(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085262
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】照合装置及び照合方法
(51)【国際特許分類】
B65H 43/00 20060101AFI20240619BHJP
G07D 11/00 20190101ALI20240619BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B65H43/00
G07D11/00
B65H7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199700
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松原 康治
(72)【発明者】
【氏名】国広 亘
(72)【発明者】
【氏名】塚崎 美浩
【テーマコード(参考)】
3E141
3F048
【Fターム(参考)】
3E141AA11
3E141BA15
3E141DA08
3E141FA03
3E141FG13
3E141FJ09
3F048AA00
3F048AA08
3F048AB01
3F048AB03
3F048BA14
3F048BB02
3F048BC01
3F048BC03
3F048BC08
3F048BD01
3F048CC01
3F048DA06
3F048DC12
(57)【要約】
【課題】くじ券の照合の際にジャムが発生した場合であっても、くじ券の照合を正常に復旧し継続する。
【解決手段】くじ券の当せんの照合を実施する照合装置は、読取部によって読み取られたくじ券の券面情報と当せん情報との照合を実施し、券面情報と照合の結果とを含む照合結果情報を記憶部に格納すると共に、照合結果情報に応じた格納部にくじ券を搬送するように搬送路を制御し、券面情報と当せん情報との照合を実施する際に、記憶部に格納済みの照合結果情報に基づいて出力部から照合の異常報知を出力する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
くじ券の当せんの照合を実施する照合装置であって、
前記くじ券の投入口と、
前記くじ券を当せん種別に応じて振り分けて格納する複数の格納部と、
前記投入口から投入された前記くじ券を前記格納部まで搬送する搬送路と、
前記くじ券の当せん情報及び照合結果情報を記憶する記憶部と、
前記投入口から投入された前記くじ券の券面情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記券面情報と前記当せん情報との照合を実施し、前記券面情報と該照合の結果とを含む前記照合結果情報を前記記憶部に格納すると共に、該照合結果情報に応じた前記格納部に前記くじ券を搬送するように前記搬送路を制御する制御部と、
操作者に対して情報を出力する出力部と、を有し、
前記制御部は、
前記券面情報と前記当せん情報との前記照合を実施する際に、前記記憶部に格納済みの前記照合結果情報に基づいて前記出力部から前記照合の異常報知を出力する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照合装置であって、
前記制御部は、連続する1回の処理で照合が実施される前記くじ券に対して同一の処理単位として識別する同一の処理単位情報を付与し、該くじ券の前記照合結果情報に該処理単位情報を付加して前記記憶部に格納する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記券面情報と前記当せん情報との前記照合を実施した際に、
最新の前記照合結果情報と同一の該券面情報を含む古い前記照合結果情報が前記記憶部に格納されていない場合に、最新の前記処理単位情報を、最新の前記照合結果情報に付与して前記記憶部に格納し、
最新の前記照合結果情報と同一の該券面情報を含む古い前記照合結果情報が前記記憶部に既に格納されていない場合には、最新の前記照合結果情報を前記記憶部に格納する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の照合装置であって、
前記投入口から投入され前記搬送路を搬送された前記くじ券が、ある時点で前記搬送路の何れの箇所又は何れの前記格納部に位置するかを特定する位置特定手段、を有することを特徴とする照合装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記位置特定手段によって複数の前記格納部の何れかにも位置しないと特定された前記くじ券が前記照合装置内に滞留していると判定される場合に、搬送異常が発生したとし、前記出力部から前記操作者に対して該搬送異常の報知を出力する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項6】
請求項5に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記搬送異常が発生した際に、前記位置特定手段によって特定された各前記くじ券の位置と共に、各前記位置における前記搬送異常の復旧手順のガイダンスを前記出力部を介して前記操作者に対して出力する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項7】
請求項5に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記搬送異常が発生した際に、前記照合結果情報に基づいて前記格納部から取り出して前記投入口に再投入する前記くじ券を特定し、特定した前記くじ券に関する情報を、前記出力部を介して前記操作者に対して出力する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項8】
請求項1に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記券面情報と前記当せん情報との前記照合を実施する際に、該券面情報を含む前記照合結果情報が前記記憶部に既に格納されている場合に、前記出力部から異常報知を出力する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項9】
請求項3に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記記憶部に格納されている最新の前記処理単位情報に該当する前記照合結果情報に基づいて前記くじ券の等級毎の枚数及び当せん金額を更新して前記出力部から出力する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照合装置であって、
前記制御部は、
前記照合結果情報に基づく前記処理単位情報毎の前記くじ券の等級毎の枚数の合計が、前記投入口から投入された前記くじ券の枚数に至った場合に、該処理単位情報の前記くじ券の前記照合を終了する、ことを特徴とする照合装置。
【請求項11】
くじ券の当せんの照合を実施する照合装置が行う照合方法であって、
前記照合装置は、
前記くじ券の投入口と、
前記くじ券を当せん種別に応じて振り分けて格納する複数の格納部と、
前記投入口から投入された前記くじ券を前記格納部まで搬送する搬送路と、
前記くじ券の当せん情報及び照合結果情報を記憶する記憶部と、
前記投入口から投入された前記くじ券の券面情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記券面情報と前記当せん情報との照合を実施し、前記券面情報と該照合の結果とを含む前記照合結果情報を前記記憶部に格納すると共に、該照合の結果に応じた前記格納部に前記くじ券を搬送するように前記搬送路を制御する制御部と、
操作者に対して情報を出力する出力部と、を有し、
前記制御部が、
前記券面情報と前記当せん情報との前記照合を実施する際に、前記記憶部に格納済みの前記照合結果情報に基づいて前記出力部から前記照合の異常報知を出力する、ことを特徴とする照合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照合装置及び照合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当せんしたくじ券がユーザによってくじ券販売所等の窓口で換金される際、照合装置を用いてくじ券に記載された番号と当せん番号の照合が行われることが一般的である。照合装置に投入されたくじ券は、当せん番号の照合が行われ、照合結果に応じた目的のスタッカまで搬送路を搬送される。くじ券が搬送路を搬送される際に、ジャム(紙詰まり)が発生することがある。
【0003】
くじ券を含む紙葉類のジャムに対応する技術として、特許文献1がある。特許文献1には、「紙葉類が良好に搬送できるようにする搬送方法を提供する。本発明に係る紙葉類搬送方法は、送風管22と、送風管22内へ紙葉類32を送り込む送り込み装置28と、送風管22内に空気流を生じさせる空気流発生装置24とを有する紙葉類搬送装置20を用いて紙葉類32を搬送する方法において、紙葉類32に一時的な変形部32bを形成して送り込み装置28から送風管22内に送り込んで、一時的な変形部32bに作用する風圧によって紙葉類を搬送することを特徴とする。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術では、紙葉類の詰まりが検出された場合、放出禁止信号を出力している。この従来技術をくじ券の照合装置に採用すると、ユーザ毎にくじ券を照合する運用において、ジャムの発生時に照合がストップする。そしてジャムを取り除いたのちに、ジャムとなっていたくじ券を照合装置に再投入するが、このくじ券が既に照合済みのくじ券であるかが不明であるため、照合装置によってジャム発生前後で二重にくじ券が照合され計数されてしまい、くじ券の照合を正常に継続することができない。
【0006】
本発明の目的は上記問題点を解決し、くじ券の照合の際にジャムが発生した場合であっても、くじ券の照合を正常に復旧し継続できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の一態様では、くじ券の当せんの照合を実施する照合装置であって、前記くじ券の投入口と、前記くじ券を当せん種別に応じて振り分けて格納する複数の格納部と、前記投入口から投入された前記くじ券を前記格納部まで搬送する搬送路と、前記くじ券の当せん情報及び照合結果情報を記憶する記憶部と、前記投入口から投入された前記くじ券の券面情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた前記券面情報と前記当せん情報との照合を実施し、前記券面情報と該照合の結果とを含む前記照合結果情報を前記記憶部に格納すると共に、該照合結果情報に応じた前記格納部に前記くじ券を搬送するように前記搬送路を制御する制御部と、操作者に対して情報を出力する出力部と、を有し、前記制御部は、前記券面情報と前記当せん情報との前記照合を実施する際に、前記記憶部に格納済みの前記照合結果情報に基づいて前記出力部から前記照合の異常報知を出力する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、くじ券の照合の際にジャムが発生した場合であっても、くじ券の照合を正常に復旧し継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】照合装置における搬送正常時処理を示すフローチャート。
【
図5】くじ券当せん判定処理の詳細を示すフローチャート。
【
図6】くじ券当せん判定結果表示処理の詳細を示すフローチャート。
【
図7】スタッカ到達判定処理の詳細を示すフローチャート。
【
図8】照合装置における搬送異常時処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。以下の実施形態は、図面を含め例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。以下の実施形態を説明するための各図面において同一の符号は同一あるいは類似の機能を備えた構成要素又は処理を示し、後出の説明を省略する。また各実施形態、各実施例、及び各変形例は、本発明の技術思想の範囲内かつ整合する範囲内で一部又は全部を適宜組合せることができる。
【0011】
以下の実施形態において“上”“下”“左”“右”“前”“後”“背”等で表す方向及び位置は相対的なものに過ぎず、また図示により照合装置及びその構成要素の向き、形状、又は大きさが限定されるものではない。また実施形態の説明及び図示における構成要素の数は、一例に過ぎない。
【0012】
以下の実施形態において、同一又は類似の複数の構成要素に同一の符号と異なる枝番号を付与して区別して説明する。また、同一の符号と異なる枝番号を付与した同一又は類似の複数の構成要素を総称する場合には、枝番号を除く同一の符号のみで表記して説明する。
【0013】
以下の実施形態では、紙葉類として券面に一意のくじ番号が記載された宝くじ等のくじ券の当せん照合を行う照合装置を例として説明する。しかしこれに限られず、実施形態は、他の様々な紙葉類にも適用できる。
【0014】
以下の説明では、実施形態で開示する技術と直接関係しない事項の説明を適宜省略する場合がある。また、後出の実施形態では、既出の実施形態と重複する事項の説明を省略し、差分を中心に説明する場合がある。
【0015】
以下の説明では、情報をテーブル形式で説明するが、情報はテーブル形式に限られず、他の形式であってもよい。
【0016】
くじ券の当せんの照合方法として、宝くじ売り場等の店員は、ユーザ(宝くじの購入者)毎にくじ券を受け取り、くじ券をまとめて全て照合装置に投入する。所定の金額以上の換金が発生する高額当せん券は、その場では換金されないため、そのままユーザに返却される。高額当せん券以外の当せん券は、当せん券の当せん金の合計額がユーザに払い出された後に受託銀行に提出される。はずれ券は、ユーザに返却される。この方法では、ユーザ毎に照合装置のスタッカに貯留されたくじ券をすべて取り出すことになり、店員の負担となっていた。
【0017】
そこで本実施形態では、高額当せん券以外は、ユーザの照合毎にスタッカを空にせず、スタッカの許容容量まで貯留し続ける運用とすることで、店員の負担を減らすことが可能となる。また、ジャムが発生した場合は、高額当せん券以外のスタッカでは複数のユーザのくじ券が混ざってしまい、くじ券を照合し直すことができないことを解決するために、次のようにした。すなわち、照合時に現在対応中のユーザのくじ券であることを示す処理単位情報を紐付けることで、スタッカ内の全てのくじ券を再度照合しても、対応中のユーザのもののみを分けて、適切に再照合を行えるようにした。
【0018】
[実施形態]
(照合装置100の外観)
図1は、照合装置100の外観を示す斜視図である。照合装置100は、宝くじ売り場や銀行に設置される、くじ券の当せんを照合するための装置である。
【0019】
照合装置100は、筐体101、表示操作部102、投入口103、スタッカ104A(スタッカA),104B(スタッカB),104C(スタッカC),104D(スタッカD)を備える。
【0020】
表示操作部102は、出力部の一例であり、タッチパネル式を備えたディスプレイである。表示操作部102は、店員(操作者)によって照合装置100を操作する際に利用される。表示操作部102の表示機能と入力機能を別装置としてもよい。
【0021】
投入口103は、ユーザが換金するために持参してきたくじ券を投入する受け口である。くじ券を大量に持参したユーザに対応するために、複数枚を同時にセットできる。くじ券は、投入口103から照合装置100内に1枚ずつが取り込まれる。
【0022】
スタッカ104は、格納部の一例であり、照合装置100においてくじ券を貯留するための空間を形成する。投入口103から投入され当せんが照合されたくじ券が、照合結果に応じて各スタッカ104に振り分けられる。例えば、スタッカ104Aは「はずれ券用」、スタッカ104Bは「少額当せん券用」、スタッカ104Cは「高額当せん券及びリジェクト券用」、スタッカ104Dは「その他の当せん券用」とすることができる。「リジェクト券」とは、照合装置100において照合が正しくなされずはじかれたくじ券である。「その他の当せん券」とは、当せん金額が複数ある場合に、高額(所定の金額以上)でもなく、少額(通常は最も低い金額)でもない、中間の当せん金額のくじ券である。
【0023】
(照合装置100の構成)
図2は、照合装置100の構成を示すブロック図である。照合装置100は、制御部201と、記憶部202と、画像スキャナ203と、表示操作部102と、投入口103と、スタッカ104,104B,104C,104Dを接続する搬送路204と、センサS-1,SA,SB,SC,SDを備える。センサS-1,SA,SB,SC,SDは、光センサ等である。
【0024】
制御部201は、マイクロプロセッサや、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の書き換え可能な論理デバイスである。制御部201は、表示操作部102、記憶部202、画像スキャナ203、搬送路204、及びセンサS-1,SA,SB,SC,SDを制御する。
【0025】
記憶部202は、くじ券の当せん種別及び当せん番号の情報(以下、「当せん番号情報」という、不図示)を予め記憶する。また、記憶部202は、後述する照合結果テーブル202T(
図3)を格納している。
【0026】
画像スキャナ203は、読取部の一例であり、投入口103からスタッカ104A~104Dの間の搬送路204の近傍に備えられる1次元又は2次元の画像センサである。画像スキャナ203は、制御部201の制御によって、後述の搬送路204-1上を搬送されるくじ券の券面情報を撮影する。
【0027】
制御部201は、画像スキャナ203によって撮影されたくじ券のくじ番号を含む券面情報を文字認識する。そして制御部201は、文字認識結果と、記憶部202に記憶されている当せん番号情報とを照合し、一致及び不一致を判定する。制御部201は、照合結果を照合結果テーブル202Tに記録すると共に、当せん種別(例えば、少額当せん、高額当せん、その他の当せん)に応じて、対応するスタッカ104にくじ券を搬送するように搬送路204の搬送先を切り替える制御を実施する。
【0028】
搬送路204は、制御部201の制御によって、くじ券をその上面及び下面から挟んだローラをモータで駆動し、投入口103から1枚ずつ取り込んだくじ券を移動させる機構である。搬送路204は、搬送路204-1(
図2中の破線)と、搬送路204-1からそれぞれ分岐し、各スタッカ104A,104B,104C,104D(何れも実線)のそれぞれにくじ券を振り分ける搬送路204A,204B,204C,204Dを備える。
【0029】
搬送路204A,204B,204C,204Dは、搬送路204-1からの分岐位置に、制御部201の制御によって制御される方路切り替え装置(不図示)を有する。搬送路204-1を搬送されるくじ券は、制御部201に制御される方路切り替え装置によって、目的のスタッカ104に振り分けられる。
【0030】
センサS-1,SA,SB,SC,SDは、それぞれ投入口103、スタッカ104A,104B,104C,104Dの近傍に備えられる光センサ等である。センサS-1は、投入口103に投入されたくじ券の存在を検知する。センサS-1によってくじ券の通過が検知されれば、投入口103から正常に照合装置100内にくじ券が投入されたと判断できる。
【0031】
センサSBは、搬送路204-1から分岐する搬送路204Aを経由してスタッカ104Aに到達したくじ券を検知する。センサSBは、搬送路204-1から分岐する搬送路204Bを経由してスタッカ104Bに到達したくじ券を検知する。センサSCは、搬送路204-1から分岐する搬送路204Cを経由してスタッカ104Cに到達したくじ券を検知する。センサSDは、搬送路204-1から分岐する搬送路204Dを経由してスタッカ104Dに到達したくじ券を検知する。センサSA~SDによってくじ券の通過が検知されれば、各スタッカ104A~104Dにくじ券が正常に到達しスタックされたと判断できる。
【0032】
なお、画像スキャナ203がCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の2次元センサである場合には、2次元センサの検出方向を投入口103内のくじ券に向けることで、画像スキャナ203をセンサS-1の代用とし、センサS-1を省略できる。
【0033】
(照合結果テーブル202T)
図3は、照合結果テーブル202Tを示す図である。照合結果テーブル202Tは、処理単位310、センサS-1通過時刻302、回号303、組番304、番号305、当せん判定結果306、当せん番号307、及び現在位置308の列を有する。照合結果テーブル202Tのエントリは、くじ券毎に生成される。
【0034】
処理単位310は、照合装置100で当せんの照合を連続処理するくじ券の単位であり、照合装置100の運用では、例えばユーザ毎によって持ち込まれ投入口103に投入された一群のくじ券に対して割り当てられる一意の番号である。処理単位310によって、現在の処理対象のユーザのくじ券を識別することができる。
【0035】
例えば、投入口103にあるユーザの4枚のくじ券が一度にセットされ、照合処理が実施される場合、この4枚のくじ券には例えば
図3に示す処理単位301=103のように全て同一の処理単位が付与される。その後、次のユーザ分として1枚のくじ券が照合処理された場合は、この1枚には例えば
図3に示す処理単位301=104が付与される。基本的に、1ユーザ分のくじ券を一度に照合処理を行う運用とすれば、処理単位はユーザ単位と同一となる。処理単位の番号の繰り上げ(インクリメント)は、ユーザ毎の照合処理の開始時に、表示操作部102からの入力操作の受け付けを契機に実施されてもよい。
【0036】
センサS-1通過時刻302は、投入口103にセットされた各くじ券がセンサS-1を通過し検知された例えば1/100秒単位の時刻情報である。
【0037】
回号303、組番304、及び番号305は、くじ券の券面から読み取った情報であり、これらの情報を基にくじ券を一意に特定することができる。
【0038】
当せん判定結果306は、記憶部202が予め備える当せん番号情報と、画像スキャナ203で読み取ったくじ券の回号303、組番304、番号305との照合を行い、当せん(何等の当せん)か、はずれかを判定した結果である。当せん番号情報とは、回号、組番、番号、当せん等級、当せん金額を含む。当せん金額307は、くじ券が当せんした場合の当せん金額である。
【0039】
現在位置308は、センサS-1を通過後の各くじ券の搬送距離が記録される。各くじ券の搬送距離は、センサS-1通過時の時刻と、搬送路204の搬送スピードから算出すればよい。つまり、搬送スピードが一定で既知であれば、センサS-1検知後の経過時間が分かれば、距離が算出できる。
【0040】
また、センサSA~SDを通過したことが検知された場合は、搬送距離ではなく、対応するスタッカ位置(ここでは、A=スタッカ104A、B=スタッカ104B、C=スタッカ104C、D=スタッカ104D)を上書きする。よって、基本的には、くじ券がどのスタッカ104に排出されたかが記録されることになる。
【0041】
また、現在位置308は、何れのスタッカにもくじ券が排出されなかった(くじ券が投入口103から投入後、照合装置100内でジャム(紙詰まり)が発生した)場合は、搬送路204のどこで詰まっているかを推測するのに役立つ。例えば、現在位置308は、センサS-1からの搬送路204-1上の各点までの距離と見なすことができる。よって、センサS-1から搬送路204に沿って現在位置308が示す位置まで移動した到着箇所において、ジャム(紙詰まり)が発生したと推定される。
【0042】
現在位置308の各レコードは、現在位置308にスタッカ104を識別する“A”~“D”の何れかが格納されていれば、各スタッカ104に格納される際にくじ券がセンサSA~SDによって検知されたことになる。また、現在位置308に数値が格納されていれば、くじ券が各スタッカ104に到達するまでの搬送路204の経路上に存在することになる。
【0043】
よって、例えば
図3に示すように、ジャムの発生時に、照合結果テーブル202Tの時系列のエントリは、あるエントリを境にスタッカ104に格納済みのくじ券のエントリと、スタッカ104に未格納のくじ券のエントリとに分かれるとする。スタッカ104に未格納のくじ券のエントリのうちのセンサS-1通過時刻が最も古い所定数Δ枚のエントリについて、該当のくじ券が格納される予定のスタッカ104を判別する。これらのエントリに該当するくじ券は、スタッカ104に格納されたことが検知されていないが、ジャム発生を契機に照合装置100が動作停止した際に、何らかの理由でスタッカ104内に落下した可能性がある。よって、該当のくじ券が格納される予定のスタッカ104から一定数のくじ券を取り出して、照合装置100に再投入して照合を再実施することが望ましい。
【0044】
図3の例では、#10以前のエントリがスタッカ104に収容済みのくじ券のエントリであるのに対し、#11以降のエントリがスタッカ104に未収容のくじ券のエントリである。#11以降のΔ枚(例えば3枚)分のくじ券のエントリについて、#11,#12,#13のくじ券が格納される予定のスタッカ104は何れもスタッカ104Aである。よってスタッカ104Aに格納済みのくじ券をスタックの上から一定数だけ取り出して、照合装置100に再投入して照合を再実施するように、表示操作部102を介して報知する。
【0045】
また例えば#11,#12,#13のくじ券が格納される予定のスタッカ104がスタッカ104A,104B、104Cであった場合には、次のように報知する。すなわち、スタッカ104A,104B、104Cのそれぞれからスタックの上から一定数ずつ取り出して、照合装置100に再投入して照合を再実施するように、表示操作部102を介して報知する。このようにして、制御部201は、
図3の照合結果テーブル202Tの情報を基に、搬送異常から復旧後に投入口103に再投入すべきくじ券を特定する。
【0046】
なお、照合結果テーブル202Tの時系列の途中のエントリがスタッカ104に未格納のくじ券のエントリであり、その前後のエントリがスタッカ104に格納済みのくじ券のエントリを示す場合がある。この場合には、この途中のエントリについて、該当のくじ券が格納される予定のスタッカ104から一定数のくじ券を取り出して、照合装置100に再投入して照合を再実施するように報知する。
【0047】
このように、ジャム発生時に、照合装置100に再投入すべきくじ券を特定して報知することで、再投入されるべきくじ券が再投入されずカウントから漏れることを防止できる。
【0048】
(照合装置100における搬送正常時処理)
図4は、照合装置100における搬送正常時処理S1を示すフローチャートである。搬送正常時処理S1は、くじ券販売所の店員等によるくじ券の当せんの照合処理の開始指示を契機に実行される。
【0049】
先ずステップS11では、制御部201は、表示操作部102を介して、投入口103にセットされたくじ券を処理単位として、くじ券の読み取り開始の指示を受け付ける。次にステップS12では、制御部210は、処理単位のカウンタ変数に1を加算する。
【0050】
次にステップS13では、制御部210は、センサS-1,SA,SB,SC,SDのセンサによる検知情報を取得する。次にステップS14では、制御部210は、ステップS13で取得したセンサS-1の検知情報に基づいて、投入口103にくじ券が存在するかを判定する。制御部210は、投入口103にくじ券が存在すると判定する場合(ステップS14YES)にステップS15に処理を移し、投入口103にくじ券が存在しないと判定する場合(ステップS14NO)にステップS17に処理を移す。
【0051】
ステップS15では、制御部210は、搬送路204-1を制御して投入口103にセットされているくじ券を1枚取り込む。次にステップS16では、制御部210は、ステップS15で取り込んだくじ券の当せん判定処理を実行する。ステップS16のくじ券当せん判定処理の詳細は、
図5を参照して後述する。ステップS16が終了すると、制御部201は、ステップS14に処理を戻す。
【0052】
ステップS17では、制御部201は、ステップS16で当せんを照合判定したくじ券の照合結果を表示操作部102の表示画面に表示する。ステップS17のくじ券当せん判定結果表示処理の詳細は、
図6を参照して後述する。
【0053】
次にステップS18では、制御部201は、搬送路204及び方路切り替え装置(不図示)を制御して、ステップS16のくじ券の当せん種別(はずれ又は等級)に応じて割り当てられた格納先のスタッカ104へ搬送経路を切り替える。
【0054】
次にステップS19では、制御部201は、ステップS13でセンサS-1により検知されたくじ券の現在の位置情報を更新する。くじ券の現在の位置情報は、ステップS13でセンサS-1により検知された検知時刻からの経過時間と搬送路204の搬送速度から特定してもよいし、搬送路204の各所に設けられたくじ券を検知するセンサにより取得してもよい。くじ券の現在の位置を特定する制御部201又はセンサは、位置特定手段の一例である。
【0055】
次にステップS20では、制御部201は、ステップS13でセンサS-1により検知されたくじ券が何れかのスタッカ104に到達したかを判定する。ステップS20のスタッカ到達判定処理の詳細は、
図7を参照して後述する。
【0056】
次にステップS21では、制御部201は、くじ券が照合装置100内に滞留しているかを判定する。くじ券の現在の位置情報を、ステップS13でセンサS-1により検知された検知時刻からの経過時間と搬送路204の搬送速度から推定する方法では、くじ券の位置情報が搬送路204の実距離を超過する場合に、くじ券が滞留していると判定される。
【0057】
また、搬送路204の各所に設けられたセンサによりくじ券の現在の位置情報を取得する方法では、くじ券が何れのスタッカ104にも到達しておらず、何れかのセンサによりくじ券が検知され続ける場合に、くじ券が滞留していると判定される。
【0058】
制御部201は、くじ券が照合装置100内に滞留している場合(ステップS21YES)にステップS25に処理を移し、滞留していない場合(ステップS21NO)にステップS22に処理を移す。
【0059】
ステップS22では、制御部201は、ステップS15を繰り返すことにより投入口103から取り込んだくじ券の取り込み数合計が、何れかのスタッカ104に到達したくじ券数以下の場合(ステップS22YES)にステップS23に処理を移す。一方、制御部201は、くじ券の取り込み数合計が、何れかのスタッカ104に到達したくじ券数より多い場合(ステップS22NO)にステップS13に処理を戻す。ステップS22YESとなるのは、投入口103から取り込まれた全てのくじ券が当せん照合を経て何れかのスタッカ104に無事到達したことを示す。
【0060】
次にステップS23では、制御部201は、搬送と204を停止する。次にステップS24では、制御部201は、異なる処理単位を跨いで所定枚数を取りまとめる特定券種以外をスタッカ104から取り出すように促す照合終了を表示操作部102に表示する。
【0061】
他方、ステップS25では、制御部201は、搬送路204におけるジャムなどの搬送異常と判定し、搬送異常時処理(
図8のS3)を起動する。
【0062】
(くじ券当せん判定処理S16(
図4)の詳細)
図5は、くじ券当せん判定処理S16(
図4)の詳細を示すフローチャートである。
【0063】
先ずステップS16aでは、制御部201は、画像スキャナ203を制御して、搬送路204-1上を搬送されるくじ券の券面画像を読み取る。次にステップS16bでは、制御部201は、記憶部202に格納されている当せん情報(不図示)との照合を行い、くじ券の当せんを判定する。
【0064】
次にステップS16cでは、制御部201は、ステップS16bで当せんと判定されたくじ券のくじ券情報(センサS-1通過時刻、回号、組番、番号、判定結果、当せん金額)と同一のくじ券情報が照合結果テーブル202Tの過去のエントリに存在するかを判定する。
【0065】
次にステップS16dでは、制御部201は、ステップS16cで同一のくじ券情報が照合結果テーブル202Tの過去のエントリに存在しないと判定されたくじ券情報のみを、最新の処理単位を付与して、照合結果テーブル202Tに格納する。ステップS16dでは、制御部201は、ステップS16cで同一のくじ券情報が照合結果テーブル202Tの過去のエントリに存在すると判定されたくじ券情報は、照合結果テーブル202Tに格納しない。
【0066】
同一のくじ券情報が照合結果テーブル202Tの過去のエントリに存在しないと判定されたくじ券情報のみを照合結果テーブル202Tに登録することで、異なる処理単位で同一のくじ券情報を持つエントリが存在する矛盾が生じないようにし、同一のくじ券情報を持つエントリを二重カウントしないようにできる。
【0067】
なお、新たに当せんと判定された全てのくじ券情報をいったん照合結果テーブル202Tに格納し、その後、過去のくじ券情報と重複するものを削除することで、照合結果テーブル202Tに同一のくじ券情報が二重登録されないようにしてもよい。
【0068】
(くじ券判定結果表示処理S17(
図4)の詳細)
図6は、くじ券判定結果表示処理S17(
図4)の詳細を示すフローチャートである。先ずステップS17aでは、制御部201は、現在の処理対象のくじ券がステップS16cで当せんかどうかが判定されたくじ券かを判定する。制御部201は、現在の処理対象のくじ券がステップS16cの当せん判定で当せんと判定されたくじ券である場合(ステップS17aYES)にステップS17bに処理を移す。一方、制御部201は、当せん判定で当せんでないと判定されたくじ券である場合(ステップS17aNO)にくじ券判定結果表示処理S17を終了する。
【0069】
次にステップS17bでは、制御部201は、現在の処理対象のくじ券の処理単位が最新であるかを判定する。すなわち、ステップS17bによって、ステップS17dの処理対象を最新の処理単位のくじ券に限定される。制御部201は、現在の処理対象のくじ券の処理単位が最新である場合(ステップS17bYES)にステップS17cに処理を移し、最新でない場合(ステップS17bNO)にくじ券判定結果表示処理S17を終了する。
【0070】
次にステップS17cでは、制御部201は、現在の処理対象のくじ券がくじ判定結果が未表示のくじ券かを判定する。くじ判定結果が未表示のくじ券とは、搬送異常復旧後に初めて当せんが判定されたくじ券であるか、或いはステップS25の搬送異常検出後に表示操作部102の照合結果表示102D5(
図13)がクリアされたくじ券であるか、の何れかである。制御部201は、現在の処理対象のくじ券がくじ判定結果が未表示のくじ券である場合(ステップS17cYES)にステップS17dに処理を移し、くじ判定結果が未表示のくじ券でない場合(ステップS17cNO)にくじ券判定結果表示処理S17を終了する。
【0071】
このステップS17a,S17b,S17cは、次のような趣旨である。すなわち、ジャム等の搬送異常復旧後に初めて当せんが照合判定されたくじ券は全て照合及び表示すればよく、もし停電等で照合結果表示102D5(
図13)がクリアされている場合は、最新の処理単位であるくじ券を全て再照合及び表示する。
【0072】
次にステップS17dでは、制御部201は、くじ券の当せん判定結果に基づいて、はずれ又は等級毎にくじ券の枚数と当せん金額をカウントアップして表示操作部102の照合結果表示102D5(
図13)を更新する。
【0073】
(スタッカ到達判定処理S20の詳細)
図7は、スタッカ到達判定処理S20の詳細を示すフローチャートである。
【0074】
先ずステップS20aでは、制御部201は、各スタッカ104のセンサSA~SDがくじ券通過を検知したかを判定する。制御部201は、各スタッカ104のセンサSA~SDがくじ券通過を検知した場合(ステップS20aYES)にステップS20bに処理を移し、くじ券通過を検知していない場合(ステップS20aNO)にスタッカ到達判定処理S20を終了する。
【0075】
ステップS20bでは、制御部201は、ステップS20bでくじ券通過を検知されたくじ券の現在位置を検知したセンサに対応するスタッカ104に更新する。
【0076】
(照合装置100における搬送異常時処理S3)
図8は、照合装置100における搬送異常時処理S3を示すフローチャートである。搬送異常時処理S3は、搬送正常時処理S1(
図4)のステップS25で起動される処理である。
【0077】
先ずステップS31では、制御部201は、搬送停止及び搬送異常報知を実行する。制御部201は、搬送路204の搬送機構の動作を停止させ、表示操作部102を介して搬送異常を店員に報知する(
図9参照)。
【0078】
次にステップS32では、制御部201では、照合装置100内のくじ位置及び復旧手順を表示操作部102を介して店員に表示する(
図10、
図11参照)。
【0079】
次にステップS33では、制御部201は、照合装置100内に残ったくじ券を投入口103に再セットし、処理を再開するように、表示操作部102を介して店員に通知する(
図12参照)。そして店員の指示に応じて、照合装置100は、照合処理を再開する。以降のステップS13~S25は、搬送正常時処理S1(
図4)と同様である。
【0080】
(ジャム発生箇所表示102D1)
図9は、ジャム発生箇所表示102D1を示す図である。ステップS31では、制御部201は、
図9に例示するような、ジャムの発生が推定される搬送路204の箇所を「×」等で識別可能に表示するジャム発生箇所表示102D1を、表示操作部102を介して店員に表示する。ジャムの発生が推定される箇所とは、照合結果テーブル202T(
図3)の現在位置308がスタッカ104ではない、搬送路204上の位置情報が該当する。ただし、古いエントリ(センサS-1通過時刻が古い)ほどジャムのために照合装置100内に滞留した可能性が高く、新しいエントリ(センサS-1通過時刻が新しい)ほど他のくじ券のジャムのために照合装置100内に滞留しただけという可能性が高い。よって、ジャムの発生が推定される箇所としては、スタッカ104に未格納のくじ券(現在位置308が搬送路204上の位置情報であるくじ券)のエントリのうち、最も古いエントリから一定数の古いエントリに該当する位置情報を選択して表示してもよい。
【0081】
制御部201は、ジャム発生箇所表示102D1の「×」印がタップされたことを検知すると、
図10に示すように、ジャム除去のガイダンス表示102D2を表示操作部102を介して店員に表示する。
【0082】
(ジャム除去のガイダンス表示102D2,102D3)
図10及び
図11は、ジャム除去のガイダンス表示102D2,102D3を示す図である。制御部201は、ジャム発生箇所表示102D1の「×」印がタップされたことを検知すると、最初にガイダンス表示102D2を表示操作部102を介して店員に表示する。
図10のガイダンス表示102D2の例は、照合装置100の筐体101の開き方を示している。
【0083】
制御部201は、ガイダンス表示102D2に続いてガイダンス表示102D3を表示操作部102を介して店員に表示する。
図11のガイダンス表示102D3の例は、照合装置100の搬送路204におけるジャムの取り除き方を示している。
【0084】
(照合再開のガイダンス表示102D4)
図12は、照合再開のガイダンス表示102D4を示す図である。制御部201は、ガイダンス表示102D3の次にガイダンス表示102D4を表示操作部102を介して店員に表示する。
図12のガイダンス表示102D4の例では、照合装置100のジャムのくじ券と、スタッカ104A,104Cに格納されているくじ券を上から2枚ずつ投入口103に再投入するように指示している。
【0085】
図13は、照合結果表示102D5を示す図である。制御部201は、ステップS17d(
図6)の処理で、お調べ枚数401、はずれ枚数402、当せん枚数403、高額当せん枚数404、当せん金額405を含む照合結果表示102D5を、表示操作部102を介して店員に表示する。
【0086】
お調べ枚数401は、処理対象の最新の処理単位で現在まで照合されたくじ券の枚数である。はずれ枚数402は、処理対象の最新の処理単位で現在まで照合されたくじ券のうちのはずれのくじ券の枚数である。当せん枚数403は、処理対象の最新の処理単位で現在まで照合されたくじ券のうちの当せんしたくじ券の枚数である。高額当せん枚数404は、処理対象の最新の処理単位で現在まで照合されたくじ券のうちの高額当せんしたくじ券の枚数である。当せん金額405は、処理対象の最新の処理単位で現在まで照合されたくじ券のうちの当せん枚数403及び高額当せん枚数404に該当するくじ券の当せん金額の合計である。
【0087】
図6のステップS17a,S17b,S17cで説明した通り、停電等で照合結果表示102D5がクリアされ枚数情報が表示されていない場合は、再度現在のユーザのくじ券を全てカウントし直す(現在のユーザ分以外のくじ券はカウントしない)。一方、ジャム等によりカウントが途中でストップしている場合は、それまでカウントしていた枚数情報はそのままで、再照合時に、ジャム発生以後に照合された分が追加でカウントアップされる。
【0088】
(二重照合報知102D6)
図14は、二重照合報知102D6を示す図である。制御部201は、くじ券当せん判定処理S16(
図5)のステップS16eの判定において、同一のくじ券情報が照合結果テーブル202T(
図3)の過去のエントリに存在する場合に、次のようにしてもよい。すなわち、くじ券の二重照合に該当するため、表示操作部102を介して二重照合報知102D6を店員に表示してもよい。二重照合報知102D6は、過去に当せん照合された履歴が存在するにもかかわらず再度当せん照合されようとしている場合に、例えば二重照合のくじ券の回数、組番、番号、当せん判定結果、当せん金額等を表示するものである。
【0089】
(実施形態の効果)
上述の実施形態では、照合装置100は、くじ券の当せん照合中にジャムが発生した場合、照合結果テーブル202Tに基づいて、投入口103に投入した各くじ券が照合済みか、スタッカ104に格納済み又は搬送路204上を搬送中か、を判定する。そして、判定結果に基づいて、照合装置100に再度セットすべきくじ券とその処理方法が画面表示されることで、画面表示に従って店員が適切にくじ券を処理できる。
【0090】
くじ券は、見た目だけでは未照合か照合済みかを店員が判断できない。また、ジャム除去のために搬送路を手で動かした場合、スタッカ排出口付近に残留したくじ券がスタッカに落ちて枚数のカウントに相違が生じる場合がある。
【0091】
しかし、本実施形態によれば、特定券種のくじ券を処理単位に関係なく特定のスタッカ104に貯留し続け、所定枚数になると取り出す照合装置100の運用において、ジャムが発生しても、照合件数のカウント誤りを防止しながら、照合を復旧できる。
【0092】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上述の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また矛盾しない限りにおいて、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成で置き換えたり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えたりすることも可能である。また各実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換、統合、及び分割をすることが可能である。また実施形態で示した各処理は、処理効率又は実装効率に基づいて適宜分散又は統合してもよい。
【符号の説明】
【0093】
100:照合装置、102:表示操作部、103:投入口、104,104A,104B,104C,104D:スタッカ、201:制御部、記憶部202、203:画像スキャナ、204,204-1,204A,204B,204C,204D:搬送路、S-1,SA,SB,SC,SD:センサ。