の検索履歴データ記憶領域22dに記憶される検索履歴データ(22d)の内容を示す図。
図4】電子辞書10の辞書制御プログラム22aに従った辞書検索処理を示すフローチャートである。
図5】電子辞書10の辞書検索処理に含まれる曖昧検索処理に伴う曖昧検索された候補見出し語の優先表示設定処理を示すフローチャート。
図6】電子辞書10の辞書検索処理に従った表示動作(その1)を示す図。
図7】電子辞書10の辞書検索処理に従った表示動作(その2)を示す図。
図8】検索履歴に「注意単語」情報が付加された見出し語に対応する説明情報画面G2の他の表示形態を示す図。
図9】検索履歴データ記憶領域22dに記憶されている英和辞典(22b)の検索履歴データを[履歴]キー14gの操作に応じて検索履歴一覧画面G3としてタッチパネル式表示部17に表示させた状態を示す図。
図10】辞書検索画面Gの見出し語一覧エリアWLに対する表示モードの切り替えに応じた表示動作を示す図。
図11】綴りを誤った検索文字列に基づき[曖昧検索]を実行した場合の曖昧検索結果の他の表示形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の検索装置、検索方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す図である。
【0013】
電子辞書10(検索装置)は、以下に説明する専用の電子辞書として構成されるか、辞書検索機能を備えたタブレット型のPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成される。なお、辞書検索機能は、インターネットなどの通信ネットワークに通信接続して単語以外の流行語などを検索可能な機能を含んでよい。
【0014】
電子辞書10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、[ホーム]キー14a、機能指定キー14b、文字入力キー14c、[決定]キー14d、[戻る]キー14e、カーソルキー14f、[履歴]キー14g、[シフト]キー14h、などを含むキー入力部(キーボード)14、音声出力部15、および音声入力部16が設けられる。
【0015】
また、蓋体ケース12の表面には、タッチパネル式表示部(ディスプレイ)17が設けられる。タッチパネル式表示部17は、ユーザがタッチペンPや指などでタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、バックライト付きのカラー液晶表示画面に透明タッチパネルを重ねて構成される。
【0016】
なお、タッチペンPは、矢印xに示すように、本体ケース11に対し、その右側面に設けた開口部から挿入されて収容される。
【0017】
キー入力部14の機能指定キー14bは、各キーに表記されている辞書コンテンツ([大百科事典][百科事典]など)、辞書コンテンツのカテゴリ([国語][古語][漢和][英和]など)、[コンテンツ一覧]、ツールの一つのカテゴリ[学習帳]を、それぞれ直接指定するためのキーである。
【0018】
キー入力部14の[履歴]キー14gは、過去に辞書コンテンツから検索された見出し語の一覧を、辞書のカテゴリ別の検索履歴一覧画面G3(図9参照)としてタッチパネル式表示部17に表示させるキーである。
【0019】
また、キー入力部14のキーは、[シフト]キー14hが操作された後に続けて操作されることで、そのキートップに枠囲み無しで記載されたキー機能ではなく、枠囲みして記載されたキーとして機能できるようになっている。
【0020】
実施形態の電子辞書10は、少なくとも以下の機能(a)~(g)を有する。
(a)辞書の見出し語(単語)(文字列)を検索する辞書検索画面Gにおいて(図1(A)参照)、検索文字入力エリアAEに対し、ユーザが調べたい単語の綴りを検索文字列として1文字入力する毎に、入力された検索文字列に前方からの綴りが完全に一致する(入力された検索文字列の全ての文字および文字の順番が単語の前方部分で完全に一致する)見出し語を候補見出し語として検索する前方一致検索を行い、検索された候補見出し語の一覧を見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる機能。
(b)入力された検索文字列に完全に前方一致する候補見出し語が検索されなくなった場合に(図1(B)参照)、入力された検索文字列を赤色(R)で識別表示させ、誤った綴りが入力されたことをユーザに通知すると共に、入力された検索文字列に基づく曖昧検索の実行をユーザに推奨する曖昧検索ガイドMXおよびその実行を指示するための[曖昧検索]ボタンBXを赤色(R)で識別表示させる機能。
(c)曖昧検索を実行し、曖昧検索された候補見出し語の一覧を曖昧検索結果画面G1(図7(B)参照)の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる曖昧検索機能。
【0021】
曖昧検索は、例えば、入力された検索文字列に含まれる複数の文字の順番を保ったままで、入力された検索文字列に含まれる一部の文字(1文字ないし3文字程度が望ましい)を置き換えた場合に辞書データから一致する見出し語を検索する。前方一致検索のように入力された検索文字列に含まれる全ての文字が完全に一致する必要は無い。また、一部の文字を置き換える場合に、必要に応じて該当文字を削除したり複数文字で置き換えるようにしてもよい。
(d)曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに一覧表示された候補見出し語において、検索文字列と綴りが異なる文字を差分として識別表示(差分識別表示)hdさせるスペルチェック機能。
(e)曖昧検索結果画面G1に一覧表示された候補見出し語からユーザが知りたかった見出し語(単語)が選択された場合に、選択された見出し語(単語)を検索履歴として記憶させると共に(図3参照)、記憶された見出し語(単語)に対応付けて、ユーザにとって綴りを間違いやすい単語であることを特定する「注意単語」(注意文字列)情報を付加して記憶させる機能。
【0022】
「注意単語」情報は、「注意単語」であることを示すフラグ、検索文字列の綴りの誤りにより同じ単語が曖昧検索されて選択された回数(綴り誤り入力回数)、誤った綴りで入力された検索文字列の履歴(綴り誤り入力履歴)を含む。
(f)「注意単語」情報が付加された見出し語(単語)の説明情報画面G2(図7(C)参照)を表示させる場合に、「注意単語」であることを示す情報(例えば、[綴り注意]マークatm、綴り誤り入力回数atn)を付加して表示させる機能。
(g)検索履歴として「注意単語」情報が付加された見出し語(単語)を、他の単語よりも優先的にユーザに学習させる機能(例えば、ユーザに単語に関するテスト問題を出題する場合に、注意単語を解答させる問題または注意単語を問題文に含む問題を、他の単語よりも優先的に出題するようにする機能など)。
【0023】
図2は、電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0024】
電子辞書10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:Central Processing Unit)21を備える。
【0025】
制御部21は、フラッシュROMなどの記憶部(ストレージ)22に予め記憶された辞書制御プログラム22a、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶された辞書制御プログラム22a、あるいは通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶された辞書制御プログラム22a、に従って回路各部の動作を制御する。
【0026】
制御部21には、データ及び制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、キー入力部14、音声出力部15、音声入力部16、タッチパネル式表示部17、を接続する。
【0027】
記憶部22は、辞書制御プログラム22aを記憶するプログラム記憶領域のほか、辞書データ記憶領域22b、検索文字データ記憶領域22c、検索履歴データ記憶領域22d、曖昧検索結果データ記憶領域22e、作業データ記憶領域22fなどを備える。
【0028】
辞書制御プログラム22aは、電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の電子機器と通信接続するためのプログラム、辞書データ記憶領域22bに記憶されている各種の辞書データに基づいて見出し語の検索を行なうためのプログラム、辞書検索された見出し語(見出し語一覧エリアWLから選択された見出し語)についての検索履歴を検索履歴データ記憶領域22dに記憶させるためのプログラムのほか、前述した機能(a)~(g)を実行するためのプログラムなども含む。
【0029】
辞書データ記憶領域22bは、例えば、国語1事典、国語2事典、英和1辞典、英和2事典、和英辞典などの各種の辞書データ(辞書コンテンツ)を記憶する。辞書データには、辞書の言語種の読みに応じた順番(英語系ではアルファベット順/日本語系では50音順)で見出し語が集録され、見出し語にはその訳語、語義、例文などの説明情報が対応付けられて集録される。
【0030】
検索文字データ記憶領域22cは、例えば辞書検索画面Gの検索文字入力エリアAEに入力された辞書検索の対象となる検索文字(列)を記憶する。
【0031】
図3は、電子辞書10の検索履歴データ記憶領域22dに記憶される検索履歴データ(22d)の内容を示す図である。
【0032】
検索履歴データ記憶領域22dは、辞書検索された見出し語(見出し語一覧エリアWLから選択された見出し語)を辞書の種類別(例えば辞書名:英和1、英和2など)に記憶する。なお、辞書検索された見出し語が、曖昧検索を経て検索された見出し語である場合、当該見出し語には、ユーザにとって綴りを間違いやすい単語であることを特定する「注意単語」情報(「注意単語」であることを示すフラグ、検索文字列の綴りの誤りにより同じ単語が曖昧検索されて選択された回数(綴り誤り入力回数)、誤った綴りで入力された検索文字列の履歴(綴り誤り入力履歴)を含む)を付加して記憶する。
【0033】
綴り誤り入力履歴として記憶される誤った綴りで入力された検索文字列には、辞書検索たれた見出し語と綴りが異なる文字に綴り誤り情報eが付加されて記憶される。
【0034】
曖昧検索結果データ記憶領域22eは、検索文字(列)に基づいて曖昧検索された結果の見出し語を記憶する。
【0035】
作業データ記憶領域22fは、制御部21による辞書制御プログラム22aに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部21により取得あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時記憶(保持)される。
【0036】
このように構成された電子辞書10は、制御部21が辞書制御プログラム22aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0037】
(実施形態の動作)
次に、実施形態に係る電子辞書10(検索装置)の動作について説明する。
【0038】
<辞書検索処理>
図4は、電子辞書10の辞書制御プログラム22aに従った辞書検索処理を示すフローチャートである。
【0039】
図5は、電子辞書10の辞書検索処理に含まれる曖昧検索処理に伴う曖昧検索された候補見出し語の優先表示設定処理を示すフローチャートである。
【0040】
図6は、電子辞書10の辞書検索処理に従った表示動作(その1)を示す図である。
【0041】
図7は、電子辞書10の辞書検索処理に従った表示動作(その2)を示す図である。
【0042】
ユーザ操作に応じて、例えば図6(A)に示すように、タッチパネル式表示部17に表示させた英和辞典(22b)の辞書検索画面Gにおいて、検索文字入力エリアAEに検索対象の検索文字(列)が1文字ずつ入力されると(ステップS1)、制御部21は、検索文字が1文字入力される毎に、辞書データ記憶領域22bに記憶されている英和辞典の辞書データの中から、検索文字入力エリアAEに入力された検索文字(列)に対応する候補見出し語を前方一致検索処理により検索する(ステップS2)。
【0043】
検索文字(列)に完全に前方一致する候補見出し語が検索されると(ステップS3(Yes))、制御部21は、検索された候補見出し語を辞書検索画面Gの見出し語一覧エリアWLに一覧にして表示させる(ステップS4)。
【0044】
図6(A)では、ユーザが英単語の“discover”あるいは“discovery”を調べたい場合に、検索文字入力エリアAEに間違った綴りで検索文字を入力している状態であって、検索文字が1文字ずつ入力される毎に、入力された検索文字(列)“d”→“di”→“dis”→“disc”→“disca”に、その都度前方一致する候補見出し語が検索され、5文字目が入力された検索文字列“disca”に前方一致する2つの候補見出し語“discard”“discarded”が絞り込まれて一覧表示された状態を示している(ステップS1~S5)。
【0045】
見出し語一覧エリアWLにおいて、任意の候補見出し語をカーソルCrにより選択すると、制御部21は、選択された候補見出し語に対応する説明情報を検索対象の辞書データから読み出し、プレビューエリアPVに表示させる。
【0046】
ここで、見出し語一覧エリアWLに一覧表示された候補見出し語の中からユーザ所望の候補見出し語がカーソルCrにより選択され[決定]キー14dが操作された場合には(ステップS5(Yes))、制御部21は、決定された見出し語を検索履歴データ記憶領域22dに記憶させて登録し(ステップS6)、当該見出し語に対応する説明情報画面G2(図7(C)参照)を表示部17に表示させる(ステップS7)。
【0047】
説明情報画面G2に表示させた見出し語の検索履歴(22d)に「注意単語」情報が対応付けられて記憶されている場合には(図3参照)(ステップS8(Yes))、制御部21は、当該「注意単語」情報に従って、説明情報画面G2に表示させた見出し語(単語)が、ユーザにとって綴りを間違えやすい「注意単語」であることを通知する赤色(R)の[綴り注意]マークatmと綴り誤り入力回数atnとを付加して表示させる(ステップS9)。
【0048】
一方、図6(A)で示したように、辞書検索画面Gの検索文字入力エリアAEに検索文字列“disca”が入力された状態で(ステップS1~S5)、続いて、図6(B)に示すように、6文字目の検索文字“v”が入力されると(ステップS5(No)→S1)、制御部21は、検索文字列“discav”に対応する候補見出し語を前方一致検索処理により検索する(ステップS2)。
【0049】
この場合、制御部21は、検索文字列“discav”に完全に前方一致する候補見出し語は英和辞典(22b)に無いと判定し、該当する候補見出し語が無い旨をユーザに通知する候補見出し語無しメッセージmを見出し語一覧エリアWLに表示させる(ステップS3(No))。
【0050】
すると、制御部21は、検索文字入力エリアAEに入力されている検索文字列“discav”と検索文字入力エリアAEの右端に設けられている[曖昧検索]ボタンBXとを赤色(R)で識別表示させ、ユーザに対し綴りの入力誤りを通知すると共に(ステップS10)、ユーザに対し曖昧検索の実行を推奨する曖昧検索ガイドMX(例えば「入力と一致する見出しがありません」「綴りを最後まで入力して[曖昧検索]を実施してください」)を赤色(R)で識別表示させる(ステップS11)。
【0051】
ここで、検索文字入力エリアAEに入力されている検索文字列がユーザ操作に応じて訂正された場合には(ステップS12(Yes))、制御部21は、訂正された検索文字列に基づいて改めて前方一致検索処理を実行する(ステップS2)。
【0052】
一方、検索文字列の訂正は行われず(ステップS12(No))、図7(A)に示すように、ユーザにより検索文字列の綴りが誤りを含んだまま最後まで入力され(ここでは“discavary”)、[曖昧検索]ボタンBXがタッチ操作され[曖昧検索]の実行が指示されると(ステップS13(Yes))、制御部21は、例えば、入力された検索文字列“discavary”に含まれる1文字ないし3文字を置き換えた場合に辞書データ(22b)から一致する見出し語を検索する曖昧検索処理を実行する(ステップS14)。
【0053】
制御部21は、図7(B)に示すように、曖昧検索結果画面G1をタッチパネル式表示部17に表示させ、曖昧検索により検索された候補見出し語(ここでは“discover”…“discoverer”)を見出し語一覧エリアWLに表示させる(ステップS15)。
【0054】
この際、制御部21は、検索された候補見出し語に基づいて、ユーザが入力した検索文字列“discavary”に対するスペルチェックを実行し、候補見出し語の綴りの中で検索文字列と差のある(異なる)文字を識別して表示(差分識別表示)hdさせる(ステップS16)。
【0055】
これにより、ユーザは、曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに表示された候補見出し語について、ユーザが入力した検索文字との綴りの差(誤り、間違い)を確認できる。
【0056】
ここで、見出し語一覧エリアWLに一覧表示された候補見出し語の中からユーザ所望の候補見出し語(ここでは“discover”)がカーソルCrにより選択され[決定]キー14dが操作されると(ステップS17(Yes))、制御部21は、図3に示すように、決定された見出し語“discover”を検索履歴データ記憶領域22dに記憶させて登録すると共に、当該検索履歴の見出し語“discover”に「注意単語」情報(「注意単語」フラグ/綴り誤り入力回数“2”/綴り誤り入力履歴“disc[a]v[a]r[y]”(5文字目“a”と7文字目“a”と9文字目“y”に対する綴り誤り情報eを含む))を付加して記憶させる(ステップS18)。
【0057】
制御部21は、図7(C)に示すように、決定された見出し語“discover”に対応する説明情報画面G2をタッチパネル式表示部17に表示させると共に、検索履歴(22d)に登録した「注意単語」情報に従って、ユーザにとって綴りを間違えやすい「注意単語」であることを通知する赤色(R)の[綴り注意]マークatmと綴り誤り入力回数atn(ここでは“2”)とを付加して表示させる(ステップS19)。
【0058】
なお、検索履歴データ記憶領域22dに登録される検索履歴は、同じ見出し語が2回以上検索された場合は上書きされて登録される。
【0059】
図3に示す検索履歴(22d)の見出し語“discover”の場合、過去に2回、同一の綴りの誤りを含む検索文字列“disc[a]v[a]r[y]”を入力し曖昧検索処理を経て見出し語“discover”を検索した場合を示している。
【0060】
また、図3に示す検索履歴(22d)の見出し語“mistake”の場合、過去に2回、検索文字列を誤って入力した誤り入力履歴のうち、1回目は“mist[e][i]k[ ]”、2回目は“mis[s]take”、と誤って入力して見出し語“mistake”を検索した場合を示している。
【0061】
「注意単語」情報の綴り誤り回数は、検索文字列の綴りを誤って辞書検索する都度、インクリメントされて記憶される。
【0062】
なお、図7(A)~図7(C)で示したように、曖昧検索処理を経て、曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLから任意の候補見出し語(単語)を選択して決定し、説明情報画面G2を表示させた状態で(ステップS19)、例えば、見出し語一覧エリアWLからの候補見出し語の選択をユーザが間違えてしまった場合、ユーザは[戻る]キー14eを押下して候補見出し語の選択直しを指示する(ステップS20(Yes))。
【0063】
制御部21は、図7(B)で示したように、曖昧検索結果画面G1をタッチパネル式表示部17に再度表示させ、見出し語一覧エリアWLからの候補見出し語の選択をユーザに促す(ステップS15,S16)。
【0064】
ここで、見出し語一覧エリアWLに一覧表示された候補見出し語の中から改めてユーザ所望の候補見出し語がカーソルCrにより選択され[決定]キー14dが操作されると(ステップS17(Yes))、制御部21は、例えば[戻る]キー14eのキー入力履歴と表示画面の遷移に基づき、候補見出し語の選択直しであると判定する(ステップS21(Yes))。
【0065】
制御部21は、曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLから前回選択された見出し語に対応する「注意単語」情報を、検索履歴データ記憶エリア22dから削除する(ステップS22)。
【0066】
この際、前回選択された見出し語の削除対象となる検索履歴の「注意単語」情報に含まれる綴り誤り入力回数が1回である場合は、「注意単語」情報の全てが削除され、2回以上である場合は、綴り誤り入力回数がデクリメントされると共に、該当する綴り誤り入力履歴が削除される。
【0067】
制御部21は、曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLから改めて選択、決定された見出し語の検索履歴を、検索履歴データ記憶領域22dに記憶させて登録すると共に、当該検索履歴の見出し語に「注意単語」情報(「注意単語」フラグ/綴り誤り入力回数/綴り誤り入力履歴)を付加して記憶させる(ステップS18)。
【0068】
制御部21は、決定された見出し語に対応する説明情報画面G2をタッチパネル式表示部17に表示させると共に、検索履歴(22d)に登録した「注意単語」情報に従って、赤色(R)の[綴り注意]マークatmと綴り誤り入力回数atnとを付加して表示させる(ステップS19)。
【0069】
これにより、ユーザは、検索文字列の綴りを誤って入力し所望の見出し語(単語)を辞書検索して調べる都度、その単語はユーザにとって綴りが間違いやすい単語であることと、過去に何回綴りを誤って入力したのかと、を容易に確認できるようになり、正確な綴りを習得することに効果的に役立てることができる。
【0070】
なお、図3で示したように、検索履歴データ記憶領域22dの検索履歴として、「注意単語」情報が付加された見出し語“discover”が登録されている状態で、辞書検索画面Gに正しい綴りの検索文字列(AE)が入力されて前方一致検索が実行されることで、見出し語一覧エリアWLから選択、決定された見出し語“discover”に対応する説明情報画面G2が図7(C)に示すようにタッチパネル式表示部17に表示された場合でも(ステップS1~S7)、制御部21は、見出し語“discover”の検索履歴(22d)に対応付けられた「注意単語」情報に従って、説明情報画面G2に赤色(R)の[綴り注意]マークatmと綴り誤り入力回数atn(ここでは“2”)とを付加して表示させる(ステップS8,S9)。
【0071】
これにより、ユーザは、検索文字列の綴りを誤りなく入力して所望の見出し語を辞書検索した場合でも、過去に検索文字列の綴りを誤って入力し当該所望の見出し語(単語)を辞書検索している場合には、その単語はユーザにとって綴りが間違いやすい単語であることと、過去に何回綴りを誤って入力したのかと、を常に確認できるようになり、正確な綴りを確実に習得するのに効果的に役立てることができる。
【0072】
<曖昧検索処理に伴う候補見出し語の優先表示設定処理(図5)>
検索文字列(AE)の綴りが誤って入力されることに基づいて曖昧検索処理が実行された場合(ステップS1~S3(No)→S10~S14)、制御部21は、検索履歴(22d)の各見出し語に対応付けられた「注意単語」情報の中に、今回の曖昧検索処理の基となった誤った綴りの検索文字列(AE)と同じ綴りの綴り誤り入力履歴があるか否かを判定する(ステップS14a)。
【0073】
今回の曖昧検索処理の基となった誤った綴りの検索文字列(AE)と同じ綴りの綴り誤り入力履歴(例えば“discavary”)があると判定された場合(ステップS14a(Yes))、制御部21は、該当する「注意単語」情報が付加された見出し語(ここでは“discover”)を、ステップS14での曖昧検索処理により検索される曖昧検索結果の候補見出し語の中で優先して表示すべき優先表示の見出し語に設定する(ステップS14b)。
【0074】
制御部21は、ステップS15において曖昧検索結果の候補見出し語を曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる際に、ステップS14bにて優先表示の見出し語に設定された候補見出し語(ここでは“discover”)を、例えば図7(B)に示すように先頭にして一覧表示させる。
【0075】
これにより、ユーザは、過去に誤った綴りの検索文字列を入力して曖昧検索を経て調べた見出し語(単語)と同じ単語を、再び同じ綴りの誤りを含む検索文字列を入力して曖昧検索を実行した場合、所望の見出し語(単語)を見出し語一覧エリアWLに優先表示された候補見出し語から簡単に見つけ出し、その説明情報画面G2を表示させることができる。
【0076】
<説明情報画面G2の他の表示形態>
図8は、検索履歴に「注意単語」情報が付加された見出し語に対応する説明情報画面G2の他の表示形態を示す図である。
【0077】
例えば、図4で示した辞書検索処理のステップS8,S9またはステップS18,S19に従い、検索履歴(22d)に「注意単語」情報が付加された見出し語に対応する説明情報画面G2を表示させる場合、図7(C)で示したように、「注意単語」情報に基づく赤色(R)の[綴り注意]マークatmと綴り誤り入力回数atnとを表示させるのに加えて、例えば図8に示すように(ここでは検索履歴の見出し語が“mistake”の場合(図3参照))、過去の綴り誤り情報eを含む検索文字列の綴り誤り入力履歴を、正しい見出し語の綴りと対比させた綴り誤り入力履歴ウインドウMWとして表示させてよい。
【0078】
この際、綴り誤り入力履歴ウインドウMWの綴り誤り入力履歴は、綴り誤り情報eに従って過去に綴りを誤った文字を識別して表示(綴り誤り識別表示)heさせる。
【0079】
これにより、ユーザは、辞書検索した単語(ここでは“mistake”)がユーザにとって綴りが間違いやすい単語であることと、過去に何回綴りを誤って入力したのかと、を容易に確認できるだけでなく、具体的にどのように綴りを誤ったのかも明確に確認できるようになる。
【0080】
<検索履歴の一覧表示>
図9は、検索履歴データ記憶領域22dに記憶されている英和辞典(22b)の検索履歴データを[履歴]キー14gの操作に応じて検索履歴一覧画面G3としてタッチパネル式表示部17に表示させた状態を示す図である。
【0081】
例えば、英和辞典(22b)を対象として辞書検索を行っている過程において、[履歴]キー14gが操作されると、制御部21は、検索履歴データ記憶領域22d(図3参照)に記憶されている英和辞典(22b)の検索履歴データに基づいて、図9に示すように、検索履歴の見出し語を検索履歴一覧画面G3の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる。
【0082】
この際、制御部21は、検索履歴データ(22d)において「注意単語」情報が付加されている見出し語に対応付けて、赤色(R)の[綴り注意]マークatmと綴り誤り入力回数atnとを表示させる。
【0083】
これにより、ユーザは、過去に辞書検索した見出し語(単語)の一覧を確認するのと併せて、そのうち、ユーザにとって綴りを間違いやすい「注意単語」情報が付加されている見出し語(単語)を過去の綴り誤り入力回数atnも含めて一括して確認できるようになる。
【0084】
検索履歴一覧画面G3の見出し語一覧エリアWLにおいて、任意の見出し語をカーソルCrにより選択すると、制御部21は、選択された見出し語に対応する説明情報を検索対象の辞書データ(22b)から読み出し、プレビューエリアPVに表示させる。
【0085】
<辞書検索画面Gの見出し語一覧エリアWLに対する表示モードの切り替え>
図10は、辞書検索画面Gの見出し語一覧エリアWLに対する表示モードの切り替えに応じた表示動作を示す図である。
【0086】
実施形態の電子辞書10は、検索文字入力エリアAEに入力された検索文字(列)に基づいて前方一致検索した候補見出し語を見出し語一覧エリアWLに一覧表示させるための表示モードとして、[絞り込み]モードと[全表示]モードとの2つの表示モードを有する。
【0087】
[絞り込み]モードと[全表示]モードとは、例えば、検索文字入力エリアAEの右端に設けた[絞り込み]ボタンBSまたは[全表示]ボタンBAをタッチ操作することにより切り替えられる。
【0088】
図10(A)に示すように、[絞り込み]モードに切り替えられた(設定された)場合、制御部21は、検索文字入力エリアAEに入力された検索文字(列)に基づいて、検索文字(列)の綴りに完全に前方一致する見出し語のみを辞書データ(22b)から検索して読み出し、候補見出し語として見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる。検索文字(列)を1文字追加して入力したときに、その検索文字列に完全に前方一致する見出し語が検索されなくなった場合、制御部21は、前述した図1(B)、図6(B)および図7(A)で示したように、見出し語一覧エリアWLに候補見出し語無しメッセージmを表示させる。
【0089】
これにより、ユーザは、自身が入力している検索文字(列)に完全に前方一致する綴りを有する候補見出し語のみを確認できると共に、辞書データ(22b)に含まれない見出し語の綴りを検索文字(列)に追加して入力したその時点で、見出し語(単語)の綴りとして誤った文字を入力したことに容易に気付くことができる。
【0090】
図10(B)に示すように、[全表示]モードに切り替えられた(設定された)場合、制御部21は、検索文字入力エリアAEに入力された検索文字(列)に基づいて、辞書データ(22b)から、検索文字(列)の綴りに完全に前方一致する見出し語を検索すると共に、検索した見出し語の前後にその言語種の読みに応じた順番で集録されている見出し語も併せて読み出し、前方一致した見出し語を先頭にした候補見出し語の一覧として見出し語一覧エリアWLに表示させる。検索文字(列)を1文字追加して入力したときに、その検索文字列に完全に前方一致する見出し語が検索されなくなった場合、制御部21は、前方一致する見出し語が検索されていた最新の候補見出し語の一覧を見出し語一覧エリアWLに表示させた状態を保持する。
【0091】
[全表示]モードでは、見出し語一覧エリアWLのカーソルCrを上下に移動させると、その時点で一覧表示されている候補見出し語の前後に続いて辞書データ(22b)に集録されている見出し語も対象としてスクロールされて表示される。
【0092】
これにより、ユーザは、自身が入力した検索文字(列)に前方一致する候補見出し語の中から所望の見出し語が見つからない場合でも、見出し語一覧エリアWLに一覧表示されている他の候補見出し語の中から、入力した検索文字(列)の綴りに近い綴りを有する所望の見出し語を見つけられる可能性がある。
【0093】
<曖昧検索結果の他の表示形態>
図11は、綴りを誤った検索文字列に基づき[曖昧検索]を実行した場合の曖昧検索結果の他の表示形態を示す図である。
【0094】
前述した曖昧検索処理に基づく候補見出し語の一覧表示処理(ステップS13~S15)では、図7(A)(B)に示したように、辞書検索画面Gの検索文字入力エリアAEに入力された検索文字列に基づく曖昧検索結果の候補見出し語を、辞書検索画面Gから遷移した曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる構成とした。
【0095】
これに限らず、図11に示すように、辞書検索画面Gの検索文字入力エリアAEに入力された検索文字列に基づく曖昧検索結果の候補見出し語を、当該辞書検索画面Gの下端に沿って開いた曖昧検索結果ウインドウXWに一覧表示させる構成としてもよい。
【0096】
これにより、ユーザは、検索文字入力エリアAEに入力した検索文字列の綴りと対比しつつ、曖昧検索結果ウインドウXWに一覧表示された候補見出し語を確認して、綴りの誤りを認識できるようになる。
【0097】
(実施形態のまとめ)
実施形態の電子辞書10(検索装置)によれば、辞書検索画面Gの検索文字入力エリアAEに検索文字(列)が1文字入力される毎に、前方一致検索された候補見出し語を見出し語一覧エリアWLに一覧表示させ、検索文字(列)に前方一致検索できない綴りの検索文字が1文字追加されたときに、入力中の検索文字(列)を赤色(R)で識別表示させると共に、曖昧検索の実行を推奨する曖昧検索ガイドMXおよび曖昧検索の実行を指示する[曖昧検索]ボタンBXを赤色(R)で識別表示させる。曖昧検索を実行すると、曖昧検索結果の候補見出し語を曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させ、ユーザ任意の候補見出し語が選択、決定されると、決定された見出し語を検索履歴として検索履歴データ記憶領域22dに記憶させると共に、当該見出し語に対応付けて、ユーザにとって綴りを間違いやすい単語であることを特定する「注意単語」情報を付加して記憶させる。その後、検索履歴に「注意単語」情報が付加された見出し語(単語)の説明情報画面G2を表示させる場合、「注意単語」であることを示す情報([綴り注意]マークatm、綴り誤り入力回数atn、綴り誤り入力履歴ウインドウMW)を付加して表示させる。
【0098】
ユーザは、検索文字(列)に前方一致検索できない綴りの検索文字を1文字追加したときに、誤った綴りの検索文字を入力したことを直ちに認識できる。
【0099】
ユーザは、過去に検索文字列の綴りを誤って辞書検索した見出し語(単語)を、その後の辞書検索により検索して説明情報画面G2に表示させる都度、その単語がユーザにとって綴りを間違いやすい単語であることを容易に確認できると共に、過去に何回綴りを誤って入力したのか、更には具体的にどのように綴りを誤ったのか、を併せて確認できる。
【0100】
また、実施形態の電子辞書10(検索装置)によれば、曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWL(あるいは辞書検索画面Gの曖昧検索結果ウインドウXW)に一覧表示させる候補見出し語は、入力された検索文字列に対するスペルチェックを実行し、候補見出し語の綴りの中で検索文字列と差のある(異なる)文字を識別して表示(差分識別表示)hdさせる。
【0101】
ユーザは、曖昧検索結果の候補見出し語について、ユーザが入力した検索文字との綴りの差(誤り、間違い)を具体的に確認できる。
【0102】
また、実施形態の電子辞書10(検索装置)によれば、[履歴]キー14gの操作に応じて、検索履歴データ記憶領域22dに記憶されている検索履歴の見出し語を検索履歴一覧画面G3にして表示させる場合、「注意単語」情報が付加されている見出し語に対応付けて、「注意単語」であることを示す情報([綴り注意]マークatm、綴り誤り入力回数atn)を付加して表示させる。
【0103】
ユーザは、過去に辞書検索した見出し語(単語)の一覧を確認するのと併せて、そのうち、ユーザにとって綴りを間違いやすい「注意単語」情報が付加されている見出し語(単語)を一括して確認できる。
【0104】
また、実施形態の電子辞書10(検索装置)によれば、曖昧検索処理において、検索履歴データ(22d)の各見出し語に対応付けられた「注意単語」情報の中に、今回の曖昧検索処理の基となった誤った綴りの検索文字列(AE)と同じ綴りの綴り誤り入力履歴がある場合、該当する「注意単語」情報が付加された見出し語を、曖昧検索結果の候補見出し語の中で優先して表示すべき優先表示の見出し語に設定する。そして、曖昧検索結果の候補見出し語を曖昧検索結果画面G1の見出し語一覧エリアWLに一覧表示させる際に、優先表示の見出し語に設定された候補見出し語を先頭にして一覧表示させる。
【0105】
ユーザは、過去に誤った綴りの検索文字列を入力して曖昧検索を経て調べた見出し語(単語)と同じ単語を、再び同じ綴りの誤りを含む検索文字列を入力して曖昧検索を実行した場合、所望の見出し語(単語)を見出し語一覧エリアWLに優先表示された候補見出し語から簡単に見つけ出してその説明情報画面G2を表示させることができる。
【0106】
よって、実施形態の電子辞書10(検索装置)によれば、辞書検索した単語がユーザにとって綴りが間違いやすい単語であることをユーザに容易に認識させることが可能になる。
【0107】
前記実施形態の電子辞書10(検索装置)が有する辞書検索機能などは、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここでは辞書サーバ)30にWebアプリとして持たせることで、当該辞書サーバ30に通信接続可能なタブレット端末(PDA)などの電子機器を入出力端末としてユーザが操作し、前記実施形態と同様に動作させることができる。
【0108】
以上の実施形態において記載した電子辞書10(検索装置)による各処理の手法、すなわち、図4図5のフローチャートに示す辞書検索処理などを含む各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0109】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0110】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0111】
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲の主要な請求項について、実施形態での対応個所(符号、段落番号など)および効果について記載する。
【0112】
[請求項1]
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として辞書データから検索する前方一致検索を実行し(ステップS1~S5/G,AE,WL)、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し(ステップS10~S18)、
特定した前記注意文字列を対象とする所定処理を実行する(ステップS9,S19/atm,atn,MW)制御部(21)を備える検索装置。
【0113】
辞書検索した文字列がユーザにとって間違いやすい文字列である場合に、ユーザは、その間違いやすい文字列を容易に認識したり学習したりすることができる。
【0114】
[請求項2]
前記制御部(21)は、
前記前方一致検索として、入力済みの前記検索文字列を構成する全ての文字が文字列の前方部分で一致する文字列を前記候補文字列として前記辞書データから検索し(ステップS1~S5/G,AE,WL)、
前記前方一致検索により検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に含まれる一部の文字を置き換えた場合に一致する文字列を前記辞書データから検索する曖昧検索を実行し(ステップS10~S15)、
前記曖昧検索により検索された文字列を前記注意文字列として特定する(ステップS17,S18)、
請求項1に記載の検索装置。
【0115】
ユーザは、辞書検索により候補文字列がなくなったときに直ぐに曖昧検索による文字列を得ることができると共に、間違いやすい文字列を容易に認識したり学習したりすることができる。
【0116】
[請求項3]
前記制御部(21)は、
前記曖昧検索により検索された文字列を表示部(17)に表示させ(ステップS15/WL)、
前記表示部(17)に表示させた文字列の中からユーザ操作に応じて選択された文字列を前記注意文字列として特定する(ステップS17,S18/Cr)、
請求項2に記載の検索装置。
【0117】
曖昧検索された文字列の中からユーザが選択した文字列をユーザが間違いやすい注意文字列として特定することができる。
【0118】
[請求項4]
前記制御部(21)は、
前記曖昧検索により検索されて前記表示部に表示させた文字列に対し、前記入力された検索文字列に基づくスペルチェックを実行し(ステップS16)、
前記表示部に表示させた文字列の綴りのうち前記検索文字列と差のある文字を識別して表示させる(WL,hd)、
請求項3に記載の検索装置。
【0119】
ユーザは、自身が入力した検索文字列と曖昧検索された文字列との綴りの差を直ぐに確認できその間違いを認識することができる。
【0120】
[請求項5]
前記制御部(21)は、
前記前方一致する候補文字列が検索されなくなった場合には、それまでに入力された検索文字列に誤った文字が含まれる旨を通知する(ステップS3→S10/(R),MX(R),BX(R))、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【0121】
ユーザは、辞書検索による候補文字列が検索されなくなったときに、直ぐに自身が入力した検索文字列の綴りの間違いを認識することができる。
【0122】
[請求項6]
前記制御部(21)は、
前記所定処理として、特定した前記注意文字列に対応させて、注意すべき文字列であることを示す情報を表示部(17)に表示させる(ステップS9,S10/atm,atn,MW)、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【0123】
ユーザは、辞書検索に伴い自身が綴りを間違いやすい文字列をその場で明確に確認することができる。
【0124】
[請求項7]
前記制御部(21)は、
前記所定処理として、特定した前記注意文字列を前記ユーザに学習させる処理を実行する(ステップS9/G3,WL,atm,atn/段落[0022])、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【0125】
ユーザは、綴りを間違えやすい文字列を自身が認識することなく学習することができる。
【0126】
[請求項8]
前記制御部(21)は、
特定した前記注意文字列を、注意すべき文字列であることを示す情報と対応付けて記憶する(22d)、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【0127】
検索装置は、ユーザが間違いやすい注意文字列を記憶して、ユーザに対する注意文字列の通知や学習などに効果的に利用することができる。
【0128】
[請求項9]
前記辞書データは、見出し語と、前記見出し語に対応する単語の意味を記憶し(22b/段落[0029])、
前記制御部(21)は、
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される 毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補見出し語として前記辞書データから検索する前記前方一致検索を実行し(ステップS1~S5/G,AE,WL)、
前記前方一致検索により検索される前記候補見出し語がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが綴りを間違えやすい前記辞書データの見出し語を注意単語として特定し(ステップS10~S18)、
特定した前記注意単語を対象とする所定処理を実行する(ステップS9,S19/atm,atn,MW)、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検索装置。
【0129】
[請求項10]
前記制御部(21)は、
前記検索文字列に誤った文字が含まれる旨を通知した後のユーザ操作に応じて、それまでに入力された検索文字列に基づいて前記辞書データの曖昧検索を実行し(ステップS10~S15)、
前記曖昧検索により検索された見出し語を前記ユーザが綴りを間違えやすい注意単語として特定する(ステップS17,S18/Cr)、
請求項9に記載の検索装置。
【0130】
[請求項11]
前記制御部(21)は、
前記辞書データから検索した見出し語の説明情報を表示部(17)に表示させ(ステップS7/G2)、
前記表示部に表示させた説明情報に対応する見出し語が前記注意単語として特定されている場合には、前記表示部に前記注意単語であることを示す情報を表示させる(ステップS8→S9/atm)、
請求項9に記載の検索装置。
【0131】
[請求項12]
前記制御部(21)は、
前記辞書データから検索した見出し語の検索履歴を表示部(17)に表示させ(G3/段落[0080])、
前記表示部に表示させた検索履歴の見出し語が前記注意単語として特定されている場合には、前記検索履歴の見出し語に対応付けて前記注意単語であることを示す情報を表示させる(WL,atm/段落[0081~0083])、
請求項9に記載の検索装置。
【0132】
[請求項13]
前記制御部(21)は、
前記曖昧検索により検索された見出し語を表示部に一覧表示させ(ステップS15/G1,WL)、
前記表示部に一覧表示させた見出し語の中からユーザ操作に応じて選択された見出し語を前記ユーザが綴りを間違えやすい注意単語として特定し(ステップS17,S18/Cr)、
前記注意単語として特定した見出し語に対応付けて前記曖昧検索の基として入力された前記検索文字列を記憶部に記憶させ(ステップS18/22d)、
ユーザ操作に応じて新たに入力された検索文字列に基づいて前記辞書データの曖昧検索を実行した場合に、前記新たに入力された検索文字列が前記注意単語として特定した見出し語に対応付けて前記記憶部に記憶させた検索文字列と同じ場合には、前記注意単語として特定した見出し語を、前記新たに入力された検索文字列に基づき曖昧検索された見出し語として前記表示部に優先表示させる(ステップS14a,S14b,S15/段落[0073~0075])、
請求項10に記載の検索装置。
【0133】
[請求項14]
前記注意単語であることを示す情報は、注意単語であることを示すマーク(atm)、注意単語として特定された回数(atn)、前記検索文字列の入力履歴(MW)、の少なくとも一つを含む、
請求項11に記載の検索装置。
【0134】
[請求項15]
辞書検索の対象となる検索文字列を構成する各文字がユーザ操作に応じて入力される毎に、入力済みの前記検索文字列と前方一致する文字列を候補文字列として検索する前方一致検索を検索装置に実行させ(ステップS1~S5/G,AE,WL)、
前記検索装置により前記前方一致検索で検索される前記候補文字列がなくなった場合には、入力済みの前記検索文字列に基づいて、前記ユーザが間違えやすい文字列を注意文字列として特定し(ステップS10~S18)、
特定した前記注意文字列を対象とする学習処理を実行する(ステップS9/G3,WL,atm,atn/段落[0022])、
制御部(21)を備える学習支援装置。
【符号の説明】
【0135】
10 …電子辞書(検索装置)
14 …キー入力部
17 …タッチパネル式表示部
21 …制御部(CPU)
22a…辞書制御プログラム
22b…辞書データ記憶領域
22c…検索文字データ記憶領域
22d…検索履歴データ記憶領域
22e…曖昧検索結果データ記憶領域
G …辞書検索画面
G1 …曖昧検索結果画面
G2 …説明情報画面
G3 …検索履歴一覧画面
AE …検索文字入力エリア
WL …見出し語一覧エリア
BX …[曖昧検索]ボタン
MX …曖昧検索ガイド
(R)…赤色識別表示
m …候補見出し語無しメッセージ
hd …検索文字列との差分識別表示
atm…[綴り注意]マーク
atn…綴り誤り入力回数
e …綴り誤り情報
he …綴り誤り識別表示
BS …[絞り込み]ボタン
BA …[全表示]ボタン
MW …綴り誤り入力履歴ウインドウ
XW …曖昧検索結果ウインドウ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11