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  • 特開-シート体固定ホルダー 図1
  • 特開-シート体固定ホルダー 図2
  • 特開-シート体固定ホルダー 図3
  • 特開-シート体固定ホルダー 図4
  • 特開-シート体固定ホルダー 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085260
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】シート体固定ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/30 20060101AFI20240619BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
A47G19/30 Z
A47G19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199697
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】521075217
【氏名又は名称】阿萬 太
(74)【代理人】
【識別番号】100114498
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100222243
【弁理士】
【氏名又は名称】庄野 友彬
(72)【発明者】
【氏名】阿萬 太
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA11
3B001AA13
3B001AA40
3B001CC17
3B001CC35
3B001CC37
3B001CC40
(57)【要約】
【課題】
キッチンペーパー等のシート状物を紙皿として使用することが可能なシート体固定ホルダーを提供する。
【解決手段】
シート体の隅角部を固定すると共に、前記シート体の縁を起き上がらせた状態で保持するシート体固定ホルダーであって、前記シート体固定ホルダーは、前記シート体の中心部から隅角部に向かって少なくとも3つのアーム部を有し、前記アーム部の先端には、前記シート体を固定・保持する固定機構が設けられており、前記固定機構は、前記シート体の隅角部を上方へ持ち上げて当該隅角部を湾曲させた状態で下方から支持する傾斜支持部と、前記傾斜支持部により支持された前記隅角部に対して上方から当接し、前記傾斜支持部に対して前記シート体を仮固定する固定部と、前記傾斜支持部を挟んで設けられた一対の把持片を起立させて前記シート体の隅角部を前記シート体の裏面から挟み込むホルダー部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体の隅角部を固定すると共に、前記シート体の縁を起き上がらせた状態で保持するシート体固定ホルダーであって、
前記シート体固定ホルダーは、前記シート体の中心部から隅角部に向かって少なくとも3つのアーム部を有し、
前記アーム部の先端には、前記シート体を固定・保持する固定機構が設けられており、
前記固定機構は、
前記シート体の隅角部を上方へ持ち上げて当該隅角部を湾曲させた状態で下方から支持する傾斜支持部と、
前記傾斜支持部により支持された前記隅角部に対して上方から当接し、前記傾斜支持部に対して前記シート体を仮固定する固定部と、
前記傾斜支持部を挟んで設けられた一対の把持片を起立させて前記シート体の隅角部を前記シート体の裏面から挟み込むホルダー部と、
を備えることを特徴とするシート体固定ホルダー。
【請求項2】
前記固定部は、前記傾斜支持部に対して線接触する固定辺を有していることを特徴とする請求項1記載のシート体固定ホルダー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、布等のシート体を皿形状にすることができるシート体固定ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
屋内又は屋外で食事をする際には、再利用可能な陶器製等の皿代わりとして紙皿が用いられる場合がある。紙皿は、使用後に廃棄することができ、食器洗い等の手間がないというメリットがある一方で、再利用不可能であることから経済的・環境的なデメリットがある。このような観点から、料理時に用いるキッチンペーパー等を紙皿の代わりとして使用可能とする考案が存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3232463号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この考案は、シート体固定ホルダーであり、シート体の中心部から隅角部に向けた3つのアーム部と当該アーム部の先端に設けられた固定機構とを備えている。当該シート体固定ホルダーは、前記固定機構を操作することでシート体の隅角部を変形させることができ、前記シート体の縁を起き上がらせた状態で保持することができる。これにより、キッチンペーパー等のシート体を紙皿として代用することができる。
【0005】
近年、新型コロナウイルス等の感染症の影響により、人との接触を避けたキャンプ、登山等のアウトドアレジャーが流行している。これにより、キャンプ用、登山用等のアウトドア商品の開発・販売が急速になされている。アウトドア商品は簡易組立、軽量、使い捨て等の利便性に重きを置いた商品コンセプトとされることが多い。そのため、キャンプ等で用いられる紙皿の代わりとしてキッチンペーパーを皿状に形成するシート体固定ホルダー等の需要増加が想定される。なお、一般家庭においても、経済面、環境面、又は衛生面から紙皿の代用品としてキッチンペーパーが利用できるアイテムの需要は多いと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キッチンペーパー等のシート状物を紙皿として使用することが可能なシート体固定ホルダーを提供することにある。
【0007】
すなわち、本発明は、シート体の隅角部を固定すると共に、前記シート体の縁を起き上がらせた状態で保持するシート体固定ホルダーであって、前記シート体固定ホルダーは、前記シート体の中心部から隅角部に向かって少なくとも3つのアーム部を有し、前記アーム部の先端には、前記シート体を固定・保持する固定機構が設けられており、前記固定機構は、前記シート体の隅角部を上方へ持ち上げて当該隅角部を湾曲させた状態で下方から支持する傾斜支持部と、前記傾斜支持部により支持された前記隅角部に対して上方から当接し、前記傾斜支持部に対して前記シート体を仮固定する固定部と、前記傾斜支持部を挟んで設けられた一対の把持片を起立させて前記シート体の隅角部を前記シート体の裏面から挟み込むホルダー部と、を備えることを特徴とするシート体固定ホルダー。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシート体固定ホルダーよれば、傾斜支持部によりシート体の隅角部を上方へ持ち上げた状態で前記ホルダー部が前記シート体の裏面から前記隅角部を挟み込むことができる。そのため、前記シート体固定ホルダーは、前記ホルダー部による前記シート体の縁の持ち上げを促進させると共に前記シート体に対して負担なく前記シート体を皿形状とすることができる。したがって、前記シート体固定ホルダーは、前記固定機構の固定部及びホルダー部の操作により、容易かつ綺麗に前記シート体を皿形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかるシート体固定ホルダーの平面図である。
図2】本発明の一実施形態にかかるシート体固定ホルダー側面図である。
図3】本発明の一実施形態にかかるシート体固定ホルダーの固定機構の拡大図である。
図4】シート体の隅角部を一対の把持片により挟み込んだ際のシート体固定ホルダーを示す図である。
図5】シート体を皿形状にした際のシート体固定ホルダーの平面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を用いて本発明のシート体固定ホルダーを詳細に説明する。
【0011】
図1は、シート体固定ホルダー100の平面図である。シート体110は説明の便宜上、透過した状態で示している。シート体固定ホルダー100は、キッチンペーパー、クッキングペーパー、ハンカチ等のシート体110の隅角部を固定すると共に前記シート体110の縁を起き上がらせた状態で保持することができる。これにより、シート体固定ホルダー100は、シート体110を皿形状にすることができ、屋内又は屋外における食事の際に用いる紙皿をシート体110で代用することができる。なお、シート体110としては、列挙したものに限定されず、シート状のものであれば適宜変更可能である。
【0012】
前記シート体固定ホルダー100は、前記シート体110の中心部から前記シート体110の隅角部111に向かって4つのアーム部120を有している。各アーム部120の一端は結合部130によって前記シート体110の中心部に集約されている。そのため、前記アーム部120は前記シート体110の中心部から放射状に配置されている。結合部130は各アーム部120の一端を支持する支持部131を有している。図2に示すように、支持部131は前記アーム部120の一端に設けられた孔(図示せず)にピン132を貫入することでアーム部120を支持している。これにより、アーム部120は当該ピン132を軸として回動可能であり、図2の紙面上下方向に対して起立することができる。また、支持部131は前記シート体110の中心部を軸として、水平方向に回動可能な構成としてもよい。これにより、支持部131により支持されたアーム部120は隣合うアーム部120に対して前記中心部を軸として回動することができ、隣合うアーム部120との間隔を変更することができる。なお、本実施形態のシート体固定ホルダー100は、4つのアーム部120を有しているが、これに限定するものではなく、少なくとも3つのアーム部120を有していればよい。また、アーム部120は伸縮可能なものとしてもよい。
【0013】
アーム部120の他端(以下、アーム部120の先端ともいう。)には前記シート体110を固定・保持する固定機構140が設けられている。前記固定機構140は前記シート体110の隅角部111に重ねて配置される。固定機構140は、傾斜支持部150と、固定部160と、ホルダー部170と、を備えている。
【0014】
図2の側面図及び図3の拡大図に示すように、傾斜支持部150は前記アーム部120の先端方向に対して上向き傾斜している。これにより、前記シート体固定ホルダー100に対してシート体110を配置した際に、前記傾斜支持部150は前記シート体110の隅角部111を上方へ持ち上げて当該隅角部111を湾曲させた状態で下方から支持することができる。
【0015】
固定部160は屈曲したアーム状に形成されている。固定部160はピン161を介して前記傾斜支持部150に係合されている。固定部160はピン161を軸として鉛直方向に回動することができ、前記シート体110の中心部に向けて回動させると傾斜支持部150に当接する。前記固定部160と前記傾斜支持部150はマグネット等により吸着することができる。これにより、固定部160は、前記傾斜支持部150により支持された前記隅角部111に対して上方から当接し、前記傾斜支持部150に対して前記シート体110を仮固定することができる。前記シート体110の隅角部111は前記固定部160のアーム先端との点接触で仮固定されている。この仮固定状態において前記シート体110は総ての隅角部111が仮固定され、前記シート体固定ホルダー100上から動かない状態となっている。なお、本実施形態の固定部160はアーム状に形成されているが、これに限定するものではなく、プレート状に形成されていても良い。固定部160がプレート状に形成されている場合、前記固定部160は前記傾斜支持部150と線接触する固定辺(図示せず)を有している。この場合、前記シート体110の隅角部111は前記固定辺との線接触により仮固定されている。
【0016】
ホルダー部170は一対の把持片171を有している。一対の把持片171は前記傾斜支持部150を挟んで設けられている。すなわち、前記傾斜支持部150の両側には把持片171a及び把持片171bが設けられている。一対の把持片171は蝶番を介して前記傾斜支持部150に設けられている。そのため、一対の把持片171は前記傾斜支持部150を軸として開閉可能である。図1図2及び図3に示す一対の把持片171は各把持片を上方に向けて開放した開状態である一方、図4に示す一対の把持片171は各把持片171を上方に起立させた閉状態である。各把持片171は前記把持片171に設けられたマグネット等により閉状態を維持することができる。一対の把持片171は、前記閉状態において前記固定部160に当接し、当該固定部160を挟み込むことができる。前記仮固定状態から前記一対の把持片171を閉状態に変化させると、前記固定部160に仮固定されたシート体110の隅角部111を前記シート体110の裏面から挟み込むことができる。この際、前記シート体110の隅角部111は前記一対の把持片171によって畳み込まれ、前記一対の把持片171の間に挟まれている。なお、前記把持片171及び前記固定部160の形状は前記シート体110の厚みに応じて適宜設計変更可能である。
【0017】
次に、前記シート体固定ホルダー100の使用方法について説明する。
【0018】
まず、図1に示すように、前記シート体固定ホルダー100上に前記シート体110を配置する。この際、前記シート体110の隅角部111に前記固定機構140が重なるように前記シート体110を配置する。前記シート体110のサイズ・形状は様々なものが考えられるため、前記アーム部120を伸縮可能な構成とし、かつ、隣合うアーム部120との間隔を調整できるようにするとよい。これにより、使用するシート体110のサイズ・形状等を問わず、様々なシート体110に前記シート体固定ホルダー100を使用することができる。
【0019】
前記シート体固定ホルダー100上に前記シート体110を配置した状態において、前記シート体110は前記傾斜支持部150によって前記シート体110の隅角部111が支持されている。支持された前記隅角部111は前記傾斜支持部150により下方から持ち上げられて湾曲した状態になっている。
【0020】
次に、前記固定部160を前記シート体110の中心部に向かって回動させる。これにより、前記シート体110の隅角部111は前記傾斜支持部150と前記固定部160に挟まれた仮固定状態になる。すなわち、前記シート体110は、前記隅角部111が下方から持ち上げられた状態で仮固定される。
【0021】
前記隅角部111を仮固定した後に、前記ホルダー部170が有する一対の把持片171を開状態(図1及び図2参照)から閉状態(図4及び図5参照)に変化させる。これにより、隅角部111は前記一対の把持片171により裏面から挟み込まれ、前記シート体110の縁が起き上がる。図5の破線は前記一対の把持片171を開状態にした時のシート体110を示している。実線は前記一対の把持片171を閉状態にした時のシート体110の縁を示しており、一点鎖線は前記シート体110の縁を起立させた際の折れ目を示している。図5に示すように、前記閉状態のシート体110は前記開状態のシート体110よりも平面視において小さく、閉状態と開状態におけるシート体110の大きさの差分だけ前記シート体110の縁が起き上がっている。そのため、前記シート体固定ホルダー100は、前記シート体110の縁を起き上がらせた状態で保持することができ、前記シート体110を皿代わりとして使用可能にすることができる。なお、前述したように、前記固定部160がプレート状に形成されている場合、前記一対の把持片171を閉状態にした時に、前記シート体110の隅角部111が前記固定部160の面に沿って折り畳まれるため、前記シート体110により形成される代用皿の仕上がりが綺麗になる。
【0022】
使用後は、一対の把持片171を開状態にし、固定部160による前記隅角部111の仮固定を開放することにより前記シート体110を取り外すことができる。シート体110を取り外した後に、前記結合部130が有する支持部131を軸として各アーム部120を起立させることで前記シート体固定ホルダー100をコンパクトな収納状態とすることができる。
【0023】
以上説明してきたように、本発明のシート体固定ホルダー100によれば、傾斜支持部150により隅角部111を上方へ持ち上げた状態で前記隅角部111を前記シート体110の裏面から挟み込むことができる。そのため、前記シート体固定ホルダー100は、前記ホルダー部170による前記シート体110の縁の持ち上げを促進させると共に前記シート体110に対して負担なく前記シート体110を皿形状とすることができる。したがって、シート体固定ホルダー100は、前記固定機構140の固定部160及びホルダー部170の操作により、容易かつ綺麗に前記シート体110を皿形状とすることができる。
【符号の説明】
【0024】
100…シート体固定ホルダー、110…シート体、120…アーム部、130…結合部、140…固定機構、150…傾斜支持部、160…固定部、170…ホルダー部、171…把持片

図1
図2
図3
図4
図5